説明

生活地域防犯システム

【課題】
電子通信手段を利用した地域防犯システムにおいて敷設決定や運用や保証や継続を関係者間で話し合うこと無く利用者個人の判断で実行でき、随時加わる参加者を自動でシステム内に取込み、協働の環境エリアを経年的に増殖可能にする機能を有した地域防犯システムを構成する。
【解決手段】
複数名の近隣接続相手からの応答信号を各種目的の条件に従い順列構成し利用者に仲間との実践的防犯接続環境を容易に反復認知させる。緊急時通報だけでなく生活上の不安を各戸敷設の装置に機能装備された戸別識別機構を利用した確認行為により解消させ、近隣との協調関係を意識させて仲間を認知せしめる。自己判断で運用され、月日を経て加る仲間を逐次取込み、接続環境を随時増殖させる防犯システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自治班や地域自治会等の一定の区切られた居住環境において、この環境に住む関係全戸の犯罪や急難に対する安心と安全を最速最短の状態で確保し、住民間にただ近隣に住んでいるという関係から相互間で意識し協力しあうような、社会構成上進んだ関係へと変化させるよう、そしてその地域の救急体制をより実践的に構築可能となるよう設計された相互間救急防犯連絡システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の家庭用防犯システムにはその異常情報を指定された数カ所へ電子媒体等を使い送信するものがある(例えば特許文献1参照。)。また地域で不信者情報や宅内異常情報を電子ネット化し共有しあい地域防犯をすすめる考えもある(例えば特許文献2及び特許文献3参照。)。そして近隣住民間で電子媒体等により繋げられた救急防犯用通報装置を持ち合うことにより連携救急防犯するシステム等も特許公開されている(例えば特許文献4参照)。
【0003】
また最近では地方自治体や地域住民を中心として、犯罪に強い町づくりを目指し、交代での見廻りや声の掛け合い活動、父母や老人会を中心とするこどもの通学時間帯の監視活動や防犯マップづくり、そして警察や自治体と連携したシンポジウムや啓蒙活動、或いは街灯の増設や街頭カメラの敷設等が実施されています。
【0004】
しかしながらこれらの実際の運用に当たっては、それら全てが関係住民間の強調体制が基本姿勢と成るものであり、この立案・実施・運用・保全・継続の全てにおいて住民間のコンセンサスをとることが大変難しい。
【0005】
全国的に大きく広がったかに見えた地域住民が主体となった自主防犯活動も担当者の固定化や維持継続の難しさが表面化しており、これを生活地域に定着させ残して行くことが大変難しく、自治会役員頼みの形骸化した体制が多く見受けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−040196号公報
【特許文献2】特開2004−13871号公報
【特許文献3】特開2002−6888号公報
【特許文献4】特開2003−67870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的な防犯装置は周囲や関係者に異常を通報するものが主体です。しかし、これらの使用は個人の都合で実行されたものであり、これを聞く周辺住民にはそれに応答する体制が備わっているとは思われません。
【0008】
街頭カメラや警備会社との契約、総合セキュリティーを完備した集合住宅や地域への転居や敷設等、高額な費用を伴う対応も考えられますが、一般生活者にはその対応も難しい。
【0009】
一方、各家庭のプライバシーは重視され、近隣間の繋がりも無くなり、隣に住む人も分からないような生活環境が当たり前となりました。このような住環境では各生活者の孤立密室化はどんどんと進み、一度犯罪者に内部へ侵入されたり、帰宅時に室内で鉢合わせをした場合、逃れるすべなく凶悪な犯罪が実行されたりも耳にします。
【0010】
その上最近では生活弱者や子供たちが、歩行中や通学中に異常者により襲われることも報道等でしばしば視聴する現状で、安心して居住環境エリアで過ごすことも難しくなっています。
【0011】
そこで犯罪に対し個々で対応するのではなく、住民間の失われた人間関係を再構築して居住地域として強くなろうとする自主防犯を主体とする町づくり活動が地域の自治会を中心として全国的に広まりました。 しかしこの活動も、各担当者に具体的な見廻り等の活動を強いるものであるために、その効果や持続性に大きな問題を抱えております。
【0012】
そこでその問題を補うべく上記0002節で紹介されるような、防犯システムが必要となります。安価に構成されたセキュリティー装置を関係の家庭間で持ち合い、この情報を電子通信技術を介して、近隣の相互間で認知し救護し合う協調システムです。
【0013】
これらの技術はそれらが想定するその緊急的な対処を目的とする架空環境の中では効果的なものと思われますが、その運用には地域住民間の協調と約束と責任と実動が前提となるため、実際の敷設面で大きな問題を抱えてしまいます。
【0014】
その要因として第1に対象が多種多様な価値観と意思と性格をもつ一般住民であり、これらを包括的に捉えて運用する手法が貧弱であること。第2に運用上の各種責任の所在判断や管理維持形態の実行において責任者や役割分担の決定が難しいこと。第3にそのシステムを経年的に持続させ維持管理するための手法が貧弱であり、これに費用が掛かればより難しく、また約束だけでは数年で息切れしてしまいます。等の理由により、なかなかその実効性を伴いません。
【0015】
対象が防犯や救護といった、当事者にとっては深刻な事柄となりうる問題に対して、他人が協調する防犯スタイルはその瞬間の効果以上に、普段からの生活に結び付く民事生活上の配慮が機能として備わったシステムでないと、その実施は難しいと判断します。
【課題を解決するための手段】
【0016】
近接した居住者同士の協調による防犯システムを行うにあたっては、その関係者間の意見をまとめる必要があり、一般的には自治会や自治体や公的関係者による総合的なアシストが必要となる。そしてその手段が機械システムを利用する場合には、対象が防犯や救急である以上、その安全性に対する保証が必要となる。従って、同システムの供給者側には常に機能上の保守と運用上の管理責任が必要となり、これを運用する側には相当の金銭的な要件を含む負担が必要となる。この問題を解決できなければ、住民主体による本当の意味での実践的な地域防犯システムは根付かせるのが難しいと判断します。
【0017】
そこで本発明は全ての行為が個人判断で決定され、運用されるような協調防犯システムを開発致しました。購入の決定・運用の責任・受託利益・地域効果等です。個人ベースで判断し運用されることにより、住民相互間の意見調整や協働上のリスク保証や維持管理といった団体組織としては解決が難しくコストの掛かる問題が無くなります。
【0018】
この個人判断により運用される防犯システムが意図した計画がなくても月日を重ねて仲間を増やしながら自動的に取り込まれて、経年的にそのエリアを膨らませる。勿論、その機能を使えば強い防犯エリアの構築を意図とした計画的な敷設も可能です。
【0019】
その為には個人ベースでその受託利益を評価せしめて敷設決定され、その運用上において住民強調の必要性を認識させて無理のない運用方法がとれるような、実行可能な防犯システムが必要となる。
【0020】
個人決定を行う上での一般的な技術的要件からくる安価設定の可能性やその防犯効果や取り扱い上の簡便さなどの特徴は当然な要件ですので本文ではあえて説明はいたしません。請求項1の発明は個々が生活上の防犯や安心における受託利益を平等に感じることができるよう、そしてプライベートを完全に確保しながら個人の判断で運用や決定が実行できるように設計されております。これを実践する本発明における特異的な構成部分はセキュリティー装置上の戸別識別機構にあります。この機構は1aメインスイッチによる初期設定時と1c試験ボタン(白ボタン)による試験動作時の2パターンで実行されます。そしてそれぞれの動作は大別するとサーチ動作と表現動作を行います。初期設定動作は事前の設定条件に合わせ新規に情報をサーチして新規に表現します。試験動作は、初期設定により取得した情報を再度サーチして、それに対応させて表現します。
【0021】
サーチ動作は自分を中心とした本機を所有する仲間が周りに存在して、どの様な防犯関係を築いているかをボタン一つで自動的にサーチするシステムです。自分と関係仲間との位置関係を距離の絶対値である緯度経度と階層を三次元的に数値化させた情報とこれまでの受信履歴情報と利用者の行動意思情報、そして連携媒体が特小電力無線利用時には電波強度等の情報を演算処理しながら、10〜50軒程の複数軒、事前設定された条件による協調関係の順番を調べます。
【0022】
距離の絶対値である緯度経度と階層を三次元的に数値化させた情報とは当事者からみた直線距離の遠近を示しますが、この近隣間の関係が防犯救急情報の接続上の近さを示す訳ではありません。区域や仲間が異なっていたり、川や道路や壁によって近くても物理的に隔てられる可能性があるからです。この条件は対象者が比較的密集し易くて移動上の便の良い、主にビルの多いエリアで有効な順位を構成できます。
【0023】
電子媒体として特定小電力無線を利用する場合には、この受信電波強度が有効な順位を構成します。この無線波長は鉄筋コンクリートや金属シャッターにより、大きな制限を受けます。コンクリートやシャッターが多い町中よりも戸建住宅地での利用が有効です。こここで云う制限とは、電波が届かないという事では無く、返信される電波強度の値が絶対的な距離間を構成する条件としては不向きだという事です。実際には電波は吸収されるより高い確率で反射され、この反射を繰り返しながら遠くへ運ばれます。しかしながら本システムにおいては100〜200m程の伝送距離を想定しておりますので、接続機能上の問題は生じません。この条件は上記制限を受けにくい、戸建住宅地で有効な順位を構成します。
【0024】
受信履歴情報とは、接続法として電子媒体を使う以上、接続できる可能性が常に一定の確率とはいえません。相手側の環境設定や接続条件が約束されておりませんので、より高い確率で接続できる相手は大変大事な仲間となります。また、特定小電力無線の場合、環境上の妨害波が考えられます。これは全ての電気機械から生ずるもので、その環境における時間帯によってもかわります。こういった接続上の環境問題をより手堅くクリアできる仲間ほど有効な対象となります。例えば絶対距離は遠くの相手だとしても常に繋がれる相手はシステム接続上、順位の高い仲間となります。この条件は仲間の絶対数が未だ少ないエリアにおける場合や接続環境が電波上不安定な場所で有効となります。
【0025】
利用者の行動意思情報とは、直接的な技術要件ではありませんが、総合的な運用上の精度を上げるに重要な要素となるため、合わせて列記致します。この敷設者は単独で敷設決定を行いますが、救急時には近隣の仲間との協働関係を必要とするため、その設置時に緊急対処時の行動の可能性を宣言して頂きます。その基本的宣言として全ての利用者は仲間からの救急要請に対して、複数名の仲間を募り最低注視以上の対応を行うことです。この際の対応上のアクションプランの可能性はその敷設時にグレード別に確認されており、それが対応の順列構成に繋がります。緊急時の対応に前向きな方はより上位で認知されると共に自分も周りから意識されることとなります。
【0026】
本発明の戸別識別機構では上記の0021節・0022節・0023・0024・0025節の条件をその対象となる使用者側の環境に合わせて使い分けて設定しサーチ動作を実行します。この動作により取得された接続情報には条件毎の順位がつけられます。4つの主条件にはアドバンテージ的な大点数が与えられ、それぞれの順位には一定の小点数が与えられます。そして全ての取得情報は数値化されて、総合の順位を形成します。当然この4条件で決定比率を分け合うことにより、より利用者の環境に配慮したカスタマイズ設定が可能となりそれによる環境接続上の総合順位の更生が行われます。勿論単独主条件による設定も可能なわけで、単独の場合、緯度・経度・階層の3次元数値はビル・シャッター街で、特定小電力無線の電波強度は戸建住宅街で、受信履歴は近隣の仲間が少ないか電波状況が安定しない環境で、利用者の行動意思情報は環境を選ばない特記要件として、必要な環境下での優先設定条件となります。
【0027】
この接続電子媒体にインターネット回線などを加える場合はこのサーチ動作及びこれにより決定される防犯接続上の順位構成は回線統括の専用サーバが行うこととなり、これが家庭敷設のセキュリティー装置に強調表現されることとなる。
【0028】
この順位はサーチ行為を行う当事者からの相対的な接続可能順位を示しており、これが緊急時の駆け付ける順番を示すものではありません。日々、自分を中心とした近隣世帯との連携関係を意識させることを目的とした順位です。少しでも近隣との人間関係を意識することは、地域防犯を行う上での市民生活上の関係形成を目的とする大変重要な基本行為となります。
【0029】
上記0020節で紹介の戸別識別機構における表現動作は機械本体に設置された約10〜50ケ程の複数個のLEDランプに対応させて、0026節にて説明のサーチ情報の個人名とIDなどをディスプレに表示いたします。ディスプレによる電子的な情報の羅列ではなく、ランプ位置と接続関係者名を対応させながら表記して、「5番のランプは○○さん、接続可能です。と云うように」普段から仲間の存在を認知し確認させるように表現しております。これでこの仲間は全くの知らない人から自分の周りにいる良心的な意思を宣言した協力的な知り合いへと認識される訳です。このようにファジーではあるが極めて人間的な行動を促すように設計致します。この戸別識別ランプには名盤が施されており、初期設定がリセットされるまで、常に同じ個所へ、同じ仲間の氏名を表記してディスプレと共に強調表現させます。
【0030】
この強調表現の意味は単純な結果通知を意味しておらず、日々の表現行為の繰返しにより装置保有者に自分を囲む生活地域の防犯接続関係者を意識的に認知確認可能とすることを目的としている。これは前記0028節と同じく、協働防犯を行う市民生活上の大事な認知要件となりますが、それだけでなく、この防犯システム構成上の重要な特徴上の必要要件ともなります。それは本発明による地域防犯システムはその協働関係の構築に関して一定以上の意思を持つ全く知らない近隣の他人同士も参加対象としており、これらを日々紹介しながら相互認識させて、他人から協働防犯に一定以上の意識をもった周囲の知人へと認識上変化させることは、同じように大事な民生上の運用効果となります。
【0031】
この戸別識別機構による近隣のサーチ機能及び表現機能は単純に仲間を知るだけではありません。日々の生活では、家庭ごとにさまざまな防犯や救護に関する実生活上の不安項目を抱えております。不安だけでは警察や人の助けを求めることはできません。この不安内容を解決する術は、課金による防犯環境の充実しかありませんが、少しばかりの課金では生活上の安心は得られません。この日々の不安の解消こそ「住の安心」に繋がります。特に子供や老人などの生活活動上の弱者を抱える家庭では重要なメリットとなります。
【0032】
日々の生活で生じるさまざまな不安項目の参考リストを下記に示す。
(1)深夜、階下や庭先・家の周りで物音がしたけどどうしよう。誰かいるみたい。
(2)小さな子供を残して外出しなければなりません。イザと云う時心配です。
(3)子供のみの留守番時の火事や不審者が心配です。
(4)子供の登下校だけでなく外で遊ぶことも心配です。家に閉じ込めておくべきですか。
(5)ストーカーに見られている。どうしたら良いのでしょう。帰宅時や就寝時心配です。
(6)帰宅時に不審者がいたらどうしよう。
(7)セールスを装った不審者に力ずくで侵入されたら何ができるだろうか。
(8)老後の一人暮らしで突然の病気やケガが心配です。どう対処したらよいか。
(9)実際の非常時に大声を出したり、助けを求めたり出来るだろうか。
(10)最近、体の具合が優れないのですが、動けなくなったらどうしよう。
(11)女性のひとり暮らしです。いつも防犯が気になります。
(12)十分な防犯を行う自信がありません。機械は苦手です。
(13) 周りの人とのお付き合いがありません。イザと云う時助けを求められるだろうか。
(14)建築ラッシュで大きな車や見知らぬ人が多い。そこで遊ぶ子供達が心配です。
(15)家庭内暴力や突発性の危険に対して、どう対処できるだろう。
(16)玄関先で訪ねてきた人が包丁を出したら、対処法はありますか。
(17)こんなことぐらいで警察、消防、救急は呼びづらい。でも不安です。
(18)何かあってからの対応や手段ばかりです。本当に大丈夫なのですか。
この不安を構成する要因をまとめると、下記のとおりとなる。
1)誰にでも突発的に危険が及びうるという社会情勢。
2)一度侵入を許すと宅内は長時間滞在可能な完全な密室と化す。
3)繋がりの欠如による地域環境の弱体化。周り全てが他人です。
【0033】
前節表1の生活上の不安項目は、事前に、そして直接に警察や関係者を呼んで対処できるものではありません。この不安材料を改善する方法は一般的には地域力の強化しかありません。この発明は緊急の通知だけではなく、この様な不安が生じた場合にも、周りに迷惑を掛けること無く自分任意のタイミングにより、周りに知られることなく、イザと云う時の近隣世帯との接続関係を覆面実行し具体化させて知らせてくれます。
【0034】
しかもただの近隣世帯では無く、この地域防犯に関してある一定以上の協働上の意思を持つ近隣の仲間との接続状態です。複数名の近隣の仲間に守られているという実態確認は、この不安解消の一助となる筈です。環境に守られているという日々の安心こそが、住民間で共通の受託利益となります。
【0035】
この様に、本発明は大切な家族を取り巻く周りとの安心な住環境を、相互間の直接的な約束や相互理解を必要とせずに、個人の判断のみにより構築させることができます。
相互間で約束して負担し合うのではなく、この保有行為そのものが近隣との暗黙の約束を形成すると同時に、環境内の一員としての地域防犯に対する意思を示すこととなります。
【0036】
また、本システムは保有者相互間で事前約束されておりません。従って予期せぬ世帯や全く知らない世帯でも戸別識別機構により日々表記されることになります。しかしこれらは0034節の如く地域防犯に関して一定以上の意思を持つ近所の仲間です。日々表記される表示識別機構上のこの表示は、複数の仲間の存在とその指名を繰返し示しながら生活環境内に相互認知させてゆきます。普段から周りの生活者を意識することは地域防犯実行の第一要件です。この具体的な実践を機械のアシストにより、知らずのうちに行います。
【0037】
そしてこの相互認知は本システム上の次の大きな特徴を備えることとなります。これは発明とは直接関わらない運用上の特徴ですが、発明品は人が使うものであり、そして本発明より誘因された特徴ですのであえて次に示します。本システムを運用するに当たり、ただ一つだけ大事な約束をこれの所有者には宣言してもらいます。それは「仲間からの救急要請には必ず複数名の仲間を募って、注視以上の対応を必ず行う。」というものです。これが大きな特徴となります。一般的に救急の要請に対して一定以上のモチベーションをもつ人を複数名瞬時に集め得る環境とは簡単にできるものでしょうか。普段から防犯に対して一定以上の意識をもった人々が、日々戸別識別機構を利用して相互間の認知確認を繰り返している環境がそこに生まれることにより可能となります。実際の救急要請はその対応者に対しても大きな不安を与えます。この容易に複数名の対応者が構成可能な環境は、不安をもつ救急の対応者にとって安心と安全と可能な行動を約束させてくれます。
【0038】
この様に生活環境内に一定の地域防犯意識をもつ対象者が戸別識別機構により共に認知されながら存在し、イザと云う時はその直近で複数名の目撃以上の対応者が瞬時に構成される様な地域エリアを、事前における相互間の約束や取り決めや各種負担を必要とせずに容易に構築が可能となります。
【0039】
繰り返すが本来地域内の協働防犯は、そのメンバー相互間の事前約束と運用管理責任を含む体制づくりとこれが機械システムによる場合にはその費用と同時に経年的な維持管理負担等に関して、これを構成するメンバー間やこれを支える組織により承認されて初めて形となります。しかし実際にはこの保証と責任を含めたリスク管理には大変大きな負担が伴うこととなり、これを纏めるには行政上の判断か政治的な力が必要となります。言い換えれば個人間の話し合いだけでは成立できません。しかし、請求項1の如く、この保証と責任と決定の所在を運用者個々にまかせることができれば、この地域構成上の問題は自然消滅してしまいます。その為には、人まかせでは無い自主防犯意識を個々に目覚めさせる必要があり、本発明の戸別識別機構により運用者が日々周辺の防犯環境情報を得ながら安心という共通の受託利益を受けるとともに、これを導く仲間の存在を具体的に認知して高い自主防犯意識を持つように設計された生活地域防犯システムが有用となります。
【0040】
次に請求項2の発明につきまして説明を致します。請求項1において説明したように戸別識別機構を利用した生活地域防犯システムは個人の判断で運用や責任を決定できるとともに、その接続関係を特定せずに自分の周りの接続可能な仲間を戸別識別機構上のサーチ動作により自動的にどんどん取り込んで、可能な数だけ紹介し表現するよう設計されております。例えば記名盤1fを含む戸別識別ランプ1eが10〜50名分表記可能な装置はその数が一杯になるまで近隣の仲間のサーチ及び表現が可能となります。
【0041】
この防犯システムは最低2組の近隣世帯から構成可能と成りますが、後日この近くの別世帯が本装置を敷設した場合や近隣にこの装置の保有者が引っ越して来た場合などに、この戸別識別機構のサーチ動作でその異動情報が取込まれ、表現動作により仲間にそれを知らしめます。当然挨拶や事前の約束やシステム運用上の追加設定などは必用ありません。
追加された仲間は自動で近隣の防犯システム内に組み込まれ、その都度新たな組織構成が行えるように設計されています。
【0042】
前記の0041節の意味するところは、最低2軒とはそれ以上の何軒でも構わず、後日の別世帯の保有者とは、それぞれが戸々の責任でこのセキュリティー装置さえ維持していれば、経年的に次々と仲間を増やして行くことができる防犯システムです。各地で行われている自主防犯活動を主体とする地域啓蒙活動の努力の成果をそこで息切れして終えてしまうのではなく、実質的な実態としてその地域に残して行くこと、思いを形に換えて積み重ね根付かせることができるということです。この積み重ねにより他と差別化された強い防犯エリアが生まれることとなります。
【0043】
また、0041節の近隣へこの装置の保有者が引っ越してきた場合とは、その通りの意味もありますが、異なるグループ間でも接続可能なことを示しております。これは大変大きな機能であり、戸別識別機能を有するセキュリティー装置を結ぶ電子媒体が、特定小電力無線を利用した場合により顕著となる特徴です。前記0041節のように一つのコアから仲間が増えて環境が膨らむと、同じように増えた近隣の仲間と、ある段階からそれぞれの境界付近の仲間を介して繋がり合うことが可能となります。
【0044】
この浸食作用の様な区域の広がりを計画的に設計するには、それぞれの環境に合わせて一定の広さや居住者数毎に小さくても1グループずつを予定区域全体に配置を実行せしめることができれば、以降は時間を掛けても経年的にその周りのご近所を1件ずつ仲間に加えながらこどもの校区や同名称の区画のような広いエリアにおいて、一定以上の防犯意識を備えた仲間で構成する強い自主防犯エリアを造り出すことが可能となります。
【発明の効果】
【0045】
この発明を利用すれば、前記0039節において説明した協働防犯の地域敷設上の難しさを容易にクリアして、その上少ない予算で簡単に、広いエリアに高い防犯形態を敷設することが可能となります。具体的にはその実際の救急対処においては、普段からの戸別識別機構の複数名の表示認知行為により最低でも複数名の目撃証言を最短最速で得ることが可能な環境を構築できます。その上日々の生活上生じる様々な不安項目に対しては住の安心をその保有者に与えつつ、防犯に対して一定以上の意思をもつモチベーションの高い仲間の関係エリアをその地域に残します。地域防犯活動はその時だけに留まるものではありません。時を重ねながら持続的に運営され地域に根付かなければなりません。約束だけで行われる地域の自主防犯活動は息切れしてしまいます。瞬間的に大きな費用を掛けなくても、一人ひとりの意思を無理なく形に換えて積み重ねることにより全体を構築できるこの様な生活地域防犯システムでないと一過性のもので終わってしまいます。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態を示すセキュリティー装置本体及び地域防犯システムの 概要説明図です。
【図2】セキュリティー装置本体の構成ブロック図です。
【図3】この地域防犯システムの構成上の核となる戸別識別機構の動作フローの内、 初期設定に関わる動作フローです。
【図4】図3実行時の取得信号処理フローです。
【図5】この地域防犯システムの構成上の核となる戸別識別機構の動作フローの内、 利用者の任意のタイミングで実行される試験機能に関わる動作フローです。
【図6】図5実行時の取得信号処理フローです。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下に本発明の実施形態について、そのセキュリティー装置を繋げる電子媒体を特定小電力無線を利用したスタイルにより説明します。図1は生活地域防犯システムの敷設運用形態を表しております。図中の戸別識別機構を有するセキュリティー装置1が対象家庭に敷設される必要がある訳です。その敷設の実効性につきましては、前章の「課題を解決するための手段」において環境防犯を行うに当たっての個人判断の重要性を説明し、その瞬間の対応だけでは無い日々の生活に密着した安心環境の提供について戸別識別機構を利用した協働防犯スタイルを説明致しました。すなわち戸別識別機構を利用した日々の生活上のメリットと個人決定の積み重ねにより地域防犯を形づくる実践方法です。
【0048】
図1には比較的近隣にAグループ・Bグループ・Cグループで表された3組のそれぞれに戸別識別機構を有したセキュリティー装置の敷設を戸別に決定したグループが存在する。
特定小電力無線の伝達距離はその地域の電波環境に左右されるが、宅内同士の場合約100mから良い時には400mほどである。従ってこの図1における全体の広さは直径で1Km程の環境エリアを想定している。
【0049】
1グループは最低2戸の家庭より構成されており、近所・仲間・親類・知人間などが対象となる。実際には各グループを区分けする図1の様な円線は無いが、ここではAa宅を中心とした接続関係を表している。実践上はメンバーのそれぞれが円の中心となった同様の組織構成を持つこととなる。
【0050】
初回、Aグループ内のAa宅とAb宅とで敷設された本体1は、特にそれぞれの家族における日々の生活内で生じる0032節表1で代表される様な不安事案に際して、任意のタイミングで利用される戸別識別機構による初期設定動作と試験動作を行い表現し、生活環境内の繋がりを確認させて、家族の安全を保全確認する事となる。この生活上の不安材料は家庭ごとにさまざまであり、事前には人の協力を求めることが出来ないものばかりです。
【0051】
その後、月日を重ねながらこの協働関係を知った近所のAc宅やAd宅が増えて行きますが、それぞれは特定小電力無線機能上の相互間で接続可能な環境であれば制限なく増えることが可能です。ここで大事なポイントはAc宅やAd宅はその機械の敷設に当たり、Aa宅やAb宅に相談や断りをいれる必要が無く、自己のタイミングで敷設できるということです。Aa宅やAb宅では定期的に戸別識別機構の初期設定行為を行い、自動的にAc宅やAd宅が仲間として増えたことを確認すると同時に、Ac宅とAd宅ではこの生活地域防犯システムの仲間として、仲間の救急要請に対しては、最低注視以上の可能な対応を複数名の仲間で行うことを宣言し周知されたことを意味します。
【0052】
そして、An宅が加わった時、これまでのAグループと同じように増えてきたBグループとAn宅を中心とした接続可能エリアの仲間としてこの2つのグループは繋がります。本方法はエリアの広さや地域性に合わせて特定小出力無線の無線機能としての転送機能を用い1次転送から2次転送までを設定可能としております。仲間が少ない時点や世帯数の少ないエリアではこれにより、10軒以上の複数軒をより多く表示識別機構に取り込むように設定されます。
【0053】
加えてCグループにおけるCc宅に本セキュリティー装置1を所有する転入者が生じた場合でも、同じように接続関係が生じ、BグループとC住宅グループは繋がることとなります。
【0054】
表示識別機構には、10から多い場合は50軒程の1e表示識別ランプが備えられ、それぞれのランプに対応する近隣の世帯名が表示されます。それぞれの装置は戸別識別機構のサーチ動作により、より近隣の仲間を取込むように設定されます。このより近隣という意味は位置的に絶対的な直線距離で近いという意味では無く、防犯協働活動上近いという意味です。図1におけるAa宅とAd宅は直線距離では一番近いのですが、実際の行動距離や日々の認知確認距離では大変遠いのです。こういった防犯協働活動上の問題修正のため、このサーチ動作による取得情報は4つのパラメータ条件を用いて位置情報を是正して、より現実的な防犯協働活動上の繋がり情報を構成して順位表現致します。その取り扱い方は0026節を確認してください。またこの実際の運用動作につきましては以降で説明いたします。
【0055】
図1の1のセキュリティー装置本体の基本的な機能構成は図2のようになる。操作部11・管理制御部12・電子通信部13・記憶部14・表現部15からなる。この構成により各種の機能が実践されるが、その中で特に表示識別機構について説明する。表示識別機構は初期設定機能と試験確認機能の2つの動作上の構成パターンと、それぞれにサーチ動作と表現動作の2つの工程からなります。
【0056】
初期設定機能を図2・図3・図4を交えて説明する。ステップS1は操作部メインスイッチ11cにより実行されてステップS2・S3・S4で無線環境を整えた後、ステップS5で動作管理CPU12cの管理下により特定小電力無線部13aが近隣へ向けて特定小電力無線によるサーチ指示信号を送信する。ステップS6で特定小電力無線13aの受信機能により取得した周りからの接続状況信号を受け取り、ステップS7で管理部12により受信信号の管理処理を行う。この返信された情報には、装置ごとの機構IDと固有IDと氏名と緯経度高さの位置情報と試験信号の取得強度等と行動宣言レベルが1パケットとして存在する。
【0057】
その管理処理では演算処理12aと順列構成12bが主体となりステップS9の処理を行う。S9では事前設定のあった条件を基に、ステップS9aで取得電波強度の順位を強いものから順列さる。
【0058】
ステップS9bでは受信信号に添付された緯度・経度・階層の3次元距離情報を演算処理して絶対移動距離の順位を近い順に順列させる。一般的な知識として情報の緯経度取り扱い上数値1につき6mの精度まで追いかけることが可能である。この際の階層は各階ごとに一定として取り決めた地面からの数値を緯度・経度と同じレンジに変換処理した数値による直線距離では無い歩行を主体とした実動数値を使用する。従って緯度経度による平面上の2点間の直線距離+階層としての高さ数値で実動距離を表す。この数値の低いものから順番を構成する。
【0059】
ステップS9cではこれまでの履歴記憶媒体14aにおける受信履歴と今回の応答履歴とが評価され、これまでの履歴の多い順に受信情報を順列させる。
【0060】
ステップS9dでは受信信号に添付された返信家庭の敷設時の行動宣言のレベル分けされたランクを順位構成に反映させます。仲間の救急要請に対して、複数名の仲間を募って対象者を注視する。この基本行動から必ず駆けつけて必要な対応を行うまでの対応者の可能な行動と意思による宣言レベルを数値化して高い順に順列します。
【0061】
このS9a・S9b・S9c・S9dの順列作成条件のパラメータとしての各比率ウエイトは使用環境に合わせて設定されており、それにより数値化された総合的なID順列がステップS10において一時保存メモリー14bに一時保存される。
【0062】
ここでこのパラメータの有効性について0026節に続き再度説明する。この生活地域防犯を実行するにあたり、各家庭に設置されるセキュリティー装置の連携媒体を特定小電力無線とした場合、電波の特性としてビル壁やシャッターなどの建築物により反射が行われて直接的な伝送が難しくなる。ただ伝達の有効必要距離としては最低100〜150m位をシステム上想定しておりこの距離は一般的には問題無く接続される。しかし電波環境は時間により大きく変化するため、常に繋がれる環境を求めるには、電波接続上良好な相手として、接続上の電波強度をより強く維持できる相手か接続頻度の高い相手が理想の相手となる。従ってS9aやS9cにおける情報処理のパラメータが有効となる。しかしこの2つにおける電波強度と接続履歴は同一なものではない。仮に遠くであっても電波環境が良く、接続頻度の高い相手の場合は、仮に着信電波強度は低くても、確実に繋がれる相手としてより高い順位で表現される必要がある。また、接続履歴は相手側が機械を止めているなどの運用上の要素も絡むため異なるパラメータとなる。実際の運用においては、戸建の多い住宅地は着信電波強度を利用した方が良く、宅地がまばらな地域や鉄塔や高速道路や山や鉄筋壁などの障害物が予想される地域では着信履歴を用いる必要がある。また、都心部のビルを含む住宅密集地域では電波環境は悪いが移動環境が良いということを考え合わせるとS9bで利用される緯経度と階層の位置情報と、人を繋ぐ上での確実性の高い対応が示されるS9dによる行動宣言が友好的なパラメータであると判断する。
【0063】
ステップS11において戸別識別ランプ15aを1フロー毎に若い順に点滅させて、0060節にて一時保存された順列の一番若い番号をその戸別識別ランプ15aと対応させて設定し、ステップS12・S13・S14でカスタマによる指定設定を確認の後、ステップS15でディスプレ15bに表示させて、ステップS16で戸別識別ランプ15aの点滅を点灯に切り換える。この点灯の意味はIDを取得設定された戸別識別ランプであることを示すためです。
【0064】
以降ステップS17・S18・S19・S20で全体条件の確認を繰返し、上記のステップサイクルを複数回繰返して、情報の取りこぼしを補う。この初期設定機能により、その時点での自分を中心とした防犯接続環境が決定され表現される。また同時に新しく近くに存在した仲間を認知確認することとなる。随時定期的にこの設定動作は繰り返し実行されて是正されて行きます。
【0065】
次に表示識別機構の試験確認機能について図2・図5・図6により説明する。この機能は日々の生活上生じる不安衝動(0032節表1参照)や計画的運用に伴い、任意のタイミングで何度でも自分を中心とする防犯仲間との接続関係を簡便に確認するための機能です。一動作中の要求信号の発信回数は1回か2回の単数回しか行わず回数を減らして情報量を抑え、初期設定にて取得ずみの戸別識別ランプと対応するIDを主にサーチして、比較的短時間で表現することを目的としています。無線を使うシステムの場合、時間により電波環境が変化するため、時間毎のサーチを行って、常に接続可能な仲間を知っておくことも環境熟知の大事な行為と成ります。またこれらの行為は応答対象者に知られることなく機械的に処理されます。
【0066】
この試験機能はステップS21において試験ボタン11bを押すことにより始まり、ステップS22・S23・S24の無線発信準備を行い、ステップS25において動作管理CPU12cの管理下に特定小電力無線機能13aよりサーチ信号を送信する。
【0067】
前節0065節の試験送信を受けた環境内のセキュリティー装置は個々の持つ固有情報を返信する。その固有情報とは、固有IDと氏名と緯経度高さの位置情報と受信電波強度と行動宣言ランク情報である。返信機側におけるこの動作は、表現されることなく機械的に自動で処理される。ステップS26において、この返信された周辺情報を無線機能13aにより受信する。
【0068】
この受信情報はステップS27において処理される。この手順はステップS28において、初期設定時に戸別識別ランプ1eと関係づけられた取得済みIDを優先的に選別して一時保存14bにおいて保存する。残った信号は初期設定時の処理動作0057・0058・0059・0060・0061節の9a・9b・9c・9dと同じように29a・29b・29c・29dの順列構成を行い14bに一時保存する。
【0069】
ステップS31により一時保存データを選別し、ステップS32により初期設定時に15aにより関連づけられたID取得済みの戸別識別ランプ1eと今回の取得IDとを相関させる。
【0070】
ステップS33では、前節0068において順列構成されて残ったIDの若い順に、未だID取得がされていない戸別識別ランプ1eとを相関させる。
【0071】
ステップS34・S35・S36において戸別識別ランプ表示15aとディスプレ表示15bを使い一定時間、戸別識別ランプ1eを順次点滅させながら、それに相当するIDによる氏名をディスプレ1dに表示してゆく。氏名を表示された戸別識別ランプ1eは点滅から点灯へ切り替わる。
【0072】
ステップS37において、取得情報が予定より少ない場合には再度同じ工程を繰り返す。。
【0073】
戸別識別機構に関わる重要機能として、日々の簡易的利用機能である試験確認機能について、この機械的な動作部分を0065節から0072節を利用して説明したが、冒頭0020節で紹介のごとくこの機能はサーチ動作と表現動作に分けられている。この戸別識別機構は実際の使用者に地域の協働防犯環境に対しての自主判断を促すことを目的としていることからも、周りとの協働防犯環境を意識して認知することは大事な要件となる。これをより具体的に実行するため、表現動作の最後として実際の機械には各戸別識別ランプの下にそのランプに対応する氏名を変更書き込みができる余白が設けられて、認知行動を促す事となる。
【0074】
実際にトラブルが生じた場合、この緊急通報は救急操作ボタン11a(図1では1b)を押すことにより、周りの仲間に送信される。これを受けた近隣の仲間は、ここまでの戸別識別機構よる説明のように、日々、この装置と連携づけられた複数名の仲間との認知確認行為を繰り返しており、容易に同行の複数名の仲間を構成し対応できる。これらの仲間は防犯活動に関する一定以上の意思“緊急の際は複数名の仲間を募って最低でも対象を注視する。”を装置取得時に宣言した仲間であるため、知っている人・知らない人などの相互間の人間関係を問わず協働を行う対象者となる。これを言い換えると、“緊急対応時のみ関係の全ての仲間に協働対応を促す声を掛けても構わない!”と云うことです。この行為は約束だけで構成される地域の自主防犯では実行できません。日々相互間で機械的に認知行為を繰返しながら家族の安心を担保し、地域防犯における相互依存の関係を感じている仲間だからこそ可能な行為となります。
【産業上の利用可能性】
【0075】
住民同士の繋がりの再構築を目指して全国的に広がりをみせた自主防犯活動は経年的な継続において一部の固定化された有志のみに支えられている週1回とか月1回の定期活動となり、形骸化してしまった感がある。住民間で行う協働活動の典型的な難しさがここにあるが、しかしながら地域の防犯は毎日のことであり、それによる安心は住民共通の願いである。町づくりという地域コミュニティの月日を超えて重ねられなければならない基盤活動である。
【0076】
本発明は一時的な組織の構築や一過性の活動に頼るものではない。日々の生活において利用者が家族の安心という共通利益をその生活域において感じることができるように設計されており、その決定や実行において協働防犯でありながらも、個人判断で運用が行えるように構成されている。その上、月日を重ねて参加者をその都度自動で組込みながらその影響域を広げられるように設計されており、地域の防犯活動参加者の思いを一つ一つ形に換えて、その地域に根付かせることが可能となる。つまり特別な活動を必要とせずに、日々の安心を確かめ合いながら、日を重ねるごとにその防犯力を自然と増す。当然これを計画的に地域内で計画配置し運用することも可能である。
【0077】
なによりこの装置は家庭用100V電源コンセントを差し込むだけの単体装置であり単純用法であり安価です。差し込んだ瞬間からその効力が発揮されるため、防犯に興味はあるがどう取り組んだら良いか分からない家庭や機械の扱いが苦手な家庭や費用の掛けられない家庭で容易に利用可能です。これを設置した瞬間からそれを取り巻く一定以上の防犯意識をもつ家庭間同士の相互防犯が行われます。
【0078】
この様に生活地域の一角に、防犯に対してある一定以上の意識を備えたグループエリアが存在すると、その効果は個人の建物内に留まらず、そのグループが存在するエリア空間へと広がります。そこで生活するこどもや老人等の活動上の弱者にこの世帯装置と同様の電子接続用端子を装備することにより、常に複数の連携可能な監視の目がこの生活地域に敷設されることとなります。
【符号の説明】
【0079】
1 戸別識別機構を有するセキュリティー装置本体
1a メインスイッチ
1b 救急通報赤ボタン
1c 試験機能実施白ボタン
1d 表示ディスプレ
1e 戸別識別ランプ
1f 記名用名盤
Aa Aグループ内参加家庭
Ab Aグループ内参加家庭
Ac Aグループ内参加家庭
Ad Aグループ内参加家庭
An Aグループ内参加家庭
Ba Bグループ内参加家庭
Bb Bグループ内参加家庭
Bc Bグループ内参加家庭
Bd Bグループ内参加家庭
Ca Cグループ内参加家庭
Cb Cグループ内参加家庭
Cc Cグループ内参加家庭
11 本体操作部
11a 救急要請機能
11b 試験・サーチ機能
11c リセット・切り替え機能
12 本体管理制御部
12a 演算処理機能
12b 順列構成機能
12c 動作管理機能
12d タイマー処理
13 電子通信部
13a 特定小電力無線送受信機能
13b 他の通信手段
14 記憶部
14a 履歴記憶
14b データ一時保存
15 表現部
15a 戸別識別ランプ表示機能
15b ディスプレ表示機能
15c 音声表現機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接した生活地域に住み、地域防犯を目的とする複数戸からなる生活グループにおいて、この関係全戸敷設のセキュリティー装置を使い電子通信手段を介して、それぞれの救急情報を関係者間でリアルタイムに認知される様に構成された地域防犯システムに関して、救急時点だけでは無く、当事者の生活上において生じる恐れや不安や安心を保全する必要が生じた場合の任意の意思とタイミングにより、その都度当事者を中心とする相対的に最も近隣の仲間との具体的な接続状況を探し出して、その環境上に適した条件を用いて協働防犯上において有効な順に順列構成を行うサーチ動作と、その結果と氏名を複数の手段を用いて強調表現し、利用者に既存の仲間との接続環境を反復認知させることを目的とする表現動作とを機能上有する戸別識別機構を備えることを特長とする戸々敷設のセキュリティー装置間において電子通信手段を介して繋がれる生活地域防犯システム。これにより本来地域世帯間の協調を目的とする活動において必要となる話し合いや約束や協働作業などを全く必要とせずに、その責任の所在を含めた運用方法や意思決定がこの利用者の一個人に委ねられることとなり、常時自分と仲間との協調関係や位置関係を単独で確認でき、享受される利益と義務を自己判断できるような自己自立型でありながら世帯間の協働防犯を可能とする生活地域防犯システムを実現する。
【請求項2】
請求項1に記載の生活地域防犯システムにおいて、事前に或いはその都度その構成する仲間同士による意思表示や話し合いや連携機能上の機械的な接続設定を行わなくても、関係全戸に敷設されるセキュリティー装置内の戸別識別機構を利用して、個人の任意のタイミングでサーチ動作を行い次々とより条件にあった近隣の仲間を取込みながら、強調表現及び反復表現動作により新しい仲間を自動的に紹介せしめることにより、その協調可能なエリアを利用者の任意のタイミングで敷設でき、そして経年的な仲間の増加に対しても自然増殖可能となるように、或いはこの機能を計画的に用いて地域内の防犯環境を他と差別化された強化区域に仕向けることが可能となるように自動で組織構成が行えるように設計された戸別識別機構を有することを特徴とするセキュリティー装置による電子通信手段を介して繋がれる生活地域防犯システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−38061(P2012−38061A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177189(P2010−177189)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(304014291)
【Fターム(参考)】