説明

生体画像化装置

【課題】
本願発明の生体画像化装置では、(1)光音響信号を集音することにより、光音響信号の強度を向上し画像コントラストを高め、(2)逐次検出により解像度の均一性を保ち、(3)生体の深い部分へ到達する波長を使用して、生体の深い位置の画像を得る、ことを目的とする。
【解決手段】
本願発明の生体画像化装置は、前記被検体の内部の測定対象とする部分から全方向へ放射される前記光音響信号のみを前記反射部により反射させて集めることにより、大きい振幅の前記光音響信号として検出し、高解像度で前記被検体の内部の成分の濃度分布の画像を得る

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、非侵襲的な生体の画像化装置、特に、生体内の血液成分としてヘモグロビンの分布又は濃度情報を測定する生体画像化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化の進展にともなって、成人の循環器などの疾病への対応が社会的に大きな課題となっている。特に血液の循環に関する情報は健康維持、疾病の診断上重要な情報になるものとして注目されている。
【0003】
このような観点から、生体内の血液成分の分布の非侵襲な測定法を検討した例として、非特許文献1が挙げられる。
【0004】
非特許文献1に示されている非侵襲な従来の生体画像化装置の構成を図11、図12に示す。図11は従来の生体画像化装置の側面からの断面図であり、図12は従来の生体画像化装置を上方から見た図である。図11において、水槽111の中には水112が満たされ、水112の中に被測定物101として呼吸装置付きのラットを沈め、被測定物101へパルス光源121から凹面ミラー122及びレンズ123を介してパルス状の光を照射している。
【0005】
被測定物101へ照射された前記光は被測定物101の内部で吸収されてパルス状の光音響信号と呼ばれる超音波を発生させ、前記光音響信号は超音波検出部124により検出され、前記光音響信号は音圧に比例した電気信号に変換される。超音波検出部124はステップモーター128により被測定物101内を中心とした円周上を移動して前記光音響信号を測定する。上記のように測定した前記光音響信号は前置増幅器125で増幅され、波形観測器126により観測される。波形観測器126はパルス光源121の照射する光パルスに同期した信号でトリガーされ、前記電気信号は波形観測器126の画像表示面上の一定位置に表示され、積算・平均して測定することができる。
【0006】
前記電気信号は時刻t、角度θをパラメータとして2次元的に得られ、次式によって、被測定物101内の音圧発生点における前記光の吸収量A(r)が算出される。
【数1】

ここで、Cは熱容量、vは音速、βは熱膨張係数、Pは音圧である。上記の測定により、被測定物101の内部の血液吸収分布が測定される。
【0007】
【非特許文献1】“Noninvasive laser−induced photoacoustic tomography for structural and functional in vivo imaging of the brain.” Xueding Wang他、Nature Biotechnology,Vol.21,Number 7,July 2003.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の従来の生体画像化装置においては次の3つの課題がある。
第1には、一定距離離れた円周上において光音響信号としての音圧を検出するために、全方向へ放射した光音響信号が超音波検出部に到達した際には、音圧が必然的に小さくなり測定された画像のコントラストが悪化する。
【0009】
第2には、測定された画像は被測定物の近傍においては、超音波検出部の検出帯域幅で決定される0.2mm程度の分解能を持つ鮮明な画像であるが、被測定物から離れるに従って、超音波検出部と被測定物との間の距離が変化するため、画像の解像度が悪化し不鮮明になるという課題がある。
【0010】
第3には、パルス光源の波長532nmの光は血液による吸収が10cm−1であり、発生する光音響信号は大きいが、その反面、皮膚浸透深さが0.1mm以下であるため、皮膚の表層の画像しか得られず、より深い血液情報を得るという用途には適用できないという課題がある。
【0011】
以上のように、従来の生体画像化装置においては、画像化手法に起因する光音響信号の検出強度の低下、即ち画像コントラストの低下、さらに、光音響信号の時間精度の低下、即ち空間分解能の低下があるため、画像品質が低下していた。また、光音響信号検出感度に制限される波長の選択に伴う、画像深度の低下が生じる。
【0012】
また、円周上に超音波検出部をアレイ上に複数個配置すれば測定時間を短縮することが可能であるが、それぞれの超音波検出部に前置増幅器と波形観測器が必要となり、高価となり現実的でないという課題もある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本願発明の生体画像化装置では、(1)光音響信号を集音することにより、光音響信号の強度を向上し画像コントラストを高め、(2)逐次検出により解像度の均一性を保ち、(3)生体の深い部分へ到達する波長を使用して、生体の深い位置の画像を得る、ことを目的とする。
【0014】
すなわち、被検体としての生体の一部に光を照射して前記被検体の内部の測定対象とする部分から放射される光音響信号を反射部により超音波検出部へ集めて検出する構成とすることにより前記光音響信号を効率的に検出し、さらに、前記超音波検出部及び前記反射部を移動させて前記被検体の内部の他の測定対象とする部分から放射される前記光音響信号を同様に検出し、上記の測定を被検体の測定対象とする全ての部分に対して順次繰り返し、前記被検体の内部の前記光を吸収する成分の分布状態を示す画像を高解像度で得ることができる。
【0015】
具体的には、本願発明の生体画像化装置は、光を発生させる光発生部と、前記光発生部の発生させた光をパルス変調してパルス光を出力する光パルス変調部と、前記光パルス変調部からの前記パルス光を被検体に照射する光照射部と、前記被検体から放射される光音響信号を検出する超音波検出部と、前記被検体から放射される光音響信号を前記超音波検出部へ反射する反射部と、少なくとも前記光照射部、前記超音波検出部及び前記反射部を搭載し、内部に液体を充填する容器と、前記容器を支持し、水平方向及び垂直方向へ移動する可動台と、を備える生体画像化装置である。
【0016】
上記のように、本願発明の生体画像化装置は、前記液体を充填した容器内で、前記パルス光を前記被検体に照射して、前記被検体の内部の成分が前記パルス光を吸収し全方向へ放射する前記光音響信号の中から、前記被検体の内部の測定対象とする部分から放射される前記光音響信号のみを選択的に前記反射部により反射して前記超音波検出部に集めて検出し、次に前記超音波検出部、前記反射部及び前記容器を搭載する前記可動台を所定の位置へ移動させて、前記被検体の内部の次の測定対象とする部分から放射される前記光音響信号のみを選択的に前記反射部により反射して前記超音波検出部に集めて検出し、さらに上記の測定を順次繰り返し、前記被検体の内部の測定対象とする領域の全ての測定対象とする部分から放射される前記光音響信号を検出し、検出した前記光音響信号を前記被検体の内部の測定対象とする部分と対応させて合成して、前記被検体の内部の測定対象とする領域の成分、例えばヘモグロビンの濃度分布の画像を得ることができる。
【0017】
従って、本願発明の生体画像化装置は、前記被検体の内部の測定対象とする部分から全方向へ放射される前記光音響信号のみを前記反射部により反射させて集めることにより、大きい振幅の前記光音響信号として検出できるので、高解像度で前記被検体の内部の成分の濃度分布の画像を得ることができる。
【0018】
本願発明の生体画像化装置においては、前記光照射部と前記超音波検出部とは、前記容器の内部で対向するように配置されてもよい。
【0019】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記光照射部と前記超音波検出部とは、前記容器の内部で対向するように配置することにより、前記容器内における前記光照射部、前記反射部及び前記超音波検出部の配置が容易になり、かつ前記反射部により前記光音響信号を効率よく反射させ前記超音波検出部に集めて検出することができる。
【0020】
本願発明の生体画像化装置においては、前記反射部は、少なくとも一部が楕円体曲面の一部をなす形状であり、前記超音波検出部は、前記楕円体の一方の焦点に配置されてもよい。
【0021】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記反射部は、少なくとも一部が楕円体曲面の一部をなす形状として、前記超音波検出部は、前記楕円体の一方の焦点に配置し、前記被検体を前記楕円体の他方の焦点を含む位置に配置すれば、前記被検体の内部の前記楕円体の他方の焦点の位置にある部分から放射される前記光音響信号は前記反射部により効率よく反射され前記超音波検出部に集められ検出することができる。
【0022】
ここで、楕円体曲面とは楕円体の表面の曲面をいう。
【0023】
本願発明の生体画像化装置においては、前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円体の他方の焦点に配置するための挿入口を有してもよい。
【0024】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円体の他方の焦点を含む位置に配置するための挿入口を有することにより、前記被検体の内部の測定対象とする部分を前記楕円体の他の焦点に配置できるので、前記超音波検出部により前記被検体の内部の測定対象とする部分から放射される前記光音響信号を効率よく検出することができる。
【0025】
本願発明の生体画像化装置においては、前記反射部は、前記光照射部と前記楕円体の他方の焦点との間に、前記光照射部の照射する前記パルス光を通過させる窓部を有してもよい。
【0026】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記反射部は、前記光照射部と前記楕円体の他方の焦点との間に、前記光照射部の照射する前記パルス光を通過させる窓部を有することにより、前記光照射部を前記容器内に充填された液体から保護して、かつ容器内の凹凸を少なくし前記光音響信号の不要な反射を低減することができる。
【0027】
本願発明の生体画像化装置においては、前記反射部は、前記光照射部の照射する前記パルス光に対しても反射特性を有し、前記光照射部は、前記超音波検出部に隣接して配置されてもよい。
【0028】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、少なくとも一部が楕円体曲面の一部をなす形状の前記反射部は、前記光照射部の照射する前記パルス光に対しても反射特性を有し、前記光照射部は、前記超音波検出部に隣接して配置されることにより、前記光照射部の照射する前記パルス光は前記楕円体の一方の焦点から照射されるので、前記反射部により反射され前記楕円体の他の焦点を含む位置に配置される前記被検体へ効率よく照射され、また、前記被検体の内部の前記楕円体の他の焦点の位置の測定対象とする部分から放射される前記光音響信号は前記反射部により効率よく反射され前記楕円体の一方の焦点に配置される前記超音波検出部により検出することができる。
【0029】
本願発明の生体画像化装置においては、前記反射部は、少なくとも一部が楕円筒の一部をなす形状であり、前記超音波検出部は、前記楕円筒の一方の焦点に配置されてもよい。
【0030】
上記にように、本願発明の生体画像化装置においては、前記反射部は、少なくとも一部が楕円筒の一部をなす形状として、前記超音波検出部は、前記楕円筒の一方の焦点に配置し、前記被検体を前記楕円筒の他方の焦点を含む位置に配置すれば、前記被検体の内部の前記楕円筒の他方の焦点の位置にある測定対象とする部分から放射される前記光音響信号は前記反射部により効率よく反射され前記超音波検出部に集められ検出することができる。
【0031】
ここで、楕円筒とは最小面積の断面が楕円形を示す中空の構造をいう。
【0032】
本願発明の生体画像化装置においては、前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円筒の他方の焦点に配置するための挿入口を有してもよい。
【0033】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円筒の他方の焦点を含む位置に配置するための挿入口を有することにより、前記被検体の内部の測定対象とする部分を前記楕円筒の他の焦点に配置できるので、前記超音波検出部により前記光音響信号を効率よく検出することができる。
【0034】
本願発明の生体画像化装置においては、少なくとも一部が楕円筒の一部をなす形状の前記反射部は、前記光照射部と前記楕円筒の前記他方の焦点との間に、前記光照射部の照射する前記パルス光を通過させる窓部をさらに有してもよい。
【0035】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、少なくとも一部が楕円筒の一部をなす形状の前記反射部は、前記光照射部と前記楕円筒の前記他方の焦点との間に、前記光照射部の照射する前記パルス光を通過させる窓部を有することにより、前記光照射部を前記容器内に充填された液体から保護し、かつ容器内の凹凸を少なくし前記光音響信号の不要な反射を低減することができる。
【0036】
本願発明の生体画像化装置においては、少なくとも一部が楕円筒の一部をなす形状の前記反射部は、前記光照射部の照射する前記パルス光に対しても反射特性を有し、前記光照射部は、前記超音波検出部に隣接して配置されてもよい。
【0037】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、少なくとも一部が楕円筒の一部をなす形状の前記反射部は、前記光照射部の照射する前記パルス光に対しても反射特性を有し、前記光照射部は、前記超音波検出部に隣接して配置されることにより、前記光照射部の照射する前記パルス光は前記楕円筒の一方の焦点から照射されるので、前記反射部により反射され前記楕円筒の他の焦点を含む位置に配置される前記被検体へ効率よく照射され、また、前記被検体の内部の前記楕円筒の他の焦点の位置の測定対象とする部分から放射される前記光音響信号は前記反射部により効率よく反射され前記楕円筒の一方の焦点に配置される前記超音波検出部により検出することができる。
【0038】
本願発明の生体画像化装置においては、前記容器の内部で前記容器に充填する液体の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部の検出する温度に応じて前記容器に充填する液体の温度を調整する温度調整部と、をさらに備えてもよい。
【0039】
上記にように、本願発明の生体画像化装置においては、前記容器の内部で前記容器に充填する液体の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部の検出する温度に応じて前記容器に充填する液体の温度を調整する温度調整部と、をさらに備えることにより、前記容器に充填する液体の温度を検出し、前記容器に充填する液体の温度を所定の温度に保ち、前記液体による前記光音響信号の損失及び遅延時間を一定に保つので、正確に前記光音響信号を検出することができる。
【0040】
本願発明の生体画像化装置においては、前記反射部は、光音響信号を反射する反射材を有する前記容器の内壁としてもよい。
【0041】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記反射部は、光音響信号を反射する反射材を有する前記容器の内壁とすることにより、前記反射部は前記容器と一体化し構成が簡易となり、本発明の生体画像化装置を経済化することができる。
【0042】
本願発明の生体画像化装置においては、前記容器は、内部の一部に超音波の吸音材を有する構成としてもよい。
【0043】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記容器は、内部の一部に超音波の吸音材を有することにより、前記被検体の測定対象とする部分以外の部分から放射される前記反射部により多重反射され雑音となる前記光音響信号を吸収するので、前記超音波検出部は前記被検体の測定対象とする部分から放射される前記光音響信号を正確に検出することができる。さらに、前記容器の前記挿入口の近傍の前記容器の開口部に前記吸音材を含むことにより、前記被検体の測定対象とする部分以外の部分から放射される前記光音響信号が前記容器の前記楕円体又は前記楕円筒の形状を有していない部分から反射され雑音となるのを防止するので、前記超音波検出部は前記被検体の測定対象とする部分から放射される前記光音響信号を正確に検出することができる。
【0044】
本願発明の生体画像化装置においては、前記光照射部は、前記パルス光を前記被検体へ照射するための光ファイバを含む構成としてもよい。
【0045】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記光照射部は、前記パルス光を前記被検体へ照射するための光ファイバを含む構成とすることにより、前記光照射部が照射する前記パルス光を離れた位置にある前記被検体に対しても減衰の少ない状態で照射することができるので、本願発明の生体画像化装置の構成が容易になる。
【0046】
本願発明の生体画像化装置においては、前記光発生部は、血液による吸収係数が10cm−1以下となる波長の光を発生させてもよい。
【0047】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記光発生部は、血液による吸収係数が10cm−1以下となる波長の光を発生させることにより、前記光照射部が照射する前記パルス光は前記被検体の深い部分へ到達し、前記超音波検出部により前記被検体の深い部分から放射される前記光音響信号を検出することができるので、前記被検体の深い部分の成分の濃度分布の画像を得ることができる。
【0048】
本願発明の生体画像化装置においては、前記光発生部は、水による吸収係数が1cm−1以下となる波長の光を発生させてもよい。
【0049】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記容器の内部に充填する前記液体を水とした場合、前記光発生部は、水による吸収係数が1cm−1以下となる波長の光を発生させ、前記光照射部により前記被検体に前記パルス光を照射することにより、前記パルス光は前記容器の内部に充填される水による減衰が少ない状態で効率よく前記被検体に到達し、前記被検体の成分の正確な濃度分布の画像を得ることができる。
【0050】
本願発明の生体画像化装置においては、前記容器の内部が前記被検体と略等しい音響インピーダンスを有する液体で充填される構成としてもよい。
【0051】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記容器の内部が前記被検体と略等しい音響インピーダンスを有する液体で充填される構成とすることにより、前記光音響信号が前記被検体から前記液体へ効率よく伝達され、前記超音波検出部が前記光音響信号を正確に検出することができる。以後、「被検体と略等しい音響インピーダンスを有する液体」を「整合液」と略記する。
【0052】
本願発明の生体画像化装置においては、前記液体は、水としてもよい。
【0053】
上記のように、本願発明の生体画像化装置においては、前記液体は、前記被検体と略等しい音響インピーダンスを有する水とすることにより、経済的に前記光音響信号が前記被検体から前記液体へ効率よく伝達され、前記超音波検出部が前記光音響信号を正確に検出することができる。
【発明の効果】
【0054】
本願発明によれば、生体内部の血液成分の分布画像を高い分解能で得られる生体画像化装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
添付の図面を参照して本願発明の実施の形態を説明する。
以下に説明する実施の形態は本願発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
【0056】
本実施の形態の生体画像化装置は、光を発生させる光発生部と、前記光発生部の発生させた光をパルス変調してパルス光を出力する光パルス変調部と、前記光パルス変調部からの前記パルス光を被検体に照射する光照射部と、前記被検体から放射される光音響信号を検出する超音波検出部と、前記被検体から放射される光音響信号を前記超音波検出部へ反射する反射部と、少なくとも前記光照射部、前記超音波検出部及び前記反射部を搭載し、内部に液体を充填する容器と、前記容器を支持し、水平方向及び垂直方向へ移動する可動台と、を備える生体画像化装置である。
【0057】
本実施形態において、前記光照射部と前記超音波検出部とは、前記容器の内部で対向するように配置される。前記反射部は、少なくとも一部が楕円体曲面の一部をなす形状であり、前記超音波検出部は、前記楕円体の一方の焦点に配置される。前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円体の他方の焦点に配置するための挿入口を有する。前記反射部は、前記光照射部と前記楕円体の前記他方の焦点との間に、前記光照射部の照射する前記パルス光を通過させる窓部を有する。前記容器の内部で前記容器に充填する液体の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部の検出する温度に応じて前記容器に充填する液体の温度を調整する温度調整部と、をさらに備える。前記反射部は、光音響信号を反射する反射材を有する前記容器の内壁としてもよい。前記容器は、内部の一部に超音波の吸音材を有する。前記光照射部は、前記パルス光を前記被検体へ照射するための光ファイバを含む。前記光発生部は、血液による吸収係数が10cm−1以下となる波長の光を発生させ、及び/又は、水による吸収係数が1cm−1以下となる波長の光を発生させることでもよい。前記容器の内部は、前記被検体と略等しい音響インピーダンスを有する液体で充填されている。
【0058】
次に、本実施の形態の生体画像化装置の構成を説明する。
図1、図2に本実施の形態の生体画像化装置10の構成を示す。図1は生体画像化装置10の側面からの断面図であり、図2は生体画像化装置10を上側の面から見た透視図である。図1、図2において、図内で可動台35に搭載されているもの以外は形状や配置ではなく、機能と接続を模式的に表したものであって、可動台35に搭載されてもよいし、可動台とは別体で構成されていてもよい。
【0059】
図1、図2において、生体画像化装置10は光発生部11、光パルス変調部12、光照射部13、光ファイバ14、超音波検出部21、信号処理部29、容器31、反射部34、可動台35、温度検出部41、温度調整部42、支持体25により構成されている。また、信号処理部29は前置増幅器22、波形観測器23、画像演算器24により構成され、さらに、容器31は内部に液体33を含み、上部に吸音材36を含んでいる。ここで、図1、図2及び以下に示す図においては、生体画像化装置10の動作を制御する回路及び電源などの通常の技術により実現できる部分は図示していない。
【0060】
光発生部11の光出力端子は光信号伝達手段により光パルス変調部12の光入力端子に接続されている。ここで、光発生部11としては、例えば、ランプ、半導体レーザ、固体レーザ、発光ダイオードなどの発光素子を使用できる。また、光発生部11の発生する光の波長は水が特徴的な吸収を示さず、血液が吸収を呈する波長に設定することが好ましく、さらに、レーザや発光素子等により発光できる波長が好ましい。一例としては、波長800nmで水の吸収係数はおよそ0.023cm−1であり、血液の吸収係数はおよそ1.0cm−1であり、上記の条件に合致する。ここで、光信号伝達手段としては、光ファイバあるいは光導波路を使用してもよく、以下の説明においても同様である。
【0061】
光パルス変調部12の入力端子は光信号伝達手段により光発生部11の出力端子に接続され、光パルス変調部12の出力端子は光信号伝達手段により光照射部13の入力端子に接続されている。さらに、光パルス変調部12のパルス変調信号に同期した信号の出力端子は信号伝達手段により波形観測器23の同期信号入力端子に接続されている。ここで、光パルス変調部12としては光発生部11から供給される光を電気的あるいは電気光学的に変調する方式がある。また、前記パルス光を被検体1に照射して、被検体1による吸収を適切に光音響信号16に反映させるためには、前記パルス光のパルス幅は10ns以下が好ましく、前記パルス光の繰り返し周波数は測定時間を短縮するために1kHz以上であることが好ましい。
【0062】
上記の光発生部11と光パルス変調部12の両方を一体化する構成として半導体レーザを直接変調する方法があり、10ナノ秒以下のパルス幅のパルス光を発生させることができる。さらに、QスイッチYAGレーザにより同様のパルス光を発生させることもできる。
【0063】
光照射部13の入力端子は光信号伝達手段により光パルス変調部12の出力端子に接続され、光照射部13の光出力端子は光ファイバ14の一方の端部に接続されている。ここで、光照射部13は前記パルス光に対して透明な材料で構成することが好ましく、例えば、ガラス、プラスチックなどの材料が適している。また、光照射部13が前記整合液に接する場合は前記整合液と化学的に反応しない材料であることが好ましく、例えば、石英板、光学ガラス板、サファイア板などが適している。
【0064】
光ファイバ14の一方の端部は光照射部13の光出力端子に接続され、光ファイバ14の他方の端部は後述する容器31の窓部32の外側の面に接続されている。ここで、光ファイバ14を省いて、光照射部13の光出力端子を窓部32の外側の面に接続してもよく、あるいは、窓部32を取り除いて、光照射部13を容器31及び反射部34の内部に設けてもよい。
【0065】
図1、図2においては、光照射部13から光ファイバ14及び窓部32を介して照射される光を照射光15として示し、また、照射光15により被検体1の内部で発生し、被検体1から全方向へ放射される光音響信号を光音響信号16として示している。
【0066】
容器31の内部には、後述する反射部34が設けられ、あるいは容器31の内壁により反射部34を構成してもよい。図1、図2に示す構成例においては、容器31の内壁は反射部34に密着している。容器31の内部は吸音材で構成され、容器31の上側の面の外面は吸音材36で構成されている。ここで、容器31の内部を構成する前記吸音材36の材料としては、例えば、エポキシ樹脂に酸化チタンや酸化タングステンなどの金属酸化物の粉末を含む材料が適している。また、容器31の上側の面には支持体25が設けられ、容器31の一方の側面には、温度検出部41及び温度調整部42が設けられ、他方の側面には窓部32が設けられ、上側の面の一部には被検体1を挿入して前記楕円体の他方の焦点に配置するための挿入口37が設けられ、さらに吸音材36にも容器31と同様な挿入口37が設けられ、容器31は可動台35の上に配置され、容器31の内側の面で囲まれる空間は液体33を充填されている。
【0067】
ここで、液体33は前記整合液であり、水でもよい。一方、容器31の前記内壁が反射部34を構成する場合は、容器31の内壁は光音響信号16に対して反射率が高く、内部の液体33に対して安定なステンレスやアルミなどの材料により作製することが好ましい。
【0068】
反射部34は容器31の内部に設けられ、あるいは反射部34は容器31の内壁により構成してもよいが、図1、図2に示す構成例においては、反射部34は容器31の内壁に密着して配置されている。さらに、反射部34は少なくとも一部が楕円体曲面をなす形状であり、図1、図2に示す構成例においては、反射部34の底面、側面及び上側の面の一部が楕円体曲面をなす形状であり、また、反射部34の上側の面の他の一部で、容器31の挿入口37の位置の近傍は開口部分である。さらに図1、図2において、反射部34の上側の面には支持体25が貫通して設けられ、反射部34の一方の側面には、温度検出部41及び温度調整部42が貫通して設けられ、他方の側面には窓部32が貫通して設けられている。ここで、反射部34の表面は光音響信号16の波長の4分に1以下の滑らかさとすることが好ましい。また、反射部34の材料としては水と化学的に反応しない安定なステンレス又はアルミにより作製することが好ましい。
【0069】
支持体25の一方の端部は容器31の上側の面に反射部34、容器31及び吸音材36を貫通して設けられ、支持体25の他方の端部には超音波検出部21が設けられ、支持体25の内部には信号伝達手段を配置する空間がある。ここで、支持体25は光音響信号16を反射しない吸音材36と同様の材料で作製することが好ましい。
【0070】
超音波検出部21は、被検体1から放射され直線的に伝搬する光音響信号16が到達し、かつ被検体1から放射され反射部34により反射された光音響信号16が集められる位置に支持体25により固定されるが、図1、図2に示す生体画像化装置10においては、超音波検出部21は前記楕円体の一方の焦点に固定されている。
【0071】
また、超音波検出部21の出力端子は支持体25の中を貫通する信号伝達手段により前置増幅器22の入力端子へ接続されている。ここで、超音波検出部21としては、例えば、圧電効果又は電歪効果を利用したセラミックマイクロフォン、セラミック超音波センサ等、あるいは電磁誘導を利用したダイナミックマイクロフォン、リボンマイクロフォン等、静電効果を利用したコンデンサーマイクロフォン等、磁歪効果を利用した磁歪振動子等、光反射・回折効果を利用した光マイクロフォン等が使用できる。また、圧電効果を利用する場合としてはPZTの結晶又はPVDFの結晶等により構成してもよい。さらに、超音波検出部21は前記整合液を伝わる光音響信号16を検出するので、超音波検出部21としてはハイドロフォン等の水中マイクロフォンを使用することが好ましく、例えば、ニードロハイドロフォンの使用も有効である。さらに、超音波検出部21の表面には、前記整合液とのインピーダンス整合のために、例えばシリコンゴムの整合層を設けることが好ましい。
【0072】
前置増幅器22の入力端子は信号伝達手段により超音波検出部21の出力端子に接続され、前置増幅器22の出力端子は波形観測器23の入力端子接続されている。ここで、信号伝達手段としては、銅ケーブルを使用してもよく、以下の説明においても同様である。
波形観測器23の入力端子は信号伝達手段により前置増幅器22の出力端子に接続され、波形観測器23の出力端子は信号伝達手段により画像演算器24の入力端子に接続され、また波形観測器23の同期信号入力端子は信号伝達手段により光パルス変調部12の同期信号出力端子に接続されている。
【0073】
画像演算器24の出力端子は可動台35の駆動信号入力端子へ接続されている。
【0074】
温度検出部41は容器31の一方の内側の側面に液体33に接して設けられ、温度検出部41の出力端子は図示していない信号伝達手段により温度調整部42の入力端子に接続されている。
【0075】
温度調整部42は容器31の一方の内側の側面に液体33に接して設けられ、温度調整部42の入力端子は図示していない信号伝達手段により温度検出部41の出力端子に接続されている。また、図2において、温度調整部42は温度検出部41に隠れており、図示していない。
【0076】
次に、生体画像化装置10を構成する各部の機能を説明する。
光発生部11は光を発生させ、光信号伝達手段を介して発生させた光を光パルス変調部12へ供給する機能を有する。
【0077】
光パルス変調部12は、光発生部11から光信号伝達手段を介して供給された光を所定の周期でパルス状に変調し、光信号伝達手段を介してパルス変調されたパルス光を光照射部13へ供給する機能を有する。
【0078】
光照射部13は光信号伝達手段を介して光パルス変調部12から供給されたパルス光を光ファイバ14へ送出する機能を有する。
【0079】
光ファイバ14は窓部32を介して光照射部13から送出されるパルス光を被検体1へ照射する機能を有する。光照射部13から送出されるパルス光を光ファイバ14により窓部32へ送出することにより、光発生部11及び光パルス変調部12の配置場所の自由度を大きくする効果がある。
【0080】
窓部32は光ファイバ14から照射されるパルス光を通過させる機能を有する。また、窓部32を設けることにより、容器31内の凹凸が減少し、容器31内における光音響信号16の不要な反射を低減することができる。
【0081】
容器31は反射部34、支持体25、温度検出部41及び温度調整部42、を保持し、挿入口37により被検体1を前記楕円体の他の焦点を含む位置に配置する機能を有し、さらに内部に液体33を充填する機能を有する。ここで、容器31の内側の面が反射部34を構成する場合は、容器31が後述する反射部34の機能も有する。また、容器31の上側の面の吸音材36は容器31の挿入口37付近から侵入する外部雑音を防止する機能を有する。
【0082】
反射部34は、被検体1の内部の前記楕円体の他の焦点に相当する部分から放射される光音響信号16を反射して超音波検出部21に集める機能を有する。
【0083】
液体33は被検体1と略等しい音響インピーダンスを有し、被検体1との音響インピーダンスを整合させ、被検体1から放射される光音響信号を効率よく超音波検出部21へ到達させる機能を有する。
【0084】
支持体25は超音波検出部21を前記楕円体の一方の焦点に固定する機能を有する。
【0085】
超音波検出部21は被検体1から放射される直接到達する光音響信号16と、被検体1から放射され反射部34により反射され集められた光音響信号16を検出し、信号伝達手段を介して検出した信号を前置増幅器22へ送信する機能を有する。
【0086】
前置増幅器22は超音波検出部21から信号伝達手段を介して送信される光音響信号16を検出した信号を受信し、増幅し、信号伝達手段により波形観測器23に送信する。
【0087】
波形観測器23は前置増幅器22から送信される光音響信号16を検出した信号を同一時間軸上に複数回重ねて表示し、平均化して雑音を軽減した信号を信号伝達手段を介して画像演算器24へ送信する機能を有する。
【0088】
画像演算器24は信号伝達手段により波形観測器23から送信される信号を記憶し、予め記憶している手順に従って、可動台35の移動させる信号を信号伝達手段を介して送信する機能を有する。
【0089】
可動台35は画像演算器24から信号伝達手段を介して送信される可動台35の移動させる信号を受信して、受信した信号に従って、水平面上で容器31を移動させる機能を有する。
【0090】
温度検出部41は液体33の温度を検出し、検出した結果の信号を信号伝達手段を介して制御部へ送信する機能を有する。
【0091】
温度調整部42は温度検出部41から信号伝達手段を介して送信される液体33の温度を検出した結果の信号を受信し、受信した信号から液体33の温度を判定し、液体33の温度が所定の温度に一致するように液体33を加熱又は冷却する機能を有する。
【0092】
次に、本実施の形態の生体画像化装置の動作について説明する。
光発生部11で発生され、光パルス変調部12で変調された前記パルス光は、光照射部13から、あるいは光ファイバ14を介して、あるいは光ファイバ14及び窓部32を介して、図1、図2に照射光15として示すように、被検体1に照射される。
【0093】
被検体1に照射された照射光15は被検体1の内部で吸収され、図1、図2に示す光音響信号16を発生させ、発生させた光音響信号16は被検体1から全方向へ放射される。
【0094】
被検体1から放射される光音響信号16の中から、被検体1の内部の測定対象とする部分から放射される光音響信号16のみを選択的に反射部34により反射して超音波検出部21に集めて検出し、次に超音波検出部21、反射部34及び容器31を搭載する可動台35を所定の方向へ移動させて、被検体1の内部の次の測定対象とする部分から放射される光音響信号16のみを選択的に反射部34により反射して超音波検出部21に集めて検出し、さらに上記の測定を順次繰り返し、被検体1の内部の測定対象とする領域の全ての測定対象とする部分から放射される光音響信号16を検出し、検出した光音響信号16を被検体1の内部の測定対象のする部分と対応させて合成し、被検体1の内部の測定対象とする領域の成分、例えばヘモグロビンの濃度分布の画像を得ることができる。
【0095】
さらに、反射部34は少なくとも一部が前記楕円体曲面の一部をなす形状とした場合、被検体1の内部の測定対象とする部分を前記楕円体の他方の焦点の位置に配置することにより、被検体1の内部の測定対象とする部分から放射される光音響信号16が反射部34により反射され、前記楕円体の一方の焦点の位置に配置されている超音波検出部21に集められるので、超音波検出部21は被検体1の内部の測定対象とする部分から放射される光音響信号16を効率よく検出することができる。上記の測定の過程においては被検体1を固定する必要があるので、被検体1の固定機構を設けることが望ましい。
【0096】
ここで、被検体1の内部の測定対象とする部分における前記パルス光の吸収量Aは数式1を全ての放射角について積分した値に等しく、次式で表すことができる。
【数2】

ここで、aは楕円の長軸の半径、βは熱膨張係数、vは音速、Cは比熱である。
【0097】
さらに、前記測定点と超音波検出部21との距離は、超音波検出部21に集められる全ての光音響信号16に関して等しく、超音波検出部21に到達する時刻はt=2a/vであるので、
【数3】

となる。従って、光音響信号16の時間波形を微分解析することにより、被検体1の内部の測定対象とする部分における吸収量Aを求めることができる。
【0098】
例えば、被検体1の内部の1cmの領域を0.2mmの分解能で、吸収量の分布画像を得るためには、およそ、250点の測定点が必要である。さらに、被検体1の振動等を考慮すると光音響信号16の測定値を記憶装置内に蓄積し、まとめて画像処理することが望ましい。被検体1の内部の測定対象とする各部分における測定時間はおよそ1ミリ秒程度で可能であり、全ての測定時間は数秒程度と概算できる。また、被検体1の内部の25cmの領域を0.2mmの分解能で、吸収量の分布画像を得るためには、前述の例のおよそ25倍の測定時間となり、少なくとも1分以内の測定を完了できる。
【0099】
上記のように、本実施の形態の生体画像化装置10は、被検体1に前記パルス光を照射し、前記楕円体の一部をなす形状の反射部34の一方の焦点に超音波検出部21を配置し、被検体1を前記楕円体の他方の焦点を含む位置に配置し、被検体1の内部の測定対象とする部分を前記楕円体の他方の焦点の位置に配置し、被検体1から放射される光音響信号16の中で測定対象とする部分から放射される光音響信号16のみを検出し、次に、反射部34、超音波検出部21及び容器31を移動させ、被検体1の内部の次の測定対象とする部分を前記楕円体の他方の焦点の位置に配置し、同様に光音響信号16を検出し、上記の測定を被検体1の内部の測定対象とする全ての部分について、順次同様に光音響信号16を検出し、検出した光音響信号16を合成し、被検体1の内部における前記光パルスを吸収する成分の分布画像を高い解像度で得ることができる。
【0100】
次に、本実施の形態の生体画像化装置の実施例について説明する。
本実施例の生体画像化装置の構成を図3、図4に示す。図3は本実施例の生体画像化装置10の側面からの断面図であり、図4は本実施例の生体画像化装置10の水平断面図である。本実施例の構成が図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10と異なるのは、図3、図4に示す左斜線部分全体で反射部34を構成している点のみであり、各部の動作、各部の機能及び測定原理は図1及び図2で説明した実施の形態の生体画像化装置と同様である。図3、図4において、図内で可動台35に搭載されているもの以外は形状や配置ではなく、機能と接続を模式的に表したものであって、可動台35に搭載されてもよいし、可動台とは別体で構成されていてもよい。
【0101】
以下に、本実施例の生体画像化装置の構成と各部の機能を説明する。
光発生部11と光パルス変調部12は、一体化した構成として半導体レーザを直接変調する構成を採用し、波長800nmでパルス幅10ナノ秒以下のパルス光を発生させている。
【0102】
光照射部13はレンズにより構成し、光ファイバ14は省いて前記レンズから窓部32を介して被検体1としての指に照射し、被検体1の測定領域全体に10mJ/cm以下の光パワーを照射している。
【0103】
窓部32の材料としては石英板、光学ガラス、サファイアを使用している。
【0104】
超音波検出部21としては、先端が直径300ミクロンの針状のニードロハイドロフォンを使用し、表面には水との音響インピーダンスの整合のために、シリコンゴムによる整合層を設けることにより、反射を9%低減している。
【0105】
反射部34の挿入口37の近傍以外の部分は前記楕円体曲面を構成しており、反射部34となる前記楕円体曲面以外の部分は吸音材36により覆っている。
【0106】
容器内の反射部34の外側は効率よく超音波を反射するために反射材を充填してもよい。反射材には水と化学的に反応しない安定した金属、例えばステンレスやアルミニウムを用いることが好ましい。
【0107】
容器31の内部は前記整合液としての水を満たしている。
【0108】
温度調整部42はヒーターで構成し、液体33は体温に近い36°Cに保たれている。
【0109】
被検体1としての指を挿入口37へ挿入して、光照射部13からパルス幅7ナノ秒のパルス光を1kHzの繰り返し周波数で照射し、可動台35を0.1mm刻みで直交する水平面上のX、Y方向へ移動させ、およそ1cmの範囲を測定した。この測定において、前置増幅器22で得られた最大信号は10マイクロV程度であり、およそ20マイクロ秒で最大電圧を観測した。さらに、波形観測器23でおよそ10、000点の波形値をメモリに蓄積し、画像演算器24により最大電圧値近傍で微分演算を行い、100ピクセル×100ピクセルの画像に変換し、高解像度の生体内の血液成分の分布画像を得た。
【0110】
以上説明したように、本実施例の生体画像化装置は生体内部の光を吸収する成分の分布を示す画像を高解像度で得られる生体画像化装置を提供することができた。
【0111】
他の実施形態を説明する。本実施の形態の生体画像化装置は、光を発生させる光発生部と、前記光発生部の発生させた光をパルス変調してパルス光を出力する光パルス変調部と、前記光パルス変調部からの前記パルス光を被検体に照射する光照射部と、前記被検体から放射される光音響信号を検出する超音波検出部と、前記被検体から放射される光音響信号を前記超音波検出部へ反射する反射部と、少なくとも前記光照射部、前記超音波検出部及び前記反射部を搭載し、内部に液体を充填する容器と、前記容器を支持し、水平方向及び垂直方向へ移動する可動台と、を備える生体画像化装置である。
【0112】
本実施の形態において、前記光照射部と前記超音波検出部とは、前記容器の内部で対向するように配置される。前記反射部は、少なくとも一部が楕円体曲面の一部をなす形状であり、前記超音波検出部は、前記楕円体の一方の焦点に配置される。前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円体の他方の焦点に配置するための挿入口を有する。前記反射部は、前記光照射部の照射する前記パルス光に対しても反射特性を有する。前記容器の内部で前記容器に充填する液体の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部の検出する温度に応じて前記容器に充填する液体の温度を調整する温度調整部と、をさらに備える。前記反射部は、光音響信号を反射する反射材を有する前記容器の内壁としてもよい。前記容器は、内部の一部に超音波の吸音材を有する。前記光照射部は、前記パルス光を前記被検体へ照射するための光ファイバを含む。前記光発生部は、血液による吸収係数が10cm−1以下となる波長の光を発生させ、及び/又は、水による吸収係数が1cm−1以下となる波長の光を発生させることでもよい。前記容器の内部は、前記被検体と略等しい音響インピーダンスを有する液体で充填されている。
【0113】
図5、図6に本実施の形態の生体画像化装置10の構成を示す。図5は生体画像化装置10の側面からの断面図であり、図6は生体画像化装置10を上側の面から見た透視図である。図5、図6において、図内で可動台35に搭載されているもの以外は形状や配置ではなく、機能と接続を模式的に表したものであって、可動台35に搭載されてもよいし、可動台とは別体で構成されていてもよい。
【0114】
図5、図6において、本実施の形態の生体画像化装置10は図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10の窓部32を取り除き、新たに支持体26を設け、さらに光ファイバ14を支持体26の中を貫通させ、光ファイバ14の先端を超音波検出部21に隣接して配置し、光ファイバ14の先端に散乱板17を配置し、さらに、反射部34に前記パルス光に対する反射特性を持たせた構成であり、上記以外の部分の構成は図1、図2により説明した前述の実施の形態の生体画像化装置10と同様である。従って、ここでは、本実施の形態の生体画像化装置10の構成について、図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10と異なる部分について説明する。
【0115】
図5、図6において、本実施の形態の生体画像化装置10の支持体26の一方の端部は容器31と吸音材36を貫通して設けられ、支持体26の内部は空洞であり、支持体26の内部の空洞には光ファイバ14が配置され、光ファイバ14の他方の端部は支持体26の他方の端部において散乱板17に接続され、散乱板17は超音波検出部21に隣接して配置されている。ここで、支持体26は光音響信号16を反射しない吸音材36と同様の材料で作製することが好ましい。また、散乱板17は、例えば半透明はガラスにより作製することができる。
【0116】
さらに、反射部34は光音響信号16及び前記パルス光を反射する材料で作製されている。
【0117】
次に、本実施の形態の生体画像化装置10の構成において、図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10と異なる部分の機能を説明する。
【0118】
支持体26は、光ファイバ14及び散乱板17を保持し、散乱板17が超音波検出部21に隣接する位置に配置されるように、容器31に固定する機能を有する。
【0119】
光ファイバ14は、光照射部13から送出される前記パルス光を散乱板17に照射する機能を有する。
【0120】
散乱板17は、光ファイバ14から照射される前記パルス光を散乱させ、図5、図6に示す照射光15を全方向へ照射する機能を有する。
【0121】
反射部34は、光音響信号16及び前記パルス光としての照射光15を反射する機能を有する。
【0122】
次に、本実施の形態の生体画像化装置10の動作について、図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10と異なる部分を説明する。
【0123】
本実施の形態の生体画像化装置10の散乱板17は、光ファイバ14から照射される前記パルス光を全方向へ散乱させ、照射光15として照射する。
【0124】
散乱板17は、前記楕円体の一方の焦点に配置されており、散乱板17から照射される照射光15は反射部34により反射され、前記楕円体の他方の焦点を含む位置に配置されている被検体1に集められて照射される。
【0125】
被検体1に照射された照射光15は、被検体1の内部の成分に吸収され、光音響信号16を発生する。
【0126】
上記以外の動作と測定原理は図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10と同様である。
【0127】
上記のように、本実施の形態の生体画像化装置10は、前記楕円体の一方の焦点に配置した散乱板17から前記パルス光を照射し、前記パルス光を前記楕円体の一部をなす反射部34により反射し、前記楕円体の他方の焦点を含む位置に配置した被検体1へ集めて照射し、被検体1から放射される光音響信号16の中の測定対象とする部分から放射される光音響信号16のみを反射部34により反射し、前記楕円体の一方の焦点に配置する超音波検出部21へ集めて検出し、次に、反射部34、超音波検出部21及び容器31を移動させ、被検体1の内部の次の測定対象とする部分を前記楕円体の他方の焦点の位置に配置し、同様に光音響信号16を検出し、検出した光音響信号16を合成し、被検体1の内部における前記光パルスを吸収する成分の分布画像を高い解像度で得ることができる。
【0128】
以上説明したように、本願発明の生体画像化装置は生体内部の光を吸収する成分の分布を示す画像を高解像度で得られる生体画像化装置を提供することができる。
【0129】
さらに、他の実施の形態を説明する。本実施の形態の生体画像化装置は、光を発生させる光発生部と、前記光発生部の発生させた光をパルス変調してパルス光を出力する光パルス変調部と、前記光パルス変調部からの前記パルス光を被検体に照射する光照射部と、前記被検体から放射される光音響信号を検出する超音波検出部と、前記被検体から放射される光音響信号を前記超音波検出部へ反射する反射部と、少なくとも前記光照射部、前記超音波検出部及び前記反射部を搭載し、液体を充填する容器と、前記容器を支持し、水平方向及び垂直方向へ移動する可動台と、を備える生体画像化装置である。
【0130】
本実施の形態において、前記光照射部と前記超音波検出部とは、前記容器の内部で対向するように配置される。前記反射部は、少なくとも一部が楕円筒の一部をなす形状であり、前記超音波検出部は、前記楕円筒の一方の焦点に配置されている。前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円筒の他方の焦点に配置するための挿入口を有する。前記反射部は、前記光照射部と前記楕円筒の前記他方の焦点との間に、前記光照射部の照射する前記パルス光を通過させる窓部をさらに有する。前記容器の内部で前記容器に充填する液体の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部の検出する温度に応じて前記容器に充填する液体の温度を調整する温度調整部と、をさらに備える。前記反射部は、光音響信号を反射する反射材を有する前記容器の内壁としてもよい。前記容器は、内部の一部に超音波の吸音材を有する。前記光照射部は、前記パルス光を前記被検体へ照射するための光ファイバを含む。前記光発生部は、血液による吸収係数が10cm−1以下となる波長の光を発生させ、及び/又は、水による吸収係数が1cm−1以下となる波長の光を発生させることでもよい。前記容器の内部は、前記被検体と略等しい音響インピーダンスを有する液体で充填されている。
【0131】
次に、本実施の形態の生体画像化装置の構成を説明する。
図7、図8に本実施の形態の生体画像化装置10の構成を示す。図7は生体画像化装置10の側面からの断面図であり、図8は生体画像化装置10を上側の面から見た透視図である。図7、図8において、図内で可動台35に搭載されているもの以外は形状や配置ではなく、機能と接続を模式的に表したものであって、可動台35に搭載されてもよいし、可動台とは別体で構成されていてもよい。
【0132】
図7、図8において、本実施の形態の生体画像化装置10は図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10の反射部34を楕円筒とし、さらに容器31の内部の超音波検出部21と同一の水平位置に、反射部34の周囲を取り巻くように反射体38を設けた構成であり、その他の部分の構成は図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10と同様である。従って、ここでは、本実施の形態の生体画像化装置10の構成について、図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10と異なる部分について説明する。
【0133】
反射部34の水平面による断面は楕円形であり、反射部34の上側の面には容器31の吸音材36が設けられ、底面は容器31である。ここで、吸音材36には図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10の吸音材36と同様な挿入口37が設けられている。
【0134】
反射部34の前記楕円体の一方の焦点に超音波検出部21が配置され、他方の焦点を含む位置に被検体1が配置されているので、反射部34は超音波検出部21を含む水平面上において、被検体1の内部で前記他方の焦点の位置にある部分から放射される光音響信号16を反射して、前記一方の焦点に配置されている超音波検出部21へ集める機能を有する。
【0135】
反射体38は容器31の内部の超音波検出部21と同一の水平位置に反射部34の周囲を取り巻くように設けられ、反射体38は反射部34の光音響信号16に対する反射特性を改善する機能を有する。反射体38には水と化学的に反応しない安定した金属、例えばステンレスやアルミニウムを用いることが好ましい。
【0136】
本実施の形態の生体画像化装置10の動作は、反射部34が超音波検出部21を含む水平面上において、被検体1の内部で前記他方の焦点の位置にある部分から放射される光音響信号16を反射して、前記一方の焦点に配置されている超音波検出部21へ集める点以外は、図1、図2により説明した実施の形態の生体画像化装置10の動作と同様である。
【0137】
以上説明したように、本実施の形態の生体画像化装置は生体内部の光を吸収する成分の分布を示す画像を高解像度で得られる生体画像化装置を提供することができる。
【0138】
さらに、他の実施の形態を説明する。本実施の形態の生体画像化装置は、光を発生させる光発生部と、前記光発生部の発生させた光をパルス変調してパルス光を出力する光パルス変調部と、前記光パルス変調部からの前記パルス光を被検体に照射する光照射部と、前記被検体から放射される光音響信号を検出する超音波検出部と、前記被検体から放射される光音響信号を前記超音波検出部へ反射する反射部と、少なくとも前記光照射部、前記超音波検出部及び前記反射部を搭載し、内部に液体を充填する容器と、前記容器を支持し、水平方向及び垂直方向へ移動する可動台と、を備える生体画像化装置である。
【0139】
本実施形態において、前記光照射部と前記超音波検出部とは、前記容器の内部で対向するように配置される。前記反射部は、少なくとも一部が楕円筒の一部をなす形状であり、前記超音波検出部は、前記楕円筒の一方の焦点に配置される。前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円筒の他方の焦点に配置するための挿入口を有する。前記反射部は前記光照射部の照射する前記パルス光に対しても反射特性を有し、前記光照射部は、前記超音波検出部に隣接して配置されている。前記容器の内部で前記容器に充填する液体の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部の検出する温度に応じて前記容器に充填する液体の温度を調整する温度調整部と、をさらに備える。前記反射部は、光音響信号を反射する反射材を有する前記容器の内壁としてもよい。前記容器は、内部の一部に超音波の吸音材を有する。前記光照射部は、前記パルス光を前記被検体へ照射するための光ファイバを含む。前記光発生部は、血液による吸収係数が10cm−1以下となる波長の光を発生させ、及び/又は、水による吸収係数が1cm−1以下となる波長の光を発生させることでもよい。前記容器の内部は、前記被検体と略等しい音響インピーダンスを有する液体で充填されている。
【0140】
図9、図10に本実施の形態の生体画像化装置10の構成を示す。図9は生体画像化装置10の側面からの断面図であり、図10は生体画像化装置10を上側の面から見た透視図である。図9、図10において、図内で可動台35に搭載されているもの以外は形状や配置ではなく、機能と接続を模式的に表したものであって、可動台35に搭載されてもよいし、可動台とは別体で構成されていてもよい。
【0141】
図9、図10において、本実施の形態の生体画像化装置10は図5、図6により説明した実施の形態の生体画像化装置10の反射部34を楕円筒とし、さらに容器31の内部の超音波検出部21と同一の水平位置に反射部34の周囲を取り巻くように反射体38を設けた構成であり、その他の部分の構成は図5、図6により説明した実施の形態の生体画像化装置10と同様である。従って、ここでは、本実施の形態の生体画像化装置10の構成について、図5、図6により説明した実施の形態の生体画像化装置10と異なる部分について説明する。
【0142】
反射部34の水平面による断面は楕円形であり、反射部34の上側の面には容器31の吸音材36が設けられ、底面は容器31である。ここで、吸音材36には本願第2発明の実施の形態の生体画像化装置10の吸音材36と同様な挿入口37が設けられている。
【0143】
反射部34の前記楕円体の一方の焦点に超音波検出部21が配置され、他方の焦点を含む位置に被検体1が配置されているので、反射部34は超音波検出部21を含む水平面上において、被検体1の内部で前記他方の焦点の位置にある部分から放射される光音響信号16を反射して、前記一方の焦点に配置されている超音波検出部21へ集める機能を有する。
【0144】
反射体38は容器31の内部の超音波検出部21と同一の水平位置に反射部34の周囲を取り巻くように設けられ、反射体38は反射部34の光音響信号16に対する反射特性を改善する機能を有する。反射体38には水と化学的に反応しない安定した金属、例えばステンレスやアルミニウムを用いることが好ましい。
【0145】
本実施の形態の生体画像化装置10の動作は、反射部34が超音波検出部21を含む水平面上において、被検体1の内部で前記他方の焦点の位置にある部分から放射される光音響信号16を反射して、前記一方の焦点に配置されている超音波検出部21へ集める点以外は、図5、図6により説明した実施の形態の生体画像化装置10の動作と同様である。
【0146】
以上説明したように、本願発明の生体画像化装置は生体内部の光を吸収する成分の分布を示す画像を高解像度で得られる生体画像化装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明の生体画像化装置は、医療診断に用いられるだけでなく、日常の健康管理や美容上の診断に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本実施の形態の生体画像化装置の側面からの断面図である。
【図2】本実施の形態の生体画像化装置の上側の面から見た透視図である。
【図3】本発明の実施例の側面からの断面図である。
【図4】本発明の実施例の水平断面図である。
【図5】本実施の形態の生体画像化装置の側面からの断面図である。
【図6】本実施の形態の生体画像化装置の上側の面から見た透視図である。
【図7】本実施の形態の生体画像化装置の側面からの断面図である。
【図8】本実施の形態の生体画像化装置の上側の面から見た透視図である。
【図9】本実施の形態の生体画像化装置の側面からの断面図である。
【図10】本実施の形態の生体画像化装置の上側の面から見た透視図である。
【図11】従来の生体画像化装置の側面からの断面図である。
【図12】従来の生体画像化装置の上側の面から見た透視図である。
【符号の説明】
【0149】
1 被検体
10 生体画像化装置
11 光発生部
12 光パルス変調部
13 光照射部
14 光ファイバ
15 照射光
16 光音響信号
17 散乱体
21 超音波検出部
22 前置増幅器
23 波形観測器
24 画像演算器
25 支持体
26 支持体
29 信号処理部
31 容器
32 窓部
33 液体
34 反射部
35 可動台
36 吸音材
37 挿入口
38 反射体
39 反射材
41 温度検出部
42 温度調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発生させる光発生部と、
前記光発生部の発生させた光をパルス変調してパルス光を出力する光パルス変調部と、
前記光パルス変調部からの前記パルス光を被検体に照射する光照射部と、
前記被検体から放射される光音響信号を検出する超音波検出部と、
前記被検体から放射される光音響信号を前記超音波検出部へ反射する反射部と、
少なくとも前記光照射部、前記超音波検出部及び前記反射部を搭載し、内部に液体を充填する容器と、
前記容器を支持し、水平方向及び垂直方向へ移動する可動台と、
を備える生体画像化装置。
【請求項2】
前記光照射部と前記超音波検出部とは、前記容器の内部で対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の生体画像化装置。
【請求項3】
前記反射部は、少なくとも一部が楕円体曲面の一部をなす形状であり、
前記超音波検出部は、前記楕円体の一方の焦点に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体画像化装置。
【請求項4】
前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円体の他方の焦点に配置するための挿入口を有することを特徴とする請求項3に記載の生体画像化装置。
【請求項5】
前記反射部は、前記光照射部と前記楕円体の前記他方の焦点との間に、前記光照射部の照射する前記パルス光を通過させる窓部を有することを特徴とする請求項3又は4に記載のいずれかの生体画像化装置。
【請求項6】
前記反射部は、前記光照射部の照射する前記パルス光に対しても反射特性を有し、
前記光照射部は、前記超音波検出部に隣接して配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の生体画像化装置。
【請求項7】
前記反射部は、少なくとも一部が楕円筒の一部をなす形状であり、
前記超音波検出部は、前記楕円筒の一方の焦点に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の生体画像化装置。
【請求項8】
前記容器は、前記被検体を挿入して前記楕円筒の他方の焦点に配置するための挿入口を有することを特徴とする請求項7に記載の生体画像化装置。
【請求項9】
前記反射部は、前記光照射部と前記楕円筒の前記他方の焦点との間に、前記光照射部の照射する前記パルス光を通過させる窓部をさらに有することを特徴とする請求項7又は8に記載のいずれかの生体画像化装置。
【請求項10】
前記反射部は、前記光照射部の照射する前記パルス光に対しても反射特性を有し、
前記光照射部は、前記超音波検出部に隣接して配置されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の生体画像化装置。
【請求項11】
前記容器の内部で前記容器に充填する液体の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部の検出する温度に応じて前記容器に充填する液体の温度を調整する温度調整部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から10に記載のいずれかの生体画像化装置。
【請求項12】
前記反射部は、光音響信号を反射する反射材を有する前記容器の内壁であることを特徴とする請求項1から11に記載のいずれかの生体画像化装置。
【請求項13】
前記容器は、内部の一部に超音波の吸音材を有することを特徴とする請求項1から12に記載のいずれかの生体画像化装置。
【請求項14】
前記光照射部は、前記パルス光を前記被検体へ照射するための光ファイバを含むことを特徴とする請求項1から13に記載のいずれかの生体画像化装置。
【請求項15】
前記光発生部は、血液による吸収係数が10cm−1以下となる波長の光を発生させることを特徴とする請求項1から14に記載のいずれかの生体画像化装置。
【請求項16】
前記光発生部は、水による吸収係数が1cm−1以下となる波長の光を発生させることを特徴とする1から15に記載のいずれかの生体画像化装置。
【請求項17】
前記容器の内部が前記被検体と略等しい音響インピーダンスを有する液体で充填されていることを特徴とする請求項1から16に記載のいずれかの生体画像化装置。
【請求項18】
前記液体は、水であることを特徴とする請求項17に記載の生体画像化装置。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2006−208050(P2006−208050A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17205(P2005−17205)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】