説明

生活支援報知システム

【課題】住居人の、行動忘れを住居人に報知することができる生活支援報知システムを提供する。
【解決手段】制御装置1とセンサ端末2とにより、住宅の玄関における玄関ドアの開閉を検知する検知手段と、映像表示装置の稼動を検出する稼動検出手段と、前記検知手段を用いてドアの開閉を検知した後、最初に前記稼動検出手段により前記映像表示装置の稼動を検出した場合に、前記映像表示装置によって鍵の閉め忘れを確認する情報を報知する報知手段と、を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、生活支援報知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の人口増加に伴い、高齢者の独居世帯が増加する傾向にある。高齢者が一人暮らしをしていると、いわゆる認知症が進みやすく、認知症の初期状態として物忘れが多くなる場合がある。物忘れが多くなると、生活する上で欠かせない基本的な生活行動さえ忘れてしまうようになり、例えば扉の施錠を忘れてしまう可能性がある。このような状況を放置しておくと物忘れがひどくなって、認知症が進行する可能性があるばかりでなく、セキュリティ上の問題も存在する。
同居人がいれば同居人の声かけによって、高齢者自身が気付いていない生活行動を認識させ、問題点を改善することができるが、高齢者の独居世帯では高齢者の日常生活を見てくれる同居人がいないため、高齢者に対して、生活行動忘れを気付かせることができないという問題があり、問題点を高齢者に指摘して、行動忘れを防ぎたいという要望があった。
ところで、住居人の生活を支援するシステムとして、例えば特許文献1に示されるような支援システムが従来提案されている。この支援システムは、リモートコントロール操作が可能な各種生活設備機器の動作状況を収集するとともに、収集データから時系列に沿った一連の動作パターンを抽出し、抽出した動作パターンを予め登録された動作パターンとマッチングすることで、次の動作を予測して、生活設備機器の操作を提案したり、代行するシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−191109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の支援システムは、住居人が生活設備機器を操作した動作パターンをもとに次の動作を予測して、生活設備機器の操作を提案したり、代行することで、住居人による生活設備機器の操作を支援するものであるが、住居人が日常的に行う生活行動をし忘れていることを検知して、行動忘れを報知する機能は備えておらず、このような生活行動のし忘れを報知するシステムが要望されていた。
本願発明は、上記背景技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、住居人の、行動忘れを住居人に報知することができる生活支援報知システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明では、住宅の玄関における玄関ドアの開閉を検知する検知手段と、映像表示装置の稼動を検出する稼動検出手段と、検知手段を用いてドアの開閉を検知した後、最初に稼動検出手段により映像表示装置の稼動を検出した場合に、映像表示装置によって鍵の閉め忘れを確認する情報を報知する報知手段と、を備えることを特徴とした。
【0006】
又、本願請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の生活支援報知システムにおいて、前記報知手段は、予め設定された就寝時刻に、映像表示装置によって鍵の閉め忘れを確認する情報を報知することを特徴とした。
【0007】
又、本願請求項3記載の発明では、上記請求項1または2記載の生活支援報知システムにおいて、住居人が前日以前に外出したと推定される外出推定時刻を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された外出推定時刻を記憶する記憶手段と、を備え、前記報知手段は前記記憶手段に記憶された外出推定時刻前に予め外出時に鍵を閉め忘れずに外出するように促す情報を映像表示装置によって報知することを特徴とした。
【0008】
又、本願請求項4記載の発明では、上記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の生活支援報知システムにおいて、前記住宅の前記玄関ドアに配設された電気錠が施錠されたことを検出する電気錠検出手段と、前記電気錠検出手段を用いて検出した電気錠の検出履歴を記憶する電気錠記憶手段と、電気錠記憶手段に記憶された検出履歴を報知する第2の報知手段と、を備えることを特徴とした。
又、本願請求項5記載の発明では、上記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の生活支援報知システムにおいて、前記住宅の前記玄関ドアに配設された電気錠の施錠状態を検出する第2の電気錠検出手段と報知手段により報知がなされた後、第2の電気錠検出手段により所定時間内に電気錠の施錠状態が検出されなかった場合に、前記電気錠の施錠制御を行う電気錠制御手段と、を備えることを特徴とした。
【発明の効果】
【0009】
本願請求項1記載の発明の生活支援報知システムにおいては、住宅の玄関における玄関ドアの開閉を検知する検知手段と、映像表示装置の稼動を検出する稼動検出手段と、検知手段を用いてドアの開閉を検知した後、最初に稼動検出手段により映像表示装置の稼動を検出した場合に、映像表示装置によって鍵の閉め忘れを確認する情報を報知する報知手段と、を備えるので、住居人が玄関ドアの鍵を閉め忘れていた場合に玄関ドアの鍵を閉めるように促すことができる。
【0010】
又、本願請求項2記載の発明の生活支援報知システムにおいては、特に、前記報知手段は、予め設定された就寝時刻に、映像表示装置によって鍵の閉め忘れを確認する情報を報知するので、住居人が玄関ドアの鍵を閉め忘れていた場合に、所定就寝時刻において玄関ドアの鍵を閉めるように促すことができる。
【0011】
又、本願請求項3記載の発明の生活支援報知システムにおいては、特に、住居人が前日以前に外出したと推定される外出推定時刻を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された外出推定時刻を記憶する記憶手段と、を備え、前記報知手段は前記記憶手段に記憶された外出推定時刻前に予め外出時に鍵を閉め忘れずに外出するように促す情報を映像表示装置によって報知するので、住居人に外出時に鍵を閉め忘れずに外出するように促すことができる。
【0012】
又、本願請求項4記載の発明の生活支援報知システムにおいては、特に、前記住宅の前記玄関ドアに配設された電気錠が施錠されたことを検出する電気錠検出手段と、前記電気錠検出手段を用いて検出した電気錠の検出履歴を記憶する電気錠記憶手段と、電気錠記憶手段に記憶された検出履歴を報知する第2の報知手段と、を備えるので、報知手段に基づく報知後の電気錠の施錠状況を第2の報知手段により取得し、施錠状況の確認を行うことができる。
又、本願請求項5記載の発明の生活支援報知システムにおいては、特に、前記住宅の前記玄関ドアに配設された電気錠の施錠状態を検出する第2の電気錠検出手段と報知手段により報知がなされた後、第2の電気錠検出手段により所定時間内に電気錠の施錠状態が検出されなかった場合に、前記電気錠の施錠制御を行う電気錠制御手段と、を備えるので、報知手段により報知されても電気錠の施錠が行われなかった場合に自動で電気錠の施錠を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願発明の第1の実施形態である生活支援報知システムのシステム構成図である。
【図2】本願発明の第1の実施形態である生活支援報知システムのセンサ状態格納部の内部構成図である。
【図3】本願発明の第1の実施形態である生活支援報知システムのTV通知内容格納部の内部構成図である。
【図4】本願発明の第1の実施形態である生活支援報知システムのフローチャートである。
【図5】本願発明の第2の実施形態である生活支援報知システムのシステム構成図である。
【図6】本願発明の第2の実施形態である生活支援報知システムのセンサ状態格納部の内部構成図である。
【図7】本願発明の第2の実施形態である生活支援報知システムの全体処理を示すフローチャートである。
【図8】本願発明の第2の実施形態である生活支援報知システムの就寝前処理を示すフローチャートである。
【図9】本願発明の第2の実施形態である生活支援報知システムの外出前処理を示すフローチャートである。
【図10】本願発明の第2の実施形態である生活支援報知システムの帰宅後処理を示すフローチャートである。
【図11】本願発明の第2の実施形態である生活支援報知システムの外出推定時刻格納処理を示すフローチャートである。
【図12】本願発明の第2の実施形態である生活支援報知システムのEメール通知内容格納部の内部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本願発明の第1の実施形態の概略的なシステム構成図であり、住居人が多くの時間を過ごす部屋、例えば映像表示装置であるテレビ100が設置された居間に配設された制御装置1と、玄関に設置されたセンサ端末2と、を主要な構成として備えている。センサ端末2は、住宅の玄関に設置され、玄関のドアの開閉を検知して検出結果を制御装置1に出力するものである。このセンサ端末2は全体的な制御を行うCPU30と、玄関のドア開閉を検知する開閉センサ31と、アンテナ32aを介して無線信号(電波信号)を送受信する無線通信部32と、無線通信部32が送信する送信データを格納する送信データ格納部33とを備え、開閉センサ31の検出信号を定期的に制御装置1に無線送信するものである。すなわち開閉センサ31およびCPU30から検知手段が構成されている。
制御装置1は、AC100V用の電源コンセント(図示せず)に接続される一対の栓刃3と、テレビ100の電源プラグ100aが接続されるコンセント口4とを備え、栓刃3が電源コンセントに接続されるとともに、電源プラグ100aがコンセント口4に接続されると、栓刃3を介して入力される交流電源から制御装置1の動作電源を得るとともに制御装置1を介してテレビ100に交流電源が供給される。
また、制御装置1は全体的な制御を行うCPU5と、栓刃3とコンセント口4との間を接続する電路に流れる電流を検出するカレントトランスのような電流センサ6と、電流センサ6のアナログ出力をデジタル信号に変換してCPU5に出力するA/D変換部7と、A/D変換部7によりデジタル信号に変換されたテレビ100の入力電流値を記憶する電流値格納部8と、テレビ100との間でHDMI(High Definition Multimedia Interface)規格の通信を行うHDMI通信部9と、HDMI通信部9からテレビ100へ出力させる制御データを格納するHDMI制御データ格納部10と、HDMI通信部9からテレビ100へ出力させる映像、音声の信号(AVデータ)を格納するHDMIAVデータ格納部11と、アンテナ12aを介して無線信号(電波信号)を送受信する無線通信部12と、無線通信部12が受信した受信データを格納する受信データ格納部13と、前日および当日のそれぞれについてセンサ端末2により検出された玄関のドアの開閉検知データを格納するセンサ状態格納部14と、テレビ100を用いて映像や音声で通知する通知内容を格納するTV通知内容格納部15と、住居人の就寝予定時刻を格納する就寝予定時刻格納部16と、住居人の前日の外出推定時刻を格納する前日外出時刻格納部17と、を備えている。また、CPU5は、動作クロックをカウントすることによって現在の時刻情報を取得するタイマ5aを備えている。
制御装置1では、無線通信部12が居間に配設されたセンサ端末2から送信された無線信号を受信すると、受信データを受信データ格納部13に一旦格納しており、CPU5では受信データ格納部13に格納された受信データを受信時刻と対応付けてセンシング情報としてセンサ状態格納部14に格納している。図2は、玄関のドアのセンシング情報を示しており、センシング情報が所定の時間間隔(本実施形態では4分間隔)で格納されている。CPU5は前記所定の時間間隔において1回でも玄関のドアの開閉が検知された場合を「開」、ドアの開閉が全く検知されたかった場合を「閉」としてセンシング情報を格納している。また、ドアの開閉が検知された場合は、住居人に戸締り確認情報を報知するが、センサ状態格納部14には、戸締り確認情報を報知した報知時刻を書き込む領域が前記所定時間ごとに対応して設けられている。なお、制御装置1は逐次センシング情報を取得しており、センサ状態格納部14には、所定の時間間隔(例えば4分間隔)でセンシング情報が格納される。
そして、制御装置1は、センサ状態格納部14に格納されたセンシング情報をもとに住居人への玄関ドアの「開」を検知した場合に、住居人が帰宅したと推定して住居人に戸締りの確認を報知する戸締り確認処理を実行している。
また、稼動検知手段としてのCPU5は、A/D変換部7によりデジタル信号に変換されたテレビ100の入力電流値を記憶する電流値格納部8を参照することにより、テレビ100の稼動を検出している。また、本システムでは、報知の形態としてテレビ100を用いて映像や音声で住居人に報知しており、CPU5はHDMIAVデータ格納部11に格納された通知内容をHDMI通信部9からテレビ100に出力してテレビ100から映像や音声で戸締り確認情報を報知している。ここにおいて本実施形態では制御装置1のCPU5、HDMI通信部9、テレビ100などから報知手段が構成されている。
前日外出時刻格納部17には、前日の玄関ドアの開閉が検知された時刻が外出推定時刻として格納されている。これはCPU5がセンサ状態格納部14に格納された玄関ドアのセンシング情報に基づいて、外出推定時刻を前日外出格納部17に格納するものであって、CPU5およびセンサ状態格納部14が設定手段を構成し、前日外出時刻格納部17が記憶手段を構成するものである。
また、TV通知内容格納部15には、テレビ100を用いて映像や音声で住居人に通知する通知内容が格納されている。ここで、図3は、TV通知内容格納部15の内部構成を示し、例えば「帰宅時」や「就寝時」といった事象に応じてそれぞれ住居人に通知する通知内容が格納されている。
次に、制御装置1が行う、戸締り確認処理を図4のフローチャートを用いて説明する。CPU5は一定時間毎に(例えば1分毎)判断処理を実行しており、判断処理を開始すると、まずタイマ5aの取得した現在時刻が就寝予定時刻であるか否かを判定し(S1)、就寝予定時刻であれば、TV通知内容格納部15における事象「就寝時」に対応する通知内容を読み出してHDMIAVデータ格納部11に格納し(S2)、S3の処理に移行する。一方、S1において現在時刻が就寝予定時刻でない場合もS3の処理に移行する。
次にCPU5は前日外出時刻格納部17を参照し、外出推定時刻を取得し(S3)、現在時刻が外出推定時刻であるか否か判断する(S4)。現在時刻が外出推定時刻であれば、TV通知内容格納部15における事象「外出時」に対応する通知内容を読み出してHDMIAVデータ格納部11に格納し(S5)、前日外出時刻格納部17に格納された当該外出推定時刻を消去し、S7の処理に移行する。一方、S4において現在時刻が外出推定時刻でない場合もS7の処理に移行する。
S7において、CPU5はセンサ状態格納部14の前日および当日のセンシング情報を参照し、現在時刻の30分前の時刻から現在時刻の間の時間(直近30分)においてドアの開閉が検知されたか否かを判断する(S8)。30分以内にドアの開閉が検知されなければ後述のS12の処理に移行する。一方、30分以内にドアの開閉が検知されれば、ドアの開閉が検知された時刻の30分前の時刻を外出推定時刻として、前日外出時刻格納部17に格納した(S9)後、センサ状態格納部14を参照し、検知したドアの開閉について戸締り確認情報を報知したか否かを判断する(S10)。ここにおいて、戸締り情報を報知する場合には、後述のS16で、センサ状態格納部14に報知時刻が格納されるものであって、CPU5は報知時刻がセンサ状態格納部14に書き込まれているか否かによって、戸締り確認情報を報知したか否かを判断するものである。戸締り情報を報知したと判断した場合は、後述のS12の処理に移行し、戸締り情報を報知していないと判断した場合は、TV通知内容格納部15における事象「帰宅時」に対応する通知内容を読み出してHDMIAVデータ格納部11に格納する(S11)。
次にCPU5はS12においてHDMIAVデータ格納部11を参照し、HDMIAVデータ格納部11に通知内容が格納されているか否かを判断する(S13)。通知内容が格納されていれば、CPU5はA/D変換部7から入力された電流の検出結果からテレビ100の電源がオンかオフかを判定し(S14)、テレビ100の電源がオンであれば、S15においてHDMIAVデータ格納部11に格納された通知内容が事象「帰宅時」に対応するものか否かを判断し(S15)、「帰宅時」に対応するものであれば、センサ状態格納部14の報知時刻書き込み領域において現在時刻から直近のドアの開閉が検知された時間帯に現在時刻を報知時刻として格納する(S16)。
次にCPU5はHDMIAVデータ格納部11に格納された通知内容をHDMI通信部9からテレビ100に出力させて、テレビ100に住居人に対する報知動作を行う(S17)。また、S15においてHDMIAVデータ格納部11に格納された通知内容が事象「帰宅時」以外の場合も、当該事象に対応する通知内容を住居人に報知する報知動作を行う。そしてCPU5はHDMIAVデータ格納部11に格納された通知内容をクリア(S18)して、処理を終了する。また、S13の判定の結果HDMIAVデータ格納部11に通知内容が格納されていない場合や、S14の判定の結果テレビ100の電源がオフの場合もCPU5は処理を終了する。
以上説明したように、本システムでは住居人の「帰宅時」、「就寝時」、「外出時」を推定して、住居人に玄関ドアの施錠を促す報知を行っている。したがって、本システムによれば、住居人に玄関ドアの施錠を促す報知を行うことによって、住居人の施錠忘れを防ぐことができ、住居人が高齢者である場合などに特に有用なシステムである。
なお、「帰宅時」の検出については、テレビ100の電源がオンとなった時刻から所定時間前のドアの開閉については報知動作を行わないなど、の判定処理を加える構成としてもよい。
次に本願発明の第2の実施形態について説明する。なお、実施形態1と共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。図5は本実施形態の概略的なシステム構成図であり、居間に配設された制御装置1と、玄関に配設されたセンサ端末2と、玄関ドアに配設された電気錠101と、電気錠101の施錠状態を制御装置1に送信する無線装置102とを主要な構成として備えている。無線装置102は、全体的な制御を行うCPU40と、アンテナ41aを介して無線信号(電波信号)を送受信する無線通信部41と、無線通信部41が送信する送信データを格納する送信データ格納部42と、無線通信部41が受信する受信データを格納する受信データ格納部43と、を備える。無線装置102では電気錠101から信号線を介して電気錠101の施錠状態(電気錠101の施錠状態および開錠状態)が入力されると、この施錠状態データを無線通信部41から制御装置1に無線送信するものであり、また、制御装置1から電気錠101の施錠制御要求を受信して電気錠101を施錠制御するものである。
制御装置1は、第1の実施形態において説明した構成に加え、インターネットNTに接続するためのインターフェイス部(インターネットIF部)18と、電気錠101を制御するためのインターフェイス部(電気錠IF部)19と、所定の通知先に送信されるEメールの通知内容を格納するEメール通知内容格納部20と、報知動作を一時停止することを規定する報知停止データを格納する報知停止データ格納部21と、報知停止データ格納部21に報知停止データを格納する入力部22と、を備えている。
また、無線通信部12は、無線装置102から電気錠101の施錠状態データ受信し、この無線通信部102により受信された施錠状態データは受信データ格納部13に格納される。CPU5は、受信データ格納部13に格納されたセンサ端末2からの玄関ドアの開閉検知データと無線装置102からの施錠状態データとを受信時刻と対応付けてセンシング情報としてセンサ状態格納部14に格納している。図6は、センサ状態格納部14の内部構成を示し、センシング情報が所定の時間間隔(本実施形態では4分間隔)で格納されている。また、本実施形態のシステムでは、ドアの鍵が施錠されていないことが検知された場合や、現在時刻が予め定められた所定の時刻である場合などに、住居人等に報知を行う形態であるが、センサ状態格納部14には、所定の時間間隔ごとに報知を行った報知時刻を書き込む領域が設けられている。ここにおいて、電気錠101、無線装置102、CPU5、センサ状態格納部14等から電気錠検出手段および第2の電気錠検出手段が構成され、受信データ格納部13およびセンサ状態格納部14等から電気錠記憶手段が構成され、CPU5、無線装置102等から電気錠制御手段が構成されている。
また、本システムでは、報知の形態として、テレビ100を用いて映像や音声で住居人に報知する形態の他、介護ヘルパーや家族が所持する携帯電話機などの端末装置にEメールで送信する形態があり、Eメールによる報知では、CPU5がEメール通知内容格納部20格納された通知内容をもとにEメールを作成して、インターネットIF部18から送信することで、介護ヘルパーなどが所持する携帯電話機などの端末装置に報知するEメールを送信している。ここにおいて、本実施形態では制御装置1のCPU5、インターネットIF部18、Eメール通知内容格納部20などから第2の報知手段が構成されている。
次に制御装置1が行う処理を図7〜11のフローチャートに基づいて説明する。図7は制御装置1が行う全体処理のフローチャートであり、CPU5は、一定の時間毎(例えば1分毎)に全体処理を繰り返し実行しており、全体処理を開始すると、就寝前にドアの施錠を促す就寝前処理(S20)、外出前に鍵を閉め忘れずに外出するように促す外出前処理(S21)、帰宅後に鍵の施錠を促す帰宅後処理(S22)、外出推定時刻を格納する外出推定時刻格納処理(S23)を順番に実行する。
ここで、個別の判定処理について詳細に説明する。先ず、S20の就寝前処理について図8のフローチャートを参照して説明する。CPU5は、就寝前処理を開始するとタイマ5aの取得した現在時刻が就寝予定時刻以降であり、最終施錠時刻までの間の時間帯内であるか否かを判断する(S200)。現在時刻が上記の時間帯内でなければ後述のS204の処理に移行し、現在時刻が上記の時間帯内であれば、CPU5はセンサ状態格納部14に格納されたセンシング情報を参照して電気錠101が開錠状態であるか否か判断する(S201)。判断の結果、開錠状態であればTV通知内容格納部15に格納における事象「就寝時」に対応する通知内容を読み出してHDMIAVデータ格納部11に格納し(S202)、S204の処理に移行する。一方、判断の結果、開錠状態でなければ(施錠状態であれば)HDMIAVデータ格納部15をクリアし(S203)、S204の処理に移行する。
S204では、CPU5はタイマ5aの取得した現在時刻が最終施錠時刻か否か判断し、最終施錠時刻であれば、センサ状態格納部14に格納されたセンシング情報を参照して電気錠101が開錠状態であるか否か判断する(S205)。開錠状態であればCPU5は電気錠101の施錠制御要求を電気錠IF部19から送信して、無線装置102に電気錠101の施錠制御を実行させて就寝前処理を終了する。また、S204において現在時刻が最終施錠時刻でない場合や、S205において電気錠101が開錠状態でない場合(施錠状態である場合)も就寝前処理を終了する。
次に、外出前に鍵を閉め忘れずに外出するように促す外出前処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。制御装置1のCPU5は前日外出時刻格納部17を参照して外出推定時刻を取得し(S210)、現在時刻が外出推定時刻であるか否か判断する(S211)。現在時刻が外出推定時刻であれば、TV通知内容格納部15における事象「外出時」に対応する通知内容を読み出してHDMIAVデータ格納部11に格納し(S212)外出前処理を終了する。また、S211において現在時刻が外出推定時刻でない場合も外出前処理を終了する。
次に、帰宅後に鍵の施錠を促す帰宅後処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。CPU5はセンサ状態格納部14に格納された前日および当日のセンシング情報を参照し(S220)、電気錠101が開錠状態であるか否か判断する(S221)。判断の結果、開錠状態であればTV通知内容格納部15に格納における事象「帰宅時」に対応する通知内容を読み出してHDMIAVデータ格納部11に格納し(S223)、帰宅後処理を終了する。一方、判断の結果、開錠状態でなければ(施錠状態であれば)HDMIAVデータ格納部15の内容をクリアし(S222)、帰宅後処理を終了する。
次に、外出推定時刻格納処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。CPU5は、センサ状態格納部14に格納された前日および当日のセンシング情報を参照し(S230)、現在時刻の30分前の時刻から現在時刻の間の時間(直近30分)においてドアの開閉が検知された否かを判断する(S231)。30分以内にドアの開閉が検知されなければ外出推定時刻格納処理を終了する。一方、30分以内にドアの開閉が検知されれば、ドアの開閉が検知された時刻の30分前の時刻を外出推定時刻として前日外出時刻格納部17に格納した(S232)後、外出推定時刻格納処理を終了する。
上述の判定処理(S20〜S23)が終了すると、CPU5は報知停止データ格納部21を参照し報知停止データが格納されており、報知動作が一時停止中であるか否を判断する(S24)。報知停止データが格納されておらず、報知動作が一時停止中でないと判断されれば、CPU5はHDMIAVデータ格納部11を参照しHDMIAVデータ格納部11に通知内容が格納されているか否かを判断する(S25)。通知内容が格納されていればCPU5はA/D変換部7から入力された電流の検出結果からテレビ100の電源がオンかオフかを判定し(S26)、テレビ100の電源がオンであれば、センサ状態格納部14を参照し、前回住居人に報知動作を行った時刻から10分経過しているか否かを判断する(S27)。ここにおいて住居人に報知動作を行った場合には、後述のS29で、センサ状態格納部14に報知時刻が格納されるものであってCPU5はタイマ5aが取得した現在時刻が報知時刻から10分経過したか否かを判断することにより、前回住居人に報知動作を行った時刻から10分経過しているか否かを判断するものである。
前回住居人に報知動作を行った時刻から10分経過していると判断されれば、CPU5は、HDMIAVデータ格納部11に格納された通知内容をHDMI通信部9からテレビ100に出力させて、テレビ100に住居人に対する報知動作を行う(S28)。次にCPU5はセンサ状態格納部14の報知時刻書き込み領域において現在時刻から直近のドアの開閉が検知された時間帯に現在時刻を報知時刻として格納し(S29)、HDMIAVデータ格納部に格納された通知内容をクリアして(S30)全体処理を終了する。また、S24おいて報知動作が一時停止中であると判断された場合や、S25において通知内容が格納されていない場合や、S26においてテレビ100の電源がオフの場合や、S27において前回住居人に報知動作を行った時刻から10分経過していないと判断された場合もCPU5は全体処理を終了する。
以上説明したように、本システムでは住居人の「帰宅時」、「就寝時」、「外出時」を推定して、住居人に玄関ドアの施錠を促す報知を行っている。ただし「就寝時」や「帰宅時」の報知は電気錠101の施錠状態を検出することにより電気錠101が開錠状態の場合のみ報知を行い、報知を行っても開錠状態が続いている間は一定間隔で施錠がなされるまで通知を続ける構成としている。また、「就寝時」については、住居人の安全面を考慮して最終施錠時刻に至れば、電気錠101を自動で施錠制御するようになしている。
したがって、本システムによれば、住居人に玄関ドアの施錠を促す報知を行うことによって、住居人の施錠忘れを防ぐことができ、また、電気錠101を用いて自動で施錠制御することにより、施錠を忘れた場合であっても住居人の安全を確保することができる。よって、住居人が高齢者である場合などに特に有用なシステムである。
また、本システムでは、図12に示すようにCPU5がセンサ状態格納部14のセンシング情報をもとに、玄関ドアの開閉検知データおよび当該開閉検知データに対応する時刻と、電気錠101の施錠状態データおよび当該施錠状態データに対応する時刻と、報知時刻と、を抽出してEメール通知内容格納部20に格納しており、このEメール通知内容格納部20に格納された通知内容をもとにCPU5はEメールを作成してインターネットIF部18から、介護ヘルパーや家族などが所持する携帯電話機などの端末装置にEメールを送信している。したがって、介護ヘルパーや家族などは、Eメールを確認して、ドアの開閉データやドアの施錠データを確認することができる。
また、本システムは、報知停止データ格納部21に入力部22により報知停止データを入力することにより住居人に報知を一時停止することができる構成となっているので、介護ヘルパーや家族などは、Eメールを確認して、報知を一時中止させて住居人の自立的施錠行為を促進することも可能である。
また、本システムでは、住居人のドアの開閉検知データにより住居人の外出推定時刻を推定していたが、入力部22により住居人や、介護ヘルパーが外出推定時刻を前日外出時刻格納部17に格納する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0015】
1 制御装置
2 センサ端末
3 栓刃
4 コンセント口
5 CPU
5a タイマ
6 電流センサ
7 A/D変換部
8 電流値格納部
9 HDMI通信部
10 HDMI制御データ格納部
11 HDMIAVデータ格納部
12 無線通信部
13 受信データ格納部
14 センサ状態格納部
15 TV通知内容格納部
16 就寝予定時刻格納部
17 前日外出時刻格納部
100 テレビ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の玄関における玄関ドアの開閉を検知する検知手段と、
映像表示装置の稼動を検出する稼動検出手段と、
検知手段を用いてドアの開閉を検知した後、最初に稼動検出手段により映像表示装置の稼動を検出した場合に、映像表示装置によって鍵の閉め忘れを確認する情報を報知する報知手段と、
を備えることを特徴とした生活支援報知システム。
【請求項2】
前記報知手段は、予め設定された就寝時刻に、映像表示装置によって鍵の閉め忘れを確認する情報を報知することを特徴とした請求項1記載の生活支援報知システム。
【請求項3】
住居人が前日以前に外出したと推定される外出推定時刻を設定する設定手段と、前記設定手段により設定された外出推定時刻を記憶する記憶手段と、を備え、前記報知手段は前記記憶手段に記憶された外出推定時刻前に予め外出時に鍵を閉め忘れずに外出するように促す情報を映像表示装置によって報知することを特徴とした請求項1または2に記載の生活支援報知システム。
【請求項4】
前記住宅の前記玄関ドアに配設された電気錠が施錠されたことを検出する電気錠検出手段と、
前記電気錠検出手段を用いて検出した電気錠の検出履歴を記憶する電気錠記憶手段と、
電気錠記憶手段に記憶された検出履歴を報知する第2の報知手段と、を備えることを特徴とした請求項1乃至3のいずれか一項に記載の生活支援報知システム。
【請求項5】
前記住宅の前記玄関ドアに配設された電気錠の施錠状態を検出する第2の電気錠検出手段と
報知手段により報知がなされた後、第2の電気錠検出手段により所定時間内に電気錠の施錠状態が検出されなかった場合に、前記電気錠の施錠制御を行う電気錠制御手段と、を備えることを特徴とした請求項1乃至3のいずれか一項に記載の生活支援報知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−236248(P2010−236248A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84757(P2009−84757)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】