説明

用紙後処理装置

【課題】 ステープルされた用紙束の排出方向後端側が揃った状態になって、各用紙束が整列された状態で排紙トレイの上に順々に適切に積載されるようにする。
【解決手段】 画像形成後の複数枚の用紙pを綴じ部材23aにより綴じて用紙束Pにする綴じ装置23と、用紙束を排出させる排出装置24と、この排出装置によって排出された用紙束を積載させる排紙トレイ25とを備えた用紙後処理装置20において、用紙束の排出方向に突出されて排出装置から排出される用紙束を保持するガイド部材27を、排出装置と排紙トレイとの間において出し入れ可能に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機,プリンタ及びこれらの複合機等の画像形成装置において、画像形成後の複数枚の用紙をステープル等の綴じ部材により綴じて用紙束にし、この用紙束を排出装置により排紙トレイの上に順々に排出させて積載させる用紙後処理装置に関するものである。特に、排紙トレイの上に用紙束を順々に排出させるにあたり、先に排出された用紙束における綴じ部材の部分に、次に排出された用紙束の排出方向後端側が引っ掛かったりすることがなく、排紙トレイの上に排出された各用紙束の排出方向後端側が揃った状態で、排紙トレイの上に順々に適切に積載されるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機,プリンタ及びこれらの複合機等の画像形成装置における機能として、従来から、画像形成後の複数枚の用紙をステープル等の綴じ部材により綴じて用紙束にした後、この用紙束を排出装置により排紙トレイの上に排出させて積載させるようにしたものが存在している。
【0003】
また、このように用紙束を排出装置により排紙トレイの上に排出させて積載させるにあたっては、一般に、上記の排紙トレイを用紙束の排出方向に向けて上方に傾斜するように設け、この排紙トレイの上に排出された用紙束が、この排紙トレイの傾斜に沿って排出方向と反対側に滑り、順々に排出された用紙束の排出方向後端側が揃うようにしていた。
【0004】
しかし、上記のようにステープル等の綴じ部材によって綴じられた用紙束を排紙トレイの上に順々に排出させて積載させる場合、図1に示すように、先に排紙トレイ1の上に排出された用紙束Pにおける綴じ部材2の部分に、次に排出された用紙束Pの排出方向後端側が引っ掛かり、排出された用紙束Pが順々に傾斜した状態になってしまい、用紙束Pの排出方向後端側を揃った状態にして、用紙束Pを整列した状態で排紙トレイ1の上に積載させることができなくなるという問題があった。
【0005】
また、従来においては、特許文献1に示されるように、排紙トレイの適当な位置に用紙の一部が落ち込む落ち込み部を設け、ステープルされた用紙束をこの排紙トレイの上に排出させる場合に、ステープルされた部分をこの落ち込み部内に導くようにしたものが提案されている。
【0006】
また、特許文献2に示されるように、ステープルされた用紙束を排出装置によって排紙トレイの上に排出させるにあたり、排出装置によって用紙束を排出させる排出速度を制御し、排紙トレイの上に排出された各用紙束におけるステープルの位置を分散させて、各用紙束におけるステープルの位置が重なるのを防止するようにしたものが提案されている。
【0007】
しかし、上記の特許文献1及び特許文献2に示されるものにおいても、先に排紙トレイの上に排出された用紙束における綴じ部材の部分に、次に排出された用紙束の排出方向後端側が引っ掛かり、依然として、排出された用紙束が順々に傾斜した状態になり、用紙束の排出方向後端側を揃った状態にして、用紙束を整列した状態で排紙トレイの上に積載させることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平2−233456号公報
【特許文献2】特開2009−113958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、画像形成後の複数枚の用紙をステープル等の綴じ部材により綴じて用紙束にし、このような用紙束を排出装置により排紙トレイの上に順々に排出させて積載させる場合における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
【0010】
すなわち、本発明においては、先に排出された用紙束における綴じ部材の部分に、次に排出された用紙束の排出方向後端側が引っ掛かって、排出された用紙束が傾斜したりするということがなく、排紙トレイの上に排出された各用紙束の排出方向後端側が揃った状態で、排紙トレイの上に順々に適切に積載されるようにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の用紙後処理装置においては、上記のような課題を解決するため、画像形成後の複数枚の用紙を綴じ部材により綴じて用紙束にする綴じ装置と、上記の用紙束を排出させる排出装置と、この排出装置によって排出された用紙束を積載させる排紙トレイとを備えた用紙後処理装置において、用紙束の排出方向に突出されて排出装置から排出される上記の用紙束を保持するガイド部材を、排出装置と排紙トレイとの間において出し入れ可能に設けた。
【0012】
そして、本発明の用紙後処理装置においては、排出装置から排出された用紙束の排出方向後端側を、用紙束の排出方向に突出された上記のガイド部材に保持させた状態で、このように突出されたガイド部材を収納させて、上記の用紙束を排紙トレイに排出させるようにする。
【0013】
ここで、本発明の用紙後処理装置において、排紙トレイの上に排出された用紙束の排出方向後端側を揃った状態にするにあたり、上記の排紙トレイを用紙束の排出方向に向けて上方に傾斜するように設けると、排紙トレイの上に排出された用紙束がこの排紙トレイの傾斜に沿って用紙束の排出方向と反対側に移動し、排出された用紙束の排出方向後端側が揃うようになる。
【0014】
また、本発明の用紙後処理装置においては、排出装置によって排出された用紙束を排紙トレイの上に順々に積載させるにあたり、排出される用紙束が先に排紙トレイの上に排出された用紙束に当たったりすることなく、排紙トレイの上に用紙束を数多く積載できるようにするため、この排紙トレイを上下方向に移動可能に設けることが好ましい。
【0015】
また、本発明の用紙後処理装置においては、排紙トレイの上に排出された用紙束が浮き上がるのを抑制して、排紙トレイの上に多くの用紙束を積載できるようにするため、上記のガイド部材によって排紙トレイ上に先に排紙されている用紙束を押圧させたり、排紙トレイ上に排紙されている用紙束を押圧部材によって押圧させたりすることが好ましい。
【0016】
さらに、本発明の用紙後処理装置においては、上記のように綴じ部材によって綴じられた用紙束を排紙トレイの上に積載させた場合に、綴じ部材によって綴じられた部分が重なって、綴じ部分だけが持ち上がるのを抑制するため、用紙束の綴じ部分に対応するようにして、この排紙トレイに凹所を設けるようにすることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の用紙後処理装置においては、綴じ部材により綴じられた用紙束を排出装置により排紙トレイの上に排出させて積載させるにあたり、排出装置と排紙トレイとの間において出し入れ可能に設けられた上記のガイド部材を、用紙束の排出方向に突出させ、排出装置から排出される用紙束をこのガイド部材に保持させるようにしたため、このガイド部材を用紙束の排出方向と反対方向に移動させて収納させる際に、このガイド部材に保持された用紙束の排出方向と反対側の端部が、先に排出された用紙束における綴じ部材に引っ掛かることなく、先に排出された用紙束の上に重なるようにして適切に排出されるようになる。
【0018】
この結果、本発明の用紙後処理装置においては、画像形成後の複数枚の用紙をステープル等の綴じ部材により綴じて用紙束にし、この用紙束を排出装置により排紙トレイの上に順々に排出させる場合において、排出される用紙束の排出方向と反対側の端部が、先に排出された用紙束の綴じ部材に引っ掛かって、排出された用紙束が傾斜するということがなく、各用紙束の排出方向後端側が揃った状態になり、各用紙束が整列された状態で排紙トレイの上に順々に適切に積載されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来の用紙後処理装置において、排紙トレイの上に排出された各用紙束が順々に傾斜して積載される状態を示した概略平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る用紙後処理装置を画像形成装置に用いる状態を示した概略説明図である。
【図3】上記の実施形態に係る用紙後処理装置において、排紙トレイの上に排出された用紙束が排紙トレイの傾斜に沿って移動し、ステープルされた用紙束の排出方向後端側が用紙後処理装置のフレームに当たって直線状になった状態を示した概略平面図である。
【図4】上記の実施形態に係る用紙後処理装置において、ステープルされた用紙束が排紙ローラより排出され始めると共に、ガイド部材が用紙後処理装置から用紙束の排出方向に突出される状態を示した部分説明図である。
【図5】上記の実施形態に係る用紙後処理装置において、用紙後処理装置から用紙束の排出方向に突出されたガイド部材に、用紙束の排出方向後端側が保持させるようにして、この用紙束が排紙トレイに先に排出された用紙束の上に排出された状態を示した部分説明図である。
【図6】上記の実施形態に係る用紙後処理装置において、用紙束の排出方向に突出されたガイド部材が用紙後処理装置内に戻す方向に移動されながら、このガイド部材が、排紙トレイに先に排出されている用紙束を押さえ付ける状態を示した部分説明図である。
【図7】上記の実施形態に係る用紙後処理装置において、用紙束の排出方向に突出されたガイド部材が用紙後処理装置内に戻されて、先に排出された用紙束の上に次の用紙束が排出された状態を示した部分説明図である。
【図8】上記の実施形態に係る用紙後処理装置において、排紙トレイに設けられた凹所内に、排紙トレイの上に排出された用紙束のステープル部分が入り込むようにして、用紙束が排紙トレイの上に積載される状態を示した概略平面図及び概略側面図である。
【図9】ガイド部材を駆動させるのに使用する駆動手段を変更させた第1の変更例の用紙後処理装置において、ガイド部材が用紙後処理装置から用紙束の排出方向に突出された状態と、用紙束の排出方向に突出されたガイド部材が用紙後処理装置内に戻された状態とを示した部分説明図である。
【図10】ガイド部材を駆動させるのに使用する駆動手段を変更させた第2の変更例の用紙後処理装置において、ガイド部材が用紙後処理装置から用紙束の排出方向に突出された状態と、用紙束の排出方向に突出されたガイド部材が用紙後処理装置内に戻された状態とを示した部分説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態に係る用紙後処理装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る用紙後処理装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0021】
この実施形態においては、図2及び図3に示すように、画像形成装置10において画像が形成された用紙pを用紙後処理装置20に送り、この用紙pを用紙後処理装置20内に設けられた送りローラ21a,21bによって搬送し、このように画像が形成された用紙pを順々に整合用トレイ22の上に積層させて整合させるようにしている。そして、このように整合された複数枚の用紙pをステープル装置(綴じ装置)23によりステープル(綴じ部材)23aで綴じ、このようにステープル23aで綴じられた用紙束Pを排紙ローラ(排出装置)24によって排紙トレイ25の上に排出させるようになっている。
【0022】
ここで、この実施形態の用紙後処理装置20においては、上記の排紙トレイ25が用紙束Pの排出方向に向けて上方に傾斜して設けられており、この排紙トレイ25に排出された用紙束Pは、その自重により排紙トレイ25の傾斜に沿って用紙束Pの排出方向と反対側に移動し、ステープル23aで綴じられた用紙束Pの排出方向後端側が用紙後処理装置20のフレームに当たって止まり、この用紙束Pの排出方向後端側が直線状になって揃うようになっている。
【0023】
また、この実施形態の用紙後処理装置20においては、上記の排紙ローラ24の近傍に、この排紙ローラ24によって排出される用紙束Pの状態を検知する検知センサ26を設けると共に、排紙ローラ24と排紙トレイ25との間の位置において、ガイド部材27を用紙束Pの排出方向に出し入れ可能に設け、このガイド部材27を駆動手段30により駆動させ、ガイド部材27を用紙後処理装置20から用紙束Pの排出方向に突出させ、またこのように突出されたガイド部材27を用紙後処理装置20内に戻すようにしている。
【0024】
ここで、上記の駆動手段30として、この実施形態においては、回転装置(図示せず)によって回転される一対の円形の回転板31を用紙束Pの排出方向に所要間隔を介して設け、各回転板31の回転中心から離れた位置にそれぞれ上記のガイド部材27を保持させるようにしている。そして、この一対の回転板31の回転に伴って、上記のガイド部材27が上下方向に弧を描きながら移動し、用紙後処理装置20から用紙束Pの排出方向に突出され、またこのように突出されたガイド部材27が用紙後処理装置20内に戻されるようになっている。
【0025】
次に、この実施形態の用紙後処理装置20において、排紙トレイ25の上に先に排出されて載置された用紙束Pの上に次の用紙束Pが排出される動作を図4〜図7に基づいて説明する。
【0026】
先ず、図4に示すように、ステープル23aで綴じられた用紙束Pが上記の排紙ローラ24に導かれ、この排紙ローラ24の回転によってこの用紙束Pが排出され始めると、これを上記の検知センサ26によって検知し、これに基づいて、回転装置(図示せず)によって上記の一対の回転板31を回転させ、上記のガイド部材27を用紙後処理装置20から用紙束Pの排出方向に突出させるようにする。
【0027】
そして、図5に示すように、上記の一対の回転板31の回転により、上記のガイド部材27を用紙後処理装置20から用紙束Pの排出方向に十分に突出させた段階で、上記の用紙束Pを排紙ローラ24から排紙トレイ25に排出させるようにする。このようにすると、排出された用紙束Pの排出方向先端側は、排紙トレイ25の上に先に排出されている用紙束Pの上に積載される一方、ステープル23aで綴じられた用紙束Pの排出方向後端部は、用紙束Pの排出方向に突出された上記のガイド部材27に保持されるようになる。
【0028】
また、このように用紙束Pが排紙ローラ24から排紙トレイ25に排出された場合には、これを上記の検知センサ26によって検知し、これに基づいて、上記の回転板31をさらに回転させ、図6に示すように、この回転板31により、用紙束Pの排出方向に突出された状態にある上記のガイド部材27を下方に弧を描きながら用紙後処理装置20内に戻す方向に移動させるようにする。そして、このように下方に弧を描きながら用紙後処理装置20内に戻されるガイド部材27によって排紙トレイ25に排出されている先の用紙束Pを押さえ付けるようにする。
【0029】
そして、このようにガイド部材27によって排紙トレイ25に排出されている先の用紙束Pを押さえ付けながら、図7に示すように、このガイド部材27を用紙後処理装置20内に戻すようにする。
【0030】
このようにすると、排紙トレイ25に排出されている先の用紙束Pがガイド部材27によって押さえ付けられると共に、ガイド部材27に保持されていた用紙束Pの排出方向後端部がガイド部材27から徐々に離れて、この用紙束Pの排出方向後端部が先に排出された用紙束Pにおけるステープル23aに引っ掛かることなく、この用紙束Pが先に排出された用紙束Pの上に重なるようにして排出される。
【0031】
そして、このような操作を繰り返して行うことにより、排紙トレイ25に排出されている先の用紙束Pがガイド部材27に押さえ付けられながら、次の用紙束Pの排出方向後端部が、先に排出された用紙束におけるステープル23aに引っ掛かることなく、先に排出された用紙束Pの上に順々に重なるようにして排出され、排出された各用紙束Pが傾斜するということがなく、各用紙束Pの排出方向後端側が揃った状態になり、各用紙束Pが整列された状態で排紙トレイ25の上に順々に適切に積載されるようになる。
【0032】
また、上記のようにして複数の用紙束Pを排紙トレイ25の上に積載させた場合、各用紙束Pのステープル23aの部分が重なって、ステープル23aの部分だけが持ち上がった状態になるため、図8(A),(B)に示すように、上記の排紙トレイ25において、積載させる用紙束Pのステープル23aと対応する部分に凹所25aを設け、この排紙トレイ25の凹所25a内に各用紙束Pにおけるステープル23aの部分が入り込むようにすることができる。このようにすると、排紙トレイ25の上に積載された各用紙束Pのステープル23aの部分が排紙トレイ25の凹所25a内に入り込み、ステープル23aの部分だけが持ち上がるということがなく、各用紙束Pが平坦な状態になって排紙トレイ25の上に順々に適切に積載されるようになる。
【0033】
また、上記のようにガイド部材27を用紙後処理装置20から用紙束Pの排出方向に突出させると共に、このように突出されたガイド部材27を用紙後処理装置20内に戻す駆動手段30は、特に、上記の実施形態に示したものに限定されない。
【0034】
例えば、図10(A),(B)に示す第1の変更例のものにおいては、駆動手段30として、ソレノイド等を用いたシリンダ32における伸縮ロッド32aの先端にアングル状になった回動アーム33の一端を回動可能に保持させると共に、この回動アーム33の他端をガイド部材27の突出方向と反対側の端部に回動可能に保持させ、このシリンダ32における伸縮ロッド32aを伸縮させて回動アーム33を回動させるようにし、この回動アーム33により、上記のガイド部材27を用紙後処理装置20から用紙束Pの排出方向に突出させ、またこのように突出されたガイド部材27を用紙後処理装置20内に戻すようにしている。また、この実施形態においては、上記のガイド部材27の上方に、回転して排紙トレイ25の上に排出された用紙束Pを押圧する押圧部材28を設けている。
【0035】
そして、この第1の変更例のものにおいては、図10(A)に示すように、上記のシリンダ32における伸縮ロッド32aを収縮させて、回動アーム33を介してガイド部材27を用紙後処理装置20から用紙束Pの排出方向に突出させると共に、排紙ローラ24から用紙束Pを排紙トレイ25に排出させ、排出された用紙束Pの排出方向先端側を、排紙トレイ25の上に先に排出されている用紙束Pの上に積載させる一方、ステープル23aで綴じられた用紙束Pの排出方向後端部を、用紙束Pの排出方向に突出された上記のガイド部材27に保持させるようにする。
【0036】
その後、図10(B)に示すように、上記のシリンダ32における伸縮ロッド32aを伸長させ、上記の回動アーム33を介して、用紙束Pの排出方向に突出された上記のガイド部材27を用紙後処理装置20内に戻し、上記の用紙束Pを先に排出された用紙束Pの上に重なるようにして排出させると共に、上記の押圧部材28を回転させ、この押圧部材28によって上記のように排出された用紙束Pを押圧させるようにする。
【0037】
このようにすると、上記の実施形態の場合と同様に、ガイド部材27に保持されていた用紙束Pの排出方向後端部がガイド部材27から徐々に離れて、この用紙束Pの排出方向後端部が先に排出された用紙束Pにおけるステープル23aに引っ掛かることなく、この用紙束Pが先に排出された用紙束Pの上に重なるようにして排出されると共に、このように排出された用紙束Pが上記の押圧部材28によって押圧されて、排紙トレイ25の上に排出された用紙束Pが浮き上がるのが防止される。
【0038】
また、図11(A),(B)に示す第2の変更例のものにおいては、駆動手段30として、上記のガイド部材27の下にギア34を設けると共に、このガイド部材27の下面に上記のギア34と噛み合うラック27aを設け、上記のギア34を一方向に回転させて、ガイド部材27を用紙後処理装置20から用紙束Pの排出方向に突出させる一方、このギア34を逆方向に回転させて、突出されたガイド部材27を用紙後処理装置20内に戻すようにし、また上記のガイド部材27の上方に、回転して排紙トレイ25の上に排出された用紙束Pを押圧する押圧部材28を設けている。
【0039】
そして、この第2の変更例のものにおいては、図11(A)に示すように、上記のギア34を一方向に回転させて、ガイド部材27を用紙後処理装置20から用紙束Pの排出方向に突出させると共に、排紙ローラ24から用紙束Pを排紙トレイ25に排出させ、排出された用紙束Pの排出方向先端側を、排紙トレイ25の上に先に排出されている用紙束Pの上に積載させる一方、ステープル23aで綴じられた用紙束Pの排出方向後端部を、用紙束Pの排出方向に突出された上記のガイド部材27に保持させるようにする。
【0040】
その後、図11(B)に示すように、上記のギア34を逆方向に回転させて、用紙束Pの排出方向に突出されたガイド部材27を用紙後処理装置20内に戻し、上記の用紙束Pを先に排出された用紙束Pの上に重なるようにして排出させると共に、上記の押圧部材28を回転させ、この押圧部材28によって上記のように排出された用紙束Pを押圧させるようにする。
【0041】
このようにすると、上記の実施形態の場合と同様に、ガイド部材27に保持されていた用紙束Pの排出方向後端部がガイド部材27から徐々に離れて、この用紙束Pの排出方向後端部が先に排出された用紙束Pにおけるステープル23aに引っ掛かることなく、この用紙束Pが先に排出された用紙束Pの上に重なるようにして排出されると共に、このように排出された用紙束Pが上記の押圧部材28によって押圧されて、排紙トレイ25の上に排出された用紙束Pが浮き上がるのが防止される。
【符号の説明】
【0042】
10 画像形成装置
20 用紙後処理装置
21a,21b 送りローラ
22 整合用トレイ
23 ステープル装置(綴じ装置)
23a ステープル(綴じ部材)
24 排紙ローラ(排出装置)
25 排紙トレイ
26 検知センサ
27 ガイド部材
27a ラック
28 押圧部材
30 駆動手段
31 回転板
32 シリンダ
32a 伸縮ロッド
33 回動アーム
34 ギア
p 用紙
P 用紙束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成後の複数枚の用紙を綴じ部材により綴じて用紙束にする綴じ装置と、上記の用紙束を排出させる排出装置と、この排出装置によって排出された用紙束を積載させる排紙トレイとを備えた用紙後処理装置において、用紙束の排出方向に突出されて排出装置から排出される上記の用紙束を保持するガイド部材が、排出装置と排紙トレイとの間において出し入れ可能に設けられていることを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の用紙後処理装置において、排出装置から排出された用紙束の排出方向後端側が用紙束の排出方向に突出された上記のガイド部材に保持された状態で、突出されたガイド部材が収納されることを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の用紙後処理装置において、上記の排紙トレイが用紙束の排出方向に向けて上方に傾斜して設けられていることを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の用紙後処理装置において、上記の排紙トレイが上下方向に移動可能に設けられていることを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の用紙後処理装置において、上記のガイド部材が、排紙トレイ上に先に排紙されている用紙束を押圧することを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の用紙後処理装置において、上記の排紙トレイ上に排紙されている用紙束を押圧する押圧部材が設けられていることを特徴とする用紙後処理装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の用紙後処理装置において、排紙トレイ上に排紙される用紙束の綴じ部分に対応して、この排紙トレイに凹所が設けられていることを特徴とする用紙後処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−218825(P2012−218825A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83228(P2011−83228)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】