説明

画像出力装置、画像出力プログラム及び広告画像出力システム

【課題】記録媒体での原稿画像の出力時に広告画像を付加する場合に、ユーザの嗜好に合致した広告画像の記録媒体における好適な配置を実現することを課題とする。
【解決手段】画像出力装置は、複数のカテゴリに分類された広告情報を記憶する広告情報記憶部と、利用者の属性情報を記憶する利用者情報記憶部とを有する。そして、画像出力装置は、出力対象の画像データに含まれる余白領域を検出し、検出した余白領域の大きさ又は形状に応じた、属性情報に適合するカテゴリの広告情報を選択する。その後、画像出力装置は、検出した余白領域に、選択された広告情報を合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像出力装置、画像出力プログラム及び広告画像出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Webページにおいては、閲覧するユーザの属性に合わせた広告が配信されたり、ユーザによって閲覧されるWebページのコンテンツに合わせた広告が配信されたりする技術が利用されることがある。かかる技術では、一つの様態として、カテゴリ辞書と反対語辞書とを用いて、Webページ内の文字列に対して適合する商品を判定することにより、Webページ内の文字列に適合する商品を広告として表示する。
【0003】
但し、Webページにおける広告は、用紙等の記録媒体の広告と比較して、リアルな実体としての訴求力が少なく、広告媒体として主流になっているとは言い難い。そのうえ、Webページに掲載される広告は、そのリンク先のWebページに情報が含まれることが多いため、リンク元のWebページを記録媒体に出力したとしても好適な広告を出力できるとは限らない。
【0004】
一方、記録媒体の広告においては、読み取られた原稿画像を記録媒体で出力する際に、記録媒体の所定位置に広告画像を合成して出力する技術がある。また、原稿画像を縮小させることで生じる記録媒体の余白領域に広告画像を合成して出力する技術がある。さらには、広告画像の内容に合致する時間や場所において、原稿画像に広告画像を合成する技術がある。
【0005】
また、デジタル画像を利用した記録媒体での出力においては、デジタル画像に広告データを付加して提供する技術がある。かかる技術では、一つの様態として、ネットワークを介して様々な業種に関する広告データを取得し、取得した広告データを出力フォームに合成して出力する。また、プリントアウトするユーザのユーザ情報を特定したうえで、プリント対象であるデジタル画像に対応する広告データを選択して出力する技術もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術では、記録媒体での原稿画像の出力時に広告画像を付加する場合に、ユーザの嗜好に合致した広告画像の記録媒体における好適な配置を実現することができないという問題がある。具体的には、広告画像の内容は、プリントアウトするユーザの嗜好と関連付いていることが好ましいものの、デジタル画像に広告データを付加して提供する技術では、広告情報の内容がユーザの嗜好と関連付いているわけではない。また、ユーザのユーザ情報を特定して広告データを選択する技術は、余白領域に広告を付加するものではなく、ユーザに指定された領域、或いは、原稿画像とは異なる記録媒体に選択した広告データを出力する。これらの結果、従来技術では、記録媒体での原稿画像の出力時に広告画像を付加する場合に、ユーザの嗜好に合致した広告画像の記録媒体における好適な配置を実現することができない。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、記録媒体での原稿画像の出力時に広告画像を付加する場合に、ユーザの嗜好に合致した広告画像の記録媒体における好適な配置を実現することが可能である画像出力装置、画像出力プログラム及び広告画像出力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る画像出力装置は、画像データを出力する画像出力装置であって、複数のカテゴリに分類された広告情報を記憶する広告情報記憶部と、利用者の属性情報を記憶する利用者情報記憶部と、出力対象の前記画像データに含まれる余白領域を検出する検出部と、検出された前記余白領域の大きさ又は形状に応じた、前記属性情報に適合するカテゴリの前記広告情報を選択する選択部と、検出された前記余白領域に、選択された前記広告情報を合成する合成部とを有する。
【0009】
また、本発明に係る画像出力プログラムは、出力対象の画像データに含まれる余白領域を検出する検出ステップと、複数のカテゴリに分類された広告情報を記憶する広告情報記憶部から、検出された前記余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報を記憶する利用者情報記憶部から取得した利用者の属性情報に適合するカテゴリの広告情報を選択する選択ステップと、検出された前記余白領域に、選択された前記広告情報を合成する合成ステップとをコンピュータに実行させる。
【0010】
また、本発明に係る広告画像出力システムは、画像データを出力する画像出力装置と、広告情報を管理する広告管理装置とを有する広告画像出力システムであって、前記広告管理装置は、複数のカテゴリに分類された広告情報を記憶する広告情報記憶部と、前記画像データに含まれる余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に適合するカテゴリの前記広告情報を選択し、前記画像出力装置に対して該広告情報を送信する選択部とを有し、前記画像出力装置は、前記属性情報を記憶する利用者情報記憶部と、出力対象の前記画像データに含まれる余白領域を検出し、前記属性情報と検出した前記余白領域の情報とを前記広告管理装置に対して送信する検出部と、検出された前記余白領域に、前記広告管理装置によって送信された前記広告情報を合成する合成部とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一つの様態によれば、記録媒体での原稿画像の出力時に広告画像を付加する場合に、ユーザの嗜好に合致した広告画像の記録媒体における好適な配置を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例1に係る画像出力装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、実施例1に係る画像出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施例2に係る画像出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、実施例3に係る画像出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、実施例4に係る画像出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、広告画像出力システムの構成例を示す図である。
【図7】図7は、広告画像出力システムに係る広告画像出力処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【図8】図8は、本発明に係る画像出力装置を含む複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る画像出力装置、画像出力プログラム及び広告画像出力システムの実施例を説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。また、各実施例は、内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0014】
[画像出力装置の構成]
図1を用いて、実施例1に係る画像出力装置の構成について説明する。図1は、実施例1に係る画像出力装置の構成例を示す図である。
【0015】
例えば、図1に示すように、画像出力装置100は、利用者情報記憶部110と、広告情報記憶部120と、検出部130と、選択部140と、合成部150とを有する。かかる画像出力装置100は、一つの様態として、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能又はファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機等に含まれる。また、画像出力装置100は、例えば、受け付けた印刷指示に基づいて所定の画像処理を実行し、用紙等の記録媒体に印刷を行なう複合機に画像データを出力する。
【0016】
利用者情報記憶部110は、利用者の属性情報を記憶する。例えば、利用者情報記憶部110は、画像出力装置100を利用する利用者を識別するユーザID(identifier)及びパスワードとともに、利用者の属性情報を記憶する。かかる属性情報としては、例えば、利用者の性別、年齢、居住地域、職業、関心のある分野又は商品の購入履歴等が挙げられる。
【0017】
広告情報記憶部120は、複数のカテゴリに分類された広告情報を記憶する。かかるカテゴリについては、例えば、セマンティック情報による分類、広告情報を付加する地域や時間等の属性情報による分類、又は、広告情報の提供元による分類等が挙げられる。すなわち、各種の基準によりカテゴリ分けされた広告情報を利用することで、後述するように、利用者の属性情報や出力対象の画像データに基づいて、好適な広告情報を選択することができる。また、基準は適宜設定されれば良く、カテゴリは離散的な指標に関連付けられるものに限らず、連続的な指標に関連付けられるものを利用しても良い。これらにより、よりきめ細やかな広告情報の選択を実現できる。
【0018】
検出部130は、出力対象の画像データに含まれる余白領域を検出する。例えば、検出部130は、印刷指示で指定された用紙サイズ及び解像度に応じて、余白領域の画素サイズを設定し、設定した余白領域を下端、上端、右端、左端の順に探索していくことで検出する。なお、検出部130は、検出した余白領域の位置情報を所定の記憶部に登録する。
【0019】
選択部140は、利用者情報記憶部110から、ユーザID及びパスワードに該当する利用者の属性情報を取得する。そして、選択部140は、検出部130によって検出された余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に適合するカテゴリの広告情報を広告情報記憶部120から選択する。以下に、広告情報の選択について例を挙げて説明する。
【0020】
Webページの印刷で画像出力装置100が利用される場合に、選択部140は、取得した利用者の属性情報をもとに、購入履歴のある商品に関連する特徴語の中からWebページを特徴付ける語句を抽出し、語句に適合するカテゴリの広告情報を選択する。また、広告情報の選択の際に、選択部140は、余白領域の大きさ又は形状に応じた広告情報を選択する。すなわち、選択部140は、複数の広告情報を選択した場合に、余白領域の大きさ又は形状に最も合致する広告情報を選択する。ここで、変倍を要する広告情報が選択された場合には、印刷時の見易さを考慮して、所定の変倍率に抑えられていることが好ましい。なお、テキストコンテンツの印刷で画像出力装置100が利用される場合にも、同様にして広告情報が選択される。印刷するWebページに適合する広告情報の選択方法としては、例えば、特開2010−26779号公報に開示された方法を適用できる。
【0021】
また、画像データの印刷で画像出力装置100が利用される場合に、選択部140は、画像データに含まれる画像の色調や外形形状の特徴量を数値化し、数値化した特徴量を用いて広告情報との類似度を算出し、類似度が所定値以上となる広告情報を選択する。また、広告情報の選択の際に、選択部140は、余白領域の大きさ又は形状に応じた広告情報を選択する。すなわち、選択部140は、複数の広告情報を選択した場合に、余白領域の大きさ又は形状に最も合致する広告情報を選択する。ここで、変倍を要する広告情報が選択された場合には、印刷時の見易さを考慮して、所定の変倍率に抑えられていることが好ましい。印刷する画像データに適合する広告情報の選択方法としては、例えば、特開2008−096759号公報に開示された方法を適用できる。
【0022】
合成部150は、例えば、検出部130によって検出された余白領域の位置情報を所定の記憶部から取得し、取得した余白領域の位置に、選択部140によって選択された広告情報を合成し、合成後の画像データを複合機等に出力する。その後、複合機は、画像出力装置100によって出力された画像データをもとに、記録媒体への印刷を行なう。
【0023】
[実施例1に係る画像出力処理フロー]
次に、図2を用いて、実施例1に係る画像出力処理の流れについて説明する。図2は、実施例1に係る画像出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0024】
例えば、図2に示すように、検出部130は、印刷指示で指定された用紙サイズ及び解像度に応じて、余白領域の画素サイズを設定し、設定した余白領域を下端、上端、右端、左端の順に探索していくことにより、出力対象の画像データに含まれる余白領域を検出する(ステップS101)。
【0025】
また、選択部140は、利用者情報記憶部110から該当する利用者の属性情報を取得する(ステップS102)。そして、選択部140は、検出部130によって検出された余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に適合するカテゴリの広告情報を広告情報記憶部120から選択する(ステップS103)。
【0026】
また、合成部150は、検出部130によって検出された余白領域に、選択部140によって選択された広告情報を合成し、合成後の画像データを複合機等に出力する(ステップS104)。なお、複合機は、画像出力装置100によって出力された画像データをもとに、プリント用紙等の記録媒体への印刷を行なう。
【0027】
[実施例1による効果]
上述したように、画像出力装置100は、出力対象の画像データ、利用者の属性情報、及び、画像データに含まれる余白領域の大きさや形状に基づいて、画像データに合成する広告情報を選択するので、記録媒体での原稿画像の出力時に広告画像を付加する場合に、ユーザの嗜好に合致した広告画像の記録媒体における好適な配置を実現することができる。
【実施例2】
【0028】
上記実施例1では、余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に適合するカテゴリの広告情報を選択する場合を説明したが、出力対象の画像データに含まれる、利用者の属性情報に相関する語句を検出し、相関する語句に適合するカテゴリの広告情報を選択することもできる。そこで、実施例2では、出力対象の画像データに含まれる、利用者の属性情報に相関する語句を検出し、相関する語句に適合するカテゴリの広告情報を選択する場合を説明する。
【0029】
[実施例2に係る画像出力処理フロー]
図3を用いて、実施例2に係る画像出力処理の流れについて説明する。図3は、実施例2に係る画像出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0030】
例えば、図3に示すように、検出部130は、印刷指示で指定された用紙サイズ及び解像度に応じて、余白領域の画素サイズを設定し、設定した余白領域を下端、上端、右端、左端の順に探索していくことにより、出力対象の画像データに含まれる余白領域を検出する(ステップS201)。
【0031】
そして、検出部130は、利用者情報記憶部110から該当する利用者の属性情報を取得する(ステップS202)。続いて、検出部130は、出力対象の画像データに含まれる、利用者の属性情報に相関する語句を検出する(ステップS203)。具体的には、検出部130は、居住地域、職業又は関心のある分野等の利用者の属性情報に相関する語句を、出力対象の画像データから抽出する。
【0032】
また、選択部140は、検出部130によって検出された余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に相関する語句に適合するカテゴリの広告情報を広告情報記憶部120から選択する(ステップS204)。具体的には、選択部140は、検出部130によって抽出された語句をSVM(Support Vector Machine)等の識別器を用いて分類し、より相関するカテゴリの広告情報を選択する。例を挙げると、Webページのニュース記事の出力において、利用者の関心の高い分野が経済である場合には、SVMを用いて、「株価」や「不況」等の語句と最も相関するカテゴリの広告情報が選択される。
【0033】
また、ステップS205の合成部150による合成処理は、実施例1に係る合成部150によるステップS104の合成処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0034】
[実施例2による効果]
上述したように、画像出力装置100は、属性情報に利用者の大枠の関心領域が含まれていれば、出力対象の画像データに含まれるコンテンツから、該関心領域をさらに絞り込み、絞り込んだ関心領域に係る語句に適合するカテゴリの広告情報を選択して、画像データの余白領域に広告情報を合成するので、より好適に利用者の嗜好に合致した広告情報を含んだ画像データを出力することができる。
【実施例3】
【0035】
上記実施例1では、出力対象の画像データから検出した余白領域に広告情報を合成する場合を説明したが、出力対象の画像データのレイアウトを変更して余白領域を確保し、確保した余白領域に広告情報を合成することもできる。そこで、実施例3では、出力対象の画像データのレイアウトを変更して余白領域を確保し、確保した余白領域に広告情報を合成する場合を説明する。
【0036】
[実施例3に係る画像出力処理フロー]
図4を用いて、実施例3に係る画像出力処理の流れについて説明する。図4は、実施例3に係る画像出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0037】
例えば、図4に示すように、検出部130は、出力対象の画像データに含まれるコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツの大きさ又は形状に基づいて、抽出時の画像データよりも余白領域が多くなるように該コンテンツを画像データ内で再配置する(ステップS301)。そして、検出部130は、印刷指示で指定された用紙サイズ及び解像度に応じて、再配置した余白領域の画素サイズを設定し、設定した余白領域を下端、上端、右端、左端の順に探索していくことにより、コンテンツを再配置した画像データに含まれる余白領域を検出する(ステップS302)。すなわち、余白領域が分散している場合等に、検出部130は、出力対象の画像データに含まれるコンテンツのレイアウトを変更し、より大きな余白領域を確保する。より大きな余白領域を確保する方法としては、例えば、特開2011−65295号公報に開示されている「最密充填レイアウト」等の方法を適用できる。
【0038】
また、選択部140は、利用者情報記憶部110から該当する利用者の属性情報を取得する(ステップS303)。続いて、選択部140は、検出部130によって検出された余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に相関する語句に適合するカテゴリの広告情報を広告情報記憶部120から選択する(ステップS304)。
【0039】
また、ステップS305の合成部150による合成処理は、実施例1に係る合成部150によるステップS104の合成処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0040】
[実施例3による効果]
上述したように、画像出力装置100は、出力対象の画像データのコンテンツを、余白領域が多くなるように再配置するので、出力対象の画像データに広告情報を合成するための余白領域を確保することができる。
【実施例4】
【0041】
上記実施例1では、出力対象の画像データに含まれる余白領域の大きさ又は形状に合致するとともに、利用者の嗜好に合致するカテゴリの広告情報を選択する場合を説明したが、複数の余白領域それぞれに対して相互に異なる広告情報を選択することもできる。そこで、実施例4では、複数の余白領域それぞれに対して相互に異なる広告情報を選択する場合を説明する。
【0042】
[実施例4に係る画像出力処理フロー]
図5を用いて、実施例4に係る画像出力処理の流れについて説明する。図5は、実施例4に係る画像出力処理の流れの例を示すフローチャートである。
【0043】
例えば、図5に示すように、検出部130は、印刷指示で指定された用紙サイズ及び解像度に応じて、余白領域の画素サイズを設定し、設定した余白領域を下端、上端、右端、左端の順に探索していくことにより、出力対象の画像データに含まれる余白領域を検出する(ステップS401)。ここで、検出部130は、出力対象の画像データが1ページである場合だけでなく、出力対象の画像データが複数ページに跨る場合にも、一連の画像データそれぞれに含まれる余白領域を検出する。
【0044】
そして、選択部140は、利用者情報記憶部110から該当する利用者の属性情報を取得する(ステップS402)。続いて、選択部140は、検出した余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に適合するカテゴリの広告情報を広告情報記憶部120から選択する(ステップS403)。
【0045】
ここで、選択部140は、選択した広告情報が既に選択済みであるか否かを判定する(ステップS404)。すなわち、かかる判定は、一連の画像データの同一ページ内若しくは異なるページに、同一の広告情報が選択されないようにするために行なわれる。このとき、選択部140は、広告情報が既に選択済みであると判定した場合に(ステップS404肯定)、再度ステップS403の処理を実行して、広告情報を選択する。また、広告情報を再度選択する場合に、選択部140は、既に選択済みである広告情報を除いた広告情報のうち、出力対象の画像データや利用者の属性情報等と最も相関する広告情報を選択する。
【0046】
一方、選択部140によって広告情報が選択済みでないと判定された場合に(ステップS404否定)、合成部150は、検出部130によって検出された余白領域に、選択部140によって選択された広告情報を合成し、合成後の画像データを複合機等に出力する(ステップS405)。なお、複合機は、画像出力装置100によって出力された画像データをもとに、プリント用紙等の記録媒体への印刷を行なう。
【0047】
[実施例4による効果]
上述したように、画像出力装置100は、出力対象の画像データに含まれる複数の余白領域に合成する広告情報の選択において、複数の余白領域それぞれに対して相互に異なる広告情報を選択するので、より多くの異なる広告情報を出力することができる。
【実施例5】
【0048】
さて、これまで本発明に係る画像出力装置100の実施例について説明したが、上述した実施例以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、(1)広告画像出力システム、(2)余白領域、(3)構成、(4)プログラム等、について異なる実施例を説明する。
【0049】
(1)広告画像出力システム
上記実施例では、画像出力装置100において広告情報を保持する場合を説明したが、ネットワークに接続されたサーバに広告情報を保持させることもできる。そこで、以下では、ネットワークに接続されたサーバに広告情報を保持させる場合を説明する。なお、上記実施例と同様の機能については、詳細な説明を省略する場合がある。
【0050】
図6は、広告画像出力システムの構成例を示す図である。例えば、図6に示すように、広告画像出力システム1は、画像出力装置200と、広告管理装置300とを有する。これらのうち、画像出力装置200は、例えば、利用者情報記憶部210と、検出部220と、合成部230とを有する。かかる画像出力装置200は、画像出力装置100と同様に、複合機等に含まれ、受け付けた印刷指示に基づいて所定の画像処理を実行し、用紙等の記録媒体に印刷を行なう複合機に画像データを出力する。また、広告管理装置300は、例えば、広告情報記憶部310と、選択部320とを有する。
【0051】
利用者情報記憶部210は、利用者情報記憶部110と同様に、画像出力装置200を利用する利用者を識別するユーザID及びパスワードとともに、利用者の属性情報を記憶する。広告情報記憶部310は、広告情報記憶部120と同様に、複数のカテゴリに分類された広告情報を記憶する。
【0052】
検出部220は、検出部130と同様に、出力対象の画像データに含まれる余白領域を検出する。そして、検出部220は、利用者情報記憶部210から、ユーザID及びパスワードに該当する利用者の属性情報を取得し、取得した属性情報と、検出した余白領域の情報とを広告管理装置300に対して送信する。
【0053】
選択部320は、例えば、画像出力装置200によって送信された利用者の属性情報と、余白領域の情報とを受信する。そして、選択部320は、選択部140と同様に、余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に適合するカテゴリの広告情報を広告情報記憶部310から選択する。続いて、選択部320は、選択した広告情報を画像出力装置200に対して送信する。
【0054】
合成部230は、例えば、広告管理装置300によって送信された広告情報を受信する。そして、合成部230は、合成部150と同様に、検出部220によって検出された余白領域の位置に、選択部320によって選択及び送信された広告情報を合成し、合成後の画像データを複合機等に出力する。その後、複合機は、画像出力装置200によって出力された画像データをもとに、記録媒体への印刷を行なう。
【0055】
次に、図7を用いて、広告画像出力システム1に係る広告画像出力処理の流れについて説明する。図7は、広告画像出力システム1に係る広告画像出力処理の流れの例を示すシーケンス図である。
【0056】
例えば、図7に示すように、画像出力装置200は、出力対象の画像データに含まれる余白領域を検出する(ステップS501)。そして、画像出力装置200は、利用者情報記憶部210から該当する利用者の属性情報を取得し、取得した属性情報と、検出した余白領域の余白領域情報とを広告管理装置300に対して送信する(ステップS502)。
【0057】
また、広告管理装置300は、画像出力装置200によって送信された属性情報と余白領域情報とを受信し、余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に適合するカテゴリの広告情報を広告情報記憶部310から選択する(ステップS503)。そして、広告管理装置300は、選択した広告情報を画像出力装置200に対して送信する(ステップS504)。
【0058】
また、画像出力装置200は、広告管理装置300によって送信された広告情報を受信し、検出した余白領域の位置に広告情報を合成し、合成後の画像データを複合機等に出力する(ステップS505)。その後、複合機は、画像出力装置200によって出力された画像データをもとに、記録媒体への印刷を行なう。
【0059】
(2)余白領域
また、1ページ内で余白領域が複数検出された場合には、例えば、下端、右端、左端、上端等の順に優先順位を設定して広告情報を付加する余白領域を決定したり、余白領域の大きさや形状に応じて優先順位を設定した広告情報を付加する余白領域を決定したりしても良い。また、余白領域に広告情報を合成する場合には、例えば、画像データのコンテンツと広告情報との間を所定間隔空けるようにし、画像データのコンテンツと広告情報との間に適度な余白を設けるようにすることで、利用者に不快感を与えにくい広告情報の出力が可能となる。
【0060】
また、例えば、Webページを印刷する場合には、該Webページの広告コンテンツを除去することにより、余白領域を確保するようにしても良い。Webページの広告コンテンツを除去する方法としては、例えば、特開2002−175160号公報に開示された方法を適用できる。また、例えば、出力対象の画像データに広告情報が含まれないようにするための広告不可情報が設定された画像データに対しては、広告情報を含まない記録媒体への印刷を実現することもできる。また、例えば、複数ページに跨って広告情報を付加する場合には、互いに関連性の強い広告を付加するようにしても良い。
【0061】
(3)構成
また、上記文書中や図面中等で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメタ等を含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、利用者情報記憶部110や広告情報記憶部120に記憶される各種情報は、任意に変更することができる。
【0062】
また、図示した画像出力装置100、画像出力装置200又は広告管理装置300の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は、図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負担や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合することができる。
【0063】
例えば、利用者情報記憶部110又は利用者情報記憶部210は、利用者の属性情報を管理する「属性情報管理装置」として、画像出力装置100又は画像出力装置200から分散させても良い。かかる場合に、画像出力装置100又は画像出力装置200は、利用者を特定するためのユーザIDとパスワードとを属性情報管理装置に送信し、該属性情報管理装置に接続するためのログイン処理を要求する。また、属性情報管理装置は、ユーザIDとパスワードとに基づいて認証処理を行ない、好適な広告情報を選択するための属性情報を抽出し、抽出した属性情報を画像出力装置100又は画像出力装置200に送信する。
【0064】
また、利用者がインターネットを使用した場合に抽出された自然言語文のテキスト列に基づいて、利用者が有する興味事項等を認識し、認識した興味事項を利用者の属性情報の一つとして使用するようにしても良い。利用者の興味事項を認識する方法としては、例えば、特開2003−030234号公報に開示された方法を適用できる。
【0065】
また、合成部150又は合成部230によって出力された画像データをプレビュー表示する「表示部」をさらに有していても良い。これにより、広告情報が付加されたイメージを利用者に確認させることができるので、広告情報の付加を要因とした出力対象の画像データの質の劣化のために、印刷した記録媒体が無駄になるということを回避できる。
【0066】
(4)プログラム等
図8は、本発明に係る画像出力装置100又は画像出力装置200を含む複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。例えば、図8に示すように、かかる複合機は、コントローラ10と、エンジン(Engine)部60とがPCIバスで接続された構成を有する。コントローラ10は、複合機全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部60は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジン等であり、例えば、白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナ又はファックスユニット等である。なお、このエンジン部60には、プロッタ等のいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換等の画像処理部分が含まれる。
【0067】
また、コントローラ10は、CPU11と、ノースブリッジ(NB)13と、システムメモリ(MEM‐P)12と、サウスブリッジ(SB)14と、ローカルメモリ(MEM‐C)17と、ASIC16と、ハードディスクドライブ(HDD)18とを有し、ノースブリッジ13とASIC16との間がAGP(Accelerated Graphics Port)バス15で接続された構成となる。また、MEM−P12は、ROM(Read Only Memory)12aと、RAM(Random Access Memory)12bと、をさらに有する。
【0068】
また、CPU11は、複合機の全体制御を行なうものであり、ノースブリッジ13、MEM−P12及びサウスブリッジ14を含むチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0069】
また、ノースブリッジ13は、CPU11と、MEM−P12と、サウスブリッジ14と、AGPバス15とを接続するためのブリッジであり、MEM−P12に対する読み書き等を制御するメモリコントローラ、PCIマスタ及びAGPターゲットを有する。
【0070】
また、MEM−P12は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリ等として用いるシステムメモリであり、ROM12aとRAM12bとを有する。ROM12aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM12bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリ等として用いる書き込み及び読み出し可能なメモリである。
【0071】
サウスブリッジ14は、ノースブリッジ13とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このサウスブリッジ14は、PCIバスを介してノースブリッジ13と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインタフェース(I/F)部等も接続される。
【0072】
ASIC16は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス15、PCIバス、HDD18及びMEM−C17をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC16は、PCIターゲット及びAGPマスタと、ASIC16の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C17を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行なう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部60との間でPCIバスを介したデータ転送を行なうPCIユニットとを含む。このASIC16には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)30、USB(Universal Serial Bus)40、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インタフェース50が接続される。操作表示部20は、ASIC16に直接接続されている。
【0073】
また、MEM−C17は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)18は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行なうためのストレージである。
【0074】
また、AGPバス15は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM−P12に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするものである。
【0075】
なお、上記実施例の画像出力装置100で実行される画像出力プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。例えば、画像出力装置100で実行される画像出力プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供するように構成しても良い。
【符号の説明】
【0076】
100 画像出力装置
110 利用者情報記憶部
120 広告情報記憶部
130 検出部
140 選択部
150 合成部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0077】
【特許文献1】特許第3719245号公報
【特許文献2】特許第4260567号公報
【特許文献3】特許第4443719号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを出力する画像出力装置であって、
複数のカテゴリに分類された広告情報を記憶する広告情報記憶部と、
利用者の属性情報を記憶する利用者情報記憶部と、
出力対象の前記画像データに含まれる余白領域を検出する検出部と、
検出された前記余白領域の大きさ又は形状に応じた、前記属性情報に適合するカテゴリの前記広告情報を選択する選択部と、
検出された前記余白領域に、選択された前記広告情報を合成する合成部と
を有することを特徴とする画像出力装置。
【請求項2】
前記検出部は、出力対象の前記画像データに含まれる前記属性情報に相関する語句をさらに検出し、
前記選択部は、前記属性情報に相関する語句に適合するカテゴリの前記広告情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記検出部は、出力対象の前記画像データに含まれるコンテンツを抽出し、抽出したコンテンツの形状に基づいて、抽出時の前記画像データよりも余白領域が多くなるように該コンテンツを前記画像データ内で再配置し、再配置した前記画像データに含まれる余白領域を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記選択部は、前記検出部によって複数の前記余白領域が検出された場合に、複数の前記余白領域それぞれに対して相互に異なる前記広告情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項5】
前記検出部は、出力対象となる一連の前記画像データそれぞれに含まれる前記余白領域を検出し、
前記選択部は、前記検出部によって複数の前記余白領域が検出された場合に、複数の前記余白領域それぞれに対して相互に異なる前記広告情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項6】
前記合成部は、検出された前記余白領域の前記画像データにおける位置、大きさ又は形状に応じた、余白領域への広告情報の合成順位に基づいて、選択された前記広告情報を合成することを特徴とする請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項7】
出力対象の画像データに含まれる余白領域を検出する検出ステップと、
複数のカテゴリに分類された広告情報を記憶する広告情報記憶部から、検出された前記余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報を記憶する利用者情報記憶部から取得した利用者の属性情報に適合するカテゴリの広告情報を選択する選択ステップと、
検出された前記余白領域に、選択された前記広告情報を合成する合成ステップと
をコンピュータに実行させるための画像出力プログラム。
【請求項8】
画像データを出力する画像出力装置と、広告情報を管理する広告管理装置とを有する広告画像出力システムであって、
前記広告管理装置は、
複数のカテゴリに分類された広告情報を記憶する広告情報記憶部と、
前記画像データに含まれる余白領域の大きさ又は形状に応じた、利用者の属性情報に適合するカテゴリの前記広告情報を選択し、前記画像出力装置に対して該広告情報を送信する選択部と
を有し、
前記画像出力装置は、
前記属性情報を記憶する利用者情報記憶部と、
出力対象の前記画像データに含まれる余白領域を検出し、前記属性情報と検出した前記余白領域の情報とを前記広告管理装置に対して送信する検出部と、
検出された前記余白領域に、前記広告管理装置によって送信された前記広告情報を合成する合成部と
を有することを特徴とする広告画像出力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−62674(P2013−62674A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199620(P2011−199620)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】