説明

画像処理システム、画像処理装置および課金処理方法

【課題】課金サーバにサーバトラブルが発生した場合や、ネットワークトラブルが発生した場合でも、画像処理装置においてジョブの実行が行えるようにして利便性を高める。
【解決手段】画像処理装置3と、課金サーバ2とがネットワークを介して接続される構成において、課金サーバ2は、ユーザ認証に成功した認証ユーザの利用可能残金に基づいて画像処理装置3に予めプールさせておくプール額を決定し、該プール額を画像処理装置3に対して予め送信しておく。画像処理装置3は、そのプール額を認証ユーザに対応付けて記憶しておき、認証ユーザによるジョブの実行指示に基づいてジョブを実行する際、認証ユーザに対する課金処理を行う。このとき課金サーバ2とのデータ通信を確立できない場合、画像処理装置3は、プール額記憶部43に記憶された認証ユーザに対応するプール額からジョブの実行に伴う課金額を減算することにより課金処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理装置および課金処理方法に関し、特に画像処理装置と課金サーバとがネットワークを介して接続されるシステム構成において、画像処理装置でのジョブを実行に伴って課金を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと称される画像処理装置において、ジョブを実行することに伴ってユーザに対する課金を行うようにしたものが公知である。例えば、特許文献1には、ユーザに対する課金を行う際、残金が不足した場合でも、予め登録されているユーザであれば、限定された印刷方法で印刷を行うことができるようにする技術が開示されている。この技術では、ICカードの残金不足を検知した場合には、残金不足時印刷続行設定が有効になっているか否かを判断し、その設定が有効になっている場合には予め設定されている限定された機能で印刷を続行するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−202063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年のオフィス環境などにおいては、ネットワークに複数の画像処理装置が接続されており、ユーザはそれら複数の画像処理装置のうちのいずれを使用してもジョブを実行させることができるようになっている。近年、このような環境下において、ユーザに対する課金額を一元管理するために課金サーバが設けられる。課金サーバは、ユーザごとの利用可能額を管理し、ネットワークに接続された複数の画像処理装置のそれぞれとデータ通信を行うことができるように構成される。そしてネットワークに接続されたいずれかの画像処理装置においてジョブの実行が行われる際、画像処理装置と課金サーバとがデータ通信を行って、課金サーバがユーザに対する課金を行う。
【0005】
しかしながら、上記のように、ネットワークに接続された課金サーバが複数の画像処理装置を管理してユーザに対する課金処理を行う構成では、課金サーバにサーバトラブルが発生した場合や、ネットワークトラブルが発生した場合のように、画像処理装置が課金サーバとのデータ通信を確立することができない場合、課金サーバには十分な利用可能額が記録されているにもかかわらず、ユーザは画像処理装置を使用することができなくなるという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、課金サーバにサーバトラブルが発生した場合や、ネットワークトラブルが発生した場合でも、画像処理装置においてジョブの実行が行えるようにしてユーザの利便性を高めるようにした画像処理システム、画像処理装置および課金処理方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、ジョブを実行する画像処理装置と、前記画像処理装置におけるジョブの実行に伴って課金処理を行う課金サーバとがネットワークを介して接続される画像処理システムであって、前記課金サーバは、ユーザごとの利用可能残金を管理する残金管理手段と、前記画像処理装置から送信されるユーザ情報に基づいてユーザ認証を行う認証手段と、前記認証手段によってユーザ認証に成功した認証ユーザの利用可能残金に基づいて前記画像処理装置に予めプールさせておくプール額を決定し、該プール額を前記画像処理装置に送信するプール額送信手段と、を備えており、前記画像処理装置は、前記プール額送信手段によって送信されるプール額を認証ユーザに対応付けて記憶するプール額記憶手段と、認証ユーザによるジョブの実行指示に基づいてジョブを実行するジョブ実行手段と、前記ジョブ実行手段によるジョブの実行に伴い、認証ユーザに対する課金処理を行う課金処理手段と、を備えており、前記課金処理手段は、前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額からジョブの実行に伴う課金額を減算することにより課金処理を行うことを特徴とする構成である。
【0008】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像処理システムにおいて、前記残金管理手段は、前記プール額送信手段によって送信されるプール額を、認証ユーザに対応する利用可能残金から減算して管理することを特徴とする構成である。
【0009】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の画像処理システムにおいて、前記課金処理手段は、前記課金サーバとのデータ通信を確立できた場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を前記課金サーバに送信すると共に、前記課金サーバから新たに送信されるプール額を受信して前記プール額記憶手段に記憶されるプール額を更新することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項4にかかる発明は、請求項3に記載の画像処理システムにおいて、前記残金管理手段は、前記課金処理手段によって送信されるプール額を、認証ユーザに対応する利用可能残金に加算して更新し、前記プール額送信手段は、前記残金管理手段によって認証ユーザに対応する利用可能残金が更新されることに伴い、その更新された利用可能残金に基づいて前記画像処理装置に予めプールさせておくプール額を改めて決定し、該プール額を前記画像処理装置に送信することを特徴とする構成である。
【0011】
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記プール額送信手段は、認証ユーザに対応する利用可能残金の所定比率の金額を上限として、認証ユーザに対応するプール額を決定することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記プール額送信手段は、認証ユーザの一ジョブ当たりの平均課金額に基づいて所定回数のジョブの実行が可能なプール額を決定することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項7にかかる発明は、請求項6に記載の画像処理システムにおいて、前記所定回数は、認証ユーザが当該画像処理装置を使用する頻度に応じて設定されることを特徴とする構成である。
【0014】
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記ジョブ実行手段は、前記課金処理手段が前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行を禁止することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、前記認証手段は、ユーザ認証に成功した認証ユーザが特別な権限を有する特権ユーザであるか否かを判別し、認証ユーザが特権ユーザである場合に前記画像処理装置に対して特権ユーザであることを通知し、前記ジョブ実行手段は、認証ユーザが特権ユーザである場合、前記課金処理手段が前記課金サーバとのデータ通信を確立できないときでも、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行を許可することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項10にかかる発明は、ネットワークを介して課金サーバに接続され、ジョブの実行に伴って前記課金サーバとデータ通信を行うことにより課金処理を行う画像処理装置であって、前記課金サーバにおいて管理されるユーザごとの利用可能残金に基づいて決定されるプール額を、前記課金サーバからユーザごとに取得して記憶するプール額記憶手段と、ユーザのユーザ情報を前記課金サーバに送信して認証要求を行い、前記課金サーバからユーザ認証の結果を受信する認証要求手段と、ユーザ認証に成功した認証ユーザによるジョブの実行指示に基づいてジョブを実行するジョブ実行手段と、前記ジョブ実行手段によるジョブの実行に伴い、認証ユーザに対する課金処理を行う課金処理手段と、を備え、前記課金処理手段は、前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額からジョブの実行に伴う課金額を減算することにより課金処理を行うことを特徴とする構成である。
【0017】
請求項11にかかる発明は、請求項10に記載の画像処理装置において、前記課金処理手段は、前記課金サーバとのデータ通信を確立できた場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を前記課金サーバに送信すると共に、前記課金サーバから新たに送信されるプール額を取得して前記プール額記憶手段に記憶されるプール額を更新することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項12にかかる発明は、請求項10又は11に記載の画像処理装置において、前記ジョブ実行手段は、前記課金処理手段が前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行を禁止することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項13にかかる発明は、請求項10乃至12のいずれかに記載の画像処理装置において、前記ジョブ実行手段は、認証ユーザが特別な権限を有する特権ユーザである場合、前記課金処理手段が前記課金サーバとのデータ通信を確立できないときでも、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行を許可することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項14にかかる発明は、ジョブを実行する画像処理装置と、ユーザごとの利用可能残金を管理する課金サーバとがネットワークを介して接続される画像処理システムにおいてジョブの実行に伴う課金処理を行う方法であって、前記画像処理装置を使用するユーザのユーザ情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、ユーザ認証に成功した認証ユーザの利用可能残金に基づいて前記画像処理装置に予めプールさせておくプール額を決定し、該プール額を前記課金サーバから前記画像処理装置に送信するステップと、前記課金サーバから送信されるプール額を前記画像処理装置において認証ユーザに対応付けて記憶するステップと、認証ユーザによるジョブの実行指示に基づいて前記画像処理装置においてジョブを実行するステップと、前記画像処理装置におけるジョブの実行に伴い、前記画像処理装置が前記課金サーバとのデータ通信を確立できるか否かを判別し、前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記画像処理装置において記憶されている認証ユーザに対応するプール額からジョブの実行に伴う課金額を減算することにより課金処理を行うステップと、を有することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、画像処理装置がジョブの実行に伴う課金処理を行う際、課金サーバとのデータ通信を確立できない状態のときには、プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額からジョブの実行に伴う課金額を減算することにより課金処理を行うように構成される。それ故、課金サーバにサーバトラブルが発生した場合や、ネットワークトラブルが発生した場合でも、画像処理装置においてジョブの実行が行えるようになり、ユーザの利便性を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】画像処理システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】課金サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】課金サーバに保持される認証情報の一例を示す図である。
【図4】課金サーバに保持される課金マップの一例を示す図である。
【図5】課金サーバで管理される残金情報の一例を示す図である。
【図6】課金サーバに保持される履歴情報の一例を示す図である。
【図7】課金サーバにおけるCPUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【図8】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図9】画像処理装置における制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図10】画像処理システムにおいて新規な画像処理装置を設置した後に行われる画像処理装置と課金サーバとの処理の流れを模式的に示す図である。
【図11】画像処理装置と課金サーバとのデータ通信が正常に確立される状態での画像処理装置と課金サーバとの処理の流れを模式的に示す図である。
【図12】画像処理装置と課金サーバとのデータ通信を正常に確立させることができない状態での画像処理装置と課金サーバとの処理の流れを模式的に示す図である。
【図13】課金サーバにおいて行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】課金サーバで行われるプール額送信処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】画像処理装置において行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】画像処理装置で行われるプール額要求処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図17】画像処理装置で行われる課金処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図18】画像処理装置で行われるジョブ実行処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図19】画像処理装置で行われるプール額変更処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0024】
図1は、本実施形態における画像処理システム1の概略構成の一例を示す図である。この画像処理システム1は、例えばオフィス環境などに設置されるものであり、課金サーバ2と、複数の画像処理装置3a,3bとを備えており、これらがネットワーク4を介して相互にデータ通信可能なシステムである。
【0025】
画像処理装置3a,3bは、デジタル複合機やMFPなどと称される装置であり、コピー機能や、FAX機能、スキャン機能などの複数の機能を備えており、ユーザによって選択された機能に対応するジョブを実行する。例えばコピー機能の場合は、ユーザによってセットされた原稿を読み取って画像データを生成し、その画像データに基づいて印刷出力を行うコピージョブを実行する。またスキャン機能の場合は、ユーザによってセットされた原稿を読み取って画像データを生成すると共に、その画像データを含む電子ファイルを生成してファイル送信するスキャンジョブを実行する。さらにFAX機能の場合は、ユーザによってセットされた原稿を読み取り、FAX送信を行うFAXジョブを実行する。尚、図例では、ネットワーク4に2台の画像処理装置3a,3bが接続されている場合を示しているが、画像処理装置の台数はこれに限られるものではなく、1台であっても良いし、3台以上であっても良い。また、以下において、2台の画像処理装置3a,3bを区別しないときには、それらを総称して画像処理装置3とする。
【0026】
課金サーバ2は、複数の画像処理装置3を一元管理し、各画像処理装置3においてジョブの実行が行われる際、ジョブ実行に必要な課金額をユーザごとに課金する装置である。この課金サーバ2は、予め登録されたユーザごとに利用可能残額を記憶しており、いずれかの画像処理装置3から課金要求を受け付けると、ジョブを実行しようとするユーザの利用可能残額を減算して課金を行うように構成される。
【0027】
ネットワーク4は、有線又は無線でデータ通信を行うための通信媒体となるものである。例えば、このネットワーク4は、オフィス環境などに敷設されるLAN(Local Area Network)などで構成される。ただし、このネットワーク4は、インターネットなどの外部ネットワークを含むものであっても構わない。
【0028】
上記のような画像処理システム1は、ユーザが画像処理装置3を使用する際、画像処理装置3が課金サーバ2とデータ通信を行うことによりジョブの実行に必要な課金額の課金処理を行う。この課金処理が正常に行われた場合には、画像処理装置3においてジョブの実行が行われる。ただし、本実施形態では、画像処理装置3と課金サーバ2とのデータ通信が確立できない場合であっても、画像処理装置3は、所定の条件下で、ユーザによって指定されたジョブの実行を行うように構成される。以下、このような画像処理システム1について、さらに詳しく説明する。
【0029】
図2は、課金サーバ2のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、課金サーバ2は、CPU10と、メモリ11と、ネットワークインタフェース12と、記憶装置13とを備えており、これらがデータバス14を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。CPU10は、記憶装置13に記憶された課金サーバ用のプログラム15を読み出して実行する演算処理ユニットである。このCPU10は、プログラム15を実行することにより、後述する各種処理部として機能する。メモリ11は、CPU10がプログラム15を実行することに伴い、必要となる一時的なデータなどを記憶するためのものである。ネットワークインタフェース12は、課金サーバ2をネットワーク4に接続するためのものである。CPU10は、このネットワークインタフェース12を介して画像処理装置3とデータ通信を行う。記憶装置13は、ハードディスク装置などの不揮発生の記憶手段によって構成される。この記憶装置13には、CPU10によって実行されるプログラム15の他、認証情報16と、課金マップ17と、残金情報18と、履歴情報19とが記憶される。
【0030】
認証情報16は、課金サーバ2が画像処理装置3を使用するユーザを認証するための情報である。図3は、この認証情報16の一例を示す図である。図3に示すように、この認証情報16は、ユーザ名と、ユーザIDと、パスワードと、特権ユーザ情報と、機能制限情報とがユーザごとに登録された情報である。図例では、ユーザA,B,C,Dの4名のユーザに関する情報が登録されている。この認証情報16に登録されているユーザは、ネットワーク4に接続されている複数の画像処理装置3のそれぞれを使用可能なユーザである。ユーザIDとパスワードは、認証情報16に登録されているユーザであるか否かを認証するための情報である。特権ユーザ情報は、そのユーザが一般ユーザとは異なり、特別な権限を有するユーザであるか否かを示す情報であり、特権ユーザである場合は「YES」となっており、一般ユーザである場合は「NO」となっている。例えば、部長や課長などの管理職にあるユーザは特権ユーザとして登録され、それ以外のユーザは一般ユーザとして登録される。図3では、ユーザBが特権ユーザとなっている。機能制限情報は、画像処理装置3において使用可能な機能をユーザごとに制限するための情報である。例えば、図3では、ユーザAに対してはフルカラー出力を行うことを禁止する情報が設定されている。またユーザCに対してはFAX機能を使用することを禁止する情報が設定されており、ユーザDに対してはコピー機能を使用することを禁止する情報が設定されている。尚、ユーザBに対しては機能制限が設定されておらず、ユーザBは画像処理装置3の全ての機能を使用することができる設定となっている。
【0031】
課金マップ17は、画像処理装置3においてジョブの実行が行われる際に、そのジョブの実行を指示したユーザに対して課金する課金額を算出するための基準となる情報である。この課金マップ17は、実行されるジョブの内容ごとに単価が設定された情報である。また、この課金マップ17は、ユーザごとに設定可能である。
【0032】
図4は、課金マップ17の一例を示す図である。課金マップ17は、認証情報16に登録されたユーザごとに複数のマップ17a,17b,17c,17dを有しており、それぞれのマップ17a,17b,17c,17dが認証情報16に登録された各ユーザA,B,C,Dに対応する課金マップとなっている。例えばユーザAの課金マップ17aでは、図4に示すように、モノクロ出力の場合に1枚あたり10円の課金が行われ、単色カラー出力の場合に1枚あたり15円の課金が行われる。その他にも、ユーザAの課金マップ17aには、ユーザAが使用可能な機能に対して単価情報が設定されている。尚、ユーザB,C,Dの課金マップ17b,17c,17dもこれと同様であるが、ジョブの内容ごとに設定される単価はユーザごとに異なる単価として設定されることもある。
【0033】
残金情報18は、画像処理装置3を使用可能なユーザごとに利用可能残金を記憶する情報である。図5は、この残金情報18の一例を示す図である。この残金情報18は、認証情報16に登録されているユーザごとに、利用可能残金と、プール残金比率とが記憶された情報である。ユーザごとの利用可能残金は、はじめに、例えば部長や課長などの管理職であるユーザによって設定され、その後、各ユーザが画像処理装置3を使用してジョブの実行が行われる都度、そのジョブの実行に要する課金額が減算されていく金額情報である。課金サーバ2は、この利用可能残金をユーザごとに管理することにより、課金管理を行う。プール残金比率もまた、例えば管理職であるユーザによって設定される情報である。このプール残金比率は、利用可能残金のうちから各画像処理装置3にプールしておくためのプール額を決定するための比率であり、利用可能残金に対する比率としてユーザごとに予め設定される情報である。図5の例では、ユーザA,C,Dのプール残金比率は5%に設定されており、ユーザBのプール残金比率は10%に設定されている。
【0034】
履歴情報19は、各画像処理装置3においてジョブの実行が行われることに伴って更新されていく履歴情報であり、ユーザごとにジョブの実行履歴と課金履歴とが記録される情報である。図6は、履歴情報19の一例を示す図である。履歴情報19は、認証情報16に登録されたユーザごとに複数の履歴情報19a,19b,19c,19dを有しており、それぞれの履歴情報19a,19b,19c,19dが認証情報16に登録された各ユーザA,B,C,Dに対応する履歴情報となっている。例えばユーザAの履歴情報19aでは、図6に示すように、ジョブが実行された日時と、ジョブが実行された画像処理装置3を特定する情報と、実行されたジョブの内容を示す情報と、ジョブの実行に伴い課金された課金額とが蓄積された情報となっている。尚、ユーザB,C,Dの履歴情報19b,19c,19dもこれと同様である。
【0035】
次に、課金サーバ2のCPU10がプログラム15を実行することにより実現される機能について説明する。図7は、課金サーバ2におけるCPU10の機能構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、課金サーバ2のCPU10は、プログラム15を実行することにより、残金管理部21、ユーザ認証部22、プール額送信部23および履歴管理部24として機能する。
【0036】
残金管理部21は、残金情報18に記憶されているユーザごとの利用可能残金を管理すると共に、各画像処理装置3で実行されるジョブの課金額を各ユーザの利用可能残金から減算することでユーザに対する課金を行う処理部である。
【0037】
ユーザ認証部22は、認証情報16を管理し、各画像処理装置3からユーザIDとパスワードとを含むユーザ情報を受信すると、そのユーザ情報に一致する情報が認証情報16に登録されているか否かを判別することにより、ユーザ認証を行う処理部である。そしてユーザ認証部22は、ユーザ認証の結果を、ユーザ情報の送信元である画像処理装置3に送信する。このとき、ユーザ認証部22は、ユーザ認証に成功して一のユーザをログインユーザとして特定することができた場合、そのログインユーザが特権ユーザであるか否かを示す情報と、そのログインユーザに対応する機能制限情報とを含む認証結果を生成して画像処理装置3に送信する。また、ユーザ認証部22は、ユーザ認証に成功した場合、ログインユーザに対応する課金マップに関する情報を、記憶装置13に記憶されている課金マップ17から読み出し、画像処理装置3に送信する。
【0038】
プール額送信部23は、画像処理装置3からプール額の送信要求を受信した場合に機能し、残金情報18からログインユーザの利用可能残金を読み出し、その利用可能残金に基づいて画像処理装置3に予めプールしておくためのプール額を決定する。そして決定したプール額を画像処理装置3に対して送信する。プール額送信部23は、画像処理装置3に対してプール額を送信すると、それに伴い、残金情報18に記憶されているログインユーザの利用可能残金を、送信したプール額分だけ減額し、残金情報18を更新する。尚、プール額送信部23がプール額を決定する手法については後述する。
【0039】
履歴管理部24は、画像処理装置3でジョブの実行が行われることに伴い、画像処理装置3から受信する履歴情報に基づいて記憶装置13に記憶されている履歴情報19を更新する処理部である。
【0040】
次に、図8は、画像処理装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。図8に示すように、画像処理装置3は、制御部30と、操作パネル33と、スキャナ部34と、プリンタ部35と、ネットワークインタフェース36と、FAX部37と、記憶装置38とを備えており、これらがデータバス39を介して相互にデータの入出力を行うことができる構成である。
【0041】
制御部30は、CPU31とメモリ32とを備えている。そしてCPU31が記憶装置38に記憶されているプログラム40を読み出して実行することにより、制御部30が各部の動作を制御する。メモリ32はCPU31がプログラム40を実行することに伴い、必要となる一時的なデータなどを記憶するためのものである。
【0042】
操作パネル33は、ユーザが画像処理装置3を使用する際のユーザインタフェースとなるものである。この操作パネル33は、ユーザに対して各種の情報を表示する表示部33aと、ユーザが各種の入力操作を行う操作部33bとを有している。そして操作パネル33は、画像処理装置3を使用するユーザからユーザIDやパスワードなどのユーザ情報の入力を受け付ける。また操作パネル33は、ユーザ認証によってログインユーザが特定された状態になると、ログインユーザによるジョブの選択操作や、選択されたジョブに対する詳細な設定操作などを受け付けると共に、ログインユーザによるジョブの実行指示操作を受け付ける。
【0043】
スキャナ部34は、ユーザによってセットされた原稿を読み取って画像データを生成する処理部である。このスキャナ部34は、例えば、ログインユーザによって選択されたジョブがコピージョブ、スキャンジョブ又はFAXジョブの場合に機能し、ログインユーザによるジョブの実行指示操作に基づいてジョブの実行が開始されると、原稿の読み取り動作を行って画像データを生成する。
【0044】
プリンタ部35は、入力する画像データに基づいて出力用紙などに画像形成を行うことにより印刷出力を行う処理部である。このプリンタ部35は、ログインユーザによって選択されたジョブが印刷出力を伴うコピージョブなどの場合に機能する。例えばコピージョブの場合には、ログインユーザによるジョブの実行指示操作が行われると、上述したようにスキャナ部34において原稿の読み取り動作が行われて画像データが生成されるので、プリンタ部35は、スキャナ部34で生成される画像データを取得し、印刷出力を行うように構成される。このプリンタ部35は、印刷出力を行う際、モノクロ出力、単色カラー出力およびフルカラー出力のうちのいずれかの態様で印刷出力を行うと共に、後処理としてステープルやパンチなども行うことができるようになっており、ログインユーザによる設定内容に応じた出力態様で印刷出力を行う。
【0045】
ネットワークインタフェース36は、画像処理装置3をネットワーク4に接続するためのものである。制御部30は、このネットワークインタフェース36を介して課金サーバ2とのデータ通信を行う。
【0046】
FAX部37は、FAXデータの送受信を行う処理部である。このFAX部37は、例えば、ログインユーザによって選択されたジョブがFAXジョブの場合に機能し、スキャナ部34によって読み取られた原稿の画像データに基づいてFAXデータを生成し、ログインユーザによって指定された宛先に送信する。
【0047】
記憶装置38は、ハードディスク装置などの不揮発生の記憶手段によって構成される。この記憶装置38には、CPU31によって実行される画像処理装置用のプログラム40が記憶されると共に、各種情報を記憶する記憶領域として、認証結果記憶部41と、課金マップ記憶部42と、プール額記憶部43と、履歴情報記憶部44とが設けられている。
【0048】
認証結果記憶部41には、課金サーバ2によって行われるユーザ認証に成功してログインユーザが特定された場合、そのログインユーザに関する情報が記憶される。例えば、この認証結果記憶部41には、ログインユーザのユーザID、パスワード、特権ユーザであるか否かを示す情報、機能制限情報などが記憶される。認証結果記憶部41にこれらの情報が記憶されることにより、例えば画像処理装置3と課金サーバ2とのデータ通信が確立されなかった場合でも、画像処理装置3は認証結果記憶部41に記憶されている情報を参照してユーザ認証を行うことができるようになっている。
【0049】
課金マップ記憶部42は、課金サーバ2から送信されるユーザごとの課金マップを記憶する記憶領域である。またプール額記憶部43は、課金サーバ2から送信されるユーザごとのプール額を記憶する記憶領域である。さらに履歴情報記憶部44は、ログインユーザによるジョブ実行指示操作に基づいてジョブが実行されることに伴い、ログインユーザに対応付けてジョブの実行履歴と課金履歴とを記憶しておくための記憶領域である。
【0050】
次に、画像処理装置3の制御部30においてCPU31がプログラム40を実行することにより実現される制御部30の機能構成について説明する。図9は、画像処理装置3における制御部30の機能構成の一例を示すブロック図である。図9に示すように、CPU31がプログラム40を実行することにより、制御部30は、認証要求部51、プール額要求部52、ジョブ実行制御部53、課金処理部54および履歴管理部55として機能する。
【0051】
認証要求部51は、画像処理装置3を使用するユーザを特定するために、操作パネル33から入力するユーザIDとパスワードとの組み合わせをユーザ情報として課金サーバ2に送信して認証要求を行う処理部である。認証要求部51は、ユーザ情報を課金サーバ2に送信した後、課金サーバ2から認証結果を受信すると、その認証結果に基づいてユーザ認証に成功したか否かを判断する。そしてユーザ認証に成功した場合、認証要求部51は、ログインユーザに関する情報を認証結果記憶部41に保存し、画像処理装置3をログイン状態へ移行させる。また認証要求部51は、課金サーバ2で行われるユーザ認証に成功した場合、課金サーバ2から送信されるログインユーザの課金マップを取得し、その課金マップをログインユーザに対応付けて課金マップ記憶部42に保存する。
【0052】
また認証要求部51は、ユーザ情報を含む認証要求を課金サーバ2に送信した後、所定時間以内に、課金サーバ2から認証結果を受信しないことがある。この理由としては、例えば、ネットワークトラブルや課金サーバ2のダウンなどがある。このような場合、ユーザが画像処理装置3を使用することができなくなることを防止するため、認証要求部51は、課金サーバ2とのデータ通信を行うことなく、予め認証結果記憶部41に記憶されている情報を参照してユーザ認証を行う。すなわち、操作パネル33から入力したユーザIDとパスワードとの組み合わせが認証結果記憶部41に記憶されている場合、認証要求部51は認証成功と判断し、そのユーザIDとパスワードとに対応付けられているユーザをログインユーザと特定する。そして予め認証結果記憶部41に記憶されている情報を用いて、画像処理装置3をログイン状態へと移行させる。
【0053】
プール額要求部52は、課金サーバ2に対し、ログインユーザのプール額を要求し、課金サーバ2から送信されるプール額をログインユーザに対応付けてプール額記憶部43に格納する処理部である。このプール額要求部52は、画像処理装置3が設置された直後においてユーザが初回ログインしたときにそのユーザに関するプール額を課金サーバ2から取得してプール額記憶部43に格納する。またプール額要求部52は、画像処理装置3と課金サーバ2とがデータ通信可能な状態において画像処理装置3がジョブを実行した場合、そのジョブの実行と共に、プール額記憶部43に記憶しているプール額を更新する処理を行う。この更新処理では、その時点でプール額記憶部43に記憶されているプール額を一旦課金サーバ2に返却する処理が行われ、その返却後にあらためて課金サーバ2から送信されるプール額をプール額記憶部43に格納する処理が行われる。
【0054】
ジョブ実行制御部53は、ログインユーザによって指定されるジョブの実行を制御する処理部である。このジョブ実行制御部53は、画像処理装置3がログイン状態へと移行した後、操作パネル33から入力する情報に基づいてジョブに関する設定を行い、上述したスキャナ部34、プリンタ部35又はFAX部37などを駆動制御することにより、指定されたジョブを実行する。
【0055】
課金処理部54は、ジョブ実行制御部53と連携し、ジョブ実行制御部53によるジョブの実行に伴ってログインユーザに対する課金処理を行う処理部である。より具体的に説明すると、課金処理部54は、課金マップ記憶部42からログインユーザの課金マップを読み出し、ジョブの設定内容などに基づいてジョブを実行するための課金額を算出する。そして課金サーバ2に対して課金額を送信することにより、課金処理を行う。
【0056】
このとき、画像処理装置3と課金サーバ2とのデータ通信が確立されれば、課金サーバ2における課金処理が正常に行われる。そのため、課金処理部54は、課金サーバ2から正常課金が完了した通知を受けると、課金処理を終了し、ジョブ実行制御部53に対してジョブの実行を許可する。
【0057】
これに対し、画像処理装置3と課金サーバ2とのデータ通信を確立することができなかった場合、課金サーバ2における課金処理が正常に行われなくなる。この場合、課金処理部54は、課金サーバ2から何ら情報を受信しないので、課金額を送信してから所定時間経過した後に、データ通信が確立できないと判断する。そして課金処理部54は、プール額記憶部43に記憶されているログインユーザのプール額が課金額以上であることを条件としてプール額に対する課金処理を行う。すなわち、ログインユーザのプール額がジョブの課金額以上である場合、課金処理部54は、そのプール額から課金額を減算してプール額を更新し、ジョブ実行制御部53に対してジョブの実行を許可する。一方、ログインユーザのプール額がジョブの課金額未満である場合、課金処理部54は、ジョブ実行制御部53に対してジョブの実行を禁止する。
【0058】
ただし、本実施形態では、ログインユーザが特権ユーザである場合、その特権ユーザに対応するプール額がジョブの課金額未満であっても、課金処理部54は、そのプール額から課金額を減算してプール額を更新し、ジョブ実行制御部53に対してジョブの実行を許可するように構成される。これにより、特権ユーザは、自身のプール額が少なくなっている状態であっても画像処理装置3を使用してジョブを実行させることが可能になる。
【0059】
履歴管理部55は、ジョブ実行制御部53によってジョブの実行が行われることに伴い、ジョブの実行履歴と課金履歴とを生成し、履歴情報記憶部44に保存する処理部である。この履歴管理部55は、ジョブの実行に伴って生成した履歴情報を課金サーバ2にも送信する。
【0060】
次に、上記のように構成される画像処理システム1における動作について説明する。図10は、画像処理システム1において新規な画像処理装置3を設置した後に行われる画像処理装置3と課金サーバ2との処理の流れを模式的に示す図である。図10に示すように、画像処理システム1に新規な画像処理装置3が設置されると、その画像処理装置3に対して通信相手となる課金サーバ2が登録される(プロセスP101)。そして画像処理装置3が課金サーバ2とデータ通信を行うことにより、課金サーバ2が新規な画像処理装置3を管理対象として登録する(プロセスP102)。
【0061】
そしてユーザが新規な画像処理装置3に対して初回ログイン操作を行うと(プロセスP103)、画像処理装置3は、ユーザIDやパスワードを含むユーザ情報を課金サーバ2に送信することにより、認証要求を行う(プロセスP104)。課金サーバ2は、このユーザ情報を受信すると、ユーザ認証を行い(プロセスP105)、認証結果を画像処理装置3に送信する(プロセスP106)。このときユーザ認証に成功してログインユーザ(認証ユーザ)を特定することができれば、そのログインユーザに関する情報を含む認証結果を送信すると共に、ログインユーザに対して設定されている課金マップを画像処理装置3に送信する。
【0062】
このようにして画像処理装置3が初回ログイン操作を行ったログインユーザを特定することができると、次に、そのログインユーザに対するプール額を記憶するため、課金サーバ2に対してプール額要求情報を送信する(プロセスP107)。課金サーバ2は、このプール額要求情報を受信すると、ログインユーザの利用可能残金に基づいて画像処理装置3にプールしておくプール額を決定する処理を行い(プロセスP108)、その決定されたプール額を画像処理装置3に対して送信する(プロセスP109)。
【0063】
このとき、課金サーバ2は、新規な画像処理装置3に対する初回ログイン時であるので、ログインユーザのプール額上限値を算出し、そのプール額上限値をプール額として決定する。ここで、プール額上限値は、ログインユーザのために1台の画像処理装置3にプールしておくことが可能なプール額の上限値であり、残金情報18に含まれるログインユーザの利用可能残金とプール残金比率とによって算出されるプール額である。すなわち、課金サーバ2は、ログインユーザの利用可能残金に対してプール残金比率を乗算することにより、プール額上限値を算出し、そのプール額上限値を初回ログイン時のプール額として決定する。尚、このようなプール額の算出処理は、上述したプール額送信部23によって行われる。
【0064】
そして課金サーバ2は、ログインユーザの利用可能残金からプール額を減算し、残金情報18に記録されているログインユーザの利用可能残金を修正する(プロセスP110)。一方、画像処理装置3は、課金サーバ2からプール額を受信すると、そのプール額をログインユーザに対応付けてプール額記憶部43に保存する(プロセスP111)。
【0065】
このように本実施形態では、ユーザが画像処理装置3に対して初回ログイン操作を行って画像処理装置3にログインすると、そのタイミングで、課金サーバ2から画像処理装置3に対してログインユーザに対応するプール額が送信される。そして画像処理装置3は、ネットワークトラブルや課金サーバ2がダウンした場合でも課金処理を行うことができるように、このプール額をログインユーザに対応付けて記憶しておく。
【0066】
次に図11は、各ユーザによる初回ログイン操作が終了した後に画像処理装置3と課金サーバ2とのデータ通信が正常に確立される状態での画像処理装置3と課金サーバ2との処理の流れを模式的に示す図である。図11に示すように、画像処理装置3を使用しようとするユーザがログイン操作を行うと(プロセスP201)、画像処理装置3は、ユーザによって入力されたユーザ情報を課金サーバ2に送信することにより、認証要求を行う(プロセスP202)。課金サーバ2は、この認証要求に基づき、ユーザ認証を行い(プロセスP203)、認証結果を画像処理装置3に送信する(プロセスP204)。このときユーザ認証に成功してログインユーザを特定することができれば、そのログインユーザに関する情報を含む認証結果を送信すると共に、ログインユーザに対して設定されている課金マップをあらためて画像処理装置3に送信する。そして画像処理装置3は、それらの情報をあらためて記憶装置38に保存し、ログインユーザによるログイン状態へと移行する。
【0067】
そして画像処理装置3は、ログインユーザによるジョブ実行指示を検知すると(プロセスP205)、ログインユーザによるジョブの設定内容などに基づいて課金マップを参照することにより、そのジョブを実行するための課金額を算出する(プロセスP206)。そして画像処理装置3は、課金処理を行い、課金サーバ2に対して課金額を送信する(プロセスP207)。
【0068】
課金サーバ2は、画像処理装置3から課金額を受信すると、それに伴い、ログインユーザの利用可能残金から課金額を減算して利用可能残金を変更する(プロセスP208)。そして利用可能残金の変更処理を終了すると、画像処理装置3に対して正常な課金処理が完了したことを示す完了通知を送信する(プロセスP209)。これにより、画像処理装置3は、課金サーバ2において正常に課金処理が行われたことを把握することができる。そして画像処理装置3は、ジョブの実行を許可し、ログインユーザによって指定されたジョブを実行する(プロセスP210)。
【0069】
このジョブの実行が完了すると、画像処理装置3は、履歴情報を生成し、履歴情報を更新する(プロセスP211)。このとき、画像処理装置3は、履歴情報記憶部44の履歴情報を更新すると共に、課金サーバ2に対して履歴情報を送信する。課金サーバ2は、画像処理装置3から履歴情報を受信すると、それに基づいて記憶装置13の履歴情報19を更新する(プロセスP212)。
【0070】
また画像処理装置3は、ジョブの実行が完了した後、ログインユーザに対するプール額を更新するため、課金サーバ2に対してプール額要求情報を送信する(プロセスP213)。このとき、画像処理装置3から課金サーバ2に送信されるプール額要求情報には、画像処理装置3にその時点で記憶されているプール額を課金サーバ2に返却する情報が含まれる。
【0071】
課金サーバ2は、画像処理装置3から返却されるプール額をログインユーザの利用可能残金に加算し、その利用可能残金に基づいて画像処理装置3にプールしておくプール額をあらためて決定する処理を行い(プロセスP214)、その決定されたプール額を画像処理装置3に送信する(プロセスP215)。
【0072】
このとき、課金サーバ2は、ログインユーザの履歴情報19に基づいてプール額を算出する。より詳しく説明すると、課金サーバ2は、ログインユーザの履歴情報19を参照することにより、ログインユーザによる実行回数が最も多いジョブを優先ジョブとして特定し、その優先ジョブの利用平均額を算出する。例えば、ログインユーザの履歴情報19において、コピージョブの実行回数が最も多い場合は優先ジョブとしてコピージョブが特定され、そのコピージョブの過去の課金額の平均値が利用平均額として算出される。次に、課金サーバ2は、ログインユーザの履歴情報19を参照することにより、プール額要求情報を送信した画像処理装置3がログインユーザによって頻繁に使用される常用機であるか否かを判断する。つまり、ログインユーザの履歴情報19に記録されている画像処理装置3のうち、最もログインユーザによる使用回数の多い装置が「常用機」となり、それ以外の装置が「非常用機」となる。
【0073】
そして課金サーバ2は、画像処理装置3が「常用機」であれば、利用平均額と同じ課金額のジョブを5回実行できるプール額を決定する。例えば、ログインユーザによる優先ジョブの利用平均額が350円である場合、常用機のプール額は1750円となる。これに対し、画像処理装置3が「非常用機」であれば、利用平均額と同じ課金額のジョブを2回実行できるプール額を決定する。例えば、ログインユーザによる優先ジョブの利用平均額が350円である場合、非常用機のプール額は700円となる。
【0074】
ただし、上記のようにして算出されるプール額が、ログインユーザの利用可能残金にプール残金比率を乗算して得られるプール額上限値を超えている場合、課金サーバ2は、そのプール額上限値を画像処理装置3のプール額として決定する。尚、このようなプール額の算出処理は、上述したプール額送信部23によって行われる。
【0075】
そして課金サーバ2は、ログインユーザの利用可能残金から画像処理装置3に送信したプール額を減算し、残金情報18に記録されているログインユーザの利用可能残金を修正する(プロセスP216)。一方、画像処理装置3は、課金サーバ2からプール額を受信すると、そのプール額をログインユーザに対応付けてプール額記憶部43に保存する(プロセスP217)。
【0076】
このように本実施形態では、画像処理装置3がログインユーザの指示に基づいてジョブを実行する度に、ログインユーザに対応づけて記憶されるプール額を更新するようになっている。但し、このようなプール額の更新は、ジョブの実行が1回行われる度に行われなくても良く、例えばジョブの実行回数が所定回数となるタイミングで行われるようにしても良い。
【0077】
次に画像処理装置3が課金サーバ2とのデータ通信を確立させることができない場合について説明する。図12は、画像処理装置3と課金サーバ2とのデータ通信を正常に確立させることができない状態での画像処理装置3と課金サーバ2との処理の流れを模式的に示す図である。図12に示すように、画像処理装置3を使用しようとするユーザがログイン操作を行うと(プロセスP301)、画像処理装置3は、ユーザによって入力されたユーザ情報を課金サーバ2に送信することにより、認証要求を行う(プロセスP302)。このとき、ネットワークトラブルや課金サーバ2のトラブルなどによって、画像処理装置3が課金サーバ2とのデータ通信を行うことができなかった場合、画像処理装置3は、認証結果記憶部41に記憶されている情報を参照して内部認証を行う(プロセスP303)。この内部認証に成功してログインユーザを特定することができれば、画像処理装置3は、ログインユーザによるログイン状態へと移行する。
【0078】
そして画像処理装置3は、ログインユーザによるジョブ実行指示を検知すると(プロセスP304)、ログインユーザによるジョブの設定内容などに基づいて課金マップを参照することにより、そのジョブを実行するための課金額を算出する(プロセスP305)。そして画像処理装置3は、プール額記憶部43に記憶されているログインユーザのプール額に対する課金処理を行う(プロセスP306)。このとき、ログインユーザのプール額が課金額以上であれば、プール額から課金額を減算してプール額を更新し、ジョブの実行を許可する。これに対し、プール額が課金額に満たない場合、通常はジョブの実行が禁止されるが、ログインユーザが特権ユーザであれば課金処理が行われ、ジョブの実行が許可される。そして画像処理装置3は、プール額による課金処理が正常に行われたか否かを判断し、ログインユーザによって指定されたジョブを実行する(プロセスP307)。
【0079】
このように本実施形態では、画像処理装置3が課金サーバ2とデータ通信を行うことができない状態であっても、予め課金サーバ2から取得してプールしてあるプール額を用いてジョブの実行を行うことが可能である。そのため、課金サーバ2にサーバトラブルが発生した場合や、ネットワークトラブルが発生した場合でも、画像処理装置3においてジョブの実行が行えるようになるので、ユーザの利便性を高めることができるようになっている。
【0080】
次に、課金サーバ2の動作について説明する。図13は、課金サーバ2において行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、課金サーバ2のCPU10がプログラム15を実行することにより行われる処理である。図13に示すように、課金サーバ2は、この処理を開始すると、画像処理装置3からユーザ認証のためのユーザ情報を受信するまで待機する状態となる(ステップS100)。そしてユーザ情報を受信すると(ステップS100でYES)、課金サーバ2は、認証情報16を読み出し(ステップS101)、受信したユーザ情報に含まれるユーザIDとパスワードとの組み合わせと、認証情報16に登録されている情報とを照合することにより、ユーザ認証を行う(ステップS102)。そしてユーザ認証に成功したか否かを判断する(ステップS103)。その結果、ユーザ認証に失敗した場合(ステップS103でNO)、課金サーバ2は、認証結果として認証失敗を画像処理装置3に送信し(ステップS104)、ステップS100に戻る。
【0081】
一方、ユーザ認証に成功した場合(ステップS103でYES)、課金サーバ2は、画像処理装置3を使用しようとしているログインユーザを特定し(ステップS105)、認証情報16からそのログインユーザの機能制限情報を読み出す(ステップS106)。また課金サーバ2は、ログインユーザに対応する課金マップを記憶装置13に記憶されている課金マップ17から読み出す(ステップS107)。さらに課金サーバ2は、特定したログインユーザが特権ユーザであるか否かを判別し(ステップS108)、特権ユーザであれば(ステップS108でYES)、特権ユーザフラグをオンに設定する(ステップS109)。通常、この特権ユーザフラグはオフとなっており、ログインユーザが特権ユーザでない場合はオフのままとなる(ステップS108でNO)。
【0082】
そして課金サーバ2は、画像処理装置3に対し、認証結果としてログインユーザに関する情報を送信する(ステップS110)。このとき送信される情報には、ログインユーザに関する機能制限情報と課金マップと特権ユーザフラグとが含まれる。そのため、画像処理装置3は、これらの情報を課金サーバ2から受信すると、ログインユーザを特定することができると共に、ログインユーザが画像処理装置3を使用する際の機能制限を特定することができ、更にはジョブの実行に伴ってログインユーザに対する課金額を決定することができるようになる。また画像処理装置3は、ログインユーザが特権ユーザであるか否かを特定することも可能になる。
【0083】
そして課金サーバ2は、認証結果を画像処理装置3に送信した後、画像処理装置3から情報を受信したか否かを判断する(ステップS110)。そして画像処理装置3から何らかの情報を受信した場合(ステップS110)、課金サーバ2は、その受信した情報が、プール額要求情報であるか否かを判別する(ステップS111)。そして画像処理装置3から受信した情報がプール額要求情報である場合(ステップS111でYES)、課金サーバ2は、プール額送信処理を実行する(ステップS112)。課金サーバ2は、このプール額送信処理を行うことにより、ログインユーザの利用可能残金の中から、その画像処理装置3に対して予めプールしておくべきプール額を決定し、そのプール額を画像処理装置3に送信する。尚、このプール額送信処理の詳細については後述する。
【0084】
一方、画像処理装置3から受信した情報がプール額要求情報でなかった場合(ステップS111でNO)、課金サーバ2は、プール額要求情報以外のその他の受信情報に基づいて情報受信処理を実行する(ステップS113)。この情報受信処理には、例えば、画像処理装置3から受信する課金額に基づいてログインユーザの利用可能残金を減額して更新する処理や、ログインユーザの履歴情報に基づいて記憶装置13に記憶している履歴情報19を更新する処理などが含まれる。
【0085】
そして課金サーバ2は、ログインユーザがログアウトしたか否かを判断し(ステップS114)、ログインユーザがログアウトすれば、この処理は終了する。これに対し、ログインユーザがログアウトしていない場合は、ステップS110に戻り、画像処理装置3から受信する情報に基づいた処理を繰り返し実行する。
【0086】
次に、プール額送信処理の詳細について説明する。図14は、プール額送信処理(ステップS112)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、課金サーバ2が画像処理装置3からプール額要求情報を受信した場合に行われる処理である。課金サーバ2は、この処理を開始すると、画像処理装置3からプール額の返却があったか否かを判断する(ステップS120)。そしてプール額の返却があった場合(ステップS120)、課金サーバ2は、ログインユーザの利用可能残金に対し、プール額の返却額を加算し、利用可能残金を修正する(ステップS121)。尚、プール額の返却がなかった場合(ステップS120でNO)、ステップS121の処理は行われない。
【0087】
そして課金サーバ2は、記憶装置13に記憶されている履歴情報19からログインユーザの履歴情報を読み出す(ステップS122)。そしてログインユーザによるログインが、その画像処理装置3に対する初回ログインであるか否かを判断する(ステップS123)。例えば、ログインユーザがその画像処理装置3を始めて使用する場合、ログインユーザの履歴情報には、その画像処理装置3の使用履歴は記録されていない。そのため、ログインユーザの履歴情報に、その画像処理装置3の使用履歴が記録されていなければ、初回ログインであると判断することができる。
【0088】
このような判断の結果、ログインユーザによるログインが初回ログインである場合(ステップS123でYES)、課金サーバ2は、その画像処理装置3に予めプールしておくプール額として、プール額上限値を算出する(ステップS124)。すなわち、残金情報18からログインユーザの利用可能残金と、ログインユーザに設定されているプール残金比率とを読み出し、それらの情報に基づいてプール額を算出する。
【0089】
より具体的に説明すると、画像処理装置3に送信するプール額をV、プール額上限値をVmax、ログインユーザの利用可能残金をH、ログインユーザのプール残金比率をR(%)とした場合、プール額上限値Vmaxは、Vmax=H・R(%)で算出されるため、ステップS124で決定されるプール額Vは、V=Vmax=H・R(%)となる。
【0090】
一方、ログインユーザによるログインが初回ログインでなかった場合(ステップS123でNO)、次のような処理によりプール額が決定される。すなわち、課金サーバ2は、ログインユーザの履歴情報に基づいて、ログインユーザによる実行回数が最も多いジョブを優先ジョブとして特定し(ステップS125)、その優先ジョブの課金額の履歴に基づいて利用平均額を算出する(ステップS126)。これにより、ログインユーザが例えばコピージョブを頻繁に使用している場合、そのコピージョブの1回あたりの平均的な課金額が算出される。そして課金サーバ2は、プール額要求情報を送信した画像処理装置3がログインユーザによって頻繁に使用される常用機であるか否かを判断する(ステップS127)。ここでは、例えば、ログインユーザの履歴情報において、ログインユーザによる当該画像処理装置3の使用回数が最も多く記録されていれば常用機として判断され、そうでない場合は非常用機として判断される。
【0091】
そして画像処理装置3がログインユーザの常用機である場合(ステップS127でYES)、課金サーバ2は、プール額でのジョブの実行回数Nとして、N=5を設定する。これに対し、画像処理装置3がログインユーザの非常用機である場合(ステップS127でNO)、課金サーバ2は、プール額でのジョブの実行回数Nとして、N=2を設定する。つまり、プール額でのジョブの実行回数Nは、ログインユーザが当該画像処理装置3を使用する頻度に応じて設定されることとなり、ログインユーザによる使用頻度が多い場合には実行回数Nが比較的大きな値に設定され、ログインユーザによる使用頻度が少ない場合には実行回数Nが比較的小さな値に設定される。
【0092】
そして課金サーバ2は、ジョブ実行N回分のプール額を算出する(ステップS130)。ここでは、優先ジョブの平均利用額に基づいて平均的なジョブをN回実行することができるプール額が算出される。例えば、優先ジョブの平均利用額をGとした場合、プール額Vは、V=G・Nにより算出される。
【0093】
次に課金サーバ2は、ログインユーザの利用可能残金に基づいてプール額上限値を算出する(ステップS131)。ここでの算出手法は、上述したものと同様であり、プール額上限値をVmax、ログインユーザの利用可能残金をH、ログインユーザのプール残金比率をR(%)とした場合、プール額上限値Vmaxは、Vmax=H・R(%)で算出される。そして課金サーバ2は、ステップS130で算出したプール額Vが、ステップS131で算出したプール額上限値Vmaxを越えるか否かを判断する(ステップS132)。その結果、プール額Vがプール額上限値Vmaxを越える場合(ステップS132でYES)、課金サーバ2は、プール額Vとして、プール額上限値Vmaxを採用する(ステップS133)。この場合、プール額Vは、V=Vmaxとなる。これに対し、プール額Vがプール額上限値Vmaxを越えない場合(ステップS132でNO)、課金サーバ2は、プール額VとしてステップS130で算出された値をそのまま採用する。この場合、プール額Vは、V=G・Nとなる。
【0094】
そして課金サーバ2は、上記のようにして決定されたプール額を画像処理装置3に対して送信する(ステップS134)。そしてプール額送信後、課金サーバ2は、ログインユーザの利用可能残金から画像処理装置3に送信したプール額を減算して利用可能残金を修正する(ステップS135)。以上で、プール額送信処理(ステップS112)が終了する。
【0095】
課金サーバ2において上記のような処理が行われることにより、画像処理装置3と課金サーバ2とがデータ通信可能な状態のとき、課金サーバ2は画像処理装置3からの要求に応じて、ログインユーザの利用可能残金から予め画像処理装置3にプールしておくべきプール額が算出され、そのプール額が画像処理装置3に対して送信されるようになる。このとき算出されるプール額は、ログインユーザがその画像処理装置3を使用する頻度に応じて所定回数のジョブを実行することが可能な額となる。そのため、複数の画像処理装置3のそれぞれに予めプールされるプール額は、ログインユーザの使用頻度に応じて異なる額となる。
【0096】
次に、画像処理装置3の動作について説明する。図15は、画像処理装置3において行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、画像処理装置3のCPU31がプログラム40を実行することにより行われる処理である。図15に示すように、画像処理装置3は、この処理を開始すると、ユーザによるログイン操作が行われるまで待機する状態となる(ステップS200)。そしてユーザによるログイン操作が行われると(ステップS200でYES)、画像処理装置3は、ユーザによる操作に基づいてユーザIDやパスワードなどのユーザ情報を取得し、そのユーザ情報を課金サーバ2に送信する(ステップS201)。画像処理装置3は、ユーザ情報を送信してから所定時間が経過するまで、課金サーバ2から送信される認証結果の受信を待機する(ステップS202)。
【0097】
そして認証結果を受信した場合(ステップS202でYES)、画像処理装置3は、課金サーバ2におけるユーザ認証に成功したか否かを判断する(ステップS203)。ここで、ユーザ認証に失敗している場合(ステップS203でNO)、ステップS200に戻る。これに対し、ユーザ認証に成功していれば(ステップS203でYES)、ログインユーザを特定し(ステップS204)、課金サーバ2による認証結果を記憶装置38に記憶する(ステップS205)。このとき、ログインユーザのユーザIDやパスワード、機能制限情報、特権ユーザフラグなどが認証結果記憶部41に保存されると共に、ログインユーザの課金マップが課金マップ記憶部42に保存される。そしてステップS209に進む。
【0098】
一方、課金サーバ2から認証結果を受信しなかった場合(ステップS202でNO)、画像処理装置3は、認証結果記憶部41に記憶されている過去の認証結果を参照することにより、内部認証を行う(ステップS206)。すなわち、ユーザのログイン操作によって入力されたユーザIDとパスワードの組み合わせで過去に認証成功となったログインユーザが存在するかが確認される。そして画像処理装置3は、この内部認証によって認証成功となるか否かを判別する(ステップS207)。この内部認証で認証失敗となる場合(ステップS207でNO)、ステップS200に戻る。これに対し、内部認証で認証に成功する場合(ステップS207でYES)、画像処理装置3は、過去の認証結果に基づいてログインユーザを特定する(ステップS208)。そしてステップS209に進む。
【0099】
そして画像処理装置3は、ログインユーザによるログインが初回ログインであるか否かを判断し(ステップS209)、初回ログインであれば、プール額要求処理を実行する(ステップS210)。尚、ログインユーザによるログインが初回でない場合は、既にログインユーザに対するプール額が記憶されているため、ステップS210のプール額要求処理は行わない。
【0100】
図16は、このプール額要求処理(ステップS210)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、画像処理装置3は、この処理を開始すると、課金サーバ2に対し、プール額要求情報を送信する(ステップS220)。そして課金サーバ2からプール額を受信するのを待機する状態となり(ステップS221)、プール額を受信すると(ステップS221でYES)、その受信したプール額をログインユーザに対応付けてプール額記憶部43に記憶する(ステップS222)。以上で、プール額要求処理が終了する。
【0101】
図15のフローチャートに戻り、次に画像処理装置3は、ログインユーザによってジョブの実行指示が与えられたか否かを判断する(ステップS211)。ここで、ジョブの実行指示が与えられていない場合は(ステップS211でNO)、ステップS217に進む。これに対し、ジョブの実行指示が与えられた場合(ステップS211でYES)、画像処理装置3は、ログインユーザによって指定されたジョブの内容に基づき課金マップを参照することで、そのジョブの実行に要する課金額を算出する(ステップS212)。そして画像処理装置3は、課金処理を実行する(ステップS213)。
【0102】
図17は、この課金処理(ステップS213)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置3は、この処理を開始すると、ステップS212で算出した課金額を課金サーバ2に送信する(ステップS230)。そして画像処理装置3は、課金額を送信してから所定時間が経過するまで、課金サーバ2から正常課金が完了した旨の通知を受信するのを待機する状態となる(ステップS231)。
【0103】
そして課金サーバ2から正常課金が完了した通知を受信した場合(ステップS231でYES)、画像処理装置3は、ログインユーザによって指定されたジョブの実行を許可する(ステップS232)。
【0104】
これに対し、課金サーバ2から所定時間内に正常課金が完了した通知を受信しなかった場合(ステップS231でNO)、画像処理装置3は、課金サーバ2とのデータ通信を確立できない状態であると判定し、ステップS233の処理に進む。この場合、画像処理装置3は、プール額記憶部43からログインユーザに対応付けられたプール額を読み出し(ステップS233)、そのプール額が課金額以上であるか否かを判断する(ステップS234)。そしてプール額が課金額以上である場合(ステップS234でYES)、画像処理装置3は、そのプール額に対する課金処理を行い(ステップS235)、ログインユーザに対応するプール額を更新する(ステップS236)。そしてジョブの実行を許可する(ステップS232)。
【0105】
これに対し、プール額が課金額未満である場合(ステップS234でNO)、画像処理装置3は、ログインユーザが特権ユーザであるか否かを判断する(ステップS237)。その結果、ログインユーザが特権ユーザである場合(ステップS237でYES)、画像処理装置3は、そのプール額に対する課金処理を行い(ステップS235)、ログインユーザに対応するプール額を更新する(ステップS236)。この場合、課金処理に伴い、ログインユーザのプール額は負の数字(赤字)となって更新される。そして画像処理装置3は、ジョブの実行を許可する(ステップS232)。
【0106】
また、ログインユーザが特権ユーザでなかった場合(ステップS237でNO)、画像処理装置は、ジョブの実行を禁止する(ステップS238)。以上で、課金処理(ステップS213)が終了する。
【0107】
図15のフローチャートに戻り、次に画像処理装置3は、上述した課金処理(ステップS213)により、ジョブの実行が許可されたか否かを判断する(ステップS214)。そしてジョブの実行が許可された場合(ステップS214でYES)、画像処理装置3は、ジョブ実行処理を行う(ステップS215)。
【0108】
図18は、このジョブ実行処理(ステップS215)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置3は、この処理を開始すると、ログインユーザによって指定されたジョブを実行する(ステップS240)。そしてジョブの実行が終了すると、履歴情報を生成し、履歴情報記憶部44に記憶されているログインユーザの履歴情報を更新する(ステップS241)。また画像処理装置3は、課金サーバ2とのデータ通信が可能であるか否かを判断し(ステップS242)、データ通信が可能であればログインユーザの履歴情報を課金サーバ2に送信する(ステップS243)。尚、課金サーバ2とのデータ通信が確立されていない場合は、履歴情報の送信(ステップS243)はスキップする。以上で、ジョブ実行処理(ステップS215)が終了する。
【0109】
図15のフローチャートに戻り、上記のようなジョブ実行処理(ステップS215)が終了すると、次に画像処理装置3は、プール額変更処理を実行する(ステップS216)。
【0110】
図19は、このプール額変更処理(ステップS216)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。画像処理装置3は、この処理を開始すると、課金サーバ2とのデータ通信が可能であるか否かを判断し(ステップS250)、データ通信が可能でない場合は何も行わずに、そのままこの処理を終了する。これに対し、データ通信が可能である場合(ステップS250でYES)、画像処理装置3は、ログインユーザのプール額を読み出し(ステップS251)、そのプール額を課金サーバ2に返却する(ステップS252)。このとき、ログインユーザのプール額は一時的に0になる。その後、画像処理装置3は、あらためて課金サーバ2に対してプール額要求情報を送信する(ステップS253)。そして画像処理装置3は、課金サーバ2からプール額を受信するのを待機する状態となり(ステップS254)、課金サーバ2からプール額を受信すると(ステップS254でYES)、その受信したプール額をログインユーザに対応付けてプール額記憶部43に記憶する(ステップS255)。以上で、プール額要求処理が終了する。
【0111】
再び図15のフローチャートに戻る。画像処理装置3は、その後、ログインユーザがログアウト操作を行ったか否かを判断し(ステップS217)、ログアウト操作を行った場合にはログアウト処理を行ってこの処理を終了する。また、ログインユーザがログアウト操作を行っていない場合には(ステップS217でNO)、ステップS211に戻り、ログインユーザによるジョブの実行指示に基づく処理を繰り返し実行する。
【0112】
画像処理装置3において上記のような処理が行われることにより、ログインユーザがジョブの実行指示を行ったとき、ネットワークトラブルやサーバトラブルなどによって画像処理装置3が課金サーバ2とのデータ通信を確立できない状態であっても、ログインユーザに対して予めプールされているプール額を利用して課金処理を行い、ジョブの実行を行うことができるようになる。そのため、ユーザは、ネットワークトラブルやサーバトラブルなどが発生している状態でも画像処理装置3を使用することができるようになるので、利便性が向上する。
【0113】
以上のように本実施形態の画像処理システム1は、ジョブを実行する画像処理装置3と、画像処理装置3におけるジョブの実行に伴って課金処理を行う課金サーバ2とがネットワーク4を介して接続される構成である。この画像処理システム1において、課金サーバ2は、ユーザごとの利用可能残金を管理する残金管理部21と、画像処理装置3から送信されるユーザ情報に基づいてユーザ認証を行うユーザ認証部22と、そのユーザ認証部22によるユーザ認証に成功したログインユーザ(認証ユーザ)の利用可能残金に基づいて画像処理装置3に予めプールさせておくプール額を決定し、そのプール額を画像処理装置3に送信するプール額送信部23とを備えている。また画像処理装置3は、プール額送信部23によって送信されるプール額をログインユーザに対応付けて記憶するプール額記憶部43と、ログインユーザによるジョブの実行指示に基づいてジョブを実行するジョブ実行制御部53と、ジョブ実行制御部53によるジョブの実行に伴い、ログインユーザに対する課金処理を行う課金処理部54とを備えている。そして、画像処理装置3の課金処理部54は、課金サーバ2とのデータ通信を確立できない場合、プール額記憶部43に記憶されているログインユーザに対応するプール額からジョブの実行に伴う課金額を減算することにより課金処理を行う構成である。
【0114】
このような構成によれば、課金サーバ2にサーバトラブルが発生した場合や、ネットワークトラブルが発生した場合のように、画像処理装置3が課金サーバ2とのデータ通信を確立することができない場合でも、画像処理装置3は、予めログインユーザに対してプールしているプール額を利用して課金を行い、ジョブの実行を行うことが可能である。それ故、課金サーバ2に十分な利用可能残金が記録されているにもかかわらず、ログインユーザが画像処理装置3を使用することができなくなるという不具合が発生することを有効に防止することができるようになり、ユーザの利便性を向上させることが可能である。
【0115】
また課金サーバ2における残金管理部21は、プール額送信部23によって送信されるプール額を、ログインユーザに対応する利用可能残金から減算して管理するように構成される。これにより、課金サーバ2が複数の画像処理装置3を管理する場合でも、それら複数の画像処理装置3のそれぞれに対してログインユーザのためのプール額を送信するときには、その時点での利用可能残金に基づいてプール額を決定することができるため、各画像処理装置3にプールされるプール額の合計がログインユーザの利用可能残金を超えてしまうことを防止することができる。それ故、各ユーザの利用可能残金を適切に管理することができるという利点がある。
【0116】
また画像処理装置3の課金処理部54は、課金サーバ2とのデータ通信を確立できた場合、プール額記憶部43に記憶されているログインユーザに対応するプール額を課金サーバ2に送信して返却すると共に、課金サーバ2から新たに送信されるプール額を受信してプール額記憶部43に記憶されるプール額を更新する構成である。そのため、課金サーバ2で管理されるログインユーザの利用可能残金が減ってきた場合には、それに伴って画像処理装置3にプールされるプール額も減額させることができるようになる。
【0117】
また課金サーバ2の残金管理部21は、画像処理装置3から送信されるプール額を、ログインユーザに対応する利用可能残金に加算することによって利用可能残金を更新するようになっており、プール額送信部23は、残金管理部21によってログインユーザに対応する利用可能残金が更新されることに伴い、その更新された利用可能残金に基づいて画像処理装置3に予めプールさせておくプール額を改めて決定し、その決定したプール額を画像処理装置3に送信する構成である。このような構成により、画像処理装置3でプールされるプール額を、適宜適切な額に調整することができるようになる。
【0118】
またプール額送信部23は、ログインユーザに対応する利用可能残金の所定比率の金額を上限として、ログインユーザに対応するプール額を決定するため、画像処理装置3にプールされるプール額が利用可能残金に対して多くなりすぎることを防止することができるようになっている。さらに、プール額送信部23は、ログインユーザの一ジョブ当たりの平均課金額(利用平均額)に基づいて所定回数のジョブの実行が可能なプール額を決定するため、サーバトラブルやネットワークトラブルが発生した場合でも、画像処理装置3において所定回数のジョブを実行することができるようになる。また、この場合において、所定回数は、ログインユーザがその画像処理装置3を使用する頻度に応じて設定されるので、ログインユーザの利用頻度の多い画像処理装置3は他の画像処理装置3よりもプール額を多くすることができるようになっている。
【0119】
また画像処理装置3は、課金処理部54が課金サーバ2とのデータ通信を確立できない場合、プール額記憶部43に記憶されているログインユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行を禁止するので、画像処理装置3と課金サーバ2とがデータ通信を行えないときにログインユーザが利用可能残金を超えてジョブを実行してしまうことを防止できるようになっている。ただし、本実施形態では、ログインユーザが特権ユーザである場合には、課金処理部54が課金サーバ2とのデータ通信を確立できないときでも、プール額記憶部43に記憶されているログインユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行が許可される構成である。このような構成によれば、ログインユーザが特権ユーザであれば、プール額が減少してきてもジョブを実行させることができるので、利便性がより一層向上する。
【0120】
(変形例)
以上、本発明に関する一実施形態について例示したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0121】
例えば、上述した実施形態では、課金サーバ2が画像処理装置3を使用しようとするユーザを認証する認証機能を備えている場合を例示したが、ユーザ認証処理は課金サーバとは別の認証サーバによって行われるものであっても構わない。この場合、認証サーバと課金サーバとが相互に連携して上記実施形態で説明した課金サーバ2の各種の機能を実現することになる。
【符号の説明】
【0122】
1 画像処理システム
2 課金サーバ
3 画像処理装置
4 ネットワーク
21 残金管理部(残金管理手段)
22 ユーザ認証部(認証手段)
23 プール額送信部(プール額送信手段)
30 制御部
42 プール額記憶部(プール額記憶手段)
51 認証要求部(認証要求手段)
52 プール額要求部
53 ジョブ実行制御部(ジョブ実行手段)
54 課金処理部(課金処理手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブを実行する画像処理装置と、前記画像処理装置におけるジョブの実行に伴って課金処理を行う課金サーバとがネットワークを介して接続される画像処理システムであって、
前記課金サーバは、
ユーザごとの利用可能残金を管理する残金管理手段と、
前記画像処理装置から送信されるユーザ情報に基づいてユーザ認証を行う認証手段と、
前記認証手段によってユーザ認証に成功した認証ユーザの利用可能残金に基づいて前記画像処理装置に予めプールさせておくプール額を決定し、該プール額を前記画像処理装置に送信するプール額送信手段と、
を備え、
前記画像処理装置は、
前記プール額送信手段によって送信されるプール額を認証ユーザに対応付けて記憶するプール額記憶手段と、
認証ユーザによるジョブの実行指示に基づいてジョブを実行するジョブ実行手段と、
前記ジョブ実行手段によるジョブの実行に伴い、認証ユーザに対する課金処理を行う課金処理手段と、
を備え、
前記課金処理手段は、前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額からジョブの実行に伴う課金額を減算することにより課金処理を行うことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記残金管理手段は、前記プール額送信手段によって送信されるプール額を、認証ユーザに対応する利用可能残金から減算して管理することを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記課金処理手段は、前記課金サーバとのデータ通信を確立できた場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を前記課金サーバに送信すると共に、前記課金サーバから新たに送信されるプール額を受信して前記プール額記憶手段に記憶されるプール額を更新することを特徴とする請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記残金管理手段は、前記課金処理手段によって送信されるプール額を、認証ユーザに対応する利用可能残金に加算して更新し、
前記プール額送信手段は、前記残金管理手段によって認証ユーザに対応する利用可能残金が更新されることに伴い、その更新された利用可能残金に基づいて前記画像処理装置に予めプールさせておくプール額を改めて決定し、該プール額を前記画像処理装置に送信することを特徴とする請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記プール額送信手段は、認証ユーザに対応する利用可能残金の所定比率の金額を上限として、認証ユーザに対応するプール額を決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記プール額送信手段は、認証ユーザの一ジョブ当たりの平均課金額に基づいて所定回数のジョブの実行が可能なプール額を決定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記所定回数は、認証ユーザが当該画像処理装置を使用する頻度に応じて設定されることを特徴とする請求項6に記載の画像処理システム。
【請求項8】
前記ジョブ実行手段は、前記課金処理手段が前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行を禁止することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項9】
前記認証手段は、ユーザ認証に成功した認証ユーザが特別な権限を有する特権ユーザであるか否かを判別し、認証ユーザが特権ユーザである場合に前記画像処理装置に対して特権ユーザであることを通知し、
前記ジョブ実行手段は、認証ユーザが特権ユーザである場合、前記課金処理手段が前記課金サーバとのデータ通信を確立できないときでも、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行を許可することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項10】
ネットワークを介して課金サーバに接続され、ジョブの実行に伴って前記課金サーバとデータ通信を行うことにより課金処理を行う画像処理装置であって、
前記課金サーバにおいて管理されるユーザごとの利用可能残金に基づいて決定されるプール額を、前記課金サーバからユーザごとに取得して記憶するプール額記憶手段と、
ユーザのユーザ情報を前記課金サーバに送信して認証要求を行い、前記課金サーバからユーザ認証の結果を受信する認証要求手段と、
ユーザ認証に成功した認証ユーザによるジョブの実行指示に基づいてジョブを実行するジョブ実行手段と、
前記ジョブ実行手段によるジョブの実行に伴い、認証ユーザに対する課金処理を行う課金処理手段と、
を備え、
前記課金処理手段は、前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額からジョブの実行に伴う課金額を減算することにより課金処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
【請求項11】
前記課金処理手段は、前記課金サーバとのデータ通信を確立できた場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を前記課金サーバに送信すると共に、前記課金サーバから新たに送信されるプール額を取得して前記プール額記憶手段に記憶されるプール額を更新することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記ジョブ実行手段は、前記課金処理手段が前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行を禁止することを特徴とする請求項10又は11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記ジョブ実行手段は、認証ユーザが特別な権限を有する特権ユーザである場合、前記課金処理手段が前記課金サーバとのデータ通信を確立できないときでも、前記プール額記憶手段に記憶された認証ユーザに対応するプール額を越える課金額となるジョブの実行を許可することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項14】
ジョブを実行する画像処理装置と、ユーザごとの利用可能残金を管理する課金サーバとがネットワークを介して接続される画像処理システムにおいてジョブの実行に伴う課金処理を行う方法であって、
前記画像処理装置を使用するユーザのユーザ情報に基づいてユーザ認証を行うステップと、
ユーザ認証に成功した認証ユーザの利用可能残金に基づいて前記画像処理装置に予めプールさせておくプール額を決定し、該プール額を前記課金サーバから前記画像処理装置に送信するステップと、
前記課金サーバから送信されるプール額を前記画像処理装置において認証ユーザに対応付けて記憶するステップと、
認証ユーザによるジョブの実行指示に基づいて前記画像処理装置においてジョブを実行するステップと、
前記画像処理装置におけるジョブの実行に伴い、前記画像処理装置が前記課金サーバとのデータ通信を確立できるか否かを判別し、前記課金サーバとのデータ通信を確立できない場合、前記画像処理装置において記憶されている認証ユーザに対応するプール額からジョブの実行に伴う課金額を減算することにより課金処理を行うステップと、
を有することを特徴とする課金処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−151781(P2012−151781A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10461(P2011−10461)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】