説明

画像出力システム、画像出力方法

【課題】複数の印刷サイズの写真を効率よくスピーディーに出力する画像出力システムを提供する。
【解決手段】画像出力システム1は、第1の画像出力装置10と第2の画像出力装置30がネットワーク40を介して接続された構造であり、第1の画像出力装置10の画像入力手段により利用者が持参したメディアに格納されている画像データを取得し、印刷受付課金手段により、印刷する画像、印刷サイズ、枚数を指定させ、印刷サイズ、枚数に応じた料金を課金する。第1の画像出力装置10は、特定の印刷サイズ(Lサイズ)の印刷のみを行い、その他の印刷サイズが指定された画像の印刷データを第2の画像出力装置30にネットワーク40を介して送る。第1の画像出力装置は、当該注文の識別情報をレシートに印刷し、識別情報を利用者に第2の画像出力装置30に入力させ、第2の画像出力装置30は、識別情報により特定される画像を指定された印刷サイズで印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力システム、画像出力方法に関し、更に詳しくは、複数の印刷サイズの画像を出力する画像出力システム、画像出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者が持ち込んだ記録媒体に記録されているデジタルカメラの画像データをプリントすることができる比較的小規模の画像プリントシステム(画像出力装置)が実用化されている(特許文献1)。
このような画像出力装置は、記録媒体に記録されている画像データを、手軽に、スピーディーに印刷することを目的とし、自動販売機のように課金機を搭載し、ニーズの高いサイズ(例えばLサイズ)の写真印刷のみを行う。
【0003】
一方、複数の受付専用端末とプリント専用端末が通信ネットワークで接続された画像出力システムも実用化されている。プリント専用端末は、サーバおよびプリンタから成り、複数の受付専用端末から送られる画像データをプリント専用端末で印刷する。受付専用端末は課金機能を持たず、料金を印刷したレシートを出力する。利用者はレジカウンターで、このレシートを店員に示して支払い、支払い後に、プリント専用端末で印刷されるプリント物を受け取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−268432号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すような画像出力装置は、例えばLサイズ(89mm×127mm)のようなニーズの高い1サイズの写真印刷しかできないという問題がある。一方、はがきサイズ(100mm×148mm)、2Lサイズ(127mm×178mm)や6×8サイズ(152mm×203mm)、8×12サイズ(203mm×305mm)、六切り(203mm×254mm)などの他の印刷サイズの写真に対する利用者のニーズも存在する。そのために、各サイズ専用の画像出力装置を設置することも考えられるが、そうした場合には、各サイズ専用の画像出力装置の稼働率は低く、利益が上がらず、設置できないという問題が生じる。
【0006】
一方、複数の受付専用端末と1台のプリント専用端末から成るシステムでは、複数の受付専用端末からの印刷要求が1台のプリント専用端末に集中するので、待ち時間が長くなるという問題がある。
また、料金の支払いをレジカウンターで行うので、店員をレジカウンターに常駐させる必要があるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の印刷サイズの写真を効率よくスピーディーに出力する画像出力システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達するために第1の発明は、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置がネットワークを介して接続された画像出力システムであって、前記第1の画像出力装置は、画像データを入力する画像入力手段と、前記画像データの印刷サイズおよび枚数の指定を受け付け、前記印刷サイズおよび枚数に応じた料金を課金する印刷受付課金手段と、特定の印刷サイズが指定された画像データについて、印刷を行う第1の印刷手段と、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された前記画像データ、および、指定された前記印刷サイズおよび枚数を含む印刷情報を、前記ネットワークを介して前記第2の画像出力装置に送信するデータ送信手段を具備し、前記第2の画像出力装置は、前記第1の画像出力装置から送信される前記画像データを受信するデータ受信手段と、前記データ受信手段により受信した前記画像データを、前記印刷情報に従って印刷する第2の印刷手段を、具備することを特徴とする画像出力システムである。
【0009】
利用者が持参した各種記録媒体に記録等された画像データが、第1の画像出力装置の画像入力手段により第1の画像出力装置に入力され、印刷受付課金手段により、印刷させる画像データについて、印刷サイズ、枚数等を利用者に指定させ、料金を課金する。第1の画像出力装置の第1の印刷手段は、特定の印刷サイズについて画像データを印刷する。この特定の印刷サイズは、例えばLサイズのような一般的にニーズの高い印刷サイズであり、この特定の印刷サイズについては、第1の画像出力装置が印刷処理を行う。
特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データは、第1の画像出力装置のデータ送信手段により、その印刷サイズ、枚数等を含む印刷情報と共に、第2の画像出力装置に送信される。
【0010】
第2の画像出力装置のデータ受信手段は、第1の画像出力装置のデータ送信手段により送信された画像データと印刷情報を受け取り、第2の印刷手段により、印刷情報により指定された印刷サイズで、指定された枚数分の画像データの印刷を行う。
第2の画像出力装置は、一般的にニーズの高い印刷サイズである特定の印刷サイズ以外の、例えば、はがきサイズ、2Lサイズ、8×12サイズ等の印刷を行う。
これにより、ニーズの高い特定の印刷サイズの印刷を第1の画像出力装置で行い、その他の印刷サイズの印刷を第2の画像出力装置で行うことにより、利用者は、複数の印刷サイズの写真を手軽にスピーディーに得ることが可能になる。
【0011】
前記第1の画像出力装置は、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データに対応し、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データを印刷するための識別情報を出力する識別情報出力手段を更に有し、前記データ送信手段は、前記識別情報を前記画像データおよび前記印刷情報とともに前記第2の画像出力装置に送信し、前記第2の画像出力装置は、前記識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段を更に有し、前記第2の印刷手段は、前記識別情報の入力の受付に応じて、前記識別情報に対応する前記画像データを、前記印刷情報に従って印刷することが好ましい。
【0012】
第1の画像出力装置の識別情報出力手段により出力された識別情報を、第2の画像出力装置の識別情報受付手段によって受け付けることにより、第2の画像出力装置は、第2の印刷手段で、識別情報に対応する画像データを印刷する。これにより、利用者による識別情報の入力に応じて画像データが印刷されるので、他人にプリント物が出力されたりすることがなくなる。
【0013】
前記識別情報出力手段は、前記識別情報をバーコードとして印刷出力し、前記識別情報受付手段は、バーコードリーダーを備え、前記バーコードを前記バーコードリーダーにかざすことにより前記識別情報を読み取るようにすることが好ましい。
前記識別情報をパスワードとし、前記識別情報受付手段は、入力された前記パスワードを前記識別情報として受け付けるようにしてもよい。
これにより、利用者は、第1の画像出力装置が出力するバーコードやパスワードにより、識別情報を第2の画像出力装置に入力して、第2の画像出力装置により特定の印刷サイズ以外の印刷サイズの画像を印刷することが可能になる。
【0014】
前記第2の画像出力装置は、前記識別情報の受け付け後、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズの画像データの印刷のキャンセルを受け付け、前記データ受信手段により受信した前記識別情報に対応する前記印刷情報から、キャンセルされた画像データの前記印刷サイズおよび枚数の情報を出力し、前記識別情報に対応する前記画像データを消去するキャンセル受付手段を更に具備することが好ましい。
これにより、第2の画像出力装置において利用者による印刷をキャンセルできるとともに、この際キャンセルされた画像データの印刷サイズおよび枚数の情報を出力するので、キャンセル分の返金も好適に行うことができる。
【0015】
第2の発明は、第1の画像出力装置と第2の画像出力装置がネットワークを介して接続された画像出力システムにより、複数の印刷サイズの画像データを印刷する画像出力方法であり、前記第1の画像出力装置が、画像データを入力する画像入力ステップと、前記画像データの印刷サイズおよび枚数の指定を受け付け、前記印刷サイズおよび枚数に応じた料金を課金する印刷受付課金ステップと、特定の印刷サイズが指定された画像データについて、印刷を行う第1の印刷ステップと、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された前記画像データ、および、指定された前記印刷サイズおよび枚数を含む印刷情報を、前記ネットワークを介して前記第2の画像出力装置に送信するデータ送信ステップを実行し、前記第2の画像出力装置が、前記第1の画像出力装置から送信される前記画像データを受信するデータ受信ステップと、前記データ受信手段により受信した前記画像データを、前記印刷情報に従って印刷する第2の印刷ステップを実行することを特徴とする画像出力方法である。
【0016】
前記第1の画像出力装置は、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データに対応し、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データを印刷するための識別情報を出力する識別情報出力ステップを更に実行し、前記データ送信ステップでは、前記識別情報を前記画像データおよび前記印刷情報とともに前記第2の画像出力装置に送信し、前記第2の画像出力装置は、前記識別情報の入力を受け付ける識別情報受付ステップを更に実行し、前記第2の印刷ステップでは、前記識別情報の入力の受付に応じて、前記識別情報に対応する前記画像データを、前記印刷情報に従って印刷することが好ましい。
【0017】
また、前記識別情報出力ステップでは、前記識別情報をバーコードとして印刷出力し、前記識別情報受付ステップでは、前記バーコードをバーコードリーダーにかざすことにより前記識別情報を読み取ることが好ましい。
さらに、前記識別情報をパスワードとし、前記識別情報受付ステップでは、入力された前記パスワードを前記識別情報として受け付けてもよい。
【0018】
前記第2の画像出力装置は、前記識別情報の受け付け後、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズの画像データの印刷のキャンセルを受け付け、前記データ受信手段により受信した前記識別情報に対応する前記印刷情報から、キャンセルされた画像データの前記印刷サイズおよび枚数の情報を出力し、前記識別情報に対応する前記画像データを消去するキャンセル受付ステップを更に実行することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、ニーズの高い特定の印刷サイズの印刷を第1の画像出力装置で行い、その他の印刷サイズの印刷を第2の画像出力装置で行うことにより、利用者は、複数の印刷サイズの写真を手軽にスピーディーに得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態における画像出力システム1の構成例を示す図
【図2】第1の画像出力装置10の外観例を示す斜視図
【図3】第1の画像出力装置10のハードウエア構成例を示す図
【図4】第2の画像出力装置30の外観例を示す斜視図
【図5】第2の画像出力装置30のハードウエア構成例を示す図
【図6】本発明の実施形態における画像出力システム1の処理の流れを示すフローチャート
【図7】第1の画像出力装置10のメディア挿入指示画面例(a)およびサムネイル画面例(b)
【図8】第1の画像出力装置10の注文内容確認画面例(a)および支払い画面例(b)
【図9】第1の画像出力装置10の案内画面例を示す図
【図10】第1の画像出力装置10から出力されるレシート例を示す図
【図11】印刷データ600の構成例を示す図
【図12】第2の画像出力装置30の画面例(1)および画面例(2)
【図13】第2の画像出力装置30の画面例(3)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態における画像出力システム1の構成例を示す図である。
画像出力システム1は、第1の画像出力装置10と、第2の画像出力装置30がネットワーク40で接続された構成である。
第1の画像出力装置10は、複数台接続されていてもよい。
【0022】
第1の画像出力装置10は、受付部11、課金部13、プリンタA15等で構成される。
受け付け部11は、利用者が持参する各種の記録媒体から画像データを取得し、利用者に印刷する画像データの印刷サイズや枚数を指定させる。
課金部13は、受け付け部11により指定された印刷サイズおよび枚数から料金を算出し、利用者に支払わせる。
【0023】
プリンタA15は、特定の印刷サイズの画像を印刷する。例えば、一般的ニーズの高いLサイズ(89mm×127mm)の写真を印刷するためのプリンタである。Lサイズのようにニーズの高い特定の印刷サイズを印刷するプリンタを複数台搭載することにより、複数枚の印刷を同時に印刷可能になり、全体としての印刷速度を上げることが可能になる。例えば、3台のLサイズ印刷用のプリンタが搭載される。
また、第1の画像出力装置10は、特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データを、ネットワーク40を介して第2の画像出力装置30に送る。
【0024】
第2の画像出力装置30は、サーバ31、プリンタB33等で構成される。
サーバ31は、第1の画像出力装置10から送られる特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データを受け取り、プリンタB33で印刷可能とするようデータ処理を行う。
プリンタB33は、第1の画像出力装置10で印刷する特定の印刷サイズであるLサイズ以外の印刷サイズの画像を印刷するプリンタである。例えば、はがきサイズ(100mm×148mm)、2Lサイズ(127mm×178mm)、6×8サイズ(152mm×203mm)、六切りサイズ(203mm×254mm)、8×12サイズ(203mm×305mm)等の印刷サイズがある。
【0025】
次に、第1の画像出力装置10および第2の画像出力装置30の構成を図2〜図5に沿って詳細に説明する。
図2は、第1の画像出力装置10の外観の例を示す斜視図、図3は、第1の画像出力装置10のハードウエア構成例を示す図、図4は、第2の画像出力装置30の外観の例を示す斜視図、図5は、第2の画像出力装置30のハードウエア構成例を示す図である。
【0026】
図2に示すように、第1の画像出力装置10の上部正面には、タッチパネル付きの液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置23が配置されている。タッチパネル付きディスプレイ23は、操作の案内や操作の状況、読み込んだ画像データのサムネイル画像等を表示するとともに、印刷画像や印刷サイズ、枚数をタッチパネルにより指定させる。
【0027】
タッチパネル付きディスプレイ23の下部には、メディア挿入口12が設けられる。メディア挿入口12は、各種メディア(スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード(CFカード)、フロッピー(登録商標)ディスク、PCカード、CD−ROM等)の挿入口であり、複数の挿入口が1箇所にまとめて配置されている。
また、第1の画像出力装置10の筺体内には、上記の各記録媒体の挿入口に対応して、それぞれの媒体の読取・書込み装置の本体(図示しない)が設置されている。各挿入口には、料金の徴収が完了するまで記録媒体を取り出せないようにシャッター(図示しない)を備えてもよい。
【0028】
第1の画像出力装置10の下段部には、料金投入口(硬貨投入口16、紙幣挿入口17)、つり銭返却口19、レシート取出口27、プリント物取出口21、メンテナンスキー29、ドア開閉キー25等がそれぞれ配置されている。
【0029】
料金投入口(16、17)、つり銭返却口19、レシート取出口27は、課金手段として機能する。
利用者は、硬貨投入口16に硬貨を投入したり、紙幣挿入口17に紙幣を挿入することにより料金を支払う。つり銭がある場合にはつり銭返却口19から放出される。
また、料金徴収後、徴収金額や注文内容等が印刷されたレシートが印刷されたレシートがレシート取出口27から放出される。第1の画像出力装置10筺体内には、レシート取出口27に対応してレシート印刷用プリンタが設けられている。
【0030】
筺体の下部にはプリント物取出口21が設けられている。プリント物取出口21から印刷済みのプリント物が放出される。
通常、第1の画像出力装置10の筺体内には、複数枚の画像プリントを同時に行えるように複数のプリンタ本体(図示しない)が設置されるが、各プリンタ本体から放出されるプリント物は第1の画像出力装置10の下部に設けられた1つのプリント物取出口21に集められ、利用者がまとめて取り出せるようになっている。
【0031】
メンテナンスキー29は、利用者が第1の画像出力装置10を利用する際の運転モードと、管理者が第1の画像出力装置10のメンテナンスや設定等を行う管理モードを切り替えるキーである。
ドア開閉キー25は、第1の画像出力装置10の下段部全体の扉の開閉キーであり、筺体内部に設けられている各種の装置のメンテナンス等を行う際に使用される。
【0032】
また、第1の画像出力装置10の筺体内には、図示しないが、第1の画像出力装置10の各構成部分を制御するための制御部を含むパーソナルコンピュータや、電圧の変換を行う電源ボックス、停電時に制御部のCPUやハードディスク等の破損を防ぐ無停電電源装置等が設けられる。
【0033】
次に、図3を参照しながら、第1の画像出力装置10のハードウエア構成について説明する。
第1の画像出力装置10は、制御部101、記憶部102、入出力部103、通信部104、各種メディア読取部105、シャッター106、ディスプレイ(タッチパネル付)107、コインメック108、ビルバリ109、レシートジャーナル処理部110、プリンタA111等がバス112を介して接続される。
【0034】
制御部101は、CPU、RAM、ROM等で構成され、記憶部102に格納されたプログラムに従って、バス112を介して接続された各装置を駆動制御する。
記憶部102には、各構成部分を駆動制御するプログラム、例えば、後述する画像入力プログラムや、課金処理プログラム、プリンタ制御用プログラム、レシート印刷処理プログラム、画像データ送信プログラム等のプログラムや、画像データ、各種制御データ等が格納されている。
これらのプログラムコードは、制御部101により必要に応じてRAMに読み出され、CPUにより実行される。
【0035】
入出力部103は、CD−ROMドライブ装置、キーボード、マウス等であり、制御部101や記憶部102に格納されているプログラムや制御データの更新や設定等を行う第1の画像出力装置10のメンテナンス時に用いられる。メンテナンス時には、メンテナンスキー29により管理モードに切り替え、入出力部103にプログラム更新用のCD−ROMを挿入して、データの書き換えや設定データの入力を行う。
【0036】
通信部104は、ネットワーク40を介して、第2の画像出力装置30と接続・通信するものであり、ネットワーク40の通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いたインターネット通信等が可能である。
【0037】
各種メディア読取部105は、画像入力機能の役割を果たす。シャッター106は、各記録媒体挿入口に設けられ、記録媒体の挿入口を開閉し、読取実行中から課金処理完了まで記録媒体を取り出せないようにする。
【0038】
ディスプレイ(タッチパネル付)107には、利用者に対して、操作案内や、サムネイル表示、印刷サイズ・枚数指定をするための表示等が表示され、利用者は、タッチパネルに触れることにより、画像選択や印刷サイズ、枚数の指定を行える。
【0039】
コインメック108、ビルバリ109、レシートジャーナル処理部110は、課金機能の役割を果たす。コインメック108は、硬貨投入口16に対応して第1の画像出力装置10の筺体内に設けられ、硬貨の入出力を管理する。
また、ビルバリ109は、紙幣投入口17に対応して第1の画像出力装置10の筺体内に設けられ、紙幣の入出力を管理する。
また、レシートジャーナル処理部110は、レシート取出口27に対応して第1の画像出力装置10の筺体内に設けられ、レシート印刷を行う。
【0040】
第1の画像出力装置10の筺体内に設置されるプリンタA111は、例えば、特定の印刷サイズの画像を印刷するためのプリンタ複数台よりなる。一般的ニーズの高い印刷サイズが特定の印刷サイズとなり、例えば、Lサイズ印刷用のプリンタが3台設置される。
これにより、利用者が指定した複数枚のLサイズの画像プリントを3台のプリンタで同時に実行し、全体としての印刷時間を短縮して、利用者の待ち時間を減らすことが可能になる。
【0041】
図4は、第2の画像出力装置30の外観例を示す斜視図である。
第2の画像出力装置30の上部正面には、タッチパネル付きの液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置が配置されている。タッチパネル付ディスプレイ35は、操作の案内や操作の状況を表示するとともに、利用者がタッチパネルに触れることにより、各種の入力を行うことができる。
【0042】
第2の画像出力装置30の上部には、タッチパネル付きディスプレイ35の他、バーコードリーダー37が設けられている。バーコードリーダー37は、第1の画像出力装置10のレシートジャーナル処理部110等によってレシート上等に印刷されるバーコードを読み込む。第2の画像出力装置30は、バーコードに含まれる識別情報により、識別情報に対応する画像データを印刷する。詳細な説明は後述する。
【0043】
第2の画像出力装置30の下段部には、プリント物取出口39、メンテナンスキー36、ドア開閉キー38等がそれぞれ配置されている。
筺体の下部にはプリント物取出口39が設けられる。プリント物取出口39から印刷済みのプリント物が放出される。
通常、第2の画像出力装置30の筺体内にも、第1の画像出力装置10と同様に、複数枚の画像プリントを同時に行えるように複数のプリンタ本体(図示しない)が設置されるが、各プリンタ本体から放出されるプリント物は第2の画像出力装置30の下部に設けられた1つのプリント物取出口39に集められ、利用者がまとめて取り出せるようになっている。
【0044】
メンテナンスキー36は、利用者が第2の画像出力装置30を利用する際の運転モードと、管理者が第2の画像出力装置30のメンテナンスや設定等を行う管理モードを切り替えるキーである。
ドア開閉キー38は、第2の画像出力装置30の下段部全体の扉の開閉キーであり、筺体内部に設けられている各種の装置のメンテナンス等を行う際に使用される。
【0045】
また、第2の画像出力装置30の筺体内には、図示しないが、第2の画像出力装置30の各構成部分を制御するための制御部や第1の画像出力装置10との通信を制御するサーバや、電圧の変換を行う電源ボックス、停電時に制御部のCPUやハードディスク等の破損を防ぐ無停電電源装置等が設けられる。
【0046】
次に、図5を参照しながら、第2の画像出力装置30のハードウエア構成について説明する。
第2の画像出力装置30は、制御部201、記憶部202、入出力部203、通信部204、ディスプレイ(タッチパネル付)205、バーコードリーダー206、プリンタB207等がバス208を介して接続される。
【0047】
制御部201は、CPU、RAM、ROM等で構成され、記憶部202に格納されたプログラムに従って、バス208を介して接続された各装置を駆動制御する。
記憶部202には、各構成部分を駆動制御するプログラム、例えば、後述する画像データ受信プログラムや、画像処理プログラム、プリンタ制御用プログラム、等のプログラムや、画像データ、各種制御データ等が格納されている。
これらのプログラムコードは、制御部201により必要に応じてRAMに読み出され、CPUにより実行される。
【0048】
入出力部203は、CD−ROMドライブ装置、キーボード、マウス等であり、制御部201や記憶部202に格納されているプログラムや制御データの更新や設定等を行う第2の画像出力装置30のメンテナンス時に用いられる。メンテナンス時には、メンテナンスキー36により管理モードに切り替え、入出力部203にプログラム更新用のCD−ROMを挿入して、データの書き換えや設定データの入力を行う。
【0049】
通信部204は、ネットワーク40を介して、第1の画像出力装置10と接続・通信するものであり、ネットワーク40の通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いたインターネット通信等が可能である。
【0050】
ディスプレイ(タッチパネル付)205には、利用者に対して、操作案内や操作状況、等が表示され、利用者は、タッチパネルに触れることにより、各種の入力を行うことが可能である。
バーコードリーダー206は、バーコードを読み取る。
【0051】
第2の画像出力装置30の筺体内に設置されるプリンタB207は、第1の画像出力装置10のプリンタA111が印刷する特定の印刷サイズ以外の印刷サイズの画像を印刷する。第1の画像出力装置10にはニーズの高いLサイズ用のプリンタが複数台搭載され、第2の画像出力装置30には、それ以外の印刷サイズである、例えば、はがきサイズ(100mm×148mm)、2Lサイズ(127mm×178mm)、6×8サイズ(152mm×203mm)、8×12サイズ(203mm×305mm)、六切りサイズ(203mm×254mm)等のプリンタが搭載される。
【0052】
第2の画像出力装置30には、異なる印刷サイズのプリンタが複数台搭載される。通常、3〜4台のプリンタを搭載可能であり、例えば、はがきサイズ、2Lサイズ、6×8サイズ、8×12サイズの4台のプリンタを搭載する。搭載するプリンタの印刷サイズは、これにかぎるものではない。
プリンタB207の複数台のプリンタにより、第2の画像出力装置30は、第1の画像出力装置10により印刷される特定の印刷サイズとは異なる印刷サイズのプリント物を印刷することが可能になる。
【0053】
次に、図6に沿って、第1の画像出力装置10および第2の画像出力装置30の動作について説明する。
図6(a)は、第1の画像出力装置10の動作を示すフローチャートである。
【0054】
第1の画像出力装置10は、まず、利用者にメディアを挿入させ、画像データを取得する(ステップS301)。
図7は、第1の画像出力装置10のタッチパネル付ディスプレイ23(107)に表示される画面例である。図7(a)は、メディア挿入指示画面400の例である。
第1の画像出力装置10のタッチパネル付ディスプレイ23に、まず、図7(a)に示すようなメディア挿入指示画面400が表示され、利用者は、画面上の表示に従って、画像データが記録されているメディアをメディア挿入口12に挿入する。
制御部101は、挿入されたメディアの種類に対応するメディア読取部105を駆動し、メディアに記録されている画像情報を読み取り、記憶部102に格納する。
【0055】
次に、制御部101は、取得された画像データのサムネイル画像をタッチパネル付ディスプレイ23に表示し、利用者にプリントする画像の選択と、印刷サイズ、プリント枚数を指定させる(ステップS302)。
図7(b)は、サムネイル画面410の例である。
利用者が挿入したメディアから取得した画像データのサムネイル画像がタッチパネル付ディスプレイ23に表示される。
【0056】
サムネイル画面410には、取得された画像データのサムネイル画像と、枚数を指定するための「−」および「+」表示、プリント枚数、注文枚数と注文合計金額、画像データを編集するための「お絵かき・編集」ボタン、特定の印刷サイズ(Lサイズ)以外の印刷サイズを指定するための「プリントサイズの追加」ボタン等が表示される。
1画面に表示可能なサムネイル数は10個程度であり、取得された画像データ数がそれ以上の場合には、複数ページに分けてサムネイルが表示され、ページを前後させるためのスライドバーも表示される。
【0057】
利用者は、各サムネイル画像の「+」または「−」ボタンの部分をタッチすることによりプリント枚数を指定するが、プリントしたい画像の表示部分をタッチして画像を選択し、「プリントサイズの追加」ボタンを押すことにより、特定の印刷サイズ(Lサイズ)以外の印刷サイズについての枚数指定をすることが可能になる。
例えば、「プリントサイズの追加」ボタンを押すことにより、選択可能な印刷サイズである「PC(はがきサイズ)」、「2L」、「6×8」、「8×12」等のボタンが選択されたサムネイル画面部分に表示され、いずれかの印刷サイズのボタンをタッチして、「+」または「−」ボタンの部分をタッチすることにより選択された印刷サイズのプリント枚数を指定することが可能になる。
【0058】
「プリントサイズの追加」を選択しない場合には、特定の印刷サイズであるLサイズの枚数を選択することが可能である。
図7(b)に示したサムネイル画面410、および、特定の印刷サイズ以外の印刷サイズの指定方法は一例であり、これに限ることはない。
【0059】
利用者が「注文内容確認」ボタンをタッチすると、制御部101は、指定された印刷サイズと枚数を確認するための注文内容確認画面420をタッチパネル付ディスプレイ23に表示する。
図8(a)は、注文内容確認画面420の例を示す図である。
例えば、印刷サイズ毎に、プリント枚数が指定された画像データのサムネイル画像と注文枚数、印刷サイズ毎の注文枚数と金額、合計金額等が表示される。
利用者は、注文内容確認画面420を見て、各印刷サイズの注文画像、注文枚数、金額を確認し、良い場合には、「確認」ボタンを押す。
「再編集」または「追加注文」、「戻る」等のボタンを選択することにより、サムネイル画面に戻り、注文画像、注文サイズ、注文枚数を変更/追加したり、注文のやりなおしをすることが可能である。
【0060】
注文内容確認画面420において、注文内容が確認されると、次に、制御部101は、課金処理を実行する(ステップS303)。
すなわち、制御部101は、まず、支払い画面430をタッチパネル付ディスプレイ23に表示する。
図8(b)は、支払い画面430の例を示す図である。
支払い画面430には、合計金額等が表示され、利用者に料金の投入を促す。
【0061】
利用者が硬貨投入口16または/および紙幣挿入口17から料金を投入すると、投入金額、つり銭等が支払い画面430に表示され、つり銭がある場合には、つり銭返却口19につり銭が放出される。
支払い画面430には、この他、特定の印刷サイズ(Lサイズ)以外のプリント物の受け取り方法を表示すると良い。
【0062】
課金処理が終了すると、制御部101は、通信部104を稼働して、特定の印刷サイズ(Lサイズ)以外の印刷サイズが指定された画像の印刷データを、ネットワーク40を介して第2の画像出力装置30に転送する(ステップS304)。印刷データについては後述する。
ステップS304では、特定の印刷サイズ(Lサイズ)以外の印刷サイズが指定された画像の印刷データを、課金処理後に第2の画像出力装置30に転送したが、この印刷データの転送は、課金処理の直前に行ってもよい。このとき、利用者が料金を支払う前に注文がキャンセルされた場合には、制御部101は、通信部104を介して、転送した印刷データがキャンセルされた旨を通知し、第2の画像出力装置30の制御部201に受信した印刷データを消去し破棄させる。
【0063】
制御部101は、プリンタA111を稼働して、特定の印刷サイズ(Lサイズ)の画像を印刷し、プリント物取出し口に出力する(ステップS305)。
次に、制御部101は、特定の印刷サイズ(Lサイズ)以外のプリントは第2の画像出力装置30で行われる旨の案内をタッチパネル付ディスプレイ23に表示する(ステップS306)。
図9は、案内画面例440を示す図である。
図9に示すように、第1の画像出力装置10で印刷されるLサイズのプリントが終了した旨と、それ以外の印刷サイズが印刷されるプリント機と受け取り方を表示すると良い。
【0064】
次に、制御部101は、レシートジャーナル処理部110を稼働し、レシートを印刷し、レシート取出口27から出力する(ステップS307)。
レシートには、特定のサイズ(Lサイズ)以外のプリント物を受け取るために必要な識別情報が領収金額等とともに印刷される。
【0065】
図10は、レシートの例を示す図である。
図10(a)は、レシートの第1の例500を示す図である。特定のサイズ(Lサイズ)以外のプリント物を受け取るために必要な識別情報が、レシートの下部にバーコードによって印刷されている。また、特定のサイズ(Lサイズ)以外のプリント物の受け取り方を表示されると良い。
図10(b)は、レシートの第2の例510を示す図である。特定のサイズ(Lサイズ)以外のプリント物を受け取るために必要な識別情報として、プリント受取用パスワードが印刷されている。
【0066】
識別情報の印刷は、上述の説明のようにレシート上に印刷してもよいし、第1の画像出力装置10のプリンタA111により、プリント物の隅や、利用者が注文したプリント物とは別のプリント用紙に印刷するようにしてもよい。
【0067】
レシートの出力の終了により、利用者の1回の注文について、第1の画像出力装置10の処理が終了する。
第1の画像出力装置10は、稼働を終了するまで(ステップS308のNo)次の利用者の注文を待機する。第1の画像出力装置10の稼働を終了する(ステップ308のYes)と、第1の画像出力装置10の処理を終了する。
【0068】
次に、前述のステップS304において、第1の画像出力装置10から第2の画像出力装置30にネットワーク40を介して送信される、特定の印刷サイズ(Lサイズ)以外の印刷サイズが指定された画像についての印刷データ600の構成例を図11に沿って説明する。
図11(a)は、印刷データ600の構成例を示す図である。
【0069】
印刷データ600は、識別情報610、制御データ620、イメージデータ630等で構成される。
識別情報610は、レシート(500、510)に印刷されるバーコードまたはパスワードのデータである。この識別情報610により、ある利用者のプリント注文内容が識別される。
【0070】
制御データ620は、画像識別コード621と、印刷サイズコード623、プリント枚数625等の組で構成される。
すなわち、画像識別コード621は、特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが注文された画像を識別するためのコードであり、印刷サイズコード623とプリント枚数625は、それぞれ、当該画像識別コード621の画像の印刷サイズおよびプリント枚数を示すデータである。
図11(a)の例では、画像識別コード621「0001」の画像について、印刷サイズコード623「1」の印刷サイズで、枚数625「2(枚)」印刷することを示している。
【0071】
印刷サイズコード623は、第2の画像出力装置30に搭載されている異なる印刷サイズの印刷を行う複数のプリンタに割り当てられた番号等のコードに対応する。例えば、「1」は印刷サイズ「はがきサイズ」を印刷するプリンタ、「2」は印刷サイズ「2Lサイズ」を印刷するプリンタ、「3」は印刷サイズ「6×8サイズ」を印刷するプリンタ、「4」は、「8×12サイズ」を印刷するプリンタとする。
【0072】
イメージデータ630は、画像識別コード631と、画像識別コード631で識別される画像の画像データ633で構成される。
図11(a)に示した印刷データ600は1例であり、第1の画像出力装置10から第2の画像出力装置30に送信されるデータの構成はこれに限ることはない。
【0073】
次に、第2の画像出力装置30の動作について、図6(b)に沿って説明する。
図6(b)は、第2の画像出力装置30の処理の流れを示すフローチャートである。
【0074】
図6(b)に示すように、第2の画像出力装置30の制御部201は、第1の画像処理装置10がネットワーク40を介して送信した特定の印刷サイズ以外の印刷サイズについての印刷データ600を通信部204を稼働して受信し、記憶部202に格納する(ステップS351)。
図11(b)は、第2の画像処理装置30の記憶部202に格納される印刷データ600の格納例を示す図である。
識別情報610「abc1234」に対応して、特定の印刷サイズ(Lサイズ)以外の印刷サイズについての注文情報である制御データ620と、イメージデータ630が格納される。
【0075】
図11(b)の例では、画像識別コード621「0001」の画像について、印刷サイズコード623「1(はがきサイズ)」を2枚(枚数625)、画像識別コード621「0002」の画像について、印刷サイズコード623「2(2Lサイズ)」を1枚と、印刷サイズコード623「3(6×8サイズ)」を1枚、印刷サイズコード623「4(8×12サイズ)」を1枚、第2の画像出力装置30で印刷することを示している。
また、イメージデータ630として、画像識別コード621「0001」と「0002」の画像データ633が格納される。
【0076】
次に、制御部201は、利用者に対する案内画面をタッチパネル付ディスプレイ35に表示し、待機する(ステップS352)。
図12は第2の画像出力装置の画面例である。
図12(a)は、利用者に対する案内画面例700である。図12(a)の案内画面例700は、識別情報がバーコードとして印刷されたレシート500を使用する場合の案内画面例である。
図12(a)の画面例700に示すように、第1の画像出力装置10のレシートジャーナル処理部110によりレシートに印刷されたバーコードを、第2の画像出力装置30のバーコードリーダー37にかざすよう利用者に促す画面が表示される。
【0077】
利用者がレシート500のバーコードをバーコードリーダー37にかざすと、バーコードリーダー37はバーコードを読み取り、識別情報610を取得する。
制御部201は、識別情報610により、記憶部202に格納されている制御データ620とイメージデータ630を特定することができる。
制御部201は、図12(b)に示すように、これから印刷する各印刷サイズの枚数を案内画面710としてタッチパネル付ディスプレイ35に表示するとよい。
【0078】
一方、識別情報がパスワードとして印刷されたレシート510を使用する場合には、図13に示すような案内画面720を表示する。
図13に示すように、案内画面720には、アルファベットや数字のボタンが表示されている。利用者は、レシート510に印刷されているパスワードを、アルファベットや数字のボタンをタッチすることにより入力する。
入力したパスワードを入力パスワードとして表示してもよい。
【0079】
利用者がレシート510に印刷されているパスワードを入力すると、制御部201は、そのパスワードを識別情報610として、記憶部202に格納されている制御データ620とイメージデータ630を特定することができる。
【0080】
次に、制御部201は、記憶部202に格納されている画像データ633を、制御データ620の印刷サイズコード623に対応した印刷サイズの印刷データに変換する処理を実行し、印刷サイズコード623に対応した印刷サイズのプリンタB207に送り、プリンタB207を稼働して印刷させ、プリント物取出口39に出力する(ステップS353)。
【0081】
画像データを、指定された印刷サイズの印刷データに変換する処理は、利用者が識別情報610をバーコードリーダー37またはタッチパネル付ディスプレイ35から入力し、識別情報610が特定されてから開始してもよいし、印刷データ600を第2の画像出力装置30が受信し、記憶部202に格納後すぐに開始してもよい。
利用者にとっては、後者の方が待ち時間が短くてすむという利点がある。
【0082】
図11に示した印刷データ600の場合、制御部201は、画像識別コード631「0001」の画像データ633を印刷サイズコード623「1(はがきサイズ)」の印刷データに変更し、画像識別コード631「0002」の画像データ633を印刷コード623「2(2Lサイズ)」、「3(6×8サイズ)」、「4(8×12サイズ)」の印刷データに変更し、それぞれの印刷サイズの印刷を行うプリンタB207に送り、印刷させる。
【0083】
第1の画像出力装置10による課金処理(ステップS303)後に、利用者のキャンセルを受け付ける場合を考慮し、第2の画像出力装置30において、バーコードまたはパスワード等による識別情報の入力後(ステップS352の後)、タッチパネル付ディスプレイ35の案内に、第2の画像出力装置30による印刷を行うか、キャンセルするかを選択可能にする選択画面を表示するようにしてもよい。
この場合、既に課金処理は完了しているので、料金を返金する必要がある。
キャンセルが選択された場合には、第2の画像出力装置30に搭載されているプリンタB207により、特定の印刷サイズ(Lサイズ)以外の印刷サイズのプリントがキャンセルされた旨の情報(印刷サイズと枚数、料金等)からなるキャンセル票を印刷して出力し、キャンセル票を示すことによりレジカウンターで返金するようにしてもよい。
第2の画像出力装置30にレシートプリンタ(レシートジャーナル処理部)を設け、キャンセル票をレシートプリンタで印刷するようにしてもよい。
【0084】
以上説明したように、本実施形態の画像出力システム1では、ニーズの高い特定の印刷サイズの印刷を第1の画像出力装置10で行い、その他の印刷サイズの印刷を第2の画像出力装置30で行うことにより、利用者は、複数の印刷サイズの写真を手軽にスピーディーに得ることが可能になる。
【0085】
また、第1の画像出力装置10によりバーコードやパスワードとして出力された識別情報を第2の画像出力装置30で受け付けることにより、第2の画像出力装置30が識別情報に対応する画像データを印刷するので、他人にプリント物が出力されたりすることがなくなる。
【0086】
また、第2の画像出力装置30において利用者による印刷をキャンセルできるとともに、この際キャンセルされた画像データの印刷サイズおよび枚数の情報を出力するので、キャンセル分の返金も好適に行うことができる。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明にかかる画像出力システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0088】
1………画像出力システム
10………第1の画像出力装置
11………受け付け部
13………課金部
15………プリンタA
30………第2の画像出力装置
31………サーバ
33………プリンタB
40………ネットワーク
500、510………レシート
600………印刷データ
610………識別情報
620………制御データ
621、631………画像識別コード
623………印刷サイズコード
625………枚数
630………イメージデータ
633………画像データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像出力装置と第2の画像出力装置がネットワークを介して接続された画像出力システムであって、
前記第1の画像出力装置は、
画像データを入力する画像入力手段と、
前記画像データの印刷サイズおよび枚数の指定を受け付け、前記印刷サイズおよび枚数に応じた料金を課金する印刷受付課金手段と、
特定の印刷サイズが指定された画像データについて、印刷を行う第1の印刷手段と、
前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された前記画像データ、および、指定された前記印刷サイズおよび枚数を含む印刷情報を、前記ネットワークを介して前記第2の画像出力装置に送信するデータ送信手段を具備し、
前記第2の画像出力装置は、
前記第1の画像出力装置から送信される前記画像データを受信するデータ受信手段と、
前記データ受信手段により受信した前記画像データを、前記印刷情報に従って印刷する第2の印刷手段を、
具備することを特徴とする画像出力システム。
【請求項2】
前記第1の画像出力装置は、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データに対応し、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データを印刷するための識別情報を出力する識別情報出力手段を更に有し、
前記データ送信手段は、前記識別情報を前記画像データおよび前記印刷情報とともに前記第2の画像出力装置に送信し、
前記第2の画像出力装置は、前記識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段を更に有し、
前記第2の印刷手段は、前記識別情報の入力の受付に応じて、前記識別情報に対応する前記画像データを、前記印刷情報に従って印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像出力システム。
【請求項3】
前記識別情報出力手段は、前記識別情報をバーコードとして印刷出力し、
前記識別情報受付手段は、バーコードリーダーを備え、前記バーコードを前記バーコードリーダーにかざすことにより前記識別情報を読み取ることを特徴とする請求項2に記載の画像出力システム。
【請求項4】
前記識別情報はパスワードであり、前記識別情報受付手段は、入力された前記パスワードを前記識別情報として受け付けることを特徴とする請求項2に記載の画像出力システム。
【請求項5】
前記第2の画像出力装置は、前記識別情報の受け付け後、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズの画像データの印刷のキャンセルを受け付け、前記データ受信手段により受信した前記識別情報に対応する前記印刷情報から、キャンセルされた画像データの前記印刷サイズおよび枚数の情報を出力し、前記識別情報に対応する前記画像データを消去するキャンセル受付手段を更に具備することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の画像出力システム。
【請求項6】
第1の画像出力装置と第2の画像出力装置がネットワークを介して接続された画像出力システムにより、複数の印刷サイズの画像データを印刷する画像出力方法であり、
前記第1の画像出力装置が、
画像データを入力する画像入力ステップと、
前記画像データの印刷サイズおよび枚数の指定を受け付け、前記印刷サイズおよび枚数に応じた料金を課金する印刷受付課金ステップと、
特定の印刷サイズが指定された画像データについて、印刷を行う第1の印刷ステップと、
前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された前記画像データ、および、指定された前記印刷サイズおよび枚数を含む印刷情報を、前記ネットワークを介して前記第2の画像出力装置に送信するデータ送信ステップを実行し、
前記第2の画像出力装置が、
前記第1の画像出力装置から送信される前記画像データを受信するデータ受信ステップと、
前記データ受信手段により受信した前記画像データを、前記印刷情報に従って印刷する第2の印刷ステップを実行することを特徴とする画像出力方法。
【請求項7】
前記第1の画像出力装置は、
前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データに対応し、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズが指定された画像データを印刷するための識別情報を出力する識別情報出力ステップを更に実行し、
前記データ送信ステップでは、前記識別情報を前記画像データおよび前記印刷情報とともに前記第2の画像出力装置に送信し、
前記第2の画像出力装置は、
前記識別情報の入力を受け付ける識別情報受付ステップを更に実行し、
前記第2の印刷ステップでは、前記識別情報の入力の受付に応じて、前記識別情報に対応する前記画像データを、前記印刷情報に従って印刷することを特徴とする請求項6記載の画像出力方法。
【請求項8】
前記識別情報出力ステップでは、前記識別情報をバーコードとして印刷出力し、
前記識別情報受付ステップでは、前記バーコードをバーコードリーダーにかざすことにより前記識別情報を読み取ることを特徴とする請求項7に記載の画像出力方法。
【請求項9】
前記識別情報はパスワードであり、前記識別情報受付ステップでは、入力された前記パスワードを前記識別情報として受け付けることを特徴とする請求項7に記載の画像出力方法。
【請求項10】
前記第2の画像出力装置は、前記識別情報の受け付け後、前記特定の印刷サイズ以外の印刷サイズの画像データの印刷のキャンセルを受け付け、前記データ受信手段により受信した前記識別情報に対応する前記印刷情報から、キャンセルされた画像データの前記印刷サイズおよび枚数の情報を出力し、前記識別情報に対応する前記画像データを消去するキャンセル受付ステップを更に実行することを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれかに記載の画像出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−18120(P2013−18120A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150577(P2011−150577)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】