説明

画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム

【課題】 設定された変換条件に従って画像データを変換したときに得られる送信データのデータサイズを予測し、迅速にユーザに通知する仕組みを提供することを目的とする。
【解決手段】 スキャナ221から入力される画像データを変換するための変換条件と、各変換条件に従って画像データを変換した場合のデータサイズの変化量を示す情報とを対応付けたテーブルをHDD214に保持する。そして、図4、図5、図14の操作画面を介して特定の変換条件が設定された場合に、保持されているテーブル(図7、図8)の情報を用いて、スキャナ221から入力される画像データを変換した場合に得られる送信データのデータサイズを予測する。そして予測の結果に基づいて、データサイズが大きくなる可能性があることをユーザに通知する(図11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを送信する送信手段を備える画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介して画像データを送信する技術が知られている。例えば、入力された画像データを添付ファイルとして電子メールに付加して送信することができる。
【0003】
ネットワークを介して画像データを送信する場合、画像データの形式やページ数などによっては画像データのデータサイズが大きくなり、ネットワークトラフィック増加の原因となることがある。
【0004】
また特に、画像データを電子メールで送信する場合は、データサイズが大きい画像データを添付した電子メールを送信したときに、送信エラーになることがある。この原因として、電子メールを中継するメールサーバに、処理可能なデータサイズの上限値が設けられていることが挙げられる。つまり、メールサーバに設定された上限値を超えるデータサイズの電子メールは、メールサーバによる中継が行われず、送信エラーとなってしまう。
【0005】
これらの問題に対して、特許文献1によれば、画像データを送信する際に、実際に送信される送信データのデータサイズを算出し、送信前にユーザに提示することが知られている。このように、送信されるデータのデータサイズをユーザに提示することにより、データサイズが大き過ぎる場合にはユーザに送信中止を判断させることができるので、無駄な送信処理の実行を回避することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−341821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した通り、送信されるデータのデータサイズをユーザに通知することが知られているが、従来は、データサイズをユーザに通知するまでに長い時間がかかるという問題があった。
【0008】
即ち、特許文献1に記載の技術によれば、入力された画像データを指定された変換条件に従って変換した後に、当該変換処理によって実際に得られた送信データのデータサイズをユーザに提示している。このため、変換処理に時間がかかった場合はその分だけデータサイズの提示も遅くなってしまう。特に、処理に時間がかかる変換条件が指定された場合や画像データのページ数が多い場合は、データサイズを提示するまでに長い時間がかかってしまう。
【0009】
データサイズを提示するまでに長い時間がかかった場合、例えば原稿上の画像をスキャナで読み取って送信しようとするユーザは、原稿の読み取りが終了した後、変換処理が完了するまで装置の前で待たなくてはならず作業効率が低下してしまう。また、操作に不慣れなユーザは、原稿の読み取りが終了したときに、データサイズが提示されることを知らずに原稿を持って立ち去ってしまうことも考えられる。
【0010】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、設定された変換条件に従って画像データを変換したときに得られる送信データのデータサイズを予測し、迅速にユーザに通知する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために本発明の画像処理装置は、画像データを入力する入力手段と、前記入力手段により入力される画像データを変換するための複数の変換条件と、各変換条件に従って画像データを変換した場合の、変換前の画像データのデータサイズと変換後に得られる送信データのデータサイズの関係を示す情報とを対応付けて保持する保持手段と、前記入力手段により入力される画像データを変換するための変換条件をユーザからの指示に従って設定する設定手段と、前記設定手段により変換条件が設定された場合に、当該設定された変換条件に従って前記入力手段により入力される画像データを変換した場合に得られる送信データのデータサイズを、前記保持手段に保持されている情報を用いて予測する予測手段と、前記予測手段による予測の結果に基づいてユーザに対する通知を行う通知手段と、前記設定手段により設定された変換条件に従って、前記入力手段により入力される画像データを変換し、当該変換によって得られる送信データを送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、設定された変換条件に従って画像データを変換したときに得られる送信データのデータサイズを予測し、迅速にユーザに通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態における画像処理システムの全体図である。
【図2】本発明の実施形態におけるMFP101の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における操作部219に表示される画面例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における操作部219に表示される画面例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における操作部219に表示される画面例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態におけるスキャンデータのデータサイズと送信データのデータサイズの関係を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における、複数の変換条件と、変換前の画像データのデータサイズと変換後に得られる送信データのデータサイズの関係を示す情報とを対応付けて保持するテーブルを示す図である。
【図8】本発明の実施形態における、複数の変換条件と、変換前の画像データのデータサイズと変換後に得られる送信データのデータサイズの関係を示す情報とを対応付けて保持するテーブルを示す図である。
【図9】本発明の実施形態における、JPEG設定の圧縮率に応じたデータサイズの予測値の補正度合い、及び、高圧縮PDFの背景画質レベルに応じたデータサイズの予測値の補正度合いを示す図である。
【図10】本発明の実施形態におけるMFP101の動作を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態における操作部219に表示される画面例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態におけるMFP101の動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態におけるMFP101の動作を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態における操作部219に表示される画面例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態におけるMFP101の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0015】
〔第1の実施形態〕
図1は、第1の実施形態における画像処理システムの全体図を示す。LAN100には、MFP101、MFP102、メールサーバ103、PC104が互いに通信可能に接続されている。MFP101は、後述する通りスキャナやプリンタを備える複合機(Multi Functional Peripheral)である。また、MFP101は、スキャナが原稿を読み取ることにより生成した画像データまたはLAN100を介して受信した画像データを電子メールに添付して送信する機能を有する。MFP101、MFP102、PC104には、図示する通りメールアドレスが割り当てられており、これらのメールアドレスを送信先として指定することにより、所望の相手に電子メールを送信することができる。
【0016】
例えば、MFP101からPC104に電子メールを送信する場合、まずMFP101がSMTPプロトコルに従ってメールサーバ103に電子メールを送信する。その後、メールサーバ103に格納されている電子メールを、PC104がPOP3プロトコルに従って取得する。なお、ここでは1つのメールサーバ103のみが存在する例を説明したが、複数のメールサーバが連携して電子メールを中継する形態であっても構わない。
【0017】
また、MFP101からMFP102に電子メールを送信する場合は、PC104に対して送信する場合と同様にメールサーバ103を経由させて電子メールを送信することができるが、メールサーバ103を経由させずに送信することも可能である。即ち、MFP102にはSMTPサーバ機能が備えられているため、MFP101とMFP102とがSMTPプロトコルに従った通信を行い、MFP101からMFP102に電子メールを直接送信することができる。なお、電子メールの送信をメールサーバ経由で行うかまたはメールサーバ非経由で行うかは、後述する通りユーザが任意に選択可能である。また、メールサーバ非経由での電子メールの送信は、後述するインターネットFAXモードにおいてのみ有効であり、電子メールモードでは選択できないようになっている。
【0018】
図2は、MFP101の構成を示すブロック図である。CPU211を含む制御部210は、MFP101全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御を行う。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。
【0019】
HDD214は、画像データや各種プログラム、或いは各種情報テーブル(例えば、図7乃至図9に示すテーブル)を記憶する。操作部I/F215は、操作部219と制御部210とを接続する。操作部219には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられている。
【0020】
プリンタI/F216は、プリンタ220と制御部210とを接続する。プリンタ220で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210から転送され、プリンタ220において記録媒体上に印刷される。
【0021】
スキャナI/F217は、スキャナ221と制御部210とを接続する。スキャナ221は、原稿上の画像を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。
【0022】
ネットワークI/F218は、制御部210(MFP101)をLAN100に接続する。ネットワークI/F218は、LAN100上の外部装置(例えば、MFP102やメールサーバ103)に画像データや各種情報を送信したり、LAN100上の外部装置から各種情報を受信したりする。
【0023】
次に、MFP101が有する送信機能について説明する。MFP101は、スキャナが原稿を読み取ることにより生成した画像データまたはLAN100を介して受信した画像データを入力し、その入力された画像データを種々の送信方法を用いて送信することが可能である。第1の実施形態では、そのうち電子メールを用いて画像データを送信する場合について以下に説明するが、この他にファクシミリ通信やファイル転送プロトコルを用いて画像データを送信する機能を有していても構わない。
【0024】
MFP101は、電子メールに添付して画像データを送信するための送信モードとして、電子メールモードとインターネットFAXモードの2つを備えている。インターネットFAXモードとは、RFC2305で規定されているインターネットFAX規格に則った形式の画像データを送信するための送信モードである。より具体的には、入力された画像データをRFC3949で規定されているTIFFファイルに変換し、変換後の画像データを電子メールに添付して送信する。この電子メールを受信した受信側のMFP(例えば、MFP102)は、受信した電子メールから画像データを取り出して印刷する。なお、MFP101が備えるインターネットFAXモードは、モノクロ画像データの送信にのみ対応し、カラー画像データの送信には対応していないものとして以降の説明をするが、カラー画像データの送信に対応するようにしても構わない。
【0025】
一方、電子メールモードとは、インターネットFAX規格に則った形式以外の形式の画像データを送信することが可能な送信モードである。即ち、電子メールモードでは、TIFFに限らずJPEGやPDFなど種々のファイルフォーマットの画像データを電子メールに添付して送信することができる。ここでは、電子メールモードで送信可能なファイルフォーマットとしてJPEGとPDF(高圧縮PDFまたは非高圧縮PDF)のいずれかを選択できる例を説明するが、更にTIFFやそれ以外のファイルフォーマットを選択できるようにしても構わない。
【0026】
MFP102は、MFP101と同様の機能・構成を有するものであるため、説明は省略する。
【0027】
図3は、スキャナ221で原稿上の画像を読み取って入力される画像データを、電子メールに添付して送信するための各種設定を行う操作画面群の1つであり、スキャナ221による読取処理に関する読取パラメータを設定するための操作画面の一例を示す。
【0028】
項目301では、「フルカラー」、「グレイスケール」、「白黒2値」のうちどのカラーモードを用いて原稿を読み取るかを選択する。なお、どのカラーモードを用いて原稿を読み取るかを原稿上の画像に応じて自動的に決定する「自動カラー選択」を選択することも可能である。
【0029】
項目302では、原稿上の画像を読み取る際の解像度を選択する。解像度は、「100×100dpi」、「150×150dpi」、「200×100dpi」、「200×200dpi」、「200×400dpi」、「300×300dpi」、「400×400dpi」、「600×600dpi」のいずれかを選択する。
【0030】
領域303には、現在までに選択された倍率と用紙サイズが表示される。図3に示す例では、倍率が「100%」で用紙サイズが「自動」という選択になっていることが分かる。倍率を変更するときは、項目305を用いて任意の倍率を選択する。また、倍率を「100%」に戻すときは、ボタン304を押下すればよい。用紙サイズは、項目306を用いて、「自動」、「A5」、「B5」、「A4」、「B4」、「A3」、「LTR」、「STMT」、「11×17」から選択することができる。
【0031】
項目307では、「−4」から「+4」までの範囲で読み取りの濃度を選択することができる。項目308では、「文字」、「文字写真」、「写真」の中から原稿タイプを選択することができる。
【0032】
ボタン309が押下された場合は、その時点までに選択された内容が全てリセットされる。ボタン310が押下された場合は、その時点までに選択された内容が決定され、登録される。
【0033】
図4は、送信する画像データのファイル形式を選択するための操作画面の一例を示す。項目401は、画像データをPDF形式のファイルに変換して送信する場合に選択する。また、項目402は、画像データをJPEG形式のファイルに変換して送信する場合に選択する。
【0034】
項目403乃至405は、項目401が選択される場合にのみ有効となる項目である。項目403は、画像データを高圧縮PDF形式のファイルに変換して送信する場合に選択する。項目403が選択された場合、画像データは画像領域と文字領域に分離され、画像部分の解像度を落とすことによりデータサイズが小さくされる。一方、項目403が選択されない場合は、画像データは非高圧縮PDF形式のファイルに変換されることになる。
【0035】
項目404が選択された場合は、文字認識機能を利用して画像データに対して文字認識(OCR)処理を実行し、処理結果として得られる文字コードがPDF形式の画像データに付加される。項目405が選択された場合は、MFP101の情報やMFP101を操作するユーザを示す情報が電子署名としてPDF形式の画像データに付加される。
【0036】
ボタン406が押下された場合は、その時点までに選択された内容が全てリセットされる。ボタン407が押下された場合は、その時点までに選択された内容が決定され、登録される。
【0037】
図5は、画像データをJPEG形式のファイルに変換する場合の圧縮率の選択と、画像データを高圧縮PDF形式のファイルに変換する場合の背景画質レベルの選択を行うための操作画面の一例を示す。
【0038】
ボタン501乃至503は、画像データをJPEG形式のファイルに変換する場合の圧縮率の選択を行うためのものである。ボタン501を用いて「高圧縮」が選択された場合は、データサイズの小さいファイルが生成されるが、他のボタンを選択する場合と比較して画像の劣化が大きくなる。一方、ボタン503を用いて「低圧縮」が選択された場合は、他のボタンを選択する場合と比較して高品位な画質が維持されるが、生成されるファイルのデータサイズは大きくなる。
【0039】
ボタン504乃至506は、画像データを高圧縮PDF形式のファイルに変換する場合の画質レベルの選択を行うためのものである。ボタン504を用いて「データサイズ優先」が選択された場合は、データサイズの小さいファイルが生成されるが、他のボタンを選択する場合と比較して画像の劣化が大きくなる。一方、ボタン506を用いて「画質優先」が選択された場合は、他のボタンを選択する場合と比較して高品位な画質が維持されるが、生成されるファイルのデータサイズは大きくなる。
【0040】
図6は、スキャナ221から入力される画像データ(スキャンデータ)のデータサイズと、特定の変換条件に従った変換により得られる画像データ(送信データ)のデータサイズの関係を示す図である。図6では、カラーモードが「フルカラー」、解像度が「300×300dpi」、用紙サイズが「A4」、原稿タイプが「文字写真」の設定で読み取られた画像データをJPEG形式のファイルに変換する場合の例を示す。
【0041】
図6には、複数の異なるデータサイズのスキャンデータを実際に変換する実験を行い、得られた送信データのデータサイズの値をプロットしている。図示するように、スキャンデータのデータサイズと送信データのデータサイズの関係は、多少の誤差はあるものの、おおまかに直線で示すことができる。この関係は、“x”をスキャンデータのサイズとし、“y”を送信データのサイズとした場合に、y=1.170x−1529996という数式で近似することができる。このように、スキャンデータのデータサイズと変換後に得られる送信データのデータサイズとの間には、一次関数で示される関係があり、各変換条件に対応する数式を示したものが図7及び図8である。
【0042】
図7(a)は、電子メールモードが選択され、図4の設定画面で「JPEG」または「非高圧縮PDF」が選択された場合において画像データを変換したときのデータサイズの変化量を示す。電子メールモードで「JPEG」または「非高圧縮PDF」が選択される場合は、更に以下のパラメータが選択されうる。具体的には、図3の設定画面の項目308を用いて、「文字」、「文字写真」、「写真」のいずれかの原稿タイプが選択される。また、図3の設定画面の項目301を用いて「フルカラー」、「グレイスケール」のいずれかのカラーモードが選択される。なお、「白黒2値」が選択される場合については図8(a)を用いて後述する。
【0043】
更に、図3の項目302を用いて解像度が選択される。ここで選択される解像度は、図7(a)に示すように「低」と「高」の2つに分類される。「低」には、項目302で選択可能な解像度のうち「100×100dpi」、「150×150dpi」、「200×100dpi」、「200×200dpi」、「300×300dpi」が分類される。一方、「高」には、項目302で選択可能な解像度のうち「200×400dpi」、「400×400dpi」、「600×600dpi」が分類される。
【0044】
このように、選択可能な解像度を2つに分類している理由は、スキャナ221が生成可能な画像データが「300×300dpi」と「600×600dpi」の2種類であり、これら以外の解像度については解像度を落とすための変倍処理で対応するからである。即ち、「100×100dpi」〜「300×300dpi」のグループ内では、スキャンデータのデータサイズと変換後に得られる送信データのデータサイズの関係が同一の数式で示される。同様に、「200×400dpi」〜「600×600dpi」のグループ内も、スキャンデータのデータサイズと変換後に得られる送信データのデータサイズの関係が同一の数式で示される。
【0045】
更に、図3の項目306を用いて「A4」、「B4」、「A3」のいずれかの用紙サイズが選択される。
【0046】
図7(a)では、以上に説明した原稿タイプ、カラーモード、解像度、用紙サイズのそれぞれの組み合わせ毎に、スキャンデータのデータサイズと当該スキャンデータを変換することにより得られる送信データのデータサイズの相関を示す数式が管理されている。例えば、「電子メールモード」、「JPEG」、「写真」、「カラー」、「200×200dpi」という設定の場合は、図7(a)のテーブルからy=0.635x+838898という数式が得られる。そして、この式の“x”にスキャンデータのデータサイズを代入したときに得られる“y”の値が、変換後に得られる送信データのデータサイズの予測値となる。なお、図7(a)及び後述する図7(b)、図8(a)、図8(b)に示す数式において、“x”及び“y”の値はbyte単位である。
【0047】
図7(b)は、電子メールモードが選択され、図4の設定画面で「高圧縮PDF」が選択された場合において画像データを変換したときのデータサイズの変化量を示す。電子メールモードで「高圧縮PDF」が選択される場合は、更に以下のパラメータが選択されうる。具体的には、図3の設定画面の項目308を用いて、「文字」、「文字写真」、「写真」のいずれかの原稿タイプが選択される。また、図3の設定画面の項目301を用いて「フルカラー」、「グレイスケール」のいずれかのカラーモードが選択される。なお、「高圧縮PDF」を選択した場合は、カラーモードの「白黒2値」は選択不可能であるものとする。また、「高圧縮PDF」を選択した場合は、「300×300dpi」以外の解像度は選択不可能であるものとする。更に、図3の項目306を用いて「A4」、「B4」、「A3」のいずれかの用紙サイズが選択される。
【0048】
図7(b)では、以上に説明した原稿タイプ、カラーモード、用紙サイズのそれぞれの組み合わせ毎に、スキャンデータのデータサイズと当該スキャンデータを変換することにより得られる送信データのデータサイズの相関を示す数式が管理されている。
【0049】
図8(a)は、電子メールモードが選択され、図4の設定画面で「非高圧縮PDF」が選択され、図3の項目301を用いて「白黒2値」が選択された場合において画像データを変換したときのデータサイズの変化量を示す。電子メールモードで「非高圧縮PDF」及び「白黒2値」が選択される場合は、更に以下のパラメータが選択されうる。具体的には、図3の設定画面の項目308を用いて、「文字」、「文字写真」、「写真」のいずれかの原稿タイプが選択される。
【0050】
また、図3の項目302を用いて解像度が選択される。ここで選択される解像度は、図7(a)と同様の理由で「低」と「高」の2つに分類される。更に、図3の項目306を用いて「A4」、「B4」、「A3」のいずれかの用紙サイズが選択される。
【0051】
図8(a)では、以上に説明した原稿タイプ、解像度、用紙サイズのそれぞれの組み合わせ毎に、スキャンデータのデータサイズと当該スキャンデータを変換することにより得られる送信データのデータサイズの相関を示す数式が管理されている。
【0052】
図8(b)は、インターネットFAXモードが選択された場合において画像データを変換したときのデータサイズの変化量を示す。インターネットFAXモードが選択される場合は、更に以下のパラメータが選択されうる。具体的には、図3の設定画面の項目308を用いて、「文字」、「文字写真」、「写真」のいずれかの原稿タイプが選択される。なお、図3の設定画面の項目301に関しては、インターネットFAXモードを選択した場合は「白黒2値」以外のカラーモードは選択できないものとする。
【0053】
更に、図3の項目302を用いて解像度が選択される。ここで選択される解像度は、図7(a)と同様の理由で「低」と「高」の2つに分類される。更に、図3の項目306を用いて「A4」、「B4」、「A3」のいずれかの用紙サイズが選択される。
【0054】
図8(b)では、以上に説明した原稿タイプ、解像度、用紙サイズのそれぞれの組み合わせ毎に、スキャンデータのデータサイズと当該スキャンデータを変換することにより得られる送信データのデータサイズの相関を示す数式が管理されている。
【0055】
なお、図8(a)と図8(b)を比較して分かる通り、「非高圧縮PDF」と「TIFF」のフォーマットの違いはあるものの、原稿タイプ、解像度、用紙サイズのそれぞれの組み合わせに対応する数式は、図8(a)と図8(b)とで共通のものとなっている。
【0056】
図9(a)は、図5のボタン501乃至503を用いて選択するJPEG設定の圧縮率に応じたデータサイズの予測値の補正度合いを示す。例えば、ボタン501を用いて「高圧縮」が選択されている場合は、図7(a)のテーブルで管理されている数式によって得られるデータサイズの予測値に0.564を掛ける補正を行う。一方、ボタン503を用いて「低圧縮」が選択されている場合は、図7(a)のテーブルで管理されている数式によって得られるデータサイズの予測値に1.29を掛ける補正を行う。
【0057】
図9(b)は、図5のボタン504乃至506を用いて選択する高圧縮PDFの背景画質レベルに応じたデータサイズの予測値の補正度合いを示す。例えば、ボタン504を用いて「データサイズ優先」が選択されている場合は、図7(b)のテーブルで管理されている数式によって得られるデータサイズの予測値に0.661を掛ける補正を行う。一方、ボタン506を用いて「画質優先」が選択されている場合は、図7(b)のテーブルで管理されている数式によって得られるデータサイズの予測値に2.563を掛ける補正を行う。
【0058】
図10、図12、図13は、スキャナ221で原稿を読み取って入力される画像データを電子メールに添付して送信する一連の処理を説明するためのフローチャートである。図10、図12、図13のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0059】
ステップS1001では、図示しない操作画面を介して画像データ(電子メール)の送信先を指定する。具体的には、MFP102のmfp2@aaa.co.jpやPC104のuser@aaa.co.jpといったメールアドレスが指定される。なお、ここでは送信先だけでなく電子メールモードまたはインターネットFAXモードのいずれかを選択するものとするが、送信先と送信モードの対応関係を、HDD214内に保持されるアドレス帳に前もって登録しておいても良い。
【0060】
ステップS1002では、図3に示す操作画面を介して各種パラメータを含む読取設定を受け付ける。ステップS1003では、図4に示す操作画面を介してファイル形式の設定を受け付ける。
【0061】
ステップS1004では、図示しないスタートボタンが押下されたか否かを判定する。スタートボタンが押下されたと判定した場合はステップS1005に進み、そうでなければステップS1001に戻る。
【0062】
ステップS1005では、ステップS1002で受け付けた読取設定に従ってスキャナ221を制御し、原稿上の画像を読み取って、当該画像に基づく画像データを生成させる。
【0063】
ステップS1006では、スキャナ221から入力される画像データのデータサイズと、ステップS1001乃至S1003で受け付けた設定とに基づいて、送信データのデータサイズの予測値を算出する。この処理の詳細については、図12及び図13を用いて後述する。
【0064】
ステップS1007では、算出された予測値が制限値を超えているか否かを判定する。ここでは、制限値として5Mbyteという値が前もって設定されているものとするが、この値はMFP101の管理者が任意に変更可能である。判定の結果、予測値が制限値を超えている場合はステップS1008に進み、そうでなければステップS1009に進む。
【0065】
ステップS1008では、図11に示す画面を操作部219に表示し、予測された送信データのデータサイズが大きいことをユーザに対して通知する。なお、図11に示すメッセージに加えて、算出した予測値や設定されている制限値などの情報を併せて通知するようにしても良い。ステップS1007の判定の結果、予測値が制限値を超えていない場合はステップS1008の処理は省略される。即ち、予測された送信データのデータサイズが十分に小さい場合は、ユーザに対する不要な通知が行われずに済む。
【0066】
ステップS1009では、設定された変換条件に従って画像データを変換する。このとき、インターネットFAXモードであれば、指定された送信先によっては解像度や用紙サイズを変換(変倍)することが必要な場合がある。
【0067】
ステップS1010では、入力された全てのページの変換処理が済んだか否かを判定し、済んでいればステップS1012に進み、変換済みのデータを添付した電子メールを送信する。一方、変換処理が済んでいないページが存在する場合はステップS1011に進む。
【0068】
ステップS1011では、ユーザから処理の中止が指示されたか否かを判定する。第1の実施形態では、ステップS1008で通知を行った後、ユーザからの中止の指示がない限りは画像データの変換処理及び変換後の送信データの送信処理を実行する。しかし、ステップS1008での通知を受けたユーザが処理の中止を指示した場合は、画像データの変換処理及び変換後の送信データの送信処理を中止する。ステップS1011の判定の結果、ユーザから処理の中止が指示されていないと判定した場合は、ステップS1009に戻り、継続して変換処理を実行する。一方、ユーザから処理の中止が指示された場合は、変換済みのページのデータを破棄して処理を終了する。
【0069】
図12は、図10のステップS1006の処理を詳しく説明するためのフローチャートである。なお、図12は、送信モードとして電子メールモードが選択された場合に対応する処理であり、送信モードとしてインターネットFAXモードが選択された場合については図13を用いて後述する。
【0070】
ステップS1201では、図7(a)、図7(b)、図8(a)のいずれかのテーブルを参照し、読取設定や変換条件に対応する数式を得る。そして、得られた数式を用いて、スキャナ221から入力された画像データ(スキャンデータ)のデータサイズから変換後に得られる送信データのデータサイズの予測値を算出する。
【0071】
ステップS1202では、図4に示す操作画面を介して設定されたファイル形式が「JPEG」であるか否かを判定する。ここで「JPEG」と判定した場合にはステップS1205に進み、図5に示す操作画面を介して設定されたJPEG設定の圧縮率に応じた補正を行う。例えば、図5のボタン501が選択されている場合には、ステップS1201で算出された予測値に0.564を掛ける。
【0072】
ステップS1202の判定の結果、「JPEG」でないと判定した場合は、ステップS1203に進む。電子メールモードの場合、ファイル形式は「JPEG」及び「PDF」のいずれか一方となるため、ステップS1203では、設定されたファイル形式が「高圧縮PDF」であるか、または「非高圧縮PDF」であるかを判定する。
【0073】
ステップS1203の判定の結果、「高圧縮PDF」であると判定した場合は、ステップS1204に進み、図5に示す操作画面を介して設定された高圧縮PDF設定の背景画質レベルに応じた補正を行う。例えば、図5のボタン504が選択されている場合は、ステップS1201で算出された予測値に0.661を掛ける。
【0074】
一方、ステップS1203の判定の結果、「非高圧縮PDF」であると判定した場合は、ステップS1205に進み、図5に示す操作画面を介して設定されたJPEG設定の圧縮率に応じた補正を行う。これは、「非高圧縮PDF」の場合は、実際のデータの内容は「JPEG」と同じものとなるため、「JPEG」の場合と同じ補正が必要なためである。
【0075】
ステップS1204またはステップS1205の処理の後は、ステップS1206に進み、図4に示す操作画面を介して文字認識処理が指定されているか否かを判定する。この結果、文字認識処理が指定されていると判定した場合は、ステップS1207に進み、ステップS1204またはS1205で補正された予測値に、定数1000(Byte)を足す補正を行う。
【0076】
一方、ステップS1206の判定の結果、文字認識処理が指定されていないと判定した場合は、ステップS1207の処理を省略し、ステップS1208に進む。
【0077】
ステップS1208では、図4に示す操作画面を介して電子署名付加が指定されているか否かを判定する。この結果、電子署名付加が指定されていると判定した場合は、ステップS1209に進み、ステップS1204またはS1205で補正された予測値、或いは更にステップS1207で補正された予測値に、定数1000(Byte)を足す補正を行う。
【0078】
ステップS1210では、未処理のページがあるか否かを判定し、未処理のページがなければステップS1211に進む。一方、未処理のページが残っていれば、ステップS1201に戻り、次ページ以降の処理を行う。
【0079】
ステップS1211では、ステップS1201乃至S1210の処理の結果として得られた予測値に、1.33を掛ける補正を行う。これは、電子メールに添付するデータをBase64方式でエンコードする際に、データサイズが増加するためである。
【0080】
以上の処理により、電子メールモードが選択されている場合における送信データのデータサイズの予測値を算出する。次に、送信モードとしてインターネットFAXモードが選択された場合について説明する。
【0081】
図14は、インターネットFAXモードで画像データを送信するための送信設定を行う操作画面である。ユーザは、送信時にこの操作画面を介して送信先の受信能力を設定可能であり、設定された受信能力を示す能力情報が登録される。なお、送信先の受信能力の指定を送信毎に行うのではなく、送信先毎の受信能力を示す能力情報をアドレス帳に前もって登録しておくこともできる。項目1401には、送信先(この場合、インターネットFAX対応機)のメールアドレスを入力する。
【0082】
項目1402では、メールサーバ103を経由させて電子メールを送信するか、メールサーバ103を経由させずに電子メールを相手装置に直接送信するかを選択する。項目1402の設定が「ON」になっている場合は、メールサーバ経由で送信され、「OFF」になっている場合は、メールサーバ非経由で送信されることになる。
【0083】
項目1403では、送信先が処理可能な用紙サイズを選択する。項目1404では送信先が処理可能な圧縮方式を選択する。項目1405では、送信先が処理可能な解像度を選択する。なお、用紙サイズと解像度に関しては、図4の操作画面を介して設定される読取パラメータと、図14の操作画面を介して設定される処理能力が異なる場合は、能力がより低い値に合わせて画像データを変換する。例えば、読取設定が「A3」であるにも関わらず、送信先の能力が「A4」であれば、スキャナ221から入力されるA3サイズの画像データはA4サイズに変倍される。
【0084】
図13は、インターネットFAXモードが選択された場合における、図10のステップS1006の処理を詳しく説明するためのフローチャートである。
【0085】
ステップS1301では、電子メールをメールサーバ経由で送信することが設定されているか否かを判定する。この結果、メールサーバ経由で送信することが設定されていると判定した場合は、ステップS1302に進み、そうでなければステップS1303に進む。
【0086】
ステップS1303では、送信データのデータサイズの予測値を0とする。これは、メールサーバ非経由で電子メールが送信される場合は、データサイズが大きいことに起因する送信エラーが発生する可能性が低く、データサイズが大きくなるとしてもユーザに通知する必要がないからである。なお、メールサーバ非経由であってもネットワークトラフィック増加を防止するためにユーザに通知を行うようにしても良い。この場合は、ステップS1301の判定を行うことなくステップS1302に進む。
【0087】
ステップS1302では、図8(b)のテーブルを参照し、読取設定に対応する数式を得る。そして、得られた数式を用いて、スキャナ221から入力された画像データ(スキャンデータ)のデータサイズから変換後に得られる送信データのデータサイズの予測値を算出する。
【0088】
ステップS1304では、ステップS1302で算出された予測値を、ステップS1001で選択された送信先に応じて補正する。具体的には、A3サイズの画像データをA4サイズに変倍する場合は70%の縮小となるため、ステップS1302で算出された予測値に0.70を掛ける。また、例えば「300×300dpi」の解像度で読み取られた画像データを「200×200dpi」の能力しかない送信先に送信する場合は、44%の縮小となるため、0.44を掛ける。一方、画像データを変倍する必要がない場合はここでの補正は行われない。
【0089】
ステップS1305では、未処理のページがあるか否かを判定し、未処理のページがなければステップS1306に進む。一方、未処理のページが残っていれば、ステップS1302に戻り、次ページ以降の処理を行う。
【0090】
ステップS1306では、未処理の送信先があるか否かを判定し、未処理の送信先がなければステップS1307に進む。一方、未処理の送信先が残っていれば、ステップS1301に戻り、次送信先以降の処理を行う。なお、ここでは複数の送信先を同時に選択可能である場合について説明したが、同時に選択可能な送信先が1つだけの構成であっても構わない。
【0091】
ステップS1307では、送信先毎に算出及び補正された予測値のうち、最も大きい予測値を選択し、ステップS1308に進む。
【0092】
ステップS1308では、ステップS1307で選択された予測値に、1.33を掛ける補正を行う。これは、電子メールに添付するデータをBase64方式でエンコードする際に、データサイズが増加するためである。以上の処理により、インターネットFAXモードが選択されている場合における送信データのデータサイズの予測値を算出する。
【0093】
以上説明した通り、第1の実施形態では、入力される画像データを変換するための変換条件と、変換前の画像データのデータサイズと変換後に得られる送信データのデータサイズの関係を示す情報とを対応付けたテーブルをHDD214に保持する。そして、図4、図5、図14の操作画面を介して特定の変換条件が設定された場合に、保持されているテーブル(図7、図8)の情報を用いて、スキャナ221から入力される画像データを変換した場合に得られる送信データのデータサイズを予測する。そして予測の結果に基づいて、データサイズが大きくなる可能性があることをユーザに通知する(図11)。これらの構成により、スキャナ221から入力される画像データを実際に変換することを必要とせずに送信データのデータサイズの予測値を算出し、迅速にユーザに対する通知を行うことができる。
【0094】
〔第2の実施形態〕
次に本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して、図10のステップS1007以降の処理が異なっている。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0095】
図15は、スキャナ221で原稿を読み取って入力される画像データを電子メールに添付して送信する一連の処理を説明するためのフローチャートである。図15のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。なお、ステップS1001乃至S1007の処理は、図10で説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0096】
ステップS1007では、算出された予測値が制限値を超えているか否かを判定し、この判定の結果、予測値が制限値を超えている場合はステップS1501に進み、そうでなければステップS1503に進む。
【0097】
ステップS1501では、図11に示す画面を操作部219に表示し、送信データのデータサイズが大きいことをユーザに対して通知する。なお、ここでは図11に示す内容に加えて、「継続」を指示するためのボタンと「中止」を指示するためのボタンとが表示される。また更に、図11に示すメッセージに加えて、算出した予測値や設定されている制限値などの情報を併せて通知するようにしても良い。
【0098】
ステップS1502では、図11に示す画面を確認したユーザからの指示の内容を判断する。ここで、ユーザからの指示が「継続」である場合はステップS1503に進み、「中止」である場合はそのまま処理を終了する。なお、ユーザからの指示がないまま所定時間が経過した場合も、そのまま処理を中止する。
【0099】
ステップS1503では、設定された変換条件に従って画像データを変換する。このとき、インターネットFAXモードであれば、指定された送信先によっては解像度や用紙サイズを変換(変倍)することが必要な場合がある。
【0100】
ステップS1504では、入力された全てのページの変換処理が済んだか否かを判定し、済んでいればステップS1505に進み、変換済みのデータを添付した電子メールを送信する。一方、変換処理が済んでいないページが存在する場合はステップS1503に戻り、継続して変換処理を実行する。
【0101】
以上説明した通り、第2の実施形態では、ユーザに対する通知を行った後に、ユーザから処理を継続することが指示されたことに応じて画像データの変換及び変換後の送信データの送信を開始するようにしている。これにより、通知を受けたユーザが中止を望む場合に、変換処理及び送信処理を行わずに済むため、装置の負荷を軽減させることができる。
【0102】
〔他の実施形態〕
なお、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0103】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力される画像データを変換するための複数の変換条件と、各変換条件に従って画像データを変換した場合の、変換前の画像データのデータサイズと変換後に得られる送信データのデータサイズの関係を示す情報とを対応付けて保持する保持手段と、
前記入力手段により入力される画像データを変換するための変換条件をユーザからの指示に従って設定する設定手段と、
前記設定手段により変換条件が設定された場合に、当該設定された変換条件に従って前記入力手段により入力される画像データを変換した場合に得られる送信データのデータサイズを、前記保持手段に保持されている情報を用いて予測する予測手段と、
前記予測手段による予測の結果に基づいてユーザに対する通知を行う通知手段と、
前記設定手段により設定された変換条件に従って、前記入力手段により入力される画像データを変換し、当該変換によって得られる送信データを送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
原稿上の画像を読み取って、当該画像に基づく画像データを生成する読取手段を更に備え、
前記入力手段は、前記読取手段により生成された画像データを入力することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記予測手段により予測された送信データのデータサイズが所定の制限値を超えるか否かを判定する第1の判定手段を更に備え、
前記通知手段は、前記第1の判定手段により、前記予測手段により予測された送信データのデータサイズが前記所定の制限値を超えると判定された場合に、ユーザに対する前記通知を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記変換によって得られる送信データを電子メールで送信することが可能であって、
前記電子メールがメールサーバ経由で送信されるか、またはメールサーバ非経由で送信されるかを判定する第2の判定手段を更に備え、
前記通知手段は、前記第1の判定手段により、前記予測手段により予測された送信データのデータサイズが前記所定の制限値を超えると判定され、且つ、前記第2の判定手段により、前記電子メールがメールサーバ経由で送信されると判定された場合にユーザに対する前記通知を行い、前記第1の判定手段により、前記予測手段により予測された送信データのデータサイズが前記所定の制限値を超えないと判定された場合、または、前記第2の判定手段により、前記電子メールがメールサーバ非経由で送信されると判定された場合は、ユーザに対する前記通知を行わないことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記通知手段による通知の後にユーザから処理を中止することが指示された場合は、前記画像データの変換または当該変換によって得られる送信データの送信を中止することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記通知手段による通知の後にユーザから処理を継続することが指示されたことに応じて、前記画像データの変換及び当該変換によって得られる送信データの送信を開始することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記設定手段は、送信先の受信能力を示す能力情報を各送信先に対応付けて設定可能であって、
前記予測手段は、画像データの送信先が指定された場合に、当該指定された送信先に対応付けて設定されている受信能力に応じて決定される変換条件と、前記保持手段により保持されている情報とに基づいて、前記送信データのデータサイズの予測を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記変換条件は、少なくともファイル形式の指定、解像度の指定、用紙サイズの指定、圧縮率の指定、画質レベルの指定、文字認識機能を利用するか否かの指定、電子署名を付加するか否かの指定のいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
画像データを入力する入力工程と、
前記入力工程で入力される画像データを変換するための複数の変換条件と、各変換条件に従って画像データを変換した場合の、変換前の画像データのデータサイズと変換後に得られる送信データのデータサイズの関係を示す情報とを対応付けて保持する保持工程と、
前記入力工程で入力される画像データを変換するための変換条件をユーザからの指示に従って設定する設定工程と、
前記設定工程で変換条件が設定された場合に、当該設定された変換条件に従って前記入力工程で入力される画像データを変換した場合に得られる送信データのデータサイズを、前記保持工程で保持された情報を用いて予測する予測工程と、
前記予測工程における予測の結果に基づいてユーザに対する通知を行う通知工程と、
前記設定工程で設定された変換条件に従って、前記入力工程で入力される画像データを変換し、当該変換によって得られる送信データを送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−160270(P2011−160270A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21270(P2010−21270)
【出願日】平成22年2月2日(2010.2.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】