画像再生装置
【課題】画像の切換え時に撮影シーンを想起し易くし、臨場感のある再生表示を行うことが可能な画像再生装置を提供する。
【解決手段】静止画像を表示する表示部9と、静止画像データと該静止画像データの撮影時の位置、方位情報とを記録している画像記録部1と、画像記録部1に記録された位置、方位情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位の差を検出する位置・方位変化検出部3bと、位置・方位変化検出部3bの出力に基づいて、複数の静止画像を、表示部9にてスライドさせて表示する方法を決定するスライド方法決定部3cと、スライド方法決定部3cの出力と、複数の静止画像データに基づいてスライド静止画像を生成するスライド静止画像生成部5と、を有する。
【解決手段】静止画像を表示する表示部9と、静止画像データと該静止画像データの撮影時の位置、方位情報とを記録している画像記録部1と、画像記録部1に記録された位置、方位情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位の差を検出する位置・方位変化検出部3bと、位置・方位変化検出部3bの出力に基づいて、複数の静止画像を、表示部9にてスライドさせて表示する方法を決定するスライド方法決定部3cと、スライド方法決定部3cの出力と、複数の静止画像データに基づいてスライド静止画像を生成するスライド静止画像生成部5と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を再生して表示する画像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラが普及し、撮影された静止画像を鑑賞する際には、静止画像を順次再生するスライドショーが利用されることが多い。スライドショーでは、撮影した日付けの順番に記録媒体から静止画像を読み出し、所定の時間間隔で画像を切換えて再生を行う。
【0003】
スライドショーを実行する場合、単に、日付け順に順次再生するのでは、場面に関連性がない場合には、違和感が生じてしまう。そこで、特許文献1に開示の再生装置においては、切換え前後の画像の日付情報と位置情報の差を算出し、時間経過や位置変化が一定以上有る場合には、無関係な画像であるとして、画面切換え時に大きく変化することを明示する画面を表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−295035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示の再生装置においては、時間経過や位置変化が一定以上有る場合に、前後の画像が無関係であることを表示し、場面転換を行うことにより単調な画面となることを防止することができる。しかし、前後の画像に関連性が有る場合には、単に画像を切換えるのみであり、関連性を想起しにくい臨場感に欠けた再生表示となってしまう。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、画像の切換え時に撮影シーンを想起し易くし、臨場感のある再生表示を行うことが可能な画像再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる画像再生装置は、静止画像を表示する表示部と、静止画像データと該静止画像データの撮影時の位置、方位情報とを記録している画像記録部と、上記画像記録部に記録された位置、方位情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位の差を検出する位置・方位変化検出部と、上記位置・方位変化検出部の出力に基づいて、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定するスライド方法決定部と、上記スライド方法決定部の出力と、上記複数の静止画像データに基づいてスライド静止画像を生成するスライド静止画像生成部と、を有する。
【0008】
第2の発明に係わる画像再生装置は、上記第1の発明において、上記画像記録部は、さらに静止画像の撮影時の仰俯角情報を記録しているとともに、上記画像記録部に記録された位置、方位、仰俯角情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位、仰俯角の差を検出する位置・方位・仰俯角変化検出部を有し、上記スライド方法決定部は、上記位置・方位・仰俯角変化検出部の出力に基づいて、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定する。
【0009】
第3の発明に係わる画像再生装置は、上記第1および第2の発明において、上記画像記録部は、さらに静止画像の撮影時刻を記録しているとともに、上記画像記録部に記録された撮影時刻に基づき、複数の静止画像間の撮影時刻差を検出する撮影時刻変化検出部を有し、上記スライド方法決定部は、上記撮影時刻変化検出部の出力を参照して、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定する。
【0010】
第4の発明に係わる画像再生装置は、上記第1ないし第3の発明において、上記スライド方法決定部は、さらに、上記位置・方位・仰俯角変化検出部の出力に基づいて地図画像を上記表示部に表示する方法を決定し、上記画像再生装置は、さらに、地図画像データを記憶している地図画像記憶部と、上記スライド方法決定部の出力に基づいて、上記地図画像記憶部から地図画像データを読み出してスライド地図画像データを生成するスライド地図生成部と、上記スライド静止画像生成部の出力するスライド画像データと上記スライド地図生成部の出力するスライド地図画像データとを合成して合成静止画像を生成する合成部と、を有し、上記表示部は、上記合成部の出力する合成静止画像を表示する。
【0011】
第5の発明に係わる画像再生装置は、地図画像データを記憶している地図画像記憶部と、複数の撮影位置における位置、方位、仰俯角情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位、仰俯角の差を算出し、この算出された差に基づいて地図画像のスライド方法を決定するスライド方法決定部と、上記スライド方法決定部の出力に基づいて、上記地図画像記憶部から地図画像データを読み出してスライド地図画像データを生成するスライド地図生成部と、上記スライド地図生成部によって生成されたスライド地図画像データに基づいてスライド地図画像を表示する表示部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、静止画の再生の際に、前後の画像の関連性に応じて、画像を加工して表示させているので、撮影シーンを想起し易くして臨場感のある再生表示を行うことが可能な画像再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカメラの主として電気回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショーの実行時における画面転換用の画像加工の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショーの実行時にズーム効果を利用して画面転換を行う一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時にパースペクティブ効果を利用して画面転換を行う一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時に方位および仰俯角の変化を考慮したパースペクティブ効果を利用して画面転換を行う一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時にズーム効果、方位および仰俯角の変化を考慮したパースペクティブ効果を利用して画面転換を行う一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、2枚の静止画像の撮影方向の関係を分かりやすくした地図上での表示の一例を示す図であって、同一地点で2枚の撮影を行った場合を示す。
【図8】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、2枚の静止画像の撮影位置と撮影方向の関係を分かりやすくした地図上での表示の一例を示す図であって、異なる2地点で2枚の撮影を行った場合を示す。
【図9】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、2枚の静止画像の撮影地点が離れている場合に両撮影位置の関係を分かりやすくした地図上での表示の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時に静止画像および地図をそれぞれ加工し合成表示する一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時に静止画像および地図をそれぞれ加工し合成表示する他の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、再生影モードにおける動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライド方法決定の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい一実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部(不図示)を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部9にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体である画像記録部1に記録される。画像記録部1に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部9に再生表示することができる。表示部9に再生表示するにあたって、スライドショーや再生画像のコマ送りが設定されると、2枚の静止画の位置の差や方位の差に応じて画像を加工して表示する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係わるカメラの構成を示すブロック図である。画像記録部1は、カメラ本体に内蔵、または装填可能な画像データの記録媒体である。画像記録部1内には、静止画の画像データ1a、撮影時刻1b、位置・方位・仰俯角データ1cの各データが記録されている。すなわち、1つの画像データ1aに対して、この画像データ1aの撮影時刻1bが記録され、画像データ1aの撮影位置、撮影方向、および撮影の俯角や仰角のデータが記録されている。画像データ1aに付随するこれらのデータは、カメラ撮影時に画像データ1aに関連付けて記録される。
【0016】
画像記録部1に接続された制御部3は、CPU(Central Processing Unit)を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される。制御部3は、図示しないフラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶された制御プログラムに従って動作し、カメラの全体制御を行う。制御部3内には、撮影時刻変化算出部2a、位置・方位・仰俯角変化算出部3b、スライド方法決定部3cが設けられている。制御部3内の3a〜3cは、制御プログラムにより実行される処理の一部であるので、制御部3に含まれる機能部として説明する。
【0017】
撮影時刻変化算出部3aは、撮影時刻1bのデータを入力し、現在表示している静止画像とコマ送りなどの操作により次に表示する静止画像の撮影時刻の時間間隔を算出する。位置・方位・仰俯角変化算出部3bは、位置・方位・仰俯角データ1cのデータを入力し、現在表示している画像とコマ送りなどの操作により次に表示する静止画像の位置、方位、および仰俯角の変化を算出する。
【0018】
スライド方法決定部3cは、撮影時刻変化算出部3aおよび位置・方位・仰俯角変化算出部3bからの算出結果を入力し、スライドショーや再生画像のコマ送り操作の実行時のスライド方法の決定を行う。スライド方法の決定にあたっては、現在表示している静止画像から、コマ送りなどの操作で次の静止画像を表示するスライド時に表示する静止画像の表示方法、または地図画像の表示方法を決定する。静止画像及び地図画像のスライド方法は、撮影時刻変化算出部3aおよび位置・方位・仰俯角変化算出部3cにおける算出結果に基づいて、後述する図2に示す関係に従って決定する。
【0019】
スライド静止画像生成部5は、スライド方法決定部3cによる決定結果、および画像記録部1に記録されている画像データ1aを入力する。スライド静止画像生成部5は、現在表示している静止画像から、コマ送りなどの操作で次の静止画像を表示するスライド時に表示するスライド静止画像を、画像データ1aとスライド方法決定部3cの出力に基づいて生成する。ここで生成されるスライド静止画像としては、例えば、ズーム効果やパースペクティブ効果を施した画像である。このスライド静止画像の加工例については、図3ないし図6を用いて説明する。
【0020】
地図データベースメモリ(以下、「地図DBメモリ」と称す)7は、位置・方位・仰俯角データ1cの出力を入力し、地図画像を記憶するメモリである。地図DBメモリ7は、位置・方位・仰俯角データ1cの出力に基づいて、対応する位置の地図の画像データを出力する。
【0021】
表示地図生成部6は、位置・方位・仰俯角データ1cの出力およびスライド方法決定部3cの決定結果を入力し、表示用の地図画像を生成する。表示地図生成部6は、現在表示している静止画像に対応する地図画像を生成する。また、現在表示している画像から、コマ送りなどの操作で次の地図画像を表示するスライド時に表示するスライド地図画像の生成も行う。スライド地図画像は、スライド方法決定部3cの出力に基づいて決定する。このスライド地図画像の加工例については、図7ないし図9を用いて後述する。
【0022】
合成部8は、画像データ1aの出力、スライド静止画像生成部3cの出力、および表示地図生成部6の出力を入力する。合成部8は、画像データ1aに基づいて表示する静止画像と、表示地図生成部6で生成された地図画像を合成する。また、現在表示している画像から、コマ送りなどの操作で次に表示する表示するスライド静止画像とスライド地図画像の合成を行う。この合成画像の加工例については、図10および図11を用いて後述する。なお、スライド地図画像またはスライド静止画像のいずれか一方のみの表示の場合には、他方の画像は合成せずに選択された画像のみを出力する。
【0023】
表示部9は、液晶モニタ等を有し、合成部9において合成された通常画像またはスライド画像の表示を行う。この他、カメラ撮影時にはライブビュー表示やレックビュー表示を、また通常再生時には記録画像の再生も行う。
【0024】
次に、本実施形態におけるスライド方法について、図2ないし図11を用いて説明する。このスライド方法による再生は、ユーザが記録画像の再生を行う際に、スライドショーや再生画像のコマ送り操作による再生モードが設定された場合に実行される。
【0025】
図2は、本実施形態におけるスライド方法の全体を示す図である。スライド方法の決定にあたっては、現在表示中の静止画像と、コマ送り操作等により次に表示する静止画像について、時刻変化および撮影位置変化の大小に基づいて静止画スライドおよび地図スライドのスライド方法を決定する。また、現在表示中の静止画像に対して、次に表示する静止画像が前方に位置するか否か、すなわち、現在表示中の静止画像の撮影方向の前方に位置しているか否かに基づいて、スライド方法を決定する。また、現在表示中の静止画像に対して、次に表示する静止画像の方位と仰俯角の変化の有無に基づいて、スライド方法を決定する。
【0026】
例えば、図2中の(a)で示すパターンの場合は、現在表示中の静止画像と次に表示される静止画像の間で、撮影時刻変化が小であり、また撮影位置変化が大の場合であり、さらに次に表示される静止画像は現在表示中の静止画像の撮影方向の前方にあり、さらに撮影方向または仰俯角に変化がある場合である。この場合、静止画スライドを行うにはディゾルブによって行う。また、地図スライドを行う場合には、縮小の地図画像を表示し、この縮小した地図上で移動し、次に表示される静止画像の撮影位置付近に達すると地図画像を拡大表示する。また、方位または仰俯角に変化があることから、撮影方向を示す地図上の矢印は、地図上を移動する際に、角度が変化する。パターン(b)〜(q)に対するスライド方法は、図2に示した通りである。
【0027】
図2に示されている静止画スライドの内、ディゾルブは、現在表示中の静止画像を徐々に暗くしながら消失させ、消失していく最中に、次に表示される静止画像を徐々に明るくしながら現わしていく静止画スライドの表示方法である。撮影時刻の変化が大きい場合(図2中の(i)〜(q))、または撮影時刻の変化が小さくても撮影位置の変化が大きい場合に(図2中の(a)〜(d))、スライド間の画像の関連が少ないことから、本実施形態においては、ディゾルブでスライド表示を行うようにしている。
【0028】
図2中の(f)に示されるように、撮影時刻と撮影位置の変化が少なく、次に表示される静止画像の撮影位置が現在表示中の静止画像の撮影方向前方位にあり、仰俯角に変化がない場合には、静止画スライドを行うにあたって、ズーム効果で静止画スライドの表示を行う。
【0029】
図3(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置21は現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置22は次に表示される静止画像の撮影位置を示す。コマ送り前撮影21の撮影方向21aの所定角度23の範囲内に、コマ送り後撮影位置22が存在することから、コマ送り後撮影位置22は、コマ送り前撮影の撮影方向の延長線上に位置すると判断され、この場合にはズーム効果でスライド表示がなされる。
【0030】
図3(b)は、ズーム効果で静止画スライドを行う場合の再生画像の変化を示す。まず、コマ送り前画像31を表示部9に表示する(T01参照)。再生画像のコマ送り操作等がなされるか、スライドショーで予め決められた時間が経過すると、コマ送り前画像31を拡大し疑似的なズーミングを行ったズーム画像32を生成し表示する(T02参照)。
【0031】
ズーム画像32を表示すると、さらに拡大し疑似的なズーミングを行ったズーム画像33を生成し、表示する(T03参照)。ズーム効果の付与の際(T02およびT03)には、2つの撮影位置の関係に応じて徐々に拡大する。ズーム画像33を表示すると、次のコマ送り後画像34を表示する(T04参照)。
【0032】
このようにコマ送りを行う際に、次のコマが表示される前に、ズーム効果を付与し、徐々に拡大した静止画像を表示することにより、次のコマの静止画像に近づいていく演出効果を与えることができる。
【0033】
なお、図3(b)に示した例では、ズーム画像としては2コマの画像を生成したが、これに限らず、途中のズーム画像を多くし、滑らかにズーミング画像が表示されるようにしてもよい。また、疑似的にズーミングを行うにあたって、図3(b)に示す例では、拡大中心の位置は中央付近としたが、これに限らず、コマ送り後画像の撮影位置22に応じて拡大中心位置を変えるようにしても勿論かまわない。また、撮影時の焦点距離情報を加味して拡大率や拡大の変化速度を決めても構わない。
【0034】
図2(g)に示されるように、撮影時刻と撮影位置の変化が少なく、次に表示される静止画像の位置が現在表示中の静止画像の撮影方向前方位にないが、方位または仰俯角に変化がある場合には、静止画スライドを行うにあたって、パースペクティブ効果でスライド表示を行う。
【0035】
まず、図4を用いて、方位に変化があるが、仰俯角が0度の場合について説明する。図4(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置21は現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置22は次に表示される静止画像の撮影位置を示す。この例においては、コマ送り前撮影位置21とコマ送り後撮影位置22の位置は、略同じである。コマ送り前撮影位置21における撮影方向21aと、コマ送り後撮影位置22における撮影方向22aは異なっている。また、コマ送り前撮影位置21における静止画像とコマ送り後撮影位置22における静止画像の仰俯角は共に0度である。このような関係にある場合にはパースペクティブ効果で静止画スライドの再生表示がなされる。
【0036】
図4(b)は、パースペクティブ効果で静止画スライドを行う場合の再生画像の変化を示す。まず、スライド画像41aとしてコマ送り前画像35を表示部9に表示する(T11参照)。コマ送り操作等がなされるか、スライドショーで予め決められた時間が経過すると、コマ送り後画像の撮影方向22aが撮影方向21aよりも左側の方向にあることから、左側からコマ送り後画像36がパースペクティブ効果で徐々に出現するように表示する。すなわち、コマ送り前画像35の左側の辺の長さが右側の辺の長さより短いコマ送り前画像35aをスライド画像41bとして表示部9に表示する(T12参照)。
【0037】
スライド画像41bを表示すると、続いて表示部9の画面の左側に、コマ送り後画像36の右側の辺の長さが左側の辺の長さより短くしたコマ送り後画像36aを表示させると共に、表示部9の画面の右側に、コマ送り前画像35をさらにデフォルメしたコマ送り前画像35bを表示させたスライド画像41cを生成し、表示する(T13参照)。なお、コマ送り前画像35bの左辺の長さは、撮影方向21aから撮影方向22aへの変化の度合いが大きい程、短くなるように長さを変化させると、パースペクティブ効果がより一層顕著となる。
【0038】
スライド画像41cを表示すると、次に、コマ送り前画像35bとコマ送り後画像36aの隣接線を画面上右側に移動させ、コマ送り前画像35cとコマ送り後画像36bを表示させたスライド画像41dを生成し、表示する(T14参照)。このスライド画像41dを表示すると、次に、右辺が左辺よりも短いコマ送り後画像36cのみを表示させたスライド画像41eを生成し、表示する(T15参照)。このスライド画像41eを表示すると、次に、撮影画像であるコマ送り後画像36を表示させたスライド画像41fを表示させる(T15参照)。
【0039】
このように、パースペクティブ効果によるスライド表示では、コマ送り前画像の撮影方向に対するコマ送り後画像の撮影方向の差に応じて、奥行きを感じさせるように、画像の短辺の長さを左右で変化させながら、徐々にコマ送り前画像からコマ送り後画像を順次表示する。これにより、前後の画像の位置関係の変化を演出したスライド表示となる。
【0040】
次に、図5を用いて、方位および仰俯角に変化がある場合について説明する。図5(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置21は現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置22は次に表示される静止画像の撮影位置を示す。この例においては、コマ送り前撮影位置21とコマ送り後撮影位置22の位置は、異なっており、またコマ送り前撮影21の撮影方向21aの所定角度23の範囲内に、コマ送り後撮影位置22は存在せず、コマ送り後撮影位置22は、コマ送り前撮影の撮影方向の延長線上に位置しないと判断される。また、コマ送り前撮影位置21における静止画像(コマ送り前画像37)の仰俯角は0度であるが、コマ送り後撮影位置22における静止画像(コマ送り後画像38)の仰角は45度である。この場合には、仰角を考慮したパースペクティブ効果でスライド表示がなされる。
【0041】
図5(b)は、仰角を考慮したパースペクティブ効果で静止画スライドの再生表示を行う場合の再生画像の変化を示す。まず、スライド画像42aとしてコマ送り前画像37を表示部9に表示する(T21参照)。コマ送り操作等がなされるか、スライドショーで予め決められた時間が経過すると、コマ送り後画像の撮影位置22がコマ送り前撮影位置21よりも左側の方向にあることから、左側からコマ送り後画像38がパースペクティブ効果で徐々に出現するように表示する(T22参照)。
【0042】
この際、コマ送り後画像の仰角は45度であることから、左上側からパースペクティブ効果で徐々に出現するようにする。すなわち、コマ送り前画像37の左側の辺の長さが右側の辺の長さより短くし、上辺と右辺のなす角度を鈍角としたコマ送り前画像37aをスライド画像42bとして表示部9に表示する。
【0043】
スライド画像42bを表示すると、続いて表示部9の画面の左側に、コマ送り後画像38の右側の辺の長さが左側の辺の長さより短くしたコマ送り後画像38aを表示させると共に、コマ送り前画像37をさらにデフォルメしたコマ送り前画像37bを画面の右側に表示させたスライド画像42cを生成し、表示する(T23参照)。なお、コマ送り前画像37bの左辺の長さ37b1と底辺の長さ37b2の比は、撮影方向21aから撮影方向22aへの変化の度合いや、仰角が大きい程、大きく変化させると、パースペクティブ効果がより一層顕著となる。
【0044】
スライド画像42cを表示すると、次に、コマ送り前画像37bを画面右下側に移動させ、コマ送り後画像38aを中央側に進出させ、コマ送り前画像37cとコマ送り後画像38bを表示させたスライド画像42dを生成し、表示する(T24参照)。このスライド画像42dを表示すると、さらにコマ送り後画像38bを右側に移動させ、コマ送り前画像37cを右側に移動させ、コマ送り前画像37dとコマ送り後画像38cを表示させたスライド画像42eを生成し、表示する(T25参照)。
【0045】
スライド画像42eを表示すると、次に、右辺が左辺よりも短いコマ送り後画像38dのみを表示させたスライド画像42fを生成し、表示する(T26参照)。このスライド画像42fを表示すると、次に、静止画像であるコマ送り後画像38を表示させたスライド画像42gを表示させる(T27参照)。
【0046】
このように、仰俯角を考慮したパースペクティブ効果による静止画スライドでは、コマ送り前画像の撮影方向に対するコマ送り後画像の撮影方向の差および仰角に応じて、奥行きを感じさせるように、画像の短辺や底辺の長さを左右で変化させ、また矩形の角度を変化させながら、徐々にコマ送り前画像からコマ送り後画像を順次表示する。これにより、前後の画像の位置関係の変化を演出したスライド表示となる。
【0047】
図2中の(e)に示されるように、撮影時刻と撮影位置の変化が少なく、次に表示される静止画像の位置が現在表示中の静止画像の撮影方向前方位にあり、かつ方位または仰俯角に変化がある場合には、静止画スライドを行うにあたって、ズーム効果でスライド表示を行った後にパースペクティブ効果でスライド表示を行う。
【0048】
図6(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置21は現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置22は次に表示される静止画像の撮影位置を示す。コマ送り前撮影21の撮影方向21aの所定角度23の範囲内に、コマ送り後撮影位置22が存在することから、コマ送り後撮影位置22は、コマ送り前撮影の撮影方向の延長線上に位置すると判断され、この場合にはズーム効果でスライド表示がなされる。また、撮影方向21aと撮影方向22aが異なっていることから、コマ送り前画像39からコマ送り後画像40に切換える際にはパースペクティブ効果でスライド表示がなされる。
【0049】
図6(b)は、ズーム効果およびパースペクティブ効果でスライド表示を行う場合の再生画像の変化を示す。まず、コマ送り前画像39を表示部9に表示し(T31参照)、コマ送り操作等がなされるか、スライドショーで予め決められた時間が経過すると、図3(b)のT01〜T03を用いて説明したズーム効果による静止画スライドと同様の表示を行う。
【0050】
すなわち、コマ送り前画像39を拡大し疑似的なズーミングを行ったズーム画像39aを生成し、スライド画像43bとして表示する(T32参照)。ズーム画像39aを表示すると、さらに拡大し疑似的なズーミングを行ったズーム画像39bを生成し、スライド画像43cとして表示する(T33参照)。
【0051】
T31〜T33においてズーム効果を施したスライド画像43a〜43cを表示すると、次に、図4(b)を用いて説明したパースペクティブ効果によるスライド表示と同様の表示を行う。まず、コマ送り後画像の撮影方向22aが撮影方向21aよりも左側の方向にあることから、左側からコマ送り後画像40がパースペクティブ効果で徐々に出現するように表示する(T34参照)。すなわち、コマ送り前画像39の左側の辺の長さが右側の辺の長さより短くしたコマ送り前画像39cをスライド画像43dとして表示部9に表示する。
【0052】
スライド画像43dを表示すると、続いて表示部9の画面の左側に、コマ送り後画像40の右側の辺の長さが左側の辺の長さより短くしたコマ送り後画像40aを表示させると共に、表示部9の画面の右側に、コマ送り前画像39をさらにデフォルメしたコマ送り前画像39dを表示させたスライド画像43eを生成し、表示する(T35参照)。
【0053】
スライド画像43eを表示すると、次に、コマ送り前画像39dとコマ送り後画像40aの隣接線を画面右側に移動させ、コマ送り前画像39eとコマ送り後画像40bを表示させたスライド画像43fを生成し、表示する(T36参照)。このスライド画像43fを表示すると、次に、右辺が左辺よりも短いコマ送り後画像40cのみを表示させたスライド画像43gを生成し、表示する(T37参照)。このスライド画像43gを表示すると、次に、静止画像であるコマ送り後画像40を表示させたスライド画像43hを表示させる(T38参照)。
【0054】
このように、ズーム効果およびパースペクティブ効果を組み合わせたスライド表示では、現在表示中のコマ送り前画像からコマ送り後画像にズーム効果により近づいていくような演出を施すことができ、またコマ送り前画像の撮影方向に対するコマ送り後画像の撮影方向の差に応じて、前後の画像の位置関係の変化を演出することができる。このため、より臨場感のあるスライド表示が可能となる。
【0055】
次に、地図画像のスライド表示について、図7ないし図9を用いて説明する。なお、ユーザが、再生表示の際に地図画像をスライド表示することを望む場合には、予めメニュー画面等において、地図画像スライド表示を設定しておくものとする。
【0056】
図2中の(e)〜(h)に示される撮影時刻と撮影位置の変化が少ない場合の内、現在の撮影位置と次の撮影位置で同じであって、撮影方向のみが相違する場合には、図7に示すように、地図は変化せず、撮影方向を示す矢印が地図上で変化する。
【0057】
図7(a)は、撮影位置関係を示す地図であり、撮影位置24は、1枚目の撮影位置であると共に2枚目の撮影位置である。1枚目は撮影方向24aの方向を撮影し、2枚目は撮影方向24gの方向を撮影したものとする。この場合の地図画像スライドにおける表示は、まず、地図画像上に撮影位置24と撮影方向24aを重畳したスライド画像44aを、表示部9に表示する(T41参照)。
【0058】
スライド画像44aを表示すると、撮影位置24と地図画像は固定したまま、撮影方向24b〜24fが、反時計方向に回るスライド画像44b〜44dを順次表示する(T42〜T44参照)。そして、最後に、2枚目の撮影位置24と撮影方向24gを表示するスライド画像44eを表示する(T45参照)。
【0059】
このように、図7に示した地図画像スライド表示では、1枚目と2枚目の撮影方向の変化を矢印で表示している。このため撮影方向の変化を視覚的に容易に捉えることができる。なお、本実施形態においては、地図を固定し矢印を回転させたが、逆に矢印を固定し地図を回転させるようにしてもよい。また、撮影方向を矢印で表示したが、矢印に限らず、単純な線分等、他の表示方法であっても構わない。
【0060】
図2中の(e)〜(h)に示されるように、撮影時刻と撮影位置の変化が少ない場合であって、撮影位置がやや変化し撮影方向も変化する場合には、図8に示すように、撮影位置と撮影方向を示す矢印が地図上で変化する。
【0061】
図8(a)は、撮影位置関係を示す地図であり、撮影位置25aは1枚目の撮影位置であり、撮影位置25eは2枚目の撮影位置である。1枚目は撮影方向26aの方向を撮影し、2枚目は撮影方向26eの方向を撮影したものとする。この場合の地図画像スライドにおける表示は、まず、地図画像上に撮影位置25aと撮影方向26aを重畳したスライド画像45aを表示する(T51参照)。
【0062】
スライド画像45aを表示すると、地図画像は固定したまま、撮影位置25b〜25dを2枚目の撮影位置25eに向けて移動させ、この撮影位置に応じて撮影方向26b〜26dを反時計方向に回るスライド画像45b〜45dを順次表示する(T52〜T54参照)。そして、最後に、2枚目の撮影位置25eと撮影方向26eを表示するスライド画像45eを表示する(T55参照)。
【0063】
このように、図8に示した地図画像スライドでは、1枚目と2枚目の撮影位置および撮影方向の変化を地図上で表示している。このため撮影位置と撮影方向の変化を視覚的に容易に捉えることができる。なお、本実施形態においては、地図を固定し矢印を回転させたが、逆に矢印を固定し地図を回転させるようにしてもよい。また、撮影方向を矢印で表示したが、矢印に限らず、単純な線分等、他の表示方法であっても構わない。
【0064】
図2中の(a)〜(d)に示されるように、撮影時刻に変化が小さいが撮影位置の変化が大きい場合、または図2(i)〜(q)に示されるように、撮影時刻の変化が大きい場合には、図9に示すように、地図を縮小し、コマ送り前後の位置が収まる縮尺に変えてから矢印を移動する。その後、コマ送り後の詳細な撮影位置を表示するために地図を拡大表示する。
【0065】
図9(a)は、撮影位置関係を示す地図であり、撮影位置27は1枚目の撮影位置であり、撮影位置28は2枚目の撮影位置である。1枚目の撮影は日本で行われ撮影方向29aであり、2枚目の撮影は米国で行われ撮影方向29fである。
【0066】
この場合の地図画像スライド表示は、まず、地図画像上に1枚目の撮影の撮影位置27と撮影方向29aを重畳したスライド画像46aを表示する(T61参照)。ここでは、1枚目の撮影位置を詳細に示すために大縮尺の地図を用いて表示する。次に、2枚目の撮影位置を示すが、大縮尺の地図では表示できないことから、一旦、小縮尺の地図で位置関係を示してから、2枚目の撮影位置の小縮尺の地図で表示する。
【0067】
すなわち、スライド画像46aを表示すると、日本全体を示す地図画像に撮影位置27を重畳したスライド画像46bを表示し(T62参照)、さらに世界全体を示す地図画像に撮影位置27を重畳したスライド画像46cを表示する(T63参照)。T62およびT63においては、コマ送り間の距離に応じて地図を縮小する。
【0068】
世界地図を表示すると、2枚目の撮影位置28を重畳したスライド画像46dを表示する(T64参照)。世界地図を表示すると、2枚目の撮影位置28も表示できることから、撮影位置28を表示すると共に、矢印29dの方向を変える。続いて、2枚目の撮影地のある米国全体を示す地図画像に撮影位置28を重畳したスライド画像46eを表示する(T65参照)。
【0069】
最後、2枚目の撮影位置28を大縮尺の地図に重畳したスライド画像46fを表示する(T66参照)。また、撮影方向を示す矢印は、1枚の撮影方向29aを起点に2枚目の撮影方向29fに向けて反時計方向に順次回転するように撮影方向29b〜29eとして表示する。
【0070】
このように、図9に示した地図画像スライドにおいても、1枚目と2枚目の撮影位置および撮影方向の変化を地図上で表示している。また、表示にあたって、1枚目の撮影位置を示す地図を順次小縮尺の地図に変更し、1枚目と2枚目の撮影位置を表示可能な小縮尺の地図となった際に、2枚目の撮影位置を表示している。2枚目の撮影位置を表示すると、以後、2枚目の撮影位置を詳細に示すために大縮尺の地図に変更するようにしている。このため撮影位置の変化を視覚的に容易に捉えることができる。なお、本実施形態においては、地図を固定し矢印を回転させたが、逆に矢印を固定し地図を回転させるようにしてもよい。また、撮影方向を矢印で表示したが、矢印に限らず、単純な線分等、他の表示方法であっても構わない。
【0071】
スライド表示あたって、図3ないし図6に示した例では静止画像のスライド表示であり、図7ないし図9に示した例では地図画像のスライド表示であった。この両者を合成したスライド画像を生成し、表示部9に表示を行ってもよい。なお、ユーザが、再生表示の際に静止画スライドと地図画像スライドを合成したスライド画像を表示することを望む場合には、予めメニュー画面等において、合成画像スライド表示を設定しておくものとする。
【0072】
図2中の(e)に示されるように、撮影時刻変化小、位置変化小、コマ送り後位置がコマ送り前方延長線上、方位変化あり、仰俯角変化なしの場合のスライド画像の合成について、図10を用いて説明する。この例は、図6に示したズーム効果およびパースペクティブ効果で静止画像のスライド表示を行うと共に、この静止画スライド画像上に図8に示した撮影位置の変化を示す地図スライド表示を重畳することにより得ることができる。
【0073】
図10(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置51aは現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置51eは次に表示される静止画像の撮影位置を示す。コマ送り前撮影51aの撮影方向52aの所定角度57の範囲内に、コマ送り後撮影位置51eが存在する。
【0074】
図10(b)は、静止画像にズーム効果およびパースペクティブ効果を施した静止画スライドに、地図画像スライドを重畳して行う場合を示す。まず、撮影位置51aと撮影方向52aを示す地図画像55をコマ送り前画像53の右下隅に重畳したスライド画像47aを表示部9に表示する(T71参照)。スライド画像47aを表示すると、続いて、コマ送り前画像53のズーム画像53a、53bを生成し、これに撮影位置51b、51cおよび撮影方向52b、52cを表示した地図画像55を重畳させたスライド画像47b、47cを生成し、表示する(T72、T73参照)。
【0075】
1枚目の静止画像にズーム効果を施したスライド画像を表示すると、続いて、パースペクティブ効果を施したスライド画像を表示する。すなわち、コマ送り前画像53の左辺を右辺より短くしたコマ送り前画像53cを生成し、これに撮影位置51d、撮影方向52dを示す地図55を重畳したスライド画像47dを生成し、表示する(T74参照)。
【0076】
さらに、画面の左側からコマ送り後画像54の右辺を左辺より短くしたコマ送り後画像54aを生成し、これに撮影位置51e、撮影方向52eを示す地図55を重畳したスライド画像47eを生成し、表示する(T75参照)。スライド画像47eを表示すると、最後に、コマ送り後画像54を表示するスライド画像47fを表示する(T76参照)。
【0077】
このように、図10に示す例では、2枚の静止画像をスライド表示するにあたって、静止画像にズーム効果やパースペクティブ効果を施し、視覚的に撮影位置等が移動することを演出すると共に、地図画像により撮影位置の変化を容易に理解することができる。なお、地図画像スライドを伴う場合のズーム効果は、撮影位置の変化のみならず、撮影時の焦点距離を考慮してもよい。
【0078】
次に、図2中の(a)(c)に示されるように、撮影時刻変化小、位置変化大、方位変化あり、仰俯角変化なしの場合について、図11を用いて説明する。この例では、地図スライド表示については、図9に示した例と同様に、撮影位置が大きく変化する場合に小縮尺の地図上で撮影位置の移動を行った後に大縮尺の地図で撮影位置を表示するようにしている。この地図スライド表示を縮小して、静止画像に重畳するが、本実施形態においては、静止画像については、特に画像処理を施さない。
【0079】
図11(a)は、図9(a)と同様に、撮影位置関係を示す地図であり、撮影位置27は1枚目の撮影位置であり、撮影位置28は2枚目の撮影位置である。1枚目の撮影は日本で行われ撮影方向29aであり、2枚目の撮影は米国で行われ撮影方向29fである。
【0080】
図11(b)は、静止画像に縮小→移動→拡大しながら撮影位置および撮影方向を表示する地図画像を重畳した合成画像によるスライド表示を行う場合を示す。まず、撮影位置27と撮影方向29aを示す地図画像59aをコマ送り前画像56に重畳したスライド画像48aを表示部9に表示する(T81参照)。スライド画像48aを表示すると、続いて、コマ送り前画像56はそのままで、地図画像の縮尺を小縮尺とし、これに撮影位置27および撮影方向29bを変化させた地図画像59bを重畳させたスライド画像48bを生成し、表示する(T82参照)。
【0081】
スライド画像48bを表示すると、次に、コマ送り前画像56はそのままで、地図画像の縮尺をさらに小縮尺とし、これに1枚目および2枚目の撮影位置および撮影方向を示す地図画像59cを重畳させたスライド画像48cを生成し、表示する(T83参照)。この場合、2枚目の撮影位置28および撮影方向29eは、最終的な2枚目の撮影位置および撮影方向ではなく、移動経過を表示する。
【0082】
スライド画像48cを表示すると、コマ送り前画像56を消去してコマ送り後画像58に切換える。地図画像の縮尺はそのままで、これに1枚目および2枚目の撮影位置および撮影方向を示す地図画像59cを重畳させたスライド画像48dを生成し、表示する(T84参照)。スライド画像48dを表示すると、コマ送り後画像58に、地図画像の縮尺を大縮尺とし、これに2枚目の撮影位置28gおよび撮影方向29gを示す地図画像59eを重畳させたスライド画像48eを生成し、表示する(T85参照)。
【0083】
スライド画像48eを表示すると、次に、コマ送り後画像58に、地図画像の縮尺をさらに大縮尺とし、これに2枚目の撮影位置28および撮影方向29hを示す地図画像59fを重畳させたスライド画像48fを生成し、表示する(T86参照)。
【0084】
このように、図11に示す例では、2枚の静止画像をスライド表示するにあたって、地図画像を小縮尺にして、撮影位置の移動を示すようにしている。このため、撮影位置の変化を容易に理解することができる。
【0085】
次に、本実施形態における動作を図12および図13に示すフローチャートを用いて説明する。これらのフローチャートは、図示しない不揮発性メモリに記憶されているプログラムに従って制御部3が実行する。
【0086】
図12に示す再生モードのフローに入ると、地図画像の生成を行う(S1)。ここでは、表示地図生成部6が、画像記録部1に記録されている静止画像の画像データ1aに付随して記憶されている位置・方位・仰俯角データ1cに基づいて、再生表示する静止画像に対応した地図画像を生成する。地図画像の生成にあたっては、地図DBメモリ7に格納されている地図データを用いる。
【0087】
地図画像の生成を行うと、次に、地図画像と静止画像を合成する(S3)。ここでは、合成部8が、ステップS1において生成した地図画像を、画像データ1cに基づく静止画像に重畳し、スライド画像を生成する。
【0088】
地図画像と静止画像を合成すると、次に画像表示を行う(S5)。ここでは、ステップS3において合成したスライド画像を表示部9に表示する。なお、図3ないし図6において説明した静止画像のみの静止画スライドの場合には、ステップS1、S3を省略し、画像データ1cに基づく静止画像を表示する。また図7および図8において説明した地図画像のみの地図画像スライドの場合には、ステップS3を省略し、ステップS1において生成した地図画像のみを表示する。
【0089】
画像表示を行うと、次に、コマ送りがなされたか否かを判定する(S7)。ここでは、図示しない十字釦等をユーザが操作し、コマ送り指示がなされたか否かを判定する。この判定の結果、コマ送り操作がなされていなかった場合には、コマ送り操作を待つ待機状態となる。
【0090】
ステップS7における判定の結果、コマ送り操作がなされると、次に、コマ送り前後の位置・方位・仰俯角の変化を算出する(S9)。ここでは、位置・方位・仰俯角変化算出部3bがコマ送り前後の静止画像に付随して記憶されている位置・方位・仰俯角データ1cに基づいて、変化を算出する。
【0091】
位置・方位・仰俯角の変化を算出すると、次に、コマ送り前後の撮影時刻変化の算出を行う(S11)。ここでは、撮影時刻変化算出部3aがコマ送り前後の静止画像に付随して記憶されている撮影時刻1bに基づいて、変化を算出する。
【0092】
撮影時刻の変化を算出すると、次に、スライド方法の決定を行う(S13)。ここでは、ステップS9およびS11において算出した結果に基づいて、静止画スライドおよび地図画像スライドのスライド方法を決定する。この決定に当たっては、コマ送り前画像とコマ送り後画像の表示の間に表示するスライド枚数も決定する。このスライド方法決定の詳細については、図13を用いて後述する。
【0093】
スライド方法を決定すると、次に、スライド静止画像の生成を行う(S15)。ここでは、スライド静止画像生成部5が、決定されたスライド方法に従ってスライド静止画を生成する。スライド静止画としては、図3ないし図7において説明したようなズーム効果やパースペクティブ効果等の効果を施す。なお、スライド地図画像のみ表示するモードの場合には、このステップは省略する。
【0094】
スライド静止画像の生成を行うと、次に、スライド地図画像の生成を行う(S17)。ここでは、地図表示生成部6が、ステップS13において決定されたスライド方法に従ってスライド地図画像を生成する。なお、スライド静止画像の表示するモードの場合には、このステップは省略する。
【0095】
スライド地図画像を生成すると、次に、スライド静止画像とスライド地図画像を合成する(S19)。ここでは、合成部8が、ステップS15において生成されたスライド静止画像と、ステップS17において生成されたスライド地図画像を合成する。合成することにより、図9および図10において説明したような合成画像を得ることができる。なお、スライド静止画像のみを表示するモードの場合、またはスライド地図画像のみを表示するモードの場合には、このステップは省略する。
【0096】
スライド静止画像とスライド地図画像の合成を行うと、次に、画像表示を行う(S21)。ここでは、ステップS19において合成されたスライド画像を表示部9に表示する。なお、スライド静止画像のみを表示するモードの場合には、ステップS15において生成したスライド静止画像を表示し、またスライド地図画像のみを表示するモードの場合には、ステップS17において生成したスライド地図画像を表示する。
【0097】
画像表示を行うと、次に、スライド終了か否かを判定する(S23)。ここでは、ステップS13において決定されたスライド枚数分のスライド画像が表示されたか否かを判定する。この判定の結果、スライド終了でない場合には、ステップS15に戻り、コマ送り前画像とコマ送り後画像の間に表示するスライド画像を生成し、表示する。一方、スライド終了であった場合には、ステップS1に戻り、再生モードを続行する。なお、再生釦が再度、操作された場合には、再生モードを終了する。
【0098】
次に、ステップS13におけるスライド方法決定について、図13を用いて説明する。スライド方法決定のフローに入ると、まず、コマ送り前後位置関係算出を行う(S31)。ここでは、図3等において説明したように、コマ送り前の撮影位置と撮影方向の延長方向の近辺に、コマ送り後の撮影位置が存在するか否かを判定するために、コマ送り前後の位置関係を算出する。
【0099】
コマ送り前後の位置関係を算出すると、次に、スライドテーブルから静止画/地図スライド方法の選択を行う(S33)。ここでは、ステップS9において算出したコマ送り前後の位置・方位・仰俯角変化、ステップS11において算出したコマ送り前後の撮影時刻変化、ステップS31において算出したコマ送り前後の位置関係に基づき、図2に示したスライド静止画およびスライド地図画像のスライド方法を選択する。
【0100】
スライド方法の選択を行うと、次に、スライド方法に応じてスライド枚数の決定を行う(S35)。ここでは、コマ送り前画像とコマ送り後画像の間で表示するスライド枚数を、地図スライドの縮尺率変化、移動距離、静止画スライドの種類に応じてスライド枚数を決定する。スライド枚数を決定すると、元のフローに戻る。
【0101】
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、静止画の画像データと共に記録された位置、方位情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位の差を検出し、この検出結果に基づいて、複数の静止画像を表示するスライド方法を決定するようにしている。このため、撮影シーンを想起し易くして臨場感のある再生表示を行うことが可能となる。
【0102】
なお、本発明の一実施形態においては、位置情報、方位情報、仰俯角情報、時刻情報等、複数の情報を用いて、スライド方法を決定していたが、これらの情報の一部を省略して決定してもよく、また一実施形態に明示した情報以外の情報も考慮してスライド方法を決定するようにしても勿論かまわない。
【0103】
また、本発明の一実施形態においては、静止画スライド、地図画像スライド、これらの合成画像スライドの3種類を備えていたが、地図画像スライド等、一部のスライド方法を省略しても勿論かまわない。
【0104】
また、本発明の一実施形態においては、撮影ための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。
【0105】
また、本発明の一実施形態においては、画像再生装置としてカメラに適用した例について説明したが、これに限らず、パーソナルコンピュータやテレビ等の画像表示装置にも適用できる。この場合には、カメラ等において撮影した画像を用いて再生すればよい。
【0106】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1・・・画像記録部、1a・・・画像データ、1b・・・撮影時刻、1c・・・位置・方位・仰俯角データ、3・・・制御部、3a・・・撮影時刻変化算出部、3b・・・位置・方位・仰俯角変化算出部、3c・・・スライド方法決定部、5・・・スライド静止画像生成部、6・・・表示地図生成部、7・・・地図DBメモリ、8・・・合成部、9・・・表示部、21・・・コマ送り前撮影位置、21a・・・撮影方向、22・・・コマ送り後撮影位置、22a・・・撮影方向、23・・・所定角度、24・・・撮影位置、24a〜24g・・・撮影方向、25a〜25e・・・撮影位置、26a〜26e・・・撮影方向、27・・・撮影位置、28・・・撮影位置、29a〜29h・・・撮影方向、31・・・コマ送り前画像、32・・・ズーム画像、33・・・ズーム画像、34・・・コマ送り後画像、35〜35c・・・コマ送り前画像、36〜36c・・・コマ送り後画像、37〜37d・・・コマ送り前画像、38〜38d・・・コマ送り後画像、41a〜41f・・・スライド画像、42a〜42g・・・スライド画像、43a〜43h・・・スライド画像、44a〜44g・・・スライド画像、45a〜45e・・・スライド画像、47a〜47f・・・スライド画像、48a〜48f・・・スライド画像、51a〜51e・・・撮影位置、52a〜52e・・・撮影方向、53・・・コマ送り前画像、53a〜53c・・・ズーム画像、54・・・コマ送り後画像、54a・・・ズーム画像、55・・・地図画像、56・・・コマ送り前画像、57・・・所定角度、58・・・コマ送り後画像、59a〜59c・・・地図画像
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を再生して表示する画像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラが普及し、撮影された静止画像を鑑賞する際には、静止画像を順次再生するスライドショーが利用されることが多い。スライドショーでは、撮影した日付けの順番に記録媒体から静止画像を読み出し、所定の時間間隔で画像を切換えて再生を行う。
【0003】
スライドショーを実行する場合、単に、日付け順に順次再生するのでは、場面に関連性がない場合には、違和感が生じてしまう。そこで、特許文献1に開示の再生装置においては、切換え前後の画像の日付情報と位置情報の差を算出し、時間経過や位置変化が一定以上有る場合には、無関係な画像であるとして、画面切換え時に大きく変化することを明示する画面を表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−295035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示の再生装置においては、時間経過や位置変化が一定以上有る場合に、前後の画像が無関係であることを表示し、場面転換を行うことにより単調な画面となることを防止することができる。しかし、前後の画像に関連性が有る場合には、単に画像を切換えるのみであり、関連性を想起しにくい臨場感に欠けた再生表示となってしまう。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、画像の切換え時に撮影シーンを想起し易くし、臨場感のある再生表示を行うことが可能な画像再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる画像再生装置は、静止画像を表示する表示部と、静止画像データと該静止画像データの撮影時の位置、方位情報とを記録している画像記録部と、上記画像記録部に記録された位置、方位情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位の差を検出する位置・方位変化検出部と、上記位置・方位変化検出部の出力に基づいて、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定するスライド方法決定部と、上記スライド方法決定部の出力と、上記複数の静止画像データに基づいてスライド静止画像を生成するスライド静止画像生成部と、を有する。
【0008】
第2の発明に係わる画像再生装置は、上記第1の発明において、上記画像記録部は、さらに静止画像の撮影時の仰俯角情報を記録しているとともに、上記画像記録部に記録された位置、方位、仰俯角情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位、仰俯角の差を検出する位置・方位・仰俯角変化検出部を有し、上記スライド方法決定部は、上記位置・方位・仰俯角変化検出部の出力に基づいて、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定する。
【0009】
第3の発明に係わる画像再生装置は、上記第1および第2の発明において、上記画像記録部は、さらに静止画像の撮影時刻を記録しているとともに、上記画像記録部に記録された撮影時刻に基づき、複数の静止画像間の撮影時刻差を検出する撮影時刻変化検出部を有し、上記スライド方法決定部は、上記撮影時刻変化検出部の出力を参照して、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定する。
【0010】
第4の発明に係わる画像再生装置は、上記第1ないし第3の発明において、上記スライド方法決定部は、さらに、上記位置・方位・仰俯角変化検出部の出力に基づいて地図画像を上記表示部に表示する方法を決定し、上記画像再生装置は、さらに、地図画像データを記憶している地図画像記憶部と、上記スライド方法決定部の出力に基づいて、上記地図画像記憶部から地図画像データを読み出してスライド地図画像データを生成するスライド地図生成部と、上記スライド静止画像生成部の出力するスライド画像データと上記スライド地図生成部の出力するスライド地図画像データとを合成して合成静止画像を生成する合成部と、を有し、上記表示部は、上記合成部の出力する合成静止画像を表示する。
【0011】
第5の発明に係わる画像再生装置は、地図画像データを記憶している地図画像記憶部と、複数の撮影位置における位置、方位、仰俯角情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位、仰俯角の差を算出し、この算出された差に基づいて地図画像のスライド方法を決定するスライド方法決定部と、上記スライド方法決定部の出力に基づいて、上記地図画像記憶部から地図画像データを読み出してスライド地図画像データを生成するスライド地図生成部と、上記スライド地図生成部によって生成されたスライド地図画像データに基づいてスライド地図画像を表示する表示部と、を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、静止画の再生の際に、前後の画像の関連性に応じて、画像を加工して表示させているので、撮影シーンを想起し易くして臨場感のある再生表示を行うことが可能な画像再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係わるカメラの主として電気回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショーの実行時における画面転換用の画像加工の一例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショーの実行時にズーム効果を利用して画面転換を行う一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時にパースペクティブ効果を利用して画面転換を行う一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時に方位および仰俯角の変化を考慮したパースペクティブ効果を利用して画面転換を行う一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時にズーム効果、方位および仰俯角の変化を考慮したパースペクティブ効果を利用して画面転換を行う一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、2枚の静止画像の撮影方向の関係を分かりやすくした地図上での表示の一例を示す図であって、同一地点で2枚の撮影を行った場合を示す。
【図8】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、2枚の静止画像の撮影位置と撮影方向の関係を分かりやすくした地図上での表示の一例を示す図であって、異なる2地点で2枚の撮影を行った場合を示す。
【図9】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、2枚の静止画像の撮影地点が離れている場合に両撮影位置の関係を分かりやすくした地図上での表示の一例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時に静止画像および地図をそれぞれ加工し合成表示する一例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライドショー実行時に静止画像および地図をそれぞれ加工し合成表示する他の一例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、再生影モードにおける動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施形態に係わるカメラにおいて、スライド方法決定の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい一実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部(不図示)を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部9にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体である画像記録部1に記録される。画像記録部1に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部9に再生表示することができる。表示部9に再生表示するにあたって、スライドショーや再生画像のコマ送りが設定されると、2枚の静止画の位置の差や方位の差に応じて画像を加工して表示する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係わるカメラの構成を示すブロック図である。画像記録部1は、カメラ本体に内蔵、または装填可能な画像データの記録媒体である。画像記録部1内には、静止画の画像データ1a、撮影時刻1b、位置・方位・仰俯角データ1cの各データが記録されている。すなわち、1つの画像データ1aに対して、この画像データ1aの撮影時刻1bが記録され、画像データ1aの撮影位置、撮影方向、および撮影の俯角や仰角のデータが記録されている。画像データ1aに付随するこれらのデータは、カメラ撮影時に画像データ1aに関連付けて記録される。
【0016】
画像記録部1に接続された制御部3は、CPU(Central Processing Unit)を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される。制御部3は、図示しないフラッシュメモリ等の不揮発性メモリに記憶された制御プログラムに従って動作し、カメラの全体制御を行う。制御部3内には、撮影時刻変化算出部2a、位置・方位・仰俯角変化算出部3b、スライド方法決定部3cが設けられている。制御部3内の3a〜3cは、制御プログラムにより実行される処理の一部であるので、制御部3に含まれる機能部として説明する。
【0017】
撮影時刻変化算出部3aは、撮影時刻1bのデータを入力し、現在表示している静止画像とコマ送りなどの操作により次に表示する静止画像の撮影時刻の時間間隔を算出する。位置・方位・仰俯角変化算出部3bは、位置・方位・仰俯角データ1cのデータを入力し、現在表示している画像とコマ送りなどの操作により次に表示する静止画像の位置、方位、および仰俯角の変化を算出する。
【0018】
スライド方法決定部3cは、撮影時刻変化算出部3aおよび位置・方位・仰俯角変化算出部3bからの算出結果を入力し、スライドショーや再生画像のコマ送り操作の実行時のスライド方法の決定を行う。スライド方法の決定にあたっては、現在表示している静止画像から、コマ送りなどの操作で次の静止画像を表示するスライド時に表示する静止画像の表示方法、または地図画像の表示方法を決定する。静止画像及び地図画像のスライド方法は、撮影時刻変化算出部3aおよび位置・方位・仰俯角変化算出部3cにおける算出結果に基づいて、後述する図2に示す関係に従って決定する。
【0019】
スライド静止画像生成部5は、スライド方法決定部3cによる決定結果、および画像記録部1に記録されている画像データ1aを入力する。スライド静止画像生成部5は、現在表示している静止画像から、コマ送りなどの操作で次の静止画像を表示するスライド時に表示するスライド静止画像を、画像データ1aとスライド方法決定部3cの出力に基づいて生成する。ここで生成されるスライド静止画像としては、例えば、ズーム効果やパースペクティブ効果を施した画像である。このスライド静止画像の加工例については、図3ないし図6を用いて説明する。
【0020】
地図データベースメモリ(以下、「地図DBメモリ」と称す)7は、位置・方位・仰俯角データ1cの出力を入力し、地図画像を記憶するメモリである。地図DBメモリ7は、位置・方位・仰俯角データ1cの出力に基づいて、対応する位置の地図の画像データを出力する。
【0021】
表示地図生成部6は、位置・方位・仰俯角データ1cの出力およびスライド方法決定部3cの決定結果を入力し、表示用の地図画像を生成する。表示地図生成部6は、現在表示している静止画像に対応する地図画像を生成する。また、現在表示している画像から、コマ送りなどの操作で次の地図画像を表示するスライド時に表示するスライド地図画像の生成も行う。スライド地図画像は、スライド方法決定部3cの出力に基づいて決定する。このスライド地図画像の加工例については、図7ないし図9を用いて後述する。
【0022】
合成部8は、画像データ1aの出力、スライド静止画像生成部3cの出力、および表示地図生成部6の出力を入力する。合成部8は、画像データ1aに基づいて表示する静止画像と、表示地図生成部6で生成された地図画像を合成する。また、現在表示している画像から、コマ送りなどの操作で次に表示する表示するスライド静止画像とスライド地図画像の合成を行う。この合成画像の加工例については、図10および図11を用いて後述する。なお、スライド地図画像またはスライド静止画像のいずれか一方のみの表示の場合には、他方の画像は合成せずに選択された画像のみを出力する。
【0023】
表示部9は、液晶モニタ等を有し、合成部9において合成された通常画像またはスライド画像の表示を行う。この他、カメラ撮影時にはライブビュー表示やレックビュー表示を、また通常再生時には記録画像の再生も行う。
【0024】
次に、本実施形態におけるスライド方法について、図2ないし図11を用いて説明する。このスライド方法による再生は、ユーザが記録画像の再生を行う際に、スライドショーや再生画像のコマ送り操作による再生モードが設定された場合に実行される。
【0025】
図2は、本実施形態におけるスライド方法の全体を示す図である。スライド方法の決定にあたっては、現在表示中の静止画像と、コマ送り操作等により次に表示する静止画像について、時刻変化および撮影位置変化の大小に基づいて静止画スライドおよび地図スライドのスライド方法を決定する。また、現在表示中の静止画像に対して、次に表示する静止画像が前方に位置するか否か、すなわち、現在表示中の静止画像の撮影方向の前方に位置しているか否かに基づいて、スライド方法を決定する。また、現在表示中の静止画像に対して、次に表示する静止画像の方位と仰俯角の変化の有無に基づいて、スライド方法を決定する。
【0026】
例えば、図2中の(a)で示すパターンの場合は、現在表示中の静止画像と次に表示される静止画像の間で、撮影時刻変化が小であり、また撮影位置変化が大の場合であり、さらに次に表示される静止画像は現在表示中の静止画像の撮影方向の前方にあり、さらに撮影方向または仰俯角に変化がある場合である。この場合、静止画スライドを行うにはディゾルブによって行う。また、地図スライドを行う場合には、縮小の地図画像を表示し、この縮小した地図上で移動し、次に表示される静止画像の撮影位置付近に達すると地図画像を拡大表示する。また、方位または仰俯角に変化があることから、撮影方向を示す地図上の矢印は、地図上を移動する際に、角度が変化する。パターン(b)〜(q)に対するスライド方法は、図2に示した通りである。
【0027】
図2に示されている静止画スライドの内、ディゾルブは、現在表示中の静止画像を徐々に暗くしながら消失させ、消失していく最中に、次に表示される静止画像を徐々に明るくしながら現わしていく静止画スライドの表示方法である。撮影時刻の変化が大きい場合(図2中の(i)〜(q))、または撮影時刻の変化が小さくても撮影位置の変化が大きい場合に(図2中の(a)〜(d))、スライド間の画像の関連が少ないことから、本実施形態においては、ディゾルブでスライド表示を行うようにしている。
【0028】
図2中の(f)に示されるように、撮影時刻と撮影位置の変化が少なく、次に表示される静止画像の撮影位置が現在表示中の静止画像の撮影方向前方位にあり、仰俯角に変化がない場合には、静止画スライドを行うにあたって、ズーム効果で静止画スライドの表示を行う。
【0029】
図3(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置21は現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置22は次に表示される静止画像の撮影位置を示す。コマ送り前撮影21の撮影方向21aの所定角度23の範囲内に、コマ送り後撮影位置22が存在することから、コマ送り後撮影位置22は、コマ送り前撮影の撮影方向の延長線上に位置すると判断され、この場合にはズーム効果でスライド表示がなされる。
【0030】
図3(b)は、ズーム効果で静止画スライドを行う場合の再生画像の変化を示す。まず、コマ送り前画像31を表示部9に表示する(T01参照)。再生画像のコマ送り操作等がなされるか、スライドショーで予め決められた時間が経過すると、コマ送り前画像31を拡大し疑似的なズーミングを行ったズーム画像32を生成し表示する(T02参照)。
【0031】
ズーム画像32を表示すると、さらに拡大し疑似的なズーミングを行ったズーム画像33を生成し、表示する(T03参照)。ズーム効果の付与の際(T02およびT03)には、2つの撮影位置の関係に応じて徐々に拡大する。ズーム画像33を表示すると、次のコマ送り後画像34を表示する(T04参照)。
【0032】
このようにコマ送りを行う際に、次のコマが表示される前に、ズーム効果を付与し、徐々に拡大した静止画像を表示することにより、次のコマの静止画像に近づいていく演出効果を与えることができる。
【0033】
なお、図3(b)に示した例では、ズーム画像としては2コマの画像を生成したが、これに限らず、途中のズーム画像を多くし、滑らかにズーミング画像が表示されるようにしてもよい。また、疑似的にズーミングを行うにあたって、図3(b)に示す例では、拡大中心の位置は中央付近としたが、これに限らず、コマ送り後画像の撮影位置22に応じて拡大中心位置を変えるようにしても勿論かまわない。また、撮影時の焦点距離情報を加味して拡大率や拡大の変化速度を決めても構わない。
【0034】
図2(g)に示されるように、撮影時刻と撮影位置の変化が少なく、次に表示される静止画像の位置が現在表示中の静止画像の撮影方向前方位にないが、方位または仰俯角に変化がある場合には、静止画スライドを行うにあたって、パースペクティブ効果でスライド表示を行う。
【0035】
まず、図4を用いて、方位に変化があるが、仰俯角が0度の場合について説明する。図4(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置21は現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置22は次に表示される静止画像の撮影位置を示す。この例においては、コマ送り前撮影位置21とコマ送り後撮影位置22の位置は、略同じである。コマ送り前撮影位置21における撮影方向21aと、コマ送り後撮影位置22における撮影方向22aは異なっている。また、コマ送り前撮影位置21における静止画像とコマ送り後撮影位置22における静止画像の仰俯角は共に0度である。このような関係にある場合にはパースペクティブ効果で静止画スライドの再生表示がなされる。
【0036】
図4(b)は、パースペクティブ効果で静止画スライドを行う場合の再生画像の変化を示す。まず、スライド画像41aとしてコマ送り前画像35を表示部9に表示する(T11参照)。コマ送り操作等がなされるか、スライドショーで予め決められた時間が経過すると、コマ送り後画像の撮影方向22aが撮影方向21aよりも左側の方向にあることから、左側からコマ送り後画像36がパースペクティブ効果で徐々に出現するように表示する。すなわち、コマ送り前画像35の左側の辺の長さが右側の辺の長さより短いコマ送り前画像35aをスライド画像41bとして表示部9に表示する(T12参照)。
【0037】
スライド画像41bを表示すると、続いて表示部9の画面の左側に、コマ送り後画像36の右側の辺の長さが左側の辺の長さより短くしたコマ送り後画像36aを表示させると共に、表示部9の画面の右側に、コマ送り前画像35をさらにデフォルメしたコマ送り前画像35bを表示させたスライド画像41cを生成し、表示する(T13参照)。なお、コマ送り前画像35bの左辺の長さは、撮影方向21aから撮影方向22aへの変化の度合いが大きい程、短くなるように長さを変化させると、パースペクティブ効果がより一層顕著となる。
【0038】
スライド画像41cを表示すると、次に、コマ送り前画像35bとコマ送り後画像36aの隣接線を画面上右側に移動させ、コマ送り前画像35cとコマ送り後画像36bを表示させたスライド画像41dを生成し、表示する(T14参照)。このスライド画像41dを表示すると、次に、右辺が左辺よりも短いコマ送り後画像36cのみを表示させたスライド画像41eを生成し、表示する(T15参照)。このスライド画像41eを表示すると、次に、撮影画像であるコマ送り後画像36を表示させたスライド画像41fを表示させる(T15参照)。
【0039】
このように、パースペクティブ効果によるスライド表示では、コマ送り前画像の撮影方向に対するコマ送り後画像の撮影方向の差に応じて、奥行きを感じさせるように、画像の短辺の長さを左右で変化させながら、徐々にコマ送り前画像からコマ送り後画像を順次表示する。これにより、前後の画像の位置関係の変化を演出したスライド表示となる。
【0040】
次に、図5を用いて、方位および仰俯角に変化がある場合について説明する。図5(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置21は現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置22は次に表示される静止画像の撮影位置を示す。この例においては、コマ送り前撮影位置21とコマ送り後撮影位置22の位置は、異なっており、またコマ送り前撮影21の撮影方向21aの所定角度23の範囲内に、コマ送り後撮影位置22は存在せず、コマ送り後撮影位置22は、コマ送り前撮影の撮影方向の延長線上に位置しないと判断される。また、コマ送り前撮影位置21における静止画像(コマ送り前画像37)の仰俯角は0度であるが、コマ送り後撮影位置22における静止画像(コマ送り後画像38)の仰角は45度である。この場合には、仰角を考慮したパースペクティブ効果でスライド表示がなされる。
【0041】
図5(b)は、仰角を考慮したパースペクティブ効果で静止画スライドの再生表示を行う場合の再生画像の変化を示す。まず、スライド画像42aとしてコマ送り前画像37を表示部9に表示する(T21参照)。コマ送り操作等がなされるか、スライドショーで予め決められた時間が経過すると、コマ送り後画像の撮影位置22がコマ送り前撮影位置21よりも左側の方向にあることから、左側からコマ送り後画像38がパースペクティブ効果で徐々に出現するように表示する(T22参照)。
【0042】
この際、コマ送り後画像の仰角は45度であることから、左上側からパースペクティブ効果で徐々に出現するようにする。すなわち、コマ送り前画像37の左側の辺の長さが右側の辺の長さより短くし、上辺と右辺のなす角度を鈍角としたコマ送り前画像37aをスライド画像42bとして表示部9に表示する。
【0043】
スライド画像42bを表示すると、続いて表示部9の画面の左側に、コマ送り後画像38の右側の辺の長さが左側の辺の長さより短くしたコマ送り後画像38aを表示させると共に、コマ送り前画像37をさらにデフォルメしたコマ送り前画像37bを画面の右側に表示させたスライド画像42cを生成し、表示する(T23参照)。なお、コマ送り前画像37bの左辺の長さ37b1と底辺の長さ37b2の比は、撮影方向21aから撮影方向22aへの変化の度合いや、仰角が大きい程、大きく変化させると、パースペクティブ効果がより一層顕著となる。
【0044】
スライド画像42cを表示すると、次に、コマ送り前画像37bを画面右下側に移動させ、コマ送り後画像38aを中央側に進出させ、コマ送り前画像37cとコマ送り後画像38bを表示させたスライド画像42dを生成し、表示する(T24参照)。このスライド画像42dを表示すると、さらにコマ送り後画像38bを右側に移動させ、コマ送り前画像37cを右側に移動させ、コマ送り前画像37dとコマ送り後画像38cを表示させたスライド画像42eを生成し、表示する(T25参照)。
【0045】
スライド画像42eを表示すると、次に、右辺が左辺よりも短いコマ送り後画像38dのみを表示させたスライド画像42fを生成し、表示する(T26参照)。このスライド画像42fを表示すると、次に、静止画像であるコマ送り後画像38を表示させたスライド画像42gを表示させる(T27参照)。
【0046】
このように、仰俯角を考慮したパースペクティブ効果による静止画スライドでは、コマ送り前画像の撮影方向に対するコマ送り後画像の撮影方向の差および仰角に応じて、奥行きを感じさせるように、画像の短辺や底辺の長さを左右で変化させ、また矩形の角度を変化させながら、徐々にコマ送り前画像からコマ送り後画像を順次表示する。これにより、前後の画像の位置関係の変化を演出したスライド表示となる。
【0047】
図2中の(e)に示されるように、撮影時刻と撮影位置の変化が少なく、次に表示される静止画像の位置が現在表示中の静止画像の撮影方向前方位にあり、かつ方位または仰俯角に変化がある場合には、静止画スライドを行うにあたって、ズーム効果でスライド表示を行った後にパースペクティブ効果でスライド表示を行う。
【0048】
図6(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置21は現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置22は次に表示される静止画像の撮影位置を示す。コマ送り前撮影21の撮影方向21aの所定角度23の範囲内に、コマ送り後撮影位置22が存在することから、コマ送り後撮影位置22は、コマ送り前撮影の撮影方向の延長線上に位置すると判断され、この場合にはズーム効果でスライド表示がなされる。また、撮影方向21aと撮影方向22aが異なっていることから、コマ送り前画像39からコマ送り後画像40に切換える際にはパースペクティブ効果でスライド表示がなされる。
【0049】
図6(b)は、ズーム効果およびパースペクティブ効果でスライド表示を行う場合の再生画像の変化を示す。まず、コマ送り前画像39を表示部9に表示し(T31参照)、コマ送り操作等がなされるか、スライドショーで予め決められた時間が経過すると、図3(b)のT01〜T03を用いて説明したズーム効果による静止画スライドと同様の表示を行う。
【0050】
すなわち、コマ送り前画像39を拡大し疑似的なズーミングを行ったズーム画像39aを生成し、スライド画像43bとして表示する(T32参照)。ズーム画像39aを表示すると、さらに拡大し疑似的なズーミングを行ったズーム画像39bを生成し、スライド画像43cとして表示する(T33参照)。
【0051】
T31〜T33においてズーム効果を施したスライド画像43a〜43cを表示すると、次に、図4(b)を用いて説明したパースペクティブ効果によるスライド表示と同様の表示を行う。まず、コマ送り後画像の撮影方向22aが撮影方向21aよりも左側の方向にあることから、左側からコマ送り後画像40がパースペクティブ効果で徐々に出現するように表示する(T34参照)。すなわち、コマ送り前画像39の左側の辺の長さが右側の辺の長さより短くしたコマ送り前画像39cをスライド画像43dとして表示部9に表示する。
【0052】
スライド画像43dを表示すると、続いて表示部9の画面の左側に、コマ送り後画像40の右側の辺の長さが左側の辺の長さより短くしたコマ送り後画像40aを表示させると共に、表示部9の画面の右側に、コマ送り前画像39をさらにデフォルメしたコマ送り前画像39dを表示させたスライド画像43eを生成し、表示する(T35参照)。
【0053】
スライド画像43eを表示すると、次に、コマ送り前画像39dとコマ送り後画像40aの隣接線を画面右側に移動させ、コマ送り前画像39eとコマ送り後画像40bを表示させたスライド画像43fを生成し、表示する(T36参照)。このスライド画像43fを表示すると、次に、右辺が左辺よりも短いコマ送り後画像40cのみを表示させたスライド画像43gを生成し、表示する(T37参照)。このスライド画像43gを表示すると、次に、静止画像であるコマ送り後画像40を表示させたスライド画像43hを表示させる(T38参照)。
【0054】
このように、ズーム効果およびパースペクティブ効果を組み合わせたスライド表示では、現在表示中のコマ送り前画像からコマ送り後画像にズーム効果により近づいていくような演出を施すことができ、またコマ送り前画像の撮影方向に対するコマ送り後画像の撮影方向の差に応じて、前後の画像の位置関係の変化を演出することができる。このため、より臨場感のあるスライド表示が可能となる。
【0055】
次に、地図画像のスライド表示について、図7ないし図9を用いて説明する。なお、ユーザが、再生表示の際に地図画像をスライド表示することを望む場合には、予めメニュー画面等において、地図画像スライド表示を設定しておくものとする。
【0056】
図2中の(e)〜(h)に示される撮影時刻と撮影位置の変化が少ない場合の内、現在の撮影位置と次の撮影位置で同じであって、撮影方向のみが相違する場合には、図7に示すように、地図は変化せず、撮影方向を示す矢印が地図上で変化する。
【0057】
図7(a)は、撮影位置関係を示す地図であり、撮影位置24は、1枚目の撮影位置であると共に2枚目の撮影位置である。1枚目は撮影方向24aの方向を撮影し、2枚目は撮影方向24gの方向を撮影したものとする。この場合の地図画像スライドにおける表示は、まず、地図画像上に撮影位置24と撮影方向24aを重畳したスライド画像44aを、表示部9に表示する(T41参照)。
【0058】
スライド画像44aを表示すると、撮影位置24と地図画像は固定したまま、撮影方向24b〜24fが、反時計方向に回るスライド画像44b〜44dを順次表示する(T42〜T44参照)。そして、最後に、2枚目の撮影位置24と撮影方向24gを表示するスライド画像44eを表示する(T45参照)。
【0059】
このように、図7に示した地図画像スライド表示では、1枚目と2枚目の撮影方向の変化を矢印で表示している。このため撮影方向の変化を視覚的に容易に捉えることができる。なお、本実施形態においては、地図を固定し矢印を回転させたが、逆に矢印を固定し地図を回転させるようにしてもよい。また、撮影方向を矢印で表示したが、矢印に限らず、単純な線分等、他の表示方法であっても構わない。
【0060】
図2中の(e)〜(h)に示されるように、撮影時刻と撮影位置の変化が少ない場合であって、撮影位置がやや変化し撮影方向も変化する場合には、図8に示すように、撮影位置と撮影方向を示す矢印が地図上で変化する。
【0061】
図8(a)は、撮影位置関係を示す地図であり、撮影位置25aは1枚目の撮影位置であり、撮影位置25eは2枚目の撮影位置である。1枚目は撮影方向26aの方向を撮影し、2枚目は撮影方向26eの方向を撮影したものとする。この場合の地図画像スライドにおける表示は、まず、地図画像上に撮影位置25aと撮影方向26aを重畳したスライド画像45aを表示する(T51参照)。
【0062】
スライド画像45aを表示すると、地図画像は固定したまま、撮影位置25b〜25dを2枚目の撮影位置25eに向けて移動させ、この撮影位置に応じて撮影方向26b〜26dを反時計方向に回るスライド画像45b〜45dを順次表示する(T52〜T54参照)。そして、最後に、2枚目の撮影位置25eと撮影方向26eを表示するスライド画像45eを表示する(T55参照)。
【0063】
このように、図8に示した地図画像スライドでは、1枚目と2枚目の撮影位置および撮影方向の変化を地図上で表示している。このため撮影位置と撮影方向の変化を視覚的に容易に捉えることができる。なお、本実施形態においては、地図を固定し矢印を回転させたが、逆に矢印を固定し地図を回転させるようにしてもよい。また、撮影方向を矢印で表示したが、矢印に限らず、単純な線分等、他の表示方法であっても構わない。
【0064】
図2中の(a)〜(d)に示されるように、撮影時刻に変化が小さいが撮影位置の変化が大きい場合、または図2(i)〜(q)に示されるように、撮影時刻の変化が大きい場合には、図9に示すように、地図を縮小し、コマ送り前後の位置が収まる縮尺に変えてから矢印を移動する。その後、コマ送り後の詳細な撮影位置を表示するために地図を拡大表示する。
【0065】
図9(a)は、撮影位置関係を示す地図であり、撮影位置27は1枚目の撮影位置であり、撮影位置28は2枚目の撮影位置である。1枚目の撮影は日本で行われ撮影方向29aであり、2枚目の撮影は米国で行われ撮影方向29fである。
【0066】
この場合の地図画像スライド表示は、まず、地図画像上に1枚目の撮影の撮影位置27と撮影方向29aを重畳したスライド画像46aを表示する(T61参照)。ここでは、1枚目の撮影位置を詳細に示すために大縮尺の地図を用いて表示する。次に、2枚目の撮影位置を示すが、大縮尺の地図では表示できないことから、一旦、小縮尺の地図で位置関係を示してから、2枚目の撮影位置の小縮尺の地図で表示する。
【0067】
すなわち、スライド画像46aを表示すると、日本全体を示す地図画像に撮影位置27を重畳したスライド画像46bを表示し(T62参照)、さらに世界全体を示す地図画像に撮影位置27を重畳したスライド画像46cを表示する(T63参照)。T62およびT63においては、コマ送り間の距離に応じて地図を縮小する。
【0068】
世界地図を表示すると、2枚目の撮影位置28を重畳したスライド画像46dを表示する(T64参照)。世界地図を表示すると、2枚目の撮影位置28も表示できることから、撮影位置28を表示すると共に、矢印29dの方向を変える。続いて、2枚目の撮影地のある米国全体を示す地図画像に撮影位置28を重畳したスライド画像46eを表示する(T65参照)。
【0069】
最後、2枚目の撮影位置28を大縮尺の地図に重畳したスライド画像46fを表示する(T66参照)。また、撮影方向を示す矢印は、1枚の撮影方向29aを起点に2枚目の撮影方向29fに向けて反時計方向に順次回転するように撮影方向29b〜29eとして表示する。
【0070】
このように、図9に示した地図画像スライドにおいても、1枚目と2枚目の撮影位置および撮影方向の変化を地図上で表示している。また、表示にあたって、1枚目の撮影位置を示す地図を順次小縮尺の地図に変更し、1枚目と2枚目の撮影位置を表示可能な小縮尺の地図となった際に、2枚目の撮影位置を表示している。2枚目の撮影位置を表示すると、以後、2枚目の撮影位置を詳細に示すために大縮尺の地図に変更するようにしている。このため撮影位置の変化を視覚的に容易に捉えることができる。なお、本実施形態においては、地図を固定し矢印を回転させたが、逆に矢印を固定し地図を回転させるようにしてもよい。また、撮影方向を矢印で表示したが、矢印に限らず、単純な線分等、他の表示方法であっても構わない。
【0071】
スライド表示あたって、図3ないし図6に示した例では静止画像のスライド表示であり、図7ないし図9に示した例では地図画像のスライド表示であった。この両者を合成したスライド画像を生成し、表示部9に表示を行ってもよい。なお、ユーザが、再生表示の際に静止画スライドと地図画像スライドを合成したスライド画像を表示することを望む場合には、予めメニュー画面等において、合成画像スライド表示を設定しておくものとする。
【0072】
図2中の(e)に示されるように、撮影時刻変化小、位置変化小、コマ送り後位置がコマ送り前方延長線上、方位変化あり、仰俯角変化なしの場合のスライド画像の合成について、図10を用いて説明する。この例は、図6に示したズーム効果およびパースペクティブ効果で静止画像のスライド表示を行うと共に、この静止画スライド画像上に図8に示した撮影位置の変化を示す地図スライド表示を重畳することにより得ることができる。
【0073】
図10(a)は撮影位置関係を示す地図であり、コマ送り前撮影位置51aは現在表示中の静止画像の撮影位置を示し、コマ送り後撮影位置51eは次に表示される静止画像の撮影位置を示す。コマ送り前撮影51aの撮影方向52aの所定角度57の範囲内に、コマ送り後撮影位置51eが存在する。
【0074】
図10(b)は、静止画像にズーム効果およびパースペクティブ効果を施した静止画スライドに、地図画像スライドを重畳して行う場合を示す。まず、撮影位置51aと撮影方向52aを示す地図画像55をコマ送り前画像53の右下隅に重畳したスライド画像47aを表示部9に表示する(T71参照)。スライド画像47aを表示すると、続いて、コマ送り前画像53のズーム画像53a、53bを生成し、これに撮影位置51b、51cおよび撮影方向52b、52cを表示した地図画像55を重畳させたスライド画像47b、47cを生成し、表示する(T72、T73参照)。
【0075】
1枚目の静止画像にズーム効果を施したスライド画像を表示すると、続いて、パースペクティブ効果を施したスライド画像を表示する。すなわち、コマ送り前画像53の左辺を右辺より短くしたコマ送り前画像53cを生成し、これに撮影位置51d、撮影方向52dを示す地図55を重畳したスライド画像47dを生成し、表示する(T74参照)。
【0076】
さらに、画面の左側からコマ送り後画像54の右辺を左辺より短くしたコマ送り後画像54aを生成し、これに撮影位置51e、撮影方向52eを示す地図55を重畳したスライド画像47eを生成し、表示する(T75参照)。スライド画像47eを表示すると、最後に、コマ送り後画像54を表示するスライド画像47fを表示する(T76参照)。
【0077】
このように、図10に示す例では、2枚の静止画像をスライド表示するにあたって、静止画像にズーム効果やパースペクティブ効果を施し、視覚的に撮影位置等が移動することを演出すると共に、地図画像により撮影位置の変化を容易に理解することができる。なお、地図画像スライドを伴う場合のズーム効果は、撮影位置の変化のみならず、撮影時の焦点距離を考慮してもよい。
【0078】
次に、図2中の(a)(c)に示されるように、撮影時刻変化小、位置変化大、方位変化あり、仰俯角変化なしの場合について、図11を用いて説明する。この例では、地図スライド表示については、図9に示した例と同様に、撮影位置が大きく変化する場合に小縮尺の地図上で撮影位置の移動を行った後に大縮尺の地図で撮影位置を表示するようにしている。この地図スライド表示を縮小して、静止画像に重畳するが、本実施形態においては、静止画像については、特に画像処理を施さない。
【0079】
図11(a)は、図9(a)と同様に、撮影位置関係を示す地図であり、撮影位置27は1枚目の撮影位置であり、撮影位置28は2枚目の撮影位置である。1枚目の撮影は日本で行われ撮影方向29aであり、2枚目の撮影は米国で行われ撮影方向29fである。
【0080】
図11(b)は、静止画像に縮小→移動→拡大しながら撮影位置および撮影方向を表示する地図画像を重畳した合成画像によるスライド表示を行う場合を示す。まず、撮影位置27と撮影方向29aを示す地図画像59aをコマ送り前画像56に重畳したスライド画像48aを表示部9に表示する(T81参照)。スライド画像48aを表示すると、続いて、コマ送り前画像56はそのままで、地図画像の縮尺を小縮尺とし、これに撮影位置27および撮影方向29bを変化させた地図画像59bを重畳させたスライド画像48bを生成し、表示する(T82参照)。
【0081】
スライド画像48bを表示すると、次に、コマ送り前画像56はそのままで、地図画像の縮尺をさらに小縮尺とし、これに1枚目および2枚目の撮影位置および撮影方向を示す地図画像59cを重畳させたスライド画像48cを生成し、表示する(T83参照)。この場合、2枚目の撮影位置28および撮影方向29eは、最終的な2枚目の撮影位置および撮影方向ではなく、移動経過を表示する。
【0082】
スライド画像48cを表示すると、コマ送り前画像56を消去してコマ送り後画像58に切換える。地図画像の縮尺はそのままで、これに1枚目および2枚目の撮影位置および撮影方向を示す地図画像59cを重畳させたスライド画像48dを生成し、表示する(T84参照)。スライド画像48dを表示すると、コマ送り後画像58に、地図画像の縮尺を大縮尺とし、これに2枚目の撮影位置28gおよび撮影方向29gを示す地図画像59eを重畳させたスライド画像48eを生成し、表示する(T85参照)。
【0083】
スライド画像48eを表示すると、次に、コマ送り後画像58に、地図画像の縮尺をさらに大縮尺とし、これに2枚目の撮影位置28および撮影方向29hを示す地図画像59fを重畳させたスライド画像48fを生成し、表示する(T86参照)。
【0084】
このように、図11に示す例では、2枚の静止画像をスライド表示するにあたって、地図画像を小縮尺にして、撮影位置の移動を示すようにしている。このため、撮影位置の変化を容易に理解することができる。
【0085】
次に、本実施形態における動作を図12および図13に示すフローチャートを用いて説明する。これらのフローチャートは、図示しない不揮発性メモリに記憶されているプログラムに従って制御部3が実行する。
【0086】
図12に示す再生モードのフローに入ると、地図画像の生成を行う(S1)。ここでは、表示地図生成部6が、画像記録部1に記録されている静止画像の画像データ1aに付随して記憶されている位置・方位・仰俯角データ1cに基づいて、再生表示する静止画像に対応した地図画像を生成する。地図画像の生成にあたっては、地図DBメモリ7に格納されている地図データを用いる。
【0087】
地図画像の生成を行うと、次に、地図画像と静止画像を合成する(S3)。ここでは、合成部8が、ステップS1において生成した地図画像を、画像データ1cに基づく静止画像に重畳し、スライド画像を生成する。
【0088】
地図画像と静止画像を合成すると、次に画像表示を行う(S5)。ここでは、ステップS3において合成したスライド画像を表示部9に表示する。なお、図3ないし図6において説明した静止画像のみの静止画スライドの場合には、ステップS1、S3を省略し、画像データ1cに基づく静止画像を表示する。また図7および図8において説明した地図画像のみの地図画像スライドの場合には、ステップS3を省略し、ステップS1において生成した地図画像のみを表示する。
【0089】
画像表示を行うと、次に、コマ送りがなされたか否かを判定する(S7)。ここでは、図示しない十字釦等をユーザが操作し、コマ送り指示がなされたか否かを判定する。この判定の結果、コマ送り操作がなされていなかった場合には、コマ送り操作を待つ待機状態となる。
【0090】
ステップS7における判定の結果、コマ送り操作がなされると、次に、コマ送り前後の位置・方位・仰俯角の変化を算出する(S9)。ここでは、位置・方位・仰俯角変化算出部3bがコマ送り前後の静止画像に付随して記憶されている位置・方位・仰俯角データ1cに基づいて、変化を算出する。
【0091】
位置・方位・仰俯角の変化を算出すると、次に、コマ送り前後の撮影時刻変化の算出を行う(S11)。ここでは、撮影時刻変化算出部3aがコマ送り前後の静止画像に付随して記憶されている撮影時刻1bに基づいて、変化を算出する。
【0092】
撮影時刻の変化を算出すると、次に、スライド方法の決定を行う(S13)。ここでは、ステップS9およびS11において算出した結果に基づいて、静止画スライドおよび地図画像スライドのスライド方法を決定する。この決定に当たっては、コマ送り前画像とコマ送り後画像の表示の間に表示するスライド枚数も決定する。このスライド方法決定の詳細については、図13を用いて後述する。
【0093】
スライド方法を決定すると、次に、スライド静止画像の生成を行う(S15)。ここでは、スライド静止画像生成部5が、決定されたスライド方法に従ってスライド静止画を生成する。スライド静止画としては、図3ないし図7において説明したようなズーム効果やパースペクティブ効果等の効果を施す。なお、スライド地図画像のみ表示するモードの場合には、このステップは省略する。
【0094】
スライド静止画像の生成を行うと、次に、スライド地図画像の生成を行う(S17)。ここでは、地図表示生成部6が、ステップS13において決定されたスライド方法に従ってスライド地図画像を生成する。なお、スライド静止画像の表示するモードの場合には、このステップは省略する。
【0095】
スライド地図画像を生成すると、次に、スライド静止画像とスライド地図画像を合成する(S19)。ここでは、合成部8が、ステップS15において生成されたスライド静止画像と、ステップS17において生成されたスライド地図画像を合成する。合成することにより、図9および図10において説明したような合成画像を得ることができる。なお、スライド静止画像のみを表示するモードの場合、またはスライド地図画像のみを表示するモードの場合には、このステップは省略する。
【0096】
スライド静止画像とスライド地図画像の合成を行うと、次に、画像表示を行う(S21)。ここでは、ステップS19において合成されたスライド画像を表示部9に表示する。なお、スライド静止画像のみを表示するモードの場合には、ステップS15において生成したスライド静止画像を表示し、またスライド地図画像のみを表示するモードの場合には、ステップS17において生成したスライド地図画像を表示する。
【0097】
画像表示を行うと、次に、スライド終了か否かを判定する(S23)。ここでは、ステップS13において決定されたスライド枚数分のスライド画像が表示されたか否かを判定する。この判定の結果、スライド終了でない場合には、ステップS15に戻り、コマ送り前画像とコマ送り後画像の間に表示するスライド画像を生成し、表示する。一方、スライド終了であった場合には、ステップS1に戻り、再生モードを続行する。なお、再生釦が再度、操作された場合には、再生モードを終了する。
【0098】
次に、ステップS13におけるスライド方法決定について、図13を用いて説明する。スライド方法決定のフローに入ると、まず、コマ送り前後位置関係算出を行う(S31)。ここでは、図3等において説明したように、コマ送り前の撮影位置と撮影方向の延長方向の近辺に、コマ送り後の撮影位置が存在するか否かを判定するために、コマ送り前後の位置関係を算出する。
【0099】
コマ送り前後の位置関係を算出すると、次に、スライドテーブルから静止画/地図スライド方法の選択を行う(S33)。ここでは、ステップS9において算出したコマ送り前後の位置・方位・仰俯角変化、ステップS11において算出したコマ送り前後の撮影時刻変化、ステップS31において算出したコマ送り前後の位置関係に基づき、図2に示したスライド静止画およびスライド地図画像のスライド方法を選択する。
【0100】
スライド方法の選択を行うと、次に、スライド方法に応じてスライド枚数の決定を行う(S35)。ここでは、コマ送り前画像とコマ送り後画像の間で表示するスライド枚数を、地図スライドの縮尺率変化、移動距離、静止画スライドの種類に応じてスライド枚数を決定する。スライド枚数を決定すると、元のフローに戻る。
【0101】
以上説明したように、本発明の一実施形態においては、静止画の画像データと共に記録された位置、方位情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位の差を検出し、この検出結果に基づいて、複数の静止画像を表示するスライド方法を決定するようにしている。このため、撮影シーンを想起し易くして臨場感のある再生表示を行うことが可能となる。
【0102】
なお、本発明の一実施形態においては、位置情報、方位情報、仰俯角情報、時刻情報等、複数の情報を用いて、スライド方法を決定していたが、これらの情報の一部を省略して決定してもよく、また一実施形態に明示した情報以外の情報も考慮してスライド方法を決定するようにしても勿論かまわない。
【0103】
また、本発明の一実施形態においては、静止画スライド、地図画像スライド、これらの合成画像スライドの3種類を備えていたが、地図画像スライド等、一部のスライド方法を省略しても勿論かまわない。
【0104】
また、本発明の一実施形態においては、撮影ための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。
【0105】
また、本発明の一実施形態においては、画像再生装置としてカメラに適用した例について説明したが、これに限らず、パーソナルコンピュータやテレビ等の画像表示装置にも適用できる。この場合には、カメラ等において撮影した画像を用いて再生すればよい。
【0106】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1・・・画像記録部、1a・・・画像データ、1b・・・撮影時刻、1c・・・位置・方位・仰俯角データ、3・・・制御部、3a・・・撮影時刻変化算出部、3b・・・位置・方位・仰俯角変化算出部、3c・・・スライド方法決定部、5・・・スライド静止画像生成部、6・・・表示地図生成部、7・・・地図DBメモリ、8・・・合成部、9・・・表示部、21・・・コマ送り前撮影位置、21a・・・撮影方向、22・・・コマ送り後撮影位置、22a・・・撮影方向、23・・・所定角度、24・・・撮影位置、24a〜24g・・・撮影方向、25a〜25e・・・撮影位置、26a〜26e・・・撮影方向、27・・・撮影位置、28・・・撮影位置、29a〜29h・・・撮影方向、31・・・コマ送り前画像、32・・・ズーム画像、33・・・ズーム画像、34・・・コマ送り後画像、35〜35c・・・コマ送り前画像、36〜36c・・・コマ送り後画像、37〜37d・・・コマ送り前画像、38〜38d・・・コマ送り後画像、41a〜41f・・・スライド画像、42a〜42g・・・スライド画像、43a〜43h・・・スライド画像、44a〜44g・・・スライド画像、45a〜45e・・・スライド画像、47a〜47f・・・スライド画像、48a〜48f・・・スライド画像、51a〜51e・・・撮影位置、52a〜52e・・・撮影方向、53・・・コマ送り前画像、53a〜53c・・・ズーム画像、54・・・コマ送り後画像、54a・・・ズーム画像、55・・・地図画像、56・・・コマ送り前画像、57・・・所定角度、58・・・コマ送り後画像、59a〜59c・・・地図画像
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像再生装置において、
静止画像を表示する表示部と、
静止画像データと該静止画像データの撮影時の位置、方位情報とを記録している画像記録部と、
上記画像記録部に記録された位置、方位情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位の差を検出する位置・方位変化検出部と、
上記位置・方位変化検出部の出力に基づいて、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定するスライド方法決定部と、
上記スライド方法決定部の出力と、上記複数の静止画像データに基づいてスライド静止画像を生成するスライド静止画像生成部と、
を有することを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
上記画像記録部は、さらに静止画像の撮影時の仰俯角情報を記録しているとともに、
上記画像記録部に記録された位置、方位、仰俯角情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位、仰俯角の差を検出する位置・方位・仰俯角変化検出部を有し、
上記スライド方法決定部は、上記位置・方位・仰俯角変化検出部の出力に基づいて、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
上記画像記録部は、さらに静止画像の撮影時刻を記録しているとともに、
上記画像記録部に記録された撮影時刻に基づき、複数の静止画像間の撮影時刻差を検出する撮影時刻変化検出部を有し、
上記スライド方法決定部は、上記撮影時刻変化検出部の出力を参照して、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定する、
ことを特徴とする請求項1、2に記載の画像再生装置。
【請求項4】
上記スライド方法決定部は、さらに、上記位置・方位・仰俯角変化検出部の出力に基づいて地図画像を上記表示部にスライドさせて表示する方法を決定し、
上記画像再生装置は、さらに、
地図画像データを記憶している地図画像記憶部と、
上記スライド方法決定部の出力に基づいて、上記地図画像記憶部から地図画像データを読み出してスライド地図画像データを生成するスライド地図生成部と、
上記スライド静止画像生成部の出力するスライド画像データと上記スライド地図生成部の出力するスライド地図画像データとを合成して合成静止画像を生成する合成部と、
を有し、
上記表示部は、上記合成部の出力する合成静止画像を表示することを特徴とする請求項1ないし3に記載の画像再生装置。
【請求項5】
地図画像データを記憶している地図画像記憶部と、
複数の撮影位置における位置、方位、仰俯角情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位、仰俯角の差を算出し、この算出された差に基づいて地図画像のスライド方法を決定するスライド方法決定部と、
上記スライド方法決定部の出力に基づいて、上記地図画像記憶部から地図画像データを読み出してスライド地図画像データを生成するスライド地図生成部と、
上記スライド地図生成部によって生成されたスライド地図画像データに基づいてスライド地図画像を表示する表示部と、
を有することを特徴とする画像再生装置。
【請求項1】
画像再生装置において、
静止画像を表示する表示部と、
静止画像データと該静止画像データの撮影時の位置、方位情報とを記録している画像記録部と、
上記画像記録部に記録された位置、方位情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位の差を検出する位置・方位変化検出部と、
上記位置・方位変化検出部の出力に基づいて、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定するスライド方法決定部と、
上記スライド方法決定部の出力と、上記複数の静止画像データに基づいてスライド静止画像を生成するスライド静止画像生成部と、
を有することを特徴とする画像再生装置。
【請求項2】
上記画像記録部は、さらに静止画像の撮影時の仰俯角情報を記録しているとともに、
上記画像記録部に記録された位置、方位、仰俯角情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位、仰俯角の差を検出する位置・方位・仰俯角変化検出部を有し、
上記スライド方法決定部は、上記位置・方位・仰俯角変化検出部の出力に基づいて、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像再生装置。
【請求項3】
上記画像記録部は、さらに静止画像の撮影時刻を記録しているとともに、
上記画像記録部に記録された撮影時刻に基づき、複数の静止画像間の撮影時刻差を検出する撮影時刻変化検出部を有し、
上記スライド方法決定部は、上記撮影時刻変化検出部の出力を参照して、複数の静止画像を、上記表示部にてスライドさせて表示する方法を決定する、
ことを特徴とする請求項1、2に記載の画像再生装置。
【請求項4】
上記スライド方法決定部は、さらに、上記位置・方位・仰俯角変化検出部の出力に基づいて地図画像を上記表示部にスライドさせて表示する方法を決定し、
上記画像再生装置は、さらに、
地図画像データを記憶している地図画像記憶部と、
上記スライド方法決定部の出力に基づいて、上記地図画像記憶部から地図画像データを読み出してスライド地図画像データを生成するスライド地図生成部と、
上記スライド静止画像生成部の出力するスライド画像データと上記スライド地図生成部の出力するスライド地図画像データとを合成して合成静止画像を生成する合成部と、
を有し、
上記表示部は、上記合成部の出力する合成静止画像を表示することを特徴とする請求項1ないし3に記載の画像再生装置。
【請求項5】
地図画像データを記憶している地図画像記憶部と、
複数の撮影位置における位置、方位、仰俯角情報に基づき、複数の静止画像間の位置、方位、仰俯角の差を算出し、この算出された差に基づいて地図画像のスライド方法を決定するスライド方法決定部と、
上記スライド方法決定部の出力に基づいて、上記地図画像記憶部から地図画像データを読み出してスライド地図画像データを生成するスライド地図生成部と、
上記スライド地図生成部によって生成されたスライド地図画像データに基づいてスライド地図画像を表示する表示部と、
を有することを特徴とする画像再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−138786(P2012−138786A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290111(P2010−290111)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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