生産物を酸性浴中で殺菌するシステム及び方法
農産物を水と第1及び第2の処理酸を含む処理溶液で処理する方法及びシステムが開示される。開示の方法及びシステムは、農産物の病原菌を殺菌する及び/又は農産物の品質を維持するために使用するとき、特に有益である。開示の処理方法は、一定量の水を測定するステップ(144−158)、一定量の第1の処理酸を測定するステップ(164−178)、一定量の第2の処理酸を測定するステップ(206−220)、前記一定量の前記水、前記第1の処理酸及び前記第2の処理酸を混合して濃縮処理溶液を形成するステップ(222−228)、一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成するステップ、及び
前記生産物の表面を一定量の前記処理溶液と接触させるステップを含む。
前記生産物の表面を一定量の前記処理溶液と接触させるステップを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2010年2月26日に出願された”Systems and Methods for Sanitizing Produce in and an Acidic Bath”という名称の米国仮特許出願第61/308,807号(代理人整理番号1819K-019900US)の利益を主張するものであり、その全開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。本出願は、2009年6月24日に出願された”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Produce”という名称の米国特許出願公開第2009/0324789号(代理人整理番号18189K-015310US)、2010年12月20日に出願された”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Items”という名称のPCT/US2010/61354号(代理人整理番号18189K-019410PC)、2010年12月20日に出願された”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Sanitation and Disease Prevention”という名称のPCT/US2010/61361号(代理人整理番号18189K-019510PC)、2010年12月20日に出願された”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Items in the Food Industry and Agriculture”という名称のPCT/US2010/61366号(代理人整理番号18189K-019610PC)に関連し、これらの出願の全開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は一般に物品のサニテーションに関し、より詳しくは生産物などの食品を酸溶液の塗布により殺菌消毒するシステム及び方法に関する。
【0003】
食品媒介病原菌は重い病気を引き起こし、場合によっては死をもたらし得る。米国は世界中で最も安全な食品供給国の一つですが、依然として年間数百万件の食品による病気が発生している。一般的な食品媒介病原菌には、バチルスセレウス、カンピロバクタージェジュニ、クロストリジウムボツリヌス、クリプトスポリジウムバルバム、大腸菌O157:H7、ランブル鞭毛虫、A型肝炎、リステリアモノサイトゲネス、ノロウィルス、サルモネラ菌、ブドウ球菌、赤痢菌、トキソプラズマ原虫、ビブリオ菌及びエルシニア菌がある。このリストの食品媒介病原菌と関連する不快な症状には、腹部痙攣、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、倦怠感、口の渇き、複視、筋麻痺、呼吸不全、脱水症、食欲不振、出血性大腸炎、溶血性尿毒症症候群、発熱、不快感、腹部不快感、髄膜炎、敗血症、流産、腹痛、悪寒、疲労、出血、リンパ腺の腫れ、筋肉痛及び小腸結腸炎がある。
【0004】
フルーツ及び野菜などの農産物の表面から病原菌を除去又は減少させる既存の方法は、病気を引き起こす及び/又は農産物を腐らせる可能性のある病原菌を適切に抑制することができない。従って、農産物の病原体を殺菌する新しい改善されたシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の基本的な理解を与えるために以下に本発明のいくつかの実施例の簡単な要約を示す。この要約は本発明の広範な概説ではない。これは本発明の主要/重要な要素を特定すること又は本発明の範囲を限定することを意図するものではない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの実施例を簡略化して示すことにある。
【0006】
農産物(例えばフルーツ及び野菜)を殺菌しその品質を維持するシステム及び方法を開示する。開示するシステム及び方法は、”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Produce”という名称の米国特許出願公開第2009/0324789号、”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Items”という名称のPCT/US2010/61354号、”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Sanitation and Disease Prevention”という名称のPCT/US2010/61361号、及び”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Items in the Food Industry and Agriculture”という名称のPCT/US2010/61366号に開示されている処理溶液とともに使用すると特に有用である。
【0007】
多くの実施例においては、濃縮処理溶液を用意し、殺菌処理に使用する一以上の生産物処理ラインに供給する。濃縮処理溶液は適切なレベルに希釈した後に、得られた処理溶液を殺菌処理に使用する。システムから濃縮処理溶液及び/又は得られた処理溶液をパージする設備及び濃縮処理溶液及び/又は得られた処理溶液のpHを汚水処理施設に排出する前に殆どの都市下水処理施設に受入可能なレベル(例えば5.0の最低pH)に上昇させる設備を開示する。
【0008】
開示するシステム及び方法によれば、正確に制御され、効率がよく、費用効果が高く、維持管理し易い方法で農産物を殺菌及び/又は農産物の品質を維持することができる。開示する濃縮処理溶液のバッチ処調製によれば、精密に制御された一定量の濃縮処理溶液を高速に調製することができる。調製されるバッチのサイズ及び時間は濃縮処理溶液の使用率に合わせることができる。調製された濃縮処理溶液の貯蔵タンクは濃縮処理溶液の調整されたバッチの貯蔵容器を提供するために使用することができ、そこから濃縮処理溶液を一以上の農産物処理ラインに供給することができる。多くの実施例においては、混合タンクと結合されたロードセルが個別のバッチ内の濃縮処理溶液の構成要素(例えば、水、乳酸(LA)、過酢酸(PAA))の量を監視し制御する手段を提供し、それによって濃縮処理溶液のバッチの高速調製がもたらされる。多くの実施例では、個別のバッチからの濃縮処理溶液のサンプルの分析を用いて、バッチ内の構成要素の濃度を微調整するためにどのくらいの水、乳酸及び/又は過酢酸を加えるべきかを決定することができる。例えば、バッチからのサンプルの実験室(ラボ)試験及び/又は電子モニタリングを用いて、バッチ内の乳酸及び/又は過酢酸の現在濃度を決定し、それによって所望の濃度レベルを達成するためにバッチに加えるべき水、乳酸及び/又は過酢酸の量の決定が可能になる。開示するパージング及び廃水処理によれば、得られた排水の費用効果の高い廃棄に加えて、システムから未使用の濃縮処理溶液及び/又は処理溶液を移動させることができる。
【0009】
従って、第1の態様として、農産物を処理する方法が開示される。本処理方法は、水の量を一定量の水を測定するステップ、一定量の第1の処理酸を測定するステップ、一定量の第2の処理酸を測定するステップ、前記一定量の前記水、前記第1の処理酸及び前記第2の処理酸を混合して濃縮処理溶液を形成するステップ、一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成するステップ、及び前記生産物の表面を一定量の前記処理溶液と接触させるステップを含む。
【0010】
前記一定量の水、記第1の処理酸及び第2の処理酸の混合は州の方法で達成できる。この混合は、例えば混合タンクで達成できる。前記一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸の各々は、前記一定量を添加する前と、前記混合タンクに前記一定量の添加中及び/又は添加後の前記混合タンク及び前記混合タンクの中身の重さを計量することによって決定することができる。
【0011】
混合後、得られた濃縮処理溶液は処理ラインに分配する前に貯蔵タンクに移送し、そこで濃縮処理溶液を希釈して生産物の処理に使用する処理溶液を形成することができる。例えば、再循環ループを用いて貯蔵タンクから濃縮処理溶液を処理ラインと制御流体連通された少なくとも一つの分配出口に循環させ、分配されなかった濃縮処理溶液は貯蔵タンクに戻すことができる。
【0012】
濃縮処理溶液のサンプルを分析してサンプル内の第1の処理酸及び第2の処理酸の濃度を決定することができる。サンプルは、例えば第1の処理酸が乳酸(LA)で、第2の処理酸がペルオキシ酢酸(PAA)である場合には、物理的に抽出して実験室で分析することができる。サンプルは、例えば第2の処理酸がペルオキシ酢酸である場合には適切な市販の測定装置によって分析することができる。
【0013】
処理溶液中の第1及び第2の処理酸の濃度は適切な範囲に制御することができる。例えば、第1の処理酸が乳酸で、第2の処理酸がペルオキシ酢酸である場合には、処理溶液中の乳酸の濃度は850パーツ・パー・ミリオン(ppm)〜10,000ppmに制御するのが好ましく、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmに制御するのが好ましい。より好ましくは、処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600ppmに制御され、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmに制御される。
【0014】
濃縮処理溶液は、処理溶液中の処理酸の適切な濃度を維持するために、処理装置に適切なレートで移送することができる。例えば、濃縮処理溶液が処理装置に移送されるレートは、処理装置で処理される生産物の品目、生産物の品目が前記処理装置で処理される速度及び生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して設定することができる。濃縮処理溶液が処理装置に移送されるレートは、処理溶液中の処理酸の測定濃度に応答して、例えば第1の処理酸がLAを含み、第2の処理酸がPAAを含む場合には、処理溶液中のPAA及び/又はLAの測定濃度に応答して調整することもできる。
【0015】
処理装置内の処理溶液は中和後、例えば廃水処理施設に排出することができる。例えば、中和剤を処理ライン内の一定量の処理溶液に加えて中和前の処理溶液より高いpHを有する中和された処理溶液を形成することができる。そして、中和された処理溶液を処理ラインから排出することができる。
【0016】
多量(例えば、未使用量)の濃縮処理溶液を中和し、例えば廃水処理施設に排出することができる。例えば、一定量の濃縮処理溶液をパージタンクに移送することができる。中和剤(例えば、苛性ソーダ(NaOH)をパージタンクに加えて中和前の一定量の濃縮処理溶液より高いpHを有する中和された濃縮処理溶液を形成することができる。
【0017】
別の態様として、農産物を処理するシステムが開示される。本システムは、混合サブシステムと、前記混合サブシステムと制御流体連通された処理サブシステムとを備え、前記処理サブシステムは、前記混合サブシステムから受け取った一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成し、前記生産物の外表面を一定量の前記書利用液と接触させるように構成される。混合サブシステムは、一定量の水、一定量の第1の処理酸及び一定量の第2の処理酸を混合して濃縮処理溶液を調製する。
【0018】
混合サブシステムは、混合タンクと、前記混合タンクと水入口装置(例えば制御可能な弁、計量ポンプ)を介して流体連通され、一定量の水を混合タンクに移送する水源と、第1の処理酸を保有する第1のコンテナであって、混合タンクと第1のポンプを介して流体連通され、第1のコンテナから混合タンクへ一定量の第1の処理酸を移送する第1のコンテナと、第2の処理酸を保有する第2のコンテナであって、混合タンクと第2のポンプを介して流体連通され、第2のコンテナから混合タンクへ一定量の第2の処理酸を移送する第2のコンテナと、を含むことができる。混合タンクは一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸を混合して濃縮処理溶液を形成する。
【0019】
混合サブシステムは、一定量の水、一定量の第1の処理酸及び一定量の第2の処理酸を決定する少なくとも一つの重量測定装置を使用することができる。前記一定量の各々は、前記一定量を添加する前と、前記混合タンクに前記一定量の添加中及び/又は添加後の前記混合タンク及び前記混合タンクの中身の重さを計量することによって決定することができる。
【0020】
前記システムは濃縮処理溶液用の貯蔵タンクを含むことができる。この貯蔵タンクは混合タンクと制御流体連通され、混合タンクから一定量の濃縮処理溶液を受け取ることができる。
【0021】
前記システムは、貯蔵タンクから受け取った一定量の前記濃縮処理溶液を循環して貯蔵タンクに戻す再循環ループを含むことができる。処理サブシステムは、希釈される一定量の濃縮処理溶液を再循環ループの出口から受け取ることができる。
【0022】
前記システムは、濃縮処理溶液及び/又は処理溶液を廃水処理施設に排出する前に中和する中和サブシステムを含むことができる。例えば、前記中和サブシステムは、処理溶液及び/又は濃縮処理溶液に中和剤を添加して中和溶液を形成するように構成することができる。中和サブシステムは、例えば一定量の処理溶液及び/又は濃縮処理溶液と添加された中和剤を受け取るパージタンクを含むことができる。中和された溶液はその後中和サブシステムから排出することができる。
【0023】
処理溶液中の第1及び第2の処理酸の濃度は適切な範囲に制御することができる。例えば、第1の処理酸が乳酸で、第2の処理酸がペルオキシ酢酸である場合には、処理溶液中の乳酸の濃度は850ppm〜10,000ppmに制御するのが好ましく、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmに制御するのが好ましい。より好ましくは、処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600ppmに制御され、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmに制御される。
【0024】
濃縮処理溶液は、処理溶液中の処理酸の適切な濃度を維持するために、処理サブシステムに適切なレートで移送することができる。例えば、濃縮処理溶液が処理サブシステムに移送されるレートは、処理サブシステムで処理される生産物の品目、生産物の品目が処理サブシステムで処理される速度及び生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して設定することができる。濃縮処理溶液が処理サブシステムに移送されるレートは、処理溶液中の処理酸の測定濃度に応答して、例えば第1の処理酸がLAを含み、第2の処理酸がPAAを含む場合には、処理溶液中のPAA及び/又はLAの測定濃度に応答して調整することもできる。
【0025】
更に別の態様として、生産物を処理する装置が開示される。本装置は、処理溶液を循環させる流体回路、前記生産物の外表面を前記処理溶液と接触させる洗浄ステーション、前記循環処理溶液への第1の処理酸及び第2の処理酸を含む濃縮処理溶液の添加を制御する第1の制御可能な入口装置、及び前記循環処理溶液への水の添加を制御する第2の制御可能な入口装置を含む。前記第1及び第2の入口装置は前記循環処理溶液中の処理溶液の前記濃縮処理溶液の濃度を調整するように制御される。
【0026】
処理溶液中の第1及び第2の処理酸の濃度は適切な範囲に制御することができる。例えば、第1の処理酸が乳酸で、第2の処理酸がペルオキシ酢酸である場合には、処理溶液中の乳酸の濃度は850ppm〜10,000ppmに制御するのが好ましく、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmに制御するのが好ましい。より好ましくは、処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600ppmに制御され、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmに制御される。
【0027】
濃縮処理溶液は、処理溶液中の処理酸の適切な濃度を維持するために、処理装置に適切なレートで移送することができる。例えば、濃縮処理溶液が処理装置に移送されるレートは、処理装置で処理される生産物の品目、生産物の品目が前記処理装置で処理される速度及び生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して設定することができる。濃縮処理溶液が処理装置に移送されるレートは、処理溶液中の処理酸の測定濃度に応答して、例えば第1の処理酸がLAを含み、第2の処理酸がPAAを含む場合には、処理溶液中のPAA及び/又はLAの測定濃度に応答して調整することもできる。
【0028】
本発明の特徴及び利点の完全な理解のために、次の詳細な説明及び添付図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】多くの実施例に係る、農産物サニテーションシステムにおける乳酸及びペルオキシ酢酸を含む濃縮処理溶液の調製及び分配を示すフローチャートである。
【図2】多くの実施例に係る、水、乳酸及びペルオキシ酢酸からなる濃縮処理溶液を調製し分配する混合サブシステムを概略的に示す。
【図3a】図2の混合サブシステムに係る、バッチ混合塔プラットフォームアセンブリの正面図である。
【図3b】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリの左側面図である。
【図3c】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリの右側面図である。
【図3d】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリの背面面図である。
【図3e】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリの平面図である。
【図3f】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリのA−A断面を示す。
【図4a】多くの実施例に係る、2つの混合タンク及び関連する貯蔵タンクを備え、水、乳酸及び過酢酸を含む濃縮処理溶液を調整する混合サブシステムの一部を示す。
【図4b】多くの実施例に係る、2つの混合タンク及び関連する貯蔵タンクを備え、水、乳酸及び過酢酸を含む濃縮処理溶液を調整する混合サブシステムの他の一部を示す。
【図5】図4a及び4bの混合サブシステムに係るバッチ混合塔プラットフォームの斜視図である。
【図6a】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図6b】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図6c】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図6d】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図6e】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図7−1】7a〜7cは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−2】7d〜7eは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−3】7f〜7gは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−4】7h〜7iは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−5】7j〜7kは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−6】7l〜7mは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図8】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する例示的な処理ラインを示す。
【図9】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する別の例示的な処理ラインを示す。
【図10】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する更に別の例示的な処理ラインを示す。
【図11】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する更に別の例示的な処理ラインを示す。
【図12a】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する更に別の例示的な処理ラインの一部を示す。
【図12b】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する更に別の例示的な処理ラインの他の一部を示す。
【図13】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液及び/又は処理溶液に中和剤を加えて廃水処理施設に排出し得る中和された溶液を形成するように動作する中和サブシステムを示す。
【図14】aは、多くの実施例に係る、角切りロメーヌレタスの処理中の600ガロンの処理溶液中の乳酸の消費率を示す。bは、多くの実施例に係る、角切りロメーヌレタスの処理中の600ガロンの処理溶液中のペルオキシ酢酸の消費率を示す。cは、多くの実施例に係る、みじん切りロメーヌレタスの処理中の処理溶液中のペルオキシ酢酸の消費率及び関連するpHの変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明の種々の実施例が記載される。説明の目的で、これらの実施例の完全な理解を提供するために特定の構成及び細部が説明される。しかしながら、本発明は特定の細部の説明がなくても実施することができる。更に、周知の特徴は実施例の説明を不明瞭にしないように省略又は簡略化されている。
【0031】
サニテーションシステムの最上位構成
【0032】
図面を参照して説明すると、全図を通して同等の部分は同等の参照番号で示されており、図1はフルーツ及び野菜などの農産物を殺菌するために使用できる本発明によるサニテーションシステム10を概略的に示す。サニテーションシステム10は、濃縮処理溶液調製サブシステム12、配送サブシステム14、処理サブシステム16及びパージサブシステム18を含む。濃縮処理溶液調製サブシステム12は、水22、乳酸(LA)24及びペルオキシ酢酸(PAA)26(過酢酸としても知られている)を含む水性処理溶液20を調製する。濃縮処理溶液20は配送サブシステム14により処理サブシステム16に供給される。処理サブシステム16は濃縮処理溶液20を希釈して処理溶液を形成し、その処理溶液を用いて農産物を処理する。処理サブシステムは農産物を処理するために使用する一以上の処理ライン28(例えば、図に示すように5つの処理ライン(T2〜T6))を含む。パージサブシステム18は、濃縮処理溶液調製サブシステム12からパージされる濃縮処理溶液20及び/又は処理サブシステム16からパージされる処理溶液を受取り処理し、得られた廃水を例えば都市下水処理施設などの廃水処理施設に排出する。サニテーションシステム10を水、LA及びPAAからなる処理溶液について説明したが、サニテーションシステム10は他の適切な処理溶液、例えば参照することにより組み込まれる前記刊行物に開示される他の処理溶液とともに使用するように適合させることができる。
【0033】
濃縮処理溶液調製サブシステム
【0034】
濃縮処理溶液調製サブシステム12は冷水弁34を介してスケールタンク32と制御流体連通された冷水源30、LAポンプ38を介してスケールタンク32と制御流体連通されたLAコンテナ36(例えば、300ガロンの中間バルクコンテナ(IBC))、及びPAAポンプ42を介してスケールタンク32と制御流体連通されたPAAコンテナ40(例えば4つを1つのプラスチックパレットに束ねた55ガロンのドラム缶)を含む。冷水弁34、LAポンプ38及びPAAポンプ42は、制御された量の水、LA及びPAAをスケールタンク32に加えるために選択的に制御される。図2に示されるように、スケールタンク32は、スケールタンク32の重量の変化を検出し、スケールタンク32に加えられる水の重量、スケールタンク32に加えられるLAの重量、及びスケールタンク32に加えられるPAAの重量を決定するために使用されるロードセル44により支持される。
【0035】
スケールタンク32は、図1に示されるようにサンプルポンプ48を介して、又は図2に示されるように一以上の弁を介して、PAA測定装置46と制御流体連通される。適切な市販のPAA測定装置46、例えばドイツ国、69123ハイデルベルグ、シューマッハ通り5−11所在のプロミネント・ドジーアテクニク社から市販されているPAA測定及び制御パネルを使用することができる。PAA測定装置46は、PAAの濃度を目標範囲内に調整するためにスケールタンクに追加のPAA又は水を加える必要があるかどうかを決定するために、得られる濃縮処理溶液中のPAA濃度を検査するのに使用できる。得られる濃縮処理溶液中のLA及び/又はPAAの濃度を決定するために、得られる濃縮処理溶液中のサンプル49を実験室(ラボ)分析用に取り出すこともできる。
【0036】
スケールタンク32は移送弁52を介して貯蔵タンク50と制御流体連通される。混合プロセスの終了後に、得られた濃縮処理溶液は貯蔵タンク50に移送することができる。貯蔵タンク50は配送サブシステム14内の一以上の溶液ポンプを介して処理サブシステム16と制御流体連通される。多くの実施例においては、溶液ポンプは2つの並列溶液ポンプ54,56(例えば、隔膜ポンプ、圧力調整可変速度遠心力ポンプ)を含み、一つのポンプが修理又は交換中のときも濃縮処理溶液を処理サブシステム16に送り続ける能力を与える。多くの実施例においては、貯蔵タンク50の容量は、濃縮処理溶液のバッチを貯蔵タンク50に配送するタイミングに若干の柔軟性を与える量だけスケールタンク32の容量より大きくする。例えば、貯蔵タンク50の容量はスケールタンク32の容量の2倍にすることができる(例えば60ガロンのスケールタンクと120ガロンの貯蔵タンク、110ガロンのスケールタンクと225ガロンの貯蔵タンクなど)。
【0037】
濃縮処理溶液調製サブシステム12の動作を制御するためにプログラマブルロジックコントローラ(PLC)制御パネル58が使用される。PLC制御パネル58は、ロードセル44に接続されたロードセルパネル60と、溶液ポンプ54,56を駆動する空気アクチュエータ62,64と、貯蔵タンク50の移送ラインの下流に接続された圧力トランスデューサ66と、PAA測定装置46と、スケールタンクミキサ68と、貯蔵タンクミキサ70と、サンプルの分析中に使用されるPAA測定装置46内のモータ72と、貯蔵タンクレベルセンサ74と、空気圧制御パネル76とに接続される。PLC制御パネル58はロードセルパネル60、圧力トランスデューサ66及びレベルセンサ74から対応するデータを受信する。例えば、圧力トランスデューサ66で測定された下流ライン内の圧力はスクリーン上に表示することができ、下流ライン内の低い圧力に応答してアラームを駆動することができる。PLC制御パネル58は、スケールタンクミキサ68の動作、貯蔵タンクミキサ70の動作、PAA測定装置46内のモータ72の動作を制御し、更に空気アクチュエータ62,64を介して溶液ポンプ54,56の動作を制御するとともに空気圧制御パネル76を介して濃縮処理溶液調整サブシステム12の種々の空気圧で駆動されるコンポーネントの動作を制御する。
【0038】
空気圧制御パネル76は濃縮処理溶液調製サブシステム12の空気圧で駆動されるコンポーネントへの圧縮空気の分配を選択的に制御する。空気圧制御パネル76は圧縮空気源78に接続される。空気圧制御パネル76はPLC制御パネル58により制御される電気ソレノイド空気弁(図示せず)を含み、種々の空気圧で駆動されるコンポーネントへの圧縮空気の分配を制御する。空気圧制御パネル76を介して制御される濃縮処理溶液調製サブシステム12の種々の空気圧駆動コンポーネントは、高速注水弁80、低速注水弁82、移送弁52、LAポンプ38、PAAポンプ42、溶液ポンプ54,56、及びバージサブシステム18内の苛性ソーダポンプ84を含む。高速注水弁80及び低速注水弁82は冷水源30からスケールタンク32への水の流れを制御する。高速注水弁80の開くと、低速注水弁82を開いたときより高い流量で冷水をスケールタンク32に注入することができる。LAポンプ38、PAAポンプ42、溶液ポンプ54,56、及び苛性ソーダポンプ84は空気圧で駆動されるポンプとすることができる。LAポンプはLAコンテナからLAをスケールタンクに移送する。PAAポンプはPAAコンテナからPAAをスケールタンクに移送する。溶液ポンプは貯蔵タンクから濃縮処理溶液を処理サブシステム16に移送し、苛性ソーダポンプ84は苛性ソーダコンテナ86から苛性ソーダをパージタンク88及び個々の処理ライン28に移送する。
【0039】
図3a〜3fは濃縮処理溶液調製サブシステム12に基づくバッチ混合塔プラットフォームアセンブリ100を示す。図3aは混合塔100の正面図である。混合塔100は貯蔵タンク50の上方にスケールタンク32を支持するフレーム102を含む。スケールタンク32を貯蔵タンク50の上方に置くことによって、スケールタンクから貯蔵タンクへの新たに混合された濃縮処理溶液の重力による移送が得られる。PAA測定装置46はフレーム102に、アクセスし易い適切な高さに装着される。図3bは混合塔100の左側面図であり、スケールタンク32内の混合プロペラ104を駆動するスケールタンクミキサ68の装着及び貯蔵タンク50内の混合プロペラ106を駆動する貯蔵タンクミキサ70の装着を示す。溶液ポンプ54,56は貯蔵タンク50のほぼ真下に隣接して装着される。図3cは混合塔100の右側面図であり、濃縮処理溶液調製サブシステム12のいくつかのコンポーネントの混合塔100への装着を示す。例えば、PAA測定装置46は混合塔100の前面に装着される。空気圧制御パネル76、ロードセルパネル60及びPLC制御パネル58は混合塔の右側面に装着される。図3dは混合塔100の背面図である。階段108はスケールタンク及び関連するコンポーネントへのアクセスを可能にする。図3eは混合塔100の平面図である。図3fは図3aの区分A−Aを示す。区分A−Aは溶液ポンプ54,56が入口側遮断弁110及び出口側遮断弁112とともに並列に配置されることを示し、この並列配置は一方の溶液ポンプを(例えばメインテナンス、修理、取り換えのために)遮断しながら他方の溶液ポンプを貯蔵タンクから処理サブシステムへ処理溶液を移送するために使用することを可能にする。
【0040】
濃縮処理溶液調製サブシステムで使用するLA及びPAAは最低限の保存残量を維持するように選択された頻度で供給される。PAAは、例えば1つのパレットに結束された4つの55ガロンドラムに15%の濃度で受け入れることができる。LAは、例えば300ガロンの中間バルクコンテナ(IBC)に88%の濃度で受け入れることができる。薬品供給業者には、各コンテナに密閉移送ディスペンサを設けることを要求することができる。空のLA及びPAAコンテナは薬品供給業者に再利用することができる。LA及びPAAに対して様々な使用率が可能である。例えば、一つの代表的な使用率では、予想される消費率は4~5日につき1ドラムのPAA及び同1IBCのLAである。薬品(例えば、LA,PAA、苛性ソーダ)の適切な貯蔵法を使用することができる。例えば、薬品は原料倉庫内に位置するスピルコンテインメント(飛散防止)ユニット上に華氏34〜39度の温度で貯蔵することができる。様々な量の薬品を貯蔵できる。例えば、代表的な原料倉庫には、2パレット(8ドラム)のPAA及び3IBCのLAを貯蔵する設備が設けられる。
【0041】
薬品を取り扱う際、適切な安全対策を利用できる(すべきである)。例えば、オペレータは移送ホースを各PAAドラム及び各LAタンクに設置された密閉移送ディスペンサに接続することができる。LAコンテナをPAAコンテナから最低8フィート離すことができ、フロアベンチレーショによりPAAコンテナから放出されるガスをウォータースクラバ内に排出することができる。全身保護ギアを着た訓練された人しか薬品を取り扱うことは許されない。緊急流出は地元の消防署員によって処置される。
【0042】
多くの実施例では、スケールタンク内の水とLAとPAAの混合は重量ベースでコンピュータ制御される。スケールタンクは、2種類の酸を水と混合して処理サブシステムで使用する処理溶液の100倍以上の高濃度の濃縮処理溶液を精製するために使用することができる。多くの実施例では、100倍濃度の濃縮処理溶液は25%LA及び0.75%PAAに等しい。いくつかの実施例では、スケールタンクは60ガロンの容量を有し、ロードセルの上に取り付けられ、120ガロンの貯蔵タンクの上方に位置する。他の実施例では、スケールタンクは110ガロンの容量であり、ロードセルの上に取り付けられ、225ガロンの貯蔵タンクの上方に位置する。各LA及びPAAコンテナは使用前にサンプリングして分配する酸の濃度を確かめるためにことができる。測定された濃度はPLC制御パネル58に入力することができる。オペレータは所望のバッチ量をタッチスクリーンモニタでPLC制御パネルに入力し、開始アイコンにタッチして混合サイクルを開始させることができる。バッチ量の選択は最高50ガロンと最低30ガロンの間に制限することができる。最高50ガロンの使用はスケールタンクに適切な保存容量を残すことができる。最低30ガロンの使用は最小バッチ量に対して許容精度を保証することができる。PLC制御パネルは3つの材料に対する重量設定点を計算し、高速注水弁80を(いくつかの実施例では低速注水弁82も)開いてタンクへの注水を開始する。スケールタンク内の水重量が水に対する設定点の90%に到達するとき、高速注水弁を閉じ、低速注水弁をまだ開いていなければ開くことができる。スケールタンク内の水の高さが設定点に到達するとき、低速注水弁を閉じることができる。
【0043】
多くの実施例では、LAポンプ38及びPAAポンプ42は2つの速度を有する空気駆動二重隔膜ポンプである。先ず、スケールタンクへのLAの移送を最初に高い流量で作動するLAポンプによって実行することができる。スケールタンク内のLAの重量がLAの設定点の例えば90%に到達するとき、LAポンプを低い流量に切り替えてスケールポンプ内のLAの重量が設定点に到達するまで動作させることができる。次にPAAを最初に高い流量で動作するPAAポンプによってスケールタンクに移送させることができる。スケールタンク内のPAAの重量がPAAの設定点の例えば90%に到達するとき、PAAポンプを低い流量に切り替えてスケールポンプ内のPAAの重量が設定点に到達するまで動作させることができる。サンプリングポンプ48がスケールタンクからの混合物のサンプルをPAA測定装置に循環させてサンプルのpHを測定する前に、スケールタンクミキサ68を用いてスケールタンク内の混合プロペラ104を駆動して水と2つの酸を設定時間の間混合することができる。LA含有量の実験室滴定測定のためにサンプルを抽出することもできる。LA濃度が正しいことが確認されたとき、混合サイクルを手動的に再開始することができ、プロペラミキサを停止し、PAA測定装置を使用する化学的測定を繰り返すことができる。多くの実施例では、PAA測定装置は10,000ppmプロミネントセンサを含む。
【0044】
スケールタンクから貯蔵タンクへの新しく混合されたバッチの濃縮処理溶液の移送前に、PLC制御パネルは、スケールタンク内の流体の全量を受け入れるために十分な容量が貯蔵ランクに利用可能であることを(貯蔵タンク内のレベルセンサ74により)確認することができる。十分な量が存在する場合、モニタがその状態を表示し、オペレータはタッチスクリーン上のボタンアイコンにタッチして移送弁を開き、スケールタンクと貯蔵タンクとの間で重力による移送を実行することができる。
【0045】
濃縮処理溶液の各バッチに対するデータはメモリに記憶することができる。例えば、バッチサイズ、濃度設定点、入力酸濃度、測定成分重量、pH及びPAA濃度測定値、日付、バッチ番号及び/又は移送時刻をメモリに記憶することができる。
【0046】
PLC制御パネルは、水,LA及び/又はPAAをスケールタンクに移送するプロセス中に低速注水弁が閉じるとき及び/又はLA及び/又はPAA移送ポンプが停止するときに、スケールタンクに到達しなかった低速注水弁、LA移送ポンプ及び/又はPAA移送ポンプの下流の流体を考慮するアルゴリズムを実施することができる。例えば、スケールタンクにまだ到達してない対応する弁又はポンプの下流の流体は、低速注水弁を閉じるタイミング及び/又はLA及びPAA移送ポンプを停止するタイミングを決定するときに考慮することができる。このような調整は最初手動的に入力することができるが、先行バッチからの対応する重量データに基づいて自動化することができる。ロードセルコントローラ60は反復外部妨害の雑音を有効に除去する振動相殺機能を含むことができる。
【0047】
濃縮処理溶液の様々な1日当たりの使用量が可能であるが、一つの代表的な1日当たりの使用量は250ガロン(例えば5つの50ガロンバッチ)である。混合及び移送処理の全自動化は、例えばPLC制御パネルを用いて実現することができる。
【0048】
図4a及び4bは、2つのスケールタンク32及び関連する2つの貯蔵タンク50を使用する混合サブシステム114を示す。2つのスケールタンク及び関連する貯蔵タンクは濃縮処理溶液を生成する並列冗長容量を提供する。混合サブシステム114は図1の混合サブシステム10に類似のコンポーネントを含むことができる。このような類似のコンポーネントの上記の考察はこの例にも適用可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0049】
しかしながら、混合サブシステム114は図1及び図2の混合サブシステムに対していくつかの顕著な差異を有する。例えば、混合サブシステム114は混合タンクに隣接して位置する絞り弁115を設けることによって、絞り弁が閉じたとき絞り弁と混合タンクとの間に位置するLA及び/又はPAAの量を制限し、それにより絞り弁の閉鎖後に混合タンクに流入するLA及び/又はPAAの量を制限することができる。混合サブシステム114は更に、貯蔵タンクからの濃縮処理溶液を受け取り、分配出口117を通過して貯蔵タンクへ循環して戻す再循環ループ116を使用する。更に、混合サブシステム114は圧力調整可変速度遠心分配ポンプ118を使用し、このポンプは分配出口117において濃縮処理溶液の適切な圧力を発生するように調整される。2つの混合タンク及び関連する2つの貯蔵タンクの適切な並列配置のために、混合サブシステム114は、図1及び図2の混合サブシステムと同様に、メインテナンス活動中も連続動作を与えるという同じ機能を達成する。
【0050】
図5は濃縮処理溶液調製サブシステム114に従うバッチ混合塔プラットフォームアセンブリ119の斜視図である。バッチ混合塔プラットフォームアセンブリ119は図1の混合サブシステム10に類似のコンポーネントを含む。類似のコンポーネントは同じ参照番号が付されている。このような類似のコンポーネントの上記の考察はこの図にも適用可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0051】
図6a〜6eは多くの実施例に係る濃縮処理溶液調製サブシステム12の混合アルゴリズム120を示す。ステップ122及び124において、操作変数及び操作値(例えば、濃縮処理溶液のLA濃度(ppm)、濃縮処理溶液のPAA濃度(ppm)、LAコンテナ内のLA濃度、PAAコンテナ内のPAA濃度、注入速度シフト点、時間遅延、及び/又はスケールタンクへの成分流体の移送中の空気内の流体を考慮するために使用される「プレアクト重量(preact weight)」)がPLC制御パネル内のメモリに入力される。ステップ126において、これらの操作変数及び操作値は、例えばオペレータがそれらを確認する手段を提供するために、表示することができる。
【0052】
ステップ128において、バッチサイズが入力され、ステップ130においてバッチの実行パラメータを計算するために使用される。ステップ132において、水、LA及びPAAに対する目標重量が、例えばオペレータ確認を可能にするために表示される。
【0053】
ステップ134はスケールタンクへの水の注入の開始を示す。ステップ136〜140はスケールタンクを混合処理の開始時に空にするものである。ステップ136において、スケールタンクと貯蔵タンクとの間の移送弁が開かれる。移送弁は、ステップ138に示すように、例えば10秒間開いたままにされる。次いで移送弁はステップ140において閉じられる。
【0054】
ステップ142及び144において、次に加えられる水の量を決定するためにスケールタンクの空の重量がスケールコントローラで決定される。ステップ146において、スケールタンクに水を高い流量で加えるために高速注水弁及び低速注水弁の両方が開かれる。ステップ148において、スケールコントローラがスケールタンク内の水の重量を監視し、ステップ150において水の重量が設定点の例えば90%に達するとき、ステップ152において高速注水弁を閉じる。ステップ154においてスケールタンク内の水重量が設定点に達するとき、ステップ156において低速注水弁を閉じる。ステップ158において、測定された水の重量及び目標重量を表示する。
【0055】
ステップ160はスケールタンクへのLAの注入の開始を示す。ステップ162及び164において、スケールコントローラが次に加えられるLAの量を決定するためにスケールタンクおよび水の基準開始重量を決定する。ステップ166において、スケールタンクにLAを加えるためにLAポンプが高い流量で運転される。ステップ168において、スケールコントローラがスケールタンクに加えられるLAの重量を監視する。ステップ170においてLAの重量が設定点の例えば90%に達するとき、ステップ172においてLAポンプは低い流量で動作するように切り替えられる。ステップ174においてスケールタンク内のLAの重量が設定点に達するとき、ステップ176においてLAポンプが停止される。ステップ178において、測定されたLAの重量及び目標重量が表示される。
【0056】
ステップ180〜200において、水とLAが混合され、得られた混合物のサンプルが抽出され、そのLA濃度を決定するために分析される。ステップ180〜186において、上部タンクミキサによって水とLAが一定期間、例えば約60秒間混合される。ステップ188〜196において、サンプルポンプによって水とLAの混合物のサンプルが分析のために抽出される。次に、サンプル内のLAの決定された濃度がステップ198において入力され、次いで「PAAを加えることができる」というメッセージがステップ200において表示される。
【0057】
ステップ202はスケールタンクへのPAAの注入の開始を示す。ステップ204及び206において、スケールコントローラによって、次に加えられるPAAの量を決定するためにスケールタンクと水とLAの基準開始重量が決定される。ステップ208において、スケールタンクにPAAを加えるためにPAAポンプが高い流量で運転される。ステップ210において、スケールコントローラによって、スケールタンクに加えられるPAAの重量が監視される。ステップ212においてPAAの重量が設定点の例えば90%に達するとき、ステップ214においてPAAポンプが低い流量で動作するように切り替えられる。ステップ216においてスケールタンク内のPAAの重量が設定点に達するとき、ステップ218においてPAAポンプが停止される。ステップ220において、測定されたPAAの重量及び目標重量が表示される。
【0058】
ステップ222〜238において、水とLAとPAAが混合され、実験室分析及び/又はPAA測定装置による分析のためにサンプルが抽出される。ステップ222〜228において、上部タンクミキサが一定期間、例えば約60秒間運転される。ステップ230〜238において、サンプルポンプによって水とLAとPAAの混合物のサンプルがサンプル内のPAA濃度を決定する分析のために抽出される。PAA濃度は実験室分析及び/又はPAA測定装置による分析によって決定することができる。得られたPAA濃度は、必要に応じ(例えば、実験室分析により得られたとき)、ステップ240において入力することができる。ステップ242において、バッチ内の得られたPAAの濃度はPAAの許容範囲と一緒に表示される。許容範囲内であれば、バッチはステップ244において受理され、ステップ246において貯蔵タンクへの移送が可能であることが指示される。
【0059】
ステップ248はスケールタンクから貯蔵タンクへ濃縮処理溶液のバッチの移送の開始を示す。ステップ250において、スケールタンクレベルセンサからのレベル信号が決定され、ステップ252において利用可能な貯蔵タンク容量を計算するために使用される。バッチサイズがステップ254において利用可能な貯蔵タンク容量を超えることが決定される場合には、ステップ256において「バッチサイズがタンク容量より大きい」のような警告メッセージが表示され、利用可能な貯蔵タンク容量がバッチサイズを超えるまで移送が禁止される。ステップ258においてバッチサイズが利用可能な貯蔵タンク容量より小さいことが決定される場合には、ステップ260において移送弁が開かれる。ステップ262においてスケールコントローラによってスケールタンクが監視され、ステップ264においてスケールタンクが空になるときが決定され、その時移送弁がステップ266で閉じられ、ステップ268において次のバッチサイズを入力して次のバッチの混合を開始することができる。
【0060】
図7a〜7mは、多くの実施例による濃縮処理溶調製サブシステムのためのユーザインタフェースを示す。図7aは、提示システム機能の中からの選択に使用される最上位のメニュースクリーンを示す。図7bは、図7aに示される機能のうちの一つにアクセスするために使用されるユーザログイン画面を示す。図7cは、最上位のメニュー画面内の「スケールの校正」を選択することによってアクセスし得る、スケールタンクのロードセルを再校正するために使用するスケール校正画面を示す。図7dは、上部タンクミキサ(スケールタンクミキサ)、下部タンクミキサ(貯蔵タンクミキサ)、サンプルポンプ、移送弁及び溶液移送ポンプを制御するために使用し得る混合操作画面を示す。図7eは、水及びLAの注入操作を開始及び停止するため及び水及びLA注入操作に対して示される関連パパラメータを表示するために使用される画面を示す。図7fはLAサンプルを抽出し、測定LA濃度をシステムに入力するときを支持するために使用する画面を示す。図7gは、PAA注入操作を開始及び停止するため及び貯蔵タンクへの濃縮処理溶液バッチの移送を開始及び停止をするため及びPAA注入及び移送操作に対する関連パラメータを表示するために使用するQCラボサンプル画面を示す。図7hは、PAAサンプルを抽出し、測定PAA濃度をシステムに入力するために使用するQCラボサンプル画面を示す。図7iは、LA,PAA及び得られた処理溶液に対する化学的特性パラメータを調整するために使用し得る化学的特性画面を示す。化学的特性画面は、最上位メニューの「化学的特性の調整」を選択することによってアクセスされる。図7j〜7lは、濃縮処理溶液調製サブシステムの操作パラメータを調整するために使用し得る操作パラメータ画面を示す。これらの操作パラメータ画面は最上位メニューの「混合パラメータの調整」を選択することによってアクセスされる。図7mは選択されたバッチの濃縮処理溶液に対するデータログを示す。「次のバッチ」アイコンは他のバッチに対するデータログにスクロールすることができる。
【0061】
多くの実施例では、濃縮処理溶液調製サブシステム12は、濃縮処理溶液を濃縮処理溶液調製サブシステムから好都合にパージできるように構成される。システムパージの付加的な考察は後になされる。
【0062】
配送サブシステム
【0063】
図1に示す配送サブシステム14は、溶液ポンプ54,56、送出ライン、及び濃縮処理溶液を処理サブシステム16の処理ライン28に分配する共通マニホルドを含む。溶液ポンプ54,56の各々は適切なポンプ(例えば、空気圧駆動隔膜ポンプ、圧力調整可変速度度遠心ポンプ)とすることができる。共通マニホルド内に一定の圧力を維持するとともにポンプ内に必要な量の溶液のみを送るために一つ以上の溶液ポンプを使用することができる。多くの実施例では、貯蔵タンクミキサ70が薬品成分を溶解状態に維持する。
【0064】
信頼性を高めるために並列に配置された2つの溶液ポンプを使用することもできる。共通マニホルドはPLC制御パネル58と電気的に結合される圧力センサ(例えば、図2の圧力センサ66参照)を有することもできる。PLC制御パネルは、共通マニホルド内の圧力を監視して溶液ポンプの動作を調整するとともに、共通マニホルド内の圧力が正常動作範囲から外れたときに溶液ポンプ故障メッセージも発生することができる。例えば、共通マニホルド内の圧力が正常動作範囲より低下し、故障メッセージが発生されるとき、PLC制御パネルと結合されたタッチスクリーン上のボタンを押すことによって第2の溶液ポンプを始動させることができる。
【0065】
配送システムには既存の構成要素を利用することができる。例えば、配送システムには316ステンレススチール管類を利用することができ、スケールタンク及び貯蔵タンクは両方とも高密度ポリエチレン製とすることができる。
【0066】
多くの実施例では、配送システムは、濃縮処理溶液が配送システムから好都合にパージされるように構成することができる。システムのパージングの追加の考察は後に与えられる。
【0067】
処理サブシステム
【0068】
処理サブシステム16は一以上の処理ライン28を含むことができる。各処理ラインは一種類以上の農産物を処理するように構成し、処理システム全体を処理すべき種々の農産物にカスタマイズすることが可能である。処理ラインは、農産物の外表面と処理溶液を接触させる洗浄ステーションを含むことができる。農産物の外表面と処理溶液を接触させるためには様々な方法、例えば吹き付け及び/又は浸漬、を使用することができる。
【0069】
処理溶液中のPAAの濃度及び処理溶液のpHは、例えば、ドイツ国、69123ハイデルベルグ、シューマッハ通り5−11所在のプロミネント・ドジーアテクニク株式会社から市販されている1対のProMinent Dulcometer(登録商標)を用いて監視し、制御することができる。PAAの濃度の測定は、PAAの一成分である過酸化水素の測定に基づくものとし得る。PAAの濃度に対する適切な管理限界は、例えば65〜75パーツ・パー・ミリオン(ppm)を使用することができる。多くの実施例では、処理溶液中のLAの濃度は測定しないで、スケールタンク内でPAAとの固定の比(例えば28.5対1)に設定され、例えば1800ppm〜2200ppmに安定に維持されるものと考えられる。処理溶液においてLAの方が高い濃度のために、PAAよりLAの方が処理溶液のpHに大きな影響を与える。従って、処理溶液のpHは処理溶液中のLAの濃度を表すものとして利用することができる。そして、適切な制御限界を処理溶液のpHに基づいて設定することができる。
【0070】
PAAの測定濃度はディジタル供給弁を調整するために使用でき、適切な量の濃縮処理溶液を使用中の処理溶液(例えば処理ライン内の処理溶液)に注入して処理溶液中のPAAの濃度を調製することができる。例えば、ProMinent Dulcometer(登録商標)はディジタル供給弁を制御する矩形波信号を生成するために比例積分微分(PID)フィードバックアルゴリズムを使用する。ディジタル供給弁の開閉周期は初期注入に対するドーズ条件及び通常動作に対するドーズ条件を満足させるために変化させることができる。通常動作中は、農産物により取り除かれる及び/又は処理ラインから流出する処理溶液を置き換えるために加えられる補給水を補うために一般に十分な濃縮処理溶液のみが加えられる。
【0071】
図8は、多くの実施例に係わる図1の処理サブシステムの例示的な処理ライン28のための配管及び設置図を示す。図示の処理ライン28は葉物野菜(例えば、ロメーヌレタス)の処理用に構成されている。しかし、他の種類の農産物には他の処理ライン構成を使用することができる。例えば、処理ラインは米国特許出願公開第2009/0324789号に特定されているような任意の種類の農産物を処理するように構成することができ、この特許出公開の全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。図示の処理ライン28は葉物野菜が処理ラインに導入されるホッパー/セパレータ302、葉物野菜を処理溶液に浸す洗浄ステーション304、処理溶液を適切な温度範囲(例えば、華氏33〜39度)内に維持するための冷却装置306、葉物野菜に付着する処理溶液を取り除くために葉物野菜を振動させるシェーカテーブル308、処理溶液をためて処理ラインに戻して再利用するためのシェーカ戻しタンク310、及び処理溶液が冷却装置306に入る前に処理溶液から粒子状物質を除去するハイドロシーブ312を含む。
【0072】
処理ライン28を制御するために使用されるコンポーネントは、PLC制御パネル314、空気圧制御パネル316、プロセスパネル318、薬品パネル320、種々の空気圧弁、流量センサ、圧力トランスデューサ、温度センサ、及び電気ポンプを含む。PLC制御パネル314は処理ライン28の最上位制御を提供するために使用することができ、例えば制御アルゴリズムを実行するプログラマブルコントローラ、ディスプレイ及び適切な入力/出力装置を含むことができる。PLC制御パネル314は薬品パネル及び/又は種々のセンサから入力を受信し、空気圧制御パネル316内の関連するソレノイドで種々の空気圧弁を制御するための制御信号を空気圧制御パネル316へ出力する。空気圧制御パネル316は圧縮空気源322と結合され、その圧縮空気が空気圧制御パネル316で分配される。
【0073】
薬品パネル320は処理溶液中のPAAの濃度及び処理溶液のpHを測定するPAAモニタ及びpHモニタを含む。PAA濃度及び/又はpHレベルの測定レベルは、それらの測定値が処理溶液に濃縮処理溶液を加えることを支持するとき、処理溶液に濃縮処理溶液を加えるように酸供給弁324を調整するために使用される。サンプリング制御弁326は薬品パネル320を経て流れる処理溶液の流れを制御するために使用される。薬品パネルを出る処理溶液は循環処理溶液に戻されて再利用される。
【0074】
処理ラインの動作中、処理溶液は、ハイレジデンス(HR)ゾーンポンプ328、冷却装置リターンポンプ330及びフルーム入口ポンプ332を経て処理ライン内を循環する。HRゾーンポンプからの処理溶液は冷却装置306に戻される前にハイドロシーブ312を経由する。冷却リターンポンプはシェーカリターンタンクからの処理溶液をハイドロシーブへ循環させる。そして、ハイドロシーブから処理溶液は冷却装置へ循環する。冷却装置リターンポンプは可変周波数ドライブ336により制御される可変速度ポンプである。冷却装置ポンプの流量は冷却装置内の流体レベルを動作限界内に維持するように制御される。フルーム入口ポンプは冷却装置からの冷却された処理溶液を入口フルーム338に循環させる。フルーム入口からの冷却された処理溶液はチョッパ/セパレータステーションの下流の洗浄ステーションに導入される。フルーム入口から洗浄ステーションに導入された処理溶液は次いで冷却装置に戻される。
【0075】
多くの実施例では、処理溶液はフルーム入口で導入される。農産物(丸ごと又はカットされたもの)は処理溶液導入点の直後のフルームに導入される。農産物がフルーム中を処理溶液により運ばれる。農産物を処理溶液中に沈めるとともに農産物の表面の洗い流し作用を生成して洗浄作用を高めるには処理溶液及び/又は空気を用いる撹拌ジェットが役に立つ。フルームは処理溶液と農産物を振動コンベヤ又は有孔ベルトコンベヤ上に放出し、ここで処理溶液と農産物が分離される。農産物は続いて乾燥プロセスに進み、処理溶液はシェーカリターンタンクに送られ、そこからフィルタリング、冷却及びフルームへ戻る再循環のために送り出される。多くの実施例では、処理ラインは高架配置され、水は重力により洗浄装置の下方に位置するリターンタンクへ戻る途中で自己洗浄シーブを通過する。プロセスは二重洗浄システムに対して繰り返される。
【0076】
処理ライン内を循環する処理溶液の量はレベル検出圧力トランスデューサにより調整される。第1のレベル検出圧力トランスデューサ340は冷却装置内の圧力を検出し、第2のレベル検出トランスデューサ342はシェーカリターンタンク内の圧力を検出する。冷却装置内の処理溶液のレベルが指定レベルより下がると、冷却装置ポンプが動作してシェーカリターンタンクから冷却装置へ処理溶液を移送する。シェーカリターンタンク内の処理溶液のレベルが指定レベルより下がると、冷却された補給水を洗浄タンク補給弁344を経てシェーカリターンタンクに加えることができる。
【0077】
処理ライン28は2つの水源(例えば、非冷却水源346、冷却水源348)と結合することができる。冷却水は、それぞれ第1のスプレーバー制御弁354及び第2のスプレーバー制御弁356を介して第1のスプレーバー350及び第2のスプレーバー352に供給して処理された農産物をシェーカテーブルでスプレー/リンスするために使用することができる。農産物にスプレーされた冷却水の一部分はシェーカテーブルリターン管を介してシェーカリターンタンクへ循環させ、それによって補給水をシステムに供給することができる。冷却水は洗浄タンク補給弁344を介してシェーカリターンタンクへ調節供給することもできる。
【0078】
処理ラインは、更に、処理溶液を排出し、処理ラインを洗浄し、水と濃縮処理溶液をシステムに適切な量加えることによって新鮮な処理溶液を注入するように構成される。処理ラインから処理溶液を排出するために、シェーカタンクドレン弁360を開いてシェーカタンクを空にし、冷却装置ドレン弁362を開いて冷却装置を空にし、洗浄ステーションドレン弁364を開いて洗浄ステーションを空にし、薬品パネルドレン弁366を開いて薬品パネルを空にすることができる。処理ラインを洗浄するために、水、例えば非冷却水を弁368,370,372を通して処理ラインに加えることができる。水は次にポンプ328,330,332を用いて処理ラインを通して循環させた後に排出することができる。所望のレベルの洗浄を与えるために一以上のバッチの水を処理ラインに加え、処理ラインを通して循環させ、処理ラインから排出させることができる。洗浄プロセス中、薬品パネルを用いて処理ライン内の流体のpHレベルを監視して、例えば追加の洗浄を実行すべきか及び/又は処理ラインから排出された流体を水処理施設に放出する前にそのpHを増大するように処理すべきか(以下で考察される)を決定するために使用できる帰還情報を提供することができる。
【0079】
処理ラインから処理溶液を排水する前に処理溶液を中和するために苛性ソーダ(NaOH)を処理溶液に加えることもできる。制御された量の苛性ソーダを入口フルームと流体連通された苛性供給ライン374を経由して苛性供給弁376(例えばディジタル制御弁)を通して加えることができる。薬品パネル内のpHモニタを用いて得られた流体のpHを監視することによって加える苛性ソーダン量を制御することができる。中和プロセスはPLC制御パネル314と結合されたタッチスクリーンから制御することができる。中和プロセスの初期設定が共通苛性ソーダ供給マニホルドを加圧する隔膜ポンプを始動する。各処理ラインの空気圧ドレン弁の開は許容可能なpHレベルに達するまで禁止することができる。
【0080】
処理ラインに注入するために、冷却水を洗浄タンク注水弁378を通してシェーカリターンタンク310に加えるとともに、冷却装置注入弁380を通して冷却装置に加えることができる。非冷却水を弁368,370,372を通して処理ラインに加えることもできる。最初に、処理溶液のLA及びPAAの開始濃度を生成するために所定の量の濃縮処理溶液を処理ラインに加えることができる。このような開始濃度は水から塩素を除去するのに役立ち、それによって塩素と接触すると損傷され得る薬品パネル内のプローブが塩素と接触することが防げる。初期濃度が設定されるとすぐに、薬品パネルを用いて処理溶液中のPAAの濃度及び処理溶液のpHを監視し、所望の処理溶液強度に到達し維持されるまで追加の濃縮処理溶液を処理溶液に制御された方法(例えば段階式的、可変流量式)で加えることができる。
【0081】
図9は、多くの実施例に係る図1の処理サブシステム16の処理ライン28に対応する別の例示的な処理ライン400のための配管及び設置図を示す。処理ライン400は、処理ライン内を循環する処理溶液への濃縮処理溶液の導入を調整するための計量ポンプを含む薬品パネル402、処理溶液の温度を制御するための冷却装置404、処理溶液から粒子状物質を除去するためのハイドロシーブ兼リターンタンク406(貯蔵タンクとして作用する)、処理溶液を農産物と接触させるフルームを含む洗浄装置408、洗浄装置から出た農産物をリンスし、乾燥するための脱水シェーカテーブル410、処理ラインの種々の空気圧で制御される装置(例えば空気圧で制御される弁)に供給される制御駆動空気流を提供するための空気圧制御パネル412、処理ラインへの冷却水の導入を制御するための制御弁414、処理ラインに中和剤(例えば苛性ソーダ)を導入するための入口手段416、及びpH測定用のサンプルを抽出するための手段418を含む。
【0082】
図10は、多くの実施例に係る図1の処理サブシステム16の処理ライン28に対応する別の例示的な処理ライン500のための配管及び設置図を示す。処理ライン500は、処理ライン内を循環する処理溶液への濃縮処理溶液の導入を調整するための計量ポンプを含む薬品パネル502、処理溶液の温度を制御するための冷却装置504及び関連冷却タンク、処理溶液から粒子状物質を除去するための回転フィルタ兼リターンタンク506、処理溶液を農産物と接触させる洗浄タンク508、洗浄タンクから出た農産物をリンスし、乾燥するための傾斜した脱水ベルト510、処理ラインの種々の空気圧で制御される装置(例えば空気圧で制御される弁)に供給される制御駆動空気流を提供するための空気圧制御パネル512、処理ラインへの冷却水の導入を制御するための制御弁514、処理ラインに中和剤(例えば苛性ソーダ)を導入するための入口手段516、及びpH測定用のサンプルを抽出するための手段518を含む。
【0083】
図11は、多くの実施例に係る図1の処理サブシステム16の処理ライン28に対応する別の例示的な処理ライン600のための配管及び設置図を示す。処理ライン600は、農産物が処理溶液と一緒にパイプ中をポンプで移送され農産物が処理溶液と接触するようにした閉ループシステムである。処理ライン600は、処理ライン内を循環する処理溶液への濃縮処理溶液の導入を調整するための計量ポンプを含む薬品パネル602、処理溶液の温度を制御するための冷却装置604、貯蔵タンクとして作用するリターンタンク606、農産物と処理溶液がその中を通してポンプで移送されるパイプ608、農産物と処理溶液をパイプ608の中を通して移送させるフルームポンプ610(例えば、食品ポンプ)、
パイプから出た農産物をリンスし、乾燥するためのシェーカテーブル612、処理ラインの種々の空気圧で制御される装置(例えば空気圧で制御される弁)に供給される制御駆動空気流を提供するための空気圧制御パネル614、処理ラインへの冷却水の導入を制御するための制御弁616、処理ラインに中和剤(例えば苛性ソーダ)を導入するための入口手段618、及びpH測定用のサンプルを抽出するための手段620を含む。
【0084】
図12a及び12bは、多くの実施例に係る図1の処理サブシステム16の処理ライン28に対応する別の例示的な処理ライン700のための配管及び設置図を示す。処理ライン700は、農産物が連続的に通る2つの別個の処理ライン部分(一つは図12aに、他の一つの図12bに示されている)によって農産物の2段処理を提供するものである。2つの別個の処理ライン部分の各々は、処理ライン内を循環する処理溶液への濃縮処理溶液の導入を調整するための計量ポンプを含む薬品パネル702、処理溶液の温度を制御するための冷却装置704、処理溶液から粒子状物質を除去するためのハイドロシーブ兼リターンタンク706(貯蔵タンクとして作用する)、農産物を移動させて農産物を処理溶液と接触させる関節「フライキャッチャ(ハエ捕り器)」機構を有する洗浄装置708、洗浄装置から出た農産物を輸送するコンベヤ710、処理ラインの種々の空気圧で制御される装置(例えば空気圧で制御される弁)に供給される制御駆動空気流を提供するための空気圧制御パネル712、処理ラインへの冷却水の導入を制御するための制御弁714、処理ラインに中和剤(例えば苛性ソーダ)を導入するための入口手段716、及びpH測定用のサンプルを抽出するための手段718を含む。
【0085】
パージサブシステム
【0086】
多くの実施例では、サニテーションシステム10は、濃縮処理溶液、処理溶液及び/又はリンス水をサニテーションシステム10からパージすることができるように構成される。このようなパージングは定期的に行う必要がある。PAAは、一旦混合されると、一般に限られた保管寿命を有する(例えば、華氏40度以下で保存されるとき24時間以上)。その結果、許容保管寿命を経過した濃縮処理溶液又は処理溶液の使用を避けるために、サニテーションシステム10に残存する如何なる溶液も定期的にパージすることができる。例えば、サニテーションシステム10に残存する濃縮処理溶液又は処理溶液は、次の処理までの時間が24時間を超える場合(例えば一週間の最終日の土曜日)には、処理の終了時に排出することができる。
【0087】
サニテーションシステム10からパージされる流体はパージタンク88に移送することができる。パージタンク88は都合のよい場所(例えば、配送サブシステムの共通マニホルドの終端)に配置することができる。貯蔵タンク内に残存する濃縮処理溶液は直接パージタンクに移送することができる。共通マニホルド内に残存する濃縮処理溶液はパージタンクに排出することができ、共通マニホルド内の残存濃縮処理溶液は圧縮空気を用いてパージすることができる。一以上の処理ラインからの処理溶液及び/又はリンス水は放出前に上述したように中和することができる。また、一以上の処理ラインからの処理溶液及び/又はリンス水は中和のためにパージタンク88に移送することもできる。
【0088】
パージタンク88に収集された流体は廃水処理施設に放出する前にその酸性度を中和するように処理することができる。多くの都市下水処理施設は最低pHレベル(例えば、5.0)を要求している。処理溶液中の比較的多量(例えば、1800ppm〜2200ppm)のLAは処理溶液のpHを約2.8にする。濃縮処理溶液はもっと低いpHを有する。パージタンクに収集された流体を放出前に中和することは、より費用のかかる廃水処理施設の設置を避けることができ、最低の設備投資の選択肢であり得る。そして、外部中和システムの場合に上昇する許可及び監視費用を避けることができ、地下排水パイプの場合に発生し得る腐食を避けることができる。
【0089】
パージタンクに収集された流体を中和するためには苛性ソーダ(NaOH)をパージタンクに加えることができる。加える苛性ソーダの量を決定するためにpHセンサ(例えば、プロミネントpHセンサ)を使用することができる。パージタンクには、収集された流体をパージタンクから放出する前に均等に処理するために、苛性ソーダと収集された流体を混合するミキサを設けることができる。
【0090】
図13は、廃水処理施設に放出する適切に中和された溶液を形成するために処理溶液及び/又は濃縮処理溶液に中和剤を加えるように動作する、実施例に係る中和サブシステム800を示す。中和サブシステム800は、処理溶液及び/又は濃縮処理溶液を中和剤(例えば、苛性ソーダ)と混合できる薬品室排水溜802、処理溶液及び/又は濃縮処理溶液を薬品室排水溜に移送する手段804、中和剤を薬品室排水溜に導入する手段806、薬品室溜から溶液を排出する排出ポンプ808、中和された溶液を排出する出口810、排出ポンプに駆動空気を供給する駆動空気ライン812、中和プロセスの間溶液を薬品室溜に循環させて戻すリターンライン814、及び中和プロセスの間及び/又は後に溶液のpHを監視する手段816を含む。
【0091】
中央監視及びデータ収集
サニテーションシステム10の種々のサブシステム(例えば個別の処理ライン、濃縮処理溶液調製サブシステム、配送サブシステム)は監視及びデータ収集のために一緒にネットワーク化することができる。例えば、種々のサブシステムは品質保証オフィス及び/又はメインテナンスオフィス内の専用中央サーバ及びモニタにイーサネット(登録商標)プロトコルでネットワーク接続することができる。種々の動作パラメータ及び/又は動作モードを表示し、間欠的に記録することができる。例えば、各処理ラインに対して、表示され/記録される動作パラメータ及び動作モードは、PAA濃度測定値、pH測定値、酸供給弁の開時間、補給水の現在流量、補給水の平均流量、オフ、注入、初期ドーズ、運転、洗浄機アイドル、中和、排水及び殺菌などの動作モード、及び供給弁の累積開時間(運転時間単位)を含むことができる。濃縮処理溶液調製サブシステムに対して、監視され、表示され且つ又記録されるパラメータは、例えば、濃縮処理溶液中のLA及びPAAの濃度レベル、濃縮処理溶液の使用率及び累積使用量、それぞれのコンテナ内のPAA及びLAの残存量、現在のバッチ番号、要求バッチサイズ、計算及び測定された水、LA及びPAAの重量、及びLA、pH及びPAAの測定値を含むことができる。サニテーションシステムの一部分から他の動作パラメータ及び動作モードを監視、表示及び/又は記録することもできることは当業者に認識されよう。
【0092】
模範的なLA及びPAAの消費率
【0093】
図14a及び14bは、角切りされたロメーヌレタスを実験的な処理ラインで処理するために使用した600ガロンの処理溶液中のLA及びPAAに対する実験的な消費率を示す。観察された消費率は1000lbの角切りロメーニレタスにつき0.3701lbのLA及び0.0154lbのPAAであることが計算された。
【0094】
図14cは、多くの実施例に係る、みじん切りにされたロメーヌレタスの処理中における処理溶液中のPAAの消費率及び関連するpHの変化を示す。その結果、処理溶液中のPAA及びLAの消費率を監視する代わりとして処理溶液のpHを使用することができ、従って処理溶液のpHは処理ライン内を循環される処理溶液中のPAA及びLAの適切な濃度を維持するために処理ラインに導入する濃縮処理溶液を制御するパラメータを提供することができる。
【0095】
濃縮処理溶液移送レート
【0096】
濃縮処理溶液は処理溶液中の処理酸の適切な濃度を維持するために適切な移送レートで処理ラインに移送することができる。例えば、濃縮処理溶液を処理ラインに移送するレートは処理ラインで処理される農産物の種目、農産物種目が処理溶液ラインで処理される速度、農産物種目の処理中に使用されるリンス水の使用率に基づいて設定することができる。例えば、濃縮処理溶液を処理ラインに移送するレートをプリセットするために図14a,14b及び14cに示されるロメーヌレタスに関するデータのような特定の農産物種目に関するデータを使用することができる。
【0097】
濃縮処理溶液を処理ラインに移送するレートは処理溶液中の測定された処理酸濃度に応答して、例えば第1処理酸としてLA及び第2処理酸としてPAAを含む処理溶液中のLA及び/又はLAAの測定濃度に応答して調整することもできる。移送レートは現在進行中の処理酸濃度の測定に基づいて微調整することができる。従って、処理酸が消費されるレートにほぼ対応するレートで濃縮処理溶液を処理ラインに導入することによって、処理溶液中の処理酸のより信頼できる濃度を生成することができる。より信頼できる濃度は電子濃度測定装置(例えば、PAA測定装置、pH測定装置)の使用を可能にし、それらは場合によっては低い反応速度が有するが、所与の農産物種目、処理速度及びリンス水の使用率で与えられる適切なレートで処理ラインに濃縮処理溶液を移送することによって生じる処理溶液中の酸濃度の変化速度が低ければ依然として低い反応速度で十分である。
【0098】
他の様々な変更が本発明の精神の範囲に含まれる。従って、本発明は様々な変更及び代替構成を受け入れ得るが、そのいくつかの実施例を図に示し、以上で詳細に説明した。しかし、本発明は開示された特定の携帯に限定されず、それどころか、本発明は添付の特許請求の範囲に特定される本発明の精神及び範囲に入るあらゆる変更、代替構成及び等価物をカバーするものである。例えば、本明細書に開示する方法、システム及び装置は、種々の農産物を適切な処理酸濃度を有する処理溶液で処理することを可能にするだけの柔軟性がある。
【0099】
本明細の記載中(特に後期の特許請求の範囲の記載中)の語「a」、「an」および「the」は、特に明記されない限り又は特に否定されない限り、単数及び複数の両方の指示対象を含むものと解釈されたい。語「comprising(備える)」、「having(有する)」、「including(含む)」及び「containing(含有する)」は、特に断りのない限り、制限のない語(open-ended term)、即ち「含むが、限定されない」を意味する語)と解釈されたい。語「connected(接続される)」は、たとえ何かが介在しても一緒に付着される、一緒に結合される、の意味の範囲に部分的に又は完全に含まれるものと解釈されたい。本明細書中に列挙される値の範囲は、特に断りのない限り、範囲内に入る別々の各値を個別に参照する簡便な表記法として役立つように意図しているにすぎず、別々の各値は明細書中に個別に列記されているかのように組み込まれている。本明細書に記載されるすべての方法は、特に断りのない限り又は明確に否定されない限り、任意の適s綱順序で実行することができる。明細書中に与えられている任意の及びすべての例又は例示的な語(例えば、「such as(のような、等)」の使用は本発明の実施例を照らし出すことを意図しているにすぎず、特に特許請求しない限り本発明の範囲に限定を加えるものではない。本明細書中の語は本発明の実施に必須であるとして請求されてない構成要素を示すものと解釈されるべきでない。
【0100】
発明者に知られている本発明の実施に最良のモードを含む本発明の好適実施例が明細書に記載されている。以上の記載を読めば、これらの好適実施例の変更が当業者に明らかになり得る。本発明者は、熟練した技術者がこのような変更を適切に利用することを期待し、本発明者は本発明を本明細書に具体的に記載されるものと異なる方法で実施するつもりである。従って、本発明は適用法律で認められているように、添付の請求項に記載された事項のあらゆる変更及び等価物を含むものである。更に、上述した要素のあらゆる可能な変更の任意の組み合わせも特に断らない限り又は特に否定しない限り本発明によりカバーされる。
【0101】
本明細書に引用した刊行物、特許出願公報及び特許公報などのすべての参考文献は、各参考文献が参照することにより組み込まれるように個別に明確に指示され、参照することにより本明細書に完全に記載されているのと同程度に組み込まれる。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2010年2月26日に出願された”Systems and Methods for Sanitizing Produce in and an Acidic Bath”という名称の米国仮特許出願第61/308,807号(代理人整理番号1819K-019900US)の利益を主張するものであり、その全開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。本出願は、2009年6月24日に出願された”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Produce”という名称の米国特許出願公開第2009/0324789号(代理人整理番号18189K-015310US)、2010年12月20日に出願された”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Items”という名称のPCT/US2010/61354号(代理人整理番号18189K-019410PC)、2010年12月20日に出願された”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Sanitation and Disease Prevention”という名称のPCT/US2010/61361号(代理人整理番号18189K-019510PC)、2010年12月20日に出願された”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Items in the Food Industry and Agriculture”という名称のPCT/US2010/61366号(代理人整理番号18189K-019610PC)に関連し、これらの出願の全開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は一般に物品のサニテーションに関し、より詳しくは生産物などの食品を酸溶液の塗布により殺菌消毒するシステム及び方法に関する。
【0003】
食品媒介病原菌は重い病気を引き起こし、場合によっては死をもたらし得る。米国は世界中で最も安全な食品供給国の一つですが、依然として年間数百万件の食品による病気が発生している。一般的な食品媒介病原菌には、バチルスセレウス、カンピロバクタージェジュニ、クロストリジウムボツリヌス、クリプトスポリジウムバルバム、大腸菌O157:H7、ランブル鞭毛虫、A型肝炎、リステリアモノサイトゲネス、ノロウィルス、サルモネラ菌、ブドウ球菌、赤痢菌、トキソプラズマ原虫、ビブリオ菌及びエルシニア菌がある。このリストの食品媒介病原菌と関連する不快な症状には、腹部痙攣、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、倦怠感、口の渇き、複視、筋麻痺、呼吸不全、脱水症、食欲不振、出血性大腸炎、溶血性尿毒症症候群、発熱、不快感、腹部不快感、髄膜炎、敗血症、流産、腹痛、悪寒、疲労、出血、リンパ腺の腫れ、筋肉痛及び小腸結腸炎がある。
【0004】
フルーツ及び野菜などの農産物の表面から病原菌を除去又は減少させる既存の方法は、病気を引き起こす及び/又は農産物を腐らせる可能性のある病原菌を適切に抑制することができない。従って、農産物の病原体を殺菌する新しい改善されたシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の基本的な理解を与えるために以下に本発明のいくつかの実施例の簡単な要約を示す。この要約は本発明の広範な概説ではない。これは本発明の主要/重要な要素を特定すること又は本発明の範囲を限定することを意図するものではない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの実施例を簡略化して示すことにある。
【0006】
農産物(例えばフルーツ及び野菜)を殺菌しその品質を維持するシステム及び方法を開示する。開示するシステム及び方法は、”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Produce”という名称の米国特許出願公開第2009/0324789号、”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Items”という名称のPCT/US2010/61354号、”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Sanitation and Disease Prevention”という名称のPCT/US2010/61361号、及び”Peracid and 2-Hydroxy Organic Acid Compositions and Methods for Treating Items in the Food Industry and Agriculture”という名称のPCT/US2010/61366号に開示されている処理溶液とともに使用すると特に有用である。
【0007】
多くの実施例においては、濃縮処理溶液を用意し、殺菌処理に使用する一以上の生産物処理ラインに供給する。濃縮処理溶液は適切なレベルに希釈した後に、得られた処理溶液を殺菌処理に使用する。システムから濃縮処理溶液及び/又は得られた処理溶液をパージする設備及び濃縮処理溶液及び/又は得られた処理溶液のpHを汚水処理施設に排出する前に殆どの都市下水処理施設に受入可能なレベル(例えば5.0の最低pH)に上昇させる設備を開示する。
【0008】
開示するシステム及び方法によれば、正確に制御され、効率がよく、費用効果が高く、維持管理し易い方法で農産物を殺菌及び/又は農産物の品質を維持することができる。開示する濃縮処理溶液のバッチ処調製によれば、精密に制御された一定量の濃縮処理溶液を高速に調製することができる。調製されるバッチのサイズ及び時間は濃縮処理溶液の使用率に合わせることができる。調製された濃縮処理溶液の貯蔵タンクは濃縮処理溶液の調整されたバッチの貯蔵容器を提供するために使用することができ、そこから濃縮処理溶液を一以上の農産物処理ラインに供給することができる。多くの実施例においては、混合タンクと結合されたロードセルが個別のバッチ内の濃縮処理溶液の構成要素(例えば、水、乳酸(LA)、過酢酸(PAA))の量を監視し制御する手段を提供し、それによって濃縮処理溶液のバッチの高速調製がもたらされる。多くの実施例では、個別のバッチからの濃縮処理溶液のサンプルの分析を用いて、バッチ内の構成要素の濃度を微調整するためにどのくらいの水、乳酸及び/又は過酢酸を加えるべきかを決定することができる。例えば、バッチからのサンプルの実験室(ラボ)試験及び/又は電子モニタリングを用いて、バッチ内の乳酸及び/又は過酢酸の現在濃度を決定し、それによって所望の濃度レベルを達成するためにバッチに加えるべき水、乳酸及び/又は過酢酸の量の決定が可能になる。開示するパージング及び廃水処理によれば、得られた排水の費用効果の高い廃棄に加えて、システムから未使用の濃縮処理溶液及び/又は処理溶液を移動させることができる。
【0009】
従って、第1の態様として、農産物を処理する方法が開示される。本処理方法は、水の量を一定量の水を測定するステップ、一定量の第1の処理酸を測定するステップ、一定量の第2の処理酸を測定するステップ、前記一定量の前記水、前記第1の処理酸及び前記第2の処理酸を混合して濃縮処理溶液を形成するステップ、一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成するステップ、及び前記生産物の表面を一定量の前記処理溶液と接触させるステップを含む。
【0010】
前記一定量の水、記第1の処理酸及び第2の処理酸の混合は州の方法で達成できる。この混合は、例えば混合タンクで達成できる。前記一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸の各々は、前記一定量を添加する前と、前記混合タンクに前記一定量の添加中及び/又は添加後の前記混合タンク及び前記混合タンクの中身の重さを計量することによって決定することができる。
【0011】
混合後、得られた濃縮処理溶液は処理ラインに分配する前に貯蔵タンクに移送し、そこで濃縮処理溶液を希釈して生産物の処理に使用する処理溶液を形成することができる。例えば、再循環ループを用いて貯蔵タンクから濃縮処理溶液を処理ラインと制御流体連通された少なくとも一つの分配出口に循環させ、分配されなかった濃縮処理溶液は貯蔵タンクに戻すことができる。
【0012】
濃縮処理溶液のサンプルを分析してサンプル内の第1の処理酸及び第2の処理酸の濃度を決定することができる。サンプルは、例えば第1の処理酸が乳酸(LA)で、第2の処理酸がペルオキシ酢酸(PAA)である場合には、物理的に抽出して実験室で分析することができる。サンプルは、例えば第2の処理酸がペルオキシ酢酸である場合には適切な市販の測定装置によって分析することができる。
【0013】
処理溶液中の第1及び第2の処理酸の濃度は適切な範囲に制御することができる。例えば、第1の処理酸が乳酸で、第2の処理酸がペルオキシ酢酸である場合には、処理溶液中の乳酸の濃度は850パーツ・パー・ミリオン(ppm)〜10,000ppmに制御するのが好ましく、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmに制御するのが好ましい。より好ましくは、処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600ppmに制御され、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmに制御される。
【0014】
濃縮処理溶液は、処理溶液中の処理酸の適切な濃度を維持するために、処理装置に適切なレートで移送することができる。例えば、濃縮処理溶液が処理装置に移送されるレートは、処理装置で処理される生産物の品目、生産物の品目が前記処理装置で処理される速度及び生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して設定することができる。濃縮処理溶液が処理装置に移送されるレートは、処理溶液中の処理酸の測定濃度に応答して、例えば第1の処理酸がLAを含み、第2の処理酸がPAAを含む場合には、処理溶液中のPAA及び/又はLAの測定濃度に応答して調整することもできる。
【0015】
処理装置内の処理溶液は中和後、例えば廃水処理施設に排出することができる。例えば、中和剤を処理ライン内の一定量の処理溶液に加えて中和前の処理溶液より高いpHを有する中和された処理溶液を形成することができる。そして、中和された処理溶液を処理ラインから排出することができる。
【0016】
多量(例えば、未使用量)の濃縮処理溶液を中和し、例えば廃水処理施設に排出することができる。例えば、一定量の濃縮処理溶液をパージタンクに移送することができる。中和剤(例えば、苛性ソーダ(NaOH)をパージタンクに加えて中和前の一定量の濃縮処理溶液より高いpHを有する中和された濃縮処理溶液を形成することができる。
【0017】
別の態様として、農産物を処理するシステムが開示される。本システムは、混合サブシステムと、前記混合サブシステムと制御流体連通された処理サブシステムとを備え、前記処理サブシステムは、前記混合サブシステムから受け取った一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成し、前記生産物の外表面を一定量の前記書利用液と接触させるように構成される。混合サブシステムは、一定量の水、一定量の第1の処理酸及び一定量の第2の処理酸を混合して濃縮処理溶液を調製する。
【0018】
混合サブシステムは、混合タンクと、前記混合タンクと水入口装置(例えば制御可能な弁、計量ポンプ)を介して流体連通され、一定量の水を混合タンクに移送する水源と、第1の処理酸を保有する第1のコンテナであって、混合タンクと第1のポンプを介して流体連通され、第1のコンテナから混合タンクへ一定量の第1の処理酸を移送する第1のコンテナと、第2の処理酸を保有する第2のコンテナであって、混合タンクと第2のポンプを介して流体連通され、第2のコンテナから混合タンクへ一定量の第2の処理酸を移送する第2のコンテナと、を含むことができる。混合タンクは一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸を混合して濃縮処理溶液を形成する。
【0019】
混合サブシステムは、一定量の水、一定量の第1の処理酸及び一定量の第2の処理酸を決定する少なくとも一つの重量測定装置を使用することができる。前記一定量の各々は、前記一定量を添加する前と、前記混合タンクに前記一定量の添加中及び/又は添加後の前記混合タンク及び前記混合タンクの中身の重さを計量することによって決定することができる。
【0020】
前記システムは濃縮処理溶液用の貯蔵タンクを含むことができる。この貯蔵タンクは混合タンクと制御流体連通され、混合タンクから一定量の濃縮処理溶液を受け取ることができる。
【0021】
前記システムは、貯蔵タンクから受け取った一定量の前記濃縮処理溶液を循環して貯蔵タンクに戻す再循環ループを含むことができる。処理サブシステムは、希釈される一定量の濃縮処理溶液を再循環ループの出口から受け取ることができる。
【0022】
前記システムは、濃縮処理溶液及び/又は処理溶液を廃水処理施設に排出する前に中和する中和サブシステムを含むことができる。例えば、前記中和サブシステムは、処理溶液及び/又は濃縮処理溶液に中和剤を添加して中和溶液を形成するように構成することができる。中和サブシステムは、例えば一定量の処理溶液及び/又は濃縮処理溶液と添加された中和剤を受け取るパージタンクを含むことができる。中和された溶液はその後中和サブシステムから排出することができる。
【0023】
処理溶液中の第1及び第2の処理酸の濃度は適切な範囲に制御することができる。例えば、第1の処理酸が乳酸で、第2の処理酸がペルオキシ酢酸である場合には、処理溶液中の乳酸の濃度は850ppm〜10,000ppmに制御するのが好ましく、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmに制御するのが好ましい。より好ましくは、処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600ppmに制御され、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmに制御される。
【0024】
濃縮処理溶液は、処理溶液中の処理酸の適切な濃度を維持するために、処理サブシステムに適切なレートで移送することができる。例えば、濃縮処理溶液が処理サブシステムに移送されるレートは、処理サブシステムで処理される生産物の品目、生産物の品目が処理サブシステムで処理される速度及び生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して設定することができる。濃縮処理溶液が処理サブシステムに移送されるレートは、処理溶液中の処理酸の測定濃度に応答して、例えば第1の処理酸がLAを含み、第2の処理酸がPAAを含む場合には、処理溶液中のPAA及び/又はLAの測定濃度に応答して調整することもできる。
【0025】
更に別の態様として、生産物を処理する装置が開示される。本装置は、処理溶液を循環させる流体回路、前記生産物の外表面を前記処理溶液と接触させる洗浄ステーション、前記循環処理溶液への第1の処理酸及び第2の処理酸を含む濃縮処理溶液の添加を制御する第1の制御可能な入口装置、及び前記循環処理溶液への水の添加を制御する第2の制御可能な入口装置を含む。前記第1及び第2の入口装置は前記循環処理溶液中の処理溶液の前記濃縮処理溶液の濃度を調整するように制御される。
【0026】
処理溶液中の第1及び第2の処理酸の濃度は適切な範囲に制御することができる。例えば、第1の処理酸が乳酸で、第2の処理酸がペルオキシ酢酸である場合には、処理溶液中の乳酸の濃度は850ppm〜10,000ppmに制御するのが好ましく、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmに制御するのが好ましい。より好ましくは、処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600ppmに制御され、処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmに制御される。
【0027】
濃縮処理溶液は、処理溶液中の処理酸の適切な濃度を維持するために、処理装置に適切なレートで移送することができる。例えば、濃縮処理溶液が処理装置に移送されるレートは、処理装置で処理される生産物の品目、生産物の品目が前記処理装置で処理される速度及び生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して設定することができる。濃縮処理溶液が処理装置に移送されるレートは、処理溶液中の処理酸の測定濃度に応答して、例えば第1の処理酸がLAを含み、第2の処理酸がPAAを含む場合には、処理溶液中のPAA及び/又はLAの測定濃度に応答して調整することもできる。
【0028】
本発明の特徴及び利点の完全な理解のために、次の詳細な説明及び添付図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】多くの実施例に係る、農産物サニテーションシステムにおける乳酸及びペルオキシ酢酸を含む濃縮処理溶液の調製及び分配を示すフローチャートである。
【図2】多くの実施例に係る、水、乳酸及びペルオキシ酢酸からなる濃縮処理溶液を調製し分配する混合サブシステムを概略的に示す。
【図3a】図2の混合サブシステムに係る、バッチ混合塔プラットフォームアセンブリの正面図である。
【図3b】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリの左側面図である。
【図3c】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリの右側面図である。
【図3d】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリの背面面図である。
【図3e】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリの平面図である。
【図3f】図3aのバッチ混合塔プラットフォームアセンブリのA−A断面を示す。
【図4a】多くの実施例に係る、2つの混合タンク及び関連する貯蔵タンクを備え、水、乳酸及び過酢酸を含む濃縮処理溶液を調整する混合サブシステムの一部を示す。
【図4b】多くの実施例に係る、2つの混合タンク及び関連する貯蔵タンクを備え、水、乳酸及び過酢酸を含む濃縮処理溶液を調整する混合サブシステムの他の一部を示す。
【図5】図4a及び4bの混合サブシステムに係るバッチ混合塔プラットフォームの斜視図である。
【図6a】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図6b】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図6c】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図6d】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図6e】図2の混合サブシステムに係る混合アルゴリズムを示すフローチャートの一部を示す。
【図7−1】7a〜7cは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−2】7d〜7eは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−3】7f〜7gは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−4】7h〜7iは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−5】7j〜7kは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図7−6】7l〜7mは、図2の混合サブシステムに係るユーザインタフェース画面の一例を示す。
【図8】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する例示的な処理ラインを示す。
【図9】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する別の例示的な処理ラインを示す。
【図10】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する更に別の例示的な処理ラインを示す。
【図11】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する更に別の例示的な処理ラインを示す。
【図12a】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する更に別の例示的な処理ラインの一部を示す。
【図12b】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液を受け取り、希釈した濃縮処理溶液を用いて農産物を殺菌する更に別の例示的な処理ラインの他の一部を示す。
【図13】多くの実施例に係る、濃縮処理溶液及び/又は処理溶液に中和剤を加えて廃水処理施設に排出し得る中和された溶液を形成するように動作する中和サブシステムを示す。
【図14】aは、多くの実施例に係る、角切りロメーヌレタスの処理中の600ガロンの処理溶液中の乳酸の消費率を示す。bは、多くの実施例に係る、角切りロメーヌレタスの処理中の600ガロンの処理溶液中のペルオキシ酢酸の消費率を示す。cは、多くの実施例に係る、みじん切りロメーヌレタスの処理中の処理溶液中のペルオキシ酢酸の消費率及び関連するpHの変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明の種々の実施例が記載される。説明の目的で、これらの実施例の完全な理解を提供するために特定の構成及び細部が説明される。しかしながら、本発明は特定の細部の説明がなくても実施することができる。更に、周知の特徴は実施例の説明を不明瞭にしないように省略又は簡略化されている。
【0031】
サニテーションシステムの最上位構成
【0032】
図面を参照して説明すると、全図を通して同等の部分は同等の参照番号で示されており、図1はフルーツ及び野菜などの農産物を殺菌するために使用できる本発明によるサニテーションシステム10を概略的に示す。サニテーションシステム10は、濃縮処理溶液調製サブシステム12、配送サブシステム14、処理サブシステム16及びパージサブシステム18を含む。濃縮処理溶液調製サブシステム12は、水22、乳酸(LA)24及びペルオキシ酢酸(PAA)26(過酢酸としても知られている)を含む水性処理溶液20を調製する。濃縮処理溶液20は配送サブシステム14により処理サブシステム16に供給される。処理サブシステム16は濃縮処理溶液20を希釈して処理溶液を形成し、その処理溶液を用いて農産物を処理する。処理サブシステムは農産物を処理するために使用する一以上の処理ライン28(例えば、図に示すように5つの処理ライン(T2〜T6))を含む。パージサブシステム18は、濃縮処理溶液調製サブシステム12からパージされる濃縮処理溶液20及び/又は処理サブシステム16からパージされる処理溶液を受取り処理し、得られた廃水を例えば都市下水処理施設などの廃水処理施設に排出する。サニテーションシステム10を水、LA及びPAAからなる処理溶液について説明したが、サニテーションシステム10は他の適切な処理溶液、例えば参照することにより組み込まれる前記刊行物に開示される他の処理溶液とともに使用するように適合させることができる。
【0033】
濃縮処理溶液調製サブシステム
【0034】
濃縮処理溶液調製サブシステム12は冷水弁34を介してスケールタンク32と制御流体連通された冷水源30、LAポンプ38を介してスケールタンク32と制御流体連通されたLAコンテナ36(例えば、300ガロンの中間バルクコンテナ(IBC))、及びPAAポンプ42を介してスケールタンク32と制御流体連通されたPAAコンテナ40(例えば4つを1つのプラスチックパレットに束ねた55ガロンのドラム缶)を含む。冷水弁34、LAポンプ38及びPAAポンプ42は、制御された量の水、LA及びPAAをスケールタンク32に加えるために選択的に制御される。図2に示されるように、スケールタンク32は、スケールタンク32の重量の変化を検出し、スケールタンク32に加えられる水の重量、スケールタンク32に加えられるLAの重量、及びスケールタンク32に加えられるPAAの重量を決定するために使用されるロードセル44により支持される。
【0035】
スケールタンク32は、図1に示されるようにサンプルポンプ48を介して、又は図2に示されるように一以上の弁を介して、PAA測定装置46と制御流体連通される。適切な市販のPAA測定装置46、例えばドイツ国、69123ハイデルベルグ、シューマッハ通り5−11所在のプロミネント・ドジーアテクニク社から市販されているPAA測定及び制御パネルを使用することができる。PAA測定装置46は、PAAの濃度を目標範囲内に調整するためにスケールタンクに追加のPAA又は水を加える必要があるかどうかを決定するために、得られる濃縮処理溶液中のPAA濃度を検査するのに使用できる。得られる濃縮処理溶液中のLA及び/又はPAAの濃度を決定するために、得られる濃縮処理溶液中のサンプル49を実験室(ラボ)分析用に取り出すこともできる。
【0036】
スケールタンク32は移送弁52を介して貯蔵タンク50と制御流体連通される。混合プロセスの終了後に、得られた濃縮処理溶液は貯蔵タンク50に移送することができる。貯蔵タンク50は配送サブシステム14内の一以上の溶液ポンプを介して処理サブシステム16と制御流体連通される。多くの実施例においては、溶液ポンプは2つの並列溶液ポンプ54,56(例えば、隔膜ポンプ、圧力調整可変速度遠心力ポンプ)を含み、一つのポンプが修理又は交換中のときも濃縮処理溶液を処理サブシステム16に送り続ける能力を与える。多くの実施例においては、貯蔵タンク50の容量は、濃縮処理溶液のバッチを貯蔵タンク50に配送するタイミングに若干の柔軟性を与える量だけスケールタンク32の容量より大きくする。例えば、貯蔵タンク50の容量はスケールタンク32の容量の2倍にすることができる(例えば60ガロンのスケールタンクと120ガロンの貯蔵タンク、110ガロンのスケールタンクと225ガロンの貯蔵タンクなど)。
【0037】
濃縮処理溶液調製サブシステム12の動作を制御するためにプログラマブルロジックコントローラ(PLC)制御パネル58が使用される。PLC制御パネル58は、ロードセル44に接続されたロードセルパネル60と、溶液ポンプ54,56を駆動する空気アクチュエータ62,64と、貯蔵タンク50の移送ラインの下流に接続された圧力トランスデューサ66と、PAA測定装置46と、スケールタンクミキサ68と、貯蔵タンクミキサ70と、サンプルの分析中に使用されるPAA測定装置46内のモータ72と、貯蔵タンクレベルセンサ74と、空気圧制御パネル76とに接続される。PLC制御パネル58はロードセルパネル60、圧力トランスデューサ66及びレベルセンサ74から対応するデータを受信する。例えば、圧力トランスデューサ66で測定された下流ライン内の圧力はスクリーン上に表示することができ、下流ライン内の低い圧力に応答してアラームを駆動することができる。PLC制御パネル58は、スケールタンクミキサ68の動作、貯蔵タンクミキサ70の動作、PAA測定装置46内のモータ72の動作を制御し、更に空気アクチュエータ62,64を介して溶液ポンプ54,56の動作を制御するとともに空気圧制御パネル76を介して濃縮処理溶液調整サブシステム12の種々の空気圧で駆動されるコンポーネントの動作を制御する。
【0038】
空気圧制御パネル76は濃縮処理溶液調製サブシステム12の空気圧で駆動されるコンポーネントへの圧縮空気の分配を選択的に制御する。空気圧制御パネル76は圧縮空気源78に接続される。空気圧制御パネル76はPLC制御パネル58により制御される電気ソレノイド空気弁(図示せず)を含み、種々の空気圧で駆動されるコンポーネントへの圧縮空気の分配を制御する。空気圧制御パネル76を介して制御される濃縮処理溶液調製サブシステム12の種々の空気圧駆動コンポーネントは、高速注水弁80、低速注水弁82、移送弁52、LAポンプ38、PAAポンプ42、溶液ポンプ54,56、及びバージサブシステム18内の苛性ソーダポンプ84を含む。高速注水弁80及び低速注水弁82は冷水源30からスケールタンク32への水の流れを制御する。高速注水弁80の開くと、低速注水弁82を開いたときより高い流量で冷水をスケールタンク32に注入することができる。LAポンプ38、PAAポンプ42、溶液ポンプ54,56、及び苛性ソーダポンプ84は空気圧で駆動されるポンプとすることができる。LAポンプはLAコンテナからLAをスケールタンクに移送する。PAAポンプはPAAコンテナからPAAをスケールタンクに移送する。溶液ポンプは貯蔵タンクから濃縮処理溶液を処理サブシステム16に移送し、苛性ソーダポンプ84は苛性ソーダコンテナ86から苛性ソーダをパージタンク88及び個々の処理ライン28に移送する。
【0039】
図3a〜3fは濃縮処理溶液調製サブシステム12に基づくバッチ混合塔プラットフォームアセンブリ100を示す。図3aは混合塔100の正面図である。混合塔100は貯蔵タンク50の上方にスケールタンク32を支持するフレーム102を含む。スケールタンク32を貯蔵タンク50の上方に置くことによって、スケールタンクから貯蔵タンクへの新たに混合された濃縮処理溶液の重力による移送が得られる。PAA測定装置46はフレーム102に、アクセスし易い適切な高さに装着される。図3bは混合塔100の左側面図であり、スケールタンク32内の混合プロペラ104を駆動するスケールタンクミキサ68の装着及び貯蔵タンク50内の混合プロペラ106を駆動する貯蔵タンクミキサ70の装着を示す。溶液ポンプ54,56は貯蔵タンク50のほぼ真下に隣接して装着される。図3cは混合塔100の右側面図であり、濃縮処理溶液調製サブシステム12のいくつかのコンポーネントの混合塔100への装着を示す。例えば、PAA測定装置46は混合塔100の前面に装着される。空気圧制御パネル76、ロードセルパネル60及びPLC制御パネル58は混合塔の右側面に装着される。図3dは混合塔100の背面図である。階段108はスケールタンク及び関連するコンポーネントへのアクセスを可能にする。図3eは混合塔100の平面図である。図3fは図3aの区分A−Aを示す。区分A−Aは溶液ポンプ54,56が入口側遮断弁110及び出口側遮断弁112とともに並列に配置されることを示し、この並列配置は一方の溶液ポンプを(例えばメインテナンス、修理、取り換えのために)遮断しながら他方の溶液ポンプを貯蔵タンクから処理サブシステムへ処理溶液を移送するために使用することを可能にする。
【0040】
濃縮処理溶液調製サブシステムで使用するLA及びPAAは最低限の保存残量を維持するように選択された頻度で供給される。PAAは、例えば1つのパレットに結束された4つの55ガロンドラムに15%の濃度で受け入れることができる。LAは、例えば300ガロンの中間バルクコンテナ(IBC)に88%の濃度で受け入れることができる。薬品供給業者には、各コンテナに密閉移送ディスペンサを設けることを要求することができる。空のLA及びPAAコンテナは薬品供給業者に再利用することができる。LA及びPAAに対して様々な使用率が可能である。例えば、一つの代表的な使用率では、予想される消費率は4~5日につき1ドラムのPAA及び同1IBCのLAである。薬品(例えば、LA,PAA、苛性ソーダ)の適切な貯蔵法を使用することができる。例えば、薬品は原料倉庫内に位置するスピルコンテインメント(飛散防止)ユニット上に華氏34〜39度の温度で貯蔵することができる。様々な量の薬品を貯蔵できる。例えば、代表的な原料倉庫には、2パレット(8ドラム)のPAA及び3IBCのLAを貯蔵する設備が設けられる。
【0041】
薬品を取り扱う際、適切な安全対策を利用できる(すべきである)。例えば、オペレータは移送ホースを各PAAドラム及び各LAタンクに設置された密閉移送ディスペンサに接続することができる。LAコンテナをPAAコンテナから最低8フィート離すことができ、フロアベンチレーショによりPAAコンテナから放出されるガスをウォータースクラバ内に排出することができる。全身保護ギアを着た訓練された人しか薬品を取り扱うことは許されない。緊急流出は地元の消防署員によって処置される。
【0042】
多くの実施例では、スケールタンク内の水とLAとPAAの混合は重量ベースでコンピュータ制御される。スケールタンクは、2種類の酸を水と混合して処理サブシステムで使用する処理溶液の100倍以上の高濃度の濃縮処理溶液を精製するために使用することができる。多くの実施例では、100倍濃度の濃縮処理溶液は25%LA及び0.75%PAAに等しい。いくつかの実施例では、スケールタンクは60ガロンの容量を有し、ロードセルの上に取り付けられ、120ガロンの貯蔵タンクの上方に位置する。他の実施例では、スケールタンクは110ガロンの容量であり、ロードセルの上に取り付けられ、225ガロンの貯蔵タンクの上方に位置する。各LA及びPAAコンテナは使用前にサンプリングして分配する酸の濃度を確かめるためにことができる。測定された濃度はPLC制御パネル58に入力することができる。オペレータは所望のバッチ量をタッチスクリーンモニタでPLC制御パネルに入力し、開始アイコンにタッチして混合サイクルを開始させることができる。バッチ量の選択は最高50ガロンと最低30ガロンの間に制限することができる。最高50ガロンの使用はスケールタンクに適切な保存容量を残すことができる。最低30ガロンの使用は最小バッチ量に対して許容精度を保証することができる。PLC制御パネルは3つの材料に対する重量設定点を計算し、高速注水弁80を(いくつかの実施例では低速注水弁82も)開いてタンクへの注水を開始する。スケールタンク内の水重量が水に対する設定点の90%に到達するとき、高速注水弁を閉じ、低速注水弁をまだ開いていなければ開くことができる。スケールタンク内の水の高さが設定点に到達するとき、低速注水弁を閉じることができる。
【0043】
多くの実施例では、LAポンプ38及びPAAポンプ42は2つの速度を有する空気駆動二重隔膜ポンプである。先ず、スケールタンクへのLAの移送を最初に高い流量で作動するLAポンプによって実行することができる。スケールタンク内のLAの重量がLAの設定点の例えば90%に到達するとき、LAポンプを低い流量に切り替えてスケールポンプ内のLAの重量が設定点に到達するまで動作させることができる。次にPAAを最初に高い流量で動作するPAAポンプによってスケールタンクに移送させることができる。スケールタンク内のPAAの重量がPAAの設定点の例えば90%に到達するとき、PAAポンプを低い流量に切り替えてスケールポンプ内のPAAの重量が設定点に到達するまで動作させることができる。サンプリングポンプ48がスケールタンクからの混合物のサンプルをPAA測定装置に循環させてサンプルのpHを測定する前に、スケールタンクミキサ68を用いてスケールタンク内の混合プロペラ104を駆動して水と2つの酸を設定時間の間混合することができる。LA含有量の実験室滴定測定のためにサンプルを抽出することもできる。LA濃度が正しいことが確認されたとき、混合サイクルを手動的に再開始することができ、プロペラミキサを停止し、PAA測定装置を使用する化学的測定を繰り返すことができる。多くの実施例では、PAA測定装置は10,000ppmプロミネントセンサを含む。
【0044】
スケールタンクから貯蔵タンクへの新しく混合されたバッチの濃縮処理溶液の移送前に、PLC制御パネルは、スケールタンク内の流体の全量を受け入れるために十分な容量が貯蔵ランクに利用可能であることを(貯蔵タンク内のレベルセンサ74により)確認することができる。十分な量が存在する場合、モニタがその状態を表示し、オペレータはタッチスクリーン上のボタンアイコンにタッチして移送弁を開き、スケールタンクと貯蔵タンクとの間で重力による移送を実行することができる。
【0045】
濃縮処理溶液の各バッチに対するデータはメモリに記憶することができる。例えば、バッチサイズ、濃度設定点、入力酸濃度、測定成分重量、pH及びPAA濃度測定値、日付、バッチ番号及び/又は移送時刻をメモリに記憶することができる。
【0046】
PLC制御パネルは、水,LA及び/又はPAAをスケールタンクに移送するプロセス中に低速注水弁が閉じるとき及び/又はLA及び/又はPAA移送ポンプが停止するときに、スケールタンクに到達しなかった低速注水弁、LA移送ポンプ及び/又はPAA移送ポンプの下流の流体を考慮するアルゴリズムを実施することができる。例えば、スケールタンクにまだ到達してない対応する弁又はポンプの下流の流体は、低速注水弁を閉じるタイミング及び/又はLA及びPAA移送ポンプを停止するタイミングを決定するときに考慮することができる。このような調整は最初手動的に入力することができるが、先行バッチからの対応する重量データに基づいて自動化することができる。ロードセルコントローラ60は反復外部妨害の雑音を有効に除去する振動相殺機能を含むことができる。
【0047】
濃縮処理溶液の様々な1日当たりの使用量が可能であるが、一つの代表的な1日当たりの使用量は250ガロン(例えば5つの50ガロンバッチ)である。混合及び移送処理の全自動化は、例えばPLC制御パネルを用いて実現することができる。
【0048】
図4a及び4bは、2つのスケールタンク32及び関連する2つの貯蔵タンク50を使用する混合サブシステム114を示す。2つのスケールタンク及び関連する貯蔵タンクは濃縮処理溶液を生成する並列冗長容量を提供する。混合サブシステム114は図1の混合サブシステム10に類似のコンポーネントを含むことができる。このような類似のコンポーネントの上記の考察はこの例にも適用可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0049】
しかしながら、混合サブシステム114は図1及び図2の混合サブシステムに対していくつかの顕著な差異を有する。例えば、混合サブシステム114は混合タンクに隣接して位置する絞り弁115を設けることによって、絞り弁が閉じたとき絞り弁と混合タンクとの間に位置するLA及び/又はPAAの量を制限し、それにより絞り弁の閉鎖後に混合タンクに流入するLA及び/又はPAAの量を制限することができる。混合サブシステム114は更に、貯蔵タンクからの濃縮処理溶液を受け取り、分配出口117を通過して貯蔵タンクへ循環して戻す再循環ループ116を使用する。更に、混合サブシステム114は圧力調整可変速度遠心分配ポンプ118を使用し、このポンプは分配出口117において濃縮処理溶液の適切な圧力を発生するように調整される。2つの混合タンク及び関連する2つの貯蔵タンクの適切な並列配置のために、混合サブシステム114は、図1及び図2の混合サブシステムと同様に、メインテナンス活動中も連続動作を与えるという同じ機能を達成する。
【0050】
図5は濃縮処理溶液調製サブシステム114に従うバッチ混合塔プラットフォームアセンブリ119の斜視図である。バッチ混合塔プラットフォームアセンブリ119は図1の混合サブシステム10に類似のコンポーネントを含む。類似のコンポーネントは同じ参照番号が付されている。このような類似のコンポーネントの上記の考察はこの図にも適用可能であるため、ここでは繰り返さない。
【0051】
図6a〜6eは多くの実施例に係る濃縮処理溶液調製サブシステム12の混合アルゴリズム120を示す。ステップ122及び124において、操作変数及び操作値(例えば、濃縮処理溶液のLA濃度(ppm)、濃縮処理溶液のPAA濃度(ppm)、LAコンテナ内のLA濃度、PAAコンテナ内のPAA濃度、注入速度シフト点、時間遅延、及び/又はスケールタンクへの成分流体の移送中の空気内の流体を考慮するために使用される「プレアクト重量(preact weight)」)がPLC制御パネル内のメモリに入力される。ステップ126において、これらの操作変数及び操作値は、例えばオペレータがそれらを確認する手段を提供するために、表示することができる。
【0052】
ステップ128において、バッチサイズが入力され、ステップ130においてバッチの実行パラメータを計算するために使用される。ステップ132において、水、LA及びPAAに対する目標重量が、例えばオペレータ確認を可能にするために表示される。
【0053】
ステップ134はスケールタンクへの水の注入の開始を示す。ステップ136〜140はスケールタンクを混合処理の開始時に空にするものである。ステップ136において、スケールタンクと貯蔵タンクとの間の移送弁が開かれる。移送弁は、ステップ138に示すように、例えば10秒間開いたままにされる。次いで移送弁はステップ140において閉じられる。
【0054】
ステップ142及び144において、次に加えられる水の量を決定するためにスケールタンクの空の重量がスケールコントローラで決定される。ステップ146において、スケールタンクに水を高い流量で加えるために高速注水弁及び低速注水弁の両方が開かれる。ステップ148において、スケールコントローラがスケールタンク内の水の重量を監視し、ステップ150において水の重量が設定点の例えば90%に達するとき、ステップ152において高速注水弁を閉じる。ステップ154においてスケールタンク内の水重量が設定点に達するとき、ステップ156において低速注水弁を閉じる。ステップ158において、測定された水の重量及び目標重量を表示する。
【0055】
ステップ160はスケールタンクへのLAの注入の開始を示す。ステップ162及び164において、スケールコントローラが次に加えられるLAの量を決定するためにスケールタンクおよび水の基準開始重量を決定する。ステップ166において、スケールタンクにLAを加えるためにLAポンプが高い流量で運転される。ステップ168において、スケールコントローラがスケールタンクに加えられるLAの重量を監視する。ステップ170においてLAの重量が設定点の例えば90%に達するとき、ステップ172においてLAポンプは低い流量で動作するように切り替えられる。ステップ174においてスケールタンク内のLAの重量が設定点に達するとき、ステップ176においてLAポンプが停止される。ステップ178において、測定されたLAの重量及び目標重量が表示される。
【0056】
ステップ180〜200において、水とLAが混合され、得られた混合物のサンプルが抽出され、そのLA濃度を決定するために分析される。ステップ180〜186において、上部タンクミキサによって水とLAが一定期間、例えば約60秒間混合される。ステップ188〜196において、サンプルポンプによって水とLAの混合物のサンプルが分析のために抽出される。次に、サンプル内のLAの決定された濃度がステップ198において入力され、次いで「PAAを加えることができる」というメッセージがステップ200において表示される。
【0057】
ステップ202はスケールタンクへのPAAの注入の開始を示す。ステップ204及び206において、スケールコントローラによって、次に加えられるPAAの量を決定するためにスケールタンクと水とLAの基準開始重量が決定される。ステップ208において、スケールタンクにPAAを加えるためにPAAポンプが高い流量で運転される。ステップ210において、スケールコントローラによって、スケールタンクに加えられるPAAの重量が監視される。ステップ212においてPAAの重量が設定点の例えば90%に達するとき、ステップ214においてPAAポンプが低い流量で動作するように切り替えられる。ステップ216においてスケールタンク内のPAAの重量が設定点に達するとき、ステップ218においてPAAポンプが停止される。ステップ220において、測定されたPAAの重量及び目標重量が表示される。
【0058】
ステップ222〜238において、水とLAとPAAが混合され、実験室分析及び/又はPAA測定装置による分析のためにサンプルが抽出される。ステップ222〜228において、上部タンクミキサが一定期間、例えば約60秒間運転される。ステップ230〜238において、サンプルポンプによって水とLAとPAAの混合物のサンプルがサンプル内のPAA濃度を決定する分析のために抽出される。PAA濃度は実験室分析及び/又はPAA測定装置による分析によって決定することができる。得られたPAA濃度は、必要に応じ(例えば、実験室分析により得られたとき)、ステップ240において入力することができる。ステップ242において、バッチ内の得られたPAAの濃度はPAAの許容範囲と一緒に表示される。許容範囲内であれば、バッチはステップ244において受理され、ステップ246において貯蔵タンクへの移送が可能であることが指示される。
【0059】
ステップ248はスケールタンクから貯蔵タンクへ濃縮処理溶液のバッチの移送の開始を示す。ステップ250において、スケールタンクレベルセンサからのレベル信号が決定され、ステップ252において利用可能な貯蔵タンク容量を計算するために使用される。バッチサイズがステップ254において利用可能な貯蔵タンク容量を超えることが決定される場合には、ステップ256において「バッチサイズがタンク容量より大きい」のような警告メッセージが表示され、利用可能な貯蔵タンク容量がバッチサイズを超えるまで移送が禁止される。ステップ258においてバッチサイズが利用可能な貯蔵タンク容量より小さいことが決定される場合には、ステップ260において移送弁が開かれる。ステップ262においてスケールコントローラによってスケールタンクが監視され、ステップ264においてスケールタンクが空になるときが決定され、その時移送弁がステップ266で閉じられ、ステップ268において次のバッチサイズを入力して次のバッチの混合を開始することができる。
【0060】
図7a〜7mは、多くの実施例による濃縮処理溶調製サブシステムのためのユーザインタフェースを示す。図7aは、提示システム機能の中からの選択に使用される最上位のメニュースクリーンを示す。図7bは、図7aに示される機能のうちの一つにアクセスするために使用されるユーザログイン画面を示す。図7cは、最上位のメニュー画面内の「スケールの校正」を選択することによってアクセスし得る、スケールタンクのロードセルを再校正するために使用するスケール校正画面を示す。図7dは、上部タンクミキサ(スケールタンクミキサ)、下部タンクミキサ(貯蔵タンクミキサ)、サンプルポンプ、移送弁及び溶液移送ポンプを制御するために使用し得る混合操作画面を示す。図7eは、水及びLAの注入操作を開始及び停止するため及び水及びLA注入操作に対して示される関連パパラメータを表示するために使用される画面を示す。図7fはLAサンプルを抽出し、測定LA濃度をシステムに入力するときを支持するために使用する画面を示す。図7gは、PAA注入操作を開始及び停止するため及び貯蔵タンクへの濃縮処理溶液バッチの移送を開始及び停止をするため及びPAA注入及び移送操作に対する関連パラメータを表示するために使用するQCラボサンプル画面を示す。図7hは、PAAサンプルを抽出し、測定PAA濃度をシステムに入力するために使用するQCラボサンプル画面を示す。図7iは、LA,PAA及び得られた処理溶液に対する化学的特性パラメータを調整するために使用し得る化学的特性画面を示す。化学的特性画面は、最上位メニューの「化学的特性の調整」を選択することによってアクセスされる。図7j〜7lは、濃縮処理溶液調製サブシステムの操作パラメータを調整するために使用し得る操作パラメータ画面を示す。これらの操作パラメータ画面は最上位メニューの「混合パラメータの調整」を選択することによってアクセスされる。図7mは選択されたバッチの濃縮処理溶液に対するデータログを示す。「次のバッチ」アイコンは他のバッチに対するデータログにスクロールすることができる。
【0061】
多くの実施例では、濃縮処理溶液調製サブシステム12は、濃縮処理溶液を濃縮処理溶液調製サブシステムから好都合にパージできるように構成される。システムパージの付加的な考察は後になされる。
【0062】
配送サブシステム
【0063】
図1に示す配送サブシステム14は、溶液ポンプ54,56、送出ライン、及び濃縮処理溶液を処理サブシステム16の処理ライン28に分配する共通マニホルドを含む。溶液ポンプ54,56の各々は適切なポンプ(例えば、空気圧駆動隔膜ポンプ、圧力調整可変速度度遠心ポンプ)とすることができる。共通マニホルド内に一定の圧力を維持するとともにポンプ内に必要な量の溶液のみを送るために一つ以上の溶液ポンプを使用することができる。多くの実施例では、貯蔵タンクミキサ70が薬品成分を溶解状態に維持する。
【0064】
信頼性を高めるために並列に配置された2つの溶液ポンプを使用することもできる。共通マニホルドはPLC制御パネル58と電気的に結合される圧力センサ(例えば、図2の圧力センサ66参照)を有することもできる。PLC制御パネルは、共通マニホルド内の圧力を監視して溶液ポンプの動作を調整するとともに、共通マニホルド内の圧力が正常動作範囲から外れたときに溶液ポンプ故障メッセージも発生することができる。例えば、共通マニホルド内の圧力が正常動作範囲より低下し、故障メッセージが発生されるとき、PLC制御パネルと結合されたタッチスクリーン上のボタンを押すことによって第2の溶液ポンプを始動させることができる。
【0065】
配送システムには既存の構成要素を利用することができる。例えば、配送システムには316ステンレススチール管類を利用することができ、スケールタンク及び貯蔵タンクは両方とも高密度ポリエチレン製とすることができる。
【0066】
多くの実施例では、配送システムは、濃縮処理溶液が配送システムから好都合にパージされるように構成することができる。システムのパージングの追加の考察は後に与えられる。
【0067】
処理サブシステム
【0068】
処理サブシステム16は一以上の処理ライン28を含むことができる。各処理ラインは一種類以上の農産物を処理するように構成し、処理システム全体を処理すべき種々の農産物にカスタマイズすることが可能である。処理ラインは、農産物の外表面と処理溶液を接触させる洗浄ステーションを含むことができる。農産物の外表面と処理溶液を接触させるためには様々な方法、例えば吹き付け及び/又は浸漬、を使用することができる。
【0069】
処理溶液中のPAAの濃度及び処理溶液のpHは、例えば、ドイツ国、69123ハイデルベルグ、シューマッハ通り5−11所在のプロミネント・ドジーアテクニク株式会社から市販されている1対のProMinent Dulcometer(登録商標)を用いて監視し、制御することができる。PAAの濃度の測定は、PAAの一成分である過酸化水素の測定に基づくものとし得る。PAAの濃度に対する適切な管理限界は、例えば65〜75パーツ・パー・ミリオン(ppm)を使用することができる。多くの実施例では、処理溶液中のLAの濃度は測定しないで、スケールタンク内でPAAとの固定の比(例えば28.5対1)に設定され、例えば1800ppm〜2200ppmに安定に維持されるものと考えられる。処理溶液においてLAの方が高い濃度のために、PAAよりLAの方が処理溶液のpHに大きな影響を与える。従って、処理溶液のpHは処理溶液中のLAの濃度を表すものとして利用することができる。そして、適切な制御限界を処理溶液のpHに基づいて設定することができる。
【0070】
PAAの測定濃度はディジタル供給弁を調整するために使用でき、適切な量の濃縮処理溶液を使用中の処理溶液(例えば処理ライン内の処理溶液)に注入して処理溶液中のPAAの濃度を調製することができる。例えば、ProMinent Dulcometer(登録商標)はディジタル供給弁を制御する矩形波信号を生成するために比例積分微分(PID)フィードバックアルゴリズムを使用する。ディジタル供給弁の開閉周期は初期注入に対するドーズ条件及び通常動作に対するドーズ条件を満足させるために変化させることができる。通常動作中は、農産物により取り除かれる及び/又は処理ラインから流出する処理溶液を置き換えるために加えられる補給水を補うために一般に十分な濃縮処理溶液のみが加えられる。
【0071】
図8は、多くの実施例に係わる図1の処理サブシステムの例示的な処理ライン28のための配管及び設置図を示す。図示の処理ライン28は葉物野菜(例えば、ロメーヌレタス)の処理用に構成されている。しかし、他の種類の農産物には他の処理ライン構成を使用することができる。例えば、処理ラインは米国特許出願公開第2009/0324789号に特定されているような任意の種類の農産物を処理するように構成することができ、この特許出公開の全内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。図示の処理ライン28は葉物野菜が処理ラインに導入されるホッパー/セパレータ302、葉物野菜を処理溶液に浸す洗浄ステーション304、処理溶液を適切な温度範囲(例えば、華氏33〜39度)内に維持するための冷却装置306、葉物野菜に付着する処理溶液を取り除くために葉物野菜を振動させるシェーカテーブル308、処理溶液をためて処理ラインに戻して再利用するためのシェーカ戻しタンク310、及び処理溶液が冷却装置306に入る前に処理溶液から粒子状物質を除去するハイドロシーブ312を含む。
【0072】
処理ライン28を制御するために使用されるコンポーネントは、PLC制御パネル314、空気圧制御パネル316、プロセスパネル318、薬品パネル320、種々の空気圧弁、流量センサ、圧力トランスデューサ、温度センサ、及び電気ポンプを含む。PLC制御パネル314は処理ライン28の最上位制御を提供するために使用することができ、例えば制御アルゴリズムを実行するプログラマブルコントローラ、ディスプレイ及び適切な入力/出力装置を含むことができる。PLC制御パネル314は薬品パネル及び/又は種々のセンサから入力を受信し、空気圧制御パネル316内の関連するソレノイドで種々の空気圧弁を制御するための制御信号を空気圧制御パネル316へ出力する。空気圧制御パネル316は圧縮空気源322と結合され、その圧縮空気が空気圧制御パネル316で分配される。
【0073】
薬品パネル320は処理溶液中のPAAの濃度及び処理溶液のpHを測定するPAAモニタ及びpHモニタを含む。PAA濃度及び/又はpHレベルの測定レベルは、それらの測定値が処理溶液に濃縮処理溶液を加えることを支持するとき、処理溶液に濃縮処理溶液を加えるように酸供給弁324を調整するために使用される。サンプリング制御弁326は薬品パネル320を経て流れる処理溶液の流れを制御するために使用される。薬品パネルを出る処理溶液は循環処理溶液に戻されて再利用される。
【0074】
処理ラインの動作中、処理溶液は、ハイレジデンス(HR)ゾーンポンプ328、冷却装置リターンポンプ330及びフルーム入口ポンプ332を経て処理ライン内を循環する。HRゾーンポンプからの処理溶液は冷却装置306に戻される前にハイドロシーブ312を経由する。冷却リターンポンプはシェーカリターンタンクからの処理溶液をハイドロシーブへ循環させる。そして、ハイドロシーブから処理溶液は冷却装置へ循環する。冷却装置リターンポンプは可変周波数ドライブ336により制御される可変速度ポンプである。冷却装置ポンプの流量は冷却装置内の流体レベルを動作限界内に維持するように制御される。フルーム入口ポンプは冷却装置からの冷却された処理溶液を入口フルーム338に循環させる。フルーム入口からの冷却された処理溶液はチョッパ/セパレータステーションの下流の洗浄ステーションに導入される。フルーム入口から洗浄ステーションに導入された処理溶液は次いで冷却装置に戻される。
【0075】
多くの実施例では、処理溶液はフルーム入口で導入される。農産物(丸ごと又はカットされたもの)は処理溶液導入点の直後のフルームに導入される。農産物がフルーム中を処理溶液により運ばれる。農産物を処理溶液中に沈めるとともに農産物の表面の洗い流し作用を生成して洗浄作用を高めるには処理溶液及び/又は空気を用いる撹拌ジェットが役に立つ。フルームは処理溶液と農産物を振動コンベヤ又は有孔ベルトコンベヤ上に放出し、ここで処理溶液と農産物が分離される。農産物は続いて乾燥プロセスに進み、処理溶液はシェーカリターンタンクに送られ、そこからフィルタリング、冷却及びフルームへ戻る再循環のために送り出される。多くの実施例では、処理ラインは高架配置され、水は重力により洗浄装置の下方に位置するリターンタンクへ戻る途中で自己洗浄シーブを通過する。プロセスは二重洗浄システムに対して繰り返される。
【0076】
処理ライン内を循環する処理溶液の量はレベル検出圧力トランスデューサにより調整される。第1のレベル検出圧力トランスデューサ340は冷却装置内の圧力を検出し、第2のレベル検出トランスデューサ342はシェーカリターンタンク内の圧力を検出する。冷却装置内の処理溶液のレベルが指定レベルより下がると、冷却装置ポンプが動作してシェーカリターンタンクから冷却装置へ処理溶液を移送する。シェーカリターンタンク内の処理溶液のレベルが指定レベルより下がると、冷却された補給水を洗浄タンク補給弁344を経てシェーカリターンタンクに加えることができる。
【0077】
処理ライン28は2つの水源(例えば、非冷却水源346、冷却水源348)と結合することができる。冷却水は、それぞれ第1のスプレーバー制御弁354及び第2のスプレーバー制御弁356を介して第1のスプレーバー350及び第2のスプレーバー352に供給して処理された農産物をシェーカテーブルでスプレー/リンスするために使用することができる。農産物にスプレーされた冷却水の一部分はシェーカテーブルリターン管を介してシェーカリターンタンクへ循環させ、それによって補給水をシステムに供給することができる。冷却水は洗浄タンク補給弁344を介してシェーカリターンタンクへ調節供給することもできる。
【0078】
処理ラインは、更に、処理溶液を排出し、処理ラインを洗浄し、水と濃縮処理溶液をシステムに適切な量加えることによって新鮮な処理溶液を注入するように構成される。処理ラインから処理溶液を排出するために、シェーカタンクドレン弁360を開いてシェーカタンクを空にし、冷却装置ドレン弁362を開いて冷却装置を空にし、洗浄ステーションドレン弁364を開いて洗浄ステーションを空にし、薬品パネルドレン弁366を開いて薬品パネルを空にすることができる。処理ラインを洗浄するために、水、例えば非冷却水を弁368,370,372を通して処理ラインに加えることができる。水は次にポンプ328,330,332を用いて処理ラインを通して循環させた後に排出することができる。所望のレベルの洗浄を与えるために一以上のバッチの水を処理ラインに加え、処理ラインを通して循環させ、処理ラインから排出させることができる。洗浄プロセス中、薬品パネルを用いて処理ライン内の流体のpHレベルを監視して、例えば追加の洗浄を実行すべきか及び/又は処理ラインから排出された流体を水処理施設に放出する前にそのpHを増大するように処理すべきか(以下で考察される)を決定するために使用できる帰還情報を提供することができる。
【0079】
処理ラインから処理溶液を排水する前に処理溶液を中和するために苛性ソーダ(NaOH)を処理溶液に加えることもできる。制御された量の苛性ソーダを入口フルームと流体連通された苛性供給ライン374を経由して苛性供給弁376(例えばディジタル制御弁)を通して加えることができる。薬品パネル内のpHモニタを用いて得られた流体のpHを監視することによって加える苛性ソーダン量を制御することができる。中和プロセスはPLC制御パネル314と結合されたタッチスクリーンから制御することができる。中和プロセスの初期設定が共通苛性ソーダ供給マニホルドを加圧する隔膜ポンプを始動する。各処理ラインの空気圧ドレン弁の開は許容可能なpHレベルに達するまで禁止することができる。
【0080】
処理ラインに注入するために、冷却水を洗浄タンク注水弁378を通してシェーカリターンタンク310に加えるとともに、冷却装置注入弁380を通して冷却装置に加えることができる。非冷却水を弁368,370,372を通して処理ラインに加えることもできる。最初に、処理溶液のLA及びPAAの開始濃度を生成するために所定の量の濃縮処理溶液を処理ラインに加えることができる。このような開始濃度は水から塩素を除去するのに役立ち、それによって塩素と接触すると損傷され得る薬品パネル内のプローブが塩素と接触することが防げる。初期濃度が設定されるとすぐに、薬品パネルを用いて処理溶液中のPAAの濃度及び処理溶液のpHを監視し、所望の処理溶液強度に到達し維持されるまで追加の濃縮処理溶液を処理溶液に制御された方法(例えば段階式的、可変流量式)で加えることができる。
【0081】
図9は、多くの実施例に係る図1の処理サブシステム16の処理ライン28に対応する別の例示的な処理ライン400のための配管及び設置図を示す。処理ライン400は、処理ライン内を循環する処理溶液への濃縮処理溶液の導入を調整するための計量ポンプを含む薬品パネル402、処理溶液の温度を制御するための冷却装置404、処理溶液から粒子状物質を除去するためのハイドロシーブ兼リターンタンク406(貯蔵タンクとして作用する)、処理溶液を農産物と接触させるフルームを含む洗浄装置408、洗浄装置から出た農産物をリンスし、乾燥するための脱水シェーカテーブル410、処理ラインの種々の空気圧で制御される装置(例えば空気圧で制御される弁)に供給される制御駆動空気流を提供するための空気圧制御パネル412、処理ラインへの冷却水の導入を制御するための制御弁414、処理ラインに中和剤(例えば苛性ソーダ)を導入するための入口手段416、及びpH測定用のサンプルを抽出するための手段418を含む。
【0082】
図10は、多くの実施例に係る図1の処理サブシステム16の処理ライン28に対応する別の例示的な処理ライン500のための配管及び設置図を示す。処理ライン500は、処理ライン内を循環する処理溶液への濃縮処理溶液の導入を調整するための計量ポンプを含む薬品パネル502、処理溶液の温度を制御するための冷却装置504及び関連冷却タンク、処理溶液から粒子状物質を除去するための回転フィルタ兼リターンタンク506、処理溶液を農産物と接触させる洗浄タンク508、洗浄タンクから出た農産物をリンスし、乾燥するための傾斜した脱水ベルト510、処理ラインの種々の空気圧で制御される装置(例えば空気圧で制御される弁)に供給される制御駆動空気流を提供するための空気圧制御パネル512、処理ラインへの冷却水の導入を制御するための制御弁514、処理ラインに中和剤(例えば苛性ソーダ)を導入するための入口手段516、及びpH測定用のサンプルを抽出するための手段518を含む。
【0083】
図11は、多くの実施例に係る図1の処理サブシステム16の処理ライン28に対応する別の例示的な処理ライン600のための配管及び設置図を示す。処理ライン600は、農産物が処理溶液と一緒にパイプ中をポンプで移送され農産物が処理溶液と接触するようにした閉ループシステムである。処理ライン600は、処理ライン内を循環する処理溶液への濃縮処理溶液の導入を調整するための計量ポンプを含む薬品パネル602、処理溶液の温度を制御するための冷却装置604、貯蔵タンクとして作用するリターンタンク606、農産物と処理溶液がその中を通してポンプで移送されるパイプ608、農産物と処理溶液をパイプ608の中を通して移送させるフルームポンプ610(例えば、食品ポンプ)、
パイプから出た農産物をリンスし、乾燥するためのシェーカテーブル612、処理ラインの種々の空気圧で制御される装置(例えば空気圧で制御される弁)に供給される制御駆動空気流を提供するための空気圧制御パネル614、処理ラインへの冷却水の導入を制御するための制御弁616、処理ラインに中和剤(例えば苛性ソーダ)を導入するための入口手段618、及びpH測定用のサンプルを抽出するための手段620を含む。
【0084】
図12a及び12bは、多くの実施例に係る図1の処理サブシステム16の処理ライン28に対応する別の例示的な処理ライン700のための配管及び設置図を示す。処理ライン700は、農産物が連続的に通る2つの別個の処理ライン部分(一つは図12aに、他の一つの図12bに示されている)によって農産物の2段処理を提供するものである。2つの別個の処理ライン部分の各々は、処理ライン内を循環する処理溶液への濃縮処理溶液の導入を調整するための計量ポンプを含む薬品パネル702、処理溶液の温度を制御するための冷却装置704、処理溶液から粒子状物質を除去するためのハイドロシーブ兼リターンタンク706(貯蔵タンクとして作用する)、農産物を移動させて農産物を処理溶液と接触させる関節「フライキャッチャ(ハエ捕り器)」機構を有する洗浄装置708、洗浄装置から出た農産物を輸送するコンベヤ710、処理ラインの種々の空気圧で制御される装置(例えば空気圧で制御される弁)に供給される制御駆動空気流を提供するための空気圧制御パネル712、処理ラインへの冷却水の導入を制御するための制御弁714、処理ラインに中和剤(例えば苛性ソーダ)を導入するための入口手段716、及びpH測定用のサンプルを抽出するための手段718を含む。
【0085】
パージサブシステム
【0086】
多くの実施例では、サニテーションシステム10は、濃縮処理溶液、処理溶液及び/又はリンス水をサニテーションシステム10からパージすることができるように構成される。このようなパージングは定期的に行う必要がある。PAAは、一旦混合されると、一般に限られた保管寿命を有する(例えば、華氏40度以下で保存されるとき24時間以上)。その結果、許容保管寿命を経過した濃縮処理溶液又は処理溶液の使用を避けるために、サニテーションシステム10に残存する如何なる溶液も定期的にパージすることができる。例えば、サニテーションシステム10に残存する濃縮処理溶液又は処理溶液は、次の処理までの時間が24時間を超える場合(例えば一週間の最終日の土曜日)には、処理の終了時に排出することができる。
【0087】
サニテーションシステム10からパージされる流体はパージタンク88に移送することができる。パージタンク88は都合のよい場所(例えば、配送サブシステムの共通マニホルドの終端)に配置することができる。貯蔵タンク内に残存する濃縮処理溶液は直接パージタンクに移送することができる。共通マニホルド内に残存する濃縮処理溶液はパージタンクに排出することができ、共通マニホルド内の残存濃縮処理溶液は圧縮空気を用いてパージすることができる。一以上の処理ラインからの処理溶液及び/又はリンス水は放出前に上述したように中和することができる。また、一以上の処理ラインからの処理溶液及び/又はリンス水は中和のためにパージタンク88に移送することもできる。
【0088】
パージタンク88に収集された流体は廃水処理施設に放出する前にその酸性度を中和するように処理することができる。多くの都市下水処理施設は最低pHレベル(例えば、5.0)を要求している。処理溶液中の比較的多量(例えば、1800ppm〜2200ppm)のLAは処理溶液のpHを約2.8にする。濃縮処理溶液はもっと低いpHを有する。パージタンクに収集された流体を放出前に中和することは、より費用のかかる廃水処理施設の設置を避けることができ、最低の設備投資の選択肢であり得る。そして、外部中和システムの場合に上昇する許可及び監視費用を避けることができ、地下排水パイプの場合に発生し得る腐食を避けることができる。
【0089】
パージタンクに収集された流体を中和するためには苛性ソーダ(NaOH)をパージタンクに加えることができる。加える苛性ソーダの量を決定するためにpHセンサ(例えば、プロミネントpHセンサ)を使用することができる。パージタンクには、収集された流体をパージタンクから放出する前に均等に処理するために、苛性ソーダと収集された流体を混合するミキサを設けることができる。
【0090】
図13は、廃水処理施設に放出する適切に中和された溶液を形成するために処理溶液及び/又は濃縮処理溶液に中和剤を加えるように動作する、実施例に係る中和サブシステム800を示す。中和サブシステム800は、処理溶液及び/又は濃縮処理溶液を中和剤(例えば、苛性ソーダ)と混合できる薬品室排水溜802、処理溶液及び/又は濃縮処理溶液を薬品室排水溜に移送する手段804、中和剤を薬品室排水溜に導入する手段806、薬品室溜から溶液を排出する排出ポンプ808、中和された溶液を排出する出口810、排出ポンプに駆動空気を供給する駆動空気ライン812、中和プロセスの間溶液を薬品室溜に循環させて戻すリターンライン814、及び中和プロセスの間及び/又は後に溶液のpHを監視する手段816を含む。
【0091】
中央監視及びデータ収集
サニテーションシステム10の種々のサブシステム(例えば個別の処理ライン、濃縮処理溶液調製サブシステム、配送サブシステム)は監視及びデータ収集のために一緒にネットワーク化することができる。例えば、種々のサブシステムは品質保証オフィス及び/又はメインテナンスオフィス内の専用中央サーバ及びモニタにイーサネット(登録商標)プロトコルでネットワーク接続することができる。種々の動作パラメータ及び/又は動作モードを表示し、間欠的に記録することができる。例えば、各処理ラインに対して、表示され/記録される動作パラメータ及び動作モードは、PAA濃度測定値、pH測定値、酸供給弁の開時間、補給水の現在流量、補給水の平均流量、オフ、注入、初期ドーズ、運転、洗浄機アイドル、中和、排水及び殺菌などの動作モード、及び供給弁の累積開時間(運転時間単位)を含むことができる。濃縮処理溶液調製サブシステムに対して、監視され、表示され且つ又記録されるパラメータは、例えば、濃縮処理溶液中のLA及びPAAの濃度レベル、濃縮処理溶液の使用率及び累積使用量、それぞれのコンテナ内のPAA及びLAの残存量、現在のバッチ番号、要求バッチサイズ、計算及び測定された水、LA及びPAAの重量、及びLA、pH及びPAAの測定値を含むことができる。サニテーションシステムの一部分から他の動作パラメータ及び動作モードを監視、表示及び/又は記録することもできることは当業者に認識されよう。
【0092】
模範的なLA及びPAAの消費率
【0093】
図14a及び14bは、角切りされたロメーヌレタスを実験的な処理ラインで処理するために使用した600ガロンの処理溶液中のLA及びPAAに対する実験的な消費率を示す。観察された消費率は1000lbの角切りロメーニレタスにつき0.3701lbのLA及び0.0154lbのPAAであることが計算された。
【0094】
図14cは、多くの実施例に係る、みじん切りにされたロメーヌレタスの処理中における処理溶液中のPAAの消費率及び関連するpHの変化を示す。その結果、処理溶液中のPAA及びLAの消費率を監視する代わりとして処理溶液のpHを使用することができ、従って処理溶液のpHは処理ライン内を循環される処理溶液中のPAA及びLAの適切な濃度を維持するために処理ラインに導入する濃縮処理溶液を制御するパラメータを提供することができる。
【0095】
濃縮処理溶液移送レート
【0096】
濃縮処理溶液は処理溶液中の処理酸の適切な濃度を維持するために適切な移送レートで処理ラインに移送することができる。例えば、濃縮処理溶液を処理ラインに移送するレートは処理ラインで処理される農産物の種目、農産物種目が処理溶液ラインで処理される速度、農産物種目の処理中に使用されるリンス水の使用率に基づいて設定することができる。例えば、濃縮処理溶液を処理ラインに移送するレートをプリセットするために図14a,14b及び14cに示されるロメーヌレタスに関するデータのような特定の農産物種目に関するデータを使用することができる。
【0097】
濃縮処理溶液を処理ラインに移送するレートは処理溶液中の測定された処理酸濃度に応答して、例えば第1処理酸としてLA及び第2処理酸としてPAAを含む処理溶液中のLA及び/又はLAAの測定濃度に応答して調整することもできる。移送レートは現在進行中の処理酸濃度の測定に基づいて微調整することができる。従って、処理酸が消費されるレートにほぼ対応するレートで濃縮処理溶液を処理ラインに導入することによって、処理溶液中の処理酸のより信頼できる濃度を生成することができる。より信頼できる濃度は電子濃度測定装置(例えば、PAA測定装置、pH測定装置)の使用を可能にし、それらは場合によっては低い反応速度が有するが、所与の農産物種目、処理速度及びリンス水の使用率で与えられる適切なレートで処理ラインに濃縮処理溶液を移送することによって生じる処理溶液中の酸濃度の変化速度が低ければ依然として低い反応速度で十分である。
【0098】
他の様々な変更が本発明の精神の範囲に含まれる。従って、本発明は様々な変更及び代替構成を受け入れ得るが、そのいくつかの実施例を図に示し、以上で詳細に説明した。しかし、本発明は開示された特定の携帯に限定されず、それどころか、本発明は添付の特許請求の範囲に特定される本発明の精神及び範囲に入るあらゆる変更、代替構成及び等価物をカバーするものである。例えば、本明細書に開示する方法、システム及び装置は、種々の農産物を適切な処理酸濃度を有する処理溶液で処理することを可能にするだけの柔軟性がある。
【0099】
本明細の記載中(特に後期の特許請求の範囲の記載中)の語「a」、「an」および「the」は、特に明記されない限り又は特に否定されない限り、単数及び複数の両方の指示対象を含むものと解釈されたい。語「comprising(備える)」、「having(有する)」、「including(含む)」及び「containing(含有する)」は、特に断りのない限り、制限のない語(open-ended term)、即ち「含むが、限定されない」を意味する語)と解釈されたい。語「connected(接続される)」は、たとえ何かが介在しても一緒に付着される、一緒に結合される、の意味の範囲に部分的に又は完全に含まれるものと解釈されたい。本明細書中に列挙される値の範囲は、特に断りのない限り、範囲内に入る別々の各値を個別に参照する簡便な表記法として役立つように意図しているにすぎず、別々の各値は明細書中に個別に列記されているかのように組み込まれている。本明細書に記載されるすべての方法は、特に断りのない限り又は明確に否定されない限り、任意の適s綱順序で実行することができる。明細書中に与えられている任意の及びすべての例又は例示的な語(例えば、「such as(のような、等)」の使用は本発明の実施例を照らし出すことを意図しているにすぎず、特に特許請求しない限り本発明の範囲に限定を加えるものではない。本明細書中の語は本発明の実施に必須であるとして請求されてない構成要素を示すものと解釈されるべきでない。
【0100】
発明者に知られている本発明の実施に最良のモードを含む本発明の好適実施例が明細書に記載されている。以上の記載を読めば、これらの好適実施例の変更が当業者に明らかになり得る。本発明者は、熟練した技術者がこのような変更を適切に利用することを期待し、本発明者は本発明を本明細書に具体的に記載されるものと異なる方法で実施するつもりである。従って、本発明は適用法律で認められているように、添付の請求項に記載された事項のあらゆる変更及び等価物を含むものである。更に、上述した要素のあらゆる可能な変更の任意の組み合わせも特に断らない限り又は特に否定しない限り本発明によりカバーされる。
【0101】
本明細書に引用した刊行物、特許出願公報及び特許公報などのすべての参考文献は、各参考文献が参照することにより組み込まれるように個別に明確に指示され、参照することにより本明細書に完全に記載されているのと同程度に組み込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産物を処理する方法であって、前記方法は、
一定量の水を測定するステップ、
一定量の第1の処理酸を測定するステップ、
一定量の第2の処理酸を測定するステップ、
前記一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸を混合して濃縮処理溶液を形成するステップ、
一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成するステップ、及び
前記生産物の表面を一定量の前記処理溶液と接触させるステップ、
を備える方法。
【請求項2】
前記一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸の混合は混合タンク内で実行される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記一定量の前記濃縮処理溶液を前記混合タンクから貯蔵タンクに移送するステップを更に備える、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記一定量の前記濃縮処理溶液を前記貯蔵タンクから再循環ループを通して前記貯蔵タンクへと循環させて戻すステップを更に備える、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記処理溶液を形成するために希釈される一定量の前記濃縮処理溶液は前記再循環ループから抽出される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸の各々は、前記一定量を添加する前と、前記混合タンクに前記一定量の添加中及び/又は添加後の前記混合タンク及び前記混合タンクの中身の重さを計量することによって決定される、請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記濃縮処理溶液中の前記第1の処理酸の濃度を決定するために前記濃縮処理溶液のサンプルを分析するステップを更に備える、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記濃縮処理溶液中の前記第2の処理酸の濃度を決定するために前記濃縮処理溶液のサンプルを分析するステップを更に備える、請求項7記載の方法。
【請求項9】
一定量の前記濃縮処理溶液を前記貯蔵タンクから処理装置に移送するステップを更に備え、そこで一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成するステップ及び前記生産物の表面を一定量の前記処理溶液と接触させるステップが実行される、請求項3記載の方法。
【請求項10】
一定量の前記濃縮処理溶液を移送するステップは、前記処理装置で処理される生産物の品目、前記生産物の品目が前記処理装置で処理される速度及び前記生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して選択されたレートで前記濃縮処理溶液を前記処理装置に移送する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸(PAA)を備える、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記処理溶液中のPAAの濃度を決定するために前記処理溶液のサンプルを分析するステップ、及び
前記濃縮処理溶液が前記処理装置に移送される前記レートを前記処理溶液中のPAAの決定された濃度に応答して調整するステップ、
を更に備える、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記処理溶液中のPAAの濃度はPAA測定装置を用いて決定される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第1の処理酸は乳酸(LA)を備える、請求項10記載の方法。
【請求項15】
前記処理溶液中のLAの濃度を決定するために前記処理溶液のサンプルを分析するステップ、及び
前記濃縮処理溶液が前記処理装置に移送される前記レートを前記処理溶液中のLAの決定された濃度に応答して調整するステップ、
を更に備える、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記処理装置内で一定量の前記処理溶液に中和剤を加えて中和前の処理溶液より高いpHを有する中和された処理溶液を形成するステップを更に備える、請求項9記載の方法。
【請求項17】
一定量の前記濃縮処理溶液をパージタンクに移送するステップ、
前記パージタンクに中和剤を加えて中和前の前記一定量の前記濃縮処理溶液より高いpHを有する中和された濃縮処理溶液を形成するステップ、及び
前記パージタンクから前記中和された濃縮処理溶液を排出するステップ、
を更に備える、請求項9記載の方法。
【請求項18】
前記第1の処理酸は乳酸を備える、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸を備える、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記処理溶液中の乳酸の濃度は850パーツ・パー・ミリオン(ppm)〜10,000ppmであり、
前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmである、
請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600ppmであり、
前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmである、
請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸(PAA)を備える、請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記濃縮処理溶液中のPAAの濃度を決定するためにPAA分析装置を用いて前記濃縮処理溶液のサンプルを分析するステップを更に備える、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記濃縮処理溶液中のPAAの濃度を調整するために、前記濃縮処理溶液中のPAAの決定された濃度に応答して前記濃縮処理溶液に水又はPAAの少なくとも一つを加えるステップを更に備える、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記処理溶液中のPAAの濃度を決定するためにPAA測定装置を用いて前記処理溶液のサンプルを分析するステップを更に備える、請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記処理溶液中のPAAの濃度を調整するために、前記処理溶液中のPAAの決定された濃度に応答して前記処理溶液に水又はPAAの少なくとも一つを加えるステップを更に備える、請求項25記載の方法。
【請求項27】
生産物を処理するシステムであって、前記システムは、
一定量の水、一定量の第1の処理酸及び一定量の第2の処理酸を含む濃縮処理溶液を調製する混合サブシステム、及び
前記混合サブシステムと制御流体連通され、前記混合サブシステムから受け取った一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成し、前記生産物の外表面を一定量の前記処理溶液と接触させるように構成された処理サブシステム、
を備えるシステム。
【請求項28】
前記混合サブシステムは、前記一定量の水、前記一定量の第1の処理酸及び前記一定量の第2の処理酸を混合する混合タンクを備える、請求項27記載のシステム。
【請求項29】
前記混合タンクから一定量の前記濃縮処理を受け取るために前記混合タンクと制御流体連通された貯蔵タンクを更に備える、請求項28記載のシステム。
【請求項30】
前記貯蔵タンクから受け取った一定量の前記濃縮処理溶液を循環して前記貯蔵タンクに戻す再循環ループを更に備える、請求項29記載のシステム。
【請求項31】
前記処理サブシステムは、希釈される前記一定量の前記濃縮処理溶液を前記再循環ループの出口から受け取る、請求項30記載のシステム。
【請求項32】
前記一定量の水、前記一定量の第1の処理酸及び前記一定量の第2の処理酸を決定する少なくとも一つの重量測定装置を更に備え、
前記一定量の各々は、前記一定量を添加する前と、前記混合タンクに前記一定量の添加中及び/又は添加後の前記混合タンク及び前記混合タンクの中身の重さを計量することによって決定される、
請求項28記載のシステム。
【請求項33】
一定量の前記処理溶液又は一定量の前記濃縮処理溶液の少なくとも一つに中和剤を添加して中和された溶液を形成し、前記中和された溶液を放出する中和サブシステムを更に備える、請求項27記載のシステム。
【請求項34】
前記中和サブシステムは、前記一定量の前記処理溶液又は前記一定量の濃縮処理溶液の少なくとも一つ及び前記添加された中和剤を受け取るパージタンクを備える、請求項33記載のシステム。
【請求項35】
前記第1の処理酸は乳酸(LA)を備える、請求項27記載のシステム。
【請求項36】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸(PAA)を備える、請求項35記載のシステム。
【請求項37】
前記濃縮処理溶液又は前記処理溶液の少なくとも一つの溶液中のPAAの濃度を決定するためにPAA測定装置を更に備える、請求項36記載のシステム。
【請求項38】
前記処理溶液中の乳酸の濃度は850ppm〜10,000pmであり、
前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmである、
請求項36記載のシステム。
【請求項39】
前記処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600pmであり、
前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmである、
請求項38記載のシステム。
【請求項40】
前記第2の処理酸は過酢酸を備える、請求項27記載のシステム。
【請求項41】
前記濃縮処理溶液は、前記処理サブシステムで処理される生産物の品目、前記生産物の品目が前記処理サブシステムで処理される速度及び前記生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して選択されたレートで前記処理サブシステムに移送される、請求項27記載のシステム。
【請求項42】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸(PAA)を備える、請求項41記載のシステム。
【請求項43】
前記処理溶液中のPAAの濃度を測定するためにPAA測定装置を更に備え、
前記濃縮処理溶液が前記処理サブシステムに移送される前記レートが前記処理溶液中のPAAの測定された濃度に応答して調整される、
請求項42記載のシステム。
【請求項44】
前記第1の処理酸は乳酸(LA)を備え、
前記処理溶液中のLAの濃度を決定するために前記処理溶液のサンプルが分析され、
前記濃縮処理溶液が前記処理装置に移送される前記レートが前記処理溶液中のLAの決定された濃度に応答して調整される、
請求項41記載のシステム。
【請求項45】
生産物を処理する装置であって、前記装置は、
処理溶液を循環させる流体回路、
前記生産物の外表面を前記処理溶液と接触させる洗浄ステーション、
前記循環処理溶液への第1の処理酸及び第2の処理酸を含む濃縮処理溶液の添加を制御する第1の制御可能な入口装置、及び
前記循環処理溶液への水の添加を制御する第2の制御可能な入口装置を備え、
前記第1及び第2の入口装置が前記循環処理溶液中の前記濃縮処理溶液の濃度を調整するために制御される、
装置。
【請求項46】
前記第1の処理酸は乳酸を備える、請求項45記載の装置。
【請求項47】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸を備える、請求項46記載の装置。
【請求項48】
前記第1及び第2の入口装置は、前記処理溶液中の乳酸の濃度が850ppm〜10,000pmに、前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度が10ppm〜80ppmになるように、前記循環処理溶液中の前記濃縮処理溶液の濃度を調整する、請求項47記載の装置。
【請求項49】
前記第1及び第2の入口装置は、前記処理溶液中の乳酸の濃度が1300ppm〜5600ppmに、前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度が65ppm〜75ppmになるように、前記循環処理溶液中の前記濃縮処理溶液の濃度を調整する、請求項48記載の装置。
【請求項50】
前記第1及び第2の入口装置の各々は少なくとも一つの可制御弁又は計量ポンプを含む、請求項45記載の装置。
【請求項51】
前記第1の入口装置は、前記処理装置で処理される生産物の品目、前記生産物の品目が前記処理装置で処理される速度及び前記生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して選択されたレートで前記濃縮処理溶液を前記循環処理溶液に添加するように制御される、請求項45記載の装置。
【請求項1】
生産物を処理する方法であって、前記方法は、
一定量の水を測定するステップ、
一定量の第1の処理酸を測定するステップ、
一定量の第2の処理酸を測定するステップ、
前記一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸を混合して濃縮処理溶液を形成するステップ、
一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成するステップ、及び
前記生産物の表面を一定量の前記処理溶液と接触させるステップ、
を備える方法。
【請求項2】
前記一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸の混合は混合タンク内で実行される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記一定量の前記濃縮処理溶液を前記混合タンクから貯蔵タンクに移送するステップを更に備える、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記一定量の前記濃縮処理溶液を前記貯蔵タンクから再循環ループを通して前記貯蔵タンクへと循環させて戻すステップを更に備える、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記処理溶液を形成するために希釈される一定量の前記濃縮処理溶液は前記再循環ループから抽出される、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記一定量の水、第1の処理酸及び第2の処理酸の各々は、前記一定量を添加する前と、前記混合タンクに前記一定量の添加中及び/又は添加後の前記混合タンク及び前記混合タンクの中身の重さを計量することによって決定される、請求項2記載の方法。
【請求項7】
前記濃縮処理溶液中の前記第1の処理酸の濃度を決定するために前記濃縮処理溶液のサンプルを分析するステップを更に備える、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記濃縮処理溶液中の前記第2の処理酸の濃度を決定するために前記濃縮処理溶液のサンプルを分析するステップを更に備える、請求項7記載の方法。
【請求項9】
一定量の前記濃縮処理溶液を前記貯蔵タンクから処理装置に移送するステップを更に備え、そこで一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成するステップ及び前記生産物の表面を一定量の前記処理溶液と接触させるステップが実行される、請求項3記載の方法。
【請求項10】
一定量の前記濃縮処理溶液を移送するステップは、前記処理装置で処理される生産物の品目、前記生産物の品目が前記処理装置で処理される速度及び前記生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して選択されたレートで前記濃縮処理溶液を前記処理装置に移送する、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸(PAA)を備える、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記処理溶液中のPAAの濃度を決定するために前記処理溶液のサンプルを分析するステップ、及び
前記濃縮処理溶液が前記処理装置に移送される前記レートを前記処理溶液中のPAAの決定された濃度に応答して調整するステップ、
を更に備える、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記処理溶液中のPAAの濃度はPAA測定装置を用いて決定される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記第1の処理酸は乳酸(LA)を備える、請求項10記載の方法。
【請求項15】
前記処理溶液中のLAの濃度を決定するために前記処理溶液のサンプルを分析するステップ、及び
前記濃縮処理溶液が前記処理装置に移送される前記レートを前記処理溶液中のLAの決定された濃度に応答して調整するステップ、
を更に備える、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記処理装置内で一定量の前記処理溶液に中和剤を加えて中和前の処理溶液より高いpHを有する中和された処理溶液を形成するステップを更に備える、請求項9記載の方法。
【請求項17】
一定量の前記濃縮処理溶液をパージタンクに移送するステップ、
前記パージタンクに中和剤を加えて中和前の前記一定量の前記濃縮処理溶液より高いpHを有する中和された濃縮処理溶液を形成するステップ、及び
前記パージタンクから前記中和された濃縮処理溶液を排出するステップ、
を更に備える、請求項9記載の方法。
【請求項18】
前記第1の処理酸は乳酸を備える、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸を備える、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記処理溶液中の乳酸の濃度は850パーツ・パー・ミリオン(ppm)〜10,000ppmであり、
前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmである、
請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600ppmであり、
前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmである、
請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸(PAA)を備える、請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記濃縮処理溶液中のPAAの濃度を決定するためにPAA分析装置を用いて前記濃縮処理溶液のサンプルを分析するステップを更に備える、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記濃縮処理溶液中のPAAの濃度を調整するために、前記濃縮処理溶液中のPAAの決定された濃度に応答して前記濃縮処理溶液に水又はPAAの少なくとも一つを加えるステップを更に備える、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記処理溶液中のPAAの濃度を決定するためにPAA測定装置を用いて前記処理溶液のサンプルを分析するステップを更に備える、請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記処理溶液中のPAAの濃度を調整するために、前記処理溶液中のPAAの決定された濃度に応答して前記処理溶液に水又はPAAの少なくとも一つを加えるステップを更に備える、請求項25記載の方法。
【請求項27】
生産物を処理するシステムであって、前記システムは、
一定量の水、一定量の第1の処理酸及び一定量の第2の処理酸を含む濃縮処理溶液を調製する混合サブシステム、及び
前記混合サブシステムと制御流体連通され、前記混合サブシステムから受け取った一定量の前記濃縮処理溶液を希釈して処理溶液を形成し、前記生産物の外表面を一定量の前記処理溶液と接触させるように構成された処理サブシステム、
を備えるシステム。
【請求項28】
前記混合サブシステムは、前記一定量の水、前記一定量の第1の処理酸及び前記一定量の第2の処理酸を混合する混合タンクを備える、請求項27記載のシステム。
【請求項29】
前記混合タンクから一定量の前記濃縮処理を受け取るために前記混合タンクと制御流体連通された貯蔵タンクを更に備える、請求項28記載のシステム。
【請求項30】
前記貯蔵タンクから受け取った一定量の前記濃縮処理溶液を循環して前記貯蔵タンクに戻す再循環ループを更に備える、請求項29記載のシステム。
【請求項31】
前記処理サブシステムは、希釈される前記一定量の前記濃縮処理溶液を前記再循環ループの出口から受け取る、請求項30記載のシステム。
【請求項32】
前記一定量の水、前記一定量の第1の処理酸及び前記一定量の第2の処理酸を決定する少なくとも一つの重量測定装置を更に備え、
前記一定量の各々は、前記一定量を添加する前と、前記混合タンクに前記一定量の添加中及び/又は添加後の前記混合タンク及び前記混合タンクの中身の重さを計量することによって決定される、
請求項28記載のシステム。
【請求項33】
一定量の前記処理溶液又は一定量の前記濃縮処理溶液の少なくとも一つに中和剤を添加して中和された溶液を形成し、前記中和された溶液を放出する中和サブシステムを更に備える、請求項27記載のシステム。
【請求項34】
前記中和サブシステムは、前記一定量の前記処理溶液又は前記一定量の濃縮処理溶液の少なくとも一つ及び前記添加された中和剤を受け取るパージタンクを備える、請求項33記載のシステム。
【請求項35】
前記第1の処理酸は乳酸(LA)を備える、請求項27記載のシステム。
【請求項36】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸(PAA)を備える、請求項35記載のシステム。
【請求項37】
前記濃縮処理溶液又は前記処理溶液の少なくとも一つの溶液中のPAAの濃度を決定するためにPAA測定装置を更に備える、請求項36記載のシステム。
【請求項38】
前記処理溶液中の乳酸の濃度は850ppm〜10,000pmであり、
前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は10ppm〜80ppmである、
請求項36記載のシステム。
【請求項39】
前記処理溶液中の乳酸の濃度は1300ppm〜5600pmであり、
前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度は65ppm〜75ppmである、
請求項38記載のシステム。
【請求項40】
前記第2の処理酸は過酢酸を備える、請求項27記載のシステム。
【請求項41】
前記濃縮処理溶液は、前記処理サブシステムで処理される生産物の品目、前記生産物の品目が前記処理サブシステムで処理される速度及び前記生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して選択されたレートで前記処理サブシステムに移送される、請求項27記載のシステム。
【請求項42】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸(PAA)を備える、請求項41記載のシステム。
【請求項43】
前記処理溶液中のPAAの濃度を測定するためにPAA測定装置を更に備え、
前記濃縮処理溶液が前記処理サブシステムに移送される前記レートが前記処理溶液中のPAAの測定された濃度に応答して調整される、
請求項42記載のシステム。
【請求項44】
前記第1の処理酸は乳酸(LA)を備え、
前記処理溶液中のLAの濃度を決定するために前記処理溶液のサンプルが分析され、
前記濃縮処理溶液が前記処理装置に移送される前記レートが前記処理溶液中のLAの決定された濃度に応答して調整される、
請求項41記載のシステム。
【請求項45】
生産物を処理する装置であって、前記装置は、
処理溶液を循環させる流体回路、
前記生産物の外表面を前記処理溶液と接触させる洗浄ステーション、
前記循環処理溶液への第1の処理酸及び第2の処理酸を含む濃縮処理溶液の添加を制御する第1の制御可能な入口装置、及び
前記循環処理溶液への水の添加を制御する第2の制御可能な入口装置を備え、
前記第1及び第2の入口装置が前記循環処理溶液中の前記濃縮処理溶液の濃度を調整するために制御される、
装置。
【請求項46】
前記第1の処理酸は乳酸を備える、請求項45記載の装置。
【請求項47】
前記第2の処理酸はペルオキシ酢酸を備える、請求項46記載の装置。
【請求項48】
前記第1及び第2の入口装置は、前記処理溶液中の乳酸の濃度が850ppm〜10,000pmに、前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度が10ppm〜80ppmになるように、前記循環処理溶液中の前記濃縮処理溶液の濃度を調整する、請求項47記載の装置。
【請求項49】
前記第1及び第2の入口装置は、前記処理溶液中の乳酸の濃度が1300ppm〜5600ppmに、前記処理溶液中のペルオキシ酢酸の濃度が65ppm〜75ppmになるように、前記循環処理溶液中の前記濃縮処理溶液の濃度を調整する、請求項48記載の装置。
【請求項50】
前記第1及び第2の入口装置の各々は少なくとも一つの可制御弁又は計量ポンプを含む、請求項45記載の装置。
【請求項51】
前記第1の入口装置は、前記処理装置で処理される生産物の品目、前記生産物の品目が前記処理装置で処理される速度及び前記生産物の品目の処理中に使用されるリンス水のレートに応答して選択されたレートで前記濃縮処理溶液を前記循環処理溶液に添加するように制御される、請求項45記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図7−1】
【図7−2】
【図7−3】
【図7−4】
【図7−5】
【図7−6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図4a】
【図4b】
【図5】
【図6a】
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【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図7−1】
【図7−2】
【図7−3】
【図7−4】
【図7−5】
【図7−6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2013−520963(P2013−520963A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555212(P2012−555212)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/026540
【国際公開番号】WO2011/106789
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(510338190)フレッシュ・エクスプレス・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】FRESH EXPRESS INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2011/026540
【国際公開番号】WO2011/106789
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(510338190)フレッシュ・エクスプレス・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】FRESH EXPRESS INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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