説明

画像処理装置及びプログラム

【課題】変換係数を算出するための計算量を削減することができる画像処理装置を提供する。
【解決手段】画像処理装置は、画像A(第1の画像)及び画像B(第2の画像)から抽出される特徴点に基づいて、画像の変換手法を決定する特徴点ペア選択部222及び変換係数算出部224と、前記決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下となる特徴点の組に基づいて、特徴点ペア選択部222及び変換係数算出部224が変換手法の決定を繰り返し行うように制御する有効特徴点ペア探索部226とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚以上の画像の位置合わせを行う画像処理装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像処理装置は、2枚の画像から特徴点を抽出し、抽出された特徴点から例えば4個の特徴点をランダムに選択し、4個の特徴点の組(特徴点ペア)を形成する。画像処理装置は、特徴点ペアに基づいて変換手法を決定し、決定された変換手法を用いて一方の画像を変換して、他方の画像と位置を合わせる。この変換が所望の品質を満足する場合、決定された変換手法が採用される。
【0003】
非特許文献1では、特徴点ペアを用いて射影変換行列を求める手法が開示されている。
非特許文献2では、RANSACと呼ばれるアルゴリズムを用いて、正しい特徴点ペアを決定する手法が開示されている。
非特許文献3では、特徴点を抽出する代表的な手法である画像コーナー点抽出アルゴリズムが開示されている。
【0004】
また、特許文献1では、対象物の平行・回転のずれ量を検出する手法が開示されている。
さらに、特許文献2では、分割画像を合成する際に、合成すべき分割画像を人手により大まかに重ね合わせて置くだけで、マッチング精度が高く、かつ処理量の少ない手法が開示されている。
【0005】
【非特許文献1】I.Zoghlami, O.Faugeras, and R.Deriche, "Using geometric coeners to build a 2D mosaic from a set of images", CVPR'97, p.420-425, 1997.
【非特許文献2】R.Hartley and A. Zisserman, "Multiple View Geometry", Cambridge University Press p.116-127
【非特許文献3】C.Harris and M.Stephens, "A combined corner and edge detector", Proc. Alvey Vision Conf., p.147-151, 1988.
【特許文献1】特開平10−27253号公報
【特許文献2】特開平10−108003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1及び非特許文献2に開示された手法は、処理負荷が増大してしまうことがある。また、特許文献1に開示された手法は、平行移動及び回転のみを行うものであり、特許文献2に開示された手法は、平行移動のみを行うものである。
【0007】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、変換係数を算出するための計算量を削減することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る第1の画像処理装置は、第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点に基づいて、画像の変換手法を決定する変換手法決定手段と、前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下となる特徴点の組に基づいて、前記変換手法決定手段が変換手法の決定を繰り返し行うように制御する制御手段とを有する。本発明によれば、変換係数を算出するための計算量を削減することができる。
【0009】
好適には、前記変換手法決定手段は、射影変換で用いられる変換係数を決定する。本発明によれば、変換が、例えば平行移動等に、制限されることを防止することができる。
【0010】
好適には、前記変換手法決定手段は、第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点の周辺画素の画素値にさらに基づいて、画像の変換手法を決定する。本発明によれば、変換手法の決定が繰り返される回数が削減されるので、計算量をさらに削減することができる。
【0011】
好適には、前記制御手段は、前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下である特徴点の組の数が、予め決められた値以上となるように制御する。本発明によれば、変換の精度がより良い変換係数を求めることができる。
【0012】
好適には、前記制御手段は、前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下である特徴点の組の数が、予め決められた値未満である場合、前記変換手法決定手段が、当該特徴点の組とは異なる組を選択するように制御する。本発明によれば、少なくとも一定の精度以上の変換係数を求めることができる。
【0013】
好適には、前記制御手段は、前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下である特徴点の組の数が収束した場合、当該収束した状態における変換手法に関する情報を出力する。本発明によれば、変換係数を算出する回数を所定値以下に抑えることができる。
【0014】
好適には、前記制御手段は、前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点の周辺画素の画素値と、第2の画像の特徴点の周辺画素の画素値とにさらに基づいて、記変換手法決定手段が変換手法の決定を繰り返し行うように制御する。本発明によれば、変換手法の決定が繰り返されるように制御する回数が削減されるので、計算量をさらに削減することができる。
【0015】
本発明に係る第2の画像処理装置は、特徴点に関する閾値及び割合に基づいて、第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点の数を算出する特徴点数算出手段と、第1の画像及び第2の画像から抽出された前記特徴点数算出手段により算出された数の特徴点から選択される特徴点の組のうち有効とされる組の数が特徴点に関する閾値以上となるように画像の変換手法を決定する変換手法決定手段とを有する。本発明によれば、適切な特徴点数が設定されるので、変換係数の算出の際に、処理負荷の増大を防止することができる。
【0016】
好適には、前記特徴点数算出手段は、特徴点に関する閾値を割合で乗じた値に所定値が加算された値を特徴点の数とする。本発明によれば、有効特徴点数が、特徴点に関する閾値より高くなる確率が大きくなるので、試行回数が減少され、処理負荷を低減することができる。
【0017】
好適には、前記変換手法決定手段は、変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が所定値以下である場合、当該特徴点の組は有効であると判定する。本発明によれば、特徴点の組が有効であるか否かの判定を簡易に行うことができる。
【0018】
好適には、前記特徴点数算出手段により算出された数に基づいて試行回数の上限を算出する試行回数算出手段をさらに有し、前記変換手法決定手段は、前記試行回数算出手段により算出された試行回数の上限を超えない範囲で、変換手法を決定するための試行を繰り返す。本発明によれば、試行が終わることなく継続することを防止することができる。
【0019】
好適には、前記変換手法決定手段は、試行回数が前記試行回数算出手段により算出された試行回数の上限を超えた場合、有効である特徴点の組が最大となる変換手法を選択する。
【0020】
好適には、前記変換手法決定手段は、試行回数が前記試行回数算出手段により算出された試行回数の上限を超えた場合、第1の画像と第2の画像との間で重畳する画像部分がない旨の情報を出力する。
【0021】
好適には、前記変換手法決定手段は、試行回数が前記試行回数算出手段により算出された試行回数の上限を超えた場合、減少された特徴点に関する割合を用いて試行を行う。
【0022】
また、本発明に係る第1のプログラムは、コンピュータを含む画像処理装置において、第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点に基づいて、画像の変換手法を決定する変換手法決定ステップと、前記決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下となる特徴点の組に基づいて、前記変換手法の決定を繰り返し行うように制御する制御ステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
【0023】
また、本発明に係る第2のプログラムは、コンピュータを含む画像処理装置において、特徴点に関する閾値及び割合に基づいて、第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点の数を算出する特徴点数算出ステップと、第1の画像及び第2の画像から抽出された前記算出された数の特徴点から選択される特徴点の組のうち有効とされる組の数が特徴点に関する閾値以上となるように画像の変換手法を決定する変換手法決定ステップとを前記画像処理装置のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の画像処理装置によれば、変換係数を算出するための計算量を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
まず、本発明の理解を容易にするため、本発明の背景を説明する。
画像内の物体が同一平面上にある場合又はカメラ運動が水平面での回転に制限されている場合、2枚の画像間の変換は、射影変換を用いて規定される。物体が複数平面の組み合わせで近似される場合、同一平面上にあるという制限は外されてもよい。
【0026】
図1は、射影変換を説明する図である。
図1(A)は、画像A内の点(x,y)を、画像B内の点(x,y)に写す射影変換を示す。図1(A)において、画像Aは、平面XYを視点Oから見て平面xに投影した結果であり、画像Bは、平面XYを視点Oから見て平面xに投影した結果である。この場合、平面x上の座標(x,y)と、平面x上の座標(x,y) との関係は、射影変換で表される。
【0027】
図1(B)は、同様の関係を見方を変えて説明する図である。図1(B)に示される3次元空間XYZにおいて、視点を原点Oとして、平面x上の座標点(x,y)が、平面x上の座標点(x,y) と重なって見える場合、座標(x,y)と、座標(x,y)との関係は、射影変換で表される。
【0028】
この射影変換により、平面x上の四角形は、平面x上の四角形に変換される。なお、射影変換後の線分間の角度や長さ比等は、必ずしも保存されない。例えば、図1(C)に示されるように、平面x上の正方形は、平面x上では、変形した四角形に変換される。
このような射影変換は、同次座標系(homogeneous coordinates)における次式で表される。
【0029】
【数1】

【0030】
上式の3×3の行列を、射影変換行列(homography行列)と呼ぶ。以下、次式に示されるように、射影変換行列をHとする。また、hijを射影変換係数と呼ぶ。
【0031】
【数2】

【0032】
ここで、(1)式は、同次座標系における式であり、等号にはスケール因子が残る(定数倍が未定である)。即ち、(1)式の右辺又は左辺に、実数cを乗じても成り立つ。例えば、同次座標ではない(非同次座標の)変換式として、次式を考える。
【0033】
【数3】

【0034】
上式の変数cを、この式の第3行
【数4】

の関係式を用いて消去すると、次式が得られる。
【0035】
【数5】

【0036】
この式が、2次元平面上の点(x,y)を、点(x,y)に写す非同次座標系上の射影変換である。上式では、分母及び分子の全てに、係数hijが、乗じられている。したがって、射影変換係数hijの全てが定数倍された場合においても、結果の(x, y)は影響を受けない。つまり、射影変換係数の未知数は9個であるが、実際の自由度は8である。よって、8つの式が得られれば、射影変換は求められる。そこで、h33=1とすると、次式が得られる。
【0037】
【数6】

【0038】
さらに、分母を両辺にかけると、(6)式は、次式のように変形される。
【0039】
【数7】

【0040】
(7)式は、hijの連立一次方程式であるので、線形演算により解くことが可能である。8個の式を求めるためには、4個の特徴点のペアが与えられればよい。即ち、4個の特徴点ペアの2次元座標があれば、8個(特徴点ペア数4×次元数2)の式が得られる。なお、特徴点ペア数が5以上である場合には、式の数が未知数より多くなるので、連立方程式は、最小二乗法などを用いて解かれる。また、射影変換行列を求める手法は、数多く存在するので、どのような方法が用いられてもよい。
【0041】
平行移動、剛体変換、拡縮変換、相似変換及びアフィン変換等のその他の幾何変換は、射影変換の一種として表現される。
変換が平行移動により実現される場合、平行移動ベクトルをt=(t,t)Tとすると、変換式及び変換行列Hは、次のように表される。
【0042】
【数8】

【0043】
【数9】

【0044】
この場合、自由度は、1である。したがって、平行移動は、1ペアの特徴点があれば算出されることができる。
【0045】
剛体変換は、平行移動に回転が加えられた変換であり、形状や長さを変化させない等倍変換である。回転角θの回転行列をR(θ)とすると、変換式及び変換行列Hは、次のように表される。
【0046】
【数10】

【0047】
【数11】

【0048】
この場合、自由度は、3である。したがって、剛体変換は、2ペアの特徴点があれば算出されることができる。
【0049】
拡縮変換は、平行移動に拡大縮小が加えられた変換である。拡大縮小率をαとすると、変換式及び変換行列は、次のように表される。
【0050】
【数12】

【0051】
【数13】

【0052】
この場合、自由度は、3である。したがって、拡縮変換は、2ペアの特徴点があれば算出されることができる。なお、拡縮倍率が縦方向と横方向とで異なる場合の変換は、後述するアフィン変換に含めるものとする。
【0053】
相似変換は、平行移動に回転及び拡大縮小が加えられた変換であり、物体の形状を変化させない変換である。変換式及び変換行列Hは、次のように表される。
【0054】
【数14】

【0055】
【数15】

【0056】
この場合、自由度は、4である。したがって、相似変換は、2ペアの特徴点があれば算出されることができる。
【0057】
アフィン変換は、平行線を平行線に写す変換である。変換式及び変換行列Hは、次のように表される。
【0058】
【数16】

【0059】
【数17】

【0060】
図2は、2枚の画像が入力された場合、この2枚の画像を重ね合わせるための射影変換係数を求める手法を例示する図である。
図2(A)は、入力された2枚の画像(画像A及び画像B)を例示し、図2(B)は、重ね合わされた画像A及び画像Bを例示する。図2(A)及び図2(B)に例示するように、平行移動、回転、拡大縮小等が、例えば画像Aに対して施されると、画像A及び画像Bに含まれる物体や模様などができるだけ同じ位置になるように、画像Aと画像Bとは重ね合わされることができる。
【0061】
図2(C)は、特徴点ペアを用いて射影変換行列を求める手法を示す図である。図2(C)に示すように、画像Aの特徴点を、a1,a2,…,ai,…とし、画像Bの特徴点を、b1,b2,…,bi,…とする場合、まず、4個の特徴点(p1,p2,p3,p4)が画像Aから抽出され、4個の特徴点(q1,q2,q3,q4)が画像Bからも抽出される。次に、特徴点ペアが、(p1−q1),(p2−q2),(p3−q3),(p4−q4)のように決定される。この4個の特徴点ペアを用いて、射影変換行列が算出され、この射影変換行列を用いて、画像Aが変換される。さらに、変換後の画像Aと画像Bとの画素値の相互相関係数が算出される。このようにして、全ての特徴点ペアの組み合わせのうち、相互相関係数を最大とする射影変換行列が選択される。
【0062】
上記のような手法においては、特徴点の数が多い場合、組み合わせの数が膨大になってしまう。例えば、画像A内の特徴点の数をnA、画像B内の特徴点の数をnBとする。この場合、画像Aから4個、画像Bから4個の特徴点を抽出する組み合わせの数は、n(n−1)(n−2)(n−3)n(n−1)(n−2)(n−3)となる。例えば、n=n=100とすると、組み合わせの数は、10となってしまう。
【0063】
図2(D)は、RANSACと呼ばれるアルゴリズムを用いて、正しい特徴点ペアを決定する方式を示す図である。まず、特徴点が、画像A及び画像Bから抽出される。画像Aの特徴点と、画像Bの特徴点のうち周囲の画素値が当該画像Aの特徴点のものと似ている特徴点とが選択され、図2(D)に示されるa1とb1、a2とb2及びa3とb5のように、特徴点がペア化される。ここでペア化された特徴点は、正しい場合もあるし、間違っている場合もある。例えば、(a1−b1)及び(a2−b2)の特徴点ペアは正しいが、(a3−b5)の特徴点ペアは間違っている。なお、図中では、特徴点ペアの数は3であるが、実際には、さらに多くの特徴点ペアが存在する。
【0064】
4個の特徴点ペアが、複数の特徴点ペアからランダムに抜き出され、射影変換行列が算出される。この射影変換行列を用いて、画像Aの特徴点の座標が変換される。変換後の画像Aの特徴点の座標と、当該特徴点とペア化されている画像Bの特徴点の座標との距離が算出され、この距離が閾値以下となる特徴点ペアの数が算出される。このような特徴点ペアは、有効特徴点ペアと呼ばれ、その数は、有効特徴点ペア数と呼ばれる。このようにして、特徴点ペアのランダム抽出から有効特徴点ペア数の算出までの試行が、所定回数繰り返され、有効特徴点ペア数を最大とする射影変換行列が選択される。
【0065】
また、上記のような手法において、試行回数Tには、正しい4個の特徴点ペアを選択することができる確率がZとなる回数が設定される。より具体的には、試行回数Tは、以下のように設定される。
【0066】
例えば4個の特徴点ペアが選択される場合、全ての特徴点ペアのうち、正しい特徴点ペアの割合をβとすると、その全てが正しい特徴点ペアである確率は、βである。ここで、T回の試行以下で全てが正しい特徴点ペアとなる確率をZ(例えば、0.99)とすると、T回の試行で正解にたどり着かない確率は1−Zである。したがって、1−Z=(1−β が成立する。この式を変形すると、次式となる。
【0067】
【数18】

【0068】
また、試行回数Tは、次のように、適応的に決定されてもよい。まず、全特徴点ペア数をnβとし、試行番号をC(初期値は、例えば0)とする。さらに、C≧Tとなるまで、以下の(ア)〜(ウ)の処理を繰り返す。これにより、正しい特徴点ペアの割合βが求められ、試行回数Tが設定される。
【0069】
(ア)特徴点ペアをランダムに抽出し、射影変換行列を算出し、有効特徴点ペア数を求める。
(イ)β=K/nβを求め、試行回数Tを(8)式を用いて求める。
(ウ)Cに1を加算する。
【0070】
以上説明した処理においては、特徴点数又は特徴点ペア数が少ないほど、処理負荷は小さくなる。しかしながら、上記の手法では、特徴点数及び特徴点ペア数は、適切な値に設定されることができない。また、試行回数が少ないほど、処理負荷は小さくなる。しかしながら、試行回数は、処理負荷を小さくするように設定されることは困難である。特に、2つの画像が重なりを全く持たない場合、試行が、終わることなく続いてしまうことがある。
【0071】
以下、本発明に係る画像処理装置を詳細に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る画像処理装置10のハードウェア構成を示す図である。
図3に示すように、画像処理装置10は、CPU102及びメモリ104などを含む制御装置100と、ネットワークを介して外部のコンピュータなどとデータの通信を行う通信装置106と、ハードディスク駆動装置などの記憶装置108と、液晶ディスプレイなどの表示装置並びにキーボード及びポインティングデバイスを含むユーザインタフェース(UI)装置110とを有する。画像処理装置10は、例えば、後述する画像処理プログラム20などがインストールされた汎用コンピュータであり、通信装置106、記憶装置108又はFD、CD、DVD等の記録媒体112を介して複数の画像のデータを取得し、取得された画像に対して画像処理を行う。
【0072】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置10により実行される画像処理プログラム20の機能構成を示す図である。
図4に示すように、画像処理プログラム20は、画像位置合わせ部22、画像変換部24及び画像重ね合わせ部26を有する。画像処理プログラム20は、例えば、通信装置106を介して制御装置100に供給され、メモリ104にロードされて、制御装置100上で動作する図示しないOS上で、ハードウェアを具体的に利用して実行される。画像処理プログラム20は、記録媒体112に格納されて、画像処理装置10に供給されてもよい。なお、画像処理プログラム20の全部又は一部の機能は、画像処理装置10に設けられた例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現されてもよい。
【0073】
画像処理プログラム20において、画像位置合わせ部22は、画像A及び画像Bを入力し、画像A及び画像Bの間の変換係数を算出して画像変換部24に対して出力する。なお、画像位置合わせ部22については、後で詳述する。
【0074】
画像変換部24は、画像位置合わせ部22により算出された変換係数を用いて、画像Aを変換し、変換後の画像Aを画像重ね合わせ部26に対して出力する。なお、画像変換部24は、画像位置合わせ部22に含まれてもよい。例えば、変換係数を求めるために、画像位置合わせ部22において変換後の画像Aが既に求められている場合、変換後の画像Aが、画像位置合わせ部22から画像重ね合わせ部26に対して出力されてもよい。
【0075】
画像重ね合わせ部26は、変換後の画像Aと、画像Bとを入力し、これらの画像を重ね合わせて合成画像を生成する。この合成画像は、画像Aと画像Bとが組み合わせて作成された、画像A及び画像Bよりも大きな画像である。なお、このような合成画像を、モザイク合成画像とも呼ぶ。
【0076】
次に、画像位置合わせ部22について、より詳細に説明する。
図5は、画像位置合わせ部22による画像位置合わせ処理の概要を説明する図である。
図5(A)は、画像位置合わせ部22に入力される画像A及び画像Bを例示する。図5(A)に例示するように、画像Aには、特徴点a1〜a4が含まれ、画像Bには、特徴点b1〜b4が含まれている。ここで、特徴点a1とb1、a2とb2、a3とb3、a4とb4は、ペアとなるべき組み合わせであるとする。なお、画像Aの特徴点数と画像Bの特徴点数とは異なってもよい。
【0077】
まず、画像位置合わせ部22は、画像Aの特徴点及び画像Bの特徴点から1つずつの特徴点を選択する。画像位置合わせ部22は、特徴点ペアの数が1であるので、平行移動における変換係数を算出する。例えば、画像位置合わせ部22は、a1とb4を選択したとする。
【0078】
図5(B)は、特徴点a1とb4とから算出された変換係数を用いて変換された画像Aと、画像Bとを示す。画像位置合わせ部22は、特徴点a2との距離が閾値Th1以下である画像Bの特徴点を探索する。同様に、画像位置合わせ部22は、特徴点a3,a4との距離が閾値Th1以下である画像Bの特徴点を探索する。その結果、画像位置合わせ部22は、有効特徴点ペア数が閾値Th2(例えば、4)未満である場合、再度、特徴点ペアを選択する。例えば、画像位置合わせ部22は、a1とb1を選択したとする。
【0079】
図5(C)は、特徴点a1とb1とから算出された変換係数を用いて変換された画像Aと、画像Bとを示す。画像位置合わせ部22は、特徴点a2との距離が閾値Th1以下である画像Bの特徴点としてb2を検出したとする。同様に、画像位置合わせ部22は、特徴点a3,a4との距離が閾値Th1以下である画像Bの特徴点として、それぞれb3,b4を検出したとする。その結果、画像位置合わせ部22は、有効特徴点ペア数が閾値Th2以上であるので、a1とb1のペアは正しいと判定する。
【0080】
さらに、画像位置合わせ部22は、有効特徴点ペア(a1−b1),(a2−b2),(a3−b3),(a4−b4)を用いて、新たな変換係数(射影変換行列)を算出して、再度、画像Aを変換する。画像位置合わせ部22は、このような処理を、特徴点ペアのパターンが変化しなくなるまで繰り返す。
【0081】
図5(D)は、得られた変換係数を用いて変換された画像Aと、画像Bとを示す。このようにして、最適な変換係数が、画像位置合わせ部22により求められる。
【0082】
図6は、変換行列Hが平行移動では近似できない場合における画像位置合わせ部22による画像位置合わせ処理の概要を説明する図である。
画像Aと画像Bの回転角が大きい場合等、変換行列Hが平行移動では近似できない場合、画像位置合わせ部22は、最初に選択する特徴点ペアの数を2として、相似変換における変換係数を求める。
【0083】
図6(A)は、画像位置合わせ部22に入力される画像A及び画像Bを例示する。本例においても、図5に示される場合と同様に、特徴点a1とb1、a2とb2、a3とb3、a4とb4は、ペアとなるべき組み合わせであるとする。
【0084】
まず、画像位置合わせ部22は、特徴点ペアの数を2として、相似変換における変換係数を算出する。例えば、画像位置合わせ部22は、特徴点ペア(a1−b1)及び特徴点ペア(a2−b2)を選択したとする。
【0085】
図6(B)は、特徴点ペア(a1−b1)及び特徴点ペア(a2−b2)から算出された変換係数を用いて変換された画像Aと、画像Bとを示す。画像位置合わせ部22は、特徴点a3との距離が閾値Th1以下である画像Bの特徴点としてb3を検出したとする。同様に、画像位置合わせ部22は、特徴点a4との距離が閾値Th1以下である画像Bの特徴点として、b4を検出したとする。その結果、画像位置合わせ部22は、有効特徴点ペア数が閾値Th2以上であるので、特徴点ペア(a1−b1)及び特徴点ペア(a2−b2)は正しいと判定する。
【0086】
さらに、画像位置合わせ部22は、有効特徴点ペア(a1−b1),(a2−b2),(a3−b3),(a4−b4)を用いて、新たな変換係数(射影変換行列)を算出して、再度、画像Aを変換する。画像位置合わせ部22は、このような処理を、特徴点ペアのパターンが変化しなくなるまで繰り返し、図6(D)に示される様な変換を行う変換係数を求める。
【0087】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る画像位置合わせ部22の機能構成を示す図である。
図7に示すように、画像位置合わせ部22は、特徴点抽出部220、特徴点ペア選択部222、変換係数算出部224及び有効特徴点ペア探索部226を有する。
【0088】
画像位置合わせ部22において、特徴点抽出部220は、画像A(第1の画像)及び画像B(第2の画像)を入力し、画像A及び画像Bから特徴点を抽出し、抽出された特徴点の座標を特徴点ペア選択部222及び有効特徴点ペア探索部226に対して出力する。特徴点抽出部220は、例えば非特許文献3に開示されているHarrisオペレータ等の画像コーナー点抽出アルゴリズムを用いて、特徴点を抽出する。なお、コーナー点は、2方向以上のエッジを有する点を意味する。また、コーナー点抽出アルゴリズムは、本例に限定されず、特徴点抽出部220は、その他様々なアルゴリズムを用いてもよい。
【0089】
特徴点ペア選択部222は、特徴点抽出部220により抽出された画像A及び画像Bの特徴点から1個ずつ特徴点を選択し、特徴点ペアを決定する。より具体的には、画像のAの特徴点を、a1,a2,…,ai,…とし、画像のBの特徴点を、b1,b2,…,bi,…とすると、特徴点ペア選択部222は、特徴点a1,a2,…,ai,…から1個の特徴点を選択し、特徴点b1,b2,…,bi,…から1個の特徴点を選択し、画像Aの特徴点と画像Bの特徴点とが対になるようにして特徴点ペアを決定する。
【0090】
変換係数算出部224は、特徴点ペア選択部222により決定された特徴点ペアを用いて変換係数を算出し、この変換係数を有効特徴点ペア探索部226に対して出力する。したがって、特徴点ペア選択部222及び変換係数算出部224は、画像の変換手法を決定する変換手法決定手段を構成する。なお、変換係数は、例えば、平行移動変換における変換係数である。
【0091】
有効特徴点ペア探索部226は、変換係数算出部224により決定される変換手法を適用されて変換された画像Aの特徴点と、画像Bの特徴点との距離が閾値以下となる特徴点の組に基づいて、特徴点ペア選択部222及び変換係数算出部224が変換手法の決定を繰り返し行うように制御する制御手段を構成する。
【0092】
より具体的には、まず、有効特徴点ペア探索部226は、特徴点抽出部220により抽出された画像Aの特徴点のうち、特徴点ペア選択部222により選択された特徴点以外の特徴点を、変換係数算出部224により算出された変換係数を含む変換式を用いて変換する。次に、有効特徴点ペア探索部226は、変換された画像Aの特徴点と、画像Bの特徴点のうち特徴点ペア選択部222により選択された特徴点以外の特徴点との距離を算出する。ここで、有効特徴点ペア探索部226は、変換された画像Aの特徴点に最も近い画像Bの特徴点を検出し、画像Aの当該特徴点と画像Bの当該特徴点との例えばユークリッド距離を算出する。
【0093】
有効特徴点ペア探索部226は、算出された距離が予め決められた閾値Th1以下であるか否かを判定する。有効特徴点ペア探索部226は、算出された距離が閾値Th1以下である場合、この特徴点ペアは有効特徴点ペアであると判定する。有効特徴点ペア探索部226は、特徴点ペア選択部222により選択された特徴点以外の特徴点の全てに対してこのような判定を行い、有効特徴点ペア数を算出する。なお、有効特徴点ペア探索部226は、変換された画像Aの特徴点との距離が閾値Th1以下である画像Bの特徴点を検出してもよい。
【0094】
有効特徴点ペア探索部226は、有効特徴点ペア数が、予め決められた閾値Th2(例えば、4以上の整数)以上となるように制御する。具体的には、有効特徴点ペア探索部226は、有効特徴点ペア数が閾値Th2未満である場合、特徴点ペア選択部222及び変換係数算出部224が、当該特徴点ペアとは異なる特徴点ペアを選択するように制御する。この場合、特徴点ペア選択部222は、前回とは異なる特徴点ペアを選択する。
【0095】
有効特徴点ペア探索部226は、有効特徴点ペア数が閾値Th2以上である場合、再度、変換係数算出部224が変換係数を算出するように制御する。この場合、変換係数算出部224は、有効特徴点ペア探索部226により算出された距離が閾値Th1以下である特徴点ペアを用いて、変換係数を算出し、この変換係数を有効特徴点ペア探索部226に対して、再度、出力する。例えば、変換係数算出部224は、有効特徴点ペア数が2である場合には相似変換における変換係数を算出し、有効特徴点ペア数が3である場合にはアフィン変換における変換係数を算出し、有効特徴点ペア数が4以上である場合には射影変換における変換係数を算出する。
【0096】
有効特徴点ペア探索部226は、有効特徴点ペア数が収束するまで上記の制御を繰り返し、収束した状態における変換係数(変換手法に関する情報)を出力する。また、特徴点ペア選択部222は、全ての特徴点の組み合わせを選択したにもかからず有効特徴点ペア数が閾値Th2未満である場合、画像Aと画像Bとの間で重畳する画像部分がないとして、終了信号を出力する。
【0097】
図8は、画像位置合わせ部22による画像位置合わせ処理(S10)のフローチャートを示す。
図8に示すように、ステップ100(S100)において、画像位置合わせ部22の特徴点抽出部220は、画像A及び画像Bから特徴点を抽出する。
ステップ102(S102)において、特徴点ペア選択部222は、抽出された特徴点から特徴点ペアを選択する。
【0098】
ステップ104(S104)において、変換係数算出部224は、選択された特徴点ペアに基づいて変換係数を算出する。
ステップ106(S106)において、有効特徴点ペア探索部226は、変換係数を用いて、画像Aの特徴点を変換する。
【0099】
ステップ108(S108)において、有効特徴点ペア探索部226は、変換後の画像Aの特徴点と、画像Bの特徴点との距離を算出する。
ステップ110(S110)において、有効特徴点ペア探索部226は、算出された距離が閾値Th1以下である有効特徴点ペアの数を算出する。
【0100】
ステップ112(S112)において、有効特徴点ペア探索部226は、有効特徴点ペア数が閾値Th2以上であるか否かを判定する。有効特徴点ペア探索部226は、有効特徴点ペア数が閾値Th2以上である場合にはS114の処理に進み、そうでない場合にはS118の処理に進む。
【0101】
ステップ114(S114)において、有効特徴点ペア探索部226は、算出された有効特徴点ペア数が収束しているか否かを判定する。例えば、有効特徴点ペア探索部226は、算出された有効特徴点ペア数が前回算出された値と同じか否かを判定する。有効特徴点ペア探索部226は、算出された有効特徴点ペア数が前回算出された値と同じである場合、有効特徴点ペア数が収束していると判定し、S116の処理に進み、そうでない場合にはS104の処理に戻って、再度、変換係数を算出する。
【0102】
ステップ116(S116)において、有効特徴点ペア探索部226は、変換係数を画像変換部24に対して出力する。
【0103】
一方、ステップ118(S118)においては、特徴点ペア選択部222は、全ての特徴点の組み合わせについて終了したか否かを判定する。特徴点ペア選択部222は、全ての特徴点の組み合わせについて終了した場合には終了信号を出力して処理を終了し、そうでない場合にはS100の処理に戻る。
【0104】
このように、ペア化される特徴点は、最初、狭い領域内に存在する一方、変換係数の算出が繰り返されるに従って、広い領域内に存在するようになる。したがって、ペア化される特徴点が存在する領域が次第に広がることにより、変換係数は、画像全体に渡って誤差のないものとなる。これにより、画像処理装置10は、変換精度の良い変換行列を求めることができる。
【0105】
また、例えば、画像Aの特徴点の数n及び画像Bの特徴点の数nが100であるとすると、特徴点ペアの数が1である場合、画像A及び画像Bから特徴点を選択する組み合わせの数は、nより10であり、特徴点ペアの数が2である場合、前記組み合わせの数は、n(n−1)n(n−1)より10であり、特徴点ペアの数が3である場合、前記組み合わせの数は、n(n−1)(n−2)n(n−1)(n−2)より1012である。したがって、組み合わせ回数を大幅に削減することができる。これにより、計算量が削減されることができる。
【0106】
なお、画像位置合わせ部22の特徴点ペア選択部222により最初に選択される特徴点ペアの数は、1、2及び3のいずれであってもよい。例えば、この特徴点ペアの数が3である場合、変換係数算出部224は、アフィン変換における変換係数を算出する。
【0107】
また、特徴点ペアの数が2である場合、有効特徴点ペア探索部226は、選択された特徴点ペアが拡縮変換を満たしているか否かを判定してもよい。例えば選択された特徴点ペアを(a1,b1)及び(a2,b2)であるとすると、有効特徴点ペア探索部226は、線分a1a2の傾きと、線分b1b2の傾きとが略等しい場合、選択された特徴点ペアは拡縮変換を満たしていると判定する。有効特徴点ペア探索部226は、選択された特徴点ペアが拡縮変換を満たしている場合には次の処理に移り、そうでない場合には、再度、特徴点ペアが選択されるように制御する。これにより、拡縮変換に限定される場合には、処理の高速化が可能となる。
【0108】
また、特徴点ペアの数が2である場合、有効特徴点ペア探索部226は、選択された特徴点ペアが剛体変換を満たしているか否かを判定してもよい。例えば選択された特徴点ペアを(a1,b1)及び(a2,b2)であるとすると、有効特徴点ペア探索部226は、線分a1a2の長さと、線分b1b2の長さとが略等しい場合、択された特徴点ペアは剛体変換を満たしていると判定する。有効特徴点ペア探索部226は、選択された特徴点ペアが剛体変換を満たしている場合には次の処理に移り、そうでない場合には、再度、特徴点ペアが選択されるように制御する。これにより、剛体変換に限定される場合には、処理の高速化が可能となる。
【0109】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置10の全体動作(S20)を示すフローチャートである。
図9に示すように、画像処理装置10が画像A及び画像Bを受け付けると、画像処理プログラム20の画像位置合わせ部22は、画像位置合わせ処理(S10)を実行し、画像Aと画像Bとの間の変換係数を画像変換部24に対して出力する。
【0110】
ステップ200(S200)において、画像変換部24は、算出された変換係数を用いて、画像Aを変換し、変換後の画像Aを画像重ね合わせ部26に対して出力する。
ステップ202(S202)において、画像重ね合わせ部26は、変換後の画像Aと、画像Bとを重ね合わせて合成画像を生成して出力する。
【0111】
図10は、本発明の実施形態に係る画像処理装置10により生成された合成画像を例示する図である。
図10に例示するように、画像Aが変換され、変換後の画像Aと、画像Bとが組み合わされて、より大きなモザイク合成画像が生成される。
【0112】
図11は、画像から抽出される特徴点数と試行回数との関係を示す図である。
図11に示すように、例えば特徴点ペアの数が2である場合、本発明の実施形態に係る画像処理装置10は、10回の試行回数で、探索することができる。したがって、画像処理装置10は、従来手法における試行回数(1016)より、試行回数を削減することが出来る。このため、計算量が削減され、処理負荷が、低減されることができる。
【0113】
次に、本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置10を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置10は、平行移動近似処理、拡縮変換近似処理、剛体変換近似処理、相似変換近似処理及びアフィン変換近似処理の少なくとも2以上の処理が、順次行われる点で、第1の実施形態に係る画像処理装置10とは異なる。
【0114】
図12は、本発明の第2の実施形態に係る画像位置合わせ部28の機能構成を示す図である。なお、図12に示された各構成のうち、図7に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図12に示すように、画像位置合わせ部28は、特徴点抽出部220、平行移動近似部230、拡縮変換近似部280、剛体変換近似部282、相似変換近似部284及びアフィン変換近似部286を有する。ここで、平行移動近似部230、拡縮変換近似部280、剛体変換近似部282、相似変換近似部284及びアフィン変換近似部286には、図7に示される特徴点ペア選択部222、変換係数算出部224及び有効特徴点ペア探索部226が含まれる。
【0115】
平行移動近似部230は、1組の特徴点ペアを選択し、平行移動における変換係数を算出する。拡縮変換近似部280は、平行移動近似部230から終了信号を受け付けた場合、2組の特徴点ペアを選択し、拡縮変換における変換係数を算出する。剛体変換近似部282は、拡縮変換近似部280から終了信号を受け付けた場合、2組の特徴点ペアを選択し、剛体変換における変換係数を算出する。相似変換近似部284は、剛体変換近似部282から終了信号を受け付けた場合、2組の特徴点ペアを選択し、相似変換における変換係数を算出する。アフィン変換近似部286は、相似変換近似部284から終了信号を受け付けた場合、3組の特徴点ペアを選択し、アフィン変換における変換係数を算出する。
【0116】
図13は、本実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部22による画像位置合わせ処理(S30)のフローチャートを示す。
図13に示すように、ステップ300(S300)において、画像位置合わせ部22は、近似処理を平行移動近似処理とする。具体的には、画像位置合わせ部22の特徴点抽出部220は、画像A及び画像Bから特徴点を抽出して、平行移動近似部230に対して出力する。
【0117】
ステップ302(S302)において、平行移動近似部230は、位置合わせ処理を行う。具体的には、平行移動近似部230は、画像位置合わせ処理(S10)と同様にして、変換係数を求める。
【0118】
ステップ304(S304)において、平行移動近似部230は、S302の処理で、変換係数が求まったか否かを判定する。平行移動近似部230は、変換係数が求まった場合にはS306の処理に進み、そうでない場合にはS308の処理に進む。
ステップ306(S306)において、平行移動近似部230は、変換係数を出力する。
【0119】
一方、ステップ308(S308)においては、平行移動近似部230は、終了信号を、拡縮変換近似部280に対して出力する。この場合、画像位置合わせ部28は、平行移動近似部230による平行移動近似処理の次の処理として、拡散変換近似処理を選択する。具体的には、拡縮変換近似部280は、特徴点抽出部220により抽出された特徴点に関する情報を受け付け、S302の処理に戻る。
【0120】
以降、拡縮変換近似部280は、平行移動近似部230と同様に、S302及びS304の処理を行って、変換係数が求まった場合にはS306の処理で変換係数を出力する。変換係数が求まらなかった場合、剛体変換近似部282、相似変換近似部284及びアフィン変換近似部286が、順に、処理を行う。
【0121】
なお、画像位置合わせ部28には、平行移動近似部230、拡縮変換近似部280、剛体変換近似部282、相似変換近似部284及びアフィン変換近似部286のうち、少なくとも2つの構成要素が含まれていればよい。また、画像位置合わせ部28において、これらの構成要素の順序は、本例に限定されない。例えば、画像位置合わせ部28には、平行移動近似部230及び拡縮変換近似部280がこの順序で配置されてもよいし、平行移動近似部230、相似変換近似部284及びアフィン変換近似部286がこの順序で配置されてもよい。
【0122】
次に、本発明の第3の実施形態に係る画像処理装置10を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置10は、変換後の画像Aの特徴点の周辺画素の画素値と、画像Bの特徴点の周辺画素の画素値とにさらに基づいて、画像の変換手法を決定する点で、第1の実施形態に係る画像処理装置10とは異なる。
【0123】
本実施形態では、画像位置合わせ部22の変換係数算出部224は、算出した変換係数を用いて、画像Aの特徴点pの周辺画素を変換し、変換された画像Aの特徴点pの周辺画素の画素値と、画像Bの特徴点qの周辺画素の画素値とに基づいて、特徴点ペア(p,q)が有効特徴点ペアであるか否かを判定する。例えば、変換係数算出部224は、これらの画素値の正規化相関、2乗誤差又は絶対誤差を用いて判定する。変換係数算出部224は、例えば、2乗誤差等が所定値以下である場合、特徴点ペアが有効特徴点ペアであると判定する。
【0124】
変換係数算出部224は、選択された特徴点ペアが有効特徴点ペアであると判定した場合、変換係数を有効特徴点ペア探索部226に対して出力し、そうでない場合、特徴点ペア選択部222が特徴点ペアを再び選択するように制御する。
【0125】
なお、画像位置合わせ部22において、有効特徴点ペア探索部226が、変換後の画像Aの特徴点の周辺画素の画素値と、画像Bの特徴点の周辺画素の画素値とにさらに基づいて、画像の変換手法の決定を繰り返し行うように制御してもよい。例えば、有効特徴点ペア探索部226は、変換された特徴点pと特徴点qとの距離が予め決められた閾値Th1以下であり、かつ、変換された特徴点pの周辺画素の画素値と特徴点qの周辺画素の画素値とが類似する場合、この特徴点ペアは有効特徴点ペアであると判定する。
【0126】
次に、本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置10を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置10は、適切な試行回数を設定することにより計算量を削減する点で、第1の実施形態〜第3の実施形態に係る画像処理装置10とは異なる。
【0127】
図14は、本発明の実施形態に係る画像処理装置10により実行される画像処理プログラム30の機能構成を示す図である。
図14に示すように、画像処理プログラム30は、画像処理プログラム20(図4)に有効特徴点割合出力部32が追加され、さらに、画像位置合わせ部22が画像位置合わせ部40に置換された構成を有する。なお、図14に示された各構成のうち、図4に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0128】
画像処理プログラム30において、画像位置合わせ部40は、画像A及び画像Bを入力し、RANSACアルゴリズムを用いて画像A及び画像Bの間の変換係数を算出して画像変換部24に対して出力する。なお、画像位置合わせ部40については、後で詳述する。
【0129】
有効特徴点割合出力部32は、後述する有効特徴点割合αを、画像位置合わせ部40に対して出力する。また、有効特徴点割合出力部32は、試行回数に応じて、有効特徴点割合αを変化させる。なお、有効特徴点割合αについては、後で詳述する。
【0130】
次に、画像位置合わせ部40について、より詳細に説明する。
図15は、本発明の第4の実施形態に係る画像位置合わせ部40の機能構成を示す図である。
図15に示すように、画像位置合わせ部40は、条件決定部400、特徴点抽出部402、特徴点ペア選択部404、変換係数算出部406、距離算出部408及び判定部410を有し、条件決定部400は、特徴点数算出部412及び試行回数算出部414を有する。
【0131】
画像位置合わせ部40は、これらの構成要素により、画像A及び画像Bから抽出される特徴点の数及び試行回数の上限を算出し、画像A及び画像Bから当該数の特徴点を選択し、選択された特徴点をペア化し、当該試行回数の上限を超えない範囲で、有効特徴点ペア数が閾値を超えるように試行を繰り返し、有効特徴点ペア数が閾値を超える変換における変換係数を出力する。
【0132】
画像位置合わせ部40において、条件決定部400は、特徴点に関する閾値及び割合(即ち、RANSACの閾値K及び有効特徴点割合出力部32から出力される有効特徴点割合α)を入力し、特徴点数及び試行回数を決定する。条件決定部400は、決定された特徴点数を特徴点抽出部402に対して出力し、試行回数を判定部410に対して出力する。
【0133】
条件決定部400において、特徴点数算出部412は、RANSACの閾値K及び有効特徴点割合αに基づいて、画像A及び画像Bから抽出される特徴点数を算出する。また、試行回数算出部414は、特徴点数算出部412により算出された特徴点数に基づいて試行回数の上限を算出する。なお、特徴点数算出部412による特徴点数算出処理及び試行回数算出部414による試行回数算出処理については、後で詳述する。
【0134】
特徴点抽出部402は、画像A、画像B及び条件決定部400から出力される特徴点数を入力し、画像A及び画像Bから当該特徴点数の特徴点を抽出し、抽出された特徴点の座標を特徴点ペア選択部404及び距離算出部408に対して出力する。
【0135】
特徴点ペア選択部404は、特徴点抽出部402により抽出された画像A及び画像Bの特徴点からN個の特徴点を選択し、N組の特徴点ペアを決定する。より具体的には、画像のAの特徴点を、a1,a2,…,ai,…とし、画像のBの特徴点を、b1,b2,…,bi,…とすると、特徴点ペア選択部404は、特徴点a1,a2,…,ai,…からN個の特徴点を選択し、特徴点b1,b2,…,bi,…からN個の特徴点を選択し、画像Aの特徴点と画像Bの特徴点とが対になるようにしてN個の特徴点ペアを決定する。
【0136】
変換係数算出部406は、特徴点ペア選択部404により決定された特徴点ペアを用いて変換係数を算出し、この変換係数を距離算出部408に対して出力する。
【0137】
距離算出部408は、特徴点抽出部402により抽出された画像Aの特徴点のうち、特徴点ペア選択部404により選択された特徴点以外の特徴点を、変換係数算出部406により算出された変換係数を含む変換式を用いて変換する。次に、距離算出部408は、変換された画像Aの特徴点と、画像Bの特徴点のうち特徴点ペア選択部404により選択された特徴点以外の特徴点との距離を算出する。より具体的には、距離算出部408は、変換された画像Aの特徴点に最も近い画像Bの特徴点を検出し、画像Aの当該特徴点と画像Bの当該特徴点との例えばユークリッド距離を算出する。
【0138】
さらに、距離算出部408は、算出された距離が予め決められた閾値T0以下であるか否かを判定する。距離算出部408は、算出された距離が閾値T0以下である場合、この特徴点ペアは有効特徴点ペアであると判定する。距離算出部408は、特徴点ペア選択部404により選択された特徴点以外の特徴点の全てに対してこのような判定を行い、有効特徴点ペアの数を算出する。以降、算出された数を、有効特徴点数Kとする。
【0139】
判定部410は、距離算出部408により算出された有効特徴点数Kが、入力されたRANSACの閾値K以上であるか否かを判定する。有効特徴点数Kが閾値K以上である場合、判定部410は、この有効特徴点数Kが算出される際の変換において用いられた変換係数を、画像変換部24に対して出力する。有効特徴点数Kが閾値K未満である場合、判定部410は、特徴点ペア選択部404に対して、特徴点の選択及び特徴点ペアの決定を再度行う旨の出力を行う。この場合、再度、特徴点ペアが決定され、変換係数が算出され、有効特徴点数Kが算出され、判定処理が行われる。
【0140】
また、判定部410は、試行回数算出部414により算出された試行回数の上限を超えない範囲で、変換手法を決定するための試行を繰り返す。即ち、特徴点ペアの選択処理から判定処理までが繰り返し実行され、特徴点ペアの選択回数が、算出された試行回数を超えた場合、判定部410は、処理を終了する。なお、特徴点ペアの選択回数が、算出された試行回数を超えた場合の詳細については、後で詳述する。
【0141】
このように、画像位置合わせ部40において、特徴点ペア選択部404、変換係数算出部406、距離算出部408及び判定部410は、画像A及び画像B抽出された特徴点から選択される特徴点ペアのうち有効とされる組の数が特徴点に関する閾値(RANSACの閾値)以上となるように画像の変換手法を決定する変換手法決定手段を構成する。
【0142】
なお、特徴点間の距離は、ユークリッド距離に限定されず、他の距離であってもよい。例えば、距離は、マンハッタン距離、その他のノルムL1,L2,L3,L4,…,L∞ノルム等であってもよい。また、距離算出部408は、画像Aの特徴点の周囲の画素を変換し、変換後の画素値と、この変換後の画素と同じ位置の画像Bの画素値との相関係数を算出し、この相関係数を予め決められた閾値と比較してもよい。また、距離算出部408は、画像Aの特徴点の周囲の画素を変換し、変換後の画素値と、この変換後の画素と同じ位置の画像Bの画素値との差分の2乗を算出し、この算出された値と予め決められた閾値とを比較してもよい。
【0143】
次に、画像位置合わせ部40の特徴点数算出部412による特徴点数算出処理及び試行回数算出部414による試行回数算出処理を、より詳細に説明する。
ここで、画像A及び画像B内の特徴点数をn、有効特徴点の数をn、特徴点のうち有効特徴点の割合をα(=n/n)、特徴点ペア数をN、正しい特徴点ペアを選択する確率をw、T回の試行以下で正解に辿り着く確率をZとする。
【0144】
試行回数算出部414は、画像Aの特徴点数と画像Bの特徴点数とが一致する場合、次式を用いて、試行回数を算出する。
【0145】
【数19】

【0146】
また、試行回数算出部414は、画像Aの特徴点数と画像Bの特徴点数が異なる場合、次式を用いて、試行回数を算出する。
【0147】
【数20】

【0148】
試行回数の算出には、特徴点数nを設定する必要がある。したがって、特徴点数算出部412は、次式を用いて、特徴点数を算出する。
【0149】
【数21】

【0150】
以下、試行回数及び特徴点数を算出する式の導出方法を説明する。
画像Aの特徴点数と画像Bの特徴点数が一致する場合、画像Aのn個の特徴点からN個の特徴点を選択する組み合わせは、重複も許すと、n通りであり、画像Bのn個の特徴点からN個の特徴点を選択する組み合わせも、同様に、n通りである。したがって、画像A及び画像BのそれぞれからN個の特徴点を選択する組み合わせは、n2N通りである。この中で、正しい特徴点ペアとなる組み合わせは、n(n−1)…(n−(N−1))通りである。この値を、nで近似すると、正しい特徴点ペアを選択する確率wは、次式で表される。
【0151】
【数22】

【0152】
また、「T回の試行で正解に辿り着かない確率」は、1−Zであるので、1−Z=(1−W)Tが、成り立つ。よって、(19)式が求められる。なお、正しい特徴点ペアとなる組み合わせは、nで近似されたが、近似されなくてもよい。また、画像AからN個の特徴点を選択する組み合わせは、重複を許して選択される場合を示したが、重複を許さないように選択されてもよい。
【0153】
画像Aの特徴点数と画像Bの特徴点数が異なる場合、まず、試行回数算出部414は、特徴点数は等しいものとして、又は特徴点数密度は等しいものとして、一方の特徴点数から、他方の特徴点数を換算する。例えば、試行回数算出部414は、画像のAの特徴点数nを求めてから、画像Bの特徴点数nを求める。より具体的には、画像A及び画像Bの面積をそれぞれS,Sとすると、特徴点数が等しいと換算される場合、試行回数算出部414は、n=nより、nを求める。また、特徴点密度が等しいと換算される場合、試行回数算出部414は、n=(S/S)nより、nを求める。
【0154】
さらに、画像A内の有効特徴点割合をα(=n/n)、画像B内の有効特徴点割合をα(=n/n)とすると、画像A及び画像Bの特徴点からN個の特徴点を選択する組み合わせは、(n通りである。この中で、正しい特徴点ペアとなる組み合わせを、nとすると、確率wは、次式で表される。
【0155】
【数23】

【0156】
よって、(20)式が求められる。
【0157】
次に、特徴点数nの算出式について、詳述する。処理負荷は、特徴点数nが小さいほど小さい。一方、特徴点数nが小さすぎると、有効特徴点数Kが、RANSACの閾値Kより少なくなってしまう。したがって、有効特徴点数Kが閾値Kとなるような特徴点数nが設定されればよい。
【0158】
即ち、特徴点数nの条件として、α×nが、RANSACの閾値Kより大きいことが挙げられる。よって、nの最小値は、n=K/αである。マージンを考慮すると、特徴点数nは、K/αにマージンが加えられた値として求められる。マージンは、次のように算出される。
【0159】
例えば、1つのコインを投げ、表が出る確率をα、裏が出る確率を1−αとすると、コインをn回投げた場合、表が出る回数K(n)は、次の分布(二項分布)を持つ。
【0160】
【数24】

【0161】
ここで、K(n)≧Kとなる確率Pは、次式で与えられる。
【0162】
【数25】

【0163】
特徴点数nは、確率Pが所定値以上となるように設定されればよい。ここでは、分布K(n)を、正規分布で近似する。即ち、二項分布K(n)は、正規分布N(nα,nα(1−α))で近似される。したがって、特徴点数nは、中心μ、標準偏差σの正規分布を持つ確率変数が、ある確率で、Kよりも大となるように設定される。ここで、マージンを、uσ(uは、正の実数)とすると、次式が成り立つ。
【0164】
【数26】

【0165】
この式を解くと、(21)式が求められる。なお、正規分布の±3σ内には、99.74%が含まれるので、例えばu=3として、特徴点数nは求められる。
【0166】
また、画像A及び画像Bのサイズが異なっており、かつ、特徴点密度が一定である場合、画像A及び画像Bそれぞれの特徴点数n及びnは、次式で与えられる。
【0167】
【数27】

【0168】
【数28】

【0169】
図16は、有効特徴点割合αと、uと、特徴点数nとの関係を示す図である。なお、図16において、Kは、6である。
図16に示すように、特徴点数nは、αの大きさによって変化する。より具体的には、特徴点数nは、αが小さい場合には大きい値を設定され、αが大きい場合には小さい値を設定される。このように、特徴点数nには、有効特徴点割合αの値に応じて、適切な値が設定される。
【0170】
次に、上記のような画像処理プログラム30の画像位置合わせ部40による位置合わせ処理を説明する。なお、画像A及び画像Bの特徴点数は一致する場合を例として示す。
図17は、画像位置合わせ部40による画像位置合わせ処理(S40)のフローチャートを示す図である。
【0171】
図17に示すように、ステップ400(S400)において、条件決定部400は、入力されるRANSACの閾値K及び有効特徴点割合αを受け付ける。条件決定部400が閾値K及び有効特徴点割合αを受け付けると、特徴点数算出部412は、閾値K及び有効特徴点割合αに基づいて、画像A及び画像Bの特徴点数nを算出する。
ステップ402(S402)において、試行回数算出部414は、有効特徴点割合α及び算出された特徴点数nに基づいて、試行回数Tを算出する。
【0172】
ステップ404(S404)において、特徴点抽出部402は、画像A及び画像Bから、算出された特徴点数の特徴点を抽出する。
ステップ406(S406)において、特徴点ペア選択部404は、画像A及び画像Bから抽出された特徴点からそれぞれN個の特徴点を選択し、N組の特徴点ペアを決定する。なお、Nの値は、特に限定されない。
【0173】
ステップ408(S408)において、変換係数算出部406は、決定された特徴点ペアを用いて変換係数を算出する。
ステップ410(S410)において、距離算出部408は、算出された変換式を用いて、画像のAの所定の特徴点を変換する。
【0174】
ステップ412(S412)において、距離算出部408は、画像Bの特徴点と、変換後の画像Aの特徴点との距離を算出し、この変換における有効特徴点数Kを算出する。
ステップ414(S414)において、判定部410は、算出された有効特徴点数Kが入力された閾値K以上であるか否かを判定する。有効特徴点数Kが閾値K以上である場合、判定部410は、変換係数を出力し、画像位置合わせ処理は終了する。
【0175】
有効特徴点Kが閾値K未満である場合、ステップ416(S416)において、判定部410は、特徴点ペアの算出から有効特徴点数Kの判定までの試行が、算出された試行回数T回実施されたか否かを判定する。この試行がT回実施された場合、画像位置合わせ部40は、処理を終了し、この試行がまだT回実施されていない場合、画像位置合わせ部40は、S404の処理に戻る。
【0176】
試行回数がT回を超えて、画像位置合わせ処理が終了した場合、有効特徴点割合αの値が有効特徴点割合出力部32により変更され、再度、画像位置合わせ処理(S40)が実行される。この場合、新たな有効特徴点割合αに基づいて、特徴点数n及び試行回数Tが、再度、算出される。
【0177】
図18は、有効特徴点割合αと試行回数Tとの関係を示す図である。
図18に示すように、本発明の実施形態に係る画像処理装置10は、有効特徴点割合αに応じて、適切な試行回数Tを設定することができる。なお、図18に示される結果及び非特許文献1に開示された手法における試行回数は、特徴点数n=100、N=2の条件で算出されたものである。
【0178】
図19は、画像位置合わせ処理の実行回数と有効特徴点割合αとの関係を示す図である。
図19に示すように、有効特徴点割合αは、実行回数が増えるごとに、小さくなる。図19に示されるテーブルは、予め決められており、例えば、メモリ104及び記憶装置108の少なくともいずれかに記憶されている。有効特徴点割合出力部32は、このテーブルに基づいて、有効特徴点割合αを、画像位置合わせ部40に出力する。
【0179】
したがって、試行回数がT回を超えた場合、画像位置合わせ部40の特徴点数算出部412及び試行回数算出部414は、減少された有効特徴点割合αを用いて算出を行う。予め決められた実行回数の上限(本例では、9回)が実行されたにもかかわらず、変換係数が求められなかった場合、画像位置合わせ部40の判定部410は、画像Aと画像Bとの間で重畳する画像部分がない旨の情報を出力する。なお、各実行回数における有効特徴点割合αの値及び上限回数は、本例に限定されない。
【0180】
図20は、本発明の第4の実施形態に係る実施形態に係る画像処理装置10の全体動作(S50)を示すフローチャートである。なお、図20に示された各処理のうち、図9に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図20に示すように、画像処理装置10が画像A及び画像Bを受け付けると、ステップ500(S500)において、画像処理プログラム30の有効特徴点割合出力部32は、図18に示されるテーブルに基づいて有効特徴点割合αの値を決定し、画像位置合わせ部40に対して出力する。例えば、α=0.5である。
【0181】
画像位置合わせ部40は、有効特徴点割合αを受け付けると、画像位置合わせ処理(S40)を実行する。
ステップ502(S502)において、画像位置合わせ部40は、試行回数がT回を超えて画像位置合わせ処理を終了したか否かを判定する。画像位置合わせ部40は、試行回数がT回を超えて画像位置合わせ処理を終了した場合にはS504の処理に進み、そうでない場合には、画像Aと画像Bとの間の変換係数を、画像変換部24に対して出力し、S200の処理に進む。
【0182】
ステップ504(S504)において、有効特徴点割合出力部32は、テーブルに基づいて、有効特徴点割合αの値を減少し、像位置合わせ部40に対して出力する。画像位置合わせ部40は、有効特徴点割合αを受け付けると、この有効特徴点割合αを用いて、画像位置合わせ処理(S40)を、再度、実行する。
【0183】
S200の処理では、画像変換部24が、算出された変換係数を用いて画像Aを変換し、S202の処理では、画像重ね合わせ部26が、変換後の画像Aと、画像Bとを重ね合わせて合成画像を生成して出力する。
【0184】
次に、本発明の第5の実施形態に係る画像処理装置10を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置10は、画像Aの特徴点と画像Bの特徴点とをペア化して特徴点ペアを抽出し、抽出された特徴点ペアからN個の特徴点ペアを選択する点で、第4の実施形態に係る画像処理装置10とは異なる。
【0185】
図21は、本発明の第5の実施形態に係る画像位置合わせ部42の機能構成を示す図である。なお、図21に示された各構成のうち、図15に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図21に示すように、本実施形態に係る画像処理装置10は、画像位置合わせ部40が画像位置合わせ部42に置き換えられた構成を有し、画像位置合わせ部42は、条件決定部400、特徴点抽出部402及び特徴点ペア選択部404が、それぞれ条件決定部420、特徴点ペア抽出部422及び特徴点ペア選択部424に置き換えられた構成を有する。また、条件決定部420は、特徴点ペア数算出部426及び試行回数算出部428を有する。
【0186】
画像位置合わせ部42において、条件決定部420は、特徴点に関する閾値及び割合、即ちRANSACの閾値K及び有効特徴点ペア割合βを入力し、画像A及び画像Bから抽出される特徴点ペア数及び試行回数を決定する。
【0187】
条件決定部420において、特徴点ペア数算出部426は、特徴点ペア数を算出する。より具体的には、特徴点ペア数算出部426は、(21)式を用いて、特徴点ペア数を算出する。なお、特徴点ペア数算出部426は、(21)式に含まれるαを有効特徴点ペア割合βに置き換えて(21)式を用いる。また、有効特徴点ペア割合βは、αと同様に、図19に示されるように記憶されており、実行回数に応じて変化される。
【0188】
試行回数算出部428は、試行回数を算出する。より具体的には、試行回数算出部428は、次式を用いて、試行回数を算出する。
【0189】
【数29】

【0190】
特徴点ペア抽出部422は、画像A、画像B及び条件決定部420から出力される特徴点ペア数を入力し、画像A及び画像Bから当該特徴点ペア数の特徴点ペアを抽出する。より具体的には、特徴点ペア抽出部422は、画像A及び画像Bから特徴点を抽出し、画像Aの特徴点の周辺領域の画素と、画像Bの特徴点の周辺領域の画素とを比較し、周辺領域の画素が互いに似ている特徴点を選択し、特徴点ペアとして抽出する。
【0191】
特徴点ペア選択部424は、特徴点ペア抽出部422により抽出された特徴点ペアからN個の特徴点ペアを選択する。
【0192】
図22は、画像位置合わせ部42による画像位置合わせ処理(S60)のフローチャートを示す図である。なお、図22に示された各処理のうち、図17に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。また、画像位置合わせ部42においては、画像位置合わせ部40における有効特徴点数Kは、有効特徴点ペア数Kとして扱われる。
【0193】
図22に示すように、ステップ600(S600)において、条件決定部420は、入力されるRANSACの閾値K及び有効特徴点ペア割合βを受け付ける。条件決定部420が閾値K及び有効特徴点ペア割合βを受け付けると、特徴点ペア数算出部426は、閾値K及び有効特徴点ペア割合βに基づいて特徴点ペア数nを算出する。
ステップ602(S602)において、試行回数算出部428は、有効特徴点ペア割合βに基づいて試行回数Tを算出する。
【0194】
ステップ604(S604)において、特徴点ペア抽出部422は、画像A及び画像Bから、算出された特徴点ペア数の特徴点ペアを抽出する。
ステップ606(S606)において、特徴点ペア選択部424は、抽出された特徴点ペアからN個の特徴点ペアを選択する。
さらに、S408〜S416の処理で、有効特徴点ペア数Kが算出及び判定され、変換係数が決定される。
【0195】
次に、本発明の第6の実施形態に係る画像処理装置10を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置10は、算出されたT回の試行を繰り返し、有効特徴点数Kを最大とする変換における変換係数を用いる点で、第4の実施形態に係る画像処理装置10とは異なる。
【0196】
図23は、本発明の第6の実施形態に係る画像位置合わせ部44の機能構成を示す図である。なお、図23に示された各構成のうち、図15に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図23に示すように、本実施形態に係る画像処理装置10は、画像位置合わせ部40が画像位置合わせ部44に置き換えられた構成を有し、画像位置合わせ部44は、判定部410が試行回数判定部442及び有効特徴点数判定部444に置き換えられた構成を有する。
【0197】
画像位置合わせ部44において、試行回数判定部442は、特徴点ペアの選択回数が、試行回数算出部414により算出された試行回数Tを超えたか否かを判定し、特徴点ペアの選択回数が試行回数Tを超えた場合、その旨を有効特徴点数判定部444に対して出力し、そうでない場合、特徴点ペアの選択を再度実行する旨を特徴点ペア選択部404に対して出力する。
【0198】
有効特徴点数判定部444は、T回の試行における有効特徴点数Kを判定する。より具体的には、有効特徴点数判定部444は、T回の試行のうち、有効特徴点数Kを最大とする変換において用いられた変換係数を、画像変換部24に対して出力する。
【0199】
図24は、画像位置合わせ部44による画像位置合わせ処理(S70)のフローチャートを示す図である。なお、図24に示された各処理のうち、図17に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0200】
図24に示すように、S400〜S412の処理で、有効特徴点数Kが算出される。
ステップ700(S700)において、試行回数判定部442は、特徴点の選択が、試行回数算出部414により算出された試行回数Tを超えたか否かを判定する。特徴点の選択が試行回数Tを超えた場合、画像位置合わせ部44はS700の処理に進み、そうでない場合、画像位置合わせ部44は、S404の処理に戻る。
【0201】
ステップ702(S702)において、試行回数判定部442は、特徴点の選択が試行回数Tを超えた旨を、有効特徴点数判定部444に対して出力する。有効特徴点数判定部444は、T回の試行のうち、有効特徴点数Kを最大とする変換において用いられた変換係数を出力する。
【0202】
次に、本発明の第7の実施形態に係る画像処理装置10を説明する。
本実施形態に係る画像処理装置10は、算出されたT回の試行を繰り返し、有効特徴点ペア数Kを最大とする変換における変換係数を用いる点で、第5の実施形態に係る画像処理装置10とは異なる。
【0203】
図25は、本発明の第7の実施形態に係る画像位置合わせ部46の機能構成を示す図である。なお、図25に示された各構成のうち、図21又は図23に示された構成と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
図25に示すように、本実施形態に係る画像処理装置10は、画像位置合わせ部42が画像位置合わせ部46に置き換えられた構成を有し、画像位置合わせ部46は、判定部410が試行回数判定部442及び有効特徴点数判定部444に置き換えられた構成を有する。
【0204】
図26は、画像位置合わせ部46による画像位置合わせ処理(S80)のフローチャートを示す図である。なお、図26に示された各処理のうち、図17、図22又は図24に示された処理と実質的に同一のものには同一の符号が付されている。
【0205】
図26に示すように、S600〜S412の処理で、有効特徴点ペア数Kが算出される。さらに、S700の処理で、特徴点の選択が試行回数Tを超えたか否かが判定される。特徴点の選択が試行回数Tを超えた場合、ステップ800(S800)において、有効特徴点数判定部444は、T回の試行のうち、有効特徴点ペア数Kを最大とする変換において用いられた変換係数を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】射影変換を説明する図である。
【図2】2枚の画像が入力された場合、この2枚の画像を重ね合わせるための射影変換係数を求める手法を例示する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置10のハードウェア構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置10により実行される画像処理プログラム20の機能構成を示す図である。
【図5】画像位置合わせ部22による画像位置合わせ処理の概要を説明する図である。
【図6】変換行列Hが平行移動では近似できない場合における画像位置合わせ部22による画像位置合わせ処理の概要を説明する図である。
【図7】、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部22の機能構成を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部22による画像位置合わせ処理(S10)のフローチャートを示す。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置10の全体動作(S20)を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る画像処理装置10により生成された合成画像を例示する図である。
【図11】画像から抽出される特徴点数と試行回数との関係を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部28の機能構成を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部22による画像位置合わせ処理(S30)のフローチャートを示す。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置10により実行される画像処理プログラム30の機能構成を示す図である。
【図15】本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部40の機能構成を示す図である。
【図16】有効特徴点割合αと、uと、特徴点数nとの関係を示す図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部40による画像位置合わせ処理(S40)のフローチャートを示す図である。
【図18】有効特徴点割合αと試行回数Tとの関係を示す図である。
【図19】画像位置合わせ処理の実行回数と有効特徴点割合αとの関係を示す図である。
【図20】本発明の第4の実施形態に係る画像処理装置10の全体動作(S50)を示すフローチャートである。
【図21】本発明の第5の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部42の機能構成を示す図である。
【図22】本発明の第5の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部42による画像位置合わせ処理(S60)のフローチャートを示す図である。
【図23】本発明の第6の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部44の機能構成を示す図である。
【図24】本発明の第6の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部44による画像位置合わせ処理(S70)のフローチャートを示す図である。
【図25】本発明の第7の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部46の機能構成を示す図である。
【図26】本発明の第7の実施形態に係る画像処理装置10における画像位置合わせ部46による画像位置合わせ処理(S80)のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0207】
10 画像処理装置
20,30 画像処理プログラム
22,40,42,44,46 画像位置合わせ部
24 画像変換部
26 画像重ね合わせ部
32 有効特徴点割合出力部
100 制御装置
102 CPU
104 メモリ
106 通信装置
108 記憶装置
110 UI装置
220 特徴点抽出部
222 特徴点ペア選択部
224 変換係数算出部
226 有効特徴点ペア探索部
230 平行移動近似部
280 拡縮変換近似部
282 剛体変換近似部
284 相似変換近似部
286 アフィン変換近似部
400 条件決定部
402 特徴点抽出部
404 特徴点ペア選択部
406 変換係数算出部
408 距離算出部
410 判定部
412 特徴点数算出部
414 試行回数算出部
420 条件決定部
422 特徴点ペア抽出部
424 特徴点ペア選択部
426 特徴点ペア数算出部
428 試行回数算出部
442 試行回数判定部
444 有効特徴点数判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点に基づいて、画像の変換手法を決定する変換手法決定手段と、
前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下となる特徴点の組に基づいて、前記変換手法決定手段が変換手法の決定を繰り返し行うように制御する制御手段と
を有する画像処理装置。
【請求項2】
前記変換手法決定手段は、射影変換で用いられる変換係数を決定する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記変換手法決定手段は、第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点の周辺画素の画素値にさらに基づいて、画像の変換手法を決定する
請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下である特徴点の組の数が、予め決められた値以上となるように制御する
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下である特徴点の組の数が、予め決められた値未満である場合、前記変換手法決定手段が、当該特徴点の組とは異なる組を選択するように制御する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下である特徴点の組の数が収束した場合、当該収束した状態における変換手法に関する情報を出力する
請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記変換手法決定手段により決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点の周辺画素の画素値と、第2の画像の特徴点の周辺画素の画素値とにさらに基づいて、記変換手法決定手段が変換手法の決定を繰り返し行うように制御する
請求項1乃至6のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項8】
特徴点に関する閾値及び割合に基づいて、第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点の数を算出する特徴点数算出手段と、
第1の画像及び第2の画像から抽出された前記特徴点数算出手段により算出された数の特徴点から選択される特徴点の組のうち有効とされる組の数が特徴点に関する閾値以上となるように画像の変換手法を決定する変換手法決定手段と
を有する画像処理装置。
【請求項9】
前記特徴点数算出手段は、特徴点に関する閾値を割合で乗じた値に所定値が加算された値を特徴点の数とする
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記変換手法決定手段は、変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が所定値以下である場合、当該特徴点の組は有効であると判定する
請求項8又は9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記特徴点数算出手段により算出された数に基づいて試行回数の上限を算出する試行回数算出手段をさらに有し、
前記変換手法決定手段は、前記試行回数算出手段により算出された試行回数の上限を超えない範囲で、変換手法を決定するための試行を繰り返す
請求項8乃至10のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記変換手法決定手段は、試行回数が前記試行回数算出手段により算出された試行回数の上限を超えた場合、有効である特徴点の組が最大となる変換手法を選択する
請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記変換手法決定手段は、試行回数が前記試行回数算出手段により算出された試行回数の上限を超えた場合、第1の画像と第2の画像との間で重畳する画像部分がない旨の情報を出力する
請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記変換手法決定手段は、試行回数が前記試行回数算出手段により算出された試行回数の上限を超えた場合、減少された特徴点に関する割合を用いて試行を行う
請求項11に記載の画像処理装置。
【請求項15】
コンピュータを含む画像処理装置において、
第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点に基づいて、画像の変換手法を決定する変換手法決定ステップと、
前記決定される変換手法を適用されて変換された第1の画像の特徴点と、第2の画像の特徴点との距離が閾値以下となる特徴点の組に基づいて、前記変換手法の決定を繰り返し行うように制御する制御ステップと
を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項16】
コンピュータを含む画像処理装置において、
特徴点に関する閾値及び割合に基づいて、第1の画像及び第2の画像から抽出される特徴点の数を算出する特徴点数算出ステップと、
第1の画像及び第2の画像から抽出された前記算出された数の特徴点から選択される特徴点の組のうち有効とされる組の数が特徴点に関する閾値以上となるように画像の変換手法を決定する変換手法決定ステップと
を前記画像処理装置のコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−122843(P2009−122843A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−294491(P2007−294491)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】