説明

生菊芋こんにゃく、生菊芋こんにゃく飯粒及びこれらの製造方法

【課題】糖尿病及び生活習慣病の改善・予防効果のある健康加工食品にし、生菊芋のイヌリンとこんにゃくのグルコマンナンとの相乗効果で、より血糖値の上昇を抑制させる。
【解決手段】こんにゃく成分に対して、すりおろした生菊芋を30〜50%で添加し、アルカリ溶液と共に混和し、成形後に煮沸してアルカリ成分を除去し、食するようにする。また、こんにゃく成分に対して、すりおろした生菊芋を30〜50%で添加し、アルカリ溶液と共に混和し、球形の粒状に成形後に煮沸してアルカリ成分を除去し、これを生米に対して50%で添加炊飯し、米飯と共に食するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病及び生活習慣病の改善・予防効果のある健康加工食品に関するものであり、菊芋のイヌリンとこんにゃくのグルコマンナンの相乗効果で、より血糖値の上昇を抑制させることを目的とした調理汎用性がある健康こんにゃくとして開発したものである。
【背景技術】
【0002】
厚生労働省の糖尿病実態調査より、近年、糖尿病が強く疑われる人は約740万人で、糖尿病予備軍は約880万人、両者を合計すると約1,620万人で、成人の6人に1人は糖尿病か、その予備軍と言われ、それに伴う効果的で安全な健康食品の需要が高まっている。
【0003】
その一つとして、キク科ヒマワリ属の多年草である菊芋(学名:ヘリアンツスツベロスス)が近年注目されている。菊芋の主成分はデンプンではなく、体内でブドウ糖に分解されないイヌリンという多糖体で、血糖値の上昇を抑える作用が期待出来るものである。
【0004】
しかし、従来から菊芋を使用した糖尿病の改善及び予防効果を目的とした加工食品はあるが、菊芋の形状は、粉末・顆粒又は粒状にしたものが多く、生の菊芋を原料とした加工食品はなく、菊芋本来の自然な甘味・香り・歯ざわりを味わうことは出来ない。また、糖尿病改善効果には、イヌリンが1日に約8g〜10g必要とされているが従来の加工食品には単品で1日の必要量を摂取することは出来ない。
【0005】
糖尿病にとって最も重要なのは血糖値のコントロールであることから、低カロリーのグルコマンナン食物繊維を豊富に含んだ医薬的効果を持つこんにゃくと菊芋との相乗効果が、糖尿病の改善及び予防効果がよりあると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、菊芋こんにゃく単品で、1日に必要なイヌリンを美味しく無理なく摂取可能に解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
こんにゃく成分に対して、生の菊芋みじん切りとすりおろしを30%〜50%添加していることを特徴とする、菊芋こんにゃくである。生の菊芋には、イヌリンが約13%〜20%含まれ、菊芋こんにゃく250g/枚に対し、1日に約100g食べればイヌリンの必要量が摂取可能となる。また、菊芋みじん切りを添加することで、従来のこんにゃくにはない、菊芋本来のシャリシャリした新感覚の食感を重視したこんにゃくとする。
【0009】
こんにゃく成分に対し、生菊芋のすりおろしを30%〜50%添加していることを特徴とする、菊芋こんにゃくである。また、生菊芋すりおろしを添加することで、従来のこんにゃくにはない、菊芋本来の自然な甘味成分を重視したこんにゃくとする。また、煮る調理以外にも、揚げる・焼く・炒める等の調理汎用性があるこんにゃくとする。
【0010】
こんにゃく成分に対し、生菊芋のすりおろしを30%〜50%添加し、球形の粒状に成形したことを特徴とする、菊芋こんにゃくである。
生米に対し、粒状の菊芋こんにゃくを50%〜60%添加して炊飯することにより炊き上がり御飯、茶碗一杯に対して約4gのイヌリンを摂取することになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、糖尿病及び生活習慣病の改善・予防効果を前提に天然インシュリンと言われる生菊芋のイヌリンをグルコマンナン食物繊維が豊富に含むこんにゃく精粉に添加した相乗効果で、血糖値の上昇を抑える作用が期待出来る調理汎用性のある菊芋こんにゃくである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、参考例と共に実施例を説明すると次のようである。
【参考例1】
【0013】
こんにゃく精粉50gを70℃〜80℃の湯1200g〜1500gでゼリー状にまで混和し、これに生菊芋(洗浄〜皮剥き〜みじん切り及びすりおろし)1500gを混和し、約1時間寝かしておく。別に水酸化カルシウム4gをぬるま湯200gに溶解したアルカリ液を上記に混和し、容器に移して凝固成型する。これを適宜に切り分け、約30分間茹でて残余のアルカリ分を除去し完成させる。この実施例による菊芋こんにゃくは、食感が食肉に近く、また菊芋のシャリシャリ感も含め、煮もの以外にも揚げる・焼く・炒める等の調理汎用性があるので1日に必要なイヌリンを美味しく無理なく摂取することが可能である。
【実施例1】
【0014】
こんにゃく精粉50gを70℃〜80℃の湯1400g〜1600gでゼリー状にまで混和して、これに生菊芋(洗浄〜皮剥き〜すりおろし)800g〜1250gを混和し、約1時間寝かしておく。別に水酸化カルシウム6gをぬるま湯200gに溶解したアルカリ液を上記に混和し、容器に移して凝固成型する。これを適宜に切り分け、約30分間茹でて残余のアルカリ分を除去し完成させる。この実施例による菊芋こんにゃくは、食感が食肉に近く、菊芋本来の自然な甘味成分も含め、煮もの以外にも揚げる・焼く・炒める等の調理汎用性があるので1日に必要なイヌリンを美味しく無理なく摂取することが可能である。
【実施例2】
【0015】
こんにゃく精粉50gを70℃〜80℃の湯1400g〜1600gでゼリー状にまで混和して、これに生菊芋(洗浄〜皮剥き〜すりおろし)800g〜1250gを混和し、約1時間寝かしておく。別に水酸化カルシウム6gをぬるま湯200gに溶解したアルカリ液を上記に混和し、球形の粒状に成形して凝固成型する。これを約30分間茹で残余のアルカリ分を除去し完成させる。
この実施例による菊芋こんにゃくは炊飯用であり、生米に対して約50%〜60%添加し炊飯することにより、炊き上がり御飯の茶碗1杯分で約4gのイヌリンを摂取することになる。
糖尿病にとって最も重要なのは血糖値のコントロールであり、毎日食べる御飯とした食事療法で美味しく無理なく摂取することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
こんにゃく成分に対して、すりおろした生菊芋を30〜50%で添加し、アルカリ溶液と共に混和し、成形後に煮沸してアルカリ成分を除去し、食するようにしたことを特徴とする生菊芋こんにゃく。
【請求項2】
こんにゃく成分に対して、すりおろした生菊芋を30〜50%で添加し、アルカリ溶液と共に混和し、球形の粒状に成形後に煮沸してアルカリ成分を除去し、これを生米に対して50%で添加炊飯し、米飯と共に食するようにしたことを特徴とする生菊芋こんにゃく飯粒。
【請求項3】
生菊芋をすりおろす工程と、すりおろした生菊芋をこんにゃく成分に対して30〜50%で添加する工程と、添加後にアルカリ溶液と混和する工程と、混和した後、凝固成型する工程と、凝固成型後に煮沸し、アルカリ成分を除去する工程とから成ることを特徴とした生菊芋こんにゃくの製造方法。
【請求項4】
生菊芋をすりおろす工程と、すりおろした生菊芋をこんにゃく成分に対して30〜50%で添加する工程と、添加後にアルカリ溶液と混和する工程と、混和した後、球形の粒状に凝固成型する工程と、凝固成型後に煮沸し、アルカリ成分を除去する工程と、アルカリ成分を除去した球形の粒状の菊芋こんにゃくを生米に対して50%で添加炊飯する工程とから成ることを特徴とした生菊芋こんにゃく米飯の製造方法。

【公開番号】特開2011−130776(P2011−130776A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84033(P2011−84033)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【分割の表示】特願2008−182001(P2008−182001)の分割
【原出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(508210468)株式会社フードビジネスサプライ (3)
【Fターム(参考)】