説明

画像入力装置

【課題】フォトンの量が少ない夜間においても、S/N比の高い輝度信号を生成することができる画像入力装置を提供する。
【解決手段】Ye画素はYeフィルタを備えているため、Yeの可視カラー画像成分である画像成分Yeおよび赤外画像成分を撮像する。R画素はRフィルタを備えているため、Rの可視カラー画像成分である画像成分Rおよび赤外画像成分を撮像する。IR画素はIRフィルタを備えているため、赤外画像成分である画像成分IRを撮像する。W画素はフィルタを備えていないため、可視画像成分と画像成分IRとを含む画像成分である画像成分Wを撮像する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子により撮像された原画像データを画像処理する画像入力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、夜間のシーンをカラーで撮像する撮像装置が知られている。例えば、特許文献1には、下記に示すようなカラー画像再生装置が開示されている。まず、R,G,Bのフィルタを備える画素により撮像された画像からR,G,Bの色成分からなる可視画像データを抽出する。次に、Irのフィルタを備える画素により撮像された画像から赤外画像データを抽出する。次に、可視画像データをHSV変換して第1の輝度情報を抽出し、かつ赤外画像データから第2の輝度情報を抽出する。次に、第1の輝度情報を重み係数w1で重み付け、第2の輝度情報を重み係数w2(w1+w2=1)で重み付け、疑似カラー画像を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−184805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、夜間はフォトンの量が少ないため、撮影画像のS/N比が小さくなるという問題があるが、特許文献1の手法では、このようなことが考慮されていない。
【0005】
本発明の目的は、フォトンの量が少ない夜間においても、画像のS/N比の高い輝度信号を生成することができる画像入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一局面による画像入力装置は、分光感度の異なる4種類の画素が配列され、4種類の原画像成分を含む原画像データを撮像する撮像素子と、前記原画像成分からRGB色信号を生成する色信号生成部と、前記原画像データを輝度信号と色度信号とを含む色空間に変換する色空間変換部とを備え、前記撮像素子は、それぞれ分光感度が異なる第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び第4の画素を含む単位画素部がマトリックス状に配列され、可視波長領域と赤外波長領域とを有感度波長帯域とした際に、前記第1の画素は、前記可視波長領域の青色領域を除く前記有感度波長帯域の光を透過する第1のカラーフィルタを備え、前記第2の画素は、前記可視波長領域の青色領域及び緑色領域を除く前記有感度波長帯域の光を透過する第2のカラーフィルタを備え、前記第3の画素は、前記可視波長領域を除く前記有感度波長帯域の光を透過する赤外フィルタを備え、前記第4の画素は、フィルタを備えておらず、前記色信号生成部は、前記RGB色信号を、前記第1の画素、前記第2の画素、前記第3の画素及び前記第4の画素により得られる原画像成分の減算処理を用いて算出し、前記色空間変換部は、前記輝度信号を、前記第1の画素、前記第2の画素、前記第3の画素及び前記第4の画素より得られる原画像成分の加算処理を用いて算出するとともに、前記色度信号を、前記RGB色信号を前記色空間に変換することで算出することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、撮像素子により少なくとも3種類の原画像成分を含む原画像データが撮像される。そして、色空間変換部は、原画像データを構成する原画像成分を加算処理することで第1の強度信号を生成し、この第1の強度画像信号を色空間の輝度信号とし算出している。そのため、フォトンの量が少ない夜間においても、S/N比の高い輝度信号を生成することができる。
【0008】
また、この構成によれば、全画素が赤外波長領域に感度を有しているため、S/N比の高い赤外画像成分を得ることができる。また、分光透過特性の高い撮像素子を低コストで生産することができる。
【0009】
(2)前記原画像成分の欠落画素データを補間する色補間部をさらに備えることが好ましい。
【0010】
(3)前記色空間変換部は、前記原画像成分又は前記原画像成分に基づく色度信号に対してスムージング処理を行うことが好ましい。
【0011】
この構成によれば、前記原画像成分又は前記原画像成分に基づく色度信号に対してスムージング処理が施されている。そのため、S/N比の高い色度信号が得られる。
【0012】
(4)前記色空間変換部は、赤外光の強度が可視光の強度よりも強くなるほど、前記色空間の色度信号が低くなるように算出することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、赤外光の強度が可視光の強度よりも強くなるほど、夜間を撮影している可能性が高く、色度信号が精度良く算出できていない可能性がある。そこで、本構成を採用することで、色度信号が低くなり、算出精度の低い色度信号の影響が低くなるように、R,G,Bの色信号を算出することができる。
【0014】
(5)前記原画像成分からRGB色信号を生成する色信号生成部を更に備え、前記色空間変換部は、前記RGB色信号を前記色空間に変換することで第2の強度信号を生成し、前記第2の強度信号に対する前記第1の強度信号の割合である第1の割合を用いて演算することで前記色空間の色度信号を算出することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、RGB色信号を色空間変換することで第2の強度信号が生成されている。この第2の強度信号に対する第1の強度信号の割合が第1の割合として算出されている。そして、この第1の割合を用いて演算することで色空間の色度信号が算出されている。そのため、色空間変換部は、変換対象となる色空間でバランスの取れた色度信号と輝度信号とを生成することができる。
【0016】
(6)前記原画像成分からRGB色信号を生成する色信号生成部を更に備え、前記色空間変換部は、前記RGB色信号を前記色空間に変換することで前記第2の強度信号を生成し、スムージング処理を施した前記第1の強度信号に対するスムージング処理を施した前記第2の強度信号の割合である第2の割合を用いて演算することで前記第1の強度信号を補正し、補正後の第1の強度信号を前記色空間の輝度信号として算出することが好ましい。
【0017】
この構成によれば、スムージング処理を施した第1の強度信号に対するスムージング処理を施した第2の強度信号の割合である第2の割合を用いて演算することで第1の強度信号が補正されている。そのため、人間が視認する画像の強度を精度良く再現した輝度信号を生成することができる。
【0018】
(7)前記色空間変換部は、前記RGB色信号を前記色空間に変換することで前記第2の強度信号を生成し、前記第2の強度信号に対する前記第1の強度信号の割合である第1の割合を用いて演算することで前記色空間の色度信号を算出することが好ましい。
【0019】
この構成によれば、第1の割合を用いて演算することで色空間の色度信号が補正されている。そのため、変換対象となる色空間における強度信号と色度信号とのバランスを保つことができる。
【0020】
(8)前記原画像データは赤外画像成分を含み、前記色空間変換部は、前記赤外画像成分を基に、赤外光の強度と可視光の強度とを比較し、赤外光の強度が強くなるに従って、前記第1の強度信号の重み付けが小さくなるように、前記第1の強度信号と前記原画像成分をそのまま用いた信号とを重み付け加算して前記色空間の輝度信号を算出することが好ましい。
【0021】
この構成によれば、赤外光の強度が可視光の強度よりも強くなるに従って、第1の強度信号の重み付けが小さくなるように、第1の強度信号と原画像成分をそのまま用いた信号とが重み付け加算され、変換対象となる色空間の輝度信号が算出されている。そのため、人間が目視する画像の強度を精度良く表した輝度信号を生成することができる。
【0022】
(9)前記原画像成分をスムージング処理するスムージング処理部と、前記スムージング処理部によりスムージング処理された原画像成分の欠落画素データを補間する色補間部と、前記原画像成分からRGB色信号を生成する色信号生成部とを更に備え、前記色信号生成部は、前記色補間部により欠落画素データが補間された原画像成分から前記RGB色信号を生成することが好ましい。
【0023】
この構成によれば、補間処理が行われる前にスムージング処理が行われているため、スムージング処理部の回路規模を小さくすることができる。
【0024】
(10)前記撮像素子の分光感度の異なる少なくとも3種類の画素のうちの、少なくとも一つは赤外波長領域に感度を持つことが好ましい。
【0025】
(11)前記撮像素子の分光感度の異なる少なくとも3種類の画素のうちの、少なくとも一つは赤外波長領域のみに感度を有し、前記第1の強度信号は、赤外画像成分を含む原画像成分を加算処理することのみよって算出されることが好ましい。
【0026】
この構成によれば、少なくとも一つは赤外波長領域に感度を有し、赤外画像成分を含む原画像成分を、減算処理することなく加算処理することのみによって算出しているため、S/N比の高い赤外画像成分を得ることができる。そのため、フォトンの量が少ない夜間においても、S/N比の高い輝度信号を生成することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、原画像データを構成する原画像成分を加算処理することで第1の強度信号が生成され、この第1の強度信号が変換対象となる色空間の輝度信号として算出されている。そのため、フォトンの量の少ない夜間においても、S/N比の高い輝度信号を生成することができる。
【0028】
また、RGB色信号を色空間変換した後、スムージング処理することで色空間の色度信号を算出する場合には更に、フォトンの量の少ない夜間においても、S/N比の高い色度信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施の形態1による画像入力装置1のブロック図を示している。
【図2】撮像素子の画素の配列を示す図である。
【図3】Ye,R,IRフィルタの分光透過特性を示した図である。
【図4】画像処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】ノイズ成分の分布を示すグラフである。
【図6】(a)は、減算処理されたノイズ成分を示す表であり、(b)は加算処理されたノイズ成分を示す表である。
【図7】実施の形態1の画像入力装置1の動作を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2の画像入力装置1の動作を示すフローチャートである。
【図9】スムージング処理部を色補間部の前段に設けたときの画像処理部4のブロック図である。
【図10】シアンとマゼンタとの分光感度特性を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1による画像入力装置1について説明する。図1は、画像入力装置1のブロック図を示している。図1に示すように画像入力装置1は、レンズ2、撮像素子3、画像処理部4、及び制御部5を備えている。ここで、画像入力装置1は、例えば自動車に搭載され、自動車の周囲の被写体を撮像する。
【0031】
レンズ2は、被写体の光像を取り込み、撮像素子3へ導く光学レンズ系から構成される。光学レンズ系としては、被写体の光像の光軸Lに沿って直列的に配置される例えばズームレンズや単焦点レンズ、その他のレンズブロック等を採用することができる。また、レンズ2は、透過光量を調節するための絞り(図略)、シャッタ(図略)等を備えていてもよく、この場合には制御部5の制御の下、絞り及びシャッタの駆動が制御される。
【0032】
撮像素子3は、PD(フォトダイオード)からなる受光部と、受光部により光電変換された信号を出力する出力回路と、撮像素子3を駆動する駆動回路とを含み、光量に応じたレベルを有する原画像データを生成する。ここで、撮像素子3としては、CMOSイメージセンサ、VMISイメージセンサ、及びCCDイメージセンサ等の種々の撮像センサを採用することができる。
【0033】
そして、本実施の形態において、撮像素子3は、カラーフィルタを備える画素により、少なくとも可視カラー画像成分を撮像し、赤外フィルタを備える画素により赤外画像成分を撮像し、フィルタを備えない画素により可視画像成分と赤外画像成分とを含む画像成分を撮像する。
【0034】
画像処理部4は、演算回路及び演算回路の作業領域として用いられるメモリ等を含み、撮像素子3から出力された原画像データをA/D変換してデジタル信号に変換し、後述する画像処理を実行した後、例えば図略のメモリや表示装置に出力する。
【0035】
制御部5は、CPU及びCPUが実行するプログラムを格納するメモリ等を含み、外部からの制御信号に応答し、画像入力装置1の全体制御を司る。
【0036】
図2は、撮像素子3の画素の配列を示す図である。図2に示すように撮像素子3は、Ye画素(第1の画素)、R画素(第2の画素)、IR画素(第3の画素)、及びW画素(第4の画素)を含む単位画素部31がマトリックス状に配列されている。
【0037】
図2の場合、単位画素部31において、第1行第1列にR画素が配列され、第2行第1列にIR画素が配列され、第1行第2列にW画素が配列され、第2行第2列にYe画素が配列されている。但し、これは一例であり、他のパターンでR画素、IR画素、W画素、及びYe画素が配列されていてもよい。
【0038】
Ye画素はYeフィルタ(第1のカラーフィルタ)を備えているため、Yeの可視カラー画像成分である画像成分Ye(原画像成分)および赤外画像成分を撮像する。R画素はRフィルタ(第2のカラーフィルタ)を備えているため、Rの可視カラー画像成分である画像成分R(原画像成分)および赤外画像成分を撮像する。IR画素はIRフィルタ(赤外フィルタ)を備えているため、赤外画像成分である画像成分IR(原画像成分)を撮像する。W画素はフィルタを備えていないため、可視画像成分と画像成分IRとを含む画像成分である画像成分W(原画像成分)を撮像する。
【0039】
図3は、Ye,R,IRフィルタの分光透過特性を示した図であり、縦軸は透過率(感度)を示し、横軸は波長(nm)を示している。なお、点線で示すグラフはフィルタが取り外された状態における画素の分光感度特性を示している。この分光感度特性は、赤外波長領域でピークを有し、上に凸の曲線を描いて変化していることが分かる。また、図3では、400nm〜700nmが可視波長領域とされ、700nm〜1100nmが赤外波長領域とされ、400nm〜1100nmが有感度波長帯域とされている。なお、フィルタを有しない場合の画素の分光感度特性は、紫外領域まで感度を有しているが、レンズ2により紫外領域がカットされるため、400nm〜1100nmが有感度波長帯域となる。また、分光感度特性は、図3に示すものに限るものでなく、可視光領域から赤外光領域にわたって感度を有するものであればよい。
【0040】
図3に示すように、Yeフィルタは、可視波長領域の青色領域を除く前記有感度波長帯域の光を透過する特性を有する。よって、Yeフィルタは主にイエローの光と赤外光とを透過する。
【0041】
Rフィルタは、可視波長領域の青色領域及び緑色領域を除く有感度波長帯域の光を透過する特性を有する。よって、Rフィルタは主に赤の光と赤外光とを透過する。
【0042】
IRフィルタは、可視波長領域を除く有感度波長帯域、すなわち赤外波長帯域の光を透過する特性を有する。Wはフィルタを備えていない場合を示し、画素の有感度波長帯域の光が全て透過される。
【0043】
他に似たような特性を実現するには、Ye,R,IRの代わりにYe,M(マゼンタ)+IR,C(シアン)+IR(但し、M+IRは、グリーンのみを遮蔽し、C+IRはレッドのみを遮蔽する。)でも実現可能である。ただし、R画素、IR画素、Ye画素は、分光透過特性を急峻にすることができ、例えば、M+IRフィルタやC+IRフィルタに比べて、分光透過特性が良好である。つまり、M+IRフィルタ及びC+IRフィルタは、それぞれ、有感度波長帯域のうち、中央の一部の領域である緑色領域及び赤色領域のみを遮蔽する特性を有しており、その遮蔽する波長領域の前後では透過波長領域を有するのに対し、Rフィルタ、IRフィルタ、Yeフィルタは、遮蔽波長領域と透過波長領域との2つの隣接する波長領域となる特性を持たせれば良いので、急峻な分光透過特性を持たせることが容易にできる。そのため、Rフィルタ、IRフィルタ、Yeフィルタは、M+IRフィルタ及びC+IRフィルタよりも、それぞれ、演算してもRGB画像成分を精度良く抽出することができる。よって、R画素、IR画素、Ye画素、W画素で撮像素子3を構成することで、撮像素子3の高性能化を図ることができる。
【0044】
図4は、画像処理部4の詳細な構成を示すブロック図である。画像処理部4は、色補間部41、色信号生成部42、色空間変換部43、及びRGB色信号生成部44を備えている。
【0045】
色補間部41は、Ye画素より得られる画像成分Ye、R画素より得られる画像成分R、IR画素より得られる画像成分IR、及びW画素より得られる画像成分Wのそれぞれに欠落画素データを補間するための補間処理を施し、画像成分R、画像成分IR、画像成分W、及び画像成分Yeのそれぞれを撮像素子3の画素数と同一画素数からなる画像データにする。なお、画像成分Ye,R,IR,Wに欠落画素データが発生するのは、R画素、IR画素、W画素、及びYe画素の上述の配列のためである。また、補間処理としては、例えば線形補間処理を採用すればよい。
【0046】
色信号生成部42は、色補間部41により補間処理が施された画像成分Yeと、画像成分Rと、画像成分IRと、画像成分Wとを式(1)により合成して、色信号dR,dG,dB(RGB色信号)を生成する。
【0047】
dR=R−IR
dG=Ye−R (1)
dB=W−Ye
色空間変換部43は、式(2)に示すように、色信号dR,dG,dBを、輝度信号Y(第2の強度信号の一例)と色差信号Cb,Cr(色度信号の一例)とを含む色空間に変換する。ここで、色差信号Cbは青の色差信号を示し、色差信号Crは赤の色差信号を示す。
【0048】
Y=0.3dR+0.59dG+0.11dB
Cb=dB−Y (2)
Cr=dR−Y
また、色空間変換部43は、式(3)に示すように、画像成分Ye,R,IR,Wを加算することで得られ輝度信号Yadd(第1の強度信号の一例)を、変換対象となる色空間の輝度信号として算出する。
【0049】
Yadd=(1/4)×(R+IR+W+Ye) (3)
ここで、輝度信号Yaddは、加算処理により算出されているため、減算処理により輝度信号Yを算出した場合に比べてノイズ成分を低くすることができる。
【0050】
図5は、ノイズ成分を含む画像成分の分布を示すグラフである。図6(a)は、減算処理されたノイズ成分を含む出力画像成分を示す表であり、図6(b)は加算処理されたノイズ成分を含む出力画像成分を示す表である。図5において、縦軸はノイズ成分を含む画像成分の頻度を示し、横軸はノイズ成分を含む出力画像成分の強度を示している。
【0051】
aは例えば、ある画像成分Aのノイズ成分を含む出力分布を示し、bはある画像成分Bのノイズ成分を含む出力分布を示しているものとする。ここでは、ノイズ成分を含む出力分布a,bは、例えば10,9を平均値として、標準偏差が同一の正規分布を有しているものとしている。
【0052】
図5に示す例において、a−bを簡略化して演算すると、図6(a)の結果が得られる。また、(1/2)×(a+b)を簡略化して演算すると、図6(b)の結果が得られる。
【0053】
減算処理を行った場合、図6(a)に示すように、a−bの最大値は3であり、最小値は−1である。よって、ノイズ成分の範囲は4となる。一方、加算処理を行った場合、図6(b)に示すように、(a+b)/2の最大値は10.5であり、最小値は8.5であり、ノイズ成分の範囲は2となる。この結果から、加算処理を行った方が減算処理を行った場合に比べて、ノイズ成分の範囲が小さくなり、S/N比が大幅に向上していることが分かる。なお、図5及び図6は、一例にすぎず、実際のノイズ成分の値を示したものではない。
【0054】
図4に戻り、色空間変換部43は、式(2)で求めた色差信号Cb,Crをスムージング処理し、色差信号Cbs,Crsを算出する。ここで、スムージング処理としては、例えば、5×5等の比較的小サイズのローパスフィルタを用いて繰り返し処理し、色差信号Cb,Crを多重解像度化するフィルタ処理であるカスケードフィルタ処理を採用してもよい。また、比較的サイズの大きな所定サイズのローパスフィルタを用いたフィルタ処理を採用してもよい。
【0055】
また、発光する被写体に対してはぼけることなく、エッジ以外の領域を平滑化するエッジ保存フィルタ(画素間の信号レベル差がある基準値より小さい場合に平滑化し、基準値より大きい部分は平滑化しないフィルタ)処理を採用してもよい。なお、発光していることを検出するのは、赤外成分と可視光成分とを比較することにより推測できる。
【0056】
このように、色差信号Cb,Crにスムージング処理を行うことで、色差信号Cb,Crに含まれるノイズ成分がぼかされ、色差信号Cb,CrのS/N比を向上させることができる。
【0057】
また、色空間変換部43は、式(4)に示すように、式(2)で求めた輝度信号Yに対する式(3)で求めた輝度信号Yaddの割合RT1(第1の割合:RT1=Yadd/Y)に応じて色差信号Crs,Cbsを補正し、色差信号Crm,Cbmを求める。
【0058】
Crm=Crs×Yadd/Y
Cbm=Cbs×Yadd/Y (4)
このように割合RT1を用いて演算することで色信号を算出する、具体的には割合RT1を用いて色差信号Crs,Cbsを補正することで、変換対象となる色空間における色差信号と輝度信号とをバランス良く算出することができる。この処理を行うことにより、色信号dR′,dG′,dB′を計算したとき、輝度信号Yaddが輝度信号Yよりも大きい場合でも鮮やかさが失われることがなく、輝度信号Yaddが輝度信号Yよりも小さい場合でも鮮やかさが過剰になり過ぎる問題を引き起こすことを防止できる。
【0059】
RGB色信号生成部44は、式(2)を逆変換することで、輝度信号Yaddと、色差信号Crm,Cbmとから色信号dR′,dG′,dB′を算出する。具体的には、式(2)のYをYaddとし、CbをCbmとし、CrをCrmとし、dR,dG,dBをdR′,dG′,dB′として、式(2)を逆変換すればよい。
【0060】
なお、色信号dR′,dG′,dB′は、上述の処理を経て算出されたものであるため、画像成分Ye,R,IR,Wを減算処理することで算出された色信号dR,dG,dBに比べて遙かに精度の高い色信号となっている。
【0061】
次に、画像入力装置1の動作について説明する。図7は、実施の形態1の画像入力装置1の動作を示すフローチャートである。まず、制御部5は、撮像素子3に1フレームの原画像データを撮像させる。これにより、画像成分Ye,R,IR,Wが得られる(ステップS1)。
【0062】
ここで、撮像素子3は、Ye画素により画像成分Yeを撮像し、R画素により画像成分Rを撮像し、IR画素により画像成分IRを撮像し、W画素により画像成分Wを撮像する。なお、画像入力装置1が動画像を撮像する場合、制御部5は、30fps、60fps等のフレームレートで撮像素子3に原画像データを撮像させればよい。また、画像入力装置1が静止画像を撮像する場合、制御部5は、ユーザによりレリーズボタンが押されたときに、撮像素子3に原画像データを撮像させればよい。
【0063】
次に、色補間部41により、画像成分Ye,R,IR,Wに色補間処理が施される。次に、色信号生成部42は、式(1)に示すdR=R−IR、dG=Ye−R、dB=W−Yeの演算を行い色信号dR,dG,dBを算出する(ステップS2)。
【0064】
次に、色信号生成部42は、式(2)に示すY=0.3dR+0.59dG+0.11dB、Cb=dB−Y、Cr=dR−Yの演算を行い、輝度信号Y、色差信号Cr,Cbを算出する(ステップS3)。
【0065】
次に、色空間変換部43は、色差信号Cr,Cbにスムージング処理を行い、色差信号Crs,Cbsを算出する(ステップS4)。
【0066】
次に、色空間変換部43は、式(1)に示すYadd=(1/4)×(R+IR+W+Ye)の演算を行い、輝度信号Yaddを算出する(ステップS5)。
【0067】
なお、本実施の形態では、式(1)に示すように、R,IR,W,Yeを加算することで輝度信号Yaddを算出したが、これに限定されず、例えば式(1)′に示すように重み付け加算することで輝度信号Yaddを算出してもよい。
【0068】
Yadd=α・R+β・IR+γ・W+σ・Ye (1)′
但し、α,β,γ,σは重み付け係数であり、α+β+γ+σ=1である。また、α,β,γ,σとしては、例えば予め定められた値を採用すればよい。
【0069】
次に、色空間変換部43は、式(4)に示す演算を行って色差信号Crm,Cbmを算出する(ステップS6)。なお、図7では、色差信号Crm、Cbmを纏めてCmと表し、色差信号Crs,Cbsを纏めてCsと表している。
【0070】
次に、RGB色信号生成部44は、式(2)を逆変換することで、輝度信号Yadd、色差信号Crm,Cbmから色信号dR′,dG′,dB′を算出する(ステップS7)。
【0071】
このように画像入力装置1によれば、式(1)を用いて輝度信号Yaddを算出しているため、夜間であってもS/N比の高い輝度信号Yaddを算出することができる。また、色差信号Cr,Cbをスムージング処理しているため、夜間であってもS/N比の高い色差信号Crs,Cbsを算出することができる。
【0072】
(実施の形態2)
実施の形態2による画像入力装置1は、色差信号Crm,Cbmの算出手法が実施の形態1と相違する点を特徴としている。なお、本実施の形態において実施の形態1と同一のものは説明を省略する。また、画像処理部4の詳細な構成は実施の形態1と同一であるため、図4を用いる。
【0073】
本実施の形態において図4に示す色空間変換部43は、式(2)で求めた輝度信号Yにスムージング処理を施し、輝度信号Ysを求める。また、式(3)で求めた輝度信号Yaddにスムージング処理を施し、輝度信号Yaddsを算出する。ここで、スムージング処理としては、カスケードフィルタ処理や、通常のフィルタ処理を採用すればよい。
【0074】
そして、色空間変換部43は、式(5)に示すように、スムージング処理を施した輝度信号Yaddsに対するスムージング処理を施した輝度信号Ysの割合RT2(第2の割合:RT2=Ys/Yadds)に応じて輝度信号Yaddを補正し、補正した輝度信号Yadd′を変換対象となる色空間の輝度信号として算出する。
【0075】
Yadd′=Yadd×Ys/Yadds (5)
輝度信号Yは、式(2)に示す色空間変換処理により求められているため、人間が視認する画像の輝度を精度良く再現した信号となっている。一方、輝度信号Yaddは、式(3)に示す加算処理により算出されているため、式(2)に比べて人間が視認する画像の輝度を精度良く再現することが難しくなっている。したがって、輝度信号Ysに比べて輝度信号Yaddsが大きくなるにつれて、すなわち、割合RT2が1から小さくなるにつれて、輝度信号Yaddは、人間が視認する画像の輝度を精度良く再現することができなくなってしまう虞がある。そこで、式(5)を用いて輝度信号Yadd′を求めることで、輝度信号Yaddを人間が視認する画像の輝度を精度良く再現した信号にすることができる。なお、ここで、Ysはスムージングされた値を用いているため、ノイズ成分が低減されている。ただし、絵柄によってはエッジ部で不自然なアーチファクトが発生する場合がある。
【0076】
また、色空間変換部43は、式(6)に示すように上述の割合RT1に応じて色差信号Crs,Cbsを補正し、色差信号Crm′,Cbm′を算出する。なお、ここでは、Yaddの代わりにYadd′を用いるのがよい。
【0077】
Crm′=Crs×Yadd′/Y
Cbm′=Cbs×Yadd′/Y (6)
これにより、変換対象となる色空間における輝度信号と色差信号とのバランスが保たれ、後段のRGB色信号生成部44により生成される色信号dR′,dG′,dB′の算出精度を高めることができる。
【0078】
また、色空間変換部43は、赤外光の強度と可視光の強度とを比較し、赤外光の強度が強い場合、輝度信号Yaddの重み付けが小さくなるように、輝度信号Yaddと画像成分Ye,R,IR,Wをそのまま用いた信号Ytとを重み付け加算して色空間の輝度信号を算出してもよい。
【0079】
この場合、色空間変換部43は、上記の割合RT2が、輝度信号Yaddsが支配的であることを示す閾値Th1より小さい場合、赤外光の強度が可視光の強度よりも強いと判定すればよい。そして、式(7)に示すように輝度信号Yaddの重み付けが小さくなるように、輝度信号Yaddと信号Ytとを重み付け加算することで、輝度信号Yadd′を算出すればよい。
【0080】
Yadd′=Yt×(1−Ys/Yadds)+Yadd×(Ys/Yadds) (7)
但し、Ytは、画像成分Ye,R,IR,Wのいずれかをそのまま用いた信号を表す。具体的には、ある画素の輝度信号Yadd′を算出する場合に当該画素が、Wフィルタに対応する場合はYt=Wとし、Yeフィルタに対応する場合はYt=Yeとし、Rフィルタに対応する場合はYt=Rとし、IRフィルタに対応する場合はYt=IRとする。
【0081】
割合RT2において、輝度信号Yaddsが支配的である場合、輝度信号Yadd′は人間が目視する画像の輝度と大きく相違する可能性がある。そこで、輝度信号Yadd′が大きい場合は、輝度信号Yaddに対して信号Ytの割合が大きくなるように、輝度信号Yadd′を算出することで、輝度信号Yadd′を人間が目視する画像の輝度により近い信号にすることができる。
【0082】
また、割合RT2において、輝度信号Yaddsが支配的である場合は、赤外光が支配的であることを示しているため、Ye,R,IR,Wの画素間での被写体の色による信号のレベル差が無視できる。すなわち、モノクロセンサの場合と同等とみなせる。したがって、Ye,R,IR,Wの画素を加算せず、それぞれ独立した信号として扱うことで、解像度(分解能)を最大とすることができる。
【0083】
更に、色空間変換部43は、画像成分Wと画像成分IRとの差又は比を用いて、赤外光の強度と可視光の強度とを比較してもよい。この場合、IR/Wが、1に近い所定の値より大きいときは赤外光の強度が可視光の強度よりも強いと判定し、0に近い所定の値より小さいときは可視光の強度が赤外光の強度よりも強いと判定すればよい。
【0084】
また、W−IRが0に近い所定の値より小さいときは赤外光の強度が可視光の強度よりも強いと判定し、IRが0に近い所定の値より小さいときは可視光の強度が赤外光の強度よりも強いと判定すればよい。
【0085】
更に、IR/W又はIR−Wの値が大きくなるほど、赤外光の強度が可視光の強度より強くなるため、IR/W又はIR−Wの値に応じて信号Ytの重み付け係数を定め、式(7)′の演算を行い輝度信号Yadd′を算出してもよい。
【0086】
Yadd′=k・Yt+Yadd・(1−k) (7)′
但し、k≦1であり、kはIR/W又はIR−Wが大きくなるにつれて値が大きくなる予め定められた信号Ytの重み係数を示す。
【0087】
次に、RGB色信号生成部44は、式(2)を逆変換することで、輝度信号Yadd′と色差信号Crm′,Cbm′とから色信号dR′,dG′,dB′を算出する。
【0088】
次に、画像入力装置1の動作について説明する。図8は、実施の形態2の画像入力装置1の動作を示すフローチャートである。
【0089】
ステップS11〜S15は、図7に示すステップS1〜S5と同一であるため、説明を省く。ステップS16において、色空間変換部43は、輝度信号Yaddにスムージング処理を施し、輝度信号Yaddsを算出すると共に、輝度信号Yにスムージング処理を施し、輝度信号Ysを算出する。
【0090】
次に、色空間変換部43は、割合RT2が閾値Th1以上の場合、式(5)の演算により輝度信号Yadd′を算出し、割合RT2が閾値Th1未満の場合、式(7)の演算により輝度信号Yadd′を算出する(ステップS17)。
【0091】
次に、色空間変換部43は、式(6)の演算により、色差信号Crm′,Cbm′を求める(ステップS18)。次に、RGB色信号生成部44は、式(2)を逆変換し、色信号dR′,dG′,dB′を求める(ステップS19)。
【0092】
このように、実施の形態2による画像入力装置1によれば、実施の形態1の効果に加え、割合RT2が閾値Th1以上の場合は、式(5)を用いて輝度信号Yadd′を算出し、割合RT2が閾値Th1未満の場合は、式(7)を用いて輝度信号Yadd′を算出しているため、人間が視認する画像の輝度を精度良く再現した輝度信号を生成することができる。
【0093】
また、式(6)を用いて色差信号Crs,Cbsを補正して、色差信号Crm′,Cbm′を算出しているため、変換対象となる色空間において輝度信号と色差信号とをバランス良く求めることができる。
【0094】
なお、色空間変換部43は、赤外光の強度が可視光の強度に近づくにつれて、色差信号Crm′,Cbm′が低くなるように色差信号Crm′,Cbm′を補正してもよい。
【0095】
この場合、色空間変換部43は、例えば式(6)に代えて、式(8)により色差信号Crm′,Cbm′を算出すればよい。
【0096】
Crm′=Crs×Yadd×RT2/Y
Cbm′=Cbs×Yadd×RT2/Y (8)
つまり、割合RT2が閾値Th1より小さい場合は、輝度信号Yに対して輝度信号Yadd′が支配的となり、夜間を撮影している可能性が高く、色情報が不足するため色差信号が精度良く算出できていない可能性がある。そこで、式(8)を採用することで色差信号が低くなり、算出精度の低い色差信号の影響が低くなるように、色信号dR′,dG′,dB′を算出することができ、色信号dR′,dG′,dB′を視覚的に違和感なく算出することができる。さらに、色信号dR′,dG′,dB′は、標準的なディスプレイ(例えば、IEC 61966−2−1 sRGB規格)に合うようにさらに色変換されてもよい。
【0097】
また、割合RT2を閾値と比較することで使用する数式を(6)又は(8)に切り替えることに限定されず、割合RT2が小さくなるにつれて、色差信号Crs,Cbsを小さくするような予め定められた補正値を記憶しておき、この補正値を用いて色差信号Crm′,Cbm′を算出してもよい。この場合、式(8)において、RT2に代えて、この補正値を採用すればよい。
【0098】
なお、上記実施の形態1,2では、第2〜第3の画素として、R画素、IR画素を用いたが、これに限定されず、シアン(C)画素、及びマゼンタ(M)画素を採用してもよいことは前述の通りである。すなわち、第1〜第4の画素をYe,M,C,W画素としてもよい。この場合、ショットノイズが低くなり、原画像データに含まれるノイズ成分をより低くすることができる。
【0099】
また、この場合、Ye,C,M,W画素により得られる画像成分を画像成分Ye,C,M,Wとすると、RGB色信号生成部42は、式(1)に代えて、式(9)により色信号dR,dG,dBを求めればよい。
【0100】
dR=W−C
dG=W−M (9)
dB=W−Ye
また、色空間変換部43は、式(3)に代えて、式(10)により輝度信号Yaddを求めればよい。
【0101】
Yadd=(1/4)×(Ye+C+M+W) (10)
なお、シアン(C)、マゼンタ(M)の分光感度特性を示すと図10のようになる。
【0102】
ここで、式(10)のように単純加算平均ではなく、式(1)′と同様に重み付け加算を採用してもよい。また、上記実施の形態1、2では、色空間変換部43が色差信号Cb,Crをスムージング処理したが、これに限定されない。すなわち、図9に示すように色補間部41の前段にスムージング処理部45を設け、スムージング処理部45に画像成分Ye,R,IR,Wをスムージング処理させることで、色空間変換部43によるスムージング処理を省略してもよい。
【0103】
更にスムージング処理は、色信号dR,dG,dBが算出されるまでであれば、どこで実施しても構わない。
【0104】
また、上記実施の形態1,2では、撮像素子3は、第1〜第4の画素の4種類の画素を備えているが、これに限定されず、少なくとも3種類の画素を備えるものであればよい。
【0105】
この場合、撮像素子3を構成する画素の種類として、各画素の分光透過特性からR,G,Bの色信号を生成することができる種類のものを採用すればよい。
【0106】
(効果のまとめ)
以上の処理により、以下の効果が得られる。
(1)フォトンをなるべく受けられる分光感度のフィルタのため、ショットノイズが減る。
【0107】
(2)色信号処理で、視覚的に目立つ輝度成分を加算のみで計算するため、ノイズが強調されない。
【0108】
(3)色度信号の計算には減算が用いられ、ノイズが増えるが、スムージングするためのノイズが減り、かつ、人間の目の視覚特性のため、ボケて見えることがない。
【0109】
(4)人間の目で見た明るさに合わせるようにすることができるため、可視光で見たような色再現ができる。
【0110】
(5)赤外光しかない場合には、解像度をあげることができる。
【符号の説明】
【0111】
1 画像入力装置
2 レンズ
3 撮像素子
4 画像処理部
5 制御部
41 色補間部
42 色信号生成部
43 色空間変換部
44 RGB色信号生成部
45 スムージング処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分光感度の異なる4種類の画素が配列され、4種類の原画像成分を含む原画像データを撮像する撮像素子と、
前記原画像成分からRGB色信号を生成する色信号生成部と、
前記原画像データを輝度信号と色度信号とを含む色空間に変換する色空間変換部とを備え、
前記撮像素子は、それぞれ分光感度が異なる第1の画素、第2の画素、第3の画素、及び第4の画素を含む単位画素部がマトリックス状に配列され、
可視波長領域と赤外波長領域とを有感度波長帯域とした際に、
前記第1の画素は、前記可視波長領域の青色領域を除く前記有感度波長帯域の光を透過する第1のカラーフィルタを備え、
前記第2の画素は、前記可視波長領域の青色領域及び緑色領域を除く前記有感度波長帯域の光を透過する第2のカラーフィルタを備え、
前記第3の画素は、前記可視波長領域を除く前記有感度波長帯域の光を透過する赤外フィルタを備え、
前記第4の画素は、フィルタを備えておらず、
前記色信号生成部は、前記RGB色信号を、前記第1の画素、前記第2の画素、前記第3の画素及び前記第4の画素により得られる原画像成分の減算処理を用いて算出し、
前記色空間変換部は、前記輝度信号を、前記第1の画素、前記第2の画素、前記第3の画素及び前記第4の画素より得られる原画像成分の加算処理を用いて算出するとともに、前記色度信号を、前記RGB色信号を前記色空間に変換することで算出することを特徴とする画像入力装置。
【請求項2】
前記原画像成分の欠落画素データを補間する色補間部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の画像入力装置。
【請求項3】
前記色空間変換部は、前記原画像成分又は前記原画像成分に基づく色度信号に対してスムージング処理を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の画像入力装置。
【請求項4】
前記色空間変換部は、赤外光の強度が可視光の強度よりも強くなるほど、前記色空間の色度信号が低くなるように算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−93914(P2013−93914A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−31377(P2013−31377)
【出願日】平成25年2月20日(2013.2.20)
【分割の表示】特願2010−536745(P2010−536745)の分割
【原出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(303000408)コニカミノルタアドバンストレイヤー株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】