説明

画像データ処理装置、磁気共鳴装置、画像データ処理方法、およびプログラム

【課題】撮影したい部位の特徴点の検出精度を向上させる。
【解決手段】コロナル投影データの肝臓が投影された領域の内側に関心領域ROIを設定し、平均値m、標準偏差σ、平均値m、および標準偏差σを算出する。そして、各ピクセルの信号値と、隣接するピクセルの信号値の差とに基づいて、肝臓の下端のSI方向の位置を表す候補点を決定する。候補点を決定したら、候補点の中から、SI方向の位置座標が最下点となる候補点を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影部位の特徴点を検出するための画像データ処理装置、磁気共鳴装置、画像データ処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴装置で被検体を撮影する場合、一般的には、オペレータが手動で撮影部位にスライス位置を設定している。しかし、スライス位置を手動で設定するのは、オペレータに負担が掛かるなどの問題がある。そこで、スライス位置を自動で設定する技術が開示されている。例えば、椎間板のスライス位置を自動で設定する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−051248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、近年、脳や肝臓などの部位についても、スライス位置を自動で設定する技術が研究されている。例えば、肝臓のスライス位置を自動で設定する方法の一つとして、スライス位置決め用の画像データを収集し、収集した画像データから肝臓の特徴点(例えば、肝臓の上端および下端)を検出し、検出した肝臓の特徴点に基づいて、肝臓のスライス位置を設定する方法がある。しかし、患者の肝臓が変形している場合や、脂肪が十分に抑制されていない場合などは、肝臓の特徴点の検出精度が悪くなるという問題がある。したがって、撮影したい部位の特徴点の検出精度を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、被検体の所定の部位を含む撮影部位の画像データを作成する画像データ作成手段と、
前記画像データの投影データを作成する投影データ作成手段と、
前記投影データのピクセルと、前記ピクセルに隣接する隣接ピクセルとの信号値の差に基づいて、前記特徴点の所定方向の位置を検出する検出手段と、を有する画像データ処理装置である。

本発明の第2の態様は、上記の画像データ処理装置を有する磁気共鳴装置である。

本発明の第3の態様は、被検体の所定の部位を含む撮影部位の画像データを作成する画像データ作成ステップと、
前記画像データの投影データを作成する投影データ作成ステップと、
前記投影データのピクセルと、前記ピクセルに隣接する隣接ピクセルとの信号値の差に基づいて、前記特徴点の所定方向の位置を検出する検出ステップと、を有する画像データ処理方法である。

本発明の第4の態様は、被検体の所定の部位を含む撮影部位の画像データを作成する画像データ作成処理と、
前記画像データの投影データを作成する投影データ作成処理と、
前記投影データのピクセルと、前記ピクセルに隣接する隣接ピクセルとの信号値の差に基づいて、前記特徴点の所定方向の位置を検出する検出処理と、を計算機に実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
隣接するピクセルの信号値の差を利用することによって、特徴点の所定方向の位置の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
【図2】本形態で実行されるスキャンを示す図である。
【図3】撮影部位を概略的に示す図である。
【図4】本形態において被検体を撮影するときのフローを示す図である。
【図5】ステップST1〜ST3の説明図である。
【図6】ステップST4およびST5の説明図である。
【図7】ステップST6およびST7の説明図である。
【図8】テンプレートデータTDの作成方法の一例の説明図である。
【図9】ステップST9における平均値mおよび標準偏差σの算出方法の説明図である。
【図10】肝臓の投影領域Rlivに含まれているピクセルPlivと、肺の投影領域Rlungに含まれているピクセルPlungと、腸の投影領域Rintに含まれているピクセルPintの拡大図である。
【図11】yおよびyriの説明図である。
【図12】候補点の決定方法の一例の説明図である。
【図13】カーネルKが位置xに存在しているときの領域エネルギーEの算出方法の説明図である。
【図14】カーネルKを2つに分けた場合の例である。
【図15】各ラインごとに検出された肝臓の下端側のエッジVi+1〜Vを示す図である。
【図16】選択された候補点Vを示す図である。
【図17】ステップST6で検出された肝臓の上端のSI方向の位置z(図7(f)参照)と、ステップST11で検出された肝臓の下端のSI方向の位置zとを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
【0009】
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
【0010】
マグネット2は、被検体12が収容されるボア21と、超伝導コイル22と、勾配コイル23と、送信コイル24とを有している。超伝導コイル22は静磁場を印加し、勾配コイル23は勾配パルスを印加し、送信コイル24はRFパルスを送信する。尚、超伝導コイル22の代わりに、永久磁石を用いてもよい。
【0011】
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体12はボア21に搬送される。
【0012】
受信コイル4は、被検体12の腹部に取り付けられている。受信コイル4は、被検体12からの磁気共鳴信号を受信する。
【0013】
MR装置100は、更に、シーケンサ5、送信器6、勾配磁場電源7、受信器8、中央処理装置9、操作部10、および表示部11などを有している。
【0014】
シーケンサ5は、中央処理装置9の制御を受けて、パルスシーケンスの情報を送信器6および勾配磁場電源7に送る。
【0015】
送信器6は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、RFコイル24を駆動する駆動信号を出力する。
【0016】
勾配磁場電源7は、シーケンサ5から送られた情報に基づいて、勾配コイル23を駆動する駆動信号を出力する。
【0017】
受信器8は、受信コイル4で受信された磁気共鳴信号を信号処理し、中央処理装置9に出力する。
【0018】
中央処理装置9は、シーケンサ5および表示部11に必要な情報を伝送したり、受信器8から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。中央処理装置9は、例えばコンピュータ(computer)によって構成される。中央処理装置9は、画像データ作成手段91〜検出手段95などを有している。
【0019】
画像データ作成手段91は、被検体の肝臓を含む撮影部位の画像データを作成する。
投影データ作成手段92は、画像データ作成手段91により作成された画像データの投影データを作成する。
投影プロファイル作成手段93は、投影データ作成手段92により作成された投影データの投影プロファイルを作成する。
範囲決定手段94は、投影プロファイルに基づいて、被検体の内側の範囲を決定する。
【0020】
検出手段95は、肝臓の特徴点(上端および下端)のSI方向の位置を検出する。検出手段95は、関心領域設定手段95A、算出手段95B、候補点決定手段95C、および候補点選択手段95Dなどを有している。
【0021】
関心領域設定手段95Aは、コロナル投影データDCの肝臓が投影された領域の内側に関心領域ROIを設定する(図7参照)。
【0022】
算出手段95Bは、関心領域ROIの中のピクセルの信号値に基づいて、平均値m、標準偏差σ、平均値m、標準偏差σを算出する(ステップST8およびST9参照)。
【0023】
候補点決定手段95Cは、肝臓の特徴点のSI方向の位置を検出するための候補点を決定する。
【0024】
候補点選択手段95Dは、候補点決定手段95Cが決定した候補点の中から、一つの候補点を選択する。
【0025】
中央処理装置9は、画像データ作成手段91〜検出手段95の一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。中央処理装置9は、画像データ処理装置に相当する。
【0026】
操作部10は、オペレータにより操作され、種々の情報を中央処理装置9に入力する。表示部11は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
【0027】
図2は本形態で実行されるスキャンを示す図、図3は撮影部位を概略的に示す図である。
本形態では、スカウトスキャンと本スキャンが実行される。
【0028】
スカウトスキャンは、肝臓を含む撮影部位の画像データを取得するためのスキャンである。スカウトスキャンによって取得された画像データは、肝臓の上端のSI方向の位置zと、肝臓の下端のSI方向の位置zとを検出するために使用される。本形態では、スカウトスキャンは、肝臓を高信号で取得することができるようなスキャンであり、例えば、T1系のシーケンスを用いたスキャンである。
【0029】
本スキャンは、肝臓の上端および下端のSI方向の位置zおよびzに基づいて肝臓の画像データを取得するためのスキャンである。
【0030】
図4は、本形態において被検体を撮影するときのフローを示す図、図5〜図17は、図4に示すフローの各ステップを説明するときに使用される図である。
【0031】
ステップST1では、スカウトスキャン(図2参照)を実行する。画像データ作成手段91(図1参照)は、スカウトスキャンにより収集された磁気共鳴信号に基づいて、撮影部位の画像データVDを作成する。図5(a)に、スカウトスキャンにより取得された画像データVDを概略的に示す。スカウトスキャンを実行した後、ステップST2に進む。
【0032】
ステップST2では、投影データ作成手段92(図1参照)が、図5(b)に示すように、ステップST1で取得された画像データVDの右半分のデータVDrのサジタル投影データDSを作成する。サジタル投影データDSを作成した後、ステップST3に進む。
【0033】
ステップST3では、投影プロファイル作成手段93(図1参照)が、図5(c)に示すように、ステップST2で作成されたサジタル投影データDSをSI方向に投影し、投影プロファイルPPを作成する。投影プロファイルPPを作成した後、ステップST4に進む。
【0034】
ステップST4では、範囲決定手段94(図1参照)が、投影プロファイルPPに基づいて、被検体の内側の範囲を決定する。被検体の内側の信号値は、被検体の外側(体外領域)の信号値よりも高くなるので、投影プロファイルPPの値が大きくなる範囲が、被検体の内側の範囲Rと考えられる。したがって、図6(d)に示すように、投影プロファイルPPに対して、被検体の内側の範囲Rを決定するための基準ラインFを算出し、基準ラインFと投影プロファイルPPとの交点を検出することによって、被検体の内側の範囲Rの両端の位置Th1およびTh2を求めることができる。基準ラインFの算出方法としては、例えば、以下の式を用いることができる。
F=Noise+k*σ ・・・(1)
ここで、Noise:投影プロファイルPPの体外領域から抽出されたデータの平均値
σ:体外領域から抽出されたデータの標準偏差
k:係数
kは、例えば、k=3とすることができる。
【0035】
範囲決定手段94は、Noiseの値を求めるために、投影プロファイルPPの端部の範囲Routからデータを抽出する。この範囲Routは、投影プロファイルPPの中心から十分に離れているので、この範囲Routからデータを抽出することによって、体外領域のデータのみが抽出される。したがって、抽出するデータの中に、体内領域のデータが含まれないようにすることができる。範囲決定手段94は、体外領域からデータを抽出した後、Noiseおよびσを求めて基準ラインFを算出し、被検体の内側の範囲Rの両端の位置Th1およびTh2を求める。したがって、被検体の内側の範囲Rを決定することができる。被検体の内側の範囲Rを決定したら、ステップST5に進む。
【0036】
ステップST5では、投影データ作成手段92が、図6(e)に示すように、画像データVDの中から、ステップST4で求められた位置Th1とTh2との間のデータVDmを取り出し、このデータVDmのコロナル投影データDCを作成する。肝臓は高信号であるので、コロナル投影データDCにおいて肝臓が投影された投影領域Rは、他の投影領域よりも、白く強調される。したがって、コロナル投影データDCを作成することによって、肝臓の大まかな範囲を知ることができる。コロナル投影データDCを作成した後、ステップST6に進む。
【0037】
ステップST6では、検出手段95(図1参照)は、コロナル投影データDCの中から、肝臓の上端のSI方向の位置zを表す特徴点を検出する。図7(f)に、検出した特徴点Pを示す。肝臓は高信号であるが、肺は低信号であるので、信号強度が急激に低下する位置を検出することによって、肝臓の上端のSI方向の位置zを表す特徴点Pを検出することができる。特徴点Pを検出した後、ステップST7に進む。
【0038】
ステップST7では、関心領域設定手段95A(図1参照)が、コロナル投影データDCの肝臓が投影された領域の内側に関心領域ROIを設定する。
【0039】
図7(g)は、設定された関心領域ROIを示す図である。
本形態では、肝臓のテンプレートデータTDを用いて関心領域ROIを設定する。テンプレートデータTDは、被検体を撮影する前に事前に作成されている。以下に、テンプレートデータTDの作成方法の一例について説明する。
【0040】
図8は、テンプレートデータTDの作成方法の一例の説明図である。
先ず、ステップST1〜ST5と同様の手順で、複数の被検体SUB〜SUBの各々のコロナル投影データDC〜DCを作成する(図8(a1)〜(an))。
【0041】
コロナル投影データDC〜DCを作成したら、コロナル投影データDC〜DCの各々に対して、投影された肝臓の輪郭OL〜OLを特定する(図8(b1)〜(bn))。この特定は、テンプレートデータTDを作成する者が、コロナル投影データDC〜DCを参考にして手作業で行う。肝臓の輪郭OL〜OLを特定したら、これらの輪郭OL〜OLのデータを抽出する。そして、被検体SUB〜SUBごとに得られた輪郭OL〜OLのデータを平均し(図8(c))、この平均データをスケールダウンする。スケールダウンされた平均データを、テンプレートデータTDとする(図8(d))。本形態では、平均データを0.5倍にスケールダウンしたものを、テンプレートデータTDとしている。テンプレートデータTDは、肝臓の上端のSI方向の位置を表す特徴点Pを有している。
【0042】
関心領域設定手段95Aは、テンプレートデータTDの特徴点Pが、ステップST6で検出した特徴点Pに重なるように、テンプレートデータTDを位置決めする。テンプレートデータTDを作成するときに使用された平均データ(図8(c)参照)は0.5倍にスケールダウンされているので、テンプレートデータTDの面積は、コロナル投影データDCにおける肝臓の投影領域Rlivの面積よりも、十分に小さくなる。したがって、コロナル投影データDCの特徴点PにテンプレートデータTDの特徴点Pを重ねることによって、肝臓の投影領域Rlivの内側にテンプレートデータTDを位置決めすることができる。尚、肝臓の投影領域Rlivの内側に、テンプレートデータTDを位置決めすることができるのであれば、平均データのスケールダウンの値は、0.5倍に限定されることはない。このようにして位置決めされたテンプレートTDで囲まれた領域が、関心領域ROIとなる。関心領域ROIを設定したら、ステップST8に進む。
【0043】
ステップST8では、算出手段95B(図1参照)は、関心領域ROIの中のピクセルの信号値の平均値mと、標準偏差σとを算出する。平均値mおよび標準偏差σを算出したら、ステップST9に進む。
【0044】
ステップST9では、算出手段95Bは、関心領域ROIの中のピクセルの信号値を用いて、以下の値を算出する。
(1)関心領域ROIの中の隣接するピクセルの信号値の差の平均値m
(2)関心領域ROIの中の隣接するピクセルの信号値の差の標準偏差σ
【0045】
図9は、ステップST9における平均値mおよび標準偏差σの算出方法の説明図である。
【0046】
算出手段95Bは、関心領域ROIの中から、3×3個のピクセルを抽出する。図9の(a)、(b)、および(c)には、抽出された3×3個のピクセルの例が示されている。例えば、図9の(a)では、中心にピクセルPが位置し、ピクセルPには8個のピクセルP11〜P18が隣接している。算出手段95Bは、図9の(a)に示す3×3個のピクセルを抽出した場合、中心のピクセルPと、隣接ピクセルP11〜P18との信号値の差Δy11〜Δy18を算出する(式(1a)〜(1h)参照)。
Δy11=y−y11 ・・・(1a)
Δy12=y−y12 ・・・(1b)
Δy13=y−y13 ・・・(1c)
Δy14=y−y14 ・・・(1d)
Δy15=y−y15 ・・・(1e)
Δy16=y−y16 ・・・(1f)
Δy17=y−y17 ・・・(1g)
Δy18=y−y18 ・・・(1h)

ここで、
:中心のピクセルPの信号値
11〜y18:ピクセルPに隣接するピクセルP11〜P18の信号値
【0047】
算出手段95Bは、信号値の差Δy11〜Δy18を算出したら、関心領域ROIの中で、抽出する3×3個のピクセルの位置をずらし、ピクセルの信号値の差を算出する。例えば、図9の(b)に示す3×3個のピクセルを抽出した場合、中心のピクセルPと、隣接ピクセルPk1〜Pk8との信号値の差Δyk1〜Δyk8を算出する(式(2a)〜(2h)参照)。
Δyk1=y−yk1 ・・・(2a)
Δyk2=y−yk2 ・・・(2b)
Δyk3=y−yk3 ・・・(2c)
Δyk4=y−yk4 ・・・(2d)
Δyk5=y−yk5 ・・・(2e)
Δyk6=y−yk6 ・・・(2f)
Δyk7=y−yk7 ・・・(2g)
Δyk8=y−yk8 ・・・(2h)

ここで、
:中心のピクセルPの信号値
k1〜yk8:ピクセルPに隣接するピクセルPk1〜Pk8の信号値
【0048】
また、図9の(c)に示す3×3個のピクセルを抽出した場合、中心のピクセルPと、隣接ピクセルPz1〜Pz8との信号値の差Δyz1〜Δyz8を算出する(式(3a)〜(3h)参照)。
Δyz1=y−yz1 ・・・(3a)
Δyz2=y−yz2 ・・・(3b)
Δyz3=y−yz3 ・・・(3c)
Δyz4=y−yz4 ・・・(3d)
Δyz5=y−yz5 ・・・(3e)
Δyz6=y−yz6 ・・・(3f)
Δyz7=y−yz7 ・・・(3g)
Δyz8=y−yz8 ・・・(3h)

ここで、
:中心のピクセルPの信号値
z1〜yz8:ピクセルPに隣接するピクセルPz1〜Pz8の信号値
【0049】
このように、関心領域ROIの中で、抽出する3×3個のピクセルの位置をずらしながら、信号値の差を算出する。算出手段95Bは、信号値の差を算出した後、これらの信号値の差の平均値mと、標準偏差σとを算出する。平均値mと、標準偏差σとを算出したら、ステップST10に進む。
【0050】
ステップST10では、肝臓の下端のSI方向の位置を検出するための候補点を決定する。以下に、候補点の決定方法について説明する。
【0051】
本形態では、候補点を決定するにあたって、コロナル投影データDCの各ピクセルが肝臓の投影領域Rlivに含まれている確率を算出している。この確率は、以下の式で表される。
【数1】

【0052】
本形態では、各ピクセルが肝臓の投影領域Rlivに含まれている確率は、事後確率p(X=x|Y=y)で表される。事後確率p(X=x|Y=y)は、ベイズの定理に基づいて、尤度p(Y=y|X=x)および事前確率p(X=x)から求めることができる。尚、X、Yは、確率変数であり、X=xはXが肝臓である場合を表しており、Y=yはピクセルが信号値yをとる場合を表している。以下に、尤度p(Y=y|X=x)および事前確率p(X=x)について、順に説明する。
【0053】
尤度p(Y=y|X=x)は、コロナル投影データDCの各ピクセルの信号値に基づいて、各ピクセルが肝臓の投影領域Rlivに含まれている確率を算出するための確率モデルである。肝臓の信号分布としてガウス分布を仮定している。尤度p(Y=y|X=x)は、以下の式で表される。
【数2】

【0054】
式(5)に含まれている「m」および「σ」は、それぞれ、ステップST8で算出した平均値mおよび標準偏差σである。また「y」は、コロナル投影データDCの各ピクセルの信号値である。
【0055】
図10には、肝臓の投影領域Rlivに含まれているピクセルPlivと、肺の投影領域Rlungに含まれているピクセルPlungと、腸の投影領域Rintに含まれているピクセルPintの拡大図が示されている。肝臓の投影領域RlivのピクセルPlivの信号値yは、肺の投影領域RlungのピクセルPlungの信号値yよりも十分に大きいので、肝臓の投影領域RlivのピクセルPlivの尤度は大きい値になるが、肺の投影領域RlungのピクセルPlungの尤度は小さい値になる。したがって、ピクセルの信号値yに基づいて尤度を算出することによって、肝臓の投影領域Rlivと、肺の投影領域Rlungとの区別をすることができる。
【0056】
ただし、肝臓の下端の周囲には、肝臓に近い信号値を持つ臓器がある。例えば、腸の信号値は、肝臓の信号値に近い値となる。したがって、肝臓の投影領域RlivのピクセルPlivの尤度は、腸の投影領域RintのピクセルPintの尤度に近い値となるので、尤度だけでは、肝臓の投影領域Rlivと腸の投影領域Rintとの区別をすることが難しい。そこで、本形態では、尤度だけでなく、尤度とは別の確率モデルとして、事前確率p(X=x)も考慮している。事前確率p(X=x)は、以下の式で表される。
【数3】

【0057】
式(6)の指数Aは、式(7)で表される。指数Aには、U(s,r)が含まれている。式(8)に示すように、U(s,r)は、y−yriの値に応じて、1又は0の値を取る。以下に、yおよびyriについて説明する。
【0058】
図11は、yおよびyriの説明図である。
およびyriの説明にあたっては、コロナル投影データDCの中の任意の位置に3×3個のピクセルを考える。図11(a)には、肝臓の投影領域Rliv内における3×3個のピクセルを具体的に示しており、図11(b)には、腸の投影領域Rint内における3×3個のピクセルを具体的に示してある。
【0059】
は、3×3個のピクセルの中心に位置するピクセルの信号値である。例えば、図11(a)では、ピクセルPlivが中心のピクセルであるので、ピクセルPlivの信号値がyである。図11(b)では、ピクセルPintが中心のピクセルであるので、ピクセルPintの信号値がyである。
【0060】
ri(i=1〜8)は、中心のピクセルに隣接するピクセルの信号値である。例えば、図11(a)では、ピクセルPlivに8個のピクセルPliv1〜Pliv8が隣接しているので、これらの隣接ピクセルPliv1〜Pliv8の信号値が、yri(i=1〜8)となる。図11(b)では、ピクセルPintに8個のピクセルPint1〜Pint8が隣接しているので、これらの隣接ピクセルPint1〜Pint8の信号値が、yri(i=1〜8)となる。
【0061】
したがって、y−yriは、3×3個のピクセルにおいて、中心のピクセルの信号値と、中心のピクセルに隣接する隣接ピクセルの信号値との差である。
【0062】
信号値の差y−yriが、ylower≦|y−yri|≦yupperを満たす場合、U(s,r)=1であるが、一方、y−yriが、ylower≦|y−yri|≦yupperを満たさない場合、U(s,r)=0となる。ylowerおよびyupperは、ステップST9で算出した平均値mおよび標準偏差σを用いて表される値である(式(9)参照)。ylowerは、|y−yri|の下限値を示しており、yupperは、|y−yri|の上限値を示している。
【0063】
本形態では、i=1〜8の値を取るので、U(s,r)については、U(s,r)〜U(s,r)を算出する。もし、全てのU(s,r)〜U(s,r)が「1」の場合、式(7)より、指数A=8βとなる。しかし、U(s,r)〜U(s,r)の中に、「0」の値が含まれている場合、指数Aは、8βよりも小さくなる。例えば、U(s,r)=0で、残りのU(s,r)〜U(s,r)が「1」の場合、指数A=7βとなる。更に、全てのU(s,r)〜U(s,r)が「0」の場合、指数A=0となる。つまり、指数Aが8βに近いほど、事前確率は大きくなり、指数Aが0に近いほど、事前確率は小さくなる。例えば、肝臓と腸とを比較すると、肝臓の投影領域Rlivでは、信号値の差y−yriは小さいので、ylower≦|y−yri|≦yupperを満たすことが多い。しかし、腸の投影領域Rintでは、信号値の差y−yriが大きくなる傾向があるので、ylower≦|y−yri|≦yupperを満たさない場合が多い。したがって、肝臓の投影領域RlivのピクセルPlivは、事前確率が大きくなるが、腸の投影領域RintのピクセルPintは、事前確率が小さくなるので、信号値の差y−yriに基づいて事前確率を算出することによって、肝臓の投影領域Rlivと、腸の投影領域Rintとを区別することができる。
【0064】
式(4)で表される事後確率は、尤度と事前確率との積に比例している。尤度はピクセルの信号値yに基づいて算出され(式(5)、図10参照)、事前確率はピクセルの信号値の差y−yriに基づいて算出されるので(式(6)〜(9)、図11参照)、ピクセルの信号値yと、ピクセルの信号値の差y−yriによって、各ピクセルの事後確率を算出することができる。例えば、ピクセルPlivの事後確率を算出する場合は、ピクセルPlivの信号値yを式(5)に代入し、更に、ピクセルPlivとピクセルPliv1〜Pliv8との信号値の差y−yriを式(8)に代入すればよい。このように、事後確率は、ピクセルの信号値yだけでなく、ピクセルの信号値の差y−yriも用いて算出されるので、各ピクセルが肝臓の投影領域Rlivに含まれている確率を高い精度で計算することができる。
【0065】
本形態では、各ピクセルの事後確率の値に基づいて、肝臓の下端のSI方向の位置を表す候補点を決定している。次に、候補点の決定方法の一例について、具体的に説明する。
【0066】
図12は、候補点の決定方法の一例の説明図である。
本形態では、SI方向に延在する複数のラインL〜Lについて、各ラインごとに、領域エネルギーEを計算する。図12では、ラインL〜Lの領域エネルギーEのうち、代表して、ラインLの領域エネルギーEが示されている。領域エネルギーEは、上記の事後確率を用いて算出される。以下に、ラインLの領域エネルギーEの算出方法について説明する。
【0067】
候補点決定手段95C(図1参照)は、先ず、ラインLをSI方向に移動するカーネルKを設定する。カーネルKは、n×m個のピクセルを囲む領域であり、例えば、n=m=4である。そして、カーネルKをラインL上において、位置xからxまで1ピクセルずつ移動させながら、各移動位置ごとに領域エネルギーEを算出する。例えば、カーネルKが位置xに存在しているときの領域エネルギーEは、以下のようにして求める。
【0068】
図13は、カーネルKが位置xに存在しているときの領域エネルギーEの算出方法の説明図である。
【0069】
候補点決定手段95Cは、カーネルKに含まれている16個のピクセルP〜P16の各々の事後確率(式(4)〜(9)参照)を算出する。例えば、ピクセルPの事後確率を算出する場合、図13(a)に示すように、ピクセルPと、ピクセルPに隣接する隣接ピクセル(P17、P18、P19、P20、P、P21、P、P)とを考える。そして、以下に示す信号値と、信号値の差とを用いる。
(a)ピクセルPの信号値y
(b)ピクセルPとピクセルP17との信号値の差y−yr1
(c)ピクセルPとピクセルP18との信号値の差y−yr2
(d)ピクセルPとピクセルP19との信号値の差y−yr3
(e)ピクセルPとピクセルP20との信号値の差y−yr4
(f)ピクセルPとピクセルPとの信号値の差y−yr5
(g)ピクセルPとピクセルP21との信号値の差y−yr6
(h)ピクセルPとピクセルPとの信号値の差y−yr7
(i)ピクセルPとピクセルPとの信号値の差y−yr8
【0070】
ピクセルPの信号値yを式(5)に代入すると、尤度が算出される。また、信号値の差y−yr1〜y−yr8を式(8)に代入すると、事前確率が算出される。したがって、ピクセルPの事後確率k1が算出される。以下同様に、その他のピクセルP〜P16についても、事後確率k2〜k16を算出する。図13(b)に、カーネルKに含まれる16個のピクセルP〜P16の各々の事後確率k1〜k16を示す。そして、事後確率の和Sを求め(図13(c)参照)、−logSを求める。logを取る理由は、計算の際の桁落ちを下げるためである。このようにして求めた−logSが、位置x1における領域エネルギーEとなる。
【0071】
以下同様に、ラインLにおいて、カーネルKを1ピクセルづつ移動させながら、各移動位置ごとに、カーネルK内の各ピクセルの事後確率を算出し、事後確率の和Sを求め、E=−logSを算出する。このようにして、ラインL上の領域エネルギーEが算出される。領域エネルギーEは、事後確率の和Sに対して、−logを取っているので、和Sが大きくなるほど、領域エネルギーEの値は小さくなる。したがって、領域エネルギーEの値が小さいほど、カーネルKが肝臓の投影領域Rlivに存在する確率は高いことを意味している。逆に、領域エネルギーEの値が大きいほど、カーネルKが肝臓の投影領域Rlivに存在する確率は小さいことを意味している。したがって、エネルギーEがラインL上でどのように変化しているのかを検出することによって、肝臓の下端側のエッジVを認識することができる。ラインL上の領域エネルギーEを参照すると、肝臓の投影領域RlivにおけるエネルギーEは小さいが、腸の投影領域RintにおけるエネルギーEは大きくなっていることがわかる。したがって、肝臓の下端側では、急激なエネルギーEの変化があるので、このエネルギーEの変化を検出することによって、肝臓の下端側のエッジVを検出することができる。
【0072】
尚、ラインL上の領域エネルギーEの変化を検出するために、カーネルを2つに分けてもよい。
【0073】
図14は、カーネルKを2つに分けた場合の例である。
図14では、カーネルKに含まれるピクセルが、4×8個の場合について示されている。カーネルKを第1の領域Rinと第2の領域Routとの2つに分け、各領域RinおよびRoutごとに、領域エネルギーEinおよびEoutを算出し、領域エネルギーの差ΔE=Ein−Eoutを算出する。図14の下に、ラインL上における領域エネルギーの差ΔEのグラフを示す。上記のように、肝臓の投影領域RlivにおけるエネルギーEは小さいが、腸の投影領域RintにおけるエネルギーEは大きいので、カーネルKの中心が肝臓の下端の境界に位置したときのΔEは、下向きのピークとなる。したがって、この下向きのピークを検出することによって、肝臓の下端側のエッジVを検出することができる。
【0074】
尚、図13および図14では、ラインLにおける肝臓の下端側のエッジVを検出する場合について説明したが、その他のラインについても、カーネルKを移動させながら、領域エネルギーEを算出する。したがって、ラインL〜Lの各々について、肝臓の下端側のエッジが検出される(図15参照)。
【0075】
図15は、各ラインごとに検出された肝臓の下端側のエッジVk−1〜Vを示す図である。
【0076】
これらのエッジVk−1〜Vが、肝臓の下端のSI方向の位置を表す候補点Vk−1〜Vとなる。尚、肝臓を横切らないライン(例えばラインL)上には、肝臓の下端は存在しないので、肝臓を横切らないライン上で検出されたエッジについては、肝臓の下端のSI方向の位置を表す候補点からは除外する。肝臓は信号値が大きいので、RL方向の信号値の変化を調べることによって、肝臓のRL方向の大よその位置を検出することができる。したがって、肝臓を横切らないラインと、肝臓を横切るラインとを区別することができるので、肝臓を横切らないライン上で検出されたエッジは、候補点Vk−1〜Vから除外することができる。
候補点Vk−1〜Vを決定したら、ステップST11に進む。
【0077】
ステップST11では、候補点選択手段95D(図1参照)が、候補点Vk−1〜Vの中から、SI方向の位置座標が最下点となる候補点を選択する。図16に、選択された候補点Vを示す。この候補点Vを選択することによって、被検体の肝臓の下端のSI方向の位置zが検出される。図17に、ステップST6で検出された肝臓の上端のSI方向の位置z(図7(f)参照)と、ステップST11で検出された肝臓の下端のSI方向の位置zとを示す。肝臓の下端のSI方向の位置zを検出したら、ステップST12に進む。
【0078】
ステップST12では、検出された肝臓の上端および下端のSI方向の位置zおよびzに基づいて、肝臓の全体が含まれるようにスキャン領域を設定する。そして、設定されたスキャン領域の画像データを取得するための本スキャンを実行し、フローを終了する。
【0079】
一般的に、腸は、肝臓と同様に、信号値が大きいので、尤度だけでは、肝臓と腸とを区別することが難しく、肝臓の下端の位置の検出精度が悪くなるという問題がある。そこで、本形態では、信号値の差も考慮して、各ピクセルの事後確率を求めている。肝臓は、信号値の差は小さいが高いが、腸は、肝臓と比較すると、信号値の差が大きくなる傾向がある。したがって、信号値の差を利用して確率を求めることによって、腸と肝臓との区別をすることができるので、肝臓の下端のSI方向の位置の検出精度を向上させることができる。
【0080】
尚、本形態では、尤度および事前確率に基づいて、領域エネルギーEを算出している。しかし、尤度および事前確率とは別の確率モデルを用いて領域エネルギーEを算出してもよい。
【0081】
また、ステップST2では、画像データVDの右半分のデータVDrをサジタル投影している(図5(b)参照)。しかし、ステップST4において、肝臓のAP方向の範囲を十分な精度で求めることができるのであれば、画像データVDの右半分よりも広い範囲のデータをサジタル投影してもよいし、逆に、画像データVDの右半分よりも狭い範囲のデータをサジタル投影してもよい。
【0082】
ステップST5では、画像データVDの閾値Th1とTh2との間のデータVDmをコロナル投影している(図6(e)参照)。しかし、肝臓の下端のSI方向の位置zを十分な精度で検出することができるのであれば、閾値Th1とTh2との間よりも広い範囲のデータをサジタル投影してもよいし、逆に、閾値Th1とTh2との間よりも狭い範囲のデータをサジタル投影してもよい。
【0083】
また、本形態では、各ピクセルに隣接する隣接ピクセルとして、8個の隣接ピクセルを考えている(例えば、図9、図11、図13参照)。しかし、肝臓の下端のSI方向の位置を十分な精度で検出することができるのであれば、8個より少ない個数(例えば4個)の隣接ピクセルのみを考えてもよい。
【0084】
更に、本形態では、肝臓の下端のSI方向の位置を検出している。しかし、本発明は、肝臓の下端の検出に限定されることはなく、肝臓とは別の臓器の特徴点の検出にも適用することができる。更に、検出する位置も、SI方向の位置に限定されることはなく、SI方向とは別の方向(例えば、RL方向、AP方向)の位置の検出にも適用することができる。
【符号の説明】
【0085】
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 シーケンサ
6 送信器
7 勾配磁場電源
8 受信器
9 中央処理装置
10 操作部
11 表示部
12 被検体
21 ボア
22 超伝導コイル
23 勾配コイル
24 送信コイル
95 検出手段
95A 関心領域設定手段
95B 算出手段
95C 候補点決定手段
95D 候補点選択手段
100 MR装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の所定の部位を含む撮影部位の画像データを作成する画像データ作成手段と、
前記画像データの投影データを作成する投影データ作成手段と、
前記投影データのピクセルと、前記ピクセルに隣接する隣接ピクセルとの信号値の差に基づいて、前記特徴点の所定方向の位置を検出する検出手段と、を有する画像データ処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、
前記信号値の差に基づいて、前記特徴点の所定方向の位置を検出するための候補点を決定する候補点決定手段を有する、請求項1に記載の画像データ処理装置。
【請求項3】
前記候補点決定手段は、前記投影データにカーネルを設定し、
前記信号値の差は、
前記カーネルに含まれているピクセルと、前記ピクセルに隣接する隣接ピクセルとの信号値の差である、請求項2に記載の画像データ処理装置。
【請求項4】
前記候補点決定手段は、
前記カーネルに含まれているピクセルの信号値と、前記信号値の差とに基づいて、前記候補点を決定する、請求項3に記載の画像データ処理装置。
【請求項5】
前記候補点決定手段は、
前記カーネルのピクセルの信号値と、前記信号値の差とに基づいて、前記カーネルの領域エネルギーを算出する、請求項4に記載の画像データ処理装置。
【請求項6】
前記候補点決定手段は、
前記カーネルを移動させ、前記カーネルの各移動位置において、前記カーネルの領域エネルギーを算出する、請求項5に記載の画像データ処理装置。
【請求項7】
前記候補点決定手段は、
前記カーネルのピクセルの信号値を変数とする第1の確率モデルと、前記信号値の差を変数とする第2の確率モデルとに基づいて、前記領域エネルギーを算出する、請求項6に記載の画像データ処理装置。
【請求項8】
前記検出手段は、
前記投影データにおいて前記所定の部位が投影された投影領域に、関心領域を設定する関心領域設定手段を有し、
前記第1の確率モデルは、前記関心領域に含まれるピクセルの信号値に基づいて決定され、
前記第2の確率モデルは、前記関心領域に含まれるピクセルと、前記ピクセルに隣接する隣接ピクセルとの信号値の差に基づいて決定される、請求項7に記載の画像データ処理装置。
【請求項9】
前記関心領域設定手段は、
前記所定の部位の輪郭の標準的な形状を表すテンプレートデータを用いて、前記関心領域を設定する、請求項8に記載の画像データ処理装置。
【請求項10】
前記テンプレートデータは、
複数の被検体のデータを用いて作成された前記輪郭のデータを、スケールダウンすることによって得られる、請求項9に記載の画像データ処理装置。
【請求項11】
前記候補点決定手段は、
前記カーネルを第1の領域と第2の領域に分け、前記第1の領域の領域エネルギーと、前記第2の領域の領域エネルギーとの差を算出し、領域エネルギーの差に基づいて、前記候補点を決定する、請求項6〜10のうちのいずれか一項に記載の画像データ処理装置。
【請求項12】
前記検出手段は、
前記候補点決定手段が決定した候補点の中から、一つの候補点を選択する候補点選択手段を有する、請求項2〜11のうちのいずれか一項に記載の画像データ処理装置。
【請求項13】
前記所定の部位は肝臓であり、前記特徴点は肝臓の下端である、請求項1〜12のうちのいずれか一項に記載の画像データ処理装置。
【請求項14】
前記所定方向はSI方向である、請求項1〜13のうちのいずれか一項に記載の画像データ処理装置。
【請求項15】
請求項1〜14のうちのいずれか一項に記載の画像データ処理装置を有する磁気共鳴装置。
【請求項16】
被検体の所定の部位を含む撮影部位の画像データを作成する画像データ作成ステップと、
前記画像データの投影データを作成する投影データ作成ステップと、
前記投影データのピクセルと、前記ピクセルに隣接する隣接ピクセルとの信号値の差に基づいて、前記特徴点の所定方向の位置を検出する検出ステップと、を有する画像データ処理方法。
【請求項17】
被検体の所定の部位を含む撮影部位の画像データを作成する画像データ作成処理と、
前記画像データの投影データを作成する投影データ作成処理と、
前記投影データのピクセルと、前記ピクセルに隣接する隣接ピクセルとの信号値の差に基づいて、前記特徴点の所定方向の位置を検出する検出処理と、を計算機に実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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