説明

画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム

【課題】多数の画像を表示する場合でも多大な負荷を与えることなく軽快に動作し、しかも、画像の拡大表示操作を行っても精細な画像を表示することができる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供すること。
【解決手段】画像処理システムは、クライアント装置100と、サーバ装置110とを備え、サーバ装置110は、外部IF部111と、サムネイル生成処理部113と、画像DB記憶部114と、集合画像生成処理部115と、画像配置決定処理部116と、表示画面制御処理部117とを備え、表示画面制御処理部117は、画像の表示倍率が小さい場合は高速に表示が可能な集合画像を表示し、画像の表示倍率が大きい場合は個々のサムネイル画像を表示し、両者が切り替わる倍率付近では集合画像を表示するとともに個々の画像をも表示するよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データベースに蓄積された画像データに対して、サムネイル一覧等の複数画像の一覧表示画面データを生成する機能を備えた画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナ等の入力デバイスを使用して紙文書を電子化する例えば電子ファイリング等の装置は存在していたが、大量に紙文書を扱う業務用途として使用されるにとどまっていた。
【0003】
近年、スキャナの低価格化やスキャン機能を搭載したMFP(Multi Function Printer)の普及、またe−文書法(電子文書法)等の法制化により一般的なオフィスにおいてもそのハンドリングの良さや利便性が認知され、紙文書をスキャンして電子化する機会が増えてきている。
【0004】
また、電子化された文書画像データや写真画像データ、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)等のアプリケーションによって作成された文書データ等をデータベース(以下「DB」という。)化して一元管理する画像DBの用途も併せて増えてきており、例えば紙文書の原本を保存しておく必要があっても管理のし易さ、検索のし易さという点で画像DBを構築する場合もある。
【0005】
画像DBとしては、サーバ装置を設置してインターネットやLANを介して多数の人がアクセスする大規模なものから、個人のPC内にDBを構築するパーソナル用途のものまで様々であり、例えば、近年のMFPでは内臓のハードディスクドライブ(以下「HDD」という。)に文書データを蓄積する機能を備えており、MFPをベースとした画像DBが構築されている。
【0006】
複数の画像データが蓄積されている画像DB内の画像を閲覧する場合、ユーザは画像の検索手法を用いて目的とする画像を検索する。検索対象画像の画像名(ファイル名)が既知であれば、画像名の一覧から検索する場合もあるが、一般的にはサムネイル画像の一覧表示が使用される。例えば、文書画像を検索する場合、キーワード検索した後にキーワードにヒットした候補画像をサムネイル一覧表示して最終的に検索対象画像を選択し、あるいは最初からサムネイル一覧表示のみを使用して検索対象画像を探索する方法が採られている。
【0007】
サムネイル一覧表示は、縮小画像を画面上に複数個配列することにより、画像内容の把握を容易にするものであるが、限られた画面上に複数の画像を一度に表示するため、個々のサムネイルの解像度は一般的に低い。例えば、写真画像をサムネイル一覧表示した場合、低解像度の縮小画像でもその内容把握は比較的容易であるが、文字中心の文書画像の場合は、その縮小画像では文字の判読が困難になり文書画像の内容把握が難しい。したがって、文書画像の検索では、ユーザは個々の文書画像をビューアなどの機能を使って拡大表示して確認しなければならず、検索時の操作性が非常に悪い。特に、ネットワークを介したサーバ・クライアントシステムの場合では、ビューアで画像を表示する際に新たに解像度の高い画像データの転送が必要となり、この結果、多数(例えば数千)の画像の確認に多くの処理時間を要し、検索効率が著しく低下するという課題があった。
【0008】
この課題の解決を目的として、例えば、特許文献1に示されたイメージデータ処理方法が提案されている。特許文献1に示されたものは、複数の画像を一覧表示することが可能な集合画像を予め作成しておき、集合画像の出力要求があったときに予め作成した集合画像を出力することにより、出力時におけるデータ処理を省略し、集合画像の出力要求があってから集合画像を出力するまでに要する時間を短縮しようとするものである。
【0009】
また、前述したような画像DBにおいては、蓄積画像数が増えるに従って、その画像DBに蓄積されている画像の全容を把握するのが難しくなるという課題が存在する。通常のサムネイル一覧表示において蓄積画像数が数千画像程度になるとそれら全てをチェックすることはユーザにとって非常に過酷な作業になるため、特定の画像が絶対に必要な場合以外はそのような作業が実施されることは通常はなく、たとえ実施されたとしてもランダムに並んだサムネイル一覧から画像DBの全容を推測することは非常に困難である。
【0010】
これは画像DBのブラックボックス化を示していると考えられ、以下のような弊害が挙げられる。例えばWWW(World Wide Web)等のように世界中の莫大な情報が集められているものを情報DBの対象とする場合、ユーザが必要とする情報は、その情報DB内にほぼ確実に存在し得るためユーザは安心して検索等の行動を起こすが、通常のローカルな画像DBにおいてはどのような情報がどれだけ蓄積されているかという情報は、ユーザの記憶にのみ依存するものであり、ユーザはその記憶を頼りにキーワードや日付等に基づいて蓄積画像を検索して所望の情報を得るしかなく、ユーザの記憶から忘れ去られた情報は活用される機会を失うこととなり、画像DBの活用効率を落とす要因になると考えられる。
【0011】
この問題の解決を図ることを目的として、例えば、特許文献2に示された文書情報コンテンツ閲覧システムが知られている。特許文献2に示されたものは、閲覧利用者がマップとして表現された情報空間を散策しながら、閲覧対象文書情報コンテンツを選択して閲覧することにより、漠然とした検索意図を持った閲覧利用者が、キーワードなどを用いて明示的に自分の興味・指向を表現できない場合でも、散策的に興味・指向に適合した文書情報コンテンツを検索できるようになっている。
【特許文献1】特開2002−92584号公報
【特許文献2】特開2003−76718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来のものには以下に示すような課題があった。
【0013】
まず、特許文献1には、集合画像を構成する画像の画像数が増加するに従って集合画像のファイル容量が巨大化することに関する対処法についての記載がないので、特許文献1に記載のものは、集合画像を構成する画像の画像数が増加した場合に各画像を詳細に表示することができないものであるか、各画像を詳細に表示しようとすればシステムに多大な負荷を与えるものであって軽快に動作するものではない。
【0014】
また、特許文献2に開示されているように、漠然とした検索意図を持った閲覧利用者に対しては、画像を2次元又は3次元のマップ上に配置して閲覧利用者が全体俯瞰やズーム、スクロール等の機能を使用して地図上を散策するようなイメージで情報空間を散策するマップ探索型の画像閲覧方法が好適な解決策であると考えられる。しかしながら、画像DBの全容を把握するためには画像DB内に蓄積された画像を一覧可能とするのが好ましく、そのためには多数の画像を一度に表示する必要があるが、特許文献2には、多数の画像を表示することに関する記載やその表示における課題を解決する手段について記載されていない。
【0015】
他方、本発明の発明者は、マップ探索型の画像閲覧方法において、画像の表示倍率(拡大率)に応じてサムネイル画像のサイズ又は解像度を変更することにより、サムネイル画像の精細度を変更し、画像の拡大率を上げても画質が低下することなく画像内容の確認が可能となる画像閲覧方法を提案している(特願2006−304012号)。この方法を以下「フリーズーム可能なマップ探索型の画像閲覧方法」という。また、この提案においては、複数の画像が配置された集合画像を階層符号化して用いることによって、多数の画像を表示する際にも軽快に動作するマップ探索型の画像処理装置についても述べている。しかしながら、このようなフリーズーム可能なマップ探索型の画像閲覧方法において集合画像を扱う際には以下のような問題があった。
【0016】
マップ上で画像の拡大表示(ズームアップ)操作を行って精細な画像まで表示を行うことが可能なシステムの場合、例えばユーザが文書画像の文字を認識することができる程度まで拡大可能な場合は、集合画像に配置された個々の画像がある程度の大きさ(サイズ)を持っている必要があるため、相対的に集合画像も非常に巨大な画像となってしまう。例えば、各画像を200dpiのサイズで集合画像として配置すると仮定すると、A4サイズの画像では、2300画素×1600画素程度の大きさになる。したがって、これらの画像を例えば10,000枚程度配置可能な集合画像を作成すると仮定すると、最低でも230,000×160,000画素サイズが必要となり、集合画像全体の容量としては、カラー画像とすると100GB(ギガバイト)程度になる。この集合画像に対して圧縮を行ったとしても10GB程度の蓄積容量が必要となり、また集合画像をいくつかの部分に分割して処理したとしても相当量のメモリが必要(100分割でも1GB必要)となるため、システムに対する負荷が非常に大きくなってしまい現実的ではない。
【0017】
そこで、各画像を例えば20dpi程度のサイズで集合画像として配置すると想定すれば上記の画素サイズは各々1/100程度になるためシステムに対する負荷の問題は軽減されるが、画像の拡大表示操作を行った際に精細な画像が得られないという問題が生ずる。
【0018】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、多数の画像を表示する場合でも多大な負荷を与えることなく軽快に動作し、しかも、画像の拡大表示操作を行っても精細な画像を表示することができる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の画像処理装置は、複数のサムネイル画像を表示するための一覧表示画面の画像データを処理する画像処理装置において、前記一覧表示画面は、表示倍率を変更可能に前記複数のサムネイル画像を表示するサムネイル一覧ビューと、前記サムネイル一覧ビューの全て又は一部を表示する一覧ビューウィンドウとを有し、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を集合させた集合画像と、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が個々に変更可能なサムネイル画像との少なくとも一方を所定の条件に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する制御を行う表示制御手段を備えた構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明の画像処理装置は、表示制御手段が、複数のサムネイル画像を集合させた集合画像とサムネイル画像との少なくとも一方を所定の条件に応じてサムネイル一覧ビューに表示する制御を行うので、多数の画像を表示する場合でも多大な負荷を与えることなく軽快に動作し、しかも、画像の拡大表示操作を行っても精細な画像を表示することができる。
【0021】
なお、前記所定の条件は、前記サムネイル画像の表示倍率であることが好ましい。
【0022】
また、前記所定の条件は、前記一覧ビューウィンドウに表示するサムネイル画像の画像数であることが好ましい。
【0023】
さらに、前記所定の条件は、前記一覧ビューウィンドウに表示するサムネイル画像の画像データの容量であることが好ましい。
【0024】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記表示制御手段が、第1の表示倍率及び前記第1の表示倍率より大きい第2の表示倍率に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する画像を選択し、選択した画像を前記サムネイル一覧ビューに表示するよう制御するものであって、前記表示倍率が、前記第1の表示倍率から前記第2の表示倍率までの範囲内のときは前記集合画像及び予め定められた画像数のサムネイル画像を選択し、前記第1の表示倍率未満のときは前記集合画像のみを選択し、前記第2の表示倍率より大きいときは前記サムネイル画像のみを選択する構成を有している。
【0025】
この構成により、本発明の画像処理装置は、表示制御手段が、サムネイル画像の表示倍率に応じて、複数のサムネイル画像を集合させた集合画像とサムネイル画像との少なくとも一方をサムネイル一覧ビューに表示する制御を行うので、集合画像と個々のサムネイル画像との間の切り替え時においてユーザに違和感を与えることなく表示画面を切り替えることができるとともに、多数の画像を表示する場合でも多大な負荷を与えることなく軽快に動作し、しかも、画像の拡大表示操作を行っても精細な画像を表示することができる。
【0026】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記表示制御手段が、第1の画像数及び前記第1の画像数より大きい第2の画像数に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する画像を選択し、選択した画像を前記サムネイル一覧ビューに表示するよう制御するものであって、表示するサムネイル画像の画像数が、前記第1の画像数から前記第2の画像数までの範囲内のときは前記集合画像及び予め定められた画像数のサムネイル画像を選択し、前記第1の画像数未満のときは前記サムネイル画像のみを選択し、前記第2の画像数より大きいときは前記集合画像のみを選択する構成を有している。
【0027】
この構成により、本発明の画像処理装置は、表示制御手段が、表示するサムネイル画像の画像数に応じて、複数のサムネイル画像を集合させた集合画像とサムネイル画像との少なくとも一方をサムネイル一覧ビューに表示する制御を行うので、画像がランダムに配置されたものや、重なりのあるマップ形態の画像を表示する場合でも多大な負荷を与えることなく軽快に動作し、しかも、画像の拡大表示操作を行っても精細な画像を表示することができる。
【0028】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記表示制御手段が、第1の画像データ容量及び前記第1の画像データ容量より大きい第2の画像データ容量に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する画像を選択し、選択した画像を前記サムネイル一覧ビューに表示するよう制御するものであって、表示するサムネイル画像の画像容量が、前記第1の画像データの容量から前記第2の画像データの容量までの範囲内のときは前記集合画像と予め定められた画像数のサムネイル画像とを選択し、前記第1の画像データ容量未満のときは前記サムネイル画像のみを選択し、前記第2の画像データの容量より大きいときは前記集合画像のみを選択する構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明の画像処理装置は、表示制御手段が、表示するサムネイル画像の画像容量に応じて、複数のサムネイル画像を集合させた集合画像とサムネイル画像との少なくとも一方をサムネイル一覧ビューに表示する制御を行うので、いかなるマップ形態の画像に対してもより正確に画像を切り替えて表示することができる。
【0030】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記表示制御手段が、前記サムネイル一覧ビューに表示する画像として前記集合画像と前記予め定められた画像数のサムネイル画像とを選択するとき、前記集合画像を構成するサムネイル画像が表示される位置に個々のサムネイル画像を対応させて重ねて表示するよう制御する構成を有している。
【0031】
この構成により、本発明の画像処理装置は、画像の拡大表示操作を行う場合、集合画像によるものよりも詳細な画像を表示することができる。
【0032】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記表示制御手段が、前記サムネイル一覧ビューに表示する画像として前記集合画像と前記予め定められた画像数のサムネイル画像とを選択するとき、個々のサムネイル画像が表示される位置に集合画像を構成するサムネイル画像を対応させて重ねて表示するよう制御する構成を有している。
【0033】
この構成により、本発明の画像処理装置は、集合画像を表示して一覧性を高めることにより、画像の検索を容易化することができる。
【0034】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記表示制御手段が、前記サムネイル画像を重ねて表示するとき、重なりの最も上位にある画像のみ重ねて表示するよう制御する構成を有している。
【0035】
この構成により、本発明の画像処理装置は、重なりの下にある画像が一旦上書き表示されることを回避することができるので、重なりのあるマップにおいてもユーザに違和感を与えない表示を行うことができる。
【0036】
さらに、本発明の画像処理装置は、前記表示制御手段が、前記サムネイル一覧ビューに表示する画像として前記集合画像と前記予め定められた画像数のサムネイル画像とを選択するとき、個々のサムネイル画像を前記一覧ビューウィンドウの外の領域に擬似的に表示するよう制御する構成を有している。
【0037】
この構成により、本発明の画像処理装置は、重なりの下にある画像が一旦上書き表示されることを回避することができるので、重なりのあるマップにおいてもユーザに違和感を与えない表示を行うことができる。
【0038】
本発明の画像処理方法は、複数のサムネイル画像を表示するための一覧表示画面の画像データを処理する画像処理方法において、前記一覧表示画面に、画像の表示倍率が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を表示するサムネイル一覧ビューと、前記サムネイル一覧ビューの全て又は一部を表示する一覧ビューウィンドウとを表示させ、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を集合させた集合画像と、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が個々に変更可能な複数のサムネイル画像との少なくとも一方を所定の条件に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する制御を行う構成を有している。
【0039】
この構成により、本発明の画像処理方法は、複数のサムネイル画像を集合させた集合画像と、複数のサムネイル画像との少なくとも一方を所定の条件に応じてサムネイル一覧ビューに表示する制御を行うので、多数の画像を表示する場合でも多大な負荷を与えることなく軽快に動作し、しかも、画像の拡大表示操作を行っても精細な画像を表示することができる。
【0040】
本発明の画像処理プログラムは、複数のサムネイル画像を表示するための一覧表示画面の画像データを処理する画像処理装置としてコンピュータを機能させる画像処理プログラムであって、前記コンピュータに、前記一覧表示画面として、画像の表示倍率が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を表示するサムネイル一覧ビューと、前記サムネイル一覧ビューの全て又は一部を表示する一覧ビューウィンドウとを表示させ、前記コンピュータを、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を集合させた集合画像と、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が個々に変更可能な複数のサムネイル画像との少なくとも一方を所定の条件に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する制御を行う表示制御手段として機能させる構成を有している。
【0041】
この構成により、本発明の画像処理プログラムは、表示制御手段が、複数のサムネイル画像を集合させた集合画像と、複数のサムネイル画像との少なくとも一方を所定の条件に応じてサムネイル一覧ビューに表示する制御を行うので、多数の画像を表示する場合でも多大な負荷を与えることなく軽快に動作し、しかも、画像の拡大表示操作を行っても精細な画像を表示することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明は、多数の画像を表示する場合でも多大な負荷を与えることなく軽快に動作し、しかも、画像の拡大表示操作を行っても精細な画像を表示することができるという効果を有する画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の画像処理装置を、サーバ装置及びクライアント装置で構成された画像処理システムに適用した例を挙げて説明する。
【0044】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態について図1に基づいて説明する。図1は、本実施の形態における画像処理システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0045】
図1に示すように、本実施の形態における画像処理システムは、クライアント装置100と、サーバ装置110とを備えている。
【0046】
クライアント装置100は、表示デバイス101と、アプリケーションプログラム(以下「アプリケーション」という。)102と、入力デバイス103とを備えている。このクライアント装置100は、例えばPCや、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話等のモバイル端末等で構成されるものである。
【0047】
表示デバイス101は、例えば液晶ディスプレイで構成され、画像を表示するようになっている。アプリケーション102は、表示デバイス101の表示制御やサーバ装置110との通信制御、入力デバイス103に入力された指示コマンドの解釈等を行うようになっている。入力デバイス103は、例えばキーボードやマウス、スキャナ等で構成され、ユーザの指示コマンドを入力するようになっている。
【0048】
サーバ装置110は、外部インターフェース(以下「IF」という。)部111と、サムネイル生成処理部113と、画像DB記憶部114と、集合画像生成処理部115と、画像配置決定処理部116と、表示画面制御処理部117とを備え、クライアント装置100からのコマンドに応じて画像分類を行い、分類結果の情報をクライアント装置100に出力するようになっている。
【0049】
外部IF部111は、例えばLANやインターネット等で構成される外部通信路104を介して、クライアント装置100と通信するようになっている。
【0050】
サムネイル生成処理部113は、画像DB記憶部114に画像DBとして登録する登録画像データ112を所定サイズ以下に変倍して表示用のサムネイル画像データを生成するようになっている。
【0051】
画像DB記憶部114は、登録画像データ112及びこのサムネイル画像データを画像DBとして記憶するようになっている。また、画像DB記憶部114は、後述する集合画像データ120及び画像配置データ121を記憶するようになっている。
【0052】
集合画像生成処理部115は、複数のサムネイル画像が配置された集合画像データ120を生成するようになっている。この集合画像データ120は、登録画像データ112を所定のサイズに縮小した画像を、例えばマトリクス状に配置し合成して集約したデータである。
【0053】
画像配置決定処理部116は、登録画像データ112を入力してマップ画面上の画像配置を決定し、決定した画像配置を座標データで示す画像配置データ121を出力するようになっている。この画像配置データ121は、画像DBに登録された全画像のマップ上の位置を示すデータである。
【0054】
表示画面制御処理部117は、クライアント装置100の表示デバイス101に表示するための表示画面に係る表示画面データ118を生成するようになっている。この表示画面データ118は、クライアント装置100の表示デバイス101上に表示するためのデータである。
【0055】
また、表示画面制御処理部117は、表示画面データ118を制御するための画面制御データ119を外部IF部111から入力し、画面制御データ119の内容に応じた表示制御を実行するようになっている。この画面制御データ119は、クライアント装置100から入力するデータである。なお、表示画面制御処理部117は、本発明に係る表示制御手段を構成する。
【0056】
図2は、サーバ装置110のハードウェア構成例を示すブロック図である。以下同図における構成要素を説明する。
【0057】
サーバ装置110は、プログラムに応じた演算や処理を行うCPU201と、プログラムのコードや画像の符号データ等のデータを一時的に記憶、保持するワーク領域として使用される揮発性のメモリ202と、画像データやプログラム等を保存、蓄積するためのHDD203と、画像データを一時的に記憶するビデオメモリ204と、ビデオメモリに書き込まれた画像データに基づいて画像を表示するモニタ205と、マウスやキーボード等の入力デバイス206と、インターネットやLAN等の外部通信路104を介してデータを送受信する外部IF部207と、各々の構成要素を相互に接続するバス208とを備えている。
【0058】
本実施の形態においては、サーバ装置110としてサーバコンピュータの形態を想定した説明を行い、表示画面生成等の処理はソフトウェアで実現する例を示す。すなわち、サーバ装置110内の処理は図1に示す構成において動作する図示しないアプリケーションプログラムによって実現されるものとする。
【0059】
ただし、サーバ装置110は、図2に示した構成によるものに限定されず、例えばMFP等の装置内にハードウェアで処理を行う構成としてもよい。また、図1に示したようなクライアント装置100及びサーバ装置110の構成とせずに、例えば1つのPCやMFP等の機器内で図1に示した構成を全て保持して動作するようにしてもよい。なお、クライアント装置100としては前述のとおりPCやモバイル端末を想定しているため、クライアント装置100の構成も図2に示した構成と同様として扱うこととする。
【0060】
次に、本実施の形態における動作について説明する。本実施の形態における画像処理システムの動作は、大別すると二つの動作を行う。一つは画像の登録動作であり、他の一つは所望の画像を検索し、閲覧し、取得(サーバからのダウンロード)する「画像DB内の画像を利用する」動作である。画像の利用においては、まず所望の画像を検索し、その後、アプリケーションのビューアを使用して画像を閲覧し、ユーザのPC内に蓄積する動作となる。
【0061】
以下、画像登録動作と、サムネイル画像を一覧表示して行う画像検索動作とに関して説明する。
【0062】
まず、画像登録動作について図1及び図3に基づいて説明する。図3は、本実施の形態における画像処理システムの画像登録動作の概要を示すフローチャートである。なお、図1に示した破線は、画像登録時のデータフローを示している。
【0063】
ステップS001において、ユーザは、クライアント装置100からアプリケーションプログラム102を介してサーバ装置110に画像データを登録する旨の指示を行って登録画像データ112を登録する。
【0064】
ステップS002において、登録画像データ112は、外部通信路104を介してサーバ装置110に入力され、外部IF部111を経由して画像DB記憶部114にファイル名等の付随するメタ情報等とともにIDが付されて登録される。同時に、サムネイル生成処理部113は、登録画像データ112を縮小処理して表示用のサムネイル画像データを生成し、ID情報を付して画像DB記憶部114に登録する。なお、登録画像データ112が複数ページを有する画像データである場合には、ページ単位でサムネイル画像データを生成する。
【0065】
ステップS003において、前述のステップS002の処理と並行して、画像配置決定処理部116は、登録画像データ112に基づいて所定の処理によりマップ上の登録画像の位置を決定する。また、画像配置決定処理部116は、画像DB記憶部114において画像データとともに登録されている全画像分の画像配置データ121を取得して登録画像データ112の配置データを追記して画像DB記憶部114に再登録する。また、画像配置決定処理部116は、登録画像データ112の配置データを含む画像配置データ121を集合画像生成処理部115に出力する。
【0066】
画像配置を決定する処理については、マップの形態によってシステム側で定められる処理であり、例えば順番に画像を配置する場合には前回登録された画像の次の位置に割り当てられるし、画像の特徴によって画像の配置を決定するようなマップの場合、画像から特徴量を抽出して特徴量に応じて配置を決定すればよい。また、文書画像の場合は、文章の形態素解析などによって求めた特徴量に応じて配置を決定すればよい。一つの例としては、画像から色味や形状、テクスチャ、レイアウト等の複数の特徴量を抽出して、自己組織化マップ等の既存手法を用いて2次元又は3次元空間の座標に変換する手法などが画像の見た目の良さを生かしたマップ探索が可能となり好適である。これらの技術は既存の技術を用いればよく、またマップ探索を用いる上ではこれらの技術の重要性は高いが本発明の主旨とは異なるため詳細な説明は省略することとする。
【0067】
ステップS004において、集合画像生成処理部115は、画像DB記憶部114からの登録画像データ112と、画像配置決定処理部116で決定された登録画像データ112の画像配置データとを入力して集合画像データ120を生成し、画像DB記憶部114に登録する。
【0068】
なお、画像DB記憶部114として、ID情報やファイル名等のような付随するメタ情報については一般的なRDB(リレーショナルデータベース)を使用すれば画像データの登録、管理、検索等の処理は簡易に実現可能である。また、画像DB記憶部114に記憶させる画像データについては、必要に応じて圧縮符号化等の処理を実施して蓄積しておき、前述のメタ情報とリンクさせて読み込み可能なように構築しておけばよい。また画像DB記憶部114は上述の機能を満たせば、例えばXML(eXtensible Markup Language)等の言語を使用し階層的なデータ構造等を構築して蓄積してもよく、また、サーバ装置110とは異なるサーバ装置に画像DBとして蓄積してもよく、実施の形態は問わない。なお、画像登録については、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力装置から直接画像データをサーバ装置110に登録するようにしてもよい。また、サーバ装置110にレンダリングの機能を備えて電子データを入力可能に構成してもよい。
【0069】
次に、前述のステップS004において集合画像生成処理部115が行う集合画像生成処理について図4に基づいて詳細に説明する。図4は、集合画像生成処理部115の動作を示すフローチャートである。なお、ここでは、画像DB記憶部114に複数の画像データ及びそれらの集合画像データが既に登録されているものとして説明する。
【0070】
ステップS011において、集合画像生成処理部115は、画像DB記憶部114より登録されている既存の集合画像データ120を取得する。
【0071】
ステップS012において、集合画像生成処理部115は、入力された登録画像データ112を所定サイズに縮小処理し、縮小された集合画像データ120を構成する登録画像データを、ステップS013において合成処理する。ここでの合成処理は、画像配置決定処理部116で決定された集合画像における配置位置に、縮小された登録画像が配置されるよう上書きされる。
【0072】
ステップS014において、集合画像生成処理部115は、生成した(更新した)集合画像を画像DB記憶部114に再登録する。
次に、本実施の形態におけるサムネイル画像及び集合画像について説明する。
【0073】
本実施の形態においては、登録画像毎にクライアント装置100において表示に使用するサムネイル画像及び集合画像のデータを生成する。本発明に係るマップ探索型の表示システムにおいては、クライアントの表示サイズに応じた画像サイズのサムネイル画像を生成する必要がある。この手法としては、本発明者が特願2006−304012号で提案しているように、JPEG2000等に代表される階層符号化方式を用いて必要な画像サイズ分の画像データ(符号コード)を用いて実現してもよく、また、サイズが互いに異なるサムネイル画像を複数用意して表示サイズに対応するサムネイル画像を選択するように構成してもよい。
【0074】
サムネイル画像を集約した集合画像においても、個々の画像の縮小画像であるサムネイル画像と同様に階層符号化方式で構成してもよく、また、サイズの異なる複数の画像で構成してもよい。なお、集合画像のデータは、一般的に見れば巨大な画像データとなるので、階層符号化方式で構成した方が全体的な蓄積容量が節約可能となるため好適である。また、集合画像は1つの画像で構成してもよく、また集合画像全体をいくつかに分割した複数の画像で構成してもよい。
【0075】
サムネイル画像のサイズに関しては、例えば、表1に示すように既定のサムネイル画像のサイズ毎に長辺のサイズを規定し、原画像の長辺サイズがそれ以上であれば、登録画像データ112を縮小処理して長辺が該サイズのサムネイル画像を作成するようにすればよく、短辺は長辺との比を保持して縮小するようにすればよい。
【0076】
【表1】

【0077】
具体的には、入力された登録画像データ112の画像サイズが、縦4000画素×横2000画素の場合は、縦が表1に示したサイズ、横がその1/2のサイズのSam1〜Sam7の7つの異なるサイズのサムネイル画像を表示可能とすればよい。
【0078】
本実施の形態においては、表1に示したように、サムネイル画像のサイズが、Sam2のサイズ以下のものを表示する場合は集合画像のみを使用し、Sam3のサイズのものを表示する場合は集合画像と個々のサムネイル画像とを混合して使用し、Sam4以上のものを表示する場合は個々のサムネイル画像のみを使用するように構成することとする。よって本実施の形態においては、サムネイル生成処理部113で生成する必要のある表示可能なサムネイル画像のサイズの画像は、Sam3以上のサイズを持つサムネイル画像となる。
【0079】
次に、図1及び図5に基づいて画像検索動作について説明する。図5は、本実施の形態における画像処理システムの画像検索動作の概要を示すフローチャートである。なお、ユーザが具体的な検索目的を持たずに画像を検索する場合でも同様の動作となる。
【0080】
ステップS101において、ユーザは、クライアント装置100において、アプリケーションプログラム102を使用し、サムネイル画像の一覧表示をサーバ装置110に指示する。
【0081】
ステップS102において、サーバ装置110は、一覧表示の指示信号を受信すると、表示画面制御処理部117において、例えば図6(a)に示すようなサムネイル一覧表示画面の初期画面を生成する。図6(a)は、サムネイル一覧表示画面の一例を示した図である。同図における構成要素は以下のとおりである。
【0082】
すなわち、図6(a)に示した本実施の形態におけるサムネイル一覧表示画面には、サムネイル一覧ビュー302の表示領域を規定するウィンドウ301と、サムネイル画像303の表示フレームであるサムネイル一覧ビュー302と、矩形一つが一つのサムネイル画像を表している複数のサムネイル画像303と、サムネイル一覧ビュー302の表示倍率を設定するスライダ304と、サムネイル一覧ビュー302を水平方向にスクロールするスライダ305と、サムネイル一覧ビュー302を垂直方向にスクロールするスライダ306とが表示されている。
【0083】
ここで、集合画像を表示する場合にはサムネイル一覧ビュー302自体が集合画像となり、個々の画像を表示する場合にはサムネイル一覧ビュー302上に表示されるサムネイル画像303の一つ一つが個々の画像となる。個々のサムネイル画像303と集合画像の表示についての詳細は後述する。
【0084】
なお、ここでは説明の簡易化のため、集合画像を一つの画像として取り扱うが、例えば図6(c)に示すように分割して複数の画像として取り扱ってもよい。図6(c)は、サムネイル一覧ビュー302を302a〜302dの四つに等分割した例を示しており、太点線は分割の境界を示している。尤も、サムネイル一覧ビュー302を等分割ではなく不等分に分割してもよい。
【0085】
また、図6はマップ上のサムネイル画像303が整列して配置された例を示しているが、ランダムに配置されていてもよく、またサムネイル画像303同士が重なって配置されても問題はない。
【0086】
本実施の形態におけるサムネイル一覧表示画面は、大きく二つの画面構造をなしている。一つはサムネイル一覧ビュー302であり、他の一つはそれ以外のユーザインターフェースを含む外枠フレーム部分の画像である。クライアント装置100内のアプリケーション102は、これら二つのフレームを合成して表示デバイス101用の表示画面データを生成し、最終的に図6(a)に示すような画面データを作成することになる。
【0087】
図6(b)はサムネイル一覧ビュー302を表す模式図であり、ウィンドウ301の境界を表す表示領域307が示されている。表示画面制御処理部117は、表示画面データを生成する場合、前述のとおり二種類の画面データを生成することになるが、外枠フレーム部分の画像は、サムネイル一覧ビュー302の表示倍率や表示領域のスライダ305及び306の位置を変更するものを示す程度なので、外枠のフレーム部分の画像データ生成に係る説明は省略し、サムネイル一覧ビュー302の画面データ生成についてのみ説明を行うこととする。
【0088】
表示画面制御処理部117は、初期画面データを生成する場合、所定の値にサムネイル一覧ビュー302の表示倍率(図6(a)では既定の最低倍率)と表示領域307とを設定して、サムネイル一覧ビュー302を生成し、外部IF部111より外部通信路104を経由して、外枠のフレーム部分のデータを含む表示画面データ118としてサムネイル一覧ビュー302のデータをクライアント装置100に送信する。
【0089】
サムネイル一覧ビュー302については、図6(b)に示したような画面となるが、表示画面制御処理部117では、集合画像を使用する場合は集合画像をサムネイル一覧ビュー302として用いればよく、個々の画像を使用する場合は、画像配置データ121及び表示画像のID情報を保持しておけばよい。また、サムネイル一覧ビュー302のデータとしては、表示領域307内の画面データのみクライアント装置100に送信するのが好ましい。なお、サムネイル一覧ビューの生成については後述する。また、図6(b)に示した画面には余白部分が存在している。これは、表示領域307の端部のサムネイル画像を拡大表示する際に表示領域としてのスペースが必要なためである。
【0090】
前述の表示画面の作成方法やサーバクライアント間の通信方法には種々の手法があるが、一般的によく使用される好適な手法としてサーバ装置110をWebサーバとしてWWWベースの技術を使用することによって比較的安易に実現可能となる。この場合、表示画面データ118は、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)によって記述されることになり、アプリケーション102は一般的なWebブラウザを使用すればよいことになる。なお、本実施の形態においては、表示倍率や表示領域を変更するためのスクロールのスライダを画面内に構成しているが、例えば、クライアント装置100内のマウス等の入力デバイスにそれらの機能を設けるように構成してもよい。
【0091】
図5に戻り、ステップS103において、クライアント装置100では、アプリケーション102によって表示画面データ118を展開(レンダリング)して表示デバイス101上に表示画面データ118に基づいた表示画面(サムネイル一覧画面)を表示する。
【0092】
ステップS104において、クライアント装置100を使用しているユーザは、表示画面に表示された画像を閲覧しながら、検索対象画像を探すため、スライダ305及び306を操作して表示領域を変更し、表示画面倍率設定用のスライダ304を操作して表示倍率を変更して、画面スクロールや表示倍率変更の指示を行う。なお、スライダの操作は、図示しないマウス等の入力デバイス103により実行される。
【0093】
ステップS105において、画面スクロールや表示倍率変更指示は、表示倍率及び表示領域を示す画面制御データ119に変換されてサーバ装置110に送信される。
【0094】
ステップS106において、サーバ装置110では、画面制御データ119を受信すると、サムネイル一覧ビュー画面を変更する。サムネイル一覧ビュー画面変更時の動作の詳細は後述する。
【0095】
ステップS107において、ステップS103と同様に、表示デバイス101上に変更後の表示画面データ118に基づいた表示画面(サムネイル一覧画面)を表示する。
【0096】
ステップS108において、ユーザが検索対象画像を見つけられない場合はステップS104〜S107の動作が繰り返される。
【0097】
次に、図1及び図7に基づき、図5に示したステップS106におけるサムネイル一覧ビュー画面変更処理について説明する。図7は、サムネイル一覧ビュー302の表示領域画面生成時のサーバ装置110の動作の概要を示すフローチャートである。
【0098】
ステップS201において、クライアント装置100から画面制御データ119が入力されると、表示画面制御処理部117では、表示倍率及びサムネイル一覧ビューの表示領域307を設定する。なお、初期設定画面の場合は、これらの情報はサーバ装置110において所定値が設定される。
【0099】
ステップS202において、前述のステップS201で設定された表示倍率が、予め定められたしきい値B(第2の表示倍率)より大きいか判定し、表示倍率がしきい値Bより大きい場合は、個々のサムネイル画像を表示するサムネイル画像表示モードを選択し、表示倍率がしきい値B以下の場合は、後述のように、集合画像及び個々のサムネイル画像を同時に表示する混合表示モード、又は集合画像のみを表示する集合画像表示モードを選択する。
【0100】
なお、本実施の形態においては、個々のサムネイル画像のみ表示可能な表示画像(サムネイル画像表示モードと同意)の最小サムネイル画像表示サイズは320×320画素、混合表示モードの最大サムネイル画像表示サイズは160×160画素としているので、しきい値Bは320と160の中間の値である240とするのが好適である。また、表示倍率が小さい程、より多くの画像を表示することになる。
【0101】
ステップS203において、サムネイル一覧ビュー302の表示画面に供する画像データとして、サムネイル一覧ビュー302の表示領域307内に含まれる画像データに対応する個々のサムネイル画像を選択、決定する。ここでまた、サムネイル画像が階層符号により作成されている場合、その階層レベルを同時に設定する。また、サイズの異なるサムネイル画像を複数保持している場合には、表示倍率に対応するサイズのサムネイル画像を選択することになる。
【0102】
ステップS204において、前述のステップS201で設定された表示倍率が、予め定められたしきい値A(第1の表示倍率)以上か判定し、表示倍率がしきい値A以上である場合は、集合画像及び個々のサムネイル画像を同時に表示する混合表示モードを選択し、表示倍率がしきい値A未満の場合、集合画像のみを表示する集合画像表示モードを選択する。
【0103】
なお、本実施の形態においては、集合画像のみの表示可能な表示画像(集合画像表示モードと同意)の最大サムネイル画像のサイズは80×80画素、混合表示モードの最大サムネイル画像の表示サイズは160×160画素としているので、しきい値Aとしては80と160との中間の値である120とするのが好適である。
【0104】
ステップS205において、サムネイル一覧ビュー302の表示画面に供する画像データとして、サムネイル一覧ビュー302の表示領域307内に含まれる画像データに対応する個々のサムネイル画像を選択、決定するとともに、集合画像データ120を選択する。なお、例えば図6(c)に示したように集合画像が分割されている場合は、表示領域307内となる分割された集合画像を選択、決定する。ここでまた、集合画像が階層符号により作成されている場合、その階層レベルを同時に設定する。また、サイズの異なる集合画像を複数保持している場合には、表示倍率に対応するサイズの集合画像を選択することになる。
【0105】
ステップS206において、サムネイル一覧ビュー302の表示画面に供する画像データとして、集合画像データ120を選択する。なお、集合画像が分割されている場合には表示領域307内に含まれる位置の集合画像を選択、決定する。ここでまた、集合画像が階層符号により作成されている場合、その階層レベルを同時に設定する。また、サイズの異なる集合画像を複数保持している場合には、表示倍率に対応するサイズの集合画像を選択することになる。
【0106】
ステップS207において、選択されたサムネイル画像又は集合画像について、サムネイル一覧ビュー302の表示領域307内の画面データを生成する。なお、サムネイル一覧ビュー302内の画面データは、ビットマップデータとする方法もあるが、HTMLで一般的に行われるように、画像の座標情報とリンク情報とを構造化文書に記載する方法が一般的である。この場合、構造化文書データと表示領域内の画像データとをサーバ装置110からクライアント装置100に転送する必要がある。
【0107】
次に、本実施の形態における拡大表示のプロセスについて図8に基づいて説明する。図8は、本実施の形態におけるクライアント装置100の表示デバイス101によって実行される拡大表示のプロセスを示した模式図である。
【0108】
ユーザは、多くのサムネイル画像から検索対象画像の候補画像をスライダ305及び306を使用して画面中央に表示させ(図8(a))、徐々に拡大率を上げていく過程で、周囲画像等との比較や画像内容の確認を実施しながら検索対象画像かどうかを確認する(図8(b)〜(c))。ここで、表示された画像が検索対象画像でないと確認できた場合は、表示倍率を縮小して候補の画像をさらに探せばよい。一方、表示された画像が検索対象画像であった場合は、サムネイル一覧ビュー302の画面のまま画像内容を詳細に確認できる(図8(d))。
【0109】
本実施の形態では、前述のように拡大表示する過程において、集合画像表示モード、混合表示モード、サムネイル画像表示モードが切り替わることになる。
【0110】
ここで、例えば集合画像モードからサムネイル画像表示モードに直接切り替えた場合の不具合について説明を行う。
【0111】
例えば、図8(b)に示す表示を集合画像モードで表示した画面、図8(f)に示す表示をサムネイル画像表示モードで表示した画面とすると、集合画像の表示から個々のサムネイル画像の表示にと切り替わる際に画面遷移が起こるために、図8(e)に示すようにサムネイル画像の表示が一度消えて、その後個々のサムネイル画像が順次表示されることになる。
【0112】
ここで個々のサムネイル画像は、表示倍率に応じたサイズを持つため、ある程度の画像容量を持つことになる。これは、通常、表示画像との差分の符号のみを通信すればよい階層符号によるサムネイル画像を使用しても、クライアント装置100には個々のサムネイル画像の符号データがない状態であるため、画像データを通信するための時間分、表示が消えることになり使用しているユーザには違和感の大きい表示画面の推移として感じられる。
【0113】
そこで、まず集合画像を用いて図8(f)に示した画像を表示し、その後個々のサムネイル画像を集合画像内の対応するサムネイル画像に重ねるように配置することによって、ユーザには違和感を与えることなくマップ上での検索や探索が可能となる。
【0114】
本実施の形態における集合画像の必要容量は、画像間の余白を20画素分とるとすると、10,000画像表示可能としたときの最大容量は、(160+20)画素×(160+20)画素×10,000画像数×3(バイト/画素)であるので約1GBとなり、圧縮処理後に100MB程度となると考えれば十分実用可能な容量となる。なお、この場合でも、集合画像全てをメモリ展開した場合にはメモリ容量を1GB必要とするが、そのような場合は、前述のように集合画像を分割して必要な部分のみメモリに展開すればよい。
【0115】
以上説明したように、本実施の形態における画像処理システムによれば、ビューア等の別ウィンドウを開くことなく軽快に、かつ連続して複数の画像の内容を確認しながら検索が可能となり操作性を向上させることが可能となるマップ探索型の画像一覧表示において、表示倍率が小さく、画面内に表示する画像数が多い場合は実際に表示する画像が少なく高速に表示が可能な集合画像を表示し、表示倍率が大きく画面内に表示する画像数が少ない場合は個々のサムネイル画像を表示し、両者が切り替わる倍率付近では集合画像を表示するとともに個々の画像をも表示する構成としたので、表示倍率によらず軽快な操作が可能となるとともに、集合画像が巨大な容量を持ちシステムに過負荷をかけることもなく、集合画像から個々のサムネイル画像に切り替わる際にも違和感なく表示画面を切り替えることが可能となる。
【0116】
なお、動作説明において述べた各処理をプログラミングし、当該プログラムによってコンピュータを動作させることにより、当該プログラムは、図1に示したクライアント装置100及びサーバ装置110としてコンピュータを機能させることができる。
【0117】
また、前述の実施の形態において、表1にSam3として示したサムネイル画像のサイズにおいて集合画像及び個々のサムネイル画像の両方で表示可能とする構成としたが、Sam3のサムネイル画像のサイズを個々のサムネイル画像でのみ表示可能として構成することも可能である。その場合、図8(b)に示したサイズの集合画像を単純に拡大表示することによって図8(f)の画面サイズで集合画像を表示して(画像はややぼけることになる)その集合画像に個々のサムネイル画像を重ね合わせることによって、画像サイズに対応した精細な表示を完了するように構成してもよい。
【0118】
また、前述の実施の形態において、表示倍率の拡大時に混合モードにおいて集合画像及び個々のサムネイル画像を表示する際に、集合画像を先に表示して個々のサムネイル画像を上書きするように重ねる例を示したが、表示倍率の縮小時は図8(f)から図8(b)のような表示画面となる。
【0119】
今例えば、図8(f)が個々のサムネイル画像のみの表示とし、図8(b)が混合モードでの表示とすると、ユーザが表示倍率を図8(f)の表示画面から縮小方向に変化させた場合、拡大表示時とは逆になり、クライアント装置100側で保持しているのは個々のサムネイル画像なので、先に個々のサムネイル画像を表示してそれに集合画像を上書きするように処理した方がよい。
【0120】
このような制御は、クライアント装置100から、入力デバイス103からの拡大表示及び縮小表示の指示を、画面制御データ119を用いてサーバ装置110にその他のデータとともに通知して、表示画面データ118に記載される画像の表示順序を変更すれば簡単に実現することが可能である。
【0121】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態における画像処理システムについて説明する。第1の実施の形態では、表示倍率に応じてサムネイル一覧ビューに表示する画像を、集合画像及び個々のサムネイル画像で表示選択して変更する例を示したが、本実施の形態では、表示画面内の画像数に応じて集合画像及び個々のサムネイル画像の表示選択を切り替える例を示す。
【0122】
図9は、このような手法が特に有効な画像配置手法によるマップの形態を表した、サムネイル一覧表示画面(マップ画面)の一例を示す図である。同図は、画像がランダムに配置されており、画像の重なりを許容するマップを表している。第1の実施の形態において述べたように、画像データから画像の特徴量を抽出してその特徴量によって多数の画像をマップ上に配置すると図9に示すような表示となる場合が多い。なお、配置の工夫によって画像の重なりを許さないようなマップとすることも可能である。
【0123】
本実施の形態における構成及び動作は、第1の実施の形態とほぼ同様にて実現可能であり、相違点はサムネイル一覧ビュー302の表示領域画面生成時のサーバ装置110の動作であるので、以下それを説明する。
【0124】
図10は、サムネイル一覧ビュー302の表示領域画面生成時のサーバ装置110の動作の概要を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と同様の説明は省略し、第1の実施の形態におけるステップS202及びS204の動作の代わる以下のステップS212及びS214の動作を説明する。
【0125】
ステップS212において、ステップS201で設定された表示領域307内に含まれる画像数をカウントする。カウントした結果、表示領域内の画像数が予め定められたしきい値B(第1の画像数)未満か判定し、表示領域内の画像数がしきい値B未満である場合は、個々のサムネイル画像を表示するサムネイル表示モードを選択し、表示領域内の画像数がしきい値B以上の場合は、後述のように混合表示モード又は集合画像表示モードを選択する。
【0126】
ステップS214において、ステップS212でカウントされた画像数が予め定められたしきい値A(第2の画像数)以下か判定し、カウントされた画像数がしきい値A以下である場合は、集合画像と個々のサムネイル画像を同時に表示する混合表示モードを選択し、カウントされた画像数がしきい値Aより大きい場合は、集合画像のみを表示する集合画像表示モードを選択する。
【0127】
以上のように、本実施の形態における画像処理システムは、表示領域内の画像数に応じて、サムネイル一覧ビュー302を個々のサムネイル画像を使用して表示するか、集合画像を表示するか、集合画像と個々のサムネイル画像の両方を表示するかを選択可能となる。
【0128】
図9に示したように、画像がランダムに配置されている場合、表示倍率に応じて画像数が定まらない。特に画像が重なっている場合はその度合いは高くなり、第1の実施形態において説明したように、表示倍率を変更して集合画像の表示から個々のサムネイル画像の表示に切り替えた場合、想定よりも多くの画像データをサーバ装置110からクライアント装置100に転送する必要が生じる可能性があり表示が遅くなる場合がある。そのため、表示する画像数によっては、表示表域内の画像数で表示モードを切り替える本実施の形態の方が第1の実施の形態よりも好適となる。
【0129】
なお、本実施の形態においては、第1の実施の形態における表示倍率よりも大きい表示倍率まで集合画像を表示する可能性があるため、集合画像で表示可能な最大サムネイル画像のサイズを大きくする方が好ましく、個々のサムネイル画像の表示可能サイズも小さいサイズまで表示可能とすることが望ましい。このような場合、画像の重なりを許容することで表示可能なサムネイル画像のサイズを大きくしても集合画像のサイズを第1の実施の形態で説明した整列した画像配置と比較して小さくすることが可能となるためシステムへの負荷を大きくせずにすむ。
【0130】
例えば、サムネイル画像のサイズと画像の形態の関係とを表2に示すようなものとすると、集合画像の表示可能サムネイル画像のサイズを第1の実施の形態の倍の320×320画素としても、集合画像の縦、横のサイズを1/2とすれば第1の実施の形態とほぼ同様の集合画像の容量とすることが可能となる。
【0131】
【表2】

【0132】
また、小サイズのサムネイル画像を増やしても画像データの容量はそれほど変化がないため、第1の実施の形態と等価なサーバ負荷で実現可能である。なお、表示倍率によって集合画像と個別のサムネイル画像とを切り替える方法(第1の実施の形態)と、本実施の形態で説明した画像数によって切り替える方法とを両方使用してもよい。例えば、本実施の形態にて集合画像が有する解像度が予め定めた上限の表示倍率になった場合は、強制的に個々のサムネイル画像の表示モードに切り替える等をしてもよい。
【0133】
また、図9に示すように重なった画像にて、集合画像と個々のサムネイル画像とを同時に表示する場合、第1の実施の形態のように最初に集合画像を表示した後、個々のサムネイル画像を表示すると、一旦重なった状態を集合画像で表示した後で、個々のサムネイル画像を表示する際に重なりの下になっている画像が一度現れた後に、重なりの上の画像が再び現れて集合画像と同様の表示に戻ることになる。これを表示の味付けとして使用することも可能ではあるが、あるタイミングにのみ生じる現象となるのでユーザに違和感を与える可能性がある。そのような場合の好適な表示方法としては、(A)重なりの一番上の画像のみの個々のサムネイル画像を選択して表示する、(B)個々のサムネイル画像を表示領域307の枠外に配置して擬似的に表示するという方法がある。
【0134】
具体的に図11を用いて説明する。図11(a)が混合モードで表示する場合の集合画像を表しているとすると、上記(A)は、図11(b)の斜線で示した画像のみを個々のサムネイル画像で表示する形態であり、上記(B)は、図11(c)の斜線で示した個々のサムネイル画像を表示領域307の枠外に移動し、クライアント装置100のメモリ上には展開するが、表示はされないようにするという形態である。
【0135】
以上のような方法を使用すれば、重なりの下にある画像が一旦上書き表示されることを回避することが可能となり、本実施の形態において示したような重なりのあるマップにおいても違和感のない表示を行うことが可能となる。なお、この手法は、第1の実施の形態、さらに後述する第3の実施の形態においても使用可能である。
【0136】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態における画像処理システムについて説明する。本実施の形態においては、表示画面内に含まれる全画像の画像データの容量に応じて集合画像と個々のサムネイル画像とを表示選択して切り替える例を示す。なお、ここでの画像データの容量は、画像データが階層符号化されている場合には、表示画面に表示するサムネイル画像データの容量となる。
【0137】
本実施の形態における構成及び動作は、第1の実施の形態の場合とほぼ同様にて実現可能であり、相違点はサムネイル一覧ビュー302の表示領域画面生成時のサーバ装置110の動作であるので、以下それを説明する。
【0138】
図12は、サムネイル一覧ビュー302の表示領域画面生成時のサーバ装置110の動作を示すフローチャートである。なお、第1の実施の形態と同様の説明は省略し、第1の実施の形態におけるステップS202及びS204の動作の代わる以下のステップS222及びS224の動作を説明する。
【0139】
ステップS222において、ステップS201で設定された表示領域307内に含まれるサムネイル画像データの容量の合計を算出する。算出方法は、階層符号化を使用した場合には、表示画像のサイズから簡易に算出してもよく、表示に必要な階層分の符号量を全画像分積算してもよい。また、サムネイル画像のサイズによって複数の画像を作成する場合には、対応するサムネイル画像データのサイズのサムネイル画像の容量を合計すればよい。
【0140】
表示領域内に表示される画像の画像容量がしきい値B以下か判定し、画像容量がしきい値B(第1の画像データの容量)未満である場合は、個々のサムネイル画像を表示するサムネイル画像表示モードを選択し、画像容量がしきい値B以上の場合は、後述のように混合表示モード又は集合画像表示モードを選択する。
【0141】
ステップS224において、ステップS222で算出された画像容量が予め定められたしきい値A(第2の画像データの容量)以下か判定し、画像容量がしきい値A以下である場合は、集合画像と個々のサムネイル画像を同時に表示する混合表示モードを選択し、画像容量がしきい値Aより大きい場合は、集合画像のみを表示する集合画像表示モードを選択する。
【0142】
以上のように、本実施の形態における画像処理システムは、表示領域内の画像容量に応じて、サムネイル一覧ビュー302を個々のサムネイル画像を使用して表示するか、集合画像を表示するかを選択可能となる。ここでの画像容量は、外部通信路104によって通信される画像データの通信容量とほぼ等価となるため、表示速度との関連が大きい値となり精度の高い画像の切り替えが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
以上のように、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムは、多数の画像を表示する場合でも多大な負荷を与えることなく軽快に動作し、しかも、画像の拡大表示操作を行っても精細な画像を表示することができるという効果を有し、画像データベースに蓄積された画像データに対して、サムネイル一覧等の複数画像の一覧表示画面データを生成する機能を備えた画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムにおけるサーバ装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムにおける画像登録動作の概要を示すフローチャート
【図4】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムにおける集合画像生成処理部の動作の概要を示すフローチャート
【図5】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムにおける画像検索動作の概要を示すフローチャート
【図6】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムにおけるサムネイル一覧表示画面の一例を示す図
【図7】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムにおいて、サムネイル一覧ビューの表示領域画面生成時におけるサーバ装置の動作の概要を示すフローチャート
【図8】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムにおける表示デバイスによって実行される拡大表示のプロセスを示す模式図
【図9】本発明の第1の実施の形態における画像処理システムにおけるサムネイル一覧表示画面の一例を示す図
【図10】本発明の第2の実施の形態における画像処理システムにおいて、サムネイル一覧ビューの表示領域画面生成時におけるサーバ装置の動作の概要を示すフローチャート
【図11】本発明の第2の実施の形態における画像処理システムにおけるサムネイル一覧表示画面の一例を示す図
【図12】本発明の第3の実施の形態における画像処理システムにおいて、サムネイル一覧ビューの表示領域画面生成時におけるサーバ装置の動作の概要を示すフローチャート
【符号の説明】
【0145】
100 クライアント装置
101 表示デバイス
102 アプリケーション
103 入力デバイス
104 外部通信路
110 サーバ装置
111 外部IF部
112 登録画像データ
113 サムネイル生成処理部
114 画像DB記憶部
115 集合画像生成処理部
116 画像配置決定処理部
117 表示画面制御処理部(表示制御手段)
118 表示画面データ
119 画面制御データ
120 集合画像データ
121 画像配置データ
201 CPU
202 メモリ
203 HDD
204 ビデオメモリ
205 モニタ
206 入力デバイス
207 外部IF部
208 バス
301 ウィンドウ
302 サムネイル一覧ビュー
303 サムネイル画像
304、305、306 スライダ
307 表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサムネイル画像を表示するための一覧表示画面の画像データを処理する画像処理装置において、
前記一覧表示画面は、表示倍率を変更可能に前記複数のサムネイル画像を表示するサムネイル一覧ビューと、前記サムネイル一覧ビューの全て又は一部を表示する一覧ビューウィンドウとを有し、
前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を集合させた集合画像と、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が個々に変更可能なサムネイル画像との少なくとも一方を所定の条件に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する制御を行う表示制御手段を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記サムネイル画像の表示倍率であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記一覧ビューウィンドウに表示するサムネイル画像の画像数であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記一覧ビューウィンドウに表示するサムネイル画像の画像データの容量であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、第1の表示倍率及び前記第1の表示倍率より大きい第2の表示倍率に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する画像を選択し、選択した画像を前記サムネイル一覧ビューに表示するよう制御するものであって、前記表示倍率が、前記第1の表示倍率から前記第2の表示倍率までの範囲内のときは前記集合画像及び予め定められた画像数のサムネイル画像を選択し、前記第1の表示倍率未満のときは前記集合画像のみを選択し、前記第2の表示倍率より大きいときは前記サムネイル画像のみを選択することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、第1の画像数及び前記第1の画像数より大きい第2の画像数に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する画像を選択し、選択した画像を前記サムネイル一覧ビューに表示するよう制御するものであって、表示するサムネイル画像の画像数が、前記第1の画像数から前記第2の画像数までの範囲内のときは前記集合画像及び予め定められた画像数のサムネイル画像を選択し、前記第1の画像数未満のときは前記サムネイル画像のみを選択し、前記第2の画像数より大きいときは前記集合画像のみを選択することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、第1の画像データ容量及び前記第1の画像データ容量より大きい第2の画像データ容量に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する画像を選択し、選択した画像を前記サムネイル一覧ビューに表示するよう制御するものであって、表示するサムネイル画像の画像容量が、前記第1の画像データの容量から前記第2の画像データの容量までの範囲内のときは前記集合画像と予め定められた画像数のサムネイル画像とを選択し、前記第1の画像データ容量未満のときは前記サムネイル画像のみを選択し、前記第2の画像データの容量より大きいときは前記集合画像のみを選択することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記サムネイル一覧ビューに表示する画像として前記集合画像と前記予め定められた画像数のサムネイル画像とを選択するとき、前記集合画像を構成するサムネイル画像が表示される位置に個々のサムネイル画像を対応させて重ねて表示するよう制御することを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記サムネイル一覧ビューに表示する画像として前記集合画像と前記予め定められた画像数のサムネイル画像とを選択するとき、個々のサムネイル画像が表示される位置に集合画像を構成するサムネイル画像を対応させて重ねて表示するよう制御することを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、前記サムネイル画像を重ねて表示するとき、重なりの最も上位にある画像のみ重ねて表示するよう制御することを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記サムネイル一覧ビューに表示する画像として前記集合画像と前記予め定められた画像数のサムネイル画像とを選択するとき、個々のサムネイル画像を前記一覧ビューウィンドウの外の領域に擬似的に表示するよう制御することを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項12】
複数のサムネイル画像を表示するための一覧表示画面の画像データを処理する画像処理方法において、
前記一覧表示画面に、画像の表示倍率が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を表示するサムネイル一覧ビューと、前記サムネイル一覧ビューの全て又は一部を表示する一覧ビューウィンドウとを表示させ、
前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を集合させた集合画像と、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が個々に変更可能な複数のサムネイル画像との少なくとも一方を所定の条件に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する制御を行うことを特徴とする画像処理方法。
【請求項13】
複数のサムネイル画像を表示するための一覧表示画面の画像データを処理する画像処理装置としてコンピュータを機能させる画像処理プログラムであって、
前記コンピュータに、前記一覧表示画面として、画像の表示倍率が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を表示するサムネイル一覧ビューと、前記サムネイル一覧ビューの全て又は一部を表示する一覧ビューウィンドウとを表示させ、
前記コンピュータを、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が変更可能であって前記複数のサムネイル画像を集合させた集合画像と、前記表示倍率に応じて画像サイズ又は解像度が個々に変更可能な複数のサムネイル画像との少なくとも一方を所定の条件に応じて前記サムネイル一覧ビューに表示する制御を行う表示制御手段として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−181450(P2009−181450A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21418(P2008−21418)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】