説明

画像処理装置、情報処理方法及び記憶媒体

【課題】自装置以外に保持されているデータを再取得する場合に、データ再取得にかかる時間を低減し、速やかなデータ出力を実現する画像処理装置、情報処理方法及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】外部装置で保持される外部保持データの一部を構成する構成データを蓄積するデータ蓄積手段と、外部保持データを記述するためのデータであり、構成データを示す情報を含む記述データを外部装置から取得し、構成データを示す情報に該当する外部装置で保持される構成データが、データ蓄積手段に蓄積された構成データよりも新しくない場合、記述データを送出する通信手段と、データ蓄積手段に蓄積された構成データを取得し、通信手段から送出された記述データと合成して、外部保持データを出力可能なデータを生成する合成変換手段と、合成変換手段により生成されたデータを出力する出力手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク網を介してデータを取得することが可能な画像処理装置、情報処理方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータなどの情報処理装置を介さずに、Webサーバから必要なデータを直接取得し、取得したデータを印刷可能なデータに変換して出力(例えば、表示・印刷など)することが可能な画像処理装置は既に知られている。
【0003】
また、Webサーバから取得したデータを出力するときに、画像処理装置内のブラウザを用いて、出力するデータを閲覧することが可能であり、かつ、取得したデータを画像処理装置内に蓄積し、再出力するときにはその蓄積データを使用することにより、データ取得のコストを排することが可能な画像処理装置も既に知られている。
【0004】
このような画像処理装置の例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている装置は、Webサーバ上のデータを印刷することを目的としており、Webサーバにアクセスしてデータを取得し、取得したデータを印刷する。
【特許文献1】特開2008−3991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような装置では、Webサーバ上のデータが更新された場合には、改めて全てのデータを再取得することが必要である。よって、データの再取得に時間がかかってしまい、再取得したデータを出力するにも時間がかかってしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、自装置以外に保持されているデータを再取得する場合に、データ再取得にかかる時間を低減し、速やかなデータ出力を実現する画像処理装置、情報処理方法及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明の画像処理装置は、外部装置で保持される外部保持データの一部を構成する構成データを蓄積するデータ蓄積手段と、外部保持データを記述するためのデータであり、構成データを示す情報を含む記述データを外部装置から取得し、構成データを示す情報に該当する外部装置で保持される構成データが、データ蓄積手段に蓄積された構成データよりも新しくない場合、記述データを送出する通信手段と、データ蓄積手段に蓄積された構成データを取得し、通信手段から送出された記述データと合成して、外部保持データを出力可能なデータを生成する合成変換手段と、合成変換手段により生成されたデータを出力する出力手段と、を有することを特徴する。
【0008】
また、本発明の画像処理装置において、通信手段は、外部装置から取得した記述データに、構成データを示す情報が含まれているか否かを判断する第1の判断を行い、第1の判断の結果、記述データに、構成データを示す情報が含まれている場合、構成データを示す情報に該当する構成データがデータ蓄積手段に蓄積済みであるか否かを判断する第2の判断を行い、第2の判断の結果、データ蓄積手段に蓄積済みである場合、構成データを示す情報に該当する外部装置で保持される構成データと、データ蓄積手段に蓄積された構成データとのどちらが新しいかを、各構成データに紐付けられた日時情報に基づいて判断する第3の判断を行い、第3の判断の結果、外部装置で保持される構成データが、データ蓄積手段に蓄積された構成データよりも新しくない場合、記述データを合成変換手段に送出するようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の画像処理装置において、通信手段は、第3の判断の結果、外部装置で保持される構成データが、データ蓄積手段に蓄積された構成データよりも新しい場合、外部装置で保持される構成データを取得し、取得した構成データを、データ蓄積手段に蓄積された構成データに上書きした後、記述データを合成変換手段に送出するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の画像処理装置において、通信手段は、第1の判断の結果、記述データに、構成データを示す情報が含まれていない場合、記述データを合成変換手段に送出するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の画像処理装置において、通信手段は、第2の判断の結果、構成データが、データ蓄積手段に蓄積済みではない場合、外部装置で保持される構成データを取得し、取得した構成データを、データ蓄積手段に蓄積するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の画像処理装置において、通信手段は、予め指定された構成データを外部装置から取得しないように制御してもよい。
【0013】
本発明の情報処理方法は、外部装置で保持される外部保持データの一部を構成する構成データを蓄積するデータ蓄積ステップと、外部保持データを記述するためのデータであり、構成データを示す情報を含む記述データを外部装置から取得し、構成データを示す情報に該当する外部装置で保持される構成データが、データ蓄積ステップに蓄積された構成データよりも新しくない場合、記述データを送出する通信ステップと、データ蓄積ステップで蓄積された構成データを取得し、通信ステップで送出された記述データと合成して、外部保持データを出力可能なデータを生成する合成変換ステップと、合成変換ステップにより生成されたデータを出力する出力ステップと、を有することを特徴する。
【0014】
また、本発明の情報処理方法において、通信ステップは、さらに、外部装置から取得した記述データに、構成データを示す情報が含まれているか否かを判断する第1の判断ステップと、第1の判断ステップの結果、記述データに、構成データを示す情報が含まれている場合、構成データを示す情報に該当する構成データがデータ蓄積ステップに蓄積済みであるか否かを判断する第2の判断ステップと、第2の判断ステップの結果、データ蓄積ステップで蓄積済みである場合、構成データを示す情報に該当する外部装置で保持される構成データと、データ蓄積ステップで蓄積された構成データとのどちらが新しいかを、各構成データに紐付けられた日時情報に基づいて判断する第3の判断ステップと、第3の判断ステップの結果、外部装置で保持される構成データが、データ蓄積ステップで蓄積された構成データよりも新しくない場合、記述データを送出する第1の送出ステップと、を有するようにしてもよい。
【0015】
本発明の記憶媒体は、外部装置で保持される外部保持データの一部を構成する構成データを蓄積するデータ蓄積処理と、外部保持データを記述するためのデータであり、構成データを示す情報を含む記述データを外部装置から取得し、構成データを示す情報に該当する外部装置で保持される構成データが、データ蓄積処理に蓄積された構成データよりも新しくない場合、記述データを送出する通信処理と、データ蓄積処理で蓄積された構成データを取得し、通信処理で送出された記述データと合成して、外部保持データを出力可能なデータを生成する合成変換処理と、合成変換処理により生成されたデータを出力する出力処理と、をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自装置以外に保持されているデータを再取得する場合に、データ再取得にかかる時間を低減し、速やかなデータ出力を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【0018】
以下に、図1から図5を用いて、本発明の実施形態における画像処理装置について説明する。なお、本実施形態では、画像処理装置の一例として、コピー、ファクシミリ、スキャナ、プリント等の複合機能を有するMFP(Multi Function Peripheral)100を用いて説明する。なお、画像処理装置の適用例としては、MFP100に限られることなく、ファクシミリ装置、プリンタ装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯電話機、カーナビゲーション装置等が含まれることは言うまでもない。
【0019】
図2は、本発明の画像処理装置の一例である、MFP100のハードウェア構成を示す図である。図1に示すように、MFP100は、コントローラ110、通信インターフェース120、スキャナエンジン130、プリンタエンジン140、FAXボード150、ユーザインターフェース160、可搬性記録媒体読取装置170、HDD(Hard Disk Drive)180、バスライン190により構成される。
【0020】
コントローラ110は、MFP100の全体の処理を制御する。
コントローラ110はその内部構成として、CPU(Central Processing Unit)111、CPU111を制御するプログラム等の固定的なデータを予め格納したROM(Read Only Memory)112、各種データを一時的に記憶するエリアを形成するRAM(Random Access Memory)113、とから構成される。
【0021】
通信インターフェース120は、コントローラ110によって制御され、MFP100の外部装置との通信を行う。この通信インターフェース120により、本実施形態のMFP100は、例えば図1に示すように、インターネット網上のWebサーバ300と通信を行うことができる。なお、通信インターフェース120は、イーサネット(登録商標)インターフェース、IEEE1284インターフェース、または、その他のインターフェースでも構成可能である。
【0022】
スキャナエンジン130は、コントローラ110によって制御され、画像読取処理を実行する機能を有する。
【0023】
プリンタエンジン140は、コントローラ110によって制御され、画像形成処理(例えば、印刷処理)を実行する。なお、プリンタエンジン140は、レーザービームプリンタ、インクジェットプリンタ、または、その他のプリンタでも構成可能である。
【0024】
FAXボード150は、コントローラ110によって制御され、ファクシミリ通信処理を実行する。
【0025】
ユーザインターフェース160は、コントローラ110から送られた情報の表示を行うとともに、ユーザにより入力された情報をコントローラ110に伝えることができる。つまり、ユーザに対する情報の出力や、ユーザからの指示の入力を行う。なお、ユーザインターフェース160としては、例えば、ディスプレイ(例えば、LCTやCRT等)、ポインティングデバイス(例えば、マウス、タッチペン等)や、キーボードによって構成可能である。さらに、他の構成として、タッチパネル、音声インターフェース等を利用することができる。
【0026】
可搬性記録媒体読取装置170は、コントローラ110によって制御され、ICカード、フロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬性記録媒体の記録情報を読み込む処理を実行する。また、可搬性記録媒体読取装置170は、コントローラ110からの指示により可搬性記録媒体へアクセスし、可搬性記録媒体から情報を読み出して、コントローラ110に通知する。
【0027】
HDD180は、各種データの書き込み、及び、読出しを行う機能を有する。そして、バスライン190は、これらコントローラ110と、通信インターフェース120、スキャナエンジン130、プリンタエンジン140、FAXボード150、ユーザインターフェース160、可搬性記録媒体読取装置170、HDD180を電気的に接続している。なお、バスライン190には、アドレスバス、データバス等を利用することができる。
【0028】
以上のような構成を有するMFP100において、プリンタエンジン140を選択することでプリントジョブの発行が可能となる。また、スキャナエンジン130を選択することでスキャンジョブの発行が可能となる。さらに、プリンタエンジン140とスキャナエンジン130とを選択することで、コピージョブの発行が可能となる。また、プリンタエンジン140とスキャナエンジン130とFAXボード150とを選択することで、ファクシミリ受信ジョブ及びファクシミリ送信ジョブの発行が可能となる。
【0029】
次に、本実施形態に係るMFP100が有する機能を、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係るMFP100の機能ブロック図である。図3に示すように、MFP100は、表示手段210、アドレス管理手段220、通信手段230、データ蓄積手段240、合成変換手段250、印刷手段260を備える。
【0030】
表示手段210は、各種データを画面表示により出力する。特に、表示手段210は、HTMLデータを解釈して表示するブラウザ機能を有する。また、表示手段210は、MFP100を操作するユーザからの指示を受け付けるタッチパネル機能を有する。ユーザからの指示の例としては、表示したいWebページのアドレス(例えば、URL)を指定する指示や、Webサーバ300から取得することが不要なデータを指定する指示のほか、データを出力するときの条件を設定する指示などを挙げることができる。なお、表示手段210は、ユーザに選択肢(例えば、メニュー等)を提示し、指示入力を促す構成を採用してもよい。指示入力手段210は、図2に示すユーザインターフェース160により実現される。
【0031】
アドレス管理手段220は、表示手段210を介してユーザにより入力されたWebページのアドレスをブックマークして管理する。以下、Webページのアドレスの例をURLとして説明する。管理の例としては、ユーザによりブックマーク登録の指示を受けたURLを「ブックマーク選択リスト」として保持する。ユーザによりブックマーク選択リストの提示要求を受けた場合には、ブックマーク選択リストを提示するためのデータを表示手段210に渡す。表示手段210は、このデータを受けてブックマーク選択リストを表示する。そして、表示手段210に表示されたブックマーク選択リスト上の所定のURLがユーザにより選択された場合、アドレス管理手段220は、表示手段210にて選択されたURLを示すデータを通信手段220へ渡す。アドレス管理手段220は、図2に示すユーザインターフェース160及びHDD180により実現される。
【0032】
ここで、表示手段210の一例について、図4を参照して説明する。図4は、表示手段210による画面表示の例である。図4に示す画面は、タッチパネルとなっており、ユーザは画面上の所望の位置を指などで触れることにより、指示を入力することができる。表示領域10には、指定されたURLのWebページ、ブックマーク選択リスト13やソフトウェアキーボード14などが表示される。ブックマーク選択リスト13は、予めブックマークされたURLをリスト形式で提示する。ソフトウェアキーボード14は、ユーザが文字や記号などを入力するために用いられる仮想キーボードであり、例えば一般的なパーソナルコンピュータに備えられるキーボードと同様の文字配列である。表示領域10の上部には、URL入力領域11と、ブックマーク操作ボタン12とが備えられる。URL入力領域11には、ユーザがソフトウェアキーボード14を指などでタッチすることで、URLが入力される。ブックマーク操作ボタン12は、ユーザがブックマークに関する操作を行いたいときに押下するボタンである。このブックマーク操作ボタン12をユーザが指などでタッチすると、例えば、「ブックマーク表示」、「ブックマーク追加」、「ブックマーク削除」などのメニューが表示領域10に表示される。表示された「ブックマーク表示」をユーザがタッチすると、図4に示すようにブックマーク選択リスト13が表示され、予めブックマークされたURL(又は、そのURLを示す名前、題名)が表示される。図4の例では、ニュース、天気、株価、番組表のWebページがブックマークされている。また、URL入力領域11に所定のURLが入力された状態で「ブックマーク追加」がユーザにより選択されると、入力されたURLがブックマーク選択リスト13に追加される。また、ユーザにより、ブックマーク選択リスト13の所定のURLが選択された状態で「ブックマーク削除」が選択されると、選択されたURLがブックマーク選択リスト13から削除される。
【0033】
通信手段230は、MFP100以外の装置・機器と通信を行う。本実施形態では、通信手段230は、表示手段210にて直接入力されたURLあるいはブックマーク選択リストから選択されたURLに従って、インターネット網上のWebサーバ300と通信を行う。そして、通信手段230は、Webサーバ300へデータ取得要求を送り、Webサーバ300が保持するデータを取得する。ここで、Webサーバ300から取得するデータとしては、例えば、Webページ(外部保持データの一例)を記述するための記述データや、Webページを実際に構成する構成データが挙げられる。なお、以下の説明では、記述データの例をHTMLデータとし、また、構成データの例を画像データとして説明するが、これらの例に限定されない。通信手段230は、Webサーバ300からHTMLデータを取得した場合は、そのHTMLデータ(以下、取得HTMLデータという)を合成変換手段250へ渡す。また、通信手段230は、Webサーバ300から画像データを取得した場合は、その画像データ(以下、取得画像データという)をデータ蓄積手段240へ渡す。
【0034】
また、通信手段230は、以下の各種判断を行う。まず、通信手段230は、HTMLデータを取得したときに、その取得HTMLデータが、取得時間のかかるデータを含むか否かを判断する。ここで、「取得時間のかかるデータ」とは、例えば上記構成データのことであり、その例として画像データが挙げられる。次に、通信手段230は、取得HTMLデータに画像データが含まれる場合に、その画像データを予めデータ蓄積手段240に蓄積しているか否かを判断する。次に、通信手段230は、予めデータ蓄積手段240に蓄積している画像データ(以下、蓄積画像データという)と、取得HTMLデータに含まれる画像データのどちらが新しいかを判断する。ここで、「取得HTMLデータに含まれる画像データ」とは、例えば、現在Webサーバ300が提供するWebページを構成している画像データのことである。この判断は、それぞれの画像データに紐付けられている、その画像データの作成日などを示す日時情報を比較することで行われる。すなわち、通信手段230は、Webサーバ300へアクセスし、取得HTMLデータに含まれる画像データの日時情報を取得するとともに、データ蓄積手段240から蓄積画像データを取得してその蓄積画像データの日時情報を取得する。そして、それぞれの日時情報を比較し、どちらが新しいかを判断する。通信手段230は、取得HTMLデータに含まれる画像データの方が新しい場合、その画像データ(以下、更新データという)のみをWebサーバ300から取得し、データ蓄積手段240に渡す。これにより、データ蓄積手段240に蓄積されていた蓄積画像データは、更新データに上書きされて、更新される。なお、通信手段230は、表示手段210を介してユーザにより再取得不要と設定されたデータに関しても、Webサーバ300に対して再取得指示を出さない。通信手段230は、図2に示す通信インターフェース120及びコントローラ110により実現される。
【0035】
データ蓄積手段240は、各種データを蓄積・保存する。本実施形態では、通信手段230により取得されたデータを蓄積する。蓄積されるデータは、通信負荷の高いデータであり、例えば、画像データが挙げられる。画像データは、Webページを構成するロゴ、装飾、背景などの画像を含む。また、通信手段230が蓄積画像データの更新データをWebサーバ300から取得した場合には、データ蓄積手段240の蓄積画像データが更新データに置き換えられて蓄積される。データ蓄積手段240は、図2に示すHDD180により実現される。
【0036】
合成変換手段250は、データ蓄積手段240に蓄積されている蓄積データ(例えば、画像データ)と、通信手段230がWebサーバ300から取得した取得データ(例えば、HTMLデータ)とを合成し、Webページを完成させるためのデータを生成する。また、合成変換手段250は、データ合成を行う場合、表示手段210で表示するための表示用データや、印刷手段260で印刷するための印刷用データに変換する。表示手段210は、合成変換手段250からの表示用データに従って、Webページを画面表示する。合成変換手段250は、図2に示すコントローラ110により実現される。
【0037】
印刷手段260は、受け取ったデータを用紙等に印刷することにより出力する。本実施形態では、合成変換手段250からの印刷用データに従って、Webページを用紙等に印刷する。印刷手段260は、図2に示すプリンタエンジン140により実現される。
【0038】
次に、以上のように構成された本実施形態にかかるMFP100における処理の流れ(本発明の一実施形態である情報処理方法)について説明する。図5は、本実施形態に係るMFP100における、処理の流れを示すフローチャートである。
【0039】
まず、表示手段210において、ユーザ操作によりURLの指定が行われる(ステップS1)。URLの指定は、上述したように、図4に示すURL入力領域11への直接入力あるいはブックマーク選択リスト13からの選択によって指定される。通信手段23は、表示手段210又はアドレス管理手段220から、指定されたURLを受け取る。
【0040】
次に、通信手段230は、指定されたURL(例えば、図1に示すWebサーバ300)へアクセスする。このとき、通信手段230は、Webサーバ300上で提供されているWebページを記述するための記述データ(例えば、HTMLデータ)を取得する要求をWebサーバ300へ送り、該当するHTMLデータをWebサーバ300から取得する(ステップS2)。
【0041】
次に、通信手段230は、Webサーバ300から取得したHTMLデータ(以下、取得HTMLデータという)に、通信コストのかかるデータ(例えば、画像データ)を示す情報を含むかどうかを判断する(ステップS3)。この判断(以下、第1の判断という)では、例えば、取得HTMLデータ内に所定の画像データの拡張子を含むか否かが判断される。どのような拡張子を判断するようにするかは、予めユーザにより設定されるものとする。
【0042】
通信手段230は、第1の判断の結果、予め設定された画像データを示す情報を含まないと判断した場合(ステップS3/NO)、取得HTMLデータを合成変換手段250へ渡す。合成変換手段250は、取得HTMLデータを、表示手段210で表示するための表示用データや、印刷手段260で印刷するための印刷用データに変換し、表示手段210や印刷手段260に出力する(ステップS8)。なお、取得HTMLデータは、表示用データ及び印刷用データの少なくとも1つに変換されるが、どのデータに変換するかはユーザの指示や設定によるものとする。表示手段210は、表示用データに従ってWebページを画面表示する。印刷手段260は、印刷用データに従って用紙などに印刷を行う。
【0043】
通信手段230は、第1の判断の結果、予め設定された画像データを示す情報を含むと判断した場合(ステップS3/YES)、その情報が示す画像データがデータ蓄積手段240に蓄積済みであるか否かを判断する(ステップS4)。この判断(以下、第2の判断という)では、例えば、取得HTMLデータに含まれる画像データの識別子(例えば、拡張子の前の部分)と同じ識別子を持つ画像データが、データ蓄積手段240に有るか否かが判断される。
【0044】
通信手段230は、第2の判断の結果、データ蓄積手段240に蓄積されていないと判断した場合(ステップS4/NO)、Webサーバ300から当該画像データを取得し、データ蓄積手段240に蓄積する(ステップS6)。また、通信手段230は、取得HTMLデータを合成変換手段250へ渡す。合成変換手段250は、データ蓄積手段240に蓄積された蓄積画像データを取得し、取得HTMLデータと合成し、表示手段210で表示するための表示用データ及び印刷手段260で印刷するための印刷用データのうち少なくとも1つに変換する(ステップS7)。変換された各データは、ユーザにより指定された手段に出力される。
【0045】
通信手段230は、第2の判断の結果、データ蓄積手段240に既に蓄積されていると判断した場合(ステップS4/YES)、データ蓄積手段240に蓄積されている画像データと、Webサーバ300上の画像データとのどちらが新しいかを判断する(ステップS5)。ここで、「Webサーバ300上の画像データ」とは、例えば、取得HTMLデータに含まれる画像データのことである。この判断(以下、第3の判断という)では、それぞれの画像データに紐付けられている、当該画像データの作成日などを示す日時情報を比較することで新旧が判断される。すなわち、通信手段230は、Webサーバ300から、取得HTMLデータに含まれる画像データの日時情報を取得する。また、通信手段230は、データ蓄積手段240から、取得HTMLデータに含まれる画像データの識別子と同じ識別子を持つ画像データ(以下、蓄積画像データという)を取得し、その蓄積画像データの日時情報を取得する。そして、それぞれの日時情報を比較し、どちらが新しいかを判断する。
【0046】
通信手段230は、第3の判断の結果、取得HTMLデータに含まれる画像データが蓄積画像データより新しくないと判断した場合(ステップS5/NO)、Webサーバ300から当該画像データを取得せずに、取得HTMLデータを合成変換手段250へ渡す。合成変換手段250は、データ蓄積手段240に蓄積されている蓄積画像データを取得し、取得HTMLデータと合成し、表示手段210で表示するための表示用データ及び印刷手段260で印刷するための印刷用データのうち少なくとも1つに変換する(ステップS7)。変換された各データは、ユーザにより指定された手段に出力される。
【0047】
通信手段230は、第3の判断の結果、取得HTMLデータに含まれる画像データの方が蓄積画像データより新しいと判断した場合(ステップS5/YES)、当該画像データ(以下、更新データという)のみをWebサーバ300から取得し、データ蓄積手段240に渡す。これにより、データ蓄積手段240に蓄積されていた蓄積画像データは、更新データに上書きされて、更新される。また、通信手段230は、取得HTMLデータを合成変換手段250へ渡す。合成変換手段250は、データ蓄積手段240に蓄積された蓄積画像データを取得し、取得HTMLデータと合成し、表示手段210で表示するための表示用データ及び印刷手段260で印刷するための印刷用データのうち少なくとも1つに変換する(ステップS7)。変換された各データは、ユーザにより指定された手段に出力される。
【0048】
なお、上記実施形態の説明では、MFP100は、Webサーバ300からWebページをデータ取得する例としたが、Webページに限られない。また、上記実施形態の説明では、インターネット網を介してデータ取得する例としたが、インターネット網に限定されない。
【0049】
上述した本実施形態を要約すると以下のようになる。まず、Webサーバに保持されているWebページ(外部保持データの一例)を再取得する場合に備えて、MFPは、Webページを構成する構成データの中から予めユーザにより指示された構成データを取得し蓄積しておく。一般的にインターネット上で公開されているWebページでは、更新頻度の高いテキストデータや、更新頻度の低い画像データ(例えば、ロゴ、装飾、背景など)が構成データとして含まれていることが多いが、ここで予め蓄積される構成データは、更新頻度の低いデータ(例えば、画像データ)とする。その後、Webサーバ上にてWebページが更新された場合、Webページ全部を再取得すると時間がかかってしまうので、まず、MFPは、Webページを記述するための記述データであるHTMLデータを取得する。そして、MFPは、そのHTMLデータ内に画像データを示す情報(例えば、拡張子)が存在するか否かを判断する。この判断の結果、画像データを示す情報が存在する場合、MFPは、その情報が示す画像データが自装置内に予め蓄積済みであるか否かを判断する。この判断の結果、蓄積済みである場合、MFPは、蓄積済みの画像データと、画像データを示す情報に該当し、現在Webページを構成している画像データとのどちらが新しいかを判断する。この判断の結果、現在Webページを構成している画像データが蓄積済みの画像データよりも新しい場合、MFPは、新しい画像データを更新画像データと判断し、更新画像データのみを再取得する。再取得した更新画像データは、蓄積済みの画像データに上書きされる。そして、MFPは、更新画像データと、先に取得したHTMLデータとを合成し、所定の形式に変換し、更新されたWebページを出力できる合成変換データを生成する。そして、MFPは、合成変換データに基づいて、画面表示や印刷などのデータ出力を行う。一方で、上記判断の結果、現在Webページを構成している画像データが蓄積済みの画像データよりも新しくない場合、つまり、Webページの画像データが更新されていない場合は、MFPは、Webサーバから画像データの再取得を行わない。そして、MFPは、蓄積済みの画像データと、先に取得したHTMLデータとを合成し、所定の形式に変換し、更新されたWebページを出力できる合成変換データを生成する。そして、MFPは、合成変換データに基づいて、画面表示や印刷などのデータ出力を行う。
【0050】
以上のことから、本実施形態によれば、Webサーバで保持されるWebページを再取得する場合に、再取得のための時間を低減することができ、Webプルプリントの出力速度を早めることができる。よって、本実施形態では、データ取得にかかる時間を低減することで、通信コストの削減ができる。
【0051】
また、本実施形態では、表示画面に大型タッチパネルを採用することにより、URLの指定操作や取得不要とするデータの指定操作などをユーザが簡単にできる。よって、本実施形態では、さらにデータ出力の高速化を図ることができる。また、ユーザにとっても操作が行いやすいという利点がある。
【0052】
また、本実施形態では、MFPにブラウザ機能を備えるので、HTMLデータを解釈することができる。よって、パーソナルコンピュータなどを介せずにWebサーバから直接HTMLデータを取得し、データ出力(例えば、画面表示、印刷等)できる。従って、パーソナルコンピュータを介した場合のようにパーソナルコンピュータ上でラスタライズする必要がないので、データ出力の高速化を図ることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
【0054】
例えば、上述した各実施形態における動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
【0055】
ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させてもよい。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させてもよい。
【0056】
例えば、プログラムは、記録媒体(記憶媒体)としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納、記録しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
【0057】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送してもよい。または、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送してもよい。コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
【0058】
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置の接続例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る画像処理装置の表示画面例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る画像処理装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10 表示領域
11 URL入力領域
12 ブックマーク操作ボタン
13 ブックマーク選択リスト
14 ソフトウェアキーボード
100 MFP(本発明の画像処理装置の一例)
110 コントローラ
111 CPU
112 ROM
113 RAM
120 通信インターフェース
130 スキャナエンジン
140 プリンタエンジン
150 FAXボード
160 ユーザインターフェース
170 可搬性記録媒体読取装置
180 HDD
190 バスライン
210 表示手段(出力手段の一例)
220 アドレス管理手段
230 通信手段
240 データ蓄積手段
250 合成変換手段
260 印刷手段(出力手段の一例)
300 Webサーバ(外部装置の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置で保持される外部保持データの一部を構成する構成データを蓄積するデータ蓄積手段と、
前記外部保持データを記述するためのデータであり、前記構成データを示す情報を含む記述データを前記外部装置から取得し、前記構成データを示す情報に該当する前記外部装置で保持される構成データが、前記データ蓄積手段に蓄積された構成データよりも新しくない場合、前記記述データを送出する通信手段と、
前記データ蓄積手段に蓄積された構成データを取得し、前記通信手段から送出された前記記述データと合成して、前記外部保持データを出力可能なデータを生成する合成変換手段と、
前記合成変換手段により生成されたデータを出力する出力手段と、
を有することを特徴する画像処理装置。
【請求項2】
前記通信手段は、
前記外部装置から取得した前記記述データに、前記構成データを示す情報が含まれているか否かを判断する第1の判断を行い、
前記第1の判断の結果、前記記述データに、前記構成データを示す情報が含まれている場合、前記構成データを示す情報に該当する構成データが前記データ蓄積手段に蓄積済みであるか否かを判断する第2の判断を行い、
前記第2の判断の結果、前記データ蓄積手段に蓄積済みである場合、前記構成データを示す情報に該当する前記外部装置で保持される構成データと、前記データ蓄積手段に蓄積された構成データとのどちらが新しいかを、前記各構成データに紐付けられた日時情報に基づいて判断する第3の判断を行い、
前記第3の判断の結果、前記外部装置で保持される構成データが、前記データ蓄積手段に蓄積された構成データよりも新しくない場合、前記記述データを前記合成変換手段に送出することを特徴する請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記通信手段は、
前記第3の判断の結果、前記外部装置で保持される構成データが、前記データ蓄積手段に蓄積された構成データよりも新しい場合、前記外部装置で保持される構成データを取得し、
前記取得した構成データを、前記データ蓄積手段に蓄積された構成データに上書きした後、前記記述データを前記合成変換手段に送出することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記通信手段は、
前記第1の判断の結果、前記記述データに、前記構成データを示す情報が含まれていない場合、前記記述データを前記合成変換手段に送出することを特徴とする請求項2または3記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記通信手段は、
前記第2の判断の結果、前記構成データが、前記データ蓄積手段に蓄積済みではない場合、前記外部装置で保持される構成データを取得し、
前記取得した構成データを、前記データ蓄積手段に蓄積することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記通信手段は、
予め指定された構成データを前記外部装置から取得しないように制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
外部装置で保持される外部保持データの一部を構成する構成データを蓄積するデータ蓄積ステップと、
前記外部保持データを記述するためのデータであり、前記構成データを示す情報を含む記述データを前記外部装置から取得し、前記構成データを示す情報に該当する前記外部装置で保持される構成データが、前記データ蓄積ステップに蓄積された構成データよりも新しくない場合、前記記述データを送出する通信ステップと、
前記データ蓄積ステップで蓄積された構成データを取得し、前記通信ステップで送出された前記記述データと合成して、前記外部保持データを出力可能なデータを生成する合成変換ステップと、
前記合成変換ステップにより生成されたデータを出力する出力ステップと、
を有することを特徴する情報処理方法。
【請求項8】
前記通信ステップは、さらに、
前記外部装置から取得した前記記述データに、前記構成データを示す情報が含まれているか否かを判断する第1の判断ステップと、
前記第1の判断ステップの結果、前記記述データに、前記構成データを示す情報が含まれている場合、前記構成データを示す情報に該当する構成データが前記データ蓄積ステップに蓄積済みであるか否かを判断する第2の判断ステップと、
前記第2の判断ステップの結果、前記データ蓄積ステップで蓄積済みである場合、前記構成データを示す情報に該当する前記外部装置で保持される構成データと、前記データ蓄積ステップで蓄積された構成データとのどちらが新しいかを、前記各構成データに紐付けられた日時情報に基づいて判断する第3の判断ステップと、
前記第3の判断ステップの結果、前記外部装置で保持される構成データが、前記データ蓄積ステップで蓄積された構成データよりも新しくない場合、前記記述データを送出する第1の送出ステップと、
を有することを特徴する請求項7記載の情報処理方法。
【請求項9】
外部装置で保持される外部保持データの一部を構成する構成データを蓄積するデータ蓄積処理と、
前記外部保持データを記述するためのデータであり、前記構成データを示す情報を含む記述データを前記外部装置から取得し、前記構成データを示す情報に該当する前記外部装置で保持される構成データが、前記データ蓄積処理に蓄積された構成データよりも新しくない場合、前記記述データを送出する通信処理と、
前記データ蓄積処理で蓄積された構成データを取得し、前記通信処理で送出された前記記述データと合成して、前記外部保持データを出力可能なデータを生成する合成変換処理と、
前記合成変換処理により生成されたデータを出力する出力処理と、
をコンピュータに実行させるプログラムを記録したことを特徴する記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−267515(P2009−267515A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−111596(P2008−111596)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】