説明

画像形成システム

【課題】複数の画像形成装置を有する画像形成システムにおいて、システム全体の省エネ及び運用効率の向上、さらに、迅速なサービスを提供することである。
【解決手段】複数の画像形成装置と、前記複数の画像形成装置の稼動状態管理機能を有する複数の稼動状態管理装置と、が通信回路を介して接続された画像形成システムにおいて、前記複数の稼動状態管理装置の内、何れか1台のみを専用稼動状態管理装置とし、前記専用稼動状態管理装置が稼動状態管理機能を喪失したとき、当該専用稼動状態管理装置に代えて他の稼働状態管理装置の何れか1台が新たな専用稼働状態管理装置として前記複数の画像形成装置の稼動状態管理を行うように構成したことを特徴とする画像形成システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真を現像する現像処理装置を含む画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、OA、HAなどが発展して社会活動の効率化が進んでいる。特に、複数の装置を1つのネットワークに接続して効率化を図ったネットワークシステムは、情報伝達の高速化、自由度の向上、コストダウンなどの効果をもたらしている。例えば、会社内において、複数のプリンタを複数のコンピュータで共有する場合、プリンタ管理部を設置し、その管理部によりプリンタの電力供給を制御することにより、ネットワーク内で消費される電力を節約するネットワークシステムが開示されている(特許文献1、参照)。
【0003】
また、デジタルカメラの普及により店舗内での迅速な現像が要求されており、複数の画像形成装置を接続する画像形成システムが多く利用されている。従来の画像形成装置については、複数種類の写真処理液を種類別に貯留する複数の処理槽に感光材料を順次浸漬・搬送して、自動的に感光材料を処理するものが知られている。このような画像形成装置の問題点として、処理液の高温環境下における劣化があったが、画像形成装置の待機状態時に低温に保ち、感光材料が最初の処理槽に投入された後、特定処理槽へ到達するまでの時間に温度を上昇させることにより劣化を防ぐ画像形成装置が開示されている(特許文献2、参照)。
【特許文献1】特開平6−259359号公報
【特許文献2】特開2001−154326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のネットワークシステムでは、プリンタ管理部に何らかの障害が発生し制御停止状態になった場合や、プリンタ管理部の定期的なメンテナンスの為に制御を停止させたい場合、ネットワークシステムが停止することになり、ネットワークの運用効率が悪くなるとともに、ネットワーク利用の不便を生じるという問題があった。
【0005】
また、写真を現像する店舗内においては、ある特定の画像形成装置に印刷処理が集中することによる、現像処理液の劣化やそれに伴って発生する現像処理液の交換頻度の上昇や画像仕上がりの悪化を回避することができないという問題があった。
【0006】
そこで本発明の課題は、複数の画像形成装置を有する画像形成システムにおいて、画像形成システムを停止させることなく、何らかのトラブルに対応でき、また、定期的なメンテナンスを行うことが可能な画像形成システムを提供することである。さらに、画像形成装置の省エネを実現することにより、ネットワーク全体の省エネ及び運用効率の向上、さらに、迅速なサービスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の画像形成装置と、前記複数の画像形成装置の稼動状態管理機能を有する複数の稼動状態管理装置と、が通信回路を介して接続された画像形成システムにおいて、前記複数の稼動状態管理装置の内、何れか1台のみを専用稼動状態管理装置とし、前記専用稼動状態管理装置が稼動状態管理機能を喪失したとき、当該専用稼動状態管理装置に代えて他の稼働状態管理装置の何れか1台が新たな専用稼働状態管理装置として前記複数の画像形成装置の稼動状態管理を行うように構成したことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成システムにおいて、前記複数の稼動状態管理装置のそれぞれは、前記専用稼動状態管理装置の稼動状態管理機能の作動状態を検出する検出手段を有し、前記検出手段によって、前記専用稼動状態管理装置が稼動状態管理機能を喪失したことを最初に検出した他の稼動状態管理装置の何れか1台が新たな専用稼動状態管理装置として前記複数の画像形成装置の稼動状態管理を行うように構成したことを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成システムにおいて、前記複数の稼動状態管理装置のそれぞれは、専用稼動状態管理装置として動作時において、前記専用稼動状態管理装置の動作を停止させることにより稼動状態管理機能を喪失する場合に当該稼動状態管理機能を他の稼動状態管理装置の何れか1台に実行させるか否かを判断する判断手段を有し、前記判断手段の結果に応じて当該専用稼動状態管理装置が他の稼動状態管理装置の何れか1台に対して新たな専用稼働状態管理装置として稼動状態管理を実行させる連絡情報を発行し、前記連絡情報を受信した稼動状態管理装置の何れか1台が新たな専用稼動状態管理装置として前記複数の画像形成装置の稼動状態管理を行うように構成したことを検出し、前記稼動状態に応じて前記画像形成装置の稼動状態制御を制限することを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記専用稼動状態管理装置は、前記稼動状態管理機能により前記複数の画像形成装置の稼動状態遷移を検出し、前記稼動状態に応じて前記複数の画像形成装置に対する稼動状態管理の実行を制限することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のとしている。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記稼動状態管理装置は、前記複数の画像形成装置の稼動状態管理機能であるスケジュール機能としての時間帯テーブルを有することを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成システムにおいて、前記時間帯テーブルは、前記複数の画像形成装置の稼動状態管理機能として予め設定された稼動状態管理区間を有し、前記稼動状態管理区間は、日単位、週単位又は月単位で設定されることを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の画像形成システムにおいて、前記稼動状態管理区間は、同日に複数設定可能であることを特徴としている。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項5から7の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記時間帯テーブルは、前記画像形成装置ごとに複数設定可能であることを特徴としている。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記稼動状態管理装置は、前記複数の画像形成装置から送信される前記複数の画像形成装置それぞれの印刷処理量を記憶する印刷処理情報テーブルを有することを特徴としている。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1から9の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記稼動状態管理装置は、前記印刷処理テーブルに基づいて前記複数の画像形成装置の印刷処理量が均一になるように前記複数の画像形成装置の稼動状態管理機能を実行することを特徴としている。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項1から10の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記稼動状態は、前記画像形成装置全体の稼動状態又は前記画像形成装置の一部機能の稼動状態であることを特徴としている。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項1から11の何れか一項に記載の画像形成システムにおいて、前記複数の画像形成装置は、少なくとも1つは現像処理装置であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、画像形成システムに何らかのトラブルが発生した場合、つまり、複数の画像形成装置の稼動状態管理機能を有する専用稼動状態管理装置が、その稼動状態管理機能を喪失した時、他の稼動状態管理装置が新たな専用稼動状態管理装置として、複数の画像形成装置の稼動状態管理を行うようにすることにより、画像形成システムを停止させることなくトラブルを回避でき、これにより、画像形成システム全体の運用効率の向上と迅速なサービスを提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
まず、本発明の実施形態における構成について説明する。図1に、実施形態に係る画像形成装置における画像形成システム60全体の構成を示す。画像形成装置における画像形成システム60は、図1に示すように、稼動状態管理装置10、10a、10b、10c、情報処理装置20a、20b、20c、画像形成装置30、30a、30b、30cにより構成され、画像形成システム60を構成する各装置は通信ネットワークNにより接続される。なお、各装置の台数は特に限定されない。また、画像形成装置30は内部に、稼動状態管理装置10を格納する。
【0022】
稼動状態管理装置10、10a、10b、10cのうち1台は、複数の画像形成装置30〜30cそれぞれの稼動状態管理機能を行うサーバ権を有する。サーバ権は、画像形成システム60の運転時において、複数の画像形成装置30〜30cの稼動状態を専用的支配的に管理するステータスを有することであり、複数の稼動状態管理装置10〜10cのいずれか1台のみが割当てられる。複数の画像形成装置30〜30cの稼動状態管理を実行する専用稼動状態管理装置、即ち、例えば、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aは、一定時間間隔毎に、サーバ権を有さない他の稼動状態管理装置10、10b、10cにサーバ制御信号を発行することにより、複数の画像形成装置30〜30cを制御していることを通知する。サーバ権を有さない稼動状態管理装置10、10b、10cは、一定時間間隔毎にサーバ制御信号を受信することにより、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aが制御状態であることを確認する。サーバ権を有する稼動状態管理装置10aが、予期せぬ障害により制御停止状態となった場合、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aはサーバ制御信号を発行できない。そのことにより、サーバ権を有さない他の稼動状態管理装置10、10b、10cはサーバ制御信号を受信できず、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aに何らかのトラブルが発生したことを検知する。サーバ権を有さない他の稼動状態管理装置10、10b、10cのうち、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aが制御停止状態であることを最初に検知した、例えば、稼動状態管理装置10bが、サーバ権を獲得する。新たにサーバ権を獲得した稼動状態管理装置10bは、サーバ権を有さない他の稼動状態管理装置10、10cに対して、サーバ制御信号を発行することにより、サーバ権が移行したことを通知するとともに、サーバ処理を開始する(図6参照)。
【0023】
また、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aが、何らかの理由によりサーバ権を放棄する状態になった場合(即ち、稼動状態管理機能を喪失する場合)、当該稼動状態管理装置10aは、サーバ権を有さない他の稼動状態管理装置10、10b、10cのうち、当該稼動状態管理装置10aが、最初に検知した他の稼動状態管理装置10、10b、10cのうち、何れか1台にサーバ権を譲渡する(即ち、複数の画像形成装置の稼動状態管理を実行させるための連絡情報を送信する)。稼動状態管理装置10aによるサーバ権の譲渡を受信した稼動状態管理装置10bは、サーバ権を獲得し、サーバ権を有さない他の稼動状態管理装置10、10cに対して、サーバ制御信号を発行することにより、サーバ権が稼動状態管理装置10bに移行したことを通知するとともに、サーバ処理を開始する(図7参照)。
【0024】
情報処理装置20a、20b、20cは、画像形成装置30〜30cのうち印刷可能な稼動状態の画像形成装置30〜30cを検出し、検出した印刷可能な稼動状態の画像形成装置30〜30cを表示部(図示省略)に表示する。ユーザが、検出された画像形成装置30〜30cを確認し、検出された画像形成装置30〜30cのうち何れかを選択すると、情報処理装置20a、20b、20cは、選択された画像形成装置30〜30cに対して、ユーザからの印刷指示を送信する。例えば、情報処理装置20a、20b、20cが、印刷可能な画像形成装置30a、30bを検出すると、ユーザはその旨を確認し、画像形成装置30aを選択する。画像形成装置30aが選択されると、情報処理装置20a、20b、20cは、画像形成装置30aに対して、ユーザからの印刷指示を送信する。
【0025】
画像形成装置30〜30cは、デジタルカメラで撮影した画像や、フィルムカメラで撮影した画像を現像する処理を行う。なお、画像形成装置30〜30cは、インクジェットプリンタ、昇華型プリンタ、コピー機及び現像処理機を含む。画像形成装置30〜30cのうち1台は稼動状態管理装置10を有し(例えば、画像形成装置30)、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aがサーバ権を譲渡又は放棄する際は、そのことを稼動状態管理装置10が最初に検知すると、稼動状態管理装置10が複数の画像形成装置30〜30cの稼動状態制御処理を開始する。つまり、画像形成装置30が稼動状態管理装置10としての機能を実行する。
【0026】
また、画像形成装置30〜30cは、稼動状態管理装置10aから稼動状態の制御指示を受信すると、稼動状態を適切な稼動状態へ切り換える制御を行う。さらに、情報処理装置20a、20b、20cからの印刷指示を受信すると、印刷処理を開始し、稼動状態管理装置10aに対して、印刷処理量情報を通知する。なお、図1において、画像形成装置30が稼動状態管理装置10を格納する構成としたが、これに限られず、他の画像形成装置30a、30b、30cのうち1台が稼動状態管理装置10を格納する構成としてもよい。
【0027】
以下、稼動状態管理装置10aがサーバ権を有し、稼動状態管理装置10aが稼動状態管理機能を喪失した時は、他の稼動状態管理装置10、10b、10cのうち稼動状態管理装置10bがサーバ権を有し、複数の画像形成装置30〜30cの稼動状態管理を実行する構成として説明するが、これに限られない。
【0028】
図2に、稼動状態管理装置10aの主要部構成を示す。図2に示すように、稼動状態管理装置10aは、記憶部11a、通信制御部12a、管理制御部13a、表示部1a、操作部2aにより構成され、通信インターフェース(I/F)により接続される。
【0029】
記憶部11aは、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示省略)を有している。この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体若しくは半導体メモリで構成されており、システムプログラム、当該システムに対応する各種処理プログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータを記録する。この記憶部11aは、サーバ権を有する際に実行されるサーバ制御信号発行やサーバ処理のプログラムを記憶する。さらに、画像形成装置30〜30cに対する制御プログラム及び画像形成装置30〜30cそれぞれの稼動状態を一時的に記憶する。
【0030】
通信制御部12aは、モデム(MODEM:Modulator/DEModulator)、ターミナルアダプタ(Terminal Adapter)、LANアダプタなどから構成され、外部機器と通信を行うための通信制御を行う。本発明における通信制御部12aは、情報処理装置20a、20b、20cからの印刷指示及び画像形成装置30〜30cからの印刷処理量通知を受信し、画像形成装置30〜30cに対して、印刷指示や稼動制御指示等を送信する。
【0031】
管理制御部13aは、記憶部11a及び通信制御部12aを有する。また、CPU(Central Processing Unit)や、RAM(Random Access Memory)などを内部に備える(図示省略)。管理制御部13aは、記憶部11aに記憶された処理プログラムに従って各種の制御動作を行う。
【0032】
表示部1aは、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面を備え、管理制御部13aからI/Fを介して入力される表示制御信号に従って、各種データを表示する。例えば、表示部1aが画像形成装置30〜30cそれぞれの稼動状態を表示することにより、ユーザは画像形成装置30〜30cそれぞれの稼動状態を把握し、それに伴って適切な指示を行う。
【0033】
操作部2aは、スイッチ、タッチパネル、対人センサーを含み、各種ボタン、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キーを備える。表示部1aに、画像形成装置30〜30cの稼動状態が表示されると、稼動状態を切り換える必要がある場合には、操作部2aのスイッチを操作することにより実行する。そして、スイッチ又はその他のボタン及びキーの押下操作に対応する操作信号を、I/Fを介して管理制御部13aに出力する。なお、稼動状態管理装置10、10b、10cは同様の構成のため、説明及び図示は省略する。
【0034】
次に、図3に、稼動状態管理装置10を内部に格納する画像形成装置30の主要部構成を示す。図3に示すように、画像形成装置30は、稼動状態管理装置10、記憶部31、省エネ制御部32、通信制御部33、システム制御部34、画像形成処理部50、表示部3、操作部4により構成される。また、画像形成処理部50は、印刷搬送制御部35、印刷制御部36、現像制御部40により構成される。さらに、現像制御部40は、温調制御部37、ポンプ制御部38、現像搬送制御部39により構成される。
【0035】
稼動状態管理装置10、表示部3及び操作部4は、図2と同様の構成のため説明は省略する。
【0036】
システム制御部34は、操作部4からスイッチ又はその他のボタン及びキーの押下操作に対応する操作信号が、I/Fを介して入力されるか又は通信I/Fを介して、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aからの制御が受信されると、その信号に対する動作指示を各部へ送信することにより、画像形成装置30〜30c全体を制御する。例えば、稼動状態管理装置10aより通信I/Fを介して省エネ運転指示が送信されると、それを受信したシステム制御部34は、省エネ制御部に対して制御信号を送信する。このことにより、画像形成装置30〜30cは省エネ運転を開始する。従って、操作信号に対する制御を行うと、I/Fを介して画像形成装置30の稼動状態が、表示部3に表示される。
【0037】
また、画像形成装置30が有する稼動状態管理装置10がサーバ権を獲得した場合、画像形成装置30を含む複数の画像形成装置30〜30cの稼動状態が管理される。そして、稼動状態管理装置10により、システム制御部34を介して画像形成装置30〜30cに対する制御が行われる。
【0038】
記憶部31は、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示省略)を有している。この記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体若しくは半導体メモリで構成されており、システムプログラム、当該システムに対応する各種処理プログラム及び各種処理プログラムで処理されたデータを記録する。さらに、印刷前及び印刷後の画像データを一定期間記憶する。
【0039】
省エネ制御部32は、システム制御部34から制御処理信号を受信すると、印刷制御部36や温調制御部37に対して制御信号処理を送信し、画像処理装置30全体の省エネを開始する。
【0040】
通信制御部33は、モデム(MODEM:Modulator/Demodulator)、ターミナルアダプタ(Terminal Adapter)、LANアダプタなどから構成され、I/Fを介して外部機器と通信を行うための通信制御を行う。本発明における通信制御部33は、外部機器からの画像データ、例えば、デジカメからI/F(通信インターフェース)を介して送信される画像データを受信して、システム制御部34に出力する際などに使用される。また、稼動状態管理装置10aからの稼動状態制御指示を受信し、稼動状態管理装置10aに対して印刷処理量情報を送信する。
【0041】
印刷搬送制御部35は、印刷処理におけるペーパ搬送を制御する。ペーパ搬送処理が常に実行されると、消費電力が増加する。印刷処理におけるペーパ搬送処理は常に稼動している必要はないため、例えば、画像形成装置30が運転停止状態である場合は、印刷搬送制御部35によりペーパ搬送処理も運転停止状態に制御される。
【0042】
印刷制御部36は、画像形成装置30において印刷される写真の印刷処理を制御する。例えば、省エネ制御部32からシステム制御部34を介して入力される省エネ制御処理を受け、印刷制御を行うことにより省エネを実現する。
【0043】
現像制御部40において、温調制御部37は、画像形成処理部50内の各処理槽に収容される各処理液等(図示省略)の高温状態維持における劣化を防止するために、液の温度を調節する。例えば、印刷待機中は各処理液等の温度を高温に保っておく必要はない。高温状態が長く維持されると、かえって液の劣化やそれに伴う交換頻度が上昇するという問題が発生する。そのため、印刷待機中はあらかじめ設定された温度まで下げ、運転開始指示の受信とともに温度制御部37により、印刷可能な高温状態まで温度を上昇させる。ポンプ制御部38は、各補充液の補充ポンプ、各処理槽内処理液の攪拌ポンプや循環ポンプを駆動制御する(図示省略)。なお、ポンプ制御部は、それぞれ独立でポンプ駆動を行う。現像搬送制御部39は、現像処理におけるペーパ搬送を制御する。制御動作は、印刷搬送制御部と同様である。
【0044】
図4に、稼動状態管理装置10〜10cを有さない画像形成装置30aの内部構成を示すが、図3における画像形成装置30において、稼動状態管理装置10を排除したにすぎず、同様の構成のため説明は省略する。
【0045】
ここで、稼動状態管理装置10aがサーバ権を有したときに管理する、画像形成装置30〜30cの稼動状態について、稼動状態管理装置10a、情報処理装置20a及び画像形成装置30を用いて説明するが、稼動状態管理装置10、10b、10c、情報処理装置20b、20c、画像形成装置30a、30b、30cにおいても同様である。稼動状態は、通常運転状態、省エネ運転状態、運転停止状態、タイマー運転状態、セッティング状態、エラー待機状態の6種類に分けられる。
【0046】
通常運転状態は、情報処理装置20aより印刷指示を受信し、印刷可能な状態である。
【0047】
省エネ運転状態は、情報処理装置20aからの印刷指示を受信可能だが、直ちに印刷出力出来ない状態である。例えば、温調制御部37が省エネ制御処理を受け、現像処理液等の温度を通常運転状態の設定温度よりも低い準備温度、つまり、短時間で通常運転状態まで温度調整できる温度で温調制御を行っている状態である。高温状態における現像処理液等の劣化及び消費電力の削減のために、この動作が行われる。従って、現像処理液等の温度が、通常運転状態の温度設定に至るまでは、印刷制御部の制御により印刷出力は直ちに実行されない。
【0048】
運転停止状態は、稼動状態管理装置10aからの指示を受信する通信制御部33や、通常運転状態に切り換える為に設置された操作部4を除き、画像形成装置30全体の電源供給が停止している状態である。稼動状態管理装置10aから通常運転状態へ切り換える指示又は画像形成装置30の操作部4の入力操作による通常運転状態への切り換え後に印刷可能な状態になる。
【0049】
タイマー運転状態は、運転停止状態と同様に、稼動状態管理装置部10aからの指示を受信する通信制御部33と、通信運転状態に切り換えるために設置された操作部4を除き、画像形成装置30全体の電源供給を停止し、情報処理装置20aからの印刷指示による印刷制御部36が完全に停止するために印刷が停止する状態である。運転停止状態との相違点は、予め設定されたデータテーブルを基に、設定された時刻に達すると自動的に通常運転状態に切り換わる状態であることである。タイマー運転状態では、稼動状態管理装置10aから発行される指示は受信しない。
【0050】
セッティング状態は、ユーザによる画像形成装置30の操作部4からの入力操作により、画像形成装置30が何らかのメンテナンス操作を行っている状態である。セッティング状態では、稼動状態管理装置10aから発行される指示は受信しない。
【0051】
エラー待機状態は、何らかの理由により、ユーザによる復旧操作及び復旧作業が必要となるエラーが発生した状態である。例えば、画像形成装置30内で何らかのトラブルが発生した為に、印刷が継続できない状態に至った状態である。エラー待機状態では、稼動状態管理装置10aから発行される指示は受信しない。
【0052】
以上のように、それぞれの稼動状態は、画像形成装置30〜30c全体の稼動状態に限られず、画像形成装置の一部機能の稼動状態も含む。つまり、稼動状態管理装置10〜10cがサーバ権を有した時は、複数の画像形成装置30〜30c全体又は一部機能を管理し、制御処理を行う。なお、通常運転状態、省エネ運転状態、運転停止状態、タイマー運転状態、セッティング状態、エラー待機状態を、以下、所定の稼動状態と称す。
【0053】
次に、図5のシステムブロック図を参照して、ネットワーク全体における情報のやり取りの一例を説明する。
【0054】
複数の画像形成装置30a、30b、30cそれぞれの稼動状態を制御する権限であるサーバ権を有する稼動状態管理装置10aが、何らかの理由で制御停止状態になると、稼動状態管理装置10aは、自らが有するサーバ権を稼動状態管理装置10aが制御停止状態であることを最初に検知した他の稼動状態管理装置10bに譲渡する。
【0055】
稼動状態管理装置10bは稼動状態管理装置10aよりサーバ権を譲渡されると、複数の画像形成装置30a、30b、30cの稼動状態制御を開始する。情報処理装置20aは、画像形成装置30aに対して印刷指示を送信する。画像形成装置30aは、情報処理装置20aからの印刷指示を受信すると、通常運転にて印刷処理を開始し、稼動状態管理装置10bに印刷処理量を通知する。
【0056】
稼動状態管理装置10bは、画像形成装置30bから、画像形成装置30bが通常運転待機中であることを受信する。また、稼動状態管理装置10bは、画像形成装置30aが通常運転にて印刷処理中であること及び画像形成装置30bが通常運転待機中であることを確認すると、画像形成装置30cに対して省エネ運転指示を送信する。画像形成装置30cは、稼動状態管理装置10bからの省エネ運転指示を受信すると、省エネ運転を開始し、稼動状態管理装置10bに対して省エネ運転を開始したことを通知する。
【0057】
以上のように、稼動状態管理装置10bはサーバ権を譲渡されると、複数の画像形成装置30a、30b、30cの稼動状態を管理し、それぞれの稼動状態を制御することにより、画像形成システム60全体の消費電力を削減するだけでなく、稼動状態をバランスよく保持することで画像形成システム60全体の運用効率の向上を促進する。
【0058】
なお、図5はネットワーク全体処理の一例であるためこれに限られない。稼動状態管理装置10c又は10dがサーバ権を譲渡された場合や、画像形成装置10bが印刷指示を受信する場合等も同様である。
【0059】
次に、図6(a)、(b)のフローチャートを参照して、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aが、システム障害などにより制御できない状態に陥った場合の復旧方法について説明する。
【0060】
まず、図6(a)のフローチャートを参照して、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aで実行される処理について説明する。
【0061】
サーバ権を有しサーバ処理を実行する正常状態時の稼動状態管理装置10aは、予め設定する一定間隔(例えば、3分間隔)で、サーバ権を有さない他の稼動状態管理装置10、10b、10cに対してサーバ制御信号を発行する。従って、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aにおいて、サーバ制御信号を発行するタイミングか否かが判定される(ステップS1)。
【0062】
ステップS1において、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aが、サーバ制御信号を発行するタイミングであると判定された場合(ステップS1;YES)、その他のサーバ権を有さない稼動状態管理装置部10、10b、10cに対してサーバ制御信号が発行される(ステップS2)。ステップS2において、サーバ制御信号が発行されるとステップS1に戻り、再度、S1〜S2の処理が繰り返される。ステップS1において、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aにより、サーバ制御信号を発行するタイミングではないと判定された場合(ステップS1;NO)、再度、ステップS1の判定処理が繰り返される。
【0063】
次に、図6(b)のフローチャートを参照して、図6(a)のフローチャートに示した処理と並行して、サーバ権を有さない稼動状態管理装置10、10b、10cにおいて行われる処理について説明する。
【0064】
サーバ権を有さずクライアント処理を実行する稼動状態管理装置10、10b、10cは、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aより発行されるサーバ制御信号の受信を、予め設定する一定時間(例えば、5分間)待機し、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aからのサーバ制御信号を一定時間受信しているか否かが判定される(ステップS3)。ステップS3において、サーバ制御信号を一定時間受信していないと判定された場合(ステップS3;NO)、再度、ステップS3の判定が繰り返される。
【0065】
ステップS3において、サーバ制御信号を一定時間受信していないと判定された場合(ステップS3;NO)、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aが何らかの障害で制御停止になったと判断され、何れの稼動状態管理装置10、10b、10cよりも先に制御停止状態であると検知した稼動状態管理装置10bが、サーバ権を獲得する(ステップS4)。何れの稼動状態管理装置10、10b、10cよりも先に制御停止状態であると検知した稼動状態管理装置10bがサーバ権を獲得すると、前記稼動状態管理装置10により、サーバ制御信号が発行され(ステップS5)、このことによりその他の稼動状態管理装置10、10cに対して、サーバ権が移行されたことが通知される。そして、新たなサーバ権を有する稼動状態管理装置10bによりサーバ処理が開始される(ステップS6)。
【0066】
次に、図7(a)、(b)のフローチャートを参照して、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aが、システム定期点検などにより制御機能を停止させる場合の処理について説明する。
【0067】
まず、図7(a)のフローチャートを参照して、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aで実行される処理について説明する。
【0068】
サーバ権を有しサーバ処理を実行する正常状態時の稼動状態管理装置10aが、例えば、システム定期点検を行うために制御機能を停止させる場合、ユーザによる稼動状態管理装置10aの操作部からの入力操作により、制御機能を停止させる措置が行われる。この措置が行われる際に、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aではサーバ権を他の稼動状態管理装置10、10b、10cに譲渡するか否かが判定される(ステップK1)。
【0069】
ステップK1において、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aによりサーバ権を他の稼動状態管理装置10、10b、10cに譲渡しないと判定された場合(ステップK1;NO)、再度、ステップK1の判定が繰り返される。ステップK1において、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aによりサーバ権を他の稼動状態管理装置10、10b、10cに譲渡すると判定された場合(ステップK1;YES)、他の稼動状態管理装置10、10b、10cのうち何れか1台を検出したか否かが判定される(ステップK2)。ステップK2において、他の稼動状態管理装置10、10b、10cを1台も検出していないと判定された場合(ステップK2;NO)、再度、ステップK2の処理が繰り返される。ステップK2において、他の稼動状態管理装置10、10b、10cのうち、稼動状態管理装置10bを検出したと判定された場合(ステップK2;YES)、最初に検出した他の稼動状態管理装置10bへサーバ権が譲渡される(ステップK3)。ステップK3において、サーバ権が譲渡されると、サーバ権を譲渡した稼動状態管理装置10aは制御機能を停止してもいい状態となりサーバ処理が終了する(ステップK4)。
【0070】
次に、図7(b)のフローチャートを参照して、図7(a)のフローチャートに示した処理と並行してサーバ権を有さない稼動状態管理装置10、10b、10cにおいて行われる処理について説明する。
【0071】
サーバ権を有さない稼動状態管理装置10、10b、10cでは、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aからのサーバ権の譲渡を受信したか否かが判定される(ステップK5)。ステップK5において、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aからサーバ権の譲渡を受信していないと判定された場合(ステップK5;NO)、再度、ステップK5の処理が繰り返される。ステップK5において、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aからサーバ権の譲渡を受信したと判定された場合(ステップK5;YES)、サーバ権を有さない稼動状態管理装置10、10b、10cのうち最初にサーバ権を有する稼動状態管理装置10aに検出された他の稼動状態管理装置10、10b、10cのうちの何れか1台である為、サーバ権を獲得する(ステップK6)。ステップK6において、稼動状態管理装置10bがサーバ権を獲得すると、サーバ権を獲得した稼動状態管理装置10bによりサーバ処理が開始される(ステップK7)。
【0072】
以上のように、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aが何らかのトラブルにより制御停止状態となった場合、正常作動時に制御信号を送受信し、トラブル発生時には制御信号が送信されないことにより、サーバ権を有さない他の稼動状態管理装置10、10b、10cに対してトラブル発生を通知することができる。トラブル発生を最初に検知した稼動状態管理装置10bが、サーバ権を獲得することで画像形成システムが停止してしまうことを回避することが可能であり、トラブル発生による画像形成システム全体の停止による顧客の待たされ感をなくし、常に迅速なサービスを提供することができる。
【0073】
また、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aにおいて定期的なシステム点検を行う場合、サーバ権を有さない他の稼動状態管理装置10、10b、10cに対してサーバ権を譲渡することにより、画像形成システムを停止させることなく点検を行うことが可能である。そのため、画像形成システムを稼動した状態で点検作業を行うことで、従来、点検の際のシステム停止に伴って発生していた未処理作業の蓄積を回避でき、常に効率よく画像形成システムを稼動しながら、システム点検も行うことできるため、サービスの迅速化、運用効率の向上及びシステムトラブル発生の削減も可能である。
【0074】
図8のフローチャートを参照して、画像形成装置30〜30cにおいて稼動状態に応じて行われる処理について説明する。
【0075】
まず、画像形成装置30〜30cがエラー待機状態であるか否かが判定される(ステップP1)。ステップP1において、画像形成装置30〜30cがエラー待機状態であると判定された場合(ステップP1;YES)、画像形成装置30〜30cの操作部からのユーザ操作によりエラー復旧処理が行われる(ステップP2)。ステップP2でのエラー復旧後、エラー待機状態から通常運転状態へ遷移される(ステップP3)。ステップP1において、画像形成装置30〜30cがエラー待機状態ではないと判定された場合(ステップP1;NO)、画像形成装置30〜30cがタイマー運転状態であるか否かが判定される(ステップP4)。
【0076】
ステップP4において、画像形成装置30〜30cがタイマー運転状態であると判定された場合(ステップP4;YES)、予め設定された時刻に達したか否かが判定される(ステップP5)。ステップP5において、予め設定された時刻に達していると判定された場合(ステップP5;YES)、自動的にタイマー運転状態から通常運転状態へ遷移される(ステップP6)。ステップP5において、予め設定された時刻に達していないと判定された場合(ステップP5;NO)、画像形成装置30〜30cの操作部からのユーザ操作が行われたか否かが判定される(ステップP7)。
【0077】
ステップP7において、画像形成装置30〜30cの操作部からのユーザ操作が行われたと判定された場合(ステップP7;YES)、ユーザ操作によりタイマー運転状態から通常運転状態へ遷移される(ステップP8)。ステップP7において、画像形成装置30〜30cの操作部からのユーザ操作が行われていないと判定された場合(ステップP7;NO)、ステップ5へ戻り、再度、ステップP5〜P7の処理が繰り返される。ステップP4において、画像形成装置30〜30cがタイマー運転状態ではないと判定された場合(ステップP4;NO)、画像形成装置30〜30cが運転停止状態であるか否かが判定される(ステップP9)。
【0078】
ステップP9において、画像形成装置30〜30cが運転停止状態であると判定された場合(ステップP9;YES)、画像形成装置30〜30cの操作部からのユーザ操作が行われたか否かが判定される(ステップP10)。ステップP10において、画像形成装置30〜30cの操作部からのユーザ操作が行われたと判定された場合(ステップP10;YES)、ユーザ操作により運転停止状態から通常運転状態へ遷移される(ステップP11)。ステップP10において、画像形成装置30〜30cの操作部からのユーザ操作が行われていないと判定された場合(ステップP10;NO)、再度、ステップP10の判定処理が繰り返される。ステップP9において、画像形成装置30〜30cが運転停止状態ではないと判定された場合(ステップP9;NO)、画像形成装置30〜30cがセッティング状態であるか否かが判定される(ステップP12)。
【0079】
ステップP12において、画像形成装置30〜30cがセッティング状態であると判定された場合(ステップP12;YES)、何らかのメンテナンス操作による画像形成装置30〜30cの条件設定などが終了したか否かが判定される(ステップP13)。ステップP13において、何らかのメンテナンス操作による画像形成装置30〜30cの条件設定などが終了したと判定された場合(ステップP13;YES)、セッティング状態から通常運転状態へ遷移される(ステップP14)。ステップP13において、何らかのメンテナンス操作による画像形成装置30〜30cの条件設定などが終了していないと判定された場合(ステップP13;NO)、再度、ステップP13の処理が繰り返される。
【0080】
ステップP12において、画像形成装置30〜30cがセッティング状態でないと判定された場合(ステップP12;NO)または、ステップP3、P6、P8、P11又はP14において、通常運転状態へ遷移された場合、稼動状態管理装置10aからの稼動状態指示を受信したか否かが判定される(ステップP15)。ステップP15において、稼動状態管理装置10aからの稼動状態指示を受信したと判定された場合(ステップP15;YES)、所定の稼動状態、つまり、通常運転状態以外の稼動状態の何れかへ遷移される(ステップP16)。ステップ16において、所定の稼動状態の何れかへ遷移された場合又はステップP15において、稼動状態管理装置10aからの稼動状態指示を受信していないと判定された場合(ステップP15;NO)、再度、ステップP1〜P16の処理が繰り返される。
【0081】
次に、図9(a)、(b)のフローチャートを参照して、画像形成装置30〜30cの稼動状態に伴って実行されるサーバ権を有する稼動状態管理装置10aでの処理について説明する。
【0082】
まず、図9(a)のフローチャートを参照して、画像形成装置30〜30cの稼動状態に応じて稼動状態管理装置10aにおいて実行される処理について説明する。
【0083】
稼動状態管理装置10aにより、画像形成装置30〜30cの稼動状態が、エラー待機状態、タイマー運転状態、運転停止状態又はセッティング状態から通常運転状態へ遷移したか否かが判定される(ステップR1)。ステップR1において、画像形成装置30〜30cの稼動状態が通常運転状態へ遷移したと判定された場合(ステップR1;YES)、画像形成装置30〜30cの稼動状態制御を禁止する制御禁止タイマーが初期化される(ステップR2)。ステップR2において、画像形成装置30〜30cに対する制御禁止タイマーが初期化されると、稼動状態管理装置10aは、予め設定された時間が経過するまで、画像形成装置30〜30cの稼動状態を制御できない。そして、制御禁止タイマーが予め設定された所定時間に到達したか否かが判定される(ステップR3)。ステップR3において、制御禁止タイマーが予め設定された所定時間に到達していないと判定された場合(ステップR3;NO)、画像形成装置30〜30cに対して制御が禁止されている状態であるため、再度、ステップR3の判定が繰り返される。
【0084】
ステップR3において、制御禁止タイマーが予め設定された所定時間に到達したと判定された場合(ステップR3;YES)、画像形成装置30〜30cに対して稼動状態を制御しても良い状態であると判断されるため、制御禁止タイマーが停止され(ステップR4)、稼動状態管理装置10aにより画像形成装置30〜30cの稼動状態制御が開始される(ステップR5)。ステップR5において、稼動状態管理装置10aにより画像形成装置30〜30cの稼動状態制御が開始された場合又はステップR1において、画像形成装置30〜30cの稼動状態が遷移していないと判定された場合(ステップR1;NO)、画像形成装置30〜30cの稼動状態を制御するタイミングか否かが判定される(ステップR6)。
【0085】
ステップR6において、画像形成装置30〜30cの稼動状態を制御するタイミングであると判定された場合(ステップR6;YES)、稼動状態管理装置10aにより画像形成装置30〜30cに対して所定の稼動状態に制御する指示が発行される(ステップR7)。ステップR7において、稼動状態管理装置10aにより画像形成装置30〜30cに対して所定の稼動状態に制御する指示が発行された場合又はステップR6において、画像形成装置30〜30cの稼動状態を制御するタイミングではないと判定された場合(ステップR6;NO)、再度、ステップR1〜R6の処理が繰り返される。
【0086】
次に、図9(b)のフローチャートを参照して、図9(a)のフローチャートに示した処理と並行して、稼動状態管理装置10aにより実行される処理について説明する。
【0087】
稼動状態管理装置10aにより、画像形成装置30〜30cの通常運転状態が予め設定された一定時間(例えば、10分間)経過したか否かが判定される(ステップR8)。ステップR8において、通常運転状態が予め設定された一定時間経過していないと判定された場合(ステップR8;NO)、再度、ステップR8の処理が繰り返される。ステップR8において、通常運転状態が予め設定された一定時間経過したと判定された場合(ステップR8;YES)、つまり、制御禁止タイマーが停止され、画像形成装置30〜30cに対して稼動状態制御処理を開始してもよい状態であるため、複数の画像形成装置30〜30cの稼動状態に応じて、省エネ運転指令が発行される(ステップR9)。ステップR9において、省エネ運転指令が発行されると省エネ運転が開始される。省エネ運転状態が開始されると、省エネ運転状態が予め設定された一定時間(例えば、30分間)経過したか否かが判定される(ステップR10)。
【0088】
ステップR10において、画像形成装置30〜30cの省エネ運転状態が予め設定された一定時間経過していないと判定された場合(ステップR8;NO)、再度、ステップR10の判定が繰り返される。ステップR10において、画像形成装置30〜30cの省エネ運転状態が予め設定された一定時間経過したと判定された場合(ステップR8;YES)、稼動状態管理装置10aにより省エネ運転状態である画像形成装置30〜30cに対して、省エネ運転停止命令が発行される(ステップR11)。省エネ運転停止命令が発行されると、稼動状態管理装置10aにより所定の稼動状態に制御する指示が発行されると(ステップR12)、ステップR8に戻り、再度、ステップR8〜R12の処理が繰り返される。
【0089】
上述したように、故障や現状処理剤不足によるエラー待機状態、予め設定する時間に基づいて自動的に通常運転に画像形成装置30〜30c自ら制御するタイマー運転状態、運転停止状態、又は印刷条件の各種設定などを行うセッティング状態である、つまり、通常運転状態でない稼動状態である画像形成装置30〜30cは、稼動状態管理装置10aからの指示は受信しない。ユーザ操作により、通常運転状態へ遷移された場合及びタイマー運転状態においては、自動的に通常運転状態へ遷移された場合は、直ちに省エネ運転状態又は運転停止状態へ遷移されず、予め設定された一定時間は通常運転状態が維持される。通常運転状態でない稼動状態では、消費電力は少なく、印刷処理も行わないため現像処理液の劣化も発生しない。従って、運転停止状態とほぼ同じ状態であるため、直ちに省エネ運転又は運転停止状態へ遷移するとネットワーク全体の効率が低下する。画像形成装置30〜30c及び稼動状態管理装置10aがこのような制御を行うことにより、ネットワーク全体の運用効率が促進され、消費電力も削減できる。
【0090】
図10(a)、(b)のフローチャートを参照して、スケジュール機能に従って実行されるサーバ権をもつ稼動状態管理装置10a及び画像形成装置30〜30cにおける処理について説明する。
【0091】
稼動状態管理装置の記憶部にはスケジュール機能としての時間帯テーブル(図11参照)が記憶されている。時間帯テーブルは画像形成装置ごとに予め設定され、設定された時間帯テーブルに基づいて、複数の画像形成装置の稼動状態が稼動状態管理装置により制御される。各画像形成装置の稼動状態を制御する時間帯である稼動状態管理区間は、同日に複数設定可能であり、稼動状態管理区間を有する時間帯テーブルは、各画像形成装置複数設定する構成としてもよい。
【0092】
まず、図10(a)のフローチャートを参照して、スケジュール機能従って実行される、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aの画像形成装置30〜30cに対する稼動状態制御処理を説明する。
【0093】
サーバ権を有する稼動状態管理装置10aにより時間帯テーブルが参照され、当該画像形成装置30〜30cが稼動状態管理区間であるか否かが判定される(ステップN1)。ステップN1において、当該画像形成装置30〜30cが稼動状態管理区間ではないと判定された場合(ステップN1;NO)、稼動状態管理装置10aは、当該画像形成装置を所定の稼動状態に制御せず、当該画像形成装置30〜30cが省エネ運転状態又は運転停止状態であるか否かが判定される(ステップN2)。ステップN2において、当該画像形成装置30〜30cが所定の省エネ運転状態又は運転停止状態であると判定された場合(ステップN2;YES)、稼動状態管理装置10aは当該画像形成装置30〜30cに対して通常運転指示を発行する(ステップN3)。ステップN3において、画像形成装置30〜30cに対して通常運転指示が発行された場合又はステップN2において、当該画像形成装置30〜30cが省エネ運転状態又は運転停止状態ではないと判定された場合(ステップN2;NO)、再度、ステップN1の判定が実行される。
【0094】
ステップN1において、当該画像形成装置30〜30cが稼動状態管理区間であると判定された場合(ステップN1;YES)、情報処理装置20a、20b、20cにより発行された印刷指示の検出が行われ、当該画像形成装置30〜30cが省エネ運転状態又は運転停止状態であるか否かが判定される(ステップN5)。ステップN5において、当該画像形成装置30〜30cが省エネ運転状態又は運転停止状態であると判定された場合(ステップN5;YES)、稼動状態管理装置10aにより通常運転指示が発行される(ステップN6)。
【0095】
ステップN5において、当該画像形成装置30〜30cが省エネ運転状態又は運転停止状態ではないと判定された場合(ステップN5;NO)又はステップN6において、稼動状態管理装置10aにより通常運転指示が発行された場合、当該画像形成装置30〜30cが、通常運転状態及び予め設定された一定時間(例えば、30分間)印刷待機状態であるか否かが判定される(ステップN7)。ステップN7において、当該画像形成装置30〜30cが、通常運転状態及び予め設定された一定時間印刷待機状態であると判定された場合(ステップN7;YES)、稼動状態管理装置10aは当該画像形成装置30〜30cに対して、省エネ運転指示を発行する(ステップN8)。
【0096】
ステップN8において、画像形成装置30〜30cに省エネ運転指示が発行された場合又はステップN7において、当該画像形成装置30〜30cが、通常運転状態及び予め設定された一定時間印刷待機状態ではないと判定された場合(ステップN7;NO)、当該画像形成装置30〜30cが、予め設定された一定時間(例えば、10分間)省エネ運転状態であるか否かが判定される(ステップN9)。ステップN9において、当該画像形成装置30〜30cが、予め設定された一定時間省エネ運転状態であると判定された場合(ステップN9;YES)、稼動状態管理装置10aから当該画像形成装置30〜30cに対して、運転停止指示が発行される(ステップN10)。ステップN10において、画像形成装置30〜30cに運転停止指示が発行された場合又は ステップN9において、当該画像形成装置30〜30cが、予め設定された一定時間省エネ運転状態ではないと判定された場合(ステップN9;NO)、ステップN1に戻り、再度、ステップN1の判定が実行される。
【0097】
次に、図10(b)のフローチャートを参照して、スケジュール機能に伴う稼動状態管理装置10aからの指示を受けることにより、画像形成装置30〜30cで実行される処理について説明する。
【0098】
まず、時間帯テーブルにより指定された画像形成装置30〜30cが通常運転状態、省エネ運転状態又は運転停止状態であるか否かが判定される(ステップN11)。ステップN11において、当該画像形成装置30〜30cが通常運転状態、省エネ運転状態又は運転停止状態ではないと判定された場合(ステップN11;NO)、再度、ステップN11の判定が実行される。
【0099】
ステップN11において、当該画像形成装置30〜30cが通常運転状態、省エネ運転状態又は運転停止状態であると判定された場合(ステップN11;YES)、稼動状態管理装置10aからの通常運転指示を受信したか否かが判定される(ステップN12)。ステップN12において、稼動状態管理装置10aからの通常運転指示を受信したと判定された場合(ステップN12;YES)、当該画像形成装置30〜30cは通常運転状態に遷移される(ステップN13)。ステップN13において、画像形成装置30〜30cが通常運転状態に遷移された場合又はステップN12において、稼動状態管理装置10aからの通常運転指示を受信していないと判定された場合(ステップN12;NO)、稼動状態管理装置10aからの省エネ運転指示を受信したか否かが判定される(ステップN14)。
【0100】
ステップN14において、稼動状態管理装置10aからの省エネ運転指示を受信したと判定された場合(ステップN14;YES)、当該画像形成装置は、予め設定された一定時間(例えば、30分間)省エネ運転状態に遷移される(ステップN15)。ステップN15において、画像形成装置30〜30cが省エネ運転状態に遷移された場合又はステップN14において、稼動状態管理装置10aからの省エネ運転指示を受信していないと判定された場合(ステップN14;NO)、稼動状態管理装置10aからの運転停止指示を受信したか否かが判定される(ステップN16)。
【0101】
ステップN16において、稼動状態管理装置10aからの運転停止指示を受信したと判定された場合(ステップN16;YES)、当該画像形成装置30〜30cは運転停止状態に遷移される(ステップN17)。ステップN17において、画像形成装置30〜30cが運転停止状態に遷移された場合又はステップN16において、稼動状態管理装置10aからの運転停止指示を受信されていないと判定された場合(ステップN16;NO)、ステップN11に戻り、再度、ステップN11〜N16の処理が繰り返される。
【0102】
図11に、複数の画像形成装置の稼動状態を管理するスケジュール機能である、時間帯テーブルの一例を示す。
【0103】
図11に示すように時間帯テーブルは、時間帯テーブルIDである「NO」、ネットワーク上のIPアドレスである「画像形成装置ID」、日、週及び月を指定する「単位」、「開始時刻」、「終了時刻」で構成され、各画像形成装置の稼動状態管理区間を定める。例えば、サーバ権を有する稼動状態管理装置10aは、NO1の画像形成装置192.9.200.51を火曜日の10時〜15時までの時間帯においては、情報処理装置20a、20b、20cからの印刷指示の頻度などの条件により、所定の稼動状態に制御する。NO7.8は日を指定した場合、NO9は、毎月13日を指定した場合を示す。なお、時間帯テーブルはこれに限らず、他の構成としても良い。
【0104】
以上のように、稼動状態管理装置10aが、複数の画像形成装置のそれぞれについて、所定の稼動状態に制御する時間帯テーブルを有し、時間帯テーブルにおいて予め設定された稼動制御管理区間に基づいて、複数の画像形成装置の稼動状態を制御することにより、使用しない画像形成装置まで常に運転状態で稼動させておくなどの無駄をなくし、消費電力を大幅に削減することができる。従って、画像形成システム全体の省エネを提供することが可能である。
【0105】
次に、図12のフローチャートを参照して、印刷処理の全体の流れについて説明する。なお、稼動状態管理装置10aはサーバ権を有するものとする。
【0106】
まず、図12(a)のフローチャートを参照して、情報処理装置20a、20b、20cにおいて実行される処理について説明する。
【0107】
情報処理装置20a、20b、20cにおいて、ユーザによる印刷指示があったか否かが判定される(ステップT1)。ステップT1において、ユーザによる印刷指示がないと判定された場合(ステップT1;NO)、再度、ステップT1の判定が繰り返される。ステップT1において、ユーザによる印刷指示があったと判定された場合(ステップT1;YES)、情報処理装置20a、20b、20cにより、印刷可能な稼動状態の画像形成装置30〜30cに対して印刷指示が発行される(ステップT2)。画像形成装置30〜30cに印刷指示が発行されると、ステップT1に戻り、再度、ステップT1の判定が繰り返される。
【0108】
次に、図12(b)のフローチャートを参照して、稼動状態管理装置10aにおいて、情報処理装置20a、20b、20cからの指示に伴って実行される印刷処理について説明する。
【0109】
稼動状態管理装置10aでは、画像形成装置30〜30cの選択が行われると(ステップ10)、当該画像形成装置30〜30cが通常運転状態、省エネ運転状態又は運転停止状態であるか否かが判定される(ステップT11)。 ステップT11において、画像形成装置30〜30cが、通常運転状態、省エネ運転状態又は運転停止状態であると判定された場合(ステップT11;YES)、画像形成装置30〜30cが、通常運転以外の稼動状態であるか否かが判定される(ステップT12)。ステップT12において、画像形成装置30〜30cが、通常運転以外の稼動状態であると判定された場合(ステップT12;YES)、画像形成装置30〜30cに対して通常運転指示が発行される(ステップT13)。ステップT13において、画像形成装置30〜30cに対して通常運転指示が発行された場合、ステップT12において、画像形成装置30〜30cが通常運転以外の稼動状態ではないと判定された場合(ステップT12;NO)又はステップT11において、画像形成装置30〜30cが、通常運転状態、省エネ運転状態又は運転停止状態ではないと判定された場合(ステップT11;NO)、印刷処理を実施した画像形成装置30〜30cから印刷処理量(後述記載)の通知を受信したか否かが判定される(ステップT15)。
【0110】
ステップT15において、画像形成装置30〜30cから印刷処理量の通知を受信したと判定された場合(ステップT15;YES)、稼動状態管理装置10aにより印刷処理量が集計される(ステップT16)。ステップT16において、稼動状態管理装置10aにより印刷処理量が集計された場合又はステップT15において、画像形成装置30〜30cから印刷処理量の通知を受信していないと判定された場合(ステップT15;NO)、ステップT9に戻り、再度、ステップT9〜T16の処理が繰り返される。
【0111】
次に、図12(c)のフローチャートを参照して、情報処理装置20a、20b、20cによる印刷指示を受信した画像形成装置30〜30cにおいて行われる印刷処理について説明する。
【0112】
画像形成装置30〜30cでは、情報処理装置20a、20b、20cによる印刷指示を受信したか否かが判定される(ステップT3)。ステップT3において、情報処理装置20a、20b、20cによる印刷指示を受信したと判定された場合(ステップT3;YES)、画像形成装置30〜30cにおいて印刷処理が開始される(ステップT4)。画像形成装置30〜30cにおいて、印刷処理が開始されると、印刷処理量が算出され(ステップT5)、稼動状態管理装置10aに対して算出された印刷処理量が通知される(ステップT6)。
【0113】
ステップT6において、稼動状態管理装置10aに対して算出された印刷処理量が通知された場合又はステップT3において、情報処理装置20a、20b、20cによる印刷指示を受信しなかったと判定された場合(ステップT3;NO)、稼動状態管理装置10aによる通常運転指示を受信した否かが判定される(ステップT7)。ステップT7において、稼動状態管理装置10aによる通常運転指示を受信したと判定された場合(ステップT7;YES)、画像形成装置30〜30cは通常運転状態に遷移される(ステップT8)。ステップT8において、通常運転状態に遷移された場合又はステップT7において、稼動状態管理装置10aによる通常運転指示を受信しなかったと判定された場合(ステップT7;NO)、ステップT3に戻り、再度、ステップT3〜T8の処理が繰り返される。
【0114】
次に、図13(a)、(b)のフローチャートを参照して、印刷処理量通知を送受信することにより、複数の画像形成装置30〜30cの印刷処理量がほぼ均一になるように制御する場合、サーバ権を有する稼動状態管理装置10a及び画像形成装置30〜30cにて実行される処理について説明する。
【0115】
複数の画像形成装置30〜30cは、印刷した量を算出し記憶部に格納された印刷処理情報テーブル(図14参照)に記憶する。稼動状態管理装置10aは複数の画像形成装置30〜30cにより集計された印刷処理量通知を受信することで、各画像形成装置30〜30cの印刷処理量を把握できる。この情報を基に、稼動状態管理装置10aは画像形成装置30〜30cの稼動状態の制御を実行する。
【0116】
まず、図13(a)のフローチャートを参照して、稼動状態管理装置10aにおいて実行される処理について説明する。
【0117】
稼動状態管理装置10aにおいて、複数の画像形成装置30〜30cからの印刷処理量通知を受信したか否かが判定される(ステップH1)。ステップH1において、複数の画像形成装置30〜30cからの印刷処理量通知を受信していないと判定された場合(ステップH1;NO)、再度、ステップH1の判定が実行される。
【0118】
ステップH1において、複数の画像形成装置30〜30cからの印刷処理量通知を受信したと判定された場合(ステップH1;YES)、稼動状態管理装置10aにより印刷処理量が集計される(ステップH2)。稼動状態管理装置10aにより印刷処理量が集計されると、集計した印刷処理量情報を基に、当該画像形成装置は省エネ運転状態及び印刷処理量が多い装置か否かが判定される(ステップH3)。ステップH3において、当該画像形成装置は、省エネ運転状態及び印刷処理量が多い装置であると判定された場合(ステップH3;YES)、当該画像形成装置30〜30cに対して運転停止命令が発行されるが発行される(ステップH4)。ステップH4において、画像形成装置30〜30cに対して運転指示停止命令が発行された場合又はステップH3において、当該画像形成装置は、省エネ運転状態及び印刷処理量が多い装置ではないと判定された場合(ステップH3;NO)、当該画像形成装置は、通常運転状態及び印刷処理量が多い装置か否かが判定される(ステップH5)。
【0119】
ステップH5において、当該画像形成装置は、通常運転状態及び印刷処理量が多い装置であると判定された場合(ステップH5;YES)、当該画像形成装置30〜30cに対して、省エネ運転指示が発行される(ステップH6)。ステップH6において、画像形成装置30〜30cに対して、省エネ運転指示が発行された場合又はステップH5において、当該画像形成装置は、通常運転状態及び印刷処理量が多い装置ではないと判定された場合(ステップH5;NO)、当該画像形成装置は、運転停止状態又は省エネ運転状態及び印刷処理量が少ない装置か否かが判定される(ステップH7)。ステップH7において、当該画像形成装置は、運転停止状態又は省エネ運転状態及び印刷処理量が少ない装置であると判定された場合(ステップH7;YES)、当該画像形成装置30〜30cに対して、通常運転指示が発行される(ステップH8)。ステップH8において、画像形成装置30〜30cに対して、通常運転指示が発行された場合又はステップH7において、当該画像形成装置は、運転停止状態又は省エネ運転状態及び印刷処理量が少ない装置ではないと判定された場合(ステップH8;NO)、ステップH1に戻り、再度、ステップH1〜H8の処理が繰り返される。
【0120】
次に、図13(b)のフローチャートを参照して、画像形成装置30〜30cにおいて実行される処理について説明する。
【0121】
まず、画像形成装置30〜30cが通常運転状態、省エネ運転状態又は運転停止状態であるか否かが判定される(ステップH9)。ステップH9において、画像形成装置30〜30cが通常運転状態、省エネ運転状態又は運転停止状態ではないと判定された場合(ステップH9;NO)、稼動状態管理装置から発行される指示は受信されないため、再度、ステップH9の判定が繰り返される。
【0122】
ステップH9において、画像形成装置30〜30cが通常運転状態、省エネ運転状態又は運転停止状態であると判定された場合(ステップH9;YES)、画像形成装置30〜30cが、通常運転状態であるか否かが判定される(ステップH10)。ステップH10において、画像形成装置30〜30cが、通常運転状態であると判定された場合(ステップH10;YES)、情報処理装置20a、20b、20cによる印刷指示を受信したか否かが判定される(ステップH11)。ステップH11において、情報処理装置20a、20b、20cによる印刷指示を受信したと判定された場合(ステップH11;YES)、画像形成装置30〜30cにより印刷処理が開始される(ステップH12)。印刷処理が開始されると、画像形成装置30〜30cにより印刷される印刷処理量が算出され(ステップH13)、稼動状態管理装置10aに対して印刷処理量通知が発行される(ステップH14)。ステップH14において、稼動状態管理装置10aに対して、印刷処理量通知が発行された場合又はステップH11において、情報処理装置20a、20b、20cによる印刷指示を受信していないと判定された場合(ステップH11;NO)、稼動状態管理装置による運転停止命令を受信したか否かが判定される(ステップH15) 。
【0123】
ステップH15において、稼動状態管理装置10aによる運転停止指示を受信したと判定された場合(ステップH15;YES)、画像形成装置30〜30cは運転停止状態へ遷移される(ステップH16)。ステップH16において、画像形成装置30〜30cが運転停止状態へ遷移された場合又はステップH15において、稼動状態管理装置10aによる運転停止指示を受信していないと判定された場合(ステップH15;NO)、稼動状態管理装置10aによる省エネ運転指示を受信したか否かが判定される(ステップH17)。ステップH17において、稼動状態管理装置10aによる省エネ運転指示を受信したと判定された場合(ステップH17;YES)、画像形成装置30〜30cは省エネ運転状態へ遷移される(ステップH18)。
【0124】
ステップH10において、画像形成装置30〜30cが、通常運転状態でないと判定された場合(ステップH10;NO)、ステップH17において、稼動状態管理装置10aによる省エネ運転指示を受信していない判定された場合(ステップH17;NO)又はステップH18において、画像形成装置30〜30cが省エネ運転状態へ遷移された場合、稼動状態管理装置10aによる通常運転指示を受信したか否かが判定される(ステップH19)。ステップ19において、稼動状態管理装置10aによる通常運転指示を受信したと判定された場合(ステップH19;YES)、画像形成装置30〜30cは通常運転状態へ遷移される(ステップH20)。ステップH20において、画像形成装置30〜30cが通常運転状態へ遷移された場合又はステップ19において、稼動状態管理装置10aによる通常運転指示を受信していないと判定された場合(ステップH19;NO)、ステップH9に戻り、再度、ステップH9〜H20の処理が繰り返される。
【0125】
図14に、画像形成装置30〜30cの記憶部に記憶される印刷処理情報テーブルの一例を示す。図14に示すように印刷処理情報テーブルは、印刷処理情報テーブル番号である「NO」、ネットワーク上のIPアドレスである「画像形成装置ID」、画像形成装置30〜30cの稼動状態を表示する「稼動状態」及び集計した印刷処理量を表示する「印刷処理量情報」で構成される。なお、印刷処理情報テーブルはこれに限らず、他の構成としても良い。
【0126】
以上のように、稼動状態管理装置10aにおいて、画像形成装置30〜30cからの印刷処理量通知を受信し、印刷処理量を集計することにより、各画像形成装置30〜30cの印刷処理量を把握できる。集計された印刷処理量及び各画像形成装置30〜30cの稼動状態により、画像形成装置30〜30cの稼動状態を制御することにより、ある特定の画像形成装置30〜30cのみに印刷指示が集中してしまうことを回避でき、特定の画像形成装置30〜30cのみの現像処理液等の劣化やそれに伴って発生する仕上がり不良を防止することができる。また、画像形成装置30〜30cへの印刷処理量の偏りにより、顧客を待たせてしまうという事態も回避できる。さらに、各画像形成装置30〜30cの印刷処理量をほぼ均一に保つように稼動状態制御を行うことにより、複数の画像形成装置30〜30cを効率よく利用し、画像形成システムの運用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本実施形態に係る画像形成システム全体の構成を示す図である。
【図2】図1の画像形成システムを構成する稼動状態管理装置の主要部構成を示すブロック図である。
【図3】図1の画像形成システムを構成する稼動状態管理装置を有する画像形成装置の主要部構成を示すブロック図である。
【図4】図1の画像形成システムを構成する稼動状態管理装置を有さない画像形成装置の主要部構成を示すブロック図である。
【図5】画像形成システム全体おいて実行される情報のやり取りの一例を示す図である。
【図6】本実施形態において、サーバ権を有する稼動状態管理装置にトラブルが発生したときに、稼動状態管理装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態において、サーバ権を有する稼動状態管理装置がシステム点検されるときに、稼動状態管理装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態の画像形成装置において実行される各稼動状態に対する処理を示すフローチャートである。
【図9】本実施形態の稼動状態管理装置において実行される稼動状態制御処理を示すフローチャートである。
【図10】本実施形態の稼動状態管理装置及び画像形成装置において、スケジュール機能により実行される処理を示すフローチャートである。
【図11】本実施形態の稼動状態管理装置に記憶されたスケジュール機能としての時間帯テーブルである。
【図12】本実施形態において、情報処理装置、画像形成装置及びサーバ権を有する稼動状態管理装置で実行される印刷処理を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態の稼動状態管理装置及び画像形成装置において、印刷処理量情報テーブルにより実行される処理を示すフローチャートである。
【図14】本実施形態の稼動状態管理装置に記憶された印刷処理量情報テーブルである。
【符号の説明】
【0128】
10、10a、10b、10c 稼動状態管理装置
20a、20b、20c 情報処理装置
30、30a、30b、30c 画像形成装置
1a 表示部
2a 操作部
11a 記憶部
12a 通信制御部
13a 管理制御部
3、3a 表示部
4、4a 操作部
31、31a 記憶部
32、32a 省エネ制御部
33、33a 通信制御部
34、34a システム制御部
35、35a 印刷搬送制御部
36、36a 印刷制御部
37、37a 温調制御部
38、38a ポンプ制御部
39、39a 現像搬送制御部
40、40a 現像制御部
50、50a 画像形成処理部
60 画像形成システム
N 通信ネットワーク
I/F 通信インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像形成装置と、前記複数の画像形成装置の稼動状態管理機能を有する複数の稼動状態管理装置と、が通信回路を介して接続された画像形成システムにおいて、
前記複数の稼動状態管理装置の内、何れか1台のみを専用稼動状態管理装置とし、
前記専用稼動状態管理装置が稼動状態管理機能を喪失したとき、当該専用稼動状態管理装置に代えて他の稼働状態管理装置の何れか1台が新たな専用稼働状態管理装置として前記複数の画像形成装置の稼動状態管理を行うように構成したことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記複数の稼動状態管理装置のそれぞれは、前記専用稼動状態管理装置の稼動状態管理機能の作動状態を検出する検出手段を有し、
前記検出手段によって、前記専用稼動状態管理装置が稼動状態管理機能を喪失したことを最初に検出した他の稼動状態管理装置の何れか1台が新たな専用稼動状態管理装置として前記複数の画像形成装置の稼動状態管理を行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記複数の稼動状態管理装置のそれぞれは、専用稼動状態管理装置として動作時において、前記専用稼動状態管理装置の動作を停止させることにより稼動状態管理機能を喪失する場合に当該稼動状態管理機能を他の稼動状態管理装置の何れか1台に実行させるか否かを判断する判断手段を有し、
前記判断手段の結果に応じて当該専用稼動状態管理装置が他の稼動状態管理装置の何れか1台に対して新たな専用稼働状態管理装置として稼動状態管理を実行させる連絡情報を発行し、
前記連絡情報を受信した稼動状態管理装置の何れか1台が新たな専用稼動状態管理装置として前記複数の画像形成装置の稼動状態管理を行うように構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記専用稼動状態管理装置は、前記稼動状態管理機能により前記複数の画像形成装置の稼動状態遷移を検出し、
前記稼動状態に応じて前記複数の画像形成装置に対する稼動状態管理の実行を制限することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記稼動状態管理装置は、前記複数の画像形成装置の稼動状態管理機能であるスケジュール機能としての時間帯テーブルを有することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記時間帯テーブルは、前記複数の画像形成装置の稼動状態管理機能として予め設定された稼動状態管理区間を有し、前記稼動状態管理区間は、日単位、週単位又は月単位で設定されることを特徴とする請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記稼動状態管理区間は、同日に複数設定可能であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記時間帯テーブルは、前記画像形成装置ごとに複数設定可能であることを特徴とする請求項5から7の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記稼動状態管理装置は、前記複数の画像形成装置から送信される前記複数の画像形成装置それぞれの印刷処理量を記憶する印刷処理情報テーブルを有することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記稼動状態管理装置は、前記印刷処理テーブルに基づいて前記複数の画像形成装置の印刷処理量が均一になるように前記複数の画像形成装置の稼動状態管理機能を実行することを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記稼動状態は、前記画像形成装置全体の稼動状態又は前記画像形成装置の一部機能の稼動状態であることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記複数の画像形成装置は、少なくとも1つは現像処理装置であることを特徴とする請求項1から11の何れか一項に記載の画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−209532(P2006−209532A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−21617(P2005−21617)
【出願日】平成17年1月28日(2005.1.28)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】