生体組織補填体製造補填キット
【課題】容器内に収容された生体組織補填材に骨髄液等の体液を浸透させて構成した生体組織補填体を、体液を分離させてしまうことなく患部に補填することを可能とし、患者に係る負担を軽減し、操作性を向上する。
【解決手段】多孔質の生体組織補填材5と、生体組織補填材5を収容する両端を開放された直筒状の容器2と、容器2の一端の開口部を着脱可能に密封するキャップ3と、容器2の他端の開口部を着脱可能に密封する閉塞部材4とを備えるとともに、キャップ3に、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔8が設けられ、閉塞部材4が、容器2内部に挿入され、生体組織補填材5の収容部分Sをキャップ3側の一部分に限定する挿入部4bを備え、容器2に、該容器2に取り付けられた閉塞部材4の挿入部4b先端近傍に、半径方向に貫通する少なくとも1つの空気抜き孔13が設けられている生体組織補填体製造補填キット1を提供する。
【解決手段】多孔質の生体組織補填材5と、生体組織補填材5を収容する両端を開放された直筒状の容器2と、容器2の一端の開口部を着脱可能に密封するキャップ3と、容器2の他端の開口部を着脱可能に密封する閉塞部材4とを備えるとともに、キャップ3に、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔8が設けられ、閉塞部材4が、容器2内部に挿入され、生体組織補填材5の収容部分Sをキャップ3側の一部分に限定する挿入部4bを備え、容器2に、該容器2に取り付けられた閉塞部材4の挿入部4b先端近傍に、半径方向に貫通する少なくとも1つの空気抜き孔13が設けられている生体組織補填体製造補填キット1を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質の生体組織補填材の気孔内部にまで骨髄液等の体液を浸透させた生体組織補填体を製造し患部に補填するための生体組織補填体製造補填キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の補填キットとしては、非特許文献1に示される構造のものがある。
この補填キットは、着脱可能なキャップによって両端を閉塞した筒状の容器内にリン酸カルシウム等の生体組織補填材を充填した構造のものである。両端のキャップには、骨髄液を充填するための骨髄液注入孔または、骨髄液の充填時の空気抜き孔がそれぞれ設けられている。
【0003】
この補填キットを使用するには、患者から採取した骨髄液を充填したシリンジの先端を前記骨髄液注入孔に接続し、シリンジのピストンを押すことにより、シリンジの先端から骨髄液注入孔を介して容器内に注入する。このとき、他のキャップに設けた空気抜き孔から容器内の空気が排出され、注入された骨髄液が生体組織補填材に浸透していくことになる。そして、生体組織補填材に骨髄液を浸透させて得られた生体組織補填体は、キャップに代えて装着したピストンによって容器内から押し出されるようになっている。
【非特許文献1】”CELLPLEX(TM)TCP SyntheticCancellous Bone”、[online]、平成15年、Wright Medical Technology Inc.、[平成16年7月9日検索]、インターネット<URL:http://www.wmt.com/Downloads/CellPlex_Brochure.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記非特許文献1に示される構造の補填キットは、容器が比較的大径であるため、押し出した生体組織補填体をそのまま患部に補填するには、患部を大きく切開しなければならないという不都合がある。この不都合を防止するためには、容器を細く構成する必要がある。
【0005】
ところが、骨髄液を生体組織補填材に浸透させた粘性のある生体組織補填体と容器内壁との間の摩擦力が大きく、さらに、容器が細い場合には、容器から生体組織補填体を押し出すために非常に大きな力を加えなければならない。したがって、容器を細く構成する場合、容器内に収容できる生体組織補填体の収容長さを大きくすることができない。
【0006】
この場合において、容器の長さを必要な収容長さに抑える場合には、容器が細く短いものとなって取扱性が低下するため、容器自体の全長は長くし、生体組織補填体の収容長さだけを短く抑えた容器を採用することが必要となる。
しかしながら、このように構成された容器にピストンを挿入して容器内に収容されている生体組織補填体を押し出そうとする場合に、容器内壁との間の気密性の高いピストンを使用すると、ピストンを挿入していく際に、ピストンと生体組織補填体との間に形成された空気層によって生体組織補填体内の骨髄液成分のみが容器内から押し出されてしまう不都合がある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、容器内に収容された生体組織補填材に骨髄液等の体液を浸透させて構成した生体組織補填体を、体液を分離させてしまうことなく患部に補填することを可能とし、患者に係る負担を軽減し、操作性を向上することができる生体組織補填体製造補填キットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、多孔質の生体組織補填材と、該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を密封するキャップと、前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を密封する閉塞部材とを備えるとともに、前記キャップに、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔が設けられ、前記閉塞部材が、容器内部に挿入され、前記生体組織補填材の収容部分をキャップ側の一部分に限定する挿入部を備え、前記容器に、該容器に取り付けられた閉塞部材の挿入部先端近傍に、半径方向に貫通する少なくとも1つの空気抜き孔が設けられている生体組織補填体製造補填キットを提供する。
【0009】
本発明によれば、両端がキャップと閉塞部材とによって閉塞されることにより、直筒状の容器内に収容された生体組織補填材に、キャップの貫通孔から注入した骨髄液等の液体を浸透させることによって、容器内に生体組織補填体を製造することができる。そして、閉塞部材を取り外して容器の一端を開放し、その代わりに、例えば、ピストンを容器に挿入した状態で、容器の他端のキャップを取り外す。これにより、容器が直筒状に形成されているため、ピストンを押圧するだけで、容器内部の生体組織補填体を容器の他端から押し出して、そのまま患部に補填することが可能となる。
【0010】
この場合において、容器にピストンを挿入する際には、容器内の生体組織補填体とピストンとの間に空気層が形成されるが、容器に半径方向に貫通形成された空気抜き孔により、空気層の空気が容器外に逃がされるので、空気層の圧力が過大に増大することが防止される。これにより、生体組織補填体の液体のみが吐出されてしまう不都合の発生を未然に防止することができる。
【0011】
また、容器内における生体組織補填材の収容部分が、閉塞部材に備えられた挿入部により、キャップ側の一部分に限定されているので、容器の径寸法を細く構成しても、比較的小さな押圧力により容器内から押し出すことができ、操作性を向上することができる。そして、容器を細く構成して、患部を大きく切開することなく生体組織補填体の補填を可能とし、患者にかかる負担を軽減することができる。
なお、注入する液体としては、骨髄液等の体液の他、成長因子、栄養分等の薬剤等を採用してもよい。
【0012】
また、本発明は、多孔質の生体組織補填材と、該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を密封するキャップと、前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を密封する閉塞部材とを備えるとともに、前記キャップに、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔が設けられ、前記閉塞部材が、容器内部に挿入され、前記生体組織補填材の収容部分をキャップ側の一部分に限定する挿入部を備え、前記容器の内面に、該容器に取り付けられた閉塞部材の挿入部先端近傍から基端側の開口部まで延びる少なくとも1つの空気抜き溝が設けられている生体組織補填体製造補填キットを提供する。
【0013】
本発明によっても、空気抜き溝を上記空気抜き孔と同等に機能させ、容器内に収容された生体組織補填材に液体を浸透させて構成した生体組織補填体を、液体を分離させてしまうことなく患部に補填することを可能とし、患者に係る負担を軽減し、かつ、操作性を向上することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容器内に収容された生体組織補填材に骨髄液等の体液を浸透させて構成した生体組織補填体を、体液を分離させてしまうことなく患部に補填することを可能とし、患者に係る負担を軽減し、操作性を向上することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1について、図1〜図9を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1は、図1に示されるように、両端に開口する円筒状の容器2と、該容器2の両端をそれぞれ閉塞する第1のキャップ3と第2のキャップ(閉塞部材)4とを備えるとともに、内部に生体組織補填材5を充填して構成されている。容器2は、例えば、ガラスや樹脂等の透明な材質からなっており、内部の状態を外部から観察することができるようになっている。
【0016】
第1のキャップ3は、容器2の一端の開口部2aを閉塞するもので、容器2の端部外面に形成された雄ネジ6aに締結される雌ネジ3aを備えている。また、第1のキャップ3は、容器2の開口部2aを閉塞する位置に配置される端板3bの中央部に、シリンジ7(図3参照)を差し込み可能な貫通孔8を備えている。この貫通孔8は、着脱可能な栓体9によって閉塞されている。
【0017】
また、第1のキャップ3には、容器2に取り付けられたときに、容器2内の生体組織補填材5が貫通孔8内に入り込まないように阻止する一方、シリンジ7により注入される骨髄液等の液体Aを透過させる網状部材11が備えられている。
【0018】
また、第2のキャップ4は、容器2の他端の開口部2bを閉塞するもので、容器2の端部外面に形成された雄ネジ6bに締結される雌ネジ4aを備えている。また、第2のキャップ4は、容器2の開口部2bから所定深さにわたって嵌合する挿入部4bを備えている。
【0019】
第2のキャップ4の挿入部4bが容器2内に挿入されることにより、容器2内における生体組織補填材5の収容空間Sの長さが、容器2内の第1のキャップ3側の一部分に限定されている。
また、第2のキャップ4の中心には長手方向に沿って貫通する貫通孔4cが設けられている。貫通孔4cは、着脱可能な栓体12によって閉塞されている。
【0020】
さらに、容器2には、該容器2に取り付けられた状態の前記第2のキャップ4の挿入部4bの先端近傍に配置され、容器2の壁面を半径方向に貫通する空気抜き孔13が設けられている。空気抜き孔13は、第2のキャップ4が容器2に完全に締結されている状態では、挿入部4bによって閉塞され、第2のキャップ4を緩めると即座に開かれて生体組織補填材5の収容空間Sを大気に開放するようになっている。また、容器2には、把持する際に指をかけるための柄2cが設けられている。
【0021】
容器2内に収容されている生体組織補填材5は、例えば、βリン酸三カルシウム(β−TCP)多孔体からなる顆粒状のものである。生体組織補填材5は、第1、第2のキャップ3,4によって両端の開口部2a,2bを閉塞された容器2内に、挿入部4bの先端と第1のキャップ3とにより画定されている収容空間S全体に充填されている。
【0022】
このように構成された本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1を用いて生体組織補填体14を製造し補填する方法について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1により生体組織補填体14を製造するには、まず、図2に示されるように、第1、第2のキャップ3,4の貫通孔8,4cを閉塞していた栓体9,12を取り外す。次いで、図3に示されるように、患者の体内から採取した骨髄液、末梢血等の体液、成長因子や栄養分等の薬剤などからなる液体Aを収容したシリンジ7を、第1のキャップ3の貫通孔8に差し込む。
【0023】
貫通孔8は、網状部材11によって容器2内部の生体組織補填材5が進入しないように空間が確保されているので、生体組織補填材5によって阻害されることなくシリンジ7の先端を差し込むことができる。そして、この状態でシリンジ7のピストン7aを押圧することにより、シリンジ7内の液体Aを容器2内に供給することができる。
【0024】
このとき、図3に示されるように、下向きに配置した第1のキャップ3の貫通孔8から上向きに液体Aを注入していくことが好ましい。このようにすることで、シリンジ7内から供給された液体Aを容器2内に溜めながら液体Aを注入していくことができる。そして、容器2内に溜まっていた空気Gは、上方に配置した第2のキャップ4の貫通孔4cを介して容器2の外部に放出される。これにより、シリンジ7内の液体Aを抵抗なく容器2内に供給し、容器2内に収容されている生体組織補填材5に浸透させることができる。
【0025】
このように、本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1によれば、図4に示されるように、液体Aが生体組織補填材5に十分に浸透した生体組織補填体14を製造することができる。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1により製造された生体組織補填体14は、液体Aが骨髄液等の細胞を含む体液である場合には、細胞が浸透しているので、患部に補填された後に、生体組織補填体14の内部からも細胞を成長させて、患部の修復を迅速に行うことができる。
また、液体Aが薬液である場合には、その薬液を細胞に作用させることができ、生体組織補填体14の内部においても細胞の増殖を促進することができる。
【0026】
次に、このようにして製造された生体組織補填体14の患部への補填方法について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1を用いて製造された生体組織補填体14を患部に補填するには、まず、図4に示されるように、第1のキャップ3の貫通孔8を栓体9で閉塞し、次いで、図5に示されるように、第2のキャップ4を容器2から取り外す。
【0027】
第2のキャップ4はネジ4a,6aにより容器2に締結されているので、ネジ4a,6aを緩める方向に第2のキャップ4を回転させることにより、簡単に取り外すことができる。この際に、第2のキャップ4には貫通孔4cが設けられているので、第2のキャップ4が移動する際に貫通孔4cを介して空気Gが容器2内に取り込まれる。また、容器2には空気抜き孔13が設けられているので、第2のキャップ4が移動し始めると空気抜き孔13が開通し、該空気抜き孔13を介して空気Gが容器2内に取り込まれる。したがって、第2のキャップ4は移動により容器2内を減圧状態とさせることなく、簡易に取り外されることになる。
【0028】
そして、このようにして取り外された第2のキャップ4に代えて、図6に示されるように容器2の開口部2bからピストン15を挿入する。ピストン15としては、その先端にOリング16のようなシール部材を備え、容器2の内面との間を気密状態に閉塞しながら移動できるものが用いられる。
【0029】
このようにすると、ピストン15と生体組織補填体14との間に空気層Bが形成されることとなるが、本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1によれば、容器2に空気抜き孔13が設けられているので、ピストン15を容器2内に押し込むと、容器2内の空気Gが空気抜き孔13を介して外部に放出されることとなる。これにより、容器2内の圧力を過大に増大させることなく、ピストン15を容器2内に挿入することができる。
【0030】
そして、ピストン15の先端に設けたOリング16によって容器2の空気抜き孔13が閉塞されるまで、容器2内にピストン15を挿入することができる。空気抜き孔13は、生体組織補填体14の端面近傍に配置されているので、図7に示されるように、生体組織補填体14との間の空気層Bがほとんど消滅するまでピストン15を容器2内に挿入することができる。
【0031】
その結果、ピストン15を容器2に挿入する際に、容器2内の空気層Bの圧力上昇によって、生体組織補填体14を構成している骨髄液等の液体Aが、先に容器2の開口部2aから放出されてしまう不都合を防止することができ、生体組織補填材5と液体Aとを混合してなる生体組織補填体14を一体的に吐出させることができるようになる。
【0032】
そして、この状態で、容器2から第1のキャップ3を取り外す。第1のキャップ3はネジ3a,6aにより容器2に締結されているので、ネジ3a,6aを緩める方向に第1のキャップ3を回転させることによって容易に取り外すことができる。
その後、図9に示されるように、容器2の先端を患部に近接させ、ピストン15を押し込むことにより、容器2内の生体組織補填体14を容器2の先端から押し出して患部に補填することができる。
【0033】
この場合において、本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1によれば、第2のキャップ4の挿入部4bを容器2内に挿入することにより、生体組織補填体14の収容空間Sを容器2内の一部分に制限しているので、生体組織補填体14を短く製造することができる。したがって、容器2を細くしても、生体組織補填体14を押し出すためにピストン15にかける外力が過大なものとはならず、補填し易さを向上することができる。さらに、容器2を細く構成し、生体組織補填体14を短くしても、容器2の長さを長く構成しているので、骨髄液等の液体Aの注入作業、生体組織補填体14の補填作業等における取扱性を向上することができるという利点がある。
【0034】
また、顆粒状の生体組織補填材5は注入された液体Aによってまとめられており、顆粒状の生体組織補填材5をそのまま患部に補填する際には患部の周囲に付着してしまう不都合があるが、本実施形態によれば、液体Aにより一纏まりになることによって、生体組織補填体14の補填容易性が向上し、患部の周囲に付着する等の不都合を大幅に低減することができる。
また、ピストン15の押し出し量を変えることで、患部の大きさに合わせて、補填する生体組織補填体14の量を調節することができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、生体組織補填材5として、顆粒状のβ−TCP多孔体を採用したが、他の生体適合性材料からなる多孔質の任意の生体組織補填材5を採用することができる。また、容器2の壁面を貫通する空気抜き孔13の数は1以上であれば任意の数でよい。
【0036】
また、本実施形態においては、容器2の壁面を貫通する空気抜き孔13を設けたが、これに代えて、図10に示されるように、容器の内面に空気抜き溝17を設けることとしてもよい。
空気抜き溝17は、容器2に取り付けられた状態の第2のキャップ4の挿入部4bの先端近傍から、該第2のキャップ4によって閉塞される開口部2bまで連続して延びている。第2のキャップ4が容器2に完全に締結されている状態では、空気抜き溝17は第2のキャップ4の挿入部4bによって閉塞されており、第2のキャップ4が緩められると即座に容器2内の収容空間Sに接続するようになっている。
【0037】
これにより、第2のキャップ4に代えて、ピストン15を容器2に挿入する際には、図11に示されるように、ピストン15と生体組織補填体14との間の空気層Bが、空気抜き溝17を介して外部空間に開放される。したがって、ピストン15を容器2内に押し込んでも、容器2内の空気層Bの圧力が過大に増加することがなく、上記と同様にして、生体組織補填体14から液体Aを分離させることなく、容器2から押し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る生体組織補填体製造補填キットを示す縦断面図である。
【図2】図1の生体組織補填体製造補填キットを用いた生体組織補填体の製造を説明する縦断面図である。
【図3】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器内に液体を注入する作業を説明する縦断面図である。
【図4】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器内に生体組織補填体が製造された状態を示す縦断面図である。
【図5】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器からキャップを取り外す作業を説明する縦断面図である。
【図6】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器にキャップに代えてピストンを挿入する作業を説明する縦断面図である。
【図7】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器内にピストンが挿入された状態を示す縦断面図である。
【図8】図7の状態で、生体組織補填体製造補填キットの容器からキャップを取り外した状態を示す縦断面図である。
【図9】図8の生体組織補填体製造補填キットの容器から生体組織補填体を押し出して補填する状態を示す縦断面図である。
【図10】図1の生体組織補填体製造補填キットの変形例を示す縦断面図である。
【図11】図10の生体組織補填体製造補填キットの容器内にピストンを挿入する作業を説明する縦断面図である。
【符号の説明】
【0039】
A 液体
S 収容空間(収容部分)
1 生体組織補填体製造補填キット
2 容器
2a,2b 開口部
3 第1のキャップ(キャップ)
4 第2のキャップ(閉塞部材)
4b 挿入部
5 生体組織補填材
8 貫通孔
13 空気抜き孔
17 空気抜き溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質の生体組織補填材の気孔内部にまで骨髄液等の体液を浸透させた生体組織補填体を製造し患部に補填するための生体組織補填体製造補填キットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の補填キットとしては、非特許文献1に示される構造のものがある。
この補填キットは、着脱可能なキャップによって両端を閉塞した筒状の容器内にリン酸カルシウム等の生体組織補填材を充填した構造のものである。両端のキャップには、骨髄液を充填するための骨髄液注入孔または、骨髄液の充填時の空気抜き孔がそれぞれ設けられている。
【0003】
この補填キットを使用するには、患者から採取した骨髄液を充填したシリンジの先端を前記骨髄液注入孔に接続し、シリンジのピストンを押すことにより、シリンジの先端から骨髄液注入孔を介して容器内に注入する。このとき、他のキャップに設けた空気抜き孔から容器内の空気が排出され、注入された骨髄液が生体組織補填材に浸透していくことになる。そして、生体組織補填材に骨髄液を浸透させて得られた生体組織補填体は、キャップに代えて装着したピストンによって容器内から押し出されるようになっている。
【非特許文献1】”CELLPLEX(TM)TCP SyntheticCancellous Bone”、[online]、平成15年、Wright Medical Technology Inc.、[平成16年7月9日検索]、インターネット<URL:http://www.wmt.com/Downloads/CellPlex_Brochure.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記非特許文献1に示される構造の補填キットは、容器が比較的大径であるため、押し出した生体組織補填体をそのまま患部に補填するには、患部を大きく切開しなければならないという不都合がある。この不都合を防止するためには、容器を細く構成する必要がある。
【0005】
ところが、骨髄液を生体組織補填材に浸透させた粘性のある生体組織補填体と容器内壁との間の摩擦力が大きく、さらに、容器が細い場合には、容器から生体組織補填体を押し出すために非常に大きな力を加えなければならない。したがって、容器を細く構成する場合、容器内に収容できる生体組織補填体の収容長さを大きくすることができない。
【0006】
この場合において、容器の長さを必要な収容長さに抑える場合には、容器が細く短いものとなって取扱性が低下するため、容器自体の全長は長くし、生体組織補填体の収容長さだけを短く抑えた容器を採用することが必要となる。
しかしながら、このように構成された容器にピストンを挿入して容器内に収容されている生体組織補填体を押し出そうとする場合に、容器内壁との間の気密性の高いピストンを使用すると、ピストンを挿入していく際に、ピストンと生体組織補填体との間に形成された空気層によって生体組織補填体内の骨髄液成分のみが容器内から押し出されてしまう不都合がある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、容器内に収容された生体組織補填材に骨髄液等の体液を浸透させて構成した生体組織補填体を、体液を分離させてしまうことなく患部に補填することを可能とし、患者に係る負担を軽減し、操作性を向上することができる生体組織補填体製造補填キットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、多孔質の生体組織補填材と、該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を密封するキャップと、前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を密封する閉塞部材とを備えるとともに、前記キャップに、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔が設けられ、前記閉塞部材が、容器内部に挿入され、前記生体組織補填材の収容部分をキャップ側の一部分に限定する挿入部を備え、前記容器に、該容器に取り付けられた閉塞部材の挿入部先端近傍に、半径方向に貫通する少なくとも1つの空気抜き孔が設けられている生体組織補填体製造補填キットを提供する。
【0009】
本発明によれば、両端がキャップと閉塞部材とによって閉塞されることにより、直筒状の容器内に収容された生体組織補填材に、キャップの貫通孔から注入した骨髄液等の液体を浸透させることによって、容器内に生体組織補填体を製造することができる。そして、閉塞部材を取り外して容器の一端を開放し、その代わりに、例えば、ピストンを容器に挿入した状態で、容器の他端のキャップを取り外す。これにより、容器が直筒状に形成されているため、ピストンを押圧するだけで、容器内部の生体組織補填体を容器の他端から押し出して、そのまま患部に補填することが可能となる。
【0010】
この場合において、容器にピストンを挿入する際には、容器内の生体組織補填体とピストンとの間に空気層が形成されるが、容器に半径方向に貫通形成された空気抜き孔により、空気層の空気が容器外に逃がされるので、空気層の圧力が過大に増大することが防止される。これにより、生体組織補填体の液体のみが吐出されてしまう不都合の発生を未然に防止することができる。
【0011】
また、容器内における生体組織補填材の収容部分が、閉塞部材に備えられた挿入部により、キャップ側の一部分に限定されているので、容器の径寸法を細く構成しても、比較的小さな押圧力により容器内から押し出すことができ、操作性を向上することができる。そして、容器を細く構成して、患部を大きく切開することなく生体組織補填体の補填を可能とし、患者にかかる負担を軽減することができる。
なお、注入する液体としては、骨髄液等の体液の他、成長因子、栄養分等の薬剤等を採用してもよい。
【0012】
また、本発明は、多孔質の生体組織補填材と、該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を密封するキャップと、前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を密封する閉塞部材とを備えるとともに、前記キャップに、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔が設けられ、前記閉塞部材が、容器内部に挿入され、前記生体組織補填材の収容部分をキャップ側の一部分に限定する挿入部を備え、前記容器の内面に、該容器に取り付けられた閉塞部材の挿入部先端近傍から基端側の開口部まで延びる少なくとも1つの空気抜き溝が設けられている生体組織補填体製造補填キットを提供する。
【0013】
本発明によっても、空気抜き溝を上記空気抜き孔と同等に機能させ、容器内に収容された生体組織補填材に液体を浸透させて構成した生体組織補填体を、液体を分離させてしまうことなく患部に補填することを可能とし、患者に係る負担を軽減し、かつ、操作性を向上することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、容器内に収容された生体組織補填材に骨髄液等の体液を浸透させて構成した生体組織補填体を、体液を分離させてしまうことなく患部に補填することを可能とし、患者に係る負担を軽減し、操作性を向上することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1について、図1〜図9を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1は、図1に示されるように、両端に開口する円筒状の容器2と、該容器2の両端をそれぞれ閉塞する第1のキャップ3と第2のキャップ(閉塞部材)4とを備えるとともに、内部に生体組織補填材5を充填して構成されている。容器2は、例えば、ガラスや樹脂等の透明な材質からなっており、内部の状態を外部から観察することができるようになっている。
【0016】
第1のキャップ3は、容器2の一端の開口部2aを閉塞するもので、容器2の端部外面に形成された雄ネジ6aに締結される雌ネジ3aを備えている。また、第1のキャップ3は、容器2の開口部2aを閉塞する位置に配置される端板3bの中央部に、シリンジ7(図3参照)を差し込み可能な貫通孔8を備えている。この貫通孔8は、着脱可能な栓体9によって閉塞されている。
【0017】
また、第1のキャップ3には、容器2に取り付けられたときに、容器2内の生体組織補填材5が貫通孔8内に入り込まないように阻止する一方、シリンジ7により注入される骨髄液等の液体Aを透過させる網状部材11が備えられている。
【0018】
また、第2のキャップ4は、容器2の他端の開口部2bを閉塞するもので、容器2の端部外面に形成された雄ネジ6bに締結される雌ネジ4aを備えている。また、第2のキャップ4は、容器2の開口部2bから所定深さにわたって嵌合する挿入部4bを備えている。
【0019】
第2のキャップ4の挿入部4bが容器2内に挿入されることにより、容器2内における生体組織補填材5の収容空間Sの長さが、容器2内の第1のキャップ3側の一部分に限定されている。
また、第2のキャップ4の中心には長手方向に沿って貫通する貫通孔4cが設けられている。貫通孔4cは、着脱可能な栓体12によって閉塞されている。
【0020】
さらに、容器2には、該容器2に取り付けられた状態の前記第2のキャップ4の挿入部4bの先端近傍に配置され、容器2の壁面を半径方向に貫通する空気抜き孔13が設けられている。空気抜き孔13は、第2のキャップ4が容器2に完全に締結されている状態では、挿入部4bによって閉塞され、第2のキャップ4を緩めると即座に開かれて生体組織補填材5の収容空間Sを大気に開放するようになっている。また、容器2には、把持する際に指をかけるための柄2cが設けられている。
【0021】
容器2内に収容されている生体組織補填材5は、例えば、βリン酸三カルシウム(β−TCP)多孔体からなる顆粒状のものである。生体組織補填材5は、第1、第2のキャップ3,4によって両端の開口部2a,2bを閉塞された容器2内に、挿入部4bの先端と第1のキャップ3とにより画定されている収容空間S全体に充填されている。
【0022】
このように構成された本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1を用いて生体組織補填体14を製造し補填する方法について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1により生体組織補填体14を製造するには、まず、図2に示されるように、第1、第2のキャップ3,4の貫通孔8,4cを閉塞していた栓体9,12を取り外す。次いで、図3に示されるように、患者の体内から採取した骨髄液、末梢血等の体液、成長因子や栄養分等の薬剤などからなる液体Aを収容したシリンジ7を、第1のキャップ3の貫通孔8に差し込む。
【0023】
貫通孔8は、網状部材11によって容器2内部の生体組織補填材5が進入しないように空間が確保されているので、生体組織補填材5によって阻害されることなくシリンジ7の先端を差し込むことができる。そして、この状態でシリンジ7のピストン7aを押圧することにより、シリンジ7内の液体Aを容器2内に供給することができる。
【0024】
このとき、図3に示されるように、下向きに配置した第1のキャップ3の貫通孔8から上向きに液体Aを注入していくことが好ましい。このようにすることで、シリンジ7内から供給された液体Aを容器2内に溜めながら液体Aを注入していくことができる。そして、容器2内に溜まっていた空気Gは、上方に配置した第2のキャップ4の貫通孔4cを介して容器2の外部に放出される。これにより、シリンジ7内の液体Aを抵抗なく容器2内に供給し、容器2内に収容されている生体組織補填材5に浸透させることができる。
【0025】
このように、本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1によれば、図4に示されるように、液体Aが生体組織補填材5に十分に浸透した生体組織補填体14を製造することができる。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1により製造された生体組織補填体14は、液体Aが骨髄液等の細胞を含む体液である場合には、細胞が浸透しているので、患部に補填された後に、生体組織補填体14の内部からも細胞を成長させて、患部の修復を迅速に行うことができる。
また、液体Aが薬液である場合には、その薬液を細胞に作用させることができ、生体組織補填体14の内部においても細胞の増殖を促進することができる。
【0026】
次に、このようにして製造された生体組織補填体14の患部への補填方法について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1を用いて製造された生体組織補填体14を患部に補填するには、まず、図4に示されるように、第1のキャップ3の貫通孔8を栓体9で閉塞し、次いで、図5に示されるように、第2のキャップ4を容器2から取り外す。
【0027】
第2のキャップ4はネジ4a,6aにより容器2に締結されているので、ネジ4a,6aを緩める方向に第2のキャップ4を回転させることにより、簡単に取り外すことができる。この際に、第2のキャップ4には貫通孔4cが設けられているので、第2のキャップ4が移動する際に貫通孔4cを介して空気Gが容器2内に取り込まれる。また、容器2には空気抜き孔13が設けられているので、第2のキャップ4が移動し始めると空気抜き孔13が開通し、該空気抜き孔13を介して空気Gが容器2内に取り込まれる。したがって、第2のキャップ4は移動により容器2内を減圧状態とさせることなく、簡易に取り外されることになる。
【0028】
そして、このようにして取り外された第2のキャップ4に代えて、図6に示されるように容器2の開口部2bからピストン15を挿入する。ピストン15としては、その先端にOリング16のようなシール部材を備え、容器2の内面との間を気密状態に閉塞しながら移動できるものが用いられる。
【0029】
このようにすると、ピストン15と生体組織補填体14との間に空気層Bが形成されることとなるが、本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1によれば、容器2に空気抜き孔13が設けられているので、ピストン15を容器2内に押し込むと、容器2内の空気Gが空気抜き孔13を介して外部に放出されることとなる。これにより、容器2内の圧力を過大に増大させることなく、ピストン15を容器2内に挿入することができる。
【0030】
そして、ピストン15の先端に設けたOリング16によって容器2の空気抜き孔13が閉塞されるまで、容器2内にピストン15を挿入することができる。空気抜き孔13は、生体組織補填体14の端面近傍に配置されているので、図7に示されるように、生体組織補填体14との間の空気層Bがほとんど消滅するまでピストン15を容器2内に挿入することができる。
【0031】
その結果、ピストン15を容器2に挿入する際に、容器2内の空気層Bの圧力上昇によって、生体組織補填体14を構成している骨髄液等の液体Aが、先に容器2の開口部2aから放出されてしまう不都合を防止することができ、生体組織補填材5と液体Aとを混合してなる生体組織補填体14を一体的に吐出させることができるようになる。
【0032】
そして、この状態で、容器2から第1のキャップ3を取り外す。第1のキャップ3はネジ3a,6aにより容器2に締結されているので、ネジ3a,6aを緩める方向に第1のキャップ3を回転させることによって容易に取り外すことができる。
その後、図9に示されるように、容器2の先端を患部に近接させ、ピストン15を押し込むことにより、容器2内の生体組織補填体14を容器2の先端から押し出して患部に補填することができる。
【0033】
この場合において、本実施形態に係る生体組織補填体製造補填キット1によれば、第2のキャップ4の挿入部4bを容器2内に挿入することにより、生体組織補填体14の収容空間Sを容器2内の一部分に制限しているので、生体組織補填体14を短く製造することができる。したがって、容器2を細くしても、生体組織補填体14を押し出すためにピストン15にかける外力が過大なものとはならず、補填し易さを向上することができる。さらに、容器2を細く構成し、生体組織補填体14を短くしても、容器2の長さを長く構成しているので、骨髄液等の液体Aの注入作業、生体組織補填体14の補填作業等における取扱性を向上することができるという利点がある。
【0034】
また、顆粒状の生体組織補填材5は注入された液体Aによってまとめられており、顆粒状の生体組織補填材5をそのまま患部に補填する際には患部の周囲に付着してしまう不都合があるが、本実施形態によれば、液体Aにより一纏まりになることによって、生体組織補填体14の補填容易性が向上し、患部の周囲に付着する等の不都合を大幅に低減することができる。
また、ピストン15の押し出し量を変えることで、患部の大きさに合わせて、補填する生体組織補填体14の量を調節することができる。
【0035】
なお、本実施形態においては、生体組織補填材5として、顆粒状のβ−TCP多孔体を採用したが、他の生体適合性材料からなる多孔質の任意の生体組織補填材5を採用することができる。また、容器2の壁面を貫通する空気抜き孔13の数は1以上であれば任意の数でよい。
【0036】
また、本実施形態においては、容器2の壁面を貫通する空気抜き孔13を設けたが、これに代えて、図10に示されるように、容器の内面に空気抜き溝17を設けることとしてもよい。
空気抜き溝17は、容器2に取り付けられた状態の第2のキャップ4の挿入部4bの先端近傍から、該第2のキャップ4によって閉塞される開口部2bまで連続して延びている。第2のキャップ4が容器2に完全に締結されている状態では、空気抜き溝17は第2のキャップ4の挿入部4bによって閉塞されており、第2のキャップ4が緩められると即座に容器2内の収容空間Sに接続するようになっている。
【0037】
これにより、第2のキャップ4に代えて、ピストン15を容器2に挿入する際には、図11に示されるように、ピストン15と生体組織補填体14との間の空気層Bが、空気抜き溝17を介して外部空間に開放される。したがって、ピストン15を容器2内に押し込んでも、容器2内の空気層Bの圧力が過大に増加することがなく、上記と同様にして、生体組織補填体14から液体Aを分離させることなく、容器2から押し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る生体組織補填体製造補填キットを示す縦断面図である。
【図2】図1の生体組織補填体製造補填キットを用いた生体組織補填体の製造を説明する縦断面図である。
【図3】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器内に液体を注入する作業を説明する縦断面図である。
【図4】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器内に生体組織補填体が製造された状態を示す縦断面図である。
【図5】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器からキャップを取り外す作業を説明する縦断面図である。
【図6】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器にキャップに代えてピストンを挿入する作業を説明する縦断面図である。
【図7】図1の生体組織補填体製造補填キットの容器内にピストンが挿入された状態を示す縦断面図である。
【図8】図7の状態で、生体組織補填体製造補填キットの容器からキャップを取り外した状態を示す縦断面図である。
【図9】図8の生体組織補填体製造補填キットの容器から生体組織補填体を押し出して補填する状態を示す縦断面図である。
【図10】図1の生体組織補填体製造補填キットの変形例を示す縦断面図である。
【図11】図10の生体組織補填体製造補填キットの容器内にピストンを挿入する作業を説明する縦断面図である。
【符号の説明】
【0039】
A 液体
S 収容空間(収容部分)
1 生体組織補填体製造補填キット
2 容器
2a,2b 開口部
3 第1のキャップ(キャップ)
4 第2のキャップ(閉塞部材)
4b 挿入部
5 生体組織補填材
8 貫通孔
13 空気抜き孔
17 空気抜き溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質の生体組織補填材と、
該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、
該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を密封するキャップと、
前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を密封する閉塞部材とを備えるとともに、
前記キャップに、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔が設けられ、
前記閉塞部材が、容器内部に挿入され、前記生体組織補填材の収容部分をキャップ側の一部分に限定する挿入部を備え、
前記容器に、該容器に取り付けられた閉塞部材の挿入部先端近傍に、半径方向に貫通する少なくとも1つの空気抜き孔が設けられている生体組織補填体製造補填キット。
【請求項2】
多孔質の生体組織補填材と、
該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、
該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を密封するキャップと、
前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を密封する閉塞部材とを備えるとともに、
前記キャップに、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔が設けられ、
前記閉塞部材が、容器内部に挿入され、前記生体組織補填材の収容部分をキャップ側の一部分に限定する挿入部を備え、
前記容器の内面に、該容器に取り付けられた閉塞部材の挿入部先端近傍から基端側の開口部まで延びる少なくとも1つの空気抜き溝が設けられている生体組織補填体製造補填キット。
【請求項1】
多孔質の生体組織補填材と、
該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、
該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を密封するキャップと、
前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を密封する閉塞部材とを備えるとともに、
前記キャップに、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔が設けられ、
前記閉塞部材が、容器内部に挿入され、前記生体組織補填材の収容部分をキャップ側の一部分に限定する挿入部を備え、
前記容器に、該容器に取り付けられた閉塞部材の挿入部先端近傍に、半径方向に貫通する少なくとも1つの空気抜き孔が設けられている生体組織補填体製造補填キット。
【請求項2】
多孔質の生体組織補填材と、
該生体組織補填材を収容する両端を開放された直筒状の容器と、
該容器の一端に着脱可能に取り付けられ、該一端の開口部を密封するキャップと、
前記容器の他端に着脱可能に取り付けられ、該他端の開口部を密封する閉塞部材とを備えるとともに、
前記キャップに、骨髄液等の液体を注入可能な貫通孔が設けられ、
前記閉塞部材が、容器内部に挿入され、前記生体組織補填材の収容部分をキャップ側の一部分に限定する挿入部を備え、
前記容器の内面に、該容器に取り付けられた閉塞部材の挿入部先端近傍から基端側の開口部まで延びる少なくとも1つの空気抜き溝が設けられている生体組織補填体製造補填キット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−215836(P2007−215836A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40920(P2006−40920)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(304050912)オリンパスバイオマテリアル株式会社 (99)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(304050912)オリンパスバイオマテリアル株式会社 (99)
【Fターム(参考)】
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