説明

画像処理装置

【課題】 編集済み画像データに対して適切な色変換プロファイルを対応付け得る技術を提供すること。
【解決手段】 多機能機は、JPEGデータと高品質ICCプロファイルを取得し(S10)、JPEGデータを編集する(S12)。多機能機は、編集の内容がモノクロ変換である場合(S16でYESの場合)に、高品質ICCプロファイルよりも小さいデータサイズを有するモノクロ用ICCプロファイルを準備する(S18)。多機能機は、編集の内容が画素数の低減である場合(S20でNOの場合)、又は、編集の内容が圧縮率の増大である場合(S22でNOの場合)には、高品質ICCプロファイルよりも小さいデータサイズを有する低品質ICCプロファイルを準備する(S26)。多機能機は、編集済みJPEGデータと、準備済みICCプロファイルと、を含むデータファイルを、メモリに記憶させる(S28)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、画像データを編集して、編集済み画像データを生成する画像処理装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置は、通常、画像ファイル内に画像データと色変換プロファイルとが含まれる場合には、色変換プロファイルを用いて、画像データによって表わされる画像を再現する。また、画像処理装置は、通常、画像ファイル内の画像データを編集する場合には、色変換プロファイルを用いて画像データを編集することによって編集済み画像データを生成する。そして、画像処理装置は、編集済み画像データと、編集の際に用いた上記の色変換プロファイルと、を含む画像ファイルを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−91989号公報
【特許文献2】特開2008−10946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、編集済み画像データと色変換プロファイルとの関係について、あまり考慮されていなかった。本明細書では、画像データが編集される場合に、編集済み画像データに対して適切な色変換プロファイルを対応付け得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される画像処理装置は、取得部と、編集部と、準備部と、記憶制御部と、を備える。取得部は、元画像データと、元画像データに対応付けられている第1の色変換プロファイルと、を取得する。編集部は、第1の色変換プロファイルを用いて元画像データを編集して、編集済み画像データを生成する。準備部は、編集部が、元画像データのデータサイズよりも小さいデータサイズを有する編集済み画像データを生成する第1の場合に、第1の色変換プロファイルと異なる第2の色変換プロファイルを準備する。第2の色変換プロファイルのデータサイズは、第1の色変換プロファイルのデータサイズよりも小さい。記憶制御部は、第1の場合に、編集済み画像データと、第2の色変換プロファイルと、を対応付けて、メモリに記憶させる。
【0006】
上記の構成によると、画像処理装置は、元画像データに対してデータサイズを小さくするための編集を実行する第1の場合に、その編集に合わせて、編集済み画像データに対応付けられるべき色変換プロファイルのデータサイズも小さくする。従って、画像処理装置は、編集済み画像データに対して、過剰な品質(即ち比較的に大きいデータサイズ)を有する色変換プロファイルが対応付けられるのを抑制し得る。このために、画像処理装置は、編集済み画像データに対して、適切なデータサイズを有する第2の色変換プロファイルを対応付けることができる。
【0007】
なお、準備部は、元画像データのデータサイズよりも小さいデータサイズを有する編集済み画像データが生成されるのか否かに関わらず、編集部が、カラー画像を表わす元画像データを編集して、モノクロ画像を表わす編集済み画像データを生成する第2の場合に、第1の色変換プロファイルと異なる第2の色変換プロファイルを準備してもよい。
【0008】
モノクロ画像を表わす画像データに対して色変換を実行するために必要なデータ量は、通常、カラー画像を表わす画像データに対して色変換を実行するために必要なデータ量よりも少なくて済む。このような知見に鑑みて、画像処理装置は、カラー画像を表わす元画像データからモノクロ画像を表わす編集済み画像データを生成するための編集を実行する第2の場合に、その編集に合わせて、編集済み画像データに対応付けられるべき色変換プロファイルのデータサイズも小さくする。従って、画像処理装置は、編集済み画像データに対して、過剰な品質(即ち比較的に大きいデータサイズ)を有する色変換プロファイルが対応付けられるのを抑制し得る。このために、画像処理装置は、編集済み画像データに対して、適切なデータサイズを有する第2の色変換プロファイルを対応付けることができる。
【0009】
なお、上記の画像処理装置の機能を実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記憶媒体も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】通信システムの構成を示す。
【図2】ICCプロファイルを模式的に示す。
【図3】編集処理のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施例)
(システムの構成)
図面を参照して第1実施例を説明する。図1に示すように、通信システム2は、PC10と、PC10の周辺機器である多機能機60と、を備える。PC10と多機能機60とは、ネットワークケーブル4を介して、相互に通信可能である。
【0012】
(PC10の構成)
PC10は、操作部12と、表示部14と、USBインターフェイス16と、ネットワークインターフェイス18と、制御部20とを備える。各部12〜20は、バス線11に接続されている。操作部12は、キーボード及びマウスによって構成されている。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をPC10に入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。USBインターフェイス16には、ユーザが持ち運び可能な可搬型の外部メモリであるUSBメモリ8が装着される。ネットワークインターフェイス18には、ネットワークケーブル4が接続される。
【0013】
制御部20は、CPU22と、メモリ24と、を備える。CPU22は、メモリ24に格納されているプログラム(図示省略)に従って、様々な処理を実行する。CPU22が上記のプログラムに従って処理を実行することによって、取得部30、編集部32、準備部34、及び、記憶制御部36の各機能が実現される。
【0014】
(多機能機60の構成)
多機能機60は、印刷機能及びスキャン機能を含む複数の機能を実行可能である。多機能機60は、高品質ICCプロファイル62を格納している。高品質ICCプロファイル62は、多機能機60のベンダによって、多機能機60に予め格納される。高品質ICCプロファイル62は、いわゆる入力側ICCプロファイルである。高品質ICCプロファイル62は、多機能機60の特性(特に色特性)に依存するデバイス依存色(Device Dependent Color)で表現される画像データを、デバイスの特性に依存しないデバイス非依存色(Device Independent Color)で表現される中間画像データに変換するためのプロファイルである。より具体的に言うと、高品質ICCプロファイル62は、RGB色空間内の複数組の座標値と、XYZ色空間内の複数組の座標値と、が対応付けられたICCプロファイルである。なお、以下では、RGB色空間内の座標値で各画素の値が表わされる画像データのことを「RGB画像データ」と呼び、XYZ色空間内の座標値で各画素の値が表わされる画像データのことを「XYZ画像データ」と呼ぶ。
【0015】
例えば、RGB色空間内の256組の座標値と、XYZ色空間内の256組の座標値と、が対応付けられているICCプロファイルを用いれば、256階調のRGB画像データを、XYZ画像データに精度よく変換することができる。ただし、このようなICCプロファイルは、膨大なデータサイズを有する。本実施例では、ICCプロファイルのデータサイズを低減させるために、RGB色空間内の21組の座標値(以下では「21組のRGB座標値」と呼ぶ)と、XYZ色空間内の21組の座標値(以下では「21組のXYZ座標値」と呼ぶ)と、が対応付けられている高品質ICCプロファイル62を採用している。なお、図2(a)には、高品質ICCプロファイル62に含まれる21組のRGB座標値(即ち21個の格子点(グリッド))が、模式的に示されている。なお、各格子点には、XYZ座標値が割り当てられている。
【0016】
例えば、RGB画像データを構成する第1の画素の値が第1のRGB座標値(R1,G1,B1)であり、高品質ICCプロファイル62に含まれる21組のRGB座標値の中に第1のRGB座標値(R1,G1,B1)が存在する場合には、RGB画像データを利用する特定のデバイス(例えばPC10)は、上記の第1のRGB座標値(R1,G1,B1)を、第1のRGB座標値(R1,G1,B1)に対応付けられている第1のXYZ座標値(X1,Y1,Z1)に変換することができる。なお、例えば、RGB画像データを構成する第2の画素の値が第2のRGB座標値(R2,G2,B2)であり、高品質ICCプロファイル62に含まれる21組のRGB座標値の中に第2のRGB座標値(R2,G2,B2)が存在しない場合でも、上記の特定のデバイスは、高品質ICCプロファイル62を用いて、第2のRGB座標値(R2,G2,B2)を、第2のXYZ座標値(X2,Y2,Z2)に変換することができる。例えば、上記の特定のデバイスは、21組のRGB座標値のうちの1組以上のRGB座標値(Rn,Gn,Bn)(例えば第2のRGB座標値(R2,G2,B2)の近傍の1組以上のRGB座標値)と、当該1組以上のRGB座標値(Rn,Gn,Bn)に対応付けられている1組以上のXYZ座標値(Xn,Yn,Zn)と、の関係に基づいて、補間処理を行なうことによって、第2のRGB座標値(R2,G2,B2)を、第2のXYZ座標値(X2,Y2,Z2)に変換することができる。
【0017】
図2(b)と(c)とには、それぞれ、後述の低品質ICCプロファイル64とモノクロ用ICCプロファイル66とが示されているが、多機能機60には、高品質ICCプロファイル62のみが格納されており、低品質ICCプロファイル64及びモノクロ用ICCプロファイル66は格納されていない。なお、図2(d)に示されるモノクロ用ICCプロファイル68については、後述する。
【0018】
USBメモリ8が多機能機60に装着された状態において、スキャンの実行の指示がユーザから与えられる場合に、多機能機60は、原稿(スキャン対象物)をスキャンして、JPEGデータを生成する。なお、JPEGデータは、JPEGヘッダ、JPEGフッタ等の各種の情報と、スキャンされた原稿を表わすJPEG画像データと、を含む。JPEG画像データは、原稿のスキャンによって得られるRGBのビットマップデータ(以下では「BMP形式のRGB画像データ」とも呼ぶ)が圧縮されたものである。多機能機60は、JPEGデータと高品質ICCプロファイル62とを含むデータファイル6(図1参照)を、USBメモリ8に書き込む。
【0019】
(PC10が実行する処理)
ユーザは、データファイル6を含むUSBメモリ8を持ち運ぶことができる。ユーザは、PC10のUSBインターフェイス16にUSBメモリ8を装着し、USBメモリ8内のデータファイル6をPC10に読み出させるための操作を操作部12に加えることができる。この場合、図3のS10に示されるように、取得部30(図1参照)は、USBメモリ8からデータファイル6を取得する。
【0020】
上述したように、同じデータファイル6内にJPEGデータと高品質ICCプロファイル62とが含まれるために、S10の処理は、JPEGデータと、JPEGデータに対応付けられている高品質ICCプロファイル62と、を取得する処理であると言える。なお、対応付けは、種々の態様で実現可能である。第1の変形例では、JPEGデータのファイルと、当該ファイルと異なる高品質ICCプロファイル62と、を1個のフォルダに含ませることによって、対応付けが行なわれてもよい。また、第2の変形例では、JPEGデータの中に、高品質ICCプロファイル62に関する情報(例えば高品質ICCプロファイル62のファイル名)を記述することによって、対応付けが行なわれてもよい。また、第3の変形例では、JPEGデータのファイルと、当該ファイルと異なる高品質ICCプロファイル62と、をリンクさせる情報を作成することによって、対応付けが行なわれてもよい。
【0021】
以下では、S10で取得されるデータファイル6に含まれるJPEGデータのことを「取得済みJPEGデータ」と呼ぶ。S10では、さらに、編集部32(図1参照)は、データファイル6内の取得済みJPEGデータに含まれるJPEG画像データを伸張することによって、BMP形式のRGB画像データを生成する。次いで、編集部32は、データファイル6内の高品質ICCプロファイル62を用いて、RGB画像データ(BMP形式)を、XYZ画像データ(BMP形式)に変換する。具体的に言うと、編集部32は、高品質ICCプロファイル62に含まれる21組のRGB座標値と21組のXYZ座標値とを用いて、BMP形式のRGB画像データに含まれるRGB座標値で表わされる各画素を、XYZ座標値で表わされる各画素に変換する。
【0022】
S10では、さらに、編集部32は、BMP形式のXYZ画像データを、PC10の特性(特に表示部14の色特性)に依存するデバイス依存色で表現される出力画像データに変換する。この変換を行なうための出力側色変換プロファイル(出力側ICCプロファイル)は、PC10のメモリ24に予め格納されている。出力側色変換プロファイルは、例えば、XYZ色空間内の複数組の座標値と、表示部14に対応する色空間(例えばRGB色空間)内の複数組の座標値と、が対応付けられた色変換プロファイルである。編集部32は、出力画像データを表示部14に供給する。これにより、出力画像データによって表わされる出力画像が表示部14に表示される。ユーザは、出力画像を見ることができる。
【0023】
ユーザは、出力画像を見ながら、操作部12を操作することによって、編集条件を入力することができる。例えば、ユーザは、JPEG画像データがカラー画像を表わす場合(即ち出力画像がカラー画像である場合)に、カラー画像を表わすJPEG画像データを、モノクロ画像を表わすJPEG画像データに変換するための操作を、操作部12に加えることができる。以下では、上記の変換のことを「モノクロ変換」と呼ぶ。また、例えば、ユーザは、JPEG画像データに対して圧縮処理を実行するための操作を、操作部12に加えることができる。また、例えば、ユーザは、JPEG画像データの画素数を変更するための操作を、操作部12に加えることができる。なお、ユーザは、画素数を増大(即ちJPEG画像データの拡大)させるための操作を実行することもできるし、画素数を低減(即ちJPEG画像データの縮小)させるための操作を実行することもできる。S12では、編集部32は、ユーザによって入力される編集条件(モノクロ変換の実行、圧縮処理の実行、又は、画素数の変更)を取得する。
【0024】
次いで、S14において、編集部32は、S12で取得された編集条件に従って、取得済みJPEGデータを編集する。S14で実行される各種の編集の内容を、以下に詳しく説明する。
【0025】
(モノクロ変換の編集)
例えば、S12で取得された編集条件がモノクロ変換を示す場合には、編集部32は、取得済みJPEGデータに含まれるカラー画像を表わすJPEG画像データを、モノクロ画像を表わすJPEG画像データに変換する。具体的に言うと、編集部32は、モノクロ変換前のJPEG画像データ(カラー画像を表わすJPEG画像データ)を構成する複数個の画素のそれぞれについて、当該画素のRGB値が同じ値になるように、当該画素のRGB値を変更する。この結果、モノクロ変換後のJPEG画像データ(モノクロ画像を表わすJPEG画像データ)が得られる。次いで、編集部32は、モノクロ変換後のJPEG画像データを含む編集済みJPEGデータを生成する。なお、実際には、モノクロ変換前のJPEG画像データは、伸張された状態でモノクロ変換が実行され、次いで、圧縮される。なお、本実施例では、モノクロ変換後のJPEG画像データ内の各画素は、RGBの3個の値によって構成される。また、モノクロ変換後のJPEG画像データの画素数は、モノクロ変換前のJPEG画像データの画素数に等しい。
【0026】
(圧縮処理の編集)
例えば、S12で取得された編集条件が圧縮処理の実行を示す場合には、編集部32は、取得済みJPEGデータに含まれるJPEG画像データを伸張して、BMP形式のRGB画像データを生成する。次いで、編集部32は、S12で取得された目標の圧縮率(目標の圧縮の程度)を用いて、BMP形式のRGB画像データを圧縮することによって、圧縮処理後のJPEG画像データを生成する。具体的には、編集部32は、目標の圧縮率に応じた量子化テーブルを選択し、選択された量子化テーブルを用いて、圧縮処理後のJPEG画像データを生成する。次いで、編集部32は、圧縮処理後のJPEG画像データを含む編集済みJPEGデータを生成する。なお、圧縮の程度が大きい程、編集済みJPEGデータのデータサイズは小さくなる。
【0027】
(画素数の変更の編集)
例えば、S12で取得された編集条件が画素数の変更を示す場合には、編集部32は、取得済みJPEGデータに含まれるJPEG画像データに対して画素数の変更(より具体的には拡大又は縮小)を行なうことによって、S12で取得された編集条件が示す目標の画素数に一致する画素数を有する画素数変更後のJPEG画像データを生成する。なお、実際には、画素数変更前のJPEG画像データは、伸張された状態で画素数の変更が実行され、次いで、圧縮される。次いで、編集部32は、画素数変更後のJPEG画像データを含む編集済みJPEGデータを生成する。なお、画素数を低減させる編集が実行される場合には、編集済みJPEGデータのデータサイズは、取得済みJPEGデータのデータサイズよりも小さくなる。また、画素数を増大させる編集が実行される場合には、編集済みJPEGデータのデータサイズは、取得済みJPEGデータのデータサイズよりも大きくなる。
【0028】
(ICCプロファイルの準備)
続いて、S16において、準備部34(図1参照)は、S14で実行された編集がモノクロ変換であるのか否かを判断する。ここでYESの場合、S18において、準備部34は、モノクロ用ICCプロファイル66(図2(c)参照)を準備する。上述したように、モノクロ画像を表わすJPEG画像データの各画素のRGB値は、同じ値である。従って、RGB値が同じ値であるRGB座標値を含むICCプロファイルを用いれば、モノクロ画像を表わすJPEG画像データを、XYZ画像データに適切に変換することができる。上述したように、S10で取得された高品質ICCプロファイル62では、21組のRGB座標値と、21組のXYZ座標値と、が対応付けられている。準備部34は、まず、高品質ICCプロファイル62に含まれる21組のRGB座標値の中から、RGB値が同じ値である21組のRGB座標値を特定する。これにより、上記の21組のRGB座標値に対応付けられている21組のXYZ座標値も特定される。換言すると、準備部34は、高品質ICCプロファイル62の中から、上記の21組のRGB座標値以外の各RGB座標値と、上記の21組のXYZ座標値以外の各XYZ座標値と、を間引くことによって、上記の21組のRGB座標値と、上記の21組のXYZ座標値と、を特定する。準備部34は、上記の21組のRGB座標値と、上記の21組のXYZ座標値と、が対応付けられているモノクロ用ICCプロファイル66を生成することによって、モノクロ用ICCプロファイル66を準備する。S18を終えると、S28に進む。
【0029】
なお、図2(c)には、モノクロ用ICCプロファイル66に含まれる21組のRGB座標値(即ち21個の格子点(グリッド))が模式的に示されている。モノクロ用ICCプロファイル66に含まれるRGB座標値及びXYZ座標値の組の数(21個ずつ)は、高品質ICCプロファイル62に含まれるRGB座標値及びXYZ座標値の組の数(21個ずつ)よりもかなり少ない。従って、モノクロ用ICCプロファイル66のデータサイズは、高品質ICCプロファイル62のデータサイズよりもかなり小さい。
【0030】
S16でNOの場合(S14で実行された編集がモノクロ変換ではない場合)には、S20において、準備部34は、取得済みJPEGデータに含まれるJPEG画像データの画素数である第1の画素数と、編集済みJPEGデータに含まれるJPEG画像データの画素数である第2の画素数と、を特定する。S20では、さらに、編集部32は、第1の画素数に対する第2の画素数の比(即ち「第2の画素数/第1の画素数」)が、予め決められている第1の閾値以上であるのか否かを判断する。なお、第1の閾値は、1以下の値(例えば0.5)である。例えば、S14で実行された編集が画素数の低減である場合には、第1の画素数に対する第2の画素数の比が第1の閾値より小さくなり得るために、S20でNOと判断され得る。S20でNOの場合には、S26に進む。一方において、例えば、S14で実行された編集が画素数の増大である場合には、第1の画素数に対する第2の画素数の比が第1の閾値より小さくならないために、S20でYESと判断される。S20でYESの場合には、S22に進む。
【0031】
S22では、準備部34は、取得済みJPEGデータのデータサイズである第1のデータサイズと、編集済みJPEGデータのデータサイズである第2のデータサイズと、を特定する。S20では、編集部32は、さらに、第1のデータサイズに対する第2のデータサイズの比(即ち「第2のデータサイズ/第1のデータサイズ」)が、予め決められている第2の閾値以上であるのか否かを判断する。なお、第2の閾値は、1以下の値(例えば0.5)である。例えば、S14で圧縮処理が実行される場合には、第1のデータサイズに対する第2のデータサイズの比が第2の閾値より小さくなり得るために、S22でNOと判断され得る。S22でNOの場合には、S26に進む。一方において、例えば、S14で圧縮処理が実行されない場合には、第1のデータサイズに対する第2のデータサイズの比が第2の閾値より小さくならないために、S22でYESと判断される。S22でYESの場合には、S24に進む。
【0032】
S24では、準備部34は、S10で取得されたデータファイル6内の高品質ICCプロファイル62(図2(a)参照)を準備する。S24を終えると、S28に進む。
【0033】
一方において、S26では、準備部34は、低品質ICCプロファイル64(図2(b)参照)を準備する。具体的に言うと、準備部34は、S10で取得されたデータファイル6内の高品質ICCプロファイル62に含まれる21組のRGB座標値の中から、17組のRGB座標値を特定し、さらに、21組のXYZ座標値の中から、上記の17組のRGB座標値に対応付けられている17組のXYZ座標値を特定する。換言すると、準備部34は、高品質ICCプロファイル62の中から、RGB座標値及びXYZ座標値を間引くことによって、17組のRGB座標値と、17組のXYZ座標値と、を特定する。なお、変形例では、準備部34は、高品質ICCプロファイル62内の各RGB座標値及び各XYZ座標値の関係に基づいて、補間処理を行なうことによって、17組のRGB座標値と、17組のXYZ座標値と、を特定してもよい。即ち、17組のRGB座標値及び17組のXYZ座標値は、21組のRGB座標値及び21組のXYZ座標値の中に含まれないRGB座標値及びXYZ座標値を含んでいてもよい。なお、本実施例及び上記の変形例のいずれにおいても、準備部34は、隣接する2組のRGB座標値の距離ができるだけ等しくなるように、上記の17組のRGB座標値を特定する。準備部34は、上記の17組のRGB座標値と、上記の17組のXYZ座標値と、が対応付けられている低品質ICCプロファイル64を生成することによって、低品質ICCプロファイル64を準備する。S26を終えると、S28に進む。
【0034】
なお、図2(c)には、低品質ICCプロファイル64に含まれる17組のRGB座標値(即ち17個の格子点(グリッド))が模式的に示されている。低品質ICCプロファイル64に含まれるRGB座標値及びXYZ座標値の組の数(17個ずつ)は、高品質ICCプロファイル62に含まれるRGB座標値及びXYZ座標値の組の数(21個ずつ)よりも少ない。従って、低品質ICCプロファイル64のデータサイズは、高品質ICCプロファイル62のデータサイズよりも小さい。なお、低品質ICCプロファイル64に含まれるRGB座標値及びXYZ座標値の組の数(17個ずつ)は、モノクロ用ICCプロファイル66に含まれるRGB座標値及びXYZ座標値の組の数(21個ずつ)よりも多い。従って、低品質ICCプロファイル64のデータサイズは、モノクロ用ICCプロファイル66のデータサイズよりも大きい。
【0035】
上述したように、本実施例では、準備部34は、高品質ICCプロファイル62から各ICCプロファイル64,66を生成することによって、各ICCプロファイル64,66を準備する。各ICCプロファイル64,66をメモリ24に予め格納しておく必要がないために、メモリ24内のデータ量を低減させることができる。なお、変形例では、制御部20は、外部装置(例えば多機能機60のベンダが提供しているサーバ)から各ICCプロファイル64,66を予め取得し、各ICCプロファイル64,66をメモリ24に予め格納させておいてもよい。この場合、準備部34は、メモリ24に格納されている各ICCプロファイル64,66をメモリ24から読み出すことによって、各ICCプロファイル64,66を準備することができる。本変形例では、各ICCプロファイル64,66を生成せずに済むために、準備部34は、各ICCプロファイル64,66を迅速に準備することができる。
【0036】
S28では、記憶制御部36(図1参照)は、S14で生成された編集済みJPEGデータと、S18,S24,S26のいずれかで準備された準備済みICCプロファイルと、を含む1個のデータファイルを、メモリ24に記憶させる。即ち、記憶制御部36は、編集済みJPEGデータと準備済みICCプロファイルとを対応付けて、メモリ24に記憶させる。なお、S28の「対応付け」の手法としては、編集済みJPEGデータと準備済みICCプロファイルとを含む1個のデータファイルをメモリ24に記憶させる手法の代わりに、上記の第1、第2、又は、第3の変形例と同様の「対応付け」の手法を採用してもよい。S28を終えると、編集処理が終了する。
【0037】
(編集済みJPEGデータの利用)
ユーザは、S28でメモリ24に格納されたデータファイル(以下では「特定のデータファイル」と呼ぶ)によって表わされる編集済み画像を表示させるための操作を、PC10の操作部12に加えることができる。この場合、PC10の制御部20は、上記の特定データファイル内の編集済みJPEGデータに含まれるJPEG画像データを伸張することによって、RGB画像データ(BMP形式)を生成する。次いで、制御部20は、上記の特定のデータファイル内のICCプロファイル(即ち、図3のS18,S24,S26のいずれかで準備されたICCプロファイル)を用いて、生成されたRGB画像データを、XYZ画像データに変換する。制御部20は、さらに、PC10に予め格納されている上記の出力側ICCプロファイルを用いて、XYZ画像データを出力画像データに変換する。制御部20は、出力画像データを表示部14に供給する。これにより、出力画像データによって表わされる編集済み画像が表示部14に表示される。ユーザは、編集済み画像を見ることができる。
【0038】
なお、ユーザは、上記の特定のデータファイルをUSBメモリ8に格納させるための操作を、PC10の操作部12に加えることもできる。次いで、ユーザは、USBメモリ8を持ち運んで、多機能機60のUSBインターフェイスに装着することができる。この場合、PC10の制御部20の上記の処理と同様に、多機能機の制御部(図示省略)は、上記の特定のデータファイルからXYZ画像データを生成し、さらに、多機能機に予め格納されている出力側ICCプロファイルを用いて、XYZ画像データを出力画像データ(例えばCMYK画像データ)に変換する。多機能機の制御部は、出力画像データに従って、印刷する。これにより、ユーザは、出力画像データによって表わされる編集済み画像が印刷された印刷媒体を得ることができる。
【0039】
(本実施例の効果)
実施例の通信システム2について詳しく説明した。編集済みJPEGデータを利用するデバイス(例えば、PC10、多機能機60)は、高品質ICCプロファイル62を用いれば、編集済みJPEGデータに含まれるJPEG画像データをXYZ画像データに適切に変換することができる。従って、いかなる特徴を有する編集済みJPEGデータが生成される場合でも、PC10が、編集済みJPEGデータと高品質ICCプロファイル62とを対応付けて、メモリ24に記憶させるという構成が考えられる。しかしながら、上述したように、例えば、モノクロ画像を表わすJPEG画像データをXYZ画像データに変換するためには、RGB値が同じ値であるRGB座標値のみを含むICCプロファイルを用いれば、RGBからXYZへの色変換を適切に実行することができる。
【0040】
上記の実情に鑑みて、本実施例のPC10は、モノクロ画像を表わす編集済みJPEGデータが生成される場合(図3のS16でYESの場合)には、高品質ICCプロファイル62のデータサイズよりも小さいデータサイズを有するモノクロ用ICCプロファイル66を準備する(図3のS18)。このために、モノクロ画像を表わす編集済みJPEGデータが生成される場合に、過剰な品質を有するICCプロファイルが編集済みJPEGデータに対応付けられるのを抑制することができる。
【0041】
また、ユーザからの指示に従って、画像の縮小化(画素数の低減)が実行されるが、比較的に多い画素数を有するJPEG画像データを含む編集済みJPEGデータが生成される場合、又は、ユーザからの指示に従って、比較的に低い圧縮率で圧縮されるJPEG画像データを含む編集済みJPEGデータが生成される場合には、編集済みJPEGデータによって表わされる画像の色が忠実に再現された出力画像を得ることをユーザが望む可能性が高い。一方において、ユーザからの指示に従って、画像の縮小化(画素数の低減)が実行されるが、比較的に少ない画素数を有するJPEG画像データを含む編集済みJPEGデータが生成される場合、又は、ユーザからの指示に従って、比較的に高い圧縮率で圧縮されるJPEG画像データを含む編集済みJPEGデータが生成される場合には、色の再現性についてのユーザの要求は高くないことが予想される。
【0042】
上記の実情に鑑みて、本実施例のPC10は、比較的に少ない画素数を有するJPEG画像データを含む編集済みJPEGデータが生成される場合(図3のS20でNOの場合)には、高品質ICCプロファイル62のデータサイズよりも小さいデータサイズを有する低品質ICCプロファイル64を準備する(図3のS26)。また、PC10は、比較的に高い圧縮率で圧縮されるJPEG画像データを含む編集済みJPEGデータが生成される場合(図3のS22でNOの場合)には、高品質ICCプロファイル62のデータサイズよりも小さい低品質ICCプロファイル64を準備する(図3のS26)。このために、過剰な品質を有するICCプロファイルが編集済みJPEGデータに対応付けられるのを抑制することができる。
【0043】
上述したように、本実施例のPC10は、編集済みJPEGデータの特徴(即ち編集の内容)に応じて、適切な品質(即ち適切なデータサイズ)を有するICCプロファイルを編集済みJPEGデータに対応付けることができる。過剰な品質を有するICCプロファイルが編集済みJPEGデータに対応付けられるのを抑制することができる。この結果、編集済みJPEGデータとICCプロファイルとを外部に出力する場合に、出力されるトータルのデータサイズを小さくすることができる。出力先が可搬型のUSBメモリである場合には、USBメモリが記憶すべき容量が小さくて済み、出力先がネットワークを介した装置である場合には、ネットワークの通信トラフィックを低減することができる。また、編集済みJPEGデータを利用するデバイス(例えば、PC10、多機能機60)のリソースの負荷(メモリの記憶容量の負荷、制御部の処理負荷等)を低減させることができる。
【0044】
本実施例の各要素と本発明の各要素との対応関係を記載しておく。図3のS10で取得されるJPEGデータ、S14で生成される編集済みJPEGデータが、それぞれ、「元画像データ」、「編集済み画像データ」の一例である。高品質ICCプロファイル62、低品質ICCプロファイル64(又はモノクロ用ICCプロファイル66)が、それぞれ、「第1の色変換プロファイル」、「第2の色変換プロファイル」の一例である。RGB色空間、XYZ色空間が、それぞれ、「第1の色空間」、「第2の色空間」の一例である。17組(又は21組)のRGB座標値が「第1の色空間内のN組の座標値に対応するN組の値」の一例である。
【0045】
(第2実施例)
第1実施例と異なる点を説明する。第1実施例では、図3のS14でモノクロ変換の編集が実行される場合に、モノクロ変換後のJPEG画像データ内の各画素は、RGBの3個の値によって構成される。これに代えて、本実施例では、編集部32は、モノクロ変換後のJPEG画像データ内の各画素が、RGBの3個の値ではなく、輝度に関する1個の値で表わされるように、モノクロ変換を実行する。この構成によると、モノクロ変換後のJPEG画像データ(各画素が輝度に関する1個の値で表わされる)のデータサイズは、モノクロ変換前のJPEG画像データ(各画素がRGBの3個の値で表わされる)のデータサイズよりも小さくなる。従って、編集済みJPEGデータのデータサイズは、取得済みJPEGデータのデータサイズよりも小さくなる。
【0046】
第1実施例では、図3のS18において、準備部34は、21組のRGB座標値と、21組のXYZ座標値と、が対応付けられているモノクロ用ICCプロファイル66を準備する。これに代えて、本実施例では、図3のS18において、準備部34は、輝度に関する21組の値と、21組のXYZ座標値と、が対応付けられているモノクロ用ICCプロファイルを準備する。本実施例で準備されるモノクロ用ICCプロファイルは、高品質ICCプロファイル62から生成されてもよいし、メモリ24に予め格納されていてもよい。また、本実施例で準備されるモノクロ用ICCプロファイルのデータサイズは、高品質ICCプロファイル62のデータサイズよりも小さい。
【0047】
本実施例でも、モノクロ変換の編集が実行される場合に、適切な品質(即ち適切なデータサイズ)を有するICCプロファイルを編集済みJPEGデータに対応付けることができる。また、輝度に関する21組の値が「第1の色空間内のN組の座標値に対応するN組の値」の一例である。即ち、一般的に言うと、「第1の色空間内のN組の座標値に対応するN組の値」は、第1実施例のように、第1の色空間内の座標値そのものであってもよいし、本実施例のように、第1の色空間内の座標値から得られる値(例えば輝度に関する値)であってもよい。
【0048】
(第3実施例)
第1実施例と異なる点を説明する。本実施例では、第1実施例のモノクロ用ICCプロファイル66の代わりに、図2(d)に示されるモノクロ用ICCプロファイル68を利用する。モノクロ用ICCプロファイル68は、RGB座標値をXYZ座標値に変換するための関数である。関数内のγgray,a1,a2,a3は、予め決められている定数である。RGB座標値のうちのいずれかの値(例えばR値)を関数内のGrayに代入すれば、XYZ座標値が得られる。上述したように、モノクロ画像を表わすJPEG画像データを構成する各画素では、RGB値が同じ値である。従って、JPEG画像データを構成する各画素のRGB値のうちのいずれの値を関数内のGrayに代入しても、同じXYZ座標値が得られる。なお、モノクロ用ICCプロファイル68のデータサイズは、他のICCプロファイル62,64のデータサイズよりも小さい。
【0049】
例えば、PC10の制御部20は、外部装置(例えば多機能機60のベンダが提供しているサーバ)からモノクロ用ICCプロファイル68を取得して、メモリ24に予め格納させておく。準備部34は、図3のS18の処理において、メモリ24に格納されているモノクロ用ICCプロファイル68を読み出すことによって、モノクロ用ICCプロファイル(即ち関数の全体)68を準備する。その他の処理は、第1実施例と同様である。なお、本実施例では、モノクロ用ICCプロファイル68が「第2の色変換プロファイル」の一例である。また、RGB座標値が「第1の色空間内の座標値に対応する値」の一例である。
【0050】
なお、第2実施例と同様に、本実施例でも、モノクロ変換の編集が実行される場合に、輝度に関する1個の値で各画素の値が表わされる画像データが生成されてもよい。この場合、モノクロ用ICCプロファイル68は、輝度に関する値をXYZ座標値に変換するための関数であってもよい。この例では、輝度に関する値が「第1の色空間内の座標値に対応する値」の一例である。即ち、一般的に言うと、「第1の色空間内の座標値に対応する値」は、第1の色空間内の座標値そのものであってもよいし、第1の色空間内の座標値から得られる値(例えば輝度に関する値)であってもよい。
【0051】
(変形例1)上記の実施例の各ICCプロファイル62〜68は、RGB画像データを、L色空間内の座標値で各画素の値が表わされる画像データ(即ちL画像データ)に変換するためのプロファイルであってもよい。一般的に言うと、「第1の色変換プロファイル」は、第1の色空間(実施例ではRGB色空間)内の座標値で各画素の値が表わされる元画像データを、第2の色空間(実施例ではXYZ色空間、変形例ではL色空間)内の座標値で各画素の値が表わされる第1の中間画像データに変換するためのプロファイルであってもよい。なお、第2の色空間は、第1の色空間と同じ色空間であってもよいし、異なる色空間であってもよい。また、一般的に言うと、「第2の色変換プロファイル」は、第3の色空間(実施例ではRGB色空間)内の座標値で各画素の値が表わされる編集済み画像データを、第4の色空間(実施例ではXYZ色空間、変形例ではL色空間)内の座標値で各画素の値が表わされる第2の中間画像データに変換するためのプロファイルであってもよい。なお、第4の色空間は、第3の色空間と同じ色空間であってもよいし、異なる色空間であってもよい。
【0052】
(変形例2)また、上記の第3の色空間は、上記の第1の色空間と同じ色空間(例えばRGB)であってもよいし、異なる色空間(例えばsRGB)であってもよい。なお、第3の色空間が第1の色空間と異なる場合には、編集部32は、第1の色空間(例えばRGB)内の座標値で各画素の値が表現される元画像データを編集して、第1の色空間と異なる第3の色空間(例えばsRGB)内の座標値で各画素の値が表現される編集済み画像データを生成してもよい。また、第4の色空間は、第2の色空間と同じ色空間(例えばXYZ)であってもよいし、異なる色空間(例えばL)であってもよい。
【0053】
(変形例3)また、上記の「第1の色空間」及び「第3の色空間」は、元画像データを生成するデバイス(例えば多機能機60)の特性に依存するデバイス依存色を表現するための色空間(例えばRGB色空間)であってもよいし、標準の色空間(例えばsRGB色空間)であってもよい。また、上記の「第2の色空間」及び「第4の色空間」は、デバイスの特性に依存しないデバイス非依存色を表現するための色空間(例えばXYZ色空間、L色空間)であってもよい。
【0054】
(変形例4)実施例では、記憶制御部36は、編集済みJPEGデータと準備済みICCプロファイルとを対応付けて、PC10内のメモリ24に記憶させるが、変形例では、記憶制御部36は、編集済みJPEGデータと準備済みICCプロファイルとを対応付けて、他のメモリ(例えば多機能機60内のメモリ、USBメモリ8、PC10に装着されるメディア(CD、DVD等)等の外部記憶装置)に記憶させてもよい。
【0055】
(変形例5)第3実施例において、モノクロ用ICCプロファイル68は、関数の全体を含んでいてもよいし、関数の全体を含まずに関数に利用される定数のみを含んでいてもよい。一般的に言うと、「第2の色変換プロファイル」は、第1の色空間内の座標値に対応する値を第2の色空間内の座標値に変換するための関数で利用される定数を少なくとも含んでいればよい。
【0056】
(変形例6)各ICCプロファイル62〜66も、第3実施例のモノクロ用ICCプロファイル68と同様に、第1の色空間内の座標値を第2の色空間内の座標値に変換するための関数で利用される定数を含むプロファイルであってもよい。
【0057】
(変形例7)図3のS20において、準備部34は、第1の画素数に対する第2の画素数の比が第2の閾値以上であるのか否かを判断するが、それに代えて、準備部34は、第2の画素数が第1の画素数以上であるのか否かを判断してもよい。準備部34は、第2の画素数が第1の画素数以上である場合に、S22でYESと判断し、第2の画素数が第1の画素数より少ない場合に、S22でNOと判断してもよい。
【0058】
(変形例8)なお、編集部32は、上記の実施例で説明した種類の編集以外の編集を実行してもよい。例えば、編集部32は、取得済みJPEGデータに含まれるJPEG画像データの色数(各画素のビット数)を変更するための編集を実行してもよい。例えば、編集部32は、取得済みJPEGデータに含まれるJPEG画像データがRGBの512階調で表現される場合に、当該JPEG画像データの色数を低減させて、RGBの256階調のJPEG画像データを生成してもよい。このような編集が実行される場合には、編集済みJPEGデータのデータサイズが、取得済みJPEGデータのデータサイズよりも小さくなるために、図3のS22でNOと判断され得る。
【0059】
(変形例9)実施例では、取得部30は、JPEG形式の「元画像データ」を取得するが、その代わりに、JPEG形式以外の形式(例えば、TIFF、BMP形式)の「元画像データ」を取得してもよい。同様に、編集部32は、JPEG形式以外の形式(例えば、TIFF、BMP形式)の「編集済み画像データ」を生成してもよい。
【0060】
(変形例10)「画像処理装置」は、PC10に限られず、サーバ、プリンタ、スキャナ、多機能機、携帯端末(携帯電話、PDA等)の他の種類のデバイスであってもよい。
【0061】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0062】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0063】
2:通信システム、10:PC、60:多機能機、62:高品質ICCプロファイル、64:低品質ICCプロファイル、66,68:モノクロ用ICCプロファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置であって、
元画像データと、前記元画像データに対応付けられている第1の色変換プロファイルと、を取得する取得部と、
前記第1の色変換プロファイルを用いて前記元画像データを編集して、編集済み画像データを生成する編集部と、
前記編集部が、前記元画像データのデータサイズよりも小さいデータサイズを有する前記編集済み画像データを生成する第1の場合に、前記第1の色変換プロファイルと異なる第2の色変換プロファイルを準備する準備部であって、前記第2の色変換プロファイルのデータサイズは、前記第1の色変換プロファイルのデータサイズよりも小さい、前記準備部と、
前記第1の場合に、前記編集済み画像データと、前記第2の色変換プロファイルと、を対応付けて、メモリに記憶させる記憶制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記第1の色変換プロファイルは、第1の色空間内のM組(前記Mは2以上の整数)の座標値と、第2の色空間内のM組の座標値と、が対応付けられている色変換プロファイルであり、
前記第2の色変換プロファイルは、前記第1の色空間内のN組(前記Nは前記Mより小さい整数)の座標値に対応するN組の値と、前記第2の色空間内のN組の座標値と、が対応付けられている色変換プロファイルである、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記準備部は、前記第1の場合に、前記第1の色変換プロファイルを用いて、前記第2の色変換プロファイルを生成することによって、前記第2の色変換プロファイルを準備する、請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記第1の色変換プロファイルは、第1の色空間内の複数組の座標値と、第2の色空間内の複数組の座標値と、が対応付けられている色変換プロファイルであり、
前記第2の色変換プロファイルは、前記第1の色空間内の座標値に対応する値を、前記第2の色空間内の座標値に変換するための関数で利用されるべき定数を含む色変換プロファイルである、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1の場合は、前記編集部が、カラー画像を表わす前記元画像データを編集して、モノクロ画像を表わす前記編集済み画像データを生成する場合を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記第1の場合は、前記編集部が、前記元画像データの画素数よりも前記編集済み画像データの画素数が少なくなるように、前記編集済み画像データを生成する場合を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記第1の場合は、前記編集部が、前記元画像データのデータサイズに対する前記編集済み画像データのデータサイズの比が所定値より小さくなるように、前記編集済み画像データを生成する場合を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
画像処理装置であって、
元画像データと、前記元画像データに対応付けられている第1の色変換プロファイルと、を取得する取得部と、
前記第1の色変換プロファイルを用いて前記元画像データを編集して、編集済み画像データを生成する編集部と、
前記編集部が、カラー画像を表わす前記元画像データを編集して、モノクロ画像を表わす前記編集済み画像データを生成する第2の場合に、前記第1の色変換プロファイルと異なる第2の色変換プロファイルを準備する準備部であって、前記第2の色変換プロファイルのデータサイズは、前記第1の色変換プロファイルのデータサイズよりも小さい、前記準備部と、
前記第2の場合に、前記編集済み画像データと、前記第2の色変換プロファイルと、を対応付けて、メモリに記憶させる記憶制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記画像処理装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
元画像データと、前記元画像データに対応付けられている第1の色変換プロファイルと、を取得する取得処理と、
前記第1の色変換プロファイルを用いて前記元画像データを編集して、編集済み画像データを生成する編集処理と、
前記編集処理において、前記元画像データのデータサイズよりも小さいデータサイズを有する前記編集済み画像データが生成される第1の場合に、前記第1の色変換プロファイルと異なる第2の色変換プロファイルを準備する準備処理であって、前記第2の色変換プロファイルのデータサイズは、前記第1の色変換プロファイルのデータサイズよりも小さい、前記準備処理と、
前記第1の場合に、前記編集済み画像データと、前記第2の色変換プロファイルと、を対応付けて、メモリに記憶させる記憶制御処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項10】
画像処理装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記画像処理装置に搭載されるコンピュータに、以下の各処理、即ち、
元画像データと、前記元画像データに対応付けられている第1の色変換プロファイルと、を取得する取得処理と、
前記第1の色変換プロファイルを用いて前記元画像データを編集して、編集済み画像データを生成する編集処理と、
前記編集処理において、カラー画像を表わす前記元画像データが編集されて、モノクロ画像を表わす前記編集済み画像データが生成される第2の場合に、前記第1の色変換プロファイルと異なる第2の色変換プロファイルを準備する準備処理であって、前記第2の色変換プロファイルのデータサイズは、前記第1の色変換プロファイルのデータサイズよりも小さい、前記準備処理と、
前記第2の場合に、前記編集済み画像データと、前記第2の色変換プロファイルと、を対応付けて、メモリに記憶させる記憶制御処理と、
を実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−23594(P2012−23594A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−160410(P2010−160410)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】