説明

画像処理システム、画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】ファイヤーウォールの外に存在する上位装置を介して連携処理を実行可能な画像処理システム、画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供する。
【解決手段】画像処理装置102は、上位装置101に対して、他の画像処理装置103との連携処理の実行を要求する要求手段と、前記要求手段による要求に応じて、前記上位装置101から、前記他の画像処理装置103が前記上位装置101にアクセスするためのアクセス指示を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたアクセス指示を前記他の画像処理装置103に送信する送信手段とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関し、特に、通信を行うことで連携処理を実行する画像処理システム、画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PCなどの情報処理装置がネットワーク上のWebサーバーと接続され、Webサーバーにより提供される操作画面を、情報処理装置が備えるWebブラウザ上に表示することが知られている。
【0003】
この場合、情報処理装置のWebブラウザがWebサーバーに対して操作画面を要求する。そしてWebサーバー上のWebアプリケーションが情報処理装置からの要求に応えて、Webブラウザに操作画面を表示させるためのHTMLファイルを情報処理装置に送信する。情報処理装置のWebブラウザは、受信したHTMLファイルを解析し、受信したHTMLファイルの記述に基づいた操作画面を表示する。
【0004】
更に、Webブラウザに表示された操作画面を用いてユーザが指示を入力すると、入力された指示をWebブラウザがWebサーバーに対して通知する。そして、この通知を受けたWebサーバー上のWebアプリケーションは、その指示に従って処理を実行する。
【0005】
ところで、最近ではスキャナやプリンタを備えたMFP(Multi-Function Peripheral)の中にも、上述したようなWebブラウザを備えているものがある。そして、MFPは、上述した手順を用いてWebサーバーにより提供される操作画面をMFPのWebブラウザに表示し、ユーザからの各種指示を受け付ける。
【0006】
ユーザによって、この操作画面において入力された指示はMFPのWebブラウザによってWebサーバーに通知される。通知を受けたWebサーバーは、ユーザから入力された指示の内容に従って、MFPに対して各種処理の実行を依頼する。
【0007】
そして、この依頼を受けたMFPは、依頼された処理を実行する。これにより、MFPを操作するための全メニューデータをMFP内で保持しておく必要がなくなり、またメニューデータの変更もWebサーバーのみの変更で済む。
【0008】
また、本技術を更に拡張した技術例として、1つのジョブを1台のMFPだけでなく複数台のMFPで連携処理させる技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、連携処理の一例として一方のMFPのスキャナで読み取った画像データを他方のMFPのプリンタで印刷することによって、連携してコピー処理を行うことが記載されている。
【0009】
このとき特許文献1では、一方のMFPのスキャナで読み取った画像データを一旦サーバー装置に送信し、サーバー装置がその画像データと印刷指示を他方のMFPに通知することにより、このコピー処理を実現している。
【0010】
この従来技術で説明したWebサーバーをインターネット上に設置すれば、より多くのMFP等の画像処理装置からアクセスできるようになるので便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−203870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、インターネット上に上記Webサーバーを設置した場合、上記特許文献1の技術を用いると次のような問題がある。即ち、一般的にLAN等のプライベートなネットワーク環境(以下、「内部ネットワーク」という)では、インターネット等の外部ネットワークと接続するにあたって、セキュリティの観点からファイヤーウォールを設置している。
【0013】
一般的にファイヤーウォールは、内部ネットワークから外部ネットワークへと出て行くデータ通信を許可し、外部ネットワークから内部ネットワークへと入ってくるデータ通信を禁止する。
【0014】
そのため、外部ネットワークから内部ネットワークへのデータ通信は、内部ネットワークから外部ネットワークへのデータ通信に対する応答である場合にのみ許可していることが多い。
【0015】
そのような環境で上記特許文献1の技術を用いた場合、一方のMFPのスキャナで読み取った画像データをサーバー装置に送信するデータ通信は許可されるが、サーバー装置がその画像データを他方のMFPに送信するデータ通信は禁止される。
【0016】
このように、上記従来技術では、外部ネットワークに存在するサーバー装置を使って、内部ネットワークに存在する複数の画像処理装置に連携処理させる場合に問題があった。
【0017】
本発明の目的は、上位装置を介して連携処理を実行可能な画像処理システム、画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、請求項1の画像処理システムは、複数の画像処理装置が、上位装置を経由して連携処理を実行する画像処理システムであって、前記複数の画像処理装置のうち、連携処理を要求する要求元画像処理装置は、前記上位装置に対して、他の画像処理装置との連携処理の実行を要求する要求手段と、前記要求手段による要求に応じて、前記上位装置から、前記他の画像処理装置が前記上位装置にアクセスするためのアクセス指示を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得されたアクセス指示を前記他の画像処理装置に送信する第1送信手段と、を備え、前記他の画像処理装置は、前記要求元画像処理装置から受信した前記アクセス指示によって、前記上位装置にアクセスし、当該他の画像処理装置が前記連携処理において実行する処理が示された実行指示を取得する第2取得手段と、前記第2取得手段により取得された実行指示に従って処理を実行する実行手段と、を備え、前記上位装置は、前記要求元画像処理装置から連携処理が要求されると、前記実行指示を登録する登録手段と、前記アクセス指示を作成する作成手段と、前記作成手段により作成されたアクセス指示を前記要求元画像処理装置に送信する第2送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上位装置を介して連携処理を実行可能な画像処理システム、画像処理装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像処理システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1におけるWebサーバー、及び複合デバイスのハードウェア構成を示す図である。
【図3】図1におけるWebサーバー、及び複合デバイスのソフトウェア構成を示す図である。
【図4】図1における複合デバイスのWebブラウザにより表示されるメニュー表示例を示す図である。
【図5】図2におけるCPUが動作することによってWebアプリケーションにより実行される応答処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】図2におけるCPUにより実行される実行指示対応処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】実行指示及びアクセス指示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理システム100の概略構成を示す図である。
【0023】
図1において、画像処理システム100は、Webサーバー101(上位装置)、及び複数の複合デバイス102,103(画像処理装置)を含み、各々ネットワーク104を介して接続されている。このネットワーク104は、LAN及びインターネットを含むものである。そして、複数の複合デバイス102,103は、ファイヤーウォールを介さずに互いに通信可能であり、Webサーバー101は、複数の複合デバイス102,103のファイヤーウォールの外に存在する。
【0024】
また、複合デバイス102,103は、本実施の形態ではプリンタ、スキャナ等、画像処理に係る種々の機能が複合された装置を例にしているが、ネットワークを介して他の装置とやり取り可能な装置であってもよい。さらに、本実施の形態では、複合デバイス102,103の2台が示されているが、3台以上であってもよい。複合デバイス102,103は、いずれも同じ構成となっているので、以下の説明では複合デバイス102を主に用いて説明していく。
【0025】
Webサーバー101は、図3で説明する複合デバイス102のWebブラウザ301からの要求を受信してGUIデータを応答として返す処理を行う。
【0026】
また、Webサーバー101は、Webブラウザ301からのGUIデータに埋め込んだ選択機能の要求を受信し、該当する複合デバイス102及び複合デバイス103の少なくとも一方の各サービスアプリケーションに対する実行指示を作成する。
【0027】
そして、Webサーバー101は、Webブラウザ301から操作を行った複合デバイス102に対する実行指示を、要求に対する応答に直接埋め込む処理を行う。
【0028】
一方、Webサーバー101は、リモート実行となる複合デバイス103への実行指示を管理するとともに、最終的な実行指示に対するアクセス指示を作成する。そして作成したアクセス指示を複合デバイス102に対する応答に埋め込む処理を行う。
【0029】
そしてWebサーバー101は、各複合デバイスへの実行指示を含めたレスポンスを複合デバイス102に送信する処理を行う。なお、上記実行指示には、アクセス指示も含まれる。
【0030】
またWebサーバー101は、各複合デバイスの機能実行結果を操作した複合デバイス102からの通知を受けて、Webブラウザ301に対して動作結果を示すGUIデータを作成して応答する処理を行う。
【0031】
複合デバイス102は、上記Webブラウザ301と図3で説明するサービスアプリケーションを有しており、Webサーバー101へ表示GUIデータ要求や選択機能の要求を送信して前記各複合デバイスへの指示を含むレスポンスを受信する。
【0032】
また、受け取った応答に含まれる各指示を複合デバイス102、および対象となる複合デバイス103に送信する処理を行う。
【0033】
さらに、各指示を割り振った機能実行結果を受け取り、Webサーバー101に送信し、その応答となる動作結果を示すGUIを受信し各応答画面を表示するものとなる。
【0034】
このように、画像処理システム100は複数の複合デバイス102,103が、Webサーバー101を経由して連携処理を実行するものである。また、本実施の形態では、複合デバイス102が、複数の複合デバイスのうち、連携処理を要求する要求元画像処理装置に対応している。また、複合デバイス103が、他の画像処理装置に対応している。
【0035】
図2は、図1におけるWebサーバー101、及び複合デバイス102のハードウェア構成を示す図である。なお複合デバイス103は複合デバイス102と同じ構成のため説明を省略する。
【0036】
図2において、CPU202を含む制御部201は複合デバイス102を統括的に制御する。CPU202はROM203に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM204はCPU202の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。
【0037】
HDD205は画像データや各種プログラム、あるいは各種情報テーブルを記憶する。操作部I/F206は操作部211と制御部201とを接続する。操作部211はタッチパネル機能を有する液晶表示部などの表示部やキーボードが備えられている。
【0038】
プリンタI/F207は、プリンタ212と制御部201とを接続する。プリンタ212で印刷すべき画像データはプリンタI/F207を介して制御部201からプリンタ212に転送され、プリンタ212において記録媒体上に印刷される。
【0039】
スキャナI/F208は、スキャナ213と制御部201とを接続する。スキャナ213は、原稿上の画像を読み取り画像データを生成して、スキャナI/F208を介して制御部201に画像データを渡す。
【0040】
ネットワークI/F209は、ネットワーク104上のWebサーバー101等と各種情報の送受信を行う制御部である。複合デバイス102の上記構成において装置に電源を投入すると、CPU202はROM203のブートプログラムに従って装置を初期化し、HDD205等にあるOSのロードを行い、その後で各種アプリケーション等を動作させる。
【0041】
次にWebサーバー101の制御構成について説明する。
【0042】
CPU223を含む制御部221はWebサーバー101を統括的に制御する。CPU223はROM224に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。
【0043】
RAM225はCPU223の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD226は画像データや各種プログラム、あるいは各種情報テーブルを記憶する。ネットワークI/F222は、制御部221をネットワーク104に接続して、ネットワーク104上の複合デバイス等と各種情報を送受信する制御部である。
【0044】
Webサーバー101の上記構成において装置に電源を投入すると、CPU223はROM224のブートプログラムに従って装置を初期化し、HDD226等にあるOSのロードを行い、その後で各種アプリケーション等を動作させる。
【0045】
図3は、図1におけるWebサーバー101、及び複合デバイス102のソフトウェア構成を示す図である。なお複合デバイス103は複合デバイス102と同じ構成のため説明を省略する。
【0046】
図3において、複合デバイス102における各ソフトウェア機能は、ROM203またはHDD205に保存されたプログラムがCPU202にて実行されることにより実現される。また、Webサーバー101における各ソフトウェア機能は、ROM224またはHDD226に保存されたプログラムがCPU223に実行されることにより実現される。
【0047】
また、複合デバイス102では、実行時に使用する各種情報はRAM204またはHDD205に保持され、それらはソフトウェア機能間でやりとりされる。
【0048】
同様にWebサーバー101では、実行時に使用する各種情報はRAM225またはHDD226に保持され、それらはソフトウェア機能間でやりとりされる。
【0049】
また、外部機器との通信は、複合デバイス102はネットワークI/F209、Webサーバー101はネットワークI/F222を用いて行う。
【0050】
次に各ソフトウェア機能の説明を行う。
【0051】
複合デバイス102は、Webブラウザ301、プリントサービスアプリケーション306、スキャンサービスアプリケーション307、プリント機能部308、スキャン機能部309を含む。また本実施の形態における特長である指示受信部311、実行指示実行部312および実行指示取得部313を含む構成となる。
【0052】
上記Webブラウザ301は、表示部302、操作部303、解析部304、通信部305および指示送信部310を含む。
【0053】
通信部305は、HTTPプロトコルに従ってWebアプリケーション321のプレゼンテーション部322と通信を行う。具体的には、操作部303からの指示をWebアプリケーション321に要求し、プレゼンテーション部322からのGUIデータを応答として受信し、解析部304に渡す処理を行う。従って、通信部305は、Webサーバー101に対して、複合デバイス103との連携処理の実行を要求する要求手段に対応する。
【0054】
また、通信部305は、操作部303で機能が選択された時は、選択された機能の要求に対する実行指示を含むレスポンスを受信し、解析部304に渡す処理を行う。
【0055】
解析部304は、通信部305が受信したレスポンスがGUIデータの場合はGUIデータを解析して表示可能なデータとして表示部302に渡す処理を行う。一方、解析部304は、通信部305が受信した応答が実行指示を含む場合は、その実行指示を指示送信部310に渡す。
【0056】
具体的に、上記実行指示は、HTTPレスポンス内にSOAPリクエストとして1つ以上格納され、各実行指示は複合デバイスの送信先アドレス、実行コマンドおよびそのパラメータなどが格納されているものとする。
【0057】
また、実行指示が本実施の形態の特長であるWebサーバー101へのアクセス指示の場合は、実行コマンドにWebサーバー101から実行指示を取得することを示す内容が設定される。またパラメータには、Webサーバー101の実行指示管理部325が管理している実行指示を取得するためのアクセスアドレスが設定される。
【0058】
また解析部304は、操作部303からの指示を解析して要求を通信部305に渡す処理を行う。
【0059】
表示部302は、解析部304から受け取った表示データを操作部211に表示する処理を行う。
【0060】
操作部303は、表示部302に表示された画面に対して指示があった際に、操作部211からの指示を受け、解析部304に渡す処理を行う。
【0061】
指示送信部310は、解析部304から渡された1つ以上の実行指示を、対応する複合デバイスの送信アドレスに対して送信する。この際に複合デバイスの送信先アドレスが複合デバイス102であれば、複合デバイス102の指示受信部311に送信する。また、リモート実行する複合デバイス103であれば複合デバイス103の指示受信部311に送信する。従って、指示送信部310は、取得されたアクセス指示を複合デバイス103に送信する第1送信手段に対応する。
【0062】
以上説明したようにWebブラウザ301は、複合デバイス102における画面表示及び操作指示を示す内容をWebアプリケーション321とでやりとりする。またWebブラウザ301は、実行指示を受信した場合は各複合デバイスの指示受信部311とやりとりする。
【0063】
指示受信部311は、自身の複合デバイス102または外部の複合デバイス103における指示送信部310から送信された実行指示を受信する。そして受信した実行指示を実行指示実行部312に渡す。
【0064】
実行指示実行部312は、指示受信部311から渡された実行指示に対応する処理を行う。実行指示が本実施の形態の特長であるWebサーバー101へのアクセス指示の場合は、その実行指示を実行指示取得部313に渡す処理を行う。
【0065】
なお、実行指示実行部312は、実行指示が例えばプリント指示の場合はプリントサービスアプリケーション306に対して、またスキャン指示の場合はスキャンサービスアプリケーション307に対して実行指示に従って各機能を実行させる。従って、実行指示実行部312は、取得された実行指示に従って処理を実行する実行手段に対応する。
【0066】
実行指示取得部313は、実行指示実行部312からの実行指示を受け取る。受け取った実行指示は、本実施の形態の特長であるWebサーバー101へのアクセス指示であり、アクセス指示に従いパラメータに設定されているWebサーバー101の実行指示管理部325が管理する実行指示を取得するためのアクセスアドレスを取得する。従って、実行指示取得部313は、複合デバイス102から受信したアクセス指示によって、Webサーバー101にアクセスし、複合デバイス103が連携処理において実行する処理が示された実行指示を取得する第2取得手段に対応する。
【0067】
実行指示取得部313は、このアクセスアドレスを用いて、Webサーバー101に格納されている実行指示を最終的な実行指示として取得する。なお取得した実行指示は実行指示実行部312に渡し、実行指示実行部312は最終的な実行指示に従って各機能を実行させる。
【0068】
プリントサービスアプリケーション306は、複合デバイス102のプリント機能部308を実行指示実行部312からの指示により動作させるサービスアプリケーションである。
【0069】
スキャンサービスアプリケーション307は、複合デバイス102のスキャン機能部309を実行指示実行部312からの指示により動作させるサービスアプリケーションである。
【0070】
プリント機能部308は、プリンタI/F207を経由してプリンタ212を制御する。また、スキャン機能部309はスキャナI/F208を経由してスキャナ213を制御する。
【0071】
次にWebサーバー101のソフトウェア機能について説明する。
【0072】
Webサーバー101は、Webアプリケーション321を備える。さらにWebアプリケーション321は、プレゼンテーション部322、ロジック部323、実行指示作成部324および実行指示管理部325が含まれる。
【0073】
プレゼンテーション部322は、通信部305と通信を行いWebブラウザ301からの要求に応じてWebブラウザ301の表示用GUIデータを通信部305に送信する。
【0074】
また、プレゼンテーション部322は、Webブラウザ301の表示部302に表示された画面に対する操作部303からの要求を受信する。さらに、プレゼンテーション部322は、受信した要求が選択機能に関する要求であった場合は、ロジック部323に選択機能の要求を渡し、選択機能に対応する各実行指示に関する処理を行う。
【0075】
ロジック部323は、プレゼンテーション部322から選択機能の要求を受け取る。そして選択機能の要求に対応した実行指示を作成するために実行指示作成部324を用いて実行指示を作成する。
【0076】
なお、ロジック部323は、実行指示の対象である複合デバイスが要求元以外の複合デバイスである場合、本実施の形態の特長となる以下の処理を行う。
【0077】
ロジック部323は、まず作成した実行指示を実行指示管理部325に登録する処理を行い、登録した実行指示へのアクセス情報を取得する。そして、ロジック部323は、実行指示作成部324で取得したアクセス情報を用いてアクセス指示の作成を行う。
【0078】
以上により、ロジック部323は、対象となる複合デバイスが操作される複合デバイスでない場合、実行指示を実行指示管理部325に登録するとともに、実行指示管理部325へのアクセス情報を用いて、アクセス指示を作成可能とする。
【0079】
実行指示作成部324は、ロジック部323からの指示に従って複合デバイス102の実行指示実行部312によって実行される実行指示を作成する。この実行指示には、アクセス指示も含まれる。
【0080】
実行指示管理部325は、ロジック部323からの登録指示に従って実行指示を管理するとともにアクセス情報を提供し、提供したアクセス情報に従ってアクセスされた場合は、対象の実行指示を提供する。
【0081】
なお、登録された実行指示の削除についてはアクセスが完了したら削除してもよく、一定時間のタイマーを設けて削除してもよく、本実施の形態では特に限定しないものとする。
【0082】
図4は、図1における複合デバイス102のWebブラウザ301により表示されるメニュー表示例を示す図である。
【0083】
なお、このメニュー表示例は事前にプレゼンテーション部322で生成されたGUIデータがWebブラウザ301により表示された例である。
【0084】
図4において、画面401は、複合デバイス102におけるWebブラウザ301により表示される画面全体を示し、メニュー402及びメニュー403を含んでいる。
【0085】
メニュー402及びメニュー403は、それぞれ任意の文書を選択して印刷するメニュー例である。
【0086】
そして、メニュー402は、選択した文書のプリント処理を複合デバイス102にプリントサービスアプリケーション306のみで印刷するメニュー例である。
【0087】
一方、メニュー403は、選択した文書のプリント処理を複合デバイス102及び複合デバイス103などの他の複合機のプリントサービスアプリケーション306を用いて分散印刷するためのメニュー例である。
【0088】
なお、これらメニュー402、403に対し、それぞれ選択されたメニューに対応する選択機能を送信するHTTPリクエストが実行される仕組みがWebサーバー101にあるが、その仕組みは公知の手段を用いてもよい。
【0089】
また選択されたメニューに対応したHTTPリクエストに対する応答は、複合デバイス102及びリモートで利用される複合デバイス103などに対するすべての実行指示を複合デバイス102の通信部305が受信するものとする。
【0090】
図5は、図2におけるCPU223が動作することによってWebアプリケーション321により実行される応答処理の手順を示すフローチャートである。
【0091】
図5における応答処理は、Webアプリケーション321がWebブラウザ301からの要求を受信したところからの処理となっている。
【0092】
図5において、要求を受信すると、受信した要求内容を解析する(ステップS501)。次いで、要求内容が機能選択か否か判別する(ステップS502)。要求内容としては、画面更新などの機能選択または画面更新指示のいずれかとなっている。そして、要求内容が機能選択の場合は対象の複合デバイス及びサービスアプリケーションなどを解析する。
【0093】
ステップS502の判別の結果、要求内容が機能選択ではないとき(ステップS502でNO)、通常の画面処理、例えば更新画面を作成する処理を行い(ステップS503)、ステップS510に進む。
【0094】
一方、ステップS502の判別の結果、要求内容が機能選択のとき(ステップS502でYES)、対象となる機能の実行指示を作成する(ステップS504)。なお実行指示は、例えばXMLファイルを作成する例が挙げられるが、本実施の形態においては特に限定されるものではなく公知の方法でよい。
【0095】
次いで、作成した実行指示が要求元の複合デバイス102に対する実行指示か否か判別する(ステップS505)。要求元以外の複合デバイスとしては、例えば、複合デバイス103が挙げられる。
【0096】
ステップS505の判別の結果、実行指示が要求元に対する実行指示のとき(ステップS505でYES)、ステップS508に進む。
【0097】
一方、ステップS505の判別の結果、実行指示が要求元に対する実行指示ではないとき(ステップS505でNO)、作成した実行指示を実行指示管理部325に登録する(ステップS506)。この登録により、登録した実行指示が複合デバイス103から取得可能な状態となり、かつそのアクセス情報を登録結果として送信される。上記ステップS506は、複合デバイス103から連携処理が要求されると、実行指示を登録する登録手段に対応する。
【0098】
次いで、上記ステップS506にて実行指示を登録した際に取得したアクセス情報を用いてアクセス指示を作成し(ステップS507)、ステップS508に進む。このステップS507は、アクセス指示を作成する作成手段に対応する。
【0099】
このアクセス指示は、複合デバイスの実行指示実行部312にて、Webサーバー101から最終的な実行指示を取得するために実行指示取得部313が実行指示管理部325から取得するための実行指示となる。
【0100】
そして実行指示取得部313がアクセス指示を用いて実行指示管理部325から取得した実行指示が最終的に実行指示実行部312にて、実行指示に示されるサービスアプリケーションに対して処理を実行する。
【0101】
次いで、実行指示が要求元の複合デバイス102であるときはステップS504にて作成された実行指示をHTTPレスポンスに追加する(ステップS508)。また、実行指示が要求元以外の複合デバイス103であるときはステップS507にて作成されたアクセス指示の実行指示を要求元の要求に対するHTTPレスポンスに追加する(ステップS508)。
【0102】
次いで、すべての実行指示を作成したか否か判別する(ステップS509)。これは、機能選択の要求が複数の複合デバイスへの場合、実行指示を作成するすべての複合デバイスに対する実行指示が作成されたか否かを判断するステップである。
【0103】
ステップS509の判別の結果、まだ作成していない実行指示があるとき(ステップS509でNO)、上記ステップS504に戻り次の実行指示を作成する。
【0104】
例えば図4の例では、メニュー402が選択された場合は、要求元の複合デバイス102のみで印刷する。しかし、メニュー403が選択された場合は、要求元の複合デバイス102及び要求元以外の複合デバイス103の2つの複合デバイスに対する実行指示が作成される。なお、ここでの実行指示は、上述したように複合デバイス103に対してはアクセス指示となる。
【0105】
ステップS509の判別の結果、すべての実行指示を作成したとき(ステップS509でYES)、要求に対する応答として上記各ステップの処理を反映した各実行指示が追加された応答をWebブラウザ301に送信し(ステップS510)、本処理を終了する。上記ステップS510は、作成されたアクセス指示を複合デバイス102に送信する第2送信手段に対応する。
【0106】
上述した応答処理によれば、本実施の形態の特長であるWebアプリケーション321は、要求した選択機能が要求元か他の複合デバイスか否かを判別し、他の複合デバイスであれば実行指示をWebサーバー101にて管理し、アクセス指示を送信可能となる。
【0107】
図6は、図2におけるCPU202により実行される実行指示対応処理の手順を示すフローチャートである。
【0108】
なお、複合デバイス102への実行指示は、Webブラウザ301から指示を行った複合デバイス102が上記ステップS510にて送信された選択機能の要求に対する応答を受信したものに含まれる。さらに複合デバイスへの実行指示は、指示送信部310が複合デバイス102または他の複合デバイス103などの指示受信部311に送信したものも含まれる。
【0109】
図6において、まず実行指示を受信する(ステップS601)。次いで、受信した実行指示を解析する(ステップS602)。ここでは、実行指示が最終的な実行指示かアクセス指示か否かなどが解析される。上記ステップS601は、要求に応じて、Webサーバー101から、複合デバイス103がWebサーバー101にアクセスするためのアクセス指示を取得する第1取得手段に対応する。
【0110】
次いで、実行指示が最終的な実行指示か、またはWebサーバー101にて実行指示管理部325が管理する実行指示へのアクセス指示か否かを判別する(ステップS603)。
【0111】
なお、この実行指示は上記ステップS504において作成された実行指示、またはステップS507にて作成されたアクセス指示のいずれかとなる。
【0112】
ステップS603の判別の結果、最終的な実行指示であるとき(ステップS603で「最終的な実行指示」)、実行指示に従い機能を実行し(ステップS605)、ステップS606に進む。ここでの機能の実行は、サービスアプリケーションなど、対象となった機能の実行である。
【0113】
一方、ステップS603の判別の結果、アクセス指示のとき(ステップS603で「アクセス指示」)、アクセス指示に従って実行指示を取得する(ステップS604)。このステップS604では、上記アクセス指示に従い実行指示取得部313を用いてWebサーバー101の実行指示管理部325がステップS506の登録により管理している実行指示を取得する。本ステップ604により、最終的な実行指示を取得しステップS605に進む。
【0114】
次いで、ステップS605にて実行した結果を実行指示元に送信し(ステップS606)、本処理を終了する。
【0115】
図6の実行指示対応処理によれば、本実施の形態の特長である複合デバイスにおいて実行指示かアクセス指示かを判別してアクセス指示の場合はWebサーバー101上に管理された最終的な実行指示を取得することにより機能の実行が可能となる。また、図5,6に示されるように、Webサーバー101は、複合デバイス102が連携処理において実行する処理が示された他の実行指示を複合デバイス102に送信し、複合デバイス102は、他の実行指示に従って処理を実行する。
【0116】
図7は、実行指示及びアクセス指示の一例を示す図である。
【0117】
図7において、各パラメータは一行単位で記載されているが、XML形式でもよく本実施の形態では特に書式に関しては限定するものではないものとする。
【0118】
図7に示される実行指示例701は、「コマンド」が「プリント」であるプリント処理の例を示している。
【0119】
同図に示されるように、プリント処理の場合はパラメータとして印刷対象ドキュメント、コピー部数、レイアウト、用紙サイズ、用紙の向きなどを挙げているが、他にも印刷に関する様々なパラメータを設定するようにしてもよい。
【0120】
一方、アクセス指示例702は、「コマンド」が「実行指示取得」となっている。すなわち、アクセス指示例702はアクセス指示取得を示している。
【0121】
また、他のパラメータとして「ロケーション」があり、これは取得するWebサーバー101のアクセスアドレスを示している。
【0122】
以上示したように、実行指示例701と比較してアクセス指示例702は、パラメータが限定され、かつデータサイズが小さいため本実行指示及びアクセス指示を経由する複合デバイス102の負荷を軽減することができる。
【0123】
以上、図示を用いて説明したように本実施の形態を用いることで以下が可能となる。
【0124】
まず本実施の形態の特長であるWebアプリケーション321において、Webブラウザ301からの機能選択の要求が要求元以外の複合デバイスへの指示であった場合の実行指示を実行指示管理部325で管理してそのアクセス指示を送信することが可能となる。
【0125】
また、本実施の形態の特長である実行指示実行部312において、受信した指示がアクセス指示である場合は、実行指示取得部313を用いて実行指示管理部325が管理している最終的な実行指示を取得して、機能実行が可能となる。
【0126】
そして上記の2つの実現により、Webサーバー101がインターネット上にある場合において、操作を行った複合デバイス102を経由して各複合デバイスに機能実行を行う場合に、複合デバイス102の負荷軽減したWebシステムを実現可能となる。
【0127】
(他の実施の形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0128】
100 画像処理システム
101 Webサーバー
102,103 複合デバイス
104 ネットワーク
201 制御部
202,223 CPU
209,222 ネットワークI/F
211 操作部
212 プリンタ
213 スキャナ
310 Webブラウザ
302 表示部
304 解析部
305 通信部
310 指示送信部
311 指示受信部
312 実行指示実行部
313 実行指示取得部
321 Webアプリケーション
322 プレゼンテーション部
323 ロジック部
324 実行指示作成部
325 実行指示管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像処理装置が、上位装置を経由して連携処理を実行する画像処理システムであって、
前記複数の画像処理装置のうち、連携処理を要求する要求元画像処理装置は、
前記上位装置に対して、他の画像処理装置との連携処理の実行を要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応じて、前記上位装置から、前記他の画像処理装置が前記上位装置にアクセスするためのアクセス指示を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段により取得されたアクセス指示を前記他の画像処理装置に送信する第1送信手段と、
を備え、
前記他の画像処理装置は、
前記要求元画像処理装置から受信した前記アクセス指示によって、前記上位装置にアクセスし、当該他の画像処理装置が前記連携処理において実行する処理が示された実行指示を取得する第2取得手段と、
前記第2取得手段により取得された実行指示に従って処理を実行する実行手段と、
を備え、
前記上位装置は、
前記要求元画像処理装置から連携処理が要求されると、前記実行指示を登録する登録手段と、
前記アクセス指示を作成する作成手段と、
前記作成手段により作成されたアクセス指示を前記要求元画像処理装置に送信する第2送信手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記上位装置は、前記要求元画像処理装置から連携処理が要求されると、さらに前記要求元画像処理装置が前記連携処理において実行する処理が示された他の実行指示を前記要求元画像処理装置に送信し、
前記要求元画像処理装置は、前記他の実行指示に従って処理を実行することを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記複数の画像処理装置は、ファイヤーウォールを介さずに互いに通信可能であり、前記上位装置は、前記複数の画像処理装置のファイヤーウォールの外に存在することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理システム。
【請求項4】
複数の画像処理装置が、上位装置を経由して連携処理を実行する画像処理システムにおける画像処理装置であって、
前記上位装置に対して、他の画像処理装置との連携処理の実行を要求する要求手段と、
前記要求手段による要求に応じて、前記上位装置から、前記他の画像処理装置が前記上位装置にアクセスするためのアクセス指示を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたアクセス指示を前記他の画像処理装置に送信する送信手段と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記画像処理装置が前記連携処理において実行する処理が示され、前記上位装置により作成された実行指示に従って処理を実行することを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
複数の画像処理装置が、上位装置を経由して連携処理を実行する画像処理システムにおける画像処理装置の制御方法であって、
前記上位装置に対して、他の画像処理装置との連携処理の実行を要求する要求ステップと、
前記要求ステップによる要求に応じて、前記上位装置から、前記他の画像処理装置が前記上位装置にアクセスするためのアクセス指示を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたアクセス指示を前記他の画像処理装置に送信する送信ステップと
を備えたことを特徴とする制御方法。
【請求項7】
複数の画像処理装置が、上位装置を経由して連携処理を実行する画像処理システムにおける画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御方法は、
前記上位装置に対して、他の画像処理装置との連携処理の実行を要求する要求ステップと、
前記要求ステップによる要求に応じて、前記上位装置から、前記他の画像処理装置が前記上位装置にアクセスするためのアクセス指示を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得されたアクセス指示を前記他の画像処理装置に送信する送信ステップと
を備えたことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−38587(P2013−38587A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172930(P2011−172930)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】