画像処理装置、同装置におけるアプリケーションの移動処理方法及び移動処理プログラム
【課題】画像処理装置において、アプリケーションが使用されなくなった場合に他の画像処理装置にアプリケーションを移動できるようにする。
【解決手段】画像処理装置1のユーザが、登録アプリケーションに対して不使用設定を行う(S101)。画像処理装置2のユーザが画像処理装置1への接続操作を行う(S81)と、画像処理装置2は画像処理装置1に対してログインを要求する(S91)。ログインが許可され、画像処理装置2のユーザが、アプリケーションを選択する(S82)と、画像処理装置2はアプリケーションの取得要求を画像処理装置1に送信する(S93)。画像処理装置1は指定されたアプリケーションを画像処理装置2に送信(S106)したのち、送信したアプリケーションを削除し(S107)、ユーザの端末装置にライセンスキーを通知する(S108)。画像処理装置2のユーザは、ライセンスキーを画像処理装置2に入力する(S83)。
【解決手段】画像処理装置1のユーザが、登録アプリケーションに対して不使用設定を行う(S101)。画像処理装置2のユーザが画像処理装置1への接続操作を行う(S81)と、画像処理装置2は画像処理装置1に対してログインを要求する(S91)。ログインが許可され、画像処理装置2のユーザが、アプリケーションを選択する(S82)と、画像処理装置2はアプリケーションの取得要求を画像処理装置1に送信する(S93)。画像処理装置1は指定されたアプリケーションを画像処理装置2に送信(S106)したのち、送信したアプリケーションを削除し(S107)、ユーザの端末装置にライセンスキーを通知する(S108)。画像処理装置2のユーザは、ライセンスキーを画像処理装置2に入力する(S83)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サーバからアプリケーションを取得してインストール可能な画像処理装置、同装置で実行されるアプリケーションの移動処理方法、及び画像処理装置のコンピュータに前記移動処理方法を実行させるための移動処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、MFP(Multi Function Peripherals)と称される多機能デジタル複合機等からなる画像処理装置として、ライセンス等に基づいてサーバから所定のアプリケーションを取得するとともに、この取得したアプリケーションをインストールして使用できる画像処理装置が知られている。
【0003】
ところが、画像処理装置にアプリケーションがインストールされても、種々の事情によりその後アプリケーションが使用されなくなることがある。また、別の場所に設置された他の画像処理装置で前記アプリケーションの使用要求が生じる場合がある。
【0004】
しかし、従来では図12のネットワークシステムに示すように、画像処理装置201がサーバ205からアプリケーションを取得して該アプリケーションをインストールした場合、ライセンスが有効であっても、一旦インストールされたアプリケーションを他の画像処理装置202〜204のいずれかに移動させることができず、他の画像処理装置202〜204は、サーバ105から矢印Cで示すように、個別にアプリケーションを取得するしか方法がなかった。なお、図12において、符号206はユーザ等が所有する端末装置、符号207は各画像処理装置201〜204、サーバ205及び端末装置206を接続するネットワークである。
【0005】
なお、特許文献1には、携帯端末がサーバの代わりにクライアントPCにインストールされるアプリケーションに対するライセンス認証を行って一時的な使用権を与え、一時的な使用の間に、携帯端末がクライアントPCに代わって正式なライセンス認証を行って正式な使用権を獲得し、その使用権情報をクライアントPCに渡すことにより、アプリケーションの認証を行うサーバとの通信ができない状況にあるクライアントPCにインストールするアプリケーションの認証を行うことを可能にしたライセンス認証システムが提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、コンテンツの不正利用を防止しながら、一旦ライセンスを受けた利用者が複数の機器に跨ってコンテンツを利用することを可能にするコンテンツ配信システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−175853号公報
【特許文献2】特開2004−227283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、従来では、ライセンス等に基づいて画像処理装置によりサーバから取得されたアプリケーションが使用されなくなっても、このアプリケーションを他の画像処理装置に移動させ他の画像処理装置で使用することはできなかった。このため、アプリケーションを利用するユーザにとって、利便性が良くなかった。
【0009】
なお、前述した特許文献1及び2に記載の技術は、上記の課題に対して解決策を提供しうるものではなかった。
【0010】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、ライセンス等に基づいて、サーバからアプリケーションを取得しアプリケーションをインストールした画像処理装置において、前記アプリケーションが使用されなくなったような場合に、アプリケーションを他の画像処理装置に移動することができる画像処理装置を提供し、さらには同装置で実行されるアプリケーションの移動処理方法、及び画像処理装置のコンピュータに前記移動処理方法を実行させるための移動処理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストール手段と、前記インストール手段によりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付手段と、前記受付手段により接続を受け付けた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの取得要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(2)前記インストール手段によりインストールされた前記アプリケーションを使用不可状態に設定可能な設定手段を備え、前記送信手段は、前記設定手段により、アプリケーションを使用不可状態に設定されている場合に限り、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する前項1に記載の画像処理装置。
(3)移動可能なアプリケーションを登録する登録手段を備え、前記送信手段は、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして前記登録手段に登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する前項1または2に記載の画像処理装置。
(4)前記登録手段は、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する前項3に記載の画像処理装置。
(5)サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、前記登録手段は、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する前項3に記載の画像処理装置。
(6)前記送信手段によりアプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する削除手段を備えている前項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
(7)前記送信手段によりアプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記要求元の画像処理装置での前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する通知手段を備えている前項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストールステップと、前記インストールステップによりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて接続を受け付けられた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信ステップと、を備えたことを特徴とする画像処理装置におけるアプリケーションの移動方法。
(9)サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストールステップと、前記インストールステップによりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて接続を受け付けられた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信ステップと、を画像処理装置のコンピュータに実行させるためのアプリケーションの移動処理プログラム。
(10)前記インストールステップにおいてインストールされた前記アプリケーションを使用不可状態に設定可能な設定ステップを、さらに前記コンピュータに実行させ、前記送信ステップでは、前記設定ステップにおいて、アプリケーションを使用不可状態に設定されている場合に限り、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させる前項9に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(11)移動可能なアプリケーションを登録する登録ステップをさらに前記コンピュータに実行させ、前記送信ステップでは、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして前記登録ステップにおいて登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させる前項9または10に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(12)前記登録ステップでは、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理を前記コンピュータに実行させる前項11に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(13)サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、前記登録ステップでは、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理を前記コンピュータに実行させる前項11に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(14)前記送信ステップにおいてアプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する削除ステップをさらにコンピュータに実行させる前項9〜13のいずれかに記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(15)前記送信ステツプにおいてアプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記要求元の画像処理装置で前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する通知ステップをさらにコンピュータに実行させる前項9〜14のいずれかに記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【発明の効果】
【0012】
前項(1)に記載の発明によれば、サーバから取得されたアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からアプリケーションの移動のための接続があると、これが受け付けられ、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能かどうかが判断される。インストール可能であると判断されると、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションが要求元の前記他の画像処理装置に送信される。つまり、アプリケーションがインストールされた画像処理装置自身がサーバとして機能することにより、アプリケーションを他の画像処理装置に移動させることができるから、アプリケーションを利用するユーザの利便性を向上することができる。
【0013】
前項(2)に記載の発明によれば、インストールされた前記アプリケーションが使用不可状態に設定されている場合に限り、アプリケーションが要求元の画像処理装置に送信されるから、使用しないアプリケーションが無駄に放置されるのを防止でき、アプリケーションの有効活用を図ることができる。
【0014】
前項(3)に記載の発明によれば、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして登録手段に登録されている場合に限り、前記他の画像処理装置に送信されるから、移動できないアプリケーションが他の画像処理装置に送信される不都合を防止できる。
【0015】
前項(4)に記載の発明によれば、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションが移動可能なアプリケーションとして登録される。
【0016】
前項(5)に記載の発明によれば、サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、使用率の低いアプリケーションが移動可能なアプリケーションとして登録される。
【0017】
前項(6)に記載の発明によれば、他の画像処理装置にアプリケーションが送信されると、該アプリケーションは削除されるから、2以上の画像処理装置にアプリケーションが重複してインストールされ使用される不都合を防止できる。
【0018】
前項(7)に記載の発明によれば、通知されたライセンスキーを要求元の画像処理装置に入力することで、ユーザは送信されたアプリケーションを使用することができる。
【0019】
前項(8)に記載の発明によれば、アプリケーションがインストールされた画像処理装置自身がサーバとして機能することにより、アプリケーションを他の画像処理装置に移動させることができるから、アプリケーションを利用するユーザの利便性を向上することができる。
【0020】
前項(9)に記載の発明によれば、サーバから取得されたアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からアプリケーションの移動のための接続があると、これを受け付け、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断し、インストール可能であると判断すると、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の前記他の画像処理装置に送信する処理を、画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【0021】
前項(10)に記載の発明によれば、インストールされた前記アプリケーションが使用不可状態に設定されている場合に限り、アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0022】
前項(11)に記載の発明によれば、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させることができる。
【0023】
前項(12)に記載の発明によれば、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0024】
前項(13)に記載の発明によれば、サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0025】
前項(14)に記載の発明によれば、アプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0026】
前項(15)に記載の発明によれば、アプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する処理をさらにコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置が用いられたネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置に格納されているアプリケーション登録テーブルを示す図である。
【図4】画像処理装置がサーバからアプリケーションを取得し、他の画像処理装置にアプリケーションを移動させる場合の画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】画像処理装置のユーザが、サーバからアプリケーションを取得する指示を画像処理装置に対して行ったときに実行されるアプリケーション取得処理を示すフローチャートである。
【図6】アプリケーションの使用状況を定期的にチェックする処理を示すフローチャートである。
【図7】アプリケーションサーバ動作チェック処理のフローチャートである。
【図8】他の画像処理装置からアプリケーションの取得要求があった場合に実行されるアプリケーション送信処理を示すフローチャートである。
【図9】画像処理装置がサーバからアプリケーションを取得してインストールする際の画像処理装置とサーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】画像処理装置にインストールされたアプリケーションを、他の画像処理装置に移動する場合の、画像処理装置及び他の画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】この発明の他の実施形態を説明するためのもので、アプリケーションサーバ動作チェック処理のフローチャートである。
【図12】従来技術を説明するためのネットワークシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置が用いられたネットワークシステムの構成を示す図である。
【0030】
このネットワークシステムは、複数の画像処理装置1〜4とサーバ5とユーザ等が所有する端末装置6が、ネットワーク7を介して相互に接続されてなる。
【0031】
この実施形態では、画像処理装置1〜4は、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能等の複数の機能を有する前述した多機能デジタル画像形成装置であるMFPで構成されている。
【0032】
前記サーバ5には、1個または複数個のアプリケーションが搭載されている。即ちサーバ5はアプリケーションサーバとして機能するものであり、各画像処理装置1〜4はそれぞれ自機からサーバ5にアクセスし、ライセンス等に基づきサーバから所定のアプリケーションを取得してインストールできるようになっている。
【0033】
さらにこの実施形態では、1台の画像処理装置1が矢印Aで示すように、サーバから所定のアプリケーションを取得して該アプリケーションをインストールした後、このアプリケーションが使用されなくなった場合等に、矢印Bで示すように、他のいずれかの画像処理装置例えば画像処理装置2に、このアプリケーションを移動できるものとなされている。
【0034】
図2は、前記画像処理装置1〜4の構成を示すブロック図である。なお、各画像処理装置1〜4の構成は同一であるので、画像処理装置1の構成について説明し、他の画像処理装置2〜4の構成については説明を省略する。
【0035】
画像処理装置1は、制御部10と、自動原稿搬送装置11と、原稿読取部12と、画像形成部13と、給紙部14と、操作パネル15等を備えている。
【0036】
前記制御部10は画像処理装置1の全体動作を制御するものであり、CPU101と、ROM102と、RAM103と、EEPROM104と、記憶部105と、ファクシミリ部106と、通信インターフェース部(通信I/F部と記している)107と、カードインターフェース部(カードI/F部と記している)108等を備えている。
【0037】
前記CPU101は、動作プログラムに従って動作することにより、画像処理装置1の全体を統括制御し、コピー機能、プリンタ機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等の基本機能を使用可能に制御する。また、この実施形態では、サーバ5にアクセスして1個または複数個の所定のアプリケーションを取得し、この取得したアプリケーションを記憶部105等に格納し、インストールする。さらに、取得したアプリケーションをEEPROM104に登録したり、アプリケーションについての使用不可を設定する。また、インストールしたアプリケーションが使用されなくなったような場合には、自機をアプリケーションサーバとして機能させ、他の画像処理装置2〜4のいずれかからアプリケーションの取得要求がなされた場合には、取得要求のための接続を受け付けると共に、該アプリケーションを取得要求のあった画像処理装置2〜4に移動させる等の制御を行うが、詳細な動作は後述する。
【0038】
前記ROM102は、CPU101の動作プログラム等を格納するメモリである。
【0039】
前記RAM103は、CPU101が動作プログラムに従って動作する際の作業領域を提供するメモリである。
【0040】
前記EEPROM104はデータを書き込み・消去可能な記憶媒体であり、この実施形態では、サーバから取得しインストールされたアプリケーションがEEPROM104に登録されると共に、アプリケーションが移動可能となったときには、移動可能アプリケーションとしてEEPROM104に登録されるものとなされている。また、任意のアプリケーションについて使用不可が設定された場合には、その設定状態も登録される。さらに、ユーザが画像処理装置1を使用したときの使用履歴が保存されている。
【0041】
前記記憶部105は、例えばハードディスクドライブ(HDD)などの不揮発性の記憶デバイスにより構成されており、前記インストールされたアプリケーションや、原稿読取部12で読み取られた原稿の画像データや、他の画像形成装置あるいはユーザ端末6等から送信されてきたデータ等が記憶されている。
【0042】
前記ファクシミリ部106は、外部のファクシミリ装置との間でファクシミリ送受信を行うものである。
【0043】
前記通信インターフェース部107は、ネットワーク7を介してサーバ5や他の画像処理装置2〜4や端末装置6等とデータの送受信を行うための通信手段として機能する。
【0044】
前記カードインターフェース部108は、フラッシュメモリ8等の外部素子を接続するためのインターフェース部である。
【0045】
前記自動原稿搬送装置11は、原稿載置部(図示せず)に載置された原稿を原稿読取部12の読み取り位置へと自動搬送するものである。
【0046】
前記原稿読取部12は、前記自動原稿搬送装置11から搬送された原稿や原稿台(図示せず)に置かれた静止原稿の画像を読み取り、画像データを出力する読み取り手段である。
【0047】
前記画像形成部13は、前記原稿読取部12で読み取られた原稿の画像データや端末装置6から送信されたプリントデータ等を、前記給紙部14から給紙された印刷用紙に、ユーザにより指示されたモードに従って印刷するものである。
【0048】
前記操作パネル15は、各種入力操作等のために使用されるものであり、メッセージや操作画面等を表示するタッチパネル式液晶等からなる表示部151と、テンキー、スタートキー、ストップキー等を備えた操作部152を備えている。
【0049】
前記サーバ5は汎用のパーソナルコンピュータ(パソコン)からなり、各種のアプリケーションを備えると共に、ネットワークを介して画像処理装置1〜4,端末装置6等とアプリケーションその他のデータの送受信が可能である。
【0050】
なお、端末装置6も汎用のパソコンからなる。
【0051】
図3は、画像処理装置1のEEPROM104に格納されているアプリケーション登録テーブルを示す図である。なお、以下の説明及び図面において、アプリケーションを単に「アプリ」とも記す。
【0052】
アプリ登録テーブルは、ライセンスに基づいてサーバ5から取得され画像処理装置1に現在インストールされているアプリケーションを登録するテーブルである。この実施形態では、図3(A)に示すように、現在、アプリケーション1〜8の8個のアプリケーションが登録されている。また、この実施形態では、操作パネル15からのユーザの操作に基づいて、各アプリケーションについて使用不可を設定できるようになっており、使用不可設定がなされているアプリケーションについてはその情報も登録されている。図3では、「使用不可設定」の項目に○印を付されたアプリケーション1及び4が使用不可に設定されていることを示している。
【0053】
また、画像処理装置1は、サーバ5から取得したアプリケーションが一定期間使用されていないかどうかを定期的にチェックしており、一定期間使用されていないアプリケーションについては、移動可能アプリとしてその情報が登録されるようになっている。図3(A)では、「移動可能アプリ」の項目に○印を付されたアプリケーション2、4及び6が移動可能アプリとして登録されている。
【0054】
さらに、この実施形態では、移動可能アプリ以外の管理対象のアプリケーションの個数の上限値が設定可能となされており、例えば上限値5個が設定されている。上限値を超えてアプリケーションが取得された場合には、EEPROM104に保存されている画像処理装置の使用履歴に基づいて、使用率の最も低いアプリケーションが移動可能アプリとして登録されるものとなされている。例えば、図3(A)では、移動可能アプリ以外のアプリケーションの個数が5個で既に上限値に達している。この状態で、図3(B)に示すように、新たなアプリケーション9が取得されインストールされると、上限値を超えてしまうため、移動可能アプリ以外のアプリケーションの中で、使用率の最も低い例えばアプリケーション3が、移動可能アプリとして登録されている。
【0055】
次に、図2に示した画像処理装置1がサーバ5からアプリケーションを取得し、他の画像処理装置2〜4のいずれかにアプリケーションを移動させる場合の、画像処理装置1の動作を、図4以降のフローチャートに従って説明する。
【0056】
この動作は、画像処理装置1のCPU101がROM102等の記録媒体に記録された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0057】
画像処理装置1は、ステップS1で初期化処理を実行し、ステップS2でアイドル状態に移行する。次いでステップS3で定時処理を行い、ステップS4で入力イベント、例えばユーザによる画像処理装置1の使用要求、端末装置6からのプリント要求、他の画像処理装置2〜4からのアプリケーションの取得要求等があるかどうか等を判断する。
【0058】
入力イベントがあれば(ステップS4でYES)、ステップS5で入力イベントに対応する各種の処理を実行した後、ステップS3に戻る。入力イベントがなければ(ステップS4でNO)、そのままステップS3に戻る。
【0059】
図5は、入力イベントとして、画像処理装置1のユーザが、サーバ5からアプリケーションを取得する指示を画像処理装置1に対して行ったときの、アプリ取得処理を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS11で、ユーザ操作に基づいてサーバ5からアプリケーションを取得した後、ステップS12で、EEPROM104のアプリ登録テーブル(図3)に登録されているアプリケーションのうち、移動可能アプリ以外のアプリケーションの個数が上限値に達しているかどうかを調べる。上限値に達していれば(ステップS12でYES)、ステップS13で、移動可能アプリ以外のアプリケーションの使用率を、EEPROM104に保存されている画像処理装置1の使用履歴に基づいて調べ、使用率の最も低いアプリケーションを、移動可能アプリとして登録する。そしてステップS14に進み、前記取得したアプリケーションをアプリ登録テーブルに新規に登録する。
【0061】
ステップS12において、移動可能アプリ以外のアプリケーションの個数が上限値に達していなければ(ステップS12でNO)、そのままステップS14に進み、取得したアプリケーションをアプリ登録テーブルに登録する。
【0062】
次いで、ステップS15で登録したアプリケーションをインストールして使用可能としたのち、リターンする。
【0063】
図6は、図4のステップS3の定時処理で実行されるアプリケーションの使用状況を定期的にチェックする処理を示すフローチャートである。この処理は、所定期間使用されていないアプリケーションを、他の画像処理装置に移動可能なアプリケーションとして登録する処理である。
【0064】
ステップS21において、チェック周期が到来したかどうかを判断し、到来しなければ(ステップS21でNO)、何もすることなくリターンする。到来すると(ステップS21でYES)、ステップS22でアプリケーションの使用履歴を取り出し、ステップS23で、アプリ登録テーブルに登録されている移動可能アプリ以外のアプリケーションが所定期間不使用であるかどうかを判断する。
【0065】
不使用でなければ(ステップS23でNO)、そのままリターンする。予め設定された所定期間不使用であれば(ステップS23でYES)、ステップS24で、そのアプリケーションを移動可能なアプリケーションとしてアプリ登録テーブルに登録したのち、リターンする。
【0066】
図5及び図6のフローチャートで示される処理により、アプリ登録テーブルに登録されている移動可能アプリ以外のアプリケーションの数が上限値に達している時の使用率の低いアプリケーションや、所定期間使用されていないアプリケーションが、他の画像処理装置に移動可能なアプリケーションとしてアプリ登録テーブルに登録される。
【0067】
図7は、図4のステップS3の定時処理で実行されるアプリケーションサーバ動作チェック処理のフローチャートである。
【0068】
この処理は、画像処理装置1自身がアプリケーションサーバとして機能するかどうかを決定する処理である。
【0069】
ステップS31で、少なくとも一つのアプリケーションが、アプリ登録テーブルに登録されているかどうかを判断する。登録されていれば(ステップS31でYES)、ステップS32で、そのアプリケーションが移動可能アプリかどうかを判断し、移動可能アプリであれば(ステップS32でYES)、ステップS33で、アプリサーバとしての機能を起動した後、リターンする。即ち、他の画像処理装置2〜4のいずれかからアプリケーションの取得要求があれば、指定されたアプリケーションを他の画像処理装置2〜4に送信できる状態にしておくことにより、サーバ5と同様の機能を発揮させるものである。
【0070】
アプリケーションがアプリ登録テーブルに登録されていない場合(ステップS31でNO)、あるいは登録されていても移動可能アプリでない場合は(ステップS32でNO)、他の画像処理装置に移動できるアプリケーションは存在しないので、ステップS34に進み、アプリサーバ機能が起動中かどうかを判断する。起動中でなければ(ステップS34でNO)、そのままリターンし、起動中であれば(ステップS34でYES)、ステップS35でアプリサーバ機能を停止し、リターンする。
【0071】
図8は、図4のステップS4の入力イベントとして、他の画像処理装置2〜4からアプリケーションの取得要求があった場合に実行されるアプリ送信処理を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS41で、他の画像処理装置2〜4からログイン要求があるかどうかを判断する。なければ(ステップS41でNO)、リターンする。ログイン要求があれば(ステップS41でYES)、ステップS42で、要求元の画像処理装置2〜4に画像処理装置(MFP)であることの証明を要求する。この証明により、アプリケーションをインストール可能であるかどうかを判断する。
【0073】
ステップS43では、証明を受信したかどうかを調べ、受信しなければ(ステップS43でNO)、リターンする。受信すると(ステップS43でYES)、ステップS44で、証明に含まれる画像処理装置のコードをチェックし、ステップS45で、確かに画像処理装置であるかどうか(適正かどうか)を判断する。
【0074】
適正でなければ(ステップS45でNO)、リターンする。適正であれば(ステップS45でYES)、ステップS46で、ログインを許可する。
【0075】
次いで、ステップS47で、アプリ取得要求がなされたかどうかを判断する。アプリ取得要求がなされなければ(ステップS47でNO)、リターンする。この場合、アプリ取得要求以外の要求であれば、その要求に応じた処理が行われる。
【0076】
アプリ取得要求がなされれば(ステップS47でYES)、ステップS48で、指定されたアプリケーションを送信し、ステップS49で送信したアプリケーションを削除する。これにより、アプリケーションが画像処理装置1と他の画像処理装置2〜4に同時に存在する不都合を解消でき、ライセンス制度の意義を担保できる。なお、移動可能なアプリケーションの種類を要求元の画像処理装置2〜4に知らせることにより、要求元の画像処理装置2〜4のユーザが、取得を希望するアプリケーションの選択を容易にしても良い。
【0077】
次いで、ステップS50で、要求元の画像処理装置2〜4を操作するユーザの端末装置6等の予め設定されている所定の宛先に、ライセンスキーを電子メールやその他の方法により通知して、リターンする。
【0078】
要求元の画像処理装置2〜4を操作するユーザは、前記通知されたライセンスキーを画像処理装置2〜4に入力すれば、アプリケーションをインストールして使用することができる。
【0079】
このように、この実施形態では、アプリケーションがインストールされた画像処理装置1自身がサーバとして機能することにより、アプリケーションを他の画像処理装置2〜4に移動させることができるから、他の画像処理装置2〜4はサーバ5からアプリケーションを取得しなくても、取得したのと同様にアプリケーションを使用することができ、アプリケーションを利用するユーザの利便性を向上することができる。
【0080】
図9は、画像処理装置1がサーバ5からアプリケーションを取得してインストールする際の画像処理装置1とサーバ5の動作を説明するためのフローチャートである。
【0081】
画像処理装置1のユーザが、ステップS51で、サーバ5への接続操作を画像処理装置1に対して行うと、画像処理装置1はステップS61で、サーバ5にログイン要求を行う。
【0082】
サーバ5はステップS71で、画像処理装置1に対し、画像処理装置(MFP)であることの証明を要求すると、画像処理装置1はその要求に対し、ステップS62で証明をサーバ5に送信する。
【0083】
サーバ5はステップS72で、証明に含まれている画像処理装置のコードをチェックし、適正であればステップS73でログインを許可する。
【0084】
画像処理装置1のユーザが、ステップS52で、インストールするアプリケーションを選択すると、画像処理装置1はステップS63で、アプリケーションの取得要求をサーバ5に送信する。
【0085】
この取得要求に対し、サーバ5はステップS74で、指定されたアプリケーションを画像処理装置1に送信したのち、ステップS75で、ユーザの端末装置6に電子メール等によりライセンスキーを通知する。ステップS53で、画像処理装置1のユーザが通知されたライセンスキーを画像処理装置1に入力すると、画像処理装置1はステップS64で、アプリケーションのインストールを実行する。
【0086】
図10は、画像処理装置1にインストールされたアプリケーションを、他の画像処理装置2に移動する場合の、画像処理装置1及び画像処理装置2の動作を説明するためのフローチャートである。
【0087】
画像処理装置1のユーザが、ステップS101で、必要に応じて登録アプリケーションに対して不使用設定を行う。また、移動可能なアプリケーションが存在すれば、ステップS102で、画像処理装置1はアプリサーバ機能を起動する。
【0088】
画像処理装置2のユーザがステップS81で、画像処理装置1への接続操作を行うと、画像処理装置2はステップS91で、画像処理装置1に対してログインを要求する。この要求を受信した画像処理装置1は、ステップS103で、画像処理装置2に画像処理装置(MFP)であることの証明を要求する。画像処理装置2はその要求に対し、ステップS92で証明を画像処理装置1に送信する。
【0089】
画像処理装置1はステップS104で、証明に含まれている画像処理装置のコードをチェックし、適正であればステップS105でログインを許可する。
【0090】
画像処理装置2のユーザが、ステップS82で、インストールするアプリケーションを選択すると、画像処理装置2はステップS93で、アプリケーションの取得要求を画像処理装置1に送信する。
【0091】
この取得要求に対し、画像処理装置1はステップS106で、指定されたアプリケーションを画像処理装置2に送信したのち、ステップS107で、送信したアプリケーションを削除する。次いで、ステップS108で、ユーザの端末装置6に電子メール等によりライセンスキーを通知する。画像処理装置2のユーザが、ステップS83で、ライセンスキーを画像処理装置2に入力すると、画像処理装置2はステップS94で、アプリケーションのインストールを実行する。
【0092】
このようにして、画像処理装置1と画像処理装置2間でのアプリケーションの移動が実行される。
【0093】
なお、以上の実施形態では、アプリケーションが移動可能アプリテーブルに登録されている場合に、前記登録されているアプリケーションの他の画像処理装置への送信が可能となされている構成としたが、アプリケーションが移動可能アプリテーブルに登録されており、かつアプリケーションに使用不可設定がなされている場合に限り、他の画像処理装置2への移動を許可する構成としても良い。
【0094】
この場合のアプリケーションサーバ動作チェック処理のフローチャートを、図11に示す。この処理は、画像処理装置1自身がアプリケーションサーバとして機能するかどうかを決定する処理であり、図7の処理に対応するものである。
【0095】
ステップS111で、少なくとも一つのアプリケーションが、アプリ登録テーブルに登録されているかどうかを判断する。登録されていれば(ステップS111でYES)、ステップS112で、そのアプリケーションが移動可能アプリかどうかを判断し、移動可能アプリであれば(ステップS112でYES)、ステップS113で、そのアプリケーションに使用不可が設定されているかどうかを判断する。
【0096】
使用不可が設定されていれば(ステップS113でYES)、ステップS114で、画像処理装置1のアプリサーバとしての機能を起動した後、リターンする。即ち、他の画像処理装置2〜4のいずれかからアプリケーションの取得要求があれば、指定されたアプリケーションを他の画像処理装置2〜4に送信できる状態にしておくことにより、サーバ5と同様の機能を発揮させるものである。
【0097】
アプリケーションがアプリ登録テーブルに登録されていない場合(ステップS111でNO)、あるいは登録されていても移動可能アプリでない場合(ステップS112でNO)、さらにはアプリケーションに使用不可が設定されていない場合(ステップS113でNO)は、他の画像処理装置2〜4に移動できるアプリケーションは存在しないので、ステップS115に進み、アプリサーバ機能が起動中かどうかを判断する。起動中でなければ(ステップS115でNO)、そのままリターンし、起動中であれば(ステップS115でYES)、ステップS116でアプリサーバ機能を停止し、リターンする。
【0098】
図11の実施形態では、移動可能アプリとして登録されていても、使用不可が設定されていなければ他の画像処理装置2〜4に移動させることはできないので、図7の処理のように一定期間不使用のアプリケーションであれば移動可能となる場合に較べて、一定期間不使用のアプリケーションであることに加えて使用不可というユーザの意思を確認した上で、アプリケーションを他の画像処理装置2〜4に移動させることができ、アプリケーションの移動に対してより慎重を期すことができる。
【0099】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
【0100】
例えば、アプリケーションが所定期間使用されなかった場合に、移動可能アプリとして登録される構成としたが、所定期間使用されなかったかどうかを問わず、使用不可設定がなされたアプリケーションを移動可能アプリとして登録する構成としても良い。
【0101】
また、移動可能アプリとして登録されていなくても、画像処理装置1のユーザが許可したアプリケーションを移動させる構成としても良いし、登録を行うことなく、所定期間使用されなかったアプリケーションや、使用不可設定がなされたアプリケーションを、他の画像処理装置に移動させる構成としても良い。
【符号の説明】
【0102】
1〜4 画像処理装置
5 サーバ
6 端末装置
7 ネットワーク
15 操作パネル
10 制御部
101 CPU
102 ROM
104 EEPROM
105 記憶部
107 通信インターフェース部
【技術分野】
【0001】
この発明は、サーバからアプリケーションを取得してインストール可能な画像処理装置、同装置で実行されるアプリケーションの移動処理方法、及び画像処理装置のコンピュータに前記移動処理方法を実行させるための移動処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、MFP(Multi Function Peripherals)と称される多機能デジタル複合機等からなる画像処理装置として、ライセンス等に基づいてサーバから所定のアプリケーションを取得するとともに、この取得したアプリケーションをインストールして使用できる画像処理装置が知られている。
【0003】
ところが、画像処理装置にアプリケーションがインストールされても、種々の事情によりその後アプリケーションが使用されなくなることがある。また、別の場所に設置された他の画像処理装置で前記アプリケーションの使用要求が生じる場合がある。
【0004】
しかし、従来では図12のネットワークシステムに示すように、画像処理装置201がサーバ205からアプリケーションを取得して該アプリケーションをインストールした場合、ライセンスが有効であっても、一旦インストールされたアプリケーションを他の画像処理装置202〜204のいずれかに移動させることができず、他の画像処理装置202〜204は、サーバ105から矢印Cで示すように、個別にアプリケーションを取得するしか方法がなかった。なお、図12において、符号206はユーザ等が所有する端末装置、符号207は各画像処理装置201〜204、サーバ205及び端末装置206を接続するネットワークである。
【0005】
なお、特許文献1には、携帯端末がサーバの代わりにクライアントPCにインストールされるアプリケーションに対するライセンス認証を行って一時的な使用権を与え、一時的な使用の間に、携帯端末がクライアントPCに代わって正式なライセンス認証を行って正式な使用権を獲得し、その使用権情報をクライアントPCに渡すことにより、アプリケーションの認証を行うサーバとの通信ができない状況にあるクライアントPCにインストールするアプリケーションの認証を行うことを可能にしたライセンス認証システムが提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、コンテンツの不正利用を防止しながら、一旦ライセンスを受けた利用者が複数の機器に跨ってコンテンツを利用することを可能にするコンテンツ配信システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−175853号公報
【特許文献2】特開2004−227283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、従来では、ライセンス等に基づいて画像処理装置によりサーバから取得されたアプリケーションが使用されなくなっても、このアプリケーションを他の画像処理装置に移動させ他の画像処理装置で使用することはできなかった。このため、アプリケーションを利用するユーザにとって、利便性が良くなかった。
【0009】
なお、前述した特許文献1及び2に記載の技術は、上記の課題に対して解決策を提供しうるものではなかった。
【0010】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、ライセンス等に基づいて、サーバからアプリケーションを取得しアプリケーションをインストールした画像処理装置において、前記アプリケーションが使用されなくなったような場合に、アプリケーションを他の画像処理装置に移動することができる画像処理装置を提供し、さらには同装置で実行されるアプリケーションの移動処理方法、及び画像処理装置のコンピュータに前記移動処理方法を実行させるための移動処理プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストール手段と、前記インストール手段によりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付手段と、前記受付手段により接続を受け付けた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断手段と、前記判断手段により、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの取得要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(2)前記インストール手段によりインストールされた前記アプリケーションを使用不可状態に設定可能な設定手段を備え、前記送信手段は、前記設定手段により、アプリケーションを使用不可状態に設定されている場合に限り、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する前項1に記載の画像処理装置。
(3)移動可能なアプリケーションを登録する登録手段を備え、前記送信手段は、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして前記登録手段に登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する前項1または2に記載の画像処理装置。
(4)前記登録手段は、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する前項3に記載の画像処理装置。
(5)サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、前記登録手段は、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する前項3に記載の画像処理装置。
(6)前記送信手段によりアプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する削除手段を備えている前項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
(7)前記送信手段によりアプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記要求元の画像処理装置での前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する通知手段を備えている前項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
(8)サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストールステップと、前記インストールステップによりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて接続を受け付けられた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信ステップと、を備えたことを特徴とする画像処理装置におけるアプリケーションの移動方法。
(9)サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストールステップと、前記インストールステップによりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて接続を受け付けられた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断ステップと、前記判断ステップにおいて、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信ステップと、を画像処理装置のコンピュータに実行させるためのアプリケーションの移動処理プログラム。
(10)前記インストールステップにおいてインストールされた前記アプリケーションを使用不可状態に設定可能な設定ステップを、さらに前記コンピュータに実行させ、前記送信ステップでは、前記設定ステップにおいて、アプリケーションを使用不可状態に設定されている場合に限り、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させる前項9に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(11)移動可能なアプリケーションを登録する登録ステップをさらに前記コンピュータに実行させ、前記送信ステップでは、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして前記登録ステップにおいて登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させる前項9または10に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(12)前記登録ステップでは、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理を前記コンピュータに実行させる前項11に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(13)サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、前記登録ステップでは、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理を前記コンピュータに実行させる前項11に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(14)前記送信ステップにおいてアプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する削除ステップをさらにコンピュータに実行させる前項9〜13のいずれかに記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
(15)前記送信ステツプにおいてアプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記要求元の画像処理装置で前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する通知ステップをさらにコンピュータに実行させる前項9〜14のいずれかに記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【発明の効果】
【0012】
前項(1)に記載の発明によれば、サーバから取得されたアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からアプリケーションの移動のための接続があると、これが受け付けられ、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能かどうかが判断される。インストール可能であると判断されると、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションが要求元の前記他の画像処理装置に送信される。つまり、アプリケーションがインストールされた画像処理装置自身がサーバとして機能することにより、アプリケーションを他の画像処理装置に移動させることができるから、アプリケーションを利用するユーザの利便性を向上することができる。
【0013】
前項(2)に記載の発明によれば、インストールされた前記アプリケーションが使用不可状態に設定されている場合に限り、アプリケーションが要求元の画像処理装置に送信されるから、使用しないアプリケーションが無駄に放置されるのを防止でき、アプリケーションの有効活用を図ることができる。
【0014】
前項(3)に記載の発明によれば、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして登録手段に登録されている場合に限り、前記他の画像処理装置に送信されるから、移動できないアプリケーションが他の画像処理装置に送信される不都合を防止できる。
【0015】
前項(4)に記載の発明によれば、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションが移動可能なアプリケーションとして登録される。
【0016】
前項(5)に記載の発明によれば、サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、使用率の低いアプリケーションが移動可能なアプリケーションとして登録される。
【0017】
前項(6)に記載の発明によれば、他の画像処理装置にアプリケーションが送信されると、該アプリケーションは削除されるから、2以上の画像処理装置にアプリケーションが重複してインストールされ使用される不都合を防止できる。
【0018】
前項(7)に記載の発明によれば、通知されたライセンスキーを要求元の画像処理装置に入力することで、ユーザは送信されたアプリケーションを使用することができる。
【0019】
前項(8)に記載の発明によれば、アプリケーションがインストールされた画像処理装置自身がサーバとして機能することにより、アプリケーションを他の画像処理装置に移動させることができるから、アプリケーションを利用するユーザの利便性を向上することができる。
【0020】
前項(9)に記載の発明によれば、サーバから取得されたアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からアプリケーションの移動のための接続があると、これを受け付け、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断し、インストール可能であると判断すると、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の前記他の画像処理装置に送信する処理を、画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【0021】
前項(10)に記載の発明によれば、インストールされた前記アプリケーションが使用不可状態に設定されている場合に限り、アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0022】
前項(11)に記載の発明によれば、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させることができる。
【0023】
前項(12)に記載の発明によれば、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0024】
前項(13)に記載の発明によれば、サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0025】
前項(14)に記載の発明によれば、アプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する処理をコンピュータに実行させることができる。
【0026】
前項(15)に記載の発明によれば、アプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する処理をさらにコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置が用いられたネットワークシステムの構成を示す図である。
【図2】画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理装置に格納されているアプリケーション登録テーブルを示す図である。
【図4】画像処理装置がサーバからアプリケーションを取得し、他の画像処理装置にアプリケーションを移動させる場合の画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】画像処理装置のユーザが、サーバからアプリケーションを取得する指示を画像処理装置に対して行ったときに実行されるアプリケーション取得処理を示すフローチャートである。
【図6】アプリケーションの使用状況を定期的にチェックする処理を示すフローチャートである。
【図7】アプリケーションサーバ動作チェック処理のフローチャートである。
【図8】他の画像処理装置からアプリケーションの取得要求があった場合に実行されるアプリケーション送信処理を示すフローチャートである。
【図9】画像処理装置がサーバからアプリケーションを取得してインストールする際の画像処理装置とサーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】画像処理装置にインストールされたアプリケーションを、他の画像処理装置に移動する場合の、画像処理装置及び他の画像処理装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】この発明の他の実施形態を説明するためのもので、アプリケーションサーバ動作チェック処理のフローチャートである。
【図12】従来技術を説明するためのネットワークシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置が用いられたネットワークシステムの構成を示す図である。
【0030】
このネットワークシステムは、複数の画像処理装置1〜4とサーバ5とユーザ等が所有する端末装置6が、ネットワーク7を介して相互に接続されてなる。
【0031】
この実施形態では、画像処理装置1〜4は、コピー機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能等の複数の機能を有する前述した多機能デジタル画像形成装置であるMFPで構成されている。
【0032】
前記サーバ5には、1個または複数個のアプリケーションが搭載されている。即ちサーバ5はアプリケーションサーバとして機能するものであり、各画像処理装置1〜4はそれぞれ自機からサーバ5にアクセスし、ライセンス等に基づきサーバから所定のアプリケーションを取得してインストールできるようになっている。
【0033】
さらにこの実施形態では、1台の画像処理装置1が矢印Aで示すように、サーバから所定のアプリケーションを取得して該アプリケーションをインストールした後、このアプリケーションが使用されなくなった場合等に、矢印Bで示すように、他のいずれかの画像処理装置例えば画像処理装置2に、このアプリケーションを移動できるものとなされている。
【0034】
図2は、前記画像処理装置1〜4の構成を示すブロック図である。なお、各画像処理装置1〜4の構成は同一であるので、画像処理装置1の構成について説明し、他の画像処理装置2〜4の構成については説明を省略する。
【0035】
画像処理装置1は、制御部10と、自動原稿搬送装置11と、原稿読取部12と、画像形成部13と、給紙部14と、操作パネル15等を備えている。
【0036】
前記制御部10は画像処理装置1の全体動作を制御するものであり、CPU101と、ROM102と、RAM103と、EEPROM104と、記憶部105と、ファクシミリ部106と、通信インターフェース部(通信I/F部と記している)107と、カードインターフェース部(カードI/F部と記している)108等を備えている。
【0037】
前記CPU101は、動作プログラムに従って動作することにより、画像処理装置1の全体を統括制御し、コピー機能、プリンタ機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等の基本機能を使用可能に制御する。また、この実施形態では、サーバ5にアクセスして1個または複数個の所定のアプリケーションを取得し、この取得したアプリケーションを記憶部105等に格納し、インストールする。さらに、取得したアプリケーションをEEPROM104に登録したり、アプリケーションについての使用不可を設定する。また、インストールしたアプリケーションが使用されなくなったような場合には、自機をアプリケーションサーバとして機能させ、他の画像処理装置2〜4のいずれかからアプリケーションの取得要求がなされた場合には、取得要求のための接続を受け付けると共に、該アプリケーションを取得要求のあった画像処理装置2〜4に移動させる等の制御を行うが、詳細な動作は後述する。
【0038】
前記ROM102は、CPU101の動作プログラム等を格納するメモリである。
【0039】
前記RAM103は、CPU101が動作プログラムに従って動作する際の作業領域を提供するメモリである。
【0040】
前記EEPROM104はデータを書き込み・消去可能な記憶媒体であり、この実施形態では、サーバから取得しインストールされたアプリケーションがEEPROM104に登録されると共に、アプリケーションが移動可能となったときには、移動可能アプリケーションとしてEEPROM104に登録されるものとなされている。また、任意のアプリケーションについて使用不可が設定された場合には、その設定状態も登録される。さらに、ユーザが画像処理装置1を使用したときの使用履歴が保存されている。
【0041】
前記記憶部105は、例えばハードディスクドライブ(HDD)などの不揮発性の記憶デバイスにより構成されており、前記インストールされたアプリケーションや、原稿読取部12で読み取られた原稿の画像データや、他の画像形成装置あるいはユーザ端末6等から送信されてきたデータ等が記憶されている。
【0042】
前記ファクシミリ部106は、外部のファクシミリ装置との間でファクシミリ送受信を行うものである。
【0043】
前記通信インターフェース部107は、ネットワーク7を介してサーバ5や他の画像処理装置2〜4や端末装置6等とデータの送受信を行うための通信手段として機能する。
【0044】
前記カードインターフェース部108は、フラッシュメモリ8等の外部素子を接続するためのインターフェース部である。
【0045】
前記自動原稿搬送装置11は、原稿載置部(図示せず)に載置された原稿を原稿読取部12の読み取り位置へと自動搬送するものである。
【0046】
前記原稿読取部12は、前記自動原稿搬送装置11から搬送された原稿や原稿台(図示せず)に置かれた静止原稿の画像を読み取り、画像データを出力する読み取り手段である。
【0047】
前記画像形成部13は、前記原稿読取部12で読み取られた原稿の画像データや端末装置6から送信されたプリントデータ等を、前記給紙部14から給紙された印刷用紙に、ユーザにより指示されたモードに従って印刷するものである。
【0048】
前記操作パネル15は、各種入力操作等のために使用されるものであり、メッセージや操作画面等を表示するタッチパネル式液晶等からなる表示部151と、テンキー、スタートキー、ストップキー等を備えた操作部152を備えている。
【0049】
前記サーバ5は汎用のパーソナルコンピュータ(パソコン)からなり、各種のアプリケーションを備えると共に、ネットワークを介して画像処理装置1〜4,端末装置6等とアプリケーションその他のデータの送受信が可能である。
【0050】
なお、端末装置6も汎用のパソコンからなる。
【0051】
図3は、画像処理装置1のEEPROM104に格納されているアプリケーション登録テーブルを示す図である。なお、以下の説明及び図面において、アプリケーションを単に「アプリ」とも記す。
【0052】
アプリ登録テーブルは、ライセンスに基づいてサーバ5から取得され画像処理装置1に現在インストールされているアプリケーションを登録するテーブルである。この実施形態では、図3(A)に示すように、現在、アプリケーション1〜8の8個のアプリケーションが登録されている。また、この実施形態では、操作パネル15からのユーザの操作に基づいて、各アプリケーションについて使用不可を設定できるようになっており、使用不可設定がなされているアプリケーションについてはその情報も登録されている。図3では、「使用不可設定」の項目に○印を付されたアプリケーション1及び4が使用不可に設定されていることを示している。
【0053】
また、画像処理装置1は、サーバ5から取得したアプリケーションが一定期間使用されていないかどうかを定期的にチェックしており、一定期間使用されていないアプリケーションについては、移動可能アプリとしてその情報が登録されるようになっている。図3(A)では、「移動可能アプリ」の項目に○印を付されたアプリケーション2、4及び6が移動可能アプリとして登録されている。
【0054】
さらに、この実施形態では、移動可能アプリ以外の管理対象のアプリケーションの個数の上限値が設定可能となされており、例えば上限値5個が設定されている。上限値を超えてアプリケーションが取得された場合には、EEPROM104に保存されている画像処理装置の使用履歴に基づいて、使用率の最も低いアプリケーションが移動可能アプリとして登録されるものとなされている。例えば、図3(A)では、移動可能アプリ以外のアプリケーションの個数が5個で既に上限値に達している。この状態で、図3(B)に示すように、新たなアプリケーション9が取得されインストールされると、上限値を超えてしまうため、移動可能アプリ以外のアプリケーションの中で、使用率の最も低い例えばアプリケーション3が、移動可能アプリとして登録されている。
【0055】
次に、図2に示した画像処理装置1がサーバ5からアプリケーションを取得し、他の画像処理装置2〜4のいずれかにアプリケーションを移動させる場合の、画像処理装置1の動作を、図4以降のフローチャートに従って説明する。
【0056】
この動作は、画像処理装置1のCPU101がROM102等の記録媒体に記録された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0057】
画像処理装置1は、ステップS1で初期化処理を実行し、ステップS2でアイドル状態に移行する。次いでステップS3で定時処理を行い、ステップS4で入力イベント、例えばユーザによる画像処理装置1の使用要求、端末装置6からのプリント要求、他の画像処理装置2〜4からのアプリケーションの取得要求等があるかどうか等を判断する。
【0058】
入力イベントがあれば(ステップS4でYES)、ステップS5で入力イベントに対応する各種の処理を実行した後、ステップS3に戻る。入力イベントがなければ(ステップS4でNO)、そのままステップS3に戻る。
【0059】
図5は、入力イベントとして、画像処理装置1のユーザが、サーバ5からアプリケーションを取得する指示を画像処理装置1に対して行ったときの、アプリ取得処理を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS11で、ユーザ操作に基づいてサーバ5からアプリケーションを取得した後、ステップS12で、EEPROM104のアプリ登録テーブル(図3)に登録されているアプリケーションのうち、移動可能アプリ以外のアプリケーションの個数が上限値に達しているかどうかを調べる。上限値に達していれば(ステップS12でYES)、ステップS13で、移動可能アプリ以外のアプリケーションの使用率を、EEPROM104に保存されている画像処理装置1の使用履歴に基づいて調べ、使用率の最も低いアプリケーションを、移動可能アプリとして登録する。そしてステップS14に進み、前記取得したアプリケーションをアプリ登録テーブルに新規に登録する。
【0061】
ステップS12において、移動可能アプリ以外のアプリケーションの個数が上限値に達していなければ(ステップS12でNO)、そのままステップS14に進み、取得したアプリケーションをアプリ登録テーブルに登録する。
【0062】
次いで、ステップS15で登録したアプリケーションをインストールして使用可能としたのち、リターンする。
【0063】
図6は、図4のステップS3の定時処理で実行されるアプリケーションの使用状況を定期的にチェックする処理を示すフローチャートである。この処理は、所定期間使用されていないアプリケーションを、他の画像処理装置に移動可能なアプリケーションとして登録する処理である。
【0064】
ステップS21において、チェック周期が到来したかどうかを判断し、到来しなければ(ステップS21でNO)、何もすることなくリターンする。到来すると(ステップS21でYES)、ステップS22でアプリケーションの使用履歴を取り出し、ステップS23で、アプリ登録テーブルに登録されている移動可能アプリ以外のアプリケーションが所定期間不使用であるかどうかを判断する。
【0065】
不使用でなければ(ステップS23でNO)、そのままリターンする。予め設定された所定期間不使用であれば(ステップS23でYES)、ステップS24で、そのアプリケーションを移動可能なアプリケーションとしてアプリ登録テーブルに登録したのち、リターンする。
【0066】
図5及び図6のフローチャートで示される処理により、アプリ登録テーブルに登録されている移動可能アプリ以外のアプリケーションの数が上限値に達している時の使用率の低いアプリケーションや、所定期間使用されていないアプリケーションが、他の画像処理装置に移動可能なアプリケーションとしてアプリ登録テーブルに登録される。
【0067】
図7は、図4のステップS3の定時処理で実行されるアプリケーションサーバ動作チェック処理のフローチャートである。
【0068】
この処理は、画像処理装置1自身がアプリケーションサーバとして機能するかどうかを決定する処理である。
【0069】
ステップS31で、少なくとも一つのアプリケーションが、アプリ登録テーブルに登録されているかどうかを判断する。登録されていれば(ステップS31でYES)、ステップS32で、そのアプリケーションが移動可能アプリかどうかを判断し、移動可能アプリであれば(ステップS32でYES)、ステップS33で、アプリサーバとしての機能を起動した後、リターンする。即ち、他の画像処理装置2〜4のいずれかからアプリケーションの取得要求があれば、指定されたアプリケーションを他の画像処理装置2〜4に送信できる状態にしておくことにより、サーバ5と同様の機能を発揮させるものである。
【0070】
アプリケーションがアプリ登録テーブルに登録されていない場合(ステップS31でNO)、あるいは登録されていても移動可能アプリでない場合は(ステップS32でNO)、他の画像処理装置に移動できるアプリケーションは存在しないので、ステップS34に進み、アプリサーバ機能が起動中かどうかを判断する。起動中でなければ(ステップS34でNO)、そのままリターンし、起動中であれば(ステップS34でYES)、ステップS35でアプリサーバ機能を停止し、リターンする。
【0071】
図8は、図4のステップS4の入力イベントとして、他の画像処理装置2〜4からアプリケーションの取得要求があった場合に実行されるアプリ送信処理を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS41で、他の画像処理装置2〜4からログイン要求があるかどうかを判断する。なければ(ステップS41でNO)、リターンする。ログイン要求があれば(ステップS41でYES)、ステップS42で、要求元の画像処理装置2〜4に画像処理装置(MFP)であることの証明を要求する。この証明により、アプリケーションをインストール可能であるかどうかを判断する。
【0073】
ステップS43では、証明を受信したかどうかを調べ、受信しなければ(ステップS43でNO)、リターンする。受信すると(ステップS43でYES)、ステップS44で、証明に含まれる画像処理装置のコードをチェックし、ステップS45で、確かに画像処理装置であるかどうか(適正かどうか)を判断する。
【0074】
適正でなければ(ステップS45でNO)、リターンする。適正であれば(ステップS45でYES)、ステップS46で、ログインを許可する。
【0075】
次いで、ステップS47で、アプリ取得要求がなされたかどうかを判断する。アプリ取得要求がなされなければ(ステップS47でNO)、リターンする。この場合、アプリ取得要求以外の要求であれば、その要求に応じた処理が行われる。
【0076】
アプリ取得要求がなされれば(ステップS47でYES)、ステップS48で、指定されたアプリケーションを送信し、ステップS49で送信したアプリケーションを削除する。これにより、アプリケーションが画像処理装置1と他の画像処理装置2〜4に同時に存在する不都合を解消でき、ライセンス制度の意義を担保できる。なお、移動可能なアプリケーションの種類を要求元の画像処理装置2〜4に知らせることにより、要求元の画像処理装置2〜4のユーザが、取得を希望するアプリケーションの選択を容易にしても良い。
【0077】
次いで、ステップS50で、要求元の画像処理装置2〜4を操作するユーザの端末装置6等の予め設定されている所定の宛先に、ライセンスキーを電子メールやその他の方法により通知して、リターンする。
【0078】
要求元の画像処理装置2〜4を操作するユーザは、前記通知されたライセンスキーを画像処理装置2〜4に入力すれば、アプリケーションをインストールして使用することができる。
【0079】
このように、この実施形態では、アプリケーションがインストールされた画像処理装置1自身がサーバとして機能することにより、アプリケーションを他の画像処理装置2〜4に移動させることができるから、他の画像処理装置2〜4はサーバ5からアプリケーションを取得しなくても、取得したのと同様にアプリケーションを使用することができ、アプリケーションを利用するユーザの利便性を向上することができる。
【0080】
図9は、画像処理装置1がサーバ5からアプリケーションを取得してインストールする際の画像処理装置1とサーバ5の動作を説明するためのフローチャートである。
【0081】
画像処理装置1のユーザが、ステップS51で、サーバ5への接続操作を画像処理装置1に対して行うと、画像処理装置1はステップS61で、サーバ5にログイン要求を行う。
【0082】
サーバ5はステップS71で、画像処理装置1に対し、画像処理装置(MFP)であることの証明を要求すると、画像処理装置1はその要求に対し、ステップS62で証明をサーバ5に送信する。
【0083】
サーバ5はステップS72で、証明に含まれている画像処理装置のコードをチェックし、適正であればステップS73でログインを許可する。
【0084】
画像処理装置1のユーザが、ステップS52で、インストールするアプリケーションを選択すると、画像処理装置1はステップS63で、アプリケーションの取得要求をサーバ5に送信する。
【0085】
この取得要求に対し、サーバ5はステップS74で、指定されたアプリケーションを画像処理装置1に送信したのち、ステップS75で、ユーザの端末装置6に電子メール等によりライセンスキーを通知する。ステップS53で、画像処理装置1のユーザが通知されたライセンスキーを画像処理装置1に入力すると、画像処理装置1はステップS64で、アプリケーションのインストールを実行する。
【0086】
図10は、画像処理装置1にインストールされたアプリケーションを、他の画像処理装置2に移動する場合の、画像処理装置1及び画像処理装置2の動作を説明するためのフローチャートである。
【0087】
画像処理装置1のユーザが、ステップS101で、必要に応じて登録アプリケーションに対して不使用設定を行う。また、移動可能なアプリケーションが存在すれば、ステップS102で、画像処理装置1はアプリサーバ機能を起動する。
【0088】
画像処理装置2のユーザがステップS81で、画像処理装置1への接続操作を行うと、画像処理装置2はステップS91で、画像処理装置1に対してログインを要求する。この要求を受信した画像処理装置1は、ステップS103で、画像処理装置2に画像処理装置(MFP)であることの証明を要求する。画像処理装置2はその要求に対し、ステップS92で証明を画像処理装置1に送信する。
【0089】
画像処理装置1はステップS104で、証明に含まれている画像処理装置のコードをチェックし、適正であればステップS105でログインを許可する。
【0090】
画像処理装置2のユーザが、ステップS82で、インストールするアプリケーションを選択すると、画像処理装置2はステップS93で、アプリケーションの取得要求を画像処理装置1に送信する。
【0091】
この取得要求に対し、画像処理装置1はステップS106で、指定されたアプリケーションを画像処理装置2に送信したのち、ステップS107で、送信したアプリケーションを削除する。次いで、ステップS108で、ユーザの端末装置6に電子メール等によりライセンスキーを通知する。画像処理装置2のユーザが、ステップS83で、ライセンスキーを画像処理装置2に入力すると、画像処理装置2はステップS94で、アプリケーションのインストールを実行する。
【0092】
このようにして、画像処理装置1と画像処理装置2間でのアプリケーションの移動が実行される。
【0093】
なお、以上の実施形態では、アプリケーションが移動可能アプリテーブルに登録されている場合に、前記登録されているアプリケーションの他の画像処理装置への送信が可能となされている構成としたが、アプリケーションが移動可能アプリテーブルに登録されており、かつアプリケーションに使用不可設定がなされている場合に限り、他の画像処理装置2への移動を許可する構成としても良い。
【0094】
この場合のアプリケーションサーバ動作チェック処理のフローチャートを、図11に示す。この処理は、画像処理装置1自身がアプリケーションサーバとして機能するかどうかを決定する処理であり、図7の処理に対応するものである。
【0095】
ステップS111で、少なくとも一つのアプリケーションが、アプリ登録テーブルに登録されているかどうかを判断する。登録されていれば(ステップS111でYES)、ステップS112で、そのアプリケーションが移動可能アプリかどうかを判断し、移動可能アプリであれば(ステップS112でYES)、ステップS113で、そのアプリケーションに使用不可が設定されているかどうかを判断する。
【0096】
使用不可が設定されていれば(ステップS113でYES)、ステップS114で、画像処理装置1のアプリサーバとしての機能を起動した後、リターンする。即ち、他の画像処理装置2〜4のいずれかからアプリケーションの取得要求があれば、指定されたアプリケーションを他の画像処理装置2〜4に送信できる状態にしておくことにより、サーバ5と同様の機能を発揮させるものである。
【0097】
アプリケーションがアプリ登録テーブルに登録されていない場合(ステップS111でNO)、あるいは登録されていても移動可能アプリでない場合(ステップS112でNO)、さらにはアプリケーションに使用不可が設定されていない場合(ステップS113でNO)は、他の画像処理装置2〜4に移動できるアプリケーションは存在しないので、ステップS115に進み、アプリサーバ機能が起動中かどうかを判断する。起動中でなければ(ステップS115でNO)、そのままリターンし、起動中であれば(ステップS115でYES)、ステップS116でアプリサーバ機能を停止し、リターンする。
【0098】
図11の実施形態では、移動可能アプリとして登録されていても、使用不可が設定されていなければ他の画像処理装置2〜4に移動させることはできないので、図7の処理のように一定期間不使用のアプリケーションであれば移動可能となる場合に較べて、一定期間不使用のアプリケーションであることに加えて使用不可というユーザの意思を確認した上で、アプリケーションを他の画像処理装置2〜4に移動させることができ、アプリケーションの移動に対してより慎重を期すことができる。
【0099】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。
【0100】
例えば、アプリケーションが所定期間使用されなかった場合に、移動可能アプリとして登録される構成としたが、所定期間使用されなかったかどうかを問わず、使用不可設定がなされたアプリケーションを移動可能アプリとして登録する構成としても良い。
【0101】
また、移動可能アプリとして登録されていなくても、画像処理装置1のユーザが許可したアプリケーションを移動させる構成としても良いし、登録を行うことなく、所定期間使用されなかったアプリケーションや、使用不可設定がなされたアプリケーションを、他の画像処理装置に移動させる構成としても良い。
【符号の説明】
【0102】
1〜4 画像処理装置
5 サーバ
6 端末装置
7 ネットワーク
15 操作パネル
10 制御部
101 CPU
102 ROM
104 EEPROM
105 記憶部
107 通信インターフェース部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストール手段と、
前記インストール手段によりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により接続を受け付けた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの取得要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記インストール手段によりインストールされた前記アプリケーションを使用不可状態に設定可能な設定手段を備え、
前記送信手段は、前記設定手段により、アプリケーションを使用不可状態に設定されている場合に限り、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
移動可能なアプリケーションを登録する登録手段を備え、
前記送信手段は、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして前記登録手段に登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記登録手段は、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、前記登録手段は、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記送信手段によりアプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する削除手段を備えている請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記送信手段によりアプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記要求元の画像処理装置での前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する通知手段を備えている請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストールステップと、
前記インストールステップによりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて接続を受け付けられた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信ステップと、
を備えたことを特徴とする画像処理装置におけるアプリケーションの移動方法。
【請求項9】
サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストールステップと、
前記インストールステップによりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて接続を受け付けられた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信ステップと、
を画像処理装置のコンピュータに実行させるためのアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項10】
前記インストールステップにおいてインストールされた前記アプリケーションを使用不可状態に設定可能な設定ステップを、さらに前記コンピュータに実行させ、
前記送信ステップでは、前記設定ステップにおいて、アプリケーションを使用不可状態に設定されている場合に限り、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させる請求項9に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項11】
移動可能なアプリケーションを登録する登録ステップをさらに前記コンピュータに実行させ、
前記送信ステップでは、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして前記登録ステップにおいて登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させる請求項9または10に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項12】
前記登録ステップでは、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理を前記コンピュータに実行させる請求項11に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項13】
サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、前記登録ステップでは、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理を前記コンピュータに実行させる請求項11に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項14】
前記送信ステップにおいてアプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する削除ステップをさらにコンピュータに実行させる請求項9〜13のいずれかに記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項15】
前記送信ステツプにおいてアプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記要求元の画像処理装置で前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する通知ステップをさらにコンピュータに実行させる請求項9〜14のいずれかに記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項1】
サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストール手段と、
前記インストール手段によりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により接続を受け付けた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段により、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの取得要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記インストール手段によりインストールされた前記アプリケーションを使用不可状態に設定可能な設定手段を備え、
前記送信手段は、前記設定手段により、アプリケーションを使用不可状態に設定されている場合に限り、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
移動可能なアプリケーションを登録する登録手段を備え、
前記送信手段は、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして前記登録手段に登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記登録手段は、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、前記登録手段は、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記送信手段によりアプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する削除手段を備えている請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記送信手段によりアプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記要求元の画像処理装置での前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する通知手段を備えている請求項1〜6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストールステップと、
前記インストールステップによりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて接続を受け付けられた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信ステップと、
を備えたことを特徴とする画像処理装置におけるアプリケーションの移動方法。
【請求項9】
サーバからアプリケーションを取得してインストールするインストールステップと、
前記インストールステップによりアプリケーションがインストールされている状態で、他の画像処理装置からなされた前記アプリケーションの移動のための接続を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて接続を受け付けられた前記他の画像処理装置が、前記アプリケーションをインストール可能かどうかを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにおいて、前記他の画像処理装置が前記アプリケーションをインストール可能であると判断された場合に、前記他の画像処理装置からの要求に応じて、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する送信ステップと、
を画像処理装置のコンピュータに実行させるためのアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項10】
前記インストールステップにおいてインストールされた前記アプリケーションを使用不可状態に設定可能な設定ステップを、さらに前記コンピュータに実行させ、
前記送信ステップでは、前記設定ステップにおいて、アプリケーションを使用不可状態に設定されている場合に限り、前記アプリケーションを要求元の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させる請求項9に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項11】
移動可能なアプリケーションを登録する登録ステップをさらに前記コンピュータに実行させ、
前記送信ステップでは、他の画像処理装置から取得要求されたアプリケーションが、移動可能なアプリケーションとして前記登録ステップにおいて登録されている場合に限り、前記アプリケーションを前記他の画像処理装置に送信する処理を前記コンピュータに実行させる請求項9または10に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項12】
前記登録ステップでは、アプリケーションが一定期間使用されないときに該アプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理を前記コンピュータに実行させる請求項11に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項13】
サーバから取得したアプリケーションの数が、予め設定された上限値を超えた場合、前記登録ステップでは、使用率の低いアプリケーションを移動可能なアプリケーションとして登録する処理を前記コンピュータに実行させる請求項11に記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項14】
前記送信ステップにおいてアプリケーションが送信された場合、該アプリケーションを削除する削除ステップをさらにコンピュータに実行させる請求項9〜13のいずれかに記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【請求項15】
前記送信ステツプにおいてアプリケーションが要求元の画像処理装置に送信された場合、前記要求元の画像処理装置で前記アプリケーションの使用を可能とするためのライセンスキーを、要求元の画像処理装置のユーザの所定の宛先に通知する通知ステップをさらにコンピュータに実行させる請求項9〜14のいずれかに記載のアプリケーションの移動処理プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−150577(P2012−150577A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7369(P2011−7369)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]