説明

画像形成システム

【課題】タンデム方式の画像形成システムにおいて、印刷汚れが発生している画像形成装置の検出を可能とするサンプル排紙を実現する。
【解決手段】給紙する用紙が格納された給紙部を備えた複数の画像形成装置が直列的に連結され、用紙の両面をそれぞれ異なる画像形成装置で画像形成を行なう直列タンデム方式の画像形成システムにおいて、用紙の両面に画像形成を行う際に当該用紙の一方の面に画像形成を行う第1画像形成装置20は、自装置の給紙部から用紙を給紙し、当該給紙した用紙に第1のサンプル画像を形成して排紙する制御を行う制御部を備え、用紙の両面に画像形成を行う際に当該用紙の他方の面に画像形成を行う第2画像形成装置40Aは、自装置の給紙部から用紙を給紙し、当該給紙した用紙に第2のサンプル画像を形成して排紙する制御を行う制御部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
用紙に画像を形成するプリンタや複写機等の複数台の画像形成装置が、用紙搬送経路が接続されることにより直列的に連結されたタンデム方式の画像形成システムが知られている。このような画像形成システムでは、用紙の表裏の印刷を異なる画像形成装置で分担して行うことにより、1台の画像形成装置で両面印刷する場合と比較して、生産性を向上させることができる。特に、大量の画像形成を連続して実行する際に効果的である。
【0003】
しかし、タンデム方式の画像形成システムでは、異なる画像形成装置で用紙の表裏に画像を形成するため、画像形成装置同士の画質を一致させる必要がある。そこで、複数のプリントエンジンを備えた印刷装置であって、検査モード時に、同一の用紙を各プリンタエンジンに対して順次供給し、当該用紙の同一面にそれぞれ検査チャート等のサンプル画像を印刷させたサンプル用紙を排紙させ、当該サンプル用紙から色再現性や印刷位置、印刷汚れを検出するサンプル排紙機能の技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−137012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されているサンプル排紙機能の技術は、同一の用紙の同一面上に各プリンタエンジンにてサンプル画像(検査チャート)を印刷するため、どのプリントエンジンによって印刷汚れが発生しているのかが判別できない。
例えば、2台の画像形成装置を備えるタンデム方式の画像形成システムにおいて、用紙搬送方向の上流側の画像形成装置において印刷汚れが生じる状態だったとしても、同一の用紙の同一面上にサンプル画像が形成されるため、どちらの画像形成装置で汚れが付いたのかを判別できない。この場合、印刷汚れが生じていない画像形成装置も含めて画像形成システムを構成する全ての画像形成装置のメンテナンスを行なわなくてはならず、煩雑な作業が発生することとなる。
【0006】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、タンデム方式の画像形成システムにおいて、印刷汚れが発生している画像形成装置の検出を可能とするサンプル排紙を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、給紙する用紙が格納された給紙部を備えた複数の画像形成装置が直列的に連結され、前記用紙の両面をそれぞれ異なる画像形成装置で画像形成を行なう直列タンデム方式の画像形成システムにおいて、前記用紙の両面に画像形成を行う際に当該用紙の一方の面に画像形成を行う第1の画像形成装置は、自装置の前記給紙部から用紙を給紙し、当該給紙した用紙に第1のサンプル画像を形成して排紙する制御を行う第1制御部を備え、前記用紙の両面に画像形成を行う際に当該用紙の他方の面に画像形成を行う第2の画像形成装置は、自装置の前記給紙部から用紙を給紙し、当該給紙した用紙に第2のサンプル画像を形成して排紙する制御を行う第2制御部を備えること、を特徴とする画像形成システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷汚れが発生している画像形成装置の検出が可能なサンプル排紙を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1における画像形成システムの概略構成図である。
【図2】操作画面の例を示す図である。
【図3】第1画像形成装置の概略構成図である。
【図4】第2画像形成装置の概略構成図である。
【図5】(a)は、実施の形態1の第1画像形成装置において実行される画像確認のサンプル排紙処理のフローチャート、(b)は、実施の形態1の第2画像形成装置において実行される画像確認のサンプル排紙処理のフローチャートである。
【図6】(a)は、実施の形態1のメイン機(第1画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャート、(b)は、実施の形態1のサブ機(第2画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートである。
【図7】実施の形態2における画像形成システムの概略構成図である。
【図8】(a)は、実施の形態2のメイン機(第1画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャート、(b)は、実施の形態2のサブ機(第2画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートである。
【図9】実施の形態3における画像形成システムの概略構成図である。
【図10】(a)は、実施の形態3のメイン機(第1画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャート、(b)は、実施の形態3のサブ機(第2画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施の形態1〕
以下、図を参照して本発明の実施の形態1を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施の形態1における画像形成システム1Aの概略構成図を示す。
図1に示すように、画像形成システム1Aは、用紙の搬送経路の上流側から、給紙装置10、第1画像形成装置20、中間装置30、第2画像形成装置40A、後処理装置50等が直列的に連結された直列タンデム方式の構成となっている。
【0011】
第1画像形成装置20、第2画像形成装置40Aは、直列タンデム方式の画像形成システムを構成する画像形成装置として連結される際に、当該画像形成システムを統括的に管理するメイン機、当該メイン機の指示に従って稼動するサブ機のいずれかであるかが設定される。本実施の形態では、画像形成システムを構成する複数の画像形成装置のうち、用紙搬送方向において最上流側に設けられた画像形成装置(第1画像形成装置)がメイン機、メイン機を除く画像形成装置(第2画像形成装置)がサブ機として設定されているものとする。
【0012】
本実施の形態1における画像形成システムでは、用紙の両面に画像を形成する両面モードのジョブを実行する場合、第1画像形成装置20が用紙の一方の面に画像形成を行なう第1の画像形成装置として機能し、第2画像形成装置40Aが用紙の他方の面に画像形成を行なう第2の画像形成装置として機能する。
両面モードのジョブを実行する場合、給紙装置10又は第1画像形成装置20内の給紙部から搬送された用紙の一方の面に対して、第1画像形成装置20が表面の画像を形成する。そして、表面の画像が形成された用紙は、第1画像形成装置20内の反転部又は中間装置30によって表裏が反転された後、第2画像形成装置40Aへ搬送され、当該用紙の他方の面に裏面の画像が形成され、後処理装置50へ搬送される。
【0013】
また、用紙の片面に画像を形成する片面モードのジョブを実行する場合、給紙装置10又は第1画像形成装置20内の給紙部から搬送された用紙の一方の面に対して、第1画像形成装置20が画像を形成する。そして、一方の面に画像が形成された用紙は、中間装置30、第2画像形成装置を通過して後処理装置50へ搬送される。
【0014】
給紙装置10は、PFU(Paper Feed Unit)と称されるものであり、複数の給紙トレイや、給紙ローラ、分離ローラ、給紙/分離ゴム、送り出しローラ等からなる給紙手段等を備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、用紙サイズ等)毎に予め識別された用紙が格納されており、用紙の最上部から一枚ずつ給紙手段により第1画像形成装置の用紙搬送部へ用紙が搬送される。給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報(用紙サイズ、紙種等)は、第1画像形成装置20の後述する不揮発メモリ251に記憶されている。給紙装置10は、第1画像形成装置20の給紙部としての機能を実現する。
【0015】
第1画像形成装置20は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙に画像形成したり、外部装置等からPDL(Page Description Language)形式やTiff形式等のページ記述言語形式のプリントデータ及びプリント設定データを受信し、受信したプリントデータ及びプリント設定データ等に基づいて画像を用紙上に画像形成したりする。第1画像形成装置20は、画像読取部21、操作表示部22、プリント部23等を備えて構成される。
【0016】
画像読取部21は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿送り部と読取部とを備え、操作表示部22により受け付けられた設定情報に基づいて複数の原稿の画像を読み取る。自動原稿送り部の原稿トレイに載置された原稿は、読取個所であるコンタクトガラスに搬送され、光学系により原稿の片面又は両面の画像が読み取られ、CCD(Charge Coupled Device)211により原稿の画像が読み取られる。ここで、画像とは、図形や写真等の画像データに限らず、文字や記号等のテキストデータ等も含む意である。
【0017】
操作表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)221、LCD221を覆うように設けられたタッチパネル、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群等から構成される。操作表示部22は、ユーザからの指示を受け付けその操作信号を後述する制御部250に出力し、また、制御部250から入力される表示信号に従って、各種操作指示や設定情報を入力するための各種設定画面や各種処理結果等を表示する操作画面をLCD221上に表示する。
【0018】
図2に、操作表示部22のLCD221に表示される操作画面の例を示す。
図2に示す操作画面G1には、画面上部に「プリントしています」等の画像形成システム1Aの状態を示す文字が表示されており、プリントが実行されているジョブの情報や、画像形成システム1Aに備えられている用紙トレイ(給紙トレイ)等が表示されている。
【0019】
また、操作画面G1には、サンプル排紙設定領域E1が設けられている。サンプル排紙設定領域E1には、画像確認ボタンB1と汚れ確認ボタンB2とが選択可能に設けられている。画像確認ボタンB1は、後述する第1のモードとしての画像確認のサンプル排紙処理を実行する指示を受け付けるボタンであり、汚れ確認ボタンB2は、後述する第2のモードとしての汚れ確認のサンプル排紙処理を実行する指示を受け付けるボタンである。
従って、画像確認ボタンB1と汚れ確認ボタンB2との押下指示を受け付ける操作画面G1を表示する操作表示部22は、第1のモードと第2のモードとの選択指示を受け付ける操作部として機能する。
【0020】
なお、画像確認ボタンB1が押下された場合、画像確認のサンプル排紙処理の実行に対する各種設定を行なうための画面を表示させ、当該画面において設定された条件に基づいて画像確認のサンプル排紙処理の実行の指示を受け付ける構成であってもよい。
また、汚れ確認ボタンB2が押下された場合、汚れ像確認のサンプル排紙処理の実行に対する各種設定を行なうための画面を表示させ、当該画面において設定された条件に基づいて汚れ確認のサンプル排紙処理の実行の指示を受け付ける構成であってもよい。
【0021】
プリント部23は、電子写真方式の画像形成処理を行うものであり、給紙部231、用紙搬送部232、画像形成部233、定着部234等のプリント出力に係る各部を備えて構成される。
なお、本実施の形態のプリント部23では、電子写真方式を適用した例を説明するが、これに限らず、インクジェット方式、熱昇華方式等、他のプリント方式を適用することとしてもよい。
【0022】
給紙部231は、複数の給紙トレイと給紙トレイ毎に設けられた給紙ローラ、分離ローラ、給紙/分離ゴム、送り出しローラ等からなる給紙手段を備える。各給紙トレイには、用紙の種類(紙種、坪量、用紙サイズ等)毎に予め識別された給紙され得る用紙が格納されており、用紙の最上部から一枚ずつ給紙手段により用紙搬送部に向けて搬送される。また、給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報(紙種、坪量、用紙サイズ等)は、不揮発メモリ251に記憶されている。
【0023】
用紙搬送部232は、給紙装置10又は給紙部231から搬送された用紙を、複数の中間ローラ、レジストローラ等を経る画像形成部233への用紙搬送経路上に用紙を搬送し、画像形成部233の転写位置へと搬送し、第2画像形成装置へ搬送する。用紙は、レジストローラ233aの上流側で一旦待機し、画像形成タイミングに応じて、レジストローラ233aの下流側への搬送が再開される。
【0024】
また、用紙搬送部232は、搬送路切替部232aや反転ローラ等から構成される反転部232bを備える。反転部232bは、搬送路切替部232aの切り替え動作に応じて、定着部234を通過した用紙の表裏を反転せずに下流側に連結された装置へ搬送したり、反転ローラ等によりスイッチバックして用紙の表裏を反転させた後に下流側に連結された装置へ搬送したりする。また、反転部232bは、定着部234を通過した用紙の表裏を反転させて自装置の画像形成部233へ再給紙する循環経路部を備えていてもよい。
【0025】
画像形成部233は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等を備え、印刷画像データに基づき、用紙面上に画像を形成する。なお、第1画像形成装置20がカラー画像を形成するものである場合には、画像形成部233が色毎に設けられる。
【0026】
画像形成部233では、帯電装置により帯電された感光体ドラムの表面に、露光装置から印刷画像データに応じた光が照射され静電潜像が書き込まれる。そして、静電潜像が書き込まれた感光体ドラムの表面に、帯電したトナーが現像装置により付着されて静電潜像が現像される。現像装置により感光体ドラム上に付着したトナーは、感光体ドラムが一定速度で回転されることにより、転写装置は配置された転写位置で用紙に転写される。用紙にトナーが転写された後、クリーニング装置により、感光体ドラムの表面の残留電荷や残留トナー等が除去され、除去されたトナー等はトナー回収箱へ回収される。
【0027】
定着部234は、定着ヒータ、定着ローラ、定着外部加熱部等から構成され、用紙に転写されたトナー像を熱定着する。
【0028】
中間装置30は、用紙搬送方向において、第1画像形成装置20の下流側、かつ、第2画像形成装置40Aの上流側に設置されており、第1画像形成装置からの指示に従って、第1画像形成装置20から搬送された用紙を、第2画像形成装置40Aへと搬送する。
【0029】
中間装置30は、搬送路切替部31aや反転ローラ等を有する反転部31、画像形成済みの用紙を格納(スタック)するスタック部32等を備えている。
【0030】
第2画像形成装置40Aへ搬送する用紙の表裏を反転させる必要がある場合には、搬送路切替部31aの切替動作によって、第1画像形成装置20から搬送された用紙が反転部31に搬送され、反転部31の反転ローラよって当該用紙はスイッチバックされることにより表裏反転され、第2画像形成装置40Aへと搬送される。
【0031】
用紙の表裏を反転させる必要がない場合には、搬送路切替部31aの切替動作によって、第1画像形成装置20から搬送された用紙は反転部31へ搬送されず、表裏が反転されずに第2画像形成装置40Aへ搬送される。
【0032】
また、第1画像形成装置20から搬送された用紙を一時的に格納させる必要がある場合には、第1画像形成装置20から搬送された用紙がスタック部32に一時的に格納される。なお、中間装置30は、第1画像形成装置20から搬送された用紙を排出する排紙トレイを備えていてもよい。
【0033】
第2画像形成装置40Aは、プリント部43等を備えて構成され、第1画像形成装置20と協働して用紙面上に画像を形成する。
なお、第2画像形成装置40Aが備えるプリント部43は、第1画像形成装置20が備えるプリント部23と同様に、給紙部431、反転部432bを備えた用紙搬送部、画像形成部、定着部等のプリント出力に係る各部を備えて構成されているため、説明は省略する。
【0034】
後処理装置50は、用紙搬送方向において、第2画像形成装置の下流側に設置されており、ソート部、ステイプル部、パンチ部、折り部等の各種後処理部と、排紙トレイ(大容量排紙トレイT1やサブトレイT2)等を備え、第2画像形成装置40Aから搬送された用紙に対して各種後処理を施し、後処理が施された用紙を大容量排紙トレイT1やサブトレイT2に排出する。大容量排紙トレイT1は、昇降移動するステージを有し、用紙をステージに積み重ねた状態で大量に収容する。サブトレイT2には、用紙が外部に露出され、目視可能な状態で排紙される。
【0035】
図3に、本実施の形態1における第1画像形成装置20の概略構成図を示す。
図3に示すように、第1画像形成装置20は、画像読取部21、操作表示部22、プリント部23、コントローラ24、画像制御基板25、通信部26等を備えて構成されている。第1画像形成装置20は、コントローラ24のLANIF(Local Area Network InterFace)244を介してネットワーク3上の外部装置2と相互にデータが送受信可能に接続されている。
【0036】
画像読取部21は、上述した自動原稿送り部及び読取部と、画像読取制御部210とを備える。画像読取制御部210は、制御部250からの指示に基づいて自動原稿送り部及び読取部等を制御して、複数の原稿の画像を読み取るスキャナ機能を実現させる。画像読取部21により読み取られたアナログ画像データは、読取処理部253に出力され、読取処理部253においてA/D変換され各種画像処理が施される。
【0037】
操作表示部22は、上述したLCD221やタッチパネル等と、操作表示制御部220とを備える。操作表示制御部220は、制御部250から入力される表示信号に従って、各種設定条件を入力するための各種画面や各種処理結果等を表示する操作画面をLCDに表示させる。また、操作表示制御部220は、各種スイッチやボタン、テンキー、操作キー群又はタッチパネル等から入力される操作信号を制御部250に出力する。
【0038】
プリント部23は、上述した給紙部231、用紙搬送部232、画像形成部233、定着部234等のプリント出力に係る各部と、プリント制御部230とを備える。プリント制御部230は、制御部250からの指示に従って画像形成部233等のプリント部23の各部の動作を制御し、書込処理部258から入力された印刷画像データに基づいて画像形成を行わせる。
【0039】
コントローラ24は、ネットワーク3に接続される外部装置2から画像形成システム1Aに入力されるデータの管理及び制御を行うものであり、外部装置2からプリント対象のデータ(プリントデータ及びプリント設定データ)を受信し、当該プリントデータを展開して生成した画像データとプリント設定データとを画像制御基板25へ送信する。
コントローラ24は、コントローラ制御部241、DRAM(Dynamic Random Access Memory)制御IC242、画像メモリ243、LANIF244等から構成される。
【0040】
コントローラ制御部241は、コントローラ24各部の動作を統括的に制御し、LANIF244を介して外部装置2から入力されるプリントデータを展開してビットマップ形式の画像データの生成を行う。
【0041】
DRAM制御IC242は、LANIF244により受信されたプリントデータのコントローラ制御部241への転送や、画像メモリ243に対する画像データ及びプリント設定データの書き込み/読み出しを制御する。また、DRAM制御IC242は、画像制御基板25のDRAM制御IC255とPCI(Peripheral Components Interconnect)バスで接続されており、コントローラ制御部241からの指示に従って、プリント対象の画像データ及びプリント設定データを画像メモリ243から読み出してDRAM制御IC255に出力する。
【0042】
画像メモリ243は、DRAM等の揮発性メモリから構成され、画像データ及びプリント設定データを一時的に記憶する。
【0043】
LANIF244は、NIC(Network Interface Card)やモデム等のLAN等のネットワーク3に接続するための通信インターフェイスであり、外部装置2からプリントデータやプリント設定データを受信する。受信されたプリントデータやプリント設定データは、DRAM制御IC242に出力される。
【0044】
画像制御基板25は、制御部250、不揮発メモリ251、RAM(Random Access Memory)252、読取処理部253、圧縮IC254、DRAM制御IC255、画像メモリ256、伸長IC257、書込処理部258等を備える。
【0045】
制御部250は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、不揮発メモリ251に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM252に展開し、RAM252に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、第1画像形成装置20の各部を集中制御する。
【0046】
また、第1画像形成装置20がメイン機に設定されていることから、制御部250は、画像形成システム1Aを構成する各装置から、各装置の状態を示す信号を通信部26を介して受信し、当該各装置の状態を示す信号に基づいて画像形成システム1A全体を統括的に制御する。例えば、第2画像形成装置内でのエラー(JAM発生、用紙切れ、トナー不足等)を示す信号を受信した場合には、当該エラーに応じた表示信号や動作指示信号を生成し、当該生成した信号を操作表示部22や第2画像形成装置等へ送信する。
【0047】
また、制御部250は、外部装置2からコントローラ24を介して入力された画像データ及びプリント設定データ、又は、画像読取部21から入力された画像データ及び操作表示部22により設定された設定情報、に基づいてジョブデータ及び圧縮画像データを生成する。そして、制御部250は、生成したジョブデータ及び圧縮画像データに基づいて、第2画像形成装置40Aと協働してジョブを実行する。
【0048】
ジョブとは、画像形成に関する一連の動作であり、例えば、所定ページの原稿からなる複写物を作成する場合には、所定ページの原稿の画像形成に関する一連の動作が1ジョブである。このジョブの動作を実行するためのデータがジョブデータである。
【0049】
ジョブデータは、ジョブ情報とページ情報とを含む。
ジョブ情報は、全ページに共通する情報である。例えば、ジョブ情報は、ジョブの設定部数、排紙トレイ、応用機能(集約、リピート等)、カラー/モノクロ等を含む。
ページ情報は、各ページの圧縮画像データと関連付けられており、関連付けられた圧縮画像データに係る情報である。例えば、ページ情報は、ページ番号、画像サイズ(縦、横)、画像の向き、画像の幅、画像の回転角度、画像が形成される用紙の種類、当該用紙が格納されている給紙トレイ、プリントモード(両面モード/片面モード)、圧縮画像データの格納アドレス等を含む。
【0050】
また、制御部250は、ジョブの実行中に、不揮発メモリ251から本実施の形態1に係る画像確認サンプル排紙処理プログラム、汚れ確認サンプル排紙処理プログラム、当該プログラム及び各種データとの協働により、画像確認のサンプル排紙処理、汚れ確認のサンプル排紙処理を実行し、第1制御部としての機能を実現する。
【0051】
画像確認のサンプル排紙処理は、第2画像形成装置と協働して、操作表示部22に表示されている画像確認ボタンB1が押下されたタイミング、又は、予め設定されたタイミングにおいて実行される。画像確認のサンプル排紙処理は、当該タイミング(以下、画像確認サンプル排紙タイミング)において画質や色合い等の画像の確認を行なうための画像確認用サンプル用紙をサブトレイT2へ排紙させる処理である。
【0052】
画像確認用サンプル用紙は、実行中のジョブのページデータのうち、画像確認サンプル排紙タイミングのときに画像形成が行なわれる用紙に対するページデータの圧縮画像データに基づく画像が、画像確認用サンプル画像として用紙に形成されたものであり、実行中のジョブの画像形成と同様の経路を経て画像が形成される。
なお、画像確認用のテストパターン等の予め設定された画像を画像確認用サンプル画像としてもよい。
【0053】
汚れ確認のサンプル排紙処理は、第2画像形成装置と協働して、操作表示部22に表示されている汚れ確認ボタンB2が押下されたタイミング、又は、予め設定されたタイミングにおいて実行される。第1画像形成装置内で実行される汚れ確認のサンプル排紙処理は、当該タイミング(以下、汚れ確認サンプル排紙タイミング)において、自装置の給紙部231又は給紙装置10から用紙が給紙され、当該給紙された用紙の一方の面に第1のサンプル画像が形成され、第1のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第1サンプル用紙)が中間装置30のスタック部へ排紙される。
【0054】
第1のサンプル画像は、実行中のジョブのページデータのうち、汚れ確認サンプル排紙タイミングのときに画像形成が行なわれる用紙に対するページデータのうち、用紙の表面のページデータの圧縮画像データ(以下、表面画像データとも称す)に基づく画像である。用紙の表面のページデータとしては、例えば、両面ジョブの場合にはページ番号が小さい方のページデータを用いることができる。
なお、印刷汚れ確認用の予め設定された画像を第1のサンプル画像としてもよい。
【0055】
不揮発メモリ251は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データの他、本実施の形態1に係る画像確認サンプル排紙処理プログラム、汚れ確認サンプル排紙処理プログラム、各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。また、不揮発メモリ251は、給紙装置10、自装置の給紙部、第2画像形成装置の給紙部が、それぞれ備える給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報を記憶している。
【0056】
RAM252は、制御部250により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
また、RAM252は、コントローラ24から入力された画像データ及びプリント設定データ、又は、画像読取部21から入力された画像データ及び当該画像データが取得される際に操作表示部22により設定された設定情報、に基づいて制御部250により生成されたジョブデータを一時的に記憶する。
【0057】
読取処理部253は、画像読取部21から入力されるアナログ画像データに、アナログ処理、A/D変換処理、シェーディング処理等の各種処理を施した後、デジタル画像データを生成する。生成された画像データは、圧縮IC254に出力される。
【0058】
圧縮IC254は、入力されたデジタル画像データに圧縮処理を施してDRAM制御IC255に出力する。
【0059】
DRAM制御IC255は、制御部250からの指示に従って、圧縮IC254による画像データの圧縮処理及び伸長IC257による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ256への画像データの入出力制御を行う。
【0060】
例えば、DRAM制御IC255は、画像読取部21により読み取られた画像データの保存指示が制御部250から入力されると、読取処理部253に入力された画像データの圧縮処理を圧縮IC254により実行させて、圧縮画像データを画像メモリ256の圧縮メモリ256aに記憶させる。また、DRAM制御IC255は、コントローラ24のDRAM制御IC242から画像データが入力されると、当該画像データの圧縮処理を圧縮IC254により実行させ、圧縮画像データを画像メモリ256の圧縮メモリ256aに記憶させる。
【0061】
更に、DRAM制御IC255は、圧縮メモリ256aに記憶された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部250から入力されると、圧縮メモリ256aから圧縮画像データを読み出し、伸長IC257により伸長処理を施してページメモリ256bに記憶させる。さらに、ページメモリ256bに記憶された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリ256bから画像データを読み出して書込処理部258に出力する。
【0062】
画像メモリ256は、DRAM(Dynamic RAM)から構成される圧縮メモリ256aとページメモリ256bとを備える。圧縮メモリ256aは、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ256bは、プリント出力用の画像データを一時的に記憶、又は、コントローラから受信した画像データを圧縮前に一時的に記憶するためのメモリである。
【0063】
伸長IC257は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0064】
書込処理部258は、DRAM制御IC255から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷画像データを生成し、プリント部23に出力する。
【0065】
通信部26は、画像形成システム1Aを構成する各装置が接続されたネットワークに接続するための通信インターフェイスである。例えば、通信部26は、NIC(Network Interface Card)等を用いて第2画像形成装置と通信を行い、また、給紙装置10及び中間装置30とシリアル通信を行なう。
【0066】
図4に、本実施の形態1における第2画像形成装置40Aの概略構成図を示す。
図4に示すように、第2画像形成装置40Aは、プリント部43、画像制御基板45、通信部46等を備えて構成されている。
【0067】
プリント部43は、第1画像形成装置20のプリント部23と同様の構成であるため、説明は省略する。
【0068】
画像制御基板45は、制御部450、不揮発メモリ451、RAM452、DRAM制御IC455、画像メモリ456、伸長IC457、書込処理部458等を備える。
【0069】
制御部450は、CPU等から構成され、不揮発メモリ451に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムを読み出してRAM452に展開し、RAM452に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行し、第2画像形成装置40Aの各部を集中制御する。
【0070】
また、制御部450は、ジョブの実行中に、不揮発メモリ451から本実施の形態1に係る画像確認サンプル排紙処理プログラム、汚れ確認サンプル排紙処理プログラム、当該プログラム及び各種データとの協働により、画像確認のサンプル排紙処理、汚れ確認のサンプル排紙処理を実行し、第2制御部としての機能を実現する。
【0071】
画像確認のサンプル排紙処理は、第1画像形成装置と協働して、画像確認サンプル排紙タイミングにおいて画質や色合い等の画像の確認を行なうための画像確認用サンプル用紙をサブトレイT2へ排紙させる処理である。
【0072】
汚れ確認のサンプル排紙処理では、第1画像形成装置と協働して、汚れ確認サンプル排紙タイミングにおいて、自装置の給紙部431から用紙が給紙され、当該給紙された用紙の一方の面に第2のサンプル画像が形成され、第2のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第2サンプル用紙)が後処理装置50のサブトレイT2へ排紙される。
【0073】
第2のサンプル画像は、実行中のジョブのページデータのうち、汚れ確認サンプル排紙タイミングのときに画像形成が行なわれる用紙に対するページデータのうち、用紙の裏面のページデータの圧縮画像データ(以下、裏面画像データとも称す)に基づく画像である。用紙の裏面のページデータとしては、例えば、両面ジョブの場合にはページ番号が大きい方のページデータを用いることができる。
なお、印刷汚れ確認用の予め設定された画像を第2のサンプル画像としてもよい。
【0074】
不揮発メモリ451は、画像形成に係る各種処理プログラム及び各種データの他、本実施の形態1に係る画像確認サンプル排紙処理プログラム、汚れ確認サンプル排紙処理プログラム、各種プログラムで処理されたデータ等を記憶する。また、不揮発メモリ451は、給紙装置10、自装置の給紙部、第2画像形成装置の給紙部、それぞれが備える給紙トレイ毎に格納されている用紙の種類の情報を記憶している。
【0075】
RAM452は、制御部450により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係る各種データ等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
また、RAM452には、通信部46を介して第1画像形成装置20から入力されたデータを一時的に記憶する。
【0076】
DRAM制御IC455は、制御部450からの指示に従って、伸長IC457による圧縮画像データの伸長処理を制御するとともに、画像メモリ456への画像データの入出力制御を行う。
【0077】
例えば、DRAM制御IC455は、通信部46からジョブデータ及び圧縮画像データが入力されると、ジョブデータをRAM452に、圧縮画像データを画像メモリ456の圧縮メモリ456aにそれぞれ記憶させる。
また、DRAM制御IC455は、圧縮メモリ456aに記憶された圧縮画像データのプリント出力指示が制御部450から入力されると、圧縮メモリ456aから圧縮画像データを読み出し、伸長IC457により伸長処理を施してページメモリ456bに記憶させる。さらに、ページメモリ456bに記憶された画像データのプリント出力指示が入力されると、ページメモリ456bから画像データを読み出して書込処理部458に出力する。
【0078】
画像メモリ456は、DRAMから構成される圧縮メモリ456aとページメモリ456bとを備える。圧縮メモリ456aは、圧縮画像データを記憶するためのメモリであり、ページメモリ456bは、プリント出力用の画像データを一時的に記憶するためのメモリである。
【0079】
伸長IC457は、圧縮画像データに伸長処理を施す。
【0080】
書込処理部458は、DRAM制御IC455から入力された画像データに基づいて、画像形成のための印刷画像データを生成し、プリント部43に出力する。
【0081】
通信部46は、画像形成システム1Aを構成する各装置が接続されたネットワークに接続するための通信インターフェイスである。例えば、通信部460は、NIC等を用いて第1画像形成装置と通信を行い、また、中間装置30及び後処理装置50とシリアル通信を行なう。
【0082】
次に、本実施の形態1の動作を説明する。
図5に、画像形成システム1Aにおいて実行される画像確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示す。図5(a)には、第1画像形成装置において実行される画像確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示し、図5(b)には、第2画像形成装置において実行される画像確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示す。
なお、第1画像形成装置をメイン機、第2画像形成装置をサブ機と称し、以下、説明する。
【0083】
まず、図5(a)を参照して、メイン機側での画像確認のサンプル排紙処理について説明する。図5(a)に示す画像確認のサンプル排紙処理は、第1画像形成装置20の制御部250と各部とが協働して実行する。
【0084】
制御部250は、画像確認のサンプル排紙処理の実行指示があるか否かを判別する(ステップS1)。ステップS1では、画像確認ボタンB1が押下されたタイミング又は予め設定されたタイミング(画像確認サンプル排紙タイミング)である場合、画像確認のサンプル排紙処理の実行指示あり、と判別される。
【0085】
画像確認のサンプル排紙処理の実行指示がない場合(ステップS1;NO)、制御部250は、ステップS1の処理に戻る。画像確認のサンプル排紙処理の実行指示がある場合(ステップS1;YES)、制御部250は、画像確認のサンプル排紙処理の実行指示を通信部26を介してサブ機へ通知する(ステップS2)。
【0086】
制御部250は、実行中のジョブのプリントモードが両面モードか否かを判別する(ステップS3)。実行中のジョブが両面モードの場合(ステップS3;YES)、制御部250は、画像確認サンプル排紙タイミングのときに画像形成が行なわれる用紙に対するページデータのうち用紙の裏面のページデータの圧縮画像データ(裏面画像データ)を、通信部26を介してサブ機へ転送する(ステップS4)。
【0087】
一方、実行中のジョブが両面モードではない場合、即ち、片面モードの場合(ステップS3;NO)、制御部250は、転送する画像データがないことをサブ機へ通知する(ステップS5)。
【0088】
制御部250は、ステップS4又はステップS5後、用紙の一方の面に画像確認用サンプル画像をプリント部23により形成させ(ステップS6)、当該一方の面に画像確認用サンプル画像が形成された用紙を中間装置30により表裏を反転させてサブ機へ搬送させ(ステップS7)、画像確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0089】
ステップS6では、両面モードの場合、画像確認サンプル排紙タイミングのときに画像形成が行なわれる用紙に対するページデータのうち用紙の表面のページデータの圧縮画像データ(表面画像データ)に基づく画像が、表面の画像確認用サンプル画像として用紙の一方の面に形成される。片面モードの場合には、画像確認サンプル排紙タイミングのときに画像形成が行なわれる用紙に対するページデータの圧縮画像データに基づく画像が、画像確認用サンプル画像として用紙の一方の面に形成される。
【0090】
次に、図5(b)を参照して、サブ機側での画像確認のサンプル排紙処理について説明する。図5(b)に示す画像確認のサンプル排紙処理は、第2画像形成装置40Aの制御部450と各部とが協働して実行する。
【0091】
制御部450は、メイン機から通信部46を介して画像確認のサンプル排紙処理の実行指示の通知があるか否かを判別する(ステップS11)。画像確認のサンプル排紙処理の実行指示の通知がない場合(ステップS11;NO)、制御部450は、ステップS11の処理に戻る。
【0092】
画像確認のサンプル排紙処理の実行指示の通知がある場合(ステップS11;YES)、制御部450は、メイン機から通信部46を介して転送された画像データがあるか否かを判別する(ステップS12)。
【0093】
転送された画像データがない場合(ステップS12;NO)、制御部450は、メイン機から中間装置30を介して搬送された用紙に対して画像形成をせずに、画像確認用サンプル用紙として後処理装置50のサブトレイT2へ排紙させ(ステップS13)、画像確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0094】
転送された画像データがある場合(ステップS12;YES)、制御部450は、メイン機から中間装置30により表裏が反転された用紙が搬入されると(ステップS14)、当該用紙の他方の面に転送された画像データ(裏面画像データ)に基づく画像を、画像確認用サンプル画像としてプリント部43により形成させ(ステップS15)、当該表裏に画像が形成された用紙を画像確認用サンプル用紙として後処理装置50のサブトレイT2へ排紙させ(ステップS16)、画像確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0095】
従って、画像確認のサンプル排紙処理では、ジョブデータに設定された用紙搬送経路及び画像形成処理と同様の経路及び処理を経た用紙が画像確認用サンプル用紙として排紙されることとなる。
【0096】
図6に、画像形成システム1Aにおいて実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示す。図6(a)には、メイン機(第1画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示し、図6(b)には、サブ機(第2画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示す。
【0097】
まず、図6(a)を参照して、メイン機側での汚れ確認のサンプル排紙処理について説明する。図6(a)に示す汚れ確認のサンプル排紙処理は、第1画像形成装置20の制御部250と各部とが協働して実行する。
【0098】
制御部250は、汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示があるか否かを判別する(ステップS21)。ステップS21では、汚れ確認ボタンB2が押下されたタイミング、又は、予め設定されたタイミング(汚れ確認サンプル排紙タイミング)である場合、汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示あり、と判別される。
【0099】
汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示がない場合(ステップS21;NO)、制御部250は、ステップS21の処理に戻る。
【0100】
汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示がある場合(ステップS21;YES)、制御部250は、第1画像形成部の給紙部又は給紙装置の給紙トレイから用紙を用紙搬送部へ給紙させ、当該用紙の一方の面に表面画像データに基づく第1のサンプル画像をプリント部23により形成させる(ステップS22)。
【0101】
制御部250は、当該第1のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第1サンプル用紙)を中間装置30のスタック部32へ排紙させる(ステップS23)。そして、制御部450は、汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示を通信部26を介してサブ機へ通知する(ステップS24)。
【0102】
なお、中間装置30が排紙トレイを備える場合には、ステップS23では、スタック部32に替えて排紙トレイへ汚れ確認用第1サンプル用紙を排紙させてもよい。
【0103】
制御部250は、実行中のジョブのプリントモードが両面モードか否かを判別する(ステップS25)。実行中のジョブが両面モードの場合(ステップS25;YES)、制御部250は、汚れ確認サンプル排紙タイミングのときに画像形成が行なわれる用紙に対するページデータのうち用紙の裏面のページデータの圧縮画像データ(裏面画像データ)を、通信部26を介してサブ機へ転送し(ステップS26)、汚れ確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0104】
一方、実行中のジョブが両面モードではない場合、即ち、片面モードの場合(ステップS25;NO)、制御部250は、転送する画像データがないことをサブ機へ通知し(ステップS27)、汚れ確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0105】
次に、図6(b)を参照して、サブ機側での汚れ確認のサンプル排紙処理について説明する。図6(b)に示す汚れ確認のサンプル排紙処理は、第2画像形成装置40Aの制御部450と各部とが協働して実行する。
【0106】
制御部450は、メイン機から通信部46を介して汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示の通知があるか否かを判別する(ステップS31)。汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示の通知がない場合(ステップS31;NO)、制御部450は、ステップS31の処理に戻る。
【0107】
汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示の通知がある場合(ステップS31;YES)、制御部450は、メイン機から通信部46を介して転送された画像データがあるか否かを判別する(ステップS32)。
【0108】
転送された画像データがない場合(ステップS32;NO)、制御部450は、汚れ確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0109】
転送された画像データがある場合(ステップS32;YES)、制御部450は、自装置の給紙部431の給紙トレイから用紙を用紙搬送部へ給紙させ(ステップS33)、当該用紙の一方の面に転送された画像データ(裏面画像データ)に基づく第2のサンプル画像をプリント部43により形成させる(ステップS34)。制御部450は、当該第2のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第2サンプル用紙)を後処理装置50のサブトレイT2へ排紙させ(ステップS35)、汚れ確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0110】
従って、汚れ確認のサンプル排紙処理では、第1画像形成装置、第2画像形成装置各々が、用紙を給紙して汚れ確認用第1サンプル用紙、汚れ確認用第2サンプル用紙を生成し、第1画像形成装置が汚れ確認用第1サンプル用紙を中間装置のスタック部、第2画像形成装置が汚れ確認用第2サンプル用紙を後処理装置のサブトレイ、へそれぞれ排紙する。
【0111】
以上のように、本実施の形態1によれば、用紙の両面の画像形成を行なう2台の画像形成装置(第1画像形成装置、第2画像形成装置)各々が、自装置の給紙部から用紙を給紙して第1、2のサンプル画像をそれぞれ形成して排紙することができる。そのため、他の画像形成装置での画像形成動作の影響を受けずに給紙及び画像形成された汚れ確認用第1、2サンプル用紙を、画像形成装置毎に排紙することができる。
【0112】
特に、本実施の形態1では、第1画像形成装置により第1のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第1サンプル用紙)を中間装置のスタック部32、第2画像形成装置により第2のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第2サンプル用紙)を後処理装置のサブトレイT2へそれぞれ排紙することができる。そのため、他の画像形成装置での排紙動作の影響を受けずに画像形成された用紙を、画像形成装置毎に個別の場所に排紙することができる。
【0113】
従って、ユーザは、中間装置のスタック部に排紙された汚れ確認用第1サンプル用紙に基づいて第1画像形成装置の印刷汚れを確認でき、後処理装置のサブトレイT2に排紙された汚れ確認用第2サンプル用紙に基づいて第2画像形成装置の印刷汚れを確認できるため、印刷汚れが発生している画像形成装置の検出が可能なサンプル排紙を実現することができる。
【0114】
〔実施の形態2〕
以下、図を参照して本発明の実施の形態2を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図7に、本実施の形態2における画像形成システム1Bの概略構成図を示す。
図7に示すように、画像形成システム1Bは、用紙の搬送経路の上流側から、給紙装置10、第1画像形成装置20、第2画像形成装置40B、後処理装置50等が直列的に連結された直列タンデム方式の構成となっている。
【0115】
なお、実施の形態1と同様の構成の部分については、同一の符号を付して説明は省略する。また、実施の形態1と同様に、第1画像形成装置20がメイン機、第2画像形成装置40Bがサブ機に設定されているものとする。更に、両面モード、片面モードのジョブを実行する場合の動作についても、中間装置を用いない点を除いて実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0116】
第2画像形成装置40Bは、プリント部43等を備えて構成され、第1画像形成装置20と協働して用紙面上に画像を形成する。
2画像形成装置40Bが備えるプリント部43は、実施の形態1に記載の第2画像形成装置40Aと同様に、給紙部431、反転部432bを備えた用紙搬送部、画像形成部、定着部等のプリント出力に係る各部を備えると共に、バイパス経路部435を備えて構成されている。
【0117】
バイパス経路部435は、搬送路切替部435aや複数の搬送ローラ等から構成され、第1画像形成装置20から搬入された用紙が、画像形成部や定着部を経る画像形成経路を迂回して後処理装置50へ搬送されるバイパス経路を構成する。
【0118】
本実施の形態2における第1画像形成装置20の概略構成図は、図2に示す実施の形態1における第1画像形成装置20の概略構成図と同様であるため、図示は省略し、異なる部分のみ説明する。
【0119】
第2画像形成装置40Bの制御部250は、ジョブの実行中に、不揮発メモリ251から本実施の形態2に係る画像確認サンプル排紙処理プログラム、汚れ確認サンプル排紙処理プログラム、当該プログラム及び各種データとの協働により、画像確認のサンプル排紙処理、汚れ確認のサンプル排紙処理を実行し、第1制御部としての機能を実現する。
なお、画像確認のサンプル排紙処理は、実施の形態1と略同様であるため、説明は省略する。
【0120】
汚れ確認のサンプル排紙処理は、第2画像形成装置と協働して、操作表示部22に表示されている汚れ確認ボタンB2が押下されたタイミング、又は、予め設定されたタイミング(汚れ確認サンプル排紙タイミング)において実行される。
第1画像形成装置内で実行される汚れ確認のサンプル排紙処理では、汚れ確認サンプル排紙タイミングにおいて、自装置の給紙部231又は給紙装置10から用紙が給紙され、当該給紙された用紙の一方の面に第1のサンプル画像が形成され、第1のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認第1用サンプル用紙)が第2画像形成装置40Bへ搬送される。
【0121】
本実施の形態2における第2画像形成装置40Bの概略構成図は、図4に示す実施の形態1における第2画像形成装置40Aの概略構成図と同様であり、異なる部分のみ説明する。
【0122】
第2画像形成装置40Bの制御部450は、ジョブの実行中に、不揮発メモリ451から本実施の形態2に係る画像確認サンプル排紙処理プログラム、汚れ確認サンプル排紙処理プログラム、当該プログラム及び各種データとの協働により、画像確認のサンプル排紙処理、汚れ確認のサンプル排紙処理を実行し、第2制御部としての機能を実現する。
なお、画像確認のサンプル排紙処理は、実施の形態1と略同様であるため、説明は省略する。
【0123】
汚れ確認のサンプル排紙処理では、第1画像形成装置と協働して、第1画像形成装置20から搬入された汚れ確認用第1サンプル用紙がバイパス経路部435を経由して後処理装置のサブトレイT2へ排紙される。また、自装置の給紙部431から用紙が給紙され、当該給紙された用紙の一方の面に第2のサンプル画像が形成され、第2のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第2サンプル用紙)が後処理装置50のサブトレイT2へ排紙される。
【0124】
次に、本実施の形態2の動作を説明する。
なお、画像形成システム1Bにおいて実行される画像確認のサンプル排紙処理のフローチャートは、用紙の表裏反転を第1画像形成装置内の反転部にて実行することを除いて、実施の形態1と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0125】
図8に、画像形成システム1Bにおいて実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示す。図8(a)には、メイン機(第1画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示し、図8(b)には、サブ機(第2画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示す。
【0126】
まず、図8(a)を参照して、メイン機側での汚れ確認のサンプル排紙処理について説明する。図8(a)に示す汚れ確認のサンプル排紙処理は、第1画像形成装置20の制御部250と各部とが協働して実行する。
【0127】
制御部250は、汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示があるか否かを判別する(ステップS41)。ステップS41では、汚れ確認ボタンB2が押下されたタイミング、又は、予め設定されたタイミング(汚れ確認サンプル排紙タイミング)である場合、汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示あり、と判別される。
【0128】
汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示がない場合(ステップS41;NO)、制御部250は、ステップS41の処理に戻る。
【0129】
汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示がある場合(ステップS41;YES)、制御部250は、汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示を通信部26を介してサブ機へ通知する(ステップS42)。
【0130】
そして、制御部250は、第1画像形成装置の給紙部又は給紙装置の給紙トレイから用紙を用紙搬送部へ給紙させ、当該用紙の一方の面に第1のサンプル画像をプリント部23により形成させ、当該第1のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第1サンプル用紙)をサブ機へ搬送させる(ステップS43)。
【0131】
ステップS43後、制御部250は、汚れ確認用第2サンプル用紙の排紙指示を通信部26を介してサブ機へ通知する(ステップS44)。
【0132】
制御部250は、実行中のジョブのプリントモードが両面モードか否かを判別する(ステップS45)。実行中のジョブが両面モードであるの場合(ステップS45;YES)、制御部250は、汚れ確認サンプル排紙タイミングのときに画像形成が行なわれる用紙に対するページデータのうち用紙の裏面のページデータの圧縮画像データ(裏面画像データ)を、通信部26を介してサブ機へ転送し(ステップS46)、汚れ確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0133】
一方、実行中のジョブが両面モードではない場合、即ち、片面モードの場合(ステップS45;NO)、制御部250は、転送する画像データがないことをサブ機へ通知し(ステップS47)、汚れ確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0134】
次に、図8(b)を参照して、サブ機側での汚れ確認のサンプル排紙処理について説明する。図8(b)に示す汚れ確認のサンプル排紙処理は、第2画像形成装置40Bの制御部450と各部とが協働して実行する。
【0135】
制御部450は、メイン機から通信部46を介して汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示の通知があるか否かを判別する(ステップS51)。汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示の通知がない場合(ステップS51;NO)、制御部450は、ステップS51の処理に戻る。
【0136】
汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示の通知がある場合(ステップS51;YES)、制御部450は、メイン機から汚れ確認用第1サンプル用紙が搬入されると、当該汚れ確認用第1サンプル用紙をバイパス経路部435へ搬送させ、当該バイパス経路部を経由させて後処理装置50のサブトレイT2へ排紙させる(ステップS52)。
【0137】
ステップS52後、制御部450は、メイン機から通信部46を介して汚れ確認用第2サンプル用紙の排紙指示の通知があるか否かを判別する(ステップS53)。汚れ確認用第2サンプル用紙の排紙指示の通知がない場合(ステップS53;NO)、制御部450は、ステップS53の処理に戻る。
【0138】
汚れ確認用第2サンプル用紙の排紙指示の通知がある場合(ステップS53;YES)、制御部450は、ステップS54の処理に進む。
なお、ステップS54〜S57は、図6(b)に示すステップS32〜S35と同様の処理であるため、説明は省略する。
【0139】
以上のように、本実施の形態2によれば、用紙の両面の画像形成を行なう2台の画像形成装置(第1画像形成装置、第2画像形成装置)各々が、自装置の給紙部から用紙を給紙して第1、2のサンプル画像をそれぞれ形成して排紙することができる。そのため、他の画像形成装置での画像形成動作の影響を受けずに給紙及び画像形成された汚れ確認用第1、2サンプル用紙を、画像形成装置毎に排紙することができる。
【0140】
特に、本実施の形態2では、第1画像形成装置により第1のサンプル画像が形成された用紙を第2画像形成装置のバイパス経路部を経由して後処理装置のサブトレイT2、第2画像形成装置により第2のサンプル画像が形成された用紙を後処理装置のサブトレイT2へそれぞれ排紙することができる。そのため、画像形成装置毎に、他の画像形成装置での画像形成経路を経ずに画像形成された汚れ確認用第1、2サンプル用紙を排紙することができる。
【0141】
従って、ユーザは、後処理装置のサブトレイT2に排紙された汚れ確認用第1、2サンプル用紙に基づいて第1、2画像形成装置の印刷汚れを確認でき、印刷汚れが発生している画像形成装置の検出が可能なサンプル排紙を実現することができる。
【0142】
〔実施の形態3〕
以下、図を参照して本発明の実施の形態3を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図9に、本実施の形態3における画像形成システム1Cの概略構成図を示す。
図9に示すように、画像形成システム1Cは、用紙の搬送経路の上流側から、給紙装置10、第1画像形成装置20、第2画像形成装置40A、後処理装置50等が直列的に連結された直列タンデム方式の構成となっている。
即ち、画像形成システム1Cは、画像形成システム1Aを構成する中間装置30が無い構成となっており、実施の形態1と同様の構成の部分については、同一の符号を付して説明は省略する。
【0143】
また、実施の形態1と同様に、第1画像形成装置20がメイン機、第2画像形成装置40Aがサブ機に設定されているものとする。更に、両面モード、片面モードのジョブを実行する場合の動作についても、中間装置を用いない点を除いて実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0144】
本実施の形態3における第1画像形成装置20の概略構成図は、図2に示す実施の形態1における第1画像形成装置20の概略構成図と同様であるため、図示は省略し、異なる部分のみ説明する。
【0145】
第1画像形成装置20の制御部250は、ジョブの実行中に、不揮発メモリ251から本実施の形態3に係る画像確認サンプル排紙処理プログラム、汚れ確認サンプル排紙処理プログラム、当該プログラム及び各種データとの協働により、画像確認のサンプル排紙処理、汚れ確認のサンプル排紙処理を実行し、第1制御部としての機能を実現する。
なお、画像確認のサンプル排紙処理は、実施の形態1と略同様であるため、説明は省略する。
【0146】
汚れ確認のサンプル排紙処理は、第2画像形成装置と協働して、操作表示部22に表示されている汚れ確認ボタンB2が押下されたタイミング、又は、予め設定されたタイミング(汚れ確認サンプル排紙タイミング)において実行される。
第1画像形成装置内で実行される汚れ確認のサンプル排紙処理では、汚れ確認サンプル排紙タイミングの後、実行中のジョブが両面モードの場合には、第2画像形成装置により第2のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第2サンプル用紙)が後処理装置のサブトレイへ排紙された後、自装置の給紙部231又は給紙装置10から用紙が給紙され、当該給紙された用紙の一方の面に第1のサンプル画像が形成され、第1のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第1サンプル用紙)が第2画像形成装置40Aへ搬送される。
【0147】
本実施の形態3における第2画像形成装置40Aの概略構成図は、図4に示す実施の形態1における第2画像形成装置40Aの概略構成図と同様であり、異なる部分のみ説明する。
【0148】
第2画像形成装置40Aの制御部450は、ジョブの実行中に、不揮発メモリ451から本実施の形態3に係る画像確認サンプル排紙処理プログラム、汚れ確認サンプル排紙処理プログラム、当該プログラム及び各種データとの協働により、画像確認のサンプル排紙処理、汚れ確認のサンプル排紙処理を実行し、第2制御部としての機能を実現する。
なお、画像確認のサンプル排紙処理は、実施の形態1と略同様であるため、説明は省略する。
【0149】
汚れ確認のサンプル排紙処理では、第1画像形成装置と協働して、汚れ確認サンプル排紙タイミングにおいて、自装置の給紙部431から用紙が給紙され、当該給紙された用紙の一方の面に第2のサンプル画像が形成され、第2のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第2サンプル用紙)が後処理装置50のサブトレイT2へ排紙される。その後、第1画像形成装置20から搬入された汚れ確認用第1サンプル用紙が画像形成されずに後処理装置のサブトレイT2へ排紙される。
【0150】
次に、本実施の形態3の動作を説明する。
なお、画像形成システム1Cにおいて実行される画像確認のサンプル排紙処理のフローチャートは、用紙の表裏反転を第1画像形成装置内の反転部にて実行することを除いて、実施の形態1と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0151】
図10に、画像形成システム1Cにおいて実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示す。図10(a)には、メイン機(第1画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示し、図10(b)には、サブ機(第2画像形成装置)において実行される汚れ確認のサンプル排紙処理のフローチャートを示す。
【0152】
まず、図10(a)を参照して、メイン機側での汚れ確認のサンプル排紙処理について説明する。図10(a)に示す汚れ確認のサンプル排紙処理は、第1画像形成装置20の制御部250と各部とが協働して実行する。
【0153】
制御部250は、汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示があるか否かを判別する(ステップS61)。ステップS61では、汚れ確認ボタンB2が押下されたタイミング、又は、予め設定されたタイミング(汚れ確認サンプル排紙タイミング)である場合、汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示あり、と判別される。
【0154】
汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示がない場合(ステップS61;NO)、制御部250は、ステップS61の処理に戻る。
【0155】
汚れ確認のサンプル排紙処理の実行指示がある場合(ステップS61;YES)、制御部250は、実行中のジョブのプリントモードが両面モードか否かを判別する(ステップS62)。実行中のジョブが両面モードではない場合、即ち、片面モードの場合(ステップS62;NO)、制御部250は、ステップS65の処理に進む。
【0156】
実行中のジョブが両面モードである場合(ステップS62;YES)、制御部250は、汚れ確認用第2サンプル用紙の排紙指示を通信部26を介してサブ機へ通知する(ステップS63)。そして、制御部250は、汚れ確認サンプル排紙タイミングのときに画像形成が行なわれる用紙に対するページデータのうち用紙の裏面のページデータの圧縮画像データ(裏面画像データ)を、通信部26を介してサブ機へ転送する(ステップS64)。
【0157】
ステップS62;NO後又はステップS65後、制御部250は、サブ機から通信部26を介して排紙完了通知があるか否かを判別し(ステップS65)、排紙完了通知がない場合(ステップS65;NO)、ステップS65の処理に戻る。
【0158】
排紙完了通知がある場合(ステップS65;YES)、制御部250は、汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示を通信部26を介してサブ機へ通知する(ステップS66)。
【0159】
そして、制御部250は、第1画像形成装置の給紙部又は給紙装置の給紙トレイから用紙を用紙搬送部へ給紙させ、当該用紙の一方の面に表面画像データに基づく第1のサンプル画像をプリント部23により形成させ(ステップS67)、当該第1のサンプル画像が形成された用紙(汚れ確認用第1サンプル用紙)をサブ機へ搬送させる(ステップS68)。
【0160】
ステップS68後、制御部250は、転送する画像データがないことをサブ機へ通知しる(ステップS69)、汚れ確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0161】
次に、図10(b)を参照して、サブ機側での汚れ確認のサンプル排紙処理について説明する。図10(b)に示す汚れ確認のサンプル排紙処理は、第2画像形成装置40Aの制御部450と各部とが協働して実行する。
【0162】
制御部450は、メイン機から通信部46を介して汚れ確認用第2サンプル用紙の排紙指示の通知があるか否かを判別する(ステップS71)。
【0163】
汚れ確認用第2サンプル用紙の排紙指示の通知がない場合(ステップS71;NO)、制御部450は、メイン機から通信部46を介して汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示の通知があるか否かを判別する(ステップS72)。
【0164】
汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示の通知がある場合(ステップS72;YES)、制御部450は、ステップS79の処理に進み、汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示の通知がない場合(ステップS72;NO)、制御部450は、ステップS71の処理に戻る。
【0165】
汚れ確認用第2サンプル用紙の排紙指示の通知がある場合(ステップS71;YES)、制御部450は、ステップS73の処理に進む。
なお、ステップS73〜S75は、図6(b)に示すステップS33〜S35と同様の処理であるため、説明は省略する。
【0166】
ステップS75、制御部450は、後処理装置50から通信部46を介して、汚れ確認用第2サンプル用紙がサブトレイT2へ排紙完了したことを示す排紙完了通知があるか否かを判別する(ステップS76)。排紙完了通知がない場合(ステップS76;NO)、制御部450は、ステップS76の処理に戻る。
【0167】
排紙完了通知がある場合(ステップS76;YES)、制御部450は、メイン機へ排紙完了通知を送信し(ステップS77)、メイン機から通信部46を介して汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示の通知があるか否かを判別する(ステップS78)。
【0168】
汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示の通知がない場合(ステップS78;NO)、制御部450は、ステップS78の処理に戻る。
【0169】
汚れ確認用第1サンプル用紙の排紙指示の通知がある場合(ステップS78;YES)又はステップS72;NO後、制御部450は、メイン機から汚れ確認用第1サンプル用紙が搬入されると、当該汚れ確認用第1サンプル用紙を画像形成せずに画像形成部及び定着部を通過させ、後処理装置50のサブトレイT2へ排紙させ(ステップS79)、汚れ確認のサンプル排紙処理を終了する。
【0170】
以上のように、本実施の形態3によれば、用紙の両面の画像形成を行なう2台の画像形成装置(第1画像形成装置、第2画像形成装置)各々が、自装置の給紙部から用紙を給紙して第1、2のサンプル画像をそれぞれ形成して排紙することができる。そのため、他の画像形成装置での画像形成動作の影響を受けずに給紙及び画像形成された汚れ確認用第1、2サンプル用紙を、画像形成装置毎に排紙することができる。
【0171】
特に、本実施の形態3では、用紙の両面に対してそれぞれ異なる面に画像形成を行なう第1画像形成装置及び第2画像形成装置のうち、用紙搬送方向において下流側に設けられた第2画像形成装置が第1画像形成装置よりも先に汚れ確認用第2サンプル用紙をサブトレイへ排紙することができる。
【0172】
第1画像形成装置の下流側に第2画像形成装置が直結されている画像形成システムでは、第1画像形成装置により生成された汚れ確認用第1サンプル用紙が第2画像形成装置内の画像形成経路を通過して排紙されるため、汚れ確認用第1サンプル用紙だけでは、第1画像形成装置において印刷汚れが発生しているかを判別できない。しかし、本実施の形態3では、他の画像形成装置の画像形成経路を経由せずにサブトレイへ排紙される汚れ確認用第2サンプル用紙が汚れ確認用第1サンプル用紙よりも先に排紙されるため、まず、当該汚れ確認用第2サンプル用紙に基づいて第2画像形成装置による印刷汚れの発生があるか否かが判別できる。
【0173】
そして、汚れ確認用第2サンプル用紙に印刷汚れがある場合には第2画像形成装置による印刷汚れの発生があると判別できる。また、汚れ確認用第2サンプル用紙に印刷汚れがない場合、汚れ確認用第1サンプル用紙に基づいて第1画像形成装置による印刷汚れの発生があるか否かが判別でき、汚れ確認用第1サンプル用紙に印刷汚れがある場合には第1画像形成装置による印刷汚れの発生があると判別できる。
【0174】
従って、第1画像形成装置の下流側に第2画像形成装置が直結されている画像形成システムであっても、印刷汚れが発生している画像形成装置の検出が可能なサンプル排紙を実現することができる。
【0175】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として、不揮発メモリ251、451を使用した例を開示したが、この例に限定されない。
その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0176】
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0177】
1A、1B、1C 画像形成システム
2 外部装置
3 ネットワーク
10 給紙装置
20 第1画像形成装置
21 画像読取部
22 操作表示部
23 プリント部
24 コントローラ
25 画像制御基板
26 通信部
30 中間装置
31 反転部
31a 搬送路切替部
32 スタック部
40A、40B 第2画像形成装置
43 プリント部
45 画像制御基板
46 通信部
50 後処理装置
210 画像読取制御部
211 CCD
220 操作表示制御部
221 LCD
230 プリント制御部
231 給紙部
232 用紙搬送部
232a 搬送路切替部
232b 反転部
233 画像形成部
233a レジストローラ
234 定着部
241 コントローラ制御部
242 DRAM制御IC
243 画像メモリ
244 LANIF
250 制御部
251 不揮発メモリ
252 RAM
253 読取処理部
254 圧縮IC
255 DRAM制御IC
256 画像メモリ
256a 圧縮メモリ
256b ページメモリ
257 伸長IC
258 書込処理部
431 給紙部
432b 反転部
435 バイパス経路部
435a 搬送路切替部
450 制御部
451 不揮発メモリ
452 RAM
455 DRAM制御IC
456 画像メモリ
456a 圧縮メモリ
456b ページメモリ
457 伸長IC
458 書込処理部
460 通信部
B1 画像確認ボタン
B2 汚れ確認ボタン
E1 サンプル排紙設定領域
G1 操作画面
T1 大容量排紙トレイ
T2 サブトレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙する用紙が格納された給紙部を備えた複数の画像形成装置が直列的に連結され、前記用紙の両面をそれぞれ異なる画像形成装置で画像形成を行なう直列タンデム方式の画像形成システムにおいて、
前記用紙の両面に画像形成を行う際に当該用紙の一方の面に画像形成を行う第1の画像形成装置は、自装置の前記給紙部から用紙を給紙し、当該給紙した用紙に第1のサンプル画像を形成して排紙する制御を行う第1制御部を備え、
前記用紙の両面に画像形成を行う際に当該用紙の他方の面に画像形成を行う第2の画像形成装置は、自装置の前記給紙部から用紙を給紙し、当該給紙した用紙に第2のサンプル画像を形成して排紙する制御を行う第2制御部を備えること、
を特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
用紙搬送方向において、前記第1の画像形成装置の下流側、かつ、前記第2の画像形成装置の上流側に設けられ、画像形成済みの用紙を格納するスタック部を有する中間装置と、
前記用紙搬送方向において、前記第2の画像形成装置の下流側に設けられ、画像形成済みの用紙が排紙される排紙トレイを有する後処理装置と、
を備え、
前記第1の画像形成装置の第1制御部は、
前記第1のサンプル画像を形成した用紙を前記中間装置のスタック部へ排紙する制御を行い、
前記第2の画像形成装置の第2制御部は、
前記第2のサンプル画像を形成した用紙を前記後処理装置の排紙トレイへ排紙する制御を行なうこと、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
用紙搬送方向において、前記第2の画像形成装置の下流側に設けられ、画像形成済みの用紙が排紙される排紙トレイを有する後処理装置を備え、
前記第2の画像形成装置は、
前記第1の画像形成装置の用紙搬送方向の下流側に設けられており、
用紙に画像が形成される画像形成経路を迂回するバイパス経路部を備え、
前記第2の画像形成装置の第2制御部は、
前記第1のサンプル画像が形成された用紙を、前記バイパス経路部を経由させて当該用紙を前記後処理装置の排紙トレイへ排紙させ、前記第2のサンプル画像を形成した用紙を、前記後処理装置の排紙トレイへ排紙する制御を行なうこと、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記第1の画像形成装置は、
用紙搬送方向において、前記第2の画像形成装置の上流側に設けられており、
前記第1の画像形成装置の第1制御部は、
前記第2の画像形成装置により前記第2のサンプル画像が形成された用紙が排紙された後、前記第1のサンプル画像を形成する制御を行なうこと、
を特徴とする請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記第1の画像形成装置の第1制御部、及び、前記第2の画像形成装置の第2制御部は、
前記用紙の両面に画像形成を行なうジョブの実行中に、第1のサンプル画像を形成して排紙する制御、第2のサンプル画像を形成して排紙する制御を各々行うこと、
を特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
実行中のジョブの画像形成と同様の経路を経て画像が形成されたサンプル用紙を排紙する第1のモードと、前記第1のサンプル画像が形成された用紙、及び、前記第2のサンプル画像が形成された用紙を排紙する第2のモードと、の指示を受け付ける操作部を備えること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の画像形成システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−143964(P2012−143964A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3884(P2011−3884)
【出願日】平成23年1月12日(2011.1.12)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】