説明

生物活性物質含有粒状物の混合組成物

【課題】外部から振動の振動を受けた場合や流路を移送される場合において、異なる形状の粒状物が偏析を生じ難い、略球形状の生物活性物質含有粒状物と円柱形状の生物活性物質含有粒状物とが混合されてなる組成物を提供すること。
【解決手段】下記形状〔A〕の生物活性物質含有粒状物と下記形状〔B〕の生物活性物質含有粒状物とが混合されてなる組成物。
形状〔A〕:略球形状であり、粒子が水平面上で安定した位置で静止している状態で該水平面に対して垂直方向への該粒子の投影画像より求められる針状比の平均が1.3以下である。
形状〔B〕:円柱形状であり、円柱の平均高さが円柱の底面の平均直径に対して2.0〜5.0倍であり、円柱の底面の平均直径が形状〔A〕の90重量%の生物活性物質含有粒状物が通過する篩の目開きの0.3〜0.8倍である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬活性物質、農薬活性物質または肥料物質等の生物活性物質を含有する異なる形状の粒状物が混合されてなる組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
肥料、農薬及び医薬に代表される生物活性物質の効能(肥効、薬効など)の長期化や、取扱い易さの向上を目的として、該生物活性物質を粒状化した生物活性物質含有粒状物(例えば粒状肥料、農薬粒剤、錠剤など)が製造され使用されている。また、更なる生物活性物質の効能(肥効、薬効など)の長期化、および効能発現パターンの制御を目的として、該生物活性物質含有粒状物の表面を被膜材料で被覆した被覆生物活性物質含有粒状物(例えば被覆肥料、被覆農薬など)が製造され使用されている。
医農薬の分野において、省力化や効力増強を目的として複数の異なる生物活性物質を組み合わせて使用することが必要とする場合があり、その目的に応じて複数の生物活性物質を含有する粒状物が製造されている(特許文献1を参照)。しかしながらこの場合は、生物活性物質の組み合わせや割合に応じて、それぞれに異なる粒状物を製造することが必要であり、在庫や製造条件の管理において煩雑となり、多品種が必要な場合には好ましくない。この為、異なる生物活性物質を含有する粒状物を混合してなる組成物の利用が求められている。
ところで、粒状物における個々の粒子の形状は該粒子を造粒する際の造粒方法により変化する。一般に、転動造粒法や噴流造粒法により得られる粒状物の粒子の形状は略球形状を有し、押出し造粒法により得られる粒状物の粒子の形状は円柱形状を有している。
【0003】
【特許文献1】特開平10−338589号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異なる生物活性物質を含有する粒状物を混合してなる組成物においては、粒状物が均一に混合されていないことに起因する効果のバラツキ等の問題を生じることがある。この問題は特に散布ムラにより薬害を生じさせる場合のある農薬物質含有粒状物において、深刻である。
本発明は、混合後の組成物が外部から振動の振動を受けた場合や流路を移送される場合において、異なる形状の粒状物の偏析を生じ難い、略球形状の生物活性物質含有粒状物と円柱形状の生物活性物質含有粒状物とが混合されてなる組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる状況下において、本発明者は略球形状の生物活性物質含有粒状物と円柱形状の生物活性物質含有粒状物とが混合されてなる組成物につき鋭意検討した結果、該生物活性物質含有粒状物を特定の形状とすることにより、混合後の偏析が生じ難い組成物が得られることを見出し、本発明に至った。
【0006】
即ち、本発明は以下の発明を含む。
[発明1]
下記形状〔A〕の生物活性物質含有粒状物(以下、粒状物Aと記す。)と下記形状〔B〕の生物活性物質含有粒状物(以下、粒状物Bと記す。)とが混合されてなる組成物。
形状〔A〕:略球形状であり、粒子が水平面上で安定した位置で静止している状態で該水平面に対して垂直方向への該粒子の投影画像より求められる針状比の平均が1.3以下である。
形状〔B〕:円柱形状であり、円柱の平均高さが円柱の底面の平均直径に対して2.0〜5.0倍であり、円柱の底面の平均直径が形状〔A〕の90重量%の生物活性物質含有粒状物の粒子が通過する篩の篩目開きの0.3〜0.8倍である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粒状物Aと粒状物Bとが混合されてなる組成物は、袋からの排出や、動力散布機のタンク内等のような筒状の経路において移動する際に、異なる形状の粒状物の粒子同士が容易に分離しないので、場所におけるバラツキを少なく、散布することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明を詳しく説明する。
本発明における生物活性物質とは、動物、植物及び/又は微生物に対して活性を有する物質であり、例えば農作物、有用植物、農産物などの植物体の育成、保護の目的で用いられ、使用目的に応じて増収、農作物の高品質化、病害防除、害虫防除、有害動物防除、雑草防除、更には、農作物の生育促進、生育抑制、矮化などの効果をもたらすものである。具体的には肥料物質、農薬活性物質、医薬活性物質等を挙げることができる。
【0009】
肥料物質としては、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒド加工尿素肥料(UF)、アセトアルデヒド加工尿素肥料(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料(IBDU)、グアニール尿素(GU)等の窒素質肥料;過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、腐植酸リン肥、焼成リン肥、重焼リン、苦土過リン酸、ポリリン酸アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、苦土リン酸、硫リン安、リン硝安カリウム、塩リン安等のリン酸質肥料;塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウム、リン酸カリウム等のカリウム質肥料;珪酸カルシウム等の珪酸質肥料;硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム質肥料;生石灰、消石灰、炭酸カルシウム等のカルシウム質肥料;硫酸マンガン、硫酸苦土マンガン、鉱さいマンガン等のマンガン質肥料;ホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素質肥料;鉄鋼スラグ等の含鉄肥料等があげられる。
【0010】
農薬活性物質としては、殺虫活性物質、殺菌活性物質、除草活性物質、昆虫成長制御物質、植物成長制御物質等を挙げることができ、例えば次に示す化合物を具体的に挙げることができる。
O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジメチル−O−(3−メチル−4−(メチルチオ)フェニル)ホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−2−イソプロピル−6−メチルピリミジン−4−イルホスホロチオエート、O,O−ジエチル−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロチオエート、O,S−ジメチルアセチルホスホラミドチオエート、S−2,3−ジヒドロ−5−メトキシ−2−オキソ−1,3,4−チアジアゾール−3−イルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオエート、O,O−ジエチルS−2−エチルチオエチルホスホロジチオエート、2,2−ジクロロビニルジメチルホスフェート、O−エチルO−4−(メチルチオ)フェニルS−プロピルホスホロジチオエート、O−4−シアノフェニルO,O−ジメチルホスホロチオエート、2−メトキシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−2−スルフィド、O,O−ジメチル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオホスフェート、エチル2−ジメトキシホスフィノチオイルチオ(フェニル)アセテート、ジエチル(ジメトキシホスフィノチオイルチオ)サクシネート、ジメチル2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート、S−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イルメチル O,O−ジメチルホスホロジチオエート、ジメチル−{(E)−1−メチル−2−(メチルカルバモイル)ビニル}ホスフェート、O,O,O’,O’−テトラエチル−S,S’−メチレンビス(ホスホロジチオエート)等の有機リン系化合物、2−sec−ブチルフェニルメチルカーバメート、エチル N−{2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ}−N−イソプロピル−β−アラニネート、2−イソプロポキシフェニル−N−メチルカーバメート、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ(b)フラニル N−ジブチルアミノチオ−N−メチルカーバメート、1−ナフチル−N−メチルカーバメート、S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート、2−(エチルチオメチル)フェニルメチルカーバメート、2−メチル−2−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド O−メチルカルバモイルオキシム、N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド、S−4−フェノキシブチル−N,N−ジメチルチオカーバメート等のカーバメート系化合物、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)オキシプロパン、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (S)−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、3−フェノキシベンジル (1RS)−シス,トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル(1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(2,2−ジブロモビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (RS)−2,2−ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパンカルボキシレート、α−シアノ−3−フェノキシベンジル N−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バリネート、2−メチル−3−フェニルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2−(4−ブロモジフルオロメトキシフェニル)−2−メチル−1−(3−フェノキシベンジル)メチルプロパン、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス−3−(1,2,2,2−テトラブロモエチル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、(4−エトキシフェニル)−{3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル}ジメチルシラン、3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、5−ベンジル−3−フリルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (1R,3Z)−シス−(2,2−ジメチル−3−{3−オキソ−3−(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピルオキシ)プロペニル}シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−α−シアノ−4−フルオロ−3−フェノキシベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1RS,3Z)−シス−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル (1R)−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミドメチル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロペニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1RS)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテン−1−イル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、(RS)−1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル(1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)イミダゾリジン−1−イルメチル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、5−(2−プロピニル)フルフリル (1R)−シス,トランス−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、5−(2−プロピニル)フルフリル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド系化合物、2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジン−4−オン等のチアジアジン誘導体、ニトロイミダゾリジン誘導体、S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカーバメート)、N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン、S,S’−2−ジメチルアミノトリメチレンジ(ベンゼンチオスルフォネート)等のネライストキシン誘導体、N−シアノ−N’−メチル−N’−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)アセトアミジン等のN−シアノアミジン誘導体、6,7,8,9,10,10−ヘキサクロロ−1,5,5a,6,9,9a−ヘキサヒドロ−6,9−メタノ−2,4,3−ベンゾジオキサチエピンオキサイド、1,2,3,4,5,6−ヘキサクロロシクロヘキサン、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタノール)等の塩素化炭化水素化合物、1−{3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルオキシ)フェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア、1−(3,5−ジクロロ−2,4−ジフルオロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア、1−{4−(2−クロロ−4−トリフルオロメチルフェノキシ)−2−フルオロフェニル}−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア等のベンゾイルフェニルウレア系化合物、N,N’−{(メチルイミノ)ジメチリジン}−ジ−2,4−キシリジン、N’−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−N,N−ジメチルメチニミダミド等のホルムアミジン誘導体、N−(2,6−ジイソプロピル−4−フェノキシフェニル)−N’−t−ブチルカルボジイミド等のチオ尿素誘導体、N−フェニルピラゾール系化合物、5−メトキシ−3−(2−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−(3H)−オン、イソプロピル4,4’−ジブロモベンジレート、4−クロロフェニル2,4,5−トリクロロフェニルスルホン、S,S−6−メチルキノキサリン−2,3−ジイルジチオカルボネート、2−(4−tert−ブチルフェノキシ)シクロヘキシルプロピ−2−イルスルファイト、ビス{トリス(2−メチル−2−フェニルプロピル)ティン}オキシド、(4RS,5RS)−5−(4−クロロフェニル)−N−クロロヘキシル−4−メチル−2−オキソ−1,3−チアゾリジン−3−カルボキサミド、3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン、tert−ブチル (E)−4−((1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イル)メチレンアミノオキシメチル)ベンゾエート、N−4−tert−ブチルベンジル)−4−クロロ−3−エチル−1−メチル−5−ピラゾールカルボキサミド、5−クロロ−N−(2−{4−(2−エトキシエチル)−2,3−ジメチルフェノキシ}エチル)−6−エチルピリミジン−4−アミン、5−メチル(1,2,4)トリアゾロ(3,4−b)ベンゾチアゾール、メチル 1−(ブチルカルバモイル)ベンズイミダゾール−2−カーバメート、6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジノン、1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタノン、(E)−4−クロロ−2−(トリフルオロメチル)−N−(1−(イミダゾール−1−イル)−2−プロポキシエチリデン)アニリン、1−(N−プロピル−N−(2−(2,4,6−トリクロロフェノキシ)エチル)カルバモイル)イミダゾール、(E)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、(E)−1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)−1−ペンテン−3−オール、1−(2,4−ジクロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、4−(3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロピル)−2,6−ジメチルモルホリン、2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2−オール、O,O−ジエチル O−2−キノキサリニル ホスホロチオエート、O−(6−エトキシ−2−エチル−4−ピリミジニル) O,O−ジメチル ホスホロチオエート、2−ジエチルアミノ−5,6−ジメチルピリミジン−4−イル ジメチルカーバメート、4−(2,4−ジクロロベンゾ
イル)−1,3−ジメチル−5−ピラゾリル p−トルエンスルホナート、4−アミノ−6−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチルチオ−1,2,4−トリアジン−5(4H)−オン、2−クロロ−N−((4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−エトキシカルボニル−N−((4−クロロ−6−メトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−(2−クロロエトキシ)−N−((4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)フェニルメタンスルホンアミド、2−メトキシカルボニル−N−((4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノカルボニル)チオフェン−3−スルホンアミド、4−エトキシカルボニル−N−((4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル)−1−メチルピラゾール−5−スルホンアミド、2−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル)−3−キノリンカルボン酸、2−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−1H−イミダゾール−2−イル)−5−エチル−3−ピリジンカルボン酸、メチル 6−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−m−トルエート、メチル 2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)−p−トルエート、2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソイミダゾリン−2−イル)ニコチン酸、N−(4−クロロフェニル)メチル−N−シクロペンチル−N’−フェニルウレア、(RS)−2−シアノ−N−((R)−1(2,4−ジクロロフェニル)エチル)−3,3−ジメチルブチルアミド、N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシアミド、N−(2,6−ジブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)フェニル)−2−メチル−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキシアミド、2,2−ジクロロ−N−(1−(4−クロロフェニル)エチル)−3−メチルシクロプロパンカルボキシアミド、メチル(E)−2−2−6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4−イルオキシ−フェニル−3−メトキシアクリレイト、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ(3,4−b)ベンゾチアゾール、3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド、ジイソプロピル=1,3−ジチオラン−2−イリデン−マロネート、O,O−ジプロピル−O−4−メチルチオプェニルホスフェートなどが挙げられる。
【0011】
医薬活性物質としては、塩酸テトラサイクリン、アンシピリン、ピペラシリン等の抗生物質、サリチル酸ナトリウム、スルピリン、インドメタシンナトリウム、塩酸モルヒネ等の解熱・鎮痛・消炎剤、塩酸エフェドリン、塩酸ノスカピン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸イソプロテレノール等の鎮咳去たん剤、塩酸クロルプロマジン、硫酸アトロピン等の鎮静剤、メタクロプロミド、塩酸ヒスチジン等の抗潰瘍剤、塩酸プロプラノール、塩酸アルプレノール等の不整脈治療剤、ヘキサメトニウムブロミド、塩酸クロニジン等の降圧利尿剤、ヘパリンナトリウム、クエン酸ナトリウム等の抗凝血剤が挙げられる。
【0012】
本発明における粒状物A及び/又は粒状物Bが農薬活性物質を含有する場合、粒状物は通常、固体担体に農薬活性物質を担持させる。担体としては、鉱物質担体、植物質担体、動物質担体、合成担体等が挙げられ、鉱物質担体としては、例えば、カオリナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロサイト等のカオリン鉱物、クリソタイル、リザータイト、アンチコライト、アメサイト等の蛇紋石、ナトリウムモンモリロナイト、カルシウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト等のモンモリロナイト鉱物、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、ハイデライト等のスメクタイト、パイロフィライト、タルク、蝋石、白雲母、フェンジャイト、セリサイト、イライト等の雲母、クリストバライト、クォーツ等のシリカ、アタパルジャイト、セピオライト等の含水珪酸マグネシウム、ドロマイト、炭酸カルシウム微粉末等の炭酸カルシウム、ギプサム、石膏等の硫酸塩鉱物、ゼオライト、沸石、凝灰石、バーミキュライト、ラポナイト、軽石、珪藻土、酸性白土、活性白土などが挙げられる。植物質担体としては、例えば、セルロース、籾殻、小麦粉、木粉、澱粉、糠、ふすま、大豆粉等が挙げられる。合成担体としては、例えば、湿式法シリカ、乾式法シリカ、湿式法シリカの焼成品、表面改質シリカ、加工澱粉(松谷化学製パインフロー等)などが挙げられる。これらの担体は粒状物中に、通常0.5〜99.9重量%、好ましくは25〜99.5重量%含有される。
【0013】
本発明における粒状物A及び/又は粒状物Bが肥料物質を含有する場合、粒状物は通常、肥料物質のみからなり、必要に応じて、粘結剤、安定化剤、着色剤、被覆剤等が添加されて、成型化される。
【0014】
本発明における粒状物A及び/又は粒状物Bは、粒状物が樹脂にて被覆された被覆粒状物であってもよい。該被覆における樹脂としては、例えば、ワックス、水溶性高分子、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0015】
ワックスとしては、例えば、カーボワックス、ヘキストロウ、蔗糖エステル、脂肪酸エステルなどの合成ワックス、カルナウバワックス、ミツロウ、木ロウなどの天然ワックス、パラフィンワックス、ペトロラクタムなどの石油ワックス等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレンなどのポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステルなどのビニル重合物、ブタジエン重合物、イソプレン重合物、クロロプレン重合物、ブタジエン−スチレン共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共重合物、スチレン−イソプレン共重合物などのジエン系重合物、エチレン−プロピレン共重合物、ブテン−エチレン共重合物、ブテン−プロピレン共重合物、エチレン−酢酸ビニル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸共重合物、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合物、エチレン−一酸化炭素共重合物、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭素共重合物などのポリオレフィン共重合物、塩化ビニル−ビニルアセテート共重合物、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合物などの塩化ビニル共重合物等が挙げられる。
【0016】
熱硬化性樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレア・メラミン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。ウレタン樹脂は、通常、ポリイソシアナートとポリオールとが、有機金属やアミン等の硬化剤の存在下に反応することによって生成する。ウレタン樹脂のモノマーであるポリイソシアネートとポリオールは、通常、モノマー単独、溶液、水系エマルジョン、または、有機溶剤系エマルジョン等の形態で使用される。該ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェイト、及び、これらの混合物等が挙げられる。なお、上記のポリイソシアネートモノマーに代えて、これらの変性体やオリゴマーを用いることもできる。変性体としては、アダクト変性体、ビウレット変性体、イソシアヌレート変性体、ブロック変性体、プレポリマー変性体、2量化変性体等が挙げられる。該ポリオールとしては、縮合系ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリ(メタ)アクリル酸ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、天然ポリオールやその変性物、等が挙げられる。縮合系ポリエステルポリオールは、通常、ポリオールと二塩基酸との縮合反応によって、ポリエーテルポリオールは、通常、環状オキシドの重合反応によって得られる。ポリ(メタ)アクリル酸ポリオールは、通常、ポリ(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応、(メタ)アクリル酸とポリオールとの縮合反応、または、(メタ)アクリル酸エステルモノマーの重合反応によって得られる。ラクトン系ポリエステルポリオールは多価アルコールを開始剤とするε−カプロラクタムの開環重合によって得られる。ポリカーボネートポリオールは、通常、グリコールとカーボネートとの反応によって得られ、ポリオールとしては、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレンジオール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖、および.これらのオリゴマー等が挙げられる。二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸等が挙げられる。(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタクリル酸などがー般に用いられる。エポキシ樹脂は、通常、硬化剤の存在下におけるフェノール又はアルコールとエピクロルヒドリンとの反応、硬化剤の存在下におけるカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応、硬化剤の存在下におけるアミン、シアヌル酸又はヒダントインとエピクロルヒドリンとの反応、過酢酸等の硬化剤の存在下における脂肪族環状エポキシ化合物の反応等によって生成する。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレイン型、フェノールノボラック型、オルソクレソーンノボラック型、DPPノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン型、トリグリシジルイソシアヌレート型、ヒダントイン型、アミノフェノール型、アニリン型、トルイジン型などのグリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等が挙げられる。アルキド樹脂は、例えば、多塩基酸と多価アルコールとの反応を必要に応じて天然植物油または動物脂等の変成剤、金属石鹸、皮張防止剤の存在下に行うことによって生成する。該多塩基酸としては、無水フタル酸、無水マレイン酸等が挙げられ、該多価アルコールとしては、ペンタエリストール、グリセリン等が挙げられる。該変成剤としては、例えば、大豆油、アマニ油、桐油、サフラワー油、ヤシ油、パーム油、脱水ヒマシ油等が挙げられ、該金属石鹸としては、通常、マンガン、コバルト、ジルコニウム、ニッケル、鉄、鉛等のナフテン類またはオクチル酸類、例えば、オクチル酸ジルコニウム、ナフテン酸マンガン、オクチル酸コバルト、およびそれらの混合物等が挙げられる。該皮張防止剤としては、ジペンテン、メトキシフェノール、シクロヘキサノンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、およびそれらの混合物等が挙げられる。不飽和ポリエステル樹脂は、通常、不飽和二塩基酸と二価アルコールとをビニルモノマーの存在下に反応させることによって得られる。該不飽和二塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ヘット酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、該二価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル等が挙げられる。該ビニルモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、フタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、メタクリル酸メチル等が挙げられる。フェノール樹脂は、塩酸、しゅう酸、ヘキサメチレンテトラミン等の触媒の存在下、フェノールとアルデヒドとを反応させることによって生成する。該フェノールとしては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、p−t−ブチルフェノール、レゾルシノール等が挙げられる。この反応において、酸性触媒条件下ではノボラック型フェノール樹脂が、塩基性触媒条件下ではレゾール型フェノール樹脂が得られる。ウレア・メラミン樹脂は、通常、塩基性触媒の存在下におけるウレア又はメラミンとホルマリンとの反応により生成する。
【0017】
本発明における粒状物Aは略球形状の粒状物であるが、通常、転動造粒法、圧縮造粒法、噴流造粒法等の方法により製造される。
本発明における略球形状の粒子とは、球形、卵型、立方体等の多面体の角を丸めた形状、及びそれらの形状に類似した形状の粒子である。
粒状物Aは、個々の粒子を水平面上で安定した位置で静止している状態で、該水平面に対して垂直方向への該粒子の投影画像より求められる針状比の平均が1.3以下の形状である。
針状比とは、投影画像の輪郭に接する二つの平行線の間隔が最大となる距離(以下、長径と記す。)を、同じく該投影画像の輪郭に接する二つの平行線の間隔が最小となる距離(以下、短径と記す。)で除した値である。即ち、
針状比=長径/短径
である。得られる投影画像が真円の場合、針状比の最小値である1となる。
本発明において、粒子が水平面上で安定した位置で静止している状態とは、粒子を滑らかな水平面上に置き、該水平面を上下及び水平方向に振動させた後に、該粒子が静止することのできる状態を意味する。
【0018】
粒状物Aの針状比の平均は、統計的に有意な数の粒状物Aの個々の粒子における測定結果の平均より求める。具体的には、20〜100粒の粒子を用いることにより求められる平均値が本発明においては用いられる。
粒状物Aにおける針状比の測定は、具体的には以下に示す方法により行う。粒状物Aの粒子を滑らかな水平面上に置き、該水平面に対して適度に振動を与え、個々の粒子が静止し且つ個々の粒子が互いに接触していない状態とする。次に、該水平面に対して垂直の方向から、市販の画像解析装置等を用いて該粒子の投影画像を取得する。取り込まれた該投影画像について、画像解析装置を利用して、長径及び短径を求めて、針状比を算出する。針状比を算出する際に用いられる画像解析装置としては、例えばWinROOF(三谷商事製)等の画像解析処理装置が挙げられる。
【0019】
本発明における粒状物Aは通常、全ての粒子が20mmの篩目開きの篩を通過し、体積中位径は2〜10mmの範囲である。
【0020】
本発明における粒状物Bは円柱形状の粒状物であるが、通常、押出し造粒法にて製造される。即ち、通常、加水されて適度な粘度を有する混練物を、通常0.5〜4.0φmmのスクリーンがセットされた押出し造粒機を用いて造粒し、通常100℃以下の温度にて乾燥して製造される。
粒状物Bは、円柱の平均高さが円柱の底面の平均直径に対して、2.0〜5.0倍である。平均値は統計的に有意な数の粒子における測定結果より求める。具体的には、20〜100粒の粒状肥料の粒子を用いて求められる平均値が本発明においては用いられる。
更に、粒状物Bの円柱の底面の平均直径は、形状〔A〕の90重量%の生物化成物質含有粒状物の粒子、即ち粒状物Aの90重量%が通過する篩の篩目開きの0.3〜1.0倍である。
粒状物Aの90重量%が通過する篩の篩目開きは、下記の手順にて求める。
粒状物Aを細かな目(メッシュ)の篩にかけて、その篩下重量を求める。その篩下重量が90重量%より小さい場合は、少し目の粗い篩を用いて同様に篩下重量を求めていく。そして篩下重量が90重量%以上となった篩の篩目開きを、粒状物Aが90重量%が通過する篩目開きとする。
本発明においては通常、下記の目開きの篩を用いる。
5.66、4.75、4.00、3.35、2.83、2.36、2.00、1.70、1.40 (mm)
具体的には、粒状物Aを篩に通した場合に、4.00mmの目開きの篩を全体の85重量%の粒子が通過し、4.75mmの目開きの篩を全体の90重量%の粒子が通過した場合、粒状物Aの90重量%が通過する篩の篩目開きは4.75mmである。粒状物Bの円柱の底面の平均直径は少なくとも、1.425〜3.800mmの範囲である。また、粒状物Bにおいて、円柱の底面の直径が最も小さな粒子の底面の直径を1とした場合、最も大きな底面の直径の粒子の直径は2以下である。
【0021】
粒状物A及び粒状物Bの見掛比重は通常、0.5〜1.5g/ml、好ましくは1.7〜1.3g/mlである。見掛比重は全農法により測定することができる。本発明で混合される粒状物A及び粒状物Bにおいては、各々の見掛比重の差が0.3以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2以下である。また、粒状物Aの1粒あたりの平均体積と、粒状物Bの1粒あたりの平均体積との比率は、混合した際の均一性の点から、好ましくは1:1.5〜1:50の範囲、さらに好ましくは1:1.5〜1:15の範囲である。
【0022】
本発明の組成物は、実質的に粒状物A及び粒状物Bよりなる混合物であるが、粒状物Aと粒状物Bとの混合を妨げない範囲で、粒状物A及び粒状物Bとは異なる粒状物を含有していてもよい。
本発明の組成物は、混合された粒状物Aと粒状物Bとが容易に分離することがないので、攪拌手段を有しない動力散布機のタンク内においても、分離することなく、均一に混合物を散布することが可能である。
【0023】
本発明の組成物は、粒状物A及び粒状物Bをを公知の混合機を用いて均一混合することにより、製造することができる。製造に用いることのできる混合機としては、実開昭53−90274号公報、特開2001−17847等に記載の重力落下式混合機や、V型混合機、二重円錐混合機、リボン型混合機等の動力式混合機を挙げることができる。また、製造する本発明混合物の量が少量である場合は、所定の割合の粒状物A及び粒状物Bを袋または小型容器に入れて、振り混ぜるような簡易な方法により、製造することも可能である。
粒状物Aと粒状物Bとを混合してなる本発明の組成物において、粒状物Aと粒状物Bとの重量比で、通常3:1〜1:3、好ましくは2:1〜1:2である。
【0024】
本発明混合物は、一般的な粒状肥料の包装形態に包装される。一般的な包装形態における包装材としては、クラフト袋、ポリエチレン袋、ポリエチレン内装アルミニウム袋、紙袋、ポリエチレン内装紙袋が挙げられる。その際、1包装体に詰められる組成物の量は通常、2〜60kgである。
【実施例】
【0025】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
生物活性物質として肥料物質を含有する、市販の粒状肥料または既知の方法により製造することのできる形状〔A〕の粒状肥料について、画像解析処理装置(WinROOF)を用いて針状比の平均値を求め、全農法に準じて見掛比重を測定した。
更に、数種類の目開きの篩を用いて、篩分けを行った。結果を以下に示す。
粒状物A1〜A4はいずれも、4.00mmの篩目開きの篩を90重量%が通過した。
【0026】
【表1】

*1:針状比は1.13、見掛比重は0.77;粒状尿素肥料(N=46%)。
*2:針状比は1.25、見掛比重は1.12;粒状化成肥料(N-P2O5-K2O=3%-20%-20%)。
*3:針状比は1.11、見掛比重は0.80;被覆粒状肥料(N=42%、ウレタン樹脂コート率=7%)。
*4:針状比は1.16、見掛比重は1.23;りん酸肥料(P2O5=45%)。
【0027】
参考例2
生物活性物質としてN−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキシアミド(住友化学株式会社製)50.0重量部、エマール10パウダー(花王株式会社製)4.0重量部、デモールSNB(花王株式会社製)10重量部、硫酸アンモニウム20重量部及びフバサミMクレー(フバサミクレー株式会社製)16重量部を30L型ナウタミキサーで混合後、加水混練した。これを異なる大きさのスクリーンがセットされたバスケット型押し出し造粒機を用いて押出し造粒し、次いで乾燥後、篩別して下記の4種類の形状〔B〕の農薬含有粒状物を製造した。
粒状物B1:円柱の底面の平均直径は1.5mm
粒状物B2:円柱の底面の平均直径は1.3mm
粒状物B3:円柱の底面の平均直径は0.9mm
粒状物B4:円柱の底面の平均直径は0.7mm
【0028】
参考例3
生物活性物質として2−シアノ−N−(1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル)−3,3−ジメチルブチラミドを60重量部、芳香族スルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物(商品名:デモールSN−B、花王(株)製)10重量部、ラウリル硫酸ナトリウム(商品名:エマール10パウダー、花王(株)製)4重量部及びカオリン系クレー(商品名:Aクレー、勝光山鉱業所製)26重量部をジュースミキサーでよく混合した後、エアーミルで粉砕する。該粉砕物に水18重量部を添加してよく練合する。得られた練合物を3mmφのスクリーン付き小型押し出し造粒機で造粒し、60℃で30分間乾燥後、篩別して下記の4種類の形状〔B〕の農薬含有粒状物を製造する。
粒状物B5:円柱の底面の平均直径は3.0mm
【0029】
参考例4
生物活性物質として2−シアノ−N−(1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル)−3,3−ジメチルブチラミドを3.9部、ジエチレングリコール0.2部、リグニンスルホン酸ソーダ0.2部及び合成ケイ酸カルシウム(吸収性微粉体)4部をミキサーにて混合撹拌しそれぞれを均一に分散させる。この混合物を混合物Aと称す。
粒径1.7〜4.8mmの珪砂(非吸油性粒状担体、商品名:宇部珪砂1号A、宇部サンド工業(株)製)91部を、転動造粒機内で転動させながら、これにポリビニルピロリドン(水溶性接着剤)0.35部及びポリ酢酸ビニル(水不溶性接着剤)0.15部を適量の水で分散させた接着液を加え、珪砂の表面に均一に被覆する。次いで、接着剤液で均一に被覆された珪砂に、混合物Aを加えて、乾燥し、形状〔A〕の農薬含有粒状物を製造する。
【0030】
参考例5
生物活性物質としてN−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド22重量部、ベントナイト200重量部、ソルポール5060(東邦化学製)20重量部、ゴーセノールGL−05(日本合成化学製)20重量部およびフバサミクレーA−300(フバサミクレー製)748部を2L型ナウタミキサー(細川ミクロン製)で混合後、加水混練した。これをスクリュウ式横形型押し出し造粒機(スクリーン径0.9mm又は2mm)で造粒し、次いで整粒、乾燥後、篩別して、円柱底面の平均直径が0.9mm又は2.0mmの形状〔B〕の農薬含有粒状物を得た。
【0031】
参考例6
農薬活性物質としてN−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−5−クロロ−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド22重量部、ベントナイト200重量部、ソルポール5060(東邦化学製)30重量部、ゴーセノールGL−05(日本合成化学製)20重量部およびフバサミクレーA−300(フバサミクレー製)728重量部を2L型ナウタミキサー(細川ミクロン製)で混合後、加水混練した。これをスクリュウ式横形型押し出し造粒機(スクリーン径0.9mm、2mm又は4mm)で造粒し、次いで造粒物をポリ袋中で激しく振り粒長を約1から4mmに折り整粒して、円柱底面の平均直径が0.9mm、2.0mm又は4.0mmの形状〔B〕の農薬含有粒状物を得た。
【0032】
製造例1
1Lのポリエチレン袋に、粒状物A1を50g、ついで粒状物B1を50g秤量して入れ、該ポリエチレン袋の口を密封して両手で30秒間振り混ぜて、混合組成物を調製した。
製造例2
1Lのポリエチレン袋に、粒状物A2を50g、ついで粒状物B2を50g秤量して入れ、該ポリエチレン袋の口を密封して両手で30秒間振り混ぜて、混合組成物を調製した。
製造例3
1Lのポリエチレン袋に、粒状物A3を50g、ついで粒状物B1を50g秤量して入れ、該ポリエチレン袋の口を密封して両手で30秒間振り混ぜて、混合組成物を調製した。
製造例4
1Lのポリエチレン袋に、粒状物A4を50g、ついで粒状物B2を50g秤量して入れ、該ポリエチレン袋の口を密封して両手で30秒間振り混ぜて、混合組成物を調製した。
【0033】
比較例1
1Lのポリエチレン袋に、粒状物A1を50g、ついで粒状物B3を50g秤量して入れ、該ポリエチレン袋の口を密封して両手で30秒間振り混ぜて、混合組成物を調製した。
比較例2
1Lのポリエチレン袋に、粒状物A2を50g、ついで粒状物B4を50g秤量して入れ、該ポリエチレン袋の口を密封して両手で30秒間振り混ぜて、混合組成物を調製した。
比較例3
1Lのポリエチレン袋に、粒状物A3を50g、ついで粒状物B3を50g秤量して入れ、該ポリエチレン袋の口を密封して両手で30秒間振り混ぜて、混合組成物を調製した。
比較例4
1Lのポリエチレン袋に、粒状物A4を50g、ついで粒状物B4を50g秤量して入れ、該ポリエチレン袋の口を密封して両手で30秒間振り混ぜて、混合組成物を調製した。
【0034】
試験例1
製造例1〜4及び比較例1〜4で得られた組成物を用い、異なる形状の生物活性物質含有粒状物の分離のし易さについて、下記の方法により測定した。
紙製のウエスを敷いた床面の上方向に、硝子製の漏斗(脚部の長さが55mm、脚部の内径が12mm)を、脚部下端と床面との間隔が5cmとなるように垂直に固定した。この漏斗に、組成物100gを一気に投入した。床面に形成された略円錐形状の組成物の堆積物について、中央部及び周辺部における粒状物の分布を目視にて観察した。その結果、形状の異なる2種類の粒状物の分布状態を、下記の評価基準にて評価した。
評価基準
分離がまったく認められない ○
2種類の粒子が少し分離している △
完全に2種類の粒子が分離している ×
結果を、表2に示す。
【0035】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の略球形状の生物活性物質含有粒状物と円柱形状の生物活性物質含有粒状物とが混合されてなる組成物は、異なる形状の粒状物の粒子同士が容易に分離しないので、均一性の求められる粒状物の組成物において、好ましく使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記形状〔A〕の生物活性物質含有粒状物と下記形状〔B〕の生物活性物質含有粒状物とが混合されてなる組成物。
形状〔A〕:略球形状であり、粒子が水平面上で安定した位置で静止している状態で該水平面に対して垂直方向への該粒子の投影画像より求められる針状比の平均が1.3以下である。
形状〔B〕:円柱形状であり、円柱の平均高さが円柱の底面の平均直径に対して2.0〜5.0倍であり、円柱の底面の平均直径が形状〔A〕の90重量%の生物活性物質含有粒状物の粒子が通過する篩の篩目開きの0.3〜0.8倍である。

【公開番号】特開2007−55998(P2007−55998A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22392(P2006−22392)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】