説明

生体関連物質を含む分注液および液滴吐出ヘッドを用いた生体関連物質の分注方法

【課題】血液、血漿などの生体関連物質の分注を、インクジェットヘッドと同一の液滴吐出原理により液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを用いて、目詰まりさせることなく行うことを可能にすること。
【解決手段】血液をリン酸緩衝液に溶解した試験液に、界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを1.5重量%添加した分注液を調製する。この分注液を液滴吐出ヘッドを用いて液滴として一定量ずつ吐出して、当該分注液を分注する。液滴吐出ヘッドを30分以上放置してもノズルに目詰まりが発生せず、分注動作を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液などの生体関連物質を微小量ずつ分注して各種の試験、検査を行う生体検査装置などに用いるのに適した生体関連物質の分注方法に関する。さらに詳しくは、インクジェットヘッドと同様な液滴吐出原理で液滴を吐出可能な液滴吐出ヘッドを用いて生体関連物質を分注するのに適した分注方法および当該分注方法に用いるのに適した分注液に関する。
【背景技術】
【0002】
生体検査装置などにおいては、検査対象の生体関連物質、例えば血液、血漿などを含む生体試料を吸引ピペット、ディスペンサなどによって一定量ずつ分注して、各種の試験、検査が行われる。従来の吸引ピペット、ディスペンサなどの分注器による試料の最小分注単位は3〜5μリットル程度であり、分注数を増やすためには採血量を増やす必要があった。
【0003】
血液などの体液の採取量を増やすことなく分注数を増やすためには、最小分注量を少なくすることが必要であり、このために、インクジェットヘッドと同様な液滴吐出原理で液滴を吐出可能な液滴吐出ヘッドを用いて生体試料を微小量ずる分注することが提案されている。液滴吐出ヘッドを用いる場合には、径が数十μmと非常に小さなノズルから生体試料の液滴を吐出する必要があるが、ノズルに生体試料に含まれているタンパク質が凝集固化し、数秒程度の短時間で目詰まりが発生するという問題点がある。
【0004】
特許文献1には、タンパク質を含む液体をサーマルインクジェット方式の原理に基づいて液滴として吐出するのに適した液体組成物が提案されている。この特許文献1によれば、肺吸入に適した大きさである1〜5μmの液滴を形成するためには、製造コストが低く、ノズルの高密度化が可能なサーマルインクジェット方式の原理に基づく装置を用いることが好ましいとされている。また、タンパク質を安定化する方法として知られている界面活性剤などを添加する方法は、サーマルインクジェット方式に基づきタンパク質を吐出する場合における吐出性能の向上にはほとんど或いは全く効果が無い場合が多いとされている。さらに、かかる知見に基づき、タンパク質を含む液滴をサーマルインクジェット方式の原理に基づいて安定に吐出するための吐出用液体として、タンパク質を含む液体に所定の化学構造式で表されるアミン類およびその塩類から選択した少なくとも一種類のものを添加することが提案されている。また、タンパク質を含む液体にアミン類と共に界面活性剤を用いることが提案されており、界面活性剤単独ではタンパク質の凝集を完全には抑制できず吐出の安定性を確保できないと指摘されている。
【特許文献1】特開2006−307099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、タンパク質を含む血液などの生体関連物質の分注を、界面活性剤のみを添加することにより、液滴吐出ヘッドのノズルから目詰まりなく吐出させることのできる生体関連物質の分注方法を提案することにある。
【0006】
また、本発明の課題は、液滴吐出ヘッドのノズルから目詰まりさせることなく液滴として吐出させることの出来る生体関連物質を含む分注液を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明による分注液は、
タンパク質を含む生体関連物質と、
非イオン系界面活性剤と、
水を主体とする液媒体とを含み、
前記非イオン系界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸エステルのうちの少なくとも一種であり、
前記非イオン系界面活性剤の添加濃度は、1.5重量%から3.0重量%までの範囲内の値であることを特徴としている。
【0008】
本発明者等の実験によれば、液滴吐出ヘッドから吐出される生体関連物質を含む分注液に、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたはポリエチレングリコール脂肪酸エステルを1.5重量%から3.0重量%添加することにより、分注作業を行うのに十分な時間に亘って、液滴吐出ヘッドのノズルに目詰まりを生ずることなく分注液の液滴を吐出できることが確認された。添加濃度が1.5重量%を下回ると短時間でノズルに目詰まりが発生し、分注液の分注が不能あるいは困難になる。一方、前記非イオン系界面活性剤は粘度が高く溶解に時間が掛かる。添加濃度が3.0重量%を上回る場合には、溶解が困難であり、また、溶解に長時間を要するので、実用に適さない。
【0009】
ここで、前記非イオン系界面活性剤として用いるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートである場合には、30分以上に亘って、液滴吐出ヘッドのノズルに目詰まりを生ずることなく分注液の液滴を吐出できることが確認された。また、液滴吐出ヘッドのノズル面の撥水性が、生体関連物質に含まれるタンパク質によって低下させられることなく良好な状態に保持され、ノズルから吐出された分注液の液滴に飛行曲がりが生ずることなく安定した液滴の飛行状態が形成され、これによって、精度良く一定量の液滴を吐出できることが確認された。
【0010】
同様に、前記非イオン系界面活性剤として用いるポリエチレングリコール脂肪酸エステルが、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノ4オクチルフェニルエーテル、および、ポリエチレングリコールモノセチルエーテルのうちの少なくとも一つである場合にも、30分以上に亘って、液滴吐出ヘッドのノズルに目詰まりを生ずることなく分注液の液滴を吐出できることが確認された。また、液滴吐出ヘッドのノズル面の撥水性が、生体関連物質に含まれるタンパク質によって低下させられることなく良好な状態に保持され、ノズルから吐出された分注液の液滴に飛行曲がりが生ずることなく安定した液滴の飛行状態が形成され、これによって、精度良く一定量の液滴を吐出できることが確認された。
【0011】
次に、前記非イオン系界面活性剤の添加濃度は1.5重量%から2.0重量%までの範囲内の値であることが、ノズルの目詰まり防止や一定の吐出量、溶解時間の短縮のため、より望ましい。特に、前記非イオン系界面活性剤の添加濃度を1.5重量%とすれば、さらに確実に、ノズルの目詰まりを防止でき液滴の吐出量も一定となり、また、界面活性剤の溶解時間も短くて済むので望ましい。
【0012】
次に、前記生体関連物質は、血液、血漿、血清、リンパ液、組織液あるいは体腔液とされる。あるいは、前記生体関連物質は血液、血漿などのようにアルブミンを含むものとされる。
【0013】
前記アルブミンを含む場合には、その濃度が10重量%以下であれば、ノズルに目詰まりが生ずることなく、分注液を一定量の液滴として安定して吐出できることが確認された。
【0014】
次に、前記液媒体としては、リン酸緩衝液などの緩衝液を用いることができる。
【0015】
一方、本発明による、液滴吐出ヘッドを用いた生体関連物質の分注方法は、上記構成の生体関連物質を含む分注液を、インクジェットヘッドと同一の液滴吐出原理により液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを用いて、液滴として吐出することにより、当該分注液を微少量精度良く分注することを特徴としている。
【0016】
ここで、前記液滴吐出ヘッドとしては、圧電素子あるいは静電気力によって、熱などで生体関連物質や添加物等にダメージを与えずに、液滴吐出圧力を発生させるものを用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を適用した、インクジェットヘッドと同一の液滴吐出原理により液滴を吐出可能な液滴吐出ヘッドを用いて生体関連物質を分注する分注方法を説明する。
【0018】
まず、液滴吐出ヘッドとしてインクジェットヘッドと同一の構造のものを用いる。インクジェットヘッドによるインク液滴の吐出圧力発生方法としては、サーマル式のもの、圧電素子を用いたもの、静電気力を利用したものが知られている。液滴吐出ヘッドとして用いるインクジェットヘッドは、これらのいずれの形式のものであってもよい。熱による影響が無視できない生体関連物質を分注する場合には、圧電素子を用いた方式、あるいは、静電気力を利用した方式の液滴吐出ヘッドを用いることが望ましい。
【0019】
例えば、液滴吐出ヘッドは、ノズルと、ノズルに連通している液体圧力室と、液体圧力室に分注液を供給する供給部とを備え、これらノズルおよび液体圧力室が、ガラス、シリコンウエハ、プラスチック、セラミックス、金属などの素材からなる基板に形成された構成、あるいは、これらの素材からなる複数枚の積層基板の間に形成された構成とされる。また、液滴吐出ヘッドにおけるノズルが形成されているノズル面には、フッ素系の撥水処理を施しておくことが望ましい。液体圧力室を例えば圧電素子によって膨張、収縮させ、液体圧力室内の分注液に圧力変動を発生させ、この圧力変動を利用して液体圧力室に連通しているノズルから分注液の液滴が吐出される。
【0020】
本実施の形態では、圧電素子を用いた方式の液滴吐出ヘッドを用いた。また、そのノズル径を約40μmとした。
【0021】
この構成の液滴吐出ヘッドを用いて微小量ずつ分注する生体関連物質はタンパク質を含むものである。生体関連物質は、血液、血漿、血清、リンパ液、組織液、体腔液などの体液である。生体関連物質としてアルブミンなどを含む血液を用いた。
【0022】
採取された生体関連物質に非イオン系界面活性剤を添加した。この非イオン系界面活性剤は粘度が高く溶解に時間が掛かるので、予め、例えば、pH7.4のリン酸緩衝液に溶解させておき、混合器を用いて、この溶解液を生体関連物質である血液と混合した。リン酸緩衝液としては、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウムなどを用いることができ、リン酸緩衝液以外の、アスコルビン酸、クエン酸、希塩酸などの緩衝液を用いることもできる。血清など緩衝液を用いなくて済むものの場合は、異物を濾過しイオン交換処理などを施した純水を、非イオン系界面活性剤の溶媒として用いることもできる。
【0023】
非イオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオリエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオリエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを挙げることができる。また、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコールモノ4オクチルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステルを挙げることができる。
【0024】
本実施の形態では、非イオン系界面活性剤として、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノ4オクチルフェニルエーテル、および、ポリエチレングリコールモノセチルエーテルのうちの一つを用いた。これらのうちの二つ以上を組み合わせて用いることも可能である。また、非イオン系界面活性剤の添加濃度を1.5重量%とした。
【0025】
このようにして、血液に非イオン系界面活性剤を添加した分注液を調製した。分注液に含まれるタンパク質濃度を10重量%とした。
【0026】
液滴吐出ヘッドの液体圧力室に分注液を充填し、放置時間を変えて、液滴吐出ヘッドを駆動してノズルから分注液の液滴を吐出させた。この結果、放置時間が30分(1800秒)であっても、ノズルに目詰まりが発生することなく液滴を吐出できることが確認された。上記の非イオン系界面活性剤によるノズルの目詰まり防止のメカニズムは定かではないが、非イオン系界面活性剤が血液中のアルブミン、イムノグロブリン、フィブリノゲンなどのタンパク質表面に吸着することにより、ノズルにおけるタンパク質の凝縮が抑制され、ノズルの目詰まりが発生しなくなるものと思われる。
【0027】
また、分注液に含まれるタンパク質は、フッ素との親和性が高く、通常はノズル面に形成した撥水膜にタンパク質が付着してノズル面が濡れた状態になり、吐出される液滴の量が不安定となり、また、吐出される液滴に大きな飛行曲がりが発生する。しかしながら、上記の非イオン系界面活性剤を添加することにより、ノズル面の撥水効果が維持され、一定の量の液滴が飛行曲がり無くは吐出されることが確認された。
【0028】
本実施の形態に係る分注方法によれば、生体関連物質である血液を、液滴吐出ヘッドのノズルに目詰まりを発生させることなく、微小量ずつ正確に吐出して、分注できる。
【実施例】
【0029】
生体関連物質としてのBSA(牛由来のアルブミン)をリン酸緩衝液に溶解した試験液に、各種の非イオン系界面活性剤を異なる濃度で添加して、BSA濃度が10%、pH7.4の各分注液を調製した。BSAは、ナカライテスク株式会社から入手したものである。
【0030】
各分注液を25℃の室温で、ノズル径が約40μmの圧電駆動式の液滴吐出ヘッドの12個のノズルから吐出する動作を、放置時間を変えて行った。各ノズルからの液滴の吐出の有無(ノズルの目詰まりの有無)、ノズル面の撥水状態、吐出された液滴の飛行曲がり状態、および、連続して液滴を吐出させた場合の吐出状態(吐出量)の安定性を観察した。
【0031】
以下に掲載する表には実験結果を纏めて掲載してある。この表において、「放置時間と自己復帰ノズル数」の欄における分母の数が全ノズル数であり、分子の数が放置時間後に液滴が吐出されたノズル数(自己復帰ノズル数)を表す。「ノズル漏れ」欄における「○」印はノズル面の撥水性が良好に維持されていたことを表し、「×」印はノズル面の撥水性が劣化して分注液で濡れていたことを表す。「飛行曲がり」欄における「○」印は吐出された液滴が直線状に飛行したことを表し、「×」印は液滴に飛行曲がりが発生したことを表す。「連続吐出の安定性」欄における「○」印は連続してほぼ同一量の液滴が吐出されたことを表し、「×」印は吐出量が大幅に変化したことを表す。
【0032】
【表1】

【0033】
(実施例1−1〜1−4、比較例1−1〜1−4)
表における実施例1−1〜1−4は、非イオン系界面活性剤としてポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(製品名:Tween20、製造元:和光純薬工業株式会社)をそれぞれ1.5、1.8、2.0、3.0重量%添加し、放置時間を、3、5、10、20、30、60、120、300、600、1800秒とした場合の分注液の吐出結果である。比較例1−1は非イオン系界面活性剤を添加しなかった場合であり、比較例1−2、1−3、1−4は、それぞれ、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートを、0.15、1.0、1.3重量%添加した場合である。
【0034】
表から分かるように、界面活性剤が添加されていない場合には放置時間が僅か3秒であってもノズルに既に目詰まりが発生している。添加濃度が0.15重量%では、ノズル面の撥水効果も得られず、液滴に飛行曲がりが発生している。添加濃度が1.0重量%および1.3重量%では、ノズル面の撥水効果が維持され、飛行曲がりも発生しないが、ノズルに目詰まりが発生しない許容放置時間が3秒および30秒と極めて短い。これに対して、添加濃度が1.5重量%になると許容放置時間が1800秒以上となり、ノズルの目詰まり防止効果において劇的な変化が現れていることが見て取れる。
【0035】
この点は、図1のグラフを参照すれば明らかである。図1のグラフは、実験結果に基づき、界面活性剤の添加濃度に対する許容放置時間(回復可能な放置時間)をプロットしたものである。添加濃度1.5重量%が臨界点であることが見て取れる。
【0036】
(実施例2−1、2−2、比較例2−1、2−2)
表における実施例2−1〜2−2は、非イオン系界面活性剤としてポリエチレングリコールモノドデシルエーテル(製品元:東京化成工業株式会社)をそれぞれ1.5、2.0重量%添加し、比較例2−1、2−2は、同一の界面活性剤を0.5、1.0重量%添加した場合である。
【0037】
この場合には、表から分かるように、界面活性剤を添加することにより、ノズル面の撥水性が維持され、飛行曲がりが発生しない。しかし、添加濃度が0.5、1.0重量%の場合には、それらの許容放置時間が5秒および30秒と極めて短い。これに対して、添加濃度が1.5重量%、2.0重量%の場合には、許容放置時間が1800秒以上と長くなり、優れたノズルの目詰まり防止効果が得られることが見て取れる。
【0038】
(実施例3、4)
次に、表における実施例3は、非イオン系界面活性剤として、ポリエチレングリコールモノ4オクチルフェニルエーテルを1.5重量%添加した場合であり、実施例4は、ポリエチレングリコールモノセチルエーテルを1.5重量%添加した場合である。
【0039】
いずれの場合においても許容放置時間が1800秒以上と長く、優れたノズルの目詰まり防止効果が得られ、ノズル面の撥水性が維持され、液滴の飛行曲がりも発生しない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例の注液によるノズル目詰まり防止性能を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質を含む生体関連物質と、
非イオン系界面活性剤と、
水を主体とする液媒体とを含み、
前記非イオン系界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸エステルのうちの少なくとも一種であり、
前記非イオン系界面活性剤の添加濃度は、1.5重量%から3.0重量%までの範囲内の値であることを特徴とする分注液。
【請求項2】
請求項1に記載の分注液において、
前記非イオン系界面活性剤は、
ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、
ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、
ポリエチレングリコールモノ4オクチルフェニルエーテル、および
ポリエチレングリコールモノセチルエーテル
のうちの少なくとも一つであることを特徴とする分注液。
【請求項3】
請求項1または2に記載の分注液において、
前記非イオン系界面活性剤の添加濃度は1.5重量%から2.0重量%までの範囲内の値であることを特徴とする分注液。
【請求項4】
請求項1または2に記載の分注液において、
前記非イオン系界面活性剤の添加濃度は1.5重量%であることを特徴とする分注液。
【請求項5】
請求項1ないし4のうちのいずれかの項の記載の分注液において、
前記生体関連物質は、血液、血漿、血清、リンパ液、組織液および体腔液のいずれかであることを特徴とする分注液。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちのいずれかの項に記載の分注液において、
前記生体関連物質はアルブミンを含むことを特徴とする分注液。
【請求項7】
請求項6に記載の分注液において、
前記アルブミンの濃度は10重量%以下であることを特徴とする分注液。
【請求項8】
請求項1ないし7のうちのいずれかの項に記載の分注液において、
前記液媒体は緩衝液であることを特徴とする分注液。
【請求項9】
請求項1ないし8のうちのいずれかの項に記載の分注液を、インクジェットヘッドと同一の液滴吐出原理により液滴を吐出する液滴吐出ヘッドを用いて、液滴として吐出することにより、当該分注液を分注することを特徴とする液滴吐出ヘッドを用いた生体関連物質の分注方法。
【請求項10】
請求項9に記載の分注方法において、
前記液滴吐出ヘッドは、圧電素子あるいは静電気力によって液滴吐出圧力を発生させるものであることを特徴とする生体関連物質の分注方法。

【図1】
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