説明

生花の収納袋とその製作方法

【課題】本発明は、下部に収納された生花に対して空気の入れ替えができる生花の収納袋ある。
【解決手段】生花の収納袋は、頂部13の隅部20aから底部14の収納部20bに到る側部の形状が曲線状であり、2枚重ねのフィルムにおいて、収納袋を上下逆に配設したとき、それらの収納袋は点対称であり、且つ、フィルムの縁部から底部14に到る個所に廃棄個所10が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生花を収納する収納袋とその製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の生花の収納袋12(12A,12B)は、平坦にしたとき台形の中空状であり、頂部13と底部14に開口が設けてあり、頂部の開口から生花を挿入する。そして、この収納袋は、よく知られている製作方法を図3を参照して説明する。
【0003】
フィルム幅が収納袋12の高さであるロールに巻かれた長いフィルム10は、両端を狭着された状態で搬送されながら、先ず、ロール体に植設してある鉄針(図示略)を前記フィルムに押し当てて、空気孔15を、フィルム幅Wに対して両端からLを除く幅wで、適宜の間隔で形成する。また、同様に、他の1枚のフィルムにも、空気孔15を形成する。
【0004】
そして、前記2枚のフィルム10,10を重ね合わせて、両端を狭着した状態で搬送しながら、図3に示すように、上下逆向きに配列され、互いの側部が共通した2個の台形状に形成された熱刃(図示略)を、前記2枚のフィルムに押圧すると、前記2枚のフィルムは熱シールで溶着されると共に切断されて、頂部と底部が開口である台形状の2個の収納袋12A,12Bが、順次形成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように、収納袋12の高さであるフィルム幅Wのロールに巻かれたフィルム10を2枚の重ねて、台形状の収納袋を製作するに当たって、上下逆に台形を配置し、台形状に溶断して収納袋を製作するので、フィルムを廃棄する個所がなく、無駄なく製作できるメリットはある。
【0006】
しかし、生花を収納するに当たって、台形状の収納袋の下部が狭くなり、生花が重なった状態で収納されるので、花弁が落下したりして花弁を傷つけるという課題がある。
また、収納袋に空気孔15を穿設するに当たって、図3に示すように、収納袋の頂部13と底部14から幅Lの無孔部17,18が形成される。
特に、底部14からの無孔部18は、下部(底部付近)における生花に対して、空気の入れ替えができず、生花を長持ちさせることに影響を与える。
そこで、本願の収納袋は、前記課題を解消する生花の収納袋と、その製作方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の生花の収納袋は、頂部に開口部と底部に開口部を有し、前記頂部の隅部から前記底部の収納部に到る側部の形状が曲線状である。そして、この生花の収納袋は、2枚重ねのフィルムにおいて、収納袋を上下逆に配設したとき、それらの収納袋は点対称であり、且つ、前記フィルムの縁部から底部に到る個所に廃棄個所が形成される。
また、請求項2の生花の収納袋は、底部から頂部の方向に所定幅で空気孔を適宜の間隔で形成してあるので、底部において空気の入れ替えができ、生花の鮮度保持に有意義である。
【0008】
また、請求項3の生花の収納袋の製作方法は、2枚重ねのフィルムにおいて、頂部に開口部と底部に開口部を有し、且つ前記頂部の隅部から前記底部の収納部に到る側部の形状が曲線状であり、その収納袋を上下逆に配設したとき、それらの収納袋は点対称であり、且つ、前記フィルムの縁部から底部に到る個所に廃棄個所を形成して、熱刃で前記フィルムを熱シールと切断をすることによって、2個の収納袋が製作される。
また、請求項4の生花の収納袋の製作方法は、2枚重ねのフィルムが予め収納袋の底部から頂部の方向に所定幅で空気孔が適宜の間隔で形成されているものを使用して生花の収納袋を製作する。
【発明の効果】
【0009】
本願発明の生花の収納袋は、側部が曲線であるので、下部が大きな容積となり、生花を傷めることなく収納することができる。また、底部から頂部の方向に所定幅で空気孔を適宜の間隔で形成することができるので、生花の鮮度保持を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ワイングラス状の収納袋の型取り方法である。
【図2】収納袋の平面図と生花を収納した姿態図である。
【図3】従来の台形状の収納袋の型取り方法である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願発明を図を参照して説明する。本願の生花の収納袋は、図2(A)に示すように、平面視、ワイングラス形状であり、頂部13に開口部と、底部14に開口部を有して、頂部13の開口部から生花を収納すると、図2(B)に示す姿態になる。このワイングラス状の収納袋2に入れられた生花は、従来の台形状に比して、下部が大きな容積となり、生花を傷めることなく収納することができる。
【0012】
尚、この収納袋の主たる寸法を例示すると、頂部13の開口部の幅Lt(=250mm),底部14の開口部の幅Ld(=50mm)、収納袋の全高さH(=300mm)である。
また、この収納袋の側部20は、前記頂部13の隅部20aから前記底部14に到る途中の収納部20bまでの形状が曲線状であり、具体的には、頂部からの高さH1(=50m)の箇所において幅L1(=235mm)であり、高さH2(=100mm)の箇所において幅L2(=218mm)、高さH3(=150mm)の箇所において幅L3(=195mm)、高さH4(=200mm)の箇所において幅L4(=132mm)、高さH5(=250mm)の箇所において幅L5(=65mm)であり、底部(高さH5(=300mm))は、幅L5(=50mm)である。なお、前記収納部20bから底部14における形状23は、任意である。
【0013】
次に、本願のワイングラス状の収納袋2の製作方法について説明する。
先ず、収納袋のフィルム1における型取りについて説明すると、フィルム1の幅が収納袋2の高さより広い(H+L0)ロールに巻かれた長いフィルム1において、ワイングラス状の収納袋2A,2Bを上下逆に配置して、側部20の曲線部を互いに合わせて共通にすると、双方の収納袋2A,2Bは点対称に配置され、且つ、これらの収納袋2A,2Bは、底部14からフィルムの縁部にかけて、高さL0が廃棄個所10(図1の斜線部)として形成される。
なお、空気孔5は、前記収納袋の底部14から高さBの領域において、適宜の間隔で穿設されているが、その上の頂部13に到る個所は空気孔5が穿設されていない無孔領域7である。この無孔領域7には、ラベル等を良好に貼着することができ、従来の図3に示すように、上下に2箇所の無孔領域17,18が形成されるのと異なり、1箇所である。
【0014】
本願の収納袋2(2A,2B)は、前記した型取りでフィルム1から連続して製作するものであり、具体的には、幅(H+L0)のフィルムの両端を狭着した状態で搬送しながら、先ず、ロール体に植設してある鉄針(図示略)を前記フィルムに押し当てて、空気孔5を、フィルム幅(H+L0)に対して両端からL0を除く幅Bで、適宜の間隔で形成する。また、同様に、他の1枚のフィルムにも、空気孔5を形成する。
尚、この形成された空気孔5は、底部14から幅Bの領域に形成され、底部14の付近に空気孔が形成されない従来の収納袋と異なる。この空気孔5が形成されることにより、底部14に収納される生花に空気を供給することができ、生花の鮮度保持が向上する。
【0015】
そして、前記空気孔5が穿設されたフィルム1,1を2枚重ねて、両端を狭着した状態で搬送しながら、上下逆向きに配列され、互いの側部の形状が共通である2個の収納袋の形状に形成された熱刃(図示略)を、前記2枚のフィルムに押圧すると、前記2枚のフィルムは熱シールで溶着されると共に切断されて、頂部13と底部14が開口であり、側部が曲線状(ワイングラス状)である2個の収納袋2A,2Bが、順次形成される。
尚、前記フィルム1,1から熱刃で形成された前記収納袋2A、2Bを取り除くと、底部14から高さL0の廃棄個所10(図1の斜線部)が残り、この廃棄個所10を廃棄する。
【0016】
このように、本願の収納袋は、2枚重ねのフィルムにおいて上下逆に配列しても、廃棄する個所の面積は小さくて済むし、特に底部の収納容積を大きく形成できるので生花を傷めることがなく、且つ、底部14の付近に空気孔5が形成可能であるので、底部14における生花の鮮度保持を図ることができる。
また、この収納袋は側部の曲線形状を維持すれば、熱刃の位置変更によって、収納袋の大きさを容易に変更できる。
【符号の説明】
【0017】
1 フィルム
2 収納袋
2A,2B 収納袋
2A 収納袋
5 空気孔
7 無孔領域
13 頂部
14 底部
20 側部
20a 隅部
20b 収納部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部に開口部と底部に開口部を有し、前記頂部の隅部から前記底部の収納部に到る側部の形状が曲線状である生花の収納袋であって、
2枚重ねのフィルムにおいて、前記収納袋を上下逆に配設したときそれらの収納袋は点対称であり、且つ、前記フィルムの縁部から底部に到る個所に廃棄個所を形成することを特徴とする生花の収納袋。
【請求項2】
底部から頂部の方向に所定幅で空気孔を適宜の間隔で形成してなることを特徴とする請求項1の生花の収納袋。
【請求項3】
2枚重ねのフィルムにおいて、頂部に開口部と底部に開口部を有し、且つ前記頂部の隅部から前記底部の収納部に到る側部の形状が曲線状であり、その収納袋を上下逆に配設したときそれらの収納袋は点対称であり、且つ、前記フィルムの縁部から底部に到る個所に廃棄個所を形成して、熱刃で前記フィルムを熱シールと切断をして収納袋を製作することを特徴とする生花の収納袋の製作方法。
【請求項4】
2枚重ねのフィルムは、予め収納袋の底部から頂部の方向に所定幅で空気孔が適宜の間隔で形成されていることを特徴とする請求項3の生花の収納袋の製作方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−225218(P2011−225218A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−93850(P2010−93850)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(592118918)株式会社ナカヤマ (3)
【Fターム(参考)】