説明

用紙搬送中継ユニット及び画像形成システム

【課題】複数の画像形成装置と複数の後処理装置の間に配置される用紙搬送中継ユニットであって、複数の画像形成装置から送り出された複数の用紙をそれぞれ指定された後処理装置に送ることができる用紙搬送中継ユニットを提供すること。
【解決手段】用紙を受け入れる複数の用紙受入部と、前記複数の用紙受入部の用紙搬送路を合流させる合流部と、前記合流部から前記用紙の送出口まで前記用紙を搬送する第1共通用紙搬送部とを備える合流ユニットと、前記合流ユニットから送られた前記用紙を搬送する第2共通用紙搬送部と、複数の後処理装置に接続される複数の用紙送出部と、前記第2共通用紙搬送部により搬送される前記用紙を前記複数の用紙送出部に振り分ける分流部とを備える分流ユニットと、ジョブ情報を取得して、ジョブに使用する画像形成装置及び後処理装置を選択する制御部と、を有することを特徴とする用紙搬送中継ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置から送り出された用紙を後処理装置まで搬送する用紙搬送中継ユニット、及び前記画像形成装置と前記後処理装置と前記用紙搬送中継ユニットとから構成される画像形成システムとその制御に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に後処理装置を接続して、画像形成装置により画像形成された用紙に、カール矯正、用紙反転、穿孔処理、折り処理、綴じ処理等の後処理を施す画像形成システムが多用されている。
【0003】
このようなシステムにおいては、1台の画像形成装置に1台の後処理装置を組み合わせたものが一般的であるが、複数の画像形成装置で1台の後処理装置を共用するようにしたもの、又は、1台の画像形成装置に複数の後処理装置を接続したものも多い。
【0004】
複数の画像形成装置によって1台の後処理装置が共用されるように構成した画像形成システムとしては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。
【0005】
また、一つの画像形成装置に複数の後処理装置を接続させた画像形成システムとしては、例えば特許文献2に記載されているものが知られている。
【0006】
また、複数の画像形成装置が複数の後処理装置を共用できるように構成した画像形成システムの提案もある(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
一方、画像形成装置のカラー化、高速化、多機能化と機能分化、また後処理装置の高速化と多様化に伴って、画像形成装置と後処理装置との組み合わせの数をより増やして、又は、組み合わせを柔軟に変更して多様化するユーザニーズに対応させたいという要求はますます高くなっている。
【0008】
しかしながら、従来のシステムでは、ジョブの種類の増加と、生産性の向上という両方の要求に対応することが困難になる場合が多い。
【特許文献1】特開平8−276683号公報
【特許文献2】特開2006−347634号公報
【特許文献3】特開2006−124180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述したような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の画像形成装置と複数の後処理装置の間に配置される用紙搬送中継ユニットであって、複数の画像形成装置から送り出された複数の用紙をそれぞれ指定された後処理装置に送ることができる用紙搬送中継ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、以下の発明を実現することにより達成される。
1.画像形成装置から送られた用紙を受け入れて搬送する複数の用紙受入部を複数の画像形成装置毎に接続して、前記複数の用紙受入部の用紙搬送路を合流させる合流部、前記合流部から前記用紙の送出口まで前記用紙を搬送する第1共通用紙搬送部、を備える合流ユニットと、
前記合流ユニットから送られた前記用紙を搬送する第2共通用紙搬送部、複数の後処理装置に接続される複数の用紙送出部、前記第2共通用紙搬送部により搬送される前記用紙を前記複数の用紙送出部に振り分ける分流部、を備える分流ユニットと、
設定されたジョブ情報を取得して、前記複数の画像形成装置及び前記複数の後処理装置の中からジョブに使用する画像形成装置及び後処理装置を選択する制御部と、
を有することを特徴とする用紙搬送中継ユニット。
2.用紙に画像を形成する複数の画像形成装置と、画像形成された前記用紙に後処理を施す複数の後処理装置と、前記複数の画像形成装置から用紙を受け入れ、前記複数の後処理装置に送り出す1項に記載の用紙搬送中継ユニットとが接続されていることを特徴とする画像形成システム。
【発明の効果】
【0011】
本発明の用紙搬送中継ユニットにより、複数の画像形成装置と、複数の後処理装置との組み合わせの数を増加させることができる。また、それらの組み合わせを、ジョブに対応して装置を選択することにより容易に変更することができるようになる。
【0012】
この用紙搬送中継ユニットを用いることにより、より多様化するジョブに対応できる画像形成システムが実現される。
【0013】
また、複数のジョブを並行処理することもできることから、画像形成システムの生産性低下が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を基に本発明の実施形態例を説明する。なお、本発明は本実施形態例に限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の画像形成システムのブロック図である。
【0016】
図に示す画像形成装置システムは、2台の画像形成装置G1、G2が、用紙搬送中継ユニットUによって、2台の後処理装置F1、F2に接続されているシステムである。
【0017】
用紙搬送中継ユニットUは、二つのユニット、即ち、合流ユニットRU1と分流ユニットSU1とから構成され、接続部Kにて接続されている。
【0018】
画像形成装置G1から送り出された用紙は、合流ユニットRU1の用紙受入部R10の搬送路x1を進行し、合流部Tから第1共通用紙搬送部R1に送り出される。
【0019】
一方、画像形成装置G2から送り出された用紙は、前記搬送路x1の下方に設けられた用紙受入部R11の搬送路y1を進行し、面方向が2回反転され、また進行方向が90度曲げられて合流部Tから第1共通用紙搬送部R1に送り出される。
【0020】
共通用紙搬送部R1の搬送路r1を進行した用紙は、合流ユニットの用紙送出口である接続部Kを通過し、分流ユニットSU1の第2共通用紙搬送部R2の搬送路r2を分流部Dまで進む。
【0021】
分流部Dに到達した用紙は、用紙送出部R20の搬送路x2又は用紙送出部R21の搬送路y2に振り分けられる。
【0022】
用紙送出部R20、R21は、それぞれ、分流部Dにて振り分けられて進行してきた用紙を、後処理装置F1、F2に所定のタイミングとそれぞれの後処理装置の搬送速度で送り出す。
【0023】
図2は、カラー画像形成装置の概念図である。
【0024】
図示の画像形成装置は、複数の感光体31Y、M、C、Kを一本の中間転写ベルト41に対面させて縦列に配置し、フルカラーの画像を形成するタンデム型カラー画像形成装置と称される装置であり、特開2007−241175号公報に記載されているような公知の画像形成装置である。
【0025】
上部に備える自動原稿送り装置ADFに載置された原稿を読み取って得た情報、あるいは、他の情報機器から送られた情報を基に画像形成処理がなされた用紙Pは、送り出しローラ64によって下流に接続された用紙搬送中継ユニットUに送られる。
【0026】
前記用紙搬送中継ユニットはUには、上述したようなカラー画像形成装置をはじめ、モノクロの高速画像形成装置等が接続される。なお、接続する画像形成装置は異なる形式のものでもよいし、同じ形式のものを複数接続するようにしてもよい。
【0027】
図3は、後処理装置Fの概念図である。
【0028】
図示の後処理装置Fは、用紙搬送中継ユニットUから送られた用紙Pを集積して用紙束を形成し、形成した前記用紙束に表紙を貼着し本を作成する装置である。
【0029】
本実施の形態の後処理装置Fは製本装置と称される装置であり、用紙搬送手段210、排紙手段220、表紙供給手段230、用紙束収容手段240、用紙束搬送手段250、糊塗布手段260、表紙貼着手段270、表紙折り曲げ手段280、冊子排出手段290、から構成されている。
【0030】
図に示すように、前記各手段は、装置内の垂直方向に縦列配置されている。
【0031】
製本モードのジョブが実行されると、用紙Pは用紙束収容手段240の所定位置に収容され順次積載されて、所定枚数の用紙Pから成る用紙束が形成される。
【0032】
用紙束収容手段240上に形成された前記用紙束は用紙束保持手段250に送られ、用紙束保持手段250が回転してほぼ垂直になった状態で、糊塗布手段260により用紙束の底面に糊が塗布されて用紙束が束ねられる。
【0033】
束ねられた用紙束に対して、表紙貼着手段270から表紙が供給されて表紙が貼着され、表紙折り曲げ手段280により表紙が折り曲げられて冊子が形成される。
【0034】
形成された冊子は、冊子排出手段290により後処理装置Fから排出される。
【0035】
なお、後処理装置Fは特開2004−209869号公報に記載されているような公知の装置である。
【0036】
図4は、用紙搬送中継ユニットUの概念図である。なお、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【0037】
用紙搬送中継ユニットUは、用紙の進路方向を規制する複数のガイド部材(不図示)、用紙の進路方向を変更する部材である分流ガイド、対向して配置された複数のローラから構成される搬送ローラR、ローラ駆動手段RD(不図示)、用紙を検知する複数の用紙検知センサS等を備えている。
【0038】
図5は、用紙搬送中継ユニットUの制御関係を説明するブロック図である。
【0039】
制御部CUは、CPU、メモリM、入出力インターフェイス、通信用インターフェイス、複数の駆動回路等を有するコンピュータシステムである。
【0040】
制御部CUによる制御は、メモリMに格納されている所定のプログラムを実行することにより行われる。
【0041】
また、制御部CUと、画像形成装置Gの制御部CGと、後処理装置Fの制御部CFと、情報処理機器PCとは通信手段TRを介して互いに情報交換を行うことができる。
【0042】
なお、本図では、本発明に直接関係しないブロックの記載が省略されている。
【0043】
図6は、用紙搬送中継ユニットUの用紙受入部R10における用紙搬送制御の流れを示すフローチャートである。
【0044】
画像形成装置G1から用紙搬送中継ユニットUに送られた用紙は、設定されたジョブの仕様に従って後処理装置F1又はF2に送られる。
【0045】
用紙搬送中継ユニットUにおいて、用紙は、ローラ駆動手段RDにより回転駆動される複数の搬送ローラRによって搬送される。なお、前記ローラ駆動手段RDは、制御部CUから指示される搬送速度情報に従って前記搬送ローラRを回転させる。
【0046】
画像形成装置G1から送られた用紙の先端が用紙受入部R10に設けられた用紙検知センサS1により検知されると(ステップST1:Y)、制御部CUは、画像形成装置G1の用紙送り出し速度と同じ速度に設定された第1搬送速度で、受け入れた前記用紙を搬送するように前記ローラ駆動手段RDを制御する(ステップST2)。
【0047】
用紙の後端が前記用紙検知センサS1によって検知されると(ステップST3:Y)、制御部CUは、用紙の搬送速度を予め設定するより高速の用紙搬送速度である第2搬送速度に変更する(ステップST4)。
【0048】
用紙の先端が、用紙検知センサS2によって検知されると(ステップST5:Y)、第1共通用紙搬送部R1の搬送路r1に他の用紙が存在しないとき、又は合流部から送られた用紙と搬送路r1を進行する他の用紙との間隔が予め設定する間隔以上となるときにセットされる合流許可フラグがセットされているか否かの確認がなされる(ステップST6)。
【0049】
もし、合流許可フラグがセットされていなかった場合には(ステップST7:N)、用紙の搬送速度が下げられ、前記用紙の先端が予め設定する所定位置にて到達したときに用紙の搬送が停止され、前記用紙は待機状態となる(ステップST7)。
【0050】
なお、本実施の形態では、上述したような前記用紙を合流部Tの直前で待機させる用紙受入部R10の領域をバッファー部と称す。
【0051】
待機状態におかれた前記用紙は、合流許可フラグがセットされると(ステップST6:Y)、合流部Tに向けて送り出される(ステップST8)。
【0052】
なお、用紙の先端が、用紙検知センサS2によって検知されたときに(ステップST5:Y)、前記合流許可フラグがセット状態であることが確認された場合には(ステップST6:Y)、前記用紙は、待機させられることなく、合流部Tに向けて送り出される(ステップST8)。
【0053】
合流部Tへの用紙の送り出しが開始されると合流許可フラグがリセットされ、他の用紙受入部からの合流部Tへの用紙の送り出しが禁止され(ステップST9)、処理ルーチンが終了する。
【0054】
合流部Tから第1共通用紙搬送部R1の搬送路r1に送られた前記用紙は、第2共通搬送部R2の搬送路r2を進行して分流部Dに到達する。
【0055】
分流部Dは、第2共通搬送部R2の搬送路r2が、後処理装置F1に用紙を送る用紙送出部R20の搬送路x2と後処理装置F2に用紙を送る用紙送出部R21の搬送路y2とに分岐する部分である。
【0056】
前記分流部Dには用紙の進行を変更する分流ガイドDGが設けられ、制御部CUの指示情報に従って第2共通搬送部R2の搬送路r2を進行する用紙を前記用紙送出部R20の搬送路x2又は前記用紙送出部R21の搬送路y2に振り分ける。
【0057】
図7は、用紙搬送中継ユニットUの用紙送出部R10における用紙搬送制御の流れを示すフローチャートである。
【0058】
用紙送出部R20に送られた用紙の先端が、用紙検知センサS4により検出されると(ステップST21:Y)、前記用紙の搬送速度は、第2共通搬送部R2の搬送速度である第3搬送速度から後処理装置の用紙受け入れ搬送速度である第4搬送速度まで下げられる(ステップST22)。
【0059】
さらに進行した前記用紙の先端が用紙検知センサS5によって検出されると(ステップST23:Y)、後処理装置F1が前記用紙を受け入れ可能な状態にある場合にセットされる受入許可フラグの確認がなされる(ステップ24)。
【0060】
用紙の先端が、用紙検知センサS5によって検知されたときに、後処理装置F1が用紙受け入れ可能状態にあるときには(ステップST24:Y)、前記用紙は待機させられることなく、後処理装置F1に向けて送り出される(ステップST26)。
【0061】
もし、用紙の先端が、用紙検知センサS5によって検知されたときに、後処理装置F1が用紙受け入れ不可能状態にあるときには(ステップST24:N)、前記用紙は、予め設定された所定位置にて停止され、待機させられ(ステップST25)、後処理装置F1が用紙の受入可能状態になったときに(ステップST24:Y)、後処理装置F1に向けて送り出される(ステップST26)。
【0062】
用紙が後処理装置F1に送り出されると、受入許可フラグがリセットされ、処理ルーチンが終了する。
【0063】
なお、本実施の形態では、上述したような前記用紙を後処理装置F1の用紙受入口の直前で待機させる用紙送出部R20の領域をバッファー部と称す。
【0064】
以上、図6及び図7のフローチャートに基づいて、画像形成装置G1から送られた用紙が、前記用紙を水平、且つ直線状に搬送して合流部Tに送り出す用紙受入部R10と、分流部Dから受け入れた前記用紙を水平、且つ直線状に搬送して後処理装置F1に送り出す用紙送出部R20とによって搬送されるときの制御の流れを説明した。
【0065】
画像形成装置G2から送り出された用紙は、用紙受入部R11によって受け入れられ、進行方向が90度変更されて合流部Tに送り出されるが、複数の用紙検知センサからの検知信号を基に行う用紙の搬送停止や搬送速度の制御は、用紙受入部R10の場合と同様である。
【0066】
また、前記分流部Dから後処理装置F1又は後処理装置F2に送り出す用紙送出部R20と用紙送出部R21との関係も同様である。
【0067】
次に、用紙受入部R10と用紙受入部R11、及び用紙送出部R20と用紙送出部R21における用紙搬送の相違を説明する。
【0068】
図8は、用紙搬送中継ユニットUにおける、用紙の搬送方向と、搬送面の変化を説明する図である。
【0069】
図中の複数の矢印は、用紙搬送中継ユニットUによって搬送される用紙の進行方向を示している。
【0070】
用紙受入部R11は、画像形成装置G1から受け入れた用紙を矢印y11の方向に搬送する。前記矢印y11の方向は、用紙受入部R10が画像形成装置G2から受け入れた用紙を搬送する方向であるx11とは直角をなす方向である。
【0071】
用紙受入部R10の下方を通過して進行した用紙は、矢印y12のように上方に搬送された後、矢印y13の方向に搬送される。即ち、搬送される用紙の進行方向が180度変更され、用紙の表裏が反転される。
【0072】
前記用紙は、用紙受入部R10の下方にて用紙の進行方向を90度変更させるガイド部材(不図示)によって、矢印y14で示すように上方に搬送された後、矢印y15の方向に搬送される。即ち、搬送される用紙の進行方向が90度変更され、用紙の表裏が再度反転される。
【0073】
このようにして、画像形成装置G2から送られた用紙は、画像形成装置G1から送られた用紙と同様な進行方向と面方向をもって矢印y16で示す方向を進行して、合流部Tに到達する。
【0074】
分流部Dから送られた用紙を後処理装置F2に送る用紙送出部R21は、上述の用紙受入部R10とほぼ同様に構成されたもので、矢印y21からy25で示すように分流部Dから後処理装置F2に用紙を送る。
【0075】
上述したように本発明の用紙搬送中継ユニットにおける用紙の搬送は、先端となっている用紙の辺が、常に進行する用紙の先端として維持されながら送られるものである。
【0076】
このような搬送は、用紙を一旦停止させ、用紙の先頭となる辺を90度異なる辺に変更しながら用紙の進行方向を変更する搬送に見られるような用紙の搬送速度の低下が防止され、用紙搬送中継ユニットUの処理能力を高めることができる。
【0077】
本実施の形態の用紙搬送中継ユニットUにおいては、搬送される全ての用紙は、第1共通用紙搬送部R1の搬送路r1と第2共通用紙搬送部R2の搬送路r2とからなる共通の用紙搬送路を通過する。
【0078】
従って、各用紙受入部から合流部Tに送り出す用紙のタイミングは、前記共通の搬送路で用紙搬送上の不都合が発生しないようになされなければならない。このような、不都合を防止するために、図6を基に説明した合流許可フラグが活用される。
【0079】
合流許可フラグは、第1共通用紙搬送部R1の搬送路r1と第2共通用紙搬送部R2の搬送路r2を通過している用紙、各用紙受入部にある用紙の位置を基にフラグのセットとリセットを行う合流許可フラグ制御プログラムにより制御される。
【0080】
なお、前記合流許可フラグ制御プログラムによるフラグの制御は、第1共通用紙搬送部R1の搬送路r1と第2共通用紙搬送部R2の搬送路r2を通過している用紙、各用紙受入部にある用紙の位置を基に行うものだけに限定されるものではない。
【0081】
即ち、接続されている各画像形成装置の処理能力、実行中のジョブの設定仕様、例えば、実行優先順位、用紙のサイズ、後処理の種類、後処理装置の動作状態等を考慮して合流許可フラグを制御するようにすることができるものである。
【0082】
このような制御を行うために、制御部CUには、用紙搬送中継ユニットUに接続されている画像形成装置G1、G2及び後処理装置F1、F2の仕様や動作状態を示す情報と、設定されているジョブの仕様に関わる情報とが通信手段TRを介して送られる。
【0083】
制御部CUは、格納されているジョブ制御プログラムの実行により、受け取った情報を基に、設定されているジョブの実行順序と実行方法を決定して、稼動させる画像形成装置及び後処理装置を選択し、選択した画像形成装置及び後処理装置にジョブの実行開始を許可するジョブ開始許可情報を送る。
【0084】
前記ジョブ開始許可情報を受け取った画像形成装置G1、G2及び後処理装置F1、F2は、所定の動作を開始する。
【0085】
上述したように、本発明の用紙搬送中継ユニットUの制御部CUは、画像形成装置G1、G2及び後処理装置F1、F2、用紙搬送中継ユニットUからなる画像形成システムのジョブ制御を行う制御部である。
【0086】
なお、ジョブの設定は、用紙搬送中継ユニットUの操作部で行ってもよいし、前記用紙搬送中継ユニットUに接続される画像形成装置G1、G2の操作部又は後処理装置F1、F2の操作部で行い、設定されたジョブ情報を制御部CUに送るようにしてもよい。
【0087】
以上、2台の画像形成装置と2台の後処理装置とを用紙搬送中継ユニットによって接続した画像形成システムを例にあげて本発明の実施の形態を説明したが、本発明の用紙搬送中継ユニットは、合流ユニット同士又は分流ユニット同士を接続することができることから、接続される画像形成装置及び後処理装置の台数上の制限はない。
【0088】
図9は、3台の画像形成装置と3台の後処理装置とを用紙搬送中継ユニットで接続した画像形成システムを示す図である。
【0089】
図に示すように、本発明の用紙搬送中継ユニットを使用することにより、拡張性と受難性に富んだ画像形成システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の画像形成システムのブロック図である。
【図2】カラー画像形成装置の概念図である。
【図3】後処理装置の概念図である。
【図4】用紙搬送中継ユニットの概念図である。
【図5】用紙搬送中継ユニットの制御関係を説明するブロック図である。
【図6】用紙受入部における用紙搬送制御の流れを示すフローチャートである。
【図7】用紙送出部における用紙搬送制御の流れを示すフローチャートである。
【図8】用紙の搬送方向と、搬送面の変化を説明する図である。
【図9】3台の画像形成装置と3台の後処理装置とを用紙搬送中継ユニットで接続した画像形成システムを示す図である。
【符号の説明】
【0091】
CU 制御部
S 用紙検知センサ
G 画像形成装置
F 後処理装置
U 用紙搬送中継ユニット
R10 用紙受入部
R20 用紙送出部
D 分流部
T 合流部
RU1 合流ユニット
SU1 分流ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から送られた用紙を受け入れて搬送する複数の用紙受入部を複数の画像形成装置毎に接続して、前記複数の用紙受入部の用紙搬送路を合流させる合流部、前記合流部から前記用紙の送出口まで前記用紙を搬送する第1共通用紙搬送部、を備える合流ユニットと、
前記合流ユニットから送られた前記用紙を搬送する第2共通用紙搬送部、複数の後処理装置に接続される複数の用紙送出部、前記第2共通用紙搬送部により搬送される前記用紙を前記複数の用紙送出部に振り分ける分流部、を備える分流ユニットと、
設定されたジョブ情報を取得して、前記複数の画像形成装置及び前記複数の後処理装置の中からジョブに使用する画像形成装置及び後処理装置を選択する制御部と、
を有することを特徴とする用紙搬送中継ユニット。
【請求項2】
前記複数の用紙受入部は、前記合流部に送り出す前記用紙を一時待機させるバッファー部を有することを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送中継ユニット。
【請求項3】
前記複数の用紙送出部は、前記複数の後処理装置に送り出す前記用紙を一時待機させるバッファー部を有することを特徴とする請求項1、又は2に記載の用紙搬送中継ユニット。
【請求項4】
前記分流ユニットは、前記第2共通用紙搬送部により搬送されている用紙を、前記複数の用紙送出部に振り分ける分流ゲートを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の用紙搬送中継ユニット。
【請求項5】
前記制御部は、前記用紙受入部により搬送されている用紙の位置情報を基に、用紙の搬送速度を、前記複数の画像形成装置のうち用紙を送り出した画像形成装置の用紙送り出し速度と同じ搬送速度である第1搬送速度から、より高速の搬送速度である第2搬送速度に変更することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の用紙搬送中継ユニット。
【請求項6】
前記制御部は、前記用紙送出部により搬送されている用紙の位置情報を基に、前記用紙の搬送速度を、前記第2共通用紙搬送部から送られたときの搬送速度である第3搬送速度から、前記複数の後処理装置のうち用紙を受け入れる後処理装置の用紙受入速度と同じ搬送速度である第4搬送速度に変更することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の用紙搬送中継ユニット。
【請求項7】
前記制御部は、通信手段を介して前記ジョブ情報を取得することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の用紙搬送中継ユニット。
【請求項8】
前記制御部は、前記ジョブ情報を基に前記用紙を受け入れる画像形成装置と、前記用紙を送り出す後処理装置を選択し、前記用紙受入部及び前記第1共通用紙搬送部により搬送されている前記用紙の位置情報を基に前記用紙を前記用紙受入部から前記合流部に送り出すタイミングを制御することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の用紙搬送中継ユニット。
【請求項9】
前記制御部は、後処理装置の動作状況を知らせる動作情報と、前記用紙送出部により搬送されている用紙の位置情報とを基に、前記用紙の搬送速度と、前記用紙を前記用紙送出部から前記後処理装置に送り出すタイミングとを制御することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の用紙搬送中継ユニット。
【請求項10】
用紙に画像を形成する複数の画像形成装置と、画像形成された前記用紙に後処理を施す複数の後処理装置と、前記複数の画像形成装置から用紙を受け入れ、前記複数の後処理装置に送り出す請求項1乃至9の何れか1項に記載の用紙搬送中継ユニットとが接続されていることを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−1088(P2010−1088A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158900(P2008−158900)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】