説明

画像処理装置及び機器制御方法

【課題】表示装置と画像処理装置とが異なる制御部を備える場合であっても、簡易な対応作業により、表示画面を介して機器制御が行える画像処理装置及び機器制御方法を提供する。
【解決手段】画像処理装置100は、制御部1を有する表示装置120を備えた装置であって、表示装置120で動作するブラウザ32で実行された通信プログラム43により、表示装置120から当該装置100に対して機器制御に係る処理を要求する要求手段431と、当該装置100で動作するWebサーバ231で実行されたプログラム50により、表示装置120からの要求処理を実行する実行手段241と、要求元である表示装置120に対して処理結果を応答する応答手段52と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を備えた画像処理装置に係り、特に、表示装置と画像処理装置とが異なる制御部(CPU:Central Processing Unit)を備える場合に表示画面を介して機器制御を行う技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コピー、プリンタ、ファクシミリ、スキャナといった複数のアプリケーションを有する画像処理装置では、機能設定を行うためのGUI(Graphical User Interface)や、機能動作に関する情報などを表示する機能単位の表示画面(アプリケーション画面)を有している。画像処理装置は、動作状態やユーザ要求に応じて、これらの画面表示を制御する表示制御機能を搭載しており、表示機能の高機能化が進んでいる。
【0003】
例えば特許文献1には、HTML(HyperText Markup Language)コンテンツや、動画及び静止画といった複合コンテンツを記憶装置内に保持し、HTMLコンテンツをブラウザにより表示し、また複合コンテンツをフラッシュプレーヤーにより表示することができる画像処理装置が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像処理装置では、表示装置と当該画像処理装置とが異なる制御部を備える環境において、表示画面を介して行う機器制御(ユーザ要求に応じた機能実行)について考慮されていない。
【0005】
従来の画像処理装置は、上記機器制御を当該画像処理装置が備える制御部により処理する構成であった。例えば上記特許文献1に開示される画像処理装置では、ブラウザとブラウザを介して受け付けた機器制御(例えば「ユーザ要求に応じた機能実行」)が、当該画像処理装置が備える制御部で処理されている。
【0006】
しかし、表示装置の高機能化に伴い、画像処理装置が備える表示装置は、独自に制御部を備えているものもある。このような場合、ブラウザからは、画像処理装置が有する機器制御に係る処理を行うモジュール(以下「機器制御コード」と言う)を呼び出すこと(実行する)ができない。そのため、表示装置と画像処理装置とで機器制御機能を分割し、新たに実装し直す必要がある。この対応作業は、開発者にとって繁雑である。またメーカでは、コスト高に繋がる新規開発作業を行うのではなく、ブラウザと同一制御部で動作することを前提とした既存の機器制御コードをそのまま用いる形式で、対応作業の軽減を図りたい。
【0007】
本発明は上記従来技術の問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、表示装置と画像処理装置とが異なる制御部を備える場合であっても、簡易な対応作業により、表示画面を介して機器制御が行える画像処理装置及び機器制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、制御部を有する表示装置を備えた画像処理装置であって、前記表示装置で動作するブラウザで実行された通信プログラムにより、前記表示装置から当該画像処理装置に対して機器制御に係る処理を要求する要求手段と、当該画像処理装置で動作するWebサーバで実行されたプログラムにより、前記表示装置からの要求処理を実行する実行手段と、要求元である前記表示装置に対して処理結果を応答する応答手段と、を有している。
【0009】
このような構成によって、本発明に係る画像処理装置は、搭載表示装置で動作するブラウザで実行された通信用コードにより、当該装置が備えるコントローラで動作するWebサーバに機器制御を要求する。続いて、画像処理装置は、Webサーバで実行されたサーブレットにより、要求に応じた機器制御コードを呼び出し、その実行結果を要求元(ブラウザ)に応答する。
【0010】
これによって、本発明に係る画像処理装置は、搭載表示装置と当該装置とが異なる制御部を備える場合であっても、既存の機器制御コードを用いて、ブラウザから機器制御を行うことができる。その結果、新規開発による対応に比べて、開発者の作業負荷を軽減できる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る機器制御方法は、制御部を有する表示装置を備えた画像処理装置における機器制御方法であって、前記表示装置で動作するブラウザ上で通信プログラムを実行し、前記表示装置から当該画像処理装置に対して機器制御に係る処理を要求する要求手順と、当該画像処理装置で動作するWebサーバ上でプログラムを実行し、前記要求手順による前記表示装置からの要求処理を実行する実行手順と、前記実行手順により実行された要求処理の処理結果を、要求元である前記表示装置に対して応答する応答手順と、を有している。
【0012】
このような手順によって、本発明に係る機器制御方法は、搭載表示装置で動作するブラウザで実行された通信用コードにより、当該装置が備えるコントローラで動作するWebサーバに機器制御を要求し、Webサーバで実行されたサーブレットにより、要求に応じた機器制御コードを呼び出し、その実行結果を要求元(ブラウザ)に応答すると言う動作を実現する。
【0013】
これによって、本発明に係る機器制御方法は、表示装置と画像処理装置とが異なる制御部を備える場合であっても、簡易な対応作業により、表示画面を介して機器制御が可能な環境を提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示装置と画像処理装置との間に構築された通信機能により、表示装置から画像処理装置に機器制御を要求することで、表示装置と画像処理装置とが異なる制御部を備える場合であっても、簡易な対応作業により、表示画面を介して機器制御が行える画像処理装置及び機器制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置のソフトウェア構成例を示す図である。
【図4】従来の表示制御のソフトウェア構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る表示制御のソフトウェア構成例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る機器制御機能の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る通信インタフェースのデータ例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る要求・応答データのデータ例(その1)を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る要求・応答データのデータ例(その2)を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る要求・応答データのデータ例(その3)を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る初期動作時の機器制御を行う処理手順例を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る動作時の表示画面例(その1)を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る機能実行動作時の機器制御を行う処理手順例を示すシーケンス図である。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る動作時の表示画面例(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下「実施形態」と言う)について、図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
<ハードウェア構成>
本実施形態に係る画像処理装置及び当該画像処理装置が備える表示装置のハードウェア構成について説明する。
【0018】
[画像処理装置]
図1は、本実施形態に係る画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
図1に示すように、画像処理装置100は、コントローラ110、表示装置120、プロッタ130、及びスキャナ140などを備え、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0019】
表示装置120は、表示部に加えてタッチパネルなどの入力部を備えており、機器情報などの各種情報をユーザに提供したり、動作設定や動作指示などの各種ユーザ操作を受け付けたりする。プロッタ130は、画像形成部を備えており、用紙に出力画像を形成する。例えば出力画像を形成する方式には、電子写真プロセスやインクジェット方式などがある。スキャナ140は、原稿を光学的に読み取り、読み取り画像を生成する。
【0020】
コントローラ110は、CPU111、記憶装置112、ネットワークI/F113、及び外部記憶I/F114などを備えており、それぞれが相互にバスBで接続されている。
【0021】
CPU111は、プログラムを実行することにより各種機能の実現や装置全体を制御する。また記憶装置112は、上記プログラムや各種データ(例えば「画像データ」)を格納し保持する。例えば記憶装置112には、揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のメモリであるROM(Read Only Memory)、及び大容量の記憶領域を備えたHDD(Hard Disk Drive)などがある。RAMは、CPU111のワークエリア(プログラムやデータが一時的に読み出される記憶エリア)として機能する。ROMやHDDは、プログラムや各種データの格納先として用いられる。これにより、画像処理装置100では、CPU111がROMに格納されたプログラムをRAM上に読み出し、プログラムを実行する。
【0022】
ネットワークI/F113は、画像処理装置100をネットワークなどの所定のデータ伝送路に接続するためのインタフェースである。外部記憶I/F114は、外部記憶装置にあたる記録媒体114aを接続するためのインタフェースである。例えば外部記憶装置には、SDメモリカード(SD Memory Card)やUSB(Universal Serial Bus)メモリなどがある。これにより、画像処理装置100は、記録媒体114aに格納されたプログラムやデータを読み込める。
【0023】
画像処理装置100は、上記ハードウェア構成により、表示装置120の入力部からコピー機能の実行指示を受け付けると、次のような機器制御を行う。まず、画像処理装置100は、コントローラ110によるスキャン実行制御により、スキャナ140が原稿から読み取り画像を生成する。続いて、画像処理装置100は、生成した読み取り画像をコントローラ110に転送する。画像処理装置100は、コントローラ110により、読み取り画像からラスタイメージ(ビットマップイメージ)を生成する。その結果、画像処理装置100は、コントローラ110によるプロット実行制御により、プロッタ130が用紙にトナー画像を形成する。画像処理装置100は、このようにしてコピー機能を実現している。
【0024】
[表示装置]
図2は、本実施形態に係る表示装置120のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、表示装置120の制御基板P上には、画像処理装置100が備えるコントローラ110のCPU111とは独立した専用のCPU1が搭載されている。表示装置120のCPU1とコントローラ110のCPU111は、同期シリアルなどの通信手段11(例えば「USB」)により接続される。これにより、CPU1とCPU111とは、例えば表示装置側(入力部)からのキー入力情報(機器制御に係る要求データ)や画像処理装置側からの表示情報(機器制御に係る応答データ)などを通信可能な構成となっている。
【0025】
CPU1には、入出力に係る処理を実現する各種プログラムやデータを格納するROM2と、ワークエリアとして機能するRAM3とが接続されている。さらにCPU1には、LCD(Liquid Crystal Display)モジュール6を制御するLCDコントローラ4、LCDモジュール6の表示画面に載置されるタッチパネル7、キー基板8のドライバ9などが接続されている。
【0026】
CPU1は、LCDコントローラ4を介してLCDモジュール6への表示画素データが格納されるビデオRAM(VRAM)であるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)5に対して読み込み/書き込みが可能である。またCPU1は、ドライバ9を介してキー基板8上のスイッチ(SW)やLED(Light Emitting Diode)、及びLCDモジュール6のバックライト制御が可能である。
【0027】
LCDコントローラ4は、SDRAM5のリフレッシュ処理及びSDRAM5からLCDモジュール6への表示データ転送(表示信号出力)を行うが、内部レジスタへの設定により、この信号の出力抑制が可能である。またLCDコントローラ4は、タッチパネルI/F機能を有しており、タッチパネル7が押下(タッチ)されると、LCDコントローラ4からCPU1に割り込み信号が送出される。
【0028】
表示装置120の制御基板Pには、IC(Integrated Circuit)カードなどの記録媒体(例えば「フラッシュメモリ」)の接続手段(例えば「カードスロット」)が備えられており、記録媒体からのデータ読み込みが可能な構成となっている。接続手段は、ICカード装着/未装着を入力ポートにて確認可能である。
【0029】
表示装置120は、上記ハードウェア構成により、画像処理装置100が有する各種機能の実行及び実行時の動作条件設定などの入力を受け付ける。また表示装置120は、各種機能の動作情報、機器の状態情報、及びジョブ情報などを画面に表示する(ユーザに通知する)。
【0030】
<ソフトウェア構成>
次に、本実施形態に係る画像処理装置100のソフトウェア構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像処理装置100のソフトウェア構成例を示す図である。
図3に示すように、まず、画像処理装置100が備える表示装置120では、表示装置120を全体制御する基本ソフトウェアである組み込みOS(Embedded Operating System)31(以下単に「OS31」と言う)が動作する。OS31には、例えばLinux(登録商標:以下略)などがある。またOS31上では、ブラウザ32が動作する。本実施形態では組み込みブラウザを搭載した例を示す。
【0031】
続いて画像処理装置100が備えるコントローラ110では、画像処理装置100を全体制御する基本ソフトウェアである組み込みOS21(以下単に「OS21」と言う)が動作する。またOS21上では、仮想マシン環境(VM:Virtual Machine)が動作する。本実施形態ではJava(登録商標:以下略)VM22を搭載した例を示す。JavaVM22は、Javaバイトコードをそのプラットフォームのネイティブコードに変換して実行するソフトウェア環境である。つまり、JavaVM22は、Java言語によって定義された命令セットを実行する仮想マシンである。
【0032】
JavaVM22上では、OSGiFramework23が動作する。OSGiFramework(Open Services Gateway initiative Framework)23は、Javaベースのサービスプラットフォームで動作するアプリケーションの標準構造を実装するために使用されるライブラリを提供するフレームワークである。これにより、OSGiFramework23上では、フレームワークに基づき開発した拡張機能を実現するソフトウェア群(OSGi提供サービス群)を動作させることができる。拡張機能には、例えば図中の通信25やオペレーティング管理26などがある。例えば本実施形態の場合、上記ソフトウェアは、Java言語によりプログラミングされたソフトウェア(例えば「Javaスクリプト」)となる。
【0033】
またJavaVM22又はOSGiFramework23上では、コピー、プリンタ、ファクシミリ、スキャナといった基本機能(自社により開発した機能)を実現するソフトウェア群である提供機能24が動作する。よって、本実施形態に係る画像処理装置100が有する機器制御コード(機器制御に係る処理を行うモジュール)は、上記提供機能24に含まれる。
【0034】
画像処理装置100は、上記ソフトウェア構成により、ユーザからの機器制御要求(機能実行要求)を表示装置120で動作するブラウザ32を介して受け付け、画像処理装置100が備えるコントローラ110で動作する提供機能24に含まれる該当機器制御コードを実行する。画像処理装置100は、このようにして機器制御機能を実現する。
【0035】
<機器制御機能>
次に、本実施形態に係る機器制御機能について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置100では、搭載する表示装置120で動作するブラウザ32で実行された通信用コードにより、当該装置100が備えるコントローラ110で動作するWebサーバに機器制御を要求する。続いて、画像処理装置100は、Webサーバで実行されたサーブレットにより、要求に応じた機器制御コードを呼び出し、その実行結果を要求元(ブラウザ32)に応答する。画像処理装置100は、このような機器制御機能を有している。
【0036】
ここで、従来のソフトウェア構成について説明する。図4は、従来の表示制御のソフトウェア構成例を示す図である。
図4に示すように、従来では、ブラウザ32が有するJavaスクリプト40が、機器制御コード241を内包するJavaスクリプト拡張コード42を有する構成となっている。
【0037】
まず、ブラウザ32のソフトウェア構成について簡単に説明する。本実施形態では、CPUやOSに依存しない設計となっている組み込みブラウザのEspritを搭載した場合を例に示す。ブラウザ32は、UI321、パーサ322、I/Oマネージャ323、レイアウト324、及びドキュメントオブジェクト(DOM:Document Object Module)325を有している。
【0038】
UI321は、ブラウザ32のユーザインタフェースを提供する。パーサ322は、HTML、cHTML、XHTMLBasicなどで記述されたコンテンツデータを解析する。パーサ322は、解析結果をドキュメントオブジェクト325に展開する(解析結果を渡す)。I/Oマネージャ323は、ネットワーク(例えば「HTTP:HyperText Transfer Protocol」や「SSL:Secure Sockets Layer」)、ファイル、及びファイルキャッシュに対してデータの入出力を行う。レイヤ324は、ドキュメントオブジェクト325に展開されたパーサ322の解析結果に基づき、オブジェクトを表示画面上に配置する。ドキュメントオブジェクト325は、W3C(World Wide Web Consortium)にて規定されているHTML文書やXML(Extensible Markup Language)文書をアプリケーションから利用するためのAPI(Application Program Interface)である。
【0039】
またブラウザ32は、上述したように、ブラウザ32で動作するスクリプト言語としてJavaスクリプト40に対応している。Javaスクリプト40は、主にECMA(European Computer Manufacturer Association)スクリプト準拠コード41とJavaスクリプト拡張コード42に大別される。ECMAスクリプト準拠コード41は、ブラウザ32によって使えない機能があったり同じプログラムでも挙動が異なったりする問題を解消するために標準化されたコードである。一方、Javaスクリプト拡張コード42は、実装するメーカによって独自の仕様により記述されたコードである。つまり、Javaスクリプト拡張コード42は、仕様に応じた独自の機能を実現することができる。
【0040】
従来の画像処理装置100では、上記ソフトウェア全てが、コントローラ110のCPU111(同一制御部)で実行される。これにより、従来の画像処理装置100では、Javaスクリプト拡張コード42が機器制御コード241を直接呼び出すことで、要求に応じた機器制御コード241を実行し、制御対象ハードウェアHWの動作を制御することができた。つまり、従来の画像処理装置100では、実装したJavaスクリプト拡張コード42を実行することで、ブラウザ32を介してユーザ要求に応じた機器制御を行うことができた。
【0041】
しかし、本実施形態で想定している画像処理装置100では、表示装置120とコントローラ110とが、それぞれ制御部を備える。またブラウザ32は、表示装置120が備えるCPU1で動作し、機器制御コード241は、コントローラ110が備えるCPU111で動作する。そのため、ブラウザ32が有するJavaスクリプト拡張コード42から機器制御を実行することができない。
【0042】
そこで、本実施形態では、表示装置120と画像処理装置100との間に構築された通信機能により、表示装置120から画像処理装置100に機器制御を要求する。
【0043】
図5は、本実施形態に係る表示制御のソフトウェア構成例を示す図である。
図5に示すように、表示装置120は、画像処理装置100が備えるコントローラ110と通信を行う、ブラウザ32で実行可能な通信プログラムを有している。この通信プログラムが、Javaスクリプト40の通信用コード43である。また画像処理装置100では、コントローラ110上で動作するWebサーバ231を有している。またWebサーバ231は、サーブレット50を有している。サーブレット50とは、Webサーバ231で実行されるモジュール(部品)化されたJavaプログラムである。これが、表示装置120と画像処理装置100との間に構築された通信機能となる。
【0044】
画像処理装置100は、ブラウザ32から通信用コード43を実行し、Webサーバ231のサーブレット50に対して機器制御要求を行い、サーブレット50が機器制御コード241を実行する。サーブレット50は、要求に応じて機器制御コード241を呼び出すことで機器制御を実行する。これによって、画像処理装置100では、既存の機器制御コード241を用いてブラウザ32から機器制御を行うことができる。
【0045】
また、本実施形態では、表示装置120とコントローラ110との間の通信手段に、ブラウザ32とWebサーバ231との間の通信が容易に実現可能であるHTTP通信を用いる。なお、通信手段はこの限りでない。例えばソケット通信などを用いて実現してもよい。
【0046】
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100は、表示装置120と当該装置100とが異なる制御部を備える場合であっても、簡易な対応作業により、表示画面を介して機器制御が行える。
【0047】
以下に、上記機器制御機能の構成とその動作について説明する。
図6は、本実施形態に係る機器制御機能の構成例を示す図である。
図6に示すように、表示装置120が有する通信用コード43は、主に要求データ生成部431及び応答データ解析部432として機能する。また画像処理装置100が有するサーブレット50は、主に要求データ解析部51及び応答データ生成部52として機能する。つまり、上記各機能部は、通信用コード43又はサーブレット50を実行することで実現される機能する。
【0048】
表示装置120は、機器制御に係る処理を行うJavaスクリプト拡張コード42をブラウザ32で実行する。本実施形態に係るJavaスクリプト拡張コード42には、機器制御に係る処理として、情報設定処理(以下単に「設定」と言う)、情報取得処理(以下単に「取得」と言う)、及び/又は機能実行処理(以下単に「実行」と言う)の各要求処理が定義されている。例えば「設定」要求処理には、動作条件や動作モードの設定要求などがある。また「取得」要求処理には、設定値の取得要求などがある。また「実行」要求処理には、画像処理装置100が有する機能の実行要求などがある。
【0049】
通信用コード43は、上記Javaスクリプト拡張コード42の上記各要求処理に応じた要求データ71を生成し、画像処理装置100に送信することで、機器制御に係る処理を要求する。上記要求データ71の生成は、要求データ生成部431により行う。
【0050】
要求データ生成部431は、実行された要求処理(ブラウザ32で実行された処理)に基づき、「設定」、「取得」、及び/又は「実行」の機器制御に係る処理を要求する要求データ71を生成する。
【0051】
図7は、本実施形態に係る通信インタフェースのデータ例を示す図である。
要求データ生成部431は、図7に示すような各要求処理に対応する通信インタフェースを介して要求データ71を生成する。具体的には、次の通りである。
【0052】
要求データ生成部431は、実行された要求処理に基づき、要求する機器制御に係る処理をリクエストURL(Uniform Resource Locator)により指定することで、要求データ71を生成する。本実施形態では、通信プロトコルにHTTPを用いていることから、要求データ71としてHTTPリクエスト電文が生成される。
【0053】
例えば要求データ生成部431は、「取得」要求処理の場合、図7に示すリクエストURL"http://XXX.XXX.XXX.XXX/xxxcgi/localCGI/TARGET"により指定する。このとき要求データ生成部431は、「TARGET」で、取得する情報項目を指定する。なお本実施形態では、画像処理装置100が、同一制御部の既存動作環境としてLocalCGI機能を有していることを前提としている。よって、図7に示すデータ例では、"/xxxcgi/localCGI/TARGET"と言うパスを用いて取得する情報項目を指定している。
【0054】
また要求データ生成部431は、「設定」要求処理の場合、図7に示すリクエストURL"http://XXX.XXX.XXX.XXX/xxxcgi/localCGI/TARGET?value=VALUE"により指定する。「取得」要求処理との違いは、「TARGET」に、設定する情報項目を指定し、「VALUE」で、設定する値(設定値)を指定する点である。
【0055】
また要求データ生成部431は、「実行」要求処理の場合、図7に示すリクエストURL"http://XXX.XXX.XXX.XXX/xxxcgi/localCGI/FUNCTION?param1=P1&param2=P2..."を指定する。「設定」及び「取得」要求処理との違いは、「FUNCTION」で、実行する機能を指定し、「P1」や「P2」で、機能を呼び出す1又は複数のパラメータ値を指定する点である。
【0056】
また上記「VALUE」に指定する設定値及び「Pn」に指定するパラメータ値は、機器制御に係る処理を要求するJavaスクリプト拡張コード42に設定された実行パラメータである。
【0057】
要求データ生成部431は、上記リクエストURL(各要求処理に対応する通信インタフェース)により、機器制御に係る処理を要求する要求データ71を生成する。
【0058】
以上のように、表示装置120では、通信用コード43をブラウザ32で実行することにより生成された要求データ71を、HTTPリクエストとして画像処理装置100へと送信する。
【0059】
一方、画像処理装置100は、表示装置120から送信された要求データ71を、コントローラ110上で動作するWebサーバ231により受信する。受信した要求データ71は、Webサーバ231で実行されたサーブレット50により解析される。上記要求データ71の解析は、要求データ解析部51により行う。
【0060】
要求データ解析部51は、通信プロトコルに従って要求データ71を解析する。その結果、要求データ解析部51は、解析結果として、機器制御に係る処理要求と要求時指定情報を得る。
【0061】
サーブレット50は、このようにして得られた解析結果に基づき、機器制御コード241を実行する。サーブレット50は、得られた機器制御に係る処理要求に基づき、該当する機器制御コード241を特定し呼び出す。このときサーブレット50は、得られた要求時指定情報を実行パラメータとする。
【0062】
このようにして、画像処理装置100では、機器制御コード241の実行により、SDK(Software Development Kit)60を介した制御対象ハードウェアHWの制御が行われる。
【0063】
またサーブレット50は、機器制御コード241の実行結果に応じた応答データ72を生成し、表示装置120に送信することで、処理要求元へ応答する。上記応答データ72は、応答データ生成部52により行う。
【0064】
応答データ生成部52は、「設定」、「取得」、及び/又は「実行」の各要求処理の実行結果に基づき、応答データ72を生成する。本実施形態では、応答データ72としてHTTPレスポンス電文が生成される。
【0065】
図8,9,10は、本実施形態に係る要求・応答データ71及び72のデータ例を示す図である。
【0066】
図8には、「取得」要求処理の要求・応答データ71,72のデータ例が示されている。
表示装置120は、「取得」要求処理の場合、通信用コード43の要求データ生成部431により、図8(A)に示す要求データ71を生成する。なお図8(A)に示すように、「取得」要求処理の要求データ71は、空のリクエストボディとなる。表示装置120は、生成した要求データ71を画像処理装置100にHTTPリクエストとして送信する。
【0067】
画像処理装置100は、Webサーバ231で要求データ71を受信すると、サーブレット50の要求データ解析部51により、情報項目「TARGET」の取得要求を得る。画像処理装置100は、サーブレット50の応答データ生成部52により、図8(B)に示す応答データ72を生成する。このとき応答データ生成部52は、情報項目「TARGET」の取得実行結果から応答データ72を生成する。図8(B)には、情報項目「TARGET」の取得実行結果として得られた現在設定値[1]をレスポンスボディに定義した応答データ72の例が示されている。画像処理装置100は、生成した応答データ72を取得要求元の表示装置120にHTTPレスポンスとして送信する。
【0068】
図9には、「設定」要求処理の要求・応答データ71,72のデータ例が示されている。
表示装置120は、「設定」要求処理の場合、通信用コード43の要求データ生成部431により、図9(A)に示す要求データ71を生成する。なお図9(A)に示すように、「設定」要求処理の要求データ71も、空のリクエストボディとなる。表示装置120は、生成した要求データ71を画像処理装置100にHTTPリクエストとして送信する。
【0069】
画像処理装置100は、Webサーバ231で要求データ71を受信すると、サーブレット50の要求データ解析部51により、情報項目「TARGET」の設定要求と設定値「1」を得る。画像処理装置100は、サーブレット50の応答データ生成部52により、図9(B)に示す応答データ72を生成する。このとき応答データ生成部52は、情報項目「TARGET」の設定実行結果から応答データ72を生成する。図9(B)には、情報項目「TARGET」の設定が正常に行われた旨の応答データ72の例が示されている。なお図9(B)に示すように、応答データ72も、空のレスポンスボディとなる。画像処理装置100は、生成した応答データ72を設定要求元の表示装置120にHTTPレスポンスとして送信する。
【0070】
図10には、「実行」要求処理の要求・応答データ71,72のデータ例が示されている。
表示装置120は、「実行」要求処理の場合、通信用コード43の要求データ生成部431により、図10(A)に示す要求データ71を生成する。図10(A)には、表示中のページURLやクッキーをリクエストボディに定義した要求データ71の例が示されている。表示装置120は、生成した要求データ71を画像処理装置100にHTTPリクエストとして送信する。
【0071】
画像処理装置100は、Webサーバ231で要求データ71を受信すると、サーブレット50の要求データ解析部51により、機能名「FUNCTION」の実行要求と機能を呼び出すパラメータ値[/receive.asp],[post]を得る。画像処理装置100は、サーブレット50の応答データ生成部52により、図10(B)に示す応答データ72を生成する。このとき応答データ生成部52は、機能名「FUNCTION」の実行結果から応答データ72を生成する。図10(B)には、機能名「FUNCTION」の実行結果として得られた実行結果コード値[200],実行結果値[0]をレスポンスボディに定義した応答データ72の例が示されている。実行結果コードは、要求機能が正常に実行されたか否かを示すコードであり、実行結果値は、機能実行により得られた結果値である。画像処理装置100は、生成した応答データ72を実行要求元の表示装置120にHTTPレスポンスとして送信する。
【0072】
以上のように、画像処理装置100では、Webサーバ231のサーブレット50を実行することにより、表示装置120からの要求処理(機器制御に係る処理)を実行し、実行結果として生成された応答データ72を、HTTPレスポンスとして表示装置120へと送信する。
【0073】
また表示装置120は、画像処理装置100から送信された応答データ72を、ブラウザ32により受信する。受信した応答データ72は、ブラウザ32で実行される通信用コード43により解析される。上記応答データ72の解析を、応答データ解析部432により行う。
【0074】
応答データ解析部432は、通信プロトコルに従って応答データ72を解析する。その結果、応答データ解析部432は、解析結果として、要求処理の実行結果情報を得る。これにより、表示装置120上で動作するブラウザ32は、要求した機器制御に係る処理の処理結果を取得する。
【0075】
このように、本実施形態に係る機器制御機能は、上記各機能部が連係動作することにより実現される。
【0076】
具体的に機器制御機能は、画像処理装置100及び表示装置120に搭載(インストール)される機器制御プログラムを、互いの装置が備えるCPU111及びCPU1が、格納先(例えば「ROM」)からRAM上に読み出し、以下の処理を実行することで実現される。
【0077】
機器制御機能の詳細な動作(機能部群の連係動作)について、処理手順を示すシーケンス図を用いて説明する。なお以下に説明する処理手順は、画像処理装置100においてスキャン動作(原稿読み取り動作)を実行する場合の機器制御に係る処理を例にしている。また上記機器制御に係る処理を、「スキャン動作の設定画面を表示し、開始要求受付準備が完了するまでの処理(以下単に「処理1」と言う)」と「開始要求を受け付けてからスキャン動作が終了するまでの処理(以下単に「処理2」と言う)」とに分けて説明する。
【0078】
《処理1》
図11は、本実施形態に係る初期動作時の機器制御を行う処理手順例を示すシーケンス図である。また図12は、本実施形態に係る動作時の表示画面例(その1)を示す図である。
図11に示すように、表示装置120は、ブラウザ32により、ユーザによるGUIを介した操作ボタン押下の検知を受け付ける(ステップS101)。例えば表示装置120の表示画面に、図12(A)に示すようなGUIが表示されている場合、ブラウザ32は、画面上の[scan]ボタンが押下されたことを所定のイベント発行により検知する。
【0079】
ブラウザ32は、操作ボタン押下の検知に基づき、操作ボタンに対応付けられたコンテンツを読み込む(ステップS102)。例えば[scan]ボタン押下を検知すると、ブラウザ32は、スキャン動作設定画面を表示するコンテンツを読み込む。コンテンツには、例えばHTMLデータなどが挙げられ、操作ボタンが押下されたときに表示される画面を生成する制御コード(例えば「表示部品の定義」や「レイアウトの定義」)、及びスキャン動作に係る機器制御処理のJavaスクリプト拡張コード42が含まれている。コンテンツの読み込みは、ブラウザ32でコンテンツの格納先を示すURLを指定することで行われる。よって、コンテンツは、画像処理装置100や外部機器(例えば「画像処理装置とネットワークを介して接続される情報処理装置」)が備える記憶装置に格納されている。これにより、表示装置120の表示画面には、ブラウザ32を介して、図12(B)に示すようなスキャン動作設定画面が表示される。
【0080】
またブラウザ32は、読み込むコンテンツに応じて機器制御に係る処理を行う。スキャン機能において、設定画面を表示してから開始要求受付準備が完了するまでの処理は、次の通りである。
【0081】
ブラウザ32は、コンテンツ内に含まれる、スキャン動作開始を指示するスタートキーを利用可能にするためのJavaスクリプト拡張コード42を実行する(ステップS201)。ブラウザ32は、Javaスクリプト拡張コード42を実行したことによる要求処理に基づき、通信用コード43の実行で機能する要求データ生成部431により要求データ71を生成する(ステップS202)。例えばブラウザ32は、スタートキーを利用可能にするための動作モード値[1]を設定するJavaスクリプト拡張コード42を実行すると、要求データ生成部431により、「設定」要求処理のリクエストURL"http://XXX.XXX.XXX.XXX/xxxcgi/localCGI/TARGET?value=1"を指定する。これにより、ブラウザ32では、要求データ71として、動作モード設定要求用HTTPリクエスト電文が生成される。
【0082】
ブラウザ32は、要求データ生成部431により生成された要求データ71を、画像処理装置100(Webサーバ231のサーブレット50)に対して送信する(ステップS203)。送信された要求データ71は、画像処理装置100のコントローラ110上で動作するWebサーバ231により受信される。このようにして、本実施形態では、表示装置120から画像処理装置100に動作モード設定が要求される。
【0083】
画像処理装置100は、サーブレット50の実行で機能する要求データ解析部51により、Webサーバ231で受信した要求データ71のデータ解析を行う(ステップS204)。これにより、サーブレット50は、解析結果として、動作モード設定に係る処理要求と要求時に指定された動作モード値[1]を得る。
【0084】
サーブレット50は、得られた処理要求に基づき、動作モードを設定する機器制御コード241を呼び出し、実行する(ステップS205)。このときサーブレット50は、得られた動作モード値[1]を実行パラメータとする。
【0085】
画像処理装置100は、機器制御コード241の実行により、動作モード値[1]がSDK60内の該当パラメータに設定される(ステップS206)。なおSDK60内のパラメータ値設定は、機器制御コード241から、パラメータ値を設定するSDK60内のモジュール(関数)を呼び出すことで行われる。その結果、画像処理装置100は、動作モードの設定結果を得る(ステップS207及びS208)。
【0086】
サーブレット50は、応答データ生成部52により、動作モードの設定結果を要求元に応答する応答データ72を生成する(ステップS209)。このとき応答データ生成部52は、得られた動作モードの設定結果に基づき、要求時のHTTPリクエストに対応する応答データ72として、HTTPレスポンス電文を生成する。
【0087】
サーブレット50は、応答データ生成部52により生成された応答データ72を、表示装置120(ブラウザ32)に対して送信する(ステップS210)。送信された応答データ72は、表示装置120上で動作するブラウザ32により受信される。このようにして、本実施形態では、表示装置120から画像処理装置100に要求した動作モード設定の結果が応答される。
【0088】
ブラウザ32は、通信用コード43の実行で機能する応答データ解析部432により、受信した応答データ72のデータ解析を行う(ステップS211)。これにより、ブラウザ32は、動作モード設定に係る処理結果[OK/NG]を得る。
【0089】
続いて、ブラウザ32は、コンテンツ内に含まれる、スタートキー押下時に呼び出される関数を登録するためのJavaスクリプト拡張コード42を実行する(ステップS301)。ブラウザ32は、Javaスクリプト拡張コード42を実行したことによる要求処理に基づき、通信用コード43の実行で機能する要求データ生成部431により要求データ71を生成する(ステップS302)。例えばブラウザ32は、スタートキー押下時に呼び出される関数[my_scan()]を登録するJavaスクリプト拡張コード42を実行すると、要求データ生成部431により、「設定」要求処理のリクエストURL"http://XXX.XXX.XXX.XXX/xxxcgi/localCGI/TARGET?value=my_scan"を指定する。これにより、ブラウザ32では、要求データ71として、関数登録設定要求用HTTPリクエスト電文が生成される。
【0090】
ブラウザ32は、要求データ生成部431により生成された要求データ71を、画像処理装置100(Webサーバ231で実行されたサーブレット50)に対して送信する(ステップS303)。送信された要求データ71は、画像処理装置100のコントローラ110上で動作するWebサーバ231により受信される。このようにして、本実施形態では、表示装置120から画像処理装置100に関数登録設定が要求される。
【0091】
画像処理装置100は、サーブレット50の実行で機能する要求データ解析部51により、Webサーバ231で受信した要求データ71のデータ解析を行う(ステップS304)。これにより、サーブレット50は、解析結果として、関数登録設定に係る処理要求と要求時に指定された登録関数名[my_scan]を得る。
【0092】
サーブレット50は、得られた処理要求に基づき、機器制御コード241の該当パラメータに関数名を設定し、関数を登録する(ステップS305)。サーブレット50は、登録関数名[my_scan]を、スタートキー押下時に実行される機器制御コード241から呼び出される関数(コールバック関数)として設定する(ステップS306)。
【0093】
サーブレット50は、応答データ生成部52により、関数登録の設定結果を要求元に応答する応答データ72を生成する(ステップS307)。このとき応答データ生成部52は、得られた関数登録の設定結果に基づき、要求時のHTTPリクエストに対応する応答データ72として、HTTPレスポンス電文を生成する。
【0094】
サーブレット50は、応答データ生成部52により生成された応答データ72を、表示装置120(ブラウザ32)に対して送信する(ステップS308)。送信された応答データ72は、表示装置120上で動作するブラウザ32により受信される。このようにして、本実施形態では、表示装置120から画像処理装置100に要求した関数登録設定の結果が応答される。
【0095】
ブラウザ32は、通信用コード43の実行で機能する応答データ解析部432により、受信した応答データ72のデータ解析を行う(ステップS309)。これにより、ブラウザ32は、関数登録設定に係る処理結果[OK/NG]を得る。
【0096】
以上のように、本実施形態では、表示装置120と画像処理装置100との間で要求・応答データを送受信することで、初期動作時の機器制御(スキャン動作設定画面の表示及び開始要求受付の前処理)が行われる。
【0097】
《処理2》
図13は、本実施形態に係る機能実行動作時の機器制御を行う処理手順例を示すシーケンス図である。また図14は、本実施形態に係る動作時の表示画面例(その2)を示す図である。
図13に示すように、画像処理装置100は、当該装置100が入力インタフェースとして備えるスタートキー(ハードキー)がユーザによって押下されると、SDK60により検知する(ステップS101)。SDK60は、ハードキーが押下されたことを所定のイベント発行により検知する。
【0098】
画像処理装置100は、SDK60によりスタートキー押下を検知すると、スタートキー押下時に実行する機器制御コード241が実行される(ステップS402)。その結果、画像処理装置100では、登録関数がコールバックされ、スタートキー押下時に呼び出す関数(コールバック関数)の実行が、表示装置120に要求される(ステップS403)。
【0099】
表示装置120は、画像処理装置100からの実行要求に応じて機器制御に係る処理を行う。スキャン機能において、開始要求を受け付けてからスキャン完了するまでの処理は、次の通りである。
【0100】
ブラウザ32は、スキャン要求するためのJavaスクリプト拡張コード42を実行する(ステップS501)。ブラウザ32は、Javaスクリプト拡張コード42を実行したことによる要求処理に基づき、通信用コード43の実行で機能する要求データ生成部431により要求データ71を生成する(ステップS502)。例えばブラウザ32は、スキャン要求するためのパラメータ値[UploadServlet],[post],[currentPage]を設定するJavaスクリプト拡張コード42を実行すると、要求データ生成部431により、「実行」要求処理のリクエストURL"http://XXX.XXX.XXX.XXX/xxxcgi/localCGI/FUNCTION?param1=UploadServlet&param2=psot&param3=currentPage"を指定する。これにより、ブラウザ32では、要求データ71として、スキャン実行要求用HTTPリクエスト電文が生成される。
【0101】
ブラウザ32は、要求データ生成部431により生成された要求データ71を、画像処理装置100(Webサーバ231で実行されたサーブレット50)に対して送信する(ステップS503)。送信された要求データ71は、画像処理装置100のコントローラ110上で動作するWebサーバ231により受信される。このようにして、本実施形態では、表示装置120から画像処理装置100にスキャン実行が要求される。
【0102】
画像処理装置100は、サーブレット50の実行で機能する要求データ解析部51により、Webサーバ231で受信した要求データ71のデータ解析を行う(ステップS504)。これにより、サーブレット50は、解析結果として、スキャン実行に係る処理要求と要求時に指定されたパラメータ値[UploadServlet],[post],[currentPage]を得る。
【0103】
サーブレット50は、得られた処理要求に基づき、スキャン動作を実行する機器制御コード241を呼び出し、実行する(ステップS505)。このときサーブレット50は、得られたパラメータ値[UploadServlet],[post],[currentPage]を実行パラメータとする。
【0104】
画像処理装置100は、機器制御コード241の実行により、SDK60内のスキャンモジュールが、実行パラメータに基づき実行される(ステップS506)。なおSDK60内のスキャンモジュール実行は、機器制御コード241からSDK60内のスキャンモジュール(関数)を呼び出すことで行われる。その結果、画像処理装置100は、スキャン動作の開始通知を得る(ステップS507)。画像処理装置100は、得られた開始通知に基づき、表示装置120に通知するイベントを発行する(ステップS508)。また画像処理装置100では、スキャン動作の開始通知がSDK60を介して定期的に通知されることから、表示装置120に対しても定期的に通知イベントが発行される。
【0105】
これにより、表示装置120の表示画面には、ブラウザ32を介して、図14(A)に示すようなスキャン動作画面(動作中を示す画面)が表示される。例えばスキャン動作画面は、画像処理装置100から発行されるスキャン開始通知イベントを受け付けている間、表示される。
【0106】
また画像処理装置100は、スキャン動作の終了通知がSDK60を介して通知されると(ステップS507)、表示装置120に対してスキャン動作終了通知イベントを発行し(ステップS508)、スキャン動作の実行結果を得る(ステップS509)。
【0107】
これにより、表示装置120の表示画面には、ブラウザ32を介して、図14(B)に示すようなスキャン動作設定画面が表示される。つまり表示画面が、図12(B)に示す開始要求受付前の画面に戻る。
【0108】
また画像処理装置100は、スキャン動作終了通知イベントが発行されると、サーブレット50の実行で機能する応答データ生成部52により、スキャン動作の実行結果を要求元に応答する応答データ72を生成する(ステップS510)。このとき応答データ生成部52は、得られたスキャン動作の実行結果に基づき、要求時のHTTPリクエストに対応する応答データ72として、HTTPレスポンス電文を生成する。
【0109】
サーブレット50は、応答データ生成部52により生成された応答データ72を、表示装置120(ブラウザ32)に対して送信する(ステップS511)。送信された応答データ72は、表示装置120上で動作するブラウザ32により受信される。このようにして、本実施形態では、表示装置120から画像処理装置100に要求したスキャン実行の結果が応答される。
【0110】
ブラウザ32は、通信用コード43の実行で機能する応答データ解析部432により、受信した応答データ72のデータ解析を行う(ステップS512)。これにより、ブラウザ32は、スキャン要求に係る処理結果[OK/NG]を得る。
【0111】
以上のように、本実施形態では、表示装置120と画像処理装置100との間で要求・応答データを送受信することで、機能実行動作時の機器制御(スキャン処理)が行われる。
【0112】
<まとめ>
以上のように、本実施形態に係る画像処理装置100によれば、搭載する表示装置120で動作するブラウザ32で実行された通信用コード43により、当該装置100が備えるコントローラ110で動作するWebサーバ231に機器制御を要求する。このとき画像処理装置100では、通信用コード43の実行で機能する要求データ生成部431が、機器制御に係る処理の要求に応じた要求データ71を生成する。
【0113】
続いて、画像処理装置100は、Webサーバ231で実行されたサーブレット50により、要求に応じた機器制御コード241を呼び出し、その実行結果を要求元(ブラウザ32)に応答する。このとき画像処理装置100では、サーブレット50の実行により機能する要求データ解析部51が、要求データ71のデータ解析を行い、解析結果に基づいて要求処理を行う機器制御コード241を呼び出す。また画像処理装置100は、サーブレット50の実行により機能する応答データ生成部52が、要求元に処理結果を応答する応答データ72を生成する。
【0114】
これによって、画像処理装置100は、表示装置120と当該装置100とが異なる制御部(CPU1及びCPU111)を備える場合であっても、既存の機器制御コード241を用いて、ブラウザ32から機器制御を行うことができる。その結果、新規開発による対応に比べて、開発者の作業負荷を軽減できる。
【0115】
ここまで、上記実施形態の説明を行ってきたが、上記実施形態に係る画像処理装置100が有する「機器制御機能」は、図を用いて説明を行った各処理手順を、動作環境(プラットフォーム)にあったプログラミング言語でコード化したプログラムが、搭載表示装置120及び画像処理装置100が備える制御部(CPU1及びCPU111)により実行されることで実現される。
【0116】
上記プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体114aに格納することができる。上記記録媒体114aには、例えばSDメモリカード及びUSBメモリなどがある。
【0117】
よって、上記プログラムは、上記記録媒体114aに記憶させることで、記録媒体114aを読み取り可能な外部記憶I/F114を介して画像処理装置100にインストールすることができる。また画像処理装置100は、ネットワークI/F113を備えていることから、インターネットなどの電気通信回線を用いて上記プログラムをダウンロードし、インストールすることもできる。なお表示装置120には、画像処理装置100が備えるコントローラ110からバスBを介して上記プログラムを転送し、インストールすることができる。
【0118】
また、上記実施形態では、表示装置120がブラウザ32として「Esprit」を搭載している構成を例に説明を行ったが、この限りでない。表示装置120に搭載するブラウザ32は、Javaスクリプトが処理可能なブラウザであればよい。
【0119】
最後に、上記実施形態に挙げた形状や構成に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した要件に、本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0120】
1 CPU(表示装置側)
2 ROM(表示装置側)
3 RAM(表示装置側)
4 LCDコントローラ
5 SDRAM
6 LCDモジュール
7 タッチパネル
8 キー基盤
9 ドライバ
11 通信手段
21 OS(コントローラ側)
22 JavaVM(仮想マシン環境)
23 OSGiFramework(サービスプラットフォーム)
231 Webサーバ
24 提供機能(アプリケーション)
241 機器制御コード
25 通信(OSGi提供サービス群)
26 オペレーティング管理(OSGi提供サービス群)
31 OS(表示装置側)
32 ブラウザ
321 UI(ユーザインタフェース)
322 パーサ
323 I/Oマネージャ
324 レイアウト
325 ドキュメントオブジェクト(DOM)
40 Javaスクリプト
41 ECMAスクリプト準拠コード
42 Javaスクリプト拡張コード
43 通信用コード
431 要求データ生成部
432 応答データ解析部
50 サーブレット
51 要求データ解析部
52 応答データ生成部
60 SDK
71 要求データ(HTTPリクエスト電文)
72 応答データ(HTTPレスポンス電文)
100 画像処理装置
110 コントローラ
111 CPU(コントローラ側)
112 記憶装置
113 ネットワークI/F
114 外部記憶I/F(a:記録媒体)
120 表示装置
130 プロッタ(画像形成部)
140 スキャナ(読み取り部)
HW 制御対象ハードウェア
P 制御基板(表示装置)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】
【特許文献1】特開2008−158493号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を有する表示装置を備えた画像処理装置であって、
前記表示装置で動作するブラウザで実行された通信プログラムにより、
前記表示装置から当該画像処理装置に対して機器制御に係る処理を要求する要求手段と、
当該画像処理装置で動作するWebサーバで実行されたプログラムにより、
前記表示装置からの要求処理を実行する実行手段と、
要求元である前記表示装置に対して処理結果を応答する応答手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記要求手段は、
前記ブラウザで実行された処理に基づき、前記機器制御に係る処理を要求する要求データを生成し、前記表示装置から当該画像処理装置に対して前記要求データを送信することで、前記機器制御に係る処理を要求することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記要求手段は、
前記ブラウザで実行された処理に基づき、要求する前記機器制御に係る処理をリクエストURL(Uniform Resource Locator)により指定し、前記要求データであるリクエスト電文を生成することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記要求手段は、
前記ブラウザで実行された処理に実行パラメータが指定されている場合、前記実行された処理及び前記実行パラメータに基づき、要求する前記機器制御に係る処理及び前記実行パラメータをリクエストURLにより指定することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記要求データのデータ解析を行う要求データ解析手段を有し、
前記実行手段は、
前記要求データ解析手段により、受信した要求データを解析し、解析結果に含まれる、要求された前記機器制御に係る処理に基づき、前記表示装置からの要求処理を実行することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記実行手段は、
前記Webサーバで実行されたプログラムから機器制御プログラムを呼び出し、前記表示装置からの要求処理を実行することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記応答手段は、
前記実行手段により実行した要求処理の実行結果に基づき、前記実行結果を応答する応答データであるレスポンス電文を生成し、要求元である前記表示装置に対して前記応答データを送信することで、処理結果を応答することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記応答データのデータ解析を行う応答データ解析手段を有し、
前記ブラウザは、
前記応答データ解析手段により、受信した応答データを解析し、解析結果に含まれる、実行された前記要求処理の実行結果に基づき、要求した前記機器制御に係る処理の処理結果を取得することを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記要求手段は、
前記機器制御に係る処理のうち、情報設定処理、情報取得処理、又は機能実行処理を要求することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
制御部を有する表示装置を備えた画像処理装置における機器制御方法であって、
前記表示装置で動作するブラウザ上で通信プログラムを実行し、
前記表示装置から当該画像処理装置に対して機器制御に係る処理を要求する要求手順と、
前記画像処理装置で動作するWebサーバ上でプログラムを実行し、
前記要求手順による前記表示装置からの要求処理を実行する実行手順と、
前記実行手順により実行された要求処理の処理結果を、要求元である前記表示装置に対して応答する応答手順と、を有することを特徴とする機器制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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