説明

画像に関する処理支援システム、情報処理装置、及び画像に関する処理影支援方法

【課題】 ユーザの好みの画像に基づいて、画像ハンドリング支援を行う。
【解決手段】 ユーザのSNSでの活動により構築されたユーザと画像との関連情報を用いて、ユーザと関連する画像から支援対象画像に対応する画像を抽出する。そして、抽出した画像から支援対象画像をハンドリングするための支援を行う。様々な画像条件に適合し、事前に複雑な操作を要求することなく、ユーザの嗜好に応じた出力画像を得るための支援を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像に関する処理を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影者に撮影を支援する技術として、特許文献1では、撮影者が撮影したいと思う構図(撮影ガイド)を手書きにより作成し、撮影時にプレビュー画像と重畳して表示する技術が提案されている。撮影ガイドにより撮影時に意図した構図に近くなるように支援を行うことができる。
また、撮影装置上での入力やGPSなどのセンサー出力に基づいた撮影条件に対応する参照画像を撮影装置に表示し、構図の手本とさせる支援を行う技術が特許文献2で提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−236011号公報
【特許文献2】特開2007−27945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に記載の方法においては、例えば風景、動物、植物など様々な撮影条件にて撮影を行う場合には、条件ごとに応じた撮影ガイドを事前に作成しておく必要がある。また、今現在の撮影条件に適合する撮影ガイドを選択し、設定するという煩雑な操作が必要となる。
また、特許文献2に記載の方法は、今現在の撮影条件に適合する参照画像を提示することができるものの、参照画像は予めシステム提供者が用意する画像であった。そのため、同一の撮影条件ではどのユーザに対しても同一の参照画像を一律に提示するため、ユーザの好みや趣向に応じた参照画像を提示することは実現されていない。
本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、様々な条件に適合し、かつ、ユーザと関連がある画像に基づいた支援を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するための手段として、
画像に関する処理を支援する支援システムであって、
ユーザと画像との関連を示す情報に基づいて、少なくとも、前記ユーザが評価した画像を評価した他の人物に対応する画像、前記ユーザが評価した他の人物が評価した別の他の人物に対応する画像、前記ユーザが評価した画像に対応する他の人物が評価した画像、または、前記ユーザに対応する画像を評価した他の人物に対応する画像の何れかから、支援対象画像と対応する画像を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出した画像に基づいて前記支援対象画像に関する処理を支援する支援手段とを有することを特徴とする支援システムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザと関連がある画像に基づいた画像に関する処理の支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】サーバ装置の構成の一例を示す図である。
【図2】撮影装置の構成の一例を示す図である。
【図3】システム構成の一例を示す図である。
【図4】サーバ装置の機能構成の一例を示す図である。
【図5】撮影装置の機能構成の一例を示す図である。
【図6】撮影支援処理のフローチャートである。
【図7】関連グラフの一例を示す図である。
【図8】本実施形態による推奨画像を選択するUIの一例を示す図である。
【図9】本実施形態による撮影支援の一例を示す図である。
【図10】関連情報更新処理のフローチャートである。
【図11】関連情報更新後の関連グラフの一例を示す図である。
【図12】重み付有向関連グラフの一例を示す図である。
【図13】関連情報更新後の重み付有向関連グラフの一例を示す図である。
【図14】画像のメタデータの一例を示す図である。
【図15】関連情報の一例を示す図である。
【図16】実施形態3におけるシステム構成の一例を示す図である。
【図17】実施形態3におけるサーバ装置の構成の一例を示す図である
【図18】実施形態3におけるクライアント装置の構成の一例を示す図である。
【図19】実施形態3における支援処理のフローチャートである。
【図20】実施形態3における関連グラフの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
【0009】
<実施形態1>
本実施形態では、今現在撮影装置に設定されている撮影条件に適合し、かつ、ユーザの好みや趣向に基づいてユーザと関連づいた画像を用いて撮影支援を行う。以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
本実施形態に係る撮影支援システムの構成について図3を用いて説明する。本実施形態に係る撮影支援システム300はサーバ装置100と撮影装置200から構成される。サーバ装置100はインターネット301等のネットワークに接続され情報の送受信が可能な情報処理装置である。また、インターネット301にはSNSサーバ302が接続されており、サーバ装置100はインターネット301を介してSNSサーバ302から情報の送受信を行うことができる。なお、図3に示すシステム構成は一例に過ぎず、それぞれの装置を物理的に同一のまたは複数の装置で構成してもよい。
【0011】
続いて、サーバ装置100の構成について、図1のブロック図を参照して説明する。本実施形態におけるサーバ装置100は単一のコンピュータ装置で実現してもよいし、必要に応じた複数のコンピュータ装置に各機能を分散して実現するようにしてもよい。複数のコンピュータ装置で構成される場合は、互いに通信可能なようにLocal Area Network(LAN)などで接続される。
【0012】
図1において、101はサーバ装置100全体の制御を行う制御部である。制御部101は、Central Processing Unit(CPU)102と、Random Access Memory(RAM)103と、Read Only Memory(ROM)104から構成される。CPU102は、後述するROM104や記憶部105に記憶されているプログラムを実行することにより、各ハードの制御、情報の演算により後述する処理や機能部を実現する。RAM103は、CPU102のワークメモリである。ROM104は、後述する処理や各機能部を実現させるプログラムやパラメータを格納する。105はサーバ装置100に設置されたハードディスクやメモリカードなどの記憶装置で、データを記憶する記憶部である。なお、記憶部105は、サーバ装置100に内蔵されていても良いし、着脱可能に構成されてもよい。例えば、フレキシブルディスク(FD)やCompact Disk(CD)等の光ディスク、磁気や光カード、ICカード、メモリカードなども含む。106はユーザの操作を受け、ユーザからの指示の入力を受付けるポインティングデバイスやキーボードなどの入力デバイス110とのインターフェイスである。107はサーバ装置100が出力すると映像信号を表示するためのモニタ111等の外部装置との情報の入出力を制御する出力デバイスインターフェイスである。108はネットワーク回線や撮影装置200と通信するためのネットワークインターフェイスである。109は101〜108の各ユニットを通信可能に接続するシステムバスである。
【0013】
続いて、撮影装置200の構成について、図2のブロック図を参照して説明する。図2において、201は撮影装置200全体の制御を行う制御部である。制御部201は、Central Processing Unit(CPU)202と、Random Access Memory(RAM)203と、Read Only Memory(ROM)204から構成される。CPU202は、後述するROM204や記憶部205に記憶されているプログラムを実行することにより、各ハードの制御、情報の演算を行い後述する処理や機能部を実現する。RAM203は、CPU202のワークメモリである。ROM204は、後述する処理や各機能部を実現させるプログラムやパラメータを格納する。205は撮影装置200に設置されたハードディスクやメモリカードなどの記憶装置であり、データを記憶する記憶部である。なお、記憶部205は、撮影装置200に内蔵されていても良いし、着脱可能に構成されてもよい。例えば、ICカード、メモリカードなども含む。212はユーザの操作を受け、データを入力するポインティングデバイスやコントロールキーなどの入力部である。213は撮影装置200の保持するデータやGUI(Graphical User Interface)を表示する液晶ディスプレイ等の表示部である。なお、タッチパネルとして入力部212と表示部213とが同一に構成されていても構わない。214は無線LAN等の外部機器と通信するための通信インターフェイス(I/F)である。撮影装置200は、通信I/F214を介してサーバ装置100と通信を行う。215は、レンズ、撮像素子、A/D変換部等から構成される撮像部である。撮像部215はレンズから介して取得した被写体光を撮像素子により電気信号として出力し、該電気信号をディジタルデータに変換して画像データを生成する。216は、撮影装置200の各ユニットを通信可能に接続するシステムバスである。
【0014】
続いて、上述した撮影支援システム300とインターネット301を介して接続して通信可能なSNSサーバ302について説明を行う。SNSサーバ302は、撮影支援に用いる複数の画像と撮影支援システムのユーザの画像の絵作りや構図等の好みや趣向に基づいて形成された画像との関連を示す情報を保持している。
【0015】
SNSサーバ302はSocial Networking Service(SNS)をインターネット301上で提供するためのWebサーバ機能を有する情報処理装置である。ここで、本実施形態に係るSNSとは、ユーザ夫々が画像やブログ等をSNS上にアップロードし、アップロードされた画像や他のユーザに対する評価やコメントを行うことが可能である。それらを通じてユーザ同士のコミュニケーションの場を提供するサービスである。また、同じ趣味や嗜好を持つ他のユーザが所属する「コミュニティ」等に参加することで同じ趣味や嗜好を持つ他のユーザの画像を検索、閲覧することができる。
【0016】
ユーザがSNSに登録すると、ユーザを一意に表すIDが提供される。本IDによりユーザはSNS上では一意に識別される。ユーザは他ユーザがアップロードした画像を閲覧し、画像の絵作り、構図等に関する好みや趣向に基づいて閲覧した画像に対しての評価を行う。また、他のユーザがSNS上にアップロードした画像に基づいて他ユーザを「お気に入り(フォロー)」に追加し動向を追うことが出来る。このようなSNS上での活動によりユーザ間またはユーザと画像の間に好みや趣向に基づいた関係性が構築される。また、同一の画像の好みに関する「コミュニティ」に所属することでユーザ間に画像の趣味や趣向に基づいた関連性が構築される。画像やユーザに対する評価の一例として、好き/好きではない(ライク/ノットライク)、の2通りを閲覧した他のユーザがアップロードした画像に付することができる。なお、画像やユーザに対する評価は、複数の値により段階的に嗜好を表現してもよい。また、SNSサーバ302は上述したSNSにおける活動を通じて構成されたユーザと他のユーザとの関連性に関する情報、ユーザと画像の関連性に関する情報、ユーザと関連がある画像を外部装置に提供することができる。
【0017】
本実施形態に係る撮影支援システム300はSNS上構築された画像の評価やコメントに基づいたユーザと他のユーザ、または、ユーザと画像との関連を示す関連情報をSNSサーバ302から取得する。ユーザと画像との関連を示す関連情報により、ユーザと関連があるSNS上の画像に基づいて撮影支援を行う。なお、ユーザとの関連を示す関連情報をSNSサーバ302から取得するのではなくサーバ装置100が予め記憶部105に保持していても良い。また、サーバ装置100自身がSNSをインターネット上に提供する構成としても構わない。
【0018】
続いて、サーバ装置100の機能構成について図4を用いて説明する。サーバ装置100は撮影者に撮影支援を提供するための装置である。サーバ装置100は、図4に示すように、通信部401、取得部402、解析部403、判別部404、生成部405、更新部406の機能構成を有する。各機能構成は、制御プログラムに基づいて、制御部101が情報の演算や加工を行うことおよび各ハードウェアを制御することで実現される。なお、図4に示す各機能構成の一部乃至全てがハードウェアにより構成されても良い。
【0019】
通信部401は撮影装置200と情報の送受信、インターネット301と通信を行う。取得部402はインターネット301上のSNSサーバ302からユーザと画像との関連を示す関連情報を取得する。解析部403は取得部402にて取得した関連情報を解析する。そして、解析部403は解析結果に基づいて、ユーザの好み、趣味、趣向が反映をするユーザと画像間の関連度を算出する。関連度は、ユーザと画像の関連の程度を示す値である。判別部404では、撮影支援に用いる画像に付与されたメタデータや画像中の特徴から、画像が特定の撮影条件に適合しているか否かを判別する。なお、本実施形態において撮影条件とは撮影者が撮影を行う際の被写体、撮影装置の各種パラメータ、撮影場所等に関する撮影を行う条件である。生成部405は、判別部404にて判別を行った結果と解析部403にて関連情報を解析した結果とをもとに、撮影条件に適合する画像を用いて撮影支援情報を生成する。撮影支援情報には、撮影時の撮影装置の各種パラメータの設定、撮影構図を支援するための情報が含まれる。更新部406は、作成した撮影支援情報を用いて実施の撮影を行ったかを示す撮影支援履歴をもとにSNSサーバ302上での関連情報を更新する。
【0020】
続いて、撮影装置200の機能構成について図5を用いて説明する。撮影装置200はサーバ装置100から取得した撮影支援情報をもとにユーザの撮影支援を行うことが可能である。撮影装置200は、図5に示すようにUI部501、通信部502、撮影条件取得部503、要求部504、撮影支援部505、履歴生成部506の機能構成を有する。各機能構成は、制御プログラムに基づいて、制御部201が情報の演算や加工を行うことおよび各ハードウェアを制御することで実現される。なお、図5に示す各機能構成の一部乃至全てがハードウェアにより構成されても良い。
【0021】
UI部501はユーザとの情報のやりとりするためのインターフェイスである。通信部502は、サーバ装置100等の外部装置との通信を行う。撮影条件取得部503は、撮影条件を取得する。要求部504は、撮影条件取得部503により取得された撮影条件と撮影者を一意に表すユーザ情報とを含む情報を生成する。そして、要求部504は、サーバ装置100に対して撮影支援を要求する。撮影支援部505では、要求部504の要求に応じて、サーバ装置100が生成した撮影支援情報を撮影者に対して提示する。撮影支援部505は、撮影支援情報を提示することで撮影者の撮影を支援する。履歴生成部506では、撮影支援情報を撮影者が実際に利用したか否かの情報を示す撮影支援情報の使用履歴を生成する。
【0022】
以上の構成を有する撮影支援システム300の動作を説明する。撮影支援システム300の特徴的な主な処理は、撮影者の撮影支援処理と、関連情報の更新処理である。これらの処理について図6、図10に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
【0023】
先ず、撮影支援処理について図6を用いて説明する。撮影支援処理が開始されると、撮影装置200の撮影条件取得部503はまずUI部501へのユーザ入力を検出し、撮影条件を取得する(S601)。この時、UI部501を介して、撮影者は撮影条件を入力する。なお、本実施形態において撮影条件は撮影モードとする。撮影モードの一例としては、人物写真を撮影するための「ポートレートモード」、風景画像を撮影するための「風景モード」、夜景をするための「夜景モード」、近くの被写体を撮影するための「マクロモード」等が考えられる。ユーザは、UI部501を介して撮影したい被写体に対応する撮得モードを選択する。なお、撮影条件として撮影モードを設定する場合を例にして説明を行うがこれに限られるものではない。例えば、予備撮影により撮影した画像の色彩判定、被写体識別等の画像解析を行い、解析結果に基づいて、撮影条件を自動で設定する構成としても良い。また、撮影装置200に搭載されているGPS(Global Positioning System)等のセンサの出力である位置情報を撮影条件として取得してもよい。
【0024】
次に撮影装置200の要求部504は、S601の出力として得られた撮影条件に関する情報とUI部501へのユーザからの入力により取得した撮影者を一意に表す情報とを含む撮影支援要求を生成する。ここで、撮影者を一意に表す情報としてSNSサーバ302のユーザIDとする。撮影装置200の要求部504は撮影支援要求を生成し、該情報を通信部502を介してサーバ装置100に送信する(S602)。サーバ装置100が撮影支援要求を受信する(S603)。次に、サーバ装置100の取得部402がインターネットを通じてSNSサーバ302にアクセスする。そして、取得部402は、S603にて受信した撮影支援要求に含まれるユーザIDを用いて、撮影者の関連情報を取得する(S604)。なお、SNSサーバ302は、入力されたユーザIDに対応するユーザの関連情報を入力元に対して出力する機能を有する。
【0025】
関連情報の一例を図15に示す。図15(a)は、撮影支援システムのユーザ(撮影者)のSNS上での活動において生成されたユーザと画像との関連を示す関連情報の一例である。1501は撮影者がSNS上にアップロードされた画像について好意的なコメント、好意的な評価をした画像である。1502は、撮影者が好意的なコメント、好意的な評価をした画像のIDを示す。1503は、SNS上にアップロードされた画像に基づいて、該画像をアップロードした他のユーザについて撮影者が好意的なコメント、好意的な評価をした人物である。1504は、SNS上で評価した人物のユーザIDを示す。また、ユーザID1504は、当該ユーザの関連情報を他のユーザに公開可能か否かの情報も含まれている。公開可能に設定されているユーザID1504に基づいてSNSサーバ302に要求を行うことでユーザID1504の関連情報を更に取得することができる。図15(b)は、撮影者に評価された「ユーザA」に関する関連情報である。1505は、ユーザAがSNS上にアップロードした画像を示す。1506は、ユーザAがSNS上にアップロードした画像のIDである。また、1507は、ユーザAがSNS上にアップロードされた画像に基づいて、該画像をアップロードした他のユーザについてユーザAが好意的なコメント、好意的な評価をした人物である。1508は、SNS上でユーザAが評価した人物のユーザIDを示す。なお、図15に示す関連情報は、一例に過ぎず、評価した画像1501をアップロードしたユーザのIDやユーザが参加しているコミュニティに関する情報を取得する構成としても構わない。また、撮影者がアップロードした画像を評価した他のユーザに関する情報を含む構成としても構わない。
【0026】
このように、関連情報は撮影者がSNS上にアップロードされた画像や人物の評価に基づいているので、撮影者の画像の好みや趣味、趣向を反映していると考えられる。例えば、撮影者が評価した画像は、ユーザ自身が直接好意的な評価を行っているためユーザの好みに合致する。また、撮影者が評価した他のユーザが保持している画像のように撮影者の画像の好みや趣味、趣向が似通った人物がアップロード、評価した画像の情報を取得することができる。また、撮影者が評価した他のユーザが評価した他のユーザ、撮影者が評価した画像を評価した他のユーザのように撮影者の画像の好みや趣味、趣向が似通った人物がアップロードや評価した画像の情報を取得することができる。
【0027】
図7では、取得した関連情報に基づいた撮影者と他のユーザや画像との関連度を示すための関連グラフである。関連グラフ700は、撮影者701、SNSで活動する他のユーザ、SNSにアップロードされた画像をノードとし、各ノード間を結ぶエッジを用いたグラフとして表現される。エッジにて結ばれたノード間には関連性が存在することを表す。SNS上の活動で他のユーザをフォローする、アップロードされた画像にライクの評価を付けるといった活動によりノード間の関係性が構築される。
【0028】
次に、サーバ装置100の解析部403が、取得した関連情報に基づいてSNS上の画像との関連度を算出し、判別部404は関連があるSNS上の画像からS601で取得した撮影条件と一致する画像を抽出する(S605)。まず、撮影者とSNS上の画像との関連度の算出に関して説明する。取得した関連情報に基づいた関連グラフ700において、任意の画像ノードと撮影者ノードとの間のホップ数をnとすると、撮影者ノードと、撮影者ノードからnホップ離れた画像の間の距離Snは以下の式であらわされる。
【0029】
【数1】

【0030】
本距離を撮影者と画像との関連度とし、値が小さい画像程、撮影者との関連が高いものとする。例えば、関連グラフ700において「画像1」、「画像2」は撮影者がSNS上で直接評価を行っているため、撮影者と関連がより高いので関連度は1となる。また、撮影者が人物そのものを評価した「ユーザA」がアップロードした画像である「画像A−1」、「画像A−2」は関連度2となる。また、撮影者が評価した「ユーザA」が評価した「ユーザB」がアップロードした「画像B−1」の関連度は3となる。「画像B−1」は撮影者が好意的な評価を行った画像をアップロードしている「ユーザA」が評価している人物「ユーザB」がアップロードした画像である。したがって、「画像B−1」も撮影者好みの画像である可能性が高いため関連があると判断する。
【0031】
続いて、判別部404は、撮影者と関連があるとされるSNS上の画像から、S601で取得した撮影条件と一致する画像を抽出する。判別部404は予め設定された所定の関連度内にある画像に対して、関連度が高い画像から順に、撮影支援要求に含まれる撮影条件に合致するか否かの判断を行う。なお、撮影条件に合致した画像を、推奨画像とする。なお、画像と撮影条件が一致するか否かの判定は、画像が有するメタデータに基づいて撮影条件に対応する属性を有するか否かを判定することによって行う。画像に付されたメタデータ記述の一例について、図14に示す。図14に記載された情報が画像と同一のデータとして構成されていてもよいし、画像と対応付けられた別のデータとして管理されていてもよい。画像のメタデータとしては、撮影対象を表すObject情報、撮影時間を表すDate情報、撮影位置を表すGPS情報、撮影時の撮影装置の設定を表すCameraSetting情報等がある。また、CameraSetting情報には撮影時の撮影モードが併せて付加される。これらのメタデータの少なくとも一部がSNS上にアップロードされた画像には予め付されているものとする。このメタデータは撮影時に撮影装置により自動で付されてもよいし、SNS上等でユーザが付与する構成としても良い。
【0032】
本実施例においては、判別部404は、撮影条件として設定された撮影モードと対応する属性を画像が有しているかで撮影条件に一致するか否かを判定する。判別部404は、画像のメタデータのCameraSetting情報の撮影時の撮影モードを参照し、撮影条件として設定されているモードと対応するかを判定する。なお、画像のCameraSetting情報以外の属性により撮影条件と一致するかを判定しても良い。例えば、撮影条件として撮影モードの「ポートレート」が設定されていた場合、被写体に関するObject情報を参照して、「人物」、「顔」等が設定されている画像を撮影条件が一致する画像とする。なお、判別部404は、予め撮影条件と対応する画像の属性をテーブルとして保持し、テーブルを参照することで撮影条件と画像が対応するかを判定する。
【0033】
また、画像の属性をメタデータにより取得する構成を示したがこれに限られるものではない。例えば、画像解析処理を行うことで画像の属性を取得する構成としてもよい。画像解析により撮影条件に一致する色彩、または、被写体を画像が有しているかによって判定する。例えば、撮影条件として「風景モード」が設定されていた場合、画像解析により、画像上部の色彩を解析し、空に該当する色彩を有している場合、撮影条件が一致すると判定する。また、撮影条件として撮影モードを例として説明を行ったが、これに限られるものではない。例えば、撮影位置を撮影条件とした場合、画像のGPS情報を利用して撮影条件が一致するかを判定しても良い。以上説明したように、判別部404は、画像が撮影条件に対応しているかの判別を行う。
【0034】
続いて、判別部404はS605において予め設定された任意の関連度内にある画像のうち、撮影条件に合致した画像があるかないかを判定する(S614)。撮影条件が一致する画像がない場合には、サーバ装置100が撮影装置200に撮影支援情報を返せないことを伝えるメッセージを送信し(S612)、撮影装置200はメッセージをUI部501に表示する。そして、再びS601に戻り、新たに撮影条件を設定させ以降の処理を再度行う。なお、より関連が低い画像を含め、再度判定を行う構成としてもよいし、サーバ装置100に予め保持している画像を用いて撮影支援を行う構成としてもよい。一方、S614においてに撮影条件が一致する画像がある場合は、S606に処理を進める。サーバ装置100の生成部405は、撮影条件が一致する画像(推奨画像)がある場合、推奨画像に基づいて撮影支援情報を生成する(S606)。ここで、撮影支援情報の一例として、推奨画像の属性である画像のメタデータに記述される各種パラメータ値の情報、画像の構図に関する情報、推奨画像から抽出される画像特徴情報等の情報に基づいて生成される。また、撮影支援情報には推奨画像そのものも含まれる。
【0035】
撮影支援情報として、例えば、推奨画像の撮影時のレンズのズーム値や露出情報などを自動で撮影装置200に設定するための情報であってよい。または、推奨画像の撮影位置情報や撮影方向であってもよい。または、推奨画像の絵作り情報、構図に関する情報であってよい。また、推奨画像群自体も撮影支援情報としてよい。上述の撮影支援情報は一例に過ぎず、本形態に限定されるものではない。
【0036】
次に、サーバ装置100の通信部401がS606にて生成された撮影支援情報を撮影装置200に送信し(S607)、撮影装置200がそれを受信する(S608)。次に、撮影装置200はS608にて受信した撮影支援情報に含まれる推奨画像をUI部501上に提示する(S609)。UI部501上への提示例について、図8に示す。図8は撮影装置200のUI部501の一例であり、表示画面801、物理キー802、決定ボタン803を有する。表示画面801には撮影プレビューと推奨画像一覧804と重畳して表示される。なお、推奨画像一覧804は推奨画像と撮影者の関連度が高い順にソートして表示する。推奨画像一覧804を関連度に基づいて関連度が高い順にソートして表示することで、関連度の高い推奨画像を優先的に推奨することが可能となる。
【0037】
撮影者は物理キー802を用いて選択カーソル805を任意の推奨画像に移動し、決定ボタン803を押下することで推奨画像を選択することが可能である(S610)。本実施例では物理キーを用いて画像の選択を行っているが、タッチパネル機能のついたUIなどを用いて選択操作を行っても構わない。UI部501は、使用する撮影支援情報を推奨画像から選択されたがの判定を行う(S610)。撮影者が利用したい画像が存在しない場合、撮影者はUI部501によりその旨を示す操作を行う。撮影装置200がサーバ装置100に、利用したい撮影支援情報が無いことを伝えるメッセージを送信する(S613)。メッセージを受信したサーバ装置100は、撮影条件との一致を判定した予め設定された所定の関連度の値をより関連が低い画像を含めるように再設定し、S605からの処理を再び行う。
【0038】
一方、S610において撮影者がUI部501上に提示された推奨画像の中から任意の画像を選択すると、撮影装置200の撮影支援部505は、選択された推奨画像に対応する撮影支援情報を用いて撮影支援を行う(S611)。撮影支援の一例を図9を用いて説明を行う。撮影支援形態900は推奨画像の輪郭成分を抽出した構図901と撮影プレビューとをUI部501上の表示画面801に重畳して表示する。撮影者は推奨画像の構図901と撮影プレビュー上の被写体が重なるように撮影することで、推奨画像の構図に基づいた好適な出力を得る撮影支援が可能である。また、推奨画像の輪郭成分ではなくオリジナル画像を透過させて撮影プレビューと重畳して表示する構成としても良い。撮影支援形態902は撮影装置200のUI部501上の表示画面801の隅に推奨画像903を配置する。撮影者は推奨画像を参照しながら撮影者が撮影を行うことで、推奨画像に近い好適な出力を得る撮影支援が可能である。撮影支援形態904は撮影装置200のUI部501上の表示画面801にグリッドを配置し、物理キー802にて推奨画像と撮影プレビューを切り替えて表示することが可能である。撮影者は撮影プレビューと推奨画像を切替えながら表示することで、推奨画像に近い好適な出力を得る撮影支援が可能である。
【0039】
なお、撮影支援情報の形態は、上記形態に限定されるものではなく、例えば、推奨画像が撮影された際の撮影位置情報や撮影した端末の方向や傾きの情報を用いて撮影場所まで誘導するナビゲーションを行うなどしてもよい。例えば、UI部501に地図を表示し、撮影装置200の現在位置と推奨画像が撮影された位置、撮影方向とを表示することで、推奨画像が撮影された撮影位置により撮影を行わせる支援が可能となる。また、推奨画像撮影時の撮影装置の設定や、推奨画像の絵作りの情報を用いて、推奨画像と近い画像を生成するように撮影装置の設定を変更する構成として良い。図6に戻り、S611において撮影装置200の撮影支援部505による撮影支援を行った後に、実際の撮影を行った場合は、使用した撮影支援情報に関する情報を記憶し、処理を終了する(S615、S616)。
【0040】
続いて、関連情報の更新処理について説明する。撮影者が実際に撮影支援に用いた推奨画像はより撮影者の嗜好や好みに適合する画像と考えられる。本情報を用いて、SNS上の関連情報をより撮影者の好みや嗜好を反映した形に更新する。
【0041】
関連情報の更新について図10のフローチャートを用いて説明する。先ず、撮影装置200はサーバ装置100から受信した撮影支援情報を記憶する(S1001)。また、その撮影支援情報を用いて撮影者が撮影を行ったか否かの情報を記憶する(S1002、図6のS616)。撮影装置200の履歴生成部506では、複数の推奨画像それぞれに基づいた撮影支援情報毎に、撮影者が撮影を行ったか否かの情報を設定し、撮影支援履歴を生成する(S1003)。撮影装置200の通信部502は、S1003にて生成した撮影支援履歴をサーバ装置100に送信し(S1004)、サーバ装置100の通信部401がそれを受信する(S1005)。次にサーバ装置の更新部406は通信部401を介してSNSサーバ302に通信し、撮影支援履歴情報をもとに、撮影支援時におけるユーザ嗜好を反映した形に関連情報を更新する(S1006)。関連情報の更新について図11を用いて説明する。撮影者701が撮影支援において、画像1102(画像A−1)に紐づいた撮影支援情報を使用した場合、撮影者701と画像1102の関連度を上げる処理をSNSサーバ302に更新部406が要求する。例えば、撮影者は画像1102にSNS上で直接評価を行ったとするようSNSサーバ302に要求する。関連情報更新処理により撮影者701と画像1102の間に直接エッジ1101が結ばれ、撮影前の関連度Sn=2からSn=1となり、撮影者701と画像1102の関連度はより高くなる。
【0042】
以上、本実施例によれば撮影者のSNS上での活動により構築されたSNS上にアップロードされた画像と撮影者の関連に基づいて、より関連が高い画像を用いて撮影支援を行うことができる。また、関連情報は撮影者の画像の好み、趣味趣向に基づいた画像または他のユーザの評価により形成されるので、影者の画像の好み、趣味趣向に合う画像を用いて撮影支援を行うことができる。さらに、実際に撮影に用いた撮影支援情報に含まれる画像との関連度を上げるように、関連情報を更新するので撮影者の好み、趣味趣向をより反映する関連情報に更新することが可能である。
【0043】
<実施形態2>
実施形態1では、SNS上での他のユーザや画像に対する評価は、「評価をした」、「評価をしてない」の2通りであるとして説明を行った。本実施形態では、SNS上での評価のレベルが、複数段階ある場合の撮影支援処理と、関連情報の更新処理について以下に記述する。
【0044】
本実形態における関連度算出に用いる関連グラフを図12に示す。関連グラフ1200は、各ノード間を結ぶエッジ1202が重みと方向を持つ、重み付有向グラフとして表現される。エッジの方向は、ノード間においてどちらのノードから関連性を構築したかを示すものである。例えば撮影者1201と画像1203(画像1)との関係において、矢印の起点である「撮影者1201が」矢印の終点である「画像1203を」評価したことを示す。エッジの方向は、一方向または双方向の方向性があり、双方向はノード間が互いに評価し合っていることを示す。エッジの重みには、1から5までの5段階の重みが設定され、値が大きいほどあるノードから有向エッジで結ばれるノードとの関連が高いことを表す。本重みは、撮影者がSNS上で他のユーザやアップロードした画像に対して5段階の評価を付けることにより値が決定される。ノード間を結ぶエッジが双方向のエッジの場合には、各方向それぞれについて重みが設定される。
【0045】
本実施形態での撮影支援処理について実施形態1と異なる関連度算出について詳細に説明を行う。図6のS605においてサーバ装置100の解析部403による関連度算出は、関連グラフ1200を用いて算出される。関連グラフ1200において任意の画像ノードと撮影者ノードとの間のホップ数をn、各経由エッジi(0<i<n)における重みをxiとすると、撮影者ノードと画像ノードと間の関連度Snは以下の式により算出される。
【0046】
【数2】

【0047】
(2)式により算出された値が小さい画像ノード程、撮影者との関連が高いものとする。
【0048】
次に、本実施形態での関連情報更新について実施形態1と異なる点について詳細に説明を行う。本実施形態における関連情報の更新について図13を用いて説明する。撮影者1301が撮影支援において、推奨画像1302に紐づいた撮影支援情報を利用した場合、撮影者1301と画像1302がより近い関係にあるものとして関連情報を更新する(S1006)。撮影者1301と画像1302の関係はユーザ1304を介した繋がりであるところ、関連情報更新処理により撮影者1301と画像1302の間に直接エッジ1303が結ばれる。この時、直接結ばれるエッジ1303は撮影者ノード1301から画像1302への方向を持ったエッジであり、エッジの重み1303には標準で5が設定される。この時、更新前の撮影者ノード1301から画像1302ノードへの距離はSn=9/20であるところ、更新後の撮影者ノード1301から画像1302ノードへの距離はSn=1/5<9/20となり、より両ノード間の距離が近くなる。新規に結ばれるエッジ1303の重みは標準で5を設定するが、撮影者が撮影装置200上で任意の値に重みづけを行っても構わない。
【0049】
以上、本実施形態によれば、撮影者の画像に対する評価の重みを反映することにより、より撮影者の好みや、趣味趣向を反映した関連情報に基づいた画像により撮影支援を行うことが可能となる。
【0050】
<実施形態3>
本実施形態では、ユーザの画像の条件に適合し、かつ、ユーザの好みや趣向に基づいてユーザと関連づいた画像を用いて、画像補正処理に関する支援を行う。以下、本実施形態について、図面を用いて説明する。なお、本実施形態において、SNSにアップロードされた画像には、γカーブ補正処理、空間フィルタ処理、肌色強調処理、赤目処理、色調補正等の画像補正処理が施されているものとする。本実施形態では、ユーザがどのような補正を画像にすべきかを判断するための支援する。
【0051】
本実施形態に係る画像ハンドリング支援システムの構成について図16を用いて説明する。本実施形態に係る画像ハンドリング支援システムはサーバ装置1600、クライアント装置1601、SNSサーバ302から構成される。なお、SNSサーバ302は実施形態1、2と同様の構成であるため詳細な説明については省略する。
【0052】
サーバ装置1600はインターネット301等のネットワークに接続され情報の送受信が可能な情報処理装置である。また、インターネット301にはSNSサーバ302が接続されており、サーバ装置1600はインターネット301を介してSNSサーバ302から情報の送受信を行うことができる。なお、図3に示すシステム構成は一例に過ぎず、それぞれの装置を物理的に同一のまたは複数の装置で構成してもよい。
【0053】
サーバ装置1600、クライアント装置1601のハードウェア構成について、図1のブロック図と同様である。なお、本実施形態におけるサーバ装置1600は単一のコンピュータ装置で実現してもよいし、必要に応じた複数のコンピュータ装置に各機能を分散して実現するようにしてもよい。複数のコンピュータ装置で構成される場合は、互いに通信可能なようにLocal Area Network(LAN)などで接続される。
0自身がSNSをインターネット上に提供する構成としても構わない。
【0054】
続いて、サーバ装置1600の機能構成について図17を用いて説明する。サーバ装置1600の各機能構成は記憶媒体に記憶されている制御プログラムに基づいて、制御部101が情報の演算や加工を行うことおよび各ハードウェアを制御することで実現される。なお、後述する各機能構成の一部乃至全てがハードウェアにより実現されても良い。
サーバ装置1600は、図17に示すように、通信部1701、取得部1702、解析部1703、判別部1704、生成部1705、更新部1706の機能構成を有する。また、サーバ装置1600は、抽出部1707、支援部1708、を有する。
【0055】
通信部1701はクライアント装置1601と情報の送受信、インターネット301と通信を行う。取得部1702はインターネット301上のSNSサーバ302からユーザと画像との関連を示す関連情報を取得する。解析部1703は取得部1702にて取得した関連情報を解析し、ユーザの好み、趣味、趣向が反映されているであろう度合いであるユーザと画像との関連度を算出する。判別部1704では、画像ハンドリング支援に用いる画像に付与されたメタデータや画像中の特徴から、画像が所定の条件に適合しているか否かを判別する。なお、本実施形態において所定の条件とはユーザの画像とSNSサーバ302にアップロードされている画像との画像間の関連に基づく。例えば、判別部1704は、画像間の被写体の類似、画像間の撮影場所等の類似、画像間の色調や類似に基づいて所定の条件が画像間で満たされるかを判別する。
【0056】
抽出部1707は、ユーザと画像との関連を示す情報に基づいて、SNSサーバ302にアップロードされている画像からユーザの趣味、趣向に合うと思われる画像を抽出する。例えば、ユーザがSNSにおいて評価した画像を同様に評価した他の人物がアップロードした画像を抽出する、また、抽出部1707はユーザが評価した他の人物が評価した別の他の人物がアップロードした画像を抽出する。そして、抽出部1707は更に判別部1704により、ユーザの画像とSNSサーバ302にアップロードされている画像との画像間の関連があると判定される画像を抽出する。
【0057】
生成部1705は、判別部1704にて判別を行った結果と解析部1703にて関連情報を解析した結果とをもとに、抽出部1707が抽出した所定の条件に適合する画像を用いて、支援情報を生成する。支援情報は、例えば、抽出部1707が抽出した画像の加工(画像処理)を行った際の各種パラメータを有している。更新部1706は、作成した支援情報を用いて実施の画像処理を行ったかを示す支援履歴をもとにSNSサーバ302上での関連情報を更新する。支援部1708は、生成部1705が生成した支援情報に基づいてユーザの画像ハンドリング処理を支援するための処理を行う。
【0058】
続いて、クライアント装置1601の機能構成について図18を用いて説明する。クライアント装置1601はサーバ装置1600から取得した支援情報をもとにユーザの支援を行うことが可能である。クライアント装置1601は、図5に示すようにUI部1801、通信部1802、画像条件取得部1803、要求部1804、支援部1805、履歴生成部1806の機能構成を有する。各機能構成は記憶媒体に記憶されている制御プログラムに基づいて、制御部201が情報の演算や加工を行うことおよび各ハードウェアを制御することで実現される。なお、後述する各機能構成の一部乃至全てがハードウェアにより実現されても良い。
【0059】
UI部1801はユーザとの情報のやりとりするためのインターフェイスである。通信部1802は、サーバ装置1600等の外部装置との通信を行う。画像条件取得部1803は、ユーザがハンドリングする画像(支援対象画像)の画像情報やメタデータなどを取得する。支援部1805では、要求部1804の要求に応じて、サーバ装置1600が生成した支援情報をクライアント装置1601のユーザに対して提示し、画像ハンドリング処理を支援する。要求部1804は、ユーザが所持する画像と該ユーザを一意に表すユーザ情報とを含む情報を生成し、サーバ装置1600に対して支援を要求する。履歴生成部1805では、支援情報をユーザが実際に利用したか否かの情報を示す支援情報の使用履歴を生成する。
【0060】
以上の構成を有する画像ハンドリング支援システムの動作を説明する。画像ハンドリング支援システムの特徴的な主な処理は、支援処理と、関連情報の更新処理である。
これらの処理について、各装置が制御プログラムを実行することにより実現される図19
に示すフローチャートを用いて以下に説明する。
【0061】
先ず、支援処理について図19を用いて説明する。支援処理が開始されると、クライアント装置1601の画像条件取得部1803はまずUI部1801へのユーザの支援対象画像指定を検出し、指定された画像の画像条件を取得する(S1901)。本実施形態において画像条件は、画像に写りこんでいるオブジェクトを検出するものとする。検出するオブジェクトの一例としては、人物、風景、夜景、動物、建物等が考えられる。
【0062】
なお、画像条件として被写体(オブジェクト)を例にして説明を行うがこれに限られるものではない。例えば、画像の特徴を定量的に表現した指標であるヒストグラム、エッジ量、人物の顔の位置や大きさ、赤目等の画像特徴量などを画像条件としてもよい。また、支援対象画像に付されているGPS(Global Positioning System)等のセンサの出力である位置情報や撮影日時を画像条件として取得してもよい。
【0063】
次にクライアント装置1601の要求部1804は、S1901の出力として得られた画像条件に関する情報とUI部1801へのユーザからの入力により取得したユーザを一意に表す情報とを含む支援要求を生成する。ここで、ユーザを一意に表す情報としてSNSサーバ302のユーザIDとする。クライアント装置1601の要求部1804は支援要求を生成し、該情報を通信部1802を介してサーバ装置1600に送信する(S1902)。サーバ装置1600は支援要求を受信する(S1903)。次に、サーバ装置1600の取得部1702がインターネットを通じてSNSサーバ302にアクセスし、S1903にて受信した支援要求に含まれるユーザIDを用いて、ユーザの関連情報を取得する(S1904)。なお、SNSサーバ302は、入力されたユーザIDに対応するユーザの関連情報を入力元に対して出力する機能を有する。
【0064】
図20は、取得した関連情報に基づいたユーザと他のユーザや画像との関連度を示すための関連グラフである。関連グラフは、本システムのユーザ2001、SNSで活動する他のユーザ、SNSにアップロードされた画像をノードとし、各ノード間を結ぶエッジを用いたグラフとして表現される。エッジにて結ばれたノード間には関連性が存在することを表す。SNS上の活動で他のユーザをフォローする、アップロードされた画像にライクの評価を付ける、他のユーザにライクの評価を付けるといった活動によりノード間の関係性が構築される。
【0065】
図20に示す関連グラフにおいて「画像1」はユーザ2001(画像ハンドリング支援システムのユーザ)がアップロードした画像である。「他のユーザD」(SNSのユーザ)は、ユーザ2001がアップロードした画像1をSNS上で好意的に評価した人物である。「画像X−3」は他のユーザDがSNS上で好意的に評価した画像である。また、「画像D−1」は、他のユーザDがアップロードした画像である。このような、画像1、画像D−1および画像X−3は、ユーザ2001好みの画像である可能性が高いため、ユーザ2001との関連が構築される。
【0066】
「画像X−1」は、ユーザ2001が直接SNS上で好意的に評価を行った画像である。「他のユーザB」は、SNS上でユーザ2001が評価した画像X−1を同様にSNS上で好意的に評価した人物である。また、「画像B−1」は他のユーザBがSNSにアップロードした画像である。「画像X−2」は、他のユーザBがSNS上で好意的に評価した画像である。このような、画像X−1、画像B−1および画像X−2は、ユーザ2001好みの画像である可能性が高いため、ユーザ2001との関連が構築される。
【0067】
「他のユーザA」は、他のユーザAがアップロードした画像やSNS上の活動に基づいて、ユーザ2001が好意的に評価した人物である。また、「画像A−1」は他のユーザAがSNSにアップロードした画像である。「画像X−5」は、他のユーザAがSNS上で好意的に評価した画像である。「他のユーザC」は、ユーザ2001が直接SNS上で好意的に評価を行った他のユーザAが直接SNS上で好意的に評価した人物である。「画像X−6」は、他のユーザAがSNS上で好意的に評価した画像である。「画像C−1」は他のユーザCがSNSにアップロードした画像である。このような、画像A−1、画像X−5、画像X−6および画像C−1は、ユーザ2001好みの画像である可能性が高いため、ユーザ2001との関連が構築される。
【0068】
「画像E−1」は、ユーザ2001が直接SNS上で好意的に評価を行った画像である。
また、画像E−1は、「他のユーザE」(SNSのユーザ)がSNSにアップロードした画像である。同様に「画像E−2」は、他のユーザEがSNSにアップロードした画像である。「画像X−4」は、他のユーザEがSNS上で好意的に評価した画像である。このような、画像E−1、画像E−2および画像X−4は、ユーザ2001好みの画像である可能性が高いため、ユーザ2001との関連が構築される。
【0069】
次に、サーバ装置1600の解析部1703が、取得した関連情報に基づいてSNS上の画像との関連度を算出する。また、判別部1704は関連があるSNS上の画像からS1901で取得した画像条件と一致するかを判別する。そして、抽出部1707は支援対象画像と画像条件が一致する画像を抽出する(S1905)。
【0070】
本実施例も上述の(1)式を用いて関連度を算出する。図20に示すユーザ2001とSNSの他ユーザに対応する画像ノードとの夫々の関連度は、画像D−1:関連度3、画像X−3:関連度3、画像X−1:関連度1、画像B−1:関連度3、画像X−2:関連度3となる。同様に画像A−1:関連度2、画像X−5:関連度2、画像X−6:関連度3、画像C−1:関連度3、画像E−1:関連度1、画像E−2:関連度3、画像X−4:関連度3となる。
【0071】
判別部1704は、ユーザと関連があるとされるSNS上の画像をS1901で取得した画像条件と一致するかを判別する。判別部1704は予め設定された所定の関連度内にある画像に対して、関連度が高い画像から順に、支援要求に含まれる画像条件に合致するか否かの判断を行う。なお、支援対象画像とSNS上の画像間において画像条件が一致するか否かの判定は、画像が有するオブジェクト(被写体)が同様か否かにより判定する。
【0072】
判別部1704は、公知のオブジェクト判別処理を画像情報に基づいて行い、画像上のオブジェクトを検出する。そして、支援対象画像とSNS上の画像間に対応するオブジェクトが共通して存在するかを判定する。
【0073】
例えば、画像条件として支援対象画像から人物が検出された場合、SNSにアップロードされた画像からも同等に人物が検出されたら画像間は画像条件が一致すると判定する。
【0074】
画像のGPS情報を利用して画像条件が一致するかを判定しても良い。また、画像条件は撮影場所、撮影時間、撮影パラメータ等に基づいて設定される構成であってよい。抽出部は1707は、任意の関連度内にある画像のうち、画像条件が一致するSNSにアップロードされた画像を抽出する。そして、抽出部1707は、画像条件に合致し、抽出した画像があるかないかを判定する(S1914)。画像条件が一致する画像がない場合には、サーバ装置1600がクライアント装置1601に支援情報を返せないことを伝えるメッセージを送信し(S1912)、クライアント装置1601はメッセージをUI部1801に表示する。そして、再びS1901に戻り、新たに画像条件を設定させ以降の処理を再度行う。なお、より関連が低い画像を含め、再度判定を行う構成としてもよいし、サーバ装置1600に予め保持している画像を用いて支援を行う構成としてもよい。一方、S1914においてに画像条件が一致する画像がある場合は、S1906に処理を進める。サーバ装置1600の生成部1705は、画像条件が一致する画像(推奨画像)がある場合、推奨画像に基づいて支援情報を生成する(S1906)。ここで、支援情報の一例として、
支援情報として、例えば、推奨画像に施された画像処理の順序や各処理に関わるパラメータにより、支援対象画像を補正するための情報であってよい。または、推奨画像の画像補正を施す前と後の画像データを支援情報としてよい。また、推奨画像群自体も支援情報としてよい。上述の支援情報は一例に過ぎず、本形態に限定されるものではない。
【0075】
次に、サーバ装置1600の支援部1708が、通信部1701を介してS1906にて生成された支援情報をクライアント装置1601に送信する(S1907)。クライアント装置1601がそれを受信する(S1908)。次に、クライアント装置1601はS1908にて受信した支援情報に含まれる推奨画像をUI部1801上に提示する(S1909)。なお、推奨画像に施された画像補正手順により支援対象画像を補正した結果画像の一覧804を表示する構成としてよい。
【0076】
ここで、推奨画像は、ユーザとの関連度が高い順にソートして表示する。ユーザ指示に基づいて、実施の補正処理に用いる推奨画像選択が検出されるかを判定する(1710)。UI部1801は、使用する支援情報を推奨画像から選択されたがの判定を行う(S1910)。ユーザが利用したい画像が存在しない場合、ユーザはUI部1801によりその旨を示す操作を行う。クライアント装置1601がサーバ装置1600に、利用したい支援情報が無いことを伝えるメッセージを送信する(S1913)。メッセージを受信したサーバ装置1600は、画像条件との一致を判定した予め設定された所定の関連度の値をより関連が低い画像を含めるように再設定し、S1905からの処理を再び行う。
【0077】
一方、S1910においてユーザがUI部1801上に提示された推奨画像の中から任意の画像を選択すると、クライアント装置1601の支援部1805は、選択された推奨画像に施されている画像補正を支援対象画像に対しても施し、そのプレビュー画像をUI部1801を介してユーザに提示する(S1911)。そして、クライアント装置1601の支援部1805による支援を行った後に、画像補正を行った支援対象画像を記憶した場合は、使用した支援情報に関する情報を記憶し、処理を終了する(S1915、S1916)。
【0078】
続いて、関連情報の更新処理について説明する。ユーザが実際に支援に用いた推奨画像はよりユーザの嗜好や好みに適合する画像と考えられる。本情報を用いて、SNS上の関連情報をよりユーザの好みや嗜好を反映した形に更新する。関連情報の更新については、実施形態1で説明したので詳細は割愛する。
【0079】
以上、本実施形態によればユーザのSNS上での活動により構築されたSNS上にアップロードされた画像とユーザの関連に基づいて、より関連が高い画像を用いて支援を行うことができる。また、関連情報はユーザの画像の好み、趣味趣向に基づいた画像または他のユーザの評価により形成されるので、ユーザの画像の好み、趣味趣向に合う画像を用いて支援を行うことができる
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0080】
100 サーバ装置
200 撮影装置
300 撮影支援システム
301 インターネット
302 SNSサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に関する処理を支援する支援システムであって、
ユーザと画像との関連を示す情報に基づいて、少なくとも、前記ユーザが評価した画像を評価した他の人物に対応する画像、前記ユーザが評価した他の人物が評価した別の他の人物に対応する画像、前記ユーザが評価した画像に対応する他の人物が評価した画像、または、前記ユーザに対応する画像を評価した他の人物に対応する画像の何れかから、支援対象画像と対応する画像を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出した画像に基づいて前記支援対象画像に関する処理を支援する支援手段とを有することを特徴とする支援システム。
【請求項2】
前記ユーザと画像との関連を示す情報は、前記ユーザの画像に対する評価に基づいていることを特徴とする請求項1記載の支援システム。
【請求項3】
前記ユーザと画像との関連を示す情報は、前記ユーザの前記画像に対応する人物に対する評価に基づいていることを特徴とする請求項1または2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記支援手段は、前記抽出手段により抽出された画像を提示することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の支援システム。
【請求項5】
前記抽出手段により抽出された複数の画像の何れかを選択する選択手段と、
前記支援手段は、前記選択手段により選択された画像に基づいて前記支援対象画像に関する処理を支援することを特徴とする請求項1乃至4何れか1項に記載の支援システム。
【請求項6】
前記ユーザと画像との関連を示す情報に基づいて、当該ユーザと前記画像との関連度を算出する算出手段と、
前記抽出手段により抽出された複数の画像を前記算出手段により算出された関連度に基づいて、ソートするソート手段と、
前記ソート手段によりソートした順に前記抽出手段により抽出された画像を表示する表示手段とを更に有し、
前記選択手段は前記表示手段により表示された画像の何れかを選択することを特徴とする請求項5に記載の支援システム。
【請求項7】
前記選択手段による支援に用いる画像の選択がない場合に、前記抽出手段が抽出する画像より前記ユーザと関連が低い画像から、前記支援対象画像に対応する画像を抽出する再抽出手段を更に有し、
前記支援手段は、前記再抽出手段により抽出された画像に基づいて前記支援対象画像に関する処理を支援することを特徴とする請求項5または6に記載の支援システム。
【請求項8】
前記ユーザが前記支援手段による支援に基づいて、前記支援対象画像に関する処理を実行した場合、前記支援手段が支援に用いた画像に基づいて、前記ユーザと画像との関連を示す情報を更新する更新手段とを有すること特徴とする請求項1乃至7項何れか1項に記載の支援システム。
【請求項9】
前記抽出手段は、撮影装置における撮影条件に対応する画像を抽出し、
前記支援手段は、前記撮影装置において前記支援対象画像を撮影するための支援を行うことを特徴とする請求項1乃至8何れか1項に記載の支援システム。
【請求項10】
前記抽出手段は、前記支援対象画像上のオブジェクトと対応するオブジェクトを有する画像を抽出し、
前記支援手段は、前記支援対象画像を補正するための支援を行うことを特徴とする請求項1乃至8何れか1項に記載の支援システム。
【請求項11】
前記支援手段は、前記他の人物または前記別の他の人物が外部装置にアップロードした画像に基づいて前記支援対象画像に関する処理を支援することを特徴とする請求項1乃至10何れか1項に記載の支援システム。
【請求項12】
情報処理装置であって、
ユーザと画像との関連を示す情報に基づいて、少なくとも、前記ユーザが評価した画像を評価した他の人物に対応する画像、前記ユーザが評価した他の人物が評価した別の他の人物に対応する画像、前記ユーザが評価した画像に対応する他の人物が評価した画像、または、前記ユーザに対応する画像を評価した他の人物に対応する画像の何れかから、支援対象画像と対応する画像を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出した画像に基づいて前記支援対象画像に関する処理を支援するための支援手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置の制御方法であって、
ユーザと画像との関連を示す情報に基づいて、少なくとも、前記ユーザが評価した画像を評価した他の人物に対応する画像、前記ユーザが評価した他の人物が評価した別の他の人物に対応する画像、前記ユーザが評価した画像に対応する他の人物が評価した画像、または、前記ユーザに対応する画像を評価した他の人物に対応する画像の何れかから、支援対象画像と対応する画像を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程において抽出した画像に基づいて前記支援対象画像に関する処理を支援する支援工程とを有することを特徴とする情報処理装置の制御方法
【請求項14】
請求項13に記載の画像処理支援方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−21680(P2013−21680A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−113473(P2012−113473)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】