説明

画像取得装置

【課題】基板上の蛍光物質の二次元画像を取得する上で、撮像範囲内で照射強度に面内ばらつきのない画像取得装置を提供する。
【解決手段】画像取得装置は、基板15上の蛍光物質を励起するレーザービームを発するレーザー光源1と、レーザービームが臨界角以上の入射角で基板15の表面に入射するようにレーザービームを導く光学部材17とを有する。画像取得装置は、レーザービームを二次元に走査する二次元走査手段として、回転プリズム9と、光軸方向に移動可能な平面ミラー13とを有する。画像取得装置はさらに、レーザービームで蛍光物質を励起することによって得られる蛍光画像を読み取る二次元アレイセンサー23を有する。レーザービームは基板15の表面への入射角度が固定された状態で走査される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の表面上に設けられた蛍光物質を励起することによって得られる蛍光画像を二次元画像として取得する画像取得装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エバネッセント光は、屈折率の大きな媒質から小さな媒質へと臨界角以上で光を入射させた際に生じる光である。入射光の角度や界面に接する媒質の屈折率にもよるが、エバネッセント光は、界面より100nmから200nm程度の厚さで屈折率の小さい媒質側に染み出す光である。
【0003】
このエバネッセント光の特徴を利用したバイオチップ読取装置が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された装置によると、マイクロアレイ検出の際にS/N比を向上させることが可能となる。マイクロアレイとは、DNAなどの生体分子と特異的に結合可能な多数のプローブがスライドガラス等の基板上に二次元に高密度に固定されたものである。採取した血液などの検体から遺伝子が抽出され、増幅され、さらに蛍光色素などで標識化される(以下、これを「ターゲット」と表記する)。ターゲットを適当な塩濃度やpHに調製された反応液中に溶解し、マイクロアレイに適当な温度にて供すると、ターゲットとプローブとの間でハイブリダイゼーション反応が起きる。検体中にプローブと特異的に結合するターゲットが存在する場合には、ターゲットがプローブに結合する。ハイブリダイゼーション反応の後、適当な塩濃度を有する洗浄液で余分なターゲットを洗い流し、乾燥させた後、蛍光スキャナにて検出を行う。その際、ターゲットは前もって標識化されているので、その標識から発せられるシグナルのマイクロアレイ上の位置とそのシグナル強度から、それぞれ検体中に存在する遺伝子の種類と遺伝子の含有量を判定することができる。蛍光スキャナでの検出の際に、マイクロアレイ上に有機物などのゴミが発生した場合に透過光にて検出を行うと、所望のシグナル以外にゴミのシグナルが乗り、S/N比が低下するという問題がある。そこで、特許文献1の装置では、励起光を臨界角以上で走査し、エバネッセント光で検出することによって、マイクロアレイ検出の際のS/N比の向上を図っている。
【0004】
また、エバネッセント光の特徴を利用したマイクロアレイ読取装置が特許文献2に開示されている。特許文献2に開示された装置によると、視野角を拡大させた状態で、ハイブリダイゼーション反応をモニターすることが可能となる。ハイブリダイゼーション反応のモニターは、マイクロアレイの検査時間の短縮が目的である。ある一定時間ハイブリダイゼーションさせた後、洗浄や乾燥工程を行った後、蛍光輝度を取得して判定するのではなく、ターゲットがプローブにハイブリダイゼーション反応する過程を時系列にモニターして、ハイブリダイズ量の時間変化から判定するものである。しかし、ハイブリダイゼーション反応過程を透過光にてモニターすると、プローブと未反応なハイブリ反応液中に浮遊しているターゲットに標識された蛍光色素がバックグラウンドを上げる原因となり、所望のシグナルを得ることができなくなる。そこで、特許文献2の装置では、マイクロアレイ基板の近傍にエバネッセント場を発生させ、このエバネッセント場による照明でターゲットに標識された蛍光色素を励起して蛍光観察することで、プローブに反応したターゲット遺伝子の種類や含有量を推定している。その際、視野角を広げるためにマイクロアレイの走査を行っている。
【特許文献1】特許第3783826号公報
【特許文献2】特開2006−038816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記に述べたように、従来から、エバネッセント光を利用して蛍光物質を検出する際に、走査を行い、ターゲット遺伝子の含有量を推定するという試みはある。しかし、これらの従来技術においては、測定したい領域での照明の均一性が確保されていないため、蛍光物質の量を正確に反映した蛍光画像を取得するという課題に対しては不十分である。
【0006】
すなわち、特許文献1の装置においては、光源であるレーザーのスペックルノイズを除去するためだけに励起光を走査しており、エバネッセント光の入射角度の変化がエバネッセント光の照射強度に変化を与えるという課題については解決していない。
【0007】
また、特許文献2の装置においては、視野範囲を広げるために、視野範囲を分割撮影しているだけで、レーザー光束内で生じているガウシアン強度分布によって照射領域内でレーザー光強度に分布が生じているという課題を解決できていない。さらに、マイクロアレイの走査を行うと、マイクロアレイ表面で全反射を行わせるために使用するオイル層の厚さが変化し、照射位置が定まらず、マイクロアレイ内を面内均一な強度で照射できない可能性がある。
【0008】
そこで本発明は、基板上の蛍光物質の二次元画像を取得する上で、撮像範囲内で照射強度に面内ばらつきのない画像取得装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の画像取得装置は、基板の表面上に設けられた蛍光物質を励起することによって得られる蛍光画像を二次元画像として取得する画像取得装置において、前記蛍光物質を励起するレーザービームを発する光源と、前記レーザービームが臨界角以上の入射角で前記基板の表面に入射するように前記レーザービームを導く光学部材と、前記レーザービームを二次元に走査する二次元走査手段と、前記レーザービームで前記蛍光物質を励起することによって得られる蛍光画像を読み取る二次元アレイセンサーと、を有し、前記レーザービームは前記基板の表面への入射角度が固定された状態で走査されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、基板上の蛍光物質の二次元画像を取得する上で、撮像範囲内で照射強度に面内ばらつきのない画像取得装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(画像取得装置)
図1は本発明に係る画像取得装置の一実施形態を示す構成図である。
【0013】
本実施形態の画像取得装置は、平行光7であるレーザービームを出射するレーザー光源1と、レーザービームのビーム径を拡大するビームエクスパンダー5とを有する。レーザー光源1とビームエクスパンダー5との間には、レーザー光源1からビームエクスパンダー5へのレーザービームの入射の有無を切り替えるレーザーシャッター3が配置されている。
【0014】
ビームエクスパンダー5を通過した平行光7の進行方向前方には、不図示の保持台に回転可能に保持された回転プリズム9が配置されている。回転プリズム9は、平行光7の回転プリズム9からの出射光の光軸を平行光7の回転プリズム9への入射光の光軸に対して平行に変位させるように構成されている。回転プリズム9を透過した平行光7の進行方向前方には、平行光7を反射させて平行光7の進行方向を変更する平面ミラー11,13が配置されている。平面ミラー13は、平面ミラー13に入射する平行光7の進行方向に沿って移動可能な保持台(不図示)に保持されている。
【0015】
さらに、平面ミラー13で反射した平行光7の進行方向前方には光学部材17が配置されている。光学部材17の上には基板15が設置されている。光学部材17と基板15との間には、光学部材17や基板15の屈折率とほぼ等しい屈折率を有するオイル層19が形成されている。これら光学部材17、オイル層19および基板15は、光学部材17に入射した平行光7によってエバネッセント光21を発生させるように構成されている。これらの構成の詳細については後述する。
【0016】
本実施形態の画像取得装置は、エバネッセント光21により励起された基板15上の蛍光物質から出射した蛍光光の進行方向前方に配置された平面ミラー22を有する。画像取得装置は、平面ミラー22によって反射されて進路を変更された蛍光光が集光される二次元アレイセンサー23をさらに有する。この蛍光光は、蛍光フィルター25を介して二次元アレイセンサー23に集光される。
【0017】
ここで、各構成部材の詳細について説明する。
【0018】
レーザー光源1は、レーザー光を照射するための光照射手段として機能する。レーザー光源1は、基板15の表面にてエバネッセント光21を発生させ、基板15の表面上に存在する蛍光物質を励起可能な光の波長であればよく、レーザー強度やレーザーの種類などは特に限定されるものではない。
【0019】
回転プリズム9は、光を透過し、また表面が研磨されて表面粗さが小さいことが望ましい。回転プリズム9は、基板15の主走査方向の長さにわたって平行光7を走査できる大きさを有している。
【0020】
平面ミラー13は、基板15の副走査方向の長さにわたって平行光7を走査できる範囲で移動可能である。
【0021】
光学部材17は、基板15に対して臨界角以上に平行光7を入射させるための手段として用いられる。光学部材17の屈折率は、基板15や基板15と光学部材17の間に挟むオイル層19の屈折率とほぼ等しいことが望ましい。仮に光学部材17の屈折率よりもオイル層19の屈折率が小さいと、光学部材17とオイル層19の間で全反射が起こってしまい、基板15まで光を入射させることが困難となる。同様な理由で、基板15の方がオイル層19よりも屈折率が低いと、基板15まで光を入射させることが困難となる。また、光学部材17にはダブプリズムを用いることが望ましい。ダブプリズムのサイズは、基板15よりも大きく、光を入射させる面のダブプリズムのサイズは、平面ミラー13を可動させた際に、平行光7をその光軸と垂直な方向に走査可能な大きさであることが望ましい。また、ダブプリズムに対する平行光7の入射面と出射面、上面と底面は、表面が研磨されていることが望ましい。
【0022】
基板15は、裏面から光を入射し、基板15の表面にて光を全反射させるため、光を透過させる物質から構成されている。基板15は、例えば、ガラス基板やポリカーボネイトなどの樹脂からなり、光透過率の高い材質から構成されることが望ましい。特に、熱による膨張率や屈折率の変化、また基板を光が通過する際に発生する散乱光の低減のためには、基板15にはガラス基板が好適で、中でも合成石英基板が適している。基板15の上には蛍光物質が備えられている。
【0023】
二次元アレイセンサー23は、エバネッセント光21により励起された基板15上の蛍光物質から出た蛍光を検出するための光検出装置として機能するもので、特にCMOSセンサーであることが望ましい。
【0024】
次に、本実施形態の画像取得装置の動作について説明する。
【0025】
レーザーシャッター3を開放し、レーザー光源1から出射した平行光7をビームエクスパンダー5に入射させると、平行光7はビームエクスパンダー5でビーム径が拡大されてビームエクスパンダー5から出射される。ビームエクスパンダー5から出射されるレーザービームも平行光7となる。
【0026】
平行光7は、不図示の保持台に固定された回転プリズム9を通過し、平面ミラー11にて図示下方に反射させられ、さらに不図示の保持台に固定された平面ミラー13にて図示左方に反射する。平面ミラー13にて反射した平行光7は、基板15の表面にて全反射するような臨界角以上の角度にて光学部材17に入射させられる。光学部材17を通過した平行光7は光学部材や基板とほぼ等しい屈折率をもつオイル層19を通過し、基板15表面にて全反射させることでエバネッセント光21が生じる。
【0027】
基板15上の蛍光物質は、エバネッセント光21により励起されて蛍光光を出射する。基板15上の蛍光物質から出射された蛍光光は、平面ミラー22にて二次元アレイセンサー23の方向に直角に反射させられ、蛍光フィルター25を介して二次元アレイセンサー23に集光される。
【0028】
ここで、実施形態の画像取得装置における平行光の走査原理について説明する。図2は平行光を基板の短辺と平行な方向に走査する原理を示す図であり、図3は平行光を基板の長辺に対して平行な方向に走査する原理を示す図である。
【0029】
図2において、回転プリズム9が回転し、平行光7が回転プリズム9に対して垂直に入射しない角度にあるとき(回転プリズム9が図2の点線で示す位置にあるとき)には、入射光線である平行光7が回転プリズム9によって屈折する。そのため、入射光線である平行光7に対して、回転プリズム9から出射した出射光線27(図2の点線)が平行光7の光軸に対して平行にずれることになる。そのため、出射光線27の平面ミラー11に入射する位置が図示上下方向にずれることになる。平面ミラー11に対して図示上下方向にずれて入射した光線が平面ミラー11で図示下方に反射され、図1に示す平面ミラー13に入射すると、出射光線27は平行光7の光軸に対して図示左右方向(基板15の表面と平行な方向)にずれた光線となる。このように平行光7の光軸に対してずれた光線を光学部材17に透過させることにより、図2に示すように、基板15の表面と平行な方向に平行光7の走査をすることが可能となる。この場合、平行光7は図5に示す基板15の一方の辺ABに沿う方向に走査される。したがって、回転プリズム9は、基板15の一方の辺に沿う方向に平行光7(レーザービーム)を走査する主走査手段を構成する。
【0030】
一方、図3に示すように平面ミラー13を図示上下方向に平行移動させると、光学部材17に対する平行光7の入射角度は一定ではあるが、光学部材17に入射する位置が上下方向にずれることになる。したがって、平行光7を基板15の表面に対して垂直な方向に走査することが可能となる。この場合、平行光7は図5に示す基板15の一方の辺ABに交わる他方の辺AC沿う方向に走査される。したがって、平行光7の光軸に沿って平行移動する平面ミラー13は、基板15の他方の辺に沿う方向に平行光7(レーザービーム)を走査する副走査手段を構成する。そして、これらの主走査手段及び副走査手段によって、平行光7を二次元に走査する二次元走査手段が構成されている。
【0031】
これら回転プリズム9や平面ミラー13は保持台(図示せず)に固定され、モーター等を駆動源として動作するように構成されている。
【0032】
続いて、図4及び図5を参照して、レーザーシャッターの開閉と主走査及び副走査と撮像との関係を説明する。図4は、レーザーシャッターの開閉と主走査及び副走査のタイミングと撮像との関係を示すタイムチャートである。図5は、平行光の走査方向と図4のタイミングチャート内に使用した符号を説明するための概略図である。
【0033】
図4の(1)はレーザーシャッターの開閉タイミングを示し、図4の(2)は主走査方向の走査タイミングを示し、図4の(3)は副走査方向の走査タイミングを示し、図4の(4)は二次元アレイセンサーの電荷蓄積タイミングを示している。
【0034】
まず、図4に示すタイミングT0でレーザーシャッター3を開く。そして、タイミングT1で主走査及び副走査と、二次元アレイセンサー23の電荷蓄積とを開始し、これらをタイミングT2で終了する。そしてタイミングT3でレーザーシャッター3を閉じる。
【0035】
本明細書において、主走査とは基板15を表す図5のA−B方向に平行光7を走査することを意味し、副走査とは図5のAからCの方向に平行光7を走査することを意味している。
【0036】
図4に示す例では、二次元アレイセンサー23の1回の電荷蓄積時間の間に基板15の全面を1回副走査するように設定されている。これに対し、図6に示すように、二次元アレイセンサー23の1回の電荷蓄積時間の間に基板15の全面を2回副走査するように設定されていてもよい。ちなみに、図6におけるT2は基板15の全面を1回副走査し終えたタイミングを示し、図6におけるT4は基板15の全面を2回副走査し終えたときを示す。図6では二次元アレイセンサー23の1回の電荷蓄積時間の間に基板15の全面を2回副走査する例を示したが、二次元アレイセンサー23の1回の電荷蓄積時間の間に行う副走査の回数をそれ以上とすることも可能である。
【0037】
上述したように、本実施形態の画像取得装置では、平行光7は、回転プリズム9や平面ミラー13によって、基板15の表面と平行な方向および基板15の表面に対して垂直な方向に走査される。そして、このように走査される平行光7は、図3に示すように、光学部材17に対して一定の入射角度で光学部材17に入射される。したがって、平行光7は基板15の表面に対して臨界角以上の固定された入射角度で走査されるので、基板15の表面に対する平行光7の入射角度の違いによるエバネッセント場の強度の違いを無くすことが可能となる。また基板15を走査するのではなく、二次元アレイセンサー23による1回の露光時間中(画像の蓄積時間中)に平行光7を撮像範囲内において走査することで、平行光7のレーザー光束内における強度分布を均一にすることができる。
【0038】
これにより、面内均一照明が達成され、基板15の表面の蛍光物質の量に比例した二次元画像を取得することが可能となる。さらに、本実施形態の画像取得装置は、後述するようにマイクロアレイの検出、特にはハイブリダイゼーションの検出装置として利用することで、検体中の遺伝子の種類や量を高精度に検出することができる。
【0039】
(マイクロアレイ)
本実施形態の画像取得装置において検出を行う基板15は、具体的にはハイブリダイゼーション反応後のマイクロアレイ基板であってもよい。前述したとおり、マイクロアレイ基板は、DNAなどの生体分子と特異的に結合可能な多数のプローブがスライドガラス等の基板上に二次元に高密度に固定されたものである。ここで、プローブ物質の種類や密度や形や大きさは特に限定されるものではない。例えば、DNAの他には、RNA、タンパク、糖鎖等をプローブ物質とすることができる。
【0040】
基板15としてプローブ物質が固定されたマイクロアレイ基板を用いることにより、本実施形態の画像取得装置は以下の検出が可能になる。すなわち、プローブ物質が固定されたマイクロアレイ基板に対して、少なくとも蛍光物質とターゲット物質とを含む試料を接触させた場合の、プローブ物質とターゲット物質との特異的な相互作用による蛍光画像を時系列にて検出することができる。
【0041】
(ハイブリダイゼーションの実時間検出)
本実施形態の画像取得装置において検出を行う基板15は、ハイブリダイゼーション反応中のマイクロアレイ基板であってもよい。マイクロアレイは、ターゲット物質を含むハイブリダイゼーション反応溶液と接するように不図示のセル中に固定される。ハイブリダイゼーション反応溶液の組成は特に限定されるものではないが、反応溶液の屈折率がマイクロアレイの屈折率よりも小さいことが必要である。さらに、ハイブリダイゼーション反応溶液とマイクロアレイ基板とを含む環境には、反応溶液の温度を調節する温度調節部や反応溶液を撹拌する撹拌部が設けられていることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る画像取得装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1に示した画像取得装置において平行光を基板の短辺と平行な方向に走査する原理を示す図である。
【図3】図1に示した画像取得装置において平行光を基板の長辺に対して平行な方向に走査する原理を示す図である。
【図4】図1に示した画像取得装置における、レーザーシャッターの開閉と主走査及び副走査のタイミングと撮像との関係を示すタイムチャートである。
【図5】平行光の走査方向と図4のタイミングチャート内に使用した符号を説明するための概略図である。
【図6】図4に対して、走査回数が増えた際のタイムチャートである。
【符号の説明】
【0043】
1 レーザー光源
3 レーザーシャッター
5 レーザービームエクスパンダー
7 平行光(レーザービーム)
9 回転プリズム
11,13 平面ミラー
15 基板
17 光学部材
19 オイル層
21 エバネッセント光
22 平面ミラー
23 二次元アレイセンサー
25 蛍光フィルター
27 出射光線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面上に設けられた蛍光物質を励起することによって得られる蛍光画像を二次元画像として取得する画像取得装置において、
前記蛍光物質を励起するレーザービームを発する光源と、
前記レーザービームが臨界角以上の入射角で前記基板の表面に入射するように前記レーザービームを導く光学部材と、
前記レーザービームを二次元に走査する二次元走査手段と、
前記レーザービームで前記蛍光物質を励起することによって得られる蛍光画像を読み取る二次元アレイセンサーと、
を有し、
前記レーザービームは前記基板の表面への入射角度が固定された状態で走査されることを特徴とする画像取得装置。
【請求項2】
前記二次元走査手段は、前記基板の一方の辺に沿う方向に前記レーザービームを走査する主走査手段と、前記基板の前記一方の辺に対して交わる他方の辺に沿う方向に前記レーザー光を走査する副走査手段とを有している、請求項1に記載の画像取得装置。
【請求項3】
前記主走査手段は、前記レーザービームの出射光の光軸を前記レーザービームの入射光の光軸に対して平行に変位させる回転プリズムを有している、請求項2に記載の画像取得装置。
【請求項4】
前記副走査手段は、前記レーザービームの光軸に沿って平行に移動可能なミラーを有している、請求項2または3に記載の画像取得装置。
【請求項5】
前記二次元走査手段による前記レーザービームの二次元走査は、前記二次元アレイセンサーによる1回の蓄積時間中に行われる、請求項1から4のいずれか1項に記載の画像取得装置。
【請求項6】
前記基板はプローブ物質が固定されたマイクロアレイ基板である、請求項1から5のいずれか1項に記載の画像取得装置。
【請求項7】
前記プローブ物質は、DNA、RNA、タンパクおよび糖鎖のうちのいずれか1つである、請求項6に記載の画像取得装置。
【請求項8】
前記プローブ物質が固定された前記マイクロアレイ基板に対して、少なくとも前記蛍光物質とターゲット物質とを含む試料を接触させた場合の、前記プローブ物質と前記ターゲット物質との特異的な相互作用による蛍光画像を時系列にて検出する、請求項6または7に記載の画像取得装置。
【請求項9】
前記マイクロアレイ基板および前記マイクロアレイ基板の上に接触させられるターゲット物質を含む溶液の温度を調節するための温度調節手段を備えている、請求項6から8のいずれか1項に記載の画像取得装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−222396(P2009−222396A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64039(P2008−64039)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】