用紙処理装置及び画像形成システム
【課題】回動アームの停止制御が容易であり、用紙束の厚みが増すほど用紙束を保持するための押圧力が大きくなる用紙処理装置及び画像形成システムを提供する。
【解決手段】用紙処理装置は、押圧部材71と、受け部材72と、支持部材73と、回動アーム75A,75Bと、弾性部材76と、駆動機構77を備える。回動アーム75A,75Bは、軸方向へ縮小可能であり、弾性部材76は、回動アーム75A,75Bの縮小に対して抵抗力を生じさせる。駆動機構77は、回動アーム75A,75Bを、回動軸753を中心に回動させて、押圧部材71を押圧面711aと直交する方向へ移動させる。押圧部材71により用紙束を押圧して押圧部材71と受け部材72により用紙束を挟む場合に、駆動機構77は、回動アーム75A,75Bの軸方向が押圧面711aに対して垂直になるまで回動アーム75A,75Bを回動させて縮小させる。
【解決手段】用紙処理装置は、押圧部材71と、受け部材72と、支持部材73と、回動アーム75A,75Bと、弾性部材76と、駆動機構77を備える。回動アーム75A,75Bは、軸方向へ縮小可能であり、弾性部材76は、回動アーム75A,75Bの縮小に対して抵抗力を生じさせる。駆動機構77は、回動アーム75A,75Bを、回動軸753を中心に回動させて、押圧部材71を押圧面711aと直交する方向へ移動させる。押圧部材71により用紙束を押圧して押圧部材71と受け部材72により用紙束を挟む場合に、駆動機構77は、回動アーム75A,75Bの軸方向が押圧面711aに対して垂直になるまで回動アーム75A,75Bを回動させて縮小させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙束に対して断裁処理や角背処理等の各種処理を行う場合に、用紙がずれないように用紙束を保持する機構を有する用紙処理装置、及びこの用紙処理装置と画像形成装置を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置により画像が形成された用紙に対して各種の処理を行う用紙処理装置が提供されている。処理としては、例えば、用紙束の端部を断裁する断裁処理や、用紙束の一側部を角型形状の背面に成形する角背処理等がある。用紙束に対して断裁処理や角背処理等の処理を行う場合は、押圧機構により用紙束を押圧して用紙束がずれないようにする。
【0003】
用紙束を押圧する押圧機構は、例えば、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された押圧機構は、用紙束を載置するテーブルに接近して用紙束を押圧する紙押えと、モータにより回転するスクリューと、スクリューに螺合するナットと、ナットと紙押えを連結するリンクから構成されている。
【0004】
このような押圧機構では、スクリューを回転させると、ナットがスクリューに沿って移動し、ナットに回転可能に取り付けられたリンクの傾きが変化する。これにより、紙押えがテーブルに接近して、用紙束を押圧する。そして、テーブルと紙押えで用紙束を挟持すると、リンクが停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−136471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された押圧機構では、用紙束の厚みに応じてリンクの停止位置が変化するため、リンクの停止制御が難しい。
【0007】
用紙束の厚みが増すと、紙押さえの押圧に対する用紙束の抵抗力が大きくなる。したがって、紙押えによる押圧力は、用紙束の厚みが増すほど大きくなることが好ましい。しかし、特許文献1に記載された押圧機構では、用紙束の厚みが増すにつれて、紙押えに対するリンクの傾きθが小さくなるため、紙押えによる押圧力が小さくなってしまう。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、リンクの停止制御が容易であり、用紙束の厚みが増すほど用紙束を保持するための押圧力が大きくなる用紙処理装置及び画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の用紙処理装置は、押圧部材と、受け部材と、支持部材と、回動アームと、弾性部材と、駆動機構とを備えている。
押圧部材は、用紙束を押圧する押圧面を有し、受け部材は、用紙束を挟んで押圧部材に対向する。支持部材は、押圧部材に対向し、且つ受け部材とは反対側の位置に設けられている。
回動アームは、押圧部材に回動可能又は移動可能に接続される一端部と、支持部材に移動可能又は回動可能に接続される他端部とを有する。そして、一端部と他端部を結ぶ方向である軸方向へ伸縮可能に構成されている。
弾性部材は、回動アームの縮小に対して抵抗力を生じさせる。
駆動機構は、回動アームを、一端部の回動軸又は他端部の回動軸を中心に回動させて、押圧部材を押圧面と直交する方向へ移動させる。
押圧部材により用紙束を押圧して押圧部材と受け部材により用紙束を挟む場合に、駆動機構は、回動アームの軸方向が押圧面に対して垂直になるまで回動アームを回動させて縮小させる。
【0010】
本発明の画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置から供給された用紙を集積して用紙束にする用紙集積部と、用紙束に対して所定の処理を行う処理部とを有する用紙処理装置とを備える。さらに、用紙処理装置は、押圧部材と、受け部材と、支持部材と、回動アームと、弾性部材と、駆動機構とを備えている。
押圧部材は、用紙束を押圧する押圧面を有し、受け部材は、用紙束を挟んで押圧部材に対向する。支持部材は、押圧部材に対向し、且つ受け部材とは反対側の位置に設けられている。
回動アームは、押圧部材に回動可能又は移動可能に接続される一端部と、支持部材に移動可能又は回動可能に接続される他端部とを有する。そして、一端部と他端部を結ぶ方向である軸方向へ伸縮可能に構成されている。
弾性部材は、回動アームの縮小に対して抵抗力を生じさせる。
駆動機構は、回動アームを、一端部の回動軸又は他端部の回動軸を中心に回動させて、押圧部材を押圧面と直交する方向へ移動させる。
押圧部材により用紙束を押圧して押圧部材と受け部材により用紙束を挟む場合に、駆動機構は、回動アームの軸方向が押圧面に対して垂直になるまで回動アームを回動させて縮小させる。
【0011】
上記構成の用紙処理装置及び画像形成システムでは、回動アームを回動させることで押圧部材を押圧面と直交する方向へ移動させる。回動アームの軸方向が押圧部材の押圧面に垂直になると、回動アームの回動が停止して、押圧部材による用紙束の押圧が完了する。これにより、用紙束の厚みが変化しても、回動アームの停止位置(停止角度)を常に同じにすることができる。したがって、回動アームの停止制御を容易にすることができる。
【0012】
また、押圧部材による用紙束の押圧が完了した状態では、回動アームが用紙束の厚みに応じて軸方向へ縮み、弾性部材が弾性変形する。これにより、用紙束は、弾性部材の弾性力によって常に押圧された状態になる。
回動アームの縮み量は、用紙束の厚みが増すにつれて大きくなるため、用紙束の厚みが増すにつれて、弾性部材の弾性力が大きくなる。したがって、用紙束の厚みが増すにつれて押圧部材による用紙束への押圧力を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
上記構成の用紙処理装置及び画像形成システムによれば、回動アームの停止制御が容易であり、用紙束の厚みが増すほど用紙束を把持するための押圧力を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の画像形成システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明の用紙処理装置の中折り、中綴じ、断裁処理工程の用紙搬送を示す模式図である。
【図3】図3Aは中綴じ処理部において一回目のステープル処理を行う状態を示す概略構成図、図3Bは中綴じ処理部において二回目のステープル処理を行う状態を示す概略構成図、図3Cステープル処理が終了した状態を示す概略構成図である。
【図4】本発明の用紙処理装置における用紙束搬送部を示す概略構成図である。
【図5】本発明の用紙処理装置における複合処理部を示す斜視図である。
【図6】本発明の用紙処理装置における用紙束保持機構の側面図である。
【図7】図6に示す用紙束保持機構における第1の保持ユニットの概略斜視図である。
【図8】図6に示す用紙束保持機構における第1の保持ユニットの平面図である。
【図9】A,B 第1の保持ユニットの動作を説明する説明図である。
【図10】図6に示す用紙束保持機構における第2の保持ユニットの概略斜視図である。
【図11】図6に示す用紙束保持機構における第2の保持ユニットの平面図である。
【図12】A,B 第2の保持ユニットの動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、用紙処理装置及び画像形成システムを実施するための形態について、図1〜図12を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0016】
<画像形成システム>
まず、画像形成システムについて、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の画像形成システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【0017】
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置2と、この画像形成装置2に接続される用紙処理装置3から構成されている。
【0018】
[画像形成装置]
まず、画像形成装置2について説明する。
画像形成装置2は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、原稿搬送部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、操作表示部14と、制御部15を有している。
【0019】
原稿搬送部11は、画像読取部12の読取位置に原稿を1枚ずつ搬送する。画像読取部12は、原稿搬送部11により搬送された原稿又は原稿台16に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。
【0020】
画像形成部13は、ドラム状の感光体21と、感光体21の周囲に配置された帯電部22、露光部23、現像部24、転写部25A、分離部25B及びクリーニング部26を有している。帯電部22は、感光体21の表面を一様に帯電する。露光部23は、原稿から読み取られた画像データに基づいて、感光体21上に露光走査を行って潜像を形成する。現像部24は、トナーを付着させることにより潜像を現像して感光体21の表面にトナー像を形成する。
【0021】
用紙S1は、用紙収納部27に収納されている。この用紙S1は、給紙部28Aにより給紙されて転写部25Aが配置された転写位置へ送られる。転写部25Aは、転写位置へ送られた用紙S1上にトナー像を転写する。分離部25Bは、トナー像が転写された用紙S1の裏面の電荷を消去して、用紙S1を感光体21から分離する。そして、感光体21の表面に残留しているトナーは、クリーニング部26により除去される。
【0022】
感光体21から分離された用紙S1は、中間搬送部28Bにより搬送され、定着部29へ送られる。定着部29は、用紙S1に転写されたトナー像を加熱定着する。
【0023】
定着部29における用紙S1の搬送方向下流側(以下、「下流側」という)には、切換ゲート28Cが配置されている。切換ゲート28Cは、定着部29を通過した用紙S1の搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙S1を直進させる。これにより、用紙S1は、一対の排紙ローラ28Dによって排紙される。また、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙S1を下方に配置された用紙反転搬送部28Eへ案内する。
【0024】
フェースダウン排紙を行う場合は、用紙S1を切換ゲート28Cによって下方へ案内した後、用紙S1の後端が切換ゲート28Cを通過した時点で用紙の搬送方向を切り換え、一対の排紙ローラ28Dによって排紙する。
両面画像形成を行う場合は、用紙S1を切換ゲート28Cによって下方に案内して用紙反転搬送部28Eに送り込んだ後、再給紙路28Fを介して再び転写位置に送ることにより、用紙S1を表裏反転して転写位置に搬送する。
【0025】
操作表示部14は、タッチパネル等を有しており、ユーザが画像形成装置2及び用紙処理装置3を動作させるためのジョブ情報を入力する入力部として機能する。この操作表示部14では、例えば、用紙のサイズの選択や枚数の選択等をジョブ情報として入力することができる。さらに、用紙処理装置3による中折り処理や中綴じ処理の有無の選択、中綴じ処理において綴じる用紙の枚数等をジョブ情報として入力することもできる。操作表示部14で入力されたジョブ情報は、制御部15に送信される。
【0026】
また、操作表示部14は、スタートボタンを有している。ユーザが操作表示部14によりジョブ情報を入力してスタートボタンを押圧することにより、画像形成装置2及び用紙処理装置3は、入力されたジョブ情報に基づいた動作を開始する。
【0027】
制御部15は、受信したジョブ情報に基づいて画像形成装置2の画像形成動作を制御する。制御部15の通信部15aは、用紙処理装置3における用紙処理制御部90の通信部90aと電気的に接続されている。画像形成装置2の制御部15は、用紙処理装置3の用紙処理制御部90とシリアル通信を行う。そして、用紙処理制御部90は、画像形成装置2の画像形成動作に連動して用紙処理装置3が動作するように制御する。
【0028】
[用紙処理装置]
次に、用紙処理装置3について図2〜図4を参照して説明する。
図2は、用紙処理装置3を示す模式図である。
用紙処理装置3は、画像形成装置2から供給された用紙にステープル処理や折り曲げ処理等の各種処理を行う装置である。
【0029】
図2に示すように、用紙処理装置3は、受入部31と、第1の用紙搬送部32と、中折り処理部33と、第2の用紙搬送部34(図3参照)と、中綴じ処理部36と、複合処理部37とを備えている。
【0030】
なお、図2〜図4に示すように、用紙処理装置3における水平方向と平行をなし、かつ用紙処理装置3と画像形成装置2とが対向する方向を幅方向Wとする。また、幅方向Wと直交し、かつ鉛直方向と平行をなす方向を高さ方向Hとする。そして、幅方向W及び高さ方向Hと直交する方向を奥行き方向Dとする。
【0031】
受入部31は、用紙処理装置3における筐体30の幅方向Wの一側に設けられている。そして、受入部31は、筐体30の画像形成装置2に対向する面に開口している。この受入部31には、画像形成装置2の排紙ローラ28D(図1参照)から排紙された用紙S1が挿入される。
【0032】
第1の用紙搬送部32は、モータ(不図示)により駆動される複数のローラ32aと、幅方向Wに沿って配置された搬送路32bから構成されている。この第1の用紙搬送部32は、受入部31が受け取った用紙S1を中折り処理部33に搬送する。
【0033】
中折り処理部33は、互いに圧接された2つの折りローラ33a,33aと、不図示の折り板を備えている。2つの折りローラ33a,33aは、互いに逆方向に回転する。
折り板は、用紙Sを押圧して2つの折りローラ33a,33aの間に用紙Sの中央を通過させる。その後、2つの折りローラ33a,33aは、回転方向を反転させて用紙Sを高さ方向Hの下方へ排出する。これにより、用紙Sは、中央が高さ方向Hの上方に凸となるように折り曲げられ、中折り処理が終了する。
【0034】
図3A〜図3Cは、用紙処理装置3における中綴じ処理部36を幅方向Wから見た概略構成図である。
図3Aに示すように、中折り処理部33の2つの折りローラ33a,33aの高さ方向Hの下方には、第2の用紙搬送部34が配置されている。第2の用紙搬送部34は、奥行き方向Dに沿って配置されている。この第2の用紙搬送部34は、中折り処理部33によって中折り処理された用紙S1を中綴じ処理部36に搬送する。
【0035】
中綴じ処理部36は、用紙集積部40と、ステープル処理部41と、整合部材42と、第1ストッパ44とを有している。用紙集積部40は、奥行き方向Dから見た形状が略三角形に形成されており、一の頂部が高さ方向Hの上方に向いている。用紙集積部40の頂部には、中折り処理された用紙S1における折り曲げ部分の内側が載置される。このとき、用紙S1の折り目は、用紙集積部40における頂部の稜線に沿って配置される。そして、用紙集積部40に、複数枚の用紙S1が集積されて用紙束S2が形成される。
【0036】
用紙集積部40には、ステープル処理部41が配置されている。ステープル処理部41は、用紙集積部40内に配置された受針機構41aと、受針機構41aと対向する打針機構41bとから構成されている。受針機構41aは、不図示の支持部により高さ方向Hに移動可能に支持されている。打針機構41bは、用紙集積部40における高さ方向Hの上方で、不図示の取付部材に固定されている。
【0037】
また、用紙集積部40における高さ方向Hの上方には、整合部材42と、第1ストッパ44が配置されている。整合部材42は、奥行き方向Dへ移動可能に構成されている。第1ストッパ44は、高さ方向Hと奥行き方向Dへ移動可能に構成されている。
さらに、用紙集積部40における奥行き方向Dの下流側には、用紙束搬送部43が配置されている。この用紙束搬送部43の高さ方向Hの上方には、第2ストッパ45が配置される。なお、用紙束搬送部43の構成については、後述する。
【0038】
ここで、図3A〜図3Bを参照して、中綴じ処理部36における中綴じ処理動作について説明する。
まず、図3Aに示すように、整合部材42は、用紙集積部40に所定枚数の用紙S1が集積されて用紙束S2が形成された後、用紙束S2を第1ストッパ44に押し当てることで、用紙束S2の位置揃えを行う。次に、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束S2に一回目のステープル処理を行う。このとき、第1ストッパ44は、所定の高さまで上昇する。
【0039】
一回目のステープル処理が行われると、図3Bに示すように、整合部材42は、奥行き方向Dの下流側へ所定量移動する。これにより、用紙束S2は、整合部材42によって、2回目のステープル処理が行われる位置まで押し出される。そして、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束S2に二回目のステープル処理を行う。
【0040】
二回目のステープル処理を実施しているときに、第1ストッパ44は、奥行き方向Dにおける中折り処理部33側へ移動して、用紙束S2における上流側の端部の上方に位置する。また、整合部材42は、奥行き方向Dへ移動して所定位置まで後退する。
【0041】
二回目のステープル処理が行われると、図3Cに示すように、第1ストッパ44は、用紙束S2における上流側の端部に対向する位置まで下降する。続いて、第1ストッパ44は、奥行き方向Dにおける第2ストッパ45側へ移動する。これにより、用紙束S2は、第1ストッパ44に押し出され、用紙集積部40から用紙束搬送部43へ移動する。このとき、用紙束S2を第2ストッパ45に押し当てることで、用紙束S2の位置揃えを行う。
【0042】
なお、中綴じ処理を行わない場合は、ステープル処理部41が動作しない。したがって、複数枚の用紙Sが用紙集積部40に集積されて用紙束S2が形成されると、整合部材42及び第1ストッパ44が用紙束S2を押し出して用紙束搬送部43へ移動させる。
【0043】
次に、図4を参照して用紙束搬送部43について説明する。
図4は、用紙処理装置3における用紙束搬送部43を奥行き方向Dから見た概略構成図である。
【0044】
用紙束搬送部43は、用紙集積部40(図3参照)から受け取った用紙束S2を、複合処理部37の用紙束保持機構51の直下まで搬送する。
図4に示すように、用紙束搬送部43は、用紙束載置部材46と、用紙束移動機構47とを有している。
【0045】
用紙束載置部材46は、用紙集積部40(図1参照)と同様に、奥行き方向Dから見た形状が略三角柱状に形成されており、一の頂部が高さ方向Hの上方に向いている。この用紙束載置部材46は、用紙束移動機構47によって幅方向Wに沿って移動可能に支持されている。
【0046】
用紙束移動機構47は、スライドレール47aと、スライド部材47bと、不図示の駆動部とから構成されている。スライドレール47aは、幅方向Wに沿って配置されており、スライド部材47bは、スライドレール47aに摺動可能に係合されている。そして、スライド部材47bには、用紙束載置部材46が固定されている。不図示の駆動部は、スライド部材47bをスライドレール47aに沿って幅方向Wへ移動させる。
【0047】
[複合処理部]
次に、複合処理部37について、図5を参照して説明する。
図5は、複合処理部37を示す斜視図である。
【0048】
図5に示すように、複合処理部37は、用紙束保持機構51と、昇降機構48と、断裁処理部38と、用紙束S2を排出する排出部39とを有している。
【0049】
用紙束保持機構51は、用紙束搬送部43(図4参照)から用紙束S2を受け取り、用紙束S2を構成する複数の用紙S1の位置を揃える。そして、複数の用紙S1の位置が揃った用紙束S2を保持して、複数の用紙S1がずれないようにする。この用紙束保持機構51については、後で詳しく説明する。
【0050】
昇降機構48は、用紙束保持機構51を昇降可能に支持する。昇降機構48の上方には、排出部39が配置されており、下方には、断裁処理部38が配置されている。
昇降機構48は、一対のフレーム481と、昇降用駆動モータ482とを有している。
【0051】
各フレーム481の下側には、第1のプーリ486が回転可能に取り付けられており、各フレーム481の上側には、第2のプーリ487が回転可能に取り付けられている。また、各フレーム481に取り付けられた第1のプーリ486は、駆動伝達シャフト484によって連結されている。
【0052】
第1のプーリ486と第2のプーリ487には、無端ベルトであるタイミングベルト485が掛け渡されている。このタイミングベルト485には、連結部488が固定されている。また、連結部488には、用紙束保持機構51が固定されている。
【0053】
昇降用駆動モータ482は、一対のフレーム481のうちの一方に取り付けられている。この昇降用駆動モータ482と一方のフレーム481に取り付けられた第1のプーリ486との間には、昇降用駆動モータ482の回転駆動力を第1のプーリ486に伝達する伝達機構(不図示)が設けられている。
さらに、一対のフレーム481には、用紙束保持機構51の昇降を案内するガイドレール483が設けられている。
【0054】
断裁処理部38は、用紙束保持機構51によって保持された用紙束S2に対して断裁処理を行う。具体的には、用紙束S2の折り曲げ部分と反対側の端部を断裁刃(不図示)によって断裁する。
【0055】
[用紙束保持機構]
次に、用紙束保持機構51について、図6を参照して説明する。
図6は、用紙束保持機構51の側面図である。
【0056】
図6に示すように、用紙束保持機構51は、用紙束S2の複数の用紙S1の位置を合わせる(調整する)用紙束位置合わせユニット52と、用紙束S2を保持する第1の保持ユニット53及び第2の保持ユニット54と、角背処理部55とを備えている。
【0057】
[用紙束位置合わせユニット]
用紙束位置合わせユニット52は、本発明に係る位置合わせ部材の一具体例を示す一対の支持板61A,61Bと、これら支持板61A,61Bを移動させる移動機構62を有する。
【0058】
一対の支持板61A,61Bは、薄い平板状に形成されており、第1の保持ユニット53の後述する押圧部材71と受け部材72との間に配置されている。一対の支持板61A,61Bの一方の平面部は押圧部材71に対向し、他方の平面部は受け部材72に対向している。
【0059】
一対の支持板61A,61Bは、図7に示すように、水平方向に略平行な水平辺部61aと、この水平辺部61aに連続して垂直方向に略平行な垂直辺部61bを有する。支持板61A,61Bの水平辺部61aは、用紙束S2の折り目に当接して、用紙束S2の折り目の位置を調整する。一方、支持板61A,61Bの垂直辺部61bは、用紙束S2の折り曲げ部分の両端に接触して、用紙束S2の折り曲げ部分に平行な方向の位置を調整する。
【0060】
例えば、支持板61A,61Bの水平辺部61aが、用紙束S2の折り目(線状の部分)からずれた位置に当接すると、用紙束S2は、自重によって移動する。そして、用紙束S2の折り目が支持板61A,61Bの水平辺部61aに当接する。これにより、用紙束S2の折り目の位置を調整することができる。
【0061】
なお、用紙束S2にステープル処理を施していない場合は、複数の用紙S1がそれぞれ移動して、折り目が互いに重なる。したがって、一対の支持板61A,61Bは、ステープル処理を施していない用紙束S2においても、折り目の位置を調整することができる。
【0062】
一対の支持板61A,61Bは、移動機構62によって移動され、用紙束の大きさ及び厚みに応じた調整位置に配置される。また、一対の支持板61A,61Bは、第1及び第2の保持ユニット53,54が動作する場合に、これら保持ユニット53,54との干渉を避けるために、後述する退避スペースに配置される。
【0063】
本例では、位置合わせ部材として略平板状の支持板61A,61Bを用いた例を説明したが、本発明に係る位置合わせ部材としては、平板状の部材の他に、径の小さいピン等を用いてもよい。なお、位置合わせ部材は、用紙S1に形成された折り目よりも薄く、かつ折り目に沿うような形状が好ましい。
【0064】
[角背処理部]
図6に示すように、角背処理部55は、用紙束位置合わせユニット52の上方に設けられている。この角背処理部55は、用紙束保持機構51によって保持された用紙束S2に対して角背処理を行う。
【0065】
角背処理部55は、押圧ローラ551と、この押圧ローラ551を用紙束S2の折り曲げ部分に沿って移動させるローラ移動機構552を備えている。角背処理部55は、押圧ローラ551によって用紙束S2の折り曲げ部分を外側から押圧することにより、用紙束S2の折り曲げ部分を角型形状の背面に成形する。
【0066】
[第1の保持ユニット]
次に、第1の保持ユニット53について、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、第1の保持ユニット53の概略斜視図である。図8は、第1の保持ユニット53の平面図である。
【0067】
第1の保持ユニット53は、用紙束位置合わせユニット52によって揃えられた複数の用紙S1からなる用紙束S2を保持して、複数の用紙S1がずれないようにする。
【0068】
図7及び図8に示すように、第1の保持ユニット53は、押圧部材71と、受け部材72と、支持部材73と、ガイド軸74A,74Bと、回動アーム75A,75Bと、弾性部材76と、駆動機構77とを備える。なお、図7では、支持部材73を削除した状態を示している。
【0069】
押圧部材71は、押圧部711と、軸受部712,713と、アーム接続部714から構成されている。押圧部711は、水平方向に延びる略長方形に形成されており、用紙束S2を挟んで受け部材72と水平方向に対向する押圧面711aを有している。この押圧面711aに直交する方向を第1の方向Yとする。そして、押圧部711の長手方向を第2の方向Xとする。また、第1の方向Y及び第2の方向Xに直交する方向を第3の方向Zとする(図7参照)。
【0070】
押圧面711aは、押圧部711における第2の方向Xの中央部に設けられている。押圧面711aの第2の方向Xの両側には、押圧面711aよりも凹んでいる凹面711bが形成されている。この凹面711bは、受け部材72との間に退避スペースを形成する。この退避スペースには、用紙束位置合わせユニット52の支持板61A,61Bが退避される。支持板61A,61Bは、退避スペース内において第2の方向Xへ移動可能である。
【0071】
軸受部712,713は、押圧部711における第2の方向Xの両端部に設けられている。軸受部712は、ガイド軸74Aに摺動可能に係合されており、軸受部713は、ガイド軸74Bに摺動可能に係合されている。
【0072】
アーム接続部714は、押圧部711の押圧面711aと反対側に設けられている。このアーム接続部714には、回動アーム75A,75Bの後述する先端部751A,751Bが回動可能に接続される。
【0073】
受け部材72は、中空の四角柱状に形成されており、第2の方向Xに沿って延びている。この受け部材72は、支持部材73に固定されている。つまり、受け部材72と支持部材73は、一体に構成されている。
受け部材72は、押圧面711aに対向する受け面721aを有している。この受け面721aの第2の方向Xの両側には、用紙束位置合わせユニット52における移動機構62の一部を貫通させる開口部721b,721cが設けられている(図7参照)。
【0074】
図8に示すように、支持部材73は、平面形状が略コ字状に形成されている。この支持部材73は、第2の方向Xに延びる略長方形のアームガイド部731と、このアームガイド部731における第2の方向Xの両端に連続する駆動源搭載部732,733とを有する。
【0075】
アームガイド部731には、回動アーム75A,75Bの後述する基端部752A,752Bを第2の方向Xへ案内するガイド溝731a,731bが設けられている。また、ガイド溝731bの第2の方向Xの両側には、回動アーム75Bの回動状態を検出するセンサ78A,78Bが配置されている。
【0076】
駆動源搭載部732には、受け部材72の長手方向の一端部が固定されており、駆動源搭載部733には、受け部材72の長手方向の他端部が固定されている。これにより、支持部材73と受け部材72は、用紙束S2を受け入れる開口部56を有した枠体を形成している。
【0077】
さらに、駆動源搭載部732には、用紙束位置合わせユニット52の移動機構62における第1駆動源621及び第2駆動源622が搭載されており、駆動源搭載部733には、駆動機構77の後述する駆動源776が搭載されている。
また、駆動源搭載部732は、ガイド軸74Aを支持しており、駆動源搭載部733は、ガイド軸74Bを支持している。
【0078】
ガイド軸74A,74Bの軸方向は、第1の方向Yと平行であり、押圧部材71の軸受部712が摺動可能に係合されている。したがって、押圧部材71は、ガイド軸74A,74Bに沿って第1の方向Yへ移動する。
【0079】
回動アーム75Aは、先端部751Aと、この先端部751Aが摺動可能に連結される基端部752Aを備えており、先端部751Aと基端部752Aを結ぶ軸方向へ伸縮可能に構成されている。
また、回動アーム75Bは、回動アーム75Aと同様の構成を有しており、先端部751Bと、基端部752Bを備えている。本実施形態では、先端部751Aと先端部751Bとを対象な形状にしたが、同じ形状であってもよい。
【0080】
先端部751A,751Bは、回動軸753により押圧部材71のアーム接続部714にそれぞれ回動可能に接続されている。回動軸753の軸方向は、第3の方向Zに延びている。したがって、回動アーム75A,75Bは、第1の方向Y及び第2の方向Xを含む水平方向へ回動する。
また、回動軸753は、押圧部材71の押圧面711aよりも第2の方向Xの外側に配置されている。
また、先端部751A,751Bとアーム接続部714との接続箇所は、押圧面711aよりも第2の方向Xの外側に設定されている。
【0081】
回動アーム75Aの基端部752Aは、回動軸754により駆動機構77の後述するスライダ774に回動可能に接続されている。回動軸754の軸方向は、第3の方向Zに延びている。また、基端部752Aは、支持部材73のガイド溝731aに摺動可能に係合する。したがって、回動アーム75Aの基端部752Aは、スライダ774に対して回動しながら、ガイド溝731aに沿って第2の方向Xへ移動する。
【0082】
回動アーム75Bの基端部752Bは、回動軸754により駆動機構77の後述するスライダ775に回動可能に接続されている。また、基端部752Bは、支持部材73のガイド溝731bに摺動可能に係合する。したがって、回動アーム75Bの基端部752Bは、スライダ775に対して回動しながら、ガイド溝731bに沿って第2の方向Xへ移動する。
【0083】
弾性部材76は、回動アーム75Aの先端部751Aと基端部752Bとの間と、回動アーム75Bの先端部751Bと基端部752Bとの間に介在されている。各弾性部材76は、回動アーム75A,75Bの縮小に対して抵抗力を生じさせる。
本実施の形態では、弾性部材76として圧縮コイルばねを採用した。しかし、本発明に係る弾性部材は、回動アームの縮小に対して抵抗を生じさせるものであれば、板ばねなどのその他のばね部材を採用することができる。
【0084】
押圧部材71と受け部材72との間に用紙束S2が介在されていない状態において、回動アーム75A,75Bの軸方向が押圧面711aに対して垂直になると、押圧面711aが受け面721aに当接する。このとき、回動アーム75A,75Bは、軸方向に縮小しており、弾性部材76(圧縮コイルばね)が圧縮される。これにより、用紙束S2の厚みが薄くても押圧部材71と受け部材72により用紙束S2を確実に押圧して保持することができる。
【0085】
駆動機構77は、回動アーム75A,75Bの基端部752A,752Bを第2の方向Xへ移動させる。この駆動機構77は、駆動プーリ771及び従動プーリ772と、搬送ベルト773と、スライダ774,775と、駆動プーリ771を回転させる駆動源776とを備えている。
【0086】
駆動プーリ771は、支持部材73の駆動源搭載部733に回転可能に取り付けられており、従動プーリ772は、支持部材73の駆動源搭載部732に回転可能に取り付けられている。そして、駆動プーリ771と従動プーリ772の回転軸は、第1の方向Yに平行である。
搬送ベルト773は、無端ベルトであり、駆動プーリ771と従動プーリ772に掛け渡されている。この搬送ベルト773は、第2の方向Xに延びて互いに第3の方向Zに対向する直線部分を有する。
【0087】
スライダ774,775は、搬送ベルト773の直線部分に固定されている。図7に示すように、スライダ774は、搬送ベルト773の直線部分における第3の方向Zの一方(上方)に固定されており、スライダ775は、搬送ベルト773の直線部分における第3の方向Zの他方(下方)に固定されている。したがって、駆動プーリ771と従動プーリ772との間で搬送ベルト773が回転すると、スライダ774,775は、互いに第2の方向Xにおける逆方向へ移動する。
【0088】
スライダ774には、回動アーム75Aの基端部752Aが回動軸754によって回動可能に取り付けられている。また、スライダ775には、回動アーム75Bの基端部752Bが回動軸754によって回動可能に取り付けられている。さらに、スライダ775には、検出突起775a,775bが設けられている。
【0089】
スライダ775が第2の方向Xの一方に移動すると、センサ78Aが検出突起775aを検出する。また、スライダ775が第2の方向Xの他方に移動すると、センサ78Bが検出突起775bを検出する。押圧面711aに対する回動アーム75Bの軸方向の角度は、スライダ775の位置に応じて変化する。したがって、センサ78A,78Bによってスライダ775の位置を検出することにより、回動アーム75Bの回動状態を検出することができる。
【0090】
駆動源776としては、例えば、ACモータやDCモータ等を採用することができる。また、駆動源776と駆動プーリ771との間には、駆動源776の回転駆動力を駆動プーリ771に伝達する伝達機構(不図示)が設けられている。
【0091】
[第1の保持ユニットの動作]
次に、第1の保持ユニット53の動作について、図8及び図9を参照して説明する。
図9A及び図9Bは、第1の保持ユニット53の動作を示す説明図である。
【0092】
第1の保持ユニット53は、中折り処理された用紙束S2を受け入れるときに、図8に示す受け入れ状態になる。第1の保持ユニット53を受け入れ状態にするには、駆動機構77の駆動源776を駆動させて、スライダ774を第2の方向Xの一方へ移動させ、スライダ775を第2の方向Xの他方へ移動させる。
【0093】
これにより、回動アーム75Aの基端部752Aは、ガイド溝731aにおける第2の方向Xの一方の端部へ移動し、回動アーム75Bの基端部752Bは、ガイド溝731bにおける第2の方向Xの他方の端部へ移動する。そして、センサ78Bがスライダ775の検出突起775bを検出すると、駆動機構77の駆動源776の駆動が停止して、回動アーム75A,75B及び押圧部材71の動作が停止する。その結果、第1の保持ユニット53は、受け入れ状態になる。
【0094】
この受け入れ状態では、回動アーム75Aの基端部752Aがガイド溝731aにおける第2の方向Xの一方の端部に位置しており、回動アーム75Bの基端部752Bがガイド溝731bにおける第2の方向Xの他方の端部に位置している。つまり、基端部752A,752Bは、ガイド溝731a,731bの第2の方向Xにおける互いに離れた側の端部に位置している。そして、押圧部材71は、受け部材72に対して第1の方向Yへ所定の距離だけ離れており、中折り処理された用紙束S2を受け入れる開口部56が確保される。
【0095】
中折り処理された用紙束S2が開口部56に搬送されると、用紙束位置合わせユニット52の一対の支持板61A,61Bは、用紙束S2の折り曲げ部分の内側を支持する。その結果、用紙束S2の折り目が支持板61A,61Bに当接して、用紙束S2の位置が調整される。一対の支持板61A,61Bによって支持された用紙束S2は、第1の保持ユニット53の押圧部材71と受け部材72との間に介在される。
【0096】
一対の支持板61A,61Bにより用紙束S2の位置が調整されると、第1の保持ユニット53は、用紙束S2を押圧して保持する保持状態になる。第1の保持ユニット53を保持状態にするには、まず、図9Aに示すように、駆動機構77の駆動源776を駆動させて、スライダ774を第2の方向Xの他方へ移動させ、スライダ775を第2の方向Xの一方へ移動させる。
【0097】
これにより、回動アーム75Aの基端部752Aは、スライダ774に対して回動軸754を中心に回動しながら、ガイド溝731aに沿って第2の方向Xの他方へ移動する。そして、回動アーム75Aの先端部751Aは、回動軸753を中心に回動する。
また、回動アーム75Bの基端部752Bは、スライダ775に対して回動軸754を中心に回動しながら、ガイド溝731bに沿って第2の方向Xの他方へ移動する。そして、回動アーム75Bの先端部751Bは、回動軸753を中心に回動する。
【0098】
その結果、回動アーム75A,75Bは、第1の方向Yへ立ち上がるように回動するため、押圧部材71は、ガイド軸74A,74Bに沿って第1の方向Yへ移動し、受け部材72に接近する。これにより、押圧部材71の押圧面711aが、用紙束S2を受け部材72の受け面721a側に押圧する。
【0099】
さらに、スライダ774を第2の方向Xの他方へ移動させ、スライダ775を第2の方向Xの一方へ移動させると、図9Bに示すように、センサ78Aがスライダ775の検出突起775aを検出する。センサ78Aが検出突起775aを検出すると、駆動機構77の駆動源776の駆動が停止して、回動アーム75A,75B及び押圧部材71の動作が停止する。
【0100】
これにより、第1の保持ユニット53は、保持状態になり、押圧部材71の押圧面711aと受け部材72の受け面721aによって用紙束S2を挟んで保持する。
このとき、用紙束位置合わせユニット52の一対の支持板61A,61Bは、用紙束S2と一緒に第1の方向Yへ移動し、押圧部材71と受け部材72との間に形成される退避スペースに配置される。なお、一対の支持板61A,61Bは、押圧部材71と受け部材72との間に形成される退避スペースを第1の方向Y及び第3の方向Zに移動可能である。
【0101】
第1の保持ユニット53が保持状態になると、回動アーム75A,75Bの軸方向が押圧部材71の押圧面711aに対して垂直(90度)になり、回動アーム75A,75Bは軸方向に縮小する。そして、押圧部材71は、圧縮された弾性部材76の弾性力により受け部材72側に付勢される。したがって、駆動源776の駆動を停止しても、押圧部材71による押圧力が維持され、複数の用紙S1がずれないように用紙束S2を保持することができる。
【0102】
回動アーム75A,75Bの軸方向の長さは、保持する用紙束S2の厚みが増すほど短くなる。そして、回動アーム75A,75Bの軸方向の長さが短くなるほど、弾性部材76が圧縮されるため、弾性部材76の弾性力が増加する。したがって、保持する用紙束S2の厚みが増すほど弾性部材76の弾性力が増加して、押圧部材71による押圧力が増加するため、用紙束S2を確実に押圧して保持することができる。
【0103】
なお、本発明に係る保持ユニットとしては、回動アームの軸方向が押圧面に対して略垂直になり、弾性部材の弾性力によって押圧部材を受け部材側に付勢できればよい。押圧面に対する回動アームの軸方向の角度としては、例えば、85度〜95度の範囲が好ましい。
【0104】
また、回動アーム75A,75Bの先端部751A,751Bと、アーム接続部714との接続箇所は、押圧面711aよりも第2の方向Xの外側に設定されている。そのため、弾性部材76の弾性力によって生じる押圧部材71の押圧力は、押圧面711aにおける第2の方向Xの両端部に効率よく作用する。したがって、駆動源776の省力化及び小型化を図ることができる。
【0105】
また、本実施の形態では、回動アーム75A,75Bの先端部751A,751Bを押圧部材71に回動可能に接続し、基端部752A,752Bをスライダ774,775により直線移動させる構成とした。これにより、固定側である支持部材73に駆動機構77を設けることができ、駆動機構をシンプルにして低コストを実現することができる。
【0106】
また、本実施の形態では、駆動機構77に無端ベルトである搬送ベルト773を採用し、その搬送ベルト773の互いに対向する部分にそれぞれスライダ774,775を取り付ける構成とした。これにより、1つの駆動源776で2つのスライダを互いに反対方向へ移動させることができる。したがって、駆動機構77の部品点数を削減することができ、省スペースで駆動力を発生させることができる。
【0107】
また、本実施の形態では、押圧部711の第2の方向の中央部に押圧面711aを設ける構成とした。そして、回動アーム75A,75Bの先端部751A,751Bと、アーム接続部714との接続箇所は、押圧面711aよりも第2の方向Xの外側であって、押圧面711aの近い位置(押圧部材71における第2の方向Xの中央部)に設定されている。
したがって、回動アーム75A,75Bの押圧力を、押圧部材71の押圧面711aに効率よく伝えることができる。
【0108】
第1の保持ユニット53によって用紙束S2を保持した後、用紙束S2の折り曲げ部分と反対側の端部を断裁する場合には、昇降機構48(図5参照)が駆動して用紙束保持機構51をガイドレール483に沿って第3の方向Zの他方(下方)へ移動させる。これにより、用紙束S2は、断裁処理部38の処理位置に搬送される。そして、断裁処理部38により断裁処理が行われる。
【0109】
また、第1の保持ユニット53によって用紙束S2を保持した後、用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理を行う場合は、まず、用紙束S2の折り曲げ部分の近傍を第2の保持ユニット54によって保持する。その後、角背処理部55によって用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理を行う。
【0110】
断裁処理部及び/又は角背処理が終了すると、昇降機構48(図5参照)が駆動して用紙束保持機構51をガイドレール483に沿って第3の方向Zの一方(上方)へ移動させる。そして、用紙束保持機構51は、第1の保持ユニット53による用紙束S2の保持を解除して、用紙束S2を排出部39に渡す。これにより、各種処理が行われた用紙束S2が排出口(不図示)から排紙される。
【0111】
[第2の保持ユニット]
次に、第2の保持ユニット54について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、第2の保持ユニット54の概略斜視図である。図11は、第2の保持ユニット54の平面図である。
【0112】
図10に示すように、第2の保持ユニット54は、第1の保持ユニット53の第3の方向Zの一方(上方)に配設されている。この第2の保持ユニット54は、用紙束位置合わせユニット52によって揃えられた用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理を行う場合に用いる。具体的に説明すると、第2の保持ユニット54は、用紙束S2の折り曲げ部分の近傍を折り曲げ部分の全長に亘って保持し、複数の用紙がずれないようにする。
【0113】
図10及び図11に示すように、第2の保持ユニット54は、第1の保持ユニット53と同様の構成であり、押圧部材81と、受け部材82と、支持部材83と、回動アーム85A,85Bと、弾性部材86と、駆動機構87とを備える。
【0114】
押圧部材81は、押圧部811と、複数の車軸812と、複数の車輪813(図11参照)から構成されている。押圧部811は、第2の方向Xに延びる略長方形の柱状に形成されており、用紙束S2を挟んで受け部材82と第1の方向Yに対向する押圧面811aを有している。
【0115】
押圧面811aの第2の方向の長さは、中折り処理された用紙束S2の折り曲げ部分の全長以上に設定されている。また、本実施の形態では、折り曲げ部分の全長が異なる複数種類の用紙束を第2の保持ユニット54によって保持する。そのため、押圧面811aの第2の方向Xの長さは、折り曲げ部分の全長が一番長くなる用紙束のサイズに合わせて決められている。
【0116】
また、第2の保持ユニット54の押圧面811aは、第1の保持ユニット53の押圧面711a(図7参照)よりも第3の方向Zの長さが短い。これにより、押圧面811aの面積を小さくなり、単位面積(例えば1平方センチメートル)に対する押圧力を大きくすることができる。その結果、弾性部材86の弾性力の省力化を図っても、角背処理を行うときに必要な押圧力を確保することができる。
また、用紙束保持機構51から別の処理部(例えば、排出部39)へ用紙束S2を渡す場合に、第2の保持ユニット54の押圧部材81が邪魔にならない。
【0117】
押圧面811aの第2の方向Xの両側には、押圧面811aよりも凹んでいる凹面811bが形成されている。この凹面811bは、受け部材82との間に退避スペースを形成する。この退避スペースには、用紙束位置合わせユニット52の支持板61A,61B(図11参照)が退避される。
【0118】
複数の車軸812は、押圧部811の第2の方向Xの両端にそれぞれ2本接続されており、第2の方向Xに突出している。そして、各車軸812には、車輪813が回転可能に取り付けられている。押圧部材81が第1の方向Yへ移動すると、車輪813が車軸812を中心に回転し、支持部材83の後述するガイド部834,835(図11参照)上を転動する。
【0119】
受け部材82は、第2の方向Xに延びる略長方形の柱状に形成されている。この受け部材82は、支持部材83に固定されている。つまり、受け部材82と支持部材83は、一体に構成されている。そして、受け部材82は、押圧面811aに対向する受け面821aを有している。
【0120】
図11に示すように、支持部材83は、平面形状が略コ字状に形成されている。この支持部材83は、第2の方向Xに延びる略長方形のアームガイド部831と、このアームガイド部831における第2の方向Xの両端に連続する側部832,833とを有する。
【0121】
アームガイド部831には、回動アーム85A,85Bの後述する基端部852A,852Bを第2の方向Xへ案内するガイド溝(不図示)が設けられている。
側部832,833は、それぞれ第1の保持ユニット53の駆動源搭載部732,733(図8参照)に第3の方向Zで対向する。
【0122】
側部832には、受け部材82における第2の方向Xの一端部が固定されており、側部833には、受け部材82における第2の方向Xの他端部が固定されている。これにより、支持部材83と受け部材82は、用紙束S2を受け入れる開口部58を有した枠体を形成する。そして、第2の保持ユニット54の開口部58と、第1の保持ユニット53の開口部56とは、第3の方向Zで対向している。
【0123】
さらに、側部832,833には、押圧部材81の車輪813を案内するガイド部834,835が設けられている。このガイド部834,835は、縦断面(第3の方向Zに平行な断面)が略コ字状に形成されており、車輪813の第2の方向X及び第3の方向Zへの移動を規制する。これにより、押圧部材81は、ガイド部834,835に案内されて第1の方向Yへ移動する。
【0124】
側部832とアームガイド部831には、回動アーム85Aの回動状態を検出するセンサ88A,88Bがそれぞれ搭載されている。また、側部833には、駆動機構87の駆動源876が搭載されている。
【0125】
回動アーム85Aは、先端部851Aと、この先端部851Aが摺動可能に連結される基端部852Aを備えており、先端部851Aと基端部852Aを結ぶ軸方向へ伸縮可能に構成されている。
また、回動アーム85Bは、回動アーム85Aと同様の構成を有しており、先端部851Bと、基端部852Bを備えている。本実施形態では、先端部851Aと先端部851Bとを対象な形状にしたが、同じ形状であってもよい。
【0126】
先端部851A,851Bは、回動軸853により押圧部材81の押圧部811にそれぞれ回動可能に接続されている。回動軸853の軸方向は、第3の方向Zに延びている。したがって、回動アーム85A,85Bは、第1の方向Y及び第2の方向Xを含む水平方向へ回動する。
また、先端部851A,851Bと押圧部811との接続箇所は、押圧面811aよりも第2の方向Xの外側に設定されている。
【0127】
回動アーム85Aの基端部852Aは、回動軸(不図示)により駆動機構87の後述するスライダ874に回動可能に接続されている。また、基端部852Aは、支持部材83のガイド溝(不図示)に摺動可能に係合する。したがって、回動アーム85Aの基端部852Aは、スライダ874に対して回動しながら、ガイド溝に沿って第2の方向Xへ移動する。
【0128】
回動アーム85Bの基端部852Bは、回動軸(不図示)により駆動機構87の後述するスライダ875(図10参照)に回動可能に接続されている。また、基端部852Bは、支持部材83のガイド溝(不図示)に摺動可能に係合する。したがって、回動アーム85Bの基端部852Bは、スライダ875に対して回動しながら、ガイド溝に沿って第2の方向Xへ移動する。
【0129】
弾性部材86は、回動アーム85Aの先端部851Aと基端部852Bとの間と、回動アーム85Bの先端部851Bと基端部852Bとの間に介在されている。この弾性部材86は、回動アーム75A,75Bの縮小に対して抵抗力を生じさせる。
本実施の形態では、弾性部材86として圧縮コイルばねを採用した。しかし、本発明に係る弾性部材は、回動アームの縮小に対して抵抗を生じさせるものであれば、板ばねなどのその他のばね部材、或いはゴム部材を採用することができる。
【0130】
押圧部材81と受け部材82との間に用紙束S2が介在されていない状態において、回動アーム85A,85Bの軸方向が押圧面811aに対して垂直になると、押圧面811aが受け面821aに当接する。このとき、回動アーム85A,85Bは、軸方向に縮小しており、弾性部材86(圧縮コイルばね)が圧縮される。これにより、用紙束S2の厚みが薄くても押圧部材81と受け部材82により用紙束S2を確実に押圧して保持することができる。
【0131】
駆動機構87は、回動アーム85A,85Bの基端部852A,852Bを第2の方向Xへ移動させる。この駆動機構87は、駆動プーリ871(図10参照)及び従動プーリ872と、搬送ベルト873と、スライダ874,875と、駆動プーリ871を回転させる駆動源876とを備えている。
【0132】
駆動プーリ871は、支持部材83の側部833に回転可能に取り付けられており、従動プーリ872は、支持部材83の側部832に回転可能に取り付けられている。そして、駆動プーリ871と従動プーリ872の回転軸は、第1の方向Yに平行である。
搬送ベルト873は、駆動プーリ871と従動プーリ872に掛け渡されている。この搬送ベルト873は、第2の方向Xに延びて互いに第3の方向Zに対向する直線部分を有する。
【0133】
スライダ874,875は、搬送ベルト873の直線部分に固定されている。図10に示すように、スライダ875は、搬送ベルト873の直線部分における第3の方向Zの一方(上方)に固定されており、スライダ874は、搬送ベルト873の直線部分における第3の方向Zの他方(下方)に固定されている。したがって、駆動プーリ871と従動プーリ872との間で搬送ベルト873が回転すると、スライダ874,875は、互いに第2の方向Xにおける逆方向へ移動する。
【0134】
スライダ874には、回動アーム85Aの基端部852Aが回動軸(不図示)によって回動可能に取り付けられている。また、スライダ875には、回動アーム85Bの基端部852Bが回動軸(不図示)によって回動可能に取り付けられている。さらに、スライダ874には、検出突起874a,874bが設けられている。
【0135】
スライダ874が第2の方向Xの一方に移動すると、センサ88Aが検出突起874aを検出する。また、スライダ874が第2の方向Xの他方に移動すると、センサ88Bが検出突起874bを検出する。スライダ874の位置に応じて、押圧面811aに対する回動アーム85Aの軸方向の角度が変化する。したがって、センサ88A,88Bによってスライダ874の位置を検出することにより、回動アーム85Aの回動状態を検出することができる。
【0136】
駆動源876としては、例えば、ACモータやDCモータ等を採用することができる。また、駆動源876と駆動プーリ871との間には、駆動源876の回転駆動力を駆動プーリ871に伝達する伝達機構(不図示)が設けられている。
【0137】
[第2の保持ユニットの動作]
次に、第2の保持ユニット54の動作について、図11及び図12を参照して説明する。
図12A及び図12Bは、第2の保持ユニット54の動作を示す説明図である。
【0138】
第2の保持ユニット54は、用紙束位置合わせユニット52によって揃えられた用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理部55によって角背処理を行う場合に、その折曲げ部分に沿って用紙束S2を保持する。
【0139】
第2の保持ユニット54は、第1の保持ユニット53が用紙束S2を保持した後、用紙束S2の折り曲げ部分の近傍を折り曲げ部分に沿って保持する。第1の保持ユニット53が用紙束S2を保持すると、用紙束S2の複数の用紙S1がずれなくなる。
【0140】
次に、用紙束位置合わせユニット52の一対の支持板61A,61Bが第2の方向Xへ移動して、第2の保持ユニット54の押圧部材81に設けた凹面811bに対向する位置に退避する。これにより、一対の支持板61A,61Bは、用紙束S2の折り曲げ部分から外れる。つまり、用紙束S2は、第1の保持ユニット53のみで保持される。
【0141】
一対の支持板61A,61Bが用紙束S2の折り曲げ部分から外れると、第2の保持ユニット54は、受け入れ状態(図11参照)から保持状態になるための動作を開始する。第2の保持ユニット54を保持状態にするには、まず、図12Aに示すように、駆動機構87の駆動源876を駆動させて、スライダ874を第2の方向Xの一方へ移動させ、スライダ875を第2の方向Xの他方へ移動させる。
【0142】
これにより、回動アーム85Aの基端部852Aは、スライダ874に対して回動軸を中心に回動しながら、ガイド溝に沿って第2の方向Xの一方へ移動する。そして、回動アーム85Aの先端部851Aは、回動軸853を中心に回動する。
また、回動アーム85Bの基端部852Bは、スライダ875に対して回動軸を中心に回動しながら、ガイド軸に沿って第2の方向Xの他方へ移動する。そして、回動アーム85Bの先端部851Bは、回動軸853を中心に回動する。
【0143】
その結果、回動アーム85A,85Bは、第1の方向Yへ立ち上がるように回動するため、押圧部材81は、ガイド部834,835に沿って第1の方向Yへ移動し、受け部材82に接近する。これにより、押圧部材81の押圧面811aが、用紙束S2を受け部材82の受け面821a側へ押圧する。
【0144】
さらに、スライダ874を第2の方向Xの一方へ移動させ、スライダ875を第2の方向Xの他方へ移動させると、図12Bに示すように、センサ88Aがスライダ874の検出突起874aを検出する。センサ88Aが検出突起874aを検出すると、駆動機構87の駆動源876の駆動が停止して、回動アーム85A,85B及び押圧部材81の動作が停止する。
【0145】
これにより、第2の保持ユニット54は、保持状態になり、押圧部材81の押圧面811aと受け部材82の受け面821aによって用紙束S2を挟んで保持する。
このとき、用紙束位置合わせユニット52の一対の支持板61A,61Bは、押圧部材81の凹面811bと受け部材82の受け面821aとの間に形成される退避スペースに配置されている。そのため、一対の支持板61A,61Bは、用紙束S2と一緒に第2の保持ユニット54に保持されない。
【0146】
第2の保持ユニット54が保持状態になると、回動アーム85A,85Bの軸方向が押圧部材81の押圧面811aに対して垂直(90度)になり、回動アーム85A,85Bは軸方向に縮小している。そして、押圧部材81は、圧縮された弾性部材86の弾性力により受け部材82側に付勢される。したがって、駆動源876の駆動を停止しても、押圧部材81による押圧力が維持され、用紙束S2の保持を継続することができる。その結果、用紙束S2の複数の用紙S1がずれないようにすることができる。
【0147】
回動アーム85A,85Bの軸方向の長さは、保持する用紙束S2の厚みが増すほど短くなる。そして、回動アーム85A,85Bの軸方向の長さが短くなるほど、弾性部材86が圧縮されるため、弾性部材86の弾性力が増加する。したがって、保持する用紙束S2の厚みが増すほど弾性部材86の弾性力が増加して、押圧部材81による押圧力が増加するため、用紙束S2を確実に押圧して保持することができる。
【0148】
本実施の形態では、角背処理を行うために第2の保持ユニット54によって用紙束S2の折り曲げ部分の近傍を保持する。角背処理では、用紙束S2の折り曲げ部分が押圧されて潰される。したがって、第2の保持ユニット54の押圧部材81は、角背処理中に用紙束S2がずれない程度の押圧力が必要である。そのため、第2の保持ユニット54に用いる弾性部材86は、第1の保持ユニット53に用いる弾性部材76よりも大きい弾性力を発揮するものを採用している。
【0149】
なお、第2の保持ユニット54においても。第1の保持ユニット53と同様に、回動アーム85A,85の軸方向が押圧面811aに対して略垂直であればよい。
【0150】
また、回動アーム85A,85Bの先端部851A,851Bと、押圧部811との接続箇所は、押圧面811aよりも第2の方向Xの外側に設定されている。そのため、弾性部材86の弾性力によって生じる押圧部材81の押圧力は、押圧面811aにおける第2の方向Xの両端部に効率よく作用する。その結果、押圧面811aにおける第2の方向Xの両端部分の押圧力が低下することはなく、角背処理を行うために必要な押圧力を確保することができる。
【0151】
また、回動アーム85A,85Bの基端部852A,852Bと、支持部材83との接続箇所は、アームガイド部831における第2の方向Xの両端部になる。そして、アームガイド部831における第2の方向Xの両端には、側部832,833が設けられる。そのため、回動アーム85A,85Bと支持部材83との接続箇所の剛性を容易に確保することができる。
【0152】
第2の保持ユニット54が用紙束S2を保持すると、角背処理部55が駆動して、用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理を行う。これにより、用紙束S2の折り曲げ部分が角型形状の背面に成形される。角背処理が終了すると、第2の保持ユニット54は、用紙束S2の保持を止める。つまり、駆動機構87が動作して、第2の保持ユニット54が受け入れ状態になる。
【0153】
その後、用紙束S2における角背処理を行った辺(折り曲げ部分)と反対側の端部を断裁する場合には、昇降機構48(図5参照)が駆動して用紙束保持機構51をガイドレール483に沿って第3の方向Zの他方(下方)へ移動させる。これにより、用紙束S2は、断裁処理部38の処理位置に搬送される。そして、断裁処理部38により断裁処理が行われる。
【0154】
なお、断裁処理部38によって断裁処理が行われている間は、第1の保持ユニット53で用紙束S2を保持しているため、複数の用紙S1がずれる心配はない。
【0155】
上述の実施の形態では、用紙束調整ユニットによって第3の方向Z(上下方向)に吊られた用紙束S2を、第1及び/または第2の保持ユニットによって保持する構成とした。
しかし、本発明に係る保持ユニットとしては、上下方向に吊られた用紙束を保持するものに限定されない。本発明に係る保持ユニットとしては、例えば、折り曲げられて平面部が上下方向に対向した状態の用紙束を保持する場合にも用いることができる。
【0156】
また、上述の実施形態の用紙束保持機構は、中折り処理された用紙束S2を第1及び第2の保持ユニットによって保持する構成である。
しかし、本発明に係る保持ユニットとしては、中折り処理されていない用紙束を保持するものであってもよい。例えば、用紙束の一側縁に熱溶融させた接着剤を塗布して製本処理を行う場合は、折り処理されていない用紙束を保持する必要がある。そのような場合にも、本発明に係る保持ユニットによって用紙束を保持することができる。
【0157】
また、上述した実施形態では、回動アームを回動させる駆動機構として、駆動源(モータ)、駆動プーリ、受動プーリ、搬送ベルト及びスライダを用いた。
しかし、本発明に係る駆動機構としては、回動アームを回動させるものであればよく、例えば、回動アームの基端部が回動可能に取り付けられるスライダと、このスライダを第2の方向Xへ移動させるリニアモータから構成してもよい。
また、本発明に係る駆動機構としては、例えば、回動アームの先端部を直接回動させるものであってもよい。
【0158】
また、上述した実施形態の第1及び第2の保持ユニットでは、回動アームの先端部を押圧部材に回動可能に接続し、基端部を支持部材に摺動可能に係合させた。
しかし、本発明に係る保持ユニットとしては、回動アームの先端部を押圧部材に主動可能に接続し、基端部を支持部材に回動可能に接続してもよい。
【0159】
また、上述した実施形態の第1及び第2の保持ユニットでは、回動アームの基端部が支持部材に摺動可能に係合する。
しかし、本発明に係る保持ユニットとしては、スライダが支持部材に摺動可能に係合し、そのスライダに回動アームの基端部が回動可能に接続されていてもよい。つまり、回動アームがスライダを介して支持部材に摺動可能に係合されていてもよい。
【0160】
以上、用紙処理装置及び画像形成システムの実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の用紙処理装置及び画像形成システムは、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0161】
1…画像形成システム,2…画像形成装置,3…用紙処理装置,30…筐体,31…受入部,32…第1の用紙搬送部,33…中折り処理部,33a…折りローラ,34…第2の用紙搬送部,36…中綴じ処理部,37…複合処理部,38…断裁処理部,39…排出部,40…用紙集積部,41…ステープル処理部,42…整合部材,43…用紙束搬送部,44…第1ストッパ,45…第2ストッパ,46…用紙束載置部材,47…用紙束移動機構,48…昇降機構,51…用紙束保持機構,52…用紙束位置合わせユニット,53…第1の保持ユニット,54…第2の保持ユニット,55…角背処理部,56,58…開口部,61A,61B…支持板,61a…水平辺部,61b…垂直辺部,62…移動機構,71,81…押圧部材、72,82…受け部材、73,83…支持部材、74A,74B…ガイド軸、75A,75B,85A,85B…回動アーム、76,86…弾性部材、77,87…駆動機構、78A,78B,88A,88B…センサ、90…用紙処理制御部、711,811…押圧部、711a,811a…押圧面、721a,821a…受け面、731,831…アームガイド部、731a,731b…ガイド溝、751A,751B,851A,851B…先端部、752A,752B,852A,852B…基端部、753,754,853…回動軸、771,871…駆動プーリ、772,872…従動プーリ、773,873…搬送ベルト、774,775,874,875…スライダ、776,876…駆動源、S1…用紙、S2…用紙束
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙束に対して断裁処理や角背処理等の各種処理を行う場合に、用紙がずれないように用紙束を保持する機構を有する用紙処理装置、及びこの用紙処理装置と画像形成装置を備える画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置により画像が形成された用紙に対して各種の処理を行う用紙処理装置が提供されている。処理としては、例えば、用紙束の端部を断裁する断裁処理や、用紙束の一側部を角型形状の背面に成形する角背処理等がある。用紙束に対して断裁処理や角背処理等の処理を行う場合は、押圧機構により用紙束を押圧して用紙束がずれないようにする。
【0003】
用紙束を押圧する押圧機構は、例えば、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された押圧機構は、用紙束を載置するテーブルに接近して用紙束を押圧する紙押えと、モータにより回転するスクリューと、スクリューに螺合するナットと、ナットと紙押えを連結するリンクから構成されている。
【0004】
このような押圧機構では、スクリューを回転させると、ナットがスクリューに沿って移動し、ナットに回転可能に取り付けられたリンクの傾きが変化する。これにより、紙押えがテーブルに接近して、用紙束を押圧する。そして、テーブルと紙押えで用紙束を挟持すると、リンクが停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−136471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された押圧機構では、用紙束の厚みに応じてリンクの停止位置が変化するため、リンクの停止制御が難しい。
【0007】
用紙束の厚みが増すと、紙押さえの押圧に対する用紙束の抵抗力が大きくなる。したがって、紙押えによる押圧力は、用紙束の厚みが増すほど大きくなることが好ましい。しかし、特許文献1に記載された押圧機構では、用紙束の厚みが増すにつれて、紙押えに対するリンクの傾きθが小さくなるため、紙押えによる押圧力が小さくなってしまう。
【0008】
本発明の目的は、上記従来技術における実情を考慮し、リンクの停止制御が容易であり、用紙束の厚みが増すほど用紙束を保持するための押圧力が大きくなる用紙処理装置及び画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の用紙処理装置は、押圧部材と、受け部材と、支持部材と、回動アームと、弾性部材と、駆動機構とを備えている。
押圧部材は、用紙束を押圧する押圧面を有し、受け部材は、用紙束を挟んで押圧部材に対向する。支持部材は、押圧部材に対向し、且つ受け部材とは反対側の位置に設けられている。
回動アームは、押圧部材に回動可能又は移動可能に接続される一端部と、支持部材に移動可能又は回動可能に接続される他端部とを有する。そして、一端部と他端部を結ぶ方向である軸方向へ伸縮可能に構成されている。
弾性部材は、回動アームの縮小に対して抵抗力を生じさせる。
駆動機構は、回動アームを、一端部の回動軸又は他端部の回動軸を中心に回動させて、押圧部材を押圧面と直交する方向へ移動させる。
押圧部材により用紙束を押圧して押圧部材と受け部材により用紙束を挟む場合に、駆動機構は、回動アームの軸方向が押圧面に対して垂直になるまで回動アームを回動させて縮小させる。
【0010】
本発明の画像形成システムは、用紙に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置から供給された用紙を集積して用紙束にする用紙集積部と、用紙束に対して所定の処理を行う処理部とを有する用紙処理装置とを備える。さらに、用紙処理装置は、押圧部材と、受け部材と、支持部材と、回動アームと、弾性部材と、駆動機構とを備えている。
押圧部材は、用紙束を押圧する押圧面を有し、受け部材は、用紙束を挟んで押圧部材に対向する。支持部材は、押圧部材に対向し、且つ受け部材とは反対側の位置に設けられている。
回動アームは、押圧部材に回動可能又は移動可能に接続される一端部と、支持部材に移動可能又は回動可能に接続される他端部とを有する。そして、一端部と他端部を結ぶ方向である軸方向へ伸縮可能に構成されている。
弾性部材は、回動アームの縮小に対して抵抗力を生じさせる。
駆動機構は、回動アームを、一端部の回動軸又は他端部の回動軸を中心に回動させて、押圧部材を押圧面と直交する方向へ移動させる。
押圧部材により用紙束を押圧して押圧部材と受け部材により用紙束を挟む場合に、駆動機構は、回動アームの軸方向が押圧面に対して垂直になるまで回動アームを回動させて縮小させる。
【0011】
上記構成の用紙処理装置及び画像形成システムでは、回動アームを回動させることで押圧部材を押圧面と直交する方向へ移動させる。回動アームの軸方向が押圧部材の押圧面に垂直になると、回動アームの回動が停止して、押圧部材による用紙束の押圧が完了する。これにより、用紙束の厚みが変化しても、回動アームの停止位置(停止角度)を常に同じにすることができる。したがって、回動アームの停止制御を容易にすることができる。
【0012】
また、押圧部材による用紙束の押圧が完了した状態では、回動アームが用紙束の厚みに応じて軸方向へ縮み、弾性部材が弾性変形する。これにより、用紙束は、弾性部材の弾性力によって常に押圧された状態になる。
回動アームの縮み量は、用紙束の厚みが増すにつれて大きくなるため、用紙束の厚みが増すにつれて、弾性部材の弾性力が大きくなる。したがって、用紙束の厚みが増すにつれて押圧部材による用紙束への押圧力を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0013】
上記構成の用紙処理装置及び画像形成システムによれば、回動アームの停止制御が容易であり、用紙束の厚みが増すほど用紙束を把持するための押圧力を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の画像形成システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】本発明の用紙処理装置の中折り、中綴じ、断裁処理工程の用紙搬送を示す模式図である。
【図3】図3Aは中綴じ処理部において一回目のステープル処理を行う状態を示す概略構成図、図3Bは中綴じ処理部において二回目のステープル処理を行う状態を示す概略構成図、図3Cステープル処理が終了した状態を示す概略構成図である。
【図4】本発明の用紙処理装置における用紙束搬送部を示す概略構成図である。
【図5】本発明の用紙処理装置における複合処理部を示す斜視図である。
【図6】本発明の用紙処理装置における用紙束保持機構の側面図である。
【図7】図6に示す用紙束保持機構における第1の保持ユニットの概略斜視図である。
【図8】図6に示す用紙束保持機構における第1の保持ユニットの平面図である。
【図9】A,B 第1の保持ユニットの動作を説明する説明図である。
【図10】図6に示す用紙束保持機構における第2の保持ユニットの概略斜視図である。
【図11】図6に示す用紙束保持機構における第2の保持ユニットの平面図である。
【図12】A,B 第2の保持ユニットの動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、用紙処理装置及び画像形成システムを実施するための形態について、図1〜図12を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
【0016】
<画像形成システム>
まず、画像形成システムについて、図1を参照して説明する。
図1は、本発明の画像形成システムの一実施形態を示す全体構成図である。
【0017】
図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置2と、この画像形成装置2に接続される用紙処理装置3から構成されている。
【0018】
[画像形成装置]
まず、画像形成装置2について説明する。
画像形成装置2は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、原稿搬送部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、操作表示部14と、制御部15を有している。
【0019】
原稿搬送部11は、画像読取部12の読取位置に原稿を1枚ずつ搬送する。画像読取部12は、原稿搬送部11により搬送された原稿又は原稿台16に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。
【0020】
画像形成部13は、ドラム状の感光体21と、感光体21の周囲に配置された帯電部22、露光部23、現像部24、転写部25A、分離部25B及びクリーニング部26を有している。帯電部22は、感光体21の表面を一様に帯電する。露光部23は、原稿から読み取られた画像データに基づいて、感光体21上に露光走査を行って潜像を形成する。現像部24は、トナーを付着させることにより潜像を現像して感光体21の表面にトナー像を形成する。
【0021】
用紙S1は、用紙収納部27に収納されている。この用紙S1は、給紙部28Aにより給紙されて転写部25Aが配置された転写位置へ送られる。転写部25Aは、転写位置へ送られた用紙S1上にトナー像を転写する。分離部25Bは、トナー像が転写された用紙S1の裏面の電荷を消去して、用紙S1を感光体21から分離する。そして、感光体21の表面に残留しているトナーは、クリーニング部26により除去される。
【0022】
感光体21から分離された用紙S1は、中間搬送部28Bにより搬送され、定着部29へ送られる。定着部29は、用紙S1に転写されたトナー像を加熱定着する。
【0023】
定着部29における用紙S1の搬送方向下流側(以下、「下流側」という)には、切換ゲート28Cが配置されている。切換ゲート28Cは、定着部29を通過した用紙S1の搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙S1を直進させる。これにより、用紙S1は、一対の排紙ローラ28Dによって排紙される。また、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙S1を下方に配置された用紙反転搬送部28Eへ案内する。
【0024】
フェースダウン排紙を行う場合は、用紙S1を切換ゲート28Cによって下方へ案内した後、用紙S1の後端が切換ゲート28Cを通過した時点で用紙の搬送方向を切り換え、一対の排紙ローラ28Dによって排紙する。
両面画像形成を行う場合は、用紙S1を切換ゲート28Cによって下方に案内して用紙反転搬送部28Eに送り込んだ後、再給紙路28Fを介して再び転写位置に送ることにより、用紙S1を表裏反転して転写位置に搬送する。
【0025】
操作表示部14は、タッチパネル等を有しており、ユーザが画像形成装置2及び用紙処理装置3を動作させるためのジョブ情報を入力する入力部として機能する。この操作表示部14では、例えば、用紙のサイズの選択や枚数の選択等をジョブ情報として入力することができる。さらに、用紙処理装置3による中折り処理や中綴じ処理の有無の選択、中綴じ処理において綴じる用紙の枚数等をジョブ情報として入力することもできる。操作表示部14で入力されたジョブ情報は、制御部15に送信される。
【0026】
また、操作表示部14は、スタートボタンを有している。ユーザが操作表示部14によりジョブ情報を入力してスタートボタンを押圧することにより、画像形成装置2及び用紙処理装置3は、入力されたジョブ情報に基づいた動作を開始する。
【0027】
制御部15は、受信したジョブ情報に基づいて画像形成装置2の画像形成動作を制御する。制御部15の通信部15aは、用紙処理装置3における用紙処理制御部90の通信部90aと電気的に接続されている。画像形成装置2の制御部15は、用紙処理装置3の用紙処理制御部90とシリアル通信を行う。そして、用紙処理制御部90は、画像形成装置2の画像形成動作に連動して用紙処理装置3が動作するように制御する。
【0028】
[用紙処理装置]
次に、用紙処理装置3について図2〜図4を参照して説明する。
図2は、用紙処理装置3を示す模式図である。
用紙処理装置3は、画像形成装置2から供給された用紙にステープル処理や折り曲げ処理等の各種処理を行う装置である。
【0029】
図2に示すように、用紙処理装置3は、受入部31と、第1の用紙搬送部32と、中折り処理部33と、第2の用紙搬送部34(図3参照)と、中綴じ処理部36と、複合処理部37とを備えている。
【0030】
なお、図2〜図4に示すように、用紙処理装置3における水平方向と平行をなし、かつ用紙処理装置3と画像形成装置2とが対向する方向を幅方向Wとする。また、幅方向Wと直交し、かつ鉛直方向と平行をなす方向を高さ方向Hとする。そして、幅方向W及び高さ方向Hと直交する方向を奥行き方向Dとする。
【0031】
受入部31は、用紙処理装置3における筐体30の幅方向Wの一側に設けられている。そして、受入部31は、筐体30の画像形成装置2に対向する面に開口している。この受入部31には、画像形成装置2の排紙ローラ28D(図1参照)から排紙された用紙S1が挿入される。
【0032】
第1の用紙搬送部32は、モータ(不図示)により駆動される複数のローラ32aと、幅方向Wに沿って配置された搬送路32bから構成されている。この第1の用紙搬送部32は、受入部31が受け取った用紙S1を中折り処理部33に搬送する。
【0033】
中折り処理部33は、互いに圧接された2つの折りローラ33a,33aと、不図示の折り板を備えている。2つの折りローラ33a,33aは、互いに逆方向に回転する。
折り板は、用紙Sを押圧して2つの折りローラ33a,33aの間に用紙Sの中央を通過させる。その後、2つの折りローラ33a,33aは、回転方向を反転させて用紙Sを高さ方向Hの下方へ排出する。これにより、用紙Sは、中央が高さ方向Hの上方に凸となるように折り曲げられ、中折り処理が終了する。
【0034】
図3A〜図3Cは、用紙処理装置3における中綴じ処理部36を幅方向Wから見た概略構成図である。
図3Aに示すように、中折り処理部33の2つの折りローラ33a,33aの高さ方向Hの下方には、第2の用紙搬送部34が配置されている。第2の用紙搬送部34は、奥行き方向Dに沿って配置されている。この第2の用紙搬送部34は、中折り処理部33によって中折り処理された用紙S1を中綴じ処理部36に搬送する。
【0035】
中綴じ処理部36は、用紙集積部40と、ステープル処理部41と、整合部材42と、第1ストッパ44とを有している。用紙集積部40は、奥行き方向Dから見た形状が略三角形に形成されており、一の頂部が高さ方向Hの上方に向いている。用紙集積部40の頂部には、中折り処理された用紙S1における折り曲げ部分の内側が載置される。このとき、用紙S1の折り目は、用紙集積部40における頂部の稜線に沿って配置される。そして、用紙集積部40に、複数枚の用紙S1が集積されて用紙束S2が形成される。
【0036】
用紙集積部40には、ステープル処理部41が配置されている。ステープル処理部41は、用紙集積部40内に配置された受針機構41aと、受針機構41aと対向する打針機構41bとから構成されている。受針機構41aは、不図示の支持部により高さ方向Hに移動可能に支持されている。打針機構41bは、用紙集積部40における高さ方向Hの上方で、不図示の取付部材に固定されている。
【0037】
また、用紙集積部40における高さ方向Hの上方には、整合部材42と、第1ストッパ44が配置されている。整合部材42は、奥行き方向Dへ移動可能に構成されている。第1ストッパ44は、高さ方向Hと奥行き方向Dへ移動可能に構成されている。
さらに、用紙集積部40における奥行き方向Dの下流側には、用紙束搬送部43が配置されている。この用紙束搬送部43の高さ方向Hの上方には、第2ストッパ45が配置される。なお、用紙束搬送部43の構成については、後述する。
【0038】
ここで、図3A〜図3Bを参照して、中綴じ処理部36における中綴じ処理動作について説明する。
まず、図3Aに示すように、整合部材42は、用紙集積部40に所定枚数の用紙S1が集積されて用紙束S2が形成された後、用紙束S2を第1ストッパ44に押し当てることで、用紙束S2の位置揃えを行う。次に、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束S2に一回目のステープル処理を行う。このとき、第1ストッパ44は、所定の高さまで上昇する。
【0039】
一回目のステープル処理が行われると、図3Bに示すように、整合部材42は、奥行き方向Dの下流側へ所定量移動する。これにより、用紙束S2は、整合部材42によって、2回目のステープル処理が行われる位置まで押し出される。そして、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束S2に二回目のステープル処理を行う。
【0040】
二回目のステープル処理を実施しているときに、第1ストッパ44は、奥行き方向Dにおける中折り処理部33側へ移動して、用紙束S2における上流側の端部の上方に位置する。また、整合部材42は、奥行き方向Dへ移動して所定位置まで後退する。
【0041】
二回目のステープル処理が行われると、図3Cに示すように、第1ストッパ44は、用紙束S2における上流側の端部に対向する位置まで下降する。続いて、第1ストッパ44は、奥行き方向Dにおける第2ストッパ45側へ移動する。これにより、用紙束S2は、第1ストッパ44に押し出され、用紙集積部40から用紙束搬送部43へ移動する。このとき、用紙束S2を第2ストッパ45に押し当てることで、用紙束S2の位置揃えを行う。
【0042】
なお、中綴じ処理を行わない場合は、ステープル処理部41が動作しない。したがって、複数枚の用紙Sが用紙集積部40に集積されて用紙束S2が形成されると、整合部材42及び第1ストッパ44が用紙束S2を押し出して用紙束搬送部43へ移動させる。
【0043】
次に、図4を参照して用紙束搬送部43について説明する。
図4は、用紙処理装置3における用紙束搬送部43を奥行き方向Dから見た概略構成図である。
【0044】
用紙束搬送部43は、用紙集積部40(図3参照)から受け取った用紙束S2を、複合処理部37の用紙束保持機構51の直下まで搬送する。
図4に示すように、用紙束搬送部43は、用紙束載置部材46と、用紙束移動機構47とを有している。
【0045】
用紙束載置部材46は、用紙集積部40(図1参照)と同様に、奥行き方向Dから見た形状が略三角柱状に形成されており、一の頂部が高さ方向Hの上方に向いている。この用紙束載置部材46は、用紙束移動機構47によって幅方向Wに沿って移動可能に支持されている。
【0046】
用紙束移動機構47は、スライドレール47aと、スライド部材47bと、不図示の駆動部とから構成されている。スライドレール47aは、幅方向Wに沿って配置されており、スライド部材47bは、スライドレール47aに摺動可能に係合されている。そして、スライド部材47bには、用紙束載置部材46が固定されている。不図示の駆動部は、スライド部材47bをスライドレール47aに沿って幅方向Wへ移動させる。
【0047】
[複合処理部]
次に、複合処理部37について、図5を参照して説明する。
図5は、複合処理部37を示す斜視図である。
【0048】
図5に示すように、複合処理部37は、用紙束保持機構51と、昇降機構48と、断裁処理部38と、用紙束S2を排出する排出部39とを有している。
【0049】
用紙束保持機構51は、用紙束搬送部43(図4参照)から用紙束S2を受け取り、用紙束S2を構成する複数の用紙S1の位置を揃える。そして、複数の用紙S1の位置が揃った用紙束S2を保持して、複数の用紙S1がずれないようにする。この用紙束保持機構51については、後で詳しく説明する。
【0050】
昇降機構48は、用紙束保持機構51を昇降可能に支持する。昇降機構48の上方には、排出部39が配置されており、下方には、断裁処理部38が配置されている。
昇降機構48は、一対のフレーム481と、昇降用駆動モータ482とを有している。
【0051】
各フレーム481の下側には、第1のプーリ486が回転可能に取り付けられており、各フレーム481の上側には、第2のプーリ487が回転可能に取り付けられている。また、各フレーム481に取り付けられた第1のプーリ486は、駆動伝達シャフト484によって連結されている。
【0052】
第1のプーリ486と第2のプーリ487には、無端ベルトであるタイミングベルト485が掛け渡されている。このタイミングベルト485には、連結部488が固定されている。また、連結部488には、用紙束保持機構51が固定されている。
【0053】
昇降用駆動モータ482は、一対のフレーム481のうちの一方に取り付けられている。この昇降用駆動モータ482と一方のフレーム481に取り付けられた第1のプーリ486との間には、昇降用駆動モータ482の回転駆動力を第1のプーリ486に伝達する伝達機構(不図示)が設けられている。
さらに、一対のフレーム481には、用紙束保持機構51の昇降を案内するガイドレール483が設けられている。
【0054】
断裁処理部38は、用紙束保持機構51によって保持された用紙束S2に対して断裁処理を行う。具体的には、用紙束S2の折り曲げ部分と反対側の端部を断裁刃(不図示)によって断裁する。
【0055】
[用紙束保持機構]
次に、用紙束保持機構51について、図6を参照して説明する。
図6は、用紙束保持機構51の側面図である。
【0056】
図6に示すように、用紙束保持機構51は、用紙束S2の複数の用紙S1の位置を合わせる(調整する)用紙束位置合わせユニット52と、用紙束S2を保持する第1の保持ユニット53及び第2の保持ユニット54と、角背処理部55とを備えている。
【0057】
[用紙束位置合わせユニット]
用紙束位置合わせユニット52は、本発明に係る位置合わせ部材の一具体例を示す一対の支持板61A,61Bと、これら支持板61A,61Bを移動させる移動機構62を有する。
【0058】
一対の支持板61A,61Bは、薄い平板状に形成されており、第1の保持ユニット53の後述する押圧部材71と受け部材72との間に配置されている。一対の支持板61A,61Bの一方の平面部は押圧部材71に対向し、他方の平面部は受け部材72に対向している。
【0059】
一対の支持板61A,61Bは、図7に示すように、水平方向に略平行な水平辺部61aと、この水平辺部61aに連続して垂直方向に略平行な垂直辺部61bを有する。支持板61A,61Bの水平辺部61aは、用紙束S2の折り目に当接して、用紙束S2の折り目の位置を調整する。一方、支持板61A,61Bの垂直辺部61bは、用紙束S2の折り曲げ部分の両端に接触して、用紙束S2の折り曲げ部分に平行な方向の位置を調整する。
【0060】
例えば、支持板61A,61Bの水平辺部61aが、用紙束S2の折り目(線状の部分)からずれた位置に当接すると、用紙束S2は、自重によって移動する。そして、用紙束S2の折り目が支持板61A,61Bの水平辺部61aに当接する。これにより、用紙束S2の折り目の位置を調整することができる。
【0061】
なお、用紙束S2にステープル処理を施していない場合は、複数の用紙S1がそれぞれ移動して、折り目が互いに重なる。したがって、一対の支持板61A,61Bは、ステープル処理を施していない用紙束S2においても、折り目の位置を調整することができる。
【0062】
一対の支持板61A,61Bは、移動機構62によって移動され、用紙束の大きさ及び厚みに応じた調整位置に配置される。また、一対の支持板61A,61Bは、第1及び第2の保持ユニット53,54が動作する場合に、これら保持ユニット53,54との干渉を避けるために、後述する退避スペースに配置される。
【0063】
本例では、位置合わせ部材として略平板状の支持板61A,61Bを用いた例を説明したが、本発明に係る位置合わせ部材としては、平板状の部材の他に、径の小さいピン等を用いてもよい。なお、位置合わせ部材は、用紙S1に形成された折り目よりも薄く、かつ折り目に沿うような形状が好ましい。
【0064】
[角背処理部]
図6に示すように、角背処理部55は、用紙束位置合わせユニット52の上方に設けられている。この角背処理部55は、用紙束保持機構51によって保持された用紙束S2に対して角背処理を行う。
【0065】
角背処理部55は、押圧ローラ551と、この押圧ローラ551を用紙束S2の折り曲げ部分に沿って移動させるローラ移動機構552を備えている。角背処理部55は、押圧ローラ551によって用紙束S2の折り曲げ部分を外側から押圧することにより、用紙束S2の折り曲げ部分を角型形状の背面に成形する。
【0066】
[第1の保持ユニット]
次に、第1の保持ユニット53について、図7及び図8を参照して説明する。
図7は、第1の保持ユニット53の概略斜視図である。図8は、第1の保持ユニット53の平面図である。
【0067】
第1の保持ユニット53は、用紙束位置合わせユニット52によって揃えられた複数の用紙S1からなる用紙束S2を保持して、複数の用紙S1がずれないようにする。
【0068】
図7及び図8に示すように、第1の保持ユニット53は、押圧部材71と、受け部材72と、支持部材73と、ガイド軸74A,74Bと、回動アーム75A,75Bと、弾性部材76と、駆動機構77とを備える。なお、図7では、支持部材73を削除した状態を示している。
【0069】
押圧部材71は、押圧部711と、軸受部712,713と、アーム接続部714から構成されている。押圧部711は、水平方向に延びる略長方形に形成されており、用紙束S2を挟んで受け部材72と水平方向に対向する押圧面711aを有している。この押圧面711aに直交する方向を第1の方向Yとする。そして、押圧部711の長手方向を第2の方向Xとする。また、第1の方向Y及び第2の方向Xに直交する方向を第3の方向Zとする(図7参照)。
【0070】
押圧面711aは、押圧部711における第2の方向Xの中央部に設けられている。押圧面711aの第2の方向Xの両側には、押圧面711aよりも凹んでいる凹面711bが形成されている。この凹面711bは、受け部材72との間に退避スペースを形成する。この退避スペースには、用紙束位置合わせユニット52の支持板61A,61Bが退避される。支持板61A,61Bは、退避スペース内において第2の方向Xへ移動可能である。
【0071】
軸受部712,713は、押圧部711における第2の方向Xの両端部に設けられている。軸受部712は、ガイド軸74Aに摺動可能に係合されており、軸受部713は、ガイド軸74Bに摺動可能に係合されている。
【0072】
アーム接続部714は、押圧部711の押圧面711aと反対側に設けられている。このアーム接続部714には、回動アーム75A,75Bの後述する先端部751A,751Bが回動可能に接続される。
【0073】
受け部材72は、中空の四角柱状に形成されており、第2の方向Xに沿って延びている。この受け部材72は、支持部材73に固定されている。つまり、受け部材72と支持部材73は、一体に構成されている。
受け部材72は、押圧面711aに対向する受け面721aを有している。この受け面721aの第2の方向Xの両側には、用紙束位置合わせユニット52における移動機構62の一部を貫通させる開口部721b,721cが設けられている(図7参照)。
【0074】
図8に示すように、支持部材73は、平面形状が略コ字状に形成されている。この支持部材73は、第2の方向Xに延びる略長方形のアームガイド部731と、このアームガイド部731における第2の方向Xの両端に連続する駆動源搭載部732,733とを有する。
【0075】
アームガイド部731には、回動アーム75A,75Bの後述する基端部752A,752Bを第2の方向Xへ案内するガイド溝731a,731bが設けられている。また、ガイド溝731bの第2の方向Xの両側には、回動アーム75Bの回動状態を検出するセンサ78A,78Bが配置されている。
【0076】
駆動源搭載部732には、受け部材72の長手方向の一端部が固定されており、駆動源搭載部733には、受け部材72の長手方向の他端部が固定されている。これにより、支持部材73と受け部材72は、用紙束S2を受け入れる開口部56を有した枠体を形成している。
【0077】
さらに、駆動源搭載部732には、用紙束位置合わせユニット52の移動機構62における第1駆動源621及び第2駆動源622が搭載されており、駆動源搭載部733には、駆動機構77の後述する駆動源776が搭載されている。
また、駆動源搭載部732は、ガイド軸74Aを支持しており、駆動源搭載部733は、ガイド軸74Bを支持している。
【0078】
ガイド軸74A,74Bの軸方向は、第1の方向Yと平行であり、押圧部材71の軸受部712が摺動可能に係合されている。したがって、押圧部材71は、ガイド軸74A,74Bに沿って第1の方向Yへ移動する。
【0079】
回動アーム75Aは、先端部751Aと、この先端部751Aが摺動可能に連結される基端部752Aを備えており、先端部751Aと基端部752Aを結ぶ軸方向へ伸縮可能に構成されている。
また、回動アーム75Bは、回動アーム75Aと同様の構成を有しており、先端部751Bと、基端部752Bを備えている。本実施形態では、先端部751Aと先端部751Bとを対象な形状にしたが、同じ形状であってもよい。
【0080】
先端部751A,751Bは、回動軸753により押圧部材71のアーム接続部714にそれぞれ回動可能に接続されている。回動軸753の軸方向は、第3の方向Zに延びている。したがって、回動アーム75A,75Bは、第1の方向Y及び第2の方向Xを含む水平方向へ回動する。
また、回動軸753は、押圧部材71の押圧面711aよりも第2の方向Xの外側に配置されている。
また、先端部751A,751Bとアーム接続部714との接続箇所は、押圧面711aよりも第2の方向Xの外側に設定されている。
【0081】
回動アーム75Aの基端部752Aは、回動軸754により駆動機構77の後述するスライダ774に回動可能に接続されている。回動軸754の軸方向は、第3の方向Zに延びている。また、基端部752Aは、支持部材73のガイド溝731aに摺動可能に係合する。したがって、回動アーム75Aの基端部752Aは、スライダ774に対して回動しながら、ガイド溝731aに沿って第2の方向Xへ移動する。
【0082】
回動アーム75Bの基端部752Bは、回動軸754により駆動機構77の後述するスライダ775に回動可能に接続されている。また、基端部752Bは、支持部材73のガイド溝731bに摺動可能に係合する。したがって、回動アーム75Bの基端部752Bは、スライダ775に対して回動しながら、ガイド溝731bに沿って第2の方向Xへ移動する。
【0083】
弾性部材76は、回動アーム75Aの先端部751Aと基端部752Bとの間と、回動アーム75Bの先端部751Bと基端部752Bとの間に介在されている。各弾性部材76は、回動アーム75A,75Bの縮小に対して抵抗力を生じさせる。
本実施の形態では、弾性部材76として圧縮コイルばねを採用した。しかし、本発明に係る弾性部材は、回動アームの縮小に対して抵抗を生じさせるものであれば、板ばねなどのその他のばね部材を採用することができる。
【0084】
押圧部材71と受け部材72との間に用紙束S2が介在されていない状態において、回動アーム75A,75Bの軸方向が押圧面711aに対して垂直になると、押圧面711aが受け面721aに当接する。このとき、回動アーム75A,75Bは、軸方向に縮小しており、弾性部材76(圧縮コイルばね)が圧縮される。これにより、用紙束S2の厚みが薄くても押圧部材71と受け部材72により用紙束S2を確実に押圧して保持することができる。
【0085】
駆動機構77は、回動アーム75A,75Bの基端部752A,752Bを第2の方向Xへ移動させる。この駆動機構77は、駆動プーリ771及び従動プーリ772と、搬送ベルト773と、スライダ774,775と、駆動プーリ771を回転させる駆動源776とを備えている。
【0086】
駆動プーリ771は、支持部材73の駆動源搭載部733に回転可能に取り付けられており、従動プーリ772は、支持部材73の駆動源搭載部732に回転可能に取り付けられている。そして、駆動プーリ771と従動プーリ772の回転軸は、第1の方向Yに平行である。
搬送ベルト773は、無端ベルトであり、駆動プーリ771と従動プーリ772に掛け渡されている。この搬送ベルト773は、第2の方向Xに延びて互いに第3の方向Zに対向する直線部分を有する。
【0087】
スライダ774,775は、搬送ベルト773の直線部分に固定されている。図7に示すように、スライダ774は、搬送ベルト773の直線部分における第3の方向Zの一方(上方)に固定されており、スライダ775は、搬送ベルト773の直線部分における第3の方向Zの他方(下方)に固定されている。したがって、駆動プーリ771と従動プーリ772との間で搬送ベルト773が回転すると、スライダ774,775は、互いに第2の方向Xにおける逆方向へ移動する。
【0088】
スライダ774には、回動アーム75Aの基端部752Aが回動軸754によって回動可能に取り付けられている。また、スライダ775には、回動アーム75Bの基端部752Bが回動軸754によって回動可能に取り付けられている。さらに、スライダ775には、検出突起775a,775bが設けられている。
【0089】
スライダ775が第2の方向Xの一方に移動すると、センサ78Aが検出突起775aを検出する。また、スライダ775が第2の方向Xの他方に移動すると、センサ78Bが検出突起775bを検出する。押圧面711aに対する回動アーム75Bの軸方向の角度は、スライダ775の位置に応じて変化する。したがって、センサ78A,78Bによってスライダ775の位置を検出することにより、回動アーム75Bの回動状態を検出することができる。
【0090】
駆動源776としては、例えば、ACモータやDCモータ等を採用することができる。また、駆動源776と駆動プーリ771との間には、駆動源776の回転駆動力を駆動プーリ771に伝達する伝達機構(不図示)が設けられている。
【0091】
[第1の保持ユニットの動作]
次に、第1の保持ユニット53の動作について、図8及び図9を参照して説明する。
図9A及び図9Bは、第1の保持ユニット53の動作を示す説明図である。
【0092】
第1の保持ユニット53は、中折り処理された用紙束S2を受け入れるときに、図8に示す受け入れ状態になる。第1の保持ユニット53を受け入れ状態にするには、駆動機構77の駆動源776を駆動させて、スライダ774を第2の方向Xの一方へ移動させ、スライダ775を第2の方向Xの他方へ移動させる。
【0093】
これにより、回動アーム75Aの基端部752Aは、ガイド溝731aにおける第2の方向Xの一方の端部へ移動し、回動アーム75Bの基端部752Bは、ガイド溝731bにおける第2の方向Xの他方の端部へ移動する。そして、センサ78Bがスライダ775の検出突起775bを検出すると、駆動機構77の駆動源776の駆動が停止して、回動アーム75A,75B及び押圧部材71の動作が停止する。その結果、第1の保持ユニット53は、受け入れ状態になる。
【0094】
この受け入れ状態では、回動アーム75Aの基端部752Aがガイド溝731aにおける第2の方向Xの一方の端部に位置しており、回動アーム75Bの基端部752Bがガイド溝731bにおける第2の方向Xの他方の端部に位置している。つまり、基端部752A,752Bは、ガイド溝731a,731bの第2の方向Xにおける互いに離れた側の端部に位置している。そして、押圧部材71は、受け部材72に対して第1の方向Yへ所定の距離だけ離れており、中折り処理された用紙束S2を受け入れる開口部56が確保される。
【0095】
中折り処理された用紙束S2が開口部56に搬送されると、用紙束位置合わせユニット52の一対の支持板61A,61Bは、用紙束S2の折り曲げ部分の内側を支持する。その結果、用紙束S2の折り目が支持板61A,61Bに当接して、用紙束S2の位置が調整される。一対の支持板61A,61Bによって支持された用紙束S2は、第1の保持ユニット53の押圧部材71と受け部材72との間に介在される。
【0096】
一対の支持板61A,61Bにより用紙束S2の位置が調整されると、第1の保持ユニット53は、用紙束S2を押圧して保持する保持状態になる。第1の保持ユニット53を保持状態にするには、まず、図9Aに示すように、駆動機構77の駆動源776を駆動させて、スライダ774を第2の方向Xの他方へ移動させ、スライダ775を第2の方向Xの一方へ移動させる。
【0097】
これにより、回動アーム75Aの基端部752Aは、スライダ774に対して回動軸754を中心に回動しながら、ガイド溝731aに沿って第2の方向Xの他方へ移動する。そして、回動アーム75Aの先端部751Aは、回動軸753を中心に回動する。
また、回動アーム75Bの基端部752Bは、スライダ775に対して回動軸754を中心に回動しながら、ガイド溝731bに沿って第2の方向Xの他方へ移動する。そして、回動アーム75Bの先端部751Bは、回動軸753を中心に回動する。
【0098】
その結果、回動アーム75A,75Bは、第1の方向Yへ立ち上がるように回動するため、押圧部材71は、ガイド軸74A,74Bに沿って第1の方向Yへ移動し、受け部材72に接近する。これにより、押圧部材71の押圧面711aが、用紙束S2を受け部材72の受け面721a側に押圧する。
【0099】
さらに、スライダ774を第2の方向Xの他方へ移動させ、スライダ775を第2の方向Xの一方へ移動させると、図9Bに示すように、センサ78Aがスライダ775の検出突起775aを検出する。センサ78Aが検出突起775aを検出すると、駆動機構77の駆動源776の駆動が停止して、回動アーム75A,75B及び押圧部材71の動作が停止する。
【0100】
これにより、第1の保持ユニット53は、保持状態になり、押圧部材71の押圧面711aと受け部材72の受け面721aによって用紙束S2を挟んで保持する。
このとき、用紙束位置合わせユニット52の一対の支持板61A,61Bは、用紙束S2と一緒に第1の方向Yへ移動し、押圧部材71と受け部材72との間に形成される退避スペースに配置される。なお、一対の支持板61A,61Bは、押圧部材71と受け部材72との間に形成される退避スペースを第1の方向Y及び第3の方向Zに移動可能である。
【0101】
第1の保持ユニット53が保持状態になると、回動アーム75A,75Bの軸方向が押圧部材71の押圧面711aに対して垂直(90度)になり、回動アーム75A,75Bは軸方向に縮小する。そして、押圧部材71は、圧縮された弾性部材76の弾性力により受け部材72側に付勢される。したがって、駆動源776の駆動を停止しても、押圧部材71による押圧力が維持され、複数の用紙S1がずれないように用紙束S2を保持することができる。
【0102】
回動アーム75A,75Bの軸方向の長さは、保持する用紙束S2の厚みが増すほど短くなる。そして、回動アーム75A,75Bの軸方向の長さが短くなるほど、弾性部材76が圧縮されるため、弾性部材76の弾性力が増加する。したがって、保持する用紙束S2の厚みが増すほど弾性部材76の弾性力が増加して、押圧部材71による押圧力が増加するため、用紙束S2を確実に押圧して保持することができる。
【0103】
なお、本発明に係る保持ユニットとしては、回動アームの軸方向が押圧面に対して略垂直になり、弾性部材の弾性力によって押圧部材を受け部材側に付勢できればよい。押圧面に対する回動アームの軸方向の角度としては、例えば、85度〜95度の範囲が好ましい。
【0104】
また、回動アーム75A,75Bの先端部751A,751Bと、アーム接続部714との接続箇所は、押圧面711aよりも第2の方向Xの外側に設定されている。そのため、弾性部材76の弾性力によって生じる押圧部材71の押圧力は、押圧面711aにおける第2の方向Xの両端部に効率よく作用する。したがって、駆動源776の省力化及び小型化を図ることができる。
【0105】
また、本実施の形態では、回動アーム75A,75Bの先端部751A,751Bを押圧部材71に回動可能に接続し、基端部752A,752Bをスライダ774,775により直線移動させる構成とした。これにより、固定側である支持部材73に駆動機構77を設けることができ、駆動機構をシンプルにして低コストを実現することができる。
【0106】
また、本実施の形態では、駆動機構77に無端ベルトである搬送ベルト773を採用し、その搬送ベルト773の互いに対向する部分にそれぞれスライダ774,775を取り付ける構成とした。これにより、1つの駆動源776で2つのスライダを互いに反対方向へ移動させることができる。したがって、駆動機構77の部品点数を削減することができ、省スペースで駆動力を発生させることができる。
【0107】
また、本実施の形態では、押圧部711の第2の方向の中央部に押圧面711aを設ける構成とした。そして、回動アーム75A,75Bの先端部751A,751Bと、アーム接続部714との接続箇所は、押圧面711aよりも第2の方向Xの外側であって、押圧面711aの近い位置(押圧部材71における第2の方向Xの中央部)に設定されている。
したがって、回動アーム75A,75Bの押圧力を、押圧部材71の押圧面711aに効率よく伝えることができる。
【0108】
第1の保持ユニット53によって用紙束S2を保持した後、用紙束S2の折り曲げ部分と反対側の端部を断裁する場合には、昇降機構48(図5参照)が駆動して用紙束保持機構51をガイドレール483に沿って第3の方向Zの他方(下方)へ移動させる。これにより、用紙束S2は、断裁処理部38の処理位置に搬送される。そして、断裁処理部38により断裁処理が行われる。
【0109】
また、第1の保持ユニット53によって用紙束S2を保持した後、用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理を行う場合は、まず、用紙束S2の折り曲げ部分の近傍を第2の保持ユニット54によって保持する。その後、角背処理部55によって用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理を行う。
【0110】
断裁処理部及び/又は角背処理が終了すると、昇降機構48(図5参照)が駆動して用紙束保持機構51をガイドレール483に沿って第3の方向Zの一方(上方)へ移動させる。そして、用紙束保持機構51は、第1の保持ユニット53による用紙束S2の保持を解除して、用紙束S2を排出部39に渡す。これにより、各種処理が行われた用紙束S2が排出口(不図示)から排紙される。
【0111】
[第2の保持ユニット]
次に、第2の保持ユニット54について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、第2の保持ユニット54の概略斜視図である。図11は、第2の保持ユニット54の平面図である。
【0112】
図10に示すように、第2の保持ユニット54は、第1の保持ユニット53の第3の方向Zの一方(上方)に配設されている。この第2の保持ユニット54は、用紙束位置合わせユニット52によって揃えられた用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理を行う場合に用いる。具体的に説明すると、第2の保持ユニット54は、用紙束S2の折り曲げ部分の近傍を折り曲げ部分の全長に亘って保持し、複数の用紙がずれないようにする。
【0113】
図10及び図11に示すように、第2の保持ユニット54は、第1の保持ユニット53と同様の構成であり、押圧部材81と、受け部材82と、支持部材83と、回動アーム85A,85Bと、弾性部材86と、駆動機構87とを備える。
【0114】
押圧部材81は、押圧部811と、複数の車軸812と、複数の車輪813(図11参照)から構成されている。押圧部811は、第2の方向Xに延びる略長方形の柱状に形成されており、用紙束S2を挟んで受け部材82と第1の方向Yに対向する押圧面811aを有している。
【0115】
押圧面811aの第2の方向の長さは、中折り処理された用紙束S2の折り曲げ部分の全長以上に設定されている。また、本実施の形態では、折り曲げ部分の全長が異なる複数種類の用紙束を第2の保持ユニット54によって保持する。そのため、押圧面811aの第2の方向Xの長さは、折り曲げ部分の全長が一番長くなる用紙束のサイズに合わせて決められている。
【0116】
また、第2の保持ユニット54の押圧面811aは、第1の保持ユニット53の押圧面711a(図7参照)よりも第3の方向Zの長さが短い。これにより、押圧面811aの面積を小さくなり、単位面積(例えば1平方センチメートル)に対する押圧力を大きくすることができる。その結果、弾性部材86の弾性力の省力化を図っても、角背処理を行うときに必要な押圧力を確保することができる。
また、用紙束保持機構51から別の処理部(例えば、排出部39)へ用紙束S2を渡す場合に、第2の保持ユニット54の押圧部材81が邪魔にならない。
【0117】
押圧面811aの第2の方向Xの両側には、押圧面811aよりも凹んでいる凹面811bが形成されている。この凹面811bは、受け部材82との間に退避スペースを形成する。この退避スペースには、用紙束位置合わせユニット52の支持板61A,61B(図11参照)が退避される。
【0118】
複数の車軸812は、押圧部811の第2の方向Xの両端にそれぞれ2本接続されており、第2の方向Xに突出している。そして、各車軸812には、車輪813が回転可能に取り付けられている。押圧部材81が第1の方向Yへ移動すると、車輪813が車軸812を中心に回転し、支持部材83の後述するガイド部834,835(図11参照)上を転動する。
【0119】
受け部材82は、第2の方向Xに延びる略長方形の柱状に形成されている。この受け部材82は、支持部材83に固定されている。つまり、受け部材82と支持部材83は、一体に構成されている。そして、受け部材82は、押圧面811aに対向する受け面821aを有している。
【0120】
図11に示すように、支持部材83は、平面形状が略コ字状に形成されている。この支持部材83は、第2の方向Xに延びる略長方形のアームガイド部831と、このアームガイド部831における第2の方向Xの両端に連続する側部832,833とを有する。
【0121】
アームガイド部831には、回動アーム85A,85Bの後述する基端部852A,852Bを第2の方向Xへ案内するガイド溝(不図示)が設けられている。
側部832,833は、それぞれ第1の保持ユニット53の駆動源搭載部732,733(図8参照)に第3の方向Zで対向する。
【0122】
側部832には、受け部材82における第2の方向Xの一端部が固定されており、側部833には、受け部材82における第2の方向Xの他端部が固定されている。これにより、支持部材83と受け部材82は、用紙束S2を受け入れる開口部58を有した枠体を形成する。そして、第2の保持ユニット54の開口部58と、第1の保持ユニット53の開口部56とは、第3の方向Zで対向している。
【0123】
さらに、側部832,833には、押圧部材81の車輪813を案内するガイド部834,835が設けられている。このガイド部834,835は、縦断面(第3の方向Zに平行な断面)が略コ字状に形成されており、車輪813の第2の方向X及び第3の方向Zへの移動を規制する。これにより、押圧部材81は、ガイド部834,835に案内されて第1の方向Yへ移動する。
【0124】
側部832とアームガイド部831には、回動アーム85Aの回動状態を検出するセンサ88A,88Bがそれぞれ搭載されている。また、側部833には、駆動機構87の駆動源876が搭載されている。
【0125】
回動アーム85Aは、先端部851Aと、この先端部851Aが摺動可能に連結される基端部852Aを備えており、先端部851Aと基端部852Aを結ぶ軸方向へ伸縮可能に構成されている。
また、回動アーム85Bは、回動アーム85Aと同様の構成を有しており、先端部851Bと、基端部852Bを備えている。本実施形態では、先端部851Aと先端部851Bとを対象な形状にしたが、同じ形状であってもよい。
【0126】
先端部851A,851Bは、回動軸853により押圧部材81の押圧部811にそれぞれ回動可能に接続されている。回動軸853の軸方向は、第3の方向Zに延びている。したがって、回動アーム85A,85Bは、第1の方向Y及び第2の方向Xを含む水平方向へ回動する。
また、先端部851A,851Bと押圧部811との接続箇所は、押圧面811aよりも第2の方向Xの外側に設定されている。
【0127】
回動アーム85Aの基端部852Aは、回動軸(不図示)により駆動機構87の後述するスライダ874に回動可能に接続されている。また、基端部852Aは、支持部材83のガイド溝(不図示)に摺動可能に係合する。したがって、回動アーム85Aの基端部852Aは、スライダ874に対して回動しながら、ガイド溝に沿って第2の方向Xへ移動する。
【0128】
回動アーム85Bの基端部852Bは、回動軸(不図示)により駆動機構87の後述するスライダ875(図10参照)に回動可能に接続されている。また、基端部852Bは、支持部材83のガイド溝(不図示)に摺動可能に係合する。したがって、回動アーム85Bの基端部852Bは、スライダ875に対して回動しながら、ガイド溝に沿って第2の方向Xへ移動する。
【0129】
弾性部材86は、回動アーム85Aの先端部851Aと基端部852Bとの間と、回動アーム85Bの先端部851Bと基端部852Bとの間に介在されている。この弾性部材86は、回動アーム75A,75Bの縮小に対して抵抗力を生じさせる。
本実施の形態では、弾性部材86として圧縮コイルばねを採用した。しかし、本発明に係る弾性部材は、回動アームの縮小に対して抵抗を生じさせるものであれば、板ばねなどのその他のばね部材、或いはゴム部材を採用することができる。
【0130】
押圧部材81と受け部材82との間に用紙束S2が介在されていない状態において、回動アーム85A,85Bの軸方向が押圧面811aに対して垂直になると、押圧面811aが受け面821aに当接する。このとき、回動アーム85A,85Bは、軸方向に縮小しており、弾性部材86(圧縮コイルばね)が圧縮される。これにより、用紙束S2の厚みが薄くても押圧部材81と受け部材82により用紙束S2を確実に押圧して保持することができる。
【0131】
駆動機構87は、回動アーム85A,85Bの基端部852A,852Bを第2の方向Xへ移動させる。この駆動機構87は、駆動プーリ871(図10参照)及び従動プーリ872と、搬送ベルト873と、スライダ874,875と、駆動プーリ871を回転させる駆動源876とを備えている。
【0132】
駆動プーリ871は、支持部材83の側部833に回転可能に取り付けられており、従動プーリ872は、支持部材83の側部832に回転可能に取り付けられている。そして、駆動プーリ871と従動プーリ872の回転軸は、第1の方向Yに平行である。
搬送ベルト873は、駆動プーリ871と従動プーリ872に掛け渡されている。この搬送ベルト873は、第2の方向Xに延びて互いに第3の方向Zに対向する直線部分を有する。
【0133】
スライダ874,875は、搬送ベルト873の直線部分に固定されている。図10に示すように、スライダ875は、搬送ベルト873の直線部分における第3の方向Zの一方(上方)に固定されており、スライダ874は、搬送ベルト873の直線部分における第3の方向Zの他方(下方)に固定されている。したがって、駆動プーリ871と従動プーリ872との間で搬送ベルト873が回転すると、スライダ874,875は、互いに第2の方向Xにおける逆方向へ移動する。
【0134】
スライダ874には、回動アーム85Aの基端部852Aが回動軸(不図示)によって回動可能に取り付けられている。また、スライダ875には、回動アーム85Bの基端部852Bが回動軸(不図示)によって回動可能に取り付けられている。さらに、スライダ874には、検出突起874a,874bが設けられている。
【0135】
スライダ874が第2の方向Xの一方に移動すると、センサ88Aが検出突起874aを検出する。また、スライダ874が第2の方向Xの他方に移動すると、センサ88Bが検出突起874bを検出する。スライダ874の位置に応じて、押圧面811aに対する回動アーム85Aの軸方向の角度が変化する。したがって、センサ88A,88Bによってスライダ874の位置を検出することにより、回動アーム85Aの回動状態を検出することができる。
【0136】
駆動源876としては、例えば、ACモータやDCモータ等を採用することができる。また、駆動源876と駆動プーリ871との間には、駆動源876の回転駆動力を駆動プーリ871に伝達する伝達機構(不図示)が設けられている。
【0137】
[第2の保持ユニットの動作]
次に、第2の保持ユニット54の動作について、図11及び図12を参照して説明する。
図12A及び図12Bは、第2の保持ユニット54の動作を示す説明図である。
【0138】
第2の保持ユニット54は、用紙束位置合わせユニット52によって揃えられた用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理部55によって角背処理を行う場合に、その折曲げ部分に沿って用紙束S2を保持する。
【0139】
第2の保持ユニット54は、第1の保持ユニット53が用紙束S2を保持した後、用紙束S2の折り曲げ部分の近傍を折り曲げ部分に沿って保持する。第1の保持ユニット53が用紙束S2を保持すると、用紙束S2の複数の用紙S1がずれなくなる。
【0140】
次に、用紙束位置合わせユニット52の一対の支持板61A,61Bが第2の方向Xへ移動して、第2の保持ユニット54の押圧部材81に設けた凹面811bに対向する位置に退避する。これにより、一対の支持板61A,61Bは、用紙束S2の折り曲げ部分から外れる。つまり、用紙束S2は、第1の保持ユニット53のみで保持される。
【0141】
一対の支持板61A,61Bが用紙束S2の折り曲げ部分から外れると、第2の保持ユニット54は、受け入れ状態(図11参照)から保持状態になるための動作を開始する。第2の保持ユニット54を保持状態にするには、まず、図12Aに示すように、駆動機構87の駆動源876を駆動させて、スライダ874を第2の方向Xの一方へ移動させ、スライダ875を第2の方向Xの他方へ移動させる。
【0142】
これにより、回動アーム85Aの基端部852Aは、スライダ874に対して回動軸を中心に回動しながら、ガイド溝に沿って第2の方向Xの一方へ移動する。そして、回動アーム85Aの先端部851Aは、回動軸853を中心に回動する。
また、回動アーム85Bの基端部852Bは、スライダ875に対して回動軸を中心に回動しながら、ガイド軸に沿って第2の方向Xの他方へ移動する。そして、回動アーム85Bの先端部851Bは、回動軸853を中心に回動する。
【0143】
その結果、回動アーム85A,85Bは、第1の方向Yへ立ち上がるように回動するため、押圧部材81は、ガイド部834,835に沿って第1の方向Yへ移動し、受け部材82に接近する。これにより、押圧部材81の押圧面811aが、用紙束S2を受け部材82の受け面821a側へ押圧する。
【0144】
さらに、スライダ874を第2の方向Xの一方へ移動させ、スライダ875を第2の方向Xの他方へ移動させると、図12Bに示すように、センサ88Aがスライダ874の検出突起874aを検出する。センサ88Aが検出突起874aを検出すると、駆動機構87の駆動源876の駆動が停止して、回動アーム85A,85B及び押圧部材81の動作が停止する。
【0145】
これにより、第2の保持ユニット54は、保持状態になり、押圧部材81の押圧面811aと受け部材82の受け面821aによって用紙束S2を挟んで保持する。
このとき、用紙束位置合わせユニット52の一対の支持板61A,61Bは、押圧部材81の凹面811bと受け部材82の受け面821aとの間に形成される退避スペースに配置されている。そのため、一対の支持板61A,61Bは、用紙束S2と一緒に第2の保持ユニット54に保持されない。
【0146】
第2の保持ユニット54が保持状態になると、回動アーム85A,85Bの軸方向が押圧部材81の押圧面811aに対して垂直(90度)になり、回動アーム85A,85Bは軸方向に縮小している。そして、押圧部材81は、圧縮された弾性部材86の弾性力により受け部材82側に付勢される。したがって、駆動源876の駆動を停止しても、押圧部材81による押圧力が維持され、用紙束S2の保持を継続することができる。その結果、用紙束S2の複数の用紙S1がずれないようにすることができる。
【0147】
回動アーム85A,85Bの軸方向の長さは、保持する用紙束S2の厚みが増すほど短くなる。そして、回動アーム85A,85Bの軸方向の長さが短くなるほど、弾性部材86が圧縮されるため、弾性部材86の弾性力が増加する。したがって、保持する用紙束S2の厚みが増すほど弾性部材86の弾性力が増加して、押圧部材81による押圧力が増加するため、用紙束S2を確実に押圧して保持することができる。
【0148】
本実施の形態では、角背処理を行うために第2の保持ユニット54によって用紙束S2の折り曲げ部分の近傍を保持する。角背処理では、用紙束S2の折り曲げ部分が押圧されて潰される。したがって、第2の保持ユニット54の押圧部材81は、角背処理中に用紙束S2がずれない程度の押圧力が必要である。そのため、第2の保持ユニット54に用いる弾性部材86は、第1の保持ユニット53に用いる弾性部材76よりも大きい弾性力を発揮するものを採用している。
【0149】
なお、第2の保持ユニット54においても。第1の保持ユニット53と同様に、回動アーム85A,85の軸方向が押圧面811aに対して略垂直であればよい。
【0150】
また、回動アーム85A,85Bの先端部851A,851Bと、押圧部811との接続箇所は、押圧面811aよりも第2の方向Xの外側に設定されている。そのため、弾性部材86の弾性力によって生じる押圧部材81の押圧力は、押圧面811aにおける第2の方向Xの両端部に効率よく作用する。その結果、押圧面811aにおける第2の方向Xの両端部分の押圧力が低下することはなく、角背処理を行うために必要な押圧力を確保することができる。
【0151】
また、回動アーム85A,85Bの基端部852A,852Bと、支持部材83との接続箇所は、アームガイド部831における第2の方向Xの両端部になる。そして、アームガイド部831における第2の方向Xの両端には、側部832,833が設けられる。そのため、回動アーム85A,85Bと支持部材83との接続箇所の剛性を容易に確保することができる。
【0152】
第2の保持ユニット54が用紙束S2を保持すると、角背処理部55が駆動して、用紙束S2の折り曲げ部分に角背処理を行う。これにより、用紙束S2の折り曲げ部分が角型形状の背面に成形される。角背処理が終了すると、第2の保持ユニット54は、用紙束S2の保持を止める。つまり、駆動機構87が動作して、第2の保持ユニット54が受け入れ状態になる。
【0153】
その後、用紙束S2における角背処理を行った辺(折り曲げ部分)と反対側の端部を断裁する場合には、昇降機構48(図5参照)が駆動して用紙束保持機構51をガイドレール483に沿って第3の方向Zの他方(下方)へ移動させる。これにより、用紙束S2は、断裁処理部38の処理位置に搬送される。そして、断裁処理部38により断裁処理が行われる。
【0154】
なお、断裁処理部38によって断裁処理が行われている間は、第1の保持ユニット53で用紙束S2を保持しているため、複数の用紙S1がずれる心配はない。
【0155】
上述の実施の形態では、用紙束調整ユニットによって第3の方向Z(上下方向)に吊られた用紙束S2を、第1及び/または第2の保持ユニットによって保持する構成とした。
しかし、本発明に係る保持ユニットとしては、上下方向に吊られた用紙束を保持するものに限定されない。本発明に係る保持ユニットとしては、例えば、折り曲げられて平面部が上下方向に対向した状態の用紙束を保持する場合にも用いることができる。
【0156】
また、上述の実施形態の用紙束保持機構は、中折り処理された用紙束S2を第1及び第2の保持ユニットによって保持する構成である。
しかし、本発明に係る保持ユニットとしては、中折り処理されていない用紙束を保持するものであってもよい。例えば、用紙束の一側縁に熱溶融させた接着剤を塗布して製本処理を行う場合は、折り処理されていない用紙束を保持する必要がある。そのような場合にも、本発明に係る保持ユニットによって用紙束を保持することができる。
【0157】
また、上述した実施形態では、回動アームを回動させる駆動機構として、駆動源(モータ)、駆動プーリ、受動プーリ、搬送ベルト及びスライダを用いた。
しかし、本発明に係る駆動機構としては、回動アームを回動させるものであればよく、例えば、回動アームの基端部が回動可能に取り付けられるスライダと、このスライダを第2の方向Xへ移動させるリニアモータから構成してもよい。
また、本発明に係る駆動機構としては、例えば、回動アームの先端部を直接回動させるものであってもよい。
【0158】
また、上述した実施形態の第1及び第2の保持ユニットでは、回動アームの先端部を押圧部材に回動可能に接続し、基端部を支持部材に摺動可能に係合させた。
しかし、本発明に係る保持ユニットとしては、回動アームの先端部を押圧部材に主動可能に接続し、基端部を支持部材に回動可能に接続してもよい。
【0159】
また、上述した実施形態の第1及び第2の保持ユニットでは、回動アームの基端部が支持部材に摺動可能に係合する。
しかし、本発明に係る保持ユニットとしては、スライダが支持部材に摺動可能に係合し、そのスライダに回動アームの基端部が回動可能に接続されていてもよい。つまり、回動アームがスライダを介して支持部材に摺動可能に係合されていてもよい。
【0160】
以上、用紙処理装置及び画像形成システムの実施の形態について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、本発明の用紙処理装置及び画像形成システムは、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0161】
1…画像形成システム,2…画像形成装置,3…用紙処理装置,30…筐体,31…受入部,32…第1の用紙搬送部,33…中折り処理部,33a…折りローラ,34…第2の用紙搬送部,36…中綴じ処理部,37…複合処理部,38…断裁処理部,39…排出部,40…用紙集積部,41…ステープル処理部,42…整合部材,43…用紙束搬送部,44…第1ストッパ,45…第2ストッパ,46…用紙束載置部材,47…用紙束移動機構,48…昇降機構,51…用紙束保持機構,52…用紙束位置合わせユニット,53…第1の保持ユニット,54…第2の保持ユニット,55…角背処理部,56,58…開口部,61A,61B…支持板,61a…水平辺部,61b…垂直辺部,62…移動機構,71,81…押圧部材、72,82…受け部材、73,83…支持部材、74A,74B…ガイド軸、75A,75B,85A,85B…回動アーム、76,86…弾性部材、77,87…駆動機構、78A,78B,88A,88B…センサ、90…用紙処理制御部、711,811…押圧部、711a,811a…押圧面、721a,821a…受け面、731,831…アームガイド部、731a,731b…ガイド溝、751A,751B,851A,851B…先端部、752A,752B,852A,852B…基端部、753,754,853…回動軸、771,871…駆動プーリ、772,872…従動プーリ、773,873…搬送ベルト、774,775,874,875…スライダ、776,876…駆動源、S1…用紙、S2…用紙束
【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙束を押圧する押圧面を有する押圧部材と、
用紙束を挟んで前記押圧部材に対向する受け部材と、
前記押圧部材に対向し、前記受け部材とは反対側の位置に設けられた支持部材と、
前記押圧部材に回動可能又は移動可能に接続される一端部と、前記支持部材に移動可能又は回動可能に接続される他端部とを有し、前記一端部と前記他端部を結ぶ方向である軸方向へ伸縮可能な回動アームと、
前記回動アームの縮小に対して抵抗力を生じさせる弾性部材と、
前記回動アームを、前記一端部の回動軸又は前記他端部の回動軸を中心に回動させて、前記押圧部材を前記押圧面と直交する方向へ移動させる駆動機構と、を備え、
前記押圧部材により用紙束を押圧して前記押圧部材と前記受け部材により用紙束を挟む場合に、前記駆動機構は、前記回動アームの前記軸方向が前記押圧面に対して垂直になるまで前記回動アームを回動させて縮小させる用紙処理装置。
【請求項2】
前記回動アームの前記一端部は、前記押圧部材に回動可能に連結され、前記回動アームの前記他端部は、前記支持部材に前記押圧面と平行な方向へ移動可能に連結されており、
前記駆動機構は、前記回動アームの前記他端部を前記押圧面と平行な方向へ移動させて、前記回動アームの前記一端部の回動軸を中心に前記回動アームを回動させる請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記回動アームの前記他端部が回動可能に連結される連結部と、前記連結部が取り付けられている無端ベルトと、前記無端ベルトを回転させるモータとを有する請求項2に記載の用紙処理装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記支持部材に取り付けられている請求項2又は3に記載の用紙処理装置。
【請求項5】
前記押圧部材と前記受け部材との間に用紙束が介在されない状態で、前記回動アームの前記軸方向を前記押圧面に垂直にすると、前記押圧面は、前記受け部材に当接し、前記回動アームは、前記回動アームの前記軸方向に縮小する請求項1から4のいずれか1項に記載の用紙処理装置。
【請求項6】
前記押圧部材により押圧されて固定された用紙束の一側部を角型形状の背面に成形する角背処理部を備え、
前記押圧面における用紙束の一側部に沿った長さは、用紙束の一側部の長さ以上に設定されている請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項7】
前記回動アーム及び前記弾性部材は、2組設けられており、
前記回動アームの前記一端部は、用紙束の一側部に平行な方向において前記押圧面の外側で前記押圧部材に接続される請求項6に記載の用紙処理装置。
【請求項8】
折り曲げられた用紙束における折り曲げ部分の内側を支持して、折り曲げられた用紙束の折り目の位置を調整する位置合わせ部材を備え、
前記押圧面における用紙束の折り目に沿った長さは、用紙束の折り目の長さよりも短く設定され、
前記位置合わせ部材は、折り曲げられた用紙束の折り目に沿う方向において前記押圧面の外側で折り曲げられた用紙束を支持する請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項9】
前記受け部材は、前記押圧部材の前記押圧面と水平方向で対向する受け面を有する請求項8に記載の用紙処理装置。
【請求項10】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置から供給された用紙を集積して用紙束にする用紙集積部と、用紙束に対して所定の処理を行う処理部と、を有する用紙処理装置と、を備え、
前記用紙処理装置は、
用紙束を押圧する押圧面を有する押圧部材と、
用紙束を挟んで前記押圧部材に対向する受け部材と、
前記押圧部材に対向し、前記受け部材とは反対側の位置に設けられた支持部材と、
前記押圧部材に回動可能又は移動可能に接続される一端部と、前記支持部材に移動可能又は回動可能に接続される他端部とを有し、前記一端部と前記他端部を結ぶ方向である軸方向へ伸縮可能な回動アームと、
前記回動アームの縮小に対して抵抗力を生じさせる弾性部材と、
前記回動アームを、前記一端部の回動軸又は前記他端部の回動軸を中心に回動させて、前記押圧部材を前記押圧面と直交する方向へ移動させる駆動機構と、を有し、
前記押圧部材により用紙束を押圧して前記押圧部材と前記受け部材により用紙束を挟む場合に、前記駆動機構は、前記回動アームの前記軸方向が前記押圧面に対して垂直になるまで前記回動アームを回動させて縮小させる画像形成システム。
【請求項1】
用紙束を押圧する押圧面を有する押圧部材と、
用紙束を挟んで前記押圧部材に対向する受け部材と、
前記押圧部材に対向し、前記受け部材とは反対側の位置に設けられた支持部材と、
前記押圧部材に回動可能又は移動可能に接続される一端部と、前記支持部材に移動可能又は回動可能に接続される他端部とを有し、前記一端部と前記他端部を結ぶ方向である軸方向へ伸縮可能な回動アームと、
前記回動アームの縮小に対して抵抗力を生じさせる弾性部材と、
前記回動アームを、前記一端部の回動軸又は前記他端部の回動軸を中心に回動させて、前記押圧部材を前記押圧面と直交する方向へ移動させる駆動機構と、を備え、
前記押圧部材により用紙束を押圧して前記押圧部材と前記受け部材により用紙束を挟む場合に、前記駆動機構は、前記回動アームの前記軸方向が前記押圧面に対して垂直になるまで前記回動アームを回動させて縮小させる用紙処理装置。
【請求項2】
前記回動アームの前記一端部は、前記押圧部材に回動可能に連結され、前記回動アームの前記他端部は、前記支持部材に前記押圧面と平行な方向へ移動可能に連結されており、
前記駆動機構は、前記回動アームの前記他端部を前記押圧面と平行な方向へ移動させて、前記回動アームの前記一端部の回動軸を中心に前記回動アームを回動させる請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記回動アームの前記他端部が回動可能に連結される連結部と、前記連結部が取り付けられている無端ベルトと、前記無端ベルトを回転させるモータとを有する請求項2に記載の用紙処理装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記支持部材に取り付けられている請求項2又は3に記載の用紙処理装置。
【請求項5】
前記押圧部材と前記受け部材との間に用紙束が介在されない状態で、前記回動アームの前記軸方向を前記押圧面に垂直にすると、前記押圧面は、前記受け部材に当接し、前記回動アームは、前記回動アームの前記軸方向に縮小する請求項1から4のいずれか1項に記載の用紙処理装置。
【請求項6】
前記押圧部材により押圧されて固定された用紙束の一側部を角型形状の背面に成形する角背処理部を備え、
前記押圧面における用紙束の一側部に沿った長さは、用紙束の一側部の長さ以上に設定されている請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項7】
前記回動アーム及び前記弾性部材は、2組設けられており、
前記回動アームの前記一端部は、用紙束の一側部に平行な方向において前記押圧面の外側で前記押圧部材に接続される請求項6に記載の用紙処理装置。
【請求項8】
折り曲げられた用紙束における折り曲げ部分の内側を支持して、折り曲げられた用紙束の折り目の位置を調整する位置合わせ部材を備え、
前記押圧面における用紙束の折り目に沿った長さは、用紙束の折り目の長さよりも短く設定され、
前記位置合わせ部材は、折り曲げられた用紙束の折り目に沿う方向において前記押圧面の外側で折り曲げられた用紙束を支持する請求項1に記載の用紙処理装置。
【請求項9】
前記受け部材は、前記押圧部材の前記押圧面と水平方向で対向する受け面を有する請求項8に記載の用紙処理装置。
【請求項10】
用紙に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置から供給された用紙を集積して用紙束にする用紙集積部と、用紙束に対して所定の処理を行う処理部と、を有する用紙処理装置と、を備え、
前記用紙処理装置は、
用紙束を押圧する押圧面を有する押圧部材と、
用紙束を挟んで前記押圧部材に対向する受け部材と、
前記押圧部材に対向し、前記受け部材とは反対側の位置に設けられた支持部材と、
前記押圧部材に回動可能又は移動可能に接続される一端部と、前記支持部材に移動可能又は回動可能に接続される他端部とを有し、前記一端部と前記他端部を結ぶ方向である軸方向へ伸縮可能な回動アームと、
前記回動アームの縮小に対して抵抗力を生じさせる弾性部材と、
前記回動アームを、前記一端部の回動軸又は前記他端部の回動軸を中心に回動させて、前記押圧部材を前記押圧面と直交する方向へ移動させる駆動機構と、を有し、
前記押圧部材により用紙束を押圧して前記押圧部材と前記受け部材により用紙束を挟む場合に、前記駆動機構は、前記回動アームの前記軸方向が前記押圧面に対して垂直になるまで前記回動アームを回動させて縮小させる画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−18633(P2013−18633A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154811(P2011−154811)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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