説明

画像処理装置および画像処理方法

【課題】縮小画像の解像度だけでなく動画応答性も向上させること。
【解決手段】擬似高解像度化処理部が、元画像に対して設定された各画素ブロックから代表画素を選択するとともに、当該代表画素に基づいて決定した画素値を当該画素ブロックに対応する画素位置へ割り当てた縮小画像を、選択する代表画素を変えて複数種類生成し(奇数フレームおよび偶数フレーム)、フレーム補間処理部103が、時系列的に隣接する2つの縮小画像間を補う補間フレームを含む縮小画像を生成する。そして、タイミング制御部が、元画像のフレーム周波数よりも高いフレーム周波数を用い、擬似高解像度化処理部によって生成された縮小画像およびフレーム補間処理部によって生成された縮小画像に基づく表示処理を行うように画像処理装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関し、特に、縮小画像の解像度だけでなく動画応答性も向上させることができる画像処理装置および画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像を縮小させる方式として、縮小倍率に応じた数の画素を元画像から間引くことによって元画像を縮小させる間引き方式が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる間引き方式は、元画像の情報量を減らして縮小画像を生成する方式であるため、元画像と比較して縮小画像の画質が劣化するという問題があった。たとえば、WVGAサイズ(800×480)の元画像をQVGAサイズ(400×240)へ縮小させた場合には、縮小画像の情報量は元画像と比較して1/4に低下することとなる。
【0004】
そこで、本出願人は、縮小画像の画質劣化を極力抑えるために、従来において着目されていなかった時間軸を考慮した新規な画像処理手法を提案した(特願2009−272861号参照)。具体的には、特願2009−272861号に開示の画像処理手法では、1つの元画像からそれぞれ異なる代表画素を抽出してn個の縮小画像を生成し、これらn個の縮小画像を元画像のフレーム周波数のn倍のフレーム周波数で順次表示させることとしている。
【0005】
これにより、かかる画像処理手法では、従来の間引き方式と比較して単位時間あたりn倍の情報が表示されることとなるため、縮小画像の画質劣化を極力抑えることができる。さらに、かかる画像処理手法では、同一の画素位置に対して異なる画素が順次表示されることとなるため、これによって生じる残像効果を利用して縮小画像の解像度を擬似的に高めることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−224715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特願2009−272861号に開示の画像処理手法は、縮小画像の解像度を高める手法であって、動画応答性の向上については無関係であった。すなわち、かかる画像処理手法では、1つの元画像から複数種類の縮小画像が生成されるが、これらの縮小画像によって他の元画像との間が補われるわけではない。したがって、かかる画像処理手法を用いても、動画応答性については元の動画像と同一となる。
【0008】
このことから、縮小画像の解像度だけでなく動画応答性も向上させることができる画像処理装置あるいは画像処理方法をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0009】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、縮小画像の解像度だけでなく動画応答性も向上させることができる画像処理装置および画像処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像処理装置は、元画像から複数の異なる第1の縮小画像を生成する第1の縮小画像生成手段と、時系列的に隣接する2つの縮小画像間を補う補間画像を含む第2の縮小画像を生成する第2の縮小画像生成手段と、前記元画像のフレーム周波数よりも高いフレーム周波数を用い、前記第1の縮小画像生成手段によって生成された第1の縮小画像および前記第2の縮小画像生成手段によって生成された第2の縮小画像に基づく表示処理を行う表示処理手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る画像処理方法は、元画像から複数の異なる第1の縮小画像を生成する第1の縮小画像生成工程と、時系列的に隣接する2つの縮小画像間を補う補間画像を含む第2の縮小画像を生成する第2の縮小画像生成工程と、前記元画像のフレーム周波数よりも高いフレーム周波数を用い、前記第1の縮小画像生成工程において生成した第1の縮小画像および前記第2の縮小画像生成工程において生成した第2の縮小画像に基づく表示処理を行う表示処理工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、第1の縮小画像生成手段が、元画像から複数の異なる第1の縮小画像を生成し、第2の縮小画像生成手段が、時系列的に隣接する2つの縮小画像間を補う補間画像を含む第2の縮小画像を生成し、表示処理手段が、元画像のフレーム周波数よりも高いフレーム周波数を用い、第1の縮小画像生成手段によって生成された第1の縮小画像および第2の縮小画像生成手段によって生成された第2の縮小画像に基づく表示処理を行うこととしたため、縮小画像の解像度だけでなく動画応答性も向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に係る画像処理手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る車載装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本実施例に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本実施例に係る画質調整部の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、擬似高解像度化処理の概要を示す図である。
【図6】図6は、フレーム補間処理部の動作例を示す図である。
【図7】図7は、モード切替部の動作例を示す図である。
【図8】図8は、モード切替部の他の動作例を示す図である。
【図9】図9は、本実施例に係る表示装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、擬似高解像度化処理およびフレーム補間処理を同時に行う場合の動作例を示す図である。
【図11】図11は、画素ブロック設定部および代表画素選択部の動作例を示す図である。
【図12】図12は、重み付け処理のパターン例を示す図である。
【図13】図13は、擬似高解像度化処理によって縮小画像の画質が改善される様子を示す図である。
【図14】図14は、動画像の動き方向に応じた重み付けを行う場合について説明するための図である。
【図15】図15は、擬似高解像度化処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】図16は、画素ブロック内の全ての画素にそれぞれ対応する縮小画像を生成する場合について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法の実施例を詳細に説明する。まず、実施例の詳細な説明に先立ち、本発明に係る画像処理手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る画像処理手法の概要を示す図である。
【0015】
同図の(A)に示すように、本発明に係る画像処理手法では、擬似高解像度化処理(同図の(A−1)参照)およびフレーム補間処理(同図の(A−2)参照)の2つの処理を併用することで、縮小画像の解像度だけでなく動画応答性も向上させることとした。
【0016】
ここで、擬似高解像度化処理とは、元画像から複数の異なる第1の縮小画像を生成する処理である。具体的には、1つの元画像からそれぞれ異なる代表画素を抽出してn個の縮小画像を生成し、これらn個の縮小画像を元画像のフレーム周波数のn倍のフレーム周波数で順次表示させることで、縮小画像の解像度を擬似的に高める処理である。なお、フレーム周波数とは、単位時間あたりに更新される画像の数である。
【0017】
たとえば、同図の(A−1)に示したように、擬似高解像度化処理では、1つの元画像から奇数フレームおよび偶数フレームの2種類の縮小画像を生成し、元画像のフレーム周波数(60フレーム/sec)の2倍のフレーム周波数(120フレーム/sec)で交互に表示させる。この結果、同一の画素位置において2種類の画素が通常の2倍の速さで順次表示されることとなり、これによって生じる残像効果を利用して縮小画像の解像度を擬似的に高めることができる。
【0018】
ただし、かかる擬似高解像度化技術には、動画応答性の向上には対応できないという問題があった。これは、擬似高解像度化技術が、1フレームの元画像から複数の縮小画像を生成するものであって、複数フレームの元画像からフレーム間の動きを補うような補間画像を生成しているわけではないためである。
【0019】
一方、フレーム補間処理は、時系列的に隣接する2つの元画像間を補う補間フレームをこれら2つの元画像間へ挿入し、元画像よりも高いフレーム周波数で表示させることで、動画応答性を高める処理である。なお、かかるフレーム補間処理は、複数フレームの元画像からあらたな画像を生成するものであって、各元画像自体の解像度が高まるわけではない。
【0020】
すなわち、同図の(B)に示すように、擬似高解像度化処理は、縮小画像の解像度を高めることができるものの動画応答性を向上させることはできず、フレーム補間処理は、解像度を高めることはできないが、動画応答性を高めることはできる。そこで、本発明に係る画像処理手法では、これら擬似高解像度化処理およびフレーム補間処理を様々な状況に応じて組み合わせて使用することとした。
【0021】
たとえば、本発明に係る画像処理手法では、入力された元画像の画像ソースに応じて擬似高解像度化処理およびフレーム補間処理を切り替えて使用してもよい。すなわち、ナビ画像のように動きが比較的少ない画像を表示する場合には擬似高解像度化処理へ切り替え、DVDやTV放送のように動きの多い画像を表示する場合にはフレーム補間処理に切り替えることで、静止画像および動画像の縮小画像の視認性を共に高めることができる。
【0022】
なお、本発明に係る画像処理手法では、上記以外にも、たとえば、各元画像について静動判定を行い、かかる判定結果に基づいて擬似高解像度化処理およびフレーム補間処理を切り替えることとしてもよいし、ユーザの選択操作に応じて切り替えを行ってもよい。
【0023】
また、本発明に係る画像処理手法では、擬似高解像度化処理およびフレーム補間処理をそれぞれ単体で使用するのではなく、これらを同時に使用することとしてもよい。なお、かかる点については、実施例において後述することとする。
【0024】
以下では、図1を用いて説明した画像処理手法を適用した画像処理装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、ナビゲーション機能やテレビ機能あるいはDVD(Digital Versatile Disc)機能などの複数の機能が一体化した車載装置に搭載される表示装置を画像処理装置の一例として用いて説明する。ただし、本発明にかかる画像処理装置は、画像を表示する様々な装置に対して適用することができる。
【実施例】
【0025】
図2は、本実施例に係る車載装置の構成を示すブロック図である。なお、同図には、車載装置1の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0026】
同図に示すように、本実施例に係る車載装置1は、ナビゲーションエンジン11と、TV(Television)チューナ12と、DVDデッキ13と、リアカメラ14と、オーディオマイコン15と、描画部16と、映像切替部17と、表示装置18とを備えている。
【0027】
ナビゲーションエンジン11は、車両の誘導や経路探索といった各種のカーナビゲーション機能を司るデバイスである。たとえば、ナビゲーションエンジン11は、地図情報や自車両の位置情報あるいはVICS(Vehicle Information and Communication System)情報等を用いてナビ画像を生成し、生成したナビ画像の画像データを描画部16へ出力する。TVチューナ12は、アンテナからアナログTV放送波やデジタルTV放送波を受信し、受信した放送波に含まれる画像データを映像切替部17へ出力する。
【0028】
DVDデッキ13は、DVDの再生装置であり、DVDから読み取った画像データを映像切替部17へ出力する。リアカメラ14は、車両後方に設置されるカメラであり、車両後方を撮像した画像データを映像切替部17へ出力する。オーディオマイコン15は、ナビゲーションエンジン11からの指示に応じたガイド用の音声、TVチューナ12あるいはDVDデッキ13から入力される音声を出力させるデバイスである。特に、オーディオマイコン15は、ボリューム設定値の変更を受け付けた場合に、現在のボリューム設定値を示す画像(以下、「ボリューム表示画像」と記載する)を生成して、表示装置18へ出力する。
【0029】
描画部16は、ナビゲーションエンジン11から入力されたナビ画像に対してメニュー画面やボタンといったGUI(Graphical User Interface)画像を合成した合成画像(以下、「合成ナビ画像」と記載する)の画像データを表示装置18へ出力する描画デバイスである。映像切替部17は、表示装置18からの指示に応じて、TVチューナ12、DVDデッキ13あるいはリアカメラ14から入力される画像データの中から1つの画像データを選択し、選択した画像データを表示装置18へ出力するデバイスである。
【0030】
表示装置18は、描画部16から入力される合成ナビ画像の画像データ、映像切替部17から入力される画像データ、オーディオマイコン15から入力されるボリューム表示画像の画像データを表示する装置である。
【0031】
次に、表示装置18の構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施例に係る表示装置18の構成を示すブロック図である。なお、同図には、表示装置18の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0032】
図3に示すように、表示装置18は、電源81と、TFT(Thin Film Transistor)パネル82と、マイコン処理部83と、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)レシーバ84と、画質調整部85と、階調処理部86と、ピクセル制御部87と、タイミング制御部88と、メモリ89とを備える。電源81は、TFTパネル82に対して電力を供給するデバイスである。TFTパネル82は、各種の画像を表示する表示デバイスである。
【0033】
マイコン処理部83は、表示装置18全体を制御する制御部である。また、マイコン処理部83は、ユーザからの操作等に応じて、描画部16から入力される画像データ、映像切替部17から入力される画像データ、オーディオマイコン15から入力される画像データの中から1つの画像データを選択して、LVDSレシーバ84へ入力させる。また、マイコン処理部83は、ユーザからの操作等に応じて、映像切替部17に対して映像切替を指示したりもする。なお、マイコン処理部83としては、たとえば、CPU(Central Processing Unit)や、CPUおよびメモリを搭載した集積回路等を用いることができる。
【0034】
LVDSレシーバ84は、大容量の画像データを高速で伝送させることができる画像インタフェースである。かかるLVDSレシーバ84は、画像データが入力されると、入力された画像データを画質調整部85へ出力する。
【0035】
画質調整部85は、LVDSレシーバ84から入力された画像データのサイズがTFTパネル82の表示サイズよりも大きい場合に、かかる画像データ(元画像)のサイズをTFTパネル82の表示サイズに縮小する処理を行う処理部である。
【0036】
また、画質調整部85は、LVDSレシーバ84から入力される画像データのソース種別を描画部16や映像切替部17等から取得する。ここで、ソース種別とは、ナビ画像やTV放送あるいはリアカメラ画像といった画像ソースの種別を示す情報である。なお、ここでは、ソース種別を「ナビゲーションエンジン」、「TVチューナ」、「DVDデッキ」あるいは「リアカメラ」のように画像データの出力元の機器で表すこととする。
【0037】
階調処理部86は、メモリ89に記憶された縮小画像を取り出し、取り出した縮小画像に対して階調変換を行う処理部である。たとえば、階調処理部86は、画像データの階調情報を8ビットから6ビットへ変換する。ピクセル制御部87は、縮小画像に対してピクセル制御を行う処理部である。たとえば、ピクセル制御部87は、縮小画像の各画素についてR(Red),G(Green),B(Blue)の配分を決定する。
【0038】
タイミング制御部88は、画質調整部85によって生成された縮小画像のフレーム周波数を決定する処理部である。具体的には、タイミング制御部88は、画質調整部85によって1つの元画像に基づいて生成される縮小画像の数で元画像のフレーム周波数を乗じることによって、縮小画像のフレーム周波数を決定する。
【0039】
また、タイミング制御部88は、決定したフレーム周波数を用いて各縮小画像をTFTパネル82へ順次表示させる。たとえば、後述する表示モードが第1の表示モードである場合には、画質調整部85によって奇数フレームおよび偶数フレームの2つの縮小画像が生成されるため、タイミング制御部88は、元画像のフレーム周波数に対して2倍のフレーム周波数で、奇数フレームおよび偶数フレームを交互に表示させる。
【0040】
メモリ89は、画質調整部85によって生成された縮小画像を記憶する記憶デバイスである。なお、メモリ89としては、たとえば、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)といった揮発性記憶素子を用いることができる。
【0041】
次に、画質調整部85の構成について図4を用いて具体的に説明する。図4は、本実施例に係る画質調整部85の構成を示すブロック図である。なお、同図には、画質調整部85の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0042】
同図に示すように、画質調整部85は、モード切替部101と、擬似高解像度化処理部102と、フレーム補間処理部103とを備えている。また、擬似高解像度化処理部102は、画素ブロック設定部85aと、代表画素選択部85bと、重み付け部85cと、第1の縮小画像生成部85dとを含み、フレーム補間処理部103は、補間フレーム生成部85eと、第2の縮小画像生成部85fとを含んでいる。
【0043】
なお、以下では、擬似高解像度化処理部101を用いた表示モードを「第1の表示モード」と呼び、フレーム補間処理部103を用いた表示モードを「第2の表示モード」と呼ぶこととする。
【0044】
モード切替部101は、描画部16や映像切替部17から通知されるソース種別に応じて第1の表示モードおよび第2の表示モードの間で表示モードの切り替えを行う処理部である。また、モード切替部101は、表示モードを第1の表示モードへ切り替えた場合には、LVDSレシーバ84から受け取った元画像の画像データを擬似高解像度化処理部102へ渡し、第2の表示モードへ切り替えた場合にはフレーム補間処理部103へ渡す。かかるモード切替部101の動作例については、図7を用いて説明することとする。なお、モード切替部101は、図示しない選択スイッチによるユーザの切り替え指示に応じて表示モードを切り替えてもよい。
【0045】
擬似高解像度化処理部102は、モード切替部101から受け取った画像データに対して擬似高解像度化処理を行うことによって奇数フレームおよび偶数フレームの2種類の縮小画像を生成する処理部である。
【0046】
ここで、擬似高解像度化処理の概要について図5を用いて説明する。図5は、擬似高解像度化処理の概要を示す図である。
【0047】
従来の画像処理手法では、画像を縮小する場合、バイリニア方式やバイキュービック方式等を用いて元画像から所定の画素を間引くことによって縮小画像を生成していた。このとき、従来の画像処理手法では、1つの元画像から1つの縮小画像を生成し、元画像と同一のフレーム周波数で表示していた。
【0048】
一方、擬似高解像度化処理では、元画像からそれぞれ異なる画素を間引いた複数種類の縮小画像を生成し、生成した縮小画像の種類の数で元画像のフレーム周波数を乗じることによって得られるフレーム周波数を用いて、複数種類の縮小画像を順次表示することとしている。
【0049】
具体的には、同図の(A)に示したように、まず、元画像に対して複数の画素ブロックを設定する。ここで、画素ブロックとは、縮小画像上の各画素位置にそれぞれ対応する元画像上の領域である。
【0050】
たとえば、同図の(A)に示したように、画素ブロックAは、縮小画像上の画素位置aに対応している。なお、同図の(A)では、縦横2個ずつ、計4つの画素を含んだ領域を1つの画素ブロックとしているが、画素ブロックとして設定される元画像上の領域はこれに限ったものではなく、元画像の縮小率に応じて変更してもよい。
【0051】
つづいて、擬似高解像度化処理では、各画素ブロックから1つの代表画素を選択する。ここでは、各画素ブロック内の左上に位置する画素を代表画素として選択する。そして、擬似高解像度化処理では、各画素ブロックからそれぞれ選択した代表画素に基づいて「奇数フレーム」を生成する。ここでは、各画素ブロックの左上に位置する画素10、画素12、画素30、画素32、…を用いた縮小画像が奇数フレームとして生成される。
【0052】
さらに、擬似高解像度化処理では、奇数フレームの生成に用いた代表画素とは異なる画素を用いて「偶数フレーム」を生成する。ここでは、各画素ブロック内の右下に位置する画素21、画素23、画素41、画素43、…を代表画素として選択し、これら代表画素に基づいて偶数フレームを生成する。このように、奇数フレームおよび偶数フレームは、それぞれ異なる情報に基づいて生成される。
【0053】
つづいて、擬似高解像度化処理では、生成した縮小画像の種類の数で元画像のフレーム周波数を乗じることによって各縮小画像のフレーム周波数を決定し、決定したフレーム周波数を用いて、各縮小画像を順次表示させる。ここでは、同図の(B)に示したように、元画像のフレーム周波数60フレーム/secに対して2倍のフレーム周波数120フレーム/secを用いて、奇数フレームおよび偶数フレームを交互に表示させる。
【0054】
このように、擬似高解像度化処理では、それぞれ異なる代表画素に基づいて生成したn個の縮小画像を元画像に対してn倍のフレーム周波数で順次表示させる。すなわち、擬似高解像度化処理では、従来のように同一の縮小画像を元画像と同一のフレーム周波数を用いて表示させる場合と比較して、単位時間あたりn倍の情報が表示されることとなるため、縮小画像の画質劣化を極力抑えることができる。したがって、擬似高解像度化処理を行うことによって縮小画像の画質を改善することができる。
【0055】
また、擬似高解像度化処理では、同一の画素位置に対して異なる画素が順次表示されることとなる。たとえば、同図の(A)に示したように、縮小画像の画素位置aには、画素ブロックAに含まれる画素10および画素21が、元画像の2倍のフレーム周波数(すなわち、2倍の更新速度)で交互に表示される。このように、同一の画素位置に対して異なる画素が順次表示されることによって生じる残像効果を利用することで、縮小画像の解像度を擬似的に高めることができる。
【0056】
たとえば、画素値が大きく異なる2つの画素(たとえば、「白」と「黒」)を同じ画素位置に交互に表示させると、残像効果によって、かかる画素位置には中間色(たとえば、「グレー」)が表示されているように見える。このため、たとえば、縮小画像における「白」と「黒」の境目(エッジ部分)は、「白」から「黒」へと極端に変化するのではなく、「白」から「グレー」を介して「黒」へと変化することとなる。したがって、擬似高解像度化処理によれば、特に、画像のエッジ部分に生じるジャギーが目立たなくなり、この結果、縮小画像の解像度が高まったように見せることができる。
【0057】
なお、ここでは、各画素ブロック内の左上に位置する画素を用いて奇数フレームを生成し、各画素ブロック内の右下に位置する画素を用いて偶数フレームを生成することとしたが、これに限ったものではない。たとえば、奇数フレームの生成には右上の画素を用い、偶数フレームの生成には左下の画素を用いることとしてもよい。あるいは、奇数フレームの生成には右上と左上の平均画素を用い、偶数フレームの生成には左下と右下の平均画素を用いる等、合成画素を奇数、偶数フレームそれぞれの代表画素としてもよい。
【0058】
図4に戻り、フレーム補間処理部103について説明する。なお、擬似高解像度化処理部102に含まれる各処理部の内容については、後述することとする。
【0059】
フレーム補間処理部103は、モード切替部101から受け取った元画像の画像データに対してフレーム補間処理を行う処理部である。具体的には、フレーム補間処理部103は、補間フレーム生成部85eと、第2の縮小画像生成部85fとを含んでいる。
【0060】
補間フレーム生成部85eは、時系列的に隣接する2つの元画像間を補う補間フレームをこれら2つの元画像に基づいて生成する処理部である。また、補間フレーム生成部85eは、各元画像の画像データおよび補間フレームの画像データを、時系列的に隣接する2つの元画像間へこれら元画像に基づく補間フレームが挿入される順序で第2の縮小画像生成部85fへ渡す処理も併せて行う。
【0061】
第2の縮小画像生成部85fは、補間フレーム生成部85eから受け取った元画像または補間フレームを縮小させた縮小画像を生成する処理部である。
【0062】
ここで、フレーム補間処理部103の動作例について図6を用いて説明する。図6は、フレーム補間処理部103の動作例を示す図である。
【0063】
図6に示すように、フレーム補間処理部103では、元画像Aが入力されると(同図の(1)参照)、まず、補間フレーム生成部85eが、元画像Aを一時的に保持する。つづいて、元画像Bが入力されると(同図の(2)参照)、補間フレーム生成部85eは、元画像Bおよび一時的に保持した元画像Aを平均することによってこれら元画像Aおよび元画像B間の補間フレームを生成する(同図の(3)参照)。
【0064】
そして、フレーム補間処理部103では、補間フレーム生成部85eが、これらの画像を元画像A→補間フレーム→元画像Bの順に第2の縮小画像生成部85fへ渡し、第2の縮小画像生成部85fが、これらの画像の縮小画像を順次生成して(同図の(4)〜(6)参照)、メモリ89へ格納する。
【0065】
このように、フレーム補間処理部103を用いて時系列的に隣接する2つの元画像間を補う補間フレームを生成することによって動画応答性を高めることができる。
【0066】
なお、ここでは、補間フレーム生成部85eが、時系列的に隣接する2つの元画像を平均化した画像を補間フレームとして生成することとするが、2つの元画像間の動きベクトルをさらに考慮して補間フレームを生成することとしてもよい。
【0067】
また、ここでは、補間フレーム生成部85eが補間フレームを生成したのち、第2の縮小画像生成部85fが元画像および補間フレームの縮小画像を生成することとしたが、これに限ったものではなく、第2の縮小画像生成部85fが各元画像の縮小画像を生成したのち、補間フレーム生成部85eが縮小後の元画像に基づいて補間フレームを生成することとしてもよい。
【0068】
次に、モード切替部101の動作例について図7を用いて説明する。図7は、モード切替部101の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、ソース種別と表示モードとの対応関係について、同図の(B)および(C)には、同図の(A)に示した対応関係の例外について示している。
【0069】
モード切替部101は、LVDSレシーバ84から元画像の画像データを受け取るとともに、当該元画像のソース種別を描画部16または映像切替部17から受け取る。そして、同図の(A)に示したように、ソース種別が「ナビゲーションエンジン」または「リアカメラ」である場合には、表示モードを第1の表示モードへ切り替え、LVDSレシーバ84から受け取った元画像の画像データを擬似高解像度化処理部102へ渡す。一方、ソース種別が「TVチューナ」または「DVDデッキ」である場合には、表示モードを第2の表示モードへ切り替え、LVDSレシーバ84から受け取った元画像の画像データをフレーム補間処理部103へ渡す。
【0070】
すなわち、モード切替部101は、ナビゲーションエンジン11から描画部16を介して出力される合成ナビ画像やリアカメラ14から映像切替部17を介して出力されるリアカメラ画像のように、比較的動きの少ない映像を表示する場合には、静的シーンに対応した第1の表示モードへ切り替える。また、モード切替部101は、TVチューナ12から映像切替部17を介して出力されるTV放送波やDVDデッキ13から映像切替部17を介して出力されるDVD画像のように、動きの多い映像を表示する場合には、動的シーンに対応した第2の表示モードへ切り替える。
【0071】
このように、モード切替部101が、元画像のソース種別に応じて第1の表示モードと第2の表示モードとを切り替えることとしたため、処理負荷を抑えつつ、静止画像および動画像の縮小画像の視認性を共に高めることができる。
【0072】
なお、モード切替部101は、原則として図7の(A)に示した対応関係に従って表示モードの切り替えを行うが、例外的に、第1の表示モードに対応するソース種別の画像を表示中に第2の表示モードへ切り替えたり、第2の表示モードに対応するソース種別の画像を表示中に第1の表示モードへ切り替えたりすることもできる。
【0073】
たとえば、図7の(B)に示したように、リアカメラ画像を第1の表示モードで表示中に、車速が所定速度(ここでは、50Km/h)以上となった場合には(同図の(B−1)参照)、モード切替部101は、表示モードを例外的に第2の表示モードへ切り替える(同図の(B−2)参照)。
【0074】
これは、特に、リアカメラ14をバック走行中だけでなく通常走行時にも使用する場合に有効である。すなわち、リアカメラ14をバック走行中に使用する場合には、一般的に車速が遅い状態で使用される結果、リアカメラ画像の動きも比較的少なくなるため、第1の表示モードが適している。一方、リアカメラ14を通常走行中に使用する場合には、車速が早い状態で使用される結果、リアカメラ画像の動きも多くなる。
【0075】
そこで、かかる場合には、モード切替部101が表示モードを第1の表示モードから第2の表示モードへ切り替えることで、通常走行中におけるリアカメラ画像をより適した表示モードで表示させることができる。なお、モード切替部101は、車速ではなく、ギアの状態(すなわち、RレンジかDレンジか)に応じて表示モードを切り替えることとしてもよい。
【0076】
また、図7の(C)に示したように、ソース種別「DVDデッキ」のDVD画像を第2の表示モードで表示中に、ボリューム表示画面やサブメニュー画面といったポップ画面を表示する場合には(同図の(C−1)参照)、モード切替部101は、表示モードを例外的に第1のモードへ切り替える(同図の(C−2)参照)。
【0077】
このように、ソース種別が第2の表示モードに対応した画像を表示中であっても、静的な画像であるポップアップ画像を表示する場合に、第1の表示モードへ切り替えることで、かかるポップアップ画像を静的シーンに適した表示モードで表示させることができる。なお、ポップアップ画面を第2の表示モードで表示しつつ、ポップアップ画面が重畳されていない領域については原則通り第1の表示モードで表示することとしてもよい。
【0078】
ところで、これまでは、ソース種別に応じて表示モードを切り替える場合について説明してきたが、これに限ったものではない。たとえば、元画像ごとに静的シーンか動的シーンかを判定し、かかる判定結果に応じて表示モードを切り替えることで、シーンごとにより細かく切り替えを行うこととしてもよい。
【0079】
以下では、かかる点について図8を用いて説明する。図8は、モード切替部101の他の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、画質調整部85の他の構成を示すブロック図を、同図の(B)には、静動判定結果と表示モードとの対応関係を、同図の(C)には、表示モードの切り替えを制限する処理をそれぞれ示している。
【0080】
同図の(A)に示すように、かかる場合の画質調整部85は、静動判定部104をさらに備えている。静動判定部104は、LVDSレシーバ84から受け取った元画像が静的シーンに属する画像であるか動的シーンに属する画像であるかを判定する処理部である。
【0081】
具体的には、静動判定部104は、対象となる元画像と、時系列的に前後する元画像との差分を画素ごとに求める。そして、静動判定部104は、求めた差分の平均値が所定の閾値未満であれば、対象となる元画像を静的シーンに属する画像であると判定し、所定の閾値以上であれば動的シーンに属する画像であると判定する。
【0082】
また、静動判定部104は、LVDSレシーバ84から受け取った画像データをかかる画像データについての静動判定結果と併せてモード切替部101へ渡す処理も行う。
【0083】
また、モード切替部101は、静動判定部104から画像データおよび静動判定結果を受け取ると、静動判定結果に応じて表示モードの切り替えを行う。具体的には、同図の(B)に示したように、モード切替部101は、静動判定結果が「静的シーン」である場合には、表示モードを第1の表示モードへ切り替え、「動的シーン」である場合には第2の表示モードへ切り替える。
【0084】
このように、静動判定部104が、元画像が静的シーンに属する画像であるか動的シーンに属する画像であるかを判定し、モード切替部101が、静動判定部104によって元画像が静的シーンに属する画像であると判定された場合には、表示モードを前記第1の表示モードへ切り替えるとともに、動的シーンに属する画像であると判定された場合には、第2の表示モードへ切り替えることとしたため、表示モードの切り替えをより細やかに行うことができる。
【0085】
なお、静動判定結果に応じて表示モードを切り替えることとすると、表示モードの切り替えが頻繁に発生し、視認性が逆に低下してしまうおそれがある。そこで、モード切替部101は、表示モードの切り替えに制限を設けてもよい。
【0086】
たとえば、図8(C)に示したように、元画像1について表示モードの切り替えを行ったとすると(同図の(1)参照)、モード切替部101は、元画像1以降の5フレーム間において表示モードの切り替えを禁止する(同図の(2)参照)。ここでは、元画像2〜元画像6について表示モードの切り替えが禁止される。そして、元画像7から表示モードを切り替え可能とする(同図の(3)参照)。
【0087】
このように、切り替え手段が、表示モードの切り替えを行ってから所定フレーム間において表示モードの切り替えを禁止することとしたため、表示モードが頻繁に切り替わることによる視認性の低下を防ぐことができる。
【0088】
なお、表示モードが頻繁に切り替わることを防止するための手法としては、これに限ったものではない。たとえば、静的シーンまたは動的シーンの何れか一方が判定され易くなるように静動判定に用いる所定の閾値を設定することで、一方の表示モードから他方の表示モードへは切り替えわり易く、その逆は切り替わりにくくなるようにしてもよい。これによっても表示モードが頻繁に切り替わることを防止することができる。
【0089】
次に、表示装置18の具体的動作について図9を用いて説明する。図9は、本実施例に係る表示装置18の処理手順を示すフローチャートである。
【0090】
図9に示すように、画質調整部85では、モード切替部101が、LVDSレシーバ84から受け取った元画像のソース種別が「ナビゲーションエンジン」または「リアカメラ」の何れかであるか否かを判定する(ステップS101)。
【0091】
かかる処理において、ソース種別が「ナビゲーションエンジン」または「リアカメラ」であると判定した場合(ステップS101、Yes)、画質調整部85では、擬似高解像度化処理部102が擬似高解像度化処理を実行して奇数フレームおよび偶数フレームの2種類の縮小画像を生成する(ステップS102)。
【0092】
そして、表示装置18では、タイミング制御部88が、元画像のフレーム周波数の2倍のフレーム周波数を用いて、奇数フレームおよび偶数フレームをTFTパネル82へ交互に表示させて(ステップS103)、処理を終える。
【0093】
一方、ソース種別が「ナビゲーションエンジン」または「リアカメラ」でない場合(ステップS101、No)、画質調整部85では、フレーム補間処理部103が、フレーム補間処理を実行して元画像および補間画像の縮小画像を生成する(ステップS104)。
【0094】
そして、表示装置18では、タイミング制御部88が、元画像のフレーム周波数の2倍のフレーム周波数を用いて、元画像および補間画像の縮小画像をTFTパネル82へ交互に表示させて(ステップS105)、処理を終える。
【0095】
このように、モード切替部101が、静的シーンに対応する第1の表示モードと動的シーンに対応する第2の表示モードとの間で表示モードの切り替えを行い、タイミング制御部88が、モード切替部101によって第1の表示モードへ切り替えられた場合には、奇数フレームおよび偶数フレームを交互に表示させ、第2の表示モードへ切り替えられた場合には、元画像および補間画像の縮小画像を交互に表示させることとした。したがって、縮小画像の解像度だけでなく動画応答性も向上させることができる。
【0096】
ところで、これまでは、擬似高解像度化処理部102とフレーム間処理部103とをモード切替部101によって切り替えて使用する場合について説明してきたが、これに限ったものではなく、擬似高解像度化処理部102およびフレーム間処理部103を同時に使用することとしてもよい。以下では、かかる点について図10を用いて説明する。図10は、擬似高解像度化処理およびフレーム補間処理を同時に行う場合の動作例を示す図である。
【0097】
図10に示すように、元画像Aが入力されると、まず、擬似高解像度化処理部102は、元画像Aから奇数フレーム「奇a」および偶数フレーム「偶a」を生成する(同図の(1)参照)。つづいて、擬似高解像度化処理部102は、元画像Bが入力されると、元画像Bから奇数フレーム「奇b」および偶数フレーム「偶b」を生成する(同図の(2)参照)。
【0098】
つづいて、フレーム補間処理部103では、補間フレーム生成部85eが、奇数フレーム「奇a」および「奇b」を平均することによってこれら奇数フレーム間の補間フレーム「補(奇)」を生成する(3)。同様に、フレーム補間処理部103では、補間フレーム生成部85eが、偶数フレーム「偶a」および「偶b」を平均することによってこれら偶数フレーム間の補間フレーム「補(遇)」を生成する(4)。なお、これらの縮小画像は、「奇a」→「偶a」→「補(奇)」→「補(遇)」→「奇b」→「偶b」の順序でメモリへ格納される。
【0099】
そして、タイミング制御部88は、元画像のフレーム周波数の4倍のフレーム周波数を用いて、これらの縮小画像をTFTパネル82へ順次表示させる。
【0100】
このように、フレーム補間処理部103が、1つの元画像から生成された奇数フレーム(偶数フレーム)と、かかる元画像と時系列的に隣接する他の元画像から生成された奇数フレーム(偶数フレーム)との間を補う補間フレームを生成し、タイミング制御部88が、奇数フレーム(偶数フレーム)とこれらの補間フレームとを、奇数フレーム(偶数フレーム)間に補間フレームが表示される順序で表示させることとした。したがって、モード切替部101による表示モードの切り替えを行うことなく、縮小画像の解像度および動画応答性を向上させることができる。
【0101】
なお、ここでは、奇数フレーム同士または偶数フレーム同士を用いて補間フレームを生成する場合について説明したが、これに限ったものではなく、奇数フレームと偶数フレームとを補間する補間フレームを生成することとしてもよい。
【0102】
上述してきたように、本実施例では、擬似高解像度化処理部が、元画像に対して設定された各画素ブロックから代表画素を選択するとともに、当該代表画素に基づいて決定した画素値を当該画素ブロックに対応する画素位置へ割り当てた縮小画像を、選択する代表画素を変えて複数種類生成し(奇数フレームおよび偶数フレーム)、フレーム補間処理部が、時系列的に隣接する2つの縮小画像間を補う補間フレームを含む縮小画像を生成する。そして、本実施例では、タイミング制御部88が、元画像のフレーム周波数よりも高いフレーム周波数を用い、擬似高解像度化処理部によって生成された縮小画像およびフレーム補間処理部によって生成された縮小画像に基づく表示処理を行うこととしたため、画像を縮小する場合に、縮小画像の解像度だけでなく動画応答性も向上させることができる。
【0103】
次に、擬似高解像度化処理の具体的な内容について説明する。まず、擬似高解像度化処理部102に含まれる各処理部について図4等を用いて説明する。
【0104】
図4に示したように、画素ブロック設定部85aは、縮小画像の各画素位置にそれぞれ対応する画素ブロックを元画像に対して設定する処理部である。本実施例において画素ブロック設定部85aは、縦横2個ずつ、計4つの画素を含んだ領域を1つの画素ブロックとして設定する。
【0105】
代表画素選択部85bは、元画像に対して設定された各画素ブロックから代表画素を選択する処理部である。本実施例において代表画素選択部85bは、各画素ブロック内の左上に位置する画素を第1の代表画素(奇数フレームの代表画素)として選択し、各画素ブロック内の右下に位置する画素を第2の代表画素(偶数フレームの代表画素)として選択する。
【0106】
ここで、画素ブロック設定部85aおよび代表画素選択部85bの動作例について図11を用いて説明する。図11は、画素ブロック設定部85aおよび代表画素選択部85bの動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、画素ブロック設定部85aの動作例を示し、同図の(B)には、代表画素選択部85bの動作例を示している。
【0107】
同図の(A)に示したように、縮小画像上の各画素位置(すなわち、TFTパネル82上の各画素位置)のうち、左上に位置する画素位置を画素位置aとする。また、画素位置aの右側に隣接する画素位置を画素位置bとし、画素位置aの下側に隣接する画素位置を画素位置cとする。かかる場合、画素ブロック設定部85aは、画素位置aに対応する元画像上の領域として、元画像の左上に位置する画素10と、この画素10に対して右側、下側および右下側にそれぞれ位置する画素11、画素20および画素21を含んだ領域を画素ブロックAとして設定する。
【0108】
同様に、画素ブロック設定部85aは、画素位置bに対応する元画像上の領域として、画素12、画素13、画素22および画素23を含んだ画素ブロックBを設定し、画素位置cに対応する元画像上の領域として、画素30、画素31、画素40および画素41を含んだ画素ブロックCを設定する。
【0109】
そして、同図の(B)に示したように、代表画素選択部85bは、各画素ブロックA〜C内においてそれぞれ左上に位置する画素10、画素12および画素30を第1の代表画素として選択し(同図の(1)参照)する。また、代表画素選択部85bは、各画素ブロックA〜C内においてそれぞれ右下に位置する画素21、画素23および画素41を第2の代表画素として選択する(同図の(2)参照)。そして、奇数フレームの縮小画像は、第1の代表画素に基づいて生成され、偶数フレームの縮小画像は、第2の代表画素に基づいて生成されることとなる。
【0110】
図4に戻り、重み付け部85cについて説明する。重み付け部85cは、各画素ブロックから選択した代表画素の画素値および当該代表画素に隣接する画素の画素値に対して所定の重み付けを行うことによって各画素ブロックに対応する画素位置へ割り当てる画素値を決定する処理部である。
【0111】
ここで、重み付け部85cによる重み付け処理のパターン例について図12を用いて説明する。図12は、重み付け処理のパターン例を示す図である。
【0112】
同図の(A)に示すように、重み付け部85cは、奇数フレームの縮小画像を生成する場合には、各画素ブロックの基準位置(左上)に位置する代表画素および右上に位置する画素の画素値を用いて、縮小画像上の各画素位置の画素値を決定する。具体的には、同図の(A)に示したように、重み付け部85cは、基準位置に位置する代表画素の重み付け係数を0.75とするとともに右上に位置する画素の重み付け係数を0.25として、縮小画像上の各画素位置の画素値を算出する。
【0113】
同様に、重み付け部85cは、偶数フレームの縮小画像を生成する場合には、右下に位置する代表画素の重み付け係数を0.75とするとともに左下に位置する画素の重み付け係数を0.25として、縮小画像上の各画素位置の画素値を算出する。
【0114】
なお、同図の(A)に示した重み付け係数の値は一例であり、他の値を用いることとしてもよい。たとえば、偶数フレームの縮小画像を生成する場合に、右下に位置する代表画素の重み付け係数を0.5とするとともに左下に位置する画素の重み付け係数を0.5としてもよい。
【0115】
また、同図の(A)では、縮小画像上の各画素の画素値を各画素ブロック内の2つの画素を考慮して決定することとしたが、各画素ブロック内の全ての画素の画素値を用いて縮小画像上の各画素位置の画素値を決定してもよい。たとえば、同図の(B)に示したように、重み付け部85cは、奇数フレームの縮小画像を生成する場合に、基準位置に位置する代表画素の重み付け係数を0.4とし、その他の画素の重み付け係数を0.2として、縮小画像上の各画素位置の画素値を算出してもよい。
【0116】
なお、画素ブロック内の全ての画素を考慮して画素値を決定する場合には、奇数フレームと偶数フレームとが同一の縮小画像とならないように、奇数フレームを生成する場合における重み付けパターンと偶数フレームを生成する場合における重み付けパターンとを異ならせればよい。すなわち、同図の(B)に示したように、重み付け部85cは、偶数フレームの縮小画像を生成する場合には、右下に位置する代表画素の重み付け係数を0.4とし、その他の画素の重み付け係数を0.2とすれば、奇数フレームと偶数フレームとが同一の縮小画像となることがない。
【0117】
また、重み付け部85cは、同一の画素ブロックに属する画素のみを考慮して画素値を決定するのではなく、隣接する他の画素ブロックに属する画素も考慮して画素値を決定してもよい。たとえば、同図の(C)に示したように、重み付け部85cは、奇数フレームの縮小画像を生成する場合に、基準位置に位置する代表画素の重み付け係数を0.6とし、同一画素ブロックに属するその他の画素の重み付け係数を0.05とする。さらに、重み付け部85cは、かかる画素ブロックに隣接する他の画素ブロックに属する画素であって、かつ、代表画素に隣接する画素の重み付け係数も0.05とする。
【0118】
同様に、重み付け部85cは、偶数フレームの縮小画像を生成する場合に、右下に位置する代表画素の重み付け係数を0.6とし、他の画素ブロックに属する画素も含め代表画素に隣接する画素の重み付け係数を0.05とする。
【0119】
このように、縮小画像を生成する場合に、元画像上の代表画素の画素値だけを用いるのではなく、代表画素の周辺に位置する画素の画素値も考慮して縮小画像上の各画素位置の画素値を決定することによって、元画像からの情報量の低下をより一層抑えることができる。
【0120】
なお、画質調整部85は、重み付け処理を行わずに、元画像上の代表画素の画素値だけを用いて、縮小画像上の各画素位置の画素値を決定してもよい。かかる場合、重み付け部85cは、代表画素の重み付け係数を1とし、残りの画素の重み付け係数を0とすればよい。また、元画像上の代表画素として合成画素を用いる場合は、重み付け処理を行わなくてもよい。
【0121】
第1の縮小画像生成部85dは、重み付け部85cによって決定された画素値を縮小画像上の対応する画素位置へ割り当てた縮小画像を生成する処理部である。具体的には、第1の縮小画像生成部85dは、第1の代表画素をそれぞれ対応する画素位置へ割り当てることによって奇数フレームの縮小画像を生成し、第2の代表画素をそれぞれ対応する画素位置へ割り当てることによって偶数フレームの縮小画像を生成する。また、第1の縮小画像生成部85dは、生成した縮小画像をメモリ89へ記憶する。
【0122】
次に、擬似高解像度化処理によって縮小画像の画質が改善される様子について図13を用いて説明する。図13は、擬似高解像度化処理によって縮小画像の画質が改善される様子を示す図である。なお、同図の(A)には、擬似高解像度化処理を行った場合における1つの画素位置に表示される画素の見え方を示している。また、同図の(B)には、従来の画像処理方法を用いて表示した縮小画像の一例を示し、同図の(C)には、擬似高解像度化処理を用いて表示した縮小画像の一例を示す。
【0123】
擬似高解像度化処理では、同一の画素位置に対して異なる画素が順次表示されることとなる。たとえば、図13の(B)に示したように、縮小画像の画素位置aには、画素ブロックAに含まれる画素10および画素21が交互に表示される。
【0124】
ここで、元画像のエッジ部分に設定された画素ブロックには、画素値の大きく異なる画素が含まれる場合が多い。たとえば、画素ブロックAにおいて、画素10が「黒」の画素値を有し、画素21が「白」の画素値を有しているとする。
【0125】
かかる場合、画素ブロックAに対応する縮小画像上の画素位置aには、「黒」の画素値を有する画素10と「白」の画素値を有する画素21とが交互に表示されることとなる。しかも、これらの画素10および画素21は、元画像の2倍のフレーム周波数で交互に表示される。このように、同一の画素位置において、「黒」の画素と「白」の画素とが早い周期で交互に表示された場合、かかる画素位置には、残像効果によって、「黒」と「白」との中間色である「グレー」が表示されているように見える。
【0126】
したがって、元画像を縮小した場合に、エッジ部分においてジャギーが目立って表示される従来の画像処理方法と比較して(同図の(B)参照)、かかるジャギーを目立たなくさせることができる(同図の(C)参照)。これは、エッジ部分に「黒」と「白」との中間色である「グレー」が表示される結果、エッジ部分が「黒」から「白」へと極端に変化するのではなく、「白」から「グレー」を介して「黒」へと変化して、エッジ部分が滑らかに表示されるように見えるためである。
【0127】
このように、擬似高解像度化処理によれば、同一の画素位置に対して異なる画素が順次表示されることによって生じる残像効果を利用して、縮小画像の解像度を擬似的に高めることができるため、縮小画像の画質を改善することができる。
【0128】
ところで、本実施例に係る画像処理方法では、動画像を縮小表示する場合に、動画像の動き方向に応じて、各画素ブロックに含まれる画素の重み付け係数を変化させることとしてもよい。以下では、かかる場合について図14を用いて説明する。図14は、動画像の動き方向に応じた重み付けを行う場合について説明するための図である。
【0129】
たとえば、同図の(A)に示すように、黒いバーが画面の左手から右手に向かって移動する動画像を表示するとする。具体的には、同図の(A)に示したように、黒いバーが画面の左手に位置する元画像1の次に、黒いバーが画面の右手に位置する元画像2が入力されるとする。
【0130】
かかる場合、重み付け部85cは、まず、これら元画像1および元画像2から動画像の動き方向を特定する。たとえば、重み付け部85cは、元画像1(基準元画像)上に設定された画素ブロックのうち、任意の画素ブロックを注目画素ブロックとする。そして、重み付け部85cは、元画像2(参照元画像)に設定された画素ブロックのうち、注目画素ブロックとの相関が最も高い画素ブロックを検出し、検出した画素ブロックと注目画素ブロックとの位置関係から動画像の動き方向を特定する。
【0131】
つづいて、同図の(B)に示したように、重み付け部85cは、元画像2の縮小画像(縮小画像2)の偶数フレームを生成する場合の重み付けパターンを、特定した動き方向に応じて決定する。たとえば、重み付け部85cは、各画素ブロックの代表画素および代表画素の周辺に位置する画素のうち、動き方向に位置する画素の重み付け係数が通常よりも大きくなるように重み付けパターンを変更する。
【0132】
すなわち、たとえば、図14の(A)に示したように、偶数フレームの縮小画像を生成する場合に、右下に位置する代表画素の重み付け係数を0.75とし、左下に位置する画素の重み付け係数を0.25とすることが標準的に決まっているとする。かかる場合に、動画像が左手から右手に動いていることが特定された場合には、重み付け部85cは、動き方向、すなわち右手側に位置する画素の重み付け係数を0.75から0.9に増やし、左手側に位置する画素の重み付け係数を0.1に減らす(同図の(C)参照)。
【0133】
このように、代表画素の画素値および当該代表画素に隣接する画素の画素値に対して、動き方向に位置する画素の重み付け係数が通常よりも大きくなるように重み付けパターンを変更する。これによって、元画像2の偶数フレームが、元画像2と元画像2の次に表示される元画像との中間画像として表示されることとなるため、動画解像度を高めることができる。
【0134】
次に、擬似高解像度化処理の処理手順について図15を用いて説明する。図15は、擬似高解像度化処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0135】
同図に示すように、表示装置18では、LVDSレシーバ84が、描画部16、映像切替部17あるいはオーディオマイコン15から元画像の画像データを取得すると(ステップS201)、画素ブロック設定部85aが、元画像に対して画素ブロックを設定する(ステップS202)。
【0136】
つづいて、代表画素選択部85bは、各画素ブロック内の左上に位置する画素を第1の代表画素として選択する(ステップS203)。つづいて、重み付け部85cは、選択された第1の代表画素の画素値および第1の代表画素の周辺に位置する画素の画素値を用いて重み付け処理を行うことで(ステップS204)、縮小画像の各画素位置に割り当てる画素値を決定する。そして、第1の縮小画像生成部85dは、重み付け部85cによって決定された画素値をそれぞれ対応する画素位置へ割り当てることによって、奇数フレームの縮小画像を生成する(ステップS205)。
【0137】
つづいて、代表画素選択部85bは、各画素ブロック内の右下に位置する画素を第2の代表画素として選択する(ステップS206)。つづいて、重み付け部85cは、選択された第2の代表画素の画素値および第2の代表画素の周辺に位置する画素の画素値を用いて重み付け処理を行うことで(ステップS207)、縮小画像の各画素位置に割り当てる画素値を決定する。つづいて、第1の縮小画像生成部85dは、重み付け部85cによって決定された画素値をそれぞれ対応する画素位置へ割り当てることによって、偶数フレームの縮小画像を生成する(ステップS208)。
【0138】
そして、タイミング制御部88は、元画像のフレーム周波数の2倍のフレーム周波数を用いて、奇数フレームおよび偶数フレームをTFTパネル82へ交互に表示させて(ステップS209)、処理を終える。
【0139】
このように、画素ブロック設定部85aが、縮小画像の各画素位置にそれぞれ対応する画素ブロックを元画像に対して設定し、代表画素選択部85bが、画素ブロックから代表画素を選択し、第1の縮小画像生成部85dが、当該代表画素に基づいて決定した画素値を当該画素ブロックに対応する画素位置へ割り当てた縮小画像を、選択する代表画素を変えて複数種類生成し、タイミング制御部88が、元画像のフレーム周波数に対して、第1の縮小画像生成部85dによって生成された縮小画像の種類の数を乗じることによって縮小画像のフレーム周波数を決定するとともに、決定したフレーム周波数を用いて、各縮小画像を順次表示させることとした。
【0140】
したがって、同一の元画像からそれぞれ異なる画素を選択して生成した複数の縮小画像を順次表示していくことで、1つの元画像の情報をより多く表示することができ、この結果、縮小画像の画質を改善することができる。
【0141】
ところで、これまでは、奇数フレームおよび偶数フレームの2つの縮小画像を生成する場合について説明したが、これに限ったものではなく、たとえば、画素ブロック内の全ての画素にそれぞれ対応する縮小画像を生成することとしてもよい。以下では、かかる点について図16を用いて説明する。図16は、画素ブロック内の全ての画素にそれぞれ対応する縮小画像を生成する場合について説明するための図である。
【0142】
同図の(A)に示すように、画質調整部85は、各画素ブロック内に含まれる4つの画素にそれぞれ基づいて4つの縮小画像を生成する。具体的には、画質調整部85は、各画素ブロックの左上に位置する画素を第1の代表画素とする縮小画像(第1フレーム)と、各画素ブロックの右下に位置する画素を第2の代表画素とする縮小画像(第2フレーム)とを生成する。さらに、画質調整部85は、各画素ブロックの右上に位置する画素を第3の代表画素とする縮小画像(第3フレーム)と、各画素ブロックの左下に位置する画素を第4の代表画素とする縮小画像(第4フレーム)とを生成する。
【0143】
つづいて、同図の(B)に示したように、タイミング制御部88は、生成した縮小画像の種類の数で元画像のフレーム周波数を乗じることによって各縮小画像のフレーム周波数を決定し、決定したフレーム周波数を用いて各縮小画像を順次表示させる。すなわち、タイミング制御部88は、元画像のフレーム周波数が60フレーム/secである場合には、かかるフレーム周波数に対して4倍のフレーム周波数240フレーム/secで、第1フレーム〜第4フレームを順次表示させる。
【0144】
このように、各画素ブロックに含まれる全ての画素を代表画素として順次選択するとともに各代表画素の画素値を当該画素ブロックに対応する画素位置へ割り当てることによって、各画素ブロックに含まれる画素と同数の縮小画像を生成し、これらの縮小画像を順次表示させることによって、元画像の情報をほとんど欠落させることなく縮小画像を表示させることができる。
【0145】
なお、上述してきた実施例では、VGA(800×480)サイズの元画像を1/4に縮小してEGA(400×240)サイズのディスプレイに表示する場合について説明したが、元画像の縮小率はこれに限ったものではない。
【産業上の利用可能性】
【0146】
以上のように、本発明に係る画像処理装置および画像処理方法は、縮小画像の解像度だけでなく動画応答性も向上させたい場合に有用であり、特に、車載装置に表示される縮小画像の画質を改善したい場合に適している。
【符号の説明】
【0147】
1 車載装置
11 ナビゲーションエンジン
12 TVチューナ
13 DVDデッキ
14 リアカメラ
15 オーディオマイコン
16 描画部
17 映像切替部
18 表示装置
81 電源
82 TFTパネル
83 マイコン処理部
84 LVDSレシーバ
85 画質調整部
101 モード切替部
102 擬似高解像度化処理部
85a 画素ブロック設定部
85b 代表画素選択部
85c 重み付け部
85d 第1の縮小画像生成部
103 フレーム補間処理部
85e 補間フレーム生成部
85f 第2の縮小画像生成部
104 静動判定部
86 階調処理部
87 ピクセル制御部
88 タイミング制御部
89 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
元画像から複数の異なる第1の縮小画像を生成する第1の縮小画像生成手段と、
時系列的に隣接する2つの縮小画像間を補う補間画像を含む第2の縮小画像を生成する第2の縮小画像生成手段と、
前記元画像のフレーム周波数よりも高いフレーム周波数を用い、前記第1の縮小画像生成手段によって生成された第1の縮小画像および前記第2の縮小画像生成手段によって生成された第2の縮小画像に基づく表示処理を行う表示処理手段と
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項2】
前記第1の縮小画像生成手段は、
前記元画像に対して設定された各画素ブロックから代表画素を選択するとともに、当該代表画素に基づいて決定した画素値を当該画素ブロックに対応する画素位置へ割り当てた前記第1の縮小画像を、選択する代表画素を変えて複数種類生成することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
第1の表示モードと第2の表示モードとの切り替えを行う切り替え手段
をさらに備え、
前記表示処理手段は、
前記切り替え手段によって第1の表示モードへ切り替えられた場合には、前記第1の縮小画像に基づく表示処理を行い、前記第2の表示モードへ切り替えられた場合には、前記第2の縮小画像に基づく表示処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記切り替え手段は、
前記元画像の画像ソースの種別に応じて前記第1の表示モードおよび前記第2の表示モードの切り替えを行うことを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記元画像が静的シーンに属する画像であるか動的シーンに属する画像であるかを判定する静動判定手段
をさらに備え、
前記切り替え手段は、
前記静動判定手段によって前記元画像が静的シーンに属する画像であると判定された場合には、表示モードを前記第1の表示モードへ切り替えるとともに、前記元画像が動的シーンに属する画像であると判定された場合には、表示モードを前記第2の表示モードへ切り替えることを特徴とする請求項3に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記切り替え手段は、
表示モードの切り替えを行ってから所定フレーム間において前記表示モードの切り替えを禁止することを特徴とする請求項3、4または5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記第2の縮小画像生成手段は、
一の元画像から生成された前記第1の縮小画像および当該一の元画像と時系列的に隣接する他の元画像から生成された前記第1の縮小画像間を補う補間画像を前記第2の縮小画像として生成し、
前記表示処理手段は、
前記第1の縮小画像および前記第2の縮小画像を、前記第1の縮小画像間に前記第2の縮小画像が表示される順序で表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示装置。
【請求項8】
元画像から複数の異なる第1の縮小画像を生成する第1の縮小画像生成工程と、
時系列的に隣接する2つの縮小画像間を補う補間画像を含む第2の縮小画像を生成する第2の縮小画像生成工程と、
前記元画像のフレーム周波数よりも高いフレーム周波数を用い、前記第1の縮小画像生成工程において生成した第1の縮小画像および前記第2の縮小画像生成工程において生成した第2の縮小画像に基づく表示処理を行う表示処理工程と
を含んだことを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−10040(P2012−10040A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143198(P2010−143198)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】