説明

画像処理装置

【課題】画像データに対するアクセス制限の設定の手間を軽減する。
【解決手段】指定された格納先に設定されたアクセス制限情報を取得し(S102)、画像データに対し読み書きパスワード及び読み出し専用パスワードのうち少なくとも一方を設定するか否かをアクセス制限情報に基づいて判断し(S104)、設定すると判断された場合にそのパスワードを画像データに設定し(S105)、画像データを格納先に格納する(S107)。これにより、画像データに対するアクセス制限の設定の手間を軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データにアクセス制限を設定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿の読み取りなどによって得られた画像データを複数のユーザで共有する場合に、画像データに対するアクセスを制限する方法がいくつか知られている。
【0003】
例えば、ネットワーク上にアクセス制限を設定した共有フォルダを設け、そこに画像データを(ファイルとして)格納する方法がある。なお、共有フォルダには、そこに格納されたファイルの読み出し及び書き込みを許可する読み書き権限(Read/Write権限)や、ファイルの読み出しのみを許可する読み出し専用権限(ReadOnly権限)などの権限をユーザ毎に設定することができる。
【0004】
しかしながら、上記方法では、例えば読み出し専用権限のユーザが共有フォルダに格納された画像データをコピーして他の場所に移した場合には、その画像データに書き込み(編集)ができてしまうという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−235716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、別の方法として、画像データ自体に読み出しのみを許可する読み出し専用パスワードや、読み出し及び書き込みを許可する読み書きパスワードを設定することが考えられる。
【0007】
しかしながら、例えば、画像データによって設定すべきアクセス制限が異なる場合などには、ユーザが、画像データ毎に、どういったパスワードを設定するか、あるいはパスワードを設定しないかを判断し、その判断に応じてパスワードを設定するなどの作業を行うことになり、手間がかかる。
【0008】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、画像データに対するアクセス制限の設定の手間を軽減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書によって開示される画像処理装置は、画像データを取得するデータ取得部と、前記画像データの格納先の指定を受け付ける受付部と、前記格納先のアクセス制限の設定を示すアクセス制限情報を取得する情報取得部と、前記画像データに対し、読み出し及び書き込みを許可するための読み書きパスワードと、読み出し及び書き込みのうち読み出しのみを許可するための読み出し専用パスワードとのうち少なくとも一方のパスワードを設定するか否かを前記アクセス制限情報に基づいて判断し、設定すると判断されたパスワードを前記画像データに設定する設定部と、前記画像データを前記格納先に格納する格納部と、を備える。
【0010】
また、上記画像処理装置は、前記アクセス制限情報が、前記格納先に対する読み出し及び書き込みのうち読み出しのみが許可される読み出し専用権限の有無をユーザ毎に定めるものであって、前記設定部は、前記アクセス制限情報において、前記読み出し専用権限を有するユーザが存在する場合に前記画像データに前記読み出し専用パスワードを設定し、前記読み出し専用権限を有するユーザが存在しない場合に前記読み出し専用パスワードを設定しない構成でもよい。
【0011】
また、上記画像処理装置は、前記読み出し専用権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記読み出し専用パスワードを通知する通知部を備える構成でもよい。
【0012】
また、上記画像処理装置は、前記アクセス制限情報が、さらに前記格納先に対する読み出し及び書き込みが許可される読み書き権限の有無をユーザ毎に定めるものであって、前記設定部は、さらに前記画像データに前記読み書きパスワードを設定し、前記通知部は、さらに前記読み書き権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記読み書きパスワードを通知する構成でもよい。
【0013】
また、上記画像処理装置は、前記設定部により設定されたパスワードを記憶装置に記憶させる記憶制御部を備え、前記通知部は、前記記憶装置に記憶されたパスワードの場所を示すアドレスを前記通知先に通知する構成でもよい。
【0014】
また、上記画像処理装置は、前記アクセス制限情報で定められた権限の有無をユーザ毎に変更する変更部を備え、前記通知部は、前記変更部により権限が変更されたユーザに対しては、変更後の権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記パスワードを通知する構成でもよい。
【0015】
また、上記画像処理装置は、前記通知部が、前記変更部により権限が拡大されたユーザに対応付けられた連絡先に、前記パスワードが設定された画像データを送信する構成でもよい。
【0016】
また、上記画像処理装置は、前記アクセス制限情報が、さらに、前記ファイルに対する読み出し及び書き込みが許可される読み書き権限の有無をユーザ毎に定めるものであって、前記格納部は、前記設定部により前記読み出し専用パスワードが設定された画像データを前記格納先に作成した第1フォルダに格納し、前記読み出し専用パスワードが設定されていない画像データを前記格納先に作成した前記第1フォルダとは別の第2フォルダに格納し、前記通知部は、前記アクセス制限情報において、前記読み出し専用権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記読み出し専用パスワードと前記第1フォルダのアドレスとを通知し、前記読み書き権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記第2フォルダのアドレスを通知する構成でもよい。
【0017】
また、上記画像処理装置は、前記アクセス制限情報が、前記格納先に対する書き込み制限の有無を定めるものであって、前記設定部は、前記アクセス制限情報において、前記書き込み制限が有る場合に前記画像データに前記読み書きパスワードを設定し、前記書き込み制限が無い場合に前記読み書きパスワードを設定しない構成でもよい。
【0018】
また、上記画像処理装置は、前記アクセス制限情報が、前記格納先に対する読み出し制限の有無を定めるものであって、前記設定部は、前記アクセス制限情報において、前記読み出し制限が有る場合に前記画像データに前記読み出し専用パスワードを設定し、前記読み出し制限が無い場合に前記読み出し専用パスワードを設定しない構成でもよい。
【0019】
なお、この発明は、画像処理装置、画像処理システム、画像データに対するパスワードの設定方法、これらの装置、システムの機能または方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、指定された格納先に設定されたアクセス制限情報を取得し、画像データに対し読み書きパスワード及び読み出し専用パスワードのうち少なくとも一方を設定するか否かをアクセス制限情報に基づいて判断し、設定すると判断された場合にそのパスワードを画像データに設定し、画像データを格納先に格納する。これにより、画像データに対するアクセス制限の設定の手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態1における複合機及びストレージサーバの概略構成を示すブロック図
【図2】実施形態1における画像データ格納処理のフローチャート
【図3】実施形態1におけるアクセス制限情報の一例を示す表
【図4】実施形態2における複合機、ストレージサーバ、及びウェブサーバの概略構成を示すブロック図
【図5】実施形態3における画像データ格納処理のフローチャート
【図6】実施形態3における画像データ格納処理において実行される通知処理のフローチャート
【図7】実施形態4における複合機及びストレージサーバの概略構成を示すブロック図
【図8】実施形態4における画像データ格納処理のフローチャート
【図9】実施形態5における複合機の概略構成を示すブロック図
【図10】実施形態5における画像データに設定するアクセス制限の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
次に本発明の実施形態1について図1から図3を参照して説明する。
本実施形態では、本発明の画像処理装置をスキャン機能、プリント機能、コピー機能、ファクシミリ機能等を備えた複合機10に適用した例を示す。
【0023】
(全体構成)
図1は、複合機10及びストレージサーバ30の概略構成を示すブロック図である。
複合機10は、CPU11、ROM12、RAM13、記憶部14、ネットワークインターフェース16、印刷部17、読取部18、ファクシミリインターフェース19、USBインターフェース20、操作部21、表示部22を備えている。
【0024】
ROM12は、後述する画像データ格納処理など、複合機10の各種動作を実行するためのプログラムを記憶しており、CPU11(設定部、変更部の一例)は、ROM12から読み出したプログラムに従って各部の制御を行う。RAM13は、CPU11の作業領域として用いられる揮発性のメモリである。記憶部14は、ハードディスクドライブやフラッシュメモリ等であって、画像データの格納等に用いられる。
【0025】
ネットワークインターフェース16(情報取得部、通知部、記憶制御部の一例)は、LANなどのネットワーク回線40に接続され、そのネットワーク回線40上に接続された端末装置(図示せず)やメールサーバ(図示せず)等との間で通信を行う。印刷部17は、シート上に画像を印刷する。読取部18(データ取得部の一例)は、原稿を読み取って読取データを出力する。
【0026】
ファクシミリインターフェース19は、公衆電話回線41に接続し、相手のファクシミリ装置(図示せず)との間でファクシミリデータを送受信する。USBインターフェース20は、USBメモリ42等の外部記憶媒体を接続することができる。操作部21(受付部の一例)は、ボタン等を備え、ユーザによる様々な指示の入力を受け付ける。表示部22は、例えばディスプレイであって、設定画面やその他の様々な画像を表示する。
【0027】
ストレージサーバ30は、CPU31、ROM32、RAM33、記憶部34、ネットワークインターフェース35を備えている。記憶部34は、ハードディスクドライブ等によって構成されており、サーバ用OSやその他のプログラムを記憶している。CPU31は、ROM32や記憶部34から読み出したプログラムに従って各部の制御を行う。ネットワークインターフェース35は、既述のネットワーク回線40に接続されている。
【0028】
また、記憶部34上には、ネットワーク回線40上に接続された複合機10や端末装置(図示せず)等から利用可能な共有フォルダ51が設けられている。さらに、記憶部34は、この共有フォルダ51に対するアクセス制限の設定を示すアクセス制限情報52を記憶しており、CPU31は、このアクセス制限情報52に定められた設定に従って共有フォルダ51に対する外部からのアクセスを制限する。
【0029】
(画像データ格納処理)
図2は、画像データ格納処理のフローチャートである。
この画像データ格納処理は、原稿を読み取って得た画像データを指定された格納先に格納する処理である。ユーザが読取部18に原稿をセットし、操作部21から画像データ格納処理の実行指示を入力することにより、CPU11は、画像データ格納処理を開始する。
【0030】
CPU11は、図2の画像データ格納処理において、まずユーザによる画像データの格納先の指定を操作部21から受け付ける(S101)。画像データの格納先としては、例えば、ストレージサーバ30の共有フォルダ51などネットワーク回線40上に設けられた共有の記憶スペースや、複合機10の記憶部34、USBインターフェース20に接続されたUSBメモリ42等の外部記憶媒体などのうちから、任意の格納先を指定することができる。本実施形態では、ユーザが画像データの格納先としてストレージサーバ30の記憶部34上の共有フォルダ51を指定する例を述べる。
【0031】
なお、ここでは、ユーザが操作部21を用いて格納先のアドレスを入力してもよく、あるいは予め記憶部14に登録された複数のアドレスの中からユーザが格納先のアドレスを選択してもよい。
【0032】
格納先が指定されると、CPU11は、指定された格納先へのアクセスを管理するストレージサーバ30に対し、格納先である共有フォルダ51に対して設定されたアクセス制限情報52の要求をネットワークインターフェース16によって送信し、その応答としてストレージサーバ30からアクセス制限情報52を取得する(S102)。
【0033】
なお、複合機10の記憶部14には、ストレージサーバ30からアクセス制限情報52を取得する権限と、共有フォルダ51の読み出し及び書き込みを行う権限とを有するユーザ名及びパスワードが予め記憶されている。CPU11は、そのユーザ名及びパスワードをアクセス制限情報52の要求とともに送信して、ストレージサーバ30からアクセス制限情報52を取得する。なお、ここでは、予め記憶されたユーザ名等を使用する代わりに、ユーザにユーザ名及びパスワードを操作部21から入力させ、入力されたユーザ及びパスワードをストレージサーバ30に送信するようにしてもよい。
【0034】
図3は、アクセス制限情報52の一例を示す表である。このアクセス制限情報52は、格納先である共有フォルダ51に格納されたファイルの読み出し及び書き込みを許可する読み書き権限(Read/Write権限)、及び、ファイルの読み出しのみを許可する読み出し専用権限(Read Only権限)の有無をユーザ毎に規定したものである。
【0035】
この例のアクセス制限情報52は、読み書き権限のみを有するユーザA、読み出し専用権限のみを有するユーザB、読み書き権限及び読み出し専用権限のいずれも有していないユーザCを含んでいる。なお、同じユーザが読み書き権限及び読み出し専用権限の両方を有することはない。
【0036】
また、アクセス制限情報52には、各ユーザに対応付けられたメールアドレス(連絡先の一例)が付加されている。なお、メールアドレスは、アクセス制限情報52に含まれていなくてもよく、例えば、複合機10の記憶部14に、予めユーザとそのメールアドレス(連絡先)とを登録しておき、CPU11がアクセス制限情報52に含まれる各ユーザに対応するメールアドレスを記憶部14に登録された情報から読み出すようにしてもよい。
【0037】
また、アクセス制限情報52そのものがストレージサーバ30の記憶部34に記憶されていなくてもよい。例えば、ストレージサーバ30の記憶部34が様々な種類のアクセス制限に関する情報を記憶しており、CPU31が複合機10からの要求に応じてその上から必要な情報のみを取り出し、アクセス制限情報52として複合機10に送信するようにしてもよい。
【0038】
次にCPU11は、読取部18により原稿を読み取り、出力される読取データをRAM13上に取得する(S103)。ここでCPU11は、取得した読取データを所定のファイル形式の画像データに変換する。このファイル形式は、本実施形態では、画像データの読み出し及び書き込みを許可するための読み書きパスワードと、読み出し及び書き込みのうち読み出しのみを許可するための読み出し専用パスワードとをそれぞれ設定可能なファイル形式とする。
【0039】
具体的には、読み出し専用パスワード(ユーザパスワード)と読み書きパスワード(マスタパスワード)とを設定可能なファイル形式として、PDF(Portable Document Format)がある。
【0040】
そして、CPU11は、アクセス制限情報に読み出し専用権限を有するユーザが存在するかを判断する(S104)。図3のユーザBのように、読み出し専用権限を有するユーザが存在する場合(S104:YES)には、読み出し専用パスワードを乱数などを用いて生成し、その読み出し専用パスワードを画像データに対して設定する(S105)。
【0041】
CPU11は、S104にて読み出し専用権限を有するユーザが存在しない場合(S104:NO)、または、S105にて画像データに対し読み出し専用パスワードを設定した場合には、読み書きパスワードを乱数などを用いて生成し、その読み書きパスワードを画像データに対して設定する(S106)。
【0042】
なお、本実施形態において、アクセス制限情報52は、読み書き権限を有するユーザとして、複合機10から格納先に書き込みを行うユーザを含んでいるものとする。そのため、この画像データ格納処理では、読み書き権限を有するユーザが存在するかを判断する処理を行わずに、読み書き権限を有するユーザが存在するものとして動作する。
【0043】
次にCPU11は、パスワードが設定された画像データを指定された格納先に格納する(S107)。ここでCPU11は、ネットワークインターフェース16により画像データをストレージサーバ30に送信し、ストレージサーバ30のCPU31は、受信した画像データを記憶部34上の共有フォルダ51に記憶する。
【0044】
続いてCPU11は、アクセス制限情報52に読み出し専用権限を有するユーザが存在するかをS104と同様に判断する(S108)。そして、読み出し専用権限を有するユーザが存在する場合(S108:YES)には、そのユーザに対応付けられたメールアドレス(図3の例では、ユーザBに対応付けられたメールアドレス「b@example.com」)に格納先のアドレス(画像データのファイル名を含む)と読み出し専用パスワードとを含む電子メールをネットワークインターフェース16を介して送信する(S109)。
【0045】
この電子メールは、メールサーバを介して読み出し専用権限を有するユーザに届けられる。ユーザは、例えば、ネットワーク回線40に接続された端末装置等から、電子メールに含まれる格納先のアドレスに基づいて格納先の画像データにアクセスし、例えば、その画像データを端末装置にコピーし、その画像データを読み出し専用パスワードを用いて閲覧することができる。
【0046】
CPU11は、S108にてアクセス制限情報52に読み出し専用権限を有するユーザが存在しない場合(S108:NO)、または、S109にて読み出し専用権限を有するユーザに電子メールを送信した場合には、アクセス制限情報52において読み書き権限を有するユーザに対応付けられたメールアドレスに画像データの格納先のアドレスと読み書きパスワードとを含む電子メールを送信し(S110)、この画像データ格納処理を終了する。この電子メールを受けたユーザは、例えば格納先のアドレスから画像データを入手し、読み書きパスワードを用いてその画像データを閲覧したり、編集したりすることができる。
【0047】
(実施形態1の効果)
以上のように本実施形態によれば、指定された格納先に設定されたアクセス制限情報52を取得し、画像データに対し読み出し専用パスワードを設定するか否かをアクセス制限情報に基づいて判断し、設定すると判断された場合に読み出し専用パスワードを画像データに設定し、画像データを格納先に格納する。言い換えれば、画像データの格納先に設定されたアクセス制限の有無に応じて、画像データに設定するパスワードの有無を決定し、その決定に従ってパスワードを設定する。これにより、画像データに対するアクセス制限の設定の手間を軽減することができる。
【0048】
また、アクセス制限情報52は、格納先に対する読み出し専用権限の有無をユーザ毎に定めるものであって、アクセス制限情報52において、読み出し専用権限を有するユーザが存在する場合に画像データに読み出し専用パスワードを設定し、読み出し専用権限を有するユーザが存在しない場合に読み出し専用パスワードを設定しない。
【0049】
これにより、格納先に対し読み出し専用権限を有するユーザが存在する場合には、画像データに読み出し専用パスワードを設定するため、画像データの読み出しのアクセス制限を設定することができる。
【0050】
また、読み出し専用権限を有するユーザが存在しない場合には、読み出し専用パスワードが設定されないため、画像データに不要なパスワードが設定されることを回避できる。従って、ユーザが画像データを閲覧する際などに読み出し専用パスワードを要求されずに済む。
【0051】
また、読み出し専用権限を有するユーザに対応付けられたメールアドレスに読み出し専用パスワードを通知するため、読み出し専用権限を有するユーザが適切な権限で画像データにアクセスすることができる。
【0052】
また、アクセス制限情報52は、さらに格納先に対する読み書き権限の有無をユーザ毎に定めるものであって、画像データに読み書きパスワードを設定し、読み書き権限を有するユーザに対応付けられたメールアドレスにその読み書きパスワードを通知する。これにより、読み書き権限を有するユーザが適切な権限で画像データにアクセスすることができる。
【0053】
<実施形態2>
次に実施形態2について図4を参照して説明する。
本実施形態では、ウェブサーバ60を介してユーザにパスワードを通知する例を示す。図4は、複合機10、ストレージサーバ30、及びウェブサーバ60の概略構成を示すブロック図である。複合機10及びストレージサーバ30の構成や、画像データ格納処理のの大部分は上記実施形態と同様であるので、以下の説明では、上記実施形態と相違する箇所を主に説明する。
【0054】
ウェブサーバ60は、CPU61、ROM62、RAM63、記憶部64、ネットワークインターフェース65を備えている。CPU61は、ROM62及び記憶部64(記憶装置の一例)に記憶されたウェブサーバ用のプログラム等に従って各部を制御する。ネットワークインターフェース65は、既述のネットワーク回線40に接続されている。なお、ネットワークインターフェース65は、インターネット回線を介してネットワーク回線40に接続される構成としてもよい。
【0055】
上記実施形態では、図2に示す画像データ格納処理のS109にて、読み出し専用権限を有するユーザのメールアドレスに読み出し専用パスワードを含む電子メールを送信し、S110にて、読み書き権限を有するユーザのメールアドレスに読み書きパスワードを含む電子メールを送信するものを示したが、本実施形態では、これらの処理に代えて以下の処理を実行する。
【0056】
複合機10のCPU11は、S109において、読み出し専用パスワード55をネットワークインターフェース16によりウェブサーバ60に送信する。これを受けてウェブサーバ60のCPU61は、受信した読み出し専用パスワード55を記憶部64に記憶し、その読み出し専用パスワード55の場所を示すURL(Uniform Resource Locator)を生成し、複合機10に送信する。
【0057】
複合機10のCPU11は、読み出し専用パスワード55のURLを受信すると、そのURLと格納先の画像データのアドレスとを含む電子メールを、読み出し専用権限を有するユーザに対応付けられたメールアドレスに送信する。また、CPU11は、S110において、同様に、読み書きパスワード56をウェブサーバ60に送信し、ウェブサーバ60から読み書きパスワード56のURLを受信し、そのURLと画像データの格納先のアドレスとを含む電子メールを読み書き権限を有するユーザのメールアドレスに送信する。
【0058】
上述の電子メールを受け取ったユーザが、端末装置(図示せず)等からウェブブラウザを用いて電子メールに含まれるURLにリクエストを送信すると、ウェブサーバ60のCPU61は、そのURLに対応するパスワードを表示するウェブページを生成して返信する。従って、ユーザは、電子メールに含まれる格納先のアドレスから入手される画像データに対し、ウェブブラウザ上に表示されるパスワードを用いてアクセスすることができる。
【0059】
また、ウェブサーバ60のCPU61は、上記パスワードのURLへのリクエストを受信した場合には、そのリクエストを送信した端末装置のアドレスをパスワードと対応付けて記憶部64に管理データ57として記憶する。なお、端末装置側からユーザ名を受信してパスワードと対応付けて管理データ57に記憶してもよい。この管理データ57に基づいて、パスワードがどのユーザによって入手されたか等の情報を管理することができる。
【0060】
以上のように本実施形態によれば、複合機10からユーザの連絡先にパスワードを直接的に通知するのではなく間接的に通知する。これにより、パスワードを取得したユーザの管理などを容易に行うことができる。
【0061】
<実施形態3>
次に本発明の実施形態3について図5及び図6を参照して説明する。
本実施形態では、画像データに設定されるアクセス制限をユーザが変更可能な構成を示す。
【0062】
図5は、画像データ格納処理のフローチャートであり、図6は、画像データ格納処理に含まれる通知処理のフローチャートである。図5の画像データ格納処理のうち図1と同様の処理については同一の番号を付して説明を簡略にする。また、複合機10及びストレージサーバ30の構成は図1と同様であり、以下の説明では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0063】
複合機10のCPU11は、図5の画像データ格納処理において、指定された格納先のアクセス制限情報52を取得し(S102)、原稿を読み取って画像データを取得した(S103)後、画像データに設定するアクセス制限をユーザが変更するための画面を表示部22に表示する(S201)。ここで、表示部22には、例えば、図3の表のように、アクセス制限情報52に含まれるユーザと、各ユーザの権限との関係を示す画面を表示する。
【0064】
ユーザは、操作部21から指示を入力することで、各ユーザの権限を変更することができる。例えば、読み書き権限を有するユーザAを読み出し専用権限に変更したり、読み出し専用権限を有するユーザBを読み書き権限に変更したり、あるいはいずれの権限も有さないユーザCに読み書き権限を加えたりすることができる。さらに、アクセス制限情報52に含まれていないユーザDを新たに追加し、権限を設定することもできる。この場合、新しく追加したユーザのメールアドレスをユーザに操作部21から入力させるようにしてもよい。なお、変更後のアクセス制限情報はRAM13上に記憶され、格納先であるストレージサーバ30のアクセス制限情報52は変更されない。
【0065】
続いてCPU11は、変更後のアクセス制限情報において、読み出し専用権限を有するユーザが存在するかを判断し(S104)、存在する場合(S104:YES)には、読み出し専用パスワードを生成して画像データに付与する(S105)。その後、読み書きパスワードを生成して画像データに付与し(S106)、その画像データを格納先に格納する(S107)。次にCPU11は、各ユーザにパスワード等を通知するための通知処理を実行した後(S202)、この画像データ格納処理を終了する。
【0066】
CPU11は、図6に示す通知処理において、変更後のアクセス制限情報に含まれる1ユーザに設定されている権限を読み出し(S301)、そのユーザの権限がS201において変更されたかを判断する(S302)。そして、ユーザの権限が変更されていない場合(S302:NO)には、そのユーザが読み書き権限を有していれば(S303:YES)、画像データの格納先のアドレスと読み書きパスワードとを含む電子メールをそのユーザのメールアドレスに送信する(S304)。
【0067】
また、CPU11は、ユーザが読み出し専用権限を有していれば(S303:NO、S305:YES)、画像データの格納先のアドレスと読み出し専用パスワードとを含む電子メールをそのユーザのメールアドレスに送信する(S306)。従って、S304またはS306の処理では、ユーザは通知された格納先のアドレスとパスワードとを用いて画像データに適切な権限でアクセスすることができる。また、CPU11は、ユーザが読み書き権限と読み出し専用権限とのいずれも有していなければ(S305:NO)、そのユーザに対しては何も通知しない。
【0068】
また、CPU11は、S302において、ユーザの権限が変更されている場合(S302:YES)には、そのユーザの変更後の権限が読み書き権限であれば(S307:YES)、読み書きパスワードを含み、かつ画像データを添付ファイルとして含む電子メールをユーザのメールアドレスに送信する(S308)。
【0069】
即ち、読み出し専用権限及び読み書き権限のいずれも有していないユーザの権限を読み書き権限に拡大した場合には、ユーザが格納先のアドレスの画像データにアクセスすることができない。また、読み出し専用権限を有するユーザの権限を読み書き権限に拡大した場合には、ユーザが格納先の画像データへの書き込みができない。そこで、そうしたユーザに対し、画像データと読み書きパスワードとを送ることで、ユーザが画像データに対して適切な権限でアクセスすることができる。
【0070】
また、CPU11は、ユーザの変更後の権限が読み出し専用権限であれば(S307:NO、S309:YES)、そのユーザに読み出し専用パスワードと画像データとを含む電子メールを送信する(S310)。即ち、読み出し専用権限及び読み書き権限のいずれも有していないユーザの権限が読み出し専用権限に拡大された場合には、ユーザが格納先のアドレスの画像データにアクセスすることができないため、そのユーザに対し画像データと読み出し専用パスワードとを送ることで、ユーザが画像データに対し変更後の権限でアクセスすることができる。
【0071】
また、格納先に対し読み書き権限を有するユーザの画像データに対する権限が読み出し専用権限に変更された場合には、ユーザに対し画像データと読み出し専用パスワードとを送ることで、ユーザが画像データに対し変更後の権限でアクセスすることができる。この場合は、そのユーザに格納先のアドレスと読み出し専用パスワードとを通知するようにしてもよい。また、CPU11は、権限の変更後にユーザが読み出し専用権限及び読み書き権限のいずれも有していない場合(S309:NO)には、何も送信しない。
【0072】
上述の処理(S304、S306、S305:NO、S308、S310、S309:NO)を終えた後、CPU11は、変更後のアクセス制限情報に次のユーザが存在するかを判断し(S311)、次のユーザが存在する場合(S311:YES)には、S301に戻り、そのユーザについて同様の処理を行う。そして、全てのユーザについて同様の処理を終えた場合(S311:NO)には、この通知処理を終了する。
【0073】
以上のように本実施形態によれば、アクセス制限情報で定められた権限の有無をユーザ毎に変更でき、権限が変更されたユーザに対しては、変更後の権限を有するユーザに対応付けられた連絡先にパスワードを通知する。これにより、ユーザがアクセス権限情報で定められた権限を変更することができるため、利便性がよい。
【0074】
また、権限が拡大されたユーザにパスワードが設定された画像データを送信することにより、ユーザが変更後の権限にて画像データにアクセスすることが可能になる。
【0075】
<実施形態4>
次に本発明の実施形態4について図7及び図8を参照して説明する。
本実施形態では、画像データをユーザのアクセス制限に応じて異なるフォルダに格納する例を示す。
【0076】
図7は、本実施形態における複合機10及びストレージサーバ30の概略構成を示すブロック図であり、図8は、画像データ格納処理のフローチャートである。複合機10及びストレージサーバ30の基本的な構成は図1と同様であり、以下の説明では、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0077】
CPU11は、図8の画像データ格納処理を開始すると、まずユーザによる画像データの格納先の指定を受け付け(S401)、続いて格納先のアクセス制限情報52を取得する(S402)。そして、読取部18により原稿を読み取って画像データを取得する(S403)。
【0078】
次にCPU11は、アクセス制限情報52に読み出し専用権限を有するユーザが存在するかを判断する(S404)。そして、読み出し専用権限を有するユーザが存在する場合(S404:YES)には、読み出し専用パスワードと読み書きパスワードとを生成し、取得された画像データの複製を作成して、その画像データに両パスワードを設定する(S405)。なお、この処理では、読み書きパスワードを生成と設定とを省略してもよい。
【0079】
そして、CPU11は、ネットワークインターフェース16により、ストレージサーバ30に対し第1フォルダ71の作成要求を送信し、格納先である記憶部34の共有フォルダ51下に第1フォルダ71を作成させる(S406)。そして、その第1フォルダ71下に読み出し専用パスワード及び読み書きパスワードが設定された画像データを格納する(S407)。そして、読み出し専用権限を有するユーザに格納先のアドレスと読み出し専用パスワードとを含む電子メールを送信する(S408)。
【0080】
CPU11は、S404にて読み出し専用権限を有するユーザが存在しない場合(S404:NO)、またはS408にて読み出し専用権限を有するユーザにパスワード等を通知した場合には、読み書きパスワードを生成し、複製でない元の画像データに設定する(S409)。そして、ストレージサーバ30に対し、格納先である共有フォルダ51下に第2フォルダ72を作成させ(S410)、その第2フォルダ72下に読み書きパスワードを設定した画像データを格納する(S411)。そして、読み書き権限を有するユーザに画像データの格納先のアドレスと読み書きパスワードとを含む電子メールを送信し(S412)、この画像データ格納処理を終了する。
【0081】
なお、例えば、第1フォルダ71、第2フォルダ72にランダムな文字列で生成した名称を付したり、共有フォルダ51下に両フォルダ71,72以外に多数のフォルダを設けたりすることで、ユーザがアドレスの通知されていないフォルダの画像データを見つけにくくすることができる。
【0082】
なお、第2フォルダ72の画像データには、読み書き権限パスワードの付与を省略することができる。この場合、読み書き権限を有するユーザは、パスワードを入力しなくても画像データの読み出し及び書き込みを行うことができる。
【0083】
以上のように本実施形態によれば、読み出し専用パスワードが設定された画像データを格納先に作成した第1フォルダ71に格納し、読み出し専用パスワードが設定されていない画像データを格納先に作成した第2フォルダ72に格納し、読み出し専用権限を有するユーザのメールアドレスに読み出し専用パスワードと第1フォルダ71のアドレスとを通知し、読み書き権限を有するユーザのメールアドレスに第2フォルダ72のアドレスを通知する。これにより、読み書き権限を有するユーザは、画像データにアクセスする際に読み出し専用パスワードを入力する手間を省くことができる。
【0084】
<実施形態5>
次に本発明の実施形態5について図9及び図10を参照して説明する。
本実施形態では、画像データの格納先として複合機10の記憶部14に設けられたボックス75が指定される例を示す。
【0085】
図9は、本実施形態における複合機10の概略構成を示すブロック図であり、図10は画像データに設定するアクセス制限の例を示す図である。なお、複合機10の基本的な構成は、図1のものと同様であり、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0086】
複合機10の記憶部14には、画像データ等を格納することができるボックス75が1つまたは複数設けられている。ボックス75には、パスワードによるアクセス制限を設定することができ、記憶部14は、ボックス75のアクセス制限の有無等を定めるアクセス制限情報76を記憶している。
【0087】
ボックス75には、読み出し制限と書き込み制限とをそれぞれ設定可能である。読み出し制限を有効に設定した状態では、読み出しパスワードが設定され、ユーザが操作部21等から読み出しパスワードを入力することにより、ボックス75に格納された画像データの読み出しが許可される。具体的には、例えば、画像データの印刷部17での印刷、ネットワークインターフェース16に接続された端末装置やUSBインターフェース20に接続されたUSBメモリ42等への画像データの出力、表示部22への画像データの表示などが許可される。
【0088】
また、書き込み制限を有効に設定した状態では、書き込みパスワードが設定され、ユーザが操作部21等から書き込みパスワードを入力することにより、ボックス75への画像データの書き込みが許可される。具体的には、例えば、読取部18で原稿を読み取って得られた画像データの書き込みや、あるいは、ネットワークインターフェース16やUSBインターフェース20を介して外部から取得した画像データの書き込みなどが許可される。
【0089】
CPU11は、アクセス制限情報76に含まれる格納先のボックス75に対するアクセス制限の有無に応じて、画像データに対し読み出し専用パスワード、読み書きパスワードをそれぞれ設定するか否かを判断し、設定すると判断されたパスワードを設定する。
【0090】
例えば、図10に示すように、ボックス75に読み出しパスワードが設定されている場合には、画像データに読み出し専用パスワードを設定し、読み出しパスワードが設定されていない場合には、画像データに読み出し専用パスワードを設定しない。また、ボックス75に書き込みパスワードが設定されている場合には、画像データに書き込みパスワードを設定し、書き込みパスワードが設定されていない場合には、書き込みパスワードを設定しない。
【0091】
以上のように本実施形態によれば、アクセス制限の有無に応じてパスワードを設定するため、画像データに対するアクセス制限の設定を容易に行うことができる。
【0092】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0093】
(1)格納先のアクセス権限を有するユーザが存在するかを判断する場合には、必ずしも設定された全てのユーザを対象として判断しなくてもよい。例えば、格納先にアクセス権限が設定されたユーザのうちから、管理者等の特定のユーザを除いた一部のユーザを対象として判断してもよい。
【0094】
なお、この場合、アクセス制限情報において読み書き権限を有するユーザが常に存在するとは限らない。そこで、図2,図5等の画像データ格納処理において、読み書き権限を有するユーザが存在するかを判断し、存在する場合に読み書きパスワードを生成し、画像データに付与し、読み書きパスワードをユーザに通知するようにし、存在しない場合には、読み書きパスワードの生成、付与、通知を行わないようにしてもよい。
【0095】
(2)上記各実施形態では、画像データに対して設定するパスワードを生成するものを示したが、パスワードは、予め用意されたものを用いてもよい。但し、新たに生成されたパスワードを用いることでセキュリティ性を高めることができる。
【0096】
(3)格納先に設定されるアクセス制限の内容と、画像データに設定するアクセス制限の内容との対応関係は上述のものに限らず、適宜変更できる。例えば、格納先としてUSBメモリ42等の外部記憶媒体が指定された場合に、その外部記憶媒体にパスワード等による読み書き制限が設定されている場合に、画像データに読み書きパスワードを付与し、読み書き権限が設定されていない場合に画像データに読み書きパスワードを付与しないようにしてもよい。
【0097】
(4)上記実施形態では、画像データに対し読み出し専用パスワードと読み書きパスワードとの両方を設定可能な例を示したが、これらのうちいずれか一方のみが設定可能であればよい。
【0098】
(5)上記各実施形態では、原稿を読み取って取得した画像データを格納するものを示したが、これに限らず、画像データは様々な形態で取得することができる。また、上記実施形態では、本発明をスキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等を備えた複合機に適用した例を示したが、複合機に限らず、本発明は、取得した画像データにパスワードを設定し格納先に格納する機能を備えた画像処理装置に適用できる。
【0099】
例えば、本発明は、ファクシミリインターフェース19により受信したファクシミリデータを所定のファイル形式の画像データに変換し、格納先に格納するファクシミリ装置にも適用できる。また、本発明は、USBインターフェース20やそのカード接続インターフェース等に接続されたUSBメモリ42等の外部記憶媒体から読み出した画像データ、あるいはネットワークインターフェース16を介して端末装置等から受信した画像データを指定された格納先に格納する画像処理装置にも適用できる。
【0100】
(6)上記実施形態では、設定部、変更部をいずれも同じCPUによって実現する例を示したが、本発明によれば、これらは、互いに別のCPU、若しくはASICやその他の回路によって構成することができる。
【符号の説明】
【0101】
10…複合機、11…CPU、14…記憶部、16…ネットワークインターフェース、18…読取部、19…ファクシミリインターフェース、20…USBインターフェース、21…操作部、30…ストレージサーバ、34…記憶部、52…アクセス制限情報、60…ウェブサーバ、64…記憶部、71…第1フォルダ、72…第2フォルダ、76…アクセス制限情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを取得するデータ取得部と、
前記画像データの格納先の指定を受け付ける受付部と、
前記格納先のアクセス制限の設定を示すアクセス制限情報を取得する情報取得部と、
前記画像データに対し、読み出し及び書き込みを許可するための読み書きパスワードと、読み出し及び書き込みのうち読み出しのみを許可するための読み出し専用パスワードとのうち少なくとも一方のパスワードを設定するか否かを前記アクセス制限情報に基づいて判断し、設定すると判断されたパスワードを前記画像データに設定する設定部と、
前記画像データを前記格納先に格納する格納部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記アクセス制限情報は、前記格納先に対する読み出し及び書き込みのうち読み出しのみが許可される読み出し専用権限の有無をユーザ毎に定めるものであって、
前記設定部は、前記アクセス制限情報において、前記読み出し専用権限を有するユーザが存在する場合に前記画像データに前記読み出し専用パスワードを設定し、前記読み出し専用権限を有するユーザが存在しない場合に前記読み出し専用パスワードを設定しない、画像処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像処理装置において、
前記読み出し専用権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記読み出し専用パスワードを通知する通知部を備える、画像処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像処理装置において、
前記アクセス制限情報は、さらに前記格納先に対する読み出し及び書き込みが許可される読み書き権限の有無をユーザ毎に定めるものであって、
前記設定部は、さらに前記画像データに前記読み書きパスワードを設定し、
前記通知部は、さらに前記読み書き権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記読み書きパスワードを通知する、画像処理装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の画像処理装置において、
前記設定部により設定されたパスワードを記憶装置に記憶させる記憶制御部を備え、
前記通知部は、前記記憶装置に記憶されたパスワードの場所を示すアドレスを前記通知先に通知する、画像処理装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
前記アクセス制限情報で定められた権限の有無をユーザ毎に変更する変更部を備え、
前記通知部は、前記変更部により権限が変更されたユーザに対しては、変更後の権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記パスワードを通知する、画像処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理装置において、
前記通知部は、前記変更部により権限が拡大されたユーザに対応付けられた連絡先に、前記パスワードが設定された画像データを送信する、画像処理装置。
【請求項8】
請求項3に記載の画像処理装置において、
前記アクセス制限情報は、さらに、前記ファイルに対する読み出し及び書き込みが許可される読み書き権限の有無をユーザ毎に定めるものであって、
前記格納部は、前記設定部により前記読み出し専用パスワードが設定された画像データを前記格納先に作成した第1フォルダに格納し、前記読み出し専用パスワードが設定されていない画像データを前記格納先に作成した前記第1フォルダとは別の第2フォルダに格納し、
前記通知部は、前記アクセス制限情報において、前記読み出し専用権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記読み出し専用パスワードと前記第1フォルダのアドレスとを通知し、前記読み書き権限を有するユーザに対応付けられた連絡先に前記第2フォルダのアドレスを通知する、画像処理装置。
【請求項9】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記アクセス制限情報は、前記格納先に対する書き込み制限の有無を定めるものであって、
前記設定部は、前記アクセス制限情報において、前記書き込み制限が有る場合に前記画像データに前記読み書きパスワードを設定し、前記書き込み制限が無い場合に前記読み書きパスワードを設定しない、画像処理装置。
【請求項10】
請求項1または請求項9に記載の画像処理装置において、
前記アクセス制限情報は、前記格納先に対する読み出し制限の有無を定めるものであって、
前記設定部は、前記アクセス制限情報において、前記読み出し制限が有る場合に前記画像データに前記読み出し専用パスワードを設定し、前記読み出し制限が無い場合に前記読み出し専用パスワードを設定しない、画像処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−199618(P2012−199618A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60692(P2011−60692)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】