説明

画像処理装置及び画像処理方法

【課題】 X線画像に異なる複数の画像処理がなされた場合においても、最適な濃度或いは輝度となる出力画像を得る。
【解決手段】 原画像データを解析し予め決めれた領域の代表値を算出し、原画像データに対して第一の画像処理を行う。算出された代表値と、第一の画像処理が行われた代表値との間の変動量を算出し、それぞれ算出された代表値と変動量とに基づき原画像データに対して第二の画像処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原画像データに複数の画像処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル技術の発達により、医療用のX線画像においても画像処理を行うことが一般的となってきた。特に、従来のフィルムを用いたX線撮影に代わり、デジタルでX線画像データを出力可能なセンサも開発されている。そして、このセンサを用いたX線撮影装置において画像処理は不可欠となっており、撮影された画像の画像処理としては様々なものが適用されている。撮影されたデータに対して階調変換を施すことにより取得データを観察し易い濃度、或いは輝度の画像に変換する階調変換処理は重要な画像処理の一つとなっている。
【0003】
尚、上述の階調変換処理に使用される関数の形状としては、図9に示す銀塩フィルムの特性曲線と同様のS字形状のものが一般的に使用されている。また、このS字の特性曲線の作成方法については、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
更に、このS字曲線を撮影画像の画素値に対応付ける方法として、図10に示す2点法がある。この2点法は、画像中に含まれる被写体の最大値と最小値がそれぞれ一定範囲の出力値となるように階調変換を行う方法である。最大値と最小値の間が、例えば図10に示すように、最高濃度3.2Dと最低濃度0.2Dの範囲に対応する画素値となるように階調変換される。
【0005】
また、このS字曲線を撮影画像の画素値に対応付ける方法として、図11に示す1点法もある。この1点法は、被写体中の関心領域を代表する画素値が所定の出力値となるように階調変換を行う方法である。胸部正面画像の肺野内の最大画素値が、例えば濃度1.8Dに対応する画素値となるように階調変換される。
【0006】
更に、上述の1点法、2点法で使用される代表となる画素値(以下、代表値という)を自動で解析する方法(以下、画像解析処理という)も提案されている。例えば、特許文献2には、画像のヒストグラムから画素値を算出する方法が、特許文献3には、画像の2次元的な構造から関心領域を抽出し、その関心領域の統計値を代表値として算出する方法が提案されている。
【0007】
尚、このような画像解析処理では、撮影対象によって関心領域が違うため、撮影部位(例えば、胸部正面、頭部正面)に応じて、異なる画像解析処理を適応することが一般的に行われている。
【特許文献1】特開平11-088688号公報
【特許文献2】特開平07-255012号公報
【特許文献3】特開2000-163562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、X線撮影装置における画像処理は上述の階調変換処理に加え、ダイナミックレンジ変更(圧縮)処理、鮮鋭化処理、ノイズ低減処理等の画素値を変更させる処理を合わせて行い、最終的な診断用画像を出力することが一般的に行われている。
【0009】
そのため、階調変換処理を単独に行った場合に最適な濃度或いは輝度の画像が得られたとしても、複数の画像処理を合わせて行った場合では階調変換処理以外の処理による画素値の変動の影響で、必ずしも最適な濃度或いは輝度の画像にならない場合がある。即ち、原画像から画像解析処理により代表値を算出し、その代表値が最適な濃度或いは輝度となる階調曲線を設定したとしても、他の処理により代表値そのものの値が変動するため最適な濃度或いは輝度で出力されない場合がある。
【0010】
この問題を、解決する方法として原画像に階調処理以外の全ての画像処理が実行された画像から代表値を解析する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、解析対象の画像自体が画像処理の影響を受けたものである。
【0011】
そのため、画像のヒストグラムや2次元的な構造が想定していたものと異なってしまう可能性があり、画像解析処理が安定しなくなるという問題がある。また、画像解析処理で上述の影響を考慮する場合、撮影部位に加えて適用される画像処理や処理パラメータに応じた複数の画像解析処理を用意する必要がある。更に、新規に画像処理が追加される毎に画像解析処理を追加或いは修正する必要があり、現実的ではない。
【0012】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、X線画像に異なる複数の画像処理がなされた場合においても、最適な濃度或いは輝度となる出力画像を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、原画像データに複数の画像処理を行う画像処理装置であって、前記原画像データの代表値を取得するための画像解析手段と、前記原画像データに対して第一の画像処理を行う第一の画像処理手段と、前記画像解析手段によって取得された代表値と、前記第一の画像処理が行われた代表値との間の変動量を算出する変動量算出手段と、前記画像解析手段によって取得された代表値と前記変動量算出手段で算出された変動量とに基づいて、前記原画像データに対して第二の画像処理を行う第二の画像処理手段とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、原画像データに複数の画像処理を行う画像処理装置であって、前記原画像データの代表値を取得する画像解析手段と、前記原画像データに対して第二の画像処理を行う第二の画像処理手段と、前記第二の画像処理が行われた原画像データに対して第一の画像処理を行う第一の画像処理手段と、前記第二の画像処理が行われた前記代表値の処理結果に対して、前記第一の画像処理によって生じる前記代表値の処理結果の変動量を算出する変動量算出手段と、前記変動量算出手段で算出された変動量に基づいて、前記第一の画像処理が行われた原画像データを補正する補正処理手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、原画像と複数の画像処理がなされた後の画像とから画素値の変動量を算出し、変動量に基づいて階調変換処理を行うことで、複数の画像処理がなされた場合においても、最適な濃度或いは輝度となる出力画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における放射線撮影装置の構成の一例を示す図である。図1において、100はX線撮影装置であり、X線ビーム102で撮影された画像をフィルム上又はモニタ上に出力する際の効果的な画像処理を行う機能を有する。また、X線撮影装置100はデータ収集回路105、前処理回路106、CPU108、メインメモリ109、操作パネル110、画像表示器111、画像処理回路112を備えている。そして、これらはCPUバス107を介して相互にデータの授受が可能に接続されている。
【0018】
また、画像処理回路112は、画像解析回路113、第一の画像処理回路114、変動量算出回路115、第二の画像処理回路116を備え、それぞれの回路はCPUバス107に接続されている。
【0019】
尚、データ収集回路105と前処理回路106とは相互に接続されており、データ収集回路105には2次元X線センサ104及びX線発生回路101が接続されている。
【0020】
上述のようなX線撮影装置100において、まずメインメモリ109は、CPU108での処理に必要な各種のデータなどを記憶すると共に、CPU108のワーキングメモリとして機能する。CPU108は、メインメモリ109を用いて操作パネル110からの操作に従い装置全体の動作制御等を行う。これにより、X線撮影装置100は次のように動作する。
【0021】
まず、操作パネル110を介してユーザから撮影指示が入力されると、この撮影指示はCPU108によりデータ収集回路105に伝えられる。一方、CPU108が撮影指示を受けると、X線発生回路101及び2次元X線センサ104を制御してX線撮影を実行させる。
【0022】
X線撮影では、まずX線発生回路101が、被写体103に対してX線ビーム102を放射する。X線発生回路101から放射されたX線ビーム102は、被写体103を減衰しながら透過し、2次元X線センサ104に到達する。そして、2次元X線センサ104によりX線画像信号が出力される。
【0023】
第1の実施形態では、被写体103を人体とする。即ち、2次元X線センサ104から出力されるX線画像信号は人体の画像信号である。
【0024】
次に、データ収集回路105は、2次元X線センサ104から出力されたX線画像信号を所定のデジタル信号に変換してX線画像データとして前処理回路106に供給する。前処理回路106は、データ収集回路105からのX線画像データに対してオフセット補正処理やゲイン補正処理等の前処理を行う。この前処理回路106で前処理が行われたX線画像データは原画像データとしてCPU108の制御により、CPUバス107を介してメインメモリ109、画像処理回路112に転送される。
【0025】
画像処理回路112において、画像解析回路113は入力された画像データから所望とする解析値を取得する。第一の画像処理回路114はその画像データに第一の画像処理を行う。変動量算出回路115は第一の画像処理回路114に入力された画像データと第一の画像処理回路114から出力された画像データに基づき画像解析回路113で取得した解析値の変動量を算出する。第二の画像処理回路116は画像解析回路113で算出された解析値と変動量算出回路115で算出された変動量に基づき第一の画像処理回路114から出力された画像データに第二の画像処理を行う。第一及び第二の画像処理の詳細については更に後述する。
【0026】
次に、第1の実施形態におけるX線撮影装置100の画像処理回路112の詳細な処理を、図2を用いて説明する。第1の実施形態では、X線画像データが画像処理された後、関心領域内の画素値のうち代表となる画素値(代表値)の変動量を算出し、代表値と変動量とに基づき階調変換処理(1点法)を行うものである。
【0027】
図2は、第1の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。上述したように、前処理回路106によって得られた原画像データはCPUバス107を介して画像処理回路112に転送され、ステップS201〜S202において、画像解析回路113が原画像を解析し、関心領域の代表値を取得する。
【0028】
まず、ステップS201において、原画像データを解析し照射野領域を抽出する。尚、照射野領域を抽出する方法は、如何なる方法を用いても良い。例えば、特許出願人により既に提案されている特登録03631095記載の方法を用いても良い。この方法では、注目画素とその周辺画素の画素値のパターンにより照射野端らしさを点数化し、照射野領域の抽出を行う。
【0029】
次に、ステップS202において、照射野領域の中から関心領域の代表値xを取得する。尚、代表値の算出方法は、如何なる方法を用いても良い。例えば、画像ヒストグラムから代表値を算出する方法や、画像の2次元的な構造から関心領域を抽出し、その統計値を代表値として取得する方法等、の既に公知の技術を用いれば良い。
【0030】
また、関心領域は撮影部位毎に異なるため、操作パネル110から設定された撮影部位に基づいて異なる方法によって算出しても良い。例えば、頚椎画像の場合では特許出願人より既に提案されている頚椎領域から代表値を算出する方法(特開2002-245453号公報)を用いれば良い。この方法によれば、被写体内の首領域の輪郭線を抽出することで高精度に頚椎内の関心領域を抽出することができる。また、胸部画像の場合では特許出願人より既に提案されている方法(特開2000-276605号公報)を用いれば良い。この方法によれば、胸部画像の空間的な位置関係から領域を限定することで、高精度に肺野内の関心領域を抽出することができる。
【0031】
尚、上述のように関心領域を特定して代表値を算出する場合は、解析値として代表値に加えて、関心領域の位置情報(例えば矩形ROIの4点の座標)を合わせてメインメモリ109に記憶する。
【0032】
次に、ステップS203において、第一の画像処理回路114が原画像データにダイナミックレンジ変更処理(圧縮処理)、鮮鋭化処理、ノイズ低減処理を行う。尚、ダイナミックレンジ変更(圧縮)処理、鮮鋭化処理、ノイズ低減処理の方法に関しては、特に限定するものではない。例えば、アンシャープマスク画像を用いた方法(特開2002-374418号公報)を用いても良い。また、ウェーブレット変換やラプラシアンピラミッド分解等によって複数の周波数成分の画像を作成し処理を行う方法(特開2003-076992号公報)を用いても良い。また、ダイナミックレンジ変更(圧縮)処理、鮮鋭化処理、ノイズ低減処理の全てを行う必要はなく、例えば操作パネル110から設定された処理のみを選択的に行う構成であっても良い。
【0033】
次に、ステップS204〜S206において、変動量算出回路115が画像解析回路113で得られた関心領域の代表値が第一の画像処理回路114による処理で、どの程度変動したのかを算出する。まずステップS204において、変動量を算出するための対象領域を抽出する。対象領域は画像解析回路113によって関心領域が既知である場合(例えば、2次元的な構造を解析して関心領域を抽出した場合)はメインメモリ109に記憶された位置情報に基づき同様の領域を対象領域として抽出すれば良い。
【0034】
尚、関心領域が未知の場合(例えば、画像ヒストグラム等から代表値を算出した場合)は、原画像データの照射野領域内から代表値と同じ値の画素値を持つ領域を対象領域として抽出すれば良い。また、この場合、抽出範囲にある程度幅を持たせるようにしても良い。例えば代表値±10の画素値を持つ領域を対象領域として抽出しても良い。
【0035】
次に、ステップS205において、対象領域に限定し、第一の画像処理回路114から出力された画像データと第一の画像処理回路114に入力された画像データ(即ち原画像データ)を減算する。そして、この差分データのヒストグラムを作成する。このヒストグラムは、差分データに対する出現頻度を表しており、原画像データ中の対象領域の画素値がどの程度変動したのかを示す指標となるものである。
【0036】
次に、ステップS206において、対象領域の代表的な変動量xを算出する。代表的な変動量としては、ヒストグラムの重心(即ち、平均値)を算出すれば良い。尚、代表的な変動量はこれだけに限定されるものではなく、その他の統計値を算出しても良い。例えば、特異的に大きな値にロバストな中央値やヒストグラムの最頻値を代表的な変動量として算出しても良い。
【0037】
そして、ステップS207において、第二の画像処理回路116が画像解析回路113で算出された代表値と変動量算出回路115で算出された変動量とに基づき、第一の画像処理回路114から出力された画像データに階調変換処理を施す。具体的には、既に提案されている特開平11-088688号公報記載のS字曲線を用いて図12に示すように代表値x+変動量Δxが所望の濃度Dとなるように階調変換処理を行えば良い。尚、階調変換処理はS字曲線に限定するものでなく、例えば図13に示すような直線階調を用いても良い。
【0038】
第1の実施形態では、関心領域の画素値の変動量を算出し、変動量を考慮して階調変換を行うことで、階調変換処理を行う前に複数の画像処理が同時に行われたとしても、その関心領域の濃度を所望の濃度に安定させることができる。
【0039】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第2の実施形態を詳細に説明する。尚、第2の実施形態における放射線撮影装置の構成は、第1の実施形態で説明した図1に示す構成と同様であり、その説明は省略する。
【0040】
次に、第2の実施形態におけるX線撮影装置100の画像処理回路112の詳細な処理を、図3を用いて説明する。第2の実施形態では、被写体領域内の画素値のうちの最大値及び最小値を代表値とする。そして、X線画像データが画像処理された後、これら2つの代表値の変動量を算出し、これら代表値と変動量とに基づいて階調変換処理(2点法)を行うものである。
【0041】
図3は、第2の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。尚、図3に示すフローチャートにおいて、第1の実施形態で説明した図2に示す処理と同じ処理には同じ符号を付し、ここでは図2と異なる処理について詳述する。
【0042】
図3に示すステップS301では、画像解析回路113が被写体領域を抽出し、被写体領域内の最大画素値xmax と最小画素値xmin を代表値として算出する。尚、被写体領域の抽出方法は特に限定するものではない。例えば、照射野領域内の最大画素値の90%の値をth1 として算出し、次式により入力画像f(x,y)から素抜け及び素抜け領域と一定間隔内で接する体領域を削除した後の画像f1 (x,y)を求める。ここで、d1 及びd2 は入力画像f(x,y)から素抜け領域と一定間隔内で接する体領域を削除する際の一定間隔の幅を決定するための定数を示し、入力画像f(x,y)の大きさ等に基づき設定される。
【0043】
【数1】

【0044】
以上のように、素抜けを除去した画像f1 (x,y)から画素値0を除く、最大値及び最小値を算出すれば良い。
【0045】
次に、ステップS203において、第一の画像処理回路114が複数の画像処理を実行し、ステップS204〜S205において、変動量算出回路115が対象領域の差分データのヒストグラムを作成する。ここで、差分データのヒストグラムの作成方法は、第1の実施形態と同様の方法を用いれば良いが、第2の実施形態では最大値及び最小値の2つの代表値を算出する。よって、最大値及び最小値のそれぞれについて、差分データのヒストグラムを作成する。
【0046】
次に、ステップS302において、代表値である最大値及び最小値の変動量をそれぞれ算出する。変動量としては、例えば最大値に対応する差分データのヒストグラムから最大値をΔxmax として算出する。また、最初値に対応する差分データのヒストグラムから最小値をΔxmin として算出すれば良い。
【0047】
尚、変動量はこれに限定されるものではなく、その他の統計値を算出しても良い。例えば、特異的に大きな値を排除するために、最大値に対応する差分データのヒストグラムの90%分位点をΔxmax とし、最小値に対応する差分データのヒストグラムの10%分位点をΔxmin としても良い。更に、ヒストグラムの標準偏差や分散に基づき変動量を決定しても良い。
【0048】
そして、ステップS303において、第二の画像処理回路116が画像解析回路113で算出された代表値及び変動量算出回路115で算出された変動量に基づき、第一の画像処理回路114から出力された画像に階調変換処理を施す。具体的には、図14に示すように被写体の最大値xmax +変動量Δxmax が最大濃度Dmax 、被写体の最小値xmin +変動量Δxmin が最小濃度Dmin となるように階調変換処理を行えば良い。尚、階調変換処理は図14に示すようなS字曲線に限定するものでなく、例えば図15に示すような直線階調を用いても良い。
【0049】
第2の実施形態によれば、階調変換処理を行う前に複数の画像処理が同時に行われたとしても、白とびや黒つぶれを発生させることなく、被写体領域を出力濃度範囲内に収めることができる。
【0050】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第2の実施形態を詳細に説明する。尚、第3の実施形態における放射線撮影装置の構成は、第1の実施形態で説明した図1に示す構成と同様であり、その説明は省略する。
【0051】
次に、第3の実施形態におけるX線撮影装置100の画像処理回路112の詳細な処理を、図4を用いて説明する。第3の実施形態は、第1の実施の形態において説明した関心領域の代表値と第2の実施の形態において説明した被写体領域の最大値及び最小値を代表値とする形態である。第3の実施形態では、X線画像データが画像処理された後、これら3つの代表値の変動量を算出し、これら代表値と変動量とに基づいて階調変換処理(3点法)を行うものである。
【0052】
図4は、第3の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。尚、図4に示すフローチャートにおいて、第1の実施形態で説明した図2、第2の実施形態で説明した図3に示す処理と同じ処理には同じ符号を付し、ここでは図2及び図3と異なる処理について詳述する。
【0053】
図4に示すステップS201〜S301では、画像解析回路113が関心領域の代表値x及び被写体領域内の最大画素値xmax 、最小画素値xmin の3点を代表値として算出する。また、ステップS204〜S401において、抽出した3点の変動量Δx、Δxmax 、Δxmin を算出する。算出方法については、第1及び第2の実施形態に記載の方法と同様であり、その詳細は省略する。
【0054】
そして、ステップS402において、第二の画像処理回路116が画像解析回路113で算出された代表値及び変動量算出回路115で算出された変動量に基づき、第一の画像処理回路114から出力された画像に階調変換処理を施す。具体的には、図16に示すように3点の、代表値+変動量が所望の濃度となるように、それぞれ階調変換処理を行えば良い。尚、階調変換処理は図16に示すようなS字曲線に限定するものでなく、例えば図17に示すような折れ線階調を用いても良い。
【0055】
第3の実施形態によれば、関心領域の濃度を所望の濃度に安定させると共に、白とびや黒つぶれを発生させることなく被写体領域を出力濃度範囲内に収めることができる。尚、第3の実施形態では、階調変換処理で用いる代表値を3点としたが、より多くの代表値を用いる構成も可能であることは言うまでもない。
【0056】
[第4の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第2の実施形態を詳細に説明する。第4の実施形態では、関心領域内の画素値のうち代表となる画素値(代表値)を階調変換処理(1点法)することによって得られる処理結果としての濃度に対し、複数の階調変換処理以外の画像処理によって生じる濃度の変動量を算出する。そして、その変動量に基づき補正処理を行うものである。尚、第4の実施の形態における「濃度」とは、原画像データの画素値が階調変換処理された後の処理結果である画素値のことを指す。
【0057】
図5は、第4の実施形態における放射線撮影装置の構成の一例を示す図である。第4の実施形態のX線撮影装置500では、第1の実施形態で説明した図1に示す画像処理回路112に補正処理回路501を備えるものである。この構成により、第一の画像処理回路114と第二の画像処理回路116の処理順序を異ならせる場合においても、第1の実施形態と同様の効果が得られるものである。
【0058】
尚、図5に示すX線撮影装置500において、図1に示すX線撮影装置100と同様に動作する箇所には同じ符号を付し、その詳細は省略する。
【0059】
次に、第4の実施形態におけるX線撮影装置500の画像処理回路112の詳細な処理を、図6を用いて説明する。
【0060】
図6は、第4の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。尚、第1の実施形態で説明した図1に示す処理と同じ処理には同一の符号を付している。
【0061】
まず、図6に示すステップS201〜S202おいて、第1の実施形態と同様に、画像解析回路113が関心領域の代表値を算出する。次に、ステップS601において、第二の画像処理回路116が画像解析回路113で算出された代表値に基づき原画像データに階調変換処理を施す。具体的には、図18に示すように、原画像データの関心領域の代表値xが所望の濃度Dとなるように階調変換処理を行えば良い。
【0062】
次に、ステップS203において、第一の画像処理回路114が複数の画像処理を実行し、ステップS204〜S602において、変動量算出回路115が代表値xの濃度の変動量ΔDを算出する。具体的には、ステップS204で抽出した対象領域に限定した範囲に関して、ステップS205で第一の画像処理回路114から出力された画像データと第一の画像処理回路114に入力された画像データ(即ち階調変換処理がなされた画像データ)を減算する。そして、この差分データのヒストグラムを作成する。このヒストグラムは、差分値に対する出現頻度を表しており、階調変換処理がなされた画像データの対象領域の濃度値がどの程度変動したのかを示す指標となるものである。
【0063】
次に、ステップS602において、対象領域の代表的な濃度変動量ΔDを算出する。尚、代表的な変動量の算出方法に関しては、第1の実施形態と同様の方法を用いれば良い。
【0064】
そして、ステップS603において、補正処理回路501が変動した濃度を補正する。具体的には、第一の画像処理回路114から出力された画像データfin(x,y)を以下の式によりfout(x,y)に変換すればよい。
【0065】
【数2】

【0066】
第4の実施形態によれば、階調変換処理後、複数の画像処理が同時に行われたとしても、関心領域の濃度値の濃度変動量を算出し、その濃度変動量に応じて補正処理を行うことで、関心領域の濃度を所望の濃度に安定させることができる。
【0067】
[第5の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第5の実施形態を詳細に説明する。尚、第5の実施形態における放射線撮影装置の構成は、第4の実施形態で説明した図5に示す構成と同様であり、その説明は省略する。
【0068】
次に、第5の実施形態におけるX線撮影装置500の画像処理回路112の詳細な処理を、図7を用いて説明する。第5の実施形態では、被写体領域内の画素値のうちの最大値及び最小値を代表値とする。そして、これら2つの代表値を階調変換処理(2点法)することによって得られる出力結果としての濃度に対し、複数の階調変換処理以外の画像処理によって生じる濃度の変動量を算出する。そして、これら2つの代表値に対する濃度の変動量に基づき補正処理を行うものである。尚、第5の実施の形態における「濃度」とは、原画像データの画素値が階調変換処理された後の処理結果である画素値のことを指す。
【0069】
図7は、第5の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。尚、図7に示すフローチャートにおいて、第4の実施形態で説明した図6に示す処理と同じ処理には同じ符号を付し、ここでは図6と異なる処理について詳述する。
【0070】
図7に示すステップS201〜S301おいて、画像解析回路113が被写体領域内の最大画素値xmax と最小画素値xmin を代表値として算出する。次に、ステップS701において、第二の画像処理回路116が画像解析回路113で算出された代表値に基づき原画像に階調変換処理を施す。具体的には、図19に示すように被写体の最大値xmax が最大濃度Dmax 、被写体の最小値xmin が最小濃度Dmin となるように階調変換処理を行えば良い。
【0071】
次に、ステップS203において、第一の画像処理回路114が複数の画像処理を実行する。次に、ステップS204〜S702において、変動量算出回路115が濃度の変動量ΔDmax 、ΔDmin を算出する。具体的には、ステップS204で抽出した最大値と最小値に対応する対象領域に対して、ステップS205で第一の画像処理回路114の出力画像データと入力画像データ(階調変換処理後の画像データ)を減算する。そして、この差分データのヒストグラムを作成する。
【0072】
次に、ステップS702において、対象領域の濃度変動量ΔDmax 、ΔDmin を算出する。濃度変動量の算出方法に関しては、第2の実施形態と同様の方法を用いれば良い。
【0073】
次に、ステップS703において、補正処理回路501が、変動した濃度を補正する。具体的には、第一の画像処理回路114から出力された画像データfin(x,y)を以下の式によりfout(x,y)に変換すれば良い。
【0074】
【数3】

【0075】
第5の実施形態によれば、階調変換処理を行った後に複数の画像処理が行われたとしても、被写体領域の濃度変動量を算出し、濃度変動量に応じて補正処理を行うことで白とびや黒つぶれを発生させることなく被写体領域を出力濃度範囲内に収められる。
【0076】
[第6の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第6の実施形態を詳細に説明する。尚、第6の実施形態における放射線撮影装置の構成は、第4の実施形態で説明した図5に示す構成と同様であり、その説明は省略する。
【0077】
次に、第6の実施形態におけるX線撮影装置500の画像処理回路112の詳細な処理を、図8を用いて説明する。第6の実施形態では、第4の実施の形態と同様の関心領域の代表値と第5の実施の形態と同様の被写体領域の最大値及び最小値を代表値として各代表値の階調変換処理(3点法)を行う形態である。第6の実施形態では、これら3つの代表値に対対して階調変換処理を行う。そして階調変換処理の処理結果としての濃度に対し、階調変換処理以外の複数の画像処理によって生じる濃度の変動量を算出する。そして、これら3つの濃度の変動量に基づき補正処理を行うものである。尚、第6の実施の形態における「濃度」とは、原画像データの画素値が階調変換処理された後の処理結果である画素値のことを指す。
【0078】
図8は、第6の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。尚、図8に示すフローチャートにおいて、第4の実施形態で説明した図6、第5の実施形態で説明した図7に示す処理と同じ処理には同じ符号を付し、ここでは図6及び図7と異なる処理について詳述する。
【0079】
図8に示すステップS201〜S301では、画像解析回路113が関心領域の代表値x及び被写体領域内の最大画素値xmax と最小画素値xmin の3点を代表値として算出する。次に、ステップS801では、第二の画像処理回路116が画像解析回路113で算出された代表値に基づき原画像データに階調変換処理を施す。図20に示すように、関心領域の代表値xが所望の濃度Dとなり、かつ被写体の最大値xmax が最大濃度Dmax 、被写体の最小値xmin が最小濃度Dmin となるように階調変換処理を行えば良い。
【0080】
次に、ステップS203において、第一の画像処理回路114が複数の画像処理を実行し、ステップS204〜S802において、変動量算出回路115が濃度の変動量ΔDmax 、ΔD、ΔDmin を算出する。具体的には、ステップS204で抽出した最大値と最小値に対応する対象領域に対して、ステップS205で第一の画像処理回路114の出力画像データと入力画像データ(階調変換処理後の画像データ)を減算する。そして、この差分データのヒストグラムを作成する。
【0081】
次に、ステップS802において、対象領域の濃度変動量ΔDmax 、ΔD、ΔDmin を算出する。濃度変動量の算出方法に関しては、第3の実施形態と同様の方法を用いれば良い。
【0082】
次に、ステップS803において、補正処理回路501が、変動した濃度を補正する。具体的には、第一の画像処理回路114から出力された画像データfin(x,y)を以下の式によりfout(x,y)に変換すれば良い。
【0083】
【数4】

【0084】
第5の実施形態によれば、関心領域の濃度を所望の濃度に安定させると共に、白とびや黒つぶれを発生させることなく被写体領域を出力濃度範囲内に収めることができる。
【0085】
以上、好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0086】
本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システムや装置に直接又は遠隔から供給し、そのシステムや装置のコンピュータがそのプログラムのコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0087】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムのコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0088】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどがある。
【0089】
また、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、そのホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。尚、プログラムは、圧縮された自動インストール機能を含むファイルでもよい。また、プログラムを構成するコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0090】
また、プログラムを暗号化して記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0091】
また、プログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】第1の実施形態における放射線撮影装置の構成の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】第2の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第3の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第4の実施形態における放射線撮影装置の構成の一例を示す図である。
【図6】第4の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第5の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第6の実施形態における画像処理回路112の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】銀塩フィルムの特性曲線(S字曲線)を示す図である。
【図10】S字曲線を撮影画像の画素値に対応付ける2点法を示す図である。
【図11】S字曲線を撮影画像の画素値に対応付ける1点法を示す図である。
【図12】第1の実施形態におけるS字曲線を用いた階調変換処理(1点法)の一例を示す図である。
【図13】第1の実施形態における直線階調を用いた階調変換処理(1点法)の一例を示す図である。
【図14】第2の実施形態におけるS字曲線を用いた階調変換処理(2点法)の一例を示す図である。
【図15】第2の実施形態における直線階調を用いた階調変換処理(2点法)の一例を示す図である。
【図16】第3の実施形態におけるS字曲線を用いた階調変換処理(3点法)の一例を示す図である。
【図17】第3の実施形態における折れ線階調を用いた階調変換処理(3点法)の一例を示す図である。
【図18】第4の実施形態におけるS字曲線を用いた階調変換処理(1点法)の一例を示す図である。
【図19】第5の実施形態におけるS字曲線を用いた階調変換処理(2点法)の一例を示す図である。
【図20】第6の実施形態におけるS字曲線を用いた階調変換処理(3点法)の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0093】
101 X線発生回路
102 X線ビーム
103 被写体
104 2次元X線センサ
105 データ収集回路
106 前処理回路
107 CPUバス
108 CPU
109 メインメモリ
110 操作パネル
111 画像表示器
112 画像処理回路
113 画像解析回路
114 第一の画像処理回路
115 変動量算出回路
116 第二の画像処理回路
501 補正処理回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原画像データに複数の画像処理を行う画像処理装置であって、
前記原画像データの代表値を取得するための画像解析手段と、
前記原画像データに対して第一の画像処理を行う第一の画像処理手段と、
前記画像解析手段によって取得された代表値と、前記第一の画像処理が行われた代表値との間の変動量を算出する変動量算出手段と、
前記画像解析手段によって取得された代表値と前記変動量算出手段で算出された変動量とに基づいて、前記原画像データに対して第二の画像処理を行う第二の画像処理手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
原画像データに複数の画像処理を行う画像処理装置であって、
前記原画像データの代表値を取得する画像解析手段と、
前記原画像データに対して第二の画像処理を行う第二の画像処理手段と、
前記第二の画像処理が行われた原画像データに対して第一の画像処理を行う第一の画像処理手段と、
前記第二の画像処理が行われた前記代表値の処理結果に対して、前記第一の画像処理によって生じる前記代表値の処理結果の変動量を算出する変動量算出手段と、
前記変動量算出手段で算出された変動量に基づいて、前記第一の画像処理が行われた原画像データを補正する補正処理手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
前記第一の画像処理は、前記原画像データの一部又は全部を変更する処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第一の画像処理は、ダイナミックレンジ変更処理、鮮鋭化処理、ノイズ低減処理の少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第二の画像処理は、階調変換処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記代表値は、前記予め決められた領域から算出された画素値であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記変動量は、前記予め決められた領域における統計値に基づき算出されることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記統計値は、データの平均値、中央値、最頻値、最大値、最小値、標準偏差、分散、分位点の少なくとも1つであることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記補正処理手段は、前記変動量算出手段で算出された変動量に基づいて、画素値が変動された量を補正する処理であることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項10】
原画像データに複数の画像処理を行う画像処理方法であって、
前記原画像データの代表値を取得するための画像解析工程と、
前記原画像データに対して第一の画像処理を行う第一の画像処理工程と、
前記画像解析工程において取得された代表値と、前記第一の画像処理が行われた代表値との間の変動量を算出する変動量算出工程と、
前記画像解析工程において取得された代表値と前記変動量算出工程で算出された変動量とに基づいて、前記原画像データに対して第二の画像処理を行う第二の画像処理工程と、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
原画像データに複数の画像処理を行う画像処理方法であって、
前記原画像データの代表値を取得する画像解析工程と、
前記原画像データに対して第二の画像処理を行う第二の画像処理工程と、
前記第二の画像処理が行われた原画像データに対して第一の画像処理を行う第一の画像処理工程と、
前記第二の画像処理が行われた前記代表値の処理結果に対して、前記第一の画像処理によって生じる前記代表値の処理結果の変動量を算出する変動量算出工程と、
前記変動量算出工程で算出された変動量に基づいて、前記第一の画像処理が行われた原画像データを補正する補正処理工程と、
を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−212493(P2008−212493A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56373(P2007−56373)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】