説明

用量分注ユニット用の交換機構を有する用量分注装置

用量分注装置は、ベースフレームと、受容装置に挿入するのに適した任意の用量分注ユニットまたは機能ユニットを受け入れる少なくとも1つの受容装置と、ホルダと、少なくとも1つの駆動機構とを含む。ホルダは、用量分注ユニットまたは機能ユニット用の少なくとも1つの保持位置を有する。また、ベースフレームの下部水平面に、対象容器を受ける荷重受けを含む計量セルが配置される。本発明によれば、用量分注装置は、受容装置がベースフレームに対して水平方向に移動するのを可能にする交換機構を含む。受容装置の位置を水平方向に移動させることによって、用量分注ユニットまたは機能ユニットをその保持位置から取り出しかつ受容装置に受け入れることができ、逆に、受容装置から取り出しかつ保持位置に受け入れることができる。また、交換機構によって、受容装置を駆動機構と一緒にベースフレームに対して垂直方向に、荷重受け上に配置された対象容器の充填開口部に向かう方向、ならびに対象容器の充填開口部から保持位置への方向に移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用量分注ユニットまたは機能ユニット用の交換機構を有する用量分注装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末またはペースト状の用量物質用の用量分注装置は、特に、小さな対象容器に少用量を高精度に分注するのに使用される。このような対象容器をはかりの上に置き、用量分注装置から送られる物質の重量を測定することが多く、それによって、その後与えられた指示に従ってこの物質を処理することができる。用量物質は、たとえば、基本的に供給源容器および分注ヘッドを含む用量分注ユニットに入れられる。分注ヘッドには、流量調整要素、たとえば、作動時に出口オリフィスを開放するスライダゲートが配置される。用量物質は、供給源容器に連結された出口オリフィスを通過し、出口オリフィスの下方に配置された対象容器に流入することができる。スライダゲートは、用量分注ユニットから分離した駆動機構に結合できるように設計することが好ましい。
【0003】
この種の用量分注装置は、いくつかの個々の物質の混合物を生成するのに使用されることも多い。このために、個々の物質を有する個々の用量分注ユニットを自動的に用量分注装置内に配置しかつ用量分注装置から取り出すのに利用することのできる交換機構を設けることが好ましい。
【0004】
ある用量分注装置が、いくつかの用量分注ユニットがホルダ内に配置されるヨーロッパ特許出願公開第1947427号で開示されている。この用量分注ユニットは、装填機構、たとえば産業ロボットによってホルダと用量分注装置の受容位置との間を移送することができる。この解決手段は、個々の別個のモジュールが配置されるシステム全体に大きな表面積を確保する必要があり、すなわちシステム全体が大きなフットプリントを有する、という重大な欠点がある。実験室施設、特に排気システムを有する作業部屋では、作業部屋内部で使用される機器のフットプリントが重要な問題である。というのは、ユーザの設備にはこのような作業部屋が多数設けられており、したがって、空間制限が実際的な問題であるからである。また、このような総合的な設備を設置する際、用量分注装置と装填機構とホルダとの間の調整、ケーブル敷設、およびプログラミングに関する大プロジェクトを予定する必要があるからである。
【0005】
これらの欠点は、ヨーロッパ特許出願公開第1959244号で開示された交換機構を有する2種類の用量分注装置によって部分的に解消される。第1の種類では、いくつかの用量分注ユニット用のホルダが直線経路に沿って移動可能である。第2の種類は、用量分注装置を囲み用量分注装置の周りを旋回することができるように配置されたリング状ホルダを有する。たとえば用量分注装置に事前に設定された公式に基づく選択に応じて、個々の用量分注ユニットがその位置番号に応じて次々と所定の位置に移動され、駆動機構に結合され、公式に規定された物質量が対象容器に分注される。しかし、この構成は、交換機構が作業表面よりもわずかに上の高さに配置されるに過ぎず、したがって、交換機構の下方の表面空間を利用できないため、依然として比較的大きな表面積を占有する。
【0006】
上記の説明による交換機構を有するいくつかの異なる種類の用量分注装置は、製造が容易であり、表面積をほとんど占有せず、かつ交換機構が装置に組み込まれるため、設置上の労力をそれほど必要とせずに動作させることができる。
【0007】
しかし、追加的な要件として、周囲の空間および物質自体の汚染を避けるために、用量分注ユニットの出口オリフィスから計量セルの計量パン上に配置された対象容器の充填開口部までの距離をできるだけ短くすべきである。このことは、有毒な物質または極めて反応性の高い物質を取り扱ううえで特に重要である。用量分注ユニットの、下端部の所に出口オリフィスを含む部分が、分注プロセス中に実際に充填開口部内部に到達し、それによって、対象容器のリム内部の領域が用量物質で汚染されないようにすることが好ましい。これは、ヨーロッパ特許出願公開第1959244号で開示された用量分注装置では不可能である。この機能を実現するには、交換機構全体の高さを調整可能にする必要がある。したがって、交換機構内に配置できるすべての用量分注ユニットを組み合わせた重量を鉛直方向上下に移動する必要がある。大きな質量を移動させる必要があると、用量分注ユニットの交換時の個々のステップの速度が影響を受ける恐れがあり、振動が増大する可能性がある。さらに、交換機構が移動することのできる空間全体に他の物体および装置の他の部分が存在しないようにする必要がある。また、分注プロセス中にホルダを移動させることはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、表面積および障害物のない空間に関する要件が低く、かつ用量分注ユニットまたは機能ユニットを迅速に変更し装填するのが可能な用量分注装置を作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、交換機構を含み、かつ独立特許請求項に明示された特徴を有する用量分注装置によって実現される。
用量分注装置は、ベースフレームと、受容装置に挿入するのに適した任意の用量分注ユニットまたは機能ユニットを受け入れる少なくとも1つの受容装置と、少なくとも1つの駆動機構とを含む。用量分注ユニットまたは機能ユニットを受容装置に挿入した後、該用量分注ユニットまたは機能ユニットを駆動機構に結合することができる。ホルダが、用量分注装置の動作位置に対して、ベースフレームの上部水平面上に配置され、該水平面に連結される。ホルダは、用量分注ユニットまたは機能ユニット用の少なくとも1つの保持位置を有する。また、ベースフレームの下部水平面上に、対象容器を受ける荷重受けを含む計量セルが配置される。
【0010】
本発明によれば、用量分注装置は、受容装置がベースフレームに対して水平方向に移動するのを可能にする交換機構を含む。受容装置の位置を水平方向に移動させることによって、受容装置は、用量分注ユニットまたは機能ユニットをその保持位置から取り出しかつ受容装置に受け入れるのを可能にし、逆に、受容装置から取り出しかつ保持位置に受け入れるのを可能にする。また、交換機構によって、受容装置を駆動機構と一緒にベースフレームに対して垂直方向に、荷重受け上に配置された対象容器の充填開口部に向かう方向、ならびに対象容器の充填開口部から離れる方向、すなわち保持位置に向かう方向に移動させることができる。
【0011】
用量分注ユニットの構造および機能については、上記の従来技術の説明ですでに説明した。1つまたは複数の用量分注ユニットの代わりに、様々な機能を実現する機能ユニットを使用することも可能であることは自明である。用量分注装置に取り付けることのできるこのような機能ユニットの概念は、全体的な概念が引用によって本特許出願に組み込まれるヨーロッパ特許出願公開第1959243号に詳しく記載されている。特に、外部から供給を受ける機能ユニット、たとえば供給導管によって、液体または気体を含む外部槽に連結されたポンプユニットまたは弁ユニットが重要である。これによって、自由に流動する媒体を連続的に機能ユニットに供給することができる。
【0012】
したがって、交換機構は、受容装置と駆動機構との間の連結要素としての少なくとも1つの水平線形ガイドと、駆動機構および受容装置からなるユニットをベースフレームと連結する垂直線形ガイドとを有する。また、駆動ユニットを指示するコントローラを含む駆動ユニットが各線形ガイドごとに設けられる。上述のように、水平移動は主として、用量分注ユニットまたは機能ユニットを受容装置と保持位置との間で移送する働きをする。しかし、この場合、たとえば用量分注ユニットまたは機能ユニットを対象容器に揃えることのような、二次的な性質を有する必要な機能に水平移動を使用する可能性もある。垂直移動は主として、用量分注ユニットまたは機能ユニットを保持位置から対象容器まで移送し、逆に対象容器から保持位置まで移送する働きをする。この場合、水平移動と同様に、ロック装置を固定し解放する短い上下移動のような他の必要な機能に垂直移動を使用する可能性もある。
【0013】
ホルダは、少なくとも2つの保持位置を有し、ベースフレームに対して直線移動または回転移動するように設計されることが好ましい。理想的には、用量分注装置のプロセッサモジュールで実行できる動作プログラムが所望の保持位置を見つけて該保持位置を後述の移送位置に変えることができるように、各保持位置の配置を用量分注装置の電子メモリユニットに記憶する。もちろん、電子メモリユニットを使用して保持位置に収容された用量分注ユニットのデータを記憶することもできる。電子読み取り装置、たとえばRFIDリーダがホルダの領域内に配置され、かつ用量分注ユニットが識別子要素、たとえばRFIDタグを有する場合、ホルダに各用量分注ユニットが存在しているときに該用量分注ユニットまたは機能ユニットのデータを自動的に記録することもできる。このようなデータは、たとえば用量分注ユニットが使用された日付、分注サイクルの数、直前の分注動作の日付、同様の情報のような用量分注ユニットの技術的データを含んでよい。他のデータは、用量分注ユニットに入っている物質に関するデータであってよく、たとえば物質の種類および組成、物質の使用期限、物質の流動特性などに関する測定パラメータなどであってよい。
【0014】
機能ユニットは同様に、その機能に関する技術的データが記憶されたRFIDメモリチップを有してよい。場合によっては、このメモリチップは、動作情報、あるいは場合によっては、取り出すことができ、用量分注装置の個々の処理ステップに影響を与えかつ/または該処理ステップを制御する働きをするプログラムモジュールを内蔵してもよい。ホルダの独立に移動する能力は、データを取得する場合と、装置に用量分注ユニットまたは機能ユニットを装填する場合に特に有利である。したがって、分注プロセス中でもホルダを一方向から装填することができ、すべてのRFID格納チップのデータを記録するのに必要な読み取り/書き込み装置は1つだけである。また、受容装置が上面から離れた直後に、ホルダ内に存在する各用量分注ユニットまたは機能ユニットを任意のときに読み取り/書き込み装置を通過させてそのデータを走査または変更させることができる。
【0015】
少なくとも1つの保持位置は少なくとも2つのホルダ溝を有することが好ましく、受容装置は、少なくとも2つの支持体を備える。また、支持体に揃えられる収容位置およびホルダ溝と揃えられる案内トラックが、用量分注ユニットまたは機能ユニット上に形成される。ホルダ溝、収容位置、支持体、および案内トラックは、その長手方向において互いに平行に向けられるとともに交換機構の水平移動に対して平行に向けられることが好ましい。
【0016】
用量分注ユニット、機能ユニット、保持位置、および受容装置を極めて小形の構成にするために、受容装置の支持体が保持位置内に入ることが好ましい。このことは、用量分注ユニットまたは機能ユニットが、垂直方向を向いた内側平面対と外側平面対との間に配置される場合に可能になり、この場合、内側平面対の各平面は少なくとも1つの収容位置を含み、外側平面対の各平面は少なくとも1つの案内トラックを含む。
【0017】
少なくとも保持位置への用量分注ユニットの装填は手動で行うことができる。しかし、本発明による用量分注装置をたとえばより大きなシステムに組み込む場合、装填機構によって保持位置またはホルダの装填を実施することも考えられる。この目的を実現するために、用量分注ユニットまたは機能ユニット上に形成されたグリッパ用の少なくとも1つの結合位置が設けられる。装填機構、たとえば産業ロボットは、結合位置に係合することのできるグリッパを有し、それにより、接触力係合または嵌合によって用量分注ユニットまたは機能ユニットを装填機構に連結することができる。衝撃および振動が伝搬するのを避けるために、装填機構を用量分注装置とは独立に配置することが好ましい。用量分注ユニットまたは機能ユニットの保持位置への装填を、ベースフレームの方へ向かう水平移動によって行えば、実用的である。これは、用量分注装置には、この方向への移動を妨害する構成要素がないからである。もちろん、保持位置、特にホルダ溝を、この方向からの装填、いわゆる「前方」からの装填が可能になるように構成する必要がある。理想的には、交換機構は同様に、用量分注ユニットまたは機能ユニットをこの方向から該少なくとも1つの保持位置に移動させて用量分注ユニットまたは機能ユニットを受容装置から取り外す。したがって、受容装置への用量分注装置の移送は、ベースフレームから離れる方向へ向かう水平移動で行われる。
【0018】
特に装填プロセスでは、ホルダを受容装置とは独立に自由に移動させることができると非常に有利である。この場合、分注動作中でもホルダを一方向から装填することが可能である。
【0019】
用量分注ユニットまたは機能ユニットを移送運動中に受容装置から落下するのを防止するかあるいは機械的衝撃または乱気流の結果として保持位置から落下するのを防止するために、機械的力によって取り外し可能なスナップロック要素を少なくとも1つのホルダ溝と案内トラックとの間および/または少なくとも1つの支持体と収容位置との間に配置することができる。このようなスナップロック要素は、ばね付勢式ボールキャッチ要素、ばね付勢式舌部などであってよく、場合によっては磁石対であってよい。
【0020】
該少なくとも1つのホルダ溝および/または収容位置は、スナップロック要素の代わりに、ほぼ垂直方向にホルダ溝または収容位置の長手方向軸に直交して延びるくぼみを有してよく、一方、該少なくとも1つの案内トラックおよび/または支持体上には、ほぼ垂直方向に案内トラックまたは支持体の長手方向軸に直交して延びる突起が形成される。この場合、受容装置および/または該少なくとも1つの保持位置から用量分注装置を分離するのに垂直ロック解除移動が必要である。逆に、受容装置および/または該少なくとも保持位置に用量分注ユニットまたは機能ユニットを取り付けるのに垂直取り付け移動が必要である。
【0021】
使用分野に応じて、たとえば医薬物質の開発研究所では、わずかな量のこれらの物質を高精度に分注できる能力が必要である。これらの要件を満たす用量分注装置は、高精度計量セルを有し、該高精度計量セルの信号が分注プロセスを監視し制御するのに使用される。したがって、この分注測定プロセスは、ドラフトシールド内部で行われ、そのため、周囲環境の乱気流が計量結果に影響を与えることはない。機械的に困難なエアロックを有するドラフトシールドの設計を複雑にするのを避けるために、ヨーロッパ特許出願公開第1959244号で開示された交換機構は、ドラフトシールド内部に配置する必要がある。しかし、ドラフトシールドのサイズが大きくなればなるほど、たとえばドラフトシールド内部の用量分注ユニットを交換することによって生じる可能性のある乱気流を鎮静化するのにかかる時間が長くなる。また、ドラフトシールドの内部容積が大きくなると、計量区画内部の温度差によって空気の移動が生じる可能性が高くなる。この結果、ドラフトシールドの内部容積によっても、所与の質量目標に対して公差をどのくらい狭く設定できるかが大いに決定されることになる。
【0022】
本発明による交換機構を有する用量分注装置では、荷重受けを囲みかつベースフレームに連結されたドラフトシールドを使用するのが可能である。このドラフトシールドを使用中の対象容器に揃えることができる。したがって、ドラフトシールドの内部容積を非常に小さな容積に維持することができる。ホルダから対象容器への用量分注ユニットまたは機能ユニットの移送は基本的に垂直移動であるので、ドラフトシールドは上部水平面の方向において、すなわち頂部に向かって少なくとも部分的に開放していることが好ましい。
【0023】
分注プロセス中にドラフトシールドをやはり上方から閉鎖するために、第1の実施形態による適切なドラフトシールドカバーを受容装置上に配置することができる。このドラフトシールドカバーは、用量分注ユニットまたは機能ユニット上に形成された出口オリフィス用の少なくとも1つの切り欠きを有する。機能ユニットの場合、本明細書で前述のように、出口オリフィスではなく切り欠きを通過して到達する機能ユニットの作動要素、たとえば温度センサや撹拌器であってよい。
【0024】
第2の実施形態によれば、ドラフトシールドカバーを用量分注ユニットまたは機能ユニット上に配置することもできる。この種類のドラフトシールドカバーも、上方からドラフトシールド区画内への開口部を閉鎖するのを可能にする。もちろん、ドラフトシールド全体を分注ヘッドの一部として形成することもでき、分注プロセスの間ドラフトシールド全体で対象容器および荷重受けを完全に囲むことができる。
【0025】
用量分注ユニットの、出口オリフィスを含む部分を、対象容器内に部分的に入るように構成する場合、ドラフトシールドカバーに十分大きな開口部が必要である。上方から部分的に開放されたドラフトシールドの開口部の輪郭を、用量分注ユニットの、分注プロセス時にこの開口部内に配置される部分の形状と一致させることが好ましい。
【0026】
上述の措置の結果として、ドラフトシールドの内部空間と周囲環境との空気の交換がかなり防止される。
分注中の物質が粘着性である場合、個々の粒子が、出口オリフィスの周りの領域で用量分注ユニットのハウジングの外側に付着したままになる可能性がある。また、機能ユニットは特に、使用後に汚染される。したがって、用量分注ユニットおよび機能ユニットを洗浄する洗浄装置をベースフレーム上に配置することが好ましい。用量分注装置の構成に応じて、洗浄装置をホルダの近くに配置するかあるいは中間位置にも配置することができる。このようにホルダの領域内に配置すると、ホルダがベースフレームに対して滑り移動または回転することによって保持位置を洗浄装置の作用範囲内に位置させることができるため有利である。洗浄装置を中間位置に配置した場合、受容装置を洗浄装置まで移動させるとき、前述のように、水平方向および垂直方向への追加的な二次移動が必要になることがある。洗浄装置はワイパー装置および/または真空吸引装置および/または洗浄ステーションであってよい。
【0027】
ホルダが、1つの保持位置のみを有するホルダに限定されず、水平面内に直線配列として並べて配置された用量分注ユニットおよび機能ユニット用の複数の保持位置を有してよいことは自明である。あらゆる保持位置は、ベースフレームに対して直線移動し、かつベースフレームに対する一定の個所を占有する定められた移送位置まで直線移動することができる能力を備える。交換機構は、この移送位置で、受容装置が現在必要とされている用量分注ユニットまたは機能ユニットをその保持位置から受け取り、また該保持位置に戻すように構成される。
【0028】
ホルダが多数の用量分注ユニットおよび機能ユニットを収容する必要がある場合、ホルダが、水平面内に互いに隣接してリング状構成として配置された用量分注ユニット用の複数の保持位置を有するのが実用的である場合がある。このホルダは、ベースフレームに対して垂直回転軸の周りを旋回することができる。したがって、あらゆる保持位置をベースフレームに対して一定の個所にある定められた移送位置に移動させることができる。
【0029】
少なくとも1つの中間水平面内の少なくとも1つの中間ホルダを、該ホルダが配置されるベースフレームの上面と荷重受けを含む計量セルが配置されるベースフレームの下面との間に配置できることは自明であると考えられる。用量分注ユニットおよび機能ユニットを上面から下面に移送するのを可能にするために、中間ホルダは受容装置用の少なくとも1つの遷移位置を有するべきである。したがって、この遷移位置を保持位置によって占有することはできない。
【0030】
少なくとも1つの用量分注ユニットに粉末、ペースト、または液体状の物質を充填することができる。しかし、用量分注ユニットは、槽容器および場合によってはポンプに連結された供給導管を有してもよい。
【0031】
また、多数の異なる機能ユニットを使用することができる。たとえば、機能ユニットは、滴定ユニット、ポンプユニット、ピペットユニット、管路および電機子を有するユニット、容器ユニット、センサユニット、あるいは上記のユニットまたはその他のユニットのいずれかを受けるアダプタであってよい。使用できるこのような他のユニットは、たとえば撹拌器、グラインダ、ならびに加熱および/または冷却ユニットを含む。ユーザが様々な適切な機能ユニットから選択できるため、用量分注装置は、粉状またはペースト状の用量物質ならびに液体の分注に限定されず、ある種のミニ研究室に転換して用量物質をさらに処理することができ、力測定装置を介して重量値を連続的に記録することができる。
【0032】
本発明による用量分注装置の詳細は、図面に例示された実施形態の例についての以下の説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】交換機構と、ベースフレームと、ベースフレーム上に回転可能に支持されたリング状ホルダと、交換機構を介してベースフレームに連結された駆動機構および受容装置と、さらにベースフレーム上に配置され荷重受けを備えた計量セルと、ホルダ内に収容された12個の用量分注ユニットとを有する用量分注装置の概略三次元図である。
【図2】荷重受けと荷重受け上に取り付けられた対象容器とがドラフトシールドによって囲まれ、受容装置と受容装置内に収容された用量分注ユニットとがホルダと計量セルとの間の中間位置に配置された、やはり図1の用量分注装置の概略三次元図である。
【図3】ベースフレーム上の、ホルダと対象容器との間に配置された中間ホルダが付加され、受容装置と受容装置内に収容された用量分注ユニットとが対象容器のすぐ上に位置する、基本的に、図1および2の用量分注装置の概略三次元図である。
【図4】交換機構と、ベースフレームと、ベースフレーム上に支持され直線状に滑り移動可能なホルダと、交換機構を介してベースフレームに連結された駆動機構および受容装置と、さらにベースフレーム上に配置され荷重受けを備えた計量セルと、ホルダ内に収容された3つの用量分注ユニットおよび2つの機能ユニットとを有する用量分注装置の概略三次元図である。
【図5】図5Aは、図1〜3のホルダに属する保持位置の三次元詳細図である。図5Bは、受容装置上に配置されたドラフトシールドカバーが付加され、さらに装填機構のグリッパの一部が図示されている、対象容器の上方に位置する図3および4の分注ヘッドの三次元詳細図である。
【図6】図1で定められた平面A−A内の立面図としての、ホルダの保持位置に収容された用量分注ユニットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、概略三次元図として、交換機構110を有する用量分注装置100を示している。用量分注装置100はベースフレーム101を有する。垂直回転軸の周りを旋回できるようにベースフレーム101上に支持されたリング状ホルダ120が、ベースフレーム101の上面上に配置され、かつ該上面に連結されている。ホルダ120は、各々が用量分注ユニット140によって占有される合計で12個の保持位置121を有する。もちろん、用量分注装置100においてすべての保持位置121が占有されなくても正しく機能する。好ましい特徴として、各保持位置121の配置は電子メモリユニットに記憶され、それによって、用量分注装置100のプロセッサモジュールで実行できる動作プログラムは、所望の保持位置121を見つけて移送位置123に旋回させることができる。このメモリユニットを使用して保持位置121に取り付けられた用量分注ユニット140のデータを記憶することもできることは自明である。電子読み取り装置、たとえばRFIDリーダがホルダ120の領域内に配置され、かつ用量分注ユニット140が識別マーク、たとえばRFIDタグを保持する場合、ホルダ120に各用量分注ユニット140が装填されたときに該用量分注ユニット140のデータを自動的に記録することもできる。このようなデータは、たとえば用量分注ユニットが最初に使用された日付や、実施された分注サイクルの数や、直前の分注サイクルの日付や、同様の情報といった用量分注ユニット140の動作履歴を表すことができる。他のデータは、用量分注ユニット140に入っている物質に関するデータであり、たとえば該物質の識別および組成、該物質の使用期限、該物質の流動特性に関する測定パラメータなどである。保持位置121を用量分注ユニット140ではなく、ヨーロッパ特許公開出願第1959243号で開示された機能ユニットのいずれかで占有できることも自明である。これらの機能ユニットは同様に、それぞれの機能ユニットの機能に関する技術的データが記憶されるRFIDメモリチップを保持することができる。場合によっては、このメモリチップは、ユーザに関する情報、あるいは場合によっては、取り出すことができ、用量分注装置100の個々の処理ステップに影響を与えかつ/または制御する働きをするプログラムモジュールを内蔵してもよい。特にデータを取得する場合、ホルダ120の独立に移動できる能力は非常に有利であることが分かっている。したがって、分注プロセス中でもホルダ120を一方向から装填することができ、すべてのRFID格納チップのデータを記録するのに必要な読み取り/書き込み装置は1つだけである。
【0035】
ハウジング102内部に配置された計量セル130を露出させるために図面では部分的に切り取られて示されたハウジング102が、ベースフレーム101の下方に構成されている。用量分注装置100の動作位置において、ハウジング102の上方に配置される荷重受け131が、ハウジング102の通過開口部を通って上方に延びる力伝達部材133によって計量セル130に連結されている。荷重受け131上に対象容器132が位置している。
【0036】
交換機構110の垂直線形ガイド111が、管状のベースフレーム101の内部に部分的に見えている。この垂直線形ガイド111によって、駆動機構103およびわずかに見える受容装置104が、垂直方向に滑り移動するように案内される。駆動機構103は、用量分注ユニット140内に配置されているが図1には示されていない排出速度制御要素に結合されるように設計されている。排出速度制御要素は、駆動機構103に結合され駆動機構103によって作動された直後に用量分注ユニット140の出口オリフィスを開放する。出口オリフィスの通過が自由になると、用量分注ユニット140内に格納されている用量物質は、出口オリフィスの下方に配置された対象容器132に流入することができる。
【0037】
現在は移送位置123の所にある保持位置121は用量分注ユニット140によって占有される。図1は、受容装置104の支持体105が用量分注ユニットに係合しているため、交換機構110が用量分注ユニット140を受容装置104に移送する準備が整った時点を示している。受容装置104および交換機構110の詳細な設計については、図2についての以下の説明でより詳しく説明する。移送を円滑に行ううえで協働する案内トラック、収容位置、支持体、およびホルダ溝の配置については、本明細書中で、図1において概略的に示され識別された平面A−Aにおける図を表す図6に関連して以下に説明する。
【0038】
図2は、やはり図1の用量分注装置100を示している。図1ですでに説明したすべての要素が同じ参照符号を有する。図2は、2つの線形ガイド111、112を有する交換機構110をより明確に示している。交換機構112の水平線形ガイド112は、駆動機構103と受容装置104との間に配置されている。したがって、受容装置104は、駆動機構103およびベースフレーム101に対して水平方向に滑ることができる。駆動機構103、水平線形ガイド112、および受容装置104は、垂直線形ガイド111によってベースフレーム101に対する垂直関節移動に制限される。また、線形ガイド111、112の各々は、コントローラ(不図示)の指示下で動作することのできる線形ガイド自体の駆動機構(同様に不図示)を有する。コントローラは、交換装置110の一部であってよい。しかし、駆動機構を用量分注装置100のコントローラによって直接制御するかあるいは用量分注装置100から独立したコントローラシステムによって制御するとより有利である。
【0039】
受容装置104は、フォークの形に構成され、水平方向に延び、各支持体が垂直方向を向いた突起106を有する4つの支持体105を有する。用量分注ユニット140を受容装置104に収容すると、支持体105は、用量分注ユニット140上に形成された収容位置143に係合される。2つの支持体105が、設置された用量分注ユニット140によって遮られているため、他の2つの支持体105しか見えていない。突起106は、用量分注ユニット140上に形成されたくぼみ141に係合しており、それによって、用量分注ユニット140が交換機構110による移送時に受容装置104から落下するのを防止する。したがって、受容装置104内に用量分注ユニット140を収容するとともに受容装置104から用量分注ユニット140を取り出すには、受容装置104を用量分注ユニット140に対して短い距離だけ垂直移動させる必要がある。
【0040】
図2に示されている時相では、図1で説明した用量分注ユニットの移送がすでに完了しており、ここでは、対象容器132に至る途中の用量分注ユニット140が示されており、第1の矢印201が、すでに走行した経路を示し、第2の矢印202が、まだ完全に走行していない走行経路を示している。第1の矢印201は、水平区間および垂直区間を有する。水平区間は、用量分注ユニット140が、ベースフレーム101から離れる水平移動において保持位置121から移動していることを示している。このことが可能になるのは、用量分注ユニット140上に形成された案内トラック142および保持位置121の対応するホルダ溝122が第1の矢印201の水平区間に平行に延びている場合だけである。用量分注ユニットが保持位置から完全に解放された直後に、垂直移動を開始することができる。第2の矢印202は同様に、水平区間を有し、用量分注装置140が、駆動機構103に向かって、用量分注ユニット140、より具体的にはその排出速度制御要素を駆動機構103に結合できる点まで水平方向に移動することを示している。この移動でも、用量分注ユニット140、特にその出口オリフィスが、対象容器132の充填開口部に整合する。計量信号に影響を与える恐れのある乱気流移動から対象容器132および荷重受け131を保護するために、頂部が開放されているドラフトシールド203をハウジング102上に設置する。
【0041】
図3に概略的に示されている用量分注装置300は、図1および2に示されている用量分注装置とほとんど同じである。図1および2ですでに説明した同一の要素は、やはり同じ参照符号で識別されている。基本的に、用量分注装置300は、ホルダ120とハウジング102との間の中間水平面に配置された中間ホルダ320によって、すでに説明した図1および2と区別される。ホルダ120と同様に、中間ホルダ320は、ベースフレーム101に回動可能に連結され、垂直回転軸の周りを旋回することができる。各保持位置321を有する中間ホルダ320は、ホルダ120とほぼ同一に構成され、ホルダ120との違いは基本的に、遷移位置322が保持位置321の1つをとることである。このことは、用量分注ユニット140をホルダ120から対象容器132に移動させるのに必要である。
【0042】
図3は、分注プロセス中の用量分注装置300を示している。駆動機構103、受容装置104、および受容装置104に収容された用量分注ユニット140は、ベースフレーム101の下面上の、対象容器132の充填開口部のすぐ上に配置されている。用量分注ユニット140の排出速度制御要素は、駆動機構103の駆動軸107に結合されている。駆動軸107が排出速度制御要素を作動させた直後に、用量分注ユニット140の出口オリフィスが解放され、用量物質が用量分注ユニット140から対象容器132内に排出される。分注プロセスが完了した後、用量分注ユニット140は、図2に矢印201、202によって示されているのと同じ経路に沿って、ただし明らかに逆方向に、該用量分注ユニット140に割り当てられた保持位置121、321に戻される。
【0043】
図3には、ベースフレーム101上で中間ホルダ320の下方に配置された収集トレイ390も概略的に示されている。収集トレイ390は、リング状であり、用量分注ユニット140の出口オリフィスの近くに存在する可能性のあるごみ、たとえば物質の粒子を収集する働きをする。たとえば滑り可能なセグメントを付加して遷移位置322も覆うことによって、収集トレイ390の設計をさらに改良できることは自明である。また、収集トレイ390に密閉ハウジングを付加することができ、それによって、保持位置121、321に収容された用量分注ユニット140はこのハウジング内部に完全に密閉される。当然のことながら、用量分注ユニット140内の物質が周囲雰囲気の影響を受けないよう保護するためにこのようなハウジングの内部空間に保護ガスを連続的に送り込むことができる。
【0044】
図4は、用量分注装置400の概略三次元図を示している。すでに図1〜3で説明したすべての要素が同じ参照符号を有している。ベースフレーム401は、前述の例のベースフレームとはわずかに異なる。これは、用量分注装置400が長手方向の案内トラック424によって水平方向に直線的に移動するように制限されるホルダ420を有することによる。ホルダ420上に形成された保持位置121は、前述の保持位置に構成が類似している。用量分注装置400は、3つの用量分注ユニット140および2つの機能ユニット440、441によって占有される。第1の機能ユニット440は、液体を別個の槽容器442から供給導管を通して対象容器132に送る働きをするポンプユニットである。槽容器442の内部をガスで加圧する場合、機能ユニット440にマイクロバルブのみを備えることもできる。これは、液体がガス圧力によって槽容器からマイクロバルブの方へ移動されるからである。第2の機能ユニットは、たとえば用量分注ユニット140からポンプユニットを通して添加される液体に分注された粉末を撹拌するのに使用できる撹拌器である。
【0045】
撹拌作用の後、撹拌器は、対象容器132内に存在する溶液によって濡れ、したがって汚染される。用量分注装置400は、機能ユニット440、441および用量分注ユニット140を洗浄する手段として、ここでは概略的にのみ示されており、ベースフレーム401上に配置することができる洗浄装置450を備えることができる。洗浄は、たとえば、機能ユニット440、441を使用後、まずその保持位置121に移送し、次いで洗浄装置450に移動させるような方法で行うことができる。しかし、用量分注ユニット140または機能ユニット440、441が、保持位置121に戻る際に洗浄装置450を通過する構成も可能である。洗浄装置450はもちろん、様々な付属モジュール、たとえば、粉末によって汚染された用量分注ユニット140用の真空吸引装置、および/または汚染された機能ユニット440、441用の洗浄ステーションを含んでよい。また、ブラシ、温風乾燥器のような他の要素を使用してもよい。
【0046】
ある細部をよりうまく示し説明するために、図5Aは、前述の図1〜4のホルダに存在し、好ましくは複数配置される保持位置121の1つの三次元詳細図を示している。各保持位置121は基本的に、Uの開放部分が下向きである、ホルダのU字形切り欠きによって形成される。この切り欠きは、各々がホルダ溝122を有する2枚の側壁523、524を有する。少なくとも1つのホルダ溝はスナップロック要素525を有する。図5Aのスナップロック要素は、一部しか見えないが、基本的に、止まり穴内に配置されたボールおよび圧縮ばねからなる従来の設計のばね付勢式ボールキャッチである(ばねはボールの後方に位置しており、したがって見えない)。
【0047】
図5bは、図3および4の細部の三次元図を示しており、用量分注ユニット140が受容装置104内に収容されている。用量分注ユニット140は、対象容器132の上方、すなわち分注サイクルの動作位置に位置している。さらに図を見ると分かるように、駆動機構103は、駆動軸107を通して用量分注ユニット140に結合されている。したがって、駆動機構103は、用量分注ユニット140の排出弁を作動させるように動作可能である。
【0048】
すでに図2の説明で述べたように、用量分注ユニット140上に形成された案内トラック142がある。案内トラック142は、用量分注ユニット140が保持位置121に収容されたときに、図5Aで説明するスナップロック要素525によって係合されるくぼみ541をさらに有する。これが必要であるのは、用量分注ユニット140または機能ユニット440、441を保持位置121に挿入するときに、同時に受容装置104から取り出す必要があり、かつ摩擦に打ち勝つにはある量の力が必要であるからである。また、スナップロック要素525は、用量分注ユニット140が誤って保持位置121から落下することがないようにする。
【0049】
図5Bはさらに、受容装置104に取り付けられたドラフトシールドカバー560を示している。用量分注装置140の一部がドラフトシールドカバー560の開口部を通過し、ドラフトシールドカバーの開口部の輪郭は、用量分注ユニット140が受容装置104内に収容されるときに開口部がほぼ完全に閉鎖されるように用量分注装置140の上記の部分の形状と一致する。用量分注ユニットが分注サイクルを実施するための所定の位置に配置されると、ドラフトシールドカバー560はドラフトシールド203にぴったりと接触する。ドラフトシールドカバー560および/またはドラフトシールド203が交換装置の垂直移動の結果として損傷するのを防止するために、ドラフトシールド203およびドラフトシールドカバー560が互いに接触した直後に交換装置のコントローラに信号を送信する適切なセンサを用量分注装置に備えることができる。
【0050】
本発明による用量分注装置をより大きなシステムに組み込む場合、装填機構(一部が図5Bに示されている)を使用して保持位置121およびホルダ全体を充填するのが実用的であることがある。この目的は、ロボットグリッパに係合させるように用量分注ユニット140または機能ユニット440、441上に形成された少なくとも1つの結合領域542によって実現される。装填機構、たとえば産業ロボットは、結合領域542に連結することができるグリッパ550を有し、それによって用量分注ユニット140または機能ユニット440、441を接触力係合および/または嵌合によって装填機構に連結することができる。装填機構が用量分注装置から独立する構成が好ましい。用量分注ユニット140または機能ユニット440、441の保持位置121への装填を、ベースフレームの方へ向かう水平移動によって行うと実用的である。これは、用量分注装置には、この方向への移動を妨害する構成要素がないからである。もちろん、この方向から、いわゆる「前方」からの装填が可能であるように保持位置121および特にホルダ溝122を構成する必要がある。
【0051】
図6は、ホルダの保持位置121に収容された用量分注ユニット140を示す、図1で定められた平面A−Aにおける立面図を示している。用量分注ユニット140または機能ユニット、保持位置121、および受容装置の特に小形の構成のために、受容装置の支持体105が保持位置121内に入れる設計が考えられる。これは、垂直方向を向いた内側平面対Y、Y’と外側平面対X、X’との間に用量分注ユニット140または機能ユニットを配置した場合に可能になる。内側平面対Y、Y’の各平面はたとえば、上下に配置された2つの収容位置143、ならびにグリッパ用の結合領域542を含む。外側平面対X、X’の各平面は案内トラックを含む。受容装置および保持位置121は上記に応じて設計され、各ホルダ溝122は外側平面対X、X’の平面に配置される。受容装置の2つの支持体105は、内側平面対Y、Y’の各平面内に上下に配置される。また、グリッパ550は、内側平面に配置された結合領域542に揃えられる。
【0052】
図5Bの一変形形態として、図6のドラフトシールドカバー660は受容装置ではなく用量分注ユニット140に結合される。ハウジング102ではなく、受容装置104のドラフトシールドカバー560または用量分注ユニット140のドラフトシールドカバー660にドラフトシールド203を取り付けることもできることは自明である。
【0053】
実施形態の特定の例を提示することによって本発明を説明したが、本発明が公知になった後に、たとえば、個々の実施形態のドラフトシールドカバーなどの特徴を他の実施形態と組み合わせること、および/またはそれぞれの異なる実施形態間で個々の機能ユニットを交換することによって、実施形態の他の多数の変形例を構成できることは明らかである。特に、支持体、収容位置、内側平面対および外側平面対の案内溝および案内トラックの配置は、当業者の好みによって異なる。この概念を識別コードに発展させることが可能であり、それによって、機能ユニットおよび用量分注ユニットを、排他的に確保されたそれぞれの異なる保持位置に挿入することができる。さらに、複数の受容装置および複数の駆動機構を1つの交換装置上に配置することも考えられる。用量分注装置は、互いに独立に動作可能であり、各々が受容装置および駆動機構を有するいくつかの交換装置を有してもよい。したがって、このような組み合わせおよび代替構成は本発明に含まれるとみなされる。
【符号の説明】
【0054】
400、300、100 用量分注装置
401、101 ベースフレーム
102 ハウジング
103 駆動機構
104 受容装置
105 支持体
106 突起
107 駆動軸
110 交換装置
111 垂直線形ガイド
112 水平線形ガイド
420、120 ホルダ
321、121 保持位置
122 ホルダ溝
123 移送位置
130 計量セル
131 荷重受け
132 対象容器
133 力伝達部材
140 用量分注ユニット
141 切り欠き、開口部
142 案内トラック
143 収容位置
201 第1の矢印
202 第2の矢印
203 ドラフトシールド
320 中間ホルダ
322 遷移位置
390 収集トレイ
424 長手方向ガイド
441、440 機能ユニット
442 槽容器
443 供給導管
450 洗浄装置
524、523 側壁
525 スナップロック要素
541 くぼみ
542 グリッパ用の結合領域
550 グリッパ
660、560 ドラフトシールドカバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフレーム(101、401)と、受容装置(104)に挿入するのに適した任意の用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)を受け入れる少なくとも1つの受容装置(104)と、前記受容装置(104)に挿入された用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)に結合することができる少なくとも1つの駆動機構(130)とを備え、前記用量分注装置(100、300、400)の動作位置に対して、前記ベースフレーム(101、401)の上部水平面上に配置されたホルダ(120、420)であって、用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)用の少なくとも1つの保持位置(121、321)を備えるホルダ(120、420)をさらに備え、前記ベースフレーム(101)の下部水平面上に配置された計量セル(130)であって、対象容器(132)を受ける働きをする荷重受け(131)を含む計量セル(130)をさらに備える用量分注装置(100、300、400)において、前記用量分注装置(100、300、400)は、前記受容装置(104)が前記ベースフレーム(101、401)に対して水平方向に移動するのを可能にする交換機構(110)を備え、それにより、前記受容装置(104)の位置を水平方向に移動させることによって、用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)をその保持位置(121、321)から取り出しかつ前記受容装置(104)に受け入れることができ、逆に、前記受容装置(104)から取り出しかつ前記保持位置(121、321)に受け入れることができ、前記交換機構(110)によって、前記受容装置(104)を前記駆動機構(103)と一緒に前記ベースフレーム(101、401)に対して垂直方向に、前記荷重受け(131)上に配置された対象容器(132)の充填開口部に向かう方向、ならびに前記対象容器(132)の前記充填開口部から前記保持位置(121、321)に向かう方向に移動させることができることを特徴とする用量分注装置(100、300、400)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの保持位置(121、321)は少なくとも2つのホルダ溝(122)を備え、前記受容装置(104)は、少なくとも2つの支持体(105)を備え、前記支持体(105)に揃えられる収容位置(143)および前記ホルダ溝(122)と揃えられる案内トラック(142)が、前記用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)上に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項3】
前記用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)は、垂直方向を向いた内側及び外側平面対(X、X’、Y、Y’)の間に配置され、前記内側平面対(Y、Y’)の各平面は少なくとも1つの収容位置(143)を含み、前記外側平面対(X、X’)の各平面は少なくとも1つの案内トラック(142)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項4】
前記用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)上に形成されたロボットグリッパ用の少なくとも1つの結合位置(542)が設けられ、前記結合位置(542)によって、前記用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)を前記用量分注装置(100、300、400)とは独立の装填機構のグリッパ(550)に連結することができることを特徴とする、請求項2または3に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項5】
機械的力によって取り外し可能なスナップロック要素(525)が少なくとも1つのホルダ溝(122)と案内トラック(142)との間および/または少なくとも1つの支持体(105)と収容位置(143)との間に配置されることを特徴とする、請求項2から4の一項に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのホルダ溝(122)および/または収容位置(143)は、本質的に垂直方向に前記ホルダ溝または収容位置の長手方向軸に直交して延びるくぼみ(141)を備え、一方、前記少なくとも1つの案内トラック(142)および/または前記支持体(105)上には、本質的に垂直方向に前記案内トラックまたは前記支持体の長手方向軸に直交して延びる突起(106)が形成され、前記受容装置(104)および/または前記少なくとも1つの保持位置(121、321)から前記用量分注装置(140)または機能ユニット(440、441)を分離するのに垂直ロック解除運動が必要であり、逆に、前記受容装置(104)および/または前記少なくとも保持位置(121、321)に前記用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)を配置するのに垂直配置運動が必要であることを特徴とする、請求項2から5の一項に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項7】
前記用量分注装置は、前記荷重受け(131)を囲むドラフトシールド(203)を備え、前記ドラフトシールド(203)は、前記ベースフレーム(101、401)の上部水平面に向かう方向、すなわち頂部に向かう方向において少なくとも部分的に開放していることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項8】
前記受容装置(104)上にドラフトシールドカバー(560)が配置され、それによって、前記ドラフトシールド(203)の前記開放された頂部を閉鎖することができ、前記ドラフトシールドカバー(560)は、前記用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)上に形成された出口用の切り欠きを備えることを特徴とする、請求項7に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項9】
前記用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)上にドラフトシールドカバー(660)が配置され、それによって、前記ドラフトシールド(203)の前記開放された頂部を閉鎖することができることを特徴とする、請求項7に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項10】
頂部が部分的に開放された前記ドラフトシールド(203)の前記開口部の輪郭が、前記用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)の、用量分注プロセス時にこの開口部内に配置される部分の形状と一致することを特徴とする、請求項7に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項11】
前記用量分注ユニット(140)または機能ユニット(440、441)を洗浄する洗浄装置(450)が前記ベースフレーム(101、401)上に配置されることを特徴とする、請求項1から10の一項に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項12】
前記ホルダ(420)は、水平面内に直線配列として並べて配置された用量分注ユニット(140)および/または機能ユニット(440、441)用の複数の保持位置(121)を備え、あらゆる保持位置(121)は、前記ベースフレーム(401)に対して水平方向に直線移動し、かつ前記ベースフレーム(401)上の一定の個所を占有する定められた移送位置まで水平方向に直線移動することができるように配置されることを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項13】
前記ホルダ(120)は、水平面内に互いに隣接してリング状構成として配置された用量分注ユニット(140)および/または機能ユニット(440、441)用の複数の保持位置(121)を有し、前記ホルダ(120)は、前記ベースフレーム(101)に対して垂直回転軸の周りを旋回することができ、それによって、あらゆる保持位置(121)を前記ベースフレーム(101)に対して一定である定められた移送位置に移動させることができることを特徴とする、請求項1から11の一項に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項14】
前記上面と前記下面との間の少なくとも1つの中間水平面に少なくとも1つの中間ホルダ(320)を配置することができ、前記受容装置(104)用の遷移位置(322)が前記中間ホルダ(320)上に配置されることを特徴とする、請求項12または13に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項15】
前記ホルダ(120、420)および前記中間ホルダ(320)は、前記受容装置(104)が前記ベースフレーム(101、401)の前記下面の領域内に位置するときに自由に横方向に移動するかあるいは旋回することを特徴とする、請求項11から14の一項に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの用量分注ユニット(140)に粉末、ペースト、または液体状の物質が充填されるか、あるいは前記少なくとも1つの用量分注ユニット(140)は、槽容器(442)および必要に応じてポンプに連結された供給導管(443)を有することを特徴とする、請求項1から15の一項に記載の用量分注装置(100、300、400)。
【請求項17】
前記機能ユニット(440、441)は、滴定ユニット、ポンプユニット、ピペットユニット、管路および電機子を有するユニット、撹拌装置を有するユニット、センサユニット、加熱および/または冷却ユニット、あるいは前記ユニットまたは他のユニットのいずれかを受けるアダプタであることを特徴とする、請求項1から16の一項に記載の用量分注装置(100、300、400)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−508369(P2012−508369A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535057(P2011−535057)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061987
【国際公開番号】WO2010/052057
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】