画像処理装置
【課題】事前に定義した画像間の遷移効果に最適な画像を抽出して人物の顔を効果的に表示するスライドショーを提供することを可能とする。
【解決手段】上記課題を解決するために本発明に係る画像処理装置は、複数の画像を入力する画像入力手段と、入力された複数の画像を連続表示するときの、画像間の遷移効果を決定する決定手段と、入力された複数の画像の中から、決定された遷移効果に対応した条件の顔を含む画像を抽出する画像抽出手段と、画像抽出手段が抽出した画像を表示装置に連続表示するよう制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【解決手段】上記課題を解決するために本発明に係る画像処理装置は、複数の画像を入力する画像入力手段と、入力された複数の画像を連続表示するときの、画像間の遷移効果を決定する決定手段と、入力された複数の画像の中から、決定された遷移効果に対応した条件の顔を含む画像を抽出する画像抽出手段と、画像抽出手段が抽出した画像を表示装置に連続表示するよう制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像間の遷移効果に最適な画像を抽出してスライドショーを提供する技術に関する画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影した静止画や動画を素材にして、子供の成長記録や旅行の思い出などをテーマに短時間のスライドショー動画を作成するユーザが増えてきており、そういった用途に対応したアプリケーションソフトなどが商品化されている。通常、これらの作品作りには、各種画像間の遷移効果と組み合わせて時系列的に素材が並べられた動画を作成し、その後でユーザが適宜必要に応じて素材の並びを入れ替えたり、画像間の遷移効果を変更することが多い。また、各社からもこれらの一連の画像間の遷移効果をテンプレートとして後から追加提供するなどして、利用の幅を広げている。
【0003】
一方、画像中に映っている人物の顔を検出したり、その顔を認証してその人物が誰なのかを認証する撮影機器や、アプリケーションソフトなども商品化されている。こうした顔などをオブジェクトとして検出して、それらオブジェクトの情報を使ってアプリケーションに応用する技術が開示されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−278467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、静止画や動画中の人物の顔の情報をもとに、膨大な数の素材から最適な画像を抽出して、スライドショーの画像間の遷移効果がより効果的に行われることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る画像処理装置は、複数の画像を入力する画像入力手段と、入力された複数の画像を連続表示するときの、画像間の遷移効果を決定する決定手段と、入力された複数の画像の中から、決定された遷移効果に対応した条件の顔を含む画像を抽出する画像抽出手段と、画像抽出手段が抽出した画像を表示装置に連続表示するよう制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像処理は、画像間の遷移の効果に対して、入力画像から人物の顔の映っている割合の最適な画像を抽出することで、人物の顔が適切な大きさの画像を使ったスライドショーを作成することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に於ける画像処理の例を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に於ける操作時のフロー図
【図3】本発明の実施の形態1に於ける遷移効果の定義と画像の選択の例を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1に於ける遷移効果の例を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1に於ける顔の割合を考慮した遷移効果の例を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態2に於ける操作時のフロー図
【図7】本発明の実施の形態2に於ける顔の正面度を考慮した遷移効果の例を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態3に於ける操作時のフロー図
【図9】本発明の実施の形態3に於ける顔の位置を考慮した遷移効果の例を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態4に於ける画像処理の例を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態4に於ける操作時のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の符号は同一の構成要素または同様の作用、動作をなすものを表す。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明装置の実施の形態1の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、この 画像処理装置は 画像入力手段101、取得手段102、決定手段103、画像抽出手段104、読出手段105、表示制御手段106を備える。
【0012】
画像処理装置の各構成部材について説明する。まず、画像入力手段101では、対象となる画像(静止画や動画)を入力する。取得手段102では、各画像内の人物の顔を検出してその顔の情報を取得する。決定手段103では、各画像を表示する際の画像間の切り替わり時の遷移効果を定義する。読出手段105は、遷移効果のそれぞれに対応した顔の条件を読み出す。画像抽出手段104では、決定手段103で定義された遷移効果に最適な画像を、読み出した顔の条件に従い、取得手段102で取得した情報をもとに抽出する。表示制御手段106では、画像抽出手段104で抽出された画像を決定手段103で定義された効果に従って連続表示するよう制御を行う。
【0013】
次に、図2を用いて、本実施の形態1の画像処理装置の動作を説明する。
【0014】
まず、使用する画像(静止画や動画)ファイルの入力を行う(ステップS11)。次に画像を解析して、人物の顔が記録されているかどうかを解析する(ステップS12)。ステップS12で顔があるかどうかを判定し(ステップS13)、顔があると判定された場合は、画像の画面全体に対して顔の占める割合を算出する(ステップS14)。ステップS11で入力した画像の全ての顔の解析が終了したかどうかを判定し(ステップS15)、まだ終了していない場合はステップS12に、終了した場合は次のステップS16に移行する。画像を表示していく際に画像と画像の切り替え時の遷移効果を決定し、その決定された遷移効果に対して表示するのに効果的な顔の条件を読み出す(ステップS16)。それぞれの遷移効果に対して、表示するのに効果的な顔の条件については、幾つかの実施形態を後述する。ステップS16で読み出した顔の条件に適切な画像を、ステップS11で入力した画像から抽出する(ステップS17)。ステップS16で決定されたすべての遷移効果に対応する前後の画像の抽出が完了したかどうかを判定し(ステップS18)、完了していない場合はステップS16に戻り、完了した場合は次のステップS19に移行する。ステップS16で定義した遷移効果とステップS17で抽出した画像とを組み合わせて、映像を表示する(ステップS19)。
【0015】
続いて、図3を用いて、ステップS16〜ステップS18における各画像間の遷移効果とそれに対して抽出される画像の関係を説明する。
【0016】
予め画像間の遷移効果(N−1、N、N+1)がテンプレートとして定義されているものとする。それぞれの切り替え効果には人物の顔を効果的に表示するための条件として、画像中の人物の顔の映り方(大きさや、向き、位置など)が設定されている。ステップS14で取得した情報をもとに、それぞれの顔の条件に対応する画像をステップS17にて抽出し、シーンN、シーンN+1、シーンN+2の画像として当てはめていく。最終的にステップS19にて、各シーンを連続表示しながら、各シーン間が切り替わるタイミングで各遷移効果を適用して画像を表示していく。
【0017】
続いて、図4を用いて、画像切り替え時の遷移効果の一例を示す。図4では風景などのシーンAが映っている画像から、人物が映っているシーンBに遷移する場合の切り替え効果として、シーンBでの人物の顔を中心に円形の枠が徐々に広がってシーンBの画像に切り替わっている様子を示している。こうした画像間の切り替え効果を適宜連続して行っていくことで、スライドショーが作成されていく。
【0018】
続いて、図5を用いて、顔の映っている割合の最適な画像を抽出するのに適した効果の一例を示す。
【0019】
図5では、シーンAを背景に人物の映っている複数の画像(シーンB1、シーンB2)を縮小表示で、右から左へ移動していく効果を示している。シーンB1とシーンB2はサイズが小さいため人物の顔を表示していても、ある程度の大きさがないと判別しにくくなってしまう。そのため、シーンAのように背景とする画像に、シーンB1やシーンB2のように人物が撮像された画像を表示するときには、シーンB1やシーンB2に所定の面積以上を占める顔を含む画像を採用する。なお、ここでは、所定の面積以上を占める顔としたが、画像中における顔の占める割合であってもよい。こういった切り替え効果に対して、事前にステップS13〜ステップS15の間で人物の顔を抽出し、ステップS17で最適な顔の割合の条件に適合する画像を抽出する。
【0020】
以上のように実施の形態1によれば、画像間の遷移の効果に対して、背景とする画像の前面に重畳表示する画像として、所定の面積以上を占める顔を含む画像を採用することで、人物の顔が適切な大きさの画像を使ったスライドショーを作成することが可能である。
【0021】
(実施の形態2)
実施の形態1においては、顔の条件として顔の画像に占める割合とした例を説明した。一方、実施の形態2においては、顔の条件として顔の正面度とした例を説明する。図6は、実施の形態2における動作のフローチャートであるが、ステップS21以外の動作については、図2を用いて説明した実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0022】
実施の形態2の画像処理装置は、ステップS21において、画像中の人物の顔がどの程度正面を向いているかを示す正面度を取得する。
【0023】
通常は顔の向きが正面の画像を優先して選択することが望ましい場合が多いが、ここでは顔の向きが正面でない画像が望ましい場合の遷移効果の一例を図7を用いて示す。
【0024】
図7では、シーンAを背景に人物の映っている2枚の画像がそれぞれ左右に分かれて、シーンB1は上から下に移動し、シーンB2は下から上に移動していく。途中両方の画像が隣り合った時、人物の顔がお互い向き合っているように見せるため、シーンB1で使用する画像は人物の正面度が左向きのものを選び、シーンB2で使用する画像は人物の正面度が右向きのものを選ぶのが望ましい。こういった切り替え効果に対して、ステップ17で最適な顔の正面度の条件に適合する画像を抽出する。
【0025】
以上のように実施の形態2によれば、画像間の遷移の効果に対して、背景とする画像の前面に重畳表示する画像として、該遷移効果に対応する所定の顔の正面度の画像を抽出することで、人物の顔が適切な向きを向いた画像を使ったスライドショーを作成することが可能である。
【0026】
(実施の形態3)
実施の形態3においては、顔の条件として顔の画像中の位置とした例を説明する。図8は、実施の形態3における動作のフローチャートであるが、ステップS22以外の動作については、図2を用いて説明した実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0027】
実施の形態3の画像処理装置は、ステップS22において、画像中の人物顔の画像中の位置を取得する。
【0028】
続いて、図9を用いて、顔の映っている位置の最適な画像を抽出するのに適した効果の一例を示す。図9では、人物の映ったシーンAを背景に、その左側半分をシーンBが上から下へ移動していく遷移効果を示している。こうした場合、シーンAに写っている人物の顔が隠れないように予めシーンAには右側の位置に人物の顔が映っている画像を選ぶのが望ましい。こういった切り替え効果に対して、ステップ17で最適な顔の位置の条件に適合する画像を抽出する。
【0029】
以上のように実施の形態3によれば、画像間の遷移の効果に対して、前面に重畳表示する画像の背景とする画像として、前面に重畳表示する画像の位置を回避する位置に顔の映っている画像を抽出することで、画像の遷移効果にあった位置に人物の顔が表示されるスライドショーを作成することが可能である。
【0030】
(実施の形態4)
実施の形態4においては、顔の条件として予め登録した顔とした例を説明する。図10は、実施の形態4の画像処理装置の構成を示すブロック図である。図10において、201は画像中の人物の顔が誰なのかを認証する認証手段であり、それ以外の符号で図1と同じ符号を有するものは同じ機能を有するので詳細な説明は省略する。また、図11は、実施の形態4における動作のフローチャートであるが、ステップS23以外の動作については、図2を用いて説明した実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0031】
実施の形態4の画像処理装置は、顔が検出された場合にその顔が誰なのかを認証する(ステップ23)。ステップS16にて各遷移効果に対する顔の条件として特定の人物を設定するように定義されており、ステップS23にて認証した人物がステップS16で定義されている特定の人物に適合する画像を優先的に抽出する(ステップS17)。
【0032】
以上のように実施の形態4によれば、画像間の遷移の効果に対して、認証した人物を含む画像を抽出することで、ユーザー所望の人物のみが登場するスライドショーを作成することが可能である。
【0033】
(他の実施形態)
なお、本発明はコンピュータプログラムとして実現してもよい。また、電気通信回線または記録媒体等を介してそのプログラムを配布し、コンピュータを用いて本発明を実施することもできる。
【0034】
上述の通り、本発明は好ましい実施形態により詳細に説明されるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的範囲内において好ましい変形例及び修正例が可能であることは当業者にとって自明なことであろう。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明にかかる画像処理装置は、PCなどの演算処理装置であってもよいし、デジタルカメラ、ムービーカメラ、カメラ付き携帯電話のような撮像装置であってもよい。すなわち、画像処理可能な装置であれば、本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
101 画像入力手段
102 取得手段
103 決定手段
104 画像抽出手段
105 読出手段
106 表示制御手段
201 認証手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像間の遷移効果に最適な画像を抽出してスライドショーを提供する技術に関する画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、撮影した静止画や動画を素材にして、子供の成長記録や旅行の思い出などをテーマに短時間のスライドショー動画を作成するユーザが増えてきており、そういった用途に対応したアプリケーションソフトなどが商品化されている。通常、これらの作品作りには、各種画像間の遷移効果と組み合わせて時系列的に素材が並べられた動画を作成し、その後でユーザが適宜必要に応じて素材の並びを入れ替えたり、画像間の遷移効果を変更することが多い。また、各社からもこれらの一連の画像間の遷移効果をテンプレートとして後から追加提供するなどして、利用の幅を広げている。
【0003】
一方、画像中に映っている人物の顔を検出したり、その顔を認証してその人物が誰なのかを認証する撮影機器や、アプリケーションソフトなども商品化されている。こうした顔などをオブジェクトとして検出して、それらオブジェクトの情報を使ってアプリケーションに応用する技術が開示されている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−278467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、静止画や動画中の人物の顔の情報をもとに、膨大な数の素材から最適な画像を抽出して、スライドショーの画像間の遷移効果がより効果的に行われることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明に係る画像処理装置は、複数の画像を入力する画像入力手段と、入力された複数の画像を連続表示するときの、画像間の遷移効果を決定する決定手段と、入力された複数の画像の中から、決定された遷移効果に対応した条件の顔を含む画像を抽出する画像抽出手段と、画像抽出手段が抽出した画像を表示装置に連続表示するよう制御する表示制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像処理は、画像間の遷移の効果に対して、入力画像から人物の顔の映っている割合の最適な画像を抽出することで、人物の顔が適切な大きさの画像を使ったスライドショーを作成することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に於ける画像処理の例を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に於ける操作時のフロー図
【図3】本発明の実施の形態1に於ける遷移効果の定義と画像の選択の例を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1に於ける遷移効果の例を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1に於ける顔の割合を考慮した遷移効果の例を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態2に於ける操作時のフロー図
【図7】本発明の実施の形態2に於ける顔の正面度を考慮した遷移効果の例を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態3に於ける操作時のフロー図
【図9】本発明の実施の形態3に於ける顔の位置を考慮した遷移効果の例を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態4に於ける画像処理の例を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態4に於ける操作時のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明する。なお、各図面において同一の符号は同一の構成要素または同様の作用、動作をなすものを表す。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明装置の実施の形態1の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、この 画像処理装置は 画像入力手段101、取得手段102、決定手段103、画像抽出手段104、読出手段105、表示制御手段106を備える。
【0012】
画像処理装置の各構成部材について説明する。まず、画像入力手段101では、対象となる画像(静止画や動画)を入力する。取得手段102では、各画像内の人物の顔を検出してその顔の情報を取得する。決定手段103では、各画像を表示する際の画像間の切り替わり時の遷移効果を定義する。読出手段105は、遷移効果のそれぞれに対応した顔の条件を読み出す。画像抽出手段104では、決定手段103で定義された遷移効果に最適な画像を、読み出した顔の条件に従い、取得手段102で取得した情報をもとに抽出する。表示制御手段106では、画像抽出手段104で抽出された画像を決定手段103で定義された効果に従って連続表示するよう制御を行う。
【0013】
次に、図2を用いて、本実施の形態1の画像処理装置の動作を説明する。
【0014】
まず、使用する画像(静止画や動画)ファイルの入力を行う(ステップS11)。次に画像を解析して、人物の顔が記録されているかどうかを解析する(ステップS12)。ステップS12で顔があるかどうかを判定し(ステップS13)、顔があると判定された場合は、画像の画面全体に対して顔の占める割合を算出する(ステップS14)。ステップS11で入力した画像の全ての顔の解析が終了したかどうかを判定し(ステップS15)、まだ終了していない場合はステップS12に、終了した場合は次のステップS16に移行する。画像を表示していく際に画像と画像の切り替え時の遷移効果を決定し、その決定された遷移効果に対して表示するのに効果的な顔の条件を読み出す(ステップS16)。それぞれの遷移効果に対して、表示するのに効果的な顔の条件については、幾つかの実施形態を後述する。ステップS16で読み出した顔の条件に適切な画像を、ステップS11で入力した画像から抽出する(ステップS17)。ステップS16で決定されたすべての遷移効果に対応する前後の画像の抽出が完了したかどうかを判定し(ステップS18)、完了していない場合はステップS16に戻り、完了した場合は次のステップS19に移行する。ステップS16で定義した遷移効果とステップS17で抽出した画像とを組み合わせて、映像を表示する(ステップS19)。
【0015】
続いて、図3を用いて、ステップS16〜ステップS18における各画像間の遷移効果とそれに対して抽出される画像の関係を説明する。
【0016】
予め画像間の遷移効果(N−1、N、N+1)がテンプレートとして定義されているものとする。それぞれの切り替え効果には人物の顔を効果的に表示するための条件として、画像中の人物の顔の映り方(大きさや、向き、位置など)が設定されている。ステップS14で取得した情報をもとに、それぞれの顔の条件に対応する画像をステップS17にて抽出し、シーンN、シーンN+1、シーンN+2の画像として当てはめていく。最終的にステップS19にて、各シーンを連続表示しながら、各シーン間が切り替わるタイミングで各遷移効果を適用して画像を表示していく。
【0017】
続いて、図4を用いて、画像切り替え時の遷移効果の一例を示す。図4では風景などのシーンAが映っている画像から、人物が映っているシーンBに遷移する場合の切り替え効果として、シーンBでの人物の顔を中心に円形の枠が徐々に広がってシーンBの画像に切り替わっている様子を示している。こうした画像間の切り替え効果を適宜連続して行っていくことで、スライドショーが作成されていく。
【0018】
続いて、図5を用いて、顔の映っている割合の最適な画像を抽出するのに適した効果の一例を示す。
【0019】
図5では、シーンAを背景に人物の映っている複数の画像(シーンB1、シーンB2)を縮小表示で、右から左へ移動していく効果を示している。シーンB1とシーンB2はサイズが小さいため人物の顔を表示していても、ある程度の大きさがないと判別しにくくなってしまう。そのため、シーンAのように背景とする画像に、シーンB1やシーンB2のように人物が撮像された画像を表示するときには、シーンB1やシーンB2に所定の面積以上を占める顔を含む画像を採用する。なお、ここでは、所定の面積以上を占める顔としたが、画像中における顔の占める割合であってもよい。こういった切り替え効果に対して、事前にステップS13〜ステップS15の間で人物の顔を抽出し、ステップS17で最適な顔の割合の条件に適合する画像を抽出する。
【0020】
以上のように実施の形態1によれば、画像間の遷移の効果に対して、背景とする画像の前面に重畳表示する画像として、所定の面積以上を占める顔を含む画像を採用することで、人物の顔が適切な大きさの画像を使ったスライドショーを作成することが可能である。
【0021】
(実施の形態2)
実施の形態1においては、顔の条件として顔の画像に占める割合とした例を説明した。一方、実施の形態2においては、顔の条件として顔の正面度とした例を説明する。図6は、実施の形態2における動作のフローチャートであるが、ステップS21以外の動作については、図2を用いて説明した実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0022】
実施の形態2の画像処理装置は、ステップS21において、画像中の人物の顔がどの程度正面を向いているかを示す正面度を取得する。
【0023】
通常は顔の向きが正面の画像を優先して選択することが望ましい場合が多いが、ここでは顔の向きが正面でない画像が望ましい場合の遷移効果の一例を図7を用いて示す。
【0024】
図7では、シーンAを背景に人物の映っている2枚の画像がそれぞれ左右に分かれて、シーンB1は上から下に移動し、シーンB2は下から上に移動していく。途中両方の画像が隣り合った時、人物の顔がお互い向き合っているように見せるため、シーンB1で使用する画像は人物の正面度が左向きのものを選び、シーンB2で使用する画像は人物の正面度が右向きのものを選ぶのが望ましい。こういった切り替え効果に対して、ステップ17で最適な顔の正面度の条件に適合する画像を抽出する。
【0025】
以上のように実施の形態2によれば、画像間の遷移の効果に対して、背景とする画像の前面に重畳表示する画像として、該遷移効果に対応する所定の顔の正面度の画像を抽出することで、人物の顔が適切な向きを向いた画像を使ったスライドショーを作成することが可能である。
【0026】
(実施の形態3)
実施の形態3においては、顔の条件として顔の画像中の位置とした例を説明する。図8は、実施の形態3における動作のフローチャートであるが、ステップS22以外の動作については、図2を用いて説明した実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0027】
実施の形態3の画像処理装置は、ステップS22において、画像中の人物顔の画像中の位置を取得する。
【0028】
続いて、図9を用いて、顔の映っている位置の最適な画像を抽出するのに適した効果の一例を示す。図9では、人物の映ったシーンAを背景に、その左側半分をシーンBが上から下へ移動していく遷移効果を示している。こうした場合、シーンAに写っている人物の顔が隠れないように予めシーンAには右側の位置に人物の顔が映っている画像を選ぶのが望ましい。こういった切り替え効果に対して、ステップ17で最適な顔の位置の条件に適合する画像を抽出する。
【0029】
以上のように実施の形態3によれば、画像間の遷移の効果に対して、前面に重畳表示する画像の背景とする画像として、前面に重畳表示する画像の位置を回避する位置に顔の映っている画像を抽出することで、画像の遷移効果にあった位置に人物の顔が表示されるスライドショーを作成することが可能である。
【0030】
(実施の形態4)
実施の形態4においては、顔の条件として予め登録した顔とした例を説明する。図10は、実施の形態4の画像処理装置の構成を示すブロック図である。図10において、201は画像中の人物の顔が誰なのかを認証する認証手段であり、それ以外の符号で図1と同じ符号を有するものは同じ機能を有するので詳細な説明は省略する。また、図11は、実施の形態4における動作のフローチャートであるが、ステップS23以外の動作については、図2を用いて説明した実施の形態1の場合と同様であるため、説明を省略する。
【0031】
実施の形態4の画像処理装置は、顔が検出された場合にその顔が誰なのかを認証する(ステップ23)。ステップS16にて各遷移効果に対する顔の条件として特定の人物を設定するように定義されており、ステップS23にて認証した人物がステップS16で定義されている特定の人物に適合する画像を優先的に抽出する(ステップS17)。
【0032】
以上のように実施の形態4によれば、画像間の遷移の効果に対して、認証した人物を含む画像を抽出することで、ユーザー所望の人物のみが登場するスライドショーを作成することが可能である。
【0033】
(他の実施形態)
なお、本発明はコンピュータプログラムとして実現してもよい。また、電気通信回線または記録媒体等を介してそのプログラムを配布し、コンピュータを用いて本発明を実施することもできる。
【0034】
上述の通り、本発明は好ましい実施形態により詳細に説明されるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的範囲内において好ましい変形例及び修正例が可能であることは当業者にとって自明なことであろう。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明にかかる画像処理装置は、PCなどの演算処理装置であってもよいし、デジタルカメラ、ムービーカメラ、カメラ付き携帯電話のような撮像装置であってもよい。すなわち、画像処理可能な装置であれば、本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0036】
101 画像入力手段
102 取得手段
103 決定手段
104 画像抽出手段
105 読出手段
106 表示制御手段
201 認証手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を入力する画像入力手段と、
前記入力された複数の画像を連続表示するときの、画像間の遷移効果を決定する決定手段と、
前記入力された複数の画像の中から、前記決定された遷移効果に対応した条件の顔を含む画像を抽出する画像抽出手段と、
前記画像抽出手段が抽出した画像を表示装置に連続表示するよう制御する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記条件は、顔の正面度に関する条件である、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記条件は、顔の画像中の位置に関する条件である、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
入力画像に含まれる顔を、遷移効果に対応付けて登録する登録手段を、更に備え、
前記条件は、前記登録した顔に関する条件である、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数の画像を入力する画像入力ステップと、
前記入力された複数の画像を連続表示するときの、画像間の遷移効果を決定する決定ステップと、
前記入力された複数の画像の中から、前記決定された遷移効果に対応した条件の顔を含む画像を抽出する画像抽出ステップと、
前記画像抽出手段が抽出した画像を表示装置に連続表示するよう制御する表示制御ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記条件は、顔の正面度に関する条件である、
請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記条件は、顔の画像中の位置に関する条件である、
請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項8】
入力画像に含まれる顔を、遷移効果に対応付けて登録する登録ステップを、更に有し、
前記条件は、前記登録した顔に関する条件である、
請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項9】
請求項5から請求項8のいずれかに記載の画像処理方法を記述した非一時記録媒体。
【請求項1】
複数の画像を入力する画像入力手段と、
前記入力された複数の画像を連続表示するときの、画像間の遷移効果を決定する決定手段と、
前記入力された複数の画像の中から、前記決定された遷移効果に対応した条件の顔を含む画像を抽出する画像抽出手段と、
前記画像抽出手段が抽出した画像を表示装置に連続表示するよう制御する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記条件は、顔の正面度に関する条件である、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記条件は、顔の画像中の位置に関する条件である、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
入力画像に含まれる顔を、遷移効果に対応付けて登録する登録手段を、更に備え、
前記条件は、前記登録した顔に関する条件である、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
複数の画像を入力する画像入力ステップと、
前記入力された複数の画像を連続表示するときの、画像間の遷移効果を決定する決定ステップと、
前記入力された複数の画像の中から、前記決定された遷移効果に対応した条件の顔を含む画像を抽出する画像抽出ステップと、
前記画像抽出手段が抽出した画像を表示装置に連続表示するよう制御する表示制御ステップと、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項6】
前記条件は、顔の正面度に関する条件である、
請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項7】
前記条件は、顔の画像中の位置に関する条件である、
請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項8】
入力画像に含まれる顔を、遷移効果に対応付けて登録する登録ステップを、更に有し、
前記条件は、前記登録した顔に関する条件である、
請求項5に記載の画像処理方法。
【請求項9】
請求項5から請求項8のいずれかに記載の画像処理方法を記述した非一時記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−109696(P2012−109696A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255502(P2010−255502)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]