説明

画像処理装置、及び画像処理プログラム

【課題】自拠点で撮影された画像と他拠点で撮影された画像を用いて画像を処理する画像処理装置を提供する。
【解決手段】受信画像データ受信手段で受信された受信画像データが表す画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す第一のキーフレーム情報を決定する第一キーフレーム情報決定手段と、自拠点画像データ取得手段によって取得された自拠点画像データが表す画像の描画量時間に対して極大であるか否かを示す第二のキーフレーム情報を決定する第二キーフレーム情報決定手段とを備え、前記自拠点画像データと前記受信画像データとを用いて生成される合成画像データが表す合成画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す合成画像キーフレーム情報を、前記第一のキーフレーム情報、及び前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自拠点で撮影された画像と他拠点で撮影された画像を用いて画像を処理する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業や教育機関、行政機関等では、会議や講演等において、文字や数字、図形が描かれたホワイトボード等の描画対象物の画像を保存して利用する技術が知られている。たとえば、スキャナ装置および印刷装置を備え、ホワイトボードの画像を走査して印刷するホワイトボード装置や、ホワイトボードに描かれた画像をビデオカメラ等の撮影装置で撮影して取得し、会議や講演の終了後に、ホワイトボードに描かれた画像を再生する技術が知られている。
【0003】
また、複数の拠点にそれぞれ設置されたホワイトボードに描かれた画像をビデオカメラ等の撮影装置で撮影し、会議相手の拠点のホワイトボードにそれらの描画像を照射することによって、双方の拠点の画像を同時に把握するための技術が知られている。
【0004】
このような描画画像を照射する技術として、特許文献1には、ホワイトボードの内容の大部分の消去が始まる直前の画像をキーフレーム画像として選択することが開示されている。この技術では、ホワイトボードを撮影して得られた撮影画像のペンストロークセルの数の時間的な変化量が特定の閾値以上となったときに、ペンストロークセルの数が最大となった時点の撮影画像の画像フレームを、保存すべき描画画像が書き込まれた画像フレームであるキーフレームとして取得している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示される技術では、人物等の前景オブジェクトによってペンストロークの数が変動し、その変化量が所定の閾値を超えた場合には、本来キーフレームではない画像フレームをキーフレームとして取得してしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、他の画像処理装置と情報を送受信する画像処理装置であって、他の画像処理装置から受信画像データを受信する受信画像データ受信手段と、前記受信画像データ受信手段で受信された前記受信画像データが表す画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す第一のキーフレーム情報を決定する第一キーフレーム情報決定手段と、自拠点で描画された画像を表す自拠点画像データを取得する自拠点画像データ取得手段と、前記自拠点画像データ取得手段によって取得された前記自拠点画像データが表す画像の描画量時間に対して極大であるか否かを示す第二のキーフレーム情報を決定する第二キーフレーム情報決定手段と、前記自拠点画像データ取得手段によって取得された前記自拠点画像データと前記受信画像データ受信手段によって受信された前記受信画像データとを用いて生成される合成画像データが表す合成画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す合成画像キーフレーム情報を、第一キーフレーム情報決定手段によって決定された前記第一のキーフレーム情報、及び第二キーフレーム情報決定手段によって決定された前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定する合成画像キーフレーム情報決定手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の画像処理装置であって、前記自拠点画像データ取得手段は、撮影された画像を表す撮影画像データを取得する撮影画像データ取得手段と、前記撮影画像データ取得手段によって取得された前記撮影画像データが表す撮影画像から、前記受信画像データ受信手段によって受信された前記受信画像データが表す受信画像を除去した差分画像を表す差分画像データを自拠点画像データとして生成する差分画像データ生成手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の画像処理装置であって、前記キーフレーム合成画像データ抽出手段は、前記第一のキーフレーム情報または前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定された合成画像キーフレーム情報に対応する第一の画像のうち、直前に前記第一のキーフレーム情報または前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定された合成画像キーフレーム情報にかかる第二の画像を比較し、前記第一の画像が前記第二の画像と同一でない場合、前記第一の画像を表す画像データをキーフレーム合成画像データとして抽出し、前記第一の画像が前記第二の画像と同一である場合、前記第一の画像を表す画像データをキーフレーム合成画像データとしないことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、前記差分画像データ生成手段によって生成された前記差分画像データと前記受信画像データ受信手段によって受信された前記受信画像データとを用いて合成画像データを生成する合成画像データ生成手段を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5にかかる発明は、他の画像処理装置と情報を送受信する画像処理装置が実行する画像処理プログラムであって、他の画像処理装置から受信画像データを受信する受信画像データ受信工程と、前記受信画像データ受信工程で受信された前記受信画像データが表す画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す第一のキーフレーム情報を決定する第一キーフレーム情報決定工程と、自拠点で描画された画像を表す自拠点画像データを取得する自拠点画像データ取得工程と、前記自拠点画像データ取得工程によって取得された前記自拠点画像データが表す画像の描画量時間に対して極大であるか否かを示す第二のキーフレーム情報を決定する第二キーフレーム情報決定工程と、前記自拠点画像データ取得工程によって取得された前記自拠点画像データと前記受信画像データ受信工程によって受信された前記受信画像データとを用いて生成される合成画像データが表す合成画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す合成画像キーフレーム情報を、第一キーフレーム情報決定工程によって決定された前記第一のキーフレーム情報、及び第二キーフレーム情報決定工程によって決定された前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定する合成画像キーフレーム情報決定工程と、を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6にかかる発明は、請求項5に記載の画像処理プログラムであって、前記自拠点画像データ取得工程は、撮影された画像を表す撮影画像データを取得する撮影画像データ取得工程と、前記撮影画像データ取得工程によって取得された前記撮影画像データが表す撮影画像から、前記受信画像データ受信工程によって受信された前記受信画像データが表す受信画像を除去した差分画像を表す差分画像データを自拠点画像データとして生成する差分画像データ生成工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7にかかる発明は、請求項5または6に記載の画像処理プログラムであって、前記キーフレーム合成画像データ抽出工程は、前記第一のキーフレーム情報または前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定された合成画像キーフレーム情報に対応する第一の画像のうち、直前に前記第一のキーフレーム情報または前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定された合成画像キーフレーム情報にかかる第二の画像を比較し、前記第一の画像が前記第二の画像と同一でない場合、前記第一の画像を表す画像データをキーフレーム合成画像データとして抽出し、前記第一の画像が前記第二の画像と同一である場合、前記第一の画像を表す画像データをキーフレーム合成画像データとしないことを特徴とする。
【0013】
また、請求項8にかかる発明は、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の画像処理プログラムであって、前記差分画像データ生成工程によって生成された前記差分画像データと前記受信画像データ受信工程によって受信された前記受信画像データとを用いて合成画像データを生成する合成画像データ生成工程を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、描画対象物以外のものを含まない画像を抽出し、それらの画像からキーフレーム画像を抽出することによって、本来キーフレーム画像ではない画像を取得してしまうことを防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理システムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置の機能ブロック図である。
【図4】自拠点画像管理テーブルを示す概念図である。
【図5】他拠点画像管理テーブルを示す概念図である。
【図6】合成画像管理テーブルを示す概念図である
【図7】画像処理システムの処理を表すシーケンス図である。
【図8】各画像データが表す画像の例である。
【図9】差分画像を生成する処理を示した処理フロー図である。
【図10】無人判定処理を示した処理フロー図である。
【図11】本実施形態に係る画像処理システムの処理によって、決定される画像を示す概念図である。
【図12】代表画像を抽出する処理で実施される無人画像をグループ化する処理を示した処理フロー図である。
【図13】合成グループIDを決定する処理を示した処理フロー図である。
【図14】キーフレーム画像を決定する処理を示した処理フロー図である。
【図15】キーフレーム画像を決定する処理を示した処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<<実施形態の全体構成>>
以下、図1乃至図15を用いて、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像処理システムの概略図であり、まずは図1を用いて、本実施形態の概略を説明する。
【0017】
図1に示す画像処理システム1は複数の画像処理装置(10a、10b)、各画像処理装置(10a、10b)の画像を照射する描画対象物(20a、20b)、撮影装置(30a、30b)、プロジェクタ(40a、40b)、通信ネットワーク50によって構築されている。なお、本実施形態では、画像処理装置(10a、10b)のうち任意の画像処理装置を示す場合には「画像処理装置10」といい、描画対象物(20a、20b)のうち任意の描画対象物を示す場合には「描画対象物20」といい、撮影装置(30a、30b)のうち任意の撮影装置を示す場合には「撮影装置30」といい、プロジェクタ(40a、40b)のうち任意のプロジェクタを示す場合には「プロジェクタ40」という。
【0018】
画像処理装置10は、撮影装置30及びプロジェクタ40とUSBケーブル等により接続され、撮影装置30が撮影した画像を記録し、通信ネットワーク50を経由して、他の画像処理装置10に送信するものである。
【0019】
また、描画対象物20aは、ユーザが文字や図形等の描画画像200aを描画するホワイトボードや黒板、紙等の物品である。さらに、描画対象物20aには、プロジェクタ40aが照射する画像が映される。ここで、描画対象物20aのうちユーザが描画する領域を描画領域201a、その描画領域201aの周辺部を周辺領域202aとする。撮影装置30aは、描画画像200aを含む描画領域201a、周辺領域202aとそれらの前面にある対象物を撮影して撮影画像を生成するカメラ等の装置である。プロジェクタ40aは、画像処理装置10aが記憶している画像を描画対象物20aに照射するものである。
【0020】
同様に、描画対象物20bは、ユーザが文字や図形等の描画画像200bを描画するホワイトボードや黒板、紙等の物品である。されに、描画対象物20bには、プロジェクタ40bが照射する画像が映される。また、ここで、描画対象物20bのうちユーザが描画する領域を描画領域201b、その描画領域201bの周辺部を周辺領域202bとする。撮影装置30bは、描画画像200aを含む描画領域201b、周辺領域202bとそれらの前面にある対象物を撮影して撮影画像を生成するカメラ等の装置である。プロジェクタ40bは、画像処理装置10bが記憶している画像を描画対象物20bに照射するものである。
【0021】
なお、本実施形態では、描画画像(200a、200b)のうち任意の描画対象物を示す場合には「描画領域200」といい、描画領域(201a、201b)のうち任意の描画対象物を示す場合には「描画領域201」といい、周辺領域(202a、202b)のうち任意の周辺領域を示す場合には「周辺領域202」という。
【0022】
また、通信ネットワーク50は、画像処理装置10aと画像処理装置10bにて、相互に各種データを送受信するためのものである。
【0023】
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。
【0024】
図2は、本発明の一実施形態に係る画像処理装置10のハードウェア構成図である。画像処理装置10は、画像処理装置10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、画像処理装置用プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、各種データを記憶するHD(Hard Disk)104、CPU101の制御にしたがってHD104に対する各種データの読み出し又は書込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するためのディスプレイI/F(Interface)108、通信ネットワークを利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F109、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード111、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス112、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)113に対するデータの読み出し又は書込みを制御するCD−ROMドライブ114、外部の装置と情報を送受信する外部装置I/F115、音声データに基づいて音声を出力するためのスピーカーI/F116、ディスプレイ117及び、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
【0025】
なお、上記画像処理装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106やCD−ROM113等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
【0026】
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図3は、本実施形態の画像処理装置10の機能ブロック図である。本実施形態の画像処理装置10は、送受信部11、画像取得部12、画像補正部13、差分画像生成部14、無人判定部15、代表画像決定部16、キーフレーム画像決定部17、表示制御部18a、音声出力制御部18b、記憶・読出処理部19、合成画像生成部21、情報統合部22、及び、表示部180を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、ROM102に記憶されているプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、画像処理装置10は、図2に示されているHDD105によって構築される記憶部1000を有している。
【0027】
(画像処理装置の各機能部)
次に、画像処理装置10の各部を詳細に説明する。画像処理装置10の送受信部11は、ネットワークI/F109によって実現され、通信ネットワークを介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。
【0028】
画像取得部12は、外部装置I/F115によって実現され、ケーブル等を介して撮影装置30が撮影した画像を表す撮影画像データを取得し、取得した撮影画像データを一意に識別する画像IDをその撮影画像データに付与するものである。画像IDは、撮影画像データが生成された昇順に付与される。
【0029】
画像補正部13は、画像取得部12で取得された撮影画像データを台形補正等によって補正するものである。
【0030】
差分画像生成部14は、画像補正部13で補正された撮影画像データが表す画像から、他の拠点で撮影された画像を差し引いた画像を生成するものである。差分画像生成部14は、輝度補正部14a、差分算出部14b、輝度値決定部14cによって構成される。輝度補正部14aは、対象画素の周辺にある画素の輝度値の平均値に対する対象画素の輝度値の比率に背景色の輝度値を掛け合わせることにより輝度平均値を算出し、さらに黄色の成分を除去することによって輝度値を補正するものである。なお、黄色の成分を除去する処理は、会議室内の照明によって、ホワイトボードの画像が黄色がかってしまうため、その影響を除去するために実施される。
【0031】
差分算出部14bは、輝度補正部14aが補正した輝度値から、受信画像データが表す画像の同じ位置にある画素の輝度値を減じることによって差分輝度値を算出するものである。ここで、受信画像データとは、送受信部11が他の画像処理装置10から通信ネットワーク50を介して受信した画像データである。受信画像データには、それを一意に識別するための情報として画像IDが付与されている。この画像IDは、受信画像が生成された昇順に付与されている。
【0032】
輝度値決定部14cは、差分算出部14bが算出した差分輝度値に基づいて、新たに生成する差分画像の輝度値を決定するものである。
【0033】
無人判定部15は、差分画像生成部14によって生成された差分画像のうち、描画対象物20を除くものが撮影されていない差分画像を、無人画像として決定するものである。描画対象物20を除くものとは、たとえば、描画対象物20に描画画像を書き込む人物等である。無人判定部15は、輝度取得部15a、差分判定部15b、輝度変化画素数判定部15cによって構成される。輝度取得部15aは、差分画像生成部14が生成した差分画像の各画素の輝度を取得する。差分判定部15bは、輝度取得部15aが連続する2枚の画像についてそれぞれ取得した輝度の差分が閾値を超えているか否かを判定する。輝度変化画素数判定部15cは、差分判定部15bで輝度が閾値を超えているとされた画素の数が所定数以上であるか否かを判定し、所定数以上である場合には、その画像を無人画像でないとし、所定数以下である場合には、その画像を無人画像とする。
【0034】
代表画像決定部16は、無人判定部15で決定された無人画像のうち、同じ描画画像200からなる無人画像をグループ化し、そのグループに属する無人画像のうち一の無人画像を、代表画像として決定するものである。代表画像決定部16は、同一判定部16a、グループ決定部16bによって構成される。同一判定部16aは、無人判定部15で判定された無人画像が、直前に撮影された無人画像と同一であるか否かを判定する。ここで、直前に撮影された無人画像とは、画像IDが直前のものである無人画像とする。
【0035】
グループ決定部16bは、同一判定部16aでの決定に基づいて、無人画像のグループIDを決定する。このようにして、決定されたグループIDが同一の無人画像のうち一の画像が代表画像とされる。
【0036】
キーフレーム画像決定部17は、撮影された時間に対して描画量が極大となる画像を、キーフレーム画像として決定するものである。キーフレーム画像決定部17は、描画量算出部17a、描画量判定部17b、最終決定部17cによって構成される。描画量算出部17aは、代表画像決定部16で決定された代表画像の描画量を算出する。ここで、描画量とは、描画領域201内にある各画素のうち、輝度値が所定の閾値より低い画素の数量である。描画量判定部17bは、描画量算出部17aで算出された描画量が、直前に撮影された代表画像の描画量、及び直後に撮影された代表画像の描画量より多いか否かを判定し、多いと判定した場合には、その代表画像をキーフレーム画像とする。最終決定部17cは、合成画像に対応するキーフレームフラグおよび描画量に基づいて、その合成画像がキーフレーム画像であるか否かを決定する。
【0037】
表示制御部18aは、図2に示されているディスプレイI/F108によって実現され、後述する表示部180に対して画像を表示させるための制御を行う。音声出力制御部18bは、図2に示されているスピーカーI/F116によって実現され、図示しないスピーカーに音声を出力させるための制御を行う。
【0038】
表示部180は、図2に示されているディスプレイ117によって実現され、表示制御部18aの制御によって画像を表示するものである。
【0039】
また、記憶・読出処理部19は、図2に示すHDD105として実現されている記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出したりする。記憶部1000には、カメラによって撮影された画像を表す画像データを記憶する撮影画像記憶部1001、他拠点から受信した受信画像記憶部1002がある。また、記憶部1000には、自拠点画像管理テーブルによって構成されている自拠点画像管理DB(Data Base)1003、他拠点画像管理テーブルによって構成されている他拠点画像管理DB1004、合成画像管理テーブルによって構成されている合成画像管理DB1005が構築されている。
【0040】
合成画像生成部21は、自拠点画像管理DB1003に記憶されている自拠点画像データと、他拠点画像管理DB1004に記憶されている他拠点画像データとを合成するものである。
【0041】
情報統合部22は、自拠点画像管理DB1003に記憶されている情報と、他拠点画像管理DB1004に記憶されている情報に基づいて、合成画像管理DB1005に記憶する情報を決定するものである。情報統合部22は、合成グループ決定部22a、代表画像決定部22b、キーフレーム合成画像決定部22cによって構成される。
【0042】
合成グループ決定部22aは、自拠点画像管理DB1003に記憶されている無人フラグ、グループIDと、他拠点画像管理DB1004に記憶されている無人フラグ、グループIDとに基づいて、自拠点画像データ及び他拠点画像データの合成グループIDを決定する。
代表画像決定部22bは、同一のグループIDである合成画像から代表画像を決定する。キーフレーム合成画像決定部22cは、自拠点画像管理DB1003に記憶されているキーフレームフラグ、合成グループIDと、他拠点画像管理DB1004に記憶されているキーフレームフラグ、合成グループIDとに基づいて、合成画像管理DB1004に記憶するキーフレームフラグを決定する。
【0043】
ここで、記憶部1000に記憶された自拠点画像管理テーブル、他拠点画像管理テーブル、合成画像管理テーブルについて説明する。図4は、自拠点画像管理テーブルを示す概念図である。図5は、他拠点画像管理テーブルを示す概念図である。図6は、合成画像管理テーブルを示す概念図である。
【0044】
(自拠点画像管理テーブル)
記憶部1000には、図4に示されているような自拠点画像テーブルによって構成されている自拠点画像管理DB1003が構築される。この自拠点画像管理テーブルでは、画像を一意に識別する画像IDごとに、画像名、無人画像であるか否かを表す無人フラグ、同一の画像をグループ化したグループID、後述する他拠点画像管理テーブルで管理されている他拠点画像データとの組み合わせによって決定される合成グループID、代表画像であるか否かを表す代表フラグ、キーフレーム画像であるか否かをあらわすキーフレームフラグ、及び、描画量が対応付けられて記憶されている。例えば、図4に示されている自拠点画像管理テーブルにおいて、画像ID「1」の画像は、画像名「A00001.jpg」、無人フラグ「true」、グループID「1」、合成グループID「1」、代表フラグ「true」、キーフレームフラグ「true」、描画量「3800」であることを表している。ここで、画像IDは撮影装置によって撮影され、後述する差分画像が生成された順に昇順に付与されるものとする。具体的には、最初に生成された画像の画像IDが「1」、次に生成された画像の画像IDが「2」となり、以降、順に1を加えた値を画像IDとする。
【0045】
(他拠点画像管理テーブル)
記憶部1000には、図5に示されているような他拠点画像テーブルによって構成されている他拠点画像管理DB1004が構築される。この他拠点画像管理テーブルでは、他拠点から受信した画像を一意に識別する画像IDごとに、画像の名称を表す画像名、無人画像であるか否かを表す無人フラグ、同一の画像をグループ化したグループID、自拠点画像管理テーブルで管理されている自拠点画像データとの組み合わせによって決定される合成グループID、代表画像であるか否かを表す代表フラグ、キーフレーム画像であるか否かをあらわすキーフレームフラグ、及び、描画量が対応付けられて記憶されている。例えば、図5に示されている画像データ管理テーブルにおいて、画像ID「1」の画像は、画像名「B00001.jpg」、無人フラグ「true」、グループIDは「1」、合成グループID「1」、代表フラグ「true」、キーフレームフラグ「false」、描画量「500」であることを表している。
【0046】
ここでは、自拠点と他拠点で交互に画像が取得されるものとし、自拠点で撮影された画像を識別する画像IDを「1」、次に他拠点で撮影された画像の画像IDを「1」、続いて、自拠点で撮影された画像の画像IDを「2」、次に他拠点で撮影された画像の画像IDを「2」とする。このようにすることによって、各拠点で撮影された順に画像IDが付与されることになり、また、自拠点で撮影された画像と、その直後に他拠点で撮影された画像には同じIDが付与されることになる。
【0047】
(合成画像管理テーブル)
記憶部1000には、図6に示されているような合成画像管理テーブルによって構成されている合成画像管理DB1005が構築される。この合成画像管理テーブルでは、合成画像を一意に識別する画像IDごとに、画像名、無人画像であるか否かを表す無人フラグ、同一の画像をグループ化したグループID、代表画像であるか否かを表す代表フラグ、キーフレーム画像であるか否かをあらわすキーフラグ、及び、描画量が対応付けられて記憶されている。例えば、図6に示されている画像データ管理テーブルにおいて、画像ID「1」の画像は、画像名「merge00001.jpg」、キーフレームフラグ「true」、描画量「3800」であることを表している。
【0048】
<<実施形態の処理・動作>>
図7乃至図15を用いて、本実施形態に係る画像処理システム1における処理方法を説明する。図7は、画像処理システムの処理を表すシーケンス図である。図8は、各画像データが表す画像の例である。図9は、差分画像を生成する処理を示した処理フロー図である。図10は、無人判定処理を示した処理フロー図である。図11は、本実施形態に係る画像処理システムの処理によって、決定される画像を示す概念図である。図12は、代表画像を抽出する処理で実施される無人画像をグループ化する処理を示した処理フロー図である。図13は、キーフレーム画像を決定する処理を示した処理フロー図である。図14は、キーフレーム画像を決定する処理を示した処理フロー図である。
【0049】
図7を用いて、本実施形態に係る画像処理システム1の処理を説明する。撮影装置30aとしてのビデオカメラが描画対象物20aとしてのホワイトボード及びホワイトボードの前面にある光景を撮影して、画像データaを生成する(ステップS1)。この画像データaが表す画像aは図8(1)に示すように、拠点Aで描かれた描画像「あ」と、拠点Bで描かれ、拠点Aのプロジェクタ40aによって照射されている描画像「い」を撮影した画像である。ここでの描画像「い」は拠点Bのカメラで撮影されたものをプロジェクタで映しているため、拠点Bのホワイトボードで直接見るものより、画質が劣化している。
【0050】
次に、画像取得部12が、画像取得部12が、ステップS1で撮影装置30aによって生成された撮影画像データa取得し、撮影画像データaを一意に識別する画像IDを付与する(ステップS2)。画像IDは撮影装置によって撮影された昇順に付与されるものとする。具体的には、最初に生成された画像の画像IDが「1」、次に生成された画像の画像IDが「2」とされ、以降、順に1を加えた値を画像IDとされる。
【0051】
次に、画像補正部13が、ステップS2で画像取得部12によって取得された画像データaを台形補正等により補正する(ステップS3)。
【0052】
そして、差分画像生成部14が、ステップS3で補正された画像データaが表す画像aから、拠点Bの画像処理装置10bによって送信された画像データbが表す画像bを差し引いた差分画像(a−b)を表す差分画像データ(a−b)を生成する(ステップS4)。この処理について図9を用いて説明する。
【0053】
まず、記憶・読出処理部19が、ステップS2で取得された画像データaの画像IDを検索キーとして、他拠点画像管理DB1004に記憶されている画像データbを読み出す(ステップS41)。ここで画像データbは、あらかじめ拠点Bの画像処理装置10bから、描画対象物20bを撮影した画像データbが送信され(図7のステップS5’)たものである。拠点Aの画像処理装置10aの送受信部11が、その画像データbを受信し(ステップS5’)、記憶・読出処理部19が他拠点画像管理DB1004に他拠点画像データとして記憶させてあるものとする(図7のステップS6’)。なお、ここで、拠点Bから送信される画像データbは、後述する拠点Aの画像処理装置10aで実施される、図7に示されるステップS1からステップS4の処理と同様の処理を経ているものである。また、ステップS5’、ステップS6’の処理は、それぞれ後述するステップS5、ステップS6と同様の処理である。つまり、画像データbは、図8(2)に示されるように、拠点Bのホワイトボードに描かれた描画像「い」が描画されている画像である。
【0054】
そして、差分算出部14bは、ステップS3で台形補正された画像データaが表す画像aの各画素の輝度値から、ステップS41で読み出された画像データbが表す画像bの同じ位置にある画素の輝度値を減じた値を差分値として算出する(ステップS42)。次に、差分値が所定の閾値より大きいか否かを判定する(ステップS43)。ステップS43で、差分値が閾値より大きいと判定された場合には、その差分値を定数倍する等の所定の処理により増加させた値を、該当の位置の輝度値とする(ステップS44)。ステップS43で、差分値が閾値より小さいと判定された場合には、背景となる画素の輝度値より高い所定の値を輝度値とする(ステップS45)。このようにして得られた輝度値に背景色の輝度値を加算する(ステップS46)。ステップS41からステップS46までの処理を全ての画素に対して実施し、各画素に対して輝度値が決定された画像が差分画像(a−b)(以降、差分画像a’という。)となる。差分画像a’は、図8(3)に示されるように、拠点Aのホワイトボードに描かれた描画像「あ」が描画されている画像となる。これにより、劣化している描画像「い」が取り除かれ、拠点Aのカメラでのみ撮影されているため、劣化していない描画像「あ」だけが残る画像となる。
【0055】
このようにして生成された差分画像a’を表す差分画像データa’を、送受信部11が通信ネットワーク50を介して拠点Bの画像処理装置10bに対して送信する(ステップS5)。画像処理装置10bの送受信部11は受信した差分画像データa’を他拠点画像データとして、画像処理装置10bの他拠点画像管理DB1004に記憶する(ステップS6)
一方、ステップS4で生成された差分画像を表す差分画像データは、画像処理装置10aの記憶・読出処理部19によって、自拠点差分画像データとして自拠点画像管理DB1003に画像IDと関連付けて記憶される。
【0056】
続いて、ステップS4で生成され、自拠点画像管理DB1003に記憶されている差分画像データa’に対して、無人判定部15及び記憶・読出処理部19が、ホワイトボード上に描かれた描画画像200以外の撮影対象物が含まれるか否かを判定する無人判定処理を実施する(ステップS7)。無人判定処理の詳細を、図10を用いて説明する。ステップS5で生成された差分画像データa’が表す差分画像a’の画素ごとの輝度を、輝度取得部15aが取得する(ステップS71)。輝度が取得されると、差分判定部15bは各画像の各画素の輝度と、各画像IDの直前の画像IDである画像の同じ位置にある画素の輝度との差分を算出し、その差分が閾値を超えているか否か判定する(ステップS72)。続いて、輝度変化画素数判定部15cが、それぞれの画像に対して算出された輝度の差分が閾値を超えている画素を輝度変化画素としてその数を算出し(ステップS73)、輝度変化画素の数が所定の値を超えているか判定する(ステップS74)。ステップS74で、輝度変化画素の数が所定の値を超えていると判定された場合、差分画像a’は無人でないとされ、記憶・読出処理部19が、その差分画像a’に対応している無人フラグの値を「false」とする(ステップS75)。ステップS74で輝度変化画素の数が所定の値以下である場合、差分画像a’は無人であるとされ、記憶・読出処理部19は、その画像に対応している無人フラグの値を「true」とする(ステップS76)。無人判定部15及び記憶・読出処理部19は、ステップS71からステップS76までの処理を、もっとも小さい画像IDの差分画像を除く、全ての差分画像に対して実施する。これにより、図11の(1)に示されるF1乃至F10の差分画像から、人物等が撮影されている差分画像F2、F5、F8を除いた差分画像が、図11の(2)に示されるように抽出されることになる。
【0057】
他拠点画像管理DB1005に記憶されている差分画像データb’に対しても、無人判定部15及び記憶・読出処理部19が、ホワイトボード上に描かれた描画画像200以外の撮影対象物が含まれるか否かを判定する無人判定処理を実施する(ステップS7)。この無人判定処理の詳細は、上述した画像データa’に対する処理と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
次に、自拠点画像管理DB1003に管理されている無人フラグが「true」である差分画像(以降、無人画像という。)のうち、前に生成された無人画像と変化がないものをグループ化する処理を実施する(ステップS8)。グループ化する処理の詳細を、図12を用いて説明する。合成画像管理DB1005に記憶されている無人画像が、その画像の画像IDの、直前の画像IDの無人画像と同一であるかを、同一判定部16aが判定する(ステップS81)。ここで、画像が同一であるか否かを判定する方法としてはテンプレートマッチング等の技術が用いられる。また、ブロックマッチング法を用いて、描画対象物に描かれている描画像に変化はないが、描画像の位置がずれている画像を同一の画像として判定することにより、より精度の高い判定を行うことができる。ステップS81で、無人画像が直前の画像IDの無人画像と同一であると判定された場合には、グループ決定部16bは、直前の画像IDである無人画像のグループIDと同じグループIDである「1」として決定し、記憶・読出処理部19が自拠点画像管理テーブルに、その画像に関連付けて記憶する(ステップS82)。ステップS81で、無人画像が直前のグループIDの無人画像と同一でないと判定された場合には、グループ決定部16bは、判定対象の無人画像に対応するグループIDを、直前のグループIDに1を加算した「2」として決定し、この値を記憶・読出処理部19が自拠点画像管理テーブルに記憶する(ステップS83)。ステップS81からステップS83までの処理を、もっとも小さい画像IDの無人画像を除く、全ての無人画像に対して実施する。これにより、図11の(3)に示すように、無人画像のうち、無人画像F1のグループIDは「1」、無人画像F3及びF4のグループIDは「2」、無人画像F6及びF7のグループIDは「3」、無人画像F9及びF10のグループIDは「4」となる。
【0059】
同様にして、次に、他拠点画像管理DB1004に管理されている無人画像のうち、前に生成された無人画像と変化がないものをグループ化する処理を実施する(ステップS8)。この処理の詳細は、上述した自拠点画像管理DB1003で管理されている画像に対する処理と同様であるため、説明を省略する。
【0060】
上述のようにして、自拠点画像管理DB1003で管理されている自拠点差分画像データa’、他拠点画像管理DB1004で管理されている他拠点差分画像データb’のそれぞれに対応するグループIDが決定されると、情報統合部22及び記憶・読出処理部19が、自拠点差分画像データa’、他拠点差分画像データb’が合成されることによって生成される合成画像データ(a’+b’)に対応する合成グループIDを決定する(ステップS9)。合成グループIDを決定する処理について、図13を用いて説明する。図13に示されるように、まず、記憶・読出処理部19が、画像IDが同一の自拠点差分画像データa’、他拠点差分画像データb’について、関連付けられて記憶されている無人フラグを、それぞれ自拠点画像管理DB1003、他拠点画像管理DB1004から読み出す(ステップS91)。そして、合成グループ決定部22aは、読み出された自拠点差分画像データa’の無人フラグと他拠点差分画像データb’の無人フラグの両方とも「true」であるか否か判定する(ステップS92)。ステップS92で、無人フラグのいずれかが「true」でないと判定された場合、合成グループIDはNullとされる(ステップS93)。
【0061】
ステップS92で、無人フラグが両方とも「true」であると判定された場合、合成グループ決定部22aは、自拠点差分画像データa’のグループIDと他拠点差分画像データb’のグループIDの組み合わせが、直前に生成された自拠点差分画像データa’のグループIDと他拠点差分画像データb’のグループIDの組み合わせと同一であるか否か判定する(ステップS94)。同一であると判定された場合には、合成グループIDは、直前の合成グループIDと同じ値とされ、記憶・読出処理部19がその値を自拠点画像管理DB1003の該当の自拠点差分画像データa’に対応させて記憶する(ステップS95)。同様に、記憶・読出処理部19はその値を他拠点画像管理DB1004の該当の他拠点差分画像データb’に対応させて記憶する(ステップS95)
ステップS94で同一でないと判定された場合には、合成グループIDは直前に生成された合成画像データの合成グループIDに1を加算した値とされ、記憶・読出処理部19がその値を自拠点画像管理DB1003、他拠点画像管理DB1004に記憶する(ステップS96)。
【0062】
これにより、図11の(3)に示される自拠点画像データa’の各グループIDと、図11の(4)に示される他拠点画像データb’の各グループIDを統合して、図11の(5)に示される合成グループIDが決定される。
【0063】
このようにして、合成グループ決定部22aが、自拠点画像管理DB1003、他拠点画像管理DB1004に記憶されている差分画像データa’、差分画像データb’のグループIDを決定すると、代表画像決定部22bが、同一の合成グループIDである画像データのうち、任意の一の画像データを代表画像データと決定する。そして、記憶・読出処理部19が代表画像データと決定された画像データに対応する代表フラグ「true」を自拠点画像管理DB1003、他拠点画像管理DB1004のそれぞれに記憶する。
【0064】
続いて、ステップS9で決定された代表グループIDに基づいて、自拠点画像データa’、他拠点画像データb’それぞれのキーフレーム画像データを決定する処理を実施する(ステップS10)。図14を用いて、キーフレーム画像データを決定する処理を説明する。
【0065】
まず、自拠点画像管理DB1003に記憶されている代表画像データの中からキーフレーム画像データを決定する処理を説明する。はじめに、描画量算出部17aが、自拠点画像管理DB1003に記憶されている代表画像データが表す画像の描画量を算出する(ステップS101)。ここで、描画量の算出は輝度が閾値を超えている画素の数をカウントすることによって行われる。そして、描画量判定部17bが、その代表画像の直前の画像IDの代表画像の描画量より大きいか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102で、代表画像の描画量が直前の画像IDである代表画像の描画量より大きい場合には、描画量判定部17bは、その代表画像が、直後の画像IDである代表画像の描画量より大きいか否かを判定する(ステップS103)。代表画像の描画量が直後の画像IDである代表画像の描画量より大きい場合には、その代表画像がキーフレーム画像とされ、記憶・読出処理部19が、画像データ管理テーブルの対応するキーフラグ「true」を記憶する(ステップS104)。一方、ステップS102で、代表画像の描画量が直前の画像IDである代表画像の描画量以下である場合には、記憶・読出処理部19は、画像データ管理テーブルの対応するキーフラグ「false」を記憶する(ステップS105)。ステップ103で、画像の描画量が直前の画像IDである画像の描画量以下である場合には、記憶・読出処理部19は、合成画像データ管理テーブルの対応するキーフラグ「false」とする(ステップS105)。ステップS101からステップS105までの処理を、もっとも小さい画像IDの代表画像を除く、全ての代表画像に対して実施する。
【0066】
同様にして、他拠点画像管理DB1004に記憶されている代表画像についても、ステップS101からステップS105までの処理を実施して、キーフレーム画像を決定する。
【0067】
続いて、情報統合部22及び記憶・読出処理部19が、ステップS10で決定された自拠点画像データa’、他拠点画像データb’を合成して生成される合成画像データ(a’+b’)がキーフレームであるか否かを決定する。(ステップS11)。
【0068】
図15を用いて、キーフレーム合成画像を決定する処理を説明する。まず、記憶・読出処理部19が、自拠点画像管理DB1003、他拠点画像管理DB1004のそれぞれから、同一の画像IDの自拠点画像データおよび他拠点画像データを読み出し、キーフレーム画像決定部22cが、それぞれの画像データが表す画像がキーフレーム画像であるか否かを判定する(ステップS111)。
【0069】
ステップS111で、合成元の画像である自拠点画像と他拠点画像のいずれもキーフレーム画像でないと判定された場合、両画像から生成される合成画像はキーフレーム画像ではないとし、記憶・読出処理部19が対応するキーフレームフラグを「false」とする(ステップS112)。
【0070】
ステップS111で、自拠点画像がキーフレーム画像であると判定された場合、キーフレーム画像決定部22cは、その自拠点画像のグループIDと、直前の合成画像のキーフレームの画像IDの自拠点の画像のグループIDが同一であるか否かを判定する(ステップS113)。ここで、これらのグループIDが同一でないと判定された場合、キーフレーム画像決定部22cは、その自拠点画像を用いて生成される合成画像をキーフレーム画像であると決定する。そして、記憶・読出処理部19が合成画像管理DBの対応するキーフラレームフラグを「true」とする(ステップS114)。ステップS113で、自拠点画像のグループIDと、直前の合成画像のキーフレームの画像IDの自拠点の画像のグループIDが同一であると判定された場合、キーフレーム合成画像決定部22cはその合成画像をキーフレームフラグとせず、記憶・読出処理部19が合成画像管理DBの対応するキーフラレームフラグを「false」とする(ステップS112)。
【0071】
同様にして、ステップS111で、合成元の画像である他拠点画像がキーフレーム画像であると判定された場合、キーフレーム画像決定部22cは、他拠点画像のグループIDと、直前の画像IDであるキーフレーム画像のグループIDが同一であるか否かを判定する(ステップS113)。ここで、これらのグループIDが同一でないと判定された場合、キーフレーム合成画像決定部22cは、その合成画像をキーフレームフラグと決定する。そして、記憶・読出処理部19が合成画像管理DBの対応するキーフラレームフラグを「true」とする(ステップS114)。ステップS113で、その他拠点画像のグループIDと、直前の画像IDであるキーフレーム画像のグループIDが同一であると判定された場合、キーフレーム合成画像決定部22cはその合成画像をキーフレームフラグとせず、記憶・読出処理部19が合成画像管理DBの対応するキーフラレームフラグを「false」とする(ステップS112)。
【0072】
また、自拠点画像管理DB1003で管理されている自拠点差分画像データa’、他拠点画像管理DB1004で管理されている他拠点差分画像データb’が生成されると、合成画像生成部21が、自拠点差分画像データa’と他拠点差分画像データb’を合成して、合成画像データ(a’+b’)を生成する(ステップS11)。具体的には、同一の画像IDの差分画像データa’と差分画像データb’を合成する。また、ステップS11で生成された合成画像データ(a’+b’)を、記憶・読出処理部19が合成画像管理DB1005に、画像IDに対応させて記憶する。
【0073】
<<実施形態の主な効果>>
以上説明したように、本実施形態よれば、各拠点の画像のいずれかにずれが発生した場合も、ずれが発生している旨を表す情報を用いることにより、前後の画像が別のものであるか同一のものであるかを判定することができ、キーフレーム画像を正確に抽出できることができる。
【0074】
<<実施形態の補足>>
上述の実施形態では、拠点Aと拠点Bで交互に画像が取得され、取得された順に画像IDを増やしていき、同じIDの画像同士を合成するとしているが、それぞれの拠点でカメラによって撮影された画像を取得した時間に関する情報を対応付けて記憶し、自拠点差分画像と、その時間が近い他拠点差分画像を合成するようにしてもよい。
【0075】
また、代表フレームを抽出する処理において、同一のグループIDを有する画像フレームのうち、もっとも撮影時間が早い画像フレームの代表フレームフラグを「true」とし、それ以外の画像フレームの代表フレームフラグを「false」としたが、同一のグループIDを有する画像フレームのうち、任意の1つの画像フレームの代表フレームフラグを「true」とし、それ以外の画像フレームの代表フレームフラグを「false」としてもよい。
【0076】
また、無人判定処理の詳細において、輝度取得部12は、画像フレームが表す画像の周辺領域202内の、画素ごとの輝度を取得してもよい。周辺領域202の前面に描画する人が存在する場合が多いため、このように周辺領域202の輝度を測定するだけで、人のいる画像フレームであるか否かを判定するには十分であり、このようにすることで、描画領域201及び周辺領域202の画素の輝度を測定するより、処理量が減少し、CPUの負荷の低減を図ることができる。
【0077】
また、上述の実施形態では、画像処理装置10aが、拠点Aで撮影した撮影画像が表す画像データ、拠点Bから受信した受信画像データに基づいて各処理を実施しているが、画像処理装置10b、通信ネットワーク50に接続されているサーバ等の情報処理装置がそれらの処理を実施してもよい。
【0078】
また、黒板等の黒い描画対象物20に白いペンやチョーク等で描画画像200を形成する場合にも適用できる。この場合、描画量とは、描画領域201内にある各画素のうち、輝度値が所定の閾値より高い画素の数量とする。
【符号の説明】
【0079】
10 画像処理装置
11 送受信部
12 画像取得部
13 画像補正部
14 差分画像生成部
14a 輝度補正部
14b 差分算出部
14c 輝度値決定部
15 無人判定部
15a 輝度取得部
15b 差分判定部
15c 輝度変化画素数判定部
16 代表画像決定部
16a 同一判定部
16b グループ決定部
17 キーフレーム画像決定部
17a 描画量算出部
17b 描画量判定部
17c 最終決定部
18a 表示制御部
18b 音声出力制御部
180 表示部
19 記憶・読出処理部
21 合成画像生成部
22 情報統合部
22a 合成グループ決定部
22b 代表画像決定部
22c キーフレーム画像決定部
1000 記憶部
1001 撮影画像記憶部
1002 受信画像記憶部
1003 自拠点画像管理DB
1004 他拠点画像管理DB
1005 合成画像管理DB
20 描画対象物
200 描画画像
201 描画領域
202 周辺領域
30 撮影装置
40 プロジェクタ
50 通信ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0080】
【特許文献1】特開2004−080750公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の画像処理装置と情報を送受信する画像処理装置であって、
他の画像処理装置から受信画像データを受信する受信画像データ受信手段と、
前記受信画像データ受信手段で受信された前記受信画像データが表す画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す第一のキーフレーム情報を決定する第一キーフレーム情報決定手段と、
自拠点で描画された画像を表す自拠点画像データを取得する自拠点画像データ取得手段と、
前記自拠点画像データ取得手段によって取得された前記自拠点画像データが表す画像の描画量時間に対して極大であるか否かを示す第二のキーフレーム情報を決定する第二キーフレーム情報決定手段と、
前記自拠点画像データ取得手段によって取得された前記自拠点画像データと前記受信画像データ受信手段によって受信された前記受信画像データとを用いて生成される合成画像データが表す合成画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す合成画像キーフレーム情報を、第一キーフレーム情報決定手段によって決定された前記第一のキーフレーム情報、及び第二キーフレーム情報決定手段によって決定された前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定する合成画像キーフレーム情報決定手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記自拠点画像データ取得手段は、
撮影された画像を表す撮影画像データを取得する撮影画像データ取得手段と、
前記撮影画像データ取得手段によって取得された前記撮影画像データが表す撮影画像から、前記受信画像データ受信手段によって受信された前記受信画像データが表す受信画像を除去した差分画像を表す差分画像データを自拠点画像データとして生成する差分画像データ生成手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の画像処理装置であって、
前記キーフレーム合成画像データ抽出手段は、前記第一のキーフレーム情報または前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定された合成画像キーフレーム情報に対応する第一の画像のうち、直前に前記第一のキーフレーム情報または前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定された合成画像キーフレーム情報にかかる第二の画像を比較し、
前記第一の画像が前記第二の画像と同一でない場合、前記第一の画像を表す画像データをキーフレーム合成画像データとして抽出し、
前記第一の画像が前記第二の画像と同一である場合、前記第一の画像を表す画像データをキーフレーム合成画像データとしないことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記差分画像データ生成手段によって生成された前記差分画像データと前記受信画像データ受信手段によって受信された前記受信画像データとを用いて合成画像データを生成する合成画像データ生成手段を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
他の画像処理装置と情報を送受信する画像処理装置が実行する画像処理プログラムであって、
他の画像処理装置から受信画像データを受信する受信画像データ受信工程と、
前記受信画像データ受信工程で受信された前記受信画像データが表す画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す第一のキーフレーム情報を決定する第一キーフレーム情報決定工程と、
自拠点で描画された画像を表す自拠点画像データを取得する自拠点画像データ取得工程と、
前記自拠点画像データ取得工程によって取得された前記自拠点画像データが表す画像の描画量時間に対して極大であるか否かを示す第二のキーフレーム情報を決定する第二キーフレーム情報決定工程と、
前記自拠点画像データ取得工程によって取得された前記自拠点画像データと前記受信画像データ受信工程によって受信された前記受信画像データとを用いて生成される合成画像データが表す合成画像の描画量が時間に対して極大であるか否かを表す合成画像キーフレーム情報を、第一キーフレーム情報決定工程によって決定された前記第一のキーフレーム情報、及び第二キーフレーム情報決定工程によって決定された前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定する合成画像キーフレーム情報決定工程と、
を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理プログラムであって、
前記自拠点画像データ取得工程は、
撮影された画像を表す撮影画像データを取得する撮影画像データ取得工程と、
前記撮影画像データ取得工程によって取得された前記撮影画像データが表す撮影画像から、前記受信画像データ受信工程によって受信された前記受信画像データが表す受信画像を除去した差分画像を表す差分画像データを自拠点画像データとして生成する差分画像データ生成工程と、
を有することを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項7】
請求項5または6に記載の画像処理プログラムであって、
前記キーフレーム合成画像データ抽出工程は、前記第一のキーフレーム情報または前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定された合成画像キーフレーム情報に対応する第一の画像のうち、直前に前記第一のキーフレーム情報または前記第二のキーフレーム情報に基づいて決定された合成画像キーフレーム情報にかかる第二の画像を比較し、
前記第一の画像が前記第二の画像と同一でない場合、前記第一の画像を表す画像データをキーフレーム合成画像データとして抽出し、
前記第一の画像が前記第二の画像と同一である場合、前記第一の画像を表す画像データをキーフレーム合成画像データとしないことを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の画像処理プログラムであって、
前記差分画像データ生成工程によって生成された前記差分画像データと前記受信画像データ受信工程によって受信された前記受信画像データとを用いて合成画像データを生成する合成画像データ生成工程を有することを特徴とする画像処理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−119972(P2012−119972A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268357(P2010−268357)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】