説明

生物学的に利用される水性系に酸素を供給する方法ならびに前記方法を実施するための装置及びセット

本発明は、生物学的に利用される水性系に酸素を供給する方法であって、i)所定の量のカタラーゼを生物学的に利用される水性系に加えるステップ、ii)H22又はその塩を生物学的に利用される水性系に加えるステップ、及びiii)水性系に加えた過酸化物を、カタラーゼの効果の下、水とO2とに接触分解するステップを含む方法に関する。好ましくは、ステップii)は、貯蔵容器中で起こるガス圧発生化学反応によって過酸化物水溶液を貯蔵容器から生物学的に利用される水性系中に放出することによって実施される。本発明はさらに、前記好ましい方法を実施するための装置及びセットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生物学的に利用される系に酸素を供給する方法、すなわち、生物学的に利用される水性系、特に高い酸素要求を有する系において酸素を生成する方法ならびに前記方法を実施するための装置及びセットに関する。
【0002】
本来の環境が水性系である好気性(酸素消費性)生物は、その代謝に必要な酸素(O2)を、酸素が溶解形態で存在する、それらを取り囲む水から取り入れる。生物によって吸収された酸素は代謝過程でCO2に転換される。他方、水性系中への酸素の置換は、水性系と大気との間の界面における拡散溶解過程によって、また、水性系中に存在する光合成性生物によって起こる。酸素を水性系中に供給する過程は比較的ゆっくりと起こるため、水溶液中の酸素消費性生物の可能な占有密度は制限される。
【0003】
しかし、自然な手段による酸素供給が許すであろうよりも高い、酸素消費性生物占有レベルが望まれる状況(高密な培養による高い生物密度)が存在する。そのような場合、酸素を供給しなければならない。
【0004】
このタイプの高密な培養の例は、魚又は他の水生動物の、観賞目的又は食品として、又は輸送中、又はたとえば観賞魚取引の場における短期的展示のため、又は水槽、池、飼育容器などの維持管理及び/又は清浄作業中の一時的貯蔵のための維持である。
【0005】
さらなる酸素を水性系中に供給するためのもっとも一般的な方法は、適切な専門的装置を用いて空気又は純粋な酸素を微細に分散させて注入する方法である。しかし、ガスの大きな部分が水性系から逃げ、したがって、この方法は、開放型のタンクでしか実施することができない。さらには、かなりの技術的努力が必要である。必要な電源を含む電気的に作動する供給装置が、加圧ガスタンクの使用を可能にする専門的装置とともに設けられなければならない。多くの分野で、たとえば、池及び水槽の清浄、魚、たとえば観賞魚、餌魚又はストック魚の輸送及び魚取引の場での観賞魚の展示の分野で、この努力は、可能でなかったり、望まれなかったりする。
【0006】
水に溶解する酸素の量は、通常の環境条件下で10mg/l未満である。魚は、体重1gあたり毎時約1mgの酸素を必要とする。さらには、水からの効果的な酸素吸収のためには、一定の最低濃度が存在しなければならない。したがって、外部からの供給なしで水に貯蔵される酸素量は、非常に小さな占有密度及び維持期間の場合にしか十分ではない。
【0007】
より高い占有密度及び/又はより長い維持期間の場合、さらなる酸素供給が不可欠である。
【0008】
上記の技術的に複雑な方法を避けなければならないならば、ごく少ない代替の方法しか利用可能ではない。
【0009】
閉鎖系、たとえば魚輸送バッグでは、気泡(空気、酸素又はそれらの混合物)が水面よりも上に含められる。しかし、この気泡は大きな容積を占有し(実際、水:気泡の比は約1:5である)、酸素はバッグの動きによって水に流し込まれなければならない。
【0010】
生物学的に利用される水性系に酸素を供給するもう一つの方法がDE3109064及び対応するUS4,466,556に開示されている。その中では、H22溶液を別個の容器の中でセラミック触媒によってゆっくりと連続的に分解し、それによって出口から放出している。出口を取り囲むさらなる固形触媒が、放出される溶液からのH22が分解され、それによって酸素が解放されることを保証する。固形触媒は場所的に限定されるため、酸素は、その表面に対して限局的に生成されるだけである。
【0011】
したがって、本出願の目的は、高い占有密度の酸素消費性生物を含む水性系への酸素供給を長期間にわたり保証することを可能にする方法を提供することである。
【0012】
本発明にしたがって、この目的は、請求項1で定義する、生物学的に利用される水性系への酸素供給を可能にする方法によって達成される。好ましくは、請求項2で定義するように、酸素供給は、連続的に、すなわち、事前に決定可能な期間にわたって実質的に一定に起こる。さらなる好ましい実施態様が請求項3〜10によって記載されている。
【0013】
さらには、上記目的は、請求項11で定義する、本発明の方法を実施するための本発明の装置によって達成される。好ましい実施態様が請求項12〜18に記載されている。
【0014】
同じく上記目的を達成するのに適したものは、請求項19に記載の発明にしたがって提供される、本発明の装置及び方法を実施するために必要な出発物質を含むセットである。
【0015】
生物学的に利用される水性系に酸素を供給するための本発明の方法は、
i)所定の量のカタラーゼを生物学的に利用される水性系に加えるステップ、
ii)H22又はその塩を生物学的に利用される水性系に加えるステップ、及び
iii)水性系に加えた過酸化物を、カタラーゼの作用の下、水とO2とに接触分解するステップ
を含む。
【0016】
好ましくは、ステップii)は、貯蔵容器中で起こるガス圧発生化学反応によって過酸化物水溶液を貯蔵容器から生物学的に利用される水性系中に放出することによって実施される。
【0017】
この方法、本発明の装置及び方法を実施するために使用されるセットにより、以下の有利な効果が達成される。
【0018】
・O2の放出が、空間節約的な方法で、高い占有密度に適した単位時間あたりの量で経済的に実施される。
【0019】
・多量のO2を出発物質中に貯蔵し、長い時間にわたって放出することができる。
【0020】
・単位時間あたりに生成されるO2の量を必要に応じて調節し、(一定の温度で)長い期間にわたって一定に維持することができる。
【0021】
・請求項2記載の好ましい実施態様では、さらなる特定の利点は、温度の変化に伴う魚又は他の生物の酸素要求量が、自動的に調節される酸素放出によって補償されるということである。したがって、温度変化に基づく酸素放出量の調節は不要である。
【0022】
・そのものが水性系中に微細に分散する触媒(カタラーゼ)の使用により、酸素が容積全体で生成される。すなわち、水性系中に高い占有密度の酸素消費性生物があるとしても、激しい濃度差又は局所的な供給不足が生じない。
【0023】
・水槽中又は輸送もしくは中間容器中、単位時間あたり所望の量のO2を、簡単な方法で、技術的に複雑な装置、ホース接続及び/又はケーブルを要することなく、提供することができる。
【0024】
上述した過酸化物溶液は、好ましくは、過酸化水素(H22)の水溶液である。水溶液中で遊離H22と平衡した状態で存在する他の過酸化物溶液、たとえばH22の塩(たとえば付加塩)の溶液を使用してもよい。過酸化物の濃度は、好ましくは5重量%〜50重量%の範囲、より好ましくは10重量%〜30重量%の範囲、さらに好ましくは15重量%〜25重量%の範囲である。
【0025】
本発明の方法を上記の濃度範囲の外で実施してもよいということが注目される。しかし、濃度の低下とともに過酸化物溶液から放出可能な酸素の総量に対する過酸化物溶液の量の比がさらに大きくなるため、5重量%未満の過酸化物(好ましくはH22)の濃度は非現実的である。
【0026】
過酸化水素溶液、特に50重量%を超えるH22濃度を有するH22溶液は、それから放出可能な酸素の総量に対する過酸化物溶液の量の非常に良好な比を有するが、このタイプの溶液は、過酸化物濃度の上昇とともにますます不安定になり、分解する傾向を示すおそれがある。したがって、経験を欠く使用者による取り扱いは危険を免れない。
【0027】
貯蔵容器から過酸化物溶液を放出するために使用される、本発明にしたがって好ましいガス圧発生反応は、気体生成物の生成を制御された方法でもたらす反応である。好ましくは、酸素を気体反応生成物として放出する、過酸化物水溶液中に存在する少量の過酸化物の転換である。
【0028】
気体反応生成物の生成は、適切な触媒によって触媒することができる。適切な量の触媒を用いると、単位時間あたりに生成されるガスの量、ひいては過酸化物溶液の放出速度を広い範囲内で正確に調節することができる。このために、温度の時系列的変化を考慮する必要はない。理由は、温度変化に伴う魚及び他の生物の酸素要求量の変化は、自動的に調節される酸素放出量によって補償されるからである。
【0029】
触媒としての使用に適したものは、分解触媒として従来技術から公知の任意の化合物である。過酸化物溶液中に存在するH22の小さな部分の分解がガス圧生成反応として使用されるならば、H22の、H2O及び気体O2への分解を生じさせる触媒を使用することができる。MnO2又は白金が好ましい触媒物質であり、特に好ましいものは、セラミック結合MnO2である。2種以上の相互に適合性の触媒の混合物を使用してもよい。
【0030】
貯蔵容器中でガス生成(たとえばH22の分解)が起こる速度は、触媒の量及びタイプならびに反応温度、すなわち周囲の水性系の温度によって決まる。
【0031】
過酸化物溶液は、ガス圧生成反応によって貯蔵容器から貯蔵容器の1個又は複数の微細な開口を通って放出され、周囲の水性系によって吸収される。過酸化物溶液そのものは開口から出るが、貯蔵容器中で発生したガスは出ないということが、本発明の方法を実施するための装置の適切な設計によって保証される。開口はまた、好ましくは、たとえば出口をダイビングベルの形態で設計することにより、周囲の水性媒体の、貯蔵容器への浸透を防ぐように設計されている。本発明の方法を実施するための装置に関する態様は、後でさらに詳細に記載する。
【0032】
過酸化物水溶液からの酸素の放出に使用されるカタラーゼは、いかなるカタラーゼであってもよい。例は、動物の肝臓、特にウシ肝臓、血液又は微生物から収集されるカタラーゼである。好ましいものは、微生物から採取されるカタラーゼである。理由は、他のカタラーゼよりも高い安定性を有するからである。
【0033】
カタラーゼは、提供される過酸化物の供給量を分解させるのに十分であるような量で水溶液に加えられる。19.9%H22溶液1mlに含まれる過酸化物を分解させるためには、カタラーゼ2000単位が必要である。
【0034】
以下、本発明の方法を実施するための装置を説明する。
【0035】
本発明の装置の典型的な好ましい実施態様が図1に概略的に示されている。
【0036】
装置は、貯蔵容器中で起こるガス圧生成反応による過酸化物水溶液の放出を可能にする少なくとも1個の出口を有する貯蔵容器(1)と、ガス圧生成反応により、過酸化物溶液は少なくとも1個の出口から出るが、発生したガスは出ないことを保証する装置(2)とを含む。
【0037】
少なくとも1個の出口は、過酸化物溶液が関連条件下で出口から流れ出ることができないように寸法決定されている。他方、少なくとも1個の出口は、貯蔵容器中で起こる接触分解過程による圧力増大による滴の発生を可能にするのに十分な大きさである。少なくとも1個の出口は、好ましくは直径≦1mm、より好ましくは≦0.5mm、さらに好ましくは≦0.1mmの円形又はほぼ円形の断面を有する。輸送中に使用する場合には、衝撃によって生じる溶液の加速が溶液を出口から流れ出させないことを保証しなければならない。したがって、そのような用途には≦0.1mmの直径が好ましい。
【0038】
好ましい実施態様では、貯蔵容器(1)は、2個の部品で設計され、容器(1a)と、その上にしっかりと水密に配置することができるストッパ(1b)とを含む。容器(1a)は、所望の透明又は不透明な材料、好ましくはガラス又はプラスチックでできていることができる。容器の上にしっかりと水密に配置することができるストッパ(1b)は、好ましくはプラスチック材料でできており、好ましくは圧入ストッパ又はねじ込み栓である。
【0039】
容器(1a)として一般に好ましくないものは金属である。理由は、金属は、過酸化物溶液の分解を触媒することができるからである。原則的にこのタイプの触媒効果が望ましいが、本発明の方法の間の貯蔵容器中のレベルの低下のせいで、この分解反応の速度が線形ではないということがありうる。結果として、過酸化物溶液が貯蔵容器から押し出される速度は、本発明の方法の期間の増大とともに遅くなるであろう。しかし、そのような効果が望まれるのであるならば、金属製の容器(1a)を使用してもよい。
【0040】
好ましくは、ストッパ(1b)は、水が外から貯蔵容器中に浸透することがないよう、ダイビングベルの形態を有するように作られている。
【0041】
装置(2)は、好ましくは、本発明の方法を実施する間に少なくとも1個の出口が常に下を向くような方法で貯蔵容器(1)に連結されたバラスト部材(2a)及び浮き部材(2b)を含む。
【0042】
バラスト部材(2a)は、本発明の装置の作動中、貯蔵容器(1)の少なくとも1個の開口が常に下を向くことを保証する重りである。浮き部材(2b)は転覆を防止する。
【0043】
本発明の特に好ましい実施態様によると、ストッパ(1b)は少なくとも1個の放出口を備え、バラスト部材は、ストッパがしっかりと挿入されるリング又はボウル形状の要素である。
【0044】
好ましくは、バラスト部材(2a)は、O2を放出する過酸化物の分解に関して触媒活性である材料でできている。このタイプの材料の例は、セラミック結合MnO2である。浮き部材(2b)は、浮くことができる軽い材料、たとえばコルク、発泡ポリスチレン、フォーム材料などでできている。
【0045】
本発明の方法を実施するための本発明のセットは、上記の本発明の装置と、標準量の過酸化物水溶液、好ましくは過酸化水素(H22)溶液と、ガス圧発生化学反応を触媒するための触媒と、標準量のカタラーゼ水溶液とを含む。
【0046】
過酸化物溶液ならびに好ましい触媒及びカタラーゼの好ましい濃度は、本発明の方法に関連して上記した濃度である。
【0047】
次に、上記の本発明の装置の好ましい実施態様を参照しながら本発明を方法の実施を説明する。
【0048】
貯蔵容器(1)の容器(1a)に、標準量の過酸化物水溶液及び貯蔵容器中で起こるガス圧発生反応のための触媒を供給し、容器をストッパ(1b)でしっかりと閉じる。次に、バラスト部材(2a)及び浮き部材(2b)を貯蔵溶液に固着し、この構造を、酸素供給を受ける水性系、たとえば魚を入れたバケツ又はプラスチックバッグに入れる。さらには、上記のように、特定量のカタラーゼを水性媒体中に滴下する。
【0049】
貯蔵容器中でのガス圧発生反応の結果として、その中の過酸化物溶液が貯蔵容器から放出される。そして、加えたカタラーゼによってH22(過酸化物溶液から遊離形態で直接得られるか、塩と遊離H22との間の上記平衡状態から得られる)を水性系中でH2OとO2とに分解する。生成されたO2は、水性系中に分解し、水性系中に存在する酸素消費性生物がその代謝過程のために利用できるようになる。
【0050】
次に、単に代表的な特徴を示すだけであり、本発明の排他的な主題とは見なすべきではない実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0051】
典型的な実施態様にしたがって、貯蔵容器(1)は、容器(1a)としての、たとえば容積30mlのガラス容器と、複数の出口を備えたプラスチックストッパ(1b)とを含むものであった。ガラス容器を、所定の充填レベルまで、たとえばH2219.9重量%の溶液で満たし、ストッパで閉じた。その後、H22の分解に関して触媒効果を有し、バラスト部材(2a)として働くセラミックボウルをこのストッパの上に配置した。浮きリング(2b)を援用して、この構造を平衡させ、カタラーゼ濃度170,000U/mlのカタラーゼ水溶液7滴(1/3ml)を加えておいた(H22溶液1mlあたり約2,000Uに相当)酸素供給を受ける水性系中に配置した。
【0052】
上記構造は、水性系、たとえば、約2〜20lの水量を有する魚輸送のための開放型容器への供給に適している。9°の温度で、作動期間は約144時間であり、O2放出速度は約22mg/hであった。8℃の水温上昇が、貯蔵容器中の過酸化物の分解速度、ひいてはその放出速度をおおむね倍増させた。他の条件が同じならば、17℃では、作動期間は約72時間であり、O2の毎時放出量は約44mg/hであった。したがって、25℃では、作動期間は約36時間であり、O2放出速度は約88mg/hであった。
【0053】
本明細書で記載した詳細を与えられるならば、当業者が、さらなる困難に遭遇することなく、すべての考えられる条件、すなわち異なる水温、酸素消費性生物による水性系の異なる占有密度、本発明の方法の異なる所望の作動期間などに関して関連の作業パラメータを調節することが可能である。これは、触媒のタイプ及び量、過酸化物溶液の量ならびに供給すべきカタラーゼの量の適切な選択を含む。したがって、上記の詳細は、簡単な方法で、複数の異なる条件及び要件に応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の装置の典型的な好ましい実施態様を概略的に示す図である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的に利用される水性系に酸素を供給する方法であって、
i)所定の量のカタラーゼを前記生物学的に利用される水性系に加えるステップ、
ii)H22又はその塩を前記生物学的に利用される水性系に加えるステップ、及び
iii)前記水性系に加えた前記過酸化物を、前記カタラーゼの作用の下、水とO2とに接触分解するステップ
を含む方法。
【請求項2】
ステップii)が、貯蔵容器中で起こるガス圧発生化学反応によって、過酸化物水溶液を前記貯蔵容器から前記生物学的に利用される水性系中に放出することによって実施される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記過酸化物水溶液が過酸化水素(H22)溶液である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記生物学的に利用される水性系が、酸素消費性生物の高い占有密度のせいで高い酸素要求を有する系である、請求項1〜3の少なくとも1項記載の方法。
【請求項5】
前記酸素消費性生物が魚である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記貯蔵容器中の前記ガス発生化学反応が、酸素の放出を伴う過酸化水素の分解である、請求項2〜5の少なくとも1項記載の方法。
【請求項7】
前記ガス発生化学反応が1種以上の触媒によって触媒される、請求項2〜6の少なくとも1項記載の方法。
【請求項8】
前記触媒が二酸化マンガンである、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記二酸化マンガンがセラミック結合している、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記カタラーゼが、微生物から抽出されたカタラーゼである、請求項1〜10の少なくとも1項記載の方法。
【請求項11】
請求項2〜10の少なくとも1項記載の方法を実施するための装置であって、
i)前記貯蔵容器中で起こる前記ガス圧発生反応による前記過酸化物水溶液の放出を可能にする少なくとも1個の出口を有する貯蔵容器(1)と、
ii)前記ガス圧発生反応により、前記過酸化物溶液は前記少なくとも1個の出口から出るが、発生したガスは出ないように規定する装置(2)と
を含む装置。
【請求項12】
前記貯蔵容器(1)が、2個の部品で構成され、容器(1a)と、その上にしっかりと防水的に配置することができるストッパ(1b)とを含む、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記ストッパ(1b)が、前記貯蔵容器中で起こる前記ガス圧発生反応による前記過酸化物水溶液の放出を可能にする前記少なくとも1個の出口を備える、請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記ストッパ(1b)がダイビングベルの形態で設計されている、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記装置(2)が、請求項1〜12の少なくとも1項記載の方法を実施する間に前記少なくとも1個の出口が常に下を向くような方法で前記貯蔵容器(1)に連結されたバラスト部材(2a)及び浮き部材(2b)を含む、請求項11〜14の少なくとも1項記載の装置。
【請求項16】
前記バラスト部材(2a)が、前記貯蔵容器の前記ストッパ(1b)及び/又は前記容器(1a)に取り付けられる重りである、請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記バラスト部材(2a)が、H22を分解してO2を放出させることができる触媒活性材料を含む、請求項15又は16記載の装置。
【請求項18】
前記浮き部材(2b)が、可変性の高さで前記貯蔵容器に取り付けられる浮きリングである、請求項15〜17の少なくとも1項記載の装置。
【請求項19】
請求項2〜10の少なくとも1項記載の方法を実施するためのセットであって、
i)請求項11〜18の少なくとも1項記載の装置、
ii)標準量の過酸化水素(H22)水溶液、
iii)前記貯蔵容器中で前記ガス圧発生化学反応を触媒する少なくとも1種の触媒、及び
iv)標準量のカタラーゼ水溶液
を含むセット。

【公表番号】特表2007−523816(P2007−523816A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508221(P2006−508221)
【出願日】平成16年5月28日(2004.5.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005791
【国際公開番号】WO2004/105476
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(500193927)
【Fターム(参考)】