説明

画像信号処理装置および画像信号処理方法

【課題】ワンセグ放送の解像度を高めることができるようにする。
【解決手段】ワンセグ放送用の一のセグメントから1/50sec間隔で供給される2つの画像信号を合成して合成信号を生成する。この合成信号を1フレーム分の画像データとすることによって、1/25secのフレームレートで1フレームを表示部に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上波デジタル放送における画像信号処理装置および画像信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地上波デジタル放送の伝送方式として、OFDM技術を用いたISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)が規格化されている。OFDM変調方式は、マルチキャリア変調方式の一種であり、隣接間で互いに直交する多数のキャリアに直並列変換された符号化データ(情報シンボル)を割り当て、逆高速フーリエ変換(Invert Fast Fourier Transform:IFFT)によって一括して時間領域の信号に変調した後に、直交変調によりOFDM信号を生成して伝送するものである。
【0003】
また、ISDB−Tは、UHF帯の6MHzの周波数帯域を13個のセグメントと呼ばれる帯域に分割した方式(セグメント構造)を採用している。そして、13セグメントのうち、12セグメントがハイビジョン(HDTV)放送に割り当てられ、残りの1セグメントが携帯受信機向けのワンセグ放送に割り当てられている。
【0004】
特許文献1には、高解像度画像信号によるハイビジョン(フルセグ)画像からテロップ領域を検出して、テロップ領域に対応する画素信号を除去するとともに、低解像度画像信号によるワンセグ画像の画素数を増大させた拡大画像信号からテロップ領域に対応する画素信号を切り出して、テロップ領域に対応する画素信号が除去された高解像度画像信号に、拡大画像信号から切り出した画素信号を合成することによって、テロップ等の人工的画像を削除した良好な画像を提示する画像信号の処理装置および処理方法が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−336405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述したように、ワンセグ放送には1セグメントしか割り当てられていない。このため、ワンセグ放送に使用されるデータ量が限定され、ワンセグ放送は解像度が低いものとなっている。
【0007】
本発明の目的は、ワンセグ放送の解像度を高めることが可能な画像信号処理装置および画像信号処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の画像信号処理装置は、一のセグメントから供給される画像信号を所定の間隔で受信するとともに、切替信号を受信可能な受信手段と、前記受信手段が前記切替信号を受信した場合に、2以上の前記画像信号を合成して合成信号を生成する合成信号生成手段と、前記受信手段が前記切替信号を受信していない場合に、一の前記画像信号を1フレーム分の画像データとする一方、前記受信手段が前記切替信号を受信した場合に、前記合成信号を1フレーム分の画像データとする画像データ切替手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、受信手段が切替信号を受信していない場合に、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる一方、受信手段が切替信号を受信した場合に、2以上の画像信号が合成された合成信号が1フレーム分の画像データとされる。これにより、一の画像信号よりもデータ容量が大きい合成信号が1フレーム分の画像データとされると、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる従来に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0010】
また、本発明の画像信号処理装置は、複数のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を所定の間隔で受信する受信手段と、各画像信号を所定のルールで間引くことによって前記画像信号よりもデータ容量が小さい縮小信号をそれぞれ生成する縮小信号生成手段と、各縮小信号を合成して、一のセグメントから供給される前記画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データを生成する画像データ生成手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記の構成によれば、複数のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を間引いた縮小信号が合成されて、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データが生成される。これにより、一のセグメントから供給される画像信号を1フレーム分の画像データとする従来のワンセグ放送に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0012】
また、本発明の画像信号処理方法は、一のセグメントから供給される画像信号を所定の間隔で受信するステップと、切替信号を受信した場合に、2以上の前記画像信号を合成して合成信号を生成するステップと、前記切替信号を受信していない場合に、一の前記画像信号を1フレーム分の画像データとする一方、前記切替信号を受信した場合に、前記合成信号を1フレーム分の画像データとするステップと、を有することを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、切替信号を受信していない場合に、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる一方、切替信号を受信した場合に、2以上の画像信号が合成された合成信号が1フレーム分の画像データとされる。これにより、一の画像信号よりもデータ容量が大きい合成信号が1フレーム分の画像データとされると、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる従来に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0014】
また、本発明の画像信号処理方法は、複数のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を所定の間隔で受信するステップと、各画像信号を所定のルールで間引くことによって前記画像信号よりもデータ容量が小さい縮小信号をそれぞれ生成するステップと、各縮小信号を合成して、一のセグメントから供給される前記画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データを生成するステップと、を有することを特徴とする。
【0015】
上記の構成によれば、複数のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を間引いた縮小信号が合成されて、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データが生成される。これにより、一のセグメントから供給される画像信号を1フレーム分の画像データとする従来のワンセグ放送に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図3に基づいて以下に説明する。
【0017】
(画像信号処理装置の構成)
本実施の形態にかかる画像信号処理装置は、ワンセグ放送用に割り当てられた一のセグメントから供給される放送信号に含まれる画像信号を受信する。この画像信号は、図1に示すように、A1、A2、A3の順番で、1/50sec間隔(所定の間隔)で供給されている。即ち、ワンセグ放送の画像信号のフレームレートは1/50secである。なお、ワンセグ放送の画像信号のフレームレートは1/50secに限定されない。
【0018】
ワンセグ放送用のセグメントから供給される画像信号の各々は、エンコード(圧縮)されているとともに、変調されている。そのため、画像信号処理装置において受信された画像信号は、復調されるとともに、デコード(解凍)される。
【0019】
ここで、ワンセグ放送用のセグメントから供給される放送信号には、画像信号の他に、音声信号が含まれている。音声信号は、画像信号と同様に、1/50sec間隔で順番に供給される。そして、音声信号の各々は、エンコード(圧縮)されているとともに、変調されている。
【0020】
また、本実施の形態において、ワンセグ放送用のセグメントから供給される放送信号には、切替信号が含まれている場合がある。この切替信号は、ワンセグ放送のフレームレートを1/50secから1/25secに切り替えるように指示するものである。
【0021】
画像信号処理装置が切替信号を受信した場合には、図1に示すように、1/50sec間隔で続けて受信された2つの画像信号が合成されることによって、合成信号が生成される。そして、合成信号が1フレーム分の画像データとされる。具体的には、A1とA2の画像信号が合成された合成信号がF1の画像データとされ、A3とA4の画像信号が合成された合成信号がF2の画像データとされる。これにより、1/25secのフレームレートで画像データが切り替わることとなる。なお、合成に要する時間は考慮しないものとする。
【0022】
一方、画像信号処理装置が切替信号を受信しない場合には、図1に示すように、1/50sec間隔で供給される画像信号の各々が1フレーム分の画像データとされる。具体的には、A1の画像信号がF1の画像データとされ、A2の画像信号がF2の画像データとされる。これにより、1/50secのフレームレートで画像データが切り替わることとなる。
【0023】
ここで、一の合成信号のデータ容量は、単純に比べて、一の画像信号のデータ容量の2倍である。従って、一の合成信号が1フレーム分の画像データとされた場合、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる従来のワンセグ放送に比べて、1フレーム分の画像データの容量が、単純に2倍になっている。これにより、図1に示すように、一の合成信号を1フレーム分の画像データとして表示したフレーム画像Aの方が、一の画像信号を1フレーム分の画像データとして表示したフレーム画像Bよりも、解像度が高くなっている。
【0024】
このように、一の画像信号よりもデータ容量が大きい合成信号が1フレーム分の画像データとされると、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる従来に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0025】
(受信装置1の機械的構成)
本実施の形態に係る画像信号処理装置が組み込まれた受信装置1の機械的構成について、図2を用いて説明する。なお、受信装置1は、携帯電話端末やカーナビといった、ワンセグ放送を受信可能な機器に組み込まれている。
【0026】
受信装置1は、図2に示すように、制御回路11によって動作が制御されている。図2に示す制御回路11は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ12を主たる構成要素とし、これに各種回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ12は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU13と、各種プログラムを格納するROM14と、一時記憶手段としてのRAM15とを有している。
【0027】
CPU13には、受信手段としてのアンテナ2が受信した放送信号を復調する復調回路16、表示部3に表示させる画像を制御する表示制御回路17、および、音声出力部4から出力させる音声を制御する音声制御回路18が接続されている。
【0028】
CPU13は、復調回路16が復調した放送信号をデコードする。また、合成信号生成手段としてのCPU13は、放送信号に切替信号が含まれている場合に、デコードした画像信号をRAM15に格納し、2つの画像信号を合成することによって、合成信号を生成する。また、画像データ切替手段としてのCPU13は、放送信号に切替信号が含まれている場合に、一の合成信号を1フレーム分の画像データとする一方、放送信号に切替信号が含まれていない場合に、一の画像信号を1フレーム分の画像データとする。また、CPU13は、1フレーム分の画像データを1フレームとして表示部3に表示させるように表示制御回路17を制御する。
【0029】
また、CPU13は、放送信号に切替信号が含まれているか否かに関わらず、一の音声信号を1/50sec分の音声データとして音声出力部4から出音させるように音声制御回路18を制御する。なお、CPU13は、放送信号に切替信号が含まれている場合に、2つの音声信号を合成して、1/25sec分の音声データとして音声出力部4から出音させるように音声制御回路18を制御する構成であってもよい。
【0030】
(受信装置1の動作)
上記の構成において、図3に示す画像表示処理ルーチンを参照して、受信装置1の動作について説明する。
【0031】
(画像表示処理ルーチン)
画像表示処理ルーチンが実行されると、図3に示すように、CPU13は、ワンセグ放送の画像信号を受信する(S1)。そして、画像信号を復調回路16で復調させ(S2)、復調された画像信号をデコードする(S3)。その後、ワンセグ放送の放送信号に切替信号が含まれているか否かを判定することによって、フレームレートを1/50secから1/25secに切り替えるか否かを判定する(S4)。
【0032】
S4において、ワンセグ放送の放送信号に切替信号が含まれておらず、フレームレートを切り替えないと判定した場合には(S4:NO)、デコードした画像信号を1フレーム分の画像データとして表示部3に表示させるように表示制御回路17を制御することによって、1フレームを表示部3に表示させる(S5)。その後、S1に戻る。
【0033】
S4において、ワンセグ放送の放送信号に切替信号が含まれており、フレームレートを切り替えると判定した場合には(S4:YES)、デコードした画像信号をRAM15に格納する(S6)。続いて、次の画像信号を受信し(S7)、これを復調回路16で復調させ(S8)、復調された画像信号をデコードし(S9)、RAM15に格納する(S10)。その後、RAM15に格納されている2つの画像信号を合成させて合成信号を生成し(S11)、合成信号を1フレーム分の画像データとして表示部3に表示させるように表示制御回路17を制御することによって、1フレームを表示部3に表示させる(S12)。その後、S1に戻る。
【0034】
このように、一の画像信号よりもデータ容量が大きい合成信号が1フレーム分の画像データとされると、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる従来に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0035】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態の画像信号処理装置は、一のセグメント(ワンセグ放送用のセグメント等)から供給される画像信号を所定の間隔(1/50sec等)で受信するとともに、切替信号を受信可能な受信手段(アンテナ2、復調回路16等)と、受信手段が切替信号を受信した場合に、2以上の画像信号を合成して合成信号を生成する合成信号生成手段(CPU13、図3の画像表示処理ルーチン等)と、受信手段が切替信号を受信していない場合に、一の画像信号を1フレーム分の画像データとする一方、受信手段が切替信号を受信した場合に、合成信号を1フレーム分の画像データとする画像データ切替手段(CPU13、図3の画像表示処理ルーチン等)と、を有する構成にされている。
【0036】
上記の構成によれば、受信手段が切替信号を受信していない場合に、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる一方、受信手段が切替信号を受信した場合に、2以上の画像信号が合成された合成信号が1フレーム分の画像データとされる。これにより、一の画像信号よりもデータ容量が大きい合成信号が1フレーム分の画像データとされると、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる従来に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0037】
また、本実施の形態の画像信号処理方法は、一のセグメント(ワンセグ放送用のセグメント等)から供給される画像信号を所定の間隔(1/50sec等)で受信するステップと、切替信号を受信した場合に、2以上の画像信号を合成して合成信号を生成するステップと、切替信号を受信していない場合に、一の画像信号を1フレーム分の画像データとする一方、切替信号を受信した場合に、合成信号を1フレーム分の画像データとするステップと、を有する構成にされている。
【0038】
上記の構成によれば、切替信号を受信していない場合に、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる一方、切替信号を受信した場合に、2以上の画像信号が合成された合成信号が1フレーム分の画像データとされる。これにより、一の画像信号よりもデータ容量が大きい合成信号が1フレーム分の画像データとされると、一の画像信号が1フレーム分の画像データとされる従来に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0039】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を図4ないし図5に基づいて以下に説明する。
【0040】
(画像信号処理装置の構成)
本実施の形態にかかる画像信号処理装置は、図4に示すように、ハイビジョン放送用に割り当てられた12個のセグメントの各々から供給される放送信号に含まれる画像信号を受信する。これら画像信号は、1/50sec間隔(所定の間隔)で供給されている。即ち、ハイビジョン放送の画像信号のフレームレートは1/50secである。なお、ハイビジョン放送の画像信号のフレームレートは1/50secに限定されない。
【0041】
ハイビジョン放送用の12個のセグメントの各々から供給される画像信号の各々は、エンコード(圧縮)されているとともに、変調されている。そのため、画像信号処理装置において受信された画像信号は、復調されるとともに、デコード(解凍)される。
【0042】
ここで、ハイビジョン放送用のセグメントから供給される放送信号には、画像信号の他に、音声信号が含まれている。音声信号は、画像信号と同様に、1/50sec間隔で順番に供給される。そして、音声信号の各々は、エンコード(圧縮)されているとともに、変調されている。
【0043】
画像信号処理装置においてデコードされた各画像信号は、図4に示すように、所定のルールで間引きされる。これにより、一の画像信号よりもデータ容量が小さい縮小信号が生成される。ここで、間引きは、複数の行と複数の列とで構成されるマトリクスデータの偶数番目の行に対応するデータを削除したり、奇数番目の列に対応するデータを削除したりすることによって行われるものであってよい。
【0044】
生成された12個の縮小信号は、図4に示すように、合成される。これにより、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データが生成される。具体的には、1〜12の縮小信号が合成されることによって、F1の画像データが生成される。これにより、1/50secのフレームレートで画像データが切り替わることとなる。なお、合成に要する時間は考慮しないものとする。
【0045】
ここで、12個の縮小信号が合成されて生成された1フレーム分の画像データは、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい。これにより、図4に示すように、12個の縮小信号を合成して生成した1フレーム分の画像データを1フレームとして表示したフレーム画像Aの方が、一の画像信号を1フレーム分の画像データとして表示したフレーム画像Bよりも、解像度が高くなっている。
【0046】
このように、12個のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を間引いた縮小信号が合成されて、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データが生成される。これにより、一のセグメントから供給される画像信号を1フレーム分の画像データとする従来のワンセグ放送に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0047】
(受信装置1の機械的構成)
本実施の形態に係る画像信号処理装置が組み込まれた受信装置1の機械的構成は、第1の実施の形態と同じである(図2参照)。
【0048】
CPU13は、復調回路16が復調した12個の放送信号をそれぞれデコードする。また、縮小信号生成手段としてのCPU13は、各画像信号を所定のルールで間引くことによって、一の画像信号よりもデータ容量が小さい縮小信号をそれぞれ生成する。また、画像データ生成手段としてのCPU13は、各縮小信号を合成して、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データを生成する。また、CPU13は、1フレーム分の画像データを1フレームとして表示部3に表示させるように表示制御回路17を制御する。
【0049】
また、CPU13は、12個の音声信号を1フレーム分の音声データとして音声出力部4から出音させるように音声制御回路18を制御する。
【0050】
(受信装置1の動作)
上記の構成において、図5に示す画像表示処理ルーチンを参照して、受信装置1の動作について説明する。
【0051】
(画像表示処理ルーチン)
画像表示処理ルーチンが実行されると、図5に示すように、CPU13は、ハイビジョン放送の画像信号を12個のセグメントの各々から受信する(S101)。そして、各画像信号を復調回路16で復調させ(S102)、復調された各画像信号をデコードする(S103)。その後、間引き処理を行うことによって、画像信号から縮小信号を生成する(S104)。
【0052】
次に、12個の縮小信号を合成させて1フレーム分の画像データを生成し(S105)、この画像データを表示部3に表示させるように表示制御回路17を制御することによって、1フレームを表示部3に表示させる(S106)。その後、S101に戻る。
【0053】
このように、12個のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を間引いた縮小信号が合成されて、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データが生成される。これにより、一のセグメントから供給される画像信号を1フレーム分の画像データとする従来のワンセグ放送に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0054】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態の画像信号処理装置は、複数のセグメント(ハイビジョン放送用の12個のセグメント等)からそれぞれ供給される画像信号を所定の間隔(1/50sec等)で受信する受信手段(アンテナ2、復調回路16等)と、各画像信号を所定のルールで間引くことによって画像信号よりもデータ容量が小さい縮小信号をそれぞれ生成する縮小信号生成手段(CPU13、図5の画像表示処理ルーチン等)と、各縮小信号を合成して、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データを生成する画像データ生成手段(CPU13、図5の画像表示処理ルーチン等)と、を有する構成にされている。
【0055】
上記の構成によれば、複数のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を間引いた縮小信号が合成されて、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データが生成される。これにより、一のセグメントから供給される画像信号を1フレーム分の画像データとする従来のワンセグ放送に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0056】
また、本実施の形態の画像信号処理方法は、複数のセグメント(ハイビジョン放送用の12個のセグメント等)からそれぞれ供給される画像信号を所定の間隔(1/50sec等)で受信するステップと、各画像信号を所定のルールで間引くことによって画像信号よりもデータ容量が小さい縮小信号をそれぞれ生成するステップと、各縮小信号を合成して、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データを生成するステップと、を有する構成にされている。
【0057】
上記の構成によれば、複数のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を間引いた縮小信号が合成されて、一のセグメントから供給される画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データが生成される。これにより、一のセグメントから供給される画像信号を1フレーム分の画像データとする従来のワンセグ放送に比べて、1フレーム分の画像データのデータ容量が大きなものとなるから、従来よりもデータ容量が大きな画像データをワンセグ放送の表示に用いることによって、ワンセグ放送の解像度を高めることができる。
【0058】
(本実施の形態の変形例)
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0059】
例えば、第1の実施の形態において、ワンセグ放送用のセグメントから画像信号を受信する構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、ハイビジョン放送用の一のセグメントから画像信号を受信する構成にされていてもよい。また、第2の実施の形態において、ハイビジョン放送用の12個のセグメントからそれぞれ画像信号を受信する構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、ワンセグ放送用およびハイビジョン放送用の13個のセグメントのうち、2個以上のセグメントから画像信号をそれぞれ受信する構成にされていてもよい。
【0060】
また、第1の実施の形態において、ワンセグ放送用のセグメントから1/50sec間隔で供給される2つの画像信号を合成する構成にされているが、この構成に限定されるものではなく、3つ以上の画像信号を合成する構成にされていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】画像信号処理装置の構成図。
【図2】受信装置の電気的構成を示す図。
【図3】画像表示処理ルーチンを示す図。
【図4】画像信号処理装置の構成図。
【図5】画像表示処理ルーチンを示す図。
【符号の説明】
【0062】
1 受信装置
2 アンテナ
13 CPU
16 復調回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一のセグメントから供給される画像信号を所定の間隔で受信するとともに、切替信号を受信可能な受信手段と、
前記受信手段が前記切替信号を受信した場合に、2以上の前記画像信号を合成して合成信号を生成する合成信号生成手段と、
前記受信手段が前記切替信号を受信していない場合に、一の前記画像信号を1フレーム分の画像データとする一方、前記受信手段が前記切替信号を受信した場合に、前記合成信号を1フレーム分の画像データとする画像データ切替手段と、
を有することを特徴とする画像信号処理装置。
【請求項2】
複数のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を所定の間隔で受信する受信手段と、
各画像信号を所定のルールで間引くことによって前記画像信号よりもデータ容量が小さい縮小信号をそれぞれ生成する縮小信号生成手段と、
各縮小信号を合成して、一のセグメントから供給される前記画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データを生成する画像データ生成手段と、
を有することを特徴とする画像信号処理装置。
【請求項3】
一のセグメントから供給される画像信号を所定の間隔で受信するステップと、
切替信号を受信した場合に、2以上の前記画像信号を合成して合成信号を生成するステップと、
前記切替信号を受信していない場合に、一の前記画像信号を1フレーム分の画像データとする一方、前記切替信号を受信した場合に、前記合成信号を1フレーム分の画像データとするステップと、
を有することを特徴とする画像信号処理方法。
【請求項4】
複数のセグメントからそれぞれ供給される画像信号を所定の間隔で受信するステップと、
各画像信号を所定のルールで間引くことによって前記画像信号よりもデータ容量が小さい縮小信号をそれぞれ生成するステップと、
各縮小信号を合成して、一のセグメントから供給される前記画像信号よりもデータ容量が大きい1フレーム分の画像データを生成するステップと、
を有することを特徴とする画像信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−188615(P2009−188615A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25125(P2008−25125)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】