説明

産業用水システムにおける硫黄スケールの制御で使用するための配合物

本発明の配合物は、産業用水システムの処理において硫黄スケール抑制剤及び/又は硫黄スケール除去剤として使用される式(I)の化合物を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、地熱エネルギー生成の冷却塔、石油の二次回収システム、フラッシュ法による硫黄採取、及び産業用冷却塔を含むがそれらには限定されない種々の産業用水システムで使用されるパイプライン及び他の水処理設備の処理において硫黄スケールの除去及び抑制剤として使用するための配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用水システムにおいて硫黄が存在することで、多くの問題、例えば、配管の腐食、配管を通る液体、スラリー又はガスの流れの閉塞、及び当該システムによる熱伝達を含む輸送の効率の損失が生じている。地熱システムでは、硫黄の堆積は、発電用タービンを運転するための地熱蒸気圧力からなる発電の不可欠な部分である冷却塔の噴霧ノズルに硫黄堆積物が蓄積するので特に問題である(例えば図1及び2を参照)。
【0003】
地熱用途における水分配システムでの硫黄の堆積により、電気設備の熱交換器エレメントにおけるその後の汚染が生じる。とりわけ、冷却塔の「詰め物」又は「充填物」の表面に硫黄堆積物が形成されると、それによって冷却媒体中の水流が低流量となるか又は全体的に閉塞してしまう(図3を参照)。
【0004】
これらの硫黄堆積物によって生じる低流量又は流れのない状態は、有機堆積物の蓄積を促進させてしまう。これらの有機堆積物は、微生物、特には粘液生成細菌によって生成される多糖及びタンパク質から主として構成される。それゆえ、硫黄堆積物の制御は、発電所の非効率な運転をもたらす一連のプロセスにおける最初のステップであるため非常に重要である。これらの堆積物が冷却塔の充填物に蓄積した場合には、物理的な構造全体が崩れる可能性があり、これはまれなことではない。少なくともこのような事故は電気出力が損失するとともに修繕の費用がかかることが明らかである。
【0005】
加えて、硫黄採取のためのフラッシュ法は高温の水による硫黄の処理を伴う。このようなシステムでも同様に、配管や設備の硫黄堆積物を除去することに利点があり、したがってプラントの運転に役立つ。
【0006】
硫黄堆積物としての硫化鉄に関して、産業用水システムにおいてそれが存在することで、多くの問題、例えば、配管の堆積物下の腐食、配管を通る液体、スラリー又はガスの流れの閉塞、濾過システムの詰まり、及び当該システムによる輸送の効率の損失が生じている。とりわけ、石油生産の配管における硫化鉄堆積物の制御は石油生産の効率にとって重要である。これらの硫化鉄堆積物が水の流れや油の流れに対する遮蔽物となりうるだけでなく、新たな生産井や戻り水の井戸を掘るか又は修繕しなければならなくなるほど配管が腐食又は劣化することもある。これらの事故は修繕するのに費用と時間がかかることがある。硫化鉄堆積物は、建造物の鉄含有材料の腐食から生じるだけではなく、水システム中に自然発生する鉄及び鉄化合物と硫化水素又は他の硫黄化合物との反応から生じることもある。
【0007】
いったん硫黄スケールが形成すると、これらの産業システムから硫黄堆積物を除去するための機械的な処理として、掻き板、スポンジボール又は「ピグ」及び種々の化学物質が使用されている。これらの方法によって硫黄堆積物がほぐされ、システム内の他の場所において当該システムがさらに汚染されてしまう。同様に、種々の化学的な方法も試みられているが、これまでに商業的な成功を収めているものはない。
【0008】
米国特許第5,025,038号明細書では、活性成分が2−(アルキルチオ)エタンアミンヒドロハライドである殺生物剤として使用するための抗菌性組成物が記載されている。この特許文献では、殺生物剤として使用するための配合物が記載されている。他の使用については教示されていない。米国特許第4,982,004号明細書では、米国特許第5,025,038号明細書の化合物を製造するための方法が記載されている。
【0009】
米国特許第4,816,061号明細書では、アルキルチオアルキルアミン、例えば、n−デシルチオエチルアミン、及びその塩酸塩を用いた生物付着を制御するための組成物が記載されている。活性物は殺生物剤として用いられる。この組成物は硫黄スケールの除去のためには使用されないし、教示もされていない。
【0010】
米国特許第3,524,719号明細書では、金属腐食を抑制するのに使用するための、N,N’’−(ヘキサクロロビフェニレン)ビス(エチレンジアミン)又は1,1’−(ヘキサクロロビフェニレン)ビス(エチレンジアミン)と組み合わせた有機アミンが記載されている。これらのアミンの塩については言及されていない。これらの化合物は腐食の抑制のためにのみ使用される。表面からの腐食生成物、例えば硫化鉄の除去又は分散はこの特許文献では教示されていない。自然発生的な鉄と硫黄化合物との反応から生じる硫化鉄堆積物の抑制も同様にこの特許文献では教示されていない。
【0011】
米国特許第6,260,561号明細書では、スイミングプール及びスパを洗浄するための脂肪族アミンの使用が記載されている。この特許文献では、スイミングプール、スパ、又は水を保持するための他の容器において溶解した鉱物から生じる綿状沈殿物又は堆積物の問題に焦点が当てられている。また、抗菌活性が教示されている。チオエチルアミンの類似物は、特許請求の範囲に記載される脂肪族化合物と比較して性能が劣ることが教示されている。硫黄堆積物の防止又は除去については教示されていない。
【0012】
国際公開第2005/014491号では、油田用途及び産業用水システムにおいて硫酸塩還元菌(SRB)並びに他の問題のある好気性微生物の殺生物剤として使用する水処理のためのエーテルアミン及びそれらのニトリルが記載されているが、産業用水システムの使用のためのサポートについては何ら示されていない。SRBは硫酸塩からH2Sを生成させる。H2Sは、臭気、毒性、及び腐食性のために問題がある。H2Sが存在すると、金属硫酸塩の形成及び沈殿によってラインが閉塞してしまう。この問題、バクテリアによるH2Sの形成は、バクテリアを殺すか又はバクテリアがH2Sを生成するのを防ぐ殺生物剤を用いて一般に処理される。この文献では、元素硫黄の堆積物の抑制及び除去は教示されておらず、しかしながらバクテリアを殺す方法が教示されている。さらに、硫化鉄の除去又は分散については教示されていない。
【0013】
S.Watanabeらは、J.Amer.Oil Chemists Soc.68,44−46(1991)で、使用済み冷却溶液において鉄の優れた耐腐食性、優れた潤滑性(耐摩耗性)及び十分な抗菌特性を示す金属機械加工操作で使用される水性切削液の成分としてのアミンの試験を記載している。硫黄堆積物の除去又は抑制については記載されていない。
【0014】
米国特許第3,291,683号明細書では、アルコキシ又はアルキルチオアルキルアミンエーテルによる菌類及びバクテリアの制御が記載されている。この特許文献は、殺生物剤の使用に焦点を当てたものである。
【0015】
米国特許第4,032,360号明細書では、油を含むシステムにおいて硫化鉄の除去で使用するための高級脂肪酸由来の炭素鎖を有するジアミンが記載されている。それは産業用水システムにおいては使用されていない。硫黄堆積物の除去又は抑制については記載されていない。
【0016】
S.Kudo及びT.Yanoは、Proceedings World Geothermal Congress 2000,Kyushu−Tohoku,Japan,2000年5月28日〜6月10日,pp.3205−9において、地熱発電所の循環水に界面活性剤を使用した硫黄スケールの低減システムの使用を記載している。界面活性剤の組成は、「一般的な産業の抗菌試薬」としてのみ記載されている。当該試薬のさらなる開示はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
明らかに、硫黄堆積物の形成を防ぎかつ産業用水システム及びパイプラインからの硫黄堆積物の相当な除去を可能にする配合物を見出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、活性成分として、式(I)の少なくとも1つの化合物であって、
R−X−R1−NH2 (I)
式中、
Rが直鎖若しくは分枝鎖のC6〜C24アルキル又は直鎖若しくは分枝鎖のC6〜C24アルキルオキシ−C2〜C3アルキルであり、
1が直鎖又は分枝鎖のC2〜C4アルキルであり、
XがS、O又はN−R2である(式中、R2はH又は直鎖若しくは分枝鎖のC1〜C8アルキルである)少なくとも1つの化合物、あるいは
それらの有機又は無機酸付加塩
を含む配合物を用いた産業用水システムにおける硫黄スケールの制御を含む方法であって、
任意選択で1つ又は複数の他の成分を含めて硫黄スケール制御用配合物が形成される、方法に関する。
【0019】
これらの配合物は、産業用水システムにおいて特に有用である。好ましくは、これらの配合物は硫黄スケールの除去剤として用いられる。
【0020】
式(I)の好ましい配合物は、Rが直鎖又は分枝鎖のC6〜C16アルキル又はより好ましくはC8〜C14アルキルである配合物である。他の好ましい配合物は、XがS又はOである。試験された1つの化合物は2−(デシルチオ)エタンアミン塩酸塩である。
【0021】
活性成分として式(I)の化合物を含有するこの配合物は、産業用水システムにおける硫黄スケールの制御で有用である。特には、地熱システム、再噴射水、例えば石油生産からの生成水、石油の二次回収において用いられるフラッディング水、及びフラッシュ法による硫黄採取が好ましい。種々の上記の用語は、以下の用語解説において規定される。
【0022】
本発明は、本配合物を使用する方法であって、これらの種々のシステムにおいて硫黄スケールが形成された後、それを除去し、続いてその堆積物を分散させ及び浮遊させる方法を提供するものである。さらに、このようなシステムにおける新たな硫黄スケールの形成が本配合物によって抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】不十分な水噴霧パターンをもたらすノズルにおける硫黄スケールとしての硫黄堆積物を示す写真である。
【図2】硫黄で汚染したノズルの堆積物を示す写真であり、それは非常に厚い。
【図3】充填物上の硫黄スケールとしての硫黄堆積物を示す写真である。
【図4】空気と水の適切な混合をコンピューターグラフィックスによって図示している。
【図5】地熱システムの概略図である(ソース:Dickson and Fanelli,2003,http://www.geothermal−energy.org/314,what_is_geothermal_energy.html)。
【図6】式(I)の化合物の一般的な描写であり、1はアミン基でかつ親水性頭部であり、2は親油性尾部であり(式中、Rはアルキルである)、そして3は二座キレート単位である。
【図7A】式(I)を有する本配合物で処理した後の地熱用の冷却塔ノズルから放出された硫黄スケールの部品を示す写真である。
【図7B】式(I)を有する本配合物で処理した後の地熱用の冷却塔ノズルから放出された硫黄スケールの部品を示す写真である。
【図8A】硫黄スケールが式(I)を有する本配合物の処理で除去されたノズルを示す写真である。
【図8B】硫黄スケールが式(I)の本配合物の処理で除去され、続いて本配合物で処理しなかった時間があるノズルを示し、新たな硫黄スケールの発達を示している。
【図9】地熱用の冷却塔における冷却水温度(設計からの偏差)対時間の観点での塔の性能のグラフィックプロットを示す。T200311とマークした線は、式(I)の化合物を有する本配合物で処理した塔を表している。残りの線は、本配合物で処理しなかった塔を表している。
【図10】地熱システムの不十分な水分配を示す写真である。
【図11】不十分な分配から図10をもたらす空気と水の流れのチャネリングをコンピューターグラフィックスによって図示している。
【図12A】硫黄堆積物を有する地熱システムにおけるノズルの写真を示す。
【図12B】式(I)の配合物で処理した後のノズルを示す写真である。
【図12C】充填物上の硫黄堆積物の影響を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[用語解説]
本願で用いられる以下の用語は、以下に記載されるように規定されるものであり、これらの用語に関して、単数は複数を包含するものである。
【0025】
「硫黄」とは、元素硫黄、多硫化物、硫化鉄(例えばFeS及びFe23)を含むがそれに限定されない硫化物塩、メルカプタン、並びに有機物及び無機物の両方の他の硫黄誘導体を意味する。元素硫黄は、産業用水システムにおいて自然に発生しうるか又は硫化水素の酸化によってシステムにおいて形成しうる。硫化水素は、産業用水システムにおいて自然に発生しうるか又は硫酸イオンの微生物還元によってシステムにおいて生成しうる。
【0026】
「硫黄スケール」とは、表面上の堆積物としての硫黄を意味する。
【0027】
「硫黄スケールの制御」とは、本配合物を抑制剤及び/又は除去剤として使用する方法を意味する。
【0028】
「硫黄スケールの除去」とは、配管において、及び例えば濁度測定によって決定される放水中の硫黄の増加に関する水試験において硫黄スケールが人間の目で見えないように、硫黄スケールを産業用水システムにおいてそれが存在するレベルから低減することを意味する。特に地熱システムでは、硫黄スケールの量が顕著なことがある(図2を参照)。
【0029】
「産業用水システム」とは、水にさらされそして硫黄スケールを含有するか又は形成する産業システムを意味し、冷却塔(水にさらされる全ての表面、例えば、配管、水移送ライン、噴霧ノズル、塔の充填物又は塔の詰め物、及び水だめを含む)、製紙工場、金属加工流体、フラッシュ法による硫黄採取システム、再噴射水、例えば石油生産からの生成水、石油の二次回収において用いられるフラッディング水、熱交換器(例えば、直接接触熱交換器又はプレート及びフレーム熱交換器)、地熱システム、流体クーラー、配管の水圧試験、逆浸透膜、限外濾過又はイオン交換を含む水処理又は精製プラント及び設備を含むがそれらに限定されない。
【0030】
「抑制剤」とは、産業用水システムにおいて硫黄スケールの形成を最小限に抑えるか又は防ぐのに使用される式(I)の化合物を有する配合物を意味し、可溶化した金属イオンとH2Sから形成するか又は可溶化した金属イオンと硫化物から形成する金属硫化物の堆積を抑制することを含むがそれに限定されない。
【0031】
「除去剤」とは、産業用水システムにおいて硫黄スケールをほぐすか又は崩しそしてそれらを除去するのに使用される式(I)の化合物を有する配合物を意味する。除去プロセスは、表面上への硫黄スケールの堆積のまさに開始時に始めることができる。
【0032】
「他の成分」とは、産業用水システムにおいて使用するための、水、溶媒、賦形剤、希釈剤、又は添加剤(例えば、殺生物剤、安定剤、界面活性剤、腐食抑制剤、スケール抑制剤、及び/又は消泡剤)を意味する。産業用水システムの配合物において用いられる他の成分としての一般的な化学物質は、Ernest W.FlickによるWater Treatment Chemicals.An Industrial Guide(1991,Noyes Publications,New York)に記載されており、当該文献はその参照により本明細書に含められる。このような他の成分は、任意選択で本配合物に含めることができるか、又はそれらの1つ若しくは複数を本配合物に含めることができる。
【0033】
「HEDP」とは、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸を意味する。
【0034】
「SRB」とは、硫酸塩還元菌を意味する。
【0035】
本配合物により、産業用水システムにおいて硫黄スケールを制御するための簡単でかつ便利な方法が提供される。これはシステムに硫黄スケールが堆積した後の洗浄処置として行うことができ、式(I)を有する配合物が除去剤として機能する。この洗浄処置の一部として又は全体的な抑制処置として、配合物は硫黄スケールの分散及び/又は浮遊を提供する。
【0036】
式(I)を有する本配合物は、添加される1つ又は複数の他の成分を有することができる。例えば、本配合物への殺生物剤の任意選択の添加により、システム内の微生物によって生じる二次的な有機硫黄堆積物のさらなる処理を提供することができる。加えて、他の成分は、腐食抑制剤(例えば、HEDPのようなホスホン酸塩)、スケール抑制剤(例えば、ポリアクリル酸塩)又は分散剤(例えば、「EO/POコポリマー」と呼ばれることもあるエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー)である。本配合物中に存在しうる不活性な一部の他の成分は、界面活性剤、消泡剤、溶媒(例えば、水又は炭化水素溶媒)、希釈剤及び/又は賦形剤である。本配合物は、液体、エマルション、懸濁液、又は固体、例えば顆粒若しくはタブレットの形態であることができる。他の成分を添加しないことも可能である。
【0037】
好ましくは、本配合物は、式(I)の化合物であって、式中、XがS又はOである化合物を含有する。好ましいアルキル基は、Rが直鎖又は分枝鎖のC6〜C16アルキル又はより好ましくはC8〜C14アルキルであるものである。試験された1つの化合物は2−(デシルチオ)エタンアミン塩酸塩である。
【0038】
式(I)の化合物の好ましい塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、プロピオン酸、又はホスホン酸の誘導体、例えばHEDPから形成される酸付加塩である。
【0039】
配合物は、式(I)の活性成分に基づいて約0.1〜約100wt%、好ましくは約5〜約90wt%、より好ましくは約15〜約30wt%の範囲の濃度で充填される。この配合物は、産業用水システムにおいて処理される水に式(I)の活性成分を約0.1〜10,000ppm、好ましくは約1〜約500ppm、より好ましくは約5〜約50ppmの範囲の濃度で本発明の方法において使用される。
【0040】
硫化水素を有する多くの産業用水システムは、現在のところ、硫黄スケールの問題を抱えている場合があるが、それは本配合物で処理できるであろう。元素硫黄として存在する場合の硫黄スケールは、種々の条件下、例えば、(a)バクテリアによる硫化水素の酸化、及び(b)空気中の酸素又は他の酸化剤による硫化水素の化学酸化によって硫化水素から生じうる。硫化鉄として存在する場合の硫黄スケールは、硫化水素による建造物の鉄含有材料の腐食から生じることがあり、次いで、生じた硫化鉄の腐食生成物が堆積する。硫化水素はまた、水システム内で自然発生的な鉄及び鉄化合物と反応して硫化鉄の堆積物を形成することがある。本配合物は、自然発生的な硫黄スケールを含むその供給源に関係なく硫黄スケールを抑制又は除去することができる。
【0041】
流体クーラーは混成語であり、きれいな水が噴霧されそしてファンで誘導される通気が適用されるチューブバンドルに作動流体を通過させるものである。得られる熱伝達の性能は、環境暴露から作動流体を保護するという乾式クーラーによって提供される利点とともに湿式冷却塔の性能に非常により近い。これによって環境へのH2Sガスの放出がある程度低減されるが、硫黄堆積物の他の問題は解決されない。
【0042】
硫黄スケールは、産業用水システム、特には地熱システム、例えば、塔の詰め物、ノズル、及び配管の多くの表面に形成する(図5のタービン発電機の下流の右側を参照)。いったん塔の詰め物などへの堆積が始まると、流れが閉塞しそして堆積速度が非常に急速に上昇する。堆積物は重く、時間の経過とともに詰め物を押しつぶすことがあり、これは部品の費用が非常に高く、修理のために時間が失われ、そしてエネルギー生産の損失である。また、不十分な水分配が発生した後、化学物質の使用量が(環境問題及びコストとともに)増加し、電力生産が損なわれる(深刻な経済問題)。したがって、凝縮器と冷却塔の間の水の再循環(図5を参照)はあまり有効ではない。
【0043】
式(I)の化合物のさらなる利点は、高温のNH3及びH2Sに対して一般に反応性ではないということである。したがって、これらの化合物は、硫黄スケールの制御のこのような条件下において経済的でかつ効率的な方法を提供する。式(I)の化合物を含有する産業用水システムの水は、最終的には水処理設備、地方自治体の排水システム、又は地表水に排出又は放出される。したがって、式(I)(式中、XはS又はOである)の本化合物は、それらが生分解性であると特に望ましい。
【0044】
硫黄の除去が冷却塔、特には地熱システムにおいて本配合物を用いて実施される場合、硫黄堆積物は水によって当該水が再循環されるところの水だめまで運ばれる。硫黄堆積物は、排水又は真空引きによって水の一部とともに水だめから除去することができる。
【0045】
硫黄スケールの制御は、本発明の範囲において、別の産業用水システムであるガス及び石油生産においても有用である。このような生産システムでは、硫黄スケール、例えば硫化鉄の堆積が高い頻度で起こる。このような硫化鉄堆積物は、硫化水素によるこれらのシステムにおける建造物の鉄含有材料の腐食から間接的に生じる。加えて、硫化鉄堆積物は、水中の自然発生的な鉄及び鉄化合物と硫黄又は硫化水素との反応から生じる。堆積物の形成は、(例えば腐食によって金属の質量が損なわれるとき)金属表面の化学腐食又は崩壊を抑制することによって作用する腐食抑制剤によって間接的に防ぐことができる。硫化鉄などの腐食生成物は水に不溶性である場合が多く、そして表面上に堆積することがある。対照的に、本配合物は、硫黄スケールの制御、例えば硫化鉄堆積物を除去するために使用される。堆積物が除去されると、本配合物はさらなる堆積物の形成を抑制する。式(I)のこれらの化合物は腐食抑制剤として使用できることが知られているが、今回、驚くべきことに、この本配合物が腐食生成物(例えば硫化鉄)の堆積物を除去しかつこのような堆積物の形成を防ぐことが見出された。
【0046】
水噴射は、通常、圧力を上昇させそれによって生産を促進させるために、水が容器に噴射されて戻される石油産業における方法を言うものである。水圧入井は、既存の容器からの油回収を増加させるために陸上及び海上の両方で見つけることができる。通常は、容器内の油の30%しか取り出すことができないが、水噴射は(回収係数(recovery factor)として知られる)その割合を増加させ、より長い期間にわたって容器の生産速度を維持する。バルク水の如何なる及び全ての供給源がこのような噴射のために使用できるし、また使用されている。以下の水の供給源は油回収のために使用される。
【0047】
生成した水は、しばしば噴射流体として使用される。これにより不適合流体による構成物の損傷の可能性が低減されるが、噴射のフローライン又はチューブにおける硫黄スケール又は腐食のリスクは残ったままである。また、生成した水は炭化水素及び固形物で汚染され、何らかの方法で廃棄されなければならず、海又は川への廃棄は、第一に、特定のレベルの水蒸気の浄化を必要とする。しかしながら、生成した水を再噴射に適合させるのに必要とされる処理は同様に費用がかかる場合がある。生成した水の量が生産量の全て(水に加えて油及びガス)を置換するのに十分でないと、追加の「補給」水が提供されなければならない。
【0048】
異なる供給源からの水を混合すると、硫黄スケールのリスクが増大する。海水は海上の生産設備に関して明らかに最も便利な供給源であり、それは陸上領域での使用には沿岸でポンプによってくみ上げることができる。可能である場合には、取水は藻類の濃度を低減するために十分深いところで行われるが、濾過、脱酸素及び殺生物処理が一般に必要とされる。
【0049】
石油貯留層以外のしかし同じ構造における保水層からの帯水層の水は、利用可能である場合には純度の利点を有する。
【0050】
川の水は、噴射前に濾過及び殺生物処理を常に必要とする。
【0051】
例えば上記のような再噴射水は、本配合物が硫黄スケールの制御のために使用される産業用水システムの別の例である。
【0052】
水圧試験(パイプラインの水圧試験)は、圧力容器、例えばパイプライン及び配管において漏れを見つけることができる方法である。この試験は、漏れがないこと又は損傷がないことを確実にするために、視認のためしばしば乾燥した水を、必要とされる圧力で配管又は容器に配置することを伴う。それは、配管及び容器を試験するために用いられる最も一般的な方法である。この試験の使用は、経時的な容器の安全基準及び耐久性を維持するのに役立つ。新たに製造された部品はこの水圧試験を用いて最初に評価される。次いで、これらの部品は、改良水圧テストとも呼ばれる耐圧試験を用いて一定の間隔をおいて続いて再評価される。水圧試験はまた、ガス圧力容器、例えばガスボンベ又はボイラーが漏れ又は欠陥について検査される方法でもある。配管、パイプライン及び容器のこのような水圧試験は、事前の検出を逃れてしまった欠陥材料を明らかにし、如何なる残りの欠陥も設計圧力での運転を可能にするほど取るに足りないものであることを確実にし、可能性のある漏れを明らかにし、そして建造されたシステムの完全性の最終的な検証としての役目を果たすために行われるので、この試験は非常に重要である。
【0053】
パイプラインの水圧試験は、本配合物が硫黄スケールの制御に有用である産業用水システムの別の例である。
【0054】
理論に束縛されることを意図するものではないが、式(I)の化合物は、硫黄スケールの制御において特には硫黄除去剤として使用するためのすでに公知の従来技術の如何なる化合物よりも優れた機能を発揮させる特有の特性を有すると考えられる。これらの化合物は多機能であり、以下の3つのカギとなる特徴を示す。
1.両親媒性
両親媒性化合物は、極性の親水性頭部(図6の領域1を参照)と非極性の親油性尾部(図6の領域2を参照)を有する。これは、図6に示されるように式(I)の化合物に関する一般的な描写によって表現される。この特性は、
a.極性水性媒体との界面における非極性硫黄堆積物の表面上での式(I)の化合物の吸収を促進させる。分子の非極性端部が硫黄堆積物と相互作用しそして極性端部が水と相互作用して、堆積物の分散及び除去を促進させる。加えて、この特性は、硫黄粒子の晶相を改質し、凝集を低減してその後の堆積物の形成を抑制する。
b.きれいな表面と水の界面における保護層の形成を促進させて硫黄の堆積を抑制する。
c.水性材料と有機材料の両方に可溶性を付与するので、商業用配合物を調製するのに有効である。
2.反応性アミン基(図6の領域1を参照)
第1級アミンは硫黄と反応して水溶性又は分散性の多硫化物を形成する。
3.二座キレート単位(図6の領域3を参照)
硫化鉄堆積物中の鉄などのカチオンとの結合が水中での可溶化及び分散を助け、堆積を抑制する。
【0055】
殺生物剤である従来の物質は、産業用水システムにおいて使用される場合には、硫化水素を生成し続いて元素硫黄を生成するバクテリアの制御のための殺生物剤として作用する。しかしながら、硫化水素及び硫黄は、他の非生物的プロセスによって発生することがある。したがって、式(I)のこれらの化合物は、化学的及び物理的な物質として非常に様々に作用して供給源に関係なく硫黄スケールの抑制と除去の両方を行う。
【0056】
これらの配合物は、効果的な硫黄スケールの除去剤であり、また効果的な硫黄スケールの抑制剤でもあり、新たな堆積物が形成し始めるとそれらを除去することによってそれらの蓄積を防ぐ。したがって、存在する硫黄スケールを除去するための処理の後、その処理は新たな堆積物を抑制しかつきれいな表面を維持するために継続することができる。したがって、短時間の使用は、通常、硫黄スケールの除去に効果的であり(「スラグ投与」)、連続的な又は半連続的な使用は硫黄スケールの抑制に効果的である(「連続投与」)。明らかに、本配合物は、硫黄スケールの制御のための効果的な方法を提供する。
【0057】
本発明は、以下の実施例を考慮することでさらに明確になるであろうが、それらは本発明の単なる例示を意図するものである。
【実施例】
【0058】
[例1]
冷却塔内の推定400,000ガロンの水を、式(I)の化合物の15wt%配合物20ガロンで処理した(活性成分7.5ppm)。この配合物によって硫黄堆積物がほぐされ、そしてノズルから当該硫黄堆積物が除去された。硫黄は、下の充填物上に存在しているのが観察された(図7A及び7Bを参照)。本配合物の使用によって改善された性能の他の証拠は以下のとおりである。
【0059】
1.冷却塔の戻り水のサーモグラフィーによる分析
図10に示されるような流れを水平に横切って測定した冷却水の戻り流れの温度を、本配合物で処理したシステムと処理していないシステムに関して比較した。処理していないシステムはより高い温度(30〜44℃)を示し、そして処理したシステムはより低い温度(28〜36℃)を示し、この結果は冷却システムの改善された性能を実証するものである。
【0060】
2.濁度
冷却塔の水だめにおける水の濁度は、本配合物による処理を実施した3週間の期間で4FAUから60FAUまでの上昇を示した。この結果は、内部表面からの硫黄スケールの除去を実証するものである。
【0061】
3.平均復水器真空度
平均復水器真空度を4つの冷却塔について3ヶ月間にわたり毎日AM8時に測定した。1つの塔は本配合物で処理し、他の3つの塔は処理しなかった。処理した塔は75mmHgの真空度を示し、87〜98mmHgの範囲である他の塔よりも優れていた。
【0062】
4.ファンのアンペア数
1ヶ月間にわたる本配合物による冷却塔の処理後、ファンに流れた平均電流は128アンペアから134アンペアに上昇した。この結果は、(図4に示されるように)空気と冷却水のより効率的な混合を示し、そして空気の流れに対してより抵抗性であることを示しており、それはファンに電力を供給するのにより大きな電流を必要とするものである。ファンの電流の上昇は、より少ない硫黄スケールの汚染とより優れた冷却塔の性能を示すものである。
【0063】
加えて、配合物によって新たな硫黄堆積物の形成が抑制された。これは以下の2つの方法において証明される。
【0064】
(1)配合物の使用停止
配合物による成功した処理の後、次いで処理を中止した場合に硫黄堆積物が増加した。配合物で先に処理して硫黄を追い出したノズルの検査から(図8Aを参照)、新たな硫黄堆積物が形成し始めていることが明らかであった(図8Bを参照)。これらのノズルは異なる厚さを有しており、それは新たな堆積物の発達を示すものである。
【0065】
(2)連続的な処理
本配合物による連続した処理の後、新たな硫黄堆積物は視覚的には観察されなかった。試験に入って1ヶ月で、1つの塔のセルを調査した。全てのノズルのオリフィスが完全にきれいであった。充填物上に硫黄の蓄積はなかった。本配合物による処理の78日後、塔の性能は改善した。冷却水の温度は低くなる傾向を示した(図9を参照)。配合物で処理しなかった3つの類似の塔は同じ期間で性能が低下した。全体としては、本配合物で処理した塔では、冷却水温度及び復水器真空度が改善された。この配合物による処理の結果として、設備からの電力の出力がより低いコストで改善された。
【0066】
[例2]
地熱用の塔が水分配の問題を抱えている場合には(図10を参照)、しばしばノズル及び充填物は硫黄堆積物を有している。ノズルの湿った表面に硫黄が堆積している場合には、硫黄はノズルのオリフィスにおいて相当な深さに蓄積しているであろう。この堆積物によって水がオリフィスから出て緩衝板と相互作用する仕方が変化し、噴霧パターンが次第に狭くなり、結果として充填物の上部で不十分な水分配をもたらすことになる。水の流れは、各ノズルのすぐ下に集中し、これらの領域を溢れさせ、残りの充填物の大部分がほとんど乾燥したままになる(図4及び11を参照)。水が去った後、高流量の領域は非常に高温であるのに対し、低流量の領域からの水ははるかにより低温である。
【0067】
[例3]
充填物の汚染は早期に見つけなければならず、さもないと元に戻せなくなる。堆積物が非常に大きく成長すると、循環水が堆積物に達することができないので(チャネリング)、この場合には、処理化学物質が堆積物に達することができず、化学洗浄が問題となる。交差波形の充填物はそのデザインのために機械的に洗浄することはほとんど不可能である。その試みは、通常、充填物に損傷を与え、堆積材料の固着をもたらす。
【0068】
熱伝達効率の損失は汚染のマイナスの結果であるが、汚染を検査しないとさらに大きな問題を起こしうる。硫黄堆積物が成長するにつれ、プラスチックの充填ブロックはもはや硫黄堆積物を支えることができなくなり、そして充填物がその自重で押しつぶされてしまう。機械的に損傷した充填物は交換しなければならない。充填物の質量が充填物のサポートが崩壊するような構造の許容量を超えて、充填物を水だめに放出することがある(図3を参照)。これによってこのような修繕のために非常に費用と時間がかかり、システムへの電気出力が損なわれる。
【0069】
[例4]
地熱システムでは、硫黄堆積物は熱伝達の低下、不十分な水分配、ノズルデザインの崩壊、塔の充填物に対する損傷、及び閉塞を引き起こす。これらの問題は、地熱システムに対する損傷をもたらし、プラントの電気出力に大きな影響を及ぼしうる。図12Aはその機能に影響を及ぼしている硫黄堆積物を有するノズルの写真である。図12Bは本配合物による処理後のノズルを示している。図12Cはノズルからの充填物上の硫黄堆積物を示している。噴霧ノズルにおける硫黄堆積物の蓄積は噴霧パターンのサイズを小さくし、結果として塔の充填物にダメージを与えてしまう。汚染されたノズルからの不均一な高温の水分配により、チャネリングされた空気の流れが生じて不十分な冷却効率がもたらされる。したがって、このような硫黄堆積物は除去することが望ましいが、いったんそれが硬化してしまうと、除去することは非常に困難である。
【0070】
本発明はその好ましい実施態様に関して説明されたが、当業者であれば、この開示を読んでそしてそれを理解することで、上記の又は特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない変更及び改良が可能であることを認識することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分として、式(I)の少なくとも1つの化合物であって、
R−X−R1−NH2 (I)
式中、
Rが直鎖若しくは分枝鎖のC6〜C24アルキル又は直鎖若しくは分枝鎖のC6〜C24アルキルオキシ−C2〜C3アルキルであり、
1が直鎖又は分枝鎖のC2〜C4アルキルであり、
XがS、O又はN−R2である(式中、R2はH又は直鎖若しくは分枝鎖のC1〜C8アルキルである)少なくとも1つの化合物、あるいは
それらの有機又は無機酸付加塩
を含む配合物を用いた産業用水システムにおける硫黄スケールの制御を含む方法であって、
任意選択で1つ又は複数の他の成分を含めて硫黄スケール制御用配合物が形成される、方法。
【請求項2】
XがSである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物が2−(デシルチオ)エタンアミン塩酸塩である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
XがOである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記配合物が少なくとも1つの追加の他の成分を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記他の成分が、水、溶媒、希釈剤、賦形剤、殺生物剤、安定剤、界面活性剤、腐食抑制剤、スケール抑制剤、又は消泡剤のうち1つ又は複数である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記他の成分が、殺生物剤、腐食抑制剤、スケール抑制剤、又は分散剤のうち1つ又は複数である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記他の成分が、不活性な界面活性剤、消泡剤、溶媒、希釈剤、又は賦形剤のうち1つ又は複数である、請求項1又は6に記載の方法。
【請求項9】
前記他の成分が存在しない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記配合物が、液体、エマルション、懸濁液、又は固体の形態である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記産業用水システムが、冷却塔、製紙工場、金属加工流体、フラッシュ法による硫黄採取システム、石油生産からの生成水のような再噴射水、石油の二次回収において用いられるフラッディング水、熱交換器、地熱システム、流体クーラー、配管の水圧試験、逆浸透膜、限外濾過又はイオン交換を含む水処理又は精製プラント及び設備である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記産業用水システムが地熱システムである、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記硫黄スケールが、それが堆積物を形成した後に除去される、請求項1、11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記硫黄スケールの形成が抑制される、請求項1、11又は12に記載の方法。
【請求項15】
前記硫黄が、元素硫黄、多硫化物、硫化物塩、メルカプタン、並びに硫化鉄を除く有機物及び無機物の両方の他の硫黄誘導体である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記硫黄が元素硫黄である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記硫黄スケールが硫化鉄である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記産業用水システムが、逆浸透膜を含む水処理プラント又は設備である、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
式(I)の硫黄スケール制御用配合物が硫黄抑制剤である、請求項1又は11に記載の方法。
【請求項20】
式(I)の硫黄スケール制御用配合物が硫黄除去剤である、請求項1又は11に記載の方法。

【図1】
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【図3】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図10】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図11】
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【公表番号】特表2012−533432(P2012−533432A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536782(P2012−536782)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/002650
【国際公開番号】WO2012/044274
【国際公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【出願人】(511237885)アムサ,インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】