説明

画像データ圧縮伸長装置

【目的】 画像データを圧縮,伸長する場合に画像フレームメモリに対してブロックデータ単位で直接画像データをアクセス可能とする。
【構成】 アクセスアドレス発生部内40に、画像フレームメモリ20内の一つのブロックデータ81の読出終了アドレスから次のブロックデータの読出開始アドレスまでのアドレス量130及び同一ブロックデータ内の隣接画像データ100の読出アドレス相互間のアドレス量131を記憶するアドレス量記憶部42と、画像フレームメモリ20の一つの画素データに対する読出終了毎に該当画素データの読出アドレスをラッチするアドレスラッチ部41と、このアドレスラッチ部41にラッチされた読出アドレスにアドレス量記憶部に記憶されたアドレス量を加算して、次の画素データの読出アドレスとするアドレス加算部43とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外部から入力された1画面分の画像データを圧縮、伸長する画像データ圧縮伸長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、デジタルの画像データは膨大な情報量を有するので、一定量の画像データを伝送したり、記憶保持する場合は、この画像データを圧縮して情報量を少なくして伝送又は記憶保持する。そして、この圧縮された圧縮画像データを受信したり、記憶媒体から読出して例えは表示装置に表示する場合は、元の画像データに伸長して表示装置へ印加する。
【0003】これらの画像データの圧縮処理及び伸長処理においては、通常、デジタル信号処理が実施される。そして、2次元的な広がりを有する多数の画素データからなる画像データを、例えば、[8画素×8画素]のブロックデータに区分けし、各ブロックデータに対してDCT(離散コサイン変換)などの直交変換を行って情報を周波数で扱うことにより圧縮または伸長する。
【0004】例えばTV画面に表示するために、画像フレームメモリから各画素データそのものを読出する場合は、TV画面に対する表示方式がインターレース方式、ノンインターレース方式の如何を問わず、先ず画像フレームメモリ上の水平方向にアクセスして1ライン分の画像データを読出す。1ライン分の画像データの読出が終了すると垂直方向にアクセスして、次の1ライン分の画像データを読出す。
【0005】しかし、画像圧縮を行う場合は、1ブロックデータ毎に読出す必要がある。したがって、上述した、TV画面や表示パネル等に2次元的に表示する場合等の通常の手順で読出することができないので、画像フレームメモリに対する圧縮伸長に関する専用アクセス処理を実施する必要がある。
【0006】図10は上述した専用アクセス処理が組込まれた画像データ圧縮装置の概略構成図である。画像入力部10へ外部から入力された1画面分の画像データは画像入力部データバス62,ゲート50a,フレームデータバス60を介して画像フレームメモリ20に書込まれる。書込アドレスはフレームメモリアドレスバス61,ゲート50c,画像入力部アドレスバス63を介して、前記画像入力部10から指定される。
【0007】画像フレームメモリ20は例えばTV画面や表示パネル等に表示すべき1画面分の画像データを画素単位で記憶する記憶容量を有している。例えば図11(a)に示すように、画像フレームメモリ20に記憶された1画面分の画像データ80は、横m画素,経n画素の合計(n×m)個の画素データで構成されている。そして、この(n×m)個の画素データからなる1画面分の画像データ80を画像圧縮する場合は、この画像データ80を、前述した(8×8)個の画素データからなるブロックデータ81に区分けして、このブロックデータ81に対して画像圧縮処理を実施すればよい。
【0008】しかし、1画面分の画像データ80内の任意の位置のブロックデータ81をアドレス指定して任意に抽出することは前述した1ライン分毎の画像データ順次読出す手法では実現できない。
【0009】このために、一時メモリ70を設けて、画像フレームメモリ20からフレームメモリデータバス60,ゲート50b,圧縮部データバス64を介して、1ライン分の画素データを合計8回分読出してこの一時メモリ70に書込む。この場合の画像フレームメモリ20に対する読出アドレスは圧縮部アドレスバス69を介して画像圧縮部30から指定される。よって、一時メモリ70内には、図11(b)に示すようように、画像フレームメモリ20内のブロックデータ81を含む8行分の画像データ82が格納される。したがって、この8行分の画像データ8には(m/8)個のブロックデータ81が含まれる。
【0010】一時メモリ70に図11(b)に示す8行分の画像データ82が書込まれると、画像圧縮部30は、画像データ82の左端から右端へ各ブロックデータ81を圧縮部データバス64及び圧縮部アドレスバス69を介して順番に取込んで、図11(c)に示すように、前述したDCT手法を用いて(8×8)個の画素データからなるブロックデータ81を情報量が少ない圧縮画像データ83へ画像圧縮する。
【0011】画像圧縮部30で画像圧縮された圧縮画像データ83は順次外部記憶装置90へ出力される。なお、図10の画像データ圧縮装置における画像圧縮部30を画像伸長部に置き換え、画像入力部10を画像出力部に置き換えると画像データ伸長装置が得られる。
【0012】この画像データ伸長装置においては、外部記憶装置90から順次読出した各圧縮画像データ83を画像伸長部で元の(8×8)個の画素データからなるブロックデータ81に伸長して、一時記憶メモリ70へ書込む。1時記憶メモリ70に(m/8)個のブロックデータ81が書込まれると、画像フレームメモリ20上におけるの8行(ライン)分の画像データ82が得られたので、この画像データ82を1ライン毎に取出して、画像フレームメモリ20に順番に書込んでいく。画像フレームメモリ20に1画面分の画像データ80が書込まれた時点で、画像出力部から画像データを読出して出力する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図10に示す画像データ圧縮装置及びこの画像データ圧縮装置の構成部材を置き換えて実現できる画像データ伸長装置においてもまだ改良すべき次のような問題があった。
【0014】すなわち、画像フレームメモリ20に1画面分の画像データ80が書込まれた時点において、この画像データ80の各ブロックデータ81を画像圧縮部30へ取込んで画像圧縮を実施すればよいが、図11(a),図11(b)に示すように、一旦一時メモリ70に8行(ライン)分の画像データ82を書込んで、その後に、この一時メモリ70から各ブロックデータ81を読出している。
【0015】したがって、一時メモリ70に対する画像データの書込み読出処理がソフト的又は、ハード的に実行されるので、この処理時間が装置全体の画像圧縮処理速度に悪影響を与える。
【0016】画像データ伸長装置における画像伸長部から画像フレームメモリへ各ブロックデータ81を書込む場合においても、一時メモリ70を経由しているので、上述した問題が生じる。
【0017】したがって、画像データ80を画像圧縮して外部記憶装置90へ書込んだり、また外部記憶装置90から圧縮画像データ83を読出して伸長して取出す場合における、装置全体としての圧縮処理速度又は伸長処理速度が大幅に低下する問題がある。
【0018】本発明はこのような事象に鑑みてなされたものであり、1画面分の画像データを記憶する画像フレームメモリ上における各ブロックデータのアクセスアドレスを簡単に指定できる機能を付加することによって、画像圧縮部又は画像伸長部から画像フレームメモリのブロックデータを直接アクセスでき、装置全体としての圧縮処理速度及び伸長処理速度を大幅に上昇できる画像データ圧縮伸長装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するために本発明の画像データ圧縮装置は、入力された少なくとも1画面分の画像データを一旦画像フレームメモリへ格納し、この画像フレームメモリに記憶された1画面分の画像データを構成する各画素データを複数画素データからなるブロックデータに区分けして、1画面の先頭位置のブロックデータから最終位置のブロックデータまで順番に読出し、読出した各ブロックデータに対して、画像圧縮部で画像圧縮を行なう画像データ圧縮装置である。
【0020】そして、画像フレームメモリ内の一つのブロックデータの読出終了アドレスから次のブロックデータの読出開始アドレスまでのアドレス量及び同一ブロックデータ内の隣接画像データの読出アドレス相互間のアドレス量を記憶するアドレス量記憶部と、画像フレームメモリの一つの画素データに対する読出終了毎に該当画素データの読出アドレスをラッチするアドレスラッチ部と、アドレスラッチ部にラッチされた読出アドレスにアドレス量記憶部に記憶されたアドレス量を加算して、次の画素データの読出アドレスとするアドレス加算部とが備えられている。
【0021】また、請求項2の画像データ伸長装置は、入力された少なくとも1画面分の圧縮画像データの各圧縮画像データを画像伸長部で順番に複数画素データからなるブロックデータへ伸長し、この伸長した各ブロックデータを画像フレームメモリにおける1画面の先頭位置から最終位置まで順番に格納していく画像データ伸長装置である。
【0022】そして、画像フレームメモリ内の一つのブロックデータの書込終了アドレスから次のブロックデータの書込開始アドレスまでのアドレス量及び同一ブロックデータ内の隣接画像データの書込アドレス相互間のアドレス量を記憶するアドレス量記憶部と、画像フレームメモリの一つの画素データに対する書込終了毎に該当画素データの書込アドレスをラッチするアドレスラッチ部と、アドレスラッチ部にラッチされた書込アドレスにアドレス量記憶部に記憶されたアドレス量を加算して、次の画素データの書込アドレスとするアドレス加算部とが備えられている。
【0023】また、請求項3の画像データ圧縮長装置は、一方から入力された複数画素データからなるブロックデータを画像圧縮して圧縮画像データとして他方へ出力するとともに、他方から入力された圧縮画像データを伸長して複数画素データからなるブロックデータとして一方へ出力する画像圧縮伸長部を有し、外部から入力した少なくとも1画面分の画像データを画像フレームメモリに一旦格納し、この画像フレームメモリに記憶された1画面分の画像データを構成する各画素データを複数画素データからなるブロックデータに区分けして、1画面の先頭位置のブロックデータから最終位置のブロックデータまで順番に読出して画像圧縮伸長部の一方へ入力し、かつ、外部から入力された少なくとも1画面分の圧縮画像データを画像圧縮伸長部の他方へ入力し、この画像圧縮伸長部から出力された各ブロックデータを画像フレームメモリにおける1画面の先頭位置から最終位置まで順番に格納していく画像データ圧縮伸長装置である。
【0024】そして、画像フレームメモリ内の一つのブロックデータのアクセス終了アドレスから次のブロックデータのアクセス開始アドレスまでのアドレス量及び同一ブロックデータ内の隣接画像データのアクセスアドレス相互間のアドレス量を記憶するアドレス量記憶部と、画像フレームメモリの一つの画素データに対するアクセス終了毎に該当画素データのアクセスアドレスをラッチするアドレスラッチ部と、アドレスラッチ部にラッチされたアクセスアドレスにアドレス量記憶部に記憶されたアドレス量を加算して、次の画素データのアクセスアドレスとするアドレス加算部とが備えられている。
【0025】
【作用】このように構成された画像データ圧縮装置、画像データ伸長装置及び画像データ圧縮伸長装置においては、少なくとも1画面分の画像データを記憶可能なアドレス領域を有した画像フレームメモリ内における複数画像データからなる各ブロックデータを各ブロックデータ単位で読出、書込みを行うためのアドレス指定を実行するために、アドレス量記憶部,アドレスラッチ部,アドレス加算部が設けられている。
【0026】1個のブロックデータを構成する各画素データを読出する場合は、先ず該当ブロックデータの先頭位置の画素データのアドレスを指定する必要がある。このブロックデータの先頭位置のアドレスは隣接する一つ前に読出したブロックデータの最終位置のアドレスと一定の関係にある。具体的には、一つ前のブロックデータの最終位置のアドレスに一定のアドレス量を加算したアドレスが今回読出すブロックデータの先頭位置のアドレスとなる。なお、アドレスが戻る場合もあるが、この場合は負のアドレス量を加算すればよい。
【0027】同様に、一つのブロックデータ内において、一つの画素データのアドレスは一つ前に読出した画素データのアドレスと一定の関係にある。したがって、一つ前に読出した画像データのアドレスに一定のアドレス値を加算したアドレスが今回読出す画素データのアドレスとなる。
【0028】このように、一つの画素データを読出す場合は、一つ前に読出した画素データのアドレスに一定のアドレス量を加算したアドレス値となる。したがって、何個の画素データを読出した後にはどのアドレス量を加算するかの加算アドレス量の選択を実施する必要があるが、上述した各一定のアドレス量を予めアドレス量記憶部に記憶しておき、かつ前回読出した画像データのアドレスをアドレスラッチ部でラッチしておき、ラッチさされたアドレスに、記憶されているアドレス量を加算することによって、今回読出すべき画素データのアドレスを得ることが可能となる。
【0029】したがって、画像圧縮部又は画像伸長部は画像フレームメモリから各ブロックデータ毎に各画素データを直接アクセスできる。よって、画像圧縮部又は画像伸長部は従来装置で使用していた一時メモリを経由して画像フレームメモリをアクセスする必要がないので、各装置全体の圧縮処理速度又は伸長処理速度を向上できる。
【0030】請求項1の画像データ圧縮装置においては、画像フレームメモリに記憶された1画面分の画像データにおける各ブロックデータ毎に各画素データを直接読出すことができる。また、請求項2の画像データ伸長装置においては、伸長された各ブロックデータの各画素データを直接画像フレームメモリの所定位置に書込むことが可能となる。
【0031】さらに、請求項3の画像データ圧縮伸長装置においては、画像圧縮伸長部は画像フレームメモリに対するブロックデータを直接アクセスすることが可能となる。
【0032】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を参照しながら説明する。図1は実施例の画像データ圧縮装置の概略構成を示すブック図である。図10に示す従来の画像データ圧縮装置と同一部分には同一符号が付してある。したがって、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0033】この実施例装置においては、画像フレームメモリ20内のアドレスを指定するためのフレームメモリアドレスバス61にゲート50dを介してアクセスアドレス発生部40が接続されている。このアクセスアドレス発生部40は、画像フレームメモリ20に格納された1画面分の画像データを構成する各画素データをブロックデータ毎に読出して画像圧縮部20へ入力させるためのアドレス指定を行う機能を有する。
【0034】画像フレームメモリ20は、図2に示すように、例えばTV画面や表示パネル等に表示すべき1画面分の画像データ80を画素データ単位で記憶する記憶容量を有している。1画面分の画像データ80は、横m画素,経n画素の合計(n×m)個の画素データ100で構成されている。各画素データ100にはアドレス110が付されている。説明を簡単にするために、1画面分の画像データ80の1行目の先頭アドレス110を[0]とすると、1行目の最終アドレスは[m−1]となり、2行目の先頭アドレスは[m]となる。そして、この1画面分の画像データ80の最終アドレスは[m・(n−1)]となる。
【0035】図4は画像フレームメモリ20に記憶された1画面分の画像データ80を複数のブロックデータ81に区分けした場合における各ブロックデータ81を示す図である。このブロックデータ81は例えば[8画素×8画素]からなる合計64個の画素データ100で構成されている。
【0036】そして、ブロックデータ81の1行目の先頭アドレス110を[x]とすると、1行目の最終アドレスは[x+7]となり、画像データ80の横1行にはm個の画像データ110が配列されているので、2行目の先頭アドレスは[x+m]となる。そして、2行目の最終アドレスは[x+m+7]となる。この1ブロックデータ81の最終アドレスは[x+7m+7]となる。
【0037】図3はアクセスアドレス発生部40の概略構成図である。このアクセスアドレス発生部40内には、アドレスラッチ部41,アドレス量記憶部42,アドレス加算部43及び制御部44が設けられている。
【0038】アドレス量発生部42内には、ノンインターレス方式の場合、図5に示すように、各ブロックデータ81の1行目の先頭アドレス110aと一つ前のブロックデータ81の最終行の最終アドレス110bとの間の差のアドレスで示されるアドレス量130,同一ブロックデータ81内における隣接する画素データ100のアドレス相互間のアドレス値131,同一ブロックデータ81内における1行の最終位置のアドレスと次の行の先頭位置のアドレス間の差のアドレスで示されるアドレス量132,1画面分の画像データ80の1行の最終位置のブロックデータ81の最終位置のアドレスから次の行の先頭のブロックデータ81の先頭行の先頭位置のアドレスまでのアドレス量133(図示せず)との4種類のアドレス量130,139,132,134が記憶保持されている。なお、横方向に隣接する画素データ100相互間のアドレス量は[1]である。
【0039】図3のアドレスラッチ部41は、制御部44から初期化信号が45が印加されると、画像フレームメモリ20の1画面分の画像データ80の先頭位置のアドレス[0]をラッチする。そして、制御部44からクロック信号46が入力される毎に、ラッチしているアドレスをアドレス加算部43から出力されるアドレスに変更していく。
【0040】アドレス加算部43はアドレスラッチ部41にラッチされているアドレスにアドレス量記憶部42から出力されているアドレス量を加算してアドレスラッチ部41へ送出する。
【0041】制御部44はアドレスラッチ部41へ初期化信号45およびクロック信号46を送出すると共に、アドレス量記憶部42へアドレス量130〜133の選択信号42を出力する。選択信号42の出力タイミングはクロック信号46の出力数を計数するカウンタのカウント値によって制御される。
【0042】このように構成された画像データ圧縮装置の動作を説明する。先ず、ゲート50a,50cを開けて、ゲート50b,ゲート50dを閉じる。画像入力部10は外部から入力した1画面分の画像データ80をアドレスバス,データバスを介して画像フレームメモリ20へノンインターレス方式で書込む。
【0043】画像フレームメモリ20に対する1画面分の画像データ80の格納が終了すると、ゲート50a,50cを閉じて、ゲート50b,ゲート50dを開く。そして、アクセスアドレス発生部40を起動する。
【0044】アクセスアドレス発生部40が起動されると、制御部44が動作を開始して、初期化信号45をアドレスラッチ部41に送出して、ラッチしているアドレスを[0]に設定して、画像フレームメモリ20の先頭のブロックデータ81の先頭の画素データ100のアドレス110を指定する。そして、アドレス量記憶部42に[1]のアドレス量131を出力させる選択信号46を送出する。
【0045】そして、クロック信号45を7つ出力する。すると、アドレス加算部43にてアドレスラッチ部41へ出力され、アドレスラッチ部41にラッチされるアドレスが順番に増加していき、ブロックデータ81の1行目の最終位置の画像データのアドレス110を指定する。
【0046】次に、アドレス量記憶部42へ選択信号47を送出して同一ブロックデータ81の次の行の先頭アドレスへ移動させるためのアドレス量132を出力させる。そして、クロック信号46を1つ出力して、アドレス加算部43の出力アドレスを次の行の先頭の画素データ100のアドレス110へ移行させる。次にアドレス量記憶部42へ選択信号47を送出して[1]のアドレス量131を出力させる。次にクロック信号47を7つ出力する。
【0047】このように、選択信号47でアドレス量131,132を適宜選択しながらクロック信号47を出力していくことによって、ブロックデータ81を構成する画素データ100の各アドレス110を順番に指定していく。そして、ブロックデータ81の最終行の最後の画素データ100のアドレス110bの指定が終了すると、選択信号48で次のブロックデータ81の先頭位置への移動を示すアドレス量130を出力させると、次のクロック信号46でアドレスラッチ部41から次のブロックデータ81の先頭の画素データ100のアドレス110aが画像フレームメモリ20へ出力される。
【0048】また、1画面分の画像データ80の1行の最終位置のブロックデータ81の各画素データ100のアドレス指定が終了すると、選択信号47を送出して、アドレス量を次の行の先頭のブロックデータ81の先頭位置の画素データのアドレスへ移行させるためのアドレス量133に設定する。
【0049】このように、アクセスアドレス発生部40から出力されるアドレス110によって、画像フレームメモリ20に格納された1画面分の画像データ80の(m×n)個の画素データ100が(8×8)個の画素データ100からなるブロックデータ81毎に区分けされて読出されてフレームメモリバス60及び圧縮部データバス64を介して画像圧縮部30へ入力される。
【0050】画像圧縮部30は、画像フレームメモリ20から順次読出した(7×7)個の画素データからなるブロックデータ81に対して前述した手法で画像圧縮を行い、圧縮画像データ83に変換して、外部記憶装置90へ順次書き込んで行く。
【0051】1画面分の画像データ80の画像圧縮処理及び外部記憶装置90への書込み処理が終了すると、ゲート50a,50cを開けて、ゲート50b,ゲート50dを閉じる。そして、画像入力部10は次の1画面分の画像データ80を画像フレームメモリ20へ書込む。
【0052】このように構成された画像データ圧縮装置によれば、アクセスアドレス発生部40は、画像フレームメモリ20に書込まれた1画面分の画像データ80における各画素データ100を画像圧縮単位である(8×8)個の画素データ100からなるブロックデータ81毎にアドレス指定している。
【0053】画像圧縮部30は、直接画像フレームメモリ20から直接1ブロックデータ81分の画像データ110を読込むことができる。よって、図10に示した従来装置のように一時メモリ70を経由して画素データを読込む必要がないので、画像入力部10による画像データの取込みから外部記憶部90に書込むまでの処理時間が大幅に短縮される。結果として、この画像データ圧縮装置における画像データの圧縮処理速度を大幅に向上できる。
【0054】以上はノンインターレス方式で画像フレームメモリ20に対して書込まれた画像データ80を読取る場合を示したが、次に、インターレス方式で書込まれた画像データ80を読取る場合を説明する。
【0055】インターレス方式においては、画像入力部10から画像フレームメモリ20内に図6の形式で1画面分の画像データ80が書込まれる。1画面分の画像データ80が2回のフィールド(1) ,(2) に分割されて読取られる。
【0056】そして、アクセスアドレス発生部40内部のアドレス値記憶部42内には、前記アドレス量130,131の他に、図7に示すブロックデータ81における1行の最終位置(右端)の画素データのアドレスから2行下の行の先頭位置(左端)の画素データのアドレスへ移動するためのアドレス量134、フィールド(1)からフィールド(2) へフイールドが変わるためのアドレス量135が記憶されている。
【0057】したがって、制御部44は選択信号27で各アドレス量130,131,134,135の出力タイミング制御を行うことによって、画像フレームメモリ20にインターレース方式で書込まれた画像データ800に対してもデータブロック81毎に画像データ100を読出して画像圧縮部30へ入力させることが可能である。
【0058】図8は本発明の他の実施例に関わる画像データ伸長装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す画像データ圧縮装置と同一部分には同一符号が付してある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0059】この実施例の画像データ伸長装置においては、図1の画像データ圧縮装置における画像圧縮部30を画像伸長部31へ置き換えるとともに、画像入力部10を画像出力部11へ着替えている。
【0060】アクセスアドレス発生部40は、画像伸長部31から出力される(8×8)の画素データからなるブロックデータ81を構成する各画素データ100をノンインターレス方式で画像フレームメモリ20内に書込む場合における書込アドレスを発生する機能を有している。これは、画像フレームメモリ20からブロックデータ81に区分けして各画素データ100を読出する場合とまったく同一手順でアドレス指定すること同じであるので、図3に示したアクセスアドレス発生部40と同一構成,同一動作を行う。
【0061】このような構成の画像データ伸長装置において、先ず、ゲート50b,50dを開き、ゲート50a,50cを閉じる。そして、外部記憶装置90には既に圧縮処理された1画面分の画像データが記憶されている。画像伸長部31は外部記憶装置90から図11(c)に示す圧縮画像データ83を順次取込んで元の(8×8)の画素データからなるブロックデータ81へ伸長する。
【0062】そして、ブロックデータ81を構成する各画素データ110を1行目の先頭位置から1行目の最終位置、2行目の先頭位置、……、最終行の最終位置の順で順次画像伸長部データバス64,ゲート50b,フレームメモリバス60を介して画像フレームメモリ20へ印加する。
【0063】アクセスアドレス発生部40は図1に示した画像データ圧縮装置の場合と同一タイミングでアドレス(書込アドレス)を出力するので、画像伸長部31から順次出力される1ブロックデータ81を構成する各画素データ100は画像フレーム20内に、ブロックデータ81でまとまったアドレス位置に格納される。
【0064】このように1画面分の画像データを構成する全部のブロックデータ81の画像フレームメモリ20に対する書込み処理が終了すると、ゲート50b,50dを開閉じ、ゲート50a,50cを開く。そして、画像出力部11は画像フレームメモリ20に書込まれた1画面分の画像データ80をアドレスバス66,61でアドレス指定して、データバス65,60を介して1ライン分づつ読出して外部へ出力する。
【0065】このように構成された画像データ伸長装置であれば、画像伸長部31から順次出力される圧縮画像データ83から元に伸長されたブロックデータ81は、直接画素画像フレームメモリ20の所定アドレス位置に順次書込まれる。よって、画像出力部11から、区分されたブロックデータ81を意識せずに通常の画像データ81として画像フレームメモリ20から読出することが可能となるので、画像データ伸長装置全体として画像伸長処理速度を一時メモリを用いていた従来存置に比較して大幅に向上できる。
【0066】図9は本発明のさらに別の実施例に関わる画像データ圧縮伸長装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す画像データ圧縮装置と同一部分には同一符号が付してある。したがって、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0067】この実施例の画像データ圧縮伸長装置においては、図1の画像データ圧縮装置における画像圧縮部30を画像圧縮伸長部32へ置き換えるとともに、画像入力部10を画像入出力部12へ着替えている。
【0068】アクセスアドレス発生部40は、画像入出力部12から例えばノンインターレス方式で画像フレームメモリ20に書込まれた1画面分の画像データ80の各画素データ100を複数のブロックデータ81に区分けして、各ブロックデータ81毎に各画素データ100を読出して画像圧縮伸長部32へ送出する場合における各アジレスを発生する機能を有している。
【0069】同時に、アクセスアドレス発生部40は、画像圧縮伸長部32から出力される(8×8)の画素データ100からなるブロックデータ81を構成する各画素データ100をノンインターリス方式で画像フレームメモリ20内に書込む場合における各アドレスを発生する機能を有している。
【0070】画像圧縮伸長部32は、画像フレームメモリ20から読取った(8×8)の画素データ100からなるブロックデータ81を圧縮処理して、圧縮画像データ83として外部記憶装置90へ書込む機能を有する。さらに、画像圧縮伸長部32は、外部記憶装置90から順次入力された各圧縮画像データ83を元の(8×8)の画素データ100からなるブロックデータ81へ伸長して、ブロックデータ81を構成する各画素データを画像フレームメモリ20へ送出する機能を有する。
【0071】画像入出力部12は、外部から入力された1画面分の画像データを画像フレームメモリ20へ書込むとともに、必要に応じて、画像フレームメモリ20に復元された1画面分の画像データ80を読出して外部へ出力する機能を有している。
【0072】このような画像データ圧縮伸長装置において、圧縮動作モード設定時においては、外部から画像入出力部12へ1画面分の画像データ80が入力されるると、この画像データは画像フレームメモリ20へ例えばノンインターレス方式で書込まれる。この画像フレームメモリ20に書込まれた1画面分の画像データ80は、アドレス発生部40から出力される読出アドレスの指示に従って、各ブロックデータ81毎に画像圧縮伸長部32へ読出される。
【0073】画像圧縮伸長部32は順次読出されてくる各ブロックデータ80を圧縮して、圧縮画像データ83として順次外部記憶装置90へ書込む。また、この画像データ圧縮伸長装置が伸長動作モードに設定された場合おいては、画像圧縮伸長部32は、外部記憶装置90から順次入力された各圧縮画像データ83を元の(8×8)の画素データ100からなるブロックデータ81へ伸長して、ブロックデータ81を構成する各画素データを画像フレームメモリ20へ送出する。
【0074】画像フレームメモリ20に入力された各画素データ100は、アドレス発生部40から出力される書込アドレスの指示に従って、画像フレームメモリ20内に各ブロックデータ81毎にまとまったアドレス位置に書込まれる。
【0075】このように1画面分の画像データ80を構成する全部のブロックデータ81の画像フレームメモリ20に対する書込み処理が終了すると、画像入力出力部12は画像フレームメモリ20に書込まれた1画面分の画像データ80を1ライン分づつ読出して外部へ出力する。
【0076】このように、この実施例の画像データ圧縮伸長装置においては、1台の装置でもって画像データの圧縮及び伸長処理が可能であるので、画像データの送受信端末装置や画像データ記憶装置に組込むことによって、これらの装置をより小型に構成できる。さらに、これらの装置の画像データの送受信処理速度及び画像データの書込み読出処理速度を大幅に向上できる。
【0077】なお、本発明は上述した各実施例に限定されるものではない。例えば画像データの圧縮伸長の方法はDCTでなく、ウェーブレット分解、サブバンド分解であってもよい。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明の画像データ圧縮装置、画像データ伸長装置及び画像データ圧縮伸長装置によれば、1画面分の画像データを記憶する画像フレームメモリ上における各ブロックデータのアクセスアドレスを簡単に指定できる機能を付加することによって、画像圧縮部,画像伸長部又は画像圧縮伸長部から画像フレームメモリのブロックデータを直接アクセスでき、装置全体としての圧縮処理速度及び伸長処理速度を大幅に上昇できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の画像データ圧縮装置の概略構成を示すブロック図
【図2】 同実施例装置の画像フレームメモリに記憶された1画面分の画像データを示す図
【図3】 同実施例装置のアクセスアドレス発生部の構成を示す図
【図4】 (8×8)構成のブロックデータを示す概略図
【図5】 同ブロックデータの各画素データの読出し順序を示す図
【図6】 インターレス方式で画像データが書込まれた画像フレームメモリの構成を示す図
【図7】 インターレス方式で書込まれたブロックデータの読出し順序を示す図
【図8】 本発明の画像データ伸長装置の概略構成を示すブロック図
【図9】 本発明の画像データ圧縮伸長装置の概略構成を示すブロック図
【図10】 従来の画像データ圧縮装置の概略構成を示すブロック図
【図11】 同従来装置における画像フレームメモリからブロックデータを読出す手順を示す図
【符号の説明】
10…画像入力部,11…画像出力部、12…画像入出力部、20…画像フレームメモリ、30…画像圧縮部、31…画像伸長部、32…画像圧縮伸長部、40…アクセスアドレス発生部、41…アドレスラッチ部、42…アドレス量記憶部、43…アドレス加算部、44…制御部、80…画像データ、81…ブロックデータ、83…圧縮画像データ、90…外部記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力された少なくとも1画面分の画像データを一旦画像フレームメモリへ格納し、この画像フレームメモリに記憶された1画面分の画像データを構成する各画素データを複数画素データからなるブロックデータに区分けして、前記1画面の先頭位置のブロックデータから最終位置のブロックデータまで順番に読出し、読出した各ブロックデータに対して、画像圧縮部で画像圧縮を行なう画像データ圧縮装置であって、前記画像フレームメモリ内の一つのブロックデータの読出終了アドレスから次のブロックデータの読出開始アドレスまでのアドレス量及び同一ブロックデータ内の隣接画像データの読出アドレス相互間のアドレス量を記憶するアドレス量記憶部と、前記画像フレームメモリの一つの画素データに対する読出終了毎に該当画素データの読出アドレスをラッチするアドレスラッチ部と、このアドレスラッチ部にラッチされた読出アドレスに前記アドレス量記憶部に記憶されたアドレス量を加算して、次の画素データの読出アドレスとするアドレス加算部とを備えたえた画像データ圧縮伸長装置。
【請求項2】 入力された少なくとも1画面分の圧縮画像データの各圧縮画像データを画像伸長部で順番に複数画素データからなるブロックデータへ伸長し、この伸長した各ブロックデータを画像フレームメモリにおける1画面の先頭位置から最終位置まで順番に格納していく画像データ伸長装置であって、前記画像フレームメモリ内の一つのブロックデータの書込終了アドレスから次のブロックデータの書込開始アドレスまでのアドレス量及び同一ブロックデータ内の隣接画像データの書込アドレス相互間のアドレス量を記憶するアドレス量記憶部と、前記画像フレームメモリの一つの画素データに対する書込終了毎に該当画素データの書込アドレスをラッチするアドレスラッチ部と、このアドレスラッチ部にラッチされた書込アドレスに前記アドレス量記憶部に記憶されたアドレス量を加算して、次の画素データの書込アドレスとするアドレス加算部とを備えたえた画像データ圧縮伸長装置。
【請求項3】 一方から入力された複数画素データからなるブロックデータを画像圧縮して圧縮画像データとして他方へ出力するとともに、他方から入力された圧縮画像データを伸長して複数画素データからなるブロックデータとして一方へ出力する画像圧縮伸長部を有し、外部から入力した少なくとも1画面分の画像データを前記画像フレームメモリに一旦格納し、この画像フレームメモリに記憶された1画面分の画像データを構成する各画素データを複数画素データからなるブロックデータに区分けして、前記1画面の先頭位置のブロックデータから最終位置のブロックデータまで順番に読出して前記画像圧縮伸長部の一方へ入力し、かつ、外部から入力された少なくとも1画面分の圧縮画像データを前記画像圧縮伸長部の他方へ入力し、この画像圧縮伸長部から出力された各ブロックデータを前記画像フレームメモリにおける1画面の先頭位置から最終位置まで順番に格納していく画像データ圧縮伸長装置であって、前記画像フレームメモリ内の一つのブロックデータのアクセス終了アドレスから次のブロックデータのアクセス開始アドレスまでのアドレス量及び同一ブロックデータ内の隣接画像データのアクセスアドレス相互間のアドレス量を記憶するアドレス量記憶部と、前記画像フレームメモリの一つの画素データに対するアクセス終了毎に該当画素データのアクセスアドレスをラッチするアドレスラッチ部と、このアドレスラッチ部にラッチされたアクセスアドレスに前記アドレス量記憶部に記憶されたアドレス量を加算して、次の画素データのアクセスアドレスとするアドレス加算部とを備えたえた画像データ圧縮伸長装置。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図6】
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【図8】
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【図11】
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【図9】
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【図10】
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