説明

画像処理装置およびプログラム並びに画像診断装置

【課題】画像において、ノイズを不必要に増加させることなく、高い空間分解能が望まれる領域に対して空間分解能を向上させることができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像における注目領域に対応する代表画素値を取得する手段と、注目領域または注目領域およびその近傍領域における画素値のバラツキの指標値を算出する手段と、取得された代表画素値および算出された指標値に応じて強調度を決定する手段と、決定された強調度に基づいて注目領域に対する高周波強調処理を行う手段とを備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の空間分解能を向上させる画像処理装置およびプログラム(program)並びに画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くのX線CT(Computed Tomography)装置では、撮影により収集された投影データ(data)に対して、再構成関数とたたみ込み演算を行い、逆投影処理してX線CT画像を再構成している。
【0003】
X線CT画像の画質は、画像再構成に用いる再構成関数の特性に依存する。そこで、X線CT装置では、再構成される画像の画質がそれぞれ異なる複数種類の再構成関数を用意し、ユーザ(user)に提供している。例えば、高周波成分が比較的強く現れるように調整された高空間分解能寄りの肺野用関数、高周波成分が比較的弱く現れるように調整された低ノイズ(noise)寄りの軟部用関数、これらの中間的な性質を持つ標準関数等が用意される。ユーザは、これらの再構成関数を、診断の目的や観察する部位等に応じて使い分けている(例えば特許文献1、段落[0021],[0029]〜[0030]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−073432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、再構成関数を用いて画像を再構成する場合、再構成画像における空間分解能とノイズレベル(noise level)とは、互いにトレードオフ(trade off)の関係にある。そのため、空間分解能を最大限に高めようとして、高周波成分が極めて強く現れるような再構成関数を用いると、ノイズの増大が激しくなり、実用に耐えない画像になってしまうことがある。
【0006】
このようなことから、従来用意されている再構成関数は、実用に耐え得る範囲内で空間分解能とノイズレベルとのバランス(valance)が調整されている。そのため、最も高空間分解能寄りの再構成関数であっても、投影データが潜在的に持っている空間分解能を最大限に引き出せていない。
【0007】
一方、被検体の部位の中でも非常に細かい構造を持つ部位、例えば耳小骨などでは、より高い空間分解能が望まれており、さらなる高空間分解能化の余地が残されている。ただし、やみくもに空間分解能の向上を追及して、高周波成分が強く現れるように調整された再構成関数を用いると、高い空間分解能をそれほど必要としない領域、例えば軟部組織領域に対しては、ノイズを不必要に増加させてしまうことになり、好ましくない。
【0008】
このような事情により、ノイズを不必要に増加させることなく、高い空間分解能が望まれる領域に対しては空間分解能をより向上させることができる処理が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の観点の発明は、画像における注目領域に対応する代表画素値を取得する取得手段と、前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域における画素値のバラツキ(variance)の指標値を算出する算出手段と、前記取得された代表画素値および前記算出された指標値に応じて強調度を決定する第1の強調度決定手段と、該第1の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う画像処理手段とを備えている画像処理装置を提供する。
【0010】
第2の観点の発明は、前記第1の強調度決定手段が、バラツキの指標値と強調度との関係を表しており、前記注目領域に対応する代表画素値によって異なる第1の関係に基づいて、前記算出された指標値に対応する強調度を特定する上記第1の観点の画像処理装置を提供する。
【0011】
なお、「代表画素値によって異なる第1の関係」は、代表画素値によって変化するように定められた関係を意味しており、一部において、複数の異なる代表画素値と同一の関係とが対応付けられているような場合を含むものである。
【0012】
第3の観点の発明は、前記第1の関係において、第1の範囲に含まれるバラツキの指標値と第1の強調度とが対応しており、前記第1の範囲より値が大きい第2の範囲に含まれるバラツキの指標値と前記第1の強調度より小さい第2の強調度とが対応しており、前記第2の範囲より値が大きい第3の範囲に含まれるバラツキの指標値と前記第2の強調度より大きい第3の強調度とが対応している上記第2の観点の画像処理装置を提供する。
【0013】
第4の観点の発明は、前記第2の範囲が、アーチファクト(artifact)の存在に対応するバラツキの指標値の範囲である上記第3の観点の画像処理装置を提供する。
【0014】
第5の観点の発明は、前記取得された代表画素値に応じて強調度を決定する第2の強調度決定手段をさらに備えており、前記画像処理手段が、前記第2の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う上記第1の観点から第4の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0015】
第6の観点の発明は、前記第2の強調度決定手段が、前記注目領域に対応する代表画素値と強調度との関係を表している第2の関係に基づいて、前記取得された代表画素値に対応する強調度を特定する上記第5の観点の画像処理装置を提供する。
【0016】
第7の観点の発明は、前記第2の関係において、第4の範囲に含まれる代表画素値と第4の強調度とが対応しており、前記第4の範囲より値が大きい第5の範囲に含まれる代表画素値と前記第4の強調度より大きい第5の強調度とが対応しており、前記第5の範囲より値が大きい第6の範囲に含まれる代表画素値と前記第5の強調度より小さい第6の強調度とが対応しており、前記第6の範囲より値が大きい第7の範囲に含まれる代表画素値と前記第6の強調度より大きい第7の強調度とが対応している上記第6の観点の画像処理装置を提供する。
【0017】
第8の観点の発明は、前記第4の範囲が、空気の存在に対応する画素値の範囲であり、前記第6の範囲が、軟部組織の存在に対応する画素値の範囲である上記第7の観点の画像処理装置を提供する。
【0018】
第9の観点の発明は、前記画像が、X線CT画像であり、前記第2の強調度決定手段が、前記X線CT画像の再構成に用いた再構成関数によって異なる前記第2の関係に基づいて、強調度を決定する上記第6の観点から第8の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0019】
なお、「再構成関数によって異なる前記第2の関係」は、再構成関数によって変化するように定められた関係を意味しており、一部において、複数の異なる再構成関数と同一の関係とが対応付けられているような場合を含むものである。
【0020】
第10の観点の発明は、前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域に対するエッジ(edge)検出処理によりエッジが検出された場合よりも、該エッジ検出処理によりエッジが検出されなかった場合の方がより大きな値を取るように、強調度を決定する第3の強調度決定手段をさらに備えており、前記画像処理手段が、前記第3の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う上記第1の観点から第9の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0021】
第11の観点の発明は、前記エッジ検出処理が、前記注目領域の近傍領域における画素のうち、その画素値と前記注目領域に対応する代表画素値との差が所定の閾値以上である画素の数が一定数以上ある場合に、エッジが検出されたと判定する処理である上記第10の観点の画像処理装置を提供する。
【0022】
第12の観点の発明は、前記画像が、X線CT画像であり、前記X線CT画像の再構成中心から前記注目領域までの距離が大きいほど、大きな値を取るように、強調度を決定する第4の強調度決定手段をさらに備えており、前記画像処理手段が、前記第4の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う上記第1の観点から第11の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0023】
第13の観点の発明は、前記画像処理手段が、決定された複数の前記強調度を乗算、加算、または重み付け加算して得られる強調度により、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う上記第5の観点から第12の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0024】
第14の観点の発明は、前記高周波強調処理が、鮮鋭化フィルタ(filter)処理である上記第1の観点から第13の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0025】
第15の観点の発明は、前記注目領域に対応する代表画素値が、前記注目領域の中心画素の画素値、または、前記注目領域もしくは該注目領域およびその近傍領域における画素値の平均値または重み付け平均値である上記第1の観点から第14の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0026】
第16の観点の発明は、前記バラツキの指標値が、前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域における画素値の分散または標準偏差である上記第1の観点から第15の観点のいずれか一つの観点の画像処理装置を提供する。
【0027】
第17の観点の発明は、コンピュータ(computer)を、画像における注目領域に対応する代表画素値を取得する取得手段と、前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域における画素値のバラツキの指標値を算出する算出手段と、前記取得された代表画素値および前記算出された指標値に応じて、強調度を決定する第1の強調度決定手段と、該第1の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う画像処理手段として機能させるためのプログラムを提供する。
【0028】
第18の観点の発明は、画像における注目領域に対応する代表画素値を取得する取得手段と、前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域における画素値のバラツキの指標値を算出する算出手段と、前記取得された代表画素値および前記算出された指標値に応じて、強調度を決定する第1の強調度決定手段と、該第1の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う画像処理手段とを備えている画像診断装置を提供する。
【0029】
第19の観点の発明は、X線CT撮影を行って画像を再構成する上記第18の観点の画像診断装置を提供する。
【発明の効果】
【0030】
上記観点の発明によれば、ノイズを不必要に増加させることなく、高い空間分解能が望まれる領域に対して空間分解能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態に係るX線CT装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】ガントリ(gantry)を側面から見たときの図である。
【図3】本実施形態に係るX線CT装置における適応型高周波強調処理に関わる部分の機能ブロック(block)図である。
【図4】本実施形態に係るX線CT装置における適応型高周波強調処理のフローチャート(flowchart)である。
【図5】バラツキ指標値と強調係数との対応関係を表す第1の関係の一例を示す図である。
【図6】注目領域の代表的な画素値と強調係数との対応関係を表す第2の関係の一例を示す図である。
【図7】エッジ検出処理の一例を示す。
【図8】アイソセンタ(iso-center)から注目領域までの距離と強調係数との対応関係の一例を示す図である。
【図9】本実施形態による適応型高周波強調処理を耳小骨のX線CT画像に適用したときのサンプル(sample)画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、発明の実施形態について説明する。
【0033】
図1は、本実施形態に係るX線CT装置の構成を概略的に示す図である。
【0034】
図1に示すように、本X線CT装置は、ガントリ2、撮影テーブル(table)4、および操作コンソール(console)6を備えている。ガントリ2は、X線管20を有している。X線管20から放射されたX線(不図示)は、アパーチャ(aperture)22により、例えば扇状のファンビーム(fan
beam)やコーンビーム(cone beam)などのX線ビームとなるように成形され、X線検出器24に照射される。
【0035】
X線検出器24は、扇状のX線ビームの広がり方向(チャネル(channel)方向という)および厚み方向(列方向という)に、2次元的に配列された複数のX線検出素子を有している。
【0036】
X線検出器24にはデータ収集部26が接続されている。データ収集部26は、X線検出器24の個々のX線検出素子による検出データを投影データとして収集する。X線管20からのX線の照射は、X線コントローラ(controller)28によって制御される。なお、X線管20とX線コントローラ28との接続関係については図示を省略している。
【0037】
X線コントローラ28がX線管20に供給する管電圧および管電流に関するデータが、データ収集部26によって収集される。なお、X線コントローラ28とデータ収集部26との接続関係については図示を省略している。
【0038】
アパーチャ(aperture)22は、アパーチャコントローラ(aperture
controller)30によって制御される。なお、アパーチャ22とアパーチャコントローラ30との接続関係については図示を省略している。
【0039】
以上のX線管20からアパーチャコントローラ30までのものが、ガントリ2の回転部34に搭載されている。回転部34の回転は、回転コントローラ36によって制御される。なお、回転部34と回転コントローラ36との接続関係については図示を省略している。
【0040】
撮影テーブル4は、図示しない被検体をガントリ2のX線照射空間に搬入および搬出するようになっている。
【0041】
操作コンソール6は、中央処理装置60を有している。中央処理装置60は、例えばコンピュータ等によって構成されている。中央処理装置60には、制御インタフェース(interface)62が接続されている。制御インタフェース62には、ガントリ2と撮影テーブル4が接続されている。中央処理装置60は、制御インタフェース62を通じてガントリ2および撮影テーブル4を制御する。
【0042】
ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、アパーチャコントローラ30および回転コントローラ36が、制御インタフェース62を通じて制御される。なお、それら各部と制御インタフェース62との個別の接続については図示を省略している。
【0043】
中央処理装置60には、また、データ収集バッファ(buffer)64が接続されている。データ収集バッファ64には、ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。データ収集部26で収集されたデータが、データ収集バッファ64を通じて中央処理装置60に入力される。
【0044】
中央処理装置60は、操作者による操作に応じて本スキャン(scan)のスキャン計画処理を行う。また、データ収集バッファ64を通じて収集した複数ビュー(view)の投影データを用いて画像再構成を行う。画像再構成には、例えばフィルタード・バックプロジェクション(filtered
back projection)法による3次元画像再構成処理等が用いられる。操作者は、観察部位や目的に合わせて画像再構成に用いる再構成関数、いわゆるカーネル(kernel)を選択することができる。再構成関数としては、標準関数、軟部用関数、高解像度関数などが用意されている。
【0045】
中央処理装置60は、また、再構成画像であるX線CT画像の空間分解能を改善するために、適応型高周波強調処理を行う。
【0046】
中央処理装置60には、また、記憶装置66が接続されている。記憶装置66は、各種のデータや再構成画像および本X線CT装置の機能を実現するためのプログラム等を記憶している。
【0047】
中央処理装置60には、また、表示装置68と入力装置70がそれぞれ接続されている。表示装置68は、中央処理装置60から出力される再構成画像やその他の情報を表示する。入力装置70は、操作者によって操作され、各種の指示や情報等を中央処理装置60に入力する。操作者は、表示装置68および入力装置70を使用してインタラクティブ(interactive)に本X線CT装置を操作する。
【0048】
図2は、ガントリを側面から見たときの図である。図2に示すように、X線管20から放射されたX線は、アパーチャ22により扇状のX線ビーム400となるように成形され、X線検出器24に照射されるようになっている。このようなX線ビーム400の扇面に体軸を交差させて、撮影テーブル4に載置された被検体8がX線照射空間に搬入される。
【0049】
X線照射空間は、ガントリ2の筒状構造の内側空間に形成される。X線ビーム400によってスライス(slice)された被検体8の像が、X線検出器24に投影される。X線検出器24によって、被検体8を透過したX線が検出される。被検体8に照射するX線ビーム400の厚みthは、アパーチャ22のアパーチャの開度により調節される。
【0050】
X線管20、アパーチャ22およびX線検出器24は、それらの相互関係を保ったまま被検体8の体軸の周りを回転する。1スキャン当たり複数のビュー、例えば1000ビュー程度の投影データが収集される。投影データの収集は、X線検出器24−データ収集部26−データ収集バッファ64の系統によって行われる。
【0051】
データ収集バッファ64に収集された投影データに基づいて、中央処理装置60により断層像の画像再構成が行われる。
【0052】
なお、ここでは、図2に示すように、被検体8の体軸方向、すなわち撮影テーブル4の被検体8の搬送方向をz方向とする。また、鉛直方向をy方向、y方向およびz方向に直交する水平方向をx方向とする。
【0053】
これより、本実施形態によるX線CT画像の適応型高周波強調処理について説明する。
【0054】
図3は、本実施形態に係るX線CT装置におけるX線CT画像の適応型高周波強調処理に関わる部分の機能ブロック図である。また、図4は、本実施形態によるX線CT画像の適応型高周波強調処理のフローチャートである。
【0055】
図3に示すように、本X線CT装置は、画像取得部601、画素値取得部602、バラツキ指標値算出部603、第1強調係数決定部604、第2強調係数決定部605、エッジ検出部606、第3強調係数決定部607、距離測定部608、第4強調係数決定部609、画像処理部610、および制御部611を備えている。
【0056】
第1強調係数決定部604は、第1関係決定部6041および第1係数特定部6042を備えている。第2強調係数決定部605は、第2関係決定部6051および第2係数特定部6052を備えている。画像処理部610は、強調度決定部6101および高周波強調処理部6102を備えている。
【0057】
なお、記憶装置66には、既に収集された投影データが記憶されているものとする。
【0058】
ステップ(step)S1では、画像取得部601が、再構成画像であるX線CT画像Gを取得する。ここでは、画像取得部601が、記憶装置66から投影データPを読み出し、この投影データPに基づいて、ユーザによって選択された再構成関数を用いて画像再構成を行うことにより取得する。再構成関数は、再構成画像における空間分解能とノイズレベルとのバランスが異なる複数種類の再構成関数を考えることができる。例えば、高空間分解能寄りである肺野用関数、低ノイズレベル寄りである軟部用関数、これらの中間的な性質を持つ標準関数等が挙げられる。
【0059】
ステップS2では、制御部611が、X線CT画像Gにおいて1または複数の画素を含む注目領域を設定し、画素値取得部602が、その注目領域に対応する代表画素値Cを取得する。
【0060】
この注目領域に対応する代表画素値Cにより、注目領域が、空気、肺、縦隔/肝臓、骨/造影血管などのいずれの組織であるかを大まかに弁別することができる。
【0061】
注目領域に対応する代表画素値Cとしては、例えば、注目領域の中心画素の画素値、注目領域もしくは注目領域およびその近傍領域における画素値の平均値または重み付け平均値などを考えることができる。ここでは、注目領域を1画素分の領域とし、これを注目画素と呼ぶことにする。また、注目領域に対応する代表画素値を、注目画素およびその縦横斜めの8近傍画素における画素値の平均値とする。これにより、注目領域が表す部位に係る画素値の情報を、ノイズの影響を抑えながら得ることができる。
【0062】
ステップS3では、バラツキ指標値算出部603が、注目領域およびその近傍領域における画素値のバラツキの程度を表す指標値(以下、バラツキ指標値という)Vを算出する。
【0063】
このバラツキ指標値Vにより、注目領域の構造の細かさやノイズレベルなどを知ることができ、例えば、注目領域が、(1)縦隔/肝臓などの軟部領域、(2)ストリークなどのアーチファクト、(3)肺/骨/造影血管などのいわゆる高コントラスト(contrast)領域、のいずれであるかを大まかに把握することができる。
【0064】
バラツキ指標値Vとしては、例えば、注目領域または注目領域およびその近傍領域における画素値の分散または標準偏差などを考えることができる。ここでは、バラツキ指標値Vを、注目画素を中心とする所定のマトリクス(matrix)領域、例えば5×5画素の領域における画素値の標準偏差とする。
【0065】
ステップS4では、第1関係決定部6041が、ステップS2で取得された代表画素値Cに基づいて、バラツキ指標値Vと強調係数H1との関係を表す第1の関係T1を決定する。なお、第1の関係T1およびその決定方法についての詳細は後述する。
【0066】
ステップS5では、第1係数特定部6042が、ステップS4で決定された第1の関係T1を参照して、ステップS3で算出されたバラツキ指標値Vに対応した強調係数H1を特定する。
【0067】
ここで、強調係数とは、注目領域に対して行う高周波強調処理の強調度を定めるのに用いる係数である。強調係数は、その値が大きいと、強調度を相対的に大きくするように働き、その値が小さいと、強調度を相対的に小さくするように働く。
【0068】
なお、第1の関係T1の決定方法としては、例えば、注目領域に対応する代表画素値Cとして取り得る値を複数の範囲に分け、その範囲ごとに第1の関係T1の候補をそれぞれ対応付けして記憶させておき、ステップS2で取得された代表画素値Cに対応する候補の第1の関係T1を特定する方法が考えられる。また例えば、注目領域に対応する代表画素値Cをパラメータ(parameter)とする所定の関数を用意しておき、その関数に、ステップS2で取得された代表画素値Cを入力して第1の関係T1を導出するようにしてもよい。
【0069】
図5に第1の関係の一例を示す。
【0070】
この例による第1の関係T1においては、図5に示すように、バラツキ指標値Vが比較的低い第1の範囲R1にある場合には、注目領域がフラット(flat)に近い構造上にある可能性が高いので、空間分解能向上とノイズ抑制とが半々になるようバランスをとって、強調係数H1を中間レベルの0.5程度(第1の強調係数)にしている。バラツキ指標値Vが中程度となる第2の範囲R2にある場合には、注目領域はストリークアーチファクト(streak
artifact)上にある可能性が高いので、そのアーチファクトを強調させないように、強調係数H1を最小レベルの0付近(第2の強調係数)まで下げている。また、バラツキ指標値Vが比較的高い第3の範囲R3にある場合には、注目領域は細かい構造上にある可能性が高いので、その構造が把握できるように、強調係数H1を最大レベルの1付近(第3の強調係数)まで上げている。
【0071】
すなわち、第1の範囲R1に含まれるバラツキ指標値Vと、第1の強調係数とが対応している。また、第1の範囲R1より値が大きい第2の範囲R2に含まれるバラツキ指標値Vと、第1の強調係数より小さい第2の強調係数とが対応している。また、第2の範囲R2より値が大きい第3の範囲R3に含まれるバラツキ指標値Vと、第2の強調係数より大きい第3の強調係数とが対応している。
【0072】
ところで、ここで、再構成画像の各領域に対して要求される空間分解能とノイズとのバランスについて考えてみることにする。
【0073】
一般的に、再構成画像の各領域に対して要求される空間分解能とノイズとのバランスは、画素値のバラツキがたとえ同じ程度であったとしても、その領域の部位の種類によって異なる。例えば、軟部領域では相対的にノイズ抑制が優先され、骨部領域では相対的に高空間分解能が優先される。
【0074】
本例では、注目領域に対応する代表画素値Cに基づいて第1の関係T1を決定するようにしているので、まず、注目領域に対応する代表画素値Cから、その注目領域の部位の種類をある程度予測することができる。そして、その予測される部位に適した形で、注目領域付近における画素値のバラツキの程度から、その注目領域に適した空間分解能とノイズとのバランスが得られるような強調係数H1を導くことができる。
【0075】
これにより、注目領域に適した空間分解能とノイズとのバランスについて、部位の種類と画素値のバラツキとの組合せから生じる、複雑でデリケートな要求に応えることができる。
【0076】
ステップS6では、第2関係決定部6051が、画像再構成に用いた再構成関数に応じて、注目領域に対応する代表画素値Cと強調係数H2との関係を表す第2の関係T2を決定する。
【0077】
ステップS7では、第2係数特定部6052が、ステップS6で決定された第2の関係T2を参照して、ステップS2で取得された代表画素値Cに対応する強調係数H2を特定する。
【0078】
なお、第2の関係T2の決定方法としては、例えば、再構成関数の種類ごとに第2の関係T2の候補をそれぞれ対応付けして記憶させておき、X線CT画像Gの画像再構成に実際に用いられた再構成関数に対応する候補の第2の関係T2を特定する方法が考えられる。
【0079】
図6に第2の関係の一例を示す。
【0080】
この例による第2の関係T2においては、図6に示すように、注目領域に対応する代表画素値Cが、最も値が小さい第4の範囲R1にある場合には、注目領域は空気である可能性が高いので、ノイズを増加させないよう、強調係数H2を最小レベルの0付近(第4の強調係数)まで下げている。注目領域に対応する代表画素値Cが、次に値が小さい第5の範囲R5にある場合には、注目領域は肺である可能性が高いので、石灰化などの微小点が把握できるように、強調係数H2を最大レベルの1付近(第5の強調係数)まで上げている。注目領域に対応する代表画素値Cが、次に値が小さい第6の範囲R6にある場合には、注目領域は縦隔、肝臓などである可能性が高いので、ノイズを増加させないよう、強調係数H2を最小レベルの0付近(第6の強調係数)まで下げている。また、注目領域に対応する代表画素値Cが、次に値が小さい第7の範囲R7にある場合には、注目領域は骨、造影血管などである可能性が高いので、耳小骨や血管内の石灰化など細かい構造が把握できるように、強調係数H2を最大レベルの1付近(第7の強調係数)まで上げている。
【0081】
すなわち、第4の範囲R4に含まれる画素値と、第4の強調係数とが対応している。また、第4の範囲R4より値が大きい第5の範囲R5に含まれる画素値と、第4の強調係数より大きい第5の強調係数とが対応している。また、第5の範囲R5より値が大きい第6の範囲R6に含まれる画素値と、第5の強調係数より小さい第6の強調係数とが対応している。また、第6の範囲R6より値が大きい第7の範囲R7に含まれる画素値と、第6の強調係数より大きい第7の強調係数とが対応している。
【0082】
ところで、再構成画像における空間分解能とノイズの状態は、画像再構成に用いる再構成関数によって大きく異なる。本例では、第2の関係T2を画像再構成に用いた再構成関数に依存して変えているので、この状態の違いを考慮して、参照する第2の関係T2を定めることができる。
【0083】
ステップS8では、エッジ検出部606が、注目領域およびその近傍領域におけるエッジ検出処理を行う。
【0084】
ステップS9では、第3強調係数決定部607が、エッジ検出処理によりエッジが検出された場合よりも、エッジが検出されなかった場合の方が、値が大きくなるように、強調係数H3を決定する。
【0085】
これにより、画素値が急激に変化するエッジ部分での強調のし過ぎによるオーバーシュート(overshoot)またはアンダーシュート(undershoot)の発生を防ぐことが可能な強調係数H3を導出することができる。
【0086】
図7に、エッジ検出処理の一例を示す。エッジ検出処理としては、例えば、図7に示すように、注目画素を中心とする所定のマトリクス領域、例えば5×5画素の領域において、所定方向での画素値の変化を見たとき、隣接する画素同士の画素値の差が所定の閾値以上であれば、エッジが検出されたと判定する処理が考えられる。また例えば、注目画素を中心とする所定のマトリクス領域に含まれる画素のうち、注目画素との画素値の差が所定の閾値以上である画素の数が一定数以上ある場合に、エッジが検出されたと判定する処理が考えられる。
【0087】
ステップS10では、距離測定部608が、再構成画像における再構成中心すなわちアイソセンタから注目領域までの距離Dを測定する。
【0088】
ステップS11では、第4の強調係数決定部609が、ステップS10で測定された距離Dが大きいほど値が大きくなるよう、強調係数H4を決定する。
【0089】
図8に、アイソセンタから注目領域までの距離Dと強調係数H4との関係の一例を示す。この例では、その距離Dが0〜20cmの範囲では強調係数H4は0であり、その距離Dが20cm〜45cmの範囲では強調係数H4は徐々に増加し、その距離Dが45cm以上では強調係数H4は1になっている。
【0090】
再構成画像であるX線CT画像Gにおいては、アイソセンタから離れるほど空間分解能が低くなることが知られているが、これにより、再構成画像の周辺部における空間分解能の低下を抑えることが可能な強調係数を導出することができる。
【0091】
ステップS12では、強調度決定部611が、決定されたすべての強調係数H1〜H4を乗算、加算または重み付け加算等することにより、強調度HAを決定する。
【0092】
ステップS13では、ステップS12で決定された強調度HAにより、注目領域に対する高周波強調処理を行う。
【0093】
高周波強調処理としては、例えば、従来公知である、重み係数マトリスクを用いる鮮鋭化フィルタ処理を考えることができる。
【0094】
これにより、各強調係数がそれぞれ担持する空間分解能およびノイズに対する補正効果が反映された高周波強調処理が、注目領域に対して行われる。
【0095】
ステップS14では、制御部613が、注目領域として設定すべき領域が他にあるか否かを判定する。ある場合には、ステップS2に戻り、新たな注目領域を設定し、処理を続ける。ない場合には、処理を終了する。
【0096】
図9に、本実施形態による適応型高周波強調処理を耳小骨のX線CT画像に適用したときのサンプル画像を示す。左の画像が原画像G、中央の画像が処理済画像G′、右の画像が処理済画像と原画像との差分画像(G′−G)である。処理済画像G′では、骨部の高コントラスト領域に対しては、高周波成分の強調が十分に成されて高い空間分解能が得られているが、軟部領域や骨部の比較的フラットな構造を持つ領域に対しては、高周波成分の強調がほとんど成されておらず、ノイズの増加が抑えられていることが分かる。
【0097】
以上、本実施形態によれば、注目領域に係る画素値とそのバラツキ程度の両方による組合せの条件に応じて、注目領域に対して行う高周波強調処理の強調度を変えることができる。
【0098】
そのため、まず、注目領域の部位の種類および構造の状態を細かく弁別することが可能になる。例えば、注目領域に対して、空気や肺などの弁別に加え、軟部領域や骨部/造影血管領域のそれぞれにおける細かい構造、比較的フラット(flat)である構造、アーチファクトらしき構造などの細かい弁別が可能になる。
【0099】
そして、その弁別結果に応じた適切な強調度で注目領域に対する高周波強調処理を行うことができる。例えば、注目領域が、画素値から判断すると骨部領域であるが、画素値のバラツキ程度から判断すると比較的フラットな構造を有している、と考えられる場合に、高周波成分を強調しないでノイズ増加を抑制する、といったことができる。また例えば、アーチファクトと考えられる領域の画素値のバラツキ程度が、物質あるいは部位の種類によって変化するような場合であっても、注目領域がアーチファクト領域であるかを的確に判断し、アーチファクト領域であれば、高周波成分を強調させないでノイズの増加を抑える、といったこともできる。
【0100】
その結果、再構成画像において、ノイズ抑制が優先されるべき領域に対しては、高周波成分を強調させずに、不要なノイズの増加を抑える一方、真に高空間分解能が望まれる領域に対しては、高周波成分を強調して、空間分解能を向上させることができる。
【0101】
本実施形態による特徴は、このようなデリケート(delicate)な補正を可能にした点にあり、従来の手法では得られないものである。例えば、画素値のみに応じて決定した強調係数と、画素値のバラツキ指標値のみに応じて決定した強調係数とを組み合わせて、新たな強調係数を生成しようとしても、それぞれ別の観点で決定した強調係数同士が、反発し合うこともあり、上記のようなデリケートな補正を行うことは難しい。
【0102】
なお、発明の実施形態は、上記の実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の追加・変更等が可能である。
【0103】
例えば、強調係数を決定する処理の組合せや順番は、上記の実施形態に限定されず、幾つかの観点による処理を省略したり、別の観点による処理を追加したり、順番を入れ換えたりしてもよい。また、強調係数を決定する処理の具体的な内容も、上記の実施形態に限定されない。
【0104】
また例えば、上記実施形態では、各強調係数を統合して1つの強調度を求め、その強調度による高周波強調処理を行っているが、強調係数ごとに、その強調係数による高周波強調処理を順次行うようにしてもよい。
【0105】
また、上記の画像処理に関わる機能ブロックを有している画像処理装置、コンピュータをこのような画像処理装置として機能させるためのプログラム、このような画像処理装置を備えている他の画像診断装置もまた発明の実施形態の一例である。当該画像診断装置としては、例えば、PET−CT装置、Angio−CT装置、CT機能付き放射線治療装置などが考えられる。
【符号の説明】
【0106】
2 ガントリ
4 撮影テーブル
6 操作コンソール
8 被検体
20 X線管
22 アパーチャ
24 X線検出器
25 コリメータ板
26 データ収集部
28 X線コントローラ
30 アパーチャコントローラ
34 回転部
36 回転コントローラ
60 中央処理装置
62 制御インタフェース
64 データ収集バッファ
66 記憶装置
68 表示装置
70 入力装置
400 X線ビーム
601 画像取得部
602 画素値取得部
603 バラツキ指標値算出部
604 第1強調係数決定部
6041 第1関係決定部
6042 第1係数特定部
605 第2強調係数決定部
6051 第2関係決定部
6052 第2係数特定部
606 エッジ検出部
607 第3強調係数決定部
608 距離測定部
609 第4強調係数決定部
610 画像処理部
6101 強調度決定部
6102 高周波強調処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像における注目領域に対応する代表画素値を取得する取得手段と、
前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域における画素値のバラツキの指標値を算出する算出手段と、
前記取得された代表画素値および前記算出された指標値に応じて強調度を決定する第1の強調度決定手段と、
該第1の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う画像処理手段とを備えている画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の強調度決定手段は、バラツキの指標値と強調度との関係を表しており、前記注目領域に対応する代表画素値によって異なる第1の関係に基づいて、前記算出された指標値に対応する強調度を特定する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記第1の関係において、第1の範囲に含まれるバラツキの指標値と第1の強調度とが対応しており、前記第1の範囲より値が大きい第2の範囲に含まれるバラツキの指標値と前記第1の強調度より小さい第2の強調度とが対応しており、前記第2の範囲より値が大きい第3の範囲に含まれるバラツキの指標値と前記第2の強調度より大きい第3の強調度とが対応している請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第2の範囲は、アーチファクトの存在に対応するバラツキの指標値の範囲である請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記取得された代表画素値に応じて、強調度を決定する第2の強調度決定手段をさらに備えており、
前記画像処理手段は、前記第2の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第2の強調度決定手段は、
前記注目領域に対応する代表画素値と強調度との関係を表している第2の関係に基づいて、前記取得された代表画素値に対応する強調度を特定する請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第2の関係において、第4の範囲に含まれる代表画素値と第4の強調度とが対応しており、前記第4の範囲より値が大きい第5の範囲に含まれる代表画素値と前記第4の強調度より大きい第5の強調度とが対応しており、前記第5の範囲より値が大きい第6の範囲に含まれる代表画素値と前記第5の強調度より小さい第6の強調度とが対応しており、前記第6の範囲より値が大きい第7の範囲に含まれる代表画素値と前記第6の強調度より大きい第7の強調度とが対応している請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記第4の範囲は、空気の存在に対応する画素値の範囲であり、前記第6の範囲は、軟部組織の存在に対応する画素値の範囲である請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記画像は、X線CT画像であり、
前記第2の強調度決定手段は、
前記X線CT画像の再構成に用いた再構成関数によって異なる前記第2の関係に基づいて、強調度を決定する請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域に対するエッジ検出処理によりエッジが検出された場合よりも、該エッジ検出処理によりエッジが検出されなかった場合の方がより大きな値を取るように、強調度を決定する第3の強調度決定手段をさらに備えており、
前記画像処理手段は、前記第3の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記エッジ検出処理は、前記注目領域の近傍領域における画素のうち、その画素値と前記注目領域に対応する代表画素値との差が所定の閾値以上である画素の数が一定数以上ある場合に、エッジが検出されたと判定する処理である請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記画像は、X線CT画像であり、
前記X線CT画像の再構成中心から前記注目領域までの距離が大きいほど、大きな値を取るように、強調度を決定する第4の強調度決定手段をさらに備えており、
前記画像処理手段は、前記第4の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記画像処理手段は、決定された複数の前記強調度を乗算、加算、または重み付け加算して得られる強調度により、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う請求項5から請求項12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記高周波強調処理は、鮮鋭化フィルタ処理である請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記注目領域に対応する代表画素値は、前記注目領域の中心画素の画素値、または、前記注目領域もしくは該注目領域およびその近傍領域における画素値の平均値または重み付け平均値である請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項16】
前記バラツキの指標値は、前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域における画素値の分散または標準偏差である請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項17】
コンピュータを、
画像における注目領域に対応する代表画素値を取得する取得手段と、
前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域における画素値のバラツキの指標値を算出する算出手段と、
前記取得された代表画素値および前記算出された指標値に応じて、強調度を決定する第1の強調度決定手段と、
該第1の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う画像処理手段として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
画像における注目領域に対応する代表画素値を取得する取得手段と、
前記注目領域または該注目領域およびその近傍領域における画素値のバラツキの指標値を算出する算出手段と、
前記取得された代表画素値および前記算出された指標値に応じて、強調度を決定する第1の強調度決定手段と、
該第1の強調度決定手段により決定された強調度に基づいて、前記注目領域に対する高周波強調処理を行う画像処理手段とを備えている画像診断装置。
【請求項19】
X線CT撮影を行って画像を再構成する請求項18に記載の画像診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−176140(P2012−176140A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40984(P2011−40984)
【出願日】平成23年2月26日(2011.2.26)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】