説明

生活廃水処理システム

【課題】 省資源および二酸化炭素排出量の抑制に寄与する生活廃水処理システムを利用者が使いやすい形で実現する。
【解決手段】 生活廃水処理システムにおいて、残飯を破砕して廃水経路に流すディスポーザ15、廃水経路からの廃水を一旦貯水する廃水ストックヤード1、廃水ストックヤードから廃水を取り出して減圧環境下で水蒸気と固体物に分離する蒸発槽2、蒸発槽からの水蒸気を液化して貯水する復水貯水槽4A、4B、復水貯水槽から水を取り出して上水として供給する上水経路を設け、廃水ストックヤードの廃水が所定量に達するか、または予め設定した時間帯になると廃水を蒸発槽に移動し、蒸発槽では減圧による自然蒸発に加えて予め設定した時間帯に加熱装置による強制蒸発を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、住宅において台所、風呂、洗面から生じる雑廃水やトイレから生じる汚水を浄化して、再利用するための生活廃水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅から出る生活廃水の発生量は、1人1日当たり約200リットルといわれており、世帯別にすると大量の生活廃水が発生することになる。
【0003】
これらの生活廃水は都市部ではそのまま下水道に流し、下水処理施設ではそれを浄化して河川、湖沼または海へ放流していた。また、下水道が完備していない地域では浄化槽で処理した後、河川などに放流したり、地中に浸透させていた。
【0004】
一方、台所で生じる残飯は通常は生ゴミとして収集場所に廃棄し、それを公的な回収事業者が回収し焼却場で焼却するか、流し台に設けたディスポーザで破砕して雑廃水と共に下水道に流していた。
【0005】
また、エコロジーの観点から生ゴミをコンポスト化する試みもなされている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−104785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の通り、住宅から出る生活廃水の発生量は、1人1日当たり約200リットルといわれているが、これを言い換えれば1人1日当たり200リットルの上水を消費しているということであり、これは限りある水資源の保護の観点から考慮しなければならない問題であった。
【0008】
一方、収集場所に廃棄された生ゴミは焼却場まで搬送されなればならず、そのための車両の走行により化石燃料が消費され、また、焼却処理するに際しても化石燃料が消費され、省資源および二酸化炭素排出による地球温暖化防止の観点から解決が望まれた。
【0009】
この場合、生ゴミを廃棄しないでディスポーザで破砕して雑廃水と共に下水道に流す場合は、結局、下水処理施設で処理をしなくてはならない問題を生じた。
【0010】
一方、生ゴミをコンポスト化することはエコロジーの観点から好ましく、地球環境にも優しいが一般家庭で日常的に実践するには手間などの負担が増大し、実施が敬遠されやすい問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は以上の従来技術の問題点を解消した生活廃水処理システムを提供することを目的として創作されたものであり、住宅より生じる生活廃水を浄化、再処理するシステムにおいて、残飯を破砕して廃水経路に流すディスポーザ、廃水経路からの廃水を一旦貯水する廃水ストックヤード、廃水ストックヤードから廃水を取り出して減圧環境下で水蒸気と固体物に分離する蒸発槽、蒸発槽からの水蒸気を液化して貯水する復水貯水槽、復水貯水槽から水を取り出して上水として供給する上水経路を設け、廃水ストックヤードの廃水が所定量に達するか、または予め設定した時間帯になると廃水を蒸発槽に移動し、蒸発槽では減圧による自然蒸発に加えて予め設定した時間帯に加熱装置による強制蒸発を行うことを特徴とする。
【0012】
また、ここでは第2発明として前記の生活廃水処理システムにおいて、夜間の就寝時間帯に廃水の蒸発槽への移動を開始し、さらに予め電力契約で決定された深夜の低額時間帯に加熱装置による強制蒸発を行う生活廃水処理システムも開示する。
【0013】
また、ここでは第3発明として前記の生活廃水処理システムにおいて、トイレからの汚水を廃水ストックヤードとは別系統の蒸発焼却槽に貯留し、上記の蒸発焼却槽で減圧環境下で水蒸気と固体分に分離し、蒸気は液化して廃貯水槽に貯留した後に廃水するとともに、固形分は蒸発焼却槽で焼却する生活廃水処理システムも開示する。
【0014】
また、ここでは第4発明として前記の第3発明の生活廃水処理システムにおいて、蒸発焼却槽を並列に2つ設け、水蒸気と固体分への分離および固形分の焼却作業と汚水の貯留作業を時間ごとに交代に振り分けて行う生活廃水処理システムも開示する。
【発明の効果】
【0015】
この発明の生活廃水処理システムの第1発明および第2発明は次の作用・効果を生じる。
(1) 生活廃水は水分の沸点が降下する減圧環境下での自然蒸発および加熱装置による強制蒸発により水蒸気と固体物に分離され、水蒸気は液化して上水として再使用されるので、新たに補給する上水は最小限で済み、省資源に寄与する。
(2) 残飯はディスポーザにより破砕され生活廃水とともに廃水経路に流されるが、減圧環境下での自然蒸発および加熱装置による強制蒸発により水分が抜かれて最小限の容積の残渣となるので、生ゴミに比べて焼却場までの搬送エネルギーや焼却場での焼却エネルギーが小さく済み、化石燃料の消費量が軽減され、省資源および二酸化炭素排出量の抑制に寄与する。
(3) 生活廃水は廃水されて直ちに蒸発槽で水蒸気と固体物に分離されるのでなく、廃水ストックヤードに一旦貯水された後に、廃水が所定量に達するか、または予め設定した時間帯になってから蒸発槽に移動されるので、水蒸気と固体物の分離作業を予め設定したスケジュールで行うことが可能となる。よって、回収すべき残渣が生じる時間を毎日一定時刻に設定したり、第2発明のように電力を要する加熱装置による強制蒸発を予め電力契約で決定された深夜の低額時間帯に設定することにより、この生活廃水処理システムの稼働のために居住者が行うべき作業をルーチン化したり、負担すべき電力コストを最小限に押さえることが可能となり、無理なくこのシステムを導入することができる。
(4) 前記の場合、加熱装置による強制蒸発に電力を使用しても、それまでの時間は水分の沸点が降下する減圧環境下での自然蒸発が行われるシステムとしているので、加熱装置の稼働時間を短縮でき電力コストを軽減できる。
【0016】
次に、この発明の生活廃水処理システムの第3発明および第4発明は次の作用・効果を生じる。
(1) 汚水は水分の沸点が降下する減圧環境下での自然蒸発および加熱装置による強制蒸発により水蒸気と固体物に分離され、水蒸気は液化して浄化した水として排出されるので河川などに放流しても環境を損なうことがなく、また、下水道に放流しても処理施設に負担を与えることがない。
(2) 第4発明によれば、蒸発焼却槽を並列に2つ設け、水蒸気と固体分への分離および固形分の焼却作業と汚水の貯留作業を時間ごとに交代に振り分けて行うので、水蒸気と固体物の分離作業を予め設定したスケジュールで行うことが可能となる。よって、回収すべき残渣が生じる時間を毎日一定時刻に設定したり、電力を要する加熱装置による強制蒸発を予め電力契約で決定された深夜の低額時間帯に設定することにより、この生活廃水処理システムの稼働のために居住者が行うべき作業をルーチン化したり、負担すべき電力コストを最小限に押さえることが可能となり、無理なくこのシステムを導入することができる。(3) 前記の場合、加熱装置による強制蒸発に電力を使用しても、水分の沸点が降下する減圧環境下での自然蒸発が行われるシステムを併用しているので、加熱装置の稼働時間を短縮でき電力コストを軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の生活廃水処理システムの第1発明のブロック図。
【図2】同上、第4発明のブロック図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1はこの発明の生活廃水処理システムの第1発明の構成を示すブロック図である。この発明においては住宅内の風呂11、洗面12、洗濯13、シンク(台所)14から生じる生活廃水は廃水経路を介して先ず廃水ストックヤード1に貯水される。この場合、台所から出る残飯はシンク14の排水口に設けられたディスポーザ15により破砕され、廃水とともに廃水ストックヤード1に貯水される。すなわち、廃水経路には固形分を含んだ水が廃水される。
【0019】
図中符号2は前記の廃水ストックヤード1から廃水を取り出して減圧環境下で水蒸気と固体物に分離する蒸発槽である。この蒸発槽2では固形分を含んだ廃水は、水分の沸点が降下する減圧環境下での自然蒸発および加熱装置2Cによる強制蒸発により水蒸気と固体物に分離される。加熱装置2Cとしては電熱ヒータが想定される。前記の固形分は、残渣は残渣取り出し口2Aより、油脂は油脂取り出し口2Bよりそれぞれ取り出されて廃棄される。蒸発槽2において図中符号S4は蒸発槽負圧保護センサ、S5は蒸発槽内圧センサ、S6は蒸発槽内廃水温度センサ、S7は蒸発槽内水位センサである。蒸発条件は蒸発槽2内に取り込まれる廃水の温度により異なってくるので、それにより負圧の度合いを制御するためにこれらのセンサが必要となる。
【0020】
水蒸気は復水器3により液化され、復水経路を介してA復水貯水槽4A、B復水貯水槽4Bに貯水される。貯水された水は復水経路から上水経路に流されて風呂11、洗面12、洗濯13、シンク(台所)14の他、トイレ16で上水として利用される。なお、A復水貯水槽4A、B復水貯水槽4Bに貯水された復水は塩素滅菌装置7により消毒が行われるとともに、臭気抜き装置5により臭気が抜かれる。上記の滅菌は予め設定した時間に水位センサS9、S10により検出した貯水槽内の水位により濃度を調整して行われる。
【0021】
以上のシステムは漫然と稼働されるのでなく、下記の24時間サイクルのタイムスケジュールに沿って稼働される。
−昼間モード−
(1) A復水貯水槽4A、B復水貯水槽4Bのいずれにも貯水されていない場合は、それを水位センサS9、S10で検出して、バルブV2、V3を閉じ、水源側のバルブV1を開くことにより上水経路は復水経路から遮断され、水道などの外部の水源から水が供給される。一方、A復水貯水槽4A、B復水貯水槽4Bのいずれかに貯水されている場合は、水源側のバルブV1を閉じ、バルブV2、V3を開くことにより上水経路は水源側から遮断され、吸水ポンプ9により貯水槽から水が供給される。この状態で風呂11、洗面12、洗濯13、シンク(台所)14などで水が使用され、廃水は廃水ストックヤード1に貯水されていく。
【0022】
(2) 廃水ストックヤード1の廃水が所定量に達すると、ストックカウンターセンサS1によりそれを検出し、真空ポンプ6からの吸引により蒸発槽2の負圧が上昇され、これに合わせて廃水ストックヤードと蒸発槽間の連動バルブV4が開放され廃水ストックヤードの廃水は蒸発槽に取り込まれ、取り込みが終了すると吸引終了センサS2によりそれを検出して連動バルブV4は閉じられる。
【0023】
(3) 蒸発槽2では水分の沸点が降下する減圧環境下での廃水の自然蒸発が開始され、水蒸気は復水器3により液化され、復水経路を介してA復水貯水槽4A、B復水貯水槽4Bのいずれかに貯水される。
【0024】
(4) この発明においては廃水ストックヤード1の貯水可能容量(この実施例では200リットルを想定)に対し蒸発槽2の容量(この実施例では1756リットルを想定)を大きく設定しており、前記の廃水ストックヤードから蒸発槽への移動作業は1日のうちに何回か繰り返されることになる。
【0025】
−夜間モード−
(5) 夜間の予め設定した時間(この実施例では午後10時を設定)になると、廃水ストックヤード1の状態とかかわりなく、強制的に内部の廃水は蒸発槽2に移動して廃水ストックヤードは一旦空になる。この場合、廃水経路から廃水が廃水ストックヤードに貯留され満杯になった場合にはストックカウンターセンサS1によりそれを検出し、上水経路中の復水経路側のバルブV3と水源側のバルブV1を閉じ、風呂11、洗面12、洗濯13、シンク(台所)14の上水の供給を遮断する。つまり、夜間モードにおいてこれらで使用できる水の量は廃水ストックヤードの貯水可能容量分(この実施例では200リットル)ということになる。なお、この場合トイレ16に関してはバルブV3をそれより水源側に配することにより復水経路からの上水を使えるようにしている。
【0026】
(6) 蒸発槽2では予め電力契約で決定された深夜の低額時間帯(この実施例では午後11時を設定)になると加熱装置2Cによる強制蒸発を行って蒸発を促進させ、これを設定した時間(この実施例では午前5時を設定)まで行う。
【0027】
−早朝モード−
(7) 早朝の予め設定した時間(この実施例では午前5時〜6時を設定)に蒸発槽2の残渣取り出し口2Aより残渣を、油脂取り出し口2Bより油脂をそれぞれ取り出して回収のために所定の容器にストックする。この実施例においては利用者が上記作業を懈怠することのないために、残渣取り出し口2Aおよび油脂取り出し口2Bを開くことにより生活廃水処理システムの稼働が停止し、取り出し口を閉じてリセットボタンを押すことにより稼働が開始されるようにしている。
【0028】
この発明の生活廃水処理システムにおいては、廃水は経路内を循環して外部に排出することはない。一方、廃水ストックヤード1が満杯になった場合は、新たな廃水によりオーバーフローしないように上水経路を一旦遮断して、廃水ストックヤードの廃水を蒸発槽2に移動する。従って、前記したように24時間のサイクルで稼働されるこの発明のシステムでは、1日で使用できる水は「(廃水ストックヤードの貯水可能容量)×(廃水ストックヤードから蒸発槽への24時間あたりの水の最大移動回数)+(廃水ストックヤードの貯水可能容量)」となる。この実施例では上記移動回数を6回と想定し、廃水ストックヤードの貯水可能容量は200リットルと想定しているので、1日で使用できる水は1200リットル+200リットルとなる。この発明においてはこのように規制することにより利用者に水資源の節約を促すことになる。
【0029】
図2はこの発明の生活廃水処理システムの第4発明の構成を示すブロック図である。この発明においてはトイレからの汚水はトイレ導入管20を経て廃水ストックヤードとは別系統の蒸発焼却槽であるA蒸発焼却便槽21A、B蒸発焼却便槽21Bに貯留され、これらの蒸発焼却槽において減圧環境下で水蒸気と固体分に分離され、水蒸気は復水器24により液化して廃貯水槽25に貯留した後に排水ポンプ31により廃水経路30に放流されるとともに、固形分は蒸発焼却槽で焼却される。
【0030】
A蒸発焼却便槽21A、B蒸発焼却便槽21Bにおいて図中符号G、G1は負圧の制御のための蒸発槽内圧センサ、H、H1は蒸発槽内水位センサである。また、図中符号22A、22Bは残渣を焼却する残渣焼却パンである。この実施例では焼却手段としてマイクロ波による加熱を採用している。
【0031】
前記の蒸発焼却便槽において焼却された残渣の灰は残り灰エアーチューブ22から高圧空気を残渣焼却パンに吹きつけることにより攪拌され、ドラフトチューブ29を介して残り灰集塵機26により集塵される。また、残り灰が酸素不足で炭化して紛状化しないことを防止するために残渣焼却時炭化防止用エアー供給機F、F1により残渣焼却パンに空気が導入される。
【0032】
前記A蒸発焼却便槽21A、B蒸発焼却便槽21Bは並列に設けられ、水蒸気と固体分への分離および固形分の焼却作業と汚水の貯留作業を下記の24時間サイクルのタイムスケジュールに沿って交互に振り分けて行う。
【0033】
(1) 夜間の予め設定した時間(この実施例では午後10時を設定)から汚水をトイレ導入管20を介してA蒸発焼却便槽21Aにストックし始め24時間後に終了する。この場合の各バルブの状態は次の通りである。以下、バルブの開放状態を○で、閉止状態を×で示すこととする。
(トイレ導入管20からの) バルブA−○ バルブA1−×
(復水器24への) バルブB−× バルブB1−○
(残り灰エアーチューブ22の) バルブC−× バルブC1−×
(ドラフトチューブ29の) バルブD−× バルブD1−×
(排煙、排気処理パイプ23の) バルブE−○ バルブE1−×
【0034】
(2) 24時間後、A蒸発焼却便槽21Aは汚水の貯留モードから処理モードに切り替わる。一方、B蒸発焼却便槽21Bは汚水の処理モードから貯留モードに切り替わる。この場合の各バルブの状態は次の通りである。
(トイレ導入管20からの) バルブA−× バルブA1−○
(復水器24への) バルブB−○ バルブB1−×
(残り灰エアーチューブ22の) バルブC−× バルブC1−×
(ドラフトチューブ29の) バルブD−× バルブD1−×
(排煙、排気処理パイプ23の) バルブE−× バルブE1−○
【0035】
(3) 汚水の処理モードに入ったA蒸発焼却便槽21Aにおいては、負圧を上昇させるために真空ポンプ28が始動し、水分の沸点が降下する減圧環境下での汚水の自然蒸発が開始され、水蒸気は復水器24により液化され廃貯水槽25に貯留される。一方、残渣焼却パン22Aの電源も投入される。
【0036】
(4) 前記の蒸発工程は18時間で完了するように、負圧を調整するとともに、残渣焼却パン22Aの加熱による槽内の温度管理も行われる。
【0037】
(5) 18時間経過後は、残渣中の水分と残渣焼却排気(熱)を大気中に放出する排煙、排気工程に入り、これは2時間続く。この間に残渣焼却時炭化防止用エアー供給機Fにより残渣焼却パンに空気が15分間導入される。この場合の各バルブの状態は次の通りである。
(トイレ導入管20からの) バルブA−× バルブA1−○
(復水器24への) バルブB−× バルブB1−×
(残り灰エアーチューブ22の) バルブC−× バルブC1−×
(ドラフトチューブ29の) バルブD−× バルブD1−×
(排煙、排気処理パイプ23の) バルブE−○ バルブE1−○
【0038】
(6) 2時間経過後は、残渣焼却パン22Aの電源が切断され。残り灰の攪拌と集塵工程に入り、これは30分間続く。一方、A槽、B槽コントロールバルブLが開放されるとともに、排水ポンプ31が作動して廃貯水槽25に貯留した水を放流して空にする。この場合の各バルブの状態は次の通りである。
(トイレ導入管20からの) バルブA−× バルブA1−○
(復水器24への) バルブB−× バルブB1−×
(残り灰エアーチューブ22の) バルブC−○ バルブC1−×
(ドラフトチューブ29の) バルブD−○ バルブD1−×
(排煙、排気処理パイプ23の) バルブE−× バルブE1−○
【0039】
(7) 30分経過後は、受け入れ準備工程に入り、これは3時間30分間続く。この場合の各バルブの状態は次の通りである。
(トイレ導入管20からの) バルブA−× バルブA1−○
(復水器24への) バルブB−× バルブB1−×
(残り灰エアーチューブ22の) バルブC−× バルブC1−×
(ドラフトチューブ29の) バルブD−× バルブD1−×
(排煙、排気処理パイプ23の) バルブE−○ バルブE1−○
(8) 3時間30分後、B蒸発焼却便槽21Bは汚水の貯留モードから処理モードに切り替わり、前記(2) 〜(7) のA蒸発焼却便槽21と同じ作用を果たす。A蒸発焼却便槽21は汚水の貯留モードに切り替わり、前記(1) の作用を果たす。
【符号の説明】
【0040】
1 廃水ストックヤード
2 蒸発槽
4A、4B 復水貯水槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅より生じる生活廃水を浄化、再処理するシステムにおいて、残飯を破砕して廃水経路に流すディスポーザ、廃水経路からの廃水を一旦貯水する廃水ストックヤード、廃水ストックヤードから廃水を取り出して減圧環境下で水蒸気と固体物に分離する蒸発槽、蒸発槽からの水蒸気を液化して貯水する復水貯水槽、復水貯水槽から水を取り出して上水として供給する上水経路を設け、廃水ストックヤードの廃水が所定量に達するか、または予め設定した時間帯になると廃水を蒸発槽に移動し、蒸発槽では減圧による自然蒸発に加えて予め設定した時間帯に加熱装置による強制蒸発を行うことを特徴とする生活廃水処理システム。
【請求項2】
夜間の就寝時間帯に廃水の蒸発槽への移動を開始し、さらに予め電力契約で決定された深夜の低額時間帯に加熱装置による強制蒸発を行う請求項1記載の生活廃水処理システム。
【請求項3】
トイレからの汚水は廃水ストックヤードとは別系統の蒸発焼却槽に貯留し、上記の蒸発焼却槽で減圧環境下で水蒸気と固体分に分離し、蒸気は液化して廃貯水槽に貯留した後に廃水するとともに、固形分は蒸発焼却槽で焼却する請求項1または2記載の生活廃水処理システム。
【請求項4】
蒸発焼却槽を並列に2つ設け、水蒸気と固体分への分離および固形分の焼却作業と汚水の貯留作業を時間ごとに交代に振り分けて行う請求項1から3のいずれかに記載の生活廃水処理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−83691(P2011−83691A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237954(P2009−237954)
【出願日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(506113288)
【Fターム(参考)】