説明

画像合成装置及び画像合成プログラム

【課題】合成対象の図面画像情報がベクター形式の場合に、図面画像情報と合成するベクター形式の定型画像情報を取得する定型画像情報取得手段を備えない場合と比較して、図面画像情報と定型画像情報とを合成した合成画像のサイズが大きくなるのを防ぐ。
【解決手段】サーバ装置12の画像合成部26は、図面画像情報としての印刷データを印刷設定情報管理部20から読み出す印刷データ読み出し部42と、読み出した印刷データの画像フォーマットの種類がベクター形式の画像フォーマットである場合、印刷データと合成すべきベクター形式の画像フォーマットのフォームデータをフォームデータ管理部24から読み出すフォームデータ読み出し部44と、読み出したベクター形式の画像フォーマットの印刷データと、読み出したベクター形式の画像フォーマットのフォームデータと、を合成するベクター合成部56と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像合成装置及び画像合成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外部機器からデータを受信して出力する出力制御装置であって、登録情報を前記登録情報の属性情報とともに登録する登録手段と、前記外部機器からのデータにより前記登録情報を用いた出力処理が指示されると、前記データが指示している属性情報に応じて前記登録情報を変換する変換手段と、前記変換手段により変換された登録情報を用いて出力処理を行うように制御する制御手段と、を有することを特徴とする出力制御装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、画像データに画像処理を施して、該画像データを所望の出力形態に生成する画像処理方法であって、前記画像データに付属させる付属画像データを選択する出力形態情報を取得し、この出力形態情報に基づいて前記付属画像データを選択し、選択された付属画像データに応じて、前記画像データに画像処理を施すことを特徴とする画像処理方法が記載されている。
【0004】
特許文献3には、画像形成処理で使用されるハードウェア資源と、画像形成に係る処理を行うプログラムとを有する画像形成装置において、画像データの変換処理を行う複数の画像データ変換手段と、画像データに合成するスタンプデータを登録する手段と、登録時にスタンプデータに施す変換処理内容を保持するスタンプデータ変換管理手段と、登録したスタンプデータを管理する手段とを有することを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【0005】
特許文献4には、少なくとも入力画像データにスタンプ画像データを、画像合成して、画像形成手段で用紙に記録出力する画像合成出力機能を備えた画像形成装置において、画像データの解像度の変換を含む各種画像処理を画像データに施す画像処理手段と、前記入力画像データに合成する前記スタンプ画像データを格納するスタンプ画像データ記憶手段と、を備え、前記スタンプ画像データ記憶手段に登録する元スタンプ画像データを前記画像処理手段で必要な画像処理を施して登録スタンプ画像データを生成し、当該登録スタンプ画像データを前記スタンプ画像データ記憶手段に登録し、前記入力画像データに当該スタンプ画像データ記憶手段の当該登録スタンプ画像データを合成して記録出力することを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−286860号公報
【特許文献2】特開2003−259114号公報
【特許文献3】特開2004−201205号公報
【特許文献4】特開2005−212120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、合成対象の図面画像情報がベクター形式の場合に、図面画像情報と合成するベクター形式の定型画像情報を取得する定型画像情報取得手段を備えない場合と比較して、図面画像情報と定型画像情報とを合成した合成画像のサイズが大きくなるのを防ぐことができる画像合成装置及び画像合成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、図面画像情報を取得する図面画像情報取得手段と、前記図面画像情報取得手段により取得した前記図面画像情報の画像フォーマットの種類がベクター形式の画像フォーマットである場合、前記図面画像情報と合成すべきベクター形式の画像フォーマットの定型画像情報を取得する定型画像情報取得手段と、前記図面画像情報取得手段により取得したベクター形式の画像フォーマットの前記図面画像情報と、前記定型画像情報取得手段により取得したベクター形式の画像フォーマットの前記定型画像情報と、を合成する合成手段と、を備える。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記定型画像情報取得手段は、一つの定型画像情報に対して画像フォーマットの種類がベクター形式の定型画像情報及びラスター形式の定型画像情報が予め記憶された定型画像情報記憶手段から、前記図面画像情報と合成すべきベクター形式の画像フォーマットの定型画像情報を取得する。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記定型画像情報記憶手段は、予め定めた標準中間フォーマットのベクター形式の定型画像情報及びラスター形式の定型画像情報が予め記憶され、前記合成手段は、前記図面画像情報の画像フォーマットと予め定めた標準中間フォーマットとの対応関係を示す標準中間フォーマット情報が記憶された標準中間フォーマット情報記憶手段から読み出した前記標準中間フォーマット情報に基づいて、前記図面画像情報を、当該図面画像情報に対応する標準中間フォーマットに変換し、当該変換した前記図面画像情報と前記定型画像情報取得手段により取得したベクター形式の画像フォーマットの前記定型画像情報と、を合成する。
【0011】
請求項4記載の発明は、図面画像情報を取得するステップと、取得した前記図面画像情報の画像フォーマットの種類がベクター形式の画像フォーマットである場合、前記図面画像情報と合成すべきベクター形式の画像フォーマットの定型画像情報を取得するステップと、取得したベクター形式の画像フォーマットの前記図面画像情報と、取得したベクター形式の画像フォーマットの前記定型画像情報と、を合成するステップと、を含む処理をコンピュータに実行させるための画像合成プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、合成対象の図面画像情報がベクター形式の場合に、図面画像情報と合成するベクター形式の定型画像情報を取得する定型画像情報取得手段を備えない場合と比較して、図面画像情報と定型画像情報とを合成した合成画像のサイズが大きくなるのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、定型画像情報記憶手段に、一つの定型画像情報に対して画像フォーマットの種類がラスター形式の定型画像情報しか記憶されない場合と比較して、図面画像情報と定型画像情報とを合成した合成画像のサイズが大きくなるのを防ぐことができる、という効果を有する。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、図面画像情報を標準中間フォーマットに変換しない場合と比較して、図面画像情報と定型画像情報との画像フォーマットを合わせるための変換処理の負荷を軽くすることができる、という効果を有する。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、合成対象の図面画像情報がベクター形式の場合に、図面画像情報と合成するベクター形式の定型画像情報を取得できない場合と比較して、図面画像情報と定型画像情報とを合成した合成画像のサイズが大きくなるのを防ぐことができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】画像合成システムの概略構成図である。
【図2】サーバ装置の機能ブロック図である。
【図3】フォームデータ情報の一例を示す図である。
【図4】標準中間フォーマット情報の一例を示す図である。
【図5】画像合成部で実行される処理のフローチャートである。
【図6】サーバ装置をコンピュータで構成した場合のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0018】
図1には、本実施形態に係る画像合成システム10の概略構成を示した。同図に示すように、画像合成システム10は、一例として、サーバ装置12、配信データ格納装置13、ユーザー端末装置14、配信ユーザー端末装置15、及び印刷装置16が通信回線18を介して接続された構成となっている。本実施形態では、例えば製品の設計図面等を表わす図面情報としての図面データを、例えば図面作成者等の印章の画像を示す印章データや、会社のロゴの画像を示すロゴデータ等を表わす予め定めた定型画像情報としてのフォームデータと合成し、当該合成した画像を印刷する場合について説明する。なお、フォームデータは、定型画像を表わすものであれば、印章やロゴのデータに限られるものではない。
【0019】
ユーザー端末装置14及び配信ユーザー端末装置15は、通常のパーソナルコンピュータ等によって構成される。そして、ユーザーが、例えばユーザー端末装置14や配信ユーザー端末装置15に記憶された図面データを印刷データとして指定すると共に、図面データと合成すべきフォームデータを特定するためのフォームデータ情報や印刷サイズ等の印刷設定に関する印刷設定情報を指定すると、指定された印刷データ及び印刷設定情報を含む印刷指示情報がサーバ装置12へ送信される。なお、図面データがサーバ装置12や他のサーバ装置に記憶されている場合には、ユーザーは、図面データのファイル名等、印刷対象の図面データを特定するための情報を指定してサーバ装置12に送信する。
【0020】
サーバ装置12では、詳細は後述するが、印刷指示情報を受信すると、印刷指示情報に基づいて、指定された図面データとフォームデータとを合成した合成画像を生成し、これを図面の配信先へ配信するための配信用データに変換し、配信データ格納装置13に格納するとともに配信先ユーザーに格納場所を通知するか、印刷装置16へ出力する。
【0021】
配信データ格納装置13は、配信された配信用データを記憶する装置であり、サーバ装置12と同様の構成を備えていても良いし、一般的なデータ記憶装置であってもよい。
【0022】
印刷装置16は、例えば電子写真方式やインクジェット方式の画像形成装置であり、サーバ装置12からの配信用データを受信すると、これを記録用紙に印刷する。
【0023】
図3に示すように、サーバ装置12は、印刷設定情報管理部20、印刷データ管理部22、フォームデータ管理部24、画像合成部26、標準中間フォーマット定義部28、及び配信データ管理部30を含んで構成されている。
【0024】
印刷設定情報管理部20は、ユーザー端末装置14から送信された印刷指示情報32のうち、印刷設定情報を記憶する。
【0025】
印刷データ管理部22は、ユーザー端末装置14から送信された印刷指示情報32のうち、印刷データを記憶する。
【0026】
フォームデータ管理部24は、例えば図面作成者等の印章の画像を示す印章データや、会社のロゴの画像を示すロゴデータ等を表わすフォームデータを複数記憶すると共に、図3に示すようなフォームデータ情報34を記憶している。
【0027】
図3に示すように、フォームデータ情報34は、フォームデータのフォーム名、フォームデータの画像フォーマットが所謂ラスター形式かベクター形式かを示すフォーム種別、フォームデータのファイル名の対応関係を示す情報である。ラスター形式は、基本的には図面のイメージそのものを示すデータであり、画像をドットの羅列として表現したデータの形式であり、ベクター形式は、基本的には図面を描画するための描画コマンドの集合で表わされるデータの形式である。ラスター形式としては、例えばTIFF、ビットマップ、JPEG等があり、ベクター形式としては、例えばCADデータやアドビシステムズ社のPS(PostScript)等がある。
【0028】
図3に示すように、フォームデータ情報34は、一つのフォームデータに対して、ラスター形式及びベクター形式の2種類の画像フォーマットのファイルを関連付けられる。なお、図3に示すフォーム名が「フォーム2」のフォームデータのように、ベクター形式のフォームデータを用意できない場合には、ラスター形式のみでもよい。同様に、ラスター形式のフォームデータを用意できない場合には、ベクター形式のみでもよい。また、フォームデータの画像フォーマットは、後述する標準中間フォーマットに対応する画像フォーマットのものを用意する。
【0029】
標準中間フォーマット定義部28は、ユーザーから印刷指示された印刷データ(図面データ)のフォーマットと、この印刷データフォーマットに対して予め定義された標準中間フォーマットと、の対応関係を示す図4に示すような標準中間フォーマット情報36を記憶している。
【0030】
本実施形態では、一例として、図4に示すように、印刷データフォーマットがTIFF又はビットマップの場合はTIFFが標準中間フォーマットとして定義され、印刷データフォーマットがCADデータ又はPS形式の場合はPSが標準中間フォーマットとして定義されている。このように、本実施形態では、ラスター形式の標準中間フォーマットとしてTIFFが、ベクター形式の標準中間フォーマットとしてPSが定義されているが、標準中間フォーマットとして定義されるフォーマットはこれに限られるものではない。また、本実施形態では、ラスター形式及びベクター形式の各々に定義された標準中間フォーマットは各々1種類であるが、各形式の標準中間フォーマットが2種類以上あってもよい。
【0031】
画像合成部26は、図2に示すように、印刷設定情報読み出し部40、印刷データ読み出し部42、フォームデータ読み出し部44、印刷データラスター変換部46、フォームデータラスター変換部48、ラスター合成部50、標準中間フォーマット判断部52、印刷データベクター変換部54、ベクター合成部56、及び配信データ変換部58を含んで構成されている。
【0032】
印刷設定情報読み出し部40は、ユーザー端末装置14から送信された印刷指示情報32に含まれる印刷設定情報を印刷設定情報管理部20から読み出す。
【0033】
印刷データ読み出し部42は、ユーザー端末装置14から送信された印刷指示情報に含まれる印刷データを印刷データ管理部22から読み出す。
【0034】
フォームデータ読み出し部24は、印刷設定情報で指定されたフォームデータであって、標準中間フォーマット判断部52で判断された印刷データの標準中間フォーマットに対応するフォームデータをフォームデータ管理部24から読み出す。
【0035】
印刷データラスター変換部46は、標準中間フォーマット判断部52で標準中間フォーマットがラスター形式であると判断された場合に、印刷データ読み出し部40で読み出した印刷データをラスター形式の標準中間フォーマットに変換する。
【0036】
フォームデータラスター変換部48は、印刷データとフォームデータとをラスター形式で合成すべき場合において、フォームデータ情報34にベクター形式のフォームデータしか登録されていない場合に、このベクター形式のフォームデータをラスター形式に変換する。
【0037】
ラスター合成部50は、印刷データラスター変換部48で変換されたラスター形式の印刷データとフォームデータ読み出し部44で読み出したフォームデータとを合成し、配信データ変換部58に出力する。
【0038】
標準中間フォーマット判断部52は、標準中間フォーマット定義部28に記憶された標準中間フォーマット情報36に基づいて、印刷指示された印刷データに対応する標準中間フォーマットを決定する。
【0039】
印刷データベクター変換部54は、印刷指示された印刷データの標準中間フォーマットがベクター形式の場合に、その印刷データをベクター形式の標準中間フォーマットに変換する。
【0040】
ベクター合成部56は、印刷データベクター変換部54で変換されたベクター形式の印刷データとフォームデータ読み出し部44で読み出したベクター形式のフォームデータとを合成し、配信データ変換部58に出力する。
【0041】
配信データ変換部58は、ラスター合成部50又はベクター合成部56で合成された合成画像を、予め定めた配信データ用のフォーマット、例えばPDF(Portable Document Format)等に変換して配信データ管理部30へ出力する。
【0042】
配信データ管理部30は、配信データ変換部58から出力された合成画像データを印刷指示情報に含まれる配信先の情報に基づき、配信データ格納装置13に格納すると共に、配信先ユーザーに格納場所を記載した電子メールを通知するか、あるいは印刷装置16へ出力する。これにより、配信先ユーザーは、配信ユーザー端末装置15により受信した電子メールに記述された格納先の情報に基づき配信データを参照したり取得したりする。または配信先として印刷装置16が指定されていると、印刷装置16により合成画像が印刷される。
【0043】
次に、本実施形態の作用として、画像合成部26で実行される処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0044】
なお、図5に示す処理は、ユーザー端末装置14から印刷指示情報32を受信すると実行される。サーバ装置12がユーザー端末装置14から印刷指示情報32を受信すると、印刷設定情報は印刷設定情報管理部20へ、印刷データは印刷データ管理部22に記憶される。
【0045】
まず、ステップ100では、印刷設定情報読み出し部40が印刷設定情報管理部20から印刷設定情報を読み出す。
【0046】
ステップ102では、印刷データ読み出し部40が印刷データ管理部22から印刷データを読み出す。
【0047】
ステップ104では、標準中間フォーマット判断部52が、標準中間フォーマット定義部28に記憶された標準中間フォーマット情報36を参照し、この標準中間フォーマット情報36に基づいて、印刷データ読み出し部40が読み出した印刷データに対応する標準中間フォーマットを決定する。
【0048】
ステップ106では、標準中間フォーマット判断部52が、ステップ104で決定した標準中間フォーマットがベクター形式であるか否かを判断する。そして、ステップ104で決定した標準中間フォーマットがベクター形式である場合には、ステップ108へ移行し、ステップ104で決定した標準中間フォーマットがベクター形式でない場合、すなわちラスター形式である場合には、ステップ122へ移行する。
【0049】
ステップ108では、フォームデータ読み出し部44が、フォームデータ管理部24に記憶されたフォームデータ情報34を参照し、印刷設定情報で指定されたフォームデータのベクター形式のものが存在するか否かを判断する。
【0050】
そして、ベクター形式のフォームデータが存在する場合、例えば図3に示すようにフォーム名が「フォーム1」のようにベクター形式のフォームデータが存在する場合には、ステップ110へ移行し、ベクター形式のフォームデータが存在しない場合には、ステップ118へ移行する。
【0051】
ステップ110では、標準中間フォーマット判断部52が、印刷データの変換が必要か否かを判断する。すなわち、印刷データフォーマットと標準中間フォーマットとが同一か否かを判断する。そして、印刷データフォーマットと標準中間フォーマットとが同一でない場合には、印刷データを標準中間フォーマットに変換する必要があるため、ステップ112へ移行し、印刷データフォーマットと標準中間フォーマットとが同一でない場合には、印刷データを変換する必要がないため、ステップ114へ移行する。
【0052】
ステップ112では、印刷データベクター変換部54が、印刷データを標準中間フォーマットへ変換する。
【0053】
ステップ114では、ベクター合成部56が、ベクター形式の印刷データとベクター形式のフォームデータとを合成した合成画像データを配信データ変換部58へ出力する。このとき、印刷データ及びフォームデータがともにベクター形式であるので、ともにラスター形式の場合と比較して合成画像データのサイズは小さくなる。
【0054】
ステップ116では、配信データ変換部58が、合成画像データを予め定めた配信データ用のフォーマットへ変換し、配信データ管理部30へ出力する。配信データ管理部30は、印刷装置16へ配信データを送信し、印刷装置16は、配信データ、すなわち印刷データとしての図面データとフォームデータとが合成された合成画像を印刷する。
【0055】
一方、ステップ108でベクター形式のフォームデータが存在しないと判断された場合、すなわち、例えば図3に示すようにフォーム名が「フォーム2」のフォームデータのように、ラスター形式のフォームデータしか存在しないと判断された場合には、ステップ118において、印刷データラスター変換部46が、ベクター形式の印刷データを、予め定めた標準中間フォーマット、例えばTIFFに変換する。
【0056】
そして、ステップ120では、ラスター合成部50が、ラスター形式の印刷データとラスター形式のフォームデータとを合成して配信データ変換部58へ出力する。
【0057】
また、ステップ106において、標準中間フォーマットがベクター形式でない、すなわちラスター形式であると判断された場合には、ステップ122において、フォームデータ読み出し部44が、フォームデータ管理部24に記憶されたフォームデータ情報34を参照し、印刷設定情報で指定されたフォームデータのラスター形式のものが存在するか否かを判断する。
【0058】
そして、ラスター形式のフォームデータが存在する場合には、ステップ124へ移行し、ラスター形式のフォームデータが存在しない場合には、ステップ130へ移行する。
【0059】
ステップ124では、標準中間フォーマット判断部52が、印刷データの変換が必要か否かを判断する。すなわち、印刷データフォーマットと標準中間フォーマットとが同一か否かを判断する。そして、印刷データフォーマットと標準中間フォーマットとが同一でない場合には、印刷データを標準中間フォーマットに変換する必要があるため、ステップ126へ移行し、印刷データフォーマットと標準中間フォーマットとが同一でない場合には、印刷データを変換する必要がないため、ステップ128へ移行する。
【0060】
ステップ126では、印刷データラスター変換部46が、印刷データを標準中間フォーマットへ変換する。
【0061】
ステップ128では、ラスター合成部50が、ラスター形式の印刷データとラスター形式のフォームデータとを合成した合成画像データを配信データ変換部58へ出力する。
【0062】
ステップ116では、配信データ変換部58が、合成画像データを予め定めた配信データ用のフォーマットへ変換し、配信データ管理部30へ出力する。配信データ管理部30は、印刷装置16へ配信データを送信し、印刷装置16は、配信データ、すなわち印刷データとしての図面データとフォームデータとが合成された合成画像を印刷する。
【0063】
一方、ステップ122でラスター形式のフォームデータが存在しないと判断された場合には、ステップ130において、フォームデータラスター変換部48が、ベクター形式の印刷データを、予め定めた標準中間フォーマット、例えばTIFFに変換する。
【0064】
そして、ステップ132では、ラスター合成部50が、ラスター形式の印刷データとラスター形式のフォームデータとを合成して配信データ変換部58へ出力する。
【0065】
このように、本実施形態では、一つのフォームデータに対して、ラスター形式及びベクター形式の2種類のファイルを関連付けられるフォームデータ情報34をフォームデータ管理部24に予め記憶しておき、印刷データ、すなわち図面データがベクター形式の場合に、これに対応するベクター形式のフォームデータがフォームデータ情報34に存在すれば、これを読み出して印刷データと合成する。
【0066】
なお、本実施形態では、印刷データがベクター形式であっても、この印刷データと合成すべきベクター形式のフォームデータが存在しない場合には、印刷データをラスター形式に変換してラスター同士で合成したが、ラスター形式のフォームデータをベクター形式のフォームデータに変換するフォームデータ変換部を設け、このフォームデータ変換部によりラスター形式のフォームデータをベクター形式のフォームデータに変換して、ベクター同士で合成するようにしてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、標準中間フォーマット定義部28を設け、印刷データを標準中間フォーマットに変換してからフォームデータと合成する場合について説明したが、印刷データをフォームデータと同一のフォーマットに直接変換して合成するようにしてもよい。
【0068】
また、本実施形態では、印刷設定情報管理部20、印刷データ管理部22、フォームデータ管理部24、標準中間フォーマット定義部28が一つのサーバ装置12内に設けられた場合について説明したが、これに限らず、例えば印刷データ管理部22が通信回線16を介して他の装置内に設けられた構成であってもよく、必ずしも全ての機能部を同じ装置内に設ける必要はない。
【0069】
また、サーバ装置12は、実際には、図6に示すようなコンピュータ60を含む構成とされる。図6に示すコンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)60A、ROM(Read Only Memory)60B、RAM(Random Access Memory)60C、不揮発性メモリ60D、及び入出力インターフェース(I/O)60Eがバス60Fを介して各々接続され、I/O60Eにハードディスク60G及び通信部60Hが接続された構成となっている。この場合、図5に示した処理をコンピュータ60に実行させるプログラムを、例えばハードディスク60Gに書き込んでおき、これをCPU60Aが読み込んで実行させる。これにより、コンピュータ60がサーバ装置12の画像合成部26として機能する。また、プログラムは、CD−ROM等の記録媒体により提供するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態で説明したサーバ装置12の構成(図2参照)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0071】
また、本記実施形態で説明した制御プログラムの処理の流れ(図5参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0072】
10 画像合成システム
12 サーバ装置
14 ユーザー端末装置
16 印刷装置
18 通信回線
20 印刷設定情報管理部
22 印刷データ管理部
24 フォームデータ管理部
26 画像合成部
28 標準中間フォーマット定義部
30 配信データ管理部
32 印刷指示情報
34 フォームデータ情報
36 標準中間フォーマット情報
40 印刷設定情報読み出し部
42 印刷データ読み出し部
44 フォームデータ読み出し部
46 印刷データラスター変換部
48 フォームデータラスター変換部
50 ラスター合成部
52 標準中間フォーマット判断部
54 印刷データベクター変換部
56 ベクター合成部
58 配信データ変換部
60 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面画像情報を取得する図面画像情報取得手段と、
前記図面画像情報取得手段により取得した前記図面画像情報の画像フォーマットの種類がベクター形式の画像フォーマットである場合、前記図面画像情報と合成すべきベクター形式の画像フォーマットの定型画像情報を取得する定型画像情報取得手段と、
前記図面画像情報取得手段により取得したベクター形式の画像フォーマットの前記図面画像情報と、前記定型画像情報取得手段により取得したベクター形式の画像フォーマットの前記定型画像情報と、を合成する合成手段と、
を備えた画像合成装置。
【請求項2】
前記定型画像情報取得手段は、一つの定型画像情報に対して画像フォーマットの種類がベクター形式の定型画像情報及びラスター形式の定型画像情報が予め記憶された定型画像情報記憶手段から、前記図面画像情報と合成すべきベクター形式の画像フォーマットの定型画像情報を取得する
請求項1記載の画像合成装置。
【請求項3】
前記定型画像情報記憶手段は、予め定めた標準中間フォーマットのベクター形式の定型画像情報及びラスター形式の定型画像情報が予め記憶され、
前記合成手段は、前記図面画像情報の画像フォーマットと前記予め定めた標準中間フォーマットとの対応関係を示す標準中間フォーマット情報が記憶された標準中間フォーマット情報記憶手段から読み出した前記標準中間フォーマット情報に基づいて、前記図面画像情報を、当該図面画像情報に対応する標準中間フォーマットに変換し、当該変換した前記図面画像情報と前記定型画像情報取得手段により取得したベクター形式の画像フォーマットの前記定型画像情報と、を合成する
請求項2記載の画像合成装置。
【請求項4】
図面画像情報を取得するステップと、
取得した前記図面画像情報の画像フォーマットの種類がベクター形式の画像フォーマットである場合、前記図面画像情報と合成すべきベクター形式の画像フォーマットの定型画像情報を取得するステップと、
取得したベクター形式の画像フォーマットの前記図面画像情報と、取得したベクター形式の画像フォーマットの前記定型画像情報と、を合成するステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させるための画像合成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−166669(P2011−166669A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30155(P2010−30155)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】