説明

生体物質認識分子に結合したマイクロビーズを用いた病原体検出システム及び方法

患者サンプル中の多種多様な病原体の同時検出及び同定を目的とする方法及びシステムが提供される。サンプルはマイクロビーズと一緒にされる。前記マイクロビーズは、量子ドット又は蛍光色素とともに導入され、病原体特異的生体物質認識分子(例えば抗体及びオリゴヌクレオチド)と結合されている。治療選択肢は、サンプルで検出された病原体の実体に基づいて決定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は病原体検出分野に関する。特に、本発明は、病原体及び宿主マーカーを検出し、同定し、特徴を決定し、さらにそれらを厳重な監視下に置くため、前記病原体及びそれらの宿主に関する情報をリアルタイムで対象の場所から収集しさらに前記を対象の場所へ広め、即座に推奨治療及び教育的情報を提供するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感染症の検出及び特徴決定は、理想的には原因因子(病原体)の同定により開始する複雑な過程である。これは、伝統的には適切な臨床標本の直接的試験及び培養によって達成されてきた。しかしながら、直接的試験は存在する生物の数によって及び前記病原体を認識しえる観察者の能力によって制限される。同様に、疫学的因子のin vitro培養は、適切な培養媒体の選択と同時に微生物の取扱いの難しさに左右される。病原体培養の有用性は、培養期間の長さ並びに感度、正確さ及び特異性の制限によってさらに限定される。
in vitro培養がなお実行可能な選択肢であるときは、微生物の同定及び識別は、主として微生物の形態学及び増殖変数に依存し、前記はいくつかの事例では、株の特徴決定(すなわちアイソザイムプロフィル、抗生物質感受性プロフィル及び脂肪酸のケマトグラフィー分析)に十分である。
培養が困難な場合、又は標本が適切な時に収集されない場合は、感染の検出は(あるとしても)感染宿主の血清抗体応答を示すことによってしばしば過去に遡って行われる。抗原及び抗体検出方法は、直接(DFA)及び間接(IFA)免疫蛍光分析並びに酵素免疫アッセイ(EIA)系技術の発展に左右されるが、これらの方法もまた感度に限界がある。
これら既存の方法はいくつかの欠点を有する。第一に、この処理過程は結果を返すために数日を要する可能性がある。高度に伝染性及び/又は危険な病原体の事例では、病原体の確認は、宿主が既に他者に暴露されたか治療が及ばず死亡するまで得られないかもしれない。第二に、培養増殖のためにサンプルを検査室に輸送することは間違い(例えばサンプルの取り違え、又は高度に伝染性病原体を含むサンプルへの無防備な職員の暴露)を起こす危険性を高める。第三に、病原体検査は、観察者(すなわち医師)によって提供される疑われる病原体リストにしたがって制限を受け、このことは疑われていない別の病原体は試験されないが存在している可能性があることを意味する。
【0003】
本診断方法が関連するのは伝染病の流行に対する応答である。流行が疑われるか又は検出された場合、既存の応答は、数百年にわたる古い隔離方法である。適切な治療方法及び/又は感度が高く特異的で迅速なスクリーニング/診断検査が存在しない伝染病の流行の場合、隔離は、相変わらず疾病の制御不能の拡散を予防するただ1つの手段である。単に疫学的根拠を基準にして、又はときには比較可能な疾病の提示を基準にして感染が疑われるときは、感染個体に加えて健常又は未暴露個体を隔離し、隔離の結果として疾病との接触の蓋然性を高める可能性がある。問題となっている病原体に対する多様な迅速で確実な検査は隔離に費やされる時間を大きく短縮し、したがって実際の感染者から前記疾病が伝染する蓋然性を減少させるであろう。
隔離は相変わらず公衆衛生を保護するための最後の方策であるが、正確な診断及びそれに続く適切な治療の提供の遅れは病院及び医院でも同様に毎日発生する。この問題は、多くの疾患が感染初期段階では非常に類似した症状を示し、さらに完全な患者歴及び旅行歴が得られなければ、例えばマラリア又はSARSは(潜在的には致死的な結果をもたらすが)一般的な風邪(すなわち発熱、悪寒)と誤診されうるという事実に起因する。類似の症状を示す疾患を識別する多重病原体検査が利用可能であったならば、悲劇を回避することができよう。
形態学的な特徴決定と対照的に、病原体の遺伝子型及びプロテオミクス特性は一般的に伝染性因子の検出及び特徴決定について信頼できる定量的な情報を提供する。さらにまた、微生物のDNA/RNAは前記病原因子の精製又は単離を必要とすることなく臨床標本から直接抽出することができる。
【0004】
分子的技術は、地球的規模で、疾病の蔓延及び分布をモニターするスクリーニング及び監視調査、制御手段の評価、並びに流行の決定に応用することができる。
ポイント・オブ・ケア用(point-of-care)診断装置(PDD)が多数の個々の伝染病について開発されている。ほとんどの事例で、これらのアッセイは、小量の血液又は血清中の単一の感染性因子(病原体特異的抗原又は前記に応答する抗体)を検出するために設計された免疫クロマトグラフィー用単一比色片検査である。
これら従来のアッセイのいずれも、多種多様な病原体を検出する能力又は多種多様な病原体のゲノム及びタンパク質マーカーを同時に検出する能力をもたない。同じような限界が他の迅速診断アッセイについても存在する。これら検査のほとんど全てがそれらのデータ読み取りのためにただ1つの視覚的比色変化に依存しているので、多種多様な病原体を検出する機会は極めて阻害され、従来のPPDの大半がただ1つの病原体の検出に限られる。結果として、潜在的な感染性因子について患者を判定したり又は一般的な伝搬性因子について一式の血液を検査することは、多面的で連続的なポイント・オブ・ケア検査の実施を必要とし、臨床的管理が複雑になり、結果を得るために時間を要し、さらにコストは極めて増大する。
多くのPPDは本質的な要件と考えられるものを満足させない(前記要件には以下が含まれる:実施が容易であること、必要な訓練ができるだけ少ないこと、明確な結果を生じること、高い感度及び特異性、その日に結果が得られること(好ましくは数分以内)、相対的に低コストであること、冷蔵不要又は特殊な追加装置が不要であること)。
要約すれば、多くの微生物病原体の特異的な標的を認識する優れた診断用試薬(例えば抗体及び核酸試薬)がこれまで利用可能であったにもかかわらず、従来の方法は不適切な性能特性をもつ。前記の一因となるものは、これらの試薬は、単分子レベルでは十分な検出感度を欠く有機色素、金標識粒子又は酵素と結合されているという事実である。さらにまた、従来のPDDプラットフォーム及び検出工程は、典型的には肉眼的単一比色変化に依存し、多種多様な病原体の同時検出に上手く適合していない。
【0005】
より最近の分子診断(標本自動処理と連携させたリアルタイムPCRを含む)における進歩は、多くの初期“イン-ハウス”及び非標準増幅アッセイの限界を取り扱ってきた。これらのアッセイは、多くの微生物の検出、定量及び特徴決定で顕著な進歩を示し、これまでのところ多数の病原体に関し伝染病診断のための“貴重なる”標準又は参照標準である。しかしながら、これらのアッセイはなお複雑で高価であり、特殊な装置を必要とし、治療地点でのそれらの潜在的利用に対して多くの障害を作り出している。
最後に、現行のゲノミクス又はプロテオミクス検出戦略は、サンプルの処理及びいずれかの戦略への技術的依存性を要する。いくつかの病原体に対する抗原標的及び他の病原体に対する遺伝子標的の両方を同時に検出する一般的に知られた能力は存在しない。このことは、好ましい病原体特異的標的の同時検出を制限し、両方法の補完的能力の徹底的利用に対して障害となる。
既存の方法よりもはるかにタイムリーな態様で、病原体の検出、同定及び特徴決定を宿主の特徴決定と同様に可能にするシステムが希求される。好ましくは、そのようなシステムは、装置が用いられる状況下にある施術医師又は医院の固有の(すなわちスクリーニング又は診断のための)要望に基づく、モジュール式の病原体選別プラットフォームを支援するであろう。さらにまた、本システムは、単一サンプル中の多種多様な病原体の同時検出、同定及び特徴決定を可能にし、それによって病原体は、予め存在するデータベースに保存された光学的病原体特異的プロフィルにより識別されるであろう。
【発明の開示】
【0006】
発明の概要
本発明のある特徴にしたがえば、本発明は、病原体の検出、同定及び特徴決定、並びに病原体宿主の特徴決定の1つ以上を、病原体及び宿主のためのマーカーを用いて実施する方法を提供する。前記方法は、a)病原体及び場合によって宿主の実体のシグナチャー及び特徴を含むマーカー検出媒体を調製する工程、b)宿主からサンプルを収集する工程、c)前記サンプルを前記マーカー検出媒体と一緒にする工程、及びd)シグナチャーを分析して、病原体を検出し同定しさらに特徴を決定し、場合によって宿主の特徴を決定する工程を含む。
好ましくは、前記収集されるサンプルは血液サンプルであるが、ただし血漿、血清、脳脊髄液(CSF)、気管支肺胞洗浄(BAL)、鼻咽頭(NP)スワブ、NP吸引物、喀痰及び他のタイプのサンプルもまた用いることができ、さらに前記マーカー検出系は、好ましくは生体物質認識分子(BRM)と結合したマイクロビーズを含む病原体検出媒体であり、前記マイクロビーズは量子ドット又は同様な蛍光粒子若しくは化合物とともに導入される。また好ましくは、マイクロビーズの各々は量子ドットの固有の組合せを含み、固有の病原体特異的及び/又は宿主特異的シグナチャーを検出するために各マイクロビーズに結合されてある固有の光学バーコードを提供する。
好ましくは、分析工程は、マイクロビーズ-病原体サンプルに前記が微小流体路(microfluidic channel)を通るときにレーザーを照射し、生じたスペクトルを分光光度計/CCDカメラ、光電子増倍管、及び/又はアバランシェ(avalanche)光検出装置(APD)集合物により収集する工程を含む。各スペクトルを予め割り当てておいた病原体と関連づける。
場合によって、前記方法は、分析工程d)の部分として前記宿主サンプルに付随する宿主特徴決定マーカーのリストを作成する工程を含むことができる。
場合によって、前記方法は、分析工程d)で作成した病原体のリストに基づいて治療選択肢のリストを提供するという追加の工程e)を含むことができる。
場合によって、前記方法はまた、GPS位置決定装置により、分析工程d)で作成された病原体及び宿主マーカーのリストと地理的位置の情報データを関連づける工程f)を含むことができる
【0007】
好ましくは、本方法は、さらに前記宿主アイデンティファイアー・マーカーのリスト及び前記地理的位置データを遠隔地のデータベースへ好ましくは無線により伝達すると同様に、データベースから野外の装置へ治療及び教育的情報を伝達する追加の工程g)を含む。本方法のこれら工程は必ずしも特定の順序で実施される必要はないことは理解されよう。
本発明はさらに、微小流体路を通る動電学的又は流体力学的流れによって推進される流体中の病原体結合マイクロビーズを検出する工程を含む。バーコード付きビーズが前記流体路の一方の端でレーザービームを通過するとき、ビーズ内で(バーコードの一部分として)又はビーズ外で(ビーズ-病原体検出メカニズムの一部分として、前記は下記に記載するように蛍光発光団を含むことができる)前記量子ドットによって放出されたスペクトルは、分光光度計/CCDカメラシステム、光電子増倍管、及び/又はAPD集合物によって収集され、適切なソフトによって分析される。
本発明の別の特徴にしたがえば、上記方法のいずれかを実行することができる複数の構成要素で構成されるシステムが提供される。
本発明の利点には、患者サンプル中の病原体の同定に必要な時間が、従来用いられているほとんどの方法と比較してきわめて短縮されるということとともに、同定された一切の病原体についての治療及び隔離手段に関する迅速な現地での情報を提供する能力が含まれる。別の利点は、全世界的データベースから患者及び病原体データを収集し、このデータベースに含まれる情報を精選し、種々の病原体及びそれらの宿主についての傾向及び追跡手段、どの情報を監視、研究、治療設計及び他の目的のために用いることができるかを示す能力である。
他の及び更なる利点並びに特徴物は、添付の図面と合わせて以下の詳細な説明から当業者には明白であろう。
【0008】
発明の詳細な説明
添付の図面を参照しながら、単に例示として本発明をこれからより詳細に説明する。
図1を参照しながら、本発明をフローチャートに示す一連の工程によって説明する。
第一の工程(12)は、宿主(例えば人間、動物又は環境サンプル)からサンプル、好ましくは血液サンプル(ただし適切な場合には、血漿サンプル、血清サンプル、CSF、BAL、NP吸引物、NPスワブ、喀痰及び他のタイプの身体的サンプルもまた用いることができる)を採集することである。続いてこのサンプルを分析し(14)、サンプル中の同定された病原体のリストが作成される(16)。GPS受信機(22)はサンプル読取装置の位置、したがってサンプルの位置を決定する。同定された病原体のリスト及び位置情報は両方とも、保存及び処理のために中央データベースに送られる(20)。しばらくして、同定された病原体を基にして治療選択肢のリストが、オペレーターの考慮のために(18)で表示される。
分析(14)は、図2に示す病原体検出装置(30)によって実施される。この装置(30)は携帯性であり(好ましくはハンドヘルド)、サンプルを受け取る口(32)及びサンプル内の検出病原体のリストを示すディスプレー(36)を有する。入力装置(38)(例えばキーボード)もまた提供され、ディスプレーのスクロール及び検分並びに追加情報(野外記録など)の入力を可能にする。サンプル中の病原体は、本装置によって維持されている、各病原体に対応する以前に保存されたデータとスペクトルとの適合性を基にして同定される。前記スペクトルデータベースは、装置(30)の内部データベース(フラッシュメモリー又は更新が可能な類似の保存態様で維持されてある)であってもよく、又は外部データベースとの通信によって検索することもできる。好ましくは、GPS受信機(35)もまた、GPS座標を示すディスプレーとともに装置(30)に配置される。理想的には、全ての通信は、最大の有効範囲及び携帯性のために無線により実施される。病原体検出装置(30)は理想的には多種多様な病原体、同じ病原体由来の多種BRMとともに単一サンプル中の宿主マーカー、及び好ましくは異なるタイプのマーカー、例えばタンパク質系マーカー及び遺伝子系マーカーを検出することができる。
【0009】
用いられる検出方法は適切な利用可能な方法の中で変動しえるが、しかしながら、好ましい方法は、量子ドットドープマイクロビーズ又はナノビーズ/ナノ粒子と結合させた生体物質認識分子(BRM)の使用である。別の選択肢には、BRMと結合させた単一量子ドット又は蛍光発光団が含まれる。量子ドット(半導体ナノクリスタルとしてもまた知られている)は、電磁的に活性なナノテクノロジーによる粒子であり、2ナノメートル(nm)から8nmの範囲のサイズを有する。量子ドットの特に有用な特性は、それらが蛍光性であるということである(すなわち、それらは短時間のレーザー照射後に光を放出する)。さらにまた、種々のサイズの量子ドットは種々の色の蛍光を有し、この蛍光の色は、粒子の形状、サイズ及び組成によって改変することができる。BRMは生物学的分子であり、ただ1つの他の生物学的分子とのみ結合し、病原体特異的である。例えば、“抗体”はタンパク質と結合するBRMであり、“オリゴヌクレオチドプローブ”は相補的な遺伝子配列(例えばDNA又はRNA)と結合するBRMである。病原体及び宿主は、固有の並びに共有される遺伝子マーカー及びタンパク質マーカーの両方を有し、各マーカーは特異的なBRMと結合することができる。
【0010】
マイクロビーズはBRMと物理的に結合される。このマイクロビーズは直径が100ナノメートルから10マイクロメートルで、一群の量子ドットでドープすることができるポリスチレン(又は類似のポリマー)ビーズである。種々のサイズ(すなわち種々の色)及び種々の濃度の量子ドットの固有の組合せをマイクロビーズに導入することによって、数千の別個の量子ドットの色及び強度の組合せをもつマイクロビーズを生成することができる。レーザーをマイクロビーズに照射するとき、量子ドットは蛍光を発し、別個の色の組合せを生じる。これらの色の組合せはバーコードの例である(この事例では光学バーコードであり、UPC記号及び同様な既知の刻印バーコードタイプと類似する)。各BRMは別個の病原体又は宿主マーカーを認識し、各マイクロビーズは固有のバーコードを有するので、各BRM結合マイクロビーズは、そのBRMによって認識される特異的な病原体又は宿主マーカーのためのバーコードを提供する。これらのBRM結合マイクロビーズは、BRM結合量子ドットと同様、凍結乾燥させて粉末とし、サンプル分析キットとして提供することができる。
病原体と結合したBRM結合ビーズと結合していないビーズとを弁別するために、蛍光発光団と結合させた抗ヒトIgG及び/又は抗ヒトIgM分子、又は病原体特異的抗体(すなわち抗X-抗体)、又はオリゴヌクレオチド(問題の病原体遺伝子と相補的)の形態で、また別の確認用検出シグナルが加えられる。良好な病原体検出検査の読出しは、ビーズバーコードシグナル及び前記蛍光発光団によって生成される第二のシグナルを含む。
【0011】
病原体検出のある例は抗原捕捉システムである。この抗原捕捉システムは、バーコードを付されたマイクロビーズに結合させた捕捉抗体(すなわちBRM)を含む(前記はサンプルの抗原の捕捉をもたらす)。病原体抗原/タンパク質を認識する第二の抗体(検出抗体)はこの複合体と結合する。この検出抗体は蛍光発光団と結合されている。サンプルを分析するときに検出抗体のためのこのシグナルが検出されない場合は、病原体がサンプルに存在しないか又はアッセイが不成功のどちらかであるので、病原体は検出されたとは記録されない。後者の事例は、陽性コントロールサンプルから生じる正しいシグナル(すなわち、全ての臨床検査と平行して実施されるBRM-量子ドット含有マイクロビーズの適切なバーコードの検出)が検出される場合は排除される。
病原体検出の別の例は抗体捕捉システムである。この抗体捕捉システムでは、バーコードを付されたマイクロビーズに結合させたBRMは、病原体特異的抗原又はタンパク質(天然、組換え、又は合成)である。抗原に相補的な抗体は(臨床サンプルに存在する場合は)、ビーズに結合した抗原と結合するであろう。この複合体は、二次(検出)抗ヒト抗体(抗ヒトIgM又は抗ヒトIgG)の添加によって認識される。この検出抗体は蛍光発光団と結合される。繰り返せば、サンプルを分析するときに検出抗体のためのこのシグナルがビーズバーコード由来のシグナルと一緒に検出されない場合は、病原体がサンプルに存在しないか又はアッセイが不成功のどちらかであるので、病原体は検出されたとは記録されない。後者の事例は、陽性コントロールサンプルの予想されるシグナルが、上記に記載したように正しく記録される場合は排除される。
【0012】
病原体検出のさらに別の例はゲノム分析システムである。ゲノム分析システムでは、バーコードを付されたマイクロビーズに結合されるBRMは、病原体特異的オリゴヌクレオチド(RNA又はDNA)(長さが1−25塩基)である。サンプルに添加したとき、このオリゴヌクレオチドは、病原体遺伝子上のその相補性配列とハイブリダイズするであろう。注目する遺伝子の下流部分と相補的な第二のオリゴヌクレオチド配列が続いて添加され、存在する場合は前記遺伝子とハイブリダイズするであろう。この第二の配列は蛍光発光団と結合される。繰り返せば、サンプルを分析するときに、第二の配列のためのシグナルが検出されない場合は、病原体がサンプルに存在しないか又はアッセイが不成功のどちらかであるので、病原体は検出されたとは記録されない。上記で言及したように、正確に検出された陽性コントロールサンプルは後者のシナリオを排除する。
生物学的(例えば血液)サンプルをウイルス性及び種々の病原体マーカーに添加し、特異的な病原体BRMを保持する種々のマイクロビーズと結合させる。この混合サンプルを続いて洗浄するか、又はそうでなければ余分な物質及び未結合マイクロビーズを除去するために処理する。続いて、蛍光発光団と結合させた検出抗体を添加し、ビーズ-サンプル-検出物質複合体を生成する。
ビーズ-サンプル-二次検出物質複合体は、流体力学的又は動電学的推進流により微小流体路を流れ、さらに前記流体路の一端に位置するレーザービームを通過する。このレーザービームは前記複合体中の量子ドットを照射し、放出された波長は分光光度計/CCDシステム、光電子増倍管、及び/又は一連のAPDに誘導される。シグナルデコンボルーションソフトはシグナルを翻訳し、対応する光学コードは、検出装置によって保存されている病原体又は宿主の特徴に関するデータベースに保存されている病原体特異的スペクトルと比較される。続いて、検出された病原体並びに病原体及び宿主の特徴のリストが作成される。最初の生物学的サンプルの受け入れから病原体リストの作成までの応答時間は数分と測定されえる。
【0013】
理想的には、病原体検出装置(30)は携帯性のハンドヘルド装置であり、組み込みのレーザー及び分光光度計、光電子増倍管及び/又はAPDユニットシリーズ、特別に設計されたPDMS微小流体路チップ、種々の病原体検出用のBRM結合バーコード付きビーズとともに適切なビーズ-病原体複合体検出マーカー(量子ドット、蛍光発光団、小ビーズ標識IgG/IgM/抗病原体抗体又はオリゴヌクレオチド)の供給源を備えている。この装置(30)は、病原体実体のオン・ボードデータベースを保存することができ 、また遠隔データベースに好ましくはインターネットを介して、好ましくは無線でアクセスして、遠隔中央データベースから病原体を同定することもできる。オン・ボードデータベースを用いる場合は、より大きな中央データベースと接続して最新情報を受け取るための通信システム(34)が供給される。
病原体検出装置(30)はGPS追跡装置を含むことができる。前記装置は特定の地理的情報を、好ましくは無線で同じ中央のデータベースに送信する。
いったん病原体リストが作成されたら、病原体検出装置(30)はさらに、診断する医師にとって有益な追加の情報を提供することができる。理想的には、病原体の伝染を回避するために必要な任意の特別な手段を含む治療プロトコルが提供される(工程18)。他の情報、例えば疾患生理学、疾患の歴史及び参考文献一覧が提供され、適切なシナリオ下における教育的ツールとしての病原体検出装置(30)の利用もまた可能になる。
【0014】
病原体検出の標準的設定で装置が使用される流行のシナリオは以下のとおりである。空港は、主要な病原体のトラベルベクターの典型的な侵入点であるとともに、伝統的検出隔離方法の実施に関する問題を提示する。本明細書に記載した検出装置を多数携えた医療スタッフを配備することによって、さらに旅行者により典型的に伝播される病原体を検出できるマイクロビーズサンプルバイアルを供給することによって、血液サンプルを採取し、前記サンプルをサンプルバイアルに注入することによって入国する旅客を現地で処理することができる。この分析は、数分以内に病原体検出装置によって実施され、サンプルを採取された旅客は迅速に解放されるか、又は必要に応じて再度治療及び観察に向けられる。ただ1つの装置では処理能力に限界があるが、何台もの同一装置を供給する能力によって旅客を数時間で(数日ではなく)処理することが可能となる。より迅速な処理は、適切な治療及びより早期に実施されるべき(及びより有効であるべき)隔離処置を可能にし、未検査のまま病原体が拡散される確率が減少する。
例として、病原体検出装置は、3つの異なる病原体、例えばHIV、B型肝炎及びC型肝炎の検出のためのBRM結合バーコード付きマイクロビーズを含むことができる。各病原体と結合したマイクロビーズは、別々に同定することができるバーコードを有する。例えば、HIVは赤色ビーズを(例えばHIV感染の指標として抗体gp41を検出)、B型肝炎は黄色ビーズを(例えばB型肝炎の指標として抗体NSP4を検出)、さらにC型肝炎は赤黄色ビーズ(例えばC型肝炎の指標として抗NSP4抗体を検出)を有することができ、さらに好ましくは、全てについて、オレンジ色のプローブ-病原体複合体検出マーカー又はバーコードの色とスペクトルが異なる任意の色-プローブが用いられる。したがって、本検出システムは、単に波長によって(色を規定する)又はビーズのスペクトルの強度によって検出された一切の病原体を容易に同定することができる。
このモデルから、本システムは、例えば、マラリア及びデングウイルスのための病原体検出マイクロビーズを加えて、例えば5つの病原体に容易に拡張することができる。このことから、より多くの病原体(10、20、100)の外挿は、もっぱら十分な数のバーコードを作成する能力(主としてマイクロビーズのドーピングに依存する)及び検出メカニズムの限界によって制限される。数が増加するにつれ、バーコードは、波長と同様に、強度レベルを基準にすることができる。
【0015】
図3に示すように、病原体の検出及び治療プロトコルの提供は、病原体拡散の追跡及び制御を目的とする潜在的にはるかに大きな処置の中の単に最初の工程である。本装置をモジュール式に調整することによって、さらに同様な臨床症状を示す一連の病原体を検出できるように(すなわち多種病原体用BRM)、スクリーニングツールとして機能しえるように(例えば選択された疾患についてワクチン接種された個体を同定するために)、又は医師若しくは医院がそれらの個々のコミュニティーで問題となっている病原体を選択することを可能にすることによって、病床において比類ない診断融通性が可能になる。同じ病原体について多重BRMを取り入れることによって検出の正確さが高められ、病原体検出に単一BRMを使用することに伴う限界が克服される(すなわち偽陰性又は偽陽性を生じる可能性がある変異及び株間の相違)。GPSユニットによって提供される地理的な位置に関するデータ(患者に関する他の情報、例えば氏名、住所および他の個人情報を除く)とともに検査結果のデータは中央データベース(40)に送信される。この情報は、好ましくは無線により、さらに病原体リストの作成後直ちに送信される(工程20)。中央データベース(40)は、相当数の病原体検出装置(30)といつでも接続する。
中央データベース(40)は、地域的データベースでも、国のデータベースでも、又は全世界的データベースでも、又は前記タイプの種々のデータベースの組合せでもよい。理想的には、世界中の装置(30)の全てから定常的に情報を受け取るトップレベルの1つの中央データベース(40)が提供される。時間がたてば、データベースは、検出拠点によって支援される、各病原体に関する情報集積所になり、それ自身は、とりわけ病原体検出の頻度及び世界的パターン、長期的な病原体の傾向(すなわち新規なテリトリーのコロニー化)、及び病原体と宿主マーカーの相関性(前記は当該疾患に対する感受性又は耐性の増強を示すかもしれない)の精選に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本明細書に開示した本発明の方法の工程を示すフローチャートである。
【図2】病原体検出装置のブロック図である。
【図3】中央データベースと通信する複合装置のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、1つ以上の病原体の検出、1つ以上の病原体の同定、1つ以上の病原体の特徴決定、又は病原体宿主の特徴決定の1つ以上を実施する方法:
病原体及び宿主マーカーの検出のために病原体特異的識別複合体及び宿主マーカー識別複合体を含む検出媒体を提供する工程;
宿主から臨床サンプルを収集する工程;
前記臨床サンプルを前記検出媒体及び検出分子と一緒にして検出複合体を生成する工程;
検出分子及び病原体/宿主マーカー識別複合体からのスペクトルシグナルを検出することによって前記検出複合体を診断装置内の検出エレメントにより分析して、宿主内に含まれる病原体のリスト、並びに病原体の特徴及び宿主の特徴のリストを作成する工程。
【請求項2】
病原体及び前記宿主の1つ以上について、検出装置から地理的位置情報を収集する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
位置情報が診断装置内のGPS-作動性(全地球測位システム)エレメントにより収集される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
収集工程で収集される前記臨床サンプルが、血液サンプル、血漿サンプル、CSF(脳脊髄液)、血清サンプル、BAL(気管支肺胞洗浄)、NP(鼻咽頭)スワブ、NP吸引物又は喀痰である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
検出媒体中の識別複合体が、病原体特異的又は宿主特異的生体物質認識分子(BRM)と結合したマイクロビーズを含み、前記マイクロビーズが、量子ドット、蛍光色素、又はその組み合わせの1つを含み、検出エレメントに第一のシグナルを提供する、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
マイクロビーズの各々が、量子ドットの色及び/又は強度に基づく量子ドットの固有の組合せを含み、各病原体又は宿主マーカー識別複合体に付随する第一のシグナルとして固有の光学バーコードを提供する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
検出複合体が、特異的な検出光学シグナチャーを生じる、検出分子によって放出される第一のシグナル及び第二のシグナルの組合せによって病原体又は宿主の特徴を識別する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
検出分子からの第二のシグナルが蛍光発光団によって生成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
検出分子が、抗ヒトIgG分子、抗ヒトIgM分子、抗病原体/宿主マーカー検出抗体、又はオリゴヌクレオチド配列の1つと結合した蛍光発光団を含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
分析工程が、検出複合体にレーザーを照射する工程、生じたスペクトルを測定する工程、及び病原体を同定する工程を含む、請求項7から9のいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
測定工程が、一体化分光光度計/CCD(電荷共役装置Charge-coupled Device)カメラ、光電子増倍管、アバランシェ光検出装置集合物、又はそれらの組合せによって実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
分析工程が、流れ力の影響下で検出複合体が微小流体路を通ってレーザービームを通過する工程及び生じたスペクトルを捕捉する工程を含む、請求項7から11のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
微小流体路が、プラズマ処理され、さらにガラススライドに結合されたPDMS(ポリジメチルシロキサン)キャストチャネルを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
流れ力が、動電学的又は流体力学的な力である、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
病原体の同定が、サンプルの検出光学シグナチャーをデータベースの一群の病原体特異的/宿主マーカー特異的スペクトルとマッチングさせることにより達成される、請求項10から14のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
データベースが診断装置に搭載されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
データベースが遠隔地にあり、無線によりアクセスされる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
分析工程の一部として、宿主由来の臨床サンプルに付随する宿主の特徴のリストを作成する工程をさらに含む、請求項1から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
分析工程で作成された病原体のリストに基づいて治療選択肢のリストを提供するという追加の工程をさらに含む、請求項1から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
病原体及び病原体の特徴のリスト及び宿主の特徴のリストを遠隔データベースへ伝達するという追加の工程をさらに含む、請求項1から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
検出媒体が少なくとも3つの特異的病原体のための識別複合体を含む、請求項1から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
検出媒体がHIV、B型肝炎及びC型肝炎のための識別複合体を含む、請求項1から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
検出媒体がHIV、B型肝炎、C型肝炎、マラリア及びデングウイルスのための識別複合体を含む、請求項1から17のいずれか1項記載の方法。
【請求項24】
以下のa)及びb)を含む、病原体の検出、病原体の同定、病原体の特徴決定、又は病原体宿主の特徴決定の1つ以上のためのシステム:
a)病原体特異的識別複合体及び宿主マーカー識別複合体を含み、臨床サンプル及び検出分子と一緒にされて検出複合体を形成するために機能する検出媒体;及び
b)前記検出複合体由来のシグナルを検出及び分析するための検出エレメントを含み、前記臨床サンプルで検出された病原体及び病原体の特徴及び宿主の特徴のリストを作成するために機能する、診断装置。
【請求項25】
種々の病原体及び病原体/宿主の特徴に関する情報を含むデータベース、並びに診断装置上に前記データベースとの通信を可能にするための通信手段、をさらに含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
データベースとの通信手段が無線通信ネットワークによって提供される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
検出媒体が、識別複合体を形成する、病原体特異的又は宿主マーカー生体物質認識分子(BRM)と結合されたマイクロビーズを含み、さらに前記マイクロビーズが、第一のシグナルを提供する量子ドットを含み、さらに臨床サンプルが、血液サンプル、血漿サンプル、CSF(脳脊髄液)、血清サンプル、BAL(気管支肺胞洗浄)、NP(鼻咽頭)スワブ、NP吸引物又は喀痰サンプルの1つである、請求項24から26のいずれか1項記載のシステム。
【請求項28】
マイクロビーズが固有の量子ドットの組合せを含み、各病原体/宿主マーカー識別複合体に付随する第一のシグナルを表す固有の光学バーコードを提供する、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
検出分子がシグナル発生分子を含み、前記シグナル発生分子は第二のシグナルを発生させて第一のシグナルと一緒になって検出複合体に特異的な検出光学シグナチャーを明示するために機能する、請求項27又は28に記載のシステム。
【請求項30】
シグナル発生検出分子が蛍光発光団である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
蛍光発光団が、抗ヒトIgG分子、抗ヒトIgM分子、又は抗病原体/宿主マーカー検出抗体、又はオリゴヌクレオチド配列の1つと結合される、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
検出エレメントが、臨床サンプルを照射するためのレーザー、及び生じたスペクトルの検出用に分光光度計/CCD(電荷共役装置)カメラ結合物、光電子増倍管、アバランシェ光検出装置(APD)集合物、又はそれらの組合せの1つを含む、請求項24から31のいずれか1項記載のシステム。
【請求項33】
診断装置が、作成された病原体リストを基にした治療選択肢リストを含む見分可能なデータベースをさらに含む、請求項24から32のいずれか1項記載のシステム。
【請求項34】
診断装置がさらに、臨床サンプルに付随する宿主の特徴リストを作成するために機能する、請求項24から33のいずれか1項記載のシステム。
【請求項35】
宿主特徴リスト並びに病原体及び病原体特徴リストをデータベースに送信するための送信機をさらに含む、請求項25から34のいずれか1項記載のシステム。
【請求項36】
送信機が、リストの作成時にデータベースへの送信を自動的に開始するために機能する、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
複合体を照射し、病原体の同定のために、検出エレメントによって捕捉及び測定される検出光学シグナチャーを生じるために機能するレーザーをさらに含む、請求項29から36のいずれか1項記載のシステム。
【請求項38】
流れ力を用いて、検出複合体をレーザーにより照射される地点を通過して微小流体路の中を流れさせることによって、検出複合体を分析するために機能する微小流体プラットフォームをさらに含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
微小流体路が、プラズマ処理され、ガラススライドに結合されたPDMS(ポリジメチルシロキサン)キャストチャネルを含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
流れ力が動電学的又は流体力学的な力である、請求項38又は39に記載のシステム。
【請求項41】
検出エレメントが、スペクトルを分光光度計、アバランシェ光検出装置(APD)シリーズ、光電子増倍管、又はそれらの組合せの1つ誘導するために機能するフィルターを含む、請求項37から40のいずれか1項記載のシステム。
【請求項42】
生じた検出光学シグナチャーをデータベースの予め割り当ててあった一群の病原体又は宿主マーカースペクトルとマッチングさせることにより病原体を同定するために機能する分析装置をさらに含む、請求項37から41のいずれか1項記載のシステム。
【請求項43】
データベースが診断装置に搭載されている、請求項25から42のいずれか1項記載のシステム。
【請求項44】
データベースが遠隔地に存在し、無線でアクセスされる、請求項25から42のいずれか1項記載のシステム。
【請求項45】
診断装置がさらに、GPS(全地球測位システム)位置決定エレメントを含み、臨床サンプルに関連する地理的位置データを提供する、請求項24から44のいずれか1項記載のシステム。
【請求項46】
識別複合体が凍結乾燥粉末として提供される、請求項27から45のいずれか1項記載のシステム。
【請求項47】
前記BRMが、天然、組換え若しくは合成の病原体及び宿主特異的抗体又は抗原、又は問題の病原体若しくは宿主遺伝子に相補的なオリゴヌクレオチドの1つ以上である、請求項24から46のいずれか1項記載のシステム。
【請求項48】
検出媒体が、少なくとも3つの特異的な、予め決定された病原体のための識別複合体を含む、請求項24から47のいずれか1項記載のシステム。
【請求項49】
検出媒体が、HIV、B型肝炎及びC型肝炎のための識別複合体を含む、請求項24から48のいずれか1項記載のシステム。
【請求項50】
検出媒体が、HIV、B型肝炎、C型肝炎、マラリア及びデングウイルスのための識別複合体を含む、請求項24から49のいずれか1項記載のシステム。
【請求項51】
検出分子が凍結乾燥粉末として提供される、請求項31から45のいずれか1項記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−526973(P2009−526973A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554569(P2008−554569)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000211
【国際公開番号】WO2007/093043
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(508246696)フィオ コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】