生体インピーダンス測定装置
【課題】四端子法によって生体のインピーダンスを正しく求めることができる生体インピーダンス測定装置を提供すること。
【解決手段】第1電極1および第2電極2を介して生体に所定の通電電流を流す通電部31と、生体に通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、第3電極3および第4電極4を介して測定する電圧測定部32とを備える。第3電極3および第4電極4はそれぞれ第3領域13、第4領域内14で複数の部分電極L1,L2,…,L5;R1,R2,…,R5に分割されている。第3領域13内で左足の踵が載せられた左踵位置および第4領域14内で右足の踵が載せられた右踵位置を検出する。検出された左踵位置、右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する。
【解決手段】第1電極1および第2電極2を介して生体に所定の通電電流を流す通電部31と、生体に通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、第3電極3および第4電極4を介して測定する電圧測定部32とを備える。第3電極3および第4電極4はそれぞれ第3領域13、第4領域内14で複数の部分電極L1,L2,…,L5;R1,R2,…,R5に分割されている。第3領域13内で左足の踵が載せられた左踵位置および第4領域14内で右足の踵が載せられた右踵位置を検出する。検出された左踵位置、右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は生体インピーダンス測定装置に関し、より詳しくは、四端子法によって生体のインピーダンスを測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の一般的な生体インピーダンス測定装置としては、図17に示すように、載置板10上に、左足の爪先側901に接触すべき第1電極1、右足の爪先側902に接触すべき第2電極2、左足の踵903に接触すべき第3電極3、および右足の踵904に接触すべき第4電極4を備えたものがある。載置板10上に生体900の左右の足裏が載せられた状態で、図16に示すように、定電流源20によって第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流(交流)Iが流される。そして、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vが、第3電極3および第4電極4を介して電圧計21で測定される(四端子法)。この降下電圧Vを数値換算(通電電流Iで割り算)して得られたインピーダンスを元に算出された体組成値が、図17中に示す表示部22に表示される。
【0003】
ここで、電極への足の載せ方、すなわち足を載せる位置の変化や足の浮き状態などは、インピーダンス測定の誤差を招く要因となる。例えば、図18(A)に示すように、電極3,4上に踵903,904の中心Cが載せられたときと、図18(B)に示すように、電極3,4上から踵903,904の中心Cが外れたときでは、測定結果に誤差を含むことになる(なお、図18および後述の図19、図20では、簡単のため、右足側のみを示す。)。
【0004】
そこで、従来、図19(A)に示すように電極3,4上に凸部991を設けたり、図20(A)に示すように電極3,4上に凹部992を設けたりして、被験者の踵を凸部991や凹部992へ誘導する方式が提案されている(例えば、特許文献1(特開2007−315915号公報)や特許文献2(特開2005−245724号公報)参照。)。なお、図19(B)、図20(B)は、それぞれ図19(A)、図20(A)の凸部991、凹部992を載置板10の上方から見たところを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−315915号公報
【特許文献2】特開2005−245724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、不特定多数の被験者に対して、意識的に踵903,904を凸部991や凹部992に位置合わせするように期待することは、実際問題として困難である。また、特許文献1、特許文献2の方式では、足の浮き状態については検知できない。このため、インピーダンスの測定結果に誤差が生ずるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、四端子法によって生体のインピーダンスを正しく求めることができる生体インピーダンス測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明の生体インピーダンス測定装置は、
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部とを備え、
上記第3電極および第4電極はそれぞれ上記第3領域、第4領域内で複数の部分電極に分割され、
上記第3領域内で上記左足の踵が載せられた左踵位置および上記第4領域内で上記右足の踵が載せられた右踵位置を検出する踵位置検出部と、
上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する部分電極選択部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明の生体インピーダンス測定装置では、生体が有する左右の足裏が載置板上に載せられるとき、載置板上の第1領域に左足の爪先側、第2領域に右足の爪先側、第3領域に左足の踵、第4領域に右足の踵がそれぞれ載せられる。すると、踵位置検出部は、上記第3領域内で上記左足の踵が載せられた左踵位置および上記第4領域内で上記右足の踵が載せられた右踵位置を検出する。ここで、上記第3電極および第4電極はそれぞれ上記第3領域、第4領域内で複数の部分電極に分割されている。続いて、部分電極選択部は、上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する。四端子法による測定を行うために、通電部は、上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す。電圧測定部は、上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して、特に上記部分電極選択部によって選択された上記部分電極の対を介して測定する。この電圧測定部によって測定された降下電圧を数値換算(通電電流で割り算)することにより、上記生体のインピーダンスが求められる。これにより、生体のインピーダンスを正しく求めることができる。
【0010】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記踵位置検出部は、
上記第3電極をなす上記複数の部分電極と上記第4電極をなす上記複数の部分電極との間で、互いに個々の部分電極同士を組み合わせ、組み合わされた上記部分電極の対毎に、上記電圧測定部によって上記降下電圧を測定し、
測定された上記降下電圧のうち最も低い降下電圧を与える部分電極の対の位置を、上記左踵位置、上記右踵位置として検出することを特徴とする。
【0011】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記踵位置検出部は、まず、上記第3電極をなす上記複数の部分電極と上記第4電極をなす上記複数の部分電極との間で、互いに個々の部分電極同士を組み合わせ、組み合わされた上記部分電極の対毎に、上記電圧測定部によって上記降下電圧を測定する。これにより、例えば上記第3電極をなす上記複数の部分電極の数をM個、上記第4電極をなす上記複数の部分電極の数をN個とすると、(M×N)個の降下電圧が測定データとして得られる。これらの(M×N)個の降下電圧のうち最も低い降下電圧が、適切であると考えられる。そこで、上記踵位置検出部は、測定された上記降下電圧(上の例では(M×N)個の降下電圧)のうち最も低い降下電圧を与える部分電極の対の位置を、上記左踵位置、上記右踵位置として検出する。これにより、上記左踵位置、上記右踵位置を精度良く検出できる。このことは、上記部分電極選択部が上記最も低い降下電圧を与える部分電極の対を精度良く選択することにつながり、上記電圧測定部の測定結果として上記最も低い降下電圧が得られる。この電圧測定部によって測定された降下電圧を数値換算することにより、上記生体のインピーダンスが求められる。これにより、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0012】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記載置板上で上記第3電極および第4電極よりも下層に、上記第3領域および第4領域における荷重分布を検知する圧力センサを備え、
上記踵位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第3領域および第4領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出することを特徴とする。
【0013】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記踵位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第3領域および第4領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出する。これにより、上記左踵位置、上記右踵位置を精度良く検出できる。既述のように、上記部分電極選択部は、上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する。したがって、上記部分電極選択部は、適切な部分電極の対を選択することができる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0014】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記第3領域で上記第3電極をなす上記複数の部分電極が占める領域以外の部分および上記第4領域で上記第4電極をなす上記複数の部分電極が占める領域以外の部分に配置され、上記第3領域および第4領域における上記足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサを備え、
上記踵位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出することを特徴とする。
【0015】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記踵位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出する。これにより、上記左踵位置、上記右踵位置を精度良く検出できる。既述のように、上記部分電極選択部は、上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する。したがって、上記部分電極選択部は、適切な部分電極の対を選択することができる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0016】
別の局面では、この発明の生体インピーダンス測定装置は、
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部と、
上記載置板上で、上記第3領域および上記第4領域の後端から立ち上がり、上記左足の踵の後面、上記右足の踵の後面が当接されるべき壁面と、
上記第1領域内で上記左足の爪先が載せられた左爪先位置および上記第2領域内で上記右足の爪先が載せられた右爪先位置を検出する爪先位置検出部と、
上記爪先位置検出部が検出した上記左爪先位置、上記右爪先位置と上記壁面との間の距離に基づいて、上記左足および右足のサイズを算出して、上記左足の踵のうち上記第3電極に対して接触している接触部位および上記右足の踵のうち上記第4電極に対して接触している接触部位を算出する接触部位算出部と、
上記接触部位算出部が算出した上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位に基づいて、上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位のずれによる誤差および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位のずれによる誤差を解消するように、上記電圧測定部の測定結果を補正する測定結果補正部とを備えたことを特徴とする。
【0017】
この発明の生体インピーダンス測定装置では、生体が有する左右の足裏が載置板上に載せられるとき、載置板上の第1領域に左足の爪先側、第2領域に右足の爪先側、第3領域に左足の踵、第4領域に右足の踵がそれぞれ載せられる。このとき、上記第3領域および上記第4領域の後端から立ち上がっている上記壁面に、上記左足の踵の後面、上記右足の踵の後面が当接される。この状態で、四端子法による測定を行うために、通電部は、上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す。電圧測定部は、上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する。この電圧測定部によって測定された降下電圧を数値換算(通電電流で割り算)することにより、上記生体のインピーダンスが求められる。一方、例えば上記四端子法による測定と並行して、爪先位置検出部は、上記第1領域内で上記左足の爪先が載せられた左爪先位置および上記第2領域内で上記右足の爪先が載せられた右爪先位置を検出する。接触部位算出部は、上記爪先位置検出部が検出した上記左爪先位置、上記右爪先位置と上記壁面との間の距離に基づいて、上記左足および右足のサイズを算出して、上記左足の踵のうち上記第3電極に対して接触している接触部位および上記右足の踵のうち上記第4電極に対して接触している接触部位を算出する。そして、測定結果補正部は、上記接触部位算出部が算出した上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位に基づいて、上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位のずれによる誤差および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位のずれによる誤差を解消するように、上記電圧測定部の測定結果(降下電圧または上記数値換算によって得られたインピーダンス)を補正する。この結果、生体のインピーダンスを正しく求めることができる。
【0018】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記載置板上で上記第1電極および第2電極よりも下層に、上記第1領域および第2領域における荷重分布を検知する圧力センサを備え、
上記爪先位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第1領域および第2領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求めることを特徴とする。
【0019】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記爪先位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第1領域および第2領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求める。これにより、上記左爪先位置、上記右爪先位置を精度良く検出できる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0020】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記第1領域で上記第1電極が占める領域以外の部分および上記第2領域で上記第2電極が占める領域以外の部分に配置され、上記第1領域および第2領域における上記足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサを備え、
上記爪先位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求めることを特徴とする。
【0021】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記爪先位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求める。これにより、上記左爪先位置、上記右爪先位置を精度良く検出できる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0022】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記壁面に、上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを検知するセンサを備え、
上記センサが上記壁面に上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部が上記降下電圧の測定を開始するとともに、上記爪先位置検出部が上記左爪先位置、上記右爪先位置の検出を開始することを特徴とする。
【0023】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサが上記壁面に上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部が上記降下電圧の測定を開始するとともに、上記爪先位置検出部が上記左爪先位置、上記右爪先位置の検出を開始する。したがって、上記第3領域および上記第4領域の後端から立ち上がっている上記壁面に、上記左足の踵の後面、上記右足の踵の後面が確実に当接された状態で、測定が開始される。これにより、上記左爪先位置、上記右爪先位置を精度良く検出できる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0024】
さらに別の局面では、この発明の生体インピーダンス測定装置は、
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部と、
上記載置板上の上記第3領域および第4領域に、それぞれ上記左右の足裏が載せられたことを検知するセンサとを備え、
上記センサが上記第3領域および第4領域に上記左右の足裏が載せられたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部は上記降下電圧の測定を開始することを特徴とする。
【0025】
この発明の生体インピーダンス測定装置では、生体が有する左右の足裏が載置板上に載せられるとき、載置板上の第1領域に左足の爪先側、第2領域に右足の爪先側、第3領域に左足の踵、第4領域に右足の踵がそれぞれ載せられる。この状態で、四端子法による測定を行うために、通電部は、上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す。電圧測定部は、上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する。この電圧測定部によって測定された降下電圧を数値換算(通電電流で割り算)することにより、上記生体のインピーダンスが求められる。ここで、この生体インピーダンス測定装置では、上記センサが上記第3領域および第4領域に上記左右の足裏が載せられたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部は上記降下電圧の測定を開始する。したがって、上記載置板上に、上記左足の踵、上記右足の踵が確実に載せられた状態で、測定が開始される。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスを正しく求めることができる。
【0026】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサは圧力スイッチであることを特徴とする。
【0027】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサは圧力スイッチであるから、上記センサが簡素に構成される。この結果、上記降下電圧の測定開始のタイミングが簡単な構成で得られる。
【0028】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサは静電容量センサであることを特徴とする。
【0029】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサは静電容量センサであるから、上記センサが薄厚に構成されて、見栄えが良くなる。
【0030】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記第1電極、第2電極、第3電極および第4電極は透明電極であることを特徴とする。
【0031】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記第1電極、第2電極、第3電極および第4電極は透明電極であるから、金属電極である場合に比して、上記載置板上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。特に、上記載置板上で、透明電極と静電容量センサとを組み合わせて配置した場合、上記載置板上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。
【発明の効果】
【0032】
以上より明らかなように、この発明の生体インピーダンス測定装置によれば、四端子法によって生体のインピーダンスを正しく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の第1実施形態の生体インピーダンス測定装置の要部の構成を模式的に示す図である。
【図2】上記生体インピーダンス測定装置の制御部によって作成されるデータテーブルを例示する図である。
【図3】図3(A)は、この発明の第2実施形態の生体インピーダンス測定装置の要部の構成を模式的に示す図である。図3(B)は、図3(A)の生体インピーダンス測定装置の変形例を示す図である。
【図4】この発明の第3実施形態の生体インピーダンス測定装置の載置板上の平面レイアウトを示す図である。
【図5】この発明の第4実施形態の生体インピーダンス測定装置の要部の構成を模式的に示す図である。
【図6】図6(A)、図6(B)は、それぞれ図5の生体インピーダンス測定装置が使用される態様を模式的に示す図である。
【図7】電極に対する踵の接触部位を説明する図である。
【図8】電極に対する踵の接触部位とインピーダンスとの関係に基づいて、測定結果を補正する仕方を説明する図である。
【図9】この発明の第5実施形態の生体インピーダンス測定装置の載置板上の平面レイアウトを示す図である。
【図10】この発明の第6実施形態の生体インピーダンス測定装置の要部の構成を模式的に示す図である。
【図11】第1実施形態から第3実施形態までの生体インピーダンス測定装置の概略動作フローを示す図である。
【図12】図12(A)は、第1実施形態の生体インピーダンス測定装置における踵位置検出の動作フローを示す図である。図12(B)は、第2実施形態の生体インピーダンス測定装置における踵位置検出の動作フローを示す図である。図12(C)は、第3実施形態の生体インピーダンス測定装置における踵位置検出の動作フローを示す図である。
【図13】第4実施形態および第5実施形態の生体インピーダンス測定装置の概略動作フローを示す図である。
【図14】図14(A)は、第4実施形態の生体インピーダンス測定装置における爪先位置検出の動作フローを示す図である。図14(B)は、第5実施形態の生体インピーダンス測定装置における爪先位置検出の動作フローを示す図である。
【図15】第6実施形態の生体インピーダンス測定装置の動作フローを示す図である。
【図16】四端子法による一般的なインピーダンス測定回路を示す図である。
【図17】一般的な生体インピーダンス測定装置の構成を模式的に示す図である。
【図18】図18(A)、図18(B)は、それぞれ上記一般的な生体インピーダンス測定装置が使用される態様を模式的に示す図である。
【図19】図19(A)は、従来の生体インピーダンス測定装置の構成を模式的に示す図である。図19(B)は、図19(A)の生体インピーダンス測定装置における載置板上の平面レイアウトを示す図である。
【図20】図20(A)は、従来の別の生体インピーダンス測定装置の構成を模式的に示す図である。図20(B)は、図20(A)の生体インピーダンス測定装置における載置板上の平面レイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0035】
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態の生体インピーダンス測定装置200の要部の構成を模式的に示している。なお、この生体インピーダンス測定装置200の概略的な外観は、図17に示した一般的な生体インピーダンス測定装置におけるのと同様であり、理解の容易のため、図17におけるのと同一の構成要素には同一の符号を用いるものとする(以下同様。)。
【0036】
この生体インピーダンス測定装置200は、図17に示した一般的な生体インピーダンス測定装置におけるのと同様に、生体900が有する左右の足裏が載せられるべき載置板10を備えている。載置板10は、図17中に示すように、四隅に丸くアールが付けられた略矩形の外形を有している。載置板10は、左右方向(Y方向)に延びる中心線C1と前後方向(X方向)に延びる中心線C2とによって、4つの領域11,12,13,14に均等に区画されている。なお、2本の中心線C1,C2は、仮想的なものであり、実際の載置板10上には描かれていない。
【0037】
載置板10上で、左足の爪先側901に相当する第1領域11に、第1電極1が設けられている。右足の爪先側902に相当する第2領域12に、第2電極2が設けられている。左足の踵903側に相当する第3領域13に、第3電極3が設けられている。また、右足の踵904側に相当する第4領域14に、第4電極4が設けられている。
【0038】
図1では、理解の容易のために、実際の平面レイアウトから離れて、左足側に相当する第1電極1および第3電極3が下向きに描かれ、右足側に相当する第2電極2および第4電極4が上向きに描かれている。図1から分かるように、第3電極3は、第3領域13内で、前後方向に関して複数(この例では5個)の略矩形の部分電極L1,L2,…,L5に均等に分割されている(左右方向に関しては分割されていない。)。同様に、第4電極4は、第4領域14内で、複数(この例では5個)の略矩形の部分電極R1,R2,…,R5に均等に分割されている(左右方向に関しては分割されていない。)。なお、第1電極1、第2電極2は、前後方向にも左右方向にも分割されておらず、それぞれ一体に構成されている。
【0039】
また、この生体インピーダンス測定装置200は、通電部としての定電流回路31と、電圧測定部としての電圧測定回路32と、この測定装置全体の動作を制御する制御部30とを備えている。
【0040】
定電流回路31は、第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流(交流の定電流)Iを流すようになっている。
【0041】
電圧測定回路32は、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vを、第3電極3および第4電極4を介して測定するようになっている。
【0042】
電圧測定回路32と第3電極3との間に、第3電極3をなす部分電極L1,L2,…,L5のうちの1つを選択する切替スイッチ33Lが介挿されている。同様に、電圧測定回路32と第4電極4との間に、第4電極4をなす部分電極R1,R2,…,R5のうちの1つを選択する切替スイッチ33Rが介挿されている。切替スイッチ33L,33Rの切替は、制御部30によって制御される。
【0043】
図11は、生体インピーダンス測定装置200の概略動作フローを示している。
【0044】
この生体インピーダンス測定装置200では、生体900が有する左右の足裏が載置板10上に載せられるとき、載置板10上の第1領域11に左足の爪先側901、第2領域12に右足の爪先側902、第3領域13に左足の踵903、第4領域14に右足の踵904がそれぞれ載せられる。すると、図11中のステップS1で、制御部30が踵位置検出部として働いて、第3領域13内で左足の踵903が載せられた左踵位置および第4領域14内で右足の踵904が載せられた右踵位置を検出する(具体的な踵位置検出の仕方は後に詳述する。)。ここで、既述のように、第3電極3および第4電極4はそれぞれ第3領域13、第4領域14内で複数の部分電極L1,L2,…,L5;R1,R2,…,R5に分割されている。次に、図11中のステップS2で、制御部30が部分電極選択部として働いて、切替スイッチ33L,33Rを制御する。そして、第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L5および第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5のうち、ステップS1で検出された左踵位置、右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対(Li,Rj)を選択する(この例では、i,jは、1から5までの自然数である。)。四端子法による測定を行うために、制御部30による制御に応じて、ステップS3で、定電流回路31は、第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流Iを流す。電圧測定回路32は、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vを、第3電極3および第4電極4を介して、特にステップS2で選択された部分電極の対(Li,Rj)を介して測定する。制御部30は、ステップS4で、この電圧測定回路32によって測定された降下電圧Vを数値換算(通電電流Iで割り算)することにより、生体900のインピーダンスZを求める。これにより、生体900のインピーダンスZを正しく求めることができる。
【0045】
具体的には、図11中のステップS1における踵位置検出は、例えば図12(A)に示す動作フローに従って行われる。
【0046】
まず、制御部30が切替スイッチ33L,33Rを制御して、図12(A)中のステップS11で、第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L5と第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5との間で、互いに個々の部分電極同士を組み合わせる。そして、ステップS12で、組み合わされた部分電極の対(Li,Rj)毎に、電圧測定回路32によって降下電圧(これを「Vij」とする。)を測定する。この例では、5×5=25個の降下電圧Vijが測定データとして得られる。これらの25個の降下電圧Vijのうち最も低い降下電圧Vijが、適切であると考えられる。なお、第3電極3をなす複数の部分電極の数をM個、第4電極4をなす複数の部分電極の数をN個とすると、(M×N)個の降下電圧Vijが測定データとして得られる。
【0047】
次に、制御部30は、図12(A)中のステップS13で、測定された降下電圧Vijのうち最も低い降下電圧Vijを与える部分電極の対(Li,Rj)の位置を、左踵位置、右踵位置として検出する。例えば、図2のデータテーブル34は、25個の降下電圧Vijをそれぞれ数値換算(通電電流Iで割り算)して得られた25個のインピーダンス(これを「Zij」とする。)のデータを示している。この例では、最も低い降下電圧(つまり、インピーダンスZ11=422.5Ω)を示している部分電極の対(L1,R1)の位置を、左踵位置、右踵位置として検出する。これにより、左踵位置、右踵位置を精度良く検出できる。
【0048】
このことは、図11中のステップS2で最も低い降下電圧Vijを与える部分電極の対(Li,Rj)を精度良く選択することにつながり、図11中のステップS3で電圧測定回路32の測定結果として最も低い降下電圧Vijが得られる。図11中のステップS4では、この電圧測定回路32によって測定された降下電圧Vijに応じて、生体900のインピーダンスZijが求められる。これにより、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0049】
なお、上の例では、第3電極3および第4電極4を前後方向(X方向)に関してのみ複数の部分電極L1,L2,…,L5;R1,R2,…,R5に分割したが、これに限られるものではない。第3電極3および第4電極4をそれぞれ左右方向(Y方向)に関しても複数の部分電極に分割して、XY平面内で2次元的に左踵位置、右踵位置を検出するようにしても良い。これにより、検出の精度を高めることができる。
【0050】
(第2実施形態)
図3(A)は、この発明の第2実施形態の生体インピーダンス測定装置201の要部の構成を模式的に示している。図3(A)では、簡単のため、左足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は右足側の構成要素と全く同様に存在する。
【0051】
この生体インピーダンス測定装置201は、図1の生体インピーダンス測定装置200に対して、載置板10上で第3電極3および第4電極4よりも下層に、第3領域13および第4領域14における荷重分布を検知するための圧力センサ40を備えた点が異なっている。
【0052】
圧力センサ40は、第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5の下に配置された略矩形の第1金属層41,42,…,45と、その第1金属層41,42,…,45よりも下方に、前後方向(X方向)に関してそれらの第1金属層41,42,…,45に対して交互に配置された第2金属層46,47,…,51と、第2金属層46,47,…,51のうち前後方向に関して隣り合う対の間に配置された抵抗r1,r2,…,r5とを含んでいる。第2金属層46の後端(−X側端部)46aは接地され、第2金属層51の前端(+X側端部)51bはプルアップ抵抗r6を介して図示しない電源に接続されている。第2金属層46,47,…,51の電位は、圧力センサ40の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。第4領域14に足が載せられていない状態では、第2金属層46,47,…,51の電位は、この順に低から高へ段階的に高くなっている。
【0053】
第1金属層41,42,…,45は、それぞれ対応する部分電極R1,R2,…,R5と同じ外形をもち、それぞれ絶縁層52を介して部分電極R1,R2,…,R5に貼り合わされている。第1金属層41,42,…,45は、第2金属層46,47,…,51から高さ方向に離間して、図示しない支持体によって撓むことが可能に支持されている。
【0054】
第1金属層41は抵抗r1を覆っており、第1金属層41のX方向両端はそれぞれ第2金属層46,47にオーバラップしている。第1金属層42は抵抗r2を覆っており、第1金属層42のX方向両端はそれぞれ第2金属層47,48にオーバラップしている。第1金属層43は抵抗r3を覆っており、第1金属層43のX方向両端はそれぞれ第2金属層48,49にオーバラップしている。第1金属層44は抵抗r4を覆っており、第1金属層44のX方向両端はそれぞれ第2金属層49,50にオーバラップしている。また、第1金属層45は抵抗r5を覆っており、第1金属層45のX方向両端はそれぞれ第2金属層50,51にオーバラップしている。
【0055】
また、この生体インピーダンス測定装置201は、図1の生体インピーダンス測定装置200と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32、切替スイッチ33L,33Rを含んでいる。
【0056】
この生体インピーダンス測定装置201の概略動作フローは、図11に示したものと同じである。この生体インピーダンス測定装置201では、図11中のステップS1における踵位置検出が、図12(B)中のステップS21によって行われる。
【0057】
この生体インピーダンス測定装置201では、図12(B)中のステップS21で、制御部30が踵位置検出部として働いて、圧力センサ40が検知した第3領域13および第4領域14における荷重分布に基づいて、それぞれ左踵位置、右踵位置を検出する。
【0058】
具体的には、図3(A)中の第4領域14に右足の踵904が載せられると、第4領域14に荷重分布が生ずる。この荷重分布によって、第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5に対応する第1金属層41,42,…,45のうち、右足の踵904の直下に位置する第1金属層が押し下げられて、その第1金属層にオーバラップしている第2金属層同士がその第1金属層を介して短絡される。例えば、図3(A)の例では、右足の踵904の直下に位置する第1金属層43,44,45が押し下げられて、第2金属層48,49間、第2金属層49,50間、第2金属層50,51間が第1金属層43,44,45を介して短絡される。これにより、第2金属層48,49,50,51の電位が同じレベルになる。この荷重分布を表す電位分布に基づいて、制御部30は、右踵位置が部分電極R3の位置であることを検出する。このようにして、第3領域13および第4領域14における荷重分布に基づいて、左踵位置、右踵位置を検出することができる。
【0059】
続いて、図11中のステップS2で既に説明したように、制御部30が部分電極選択部として働いて、切替スイッチ33L,33Rを制御する。そして、第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L5および第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5のうち、制御部30が踵位置検出部として働いて検出された左踵位置、右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対(Li,Rj)を選択する。したがって、制御部30が部分電極選択部として働いて、適切な部分電極の対(Li,Rj)を選択することができる。この結果、図11中のステップS3,S4で説明した四端子法による測定によって、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0060】
図3(B)は、図3(A)の生体インピーダンス測定装置201の変形例(符号202で示す。)を示している。
【0061】
この生体インピーダンス測定装置202は、図3(A)中の圧力センサ40に代えて、別の圧力センサ60を備えた点のみが異なっている。
【0062】
この圧力センサ60は、第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5の下方にそれぞれ対応して配置された圧力スイッチ61,62,…,65と、それらの圧力スイッチ61,62,…,65と並列に接続された抵抗r11,r12,…,r15とを含んでいる。圧力スイッチ61,62,…,65のうち前後方向に関して隣り合う対の間は、配線66,67,68,69によって短絡されている。圧力スイッチ61の後端側(−X側)端子61aは接地され、圧力スイッチ65の前端側(+X側)端子65bはプルアップ抵抗r16を介して図示しない電源に接続されている。圧力スイッチ61,62,…,65の隣り合う対の間の配線66,67,68,69の電位および圧力スイッチ65の前端側端子65bの電位は、圧力センサ60の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。圧力スイッチ61,62,…,65はノーマリオフであり、第4領域14に足が載せられていない状態では、配線66,67,68,69の電位および圧力スイッチ65の前端側端子65bの電位は、この順に低から高へ段階的に高くなっている。
【0063】
部分電極R1,R2,…,R5の下面には、図3(A)におけるのと同様に、それぞれ絶縁層52が貼り合わされている。
【0064】
この生体インピーダンス測定装置202の概略動作フローは、図11に示したものと同じである。この生体インピーダンス測定装置202では、図11中のステップS1における踵位置検出が、図3(A)におけるのと同様に、図12(B)中のステップS21によって行われる。
【0065】
この生体インピーダンス測定装置202では、第4領域14に右足の踵904が載せられると、第4領域14に荷重分布が生ずる。この荷重分布によって、第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5のうち、右足の踵904の直下に位置する部分電極(およびそれに対応する絶縁層52)が押し下げられて、その部分電極に対応している圧力スイッチがオン(導通)される。例えば、右足の踵904の位置が図3(A)におけるのと同じであれば、右足の踵904の直下に位置する圧力スイッチ63,64,65が押し下げられて、圧力スイッチ63,64,65がオンして導通される。これにより、配線67,68,69の電位および圧力スイッチ65の前端側端子65bの電位が同じレベルになる。この荷重分布を表す電位分布に基づいて、制御部30は、右踵位置が部分電極R3の位置であることを検出する。このようにして、第3電極3、第4電極4上の荷重分布に基づいて、左踵位置、右踵位置を検出することができる。
【0066】
それ以外の点では、この生体インピーダンス測定装置202は、図3(A)の生体インピーダンス測定装置201と同様に動作し、同様の作用効果を奏する。
【0067】
(第3実施形態)
図4は、この発明の第3実施形態の生体インピーダンス測定装置203の載置板10上の平面レイアウトを示している。図4では、簡単のため、右足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は、中心線C2(図17参照)に関して右足側の構成要素と対称に存在する。
【0068】
この生体インピーダンス測定装置203は、図3(A),図3(B)の生体インピーダンス測定装置201,202における圧力センサ40,60に代えて、足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサ80を備えた点のみが異なっている。
【0069】
第3領域13で第3電極3をなす複数(この例では6個)の部分電極L1,L2,…,L6が前後方向に関してこの順に配置されている。奇数番目の部分電極L1,L3,L5は左側に1列に並び、偶数番目の部分電極L2,L4,L6は右側に1列に並んでいる。全体として、部分電極L1,L2,…,L6は千鳥状に配置されている。
【0070】
この例では、第1電極1、第2電極2、第3電極3をなす部分電極L1,L2,…,L6および第4電極4をなすR1,R2,…,R6は、いずれも透明電極になっている。
【0071】
静電容量センサ80は、第3領域13で第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L6が占める領域以外の部分に配置されている。具体的には、静電容量センサ80は、複数(この例では6個)の部分センサ81,82,…,86を含んでいる。奇数番目の部分センサ81,83,85は右側に1列に並び、偶数番目の部分センサ82,84,86は左側に1列に並んでいる。全体として、部分センサ81,82,…,86は、部分電極L1,L2,…,L6と互い違いに、千鳥状に配置されている。部分センサ81,82,…,86が検知した静電容量(静電容量分布を表す)は、静電容量センサ80の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。
【0072】
また、この生体インピーダンス測定装置203は、図1の生体インピーダンス測定装置200と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32、切替スイッチ33L,33Rを含んでいる。切替スイッチ33Lは部分電極L1,L2,…,L6のうちの1つを選択し、切替スイッチ33Rは部分電極R1,R2,…,R6のうちの1つを選択するようになっている。
【0073】
この生体インピーダンス測定装置203の概略動作フローは、図11に示したものと同じである。この生体インピーダンス測定装置203では、図11中のステップS1における踵位置検出が、図12(C)中のステップS31によって行われる。
【0074】
この生体インピーダンス測定装置203では、図12(C)中のステップS31で、制御部30が踵位置検出部として働いて、静電容量センサ80が検知した第3領域13および第4領域14における静電容量分布に基づいて、それぞれ左踵位置、右踵位置を検出する。これにより、左踵位置、右踵位置を精度良く検出できる。
【0075】
続いて、図11中のステップS2で既に説明したように、制御部30が部分電極選択部として働いて、切替スイッチ33L,33Rを制御する。そして、第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L6および第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R6のうち、制御部30が踵位置検出部として働いて検出された左踵位置、右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対(Li,Rj)を選択する。したがって、制御部30が部分電極選択部として働いて、適切な部分電極の対(Li,Rj)を選択することができる。この結果、図11中のステップS3,S4で説明した四端子法による測定によって、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0076】
また、この生体インピーダンス測定装置203では、第1電極1、第2電極2、第3電極3および第4電極4は透明電極であるから、金属電極である場合に比して、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。特に、この例では、載置板10上で、透明電極3,4と静電容量センサ80とを組み合わせて配置しているので、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。
【0077】
なお、第1実施形態から第3実施形態において、部分電極の数M,Nは、例示した数に限られず、任意に設定することができる。
【0078】
(第4実施形態)
図5は、この発明の第4実施形態の生体インピーダンス測定装置204の要部の構成を模式的に示している。なお、この生体インピーダンス測定装置204の概略的な外観は、図17に示した一般的な生体インピーダンス測定装置におけるのと同様である。図5では、簡単のため、左足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は右足側の構成要素と全く同様に存在する。
【0079】
この生体インピーダンス測定装置204では、第2電極2、第4電極4(および第1電極1、第3電極3)は、前後方向にも左右方向にも分割されておらず、それぞれ一体の略矩形に構成されている。
【0080】
載置板10は、第3領域13および第4領域14の後端から立ち上がり、左足の踵903の後面、右足の踵904の後面が当接されるべき壁面15を有している。この例では、この壁面15に、センサとしての圧力スイッチ89が設けられている。圧力スイッチ89は、左足の踵903の後面および右足の踵904の後面が当接されたとき、オン(導通)する。圧力スイッチ89の出力は、制御部30に入力されるようになっている。
【0081】
載置板10上の第2領域12には、第2電極2と並んで、第2電極2と同形の複数(この例では4個)の樹脂層102,103,…,105が配置されている。第2電極2および複数の樹脂層102,103,…,105よりも下層に、第2領域12における荷重分布を検知するための圧力センサ90が設けられている。
【0082】
圧力センサ90は、第2電極2および複数の樹脂層102,103,…,105の下に配置された略矩形の第1金属層91,92,…,95と、その第1金属層91,92,…,95よりも下方に、前後方向(X方向)に関してそれらの第1金属層91,92,…,95に対して交互に配置された第2金属層96,97,…,101と、第2金属層96,97,…,101のうち前後方向に関して隣り合う対の間に配置された抵抗r21,r22,…,r25とを含んでいる。第2金属層96の後端(−X側端部)96aは接地され、第2金属層101の前端(+X側端部)101bはプルアップ抵抗r26を介して図示しない電源に接続されている。第2金属層96,97,…,101の電位は、圧力センサ90の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。第4領域14に足が載せられていない状態では、第2金属層96,97,…,101の電位は、この順に低から高へ段階的に高くなっている。
【0083】
第1金属層91,92,…,95は、それぞれ対応する第2電極2、複数の樹脂層102,103,…,105と同じ外形をもち、それぞれ絶縁層52を介して第2電極2、複数の樹脂層102,103,…,105に貼り合わされている。第1金属層91,92,…,95は、第2金属層96,97,…,101から高さ方向に離間して、図示しない支持体によって撓むことが可能に支持されている。
【0084】
第1金属層91は抵抗r21を覆っており、第1金属層91のX方向両端はそれぞれ第2金属層96,97にオーバラップしている。第1金属層92は抵抗r22を覆っており、第1金属層92のX方向両端はそれぞれ第2金属層97,98にオーバラップしている。第1金属層93は抵抗r23を覆っており、第1金属層93のX方向両端はそれぞれ第2金属層98,99にオーバラップしている。第1金属層94は抵抗r24を覆っており、第1金属層94のX方向両端はそれぞれ第2金属層99,100にオーバラップしている。また、第1金属層95は抵抗r25を覆っており、第1金属層95のX方向両端はそれぞれ第2金属層100,101にオーバラップしている。
【0085】
また、この生体インピーダンス測定装置204は、図1の生体インピーダンス測定装置200と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32を含んでいる。
【0086】
図13は、生体インピーダンス測定装置204の概略動作フローを示している。
【0087】
この生体インピーダンス測定装置200では、生体900が有する左右の足裏が載置板10上に載せられるとき、載置板10上の第1領域11に左足の爪先側901、第2領域12に右足の爪先側902、第3領域13に左足の踵903、第4領域14に右足の踵904がそれぞれ載せられる。ここで、制御部30は、図13中のステップS101で、圧力スイッチ89の出力を監視して、圧力スイッチ89がオンしたとき、左足の踵903の後面および右足の踵904の後面が壁面15に当接されたことを検知する。そして、制御部30は、次に述べるように、制御動作を開始する。
【0088】
すなわち、四端子法による測定を行うために、制御部30による制御に応じて、ステップS102で、定電流回路31は、第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流Iを流し、電圧測定回路32は、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vを、第3電極3および第4電極4を介して測定する。制御部30は、ステップS103で、この電圧測定回路32によって測定された降下電圧Vを数値換算(通電電流Iで割り算)することにより、生体900のインピーダンスZを求める。
【0089】
上記四端子法による測定と並行して、ステップS104で、制御部30が爪先位置検出部として働いて、第1領域11内で左足の爪先が載せられた左爪先位置および第2領域12内で右足の爪先が載せられた右爪先位置を検出する。ここで、「爪先」とは、図5中に符号902aで示すように、足指の裏面のうち実質的に載置板10に接触する先端の部位を指す。
【0090】
具体的には、図13中のステップS104における爪先位置検出は、この例では図14(A)に示す動作フローに従って行われる。すなわち、図5中の第2領域12に右足の爪先側902が載せられると、第2領域12に荷重分布が生ずる。この荷重分布によって、第2電極2、複数の樹脂層102,103,…,105に対応する第1金属層91,92,…,95のうち、右足の爪先側902の直下に位置する第1金属層が押し下げられて、その第1金属層にオーバラップしている第2金属層同士がその第1金属層を介して短絡される。例えば、図5の例では、右足の爪先側902の直下に位置する第1金属層91,92,…,94が押し下げられて、第2金属層96,97間、第2金属層97,98間、第2金属層98,99間、第2金属層99,100間がそれぞれ第1金属層91,92,…,94を介して短絡される。これにより、第2金属層97,98,…,100の電位が同じレベルになる。この荷重分布を表す電位分布に基づいて、制御部30は、右爪先位置が例えば樹脂層104の位置であることを検出する。このようにして、第1領域11、第2領域12における荷重分布に基づいて、左爪先位置、右爪先位置を検出することができる。これにより、左爪先位置、右爪先位置を精度良く検出できる。
【0091】
次に、ステップS105で、制御部30が接触部位算出部として働いて、ステップS104で検出された左爪先位置、右爪先位置と壁面15との間の距離に基づいて、左足および右足のサイズを算出する。そして、左足および右足のサイズに対する比例換算により、左足の踵903のうち第3電極3に対して接触している接触部位および右足の踵904のうち第4電極4に対して接触している接触部位を算出する。
【0092】
ここで、接触部位とは、例えば図7に示すように、第4電極4を基準として右足の踵904の中心Cが前方向(+X方向)または後方向(−X方向)にずれている「ずれ量」に応じて、数値化して規定される。図6(A)に示すように、右足のサイズが大きいために、第4電極4に対して右足の踵904の中心Cが前方へ例えば2cmずれて、第4電極4に対して右足の踵904の後部が載っていれば、接触部位は−2cmと表される。一方、図6(B)に示すように、右足のサイズが小さいために、第4電極4に対して右足の踵904の中心Cが後方へ例えば1cmずれて、第4電極4に対して右足の踵904の前部が載っていれば、接触部位は+1cmと表される。図7に示すように、第4電極4に対して右足の踵904中心Cが載っていれば、接触部位は0(ゼロ)と表される。
【0093】
この後、図13中のステップS106で、制御部30が測定結果補正部として働いて、算出した第3電極3に対する左足の踵903の接触部位および第4電極4に対する右足の踵904の接触部位に基づいて、第3電極3に対する左足の踵903の接触部位のずれによる誤差および第4電極4に対する右足の踵904の接触部位のずれによる誤差を解消するように、電圧測定回路32の測定結果(この例では、ステップS103で得られたインピーダンス)を補正する。
【0094】
具体的には、測定結果の補正は、例えば図8に示すような換算グラフを用いて行われる。図8では、実線D1は、電極に対する踵の接触部位毎の実測されたインピーダンスのデータを示している(◆印が実測された個々のデータを表している。)。この実測されたインピーダンスのデータは、破線D2によって近似的に線形に表されている。実線D3は、踵の接触部位が0のときの、破線D2におけるインピーダンスのレベルを表している。測定結果の補正は、踵の接触部位(ずれ量)に応じて、生の測定結果を実線D3のレベルになるように補正する。例えば、接触部位が−2cmであれば、矢印A1で示すように、生の測定結果を増大させる。接触部位が+1cmであれば、矢印A2で示すように、生の測定結果を減少させる。これにより、生体900のインピーダンスZを正しく求めることができる。
【0095】
この生体インピーダンス測定装置204では、壁面15に設けられたセンサは圧力スイッチ89であるから、センサが簡素に構成される。この結果、降下電圧Vの測定開始のタイミングが簡単な構成で得られる。また、壁面15に左足の踵903の後面、右足の踵904の後面が確実に当接された状態で、測定が開始されるので、左爪先位置、右爪先位置を精度良く検出できる。この結果、四端子法による測定によって、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0096】
なお、この圧力センサ90に代えて、図3(B)中に示した圧力センサ60を用いることもできる。
【0097】
また、壁面15に設けられたセンサとしての圧力スイッチ89に代えて、静電容量センサを用いても良い。このセンサとして静電容量センサを用いた場合、センサが薄厚に構成されて、見栄えが良くなる。
【0098】
(第5実施形態)
図9は、この発明の第5実施形態の生体インピーダンス測定装置205の載置板10上の平面レイアウトを示している。図9では、簡単のため、図4におけるのと同様に、右足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は、中心線C2(図17参照)に関して右足側の構成要素と対称に存在する。
【0099】
この生体インピーダンス測定装置205は、図5の生体インピーダンス測定装置204における圧力センサ90に代えて、足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサ110を備えた点のみが異なっている。
【0100】
静電容量センサ110は、第1領域1で第1電極1が占める領域以外の部分に配置されている。具体的には、静電容量センサ110は、第1領域11に、前後方向に関して並べて配置された複数(この例では5個)の部分センサ111,112,…,115を含んでいる。第1電極1と部分センサ111とは、第1領域11の後端側(−X側)に左右に並べて配置されている。残りの部分センサ112,…,115は、左右方向に関して第1領域11の中央に沿って配置されている。部分センサ111,112,…,115が検知した静電容量(静電容量分布を表す)は、静電容量センサ110の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。
【0101】
この例では、第1電極1、第3電極3(および第2電極2、第4電極4)は、いずれも透明電極になっていて、部分センサ111,112,…,115と同じ略矩形の形状を有している。
【0102】
また、この生体インピーダンス測定装置205は、図5の生体インピーダンス測定装置204と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32を含んでいる。
【0103】
この生体インピーダンス測定装置205の概略動作フローは、図13に示したものと同じである。この生体インピーダンス測定装置203では、図13中のステップS101における爪先位置検出が、図14(B)中のステップS121によって行われる。
【0104】
この生体インピーダンス測定装置205では、図14(B)中のステップS121で、制御部30が爪先位置検出部として働いて、静電容量センサ110が検知した第1領域11および第2領域12における静電容量分布に基づいて、それぞれ左爪先位置、右爪先位置を検出する。これにより、左爪先位置、右爪先位置を精度良く検出できる。それ以外は、図5の生体インピーダンス測定装置204と同様に動作する。この結果、四端子法による生の測定結果を適切に補正でき、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0105】
また、この生体インピーダンス測定装置205では、第1電極1、第2電極2、第3電極3および第4電極4は透明電極であるから、金属電極である場合に比して、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。特に、この例では、載置板10上で、透明電極1,2,…,4の形状と静電容量センサ110をなす部分センサ111,112,…,115の形状とを揃えているので、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。
【0106】
また、壁面15に設けられたセンサとしての圧力スイッチ89に代えて、静電容量センサを用いても良い。その場合、この静電容量センサの形状も、静電容量センサ110をなす部分センサの形状と揃えることで、さらに見栄えを良くすることができる。
【0107】
(第6実施形態)
図10は、この発明の第6実施形態の生体インピーダンス測定装置206の要部の構成を模式的に示している。なお、この生体インピーダンス測定装置206の概略的な外観は、図17に示した一般的な生体インピーダンス測定装置におけるのと同様である。図10では、簡単のため、左足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は右足側の構成要素と全く同様に存在する。
【0108】
この生体インピーダンス測定装置206では、第2電極2、第4電極4(および第1電極1、第3電極3)は、前後方向にも左右方向にも分割されておらず、それぞれ一体の略矩形に構成されている。
【0109】
この例では、第4電極4よりも下層に、第4領域14に足が載せられたことを検知するセンサとしての圧力スイッチ120が設けられている。この圧力スイッチ120は、ノーマリオフであり、第4電極4上に右足の踵904が載せられたときオン(導通)する。図示を省略しているが、第3電極3よりも下層にも同様に、第4領域13に足が載せられたことを検知するセンサとしての圧力スイッチ120が設けられている。
【0110】
圧力スイッチ120の後端側(−X側)端子121aは接地され、圧力スイッチ120の前端側(+X側)端子121bはプルアップ抵抗122を介して図示しない電源に接続されている。圧力スイッチ120の出力は、制御部30に入力されるようになっている。
【0111】
また、この生体インピーダンス測定装置206は、図1の生体インピーダンス測定装置200と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32を含んでいる。
【0112】
図15は、第6実施形態の生体インピーダンス測定装置204の動作フローを示している。
【0113】
この生体インピーダンス測定装置200では、生体900が有する左右の足裏が載置板10上に載せられるとき、載置板10上の第1領域11に左足の爪先側901、第2領域12に右足の爪先側902、第3領域13に左足の踵903、第4領域14に右足の踵904がそれぞれ載せられる。ここで、制御部30は、図15中のステップS201で、圧力スイッチ120の出力を監視して、圧力スイッチ120がオンしたとき、左足の踵903および右足の踵904が載置板10上に載せられたことを検知する。そして、制御部30は、次に述べるように、制御動作を開始する。
【0114】
すなわち、四端子法による測定を行うために、制御部30による制御に応じて、ステップS202で、定電流回路31は、第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流Iを流し、電圧測定回路32は、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vを、第3電極3および第4電極4を介して測定する。制御部30は、ステップS203で、この電圧測定回路32によって測定された降下電圧Vを数値換算(通電電流Iで割り算)することにより、生体900のインピーダンスZを求める。
【0115】
このように、載置板10上に左足の踵903、右足の踵904が確実に載せられた状態で、測定が開始される。この結果、四端子法による測定によって、生体900のインピーダンスZを正しく求めることができる。
【0116】
また、上記センサとして圧力スイッチ120を用いているので、センサが簡素に構成される。この結果、降下電圧Vの測定開始のタイミングが簡単な構成で得られる。
【0117】
なお、センサとしての圧力スイッチ120に代えて、静電容量センサを用いても良い。このセンサとして静電容量センサを用いた場合、センサが薄厚に構成されて、見栄えが良くなる。
【0118】
また、いずれの実施形態においても、第1電極1、第2電極2、第3電極3および第4電極4は透明電極であるものとしても良い。そのようにした場合、金属電極である場合に比して、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。
【符号の説明】
【0119】
1 第1電極
2 第2電極
3 第3電極
4 第4電極
10 載置板
11 第1領域
12 第2領域
13 第3領域
14 第4領域
30 制御部
31 定電流回路
32 電圧測定回路
201,202,…,206 生体インピーダンス測定装置
【技術分野】
【0001】
この発明は生体インピーダンス測定装置に関し、より詳しくは、四端子法によって生体のインピーダンスを測定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の一般的な生体インピーダンス測定装置としては、図17に示すように、載置板10上に、左足の爪先側901に接触すべき第1電極1、右足の爪先側902に接触すべき第2電極2、左足の踵903に接触すべき第3電極3、および右足の踵904に接触すべき第4電極4を備えたものがある。載置板10上に生体900の左右の足裏が載せられた状態で、図16に示すように、定電流源20によって第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流(交流)Iが流される。そして、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vが、第3電極3および第4電極4を介して電圧計21で測定される(四端子法)。この降下電圧Vを数値換算(通電電流Iで割り算)して得られたインピーダンスを元に算出された体組成値が、図17中に示す表示部22に表示される。
【0003】
ここで、電極への足の載せ方、すなわち足を載せる位置の変化や足の浮き状態などは、インピーダンス測定の誤差を招く要因となる。例えば、図18(A)に示すように、電極3,4上に踵903,904の中心Cが載せられたときと、図18(B)に示すように、電極3,4上から踵903,904の中心Cが外れたときでは、測定結果に誤差を含むことになる(なお、図18および後述の図19、図20では、簡単のため、右足側のみを示す。)。
【0004】
そこで、従来、図19(A)に示すように電極3,4上に凸部991を設けたり、図20(A)に示すように電極3,4上に凹部992を設けたりして、被験者の踵を凸部991や凹部992へ誘導する方式が提案されている(例えば、特許文献1(特開2007−315915号公報)や特許文献2(特開2005−245724号公報)参照。)。なお、図19(B)、図20(B)は、それぞれ図19(A)、図20(A)の凸部991、凹部992を載置板10の上方から見たところを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−315915号公報
【特許文献2】特開2005−245724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、不特定多数の被験者に対して、意識的に踵903,904を凸部991や凹部992に位置合わせするように期待することは、実際問題として困難である。また、特許文献1、特許文献2の方式では、足の浮き状態については検知できない。このため、インピーダンスの測定結果に誤差が生ずるという問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、四端子法によって生体のインピーダンスを正しく求めることができる生体インピーダンス測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明の生体インピーダンス測定装置は、
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部とを備え、
上記第3電極および第4電極はそれぞれ上記第3領域、第4領域内で複数の部分電極に分割され、
上記第3領域内で上記左足の踵が載せられた左踵位置および上記第4領域内で上記右足の踵が載せられた右踵位置を検出する踵位置検出部と、
上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する部分電極選択部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明の生体インピーダンス測定装置では、生体が有する左右の足裏が載置板上に載せられるとき、載置板上の第1領域に左足の爪先側、第2領域に右足の爪先側、第3領域に左足の踵、第4領域に右足の踵がそれぞれ載せられる。すると、踵位置検出部は、上記第3領域内で上記左足の踵が載せられた左踵位置および上記第4領域内で上記右足の踵が載せられた右踵位置を検出する。ここで、上記第3電極および第4電極はそれぞれ上記第3領域、第4領域内で複数の部分電極に分割されている。続いて、部分電極選択部は、上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する。四端子法による測定を行うために、通電部は、上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す。電圧測定部は、上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して、特に上記部分電極選択部によって選択された上記部分電極の対を介して測定する。この電圧測定部によって測定された降下電圧を数値換算(通電電流で割り算)することにより、上記生体のインピーダンスが求められる。これにより、生体のインピーダンスを正しく求めることができる。
【0010】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記踵位置検出部は、
上記第3電極をなす上記複数の部分電極と上記第4電極をなす上記複数の部分電極との間で、互いに個々の部分電極同士を組み合わせ、組み合わされた上記部分電極の対毎に、上記電圧測定部によって上記降下電圧を測定し、
測定された上記降下電圧のうち最も低い降下電圧を与える部分電極の対の位置を、上記左踵位置、上記右踵位置として検出することを特徴とする。
【0011】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記踵位置検出部は、まず、上記第3電極をなす上記複数の部分電極と上記第4電極をなす上記複数の部分電極との間で、互いに個々の部分電極同士を組み合わせ、組み合わされた上記部分電極の対毎に、上記電圧測定部によって上記降下電圧を測定する。これにより、例えば上記第3電極をなす上記複数の部分電極の数をM個、上記第4電極をなす上記複数の部分電極の数をN個とすると、(M×N)個の降下電圧が測定データとして得られる。これらの(M×N)個の降下電圧のうち最も低い降下電圧が、適切であると考えられる。そこで、上記踵位置検出部は、測定された上記降下電圧(上の例では(M×N)個の降下電圧)のうち最も低い降下電圧を与える部分電極の対の位置を、上記左踵位置、上記右踵位置として検出する。これにより、上記左踵位置、上記右踵位置を精度良く検出できる。このことは、上記部分電極選択部が上記最も低い降下電圧を与える部分電極の対を精度良く選択することにつながり、上記電圧測定部の測定結果として上記最も低い降下電圧が得られる。この電圧測定部によって測定された降下電圧を数値換算することにより、上記生体のインピーダンスが求められる。これにより、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0012】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記載置板上で上記第3電極および第4電極よりも下層に、上記第3領域および第4領域における荷重分布を検知する圧力センサを備え、
上記踵位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第3領域および第4領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出することを特徴とする。
【0013】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記踵位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第3領域および第4領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出する。これにより、上記左踵位置、上記右踵位置を精度良く検出できる。既述のように、上記部分電極選択部は、上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する。したがって、上記部分電極選択部は、適切な部分電極の対を選択することができる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0014】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記第3領域で上記第3電極をなす上記複数の部分電極が占める領域以外の部分および上記第4領域で上記第4電極をなす上記複数の部分電極が占める領域以外の部分に配置され、上記第3領域および第4領域における上記足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサを備え、
上記踵位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出することを特徴とする。
【0015】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記踵位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出する。これにより、上記左踵位置、上記右踵位置を精度良く検出できる。既述のように、上記部分電極選択部は、上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する。したがって、上記部分電極選択部は、適切な部分電極の対を選択することができる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0016】
別の局面では、この発明の生体インピーダンス測定装置は、
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部と、
上記載置板上で、上記第3領域および上記第4領域の後端から立ち上がり、上記左足の踵の後面、上記右足の踵の後面が当接されるべき壁面と、
上記第1領域内で上記左足の爪先が載せられた左爪先位置および上記第2領域内で上記右足の爪先が載せられた右爪先位置を検出する爪先位置検出部と、
上記爪先位置検出部が検出した上記左爪先位置、上記右爪先位置と上記壁面との間の距離に基づいて、上記左足および右足のサイズを算出して、上記左足の踵のうち上記第3電極に対して接触している接触部位および上記右足の踵のうち上記第4電極に対して接触している接触部位を算出する接触部位算出部と、
上記接触部位算出部が算出した上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位に基づいて、上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位のずれによる誤差および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位のずれによる誤差を解消するように、上記電圧測定部の測定結果を補正する測定結果補正部とを備えたことを特徴とする。
【0017】
この発明の生体インピーダンス測定装置では、生体が有する左右の足裏が載置板上に載せられるとき、載置板上の第1領域に左足の爪先側、第2領域に右足の爪先側、第3領域に左足の踵、第4領域に右足の踵がそれぞれ載せられる。このとき、上記第3領域および上記第4領域の後端から立ち上がっている上記壁面に、上記左足の踵の後面、上記右足の踵の後面が当接される。この状態で、四端子法による測定を行うために、通電部は、上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す。電圧測定部は、上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する。この電圧測定部によって測定された降下電圧を数値換算(通電電流で割り算)することにより、上記生体のインピーダンスが求められる。一方、例えば上記四端子法による測定と並行して、爪先位置検出部は、上記第1領域内で上記左足の爪先が載せられた左爪先位置および上記第2領域内で上記右足の爪先が載せられた右爪先位置を検出する。接触部位算出部は、上記爪先位置検出部が検出した上記左爪先位置、上記右爪先位置と上記壁面との間の距離に基づいて、上記左足および右足のサイズを算出して、上記左足の踵のうち上記第3電極に対して接触している接触部位および上記右足の踵のうち上記第4電極に対して接触している接触部位を算出する。そして、測定結果補正部は、上記接触部位算出部が算出した上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位に基づいて、上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位のずれによる誤差および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位のずれによる誤差を解消するように、上記電圧測定部の測定結果(降下電圧または上記数値換算によって得られたインピーダンス)を補正する。この結果、生体のインピーダンスを正しく求めることができる。
【0018】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記載置板上で上記第1電極および第2電極よりも下層に、上記第1領域および第2領域における荷重分布を検知する圧力センサを備え、
上記爪先位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第1領域および第2領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求めることを特徴とする。
【0019】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記爪先位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第1領域および第2領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求める。これにより、上記左爪先位置、上記右爪先位置を精度良く検出できる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0020】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記第1領域で上記第1電極が占める領域以外の部分および上記第2領域で上記第2電極が占める領域以外の部分に配置され、上記第1領域および第2領域における上記足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサを備え、
上記爪先位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求めることを特徴とする。
【0021】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記爪先位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求める。これにより、上記左爪先位置、上記右爪先位置を精度良く検出できる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0022】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、
上記壁面に、上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを検知するセンサを備え、
上記センサが上記壁面に上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部が上記降下電圧の測定を開始するとともに、上記爪先位置検出部が上記左爪先位置、上記右爪先位置の検出を開始することを特徴とする。
【0023】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサが上記壁面に上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部が上記降下電圧の測定を開始するとともに、上記爪先位置検出部が上記左爪先位置、上記右爪先位置の検出を開始する。したがって、上記第3領域および上記第4領域の後端から立ち上がっている上記壁面に、上記左足の踵の後面、上記右足の踵の後面が確実に当接された状態で、測定が開始される。これにより、上記左爪先位置、上記右爪先位置を精度良く検出できる。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスをさらに正しく求めることができる。
【0024】
さらに別の局面では、この発明の生体インピーダンス測定装置は、
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部と、
上記載置板上の上記第3領域および第4領域に、それぞれ上記左右の足裏が載せられたことを検知するセンサとを備え、
上記センサが上記第3領域および第4領域に上記左右の足裏が載せられたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部は上記降下電圧の測定を開始することを特徴とする。
【0025】
この発明の生体インピーダンス測定装置では、生体が有する左右の足裏が載置板上に載せられるとき、載置板上の第1領域に左足の爪先側、第2領域に右足の爪先側、第3領域に左足の踵、第4領域に右足の踵がそれぞれ載せられる。この状態で、四端子法による測定を行うために、通電部は、上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す。電圧測定部は、上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する。この電圧測定部によって測定された降下電圧を数値換算(通電電流で割り算)することにより、上記生体のインピーダンスが求められる。ここで、この生体インピーダンス測定装置では、上記センサが上記第3領域および第4領域に上記左右の足裏が載せられたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部は上記降下電圧の測定を開始する。したがって、上記載置板上に、上記左足の踵、上記右足の踵が確実に載せられた状態で、測定が開始される。この結果、上記四端子法による測定によって、生体のインピーダンスを正しく求めることができる。
【0026】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサは圧力スイッチであることを特徴とする。
【0027】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサは圧力スイッチであるから、上記センサが簡素に構成される。この結果、上記降下電圧の測定開始のタイミングが簡単な構成で得られる。
【0028】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサは静電容量センサであることを特徴とする。
【0029】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記センサは静電容量センサであるから、上記センサが薄厚に構成されて、見栄えが良くなる。
【0030】
一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記第1電極、第2電極、第3電極および第4電極は透明電極であることを特徴とする。
【0031】
この一実施形態の生体インピーダンス測定装置では、上記第1電極、第2電極、第3電極および第4電極は透明電極であるから、金属電極である場合に比して、上記載置板上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。特に、上記載置板上で、透明電極と静電容量センサとを組み合わせて配置した場合、上記載置板上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。
【発明の効果】
【0032】
以上より明らかなように、この発明の生体インピーダンス測定装置によれば、四端子法によって生体のインピーダンスを正しく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の第1実施形態の生体インピーダンス測定装置の要部の構成を模式的に示す図である。
【図2】上記生体インピーダンス測定装置の制御部によって作成されるデータテーブルを例示する図である。
【図3】図3(A)は、この発明の第2実施形態の生体インピーダンス測定装置の要部の構成を模式的に示す図である。図3(B)は、図3(A)の生体インピーダンス測定装置の変形例を示す図である。
【図4】この発明の第3実施形態の生体インピーダンス測定装置の載置板上の平面レイアウトを示す図である。
【図5】この発明の第4実施形態の生体インピーダンス測定装置の要部の構成を模式的に示す図である。
【図6】図6(A)、図6(B)は、それぞれ図5の生体インピーダンス測定装置が使用される態様を模式的に示す図である。
【図7】電極に対する踵の接触部位を説明する図である。
【図8】電極に対する踵の接触部位とインピーダンスとの関係に基づいて、測定結果を補正する仕方を説明する図である。
【図9】この発明の第5実施形態の生体インピーダンス測定装置の載置板上の平面レイアウトを示す図である。
【図10】この発明の第6実施形態の生体インピーダンス測定装置の要部の構成を模式的に示す図である。
【図11】第1実施形態から第3実施形態までの生体インピーダンス測定装置の概略動作フローを示す図である。
【図12】図12(A)は、第1実施形態の生体インピーダンス測定装置における踵位置検出の動作フローを示す図である。図12(B)は、第2実施形態の生体インピーダンス測定装置における踵位置検出の動作フローを示す図である。図12(C)は、第3実施形態の生体インピーダンス測定装置における踵位置検出の動作フローを示す図である。
【図13】第4実施形態および第5実施形態の生体インピーダンス測定装置の概略動作フローを示す図である。
【図14】図14(A)は、第4実施形態の生体インピーダンス測定装置における爪先位置検出の動作フローを示す図である。図14(B)は、第5実施形態の生体インピーダンス測定装置における爪先位置検出の動作フローを示す図である。
【図15】第6実施形態の生体インピーダンス測定装置の動作フローを示す図である。
【図16】四端子法による一般的なインピーダンス測定回路を示す図である。
【図17】一般的な生体インピーダンス測定装置の構成を模式的に示す図である。
【図18】図18(A)、図18(B)は、それぞれ上記一般的な生体インピーダンス測定装置が使用される態様を模式的に示す図である。
【図19】図19(A)は、従来の生体インピーダンス測定装置の構成を模式的に示す図である。図19(B)は、図19(A)の生体インピーダンス測定装置における載置板上の平面レイアウトを示す図である。
【図20】図20(A)は、従来の別の生体インピーダンス測定装置の構成を模式的に示す図である。図20(B)は、図20(A)の生体インピーダンス測定装置における載置板上の平面レイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0035】
(第1実施形態)
図1は、この発明の第1実施形態の生体インピーダンス測定装置200の要部の構成を模式的に示している。なお、この生体インピーダンス測定装置200の概略的な外観は、図17に示した一般的な生体インピーダンス測定装置におけるのと同様であり、理解の容易のため、図17におけるのと同一の構成要素には同一の符号を用いるものとする(以下同様。)。
【0036】
この生体インピーダンス測定装置200は、図17に示した一般的な生体インピーダンス測定装置におけるのと同様に、生体900が有する左右の足裏が載せられるべき載置板10を備えている。載置板10は、図17中に示すように、四隅に丸くアールが付けられた略矩形の外形を有している。載置板10は、左右方向(Y方向)に延びる中心線C1と前後方向(X方向)に延びる中心線C2とによって、4つの領域11,12,13,14に均等に区画されている。なお、2本の中心線C1,C2は、仮想的なものであり、実際の載置板10上には描かれていない。
【0037】
載置板10上で、左足の爪先側901に相当する第1領域11に、第1電極1が設けられている。右足の爪先側902に相当する第2領域12に、第2電極2が設けられている。左足の踵903側に相当する第3領域13に、第3電極3が設けられている。また、右足の踵904側に相当する第4領域14に、第4電極4が設けられている。
【0038】
図1では、理解の容易のために、実際の平面レイアウトから離れて、左足側に相当する第1電極1および第3電極3が下向きに描かれ、右足側に相当する第2電極2および第4電極4が上向きに描かれている。図1から分かるように、第3電極3は、第3領域13内で、前後方向に関して複数(この例では5個)の略矩形の部分電極L1,L2,…,L5に均等に分割されている(左右方向に関しては分割されていない。)。同様に、第4電極4は、第4領域14内で、複数(この例では5個)の略矩形の部分電極R1,R2,…,R5に均等に分割されている(左右方向に関しては分割されていない。)。なお、第1電極1、第2電極2は、前後方向にも左右方向にも分割されておらず、それぞれ一体に構成されている。
【0039】
また、この生体インピーダンス測定装置200は、通電部としての定電流回路31と、電圧測定部としての電圧測定回路32と、この測定装置全体の動作を制御する制御部30とを備えている。
【0040】
定電流回路31は、第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流(交流の定電流)Iを流すようになっている。
【0041】
電圧測定回路32は、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vを、第3電極3および第4電極4を介して測定するようになっている。
【0042】
電圧測定回路32と第3電極3との間に、第3電極3をなす部分電極L1,L2,…,L5のうちの1つを選択する切替スイッチ33Lが介挿されている。同様に、電圧測定回路32と第4電極4との間に、第4電極4をなす部分電極R1,R2,…,R5のうちの1つを選択する切替スイッチ33Rが介挿されている。切替スイッチ33L,33Rの切替は、制御部30によって制御される。
【0043】
図11は、生体インピーダンス測定装置200の概略動作フローを示している。
【0044】
この生体インピーダンス測定装置200では、生体900が有する左右の足裏が載置板10上に載せられるとき、載置板10上の第1領域11に左足の爪先側901、第2領域12に右足の爪先側902、第3領域13に左足の踵903、第4領域14に右足の踵904がそれぞれ載せられる。すると、図11中のステップS1で、制御部30が踵位置検出部として働いて、第3領域13内で左足の踵903が載せられた左踵位置および第4領域14内で右足の踵904が載せられた右踵位置を検出する(具体的な踵位置検出の仕方は後に詳述する。)。ここで、既述のように、第3電極3および第4電極4はそれぞれ第3領域13、第4領域14内で複数の部分電極L1,L2,…,L5;R1,R2,…,R5に分割されている。次に、図11中のステップS2で、制御部30が部分電極選択部として働いて、切替スイッチ33L,33Rを制御する。そして、第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L5および第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5のうち、ステップS1で検出された左踵位置、右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対(Li,Rj)を選択する(この例では、i,jは、1から5までの自然数である。)。四端子法による測定を行うために、制御部30による制御に応じて、ステップS3で、定電流回路31は、第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流Iを流す。電圧測定回路32は、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vを、第3電極3および第4電極4を介して、特にステップS2で選択された部分電極の対(Li,Rj)を介して測定する。制御部30は、ステップS4で、この電圧測定回路32によって測定された降下電圧Vを数値換算(通電電流Iで割り算)することにより、生体900のインピーダンスZを求める。これにより、生体900のインピーダンスZを正しく求めることができる。
【0045】
具体的には、図11中のステップS1における踵位置検出は、例えば図12(A)に示す動作フローに従って行われる。
【0046】
まず、制御部30が切替スイッチ33L,33Rを制御して、図12(A)中のステップS11で、第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L5と第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5との間で、互いに個々の部分電極同士を組み合わせる。そして、ステップS12で、組み合わされた部分電極の対(Li,Rj)毎に、電圧測定回路32によって降下電圧(これを「Vij」とする。)を測定する。この例では、5×5=25個の降下電圧Vijが測定データとして得られる。これらの25個の降下電圧Vijのうち最も低い降下電圧Vijが、適切であると考えられる。なお、第3電極3をなす複数の部分電極の数をM個、第4電極4をなす複数の部分電極の数をN個とすると、(M×N)個の降下電圧Vijが測定データとして得られる。
【0047】
次に、制御部30は、図12(A)中のステップS13で、測定された降下電圧Vijのうち最も低い降下電圧Vijを与える部分電極の対(Li,Rj)の位置を、左踵位置、右踵位置として検出する。例えば、図2のデータテーブル34は、25個の降下電圧Vijをそれぞれ数値換算(通電電流Iで割り算)して得られた25個のインピーダンス(これを「Zij」とする。)のデータを示している。この例では、最も低い降下電圧(つまり、インピーダンスZ11=422.5Ω)を示している部分電極の対(L1,R1)の位置を、左踵位置、右踵位置として検出する。これにより、左踵位置、右踵位置を精度良く検出できる。
【0048】
このことは、図11中のステップS2で最も低い降下電圧Vijを与える部分電極の対(Li,Rj)を精度良く選択することにつながり、図11中のステップS3で電圧測定回路32の測定結果として最も低い降下電圧Vijが得られる。図11中のステップS4では、この電圧測定回路32によって測定された降下電圧Vijに応じて、生体900のインピーダンスZijが求められる。これにより、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0049】
なお、上の例では、第3電極3および第4電極4を前後方向(X方向)に関してのみ複数の部分電極L1,L2,…,L5;R1,R2,…,R5に分割したが、これに限られるものではない。第3電極3および第4電極4をそれぞれ左右方向(Y方向)に関しても複数の部分電極に分割して、XY平面内で2次元的に左踵位置、右踵位置を検出するようにしても良い。これにより、検出の精度を高めることができる。
【0050】
(第2実施形態)
図3(A)は、この発明の第2実施形態の生体インピーダンス測定装置201の要部の構成を模式的に示している。図3(A)では、簡単のため、左足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は右足側の構成要素と全く同様に存在する。
【0051】
この生体インピーダンス測定装置201は、図1の生体インピーダンス測定装置200に対して、載置板10上で第3電極3および第4電極4よりも下層に、第3領域13および第4領域14における荷重分布を検知するための圧力センサ40を備えた点が異なっている。
【0052】
圧力センサ40は、第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5の下に配置された略矩形の第1金属層41,42,…,45と、その第1金属層41,42,…,45よりも下方に、前後方向(X方向)に関してそれらの第1金属層41,42,…,45に対して交互に配置された第2金属層46,47,…,51と、第2金属層46,47,…,51のうち前後方向に関して隣り合う対の間に配置された抵抗r1,r2,…,r5とを含んでいる。第2金属層46の後端(−X側端部)46aは接地され、第2金属層51の前端(+X側端部)51bはプルアップ抵抗r6を介して図示しない電源に接続されている。第2金属層46,47,…,51の電位は、圧力センサ40の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。第4領域14に足が載せられていない状態では、第2金属層46,47,…,51の電位は、この順に低から高へ段階的に高くなっている。
【0053】
第1金属層41,42,…,45は、それぞれ対応する部分電極R1,R2,…,R5と同じ外形をもち、それぞれ絶縁層52を介して部分電極R1,R2,…,R5に貼り合わされている。第1金属層41,42,…,45は、第2金属層46,47,…,51から高さ方向に離間して、図示しない支持体によって撓むことが可能に支持されている。
【0054】
第1金属層41は抵抗r1を覆っており、第1金属層41のX方向両端はそれぞれ第2金属層46,47にオーバラップしている。第1金属層42は抵抗r2を覆っており、第1金属層42のX方向両端はそれぞれ第2金属層47,48にオーバラップしている。第1金属層43は抵抗r3を覆っており、第1金属層43のX方向両端はそれぞれ第2金属層48,49にオーバラップしている。第1金属層44は抵抗r4を覆っており、第1金属層44のX方向両端はそれぞれ第2金属層49,50にオーバラップしている。また、第1金属層45は抵抗r5を覆っており、第1金属層45のX方向両端はそれぞれ第2金属層50,51にオーバラップしている。
【0055】
また、この生体インピーダンス測定装置201は、図1の生体インピーダンス測定装置200と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32、切替スイッチ33L,33Rを含んでいる。
【0056】
この生体インピーダンス測定装置201の概略動作フローは、図11に示したものと同じである。この生体インピーダンス測定装置201では、図11中のステップS1における踵位置検出が、図12(B)中のステップS21によって行われる。
【0057】
この生体インピーダンス測定装置201では、図12(B)中のステップS21で、制御部30が踵位置検出部として働いて、圧力センサ40が検知した第3領域13および第4領域14における荷重分布に基づいて、それぞれ左踵位置、右踵位置を検出する。
【0058】
具体的には、図3(A)中の第4領域14に右足の踵904が載せられると、第4領域14に荷重分布が生ずる。この荷重分布によって、第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5に対応する第1金属層41,42,…,45のうち、右足の踵904の直下に位置する第1金属層が押し下げられて、その第1金属層にオーバラップしている第2金属層同士がその第1金属層を介して短絡される。例えば、図3(A)の例では、右足の踵904の直下に位置する第1金属層43,44,45が押し下げられて、第2金属層48,49間、第2金属層49,50間、第2金属層50,51間が第1金属層43,44,45を介して短絡される。これにより、第2金属層48,49,50,51の電位が同じレベルになる。この荷重分布を表す電位分布に基づいて、制御部30は、右踵位置が部分電極R3の位置であることを検出する。このようにして、第3領域13および第4領域14における荷重分布に基づいて、左踵位置、右踵位置を検出することができる。
【0059】
続いて、図11中のステップS2で既に説明したように、制御部30が部分電極選択部として働いて、切替スイッチ33L,33Rを制御する。そして、第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L5および第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5のうち、制御部30が踵位置検出部として働いて検出された左踵位置、右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対(Li,Rj)を選択する。したがって、制御部30が部分電極選択部として働いて、適切な部分電極の対(Li,Rj)を選択することができる。この結果、図11中のステップS3,S4で説明した四端子法による測定によって、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0060】
図3(B)は、図3(A)の生体インピーダンス測定装置201の変形例(符号202で示す。)を示している。
【0061】
この生体インピーダンス測定装置202は、図3(A)中の圧力センサ40に代えて、別の圧力センサ60を備えた点のみが異なっている。
【0062】
この圧力センサ60は、第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5の下方にそれぞれ対応して配置された圧力スイッチ61,62,…,65と、それらの圧力スイッチ61,62,…,65と並列に接続された抵抗r11,r12,…,r15とを含んでいる。圧力スイッチ61,62,…,65のうち前後方向に関して隣り合う対の間は、配線66,67,68,69によって短絡されている。圧力スイッチ61の後端側(−X側)端子61aは接地され、圧力スイッチ65の前端側(+X側)端子65bはプルアップ抵抗r16を介して図示しない電源に接続されている。圧力スイッチ61,62,…,65の隣り合う対の間の配線66,67,68,69の電位および圧力スイッチ65の前端側端子65bの電位は、圧力センサ60の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。圧力スイッチ61,62,…,65はノーマリオフであり、第4領域14に足が載せられていない状態では、配線66,67,68,69の電位および圧力スイッチ65の前端側端子65bの電位は、この順に低から高へ段階的に高くなっている。
【0063】
部分電極R1,R2,…,R5の下面には、図3(A)におけるのと同様に、それぞれ絶縁層52が貼り合わされている。
【0064】
この生体インピーダンス測定装置202の概略動作フローは、図11に示したものと同じである。この生体インピーダンス測定装置202では、図11中のステップS1における踵位置検出が、図3(A)におけるのと同様に、図12(B)中のステップS21によって行われる。
【0065】
この生体インピーダンス測定装置202では、第4領域14に右足の踵904が載せられると、第4領域14に荷重分布が生ずる。この荷重分布によって、第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R5のうち、右足の踵904の直下に位置する部分電極(およびそれに対応する絶縁層52)が押し下げられて、その部分電極に対応している圧力スイッチがオン(導通)される。例えば、右足の踵904の位置が図3(A)におけるのと同じであれば、右足の踵904の直下に位置する圧力スイッチ63,64,65が押し下げられて、圧力スイッチ63,64,65がオンして導通される。これにより、配線67,68,69の電位および圧力スイッチ65の前端側端子65bの電位が同じレベルになる。この荷重分布を表す電位分布に基づいて、制御部30は、右踵位置が部分電極R3の位置であることを検出する。このようにして、第3電極3、第4電極4上の荷重分布に基づいて、左踵位置、右踵位置を検出することができる。
【0066】
それ以外の点では、この生体インピーダンス測定装置202は、図3(A)の生体インピーダンス測定装置201と同様に動作し、同様の作用効果を奏する。
【0067】
(第3実施形態)
図4は、この発明の第3実施形態の生体インピーダンス測定装置203の載置板10上の平面レイアウトを示している。図4では、簡単のため、右足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は、中心線C2(図17参照)に関して右足側の構成要素と対称に存在する。
【0068】
この生体インピーダンス測定装置203は、図3(A),図3(B)の生体インピーダンス測定装置201,202における圧力センサ40,60に代えて、足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサ80を備えた点のみが異なっている。
【0069】
第3領域13で第3電極3をなす複数(この例では6個)の部分電極L1,L2,…,L6が前後方向に関してこの順に配置されている。奇数番目の部分電極L1,L3,L5は左側に1列に並び、偶数番目の部分電極L2,L4,L6は右側に1列に並んでいる。全体として、部分電極L1,L2,…,L6は千鳥状に配置されている。
【0070】
この例では、第1電極1、第2電極2、第3電極3をなす部分電極L1,L2,…,L6および第4電極4をなすR1,R2,…,R6は、いずれも透明電極になっている。
【0071】
静電容量センサ80は、第3領域13で第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L6が占める領域以外の部分に配置されている。具体的には、静電容量センサ80は、複数(この例では6個)の部分センサ81,82,…,86を含んでいる。奇数番目の部分センサ81,83,85は右側に1列に並び、偶数番目の部分センサ82,84,86は左側に1列に並んでいる。全体として、部分センサ81,82,…,86は、部分電極L1,L2,…,L6と互い違いに、千鳥状に配置されている。部分センサ81,82,…,86が検知した静電容量(静電容量分布を表す)は、静電容量センサ80の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。
【0072】
また、この生体インピーダンス測定装置203は、図1の生体インピーダンス測定装置200と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32、切替スイッチ33L,33Rを含んでいる。切替スイッチ33Lは部分電極L1,L2,…,L6のうちの1つを選択し、切替スイッチ33Rは部分電極R1,R2,…,R6のうちの1つを選択するようになっている。
【0073】
この生体インピーダンス測定装置203の概略動作フローは、図11に示したものと同じである。この生体インピーダンス測定装置203では、図11中のステップS1における踵位置検出が、図12(C)中のステップS31によって行われる。
【0074】
この生体インピーダンス測定装置203では、図12(C)中のステップS31で、制御部30が踵位置検出部として働いて、静電容量センサ80が検知した第3領域13および第4領域14における静電容量分布に基づいて、それぞれ左踵位置、右踵位置を検出する。これにより、左踵位置、右踵位置を精度良く検出できる。
【0075】
続いて、図11中のステップS2で既に説明したように、制御部30が部分電極選択部として働いて、切替スイッチ33L,33Rを制御する。そして、第3電極3をなす複数の部分電極L1,L2,…,L6および第4電極4をなす複数の部分電極R1,R2,…,R6のうち、制御部30が踵位置検出部として働いて検出された左踵位置、右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対(Li,Rj)を選択する。したがって、制御部30が部分電極選択部として働いて、適切な部分電極の対(Li,Rj)を選択することができる。この結果、図11中のステップS3,S4で説明した四端子法による測定によって、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0076】
また、この生体インピーダンス測定装置203では、第1電極1、第2電極2、第3電極3および第4電極4は透明電極であるから、金属電極である場合に比して、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。特に、この例では、載置板10上で、透明電極3,4と静電容量センサ80とを組み合わせて配置しているので、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。
【0077】
なお、第1実施形態から第3実施形態において、部分電極の数M,Nは、例示した数に限られず、任意に設定することができる。
【0078】
(第4実施形態)
図5は、この発明の第4実施形態の生体インピーダンス測定装置204の要部の構成を模式的に示している。なお、この生体インピーダンス測定装置204の概略的な外観は、図17に示した一般的な生体インピーダンス測定装置におけるのと同様である。図5では、簡単のため、左足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は右足側の構成要素と全く同様に存在する。
【0079】
この生体インピーダンス測定装置204では、第2電極2、第4電極4(および第1電極1、第3電極3)は、前後方向にも左右方向にも分割されておらず、それぞれ一体の略矩形に構成されている。
【0080】
載置板10は、第3領域13および第4領域14の後端から立ち上がり、左足の踵903の後面、右足の踵904の後面が当接されるべき壁面15を有している。この例では、この壁面15に、センサとしての圧力スイッチ89が設けられている。圧力スイッチ89は、左足の踵903の後面および右足の踵904の後面が当接されたとき、オン(導通)する。圧力スイッチ89の出力は、制御部30に入力されるようになっている。
【0081】
載置板10上の第2領域12には、第2電極2と並んで、第2電極2と同形の複数(この例では4個)の樹脂層102,103,…,105が配置されている。第2電極2および複数の樹脂層102,103,…,105よりも下層に、第2領域12における荷重分布を検知するための圧力センサ90が設けられている。
【0082】
圧力センサ90は、第2電極2および複数の樹脂層102,103,…,105の下に配置された略矩形の第1金属層91,92,…,95と、その第1金属層91,92,…,95よりも下方に、前後方向(X方向)に関してそれらの第1金属層91,92,…,95に対して交互に配置された第2金属層96,97,…,101と、第2金属層96,97,…,101のうち前後方向に関して隣り合う対の間に配置された抵抗r21,r22,…,r25とを含んでいる。第2金属層96の後端(−X側端部)96aは接地され、第2金属層101の前端(+X側端部)101bはプルアップ抵抗r26を介して図示しない電源に接続されている。第2金属層96,97,…,101の電位は、圧力センサ90の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。第4領域14に足が載せられていない状態では、第2金属層96,97,…,101の電位は、この順に低から高へ段階的に高くなっている。
【0083】
第1金属層91,92,…,95は、それぞれ対応する第2電極2、複数の樹脂層102,103,…,105と同じ外形をもち、それぞれ絶縁層52を介して第2電極2、複数の樹脂層102,103,…,105に貼り合わされている。第1金属層91,92,…,95は、第2金属層96,97,…,101から高さ方向に離間して、図示しない支持体によって撓むことが可能に支持されている。
【0084】
第1金属層91は抵抗r21を覆っており、第1金属層91のX方向両端はそれぞれ第2金属層96,97にオーバラップしている。第1金属層92は抵抗r22を覆っており、第1金属層92のX方向両端はそれぞれ第2金属層97,98にオーバラップしている。第1金属層93は抵抗r23を覆っており、第1金属層93のX方向両端はそれぞれ第2金属層98,99にオーバラップしている。第1金属層94は抵抗r24を覆っており、第1金属層94のX方向両端はそれぞれ第2金属層99,100にオーバラップしている。また、第1金属層95は抵抗r25を覆っており、第1金属層95のX方向両端はそれぞれ第2金属層100,101にオーバラップしている。
【0085】
また、この生体インピーダンス測定装置204は、図1の生体インピーダンス測定装置200と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32を含んでいる。
【0086】
図13は、生体インピーダンス測定装置204の概略動作フローを示している。
【0087】
この生体インピーダンス測定装置200では、生体900が有する左右の足裏が載置板10上に載せられるとき、載置板10上の第1領域11に左足の爪先側901、第2領域12に右足の爪先側902、第3領域13に左足の踵903、第4領域14に右足の踵904がそれぞれ載せられる。ここで、制御部30は、図13中のステップS101で、圧力スイッチ89の出力を監視して、圧力スイッチ89がオンしたとき、左足の踵903の後面および右足の踵904の後面が壁面15に当接されたことを検知する。そして、制御部30は、次に述べるように、制御動作を開始する。
【0088】
すなわち、四端子法による測定を行うために、制御部30による制御に応じて、ステップS102で、定電流回路31は、第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流Iを流し、電圧測定回路32は、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vを、第3電極3および第4電極4を介して測定する。制御部30は、ステップS103で、この電圧測定回路32によって測定された降下電圧Vを数値換算(通電電流Iで割り算)することにより、生体900のインピーダンスZを求める。
【0089】
上記四端子法による測定と並行して、ステップS104で、制御部30が爪先位置検出部として働いて、第1領域11内で左足の爪先が載せられた左爪先位置および第2領域12内で右足の爪先が載せられた右爪先位置を検出する。ここで、「爪先」とは、図5中に符号902aで示すように、足指の裏面のうち実質的に載置板10に接触する先端の部位を指す。
【0090】
具体的には、図13中のステップS104における爪先位置検出は、この例では図14(A)に示す動作フローに従って行われる。すなわち、図5中の第2領域12に右足の爪先側902が載せられると、第2領域12に荷重分布が生ずる。この荷重分布によって、第2電極2、複数の樹脂層102,103,…,105に対応する第1金属層91,92,…,95のうち、右足の爪先側902の直下に位置する第1金属層が押し下げられて、その第1金属層にオーバラップしている第2金属層同士がその第1金属層を介して短絡される。例えば、図5の例では、右足の爪先側902の直下に位置する第1金属層91,92,…,94が押し下げられて、第2金属層96,97間、第2金属層97,98間、第2金属層98,99間、第2金属層99,100間がそれぞれ第1金属層91,92,…,94を介して短絡される。これにより、第2金属層97,98,…,100の電位が同じレベルになる。この荷重分布を表す電位分布に基づいて、制御部30は、右爪先位置が例えば樹脂層104の位置であることを検出する。このようにして、第1領域11、第2領域12における荷重分布に基づいて、左爪先位置、右爪先位置を検出することができる。これにより、左爪先位置、右爪先位置を精度良く検出できる。
【0091】
次に、ステップS105で、制御部30が接触部位算出部として働いて、ステップS104で検出された左爪先位置、右爪先位置と壁面15との間の距離に基づいて、左足および右足のサイズを算出する。そして、左足および右足のサイズに対する比例換算により、左足の踵903のうち第3電極3に対して接触している接触部位および右足の踵904のうち第4電極4に対して接触している接触部位を算出する。
【0092】
ここで、接触部位とは、例えば図7に示すように、第4電極4を基準として右足の踵904の中心Cが前方向(+X方向)または後方向(−X方向)にずれている「ずれ量」に応じて、数値化して規定される。図6(A)に示すように、右足のサイズが大きいために、第4電極4に対して右足の踵904の中心Cが前方へ例えば2cmずれて、第4電極4に対して右足の踵904の後部が載っていれば、接触部位は−2cmと表される。一方、図6(B)に示すように、右足のサイズが小さいために、第4電極4に対して右足の踵904の中心Cが後方へ例えば1cmずれて、第4電極4に対して右足の踵904の前部が載っていれば、接触部位は+1cmと表される。図7に示すように、第4電極4に対して右足の踵904中心Cが載っていれば、接触部位は0(ゼロ)と表される。
【0093】
この後、図13中のステップS106で、制御部30が測定結果補正部として働いて、算出した第3電極3に対する左足の踵903の接触部位および第4電極4に対する右足の踵904の接触部位に基づいて、第3電極3に対する左足の踵903の接触部位のずれによる誤差および第4電極4に対する右足の踵904の接触部位のずれによる誤差を解消するように、電圧測定回路32の測定結果(この例では、ステップS103で得られたインピーダンス)を補正する。
【0094】
具体的には、測定結果の補正は、例えば図8に示すような換算グラフを用いて行われる。図8では、実線D1は、電極に対する踵の接触部位毎の実測されたインピーダンスのデータを示している(◆印が実測された個々のデータを表している。)。この実測されたインピーダンスのデータは、破線D2によって近似的に線形に表されている。実線D3は、踵の接触部位が0のときの、破線D2におけるインピーダンスのレベルを表している。測定結果の補正は、踵の接触部位(ずれ量)に応じて、生の測定結果を実線D3のレベルになるように補正する。例えば、接触部位が−2cmであれば、矢印A1で示すように、生の測定結果を増大させる。接触部位が+1cmであれば、矢印A2で示すように、生の測定結果を減少させる。これにより、生体900のインピーダンスZを正しく求めることができる。
【0095】
この生体インピーダンス測定装置204では、壁面15に設けられたセンサは圧力スイッチ89であるから、センサが簡素に構成される。この結果、降下電圧Vの測定開始のタイミングが簡単な構成で得られる。また、壁面15に左足の踵903の後面、右足の踵904の後面が確実に当接された状態で、測定が開始されるので、左爪先位置、右爪先位置を精度良く検出できる。この結果、四端子法による測定によって、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0096】
なお、この圧力センサ90に代えて、図3(B)中に示した圧力センサ60を用いることもできる。
【0097】
また、壁面15に設けられたセンサとしての圧力スイッチ89に代えて、静電容量センサを用いても良い。このセンサとして静電容量センサを用いた場合、センサが薄厚に構成されて、見栄えが良くなる。
【0098】
(第5実施形態)
図9は、この発明の第5実施形態の生体インピーダンス測定装置205の載置板10上の平面レイアウトを示している。図9では、簡単のため、図4におけるのと同様に、右足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は、中心線C2(図17参照)に関して右足側の構成要素と対称に存在する。
【0099】
この生体インピーダンス測定装置205は、図5の生体インピーダンス測定装置204における圧力センサ90に代えて、足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサ110を備えた点のみが異なっている。
【0100】
静電容量センサ110は、第1領域1で第1電極1が占める領域以外の部分に配置されている。具体的には、静電容量センサ110は、第1領域11に、前後方向に関して並べて配置された複数(この例では5個)の部分センサ111,112,…,115を含んでいる。第1電極1と部分センサ111とは、第1領域11の後端側(−X側)に左右に並べて配置されている。残りの部分センサ112,…,115は、左右方向に関して第1領域11の中央に沿って配置されている。部分センサ111,112,…,115が検知した静電容量(静電容量分布を表す)は、静電容量センサ110の出力信号として、それぞれ制御部30に入力されるようになっている。
【0101】
この例では、第1電極1、第3電極3(および第2電極2、第4電極4)は、いずれも透明電極になっていて、部分センサ111,112,…,115と同じ略矩形の形状を有している。
【0102】
また、この生体インピーダンス測定装置205は、図5の生体インピーダンス測定装置204と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32を含んでいる。
【0103】
この生体インピーダンス測定装置205の概略動作フローは、図13に示したものと同じである。この生体インピーダンス測定装置203では、図13中のステップS101における爪先位置検出が、図14(B)中のステップS121によって行われる。
【0104】
この生体インピーダンス測定装置205では、図14(B)中のステップS121で、制御部30が爪先位置検出部として働いて、静電容量センサ110が検知した第1領域11および第2領域12における静電容量分布に基づいて、それぞれ左爪先位置、右爪先位置を検出する。これにより、左爪先位置、右爪先位置を精度良く検出できる。それ以外は、図5の生体インピーダンス測定装置204と同様に動作する。この結果、四端子法による生の測定結果を適切に補正でき、生体900のインピーダンスZをさらに正しく求めることができる。
【0105】
また、この生体インピーダンス測定装置205では、第1電極1、第2電極2、第3電極3および第4電極4は透明電極であるから、金属電極である場合に比して、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。特に、この例では、載置板10上で、透明電極1,2,…,4の形状と静電容量センサ110をなす部分センサ111,112,…,115の形状とを揃えているので、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。
【0106】
また、壁面15に設けられたセンサとしての圧力スイッチ89に代えて、静電容量センサを用いても良い。その場合、この静電容量センサの形状も、静電容量センサ110をなす部分センサの形状と揃えることで、さらに見栄えを良くすることができる。
【0107】
(第6実施形態)
図10は、この発明の第6実施形態の生体インピーダンス測定装置206の要部の構成を模式的に示している。なお、この生体インピーダンス測定装置206の概略的な外観は、図17に示した一般的な生体インピーダンス測定装置におけるのと同様である。図10では、簡単のため、左足側の構成要素の図示が省略されている。実際には、左足側の構成要素は右足側の構成要素と全く同様に存在する。
【0108】
この生体インピーダンス測定装置206では、第2電極2、第4電極4(および第1電極1、第3電極3)は、前後方向にも左右方向にも分割されておらず、それぞれ一体の略矩形に構成されている。
【0109】
この例では、第4電極4よりも下層に、第4領域14に足が載せられたことを検知するセンサとしての圧力スイッチ120が設けられている。この圧力スイッチ120は、ノーマリオフであり、第4電極4上に右足の踵904が載せられたときオン(導通)する。図示を省略しているが、第3電極3よりも下層にも同様に、第4領域13に足が載せられたことを検知するセンサとしての圧力スイッチ120が設けられている。
【0110】
圧力スイッチ120の後端側(−X側)端子121aは接地され、圧力スイッチ120の前端側(+X側)端子121bはプルアップ抵抗122を介して図示しない電源に接続されている。圧力スイッチ120の出力は、制御部30に入力されるようになっている。
【0111】
また、この生体インピーダンス測定装置206は、図1の生体インピーダンス測定装置200と同様に、定電流回路31、電圧測定回路32を含んでいる。
【0112】
図15は、第6実施形態の生体インピーダンス測定装置204の動作フローを示している。
【0113】
この生体インピーダンス測定装置200では、生体900が有する左右の足裏が載置板10上に載せられるとき、載置板10上の第1領域11に左足の爪先側901、第2領域12に右足の爪先側902、第3領域13に左足の踵903、第4領域14に右足の踵904がそれぞれ載せられる。ここで、制御部30は、図15中のステップS201で、圧力スイッチ120の出力を監視して、圧力スイッチ120がオンしたとき、左足の踵903および右足の踵904が載置板10上に載せられたことを検知する。そして、制御部30は、次に述べるように、制御動作を開始する。
【0114】
すなわち、四端子法による測定を行うために、制御部30による制御に応じて、ステップS202で、定電流回路31は、第1電極1および第2電極2を介して生体900に所定の通電電流Iを流し、電圧測定回路32は、生体900に通電電流Iが流れることにより生じた降下電圧Vを、第3電極3および第4電極4を介して測定する。制御部30は、ステップS203で、この電圧測定回路32によって測定された降下電圧Vを数値換算(通電電流Iで割り算)することにより、生体900のインピーダンスZを求める。
【0115】
このように、載置板10上に左足の踵903、右足の踵904が確実に載せられた状態で、測定が開始される。この結果、四端子法による測定によって、生体900のインピーダンスZを正しく求めることができる。
【0116】
また、上記センサとして圧力スイッチ120を用いているので、センサが簡素に構成される。この結果、降下電圧Vの測定開始のタイミングが簡単な構成で得られる。
【0117】
なお、センサとしての圧力スイッチ120に代えて、静電容量センサを用いても良い。このセンサとして静電容量センサを用いた場合、センサが薄厚に構成されて、見栄えが良くなる。
【0118】
また、いずれの実施形態においても、第1電極1、第2電極2、第3電極3および第4電極4は透明電極であるものとしても良い。そのようにした場合、金属電極である場合に比して、載置板10上のレイアウトの見栄えを良くすることができる。
【符号の説明】
【0119】
1 第1電極
2 第2電極
3 第3電極
4 第4電極
10 載置板
11 第1領域
12 第2領域
13 第3領域
14 第4領域
30 制御部
31 定電流回路
32 電圧測定回路
201,202,…,206 生体インピーダンス測定装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部とを備え、
上記第3電極および第4電極はそれぞれ上記第3領域、第4領域内で複数の部分電極に分割され、
上記第3領域内で上記左足の踵が載せられた左踵位置および上記第4領域内で上記右足の踵が載せられた右踵位置を検出する踵位置検出部と、
上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する部分電極選択部とを備えたことを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記踵位置検出部は、
上記第3電極をなす上記複数の部分電極と上記第4電極をなす上記複数の部分電極との間で、互いに個々の部分電極同士を組み合わせ、組み合わされた上記部分電極の対毎に、上記電圧測定部によって上記降下電圧を測定し、
測定された上記降下電圧のうち最も低い降下電圧を与える部分電極の対の位置を、上記左踵位置、上記右踵位置として検出することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記載置板上で上記第3電極および第4電極よりも下層に、上記第3領域および第4領域における荷重分布を検知する圧力センサを備え、
上記踵位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第3領域および第4領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記第3領域で上記第3電極をなす上記複数の部分電極が占める領域以外の部分および上記第4領域で上記第4電極をなす上記複数の部分電極が占める領域以外の部分に配置され、上記第3領域および第4領域における上記足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサを備え、
上記踵位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項5】
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部と、
上記載置板上で、上記第3領域および上記第4領域の後端から立ち上がり、上記左足の踵の後面、上記右足の踵の後面が当接されるべき壁面と、
上記第1領域内で上記左足の爪先が載せられた左爪先位置および上記第2領域内で上記右足の爪先が載せられた右爪先位置を検出する爪先位置検出部と、
上記爪先位置検出部が検出した上記左爪先位置、上記右爪先位置と上記壁面との間の距離に基づいて、上記左足および右足のサイズを算出して、上記左足の踵のうち上記第3電極に対して接触している接触部位および上記右足の踵のうち上記第4電極に対して接触している接触部位を算出する接触部位算出部と、
上記接触部位算出部が算出した上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位に基づいて、上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位のずれによる誤差および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位のずれによる誤差を解消するように、上記電圧測定部の測定結果を補正する測定結果補正部とを備えたことを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記載置板上で上記第1電極および第2電極よりも下層に、上記第1領域および第2領域における荷重分布を検知する圧力センサを備え、
上記爪先位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第1領域および第2領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求めることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項7】
請求項5に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記第1領域で上記第1電極が占める領域以外の部分および上記第2領域で上記第2電極が占める領域以外の部分に配置され、上記第1領域および第2領域における上記足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサを備え、
上記爪先位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求めることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項8】
請求項5、6または7に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記壁面に、上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを検知するセンサを備え、
上記センサが上記壁面に上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部が上記降下電圧の測定を開始するとともに、上記爪先位置検出部が上記左爪先位置、上記右爪先位置の検出を開始することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項9】
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部と、
上記載置板上の上記第3領域および第4領域に、それぞれ上記左右の足裏が載せられたことを検知するセンサとを備え、
上記センサが上記第3領域および第4領域に上記左右の足裏が載せられたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部は上記降下電圧の測定を開始することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記センサは圧力スイッチであることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項11】
請求項8または9に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記センサは静電容量センサであることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一つに記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記第1電極、第2電極、第3電極および第4電極は透明電極であることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項1】
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部とを備え、
上記第3電極および第4電極はそれぞれ上記第3領域、第4領域内で複数の部分電極に分割され、
上記第3領域内で上記左足の踵が載せられた左踵位置および上記第4領域内で上記右足の踵が載せられた右踵位置を検出する踵位置検出部と、
上記第3電極をなす上記複数の部分電極および上記第4電極をなす上記複数の部分電極のうち、上記踵位置検出部によって検出された上記左踵位置、上記右踵位置にそれぞれ応じた部分電極の対を選択する部分電極選択部とを備えたことを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記踵位置検出部は、
上記第3電極をなす上記複数の部分電極と上記第4電極をなす上記複数の部分電極との間で、互いに個々の部分電極同士を組み合わせ、組み合わされた上記部分電極の対毎に、上記電圧測定部によって上記降下電圧を測定し、
測定された上記降下電圧のうち最も低い降下電圧を与える部分電極の対の位置を、上記左踵位置、上記右踵位置として検出することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記載置板上で上記第3電極および第4電極よりも下層に、上記第3領域および第4領域における荷重分布を検知する圧力センサを備え、
上記踵位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第3領域および第4領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記第3領域で上記第3電極をなす上記複数の部分電極が占める領域以外の部分および上記第4領域で上記第4電極をなす上記複数の部分電極が占める領域以外の部分に配置され、上記第3領域および第4領域における上記足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサを備え、
上記踵位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左踵位置、上記右踵位置を検出することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項5】
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部と、
上記載置板上で、上記第3領域および上記第4領域の後端から立ち上がり、上記左足の踵の後面、上記右足の踵の後面が当接されるべき壁面と、
上記第1領域内で上記左足の爪先が載せられた左爪先位置および上記第2領域内で上記右足の爪先が載せられた右爪先位置を検出する爪先位置検出部と、
上記爪先位置検出部が検出した上記左爪先位置、上記右爪先位置と上記壁面との間の距離に基づいて、上記左足および右足のサイズを算出して、上記左足の踵のうち上記第3電極に対して接触している接触部位および上記右足の踵のうち上記第4電極に対して接触している接触部位を算出する接触部位算出部と、
上記接触部位算出部が算出した上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位に基づいて、上記第3電極に対する上記左足の踵の接触部位のずれによる誤差および上記第4電極に対する上記右足の踵の接触部位のずれによる誤差を解消するように、上記電圧測定部の測定結果を補正する測定結果補正部とを備えたことを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記載置板上で上記第1電極および第2電極よりも下層に、上記第1領域および第2領域における荷重分布を検知する圧力センサを備え、
上記爪先位置検出部は、上記圧力センサが検知した上記第1領域および第2領域における荷重分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求めることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項7】
請求項5に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記第1領域で上記第1電極が占める領域以外の部分および上記第2領域で上記第2電極が占める領域以外の部分に配置され、上記第1領域および第2領域における上記足裏に対する静電容量分布を検知する静電容量センサを備え、
上記爪先位置検出部は、上記静電容量センサが検知した上記第3領域および第4領域における静電容量分布に基づいて、それぞれ上記左爪先位置、上記右爪先位置を求めることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項8】
請求項5、6または7に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記壁面に、上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを検知するセンサを備え、
上記センサが上記壁面に上記左足の踵の後面および上記右足の踵の後面が当接されたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部が上記降下電圧の測定を開始するとともに、上記爪先位置検出部が上記左爪先位置、上記右爪先位置の検出を開始することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項9】
生体が有する左右の足裏が載せられるべき載置板と、
上記載置板上で、左足の爪先側に相当する第1領域に設けられた第1電極、右足の爪先側に相当する第2領域に設けられた第2電極、左足の踵側に相当する第3領域に設けられた第3電極、および右足の踵側に相当する第4領域に設けられた第4電極と、
上記第1電極および第2電極を介して上記生体に所定の通電電流を流す通電部と、
上記生体に上記通電電流が流れることにより生じた降下電圧を、上記第3電極および第4電極を介して測定する電圧測定部と、
上記載置板上の上記第3領域および第4領域に、それぞれ上記左右の足裏が載せられたことを検知するセンサとを備え、
上記センサが上記第3領域および第4領域に上記左右の足裏が載せられたことを表す信号を出力した時に、上記電圧測定部は上記降下電圧の測定を開始することを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記センサは圧力スイッチであることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項11】
請求項8または9に記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記センサは静電容量センサであることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一つに記載の生体インピーダンス測定装置において、
上記第1電極、第2電極、第3電極および第4電極は透明電極であることを特徴とする生体インピーダンス測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−191995(P2012−191995A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56688(P2011−56688)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
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