説明

画像処理装置、画像処理装置におけるフォトブック作成方法およびプログラム

【課題】フォトブックの作成においてユーザの工数を低減する画像処理装置、画像処理装置におけるフォトブック作成方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】第1のフォトブックにおける複数の第1の画像データのレイアウト情報と各第1の画像データの撮影パラメータに関する属性情報を取得し、複数の第2の画像データの撮影パラメータに関する属性情報を取得する。各第1の画像データの属性情報と各第2の画像データの属性情報とに基づき、各第1の画像データと各第2の画像データとを対応付ける。取得されたレイアウト情報に従って、対応付けられた各第2の画像データをレイアウトして第2のフォトブックを作成するためのフォトブックデータを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトブックを作成する画像処理装置、画像処理装置におけるフォトブック作成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラの普及やコンピュータ技術、ネットワーク技術の発展により、フォトブックの作成がパーソナルコンピュータ上で行われ、デジタルデータで入稿することが多くなっている。フォトブックの作成では、専用のエディタなどを用いて作成されることが多く、作成する工数を低減することが求められている。特に業者が企画するツアー旅行や結婚式などのイベントでは、スケジュールやイベント内容や写真の撮影位置が決まっており、撮影される画像や作成されるフォトブックも各々の業者でパターン化されている。特許文献1では、例えば、結婚式のイベントにおいてアルバムを作成する際に、アルバム編集画面のテンプレートの画像挿入領域に、挿入される画像の構図を表す構図情報が記録されている。構図情報は、例えば、挿入すべき画像に含まれる被写体の種類、画像中の被写体の位置、被写体の色などである。特許文献1では、画像挿入領域の構図情報を参照し、挿入画像に加工を施して画像挿入領域に画像を挿入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−182767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、フォトブックを作成する度に撮影シーンの選択やフォトブック全体の構成の編集を行う必要があった。
【0005】
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決することにある。本発明は、上記の点に鑑み、フォトブックの作成においてユーザの工数を低減する画像処理装置、画像処理装置におけるフォトブック作成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る画像処理装置は、第1のフォトブックにおける複数の第1の画像データのレイアウト情報と、前記各第1の画像データの撮影パラメータに関する属性情報を取得する第1の取得手段と、
複数の第2の画像データの撮影パラメータに関する属性情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記各第1の画像データの属性情報と、前記第2の取得手段により取得された前記各第2の画像データの属性情報とに基づき、前記各第1の画像データと前記各第2の画像データとを対応付ける対応付け手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記レイアウト情報に従って、前記対応付け手段によって対応付けられた前記各第2の画像データをレイアウトして第2のフォトブックを作成するためのフォトブックデータを生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フォトブックの作成においてユーザの工数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】画像処理装置の構成を示す図。
【図2】ネットワーク構成を示す図。
【図3】アプリケーションプログラムの機能ブロックを示す図。
【図4】観光地とその撮影スポットのイメージを示す図。
【図5】フォトブックの作成を説明するための図。
【図6】画像枠と画像とを設定するエディタの一例を示す図。
【図7】以前に作成されたフォトブックと自動作成されたフォトブックを示す図。
【図8】位置情報に基づいた2つの画像の対応関係を示す図。
【図9】スケジュール上の撮影タイミングを説明するための図。
【図10】フォトブックの作成を説明するための図。
【図11】本実施例におけるフォトブック作成の手順を説明するための図。
【図12】時間経過に基づく対応付けを説明するための図。
【図13】複数画像がある場合の時間経過に基づく対応付けを説明するための図。
【図14】時間経過に基づいて対応付けられない一例を示す図。
【図15】画像がグループ化されている場合の時間経過に基づく対応付けを示す図。
【図16】本実施例におけるフォトブック作成の手順を示すフローチャート。
【図17】時間経過に基づく対応付けの判定処理の手順を示すフローチャート。
【図18】画像の対応付けの条件を設定する画面の一例を示す図。
【図19】スケジュール変更に伴う撮影時刻の割り当てを説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳しく説明する。尚、以下の実施例は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施例で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0010】
図1は、本発明に係る実施例における画像処理装置の構成を示す図である。図1において、コンピュータは、CPU102、メモリ103、記憶部104、表示制御部105、Input/Output(以下I/Oと略称)インタフェース106、通信インタフェース107を含む。各構成要素はシステムバス101に接続されている。CPU102は、システムバス101を介して各構成要素を制御したり、データの計算や加工を行ったりする中央処理装置である。メモリ103は、データやプログラムを記憶し、ランダムアクセスメモリ(RAM)やリードオンリーメモリ(ROM)等が用いられる。記憶部104は、記憶されたデータの書き込み/読み出しを行う。記憶部104として、ハードディスクドライブ111、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ112、不揮発性のデータソースとして利用されるCD−ROMドライブ113等が用いられる。図には示されていないが、記憶部104として、磁気テープドライブ、DVD−ROM、USBメモリ等が用いられる場合もある。
【0011】
本実施例として示されるプログラムは、記憶部104から読み込まれ、メモリ103に格納されて、CPU102によって実行される。なお、本実施例ではプログラムを記憶部104から読み込む構成としているが、ROMから読み込んだり、通信インタフェース107を介して外部から読み込んだりするように構成されても良い。表示制御部105は、表示部114への表示出力を制御する。表示部114の表示方法には、CRTや液晶等がある。I/Oインタフェース106には、キーボード115やポインティングデバイス116等の入力装置が接続される。操作者は、キーボード115を操作することによりシステムに対する動作指令等を行う。ポインティングデバイス116は、表示部114上のカーソルを移動させてメニューやオブジェクトの選択や操作等を行う。通信インタフェース107は、ネットワーク117を介して外部装置との通信を行う。接続先のネットワークには、LANやWAN、インターネットのような公衆回線等がある。また、通信インタフェース107は、プリンタ118などの出力装置との通信も行う。
【0012】
図2は、本実施例におけるネットワーク構成を示す図である。ネットワーク201には、クライアントパーソナルコンピュータ(以下、クライアントPCという)202と、サーバコンピュータ203(以下、サーバという)とが接続されている。ネットワーク201には、LAN、WAN、インターネット等がある。クライアントPC202は、ネットワーク201を介してサーバ203と通信を行う。本実施例の動作を実現するアプリケーションプログラムは、サーバ203で動作しても良く、クライアントPC202で動作しても良い。サーバ203で動作する構成の場合には、クライアントPC202上にフォトブックデータを編集するためのエディタ画面を表示する構成となる。エディタは、Webブラウザで表示されたり、クライアントアプリケーションがインストールされることによって表示される。
【0013】
図3は、本実施例の動作を実現するアプリケーションプログラムの機能ブロックを示す図である。本実施例の動作の流れを説明する。以前に作成されたフォトブックの画像情報と新たに撮影された画像情報とを比較し、同じ撮影シーンである画像を対応付ける。そして、新たに撮影された画像を、以前に作成されたフォトブック上の対応付けられた画像と同じレイアウトで配置したフォトブックを作成する。
【0014】
フォトブックデータ解析部301は、以前に作成されたフォトブックの構成を解析する。画像属性情報取得部302は、フォトブックデータ解析部301によって解析された画像枠および画像の属性情報を取得する。属性情報比較部303は、画像属性情報取得部302で取得された画像の属性情報と新たに撮影された画像の属性情報とを比較し、同じ撮影シーンの画像を対応付ける。画像配置部304は、属性情報比較部303によって対応付けられた新たな画像を、以前に作成されたフォトブック上の対応付けられた画像のレイアウト情報に基づいてレイアウト配置する。その場合に、画像属性情報取得部302によって取得された画像枠のレイアウト情報が反映される。フォトブックデータ作成部305は、フォトブックデータ解析部301の内容に基づいて新たなフォトブックデータを作成する。そして、画像配置部304によって画像が配置された後、不要な画像枠やページの削除、フォトブックのスタイル適用等を行って、フォトブックデータを作成する。
【0015】
図4〜図8を参照しながら、位置情報に基づきフォトブックを作成する例を説明する。図4は、観光地の撮影スポットを表すイメージ図である。図4は一例として公園のような観光地を示しており、401、402、403、404は建物や庭園、噴水やオブジェを表している。411で示されるカメラのアイコンは、それぞれ撮影スポットを示している。カメラアイコンに付記してある番号は、図5で示される画像の番号に対応している。
【0016】
図5は、作成されるフォトブックデータの一例を示す図である。図5(a)は作成開始時の状態であり、図5(b)は作成完了した状態を示している。図5(a)のように何も設定されていない状態から、画像トリミングやレイアウトを考慮して画像の配置が行われる。また、ページも画像数やレイアウトに応じて追加され、最終的に図5(b)のようなフォトブックデータが作成される。501は配置された画像を示しており、番号はそれぞれ図4の撮影スポットの番号に対応している。502は、見開きページを利用した画像の配置を示す。見開きページを利用する例としては、ツアー旅行での集合写真やハイライトしたいイベントの画像の場合である。506は画像の向きがポートレートで設定されている。画像の配置は、それぞれの観光地の特性を考慮して決定される。例えば、画像7〜10は同じ場所の画像を集めたものであり、1つの見開きページでまとめられている。このように、画像の配置は各画像毎の撮影シーンだけで決定されるものではなく、それぞれの観光地の特性や、撮影された複数の他画像とのバランスを考慮して決定されることが特徴である。
【0017】
図6は、フォトブックデータを編集又は作成するエディタを説明するための図であり、画像枠と画像とを設定する例を示している。601は、フォトブックデータのページ、602は画像枠、点線603は画像枠602に対する画像の位置とサイズを表している。画像枠602は画像603をトリミングした後の表示イメージを表しており、実際にフォトブックで表示される領域になる。画像枠には、枠のサイズ、ページに対する配置位置、画像上のトリミング位置を示す画像からの位置といった情報が保持されている。図6では、ピクセル単位で位置情報を表す例を示しているが、撮影装置による画像解像度の違いを考慮して比率で表示する等としても良い。ここで作成されるフォトブックデータは、後にフォトブックを作成する際のテンプレートの役割を担うことになる。従って、トリミングされた画像をページに配置するのではなく、画像603と画像枠602との両方の情報を持つことで、別画像が配置された場合のトリミング位置の再調整ができるようにしている。操作者は、エディタ上で画像枠602と画像603を動かすことによって、トリミング位置の再調整を行うことができる。
【0018】
図7は、以前のフォトブックデータに基づき自動作成されたフォトブックデータの一例を示す図である。図7(a)は以前に作成されたフォトブックデータ(第1のフォトブックデータ)の一例を示す図であり、ここでは、図5(b)のフォトブックデータと同じ図を示している。図7(b)は、図7(a)のフォトブックデータに基づき、新たに撮影された画像を用いて自動で作成されたフォトブックデータ(第2のフォトブックデータ)の一例を示す。
【0019】
業者が企画するツアー旅行などは、内容が予め決められており、撮影される画像も、同じルート、同じ位置で同じように撮影されることが多い。図7(b)に挿入されている画像の番号は、それぞれ図4の撮影スポットの番号に対応付けられており、また、以前に撮影された図7(a)の各画像にも対応付けられる。図7の画像701と画像711は共に図4の撮影スポット411で撮影されたものである。本実施例においては、画像701(第1の画像データ)と画像711(第2の画像データ)は、画像の撮影パラメータに関する属性情報を比較することで自動的に相互に対応付ける。撮影パラメータに関する属性情報とは後述するが、例えば、撮影時刻である。
【0020】
図8は、画像701と画像711の属性情報と、属性情報に基づいた対応関係とを示す図である。画像701と画像711は、それぞれ緯度、経度、高度、方角といった位置情報の属性情報を有している。本実施例においては、この位置情報が一致するか否かで、両画像が同じ撮影スポットで撮影されたか否かを判定する。しかしながら、実際には位置情報に多少の誤差が出るので、誤差を含めた判定が行われる。画像711は、その対応付けられた画像701のページ位置や構図、レイアウト情報に従って、新しいフォトブックデータ上に配置される。この際、図6で示した画像枠も作成される。画像711と同様にして、図7の他の画像についても対応付けが行われ、新しいフォトブックデータ上に配置される。その結果、自動的に図7(b)に示すフォトブックデータが生成される。
【0021】
次に、図9〜図17を参照しながら、時間経過に基づいてフォトブックを作成する例を説明する。図4〜図8で記述した位置情報について、撮影装置が対応していない場合や、GPS(GlobalPositioning System)情報が受信できない場合においては取得できないので、その場合には、時間経過に基づいて画像の対応付けを行う。
【0022】
図9は、スケジュール上の撮影タイミングを説明するための図である。図9の901はスケジュールの項目を表し、S1〜S6までのスケジュールがあるということを示している。911で示されるカメラのアイコンは、それぞれスケジュールに沿って予め定められている撮影時刻を示している。各カメラアイコンに付記された番号1〜6は、図10(b)で示す画像の番号1〜6に対応している。また、時間軸は左から右に進むとし、各カメラアイコンの下に付記される時刻は、撮影時刻を示す。
【0023】
図10は、作成されるフォトブックデータの一例を示す図である。図5と同様に、図10(a)は作成開始時の状態を示し、図10(b)が作成完了した状態を示している。1001は配置された画像を示しており、番号はそれぞれ、図9に示す各撮影タイミングの番号に対応している。画像の配置は、それぞれのイベントの特性を考慮して決定される。画像の配置は、各画像の撮影シーンだけで決定されるものではなく、それぞれのイベントの特性や、撮影された複数の他画像とのバランスを考慮して決められることが特徴である。
【0024】
図11は、以前のフォトブックに基づいて自動作成されたフォトブックの一例、および、時間経過に基づいた画像の対応付けを説明するための図である。フォトブックデータ1100は、以前に作成されたフォトブックデータの一例であり、ここでは、図10(b)のフォトブックデータと同じ図を示している。1130は、1100のフォトブックデータに基づいて、新たに撮影された画像を用いて自動的に作成されたフォトブックデータの例を示す。例えば結婚式のようなイベントは、スケジュールが予め決められており、撮影される画像も、同様のタイミングで同じように撮影されることが多い。フォトブックデータ1130に挿入されている画像の番号は、それぞれ図9に示す撮影タイミングの番号に対応しており、また、以前に撮影されたフォトブックデータ1100の各画像にも対応付けられる。
【0025】
図11で示している画像の対応付けを、図16のフローチャートに沿って説明する。図16に示すフローチャートは、例えば、CPU102により実行される。CPU102は、まず、以前のフォトブックデータ1100にレイアウトされた画像の撮影時刻を取得し、時間の経過に沿って並び換える(S1601:第1の取得の一例)。S1601において並び替えを行った画像を概念的に表したのが図11の1111〜1116である。次に、CPU102は、新たに撮影した画像を取得し(画像データ取得の一例)、それらの撮影時刻を取得し(第2の取得の一例)、時間経過に沿って並び替える(S1602)。S1602の並び替えを行った画像を概念的に表したのが図11の1121〜1126である。次に並び替えた最初の日時を開始日時として設定する(S1603)。これにより、経過時間を算出するための起点を設ける。例えば、画像1111の6月10日10:00と、画像1121の6月20日14:00をそれぞれ起点とし、起点同士の画像を対応付ける。そして、起点からそれぞれ同じ時間経過した画像を対応付けて行く。例えば、画像1112と画像1122は、それぞれ20分経過した時点の画像になるので相互に対応付けられる。対応付けの処理が図16のS1604以降の処理であり、以前のフォトブックデータに含まれる画像分ループし(S1604)、以前のフォトブックデータに含まれる各画像について、新たに撮影された画像の中から対応する画像を取得する(S1605)。
【0026】
対応付けにおいて実際には、経過時間が完全に一致することは少ないので、時間差を考慮して対応付けが行われる。図12は、時間の許容差を考慮した対応付けを示す図である。図12に示す左右の線は時間差の許容範囲を表している。画像1201と画像1202は経過時間に2分の差があるが許容範囲内であるため、経過時間が一致したものとみなされる。図11の画像1113と1123、画像1114と1124は時間差の許容範囲内で対応付けられたことを示している。なお、許容範囲内に複数の画像があった場合には、経過時間の近いものを優先して対応付けることとする。図13では、画像1301に対応付けが可能な画像は画像1302と1303の2画像があるということを示している。その場合においては、画像1303の方が経過時間が近いので、画像1301は画像1303と対応付けが行われる。但し、経過時間が近いという判定方法だけでなく、時刻が先にあるものを選択するようにしてもよい。また、時間差の許容範囲内に画像が存在しない場合には対応付けは行われない。図14において、画像1401は、最も経過時間が近い画像として画像1402が示されているが許容範囲内ではないので相互の対応付けは行われない。この場合、図16のフローチャートにおいて、CPU102は、画像が取得されないと判定し(S1606)、対応する画像がないことを設定する(S1609)。なお、本フローチャートには示されていないが、対応付けが行われなかった画像に対して、許容範囲を変更して再度対応付けを行うようにしても良い。それにより、対応付けられない画像をより低減することができる。
【0027】
図11の画像1115と1125はグループとして関連付けを行っていることを示している。グループ設定は、フォトブックデータ1100で行われている。グループは、日時が近寄っており、同じ撮影シーンで複数枚の画像がある場合に設定される。グループ設定が行われている場合に、グループ単位で時間差の許容範囲を設定することができ、相互のグループ間での対応付けが行われる。図15の画像1501は、グループ設定された複数の画像を示す図である。グループとしての時間差の許容範囲の中から、グループ設定された画像の枚数分、相互の対応付けが行われる。
【0028】
上記のように対応付けが行われた後、CPU102は、対応付けられて取得できた画像について(S1606)、以前のフォトブックデータの画像構成やレイアウト情報を取得し(S1607)する。その後、画像構成やレイアウト情報に基づいて画像が設定される(S1608)。S1608では、例えば、図11に示す画像1121が以前のフォトブックデータの画像構成や画像1101のレイアウト情報に基づいて画像1131として設定されレイアウトされる。他の画像1122〜1126も同様にレイアウトされ、フォトブックデータ1130が作成される(フォトブック作成の一例)。
【0029】
図17は、図16のS1605の処理の手順を示すフローチャートである。CPU102は、対応付ける画像を取得する際、まず、前フォトブックの画像情報の経過時間を取得し(S1701)、新たに撮影された画像で、未だ対応付けられていない画像と対応付けられるか否かを判定していく(S1702)。具体的には、CPU102は、撮影された画像の経過時間を取得し(S1703)、S1701で取得した画像の経過時間との差を算出し(S1705)、その差が許容範囲内であれば(S1705)、対応付けられる画像とみなす(S1706)。
【0030】
以上のように本実施例においては、以前に作成したフォトブックデータと別の画像で同様のフォトブックデータを作成する場合に、自動的にフォトブックデータを作成することができ、操作者の工数を低減することができる。なお、自動でフォトブックデータが作成された後、図6に示すエディタ等で調整や更新が可能である。以前のフォトブックよりも撮影シーンが増えた場合は、手動で追加することもでき、一方、撮影シーンが減った場合は、自動もしくは手動で画像枠やページの削除を行うことができる。
【0031】
図18は、画像の対応付けを行う条件の設定画面の一例である。チェックボックス1811、1821、1831は、位置情報に関する条件を表し、チェックボックス1841は、時間経過に関する条件を表す。また、チェックボックス1851は、撮影装置で設定するシーン情報に関する条件を表す。また、本図以外にも画像の縦横の向きなど、様々な画像の属性情報による条件が設定できるように構成されても良い。条件は複数指定することが可能であり、位置情報に関する条件と時間経過に関する条件の両方を指定することもできる。この場合、時間経過による対応付けを行った上で、さらに位置情報による対応付けを確認する処理が図17のS1706の手前で行われることになる。
【0032】
イベントのスケジュールの順序は都合により変更される場合がある。図19は、スケジュールの順序が変更された場合を示す図である。図19(a)のスケジュール1905が手前に移動されたことを示す図が図19(b)である。スケジュール1905がスケジュール1925に変更された場合、スケジュール1925の長さと移動時間に基づき、撮影時刻1913、1914、1915は、それぞれ撮影時刻1933、1934、1935として各画像に新たに割当てられる。図19(a)では、例えば、S5は撮影時刻12:00に撮影する予定であったものがS2の後に変更になったので、撮影時刻は10:30として新たに割当てられる。そして、S3以降は、S4との撮影時刻との差を考慮しながら、順次、撮影時刻が新たに割り当てられていく。
【0033】
経過時間による対応付けを行う場合に、予め決定されていたスケジュールの順序が変更されると適切な対応付けが行われない。しかしながら、変更対象の各スケジュールの長さと移動時間とが指定されていれば、以前に作成されたフォトブックデータに設定されている各画像の撮影時刻を自動的に調整することができる。その結果、スケジュールの変更後においても、図16及び図17に示すような対応付けの処理が可能になる。図11に基づいて説明すると、変更されるスケジュールの長さと移動時間が指定されることによって、画像1111〜1116の撮影時刻を自動的に調整し、新たに撮影された画像1121〜1126との対応付けが適切に行われるようにする。また、調整が行われた際、フォトブックデータ1100の画像603と画像枠602との位置を連動して動かすことも可能である。これによって、イベントのスケジュールの順序変更があった場合にも、フォトブックデータの自動作成が可能になる。
【0034】
以上の説明においては、画像の属性情報とフォトブックデータが保持するレイアウト情報とを分けているが、画像の属性情報をフォトブックデータ側に一括して保持させるようにしても良い。また、以前に作成したフォトブックデータをテンプレートとして取得し、フォトブックテンプレートとして再利用する構成を設けても良い。
【0035】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフォトブックにおける複数の第1の画像データのレイアウト情報と、前記各第1の画像データの撮影パラメータに関する属性情報を取得する第1の取得手段と、
複数の第2の画像データの撮影パラメータに関する属性情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記各第1の画像データの属性情報と、前記第2の取得手段により取得された前記各第2の画像データの属性情報とに基づき、前記各第1の画像データと前記各第2の画像データとを対応付ける対応付け手段と、
前記第1の取得手段により取得された前記レイアウト情報に従って、前記対応付け手段によって対応付けられた前記各第2の画像データをレイアウトして第2のフォトブックを作成するためのフォトブックデータを生成する生成手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記属性情報は、画像データの撮影時刻であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記対応付け手段は、前記各第1の画像データの撮影時刻と前記各第2の画像データの撮影時刻との差が予め定められた許容範囲内にある第1の画像データと第2の画像データとを対応付けることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記各第1の画像データの撮影時刻に基づいた前記複数の第1の画像データの順序を変更する変更手段と、
当該変更後の順序に従って、前記各第1の画像データに撮影時刻を割り当てる割当手段とをさらに備え、
前記対応付け手段は、前記割当手段により撮影時刻が割り当てられた前記各第1の画像データと、前記各第2の画像データとを対応付けることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
画像処理装置において実行されるフォトブック作成方法であって、
前記画像処理装置の第1の取得手段が、第1のフォトブックにおける複数の第1の画像データのレイアウト情報と、前記各第1の画像データの撮影パラメータに関する属性情報を取得する第1の取得工程と、
前記画像処理装置の第2の取得手段が、複数の第2の画像データの撮影パラメータに関する属性情報を取得する第2の取得工程と、
前記画像処理装置の対応付け手段が、前記第1の取得工程において取得された前記各第1の画像データの属性情報と、前記第2の取得手段により取得された前記各第2の画像データの属性情報とに基づき、前記各第1の画像データと前記各第2の画像データとを対応付ける対応付け工程と、
前記画像処理装置の生成手段が、前記第1の取得工程において取得された前記レイアウト情報に従って、前記対応付け工程において対応付けられた前記各第2の画像データをレイアウトして第2のフォトブックを作成するためのフォトブックデータを生成する生成工程と
を有することを特徴とするフォトブック作成方法。
【請求項6】
請求項5に記載のフォトブック作成方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−221005(P2012−221005A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83125(P2011−83125)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】