説明

画像増強装置及びそのための電子増倍装置

画像増強装置(300)及びそのための電子増倍装置(312)が開示されている。1つの画像の光子(308)が光電陰極(306)に衝突し、これが光子を電子に転換させる。電子増倍装置が光電陰極からの電子を増倍させて増大した数の電子を作り出す。センサー(314)は該増大した数の電子を捕捉して増強した画像を生成する。電子増倍装置は、半導体構造(320)を収納する電子ボンバードデバイス(EBD)である。半導体構造は、電子を受け入れるための入力表面(320a)及び増大した数の電子を通過させるための発出表面(320b)を有する。半導体構造は、該半導体構造を通って発出表面上の発出領域まで電子の流れを導くようにドープされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像増強装置、より特定的にはその中で使用される電子増倍装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像増強装置は、周囲光を有用な画像に増幅するために暗視/微光視の利用分野において使用される。図1は、既知の画像増強管100を描いている。例示された画像増強管100においては、光子は光電陰極102に衝突し、かくして電子/ホール対を生成する。マイクロチャンネルプレート(MCP)104が、光電陰極102により生成された電子を受け入れるために位置づけされる。MCP104は、光電陰極102から受け入れた各々の電子に対して増大した数の電子を生成する。増大した数の電子を受け入れて画像増強管100による表示のための画像を生成するように、蛍光スクリーン106が位置づけされる。光電陰極102、MCP104及び蛍光スクリーン106は、それらの間の電子の流れを容易にするべく真空下でこれらのデバイスの間にギャップを維持する真空ハウジング108によって支持されている。
【0003】
電子ボンバードデバイス(EBD)は、電子を増倍させる能力をもつ。図2は、入力表面202と入力表面202の反対側の発出表面204を有する半導体構造に基づいているEBD200を描いている。加速電子206は、入力表面202に衝突して半導体構造内で増大した数の自由電子208を生成する。増大した数の電子208は、入力表面と発出表面の間で半導体構造を横断し、そこで発出される。EBDに関する付加的な情報は、R.U. Martinelliによる「シリコンからの反射及び透過二次放出」(Appl. Phys. Lett.,第17巻,第6号,p313〜314,1970)及び R.U.Martinelli et al., によるGaAsからの反射及び透過二次放出(J. Appl. Phys.,第43巻,第11号,p4803〜4804,1972)の中に見い出すことができる。
【0004】
EBD200は半導体構造であることから、成熟し実績のある半導体製造技術を用いて廉価に生産され得、所要電力は少ない。しかしながら、EBDは標準的に、電子増倍に使用される場合、低い画像転送特性を有する。
【0005】
従って、改善された画像転送能力をもつ廉価で低電力電子増倍装置が、画像増強装置といったようなデバイスの中で使用するために必要とされている。本発明は、なかでもこのニーズを満たすものである。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、画像増強装置及びそのための電子増倍方法及び装置を提供する。本発明に従った方法には、入力表面及び該入力表面とは反対側の発出表面を有する半導体デバイス内で増大した数の電子を作り出す段階、及び該増大した数の電子を発出表面からの発出のため発出領域に導く段階を含む。本発明に従った装置は、電子を受け入れるための入力表面及び該入力表面と反対側の発出表面を有する半導体構造を含み、該半導体構造は、受け入れた電子に応答して増大した数の電子を生成する。該半導体構造は、発出表面上の少なくとも1つの発出領域に該増大した数の電子を導くようにドープされ、該少なくとも1つの発出部域の各々は、入力表面の対応する領域と結びつけられている。
【0007】
本発明は、添付図面と結びつけて以下の詳細な説明を読むことにより、最も良く理解できる。このことは、一般的な実践方法に従って、図面のさまざまな特長が一定のスケールで拡大縮小して描かれてはいない、ということを強調している。むしろ、さまざまな特長の寸法は、明確さを期して任意に拡大又は縮小されている。図面間で同じ要素を表わすのに同じ番号が用いられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図3は、本発明の実施例に従った、表示デバイス304上で表示するべき画像302を増強するための画像増強管(image intensifier tube)300(以下「画像増強装置(image intensifier)」と呼ぶ)の概略的表示である。総括的には、例示された画像増強装置300は、1つの画像300の光子308を自由電子310に転換するための光電陰極306、自由電子の数を増大させるための電子ボンバードデバイス(EBD)312及び表示デバイス304上で増強された画像318を生成するべく増大した数の自由電子316を検知するためのセンサー314を含む。本発明のEBD312は電子増倍が必要とされる基本的にあらゆる利用分野で使用され得るが、それは、従来技術の暗視デバイス内に見い出される画像増強装置において特に有用である。従って、本発明は、暗視デバイス内で使用されるものといったような画像増強装置300におけるその使用と併せて記述される。
【0009】
光電陰極306は、入力表面306a及び出力表面306bを含んでいる。光子308が光電陰極306の入力表面306aに衝突するとき、各々の衝突する光子308が自由電子を作り出す可能性がある。衝撃する光子308の結果生じる自由電子310は、光電陰極306を通過し、出力表面306bから発出される。出力表面306bは、光電陰極306の出力表面306bからの電子310の流れを容易にするため周知の要領で負の電子親和性(NEA)状態まで活性化される。光電陰極306の周辺表面は、光電陰極306に対し電気接触を提供するべく、クロムといったような導電性材料(図示せず)でコーティングされる。
【0010】
1つの実施例においては、光電陰極306は、光電子放出効果を示すガリウムヒ素(GaAs)といったような半導体材料から作られた従来の光電陰極デバイスである。GaP,GaInAsP,InAsP,InGaAsなどといったようなその他のIII−V材料も使用できるということに留意されたい。代替的には、光電陰極は、既知のバイアルカリ(Bi−alkali)であり得る。光電陰極306の一例においては、光電子放出性半導体材料は光子を吸収する。吸収された光子は、半導体材料のキャリア密度を増加させ、かくして、出力表面306bからの発出のため光電陰極306を通過する電子310のフォト電流を該材料に生成させる。
【0011】
EBD312は、光電陰極306の出力表面306bから発出される電子を増倍させる。例示されたEBD312は、ドープされた半導体構造320(以下「半導体構造」と呼ぶ)及び遮断構造322を含む。半導体構造320は、入力表面320a及びこの入力表面320aと反対側の発出表面320bを有する。以下で詳細に記述するように、半導体構造320は、例えば第1のドープされた領域328及び第2のドープされた領域330内でドープされて、発出表面320b上の発出領域(発出領域324により代表される)まで電子316の流れを導く。かくして、ドープされた領域は、発出領域324を予め画定する。発出領域324は、半導体構造320の発出領域324からの電子の流れを容易にするべく周知の要領で負の電子親和性(NEA)状態まで活性化される。1つの実施例では、半導体構造320はシリコンであり、厚みは約20〜30ミクロンである。代替的には、半導体構造320は、GaAsといったようなもう1つのタイプの半導体材料でありうる。
【0012】
遮断構造322は、発出表面320b上に遮断領域(遮断領域326に代表される)を生成する。遮断領域326は、発出表面320bを通って半導体構造320内に及びその外への電子の流れを阻止し、かくして空間忠実度を維持する。また、以下で記述されているように、利用される場合、該遮断構造322は、電子の流れを遮断することに加えていくつかの機能を実施することができる。いくつかの実施例では、半導体構造320が遮断構造322なしで適切な電子増倍を提供することになるように考慮されている。これらの実施形態に従うと、遮断構造322を削除することができる。
【0013】
EBD312には、EBC332に代表される複数の電子ボンバードセル(EBC)が含まれる。図3Aは、半導体構造320及び遮断構造322を詳述する上で使用するための1つのEBC332の半分の拡大断面図を描いている。例示されたEBC332においては、第1のドープされた領域328が半導体構造320の入力表面320aと接触しており、第2のドープされた領域330が発出表面320bと接触し、入力表面320aに向かって延びている。遮断構造322は、第2のドープされた領域330に対応する、遮断領域326内の半導体構造320の発出表面320b上に配置されている。
【0014】
EBC332の入力表面320aに衝突する電子310は、増大した数の電子316を作り出す。第1のドープされた領域328は、該増大した数の電子316を入力表面320aから離して半導体構造320内へと強制するようにドープされ、かくして入力表面320aにおける電子の再結合を阻止する。入力表面での電子の再結合を阻止することによって、より多くの電子が半導体構造を通って発出表面320bまで流れかくして効率を高めることができる。1つの実施例においては、第1のドープされた領域328は、シリコンの半導体構造320のためのホウ素又はアルミニウムといったような従来のp型ドーパントでドープされる。該実施例においては、第1のドープされた領域328は、例えば1立方センチメートルあたり1018又は1019パーツといったように高レベルでドープされ、深さは約100〜300ナノメートルである。例えばGaAsといったようなシリコン半導体及びその他の半導体材料を用いた用途のためのその他の適切なドーパント、濃度及び寸法は、半導体製造の当業者には容易に明らかになるだろう。一実施例では、EBD312(図3)の周辺表面は、EBD312の前面に対する電気的接触を提供するべく第1のドープされた領域328に隣接してクロムといったような導電性材料(図示せず)でコーティングされている。
【0015】
第2のドープされた領域330は、増大した数の電子316を発出領域324に向かって導くようにドープされる。第2のドープされた領域330は、発出表面320b上の発出領域324に対し、入力表面320a上の基本的に任意の場所に衝突する電子から生成され得る増大した数の電子316を導くための漏斗として作用する。ドープされた領域330は、入力表面320aから発出領域324まで延びるチャンネル領域331を画定する。チャンネル領域331は、入力表面320a近くで比較的広い断面積を有し、この断面積は、それが発出領域324に近づくにつれて狭まる。1実施例では、第2のドープされた領域330は、例えば1立方センチメートルあたり1017パーツといったシリコン半導体構造用のホウ素又はアルミニウムといったような従来のp型ドーパントで適度にドープされており、EBC間の交差部334での約24ミクロンから発出領域324近くのゼロまで変動する厚みを有する。例えばGaAsといったようなシリコン半導体及びその他の半導体材料を用いた用途のためのその他の適切なドーパント、濃度及び寸法は、半導体製造の当業者には容易に明らかになるだろう。
【0016】
1実施例では、第1のドープされた領域328と第2のドープされた領域330の間にはギャップ336が存在する。ギャップ336は、第2のドープされた領域330が入力表面320aでの増大した数の電子316の生成と干渉しないようにサイズ決定され、かくしてEBC332が例えば最高100%といった100%に近い有効電子増倍面積を有することができるようになっている。1実施例では、ギャップ336はおよそ1ミクロンである。
【0017】
例示された遮断構造322は、半導体構造320の発出表面320b上に配置された第1の酸化物層338、第1の酸化物層338上に配置された例えばアルミニウムなどの金属層340、及び該金属層340上に配置された第2の酸化物層342を含む。1つの実施例では、遮断構造322の各層は、当業者にとっては直ちに明らかである従来の製造技術を用いて半導体構造320上に製造される。1つの実施例では、第1の酸化物層338は、厚みがおよそ100〜300ナノメートルであり、金属層340の厚みは約100〜300ナノメートル、第2の酸化物層342の厚みは約100〜300ナノメートルである。この実施形態に従うと、遮断構造322の全厚みは、およそ300〜900ナノメートルである。
【0018】
例示された遮断構造322の各層は、実施例においてさまざまな機能を果たしている。第1の酸化物層338は、デポジットされた領域内の半導体構造320の発出表面320bからの電子の発出を禁止し、かくして第1の酸化物層338すなわち遮断領域326によって遮断された面積と発出表面320bと合計面積の比によりあらゆる「暗電流」を削減する。暗電流は、EBD312内でノイズを作り出す、半導体構造320の熱変動により生成された半導体構造320内の電子の流れである。
【0019】
1実施例では、金属層340は、半導体構造320を通ってそれに向かって増大した数の電子316を引き寄せるようにバイアスされる。一実施例では、金属層340は、半導体構造の厚みが電子拡散長まで減少するような形でバイアスされる。該実施例においては、バイアスは、電子が第2のドープされた領域330に進入するのに充分なエネルギーを獲得するのを防ぎかつ半導体構造320に対する損傷を防ぐべく例えば1ボルト未満といったように、低いものである。さらに、金属層340は、光電子エミッタ又は蛍光スクリーンがセンサー314として用いられる実施形態においては、光フィールドバックのための遮断層として作用する(図3)。金属層340は、この金属層340によって遮断された領域内で半導体構造320の発出表面320bを通って光子が光電陰極306に到達するのを防ぐように、かかるデバイスに由来する光子を吸収し反射し、かくして、センサー314からの光フィードバックに起因するノイズを削減する。
【0020】
第2の酸化物層342は、金属層340による電子の発出を阻止するべく金属層340上に配置される。かくして、金属層340に起因するノイズは削減される。
【0021】
図4は、EBD312の底面図を描いている。例示された発出部域324は、遮断構造322により画定された幾何形状(例えば円)である。円が例示されているものの、発出領域324は、正方形であるか又は基本的には任意の幾何形状であってよい。1つの実施例においては、遮断構造322は発出領域324間で10〜20ミクロン延びており、発出領域324の直径は0.5〜2.0ミクロンである。かくして、この実施形態に従うと、遮断構造322は、半導体構造320の発出表面320b(図3)の80%を上回る割合をカバーする。
【0022】
個々のEBC332は、EBD312内に1つのアレイを形成する。例示されたアレイは正方形であるが、このアレイは、入力及び/又は出力電子のフォーマットに応じて、例えば円形又は矩形といったその他の幾何形状をとることができる(例えばレンズ適合性のためには円形、集積回路適合性のためには正方形/矩形)。1実施例においては、画像増強管内で使用される従来のマイクロチャンネルプレートを複製するために、3000×3000のEBC332を超える正方形のアレイが使用されることになる。EBC332及びその付随する発出領域324の各々は、EBC332のアレイが半導体構造320の入力表面320aにおいて受け入れた電子を画素化するような形で、入力表面320aの領域に対応している。1つのアレイに実際に利用されるEBC332の数は、個々のEBC332のサイズ及び画像増強装置300の所望の解像度に応じて多少の差こそあれ、多くのものであり得る。
【0023】
図3に戻って参照すると、センサー314は、入力表面314aにおいてEBD312から増大した数の電子を受け入れる。一実施例では、センサー314は、従来技術の画像増強管において一般に使用される複数のコレクションウェル及びCMOS基板をもつ従来の集積回路である。コレクションウェルで収集された電子は、出力端を通って従来の画像表示デバイス304に送られる増強された画像信号を生成するべくCMOSセンサ用の標準的信号処理機器を用いて処理される。一変形実施形態においては、センサー314は、増大した数の電子を直接光子に転換させる蛍光スクリーンである。センサー314の周辺表面は、センサー314に対する電気的接触を提供するべく、クロムといったような導電性材料(図示せず)でコーティングされる。
【0024】
バイアス回路350が、画像増強装置300に対しバイアス電流を提供する。バイアス回路350は、第1の電気回路352、第2の電気回路354、及び第3の電気回路356を含む。第1の電気回路352は、光電陰極306とEBD312の間にバイアス電圧を提供し、第2の電気回路354は、半導体構造320の入力表面320aと遮断構造322の金属層340(図3A)の間にバイアス電圧を提供し、第3の電気回路356は、EBD312とセンサー314の間にバイアス電圧を提供する。
【0025】
真空ハウジング360が光電陰極306、EBD312及びセンサー314を収納する。好ましい1実施形態においては、光電陰極306及びEBD312は、光電陰極306の出力表面306bが、半導体構造320の入力表面320aに対し例えば約10ミクロン未満といった近接位置にあるような形で、ハウジング360の内部に位置づけされている。同様にして、EBD312及びセンサー314は、半導体構造320の発出表面320bが、センサー314の入力表面314aに対し、例えばセンサー314が集積回路である場合には127μm(5ミル)、センサー314が従来の蛍光スクリーンである場合には254μm(10ミル)といった近接位置にあるような形で、ハウジング360の内部に位置づけされる。
【0026】
作動中、画像302からの光子(すなわち光)308は、光電陰極306の入力側306aを通って画像増強装置300の中に入る。光電陰極306は、入射光を電子に変化させ、これらは、光電陰極306の出力側306bから発出される。光電陰極306から退出した電子310は、ドープされた半導体構造320の入力表面320aを通ってEBD312内に入る。光電陰極306からの電子310は、ドープされた半導体構造320の入力表面320aをボンバードし、こうして半導体構造320の入力表面320aの近くで増大した数の電子が生成される。半導体構造320は、増大した数の電子を半導体構造320を通して発出表面320b上の発出領域324まで導くためのドープされた領域を含む。半導体構造320上に配置された遮断構造が、発出領域324以外の領域内での発出表面320bからの電子の発出を阻止する。EBD312は、発出表面320bの発出領域324から増大した数の電子を発出する。EBD312は、1つの電子を受け入れる各々のEBC332内で数百個の電子を生成することができる。1つの電子を受け入れるEBD312内部の各EBC332によって、数百個の電子が生成され得ることから、EBD312から退出する電子の数は、EBD312内に入った電子の数よりも著しく多い。発出された電子はセンサー314の入力表面314aを打撃し、こうして、増強された画像の表現が生成されるか又は、表示デバイス304上での表示のために電子を増強された画像318の光子へと転換させる。
【0027】
本発明の特定の実施形態が示され、詳細に記述されてきたが、当業者にとっては、適合及び修正が明白になることだろう。本発明のかかる適合及び修正は、本出願のクレームで記されている通りの範囲から逸脱することなく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】従来技術の画像増強装置の例示である。
【図2】電子を増倍させるための半導体構造の断面図である。
【図3】本発明に従った画像増強装置の例示である。
【図3A】図3の電子増倍装置の1つのセルの半分の拡大断面図である。
【図4】図3の画像増強装置の中で使用するための電子増倍装置の底面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子を受け入れるための入力表面及び該入力表面とは反対側の発出表面を有し、受け入れた電子に応答して増大した数の電子を生成し、かつ前記発出表面上の少なくとも1つの発出領域に対して増大した数の電子を導くようにドープされており、該少なくとも1つの発出領域の各々が前記入力表面の対応する領域と結びつけられている半導体構造、を含んで成る電子増倍装置。
【請求項2】
遮断領域内で前記発出表面からの電子の発出を阻止するため遮断領域内の発出表面上に配置されている遮断構造、をさらに含んで成る、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記遮断構造が少なくとも、
前記遮断領域内の発出表面からの電子の発出を阻止するため前記発出表面上に配置された第1の酸化物層、
前記半導体構造を通して電子を引き出すべく前記第1の酸化物層の上に配置された金属層、及び
前記金属層からの電子の発出を阻止するべく前記金属層上に配置された第2の酸化物層、
を含んで成る、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記遮断構造が、前記発出表面上の遮断領域を通して前記半導体構造内に光が入るのを防いでいる、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記のドープされた半導体構造が少なくとも、
前記発出表面と接触し、前記発出表面から前記入力表面に向かって延びる第1のドープされた領域、を含んで成り、
ここで該第1のドープされた領域が、少なくとも1つの発出領域に向かって増大した数の電子を導くべく少なくとも1つの発出領域と結びつけられた入力表面の対応する領域から少なくとも1つの発出領域まで延びる少なくとも1つのチャンネルを画定し、該少なくとも1つのチャンネルが、少なくとも1つの発出領域においてよりも前記入力表面に向かってさらに大きい断面積を有している、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記半導体構造が前記入力表面近くで増大した数の電子を生成し、前記のドープされた半導体構造がさらに少なくとも、
前記入力表面と接触した第2のドープされた領域を含み、該第2のドープされた領域は、増大した数の電子を前記入力表面から離れるように強制して前記入力表面における増大した数の電子の再結合を防いでいる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記のドープされた半導体構造が、第1のドープされた領域と第2のドープされた領域の間にギャップを含み、かくして前記入力表面の100%に近い入力表面上の有効電子増倍領域を提供している、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
入力表面及び該入力表面とは反対側の発出表面を有する半導体デバイス内で増大した数の電子を作り出す段階であって、前記入力表面に衝突した電子に応えて該増大した数の電子が生成される段階、及び
前記発出表面からの発出のため発出領域に対し増大した数の電子を導く段階、
を含んで成る電子増倍方法。
【請求項9】
前記発出領域以外の領域内で前記半導体デバイスの発出表面からの電子の発出を遮断する段階、
をさらに含んで成る、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記発出領域以外の領域内で前記半導体デバイスの発出表面内への電子の流れを遮断する段階、
をさらに含んで成る、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
画像の光子を受け入れるための入力表面及び光電陰極により生成された電子を発出する出力表面を有し、前記入力表面で受け入れた光子に応答して電子を生成する光電陰極、
前記光電陰極によって発出された電子を受け入れるための入力表面及び該入力表面とは反対側の発出表面を有し、受け入れた電子に応答して増大した数の電子を生成し、かつ前記発出表面上の少なくとも1つの発出領域に対して増大した数の電子を導くようにドープされており、該少なくとも1つの発出領域の各々が前記入力表面の対応する領域と結びつけられている半導体構造、及び
前記半導体構造の発出表面により発出された増大した数の電子を受け入れ、該増大した数の電子に基づいて画像の増強された表現を生成するように構成されたセンサー、
を含んで成る画像増強装置。
【請求項12】
遮断領域内の発出表面からの電子の発出を阻止するため前記遮断領域内の前記半導体構造の発出表面上に配置されている遮断構造、
をさらに含んで成る、請求項11に記載の画像増強装置。
【請求項13】
前記遮断構造が少なくとも、
前記遮断領域内の発出表面からの電子の発出を阻止するため前記発出表面上に配置された第1の酸化物層、
前記半導体構造を通して電子を引き出すべく前記第1の酸化物層の上に配置された金属層、及び
前記金属層からの電子の発出を阻止するべく前記金属層上に配置された第2の酸化物層、
を含んで成る、請求項12に記載の画像増強装置。
【請求項14】
前記光電陰極、前記半導体構造及び画像形成デバイスを支持するための真空ハウジングをさらに含み、ここに前記光電陰極と前記半導体構造の間に第1のギャップが存在し、前記半導体構造と前記画像形成デバイスの間に第2のギャップが存在し、該真空ハウジングが真空下で前記第1及び第2のギャップを維持する能力を有する、請求項11に記載の画像増強装置。
【請求項15】
前記センサーが蛍光スクリーンであり、前記遮断構造は蛍光スクリーンから発出された光子が前記発出表面上の遮断領域を通して前記半導体構造に入るのを防いでいる、請求項11に記載の画像増強装置。
【請求項16】
前記のドープされた半導体構造が少なくとも、
前記発出表面と接触した第1のドープされた領域と、前記発出表面から前記入力表面に向かって延びた第2のドープされた領域とを含み、ここで該第1のドープされた領域が、少なくとも1つの発出領域に向かって増大した数の電子を導くべく少なくとも1つの発出領域と結びつけられた入力表面の対応する領域から少なくとも1つの発出領域まで延びる少なくとも1つのチャンネルを画定し、該少なくとも1つのチャンネルが、少なくとも1つの発出領域においてよりも前記入力表面に向かってさらに大きい断面積を有している、請求項11に記載の画像増強装置。
【請求項17】
前記半導体構造が前記入力表面近くで増大した数の電子を生成し、前記のドープされた半導体構造がさらに少なくとも、
前記入力表面と接触した第2のドープされた領域を含み、該第2のドープされた領域は、増大した数の電子を前記入力表面から離れるように強制して前記入力表面における増大した数の電子の再結合を防いでいる、請求項16に記載の画像増強装置。
【請求項18】
前記のドープされた半導体構造が、第1のドープされた領域と第2のドープされた領域の間にギャップを含み、かくして前記入力表面の100%に近い入力表面上の有効電子増倍領域を提供している、請求項17に記載の画像増強装置。
【請求項19】
電子を受け入れるための入力表面及び該入力表面から離隔した発出表面を有し、受け入れた電子に応答して増大した数の電子を生成し、かつ複数のセルを形成するようにドープされた半導体構造を含む電子増倍装置において、該複数のセルの各々が前記半導体構造の入力表面上の領域に対応し、該領域と結びつけられた増大した数の電子を前記発出表面上の発出領域に導く該領域と結びつけられたチャンネル、を有する電子増倍装置。
【請求項20】
各々のセルが少なくとも、
前記発出表面から前記入力表面に向かって延び、前記発出表面上の発出領域及びチャンネルを画定する第1のドープされた領域であって、該チャンネルが前記発出領域においてよりも大きい断面積を前記入力表面に向かって有する第1のドープされた領域、を含んで成る、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記半導体構造が前記入力表面近くで増大した数の電子を生成し、各々のセルがさらに少なくとも、
前記入力表面と接触した第2のドープされた領域を含み、該第2のドープされた領域は、増大した数の電子を前記入力表面から離れるように強制する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記複数のセルの各々に結びつけられた発出領域以外の領域内の発出表面からの電子の発出を阻止するため前記発出表面上に配置されている遮断構造、をさらに含んで成る、請求項19に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−521680(P2006−521680A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509281(P2006−509281)
【出願日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/009140
【国際公開番号】WO2004/088702
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(596029797)アイティーティー・マニュファクチャリング・エンタープライジズ・インコーポレーテッド (34)