説明

産業用カメラ構造

【課題】シムや調整ネジ等の光学位置調整部品を用いることなく、部品点数を削減した簡単な構成で、外部応力に対して堅牢で長期に亘り安定した動作が期待できる産業用カメラ構造を提供する。
【解決手段】センサ基板17をマウントベース10の定められた光学位置に固定支持するセンサ基板支持スペーサ20を一対の支柱により構成し、この支柱20の調整軸部20cによりレンズマウント12に対する撮像素子18の光学位置調整を行う構成として、調整軸部20cを基軸に一定のクリアランス範囲の中で、センサ基板17を浮かせた状態で、レンズマウント12に対し、フランジバック、アオリ、光軸の位置調整を行い、調整後にセンサ基板17を支柱20の調整軸部20cにはんだ付してセンサ基板17をマウントベース10に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマシンビジョンシステムに適用して好適な産業用カメラ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
マシンビジョンシステムにおいては、産業用カメラとして、撮像素子となるエリアイメージセンサにCCD(Charge Coupled Device)またはCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)を用いたFAカメラと称される工業用電子撮像カメラが広く用いられている。
【0003】
この種、マシンビジョンシステムに適用されるFAカメラは、撮影した画像の全ての領域に対して高精細な出力映像が要求されることから、イメージセンサを保持したセンサホルダとレンズマウントとの間における光学位置精度に関して1台ずつ個別に手作業による調整が行われる。例えば、Cマウントレンズの場合、レンズマウントにおけるレンズフランジ面と固体撮像素子の撮像面との間の距離、すなわちフランジバック(F.B.)を17.526mmに精確に設定する必要があり、TFL2マウントレンズの場合、F.B.を17.5mmに精確に設定する必要がある。さらにレンズ光軸に対して撮像面に傾きが生じないように撮像面のアオリ調整、センタ調整等の光学位置調整を行う必要がある。このアオリおよびフランジバックを含めた光学位置調整は、三次元光学測定機を操作し、シム(アオリ調整用シムおよびフランジバック調整用シム)を用いて行われる。このシムを用いた光学位置調整は、レンズマウントの光軸に対して、撮像面を面方向(X・Y方向)に移動可能に保持して、光学計測手段により計測しながら、X・Y方向の位置決め(センタ調整)を行い、上記撮像素子を実装したセンサ基板を保持するセンサホルダ(デバイスホルダ)とレンズマウントとの間に一枚乃至数枚の調整シム(shim)を介挿して、光軸方向(Z方向)の位置決め(フランジバック調整)を行っている。この際、光軸に直交する撮像面の傾きに対してもセンサホルダ支持点(4点)のシムの厚さ調整によるアオリ調整を行っている。この位置調整を経て、ねじ止めまたは接着剤を用いた接着により、レンズマウントに対し、光軸上の正しい位置に撮像素子を固定している。なお、センサホルダとレンズマウントとの間には、調整シムの他に、防塵カバー、フィルタ、押さえ板等が介在される。
【0004】
しかしながら、このシムを用いた調整手段においては、厚さの異なる複数枚のシムを用意し、調整員の手作業により微細な位置調整を行うことから作業性並びに生産性に問題があった。また撮像素子を含む実装部品に対する放熱(熱伝導)効果がシムの介在によって妨げられるという問題があった。さらに、ねじ止めによるセンサホルダの保持手段においては、位置決め調整を行った後のねじの締め付けによる固定時において数画素分の位置ずれが生じる虞があるという精度上並びに構造上の問題を有していた。また、接着剤を用いたセンサホルダの保持手段においては、組立工程において接着剤の固化を待ち、位置ずれが生じていないことを確認した後、次の組立工程に移行することから、作業性に問題があるとともに、接着剤の経年変化による接着強度の劣化を招く慮があるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−203706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題を解決した産業用カメラ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態は、箱形筐体の前面部をなし該前面部に撮像窓およびレンズマウントを設けたマウントベースと、前記箱形筐体に収容され、前記レンズマウントの光軸上に撮像素子を実装したセンサ基板と、前記センサ基板と前記マウントベースとの間に介在して前記センサ基板を前記マウントベースに固定支持するスペーサとを有する産業用カメラ構造であって、前記スペーサは、前記マウントベースの前記レンズマウントを設けた面と反対側の面部に前記光軸に沿う方向に立設された、はんだ被着可能な一定長の調整軸部を有する複数本の支柱により構成され、前記センサ基板は、前記調整軸部に緩挿される取付孔を有し、該取付孔の周部にはんだ接合用の金属箔を有して、前記取付孔が前記調整軸部に緩挿され、前記金属箔が前記調整軸部にはんだ接合されて、前記撮像素子の撮像面が前記光軸に直交し、前記調整軸部において前記レンズマウントに対して、フランジバック調整とアオリ調整と光軸位置調整が行われた状態で、前記スペーサの前記調整軸部に固定支持されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係るカメラの構成要素を示す分解斜視図。
【図2】上記実施形態に係るカメラの構成を示す正面図。
【図3】上記実施形態に係るカメラの構成を示す側面図。
【図4】上記実施形態に係るカメラの構成を示す背面図。
【図5】図2のA−A線に沿う正面図。
【図6】図5のA部を拡大して示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0010】
図1は本発明の実施形態に係るカメラの構成要素を示す分解斜視図、図2は上記実施形態に係るカメラの構成を示す正面図、図3は同側面図、図4は同背面図、図5は図2のA−A線に沿う正面図、図6は図5のA部を拡大して示す図である。
【0011】
本発明の実施形態に係る産業用カメラ構造は、図1に示すように、箱形のカメラ筐体の前面部をなし該前面部に撮像窓11およびレンズマウント12を設けたマウントベース10と、箱形筐体に収容され、レンズマウント12の光軸(CO)上に撮像素子18を実装したセンサ基板17と、センサ基板17とマウントベース10との間に介在して、センサ基板17をマウントベース10の定められた光学位置に固定支持するスペーサ(センサ基板支持スペーサ)20とを有する。
【0012】
上記センサ基板支持スペーサ20は、マウントベース10のレンズマウント12を設けた面部10Aと反対側の面部10Bにレンズマウント12の光軸(CO)に沿う方向に立設された、はんだ被着可能な一定長の調整軸部(図6に示す符号20c参照)を有する複数本の支柱により構成されている。ここでは、センサ基板支持スペーサ20を一対の支柱20A,20Bにより構成している。
【0013】
上記センサ基板17は、同基板の面方向に一定のクリアランスを有してセンサ基板支持スペーサ20を構成する一対の支柱20A,20Bの調整軸部(20c)に緩挿される取付孔17Hを有し、この取付孔17Hの周部にはんだ接合用の金属箔17Lを有して、取付孔17Hが支柱20の調整軸部20cに緩挿され、金属箔17Lが調整軸部(20c)に、はんだ21によりはんだ接合されて、撮像素子18の撮像面18fが光軸(CO)に直交し、調整軸部(20c)においてレンズマウント12に対して、フランジバック(F.B.)調整とアオリ調整と光軸位置調整が行われた状態で、センサ基板支持スペーサ20を構成する一対の支柱20A,20Bの調整軸部20cに固定支持されている。
【0014】
このように、実施形態の産業用カメラ構造は、センサ基板17をマウントベース10の定められた光学位置に固定支持するセンサ基板支持スペーサ20を一対の支柱20A,20Bにより構成して、この支柱20A,20Bの調整軸部20cによりレンズマウント12に対する撮像素子18の光学位置調整を行う構成としている。
【0015】
この構成によれば、調整軸部20cを基軸にセンサ基板17を一定のクリアランス範囲の中で浮かせた状態で、レンズマウント12に対し、フランジバック、アオリ、光軸位置の調整を行い、この調整後にセンサ基板17をセンサ基板支持スペーサ20(支柱20A,20B)の調整軸部20cにはんだ固定することで、シムや調整ネジ等の光学位置調整部品を用いることなく、部品点数を削減した簡単な構成にて、外部応力に対し堅牢で長期に亘り安定した動作が期待できる産業用カメラ構造を提供することができる。
【0016】
上記した産業用カメラ構造のより詳細な構成を図面を参照して説明する。
【0017】
センサ基板17は、図1および図5に示すように、マウントベース10の筐体内面側の面部10Bに開口している撮像窓11周縁との間に、樹脂スペーサ15とゴムスペーサ16を組み合わせた防塵および遮光用のスペーサ14が介挿され、樹脂スペーサ15の開口部15aとゴムスペーサ16の開口部16aとにより、センサ基板17に実装された撮像素子18の撮像面18fとマウントベース10の撮像窓11との間に撮像室となる空間部が形成されている。樹脂スペーサ15にはゴムスペーサ16の取付位置を案内するガイドブロック15bが設けられている。
【0018】
マウントベース10は、図1および図3乃至図5に示すように、光軸(CO)に平行する取付基準面10cを有し、アルミニウムを主材料とした軽金属によりマウントベース本体を構成している。マウントベース10の筐体内面側の面部10Bには、この面部10Bに一定の厚みをもたせた一対の支持ブロック13が撮像窓11を挟んで左右両側に一体に形成されている。この一対の支持ブロック13に、センサ基板支持スペーサ20を構成する支柱20A,20Bを立設するためのネジ孔が螺刻されている。このネジ孔の螺刻部に支柱20A,20Bの螺着部20aを螺合し、締付台座部20bをナット締めすることにより、支柱20A,20Bがマウントベース10の支持ブロック13に一定量螺着され、マウントベース10の支持ブロック13に立設される。なお、この実施形態では、上記一対の支柱20A,20Bを、レンズマウント12の光軸(CO)を基点とした撮像面18fの水平方向(図2に示すA−A線方向)に沿う撮像窓11の両側に対で1本ずつ設けているが、これに限らず、例えば、レンズマウント12の光軸(CO)を基点とした撮像面18fの垂直方向に沿う撮像窓の両側に対で設けた構成、若しくは矩形をなす撮像面18fの各コーナー部の延長線上に4本設けた構成、若しくは撮像面18fの中心点を通る撮像面18fの対角線上に対で設けられているであってもよい。なお、この場合、当然のことながら支柱20A,20Bの立設位置に対応してセンサ基板17に取付孔17Hが穿設され、取付孔17Hのそれぞれに金属箔(ランド)17Lが設けられる。
【0019】
センサ基板17をマウントベース10に固定支持するセンサ基板支持スペーサ20を構成する支柱20A,20Bは、図5および図6に示すように、マウントベース10に螺合する螺着部20aと、螺着部20aに連接して設けられた六角ナットを一体形成した締付台座部20bと、センサ基板17に設けた取付孔17Hを調整軸部20cに導くガイド部20dとを有し、この実施形態では調整軸部20cを含んで軸全体をはんだの被着が可能な黄銅で構成している。黄銅は熱伝導率が高く、はんだ付けに適した材質であり、はんだの濡れ性を考慮し表面処理としてスズメッキを施している。上記支柱20は、少なくとも一定軸長の調整軸部20cをはんだ被着可能とすればよく、例えば、接合はんだの量を一定に保つため、調整軸部20cに溶融はんだの拡がりを規制するマスクを形成する手段を用いることも可能である。
【0020】
センサ基板支持スペーサ20を構成する支柱20A,20Bと、同支柱20A,20Bの調整軸部20cに緩挿されるセンサ基板17の取付孔17Hとの間には、図4乃至図6に示すように、撮像面18fの面方向に対して一定のクリアランスが形成されている。具体例を挙げると、調整軸部20cの軸径を2φ、取付孔17Hのスルーホール(Th)を含んだ孔径(スルーホール内径)を3φとして、撮像面18fの面方向に0.5mmの調整用クリアランスを設けている。
【0021】
センサ基板17は、図3乃至図5に示すように、一方面を部品実装面、他方面を配線パターン面として、部品実装面を筐体の前面側に向けて、センサ基板支持スペーサ20を構成する支柱20A,20Bを介し、マウントベース10に固定支持される。部品実装面には、矩形状の撮像面を有するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)を用いた撮像素子(エリアイメージセンサ)18が実装され、配線パターン面には撮像素子(エリアイメージセンサ)18のリード電極18pがリード電極孔17aから導出されて図示しない回路パターンに配線接続されている。
【0022】
また、センサ基板17の両面(部品実装面および配線パターン面)には、取付孔17Hの周囲に、所定形状のはんだ接合用の金属箔17Lが設けられ、取付孔17Hには金属箔(銅箔)の皮膜が形成されて、この皮膜をスルーホール(Th)とし、両面の各金属箔17Lをランドとして、ランド17Lの相互がスルーホールを介して相互に導電接続されている。
【0023】
この一対のランド17Lには、図3、図5、図6に示すように、センサ基板17を、光学位置調整して後、支柱20A,20Bの調整軸部20cに固着するための、はんだ21の溶融による、はんだ被膜が被着形成される。また光学位置調整後において、スルーホールと調整軸部20cとの隙間に、はんだ21が含浸される。
【0024】
一対のランド17Lおよびスルーホールと、センサ基板支持スペーサ20を構成する一対の支柱20A,20Bとマウントベース10は相互に導電接続され、配線パターン面に設けられたランド17Lは、配線パターン面においてグランドラインを介しグランド端子に回路接続されている。これにより、マウントベース10はセンサ基板17を支持するセンサ基板支持スペーサ20を介してグランドレベルに接地され、グランド(GND)の強化と筐体内の電磁シールドの強化に寄与している。
【0025】
さらに一対のランド17Lと、ランド17Lの相互を接続するスルーホール(Th)と、調整軸部20cに被着し、さらにランド17Lとスルーホール(Th)の間に含浸したはんだ21と、支柱20とにより、熱伝導性の高いセンサ基板17の外筐側への放熱路が形成される。
【0026】
上記したように、センサ基板17をマウントベース10の定められた光学位置に固定支持するセンサ基板支持スペーサ20を一対の支柱20A,20Bにより構成して、この支柱20A,20Bの調整軸部20cによりレンズマウント12に対する撮像素子18の光学位置調整を行う構成としたことにより、一定のクリアランス範囲の中で、センサ基板17を浮かせた状態で、レンズマウント12に対し、フランジバック、アオリ、光軸の位置調整を行い、調整後にセンサ基板17を支柱20の調整軸部20cにはんだ固定することができ、これにより、シムや調整ネジ等の光学位置調整部品を用いることなく、部品点数を削減した簡単な構成で、外部応力に対して堅牢で長期に亘り安定した動作が期待できる産業用カメラ構造を提供することができる。
【0027】
ここで上記実施形態に係る産業用カメラ構造の組立手順を図1乃至図6を参照して説明する。
【0028】
マウントベース10には、図1に示すように、箱形カメラ筐体の前面を構成する面部10Aに、撮像窓11およびレンズマウント12が設けられ、該面部10Aと反対側の筐体内面側の面部10Bに、撮像窓11を挟んでその左右両側に一定の厚みをもたせた一対の支持ブロック13が一体に設けられている。この一対の支持ブロック13にはそれぞれセンサ基板支持スペーサ20を構成する一対の支柱20A,20Bを立設するためのネジ孔が螺刻されている。
【0029】
このネジ孔の螺刻部に支柱20A,20Bの螺着部20aを螺合し、締付台座部20bをナット締めする。これにより、マウントベース10のレンズマウント12が設けられた面部10aと反対側の面部10bに一対の支柱20A,20Bが螺着され、マウントベース10の面部10bにセンサ基板支持スペーサ20を構成する一対の支柱20A,20Bがレンズマウント12の光軸(CO)と平行に立設される。
【0030】
この一対の支柱20A,20Bに、センサ基板17の取付孔17Hを緩挿する。この際、センサ基板17の部品実装面とマウントベース10の筐体内面側の面部10Bに開口している撮像窓11周縁との間に、樹脂スペーサ15とゴムスペーサ16を組み合わせた防塵および遮光用のスペーサ14を介挿して、センサ基板17に設けた一対の取付孔17Hを一対の支柱20に緩挿する。この際、センサ基板17は、支柱20に対して、光軸(CO)と平行する方向(図6に示すa−b方向=Z方向)および光軸(CO)と直交する面方向(図6に示すc−d方向およびc−dと同一面上でc−dと直交する方向=X・Y方向)に一定のクリアランスを有した状態で緩挿されている。
【0031】
この状態で(すなわち、調整軸部20cを基軸に、センサ基板17を上記一定のクリアランスを有した状態で)、センサ基板17を撮像面18fの面方向(X・Y方向)および撮像面18fと直交する方向に移動可能に保持して、光学計測手段により計測しながら、X・Y方向の位置決め(センタ調整)と、撮像面の傾き(θ)補正(アオリ調整)と、光軸方向(Z方向=a−b方向)の位置決め(フランジバック調整)とによる光学位置調整を行う。
【0032】
この光学位置調整を行った後、一対の調整軸部20cとランド17Lに、はんだ21の溶融によるはんだ付けを行い、一対の調整軸部20cとランド17Lをはんだ21により固着する。これにより、図3および図5に示すように、溶融はんだ21が調整軸部20cと取付孔17H内のスルーホールとの間に含浸した状態で一対の調整軸部20cとランド17Lが強固にはんだ接合され、センサ基板17がレンズマウント12の光軸(CO)に対して光学位置調整(センタ調整、アオリ調整、フランジバック調整)された状態でセンサ基板支持スペーサ20を構成する一対の支柱20A,20Bに固着され、支柱20A,20Bを介してセンサ基板17がマウントベース10に固定支持される。なお、上記した光学位置調整を行うための光学計測手段は、例えば既存の三次元光学測定機と、センサ基板17とマウントベース10との相対位置を移動制御可能にする把持手段(マニピュレータ)を備えた既存の位置調整機構を用いることで実現可能であり、はんだ接合手段についても既存の半田鏝や半田付装置を用いることで実現可能である。
【0033】
なお、上記したマウントベース10、スペーサ14、センサ基板17、センサ基板支持スペーサ20(支柱20A,20B)等の形状や構造は、上記実施形態のものに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形、変更可能である。
【符号の説明】
【0034】
10…マウントベース、11…撮像窓、12…レンズマウント、13…支持ブロック、14…防塵および遮光用のスペーサ、15…樹脂スペーサ、16…ゴムスペーサ、17…センサ基板、17H…取付孔、17L…ランド(はんだ接合用の金属箔)、18…撮像素子(エリアイメージセンサ)、18f…撮像面、20…センサ基板支持スペーサ、20A,20B…支柱、20a…螺着部、20b…締付台座部、20c…調整軸部、20d…ガイド部、21…はんだ、Th…スルーホール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形筐体の前面部をなし該前面部に撮像窓およびレンズマウントを設けたマウントベースと、前記箱形筐体に収容され、前記レンズマウントの光軸上に撮像素子を実装したセンサ基板と、前記センサ基板と前記マウントベースとの間に介在して前記センサ基板を前記マウントベースに固定支持するスペーサとを有する産業用カメラ構造であって、
前記スペーサは、
前記マウントベースの前記レンズマウントを設けた面と反対側の面部に前記光軸に沿う方向に立設された、はんだ被着可能な一定長の調整軸部を有する複数本の支柱により構成され、
前記センサ基板は、
前記調整軸部に緩挿される取付孔を有し、該取付孔の周部にはんだ接合用の金属箔を有して、
前記取付孔が前記調整軸部に緩挿され、前記金属箔が前記調整軸部にはんだ接合されて、
前記撮像素子の撮像面が前記光軸に直交し、前記調整軸部において前記レンズマウントに対して、フランジバック調整とアオリ調整と光軸位置調整が行われた状態で、前記スペーサの前記調整軸部に固定支持されている
ことを特徴とする産業用カメラ構造。
【請求項2】
前記支柱は、前記レンズマウントの光軸を基点とした前記撮像面の水平方向に沿う前記撮像窓の両側に対で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の産業用カメラ構造。
【請求項3】
前記支柱は、前記レンズマウントの光軸を基点とした前記撮像面の垂直方向に沿う前記撮像窓の両側に対で設けられている、若しくは前記撮像面の中心点を通る前記撮像面の対角線上に対で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の産業用カメラ構造。
【請求項4】
前記支柱は、前記マウントベースに螺合する螺着部と、前記螺着部に連接して設けられた締付台座部と、前記センサ基板に設けた前記取付孔を前記調整軸部に導くガイド部とを具備して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の産業用カメラ構造。
【請求項5】
前記支柱は、前記調整軸部を含んで黄銅により構成されていることを特徴とする請求項4に記載の産業用カメラ構造。
【請求項6】
前記マウントベースは、前記箱形筐体の底面部を構成する、前記光軸に平行する取付基準面を有していることを特徴とする請求項1に記載の産業用カメラ構造。
【請求項7】
前記センサ基板と前記撮像窓との間に防塵および遮光用のスペーサが介在され、前記センサ基板が前記スペーサで囲われた撮像室を介在して前記マウントベースに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の産業用カメラ構造。
【請求項8】
前記はんだ接合用の金属箔は前記センサ基板の両面に設けられ、前記取付孔には前記金属箔の相互を導電接続し前記センサ基板の両面にランドを形成するスルーホールが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の産業用カメラ構造。
【請求項9】
前記支柱は前記ランドを介してグランド電極に回路接続され、前記マウントベースは前記支柱を介して電磁シールドされていることを特徴とする請求項8に記載の産業用カメラ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−55515(P2013−55515A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−192592(P2011−192592)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(000220620)東芝テリー株式会社 (116)
【Fターム(参考)】