説明

画像出力装置及び画像出力方法

【課題】マルチビューシステムにおけるクロストークを低減させることができる画像出力
装置及び画像出力方法を提供する。
【解決手段】複数の系統から画像を入力しこれらの画像を並び替えて出力する入力画像デ
ータ並び替え部と、この入力画像データ並び替え部の出力と同期する信号を発生するメガ
ネシャッタ制御部と、連続する前記出力の色合いが近づくよう補正する補正画像生成ブロ
ックとを備えた画像出力装置。また、マルチビューシステムにおける画像出力方法であっ
て、複数の系統から画像を入力しこれらの画像を並び替えて出力し、かく出力された前記
画像と同期する信号を発生し、連続する前記画像の色合いが近づくよう補正する画像出力
方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、マルチビューシステムにおけるクロストークを回避する画像出力
装置及び画像出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶TVなどにおいて、立体視の右目用の画像と左目用の画像を生成する技術を用いて
更にマルチビューシステムが構築されてきている。
例えば特許文献1には、立体映像を視認するための視差に対応した右眼用画像及び左眼
用画像を変調光の走査により交互に画像表示部の画像表示面に表示され、画像表示面と観
察者の間に配置され、複数の領域に分割されて領域ごとに個別に開閉可能に構成された右
眼用シャッターと左眼用シャッターを有する時分割シャッターにおいて、右眼用画像また
は左眼用画像の再生時にそれぞれ対応する右眼用シャッターまたは左眼用シャッターのう
ちの変調光の走査位置に対応する部分のみが開くように、画像表示部における表示と時分
割シャッターにおける開閉が制御されて同期される構成が記載されている。即ち、シャッ
ターの開く時間を短くして立体視の右目用の画像と左目用の画像が混じらないように制御
している。
【0003】
他方で、クロストークが顕著となるマルチビューシステムにおいて、クロストークを低
減させる技術の要望があるが、かかる要望を実現するための手段は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−50315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、マルチビューシステムにおけるクロストークを低減させることができる画像
出力装置及び画像出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、実施形態の画像出力装置によれば、複数の系統から画像を
入力しこれらの画像を並び替えて出力する入力画像データ並び替え部と、この入力画像デ
ータ並び替え部の出力と同期する信号を発生するメガネシャッタ制御部と、連続する前記
出力の色合いが近づくよう補正する補正画像生成ブロックとを備えた。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明を適用したデジタルテレビジョン放送受信装置111の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置111を中心として構成されるネットワークシステムを説明するための図。
【図2】デジタルテレビジョン放送受信装置111の主要な信号処理系を示す図。
【図3】この発明の一実施形態を示すマルチビューシステムのブロック構成図。
【図4】同実施形態のマルチビューシステムの出力データの流れを示す説明図。
【図5】実施形態のマルチビューシステムの別の出力データの流れを示す説明図。
【図6】実施形態の補正画像生成ブロックを示す説明図。
【図7】従来の形態に用いられるマルチビューシステムの出力データの流れを示す説明図。
【図8】従来の形態に用いられるマルチビューシステムの出力データの流れを示す説明図その2。
【図9】実施形態のマルチビューシステムのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明による実施形態を図1乃至図9を参照して説明する。
図1は、本発明に係わる通信装置であるネットワーク機能を備えたデジタルテレビジョ
ン放送受信装置111の外観と、このデジタルテレビジョン放送受信装置111を中心と
して構成されるネットワークシステムの一例を概略的に示している。
【0009】
すなわち、デジタルテレビジョン放送受信装置111は、主として、薄型のキャビネッ
ト112と、このキャビネット112を起立させて支持する支持台113とから構成され
ている。そして、キャビネット112には、例えばSED(Surface-conduction Electro
n-emitter Display)表示パネル,液晶表示パネル等でなる平面パネル型の映像表示器1
14、スピーカ115、操作部116、リモートコントローラ117から送信される操作
情報を受ける受光部118等が設置されている。
【0010】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置111には、例えばSD(Secure Digit
al)メモリカード、MMC(Multimedia Card)及びメモリスティック等の第1のメモリ
カード119が着脱可能となっており、この第1のメモリカード119に対して番組や写
真等の情報の記録再生が行なわれるようになっている。
【0011】
さらに、このデジタルテレビジョン放送受信装置111には、例えば契約情報等の記録
された第2のメモリカード(ICカード)120が着脱可能となっており、この第2のメ
モリカード120に対して情報の記録再生が行なわれるようになっている。
【0012】
また、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、第1のLAN(Local Area N
etwork)端子121、第2のLAN端子122、USB(Universal Serial Bus)端子1
23及びi.LINK端子124を備えている。
【0013】
このうち、第1のLAN端子121は、LAN対応HDD専用ポートとして使用される
もので、接続されたNAS(Network Attached Storage)であるLAN対応のHDD12
5に対して、イーサネット(登録商標)により情報の記録再生を行なうために使用される

【0014】
このように、LAN対応HDD専用ポートとしての第1のLAN端子121を設けるこ
とにより、他のネットワーク環境やネットワーク使用状況等に影響されることなく、LA
N対応のHDD125に対してハイビジョン画質による番組の情報記録を安定して行なう
ことができる。
【0015】
また、第2のLAN端子122は、イーサネット(登録商標)を用いた一般的なLAN
対応ポートとして使用されるもので、例えばハブ126を介して、LAN対応のHDD1
27、コンテンツサーバー128、HDD内蔵のDVD(Digital Versatile Disk)レコ
ーダ129等の機器を接続し、これらの機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0016】
なお、コンテンツサーバー128については、家庭内ネットワークにおいてコンテンツ
のサーバー機器として動作するための機能を持ち、さらにコンテンツのアクセスに必要な
URI(Uniform Resource Identifier)情報を提供するサービスを備えたUPnP(ユ
ニバーサルプラグアンドプレイ)対応機器として構成される。
【0017】
なお、DVDレコーダ129については、第2のLAN端子122を介して通信される
デジタル情報が制御系のみの情報であるため、デジタルテレビジョン放送受信装置111
との間でアナログの映像及び音声情報を伝送するために、専用のアナログ伝送路130を
設ける必要がある。
【0018】
さらに、この第2のLAN端子122は、ハブ126に接続されたブロードバンドルー
タ131を介して、例えばインターネット等のネットワーク132に接続し、このネット
ワーク132を介してコンテンツサーバー133や携帯電話134等と情報伝送を行なう
ために使用される。
【0019】
なお、コンテンツサーバー133についてはコンテンツのサーバー機器として動作する
ための機能を持ち、さらにコンテンツのアクセスに必要なURI情報を提供するサービス
を備えたUPnP対応機器として構成される。
【0020】
また、上記USB端子123は、一般的なUSB対応ポートとして使用されるもので、
例えばハブ135を介して、携帯電話136、デジタルカメラ137、メモリカードに対
するカードリーダ/ライタ138、HDD139、キーボード140等のUSB機器を接
続し、これらのUSB機器と情報伝送を行なうために使用される。
【0021】
さらに、上記i.LINK端子124は、例えばAV−HDD141、D(Digital)
−VHS(Video Home System)142等をシリアル接続し、これらの機器と情報伝送を
行なうために使用される。
図2は、上記したデジタルテレビジョン放送受信装置111の主要な信号処理系を示し
ている。
すなわち、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ243で受信した衛星デジタルテ
レビジョン放送信号は、入力端子244を介して衛星デジタル放送用のチューナ245a
に供給される。
【0022】
チューナ245aは、制御部261からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号
を選局し、この選局された放送信号をPSK(Phase Shift Keying)復調器245bに出
力する。
【0023】
PSK復調器245bは、制御部261からの制御信号により、チューナ245aで選
局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、TS
復号器245cに出力する。
【0024】
TS復号器245cは、制御部261からの制御信号によりトランスポートストリーム
(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号及び
音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を信
号処理部247内のSTDバッファ247fへ出力する。
【0025】
また、TS復号器245cは、デジタル放送により送られているセクション情報を信号
処理部247内のセクション処理部247hへ出力する。
また、地上波放送受信用のアンテナ248で受信した地上デジタルテレビジョン放送信
号は、入力端子249を介して地上デジタル放送用のチューナ250aに供給される。
【0026】
チューナ250aは、制御部261からの制御信号により所望のチャンネルの放送信号
を選局し、この選局された放送信号をOFDM(Orthogonal Frequency Division Multip
lexing)復調器250bに出力する。
【0027】
OFDM復調器250bは、制御部261からの制御信号により、チューナ250aで
選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、T
S復号器250cに出力する。
【0028】
TS復号器250cは、制御部261からの制御信号によりトランスポートストリーム
(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像信号及び
音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を信
号処理部247内のSTDバッファ247fへ出力する。
【0029】
また、TS復号器250cは、デジタル放送により送られているセクション情報をセク
ション処理部247hへ出力する。
ここで、上記信号処理部247は、テレビ視聴時には、TS復号器245cおよびTS
復号器250cからそれぞれ供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択
的に所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部254及び音声処理部255に
出力している。また、信号処理部247は、コンテンツ再生時には、制御部261から入
力されたコンテンツの再生信号を選択し、所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック
処理部254及び音声処理部255に出力している。
【0030】
制御部261には、信号処理部247から、番組を取得するための各種データや電子番
組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報
、SIやPSI)が入力されている。
【0031】
制御部261は、これら入力された情報からEPG,字幕を表示するため画像生成処理
を行い、この生成した画像情報をグラフィック処理部254へ出力する。
セクション処理部247hは、TS復号器245c(250c)から入力されたセクシ
ョン情報の中から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,
番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)を制御部
261へ出力する。
【0032】
グラフィック処理部254は、(1)信号処理部247内のAVデコーダ247gから
供給されるデジタルの映像信号と、(2)OSD(On Screen Display)信号生成部25
7で生成されるOSD信号と、(3)データ放送による画像データと、(4)制御部26
1により生成されたEPG,字幕信号,GUI画面とを合成して映像処理部258へ出力
する機能を有する。
【0033】
また、字幕放送による字幕を表示するとき、グラフィック処理部254は、制御部26
1からの制御による字幕情報に基づき、映像信号上に字幕情報を重畳する処理を行う。
【0034】
グラフィック処理部254から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部258に
供給される。この映像処理部258は、入力されたデジタルの映像信号を、前記映像表示
器114で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器114
に出力して映像表示させるとともに、出力端子259を介して外部に導出させる。
【0035】
また、上記音声処理部255は、入力されたデジタルの音声信号を、前記スピーカ11
5で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ115に出力し
て音声再生させるとともに、出力端子260を介して外部に導出させる。
【0036】
ここで、このデジタルテレビジョン放送受信装置111は、上記した各種の受信動作を
含むその全ての動作を制御部261によって統括的に制御されている。この制御部261
は、CPU(Central Processing Unit)等を内蔵しており、前記操作部116からの操
作情報を受け、または、リモートコントローラ117から送出された操作情報を、前記受
光部118を介して受信し、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御してい
る。
【0037】
この場合、制御部261は、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納し
たROM(Read Only Memory)261aと、該CPUに作業エリアを提供するRAM(Ra
ndom Access Memory)261bと、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性
メモリ261cとを利用している。
【0038】
また、この制御部261は、カードI/F(Interface)265を介して、前記第1の
メモリカード119が装着可能なカードホルダ266に接続されている。これによって、
制御部261は、カードホルダ266に装着された第1のメモリカード119と、カード
I/F265を介して情報伝送することができる。
【0039】
さらに、上記制御部261は、カードI/F267を介して、前記第2のメモリカード
120が装着可能なカードホルダ268に接続されている。これにより、制御部261は
、カードホルダ268に装着された第2のメモリカード120と、カードI/F267を
介して情報伝送することができる。
【0040】
また、上記制御部261は、通信I/F269を介して第1のLAN端子121に接続
されている。これにより、制御部261は、第1のLAN端子121に接続されたLAN
対応のHDD125と、通信I/F269を介して情報伝送することができる。この場合
、制御部261は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバ機能を有
し、第1のLAN端子121に接続されたLAN対応のHDD125にIP(Internet P
rotocol)アドレスを割り当てて制御している。
【0041】
さらに、上記制御部261は、通信I/F270を介して第2のLAN端子122に接
続されている。これにより、制御部261は、第2のLAN端子122に接続された各機
器(図1参照)と、通信I/F270を介して情報伝送することができる。
【0042】
また、上記制御部261は、USB I/F271を介して前記USB端子123に接
続されている。これにより、制御部261は、USB端子123に接続された各機器(図
1参照)と、USB I/F271を介して情報伝送することができる。
【0043】
さらに、上記制御部261は、i.LINK I/F272を介してi.LINK端子
124に接続されている。これにより、制御部261は、i.LINK端子124に接続
された各機器(図1参照)と、i.LINK I/F272を介して情報伝送することが
できる。
【0044】
ところで、この実施形態では、LAN対応のHDD125に初期登録時のHDD125
、HDD127、コンテンツサーバー128、DVDレコーダ129それぞれに割り当て
られたストレージID(IPアドレス、機器名を含む)を記述した登録ファイルを記憶保
持している。
【0045】
また、不揮発性メモリ261cに、LAN対応のHDD125、HDD127、コンテ
ンツサーバー128、DVDレコーダ129それぞれのストレージIDを記憶している。
【0046】
また、制御部261は、この発明に係わる機能として、UPnPを利用した(1)サー
バー機器発見機能261dと、(2)UPnPを利用したコンテンツ情報取得機能261
eと、(3)コンテンツアクセス制御機能261fとを備えている。
【0047】
(1)制御部261は、サーバー機器発見機能261dにより、UPnPのディスカバ
リ機能を用いてネットワーク上のUPnP対応機器を発見する。例えばサーバー機器発見
機能261dは、UPnPのディスカバリ機能を用いてコンテンツサーバー128を発見
する。
【0048】
(2)制御部261は、コンテンツ情報取得機能261eにより、UPnPのコントロ
ール機能を用いてUPnP対応機器をコントロールし、UPnP対応機器内のコンテンツ
をアクセスするために必要なURI情報を取得する。例えばコンテンツ情報取得機能26
1eは、コンテンツサーバー128をコントロールし、コンテンツサーバー128内のH
DD等に蓄積されているコンテンツをアクセスするために必要なURI情報をコンテンツ
サーバー128から取得する。
【0049】
(3)制御部261は、コンテンツアクセス制御機能261fにより、サーバー機器発
見機能261dにより取得したサーバー機器のIPアドレス情報と、コンテンツ情報取得
機能261eにより取得したURI情報から得たIPアドレス情報と、デジタルテレビジ
ョン放送受信装置111のLAN端子122に割り当てられたIPアドレスとネットマス
クに基づいてコンテンツへのアクセス可否判定を行う。そして制御部261は、アクセス
可と判断した場合にはコンテンツアクセスを許可するが、否と判断した場合には許可でき
ない旨を映像表示器114にOSDにより表示させる。
【0050】
さらに、上記制御部261は、ネットワーク上の記録再生処理を行う記録再生機器を登
録する登録部261gと、任意の記録再生位置にファイルを記録させる記録速度を測定す
る測定制御部261hとを有しておる。
【0051】
以下、一般的なUSB対応ポートであるUSB端子123を用いてUSB機器であるH
DD139を接続し、HDD139(以下、USB HDD139と記す)へ記録/再生
を行う場合について説明する。
【0052】
しかし、本実施形態はUSBに限定されるものではなく、IEEE1394やLAN−
HDD等、他のインターフェースに適用しても良い。
なお、図1ではUSB HDD139は、ハブ135を介して複数のUSB機器で使用
されているが、好ましくは専用ポートとすることで、他機器の影響を受けることを防ぐこ
とができる。
【0053】
さて本実施例は、シャッタメガネを用いたマルチビューシステムを対象とする。
同一の画像出力装置から、右目用と左目用の画像を時分割で出力させ、シャッタメガネ
を利用して右目・左目それぞれに対応した画像を見せる立体画像テレビがあるが、これを
応用して、全く異なる画像を時分割で出力させ、シャッタメガネを利用して所望の画像を
見ることができるシステム(以下、マルチビューシステム)が構成できる。このシステム
の構成は公知である(例えば、国際公開番号:WO2009/037940等)。ただし、これを実現
するにあたり、両方の画像の色合いが著しく異なる場合、時分割で表示するためにその残
像が他方の映像と重なってしまい、見づらくなってしまう。これをクロストークと呼ぶ。
立体画像テレビでは両画像の色合いの差はわずかであるが、マルチビューシステムではそ
の画像によりクロストークが顕著なものとなるおそれがある。
【0054】
図3は実施形態のマルチビューシステムのブロック図を示す。このマルチビューシステ
ムは、入力画像データ並び替え部1、バッファメモリA2、バッファ制御部3、メガネシ
ャッタ制御部4、バッファメモリB5、補正画像生成ブロック6を備えている。なお、メ
ガネシャッタ制御部4は、転送されるデータに同期した制御信号を赤外線エミッタに送信
するものであり、他は制御部261と映像処理部258を中心として機能する構成要件で
ある。
【0055】
入力画像データ並び替え部1は、複数の画像入力、例えば画像入力A、画像入力Bおよ
び画像入力Cを入力し、並び替えて出力する。画像入力AとしてAm, Am+1, Am+2, Am+3
、画像入力Bとして B m, B m+1, B m+2, B m+3と、また画像入力CとしてC m, C m+1, C
m+2, C m+3などと、それぞれ順に複数の画像が到来したとき、入力画像データ並び替え
部1は例えば、Vn=Am, Vn+1=Bm, Vn+2=Cm, Vn+3=Am+1を、出力する。
【0056】
バッファメモリA2はバッファ制御部3に制御され、バッファ制御部3はメガネシャッ
タ制御部4も制御すると共に、入力画像データ並び替え部1の出力を元にVx, Vx+1を出力
する。
【0057】
実施形態の特徴的な部分として補正画像生成ブロック6は、バッファメモリB5を制御
しながら、画像Vx’を出力する。補正画像生成ブロック6は、ある時刻の送信画像データ
Vxと、その次の送信画像データVx+1の各画素の中間の値(例として、正規化されたパラメ
ータa(0<a≦1)を現画像に、および(1-a)を次画像に、それぞれに乗じた和。なお、a=1の
ときは無補正を意味する)を計算し、画像出力装置への出力を行う(必要に応じてバッフ
ァメモリB5に保存する)。この補正により現画像と次画像との色合いの差が少なくなる
ので、クロストークの低減を図ることができる。
【0058】
図7は従来のマルチビューシステムの出力データの流れを示す。横軸は時間の推移であ
る。ここで「glasses mode」は、上記画像入力A、画像入力Bおよび画像入力Cのデータ
に対応したメガネシャッタを開くことを示している。
【0059】
図4は図3の改良版である。各画像データがそれぞれ上記のように補正されていること
をしめしている。
図7の応用として、液晶画面の応答速度を考慮して各画面間にそれぞれ黒画面をはさん
で表示させてクロストークを低減させることも考えられる(図8)が、この場合でも同様
の補正回路を起動させてより知覚的なクロストーク軽減をはかることができる(図5)。
【0060】
図6は補正画像生成ブロックの説明図である。前後の画面の各画素を水平方向/垂直方
向の順でバッファメモリより取り出し、例としてR/G/Bの各成分についてそれぞれパラメ
ータa乃至(1-a)を乗じて足し合わせ、それを生成する補正画像の対応する画素として出力
する。生成した画像は必要に応じてバッファメモリに再度格納し、画像出力装置への出力
準備を行う。(メモリは前段のバッファメモリと共用することもある)
【0061】
図9は、実施形態のマルチビューシステムのフローチャートである。制御部261と映
像処理部258を中心として、まず入力画像データの並び替えが行なわれる(ステップS
110)。
【0062】
続いてメガネシャッタ制御信号が発生される(ステップS120)。この信号に同期し
て補正画像が生成され出力される(ステップS130)。
以上の実施形態応用としては、数画面先の画像データも補正画像生成ブロック6の入力
として、画面のマクロ的な変化に対応したパラメータを与えることもできる。これにより
、見る対象でない画像の色合いが大幅に変わった場合でも画像の変動を抑えることができ
る。
【0063】
またパラメータaの値は固定のものではなく変動させてもよい。例えば同様な色合いが
続いたあとにこれが大幅に変わった場合には、有効であることが期待される。また、一つ
の「glasses mode」期間内で変移してもよい。
【0064】
同一の画像出力装置から時分割で異なった画像を出力させてシャッタメガネを利用して
見たい映像を選択して見ることができるマルチビューシステムにおいて、クロストークを
回避させるために、前後の画面を参照して当該の近い色合いに変更する出力画像自体を制
御する機構を説明した。
【0065】
この機構を実現するためのパラメータaを設定・入力できる機構を備えるのも好適であ
る。その手段としては、操作部116やリモートコントローラ117と映像表示器114
のメニュー画面などとを用いた対話的な機構を構成しうる。
【0066】
本実施形態を適用することにより、液晶画面の応答特性を超えた色合いの異なる画像同
士のクロストークを軽減させることができ、より見やすい画像を提供することができる。
特に、画質の高低よりクロストーク有無が重視される場面(ゲーム画面等)で本実施形態
は利用されうる。画像入力A、画像入力Bおよび画像入力Cとしては、放送由来のほかに
、USB機器やDVDやネットワーク経由のもの等様々なコンテンツが利用できうる。
【0067】
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形して実施することができる。
また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせること
により、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素
から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係わる
構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【符号の説明】
【0068】
1…入力画像データ並び替え部、2…バッファメモリA、3…バッファ制御部、4…メ
ガネシャッタ制御部、5…バッファメモリB、6…補正画像生成ブロック、111…デジ
タルテレビジョン放送受信装置、112…キャビネット、113…支持台、114…映像
表示器、115…スピーカ、116…操作部、117…リモートコントローラ、118…
受光部、119…第1のメモリカード、120…第2のメモリカード、121…第1のL
AN端子、122…第2のLAN端子、123…USB端子、124…i.LINK端子
、125,127,139…HDD、126,135…ハブ、128,133…コンテン
ツサーバー、129…DVDレコーダ、130…アナログ伝送路、131…ブロードバン
ドルータ、132…ネットワーク、134,136…携帯電話、137…デジタルカメラ
、138…カードリーダ/ライタ、140…キーボード、141…AV−HDD、142
…D−VHS。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の系統から画像を入力しこれらの画像を並び替えて出力する入力画像データ並び替
え部と、
この入力画像データ並び替え部の出力と同期する信号を発生するメガネシャッタ制御部
と、
連続する前記出力の色合いが近づくよう補正する補正画像生成ブロックとを
備えた画像出力装置。
【請求項2】
前記補正画像生成ブロックは、R/G/Bの各成分についてそれぞれパラメータを用いた計
算により補正する請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項3】
前記パラメータは連続する前記出力間あるいは一つの前記出力において変移する請求項
2に記載の画像出力装置。
【請求項4】
前記補正画像生成ブロックにより補正された連続する前記出力を表示する映像表示器を
更に備えた請求項1に記載の画像出力装置。
【請求項5】
マルチビューシステムにおける画像出力方法であって、
複数の系統から画像を入力しこれらの画像を並び替えて出力し、
かく出力された前記画像と同期する信号を発生し、
連続する前記画像の色合いが近づくよう補正する画像出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−259177(P2011−259177A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131492(P2010−131492)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】