画像形成システム
【課題】封緘を伴う複数の画像形成ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在する場合でも、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止するとともに、封緘済み封筒の生産性の低下を抑制することができる画像形成システムを提供する。
【解決手段】封筒およびその封筒に封入する用紙を供給する給紙装置1Bと、用紙又は封筒に画像を形成する画像形成装置1と、封筒に用紙を封入し、用紙が封入された封筒に封緘剤を付けて封緘する封入封緘装置4とを備え、封緘を伴う複数の画像形成ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在した場合に、封緘を伴う画像形成ジョブと封緘を伴わない画像形成ジョブとにグループ分けして各画像形成ジョブを実行する順序を制御する。
【解決手段】封筒およびその封筒に封入する用紙を供給する給紙装置1Bと、用紙又は封筒に画像を形成する画像形成装置1と、封筒に用紙を封入し、用紙が封入された封筒に封緘剤を付けて封緘する封入封緘装置4とを備え、封緘を伴う複数の画像形成ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在した場合に、封緘を伴う画像形成ジョブと封緘を伴わない画像形成ジョブとにグループ分けして各画像形成ジョブを実行する順序を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒への封入および封筒の封緘の機能を有する画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成システムとして、ビン等の用紙積載手段上に積載した用紙を封筒内に詰め込んで封入し、用紙を封入した封筒を自動的に封緘することができる用紙後処理装置を備えたものが知られている。また、特許文献1には、内容物が収納された封筒のフラップに封緘剤である粘着性を有する液状の糊を付け、フラップを折り返して封筒に押圧して封緘する封筒封緘機であって、その糊の供給量を任意に調節できる封筒封緘装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の画像形成システムの用紙後処理装置として、特許文献1の封筒封緘機のように粘着性を有する液状の封緘剤を封筒のフラップに付けて封緘するものを用いる場合、次のような問題がある。すなわち、封筒への糊付けが必要な封緘を伴う画像形成ジョブと、封緘を伴なわない画像形成ジョブとが混在していると、封緘を伴う画像形成ジョブを実行するたびに封緘の糊付け準備のイニシャル動作(初期立ち上げ動作)が必要になり、電力が無駄になるという問題がある。また、封筒への糊付けが必要な封緘を伴う画像形成ジョブと、封緘を伴なわない画像形成ジョブとを交互に実行すると、ジョブの切り換え動作のための時間が無駄になり、生産性が低下するという問題がある。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、封緘を伴う複数の画像形成ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在する場合でも、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止するとともに、封緘済み封筒の生産性の低下を抑制することができる画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、封筒を供給する封筒供給手段と、前記封筒に封入する用紙を供給する用紙供給手段と、前記用紙又は前記封筒に画像を形成する画像形成手段と、前記封筒に前記用紙を封入する封入手段と、前記用紙が封入された封筒に封緘剤を付けて封緘する封緘手段と、を備えた画像形成システムであって、前記封緘を伴う複数の画像形成ジョブと前記封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在した場合に、前記封緘を伴う画像形成ジョブと前記封緘を伴わない画像形成ジョブとにグループ分けして各画像形成ジョブを実行する順序を制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成システムにおいて、前記封緘を伴う画像形成ジョブのグループおよび前記封緘を伴わない画像形成ジョブのグループの実行する順序を変更する手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成システムにおいて、画像形成ジョブの実行指示を受けた時間、画像形成ジョブの実行指示をしたユーザー名、画像形成ジョブで処理する用紙の枚数および画像形成ジョブの名称の少なくとも一つに基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えと、画像形成ジョブにおける封緘の有無に基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えとを切り換える手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成システムにおいて、前記画像形成ジョブの実行順序の並び替えの初期設定は、前記封緘の有無に基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像形成システムにおいて、前記複数の画像形成ジョブそれぞれの実行順序を変更する手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの画像形成システムにおいて、前記制御手段は、前記封緘を伴わない画像形成ジョブを優先して実行するように制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、封緘を伴う複数の画像形成ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在する場合、封緘を伴う画像形成ジョブと封緘を伴わない画像形成ジョブとにグループ分けして画像形成ジョブを実行する順序を制御することにより、封緘を伴う複数の画像形成ジョブのグループについて各画像形成ジョブを連続して実行できる。従って、封緘のための初期立ち上げ動作は、封緘を伴う複数の画像形成ジョブのグループを実行する前に1回だけ行えばよくなるので、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止することができる。しかも、封緘を伴う画像形成ジョブと封緘を伴わない画像形成ジョブとを交互に行う場合とは異なり、封緘を伴う画像形成ジョブと封緘を伴わない画像形成ジョブとの切り換えも1回で済むため、ジョブ切り換えに起因した生産性の低下を抑制することができる。よって、封緘を伴う複数の画像形成ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在する場合でも、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止するとともに、封緘済み封筒の生産性の低下を抑制することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの主要部の構成を示す概略構成図。
【図2】同画像形成システムの給紙装置の内部の構成例を示す拡大構成図。
【図3】同給紙装置の駆動制御系の一例を示すブロック図。
【図4】同給紙装置にセットされる封筒の表面及び裏面を示す説明図。
【図5】同給紙装置のトレイの横断面図。
【図6】本実施形態の画像形成システムの封入封緘装置の内部構成の一例を示す構成図。
【図7】同封入封緘装置における封筒チャック部の構成を示す説明図。
【図8】同封筒チャック部において封筒が開口部を開封マイラーの下端よりも下側にして保持された状態を示す説明図。
【図9】同封筒チャック部において封筒内に開封マイラーの下端が入り込んだ状態を示す説明図。
【図10】同封筒チャック部において封筒内に開封マイラーの下端が入り込んだ状態を示す斜視図。
【図11】(a)は、封入封緘装置の糊塗布ユニットの概略構成を示す説明図。(b)は、同糊塗布ユニットにおいてメルトタンクが上昇した様子を示す説明図。
【図12】本実施形態の画像形成システムの用紙後処理装置の内部構成の一例を示す構成図。
【図13】(a)および(b)はそれぞれ、中綴じ処理が行われた用紙束の冊子の折り目に対して増し折りする機構および動作の説明図。
【図14】本実施形態の画像形成システムの封筒検品装置の内部構成の一例を示す構成図。
【図15】本実施形態の画像形成システムにおいて外部装置から画像形成装置のハードディスクへ封入文書データの蓄積する制御を行う制御系の主要部のブロック図。
【図16】印刷ジョブの基本設定を行う印刷画面の一例を示す説明図。
【図17】封筒の詳細設定を行う画面の一例を示す説明図。
【図18】封入・封緘の印刷ジョブ開始を指示する画面の一例を示す説明図。
【図19】封入文書一覧の画面の一例を示す説明図。
【図20】印刷順位の設定画面の一例を示す説明図。
【図21】封入文書一覧の画面の他の例を示す説明図。
【図22】封入文書一覧の画面の更に他の例を示す説明図。
【図23】封入文書の編集画面の一例を示す説明図。
【図24】封入文書の印刷開始画面の一例を示す説明図。
【図25】印刷した封入文書の削除画面の一例を示す説明図。
【図26】本実施形態の画像形成システムの制御装置における印刷優先順位を決定する制御の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの主要部の構成を示す概略構成図である。本実施形態では、封筒に用紙を封入する後処理手段としての封入装置を具備した画像形成システムを例にとって説明する。
【0009】
本実施形態の画像形成システムは、図1に示すように電子写真方式の画像形成手段である複合機(MFP)型の画像形成装置1を備える。画像形成装置1の上部には、画像形成ジョブ(以下、「印刷ジョブ」又は「ジョブ」という。)の内容を表示する表示部およびユーザーが印刷ジョブの操作を行う操作部として機能する操作パネル(OP)1Aおよび原稿自動給紙装置:ADF(Auto Document Feeder)2が装着されている。また、画像形成装置1は複数段の給紙装置1Bを備えている。給紙装置1Bは、用紙を供給する用紙供給手段および用紙が封入される封筒を供給する封筒供給手段として機能する。
【0010】
画像形成装置1の側方には、用紙後処理装置3が連結されている。用紙後処理装置3では、画像形成装置1から搬送されてきた用紙にユーザーが任意に選択した後処理が施される。用紙後処理装置3の画像形成装置1とは反対側の側方には封入封緘装置4が連結されている。封入封緘装置4は封入手段および封緘手段として機能し、用紙後処理装置3で後処理を施された用紙または用紙束を封筒に封入し封緘を行う。なお、本実施形態では、中折りもしくは中綴じの冊子を封筒に封入する場合について説明する。
【0011】
封筒およびその封筒に封入される封入物としての用紙は、画像形成装置1の複数段の給紙装置1Bのいずれかにそれぞれセットされており、画像形成装置1から封入封緘装置4へそれぞれ搬送される。
【0012】
また、封入封緘装置4の用紙後処理装置3とは反対側の側方には、封筒検品装置5が連結されている。封筒検品装置5は、封入封緘された封筒のフラップについて検品を行い、正常と判断された場合は封筒を排出トレイ6へ排出し、異常と判断された場合には封筒を排出トレイ7へ排出する。
【0013】
図2は、給紙装置1Bの内部の構成例を示す拡大構成図であり、図3は、給紙装置1Bの駆動制御系の一例を示すブロック図である。また、図4は、給紙装置1Bにセットされる封筒Pfの表面及び裏面を示す説明図であり、図5は、給紙装置1Bのトレイ24の横断面図である。なお、図2〜図5では封筒Pfをセットした給紙装置1Bについて例示しているが、用紙がセットされた他の段の給紙装置についても同様に構成することができる。
【0014】
図2及び図3において、給紙装置1Bは、駆動系として、トレイ124の可動テーブル103を駆動する底板上昇モータ205と、ピックアップローラ107を駆動するピックアップモータ201と、給紙モータ202と、中間搬送モータ203とを備えている。給紙モータ202は、給紙ベルト109、リバースローラ110及びプルアウトローラ112を駆動する。中間搬送モータ203は、第1中間ローラ114及び第2中間ローラ115を駆動する。
【0015】
また、給紙装置1Bは、検知手段として、封筒Pfのサイズを検知するサイズ検知センサ130と、封筒Pfのセット検知用の封筒セットセンサ105と、可動テーブル103の上限検知用のテーブル上昇検知センサ108と、スキュー補正用の突き当てセンサ111と、封筒の識別情報(例えばバーコード)を読み取るCIS(Contact Image Sensor)読み取り用のレジストセンサ113とを備えている。
【0016】
図3に示すように、給紙装置1Bの駆動制御系の構成は、給紙制御部200を中心に構成されている。給紙制御部200には、サイズ検知センサ130、封筒セットセンサ105、突き当てセンサ111、テーブル上昇センサ108、底板ホームポジションセンサ106、レジストセンサ113、ピックアップモータ201、給紙モータ202、中間搬送モータ203及び底板上昇モータ205が接続されている。
【0017】
給紙制御部200および画像形成装置本体側の制御手段としての制御装置120はそれぞれ、例えばCPU、ROM、RAM等で構成することができる。CPUは、ROMに格納されたプログラムコードをRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながらプログラムコードで定義された制御を実行する。これらのCPU、ROM及びRAMや、各種センサ、各種モータ等をハードウェア資源としてプログラムを実行することにより各部の制御が行われる。また、給紙制御部200は、画像形成装置1の本体側の制御装置120との間で所定の通信インターフェース(I/F)207を介して相互に通信可能であり、給紙制御部200及び制御装置120の協働した制御が可能となっている。
【0018】
封筒Pfは、トレイ124の可動テーブル103および底板125上にセットされる。より詳しくは、封筒Pfは、図4に示すように封筒Pfの表面Pfaを上向きにし、封筒PfのフラップPfcが給紙方向Pfdとは逆側に位置する状態にしてセットされる。また、封筒Pfの搬送方向と直交する幅方向は、図示しないサイドガイドによって位置決めされる。封筒のセットはセットフィラー102及び封筒セットセンサ105により検知され、給紙制御部200を介して制御装置120に送信される。
【0019】
また、図5に示すように、トレイ124の底板125上に載置された封筒Pfは、ガイドロッド126に沿って矢示A方向にスライド可能な一対のサイドガイド127,128によって挾むことにより、底板125の中央位置にセットされる。その底板125の下側には、サイドガイド128の位置を検知することにより底板125上の用紙サイズを検知するサイズ検知センサ130(例えば可変抵抗型位置センサ)が配設されている。制御装置120又は給紙制御部200は、サイズ検知センサ130によって検知された値を例えば内部メモリに予め記憶されているサイズデータと比較することにより、底板125上にセットされている封筒Pfのサイズを認識することができる。
【0020】
可動テーブル103は、底板上昇モータ205により、底板25側の端部(図3中の左端部)を支点にしてa、b方向に上下動可能(揺動可能)に構成されている。制御装置120又は給紙制御部200は、封筒Pfがセットされたことをセットフィラー102及びセットセンサ105により検知すると、底板上昇モータ205を正転させて封筒Pfの束の最上面がピックアップローラ107と接触するように可動テーブル103を上昇させる。ピックアップローラ107は、ピックアップモータ201により、カム機構によって図3中に示すc、d方向に動作するとともに、可動テーブル103の封筒排出側が上昇し、可動テーブル103上の封筒Pfの上面により押されてc方向に上がる。テーブル上昇検知センサ108は、このピックアップローラ107の上限位置を検知し、これにより可動テーブル103の上昇上限位置を検知可能となっている。オペレータがOP104のプリントキーを押下すると、制御装置120からI/F207を介して給紙制御部200に封筒給紙信号が送信され、ピックアップローラ107は給紙モータ202の正転により回転駆動され、底板125上の封筒Pfがピックアップされる。回転方向は、最上位の封筒Pfを給紙口に搬送する方向である。
【0021】
給紙ベルト109は給紙モータ202の正転により給紙方向に駆動され、リバースローラ110は給紙モータ202の正転により給紙と逆方向に回転駆動され、最上位の封筒とその下の封筒を分離して、最上位の封筒のみが給紙される。さらに詳しく説明すると、リバースローラ110は給紙ベルト109と所定圧で接し、給紙ベルト109との直接接しているとき、又は封筒1枚を介して接しているときには、給紙ベルト109の回転に応じて反時計方向に連れ回りする。一方、2枚以上の封筒Pfが給紙ベルト109とリバースローラ110の間に侵入したときは、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されているので、リバースローラ110は本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な封筒を押し戻す働きをし、重送が防止される。
【0022】
給紙ベルト109とリバースローラ110との作用により1枚に分離された封筒Pfは給紙ベルト109によって更に送られ、突き当てセンサ111によって先端が検知され、更に進んで停止しているプルアウトローラ112に突き当たる。その後、突き当てセンサ111の検知位置から予め設定した所定の距離だけ送られ、結果的には、プルアウトローラ112に所定量の撓みを持って押し当てられた状態で給紙モータ202を停止させ、給紙ベルト109の駆動を停止させる。このとき、ピックアップモータ201を回転させることでピックアップローラ107を封筒上面から退避させる。これにより、封筒Pfが給紙ベルト109の搬送力のみで送られ、封筒先端は、プルアウトローラ112の上下ローラ対のニップに進入し、封筒Pfの先端の整合(スキュー補正)が行われる。
【0023】
プルアウトローラ112は、前記スキュー補正機能を有するとともに、分離後にスキュー補正された封筒Pfを第1中間ローラ114まで搬送するためのローラで、給紙モータ202の逆転により駆動される。また、このとき(給紙モータ202逆転時)、プルアウトローラ112と中間ローラ114は駆動されるが、ピックアップローラ107と給紙ベルト109はいずれも駆動されていない。
【0024】
図6は、封入封緘装置4の内部構成の一例を示す構成図である。
<封筒の処理・搬送>
図6の封入封緘装置4において、封筒は次のように搬送される。給紙装置1Bにセットされた封筒は画像形成装置1内に給紙され、宛名等を画像形成された後に用紙後処理装置3を経由して封入装置4へ搬送される。封筒はまず入口搬送路9に搬入されてくる。入口センサ8Aにて封筒が検知されて後、各搬送ローラが駆動して封筒の搬送が開始される。分岐爪11は上搬送路12に導く位置へ移動しており、封筒は下搬送路12へ搬送されていく。更に分岐爪13は封筒搬送路14に導く位置へ移動しており、封筒は封筒搬送路14へ搬送されていく。チャックコロ対23にて封筒のフラップを噛んだ状態に保持し、封入物が封入されてくるのを待つ。このとき、揺動コロ対25は矢印の方向へ退避しており、封筒とは接しない位置にいる。
【0025】
<封入物の処理・搬送>
また、図6の封入封緘装置4において、封筒に封入される封入物は次のように処理されて搬送される。ADF2にて原稿が読み取られた後、対応する用紙が給紙装置1Bから画像形成装置1内に給紙され、画像形成された後に用紙後処理装置3を経由して封入封緘装置4へ搬送される。封入物が単一の用紙、または端綴じ処理が施された用紙束の場合、入口搬送路9に搬入されてくる。入口センサ8Aにて封入物が検知された後、各搬送ローラが駆動して封入物の搬送が開始される。封入物が用紙後処理装置3で中綴じ処理を施された冊子の場合は、入口搬送路10に搬入されてくる。この場合、入口センサ8Bにて封入物が検知された後、各搬送ローラが駆動して封入物の搬送が開始され、分岐爪11は上搬送路12に導く位置へ移動しており、封入物は上搬送路12へ搬送され、その後は単一の用紙、または端綴じ処理が施された用紙束と同じ搬送路を辿る。封入物が搬送路12に搬送された後、更に分岐爪13は封入物搬送路15に導く位置へ移動しており、封入物は封入物搬送路15へ搬送されていく。封入物は封入物排紙センサ16を通過し、中間トレイ18へ排出される。中間トレイ18に排出された後、戻しコロ17は中間トレイ18に接する位置へ移動し、封入物を後端ストッパ21の方向へ搬送する。搬送完了後、サイドジョガー対20にて整合動作を行う。封筒に封入する全ての封入物が揃うまで同じ動作を繰り返す。
【0026】
<封入処理>
また、図6の封入封緘装置4において、封入物の封筒への封入は次のように行われる。封入物が全て中間トレイ18上に積載された後、後端ストッパ21は矢印の方向へ退避する。退避後、先端ストッパ19は矢印の方向へ移動を開始し、封入物束はパックユニット22内へ搬送される。パックユニット22への搬送が完了した後、パックユニット22は矢印の方向へ移動し、チャックコロ対23部にある封筒へパックユニット22内の搬送ローラにて搬送され封入される。封入完了後、揺動コロ対25は矢印と逆方向に移動し、封筒を搬送路26へ搬送を開始する。
【0027】
<封緘処理>
また、図6の封入封緘装置4において、封入物が封入された封入された封筒の封緘は次のように行われる。封入物が封入された封筒は搬送路26を経由し、封筒方向転換ポケット29内に挿入され、その封筒方向転換ポケット29の下端に設けられたセンサ30により封筒の挿入が検知される。封筒が封筒方向転換ポケット29に挿入された後、封筒のフラップに糊塗布ローラ27が接触し、フラップに糊付けする。封緘する場合は、あらかじめ糊塗布ローラ27を過熱し、粘着性を有する封緘剤としての糊による接着が可能な状態にしておく必要がある。糊塗布ローラ27によりフラップが糊付けされると、封筒方向転換ポケット29内に一旦収納された封筒は、フラップが未だ開いている状態で、フラップから駆動排出ローラ31及び従動排出ローラ32の回転により、これらのローラ31,32間に噛み込まれ、フラップが封筒に重ねられてローラ31,32間の押圧力により両者が接着固定される。そして、この封緘された封筒はローラ32,33間を通り、排出搬送路34を搬送され、封入封緘装置4の下流機に搬送される。
【0028】
図7は、封入封緘装置4における封筒チャック部38の構成を示す説明図である。封筒チャック部38は、図7に示すように上,下方向に互いに圧接して回転可能な一対のチャックコロ23,36(ローラであってもよい)を備える。また、封筒チャック部38は、チャックコロ23,36のニップ部に封筒Pfを案内する封筒ガイド35,39と、そのニップ部の搬送上流側に配設された封筒検知用センサ37とが設けられ、その下側のチャックコロ23の一部に弾性変形可能なシート状の開封部材となる開封マイラー24の一部が当接されている。
【0029】
開封マイラー24は、チャックコロ23,36によって保持される封筒Pfの開口部内に一部を挿入させることによって封筒を開封し得る位置に配設されている。チャックコロ23,36は、略垂直方向に配置されて互いに圧接している。また、封筒ガイド35,39は、封筒Pfを縦搬送路40から用紙が移送される位置へ案内してチャックコロ23と36のニップ部へ導くと共に、そのチャックコロ23,36に達した封筒Pfをさらに下方へ導き、その際に封筒Pfを下側のチャックコロ23に略沿わせて案内する。
【0030】
開封マイラー24は、例えば薄いフィルム状の樹脂材で形成され、それがチャックコロ23に近接して配設され、その上端側が固定されている。開封マイラー24は、通常は下端部より少し上側の部分が下側のチャックコロ23に材料自身の持つ弾性力によって所定の加圧力で当接しているが、用紙Pを封筒Pf内へ案内する際には、後述の図9に示すように下端24a側が封筒の開口部Pon内に挿入され、パックユニット22によって移送される用紙Pがその開口部Pon内に導かれる。封筒チャック部38は、封筒Pfが下方へ向けて搬送されてくると、それを封筒ガイド35,39によってチャックコロ23,36間に案内する。次に、その封筒Pfは、それぞれ回転するチャックコロ23,36の搬送力によってチャックコロ23と開封マイラー24の間へ送られる。
【0031】
図8は、封入封緘装置4の封筒チャック部38において封筒Pfが開口部Ponを開封マイラー24の下端よりも下側にして保持された状態を示す説明図である。また、図9は、封入封緘装置4の封筒チャック部38において封筒Pf内に開封マイラー24の下端が入り込んだ状態を示す説明図である。また、図10は、封入封緘装置4の封筒チャック部38において封筒Pf内に開封マイラー24の下端が入り込んだ状態を示す斜視図である。
封筒Pfのフラップ(封筒代)Pfcの部分が図8に示すようにチャックコロ23,36によって互いに挾持される位置になったときに、封筒検知用センサ37がフラップPfcの端部の通過を検知すると、チャックコロ23,36は回転を停止するため、封筒Pfが停止する。このとき、封筒Pfの開口部Ponは図8に示すように開封マイラー24の下端24aよりも下側に位置する。
【0032】
次に、チャックコロ23,36が図8の矢示E方向にそれぞれ逆回転を始め、封筒Pfがスイッチバックして縦搬送路11を昇るようになる。その際、開封マイラー24は自己の弾性力によって下端側が封筒のフラップPfcの部分に接しているので、開封マイラーの下端24aが図9に示すように封筒Pfの開口部Pon内に入り込む。この状態で、チャックコロ23,36の逆回転が停止して封筒Pfの上昇が止まる。したがって、封筒Pfは、図10に示すように開封マイラー21の下端21aが封筒Pfの開口部Pon内に挿入された開封状態にセットされる。
【0033】
図11(a)は、封入封緘装置4の糊塗布ユニット60の概略構成を示す説明図である。また、図11(b)は、同糊塗布ユニット60においてメルトタンク61が上昇した様子を示す説明図である。メルトタンク61には、高温溶融した封緘剤としてのホットメルト糊28が収容され、このメルトタンク61内のホットメルト糊28を塗布部材としての回転ローラ(塗布ローラ)27の表面にまとわせて糊膜を形成する。この回転ローラ27の糊膜を封筒PfのフラップPfcに接触させて糊塗布を行う。ホットメルト糊28を加熱する加熱手段としてのヒータおよびホットメルト糊28の温度を測定する温度測定手段としての温度計は回転ローラ27の軸71の内部に設置され、ホットメルト糊28は一定の温度を保つことが可能となっている。回転ローラ27を図11(a)に示す方向に回転させると、ホットメルト糊28は板状の掻き取り部材である板金72でかき取られ、必要な分だけ回転ローラ27にホットメルト糊28が塗布される。糊塗布ユニット60内のメルトタンク61は、筐体62のバネ63に支持されている。駆動手段としてのソレノイド(SOL)64を動作させて図示矢印の方向に可動軸を引くと、支持点65を中心に板材66が回動し、メルトタンク61が上昇する構成となっている(図11(b)参照)。また、メルトタンク61上昇する際にボス67が切り欠き部68を摺動し、ボス69が筐体62と筐体63との間で上下動する。
【0034】
図12は、用紙後処理装置3の内部構成の一例を示す構成図である。なお、以下の図12を用いた説明では、用紙Pに中綴じ処理を行う中綴じ処理動作について重点的に説明する。
搬送路Aから分岐爪135および分岐爪136で振り分けられた用紙は、搬送路Bに導かれ、搬送ローラ137、搬送ローラ138、搬送ローラ139、スティプル排紙ローラ140により、処理トレイTに排出される。処理トレイTでは、排紙ローラ140により順次排出される用紙を整合し、スティプル(中綴じ)する直前までは、同様の動作をする。用紙束が処理トレイTで仮整合された後、用紙束の先端部は放出ローラ143と分岐ガイド板141の端部に取り付けられた加圧コロ141aとにより挟持され、分岐ガイド板141と可動ガイド142とが回動することで処理トレイCへ導かれる経路を通過するべく、再度、放出爪145と放出ローラ143とにより下流へ搬送される。この放出ローラ143は放出ベルト144の駆動軸に設けられており、放出ベルト144と同期して駆動される。
【0035】
その後、用紙束は、その後端が放出ローラ143を通過するまで放出爪145によって運ばれ、さらに束搬送ローラ上146と束搬送ローラ下147とによって搬送される。そのとき、各用紙束の搬送方向のサイズに応じて可動後端フェンス148の停止位置が異なって待機している。待機している可動後端フェンス148に用紙束P’の先端が当接してスタックされたとき、束搬送ローラ下147の圧が解除され、後端叩き爪149により用紙束の後端を叩いて搬送方向の最終的な揃えを行う。すなわち、中綴じジョガーフェンス150、151によって用紙束P’の幅方向が揃えられ、可動後端フェンス148と後端叩き爪149とにより用紙束P’の搬送方向が揃えられる整合動作が行われる。そして、用紙束P’の中央が中綴じステイプラSにより綴じ処理される。ここで、可動後端フェンス148は可動後端フェンスHP(ホームポジション)センサ152からのパルス制御により位置決めされ、後端叩き爪151は後端叩き爪HP(ホームポジション)センサ153からのパルス制御により位置決めされている。中綴じされた用紙束P’は束搬送ローラ下147の加圧が解除されたまま、可動後端フェンス148の移動に伴って上方に運ばれ、その後、綴じられた針部近傍は略直角方向に折りプレート154により押され、その対向する折りローラ155のニップへと導かれる。予め回転していた折りローラ155は、その用紙束P’を加圧搬送することで用紙束P’の中央に折りを施し、そのまま下流側の後続機に搬送する。
【0036】
図13(a)および(b)はそれぞれ、図12の符号Mで示した部分を拡大した図であり、中綴じ処理が行われた用紙束P’の冊子の折り目に対して増し折りする機構および動作の説明図である。折り目に対して折り増し処理を行う加圧ローラ156は、第1の折りローラ155の回転によって搬送路157を搬送されている中央折り処理後の用紙束(シート束)P’’の搬送方向下流側の近接した位置に設けられている。また、加圧ローラ156は、ローラ移動機構158により、用紙束搬送方向(シート搬送方向)に対して直交する方向(図の紙面に垂直な方向)に移動可能に設けられている。図13(a)に示すように、用紙束P’’は、第1の折りローラ155によって折られた後、そのまま矢印方向に搬送され、用紙束先端がセンサ159を通過してから一定パルス分だけ搬送され、図13(a)に示す位置で停止する。このとき、用紙束P’’の搬送方向先端部である折り目部Pcの停止位置は、ローラ移動機構158によって移動される加圧ローラ156の移動軌跡上にある。この図13(a)に示す位置で加圧ローラ156が用紙束搬送方向(シート搬送方向)に対して直交する方向(図の紙面に垂直な方向)に移動することにより、用紙束P’’の折り目部Pcが増し折り(加圧)され、折り目が強化される。折り目が強化された増し折り処理が終了した後、用紙束P’’は搬送ローラ160によって図13(b)の矢印方向に搬送され、下流側の後続機に向けて搬送される。一方、下流側の後続機での後処理が不要な場合は、増し折り処理後の用紙束P’’は排紙方向に搬送される。
【0037】
図14は、封入封緘された封筒のフラップについて検品を行う封筒検品装置5の内部構成の一例を示す構成図である。封筒検品装置5は、検品モード時および積載モード時において、例えば以下に示すように動作する。
<検品モード時>
まず、封筒フラップ検品装置5の上流機から排出されてきた封筒が入口センサ161で検知された後、各搬送ローラが駆動されて封筒の搬送が開始される。封筒は入口搬送路162上を搬送され、分岐爪163にて封筒の搬送方向が分岐される。封筒の封緘部であるフラップに対して検品を行う検品モードの場合、分岐爪163によって封筒は搬送ベルト166上に搬送される。ローラ168は、図示のように、その周面が搬送ベルト166に接触しており、搬送ベルト166が走行することにより滑ることなく連れて回転する。ロータリーエンコーダ167は、その回転軸がローラ168の回転軸に結合されており、両者は一体で回転する。ロータリーエンコーダ167は回転を検出して走行信号を出力するものである。搬送ベルト166の上面側には光電センサ165と変位センサ169とが設置されている。変位センサ169は封筒の搬送方向に直交する方向(図14の紙面に垂直な方向)に複数設置されている。主に、この複数の変位センサ169を用いて封筒のフラップ(封緘部)が検品されるが、その検品の具体的な方法に関しては後述する。検品が完了した後、封筒の封緘状態が正常と判断された場合、分岐爪171によって封筒は上搬送路172に搬送され、そのまま正常排出トレイ6に排出される。これに対して、封筒の封緘状態が異常と判断された場合は、分岐爪171によって封筒は下搬送路173に搬送され、そのまま異常排出トレイ7に排出される。
【0038】
<積載モード時>
封筒の封緘部分の検品を必要しない場合、ユーザーが積載モードを選択し、上記変位センサ169等による検品処理部を通過せず封筒の積載を行う。この場合も、封筒フラップ検品装置5の上流機から排出されてきた封筒が入口センサ161で検知された後、各搬送ローラが駆動されて封筒の搬送が開始される。このとき分岐爪163によって封筒は下搬送路164に搬送される。その後、封筒は、スタック排紙センサ175を通過し、スタックトレイ178上に搬送される。スタックトレイ178に搬送されてきた封筒は先端ジョガー177およびサイドジョガー178によって適切に用紙揃えが行われる。このスタックトレイ178は封筒検品装置5の前方カバーを開いているときに手前側に引き出して封筒を回収することができる。
【0039】
図15は、本実施形態の画像形成システムにおいて外部装置から画像形成装置1のハードディスクへ封入文書データの蓄積する制御を行う制御系の主要部のブロック図である。画像形成装置1の本体100に設けられた制御手段としての制御装置120は、操作パネル1A、給紙装置1Bの給紙制御部200およびハードディスク80と通信可能に接続されている。また、制御装置120は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェース(I/F)208を介して外部装置(情報処理装置)としてのパーソナルコンピューター(PC)装置と通信可能に構成され、PC装置から画像データを含む複数の印刷ジョブのデータを受信することができる。PC装置から受信した印刷ジョブのデータは、制御装置120を通して、画像形成装置1の内部のハードディスク80に記憶される。
【0040】
制御装置120は、例えばCPU、ROM、RAM等で構成することができる。CPUは、ROMに格納されたプログラムコードをRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながらプログラムコードで定義された制御を実行する。これらのCPU、ROM及びRAMや、各種センサ、各種モータ等をハードウェア資源としてプログラムを実行することにより各部の制御が行われる。また、制御装置120は、所定のプログラムおよび印刷ジョブのデータに基づき制御を実行することにより、用紙への画像形成および封筒の封入・封緘を伴う印刷ジョブを実行することができる。
【0041】
給紙装置1Bの給紙制御部200は、画像形成装置1の制御装置120との間で所定の通信インターフェース(I/F)207を介して相互に通信可能である。また、制御装置120と用紙後処理装置3の用紙後処理装置制御部210との間、その用紙後処理装置制御部210と封入封緘装置4の封入封緘装置制御部211との間、および、その封入封緘装置制御部211と封筒検品装置5の封筒検品装置制御部212との間についても、所定の通信インターフェース(I/F)209を介して相互に通信可能に構成されている。これらの給紙制御部200、用紙後処理装置制御部210、封入封緘装置制御部211および封筒検品装置制御部212は、制御装置120と同様に、例えばCPU、ROM、RAM等で構成することができ、所定のプログラムコードで定義された制御を実行することができる。以上の構成の制御系において、制御装置120は、給紙制御部200、用紙後処理装置制御部210、封入封緘装置制御部211および封筒検品装置制御部212の協働した制御が可能となっている。
【0042】
また、画像形成装置1の制御装置120および操作パネル1A、あるいは、画像形成装置1の制御装置120および所定のプリンタドライバが組み込まれた外部装置(PC)は、次の各手段(1)乃至(3)として機能することができる。
(1)封緘を伴う封入文書の印刷ジョブのグループおよび封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブのグループの実行する順序を変更する手段。
(2)封入文書の印刷ジョブの実行指示を受けた時間、その封入文書の印刷ジョブの実行指示をしたユーザー名、印刷ジョブで処理する用紙の枚数および印刷ジョブの名称の少なくとも一つに基づく印刷ジョブの実行順序の並び替えと、印刷ジョブにおける封緘の有無に基づく印刷ジョブの実行順序の並び替えとを切り換える手段。
(3)封入文書の印刷ジョブそれぞれの実行順序を変更する手段。
【0043】
図16乃至図18は、本画像形成システムにおいて指定文書の用紙への印刷および封筒への封入および封緘を伴う印刷ジョブを行うときにPCのプリンタドライバで表示される印刷画面群の説明図である。任意の封入したい文書の印刷を選択すると、PCの画面上に、図16に示す画面301が表示される。画面301上のタブ302にて、様々な印刷設定(例えば、基本設定、初期設定、仕上げ方法、ステイプル方法)を選択できるようになっている。ただし、ここでは「封入」以外の項目に関しては、本発明とは関係が薄いので省略する。タブ302の「封入」上で封入文書の蓄積設定を行うことができる。
【0044】
まず、印刷方法として選択肢303で「封入文書の蓄積」を選択する。矢印304を押す(クリックする操作の場合を含む。以下同様。)と数種類の印刷方法が画面に表示されるので、その中から選択する。選択肢303では、「封入文書の蓄積」以外に「通常印刷」「お試し印刷」などの設定が選択可能となっており、封入文書として蓄積せずに、通常の印刷モードへの遷移も容易に行うことが可能となっている。また、封入文書の印刷設定として、選択肢305にてカラー、白黒印刷の選択、選択肢306にて封筒の封緘処理(封緘有無)の選択、選択肢307にて原稿サイズの選択、選択肢309にて用紙の原稿方向を「縦」「横」のいずれかを選択、をすることができる。なお、選択肢307にて原稿サイズの選択を行う際に、必要であればその下のチェックボックス308で「変倍」にチェックすることにより、その下の灰色で記載されている変倍詳細設定が設定可能になる。
【0045】
封入文書を封入する封筒の設定は、図17の画面313上で行う。この画面313は、画面301上のボタン310「封筒の詳細」を押すことで表示される。画面313上では封筒を給紙するトレイの設定を行う。矢印316を押すと数種類のトレイが選択肢317に表示されるので、封筒が給紙されているトレイを選択する。ここでは、トレイ1にA3サイズでフラップ長が10mmの封筒がセットされた場合の例を示す。画面313の選択肢317の下には、ハードディスク80上に記録されているトレイ1の情報(封筒サイズ、フラップ長)を制御装置120を介してPC上へ表示できるようになっている。そのため、ユーザーがトレイを選択する際にどのトレイに封筒を給紙したのか、画像形成装置1の給紙トレイを確認しなくてもPCの画面上で確認できる。画面313上に表示されているそれぞれの内容は、選択肢314の「OK」を押すことで確定され、図示しないPC上のRAMへ封筒の設定が一時保存される。選択肢315の「キャンセル」を押すと、画面313は消え、画面301へ戻る。
【0046】
図18の確認画面318では、封入文書の蓄積と封筒への封入封緘の選択が可能となっている。ボタン319「はい」が押されると、画面318は消え、封入文書の封筒への封入が開始される。封緘処理が選択されていれば、封緘も行われる。一方、ボタン320の「いいえ」が押されると、文書の蓄積のみが開始され、画面301および画面318は消える。ボタン321の「キャンセル」が押されると、封入文書の蓄積のキャンセルが行われ、画面318が消え、画面301へと戻る。
【0047】
図19乃至図25は、本画像形成システムにおいてハードディスクに蓄積された封入文書の封緘有りの印刷ジョブおよび封緘無しの印刷ジョブのグループ分けを行うときにPCのプリンタドライバで表示される印刷画面群の説明図である。
ハードディスク80内に蓄積された封入文書はプリンタドライバの図16の画面301上の「蓄積文書の詳細」351にて確認することが可能となっている。この「蓄積文書の詳細」351を押すと、図19の画面352上に、ハードディスク80内に蓄積されている封入文書一覧が表示される。この例では全部で8文書の封入文書が登録されている。画面352上には、ユーザー名、文書名、印刷枚数、封緘有無、印刷順序が表示される。このとき、登録されている封入文書は封緘の有無によって「封緘無し」のグループと「封緘有り」のグループとに分けられる。このグループ分けは、画像形成装置1の制御装置120にて行われる。
【0048】
画面352上では、「封緘無し」が印刷順位の上位に表示される設定となっているが、「印刷順位の設定」353によって印刷の優先順位を設定することが可能となっている。「印刷順位の設定」353を押下すると、図20の画面354が表示される。この画面354には、現在の印刷優先順位の設定が表示される。本実施形態における初期設定(デフォルトの設定)は画面354の設定と同一である。
【0049】
画面354において「封緘無し」の文書が「封緘有り」の文書よりも印刷優先順位が高いのは、次のような理由に基づくものである。すなわち、前述の図11を用いて説明したように、封筒の封緘を行うめには高温溶融した封緘剤であるホットメルト糊28が必要であり、そのホットメルト糊28のためには、ホットメルト糊28の糊膜が表面に形成される塗布ローラとしての回転ローラ27をあらかじめ熱する時間が必要となる。そこで、「封緘無し」の封入文書の印刷ジョブである封入印刷群を先に実行することにより、その封入印刷群の封入作業している間に、上記回転ローラ27をあらかじめ熱する作業が可能になり、生産性が向上する。また、あらかじめ印刷する「封緘無し」の封入文書群がわかっているので、「封緘無し」の封入文書群の印刷ジョブの時間から逆算し、回転ローラ27のヒータへの電力供給タイミングを設定することにより、回転ローラ27のヒータへ加える電力の無駄を最小限に抑えることが可能である。
【0050】
画面354の選択肢355では「封緘有無」、「受信時間」および「ユーザー名」の3つの選択が可能となっており、印刷優先順位1および印刷優先順位2の選択設定に基づいて印刷優先順位3の設定も自動で変更される。また、選択肢356では封緘有無の設定の優先順位を「有」か「無」のいずれかを選択することが可能である。設定された内容は、選択肢357の「はい」を押すことで確定され、印刷順位設定のデータがPCから画像形成装置1へ送信される。画像形成装置1は、PCから受信した印刷順位設定のデータに基づいて各文書の印刷順位を変更し、そのデータはPC側へ参照可能とする。選択肢358の「キャンセル」を押すと、画面画面354は消え、画面354上で変更されたデータは更新されずに画面352へ戻る。
【0051】
図19の画面352上の「封緘有無」359を押下することにより、「封緘無し」の封入文書のグループが印刷順位の上位であったものを、「封緘有り」の封入文書のグループへ変更することができる(図21参照)。図21の状態から再度「封緘有無」359を押下すると、印刷の優先順位は「封緘有り」から「封緘無し」へ変更され、図19の画面へ戻る。
また、図19の画面352上の「受信時間」360を押下することにより、「受信時間」の順序で、つまり、受信時間が早い順で封入文書の印刷優先順位がソートされる(図22参照)。図22の状態から再度「受信時間」360を押下すると、受信時間が遅い順で封入文書の印刷優先順位がソートされる。
同様に、図19の画面352上の「ユーザー名」361を押下することにより、「ユーザー名」の順序で封入文書の印刷優先順位のソートも可能である。
なお、ここでは「封緘有無」、「受信時間」、「ユーザー名」の3つで印刷優先順位のソートを可能としたが、画面352上の「文書名」や「枚数」で印刷優先順位のソートをかけることもできる。
【0052】
図19の画面352上のボタン362は、画面352上で表示できる封入文書がここでは8件としているため、総文書数が9件以上であった場合に9件目以降の表示を可能とするボタンである。また、それぞれの封入文書はボタン363にて選択可能となっており、選択状態(アクティブ)になっている封入文書が1つの場合、ボタン380にて封入文書の印刷順序の変更が可能となっている。
【0053】
図19の状態でボタン380を押下すると、図23の画面381が表示される。画面381には、アクティブな封入文書の詳細が記載されている。印刷順序の設定を変更するには、選択肢382から印刷順序を選択すればよい。また、図16の画面301上にあるボタン310の「封筒の詳細」で設定した封筒の設定も、選択肢383にて変更可能となっている。画面381でボタン384の「OK」を押下すると、封入順序の変更あるいは封筒の給紙トレイの変更が行われ、同時にハードディスク80から削除する命令をPCから画像形成装置1へ送信し、図19の画面352へ戻る。ボタン376の「キャンセル」を押下すると、編集処理はされずに図19の画面352へと戻る。
【0054】
また、図19の画面352上で選択状態(アクティブ)になっている封入文書は、ボタン364で削除が可能となっている。例えば、図19の画面352の状態でボタン364を押下すると、文書1は削除され、画面352上から消える。ただし、ボタン365の「OK」が押下されるか、ボタン367の「印刷」により印刷されない限り、画像形成装置1上のハードディスク80から封入文書のデータは削除されない。
【0055】
図19の画面352上ですべての封入文書をアクティブにするには、ボタン368の「すべての文書を選択」を押下すればよい。また、すべての封入文書がアクティブになっている状態でボタン368の「すべての文書を選択」を押下すると、すべての封入文書は非選択状態になる。
【0056】
図19の画面352上のボタン365の「OK」が押下されると、封入文書の印刷順序と削除した封入文書の更新データがPCから画像形成装置1へ送信され、制御装置120を通してハードディスク80の内容が更新され、図16の画面301へ戻る。図19の画面352上のボタン366の「キャンセル」が押下されると、画面352上で行われた情報は更新されず(印刷順序の設定は除く)、図16の画面301へ戻る。
【0057】
図19の画面352上のボタン367の「印刷」は、いずれかの1つの封入文書363がアクティブな状態で押下可能であり、図19の画面352の例では「文書1」のみが印刷される状態である。ボタン367の「印刷」を押下すると、図24の画面370が表示される。画面370でボタン371の「はい」を押下すると、図19の画面352上のアクティブな封入文書が印刷順序に従って印刷する状態となり、図25の画面373が表示される。図24の画面370でボタン372の「キャンセル」を押下すると、印刷はされずに図19の画面352へと戻る。
【0058】
図25の画面373では、印刷した封入文書を画像形成装置1のハードディスク80から削除するか選択することができる。ボタン374の「はい」を押下すると、図19の画面352上のアクティブな封入文書が印刷され、同時にハードディスク80から削除する命令をPCから画像形成装置1へ送信し、図16の画面301へ戻る。また、図25の画面373でボタン375の「いいえ」を押下すると、図19の画面352上のアクティブな封入文書が印刷され、図16の画面301へ戻る。また、図25の画面373でボタン376の「キャンセル」を押下すると、印刷はされずに、図19の画面352へと戻る。
【0059】
なお、本実施形態では、PCのプリンタドライバで上記各種の設定およびその変更を行う例について説明したが、画像形成装置1の操作パネル1Aを操作して上記設定およびその変更を行うようにしてもよい。
【0060】
図26は、図20に示す印刷優先順位の設定がされた場合に、PCから制御装置120へ封入文書Xが送信されたときの制御装置120における印刷優先順位を決定する制御の一例を示すフローチャートである。
PCから画像形成装置1の制御装置120に、封入文書Xの印刷ジョブのデータが送信される(S101)と、制御装置120は、PCから受信したデータに基づいて、ハードディスク80に封入文書のデータが保存されているか否かを判断する(S101,S102)。ここで、ハードディスク80に封入文書のデータが保存されていない場合(S102でNO)は、封入文書Xの印刷順位を「1」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存し(S103)、終了する。
【0061】
一方、ハードディスク80に封入文書のデータが保存されている場合(S102でYES)は、更に、封入文書Xの封緘が「無」か否かを判断する(S104)。封入文書Xの封緘が「無」の場合(S104でYES)は、更に、他の封緘「無」の封入文書があるか否か、すなわち他の封緘「無」の封入文書のデータがハードディスク80に保存されているか否かを判断する(S105)。他の封緘「無」の封入文書がある場合(S105でYES)は、その封緘「無」の封入文書を受信時間が古い順にソートし(S106)、封入文書Xは封緘「無」の封入文書の中でn番目に古いとすると(S107)、封入文書Xの順位を「n」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存する(S108)。そして、印刷順位がn以上であった上記他の封緘「無」の封入文書すべてに対して印刷順位を+1の順位に修正し(S109)、終了する。
【0062】
上記ステップS105で、他の封緘「無」の封入文書がない場合(S105でNO)は、封入文書Xの順位を「1」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存する(S110)。そして、印刷順位が2以上の封入文書すべてに対して印刷順位を+1の順位に修正する(S111)。
【0063】
上記ステップ104で、封入文書Xの封緘が「無」でない場合、すなわち封入文書Xの封緘が「有」である場合(S104でNO)は、更に、他の封緘「有」の封入文書があるか否か、すなわち他の封緘「有」の封入文書のデータがハードディスク80に保存されているか否かを判断する(S112)。他の封緘「有」の封入文書がある場合(S112でYES)は、その封緘「有」の封入文書を受信時間が古い順にソートし(S113)、封入文書Xは封緘「有」の封入文書の中でm番目に古いとすると(S114)、封入文書Xの順位を封緘「無」の封入文書の総数「p」+「m」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存する(S115)。そして、印刷順位が「p」+「m」以上の封入文書すべてに対して印刷順位を+1の順位に修正する(S116)。
【0064】
上記ステップS112で、他の封緘「有」の封入文書がない場合(S112でNO)は、封緘「無」の封入文書の総数「p」+「1」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存し(S117)、終了する。
【0065】
以上、本実施形態によれば、封緘を伴う複数の封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの封入文書の印刷ジョブとが混在する場合、封緘を伴う封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブとにグループ分けして印刷ジョブを実行する順序を制御することにより、封緘を伴う複数の封入文書の印刷ジョブのグループについて各印刷ジョブを連続して実行できる。従って、封緘のための初期立ち上げ動作は、封緘を伴う複数の封入文書の印刷ジョブのグループを実行する前に1回だけ行えばよくなるので、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止することができる。しかも、封緘を伴う封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブとを交互に行う場合とは異なり、封緘を伴う封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブとの切り換えも1回で済むため、ジョブ切り換えに起因した生産性の低下を抑制することができる。よって、封緘を伴う複数の封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの封入文書の印刷ジョブとが混在する場合でも、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止するとともに、封緘済み封筒の生産性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、外部装置のPC又は操作パネル1Aを操作することにより、封緘を伴う封入文書の印刷ジョブのグループおよび封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブのグループの実行する順序を任意に変更することができるので、封入文書の印刷ジョブの実行順序について自由度を確保できる。
また、本実施形態によれば、外部装置のPC又は操作パネル1Aを操作することにより、封入文書の印刷ジョブの実行指示を受けた時間、その封入文書の印刷ジョブの実行指示をしたユーザー名、印刷ジョブで処理する用紙の枚数および印刷ジョブの名称の少なくとも一つに基づく印刷ジョブの実行順序の並び替えと、印刷ジョブにおける封緘の有無に基づく印刷ジョブの実行順序の並び替えとを、外部装置のPC又は操作パネル1Aを操作して切り換えることができるので、封入文書の印刷ジョブの実行順序について更に自由度を確保できる。
また、本実施形態によれば、封入文書の印刷ジョブの実行順序の並び替えの初期設定を、封緘の有無に基づく封入文書の印刷ジョブの実行順序の並び替えにすることにより、画像形成システムの初期状態を、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止し封緘済み封筒の生産性の低下を抑制することができ状態にすることができる。
また、本実施形態によれば、外部装置のPC又は操作パネル1Aを操作することにより、封入文書の印刷ジョブそれぞれの実行順序を任意に変更することができるので、封入文書の印刷ジョブの実行順序について更に自由度を確保できる。
また、本実施形態によれば、封緘を伴わない印刷ジョブを優先して実行することにより、封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブを実行している間に、封緘に必要な準備動作が可能になり、生産性が更に向上する。また、あらかじめ封緘無しの封入文書群がわかっているので、その封緘無しの封入文書群の印刷ジョブの時間から逆算し、封緘に必要な準備動作の開始タイミングを設定することができるようになり、封緘に必要な準備動作時に必要な電力の無駄を最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 画像形成装置
1A 操作パネル
1B 給紙装置
3 用紙後処理装置
4 封入封緘装置
5 封筒検品装置
80 ハードディスク
120 制御装置
200 給紙制御部
207 通信インターフェース(I/F)
208 通信インターフェース(I/F)
209 通信インターフェース(I/F)
210 用紙後処理装置制御部
211 封入封緘装置制御部
212 封筒検品装置制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開平9−058619号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、封筒への封入および封筒の封緘の機能を有する画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成システムとして、ビン等の用紙積載手段上に積載した用紙を封筒内に詰め込んで封入し、用紙を封入した封筒を自動的に封緘することができる用紙後処理装置を備えたものが知られている。また、特許文献1には、内容物が収納された封筒のフラップに封緘剤である粘着性を有する液状の糊を付け、フラップを折り返して封筒に押圧して封緘する封筒封緘機であって、その糊の供給量を任意に調節できる封筒封緘装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の画像形成システムの用紙後処理装置として、特許文献1の封筒封緘機のように粘着性を有する液状の封緘剤を封筒のフラップに付けて封緘するものを用いる場合、次のような問題がある。すなわち、封筒への糊付けが必要な封緘を伴う画像形成ジョブと、封緘を伴なわない画像形成ジョブとが混在していると、封緘を伴う画像形成ジョブを実行するたびに封緘の糊付け準備のイニシャル動作(初期立ち上げ動作)が必要になり、電力が無駄になるという問題がある。また、封筒への糊付けが必要な封緘を伴う画像形成ジョブと、封緘を伴なわない画像形成ジョブとを交互に実行すると、ジョブの切り換え動作のための時間が無駄になり、生産性が低下するという問題がある。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、封緘を伴う複数の画像形成ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在する場合でも、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止するとともに、封緘済み封筒の生産性の低下を抑制することができる画像形成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、封筒を供給する封筒供給手段と、前記封筒に封入する用紙を供給する用紙供給手段と、前記用紙又は前記封筒に画像を形成する画像形成手段と、前記封筒に前記用紙を封入する封入手段と、前記用紙が封入された封筒に封緘剤を付けて封緘する封緘手段と、を備えた画像形成システムであって、前記封緘を伴う複数の画像形成ジョブと前記封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在した場合に、前記封緘を伴う画像形成ジョブと前記封緘を伴わない画像形成ジョブとにグループ分けして各画像形成ジョブを実行する順序を制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成システムにおいて、前記封緘を伴う画像形成ジョブのグループおよび前記封緘を伴わない画像形成ジョブのグループの実行する順序を変更する手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の画像形成システムにおいて、画像形成ジョブの実行指示を受けた時間、画像形成ジョブの実行指示をしたユーザー名、画像形成ジョブで処理する用紙の枚数および画像形成ジョブの名称の少なくとも一つに基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えと、画像形成ジョブにおける封緘の有無に基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えとを切り換える手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成システムにおいて、前記画像形成ジョブの実行順序の並び替えの初期設定は、前記封緘の有無に基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えであることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの画像形成システムにおいて、前記複数の画像形成ジョブそれぞれの実行順序を変更する手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの画像形成システムにおいて、前記制御手段は、前記封緘を伴わない画像形成ジョブを優先して実行するように制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、封緘を伴う複数の画像形成ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在する場合、封緘を伴う画像形成ジョブと封緘を伴わない画像形成ジョブとにグループ分けして画像形成ジョブを実行する順序を制御することにより、封緘を伴う複数の画像形成ジョブのグループについて各画像形成ジョブを連続して実行できる。従って、封緘のための初期立ち上げ動作は、封緘を伴う複数の画像形成ジョブのグループを実行する前に1回だけ行えばよくなるので、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止することができる。しかも、封緘を伴う画像形成ジョブと封緘を伴わない画像形成ジョブとを交互に行う場合とは異なり、封緘を伴う画像形成ジョブと封緘を伴わない画像形成ジョブとの切り換えも1回で済むため、ジョブ切り換えに起因した生産性の低下を抑制することができる。よって、封緘を伴う複数の画像形成ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在する場合でも、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止するとともに、封緘済み封筒の生産性の低下を抑制することができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの主要部の構成を示す概略構成図。
【図2】同画像形成システムの給紙装置の内部の構成例を示す拡大構成図。
【図3】同給紙装置の駆動制御系の一例を示すブロック図。
【図4】同給紙装置にセットされる封筒の表面及び裏面を示す説明図。
【図5】同給紙装置のトレイの横断面図。
【図6】本実施形態の画像形成システムの封入封緘装置の内部構成の一例を示す構成図。
【図7】同封入封緘装置における封筒チャック部の構成を示す説明図。
【図8】同封筒チャック部において封筒が開口部を開封マイラーの下端よりも下側にして保持された状態を示す説明図。
【図9】同封筒チャック部において封筒内に開封マイラーの下端が入り込んだ状態を示す説明図。
【図10】同封筒チャック部において封筒内に開封マイラーの下端が入り込んだ状態を示す斜視図。
【図11】(a)は、封入封緘装置の糊塗布ユニットの概略構成を示す説明図。(b)は、同糊塗布ユニットにおいてメルトタンクが上昇した様子を示す説明図。
【図12】本実施形態の画像形成システムの用紙後処理装置の内部構成の一例を示す構成図。
【図13】(a)および(b)はそれぞれ、中綴じ処理が行われた用紙束の冊子の折り目に対して増し折りする機構および動作の説明図。
【図14】本実施形態の画像形成システムの封筒検品装置の内部構成の一例を示す構成図。
【図15】本実施形態の画像形成システムにおいて外部装置から画像形成装置のハードディスクへ封入文書データの蓄積する制御を行う制御系の主要部のブロック図。
【図16】印刷ジョブの基本設定を行う印刷画面の一例を示す説明図。
【図17】封筒の詳細設定を行う画面の一例を示す説明図。
【図18】封入・封緘の印刷ジョブ開始を指示する画面の一例を示す説明図。
【図19】封入文書一覧の画面の一例を示す説明図。
【図20】印刷順位の設定画面の一例を示す説明図。
【図21】封入文書一覧の画面の他の例を示す説明図。
【図22】封入文書一覧の画面の更に他の例を示す説明図。
【図23】封入文書の編集画面の一例を示す説明図。
【図24】封入文書の印刷開始画面の一例を示す説明図。
【図25】印刷した封入文書の削除画面の一例を示す説明図。
【図26】本実施形態の画像形成システムの制御装置における印刷優先順位を決定する制御の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成システムの主要部の構成を示す概略構成図である。本実施形態では、封筒に用紙を封入する後処理手段としての封入装置を具備した画像形成システムを例にとって説明する。
【0009】
本実施形態の画像形成システムは、図1に示すように電子写真方式の画像形成手段である複合機(MFP)型の画像形成装置1を備える。画像形成装置1の上部には、画像形成ジョブ(以下、「印刷ジョブ」又は「ジョブ」という。)の内容を表示する表示部およびユーザーが印刷ジョブの操作を行う操作部として機能する操作パネル(OP)1Aおよび原稿自動給紙装置:ADF(Auto Document Feeder)2が装着されている。また、画像形成装置1は複数段の給紙装置1Bを備えている。給紙装置1Bは、用紙を供給する用紙供給手段および用紙が封入される封筒を供給する封筒供給手段として機能する。
【0010】
画像形成装置1の側方には、用紙後処理装置3が連結されている。用紙後処理装置3では、画像形成装置1から搬送されてきた用紙にユーザーが任意に選択した後処理が施される。用紙後処理装置3の画像形成装置1とは反対側の側方には封入封緘装置4が連結されている。封入封緘装置4は封入手段および封緘手段として機能し、用紙後処理装置3で後処理を施された用紙または用紙束を封筒に封入し封緘を行う。なお、本実施形態では、中折りもしくは中綴じの冊子を封筒に封入する場合について説明する。
【0011】
封筒およびその封筒に封入される封入物としての用紙は、画像形成装置1の複数段の給紙装置1Bのいずれかにそれぞれセットされており、画像形成装置1から封入封緘装置4へそれぞれ搬送される。
【0012】
また、封入封緘装置4の用紙後処理装置3とは反対側の側方には、封筒検品装置5が連結されている。封筒検品装置5は、封入封緘された封筒のフラップについて検品を行い、正常と判断された場合は封筒を排出トレイ6へ排出し、異常と判断された場合には封筒を排出トレイ7へ排出する。
【0013】
図2は、給紙装置1Bの内部の構成例を示す拡大構成図であり、図3は、給紙装置1Bの駆動制御系の一例を示すブロック図である。また、図4は、給紙装置1Bにセットされる封筒Pfの表面及び裏面を示す説明図であり、図5は、給紙装置1Bのトレイ24の横断面図である。なお、図2〜図5では封筒Pfをセットした給紙装置1Bについて例示しているが、用紙がセットされた他の段の給紙装置についても同様に構成することができる。
【0014】
図2及び図3において、給紙装置1Bは、駆動系として、トレイ124の可動テーブル103を駆動する底板上昇モータ205と、ピックアップローラ107を駆動するピックアップモータ201と、給紙モータ202と、中間搬送モータ203とを備えている。給紙モータ202は、給紙ベルト109、リバースローラ110及びプルアウトローラ112を駆動する。中間搬送モータ203は、第1中間ローラ114及び第2中間ローラ115を駆動する。
【0015】
また、給紙装置1Bは、検知手段として、封筒Pfのサイズを検知するサイズ検知センサ130と、封筒Pfのセット検知用の封筒セットセンサ105と、可動テーブル103の上限検知用のテーブル上昇検知センサ108と、スキュー補正用の突き当てセンサ111と、封筒の識別情報(例えばバーコード)を読み取るCIS(Contact Image Sensor)読み取り用のレジストセンサ113とを備えている。
【0016】
図3に示すように、給紙装置1Bの駆動制御系の構成は、給紙制御部200を中心に構成されている。給紙制御部200には、サイズ検知センサ130、封筒セットセンサ105、突き当てセンサ111、テーブル上昇センサ108、底板ホームポジションセンサ106、レジストセンサ113、ピックアップモータ201、給紙モータ202、中間搬送モータ203及び底板上昇モータ205が接続されている。
【0017】
給紙制御部200および画像形成装置本体側の制御手段としての制御装置120はそれぞれ、例えばCPU、ROM、RAM等で構成することができる。CPUは、ROMに格納されたプログラムコードをRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながらプログラムコードで定義された制御を実行する。これらのCPU、ROM及びRAMや、各種センサ、各種モータ等をハードウェア資源としてプログラムを実行することにより各部の制御が行われる。また、給紙制御部200は、画像形成装置1の本体側の制御装置120との間で所定の通信インターフェース(I/F)207を介して相互に通信可能であり、給紙制御部200及び制御装置120の協働した制御が可能となっている。
【0018】
封筒Pfは、トレイ124の可動テーブル103および底板125上にセットされる。より詳しくは、封筒Pfは、図4に示すように封筒Pfの表面Pfaを上向きにし、封筒PfのフラップPfcが給紙方向Pfdとは逆側に位置する状態にしてセットされる。また、封筒Pfの搬送方向と直交する幅方向は、図示しないサイドガイドによって位置決めされる。封筒のセットはセットフィラー102及び封筒セットセンサ105により検知され、給紙制御部200を介して制御装置120に送信される。
【0019】
また、図5に示すように、トレイ124の底板125上に載置された封筒Pfは、ガイドロッド126に沿って矢示A方向にスライド可能な一対のサイドガイド127,128によって挾むことにより、底板125の中央位置にセットされる。その底板125の下側には、サイドガイド128の位置を検知することにより底板125上の用紙サイズを検知するサイズ検知センサ130(例えば可変抵抗型位置センサ)が配設されている。制御装置120又は給紙制御部200は、サイズ検知センサ130によって検知された値を例えば内部メモリに予め記憶されているサイズデータと比較することにより、底板125上にセットされている封筒Pfのサイズを認識することができる。
【0020】
可動テーブル103は、底板上昇モータ205により、底板25側の端部(図3中の左端部)を支点にしてa、b方向に上下動可能(揺動可能)に構成されている。制御装置120又は給紙制御部200は、封筒Pfがセットされたことをセットフィラー102及びセットセンサ105により検知すると、底板上昇モータ205を正転させて封筒Pfの束の最上面がピックアップローラ107と接触するように可動テーブル103を上昇させる。ピックアップローラ107は、ピックアップモータ201により、カム機構によって図3中に示すc、d方向に動作するとともに、可動テーブル103の封筒排出側が上昇し、可動テーブル103上の封筒Pfの上面により押されてc方向に上がる。テーブル上昇検知センサ108は、このピックアップローラ107の上限位置を検知し、これにより可動テーブル103の上昇上限位置を検知可能となっている。オペレータがOP104のプリントキーを押下すると、制御装置120からI/F207を介して給紙制御部200に封筒給紙信号が送信され、ピックアップローラ107は給紙モータ202の正転により回転駆動され、底板125上の封筒Pfがピックアップされる。回転方向は、最上位の封筒Pfを給紙口に搬送する方向である。
【0021】
給紙ベルト109は給紙モータ202の正転により給紙方向に駆動され、リバースローラ110は給紙モータ202の正転により給紙と逆方向に回転駆動され、最上位の封筒とその下の封筒を分離して、最上位の封筒のみが給紙される。さらに詳しく説明すると、リバースローラ110は給紙ベルト109と所定圧で接し、給紙ベルト109との直接接しているとき、又は封筒1枚を介して接しているときには、給紙ベルト109の回転に応じて反時計方向に連れ回りする。一方、2枚以上の封筒Pfが給紙ベルト109とリバースローラ110の間に侵入したときは、連れ回り力がトルクリミッターのトルクよりも低くなるように設定されているので、リバースローラ110は本来の駆動方向である時計方向に回転し、余分な封筒を押し戻す働きをし、重送が防止される。
【0022】
給紙ベルト109とリバースローラ110との作用により1枚に分離された封筒Pfは給紙ベルト109によって更に送られ、突き当てセンサ111によって先端が検知され、更に進んで停止しているプルアウトローラ112に突き当たる。その後、突き当てセンサ111の検知位置から予め設定した所定の距離だけ送られ、結果的には、プルアウトローラ112に所定量の撓みを持って押し当てられた状態で給紙モータ202を停止させ、給紙ベルト109の駆動を停止させる。このとき、ピックアップモータ201を回転させることでピックアップローラ107を封筒上面から退避させる。これにより、封筒Pfが給紙ベルト109の搬送力のみで送られ、封筒先端は、プルアウトローラ112の上下ローラ対のニップに進入し、封筒Pfの先端の整合(スキュー補正)が行われる。
【0023】
プルアウトローラ112は、前記スキュー補正機能を有するとともに、分離後にスキュー補正された封筒Pfを第1中間ローラ114まで搬送するためのローラで、給紙モータ202の逆転により駆動される。また、このとき(給紙モータ202逆転時)、プルアウトローラ112と中間ローラ114は駆動されるが、ピックアップローラ107と給紙ベルト109はいずれも駆動されていない。
【0024】
図6は、封入封緘装置4の内部構成の一例を示す構成図である。
<封筒の処理・搬送>
図6の封入封緘装置4において、封筒は次のように搬送される。給紙装置1Bにセットされた封筒は画像形成装置1内に給紙され、宛名等を画像形成された後に用紙後処理装置3を経由して封入装置4へ搬送される。封筒はまず入口搬送路9に搬入されてくる。入口センサ8Aにて封筒が検知されて後、各搬送ローラが駆動して封筒の搬送が開始される。分岐爪11は上搬送路12に導く位置へ移動しており、封筒は下搬送路12へ搬送されていく。更に分岐爪13は封筒搬送路14に導く位置へ移動しており、封筒は封筒搬送路14へ搬送されていく。チャックコロ対23にて封筒のフラップを噛んだ状態に保持し、封入物が封入されてくるのを待つ。このとき、揺動コロ対25は矢印の方向へ退避しており、封筒とは接しない位置にいる。
【0025】
<封入物の処理・搬送>
また、図6の封入封緘装置4において、封筒に封入される封入物は次のように処理されて搬送される。ADF2にて原稿が読み取られた後、対応する用紙が給紙装置1Bから画像形成装置1内に給紙され、画像形成された後に用紙後処理装置3を経由して封入封緘装置4へ搬送される。封入物が単一の用紙、または端綴じ処理が施された用紙束の場合、入口搬送路9に搬入されてくる。入口センサ8Aにて封入物が検知された後、各搬送ローラが駆動して封入物の搬送が開始される。封入物が用紙後処理装置3で中綴じ処理を施された冊子の場合は、入口搬送路10に搬入されてくる。この場合、入口センサ8Bにて封入物が検知された後、各搬送ローラが駆動して封入物の搬送が開始され、分岐爪11は上搬送路12に導く位置へ移動しており、封入物は上搬送路12へ搬送され、その後は単一の用紙、または端綴じ処理が施された用紙束と同じ搬送路を辿る。封入物が搬送路12に搬送された後、更に分岐爪13は封入物搬送路15に導く位置へ移動しており、封入物は封入物搬送路15へ搬送されていく。封入物は封入物排紙センサ16を通過し、中間トレイ18へ排出される。中間トレイ18に排出された後、戻しコロ17は中間トレイ18に接する位置へ移動し、封入物を後端ストッパ21の方向へ搬送する。搬送完了後、サイドジョガー対20にて整合動作を行う。封筒に封入する全ての封入物が揃うまで同じ動作を繰り返す。
【0026】
<封入処理>
また、図6の封入封緘装置4において、封入物の封筒への封入は次のように行われる。封入物が全て中間トレイ18上に積載された後、後端ストッパ21は矢印の方向へ退避する。退避後、先端ストッパ19は矢印の方向へ移動を開始し、封入物束はパックユニット22内へ搬送される。パックユニット22への搬送が完了した後、パックユニット22は矢印の方向へ移動し、チャックコロ対23部にある封筒へパックユニット22内の搬送ローラにて搬送され封入される。封入完了後、揺動コロ対25は矢印と逆方向に移動し、封筒を搬送路26へ搬送を開始する。
【0027】
<封緘処理>
また、図6の封入封緘装置4において、封入物が封入された封入された封筒の封緘は次のように行われる。封入物が封入された封筒は搬送路26を経由し、封筒方向転換ポケット29内に挿入され、その封筒方向転換ポケット29の下端に設けられたセンサ30により封筒の挿入が検知される。封筒が封筒方向転換ポケット29に挿入された後、封筒のフラップに糊塗布ローラ27が接触し、フラップに糊付けする。封緘する場合は、あらかじめ糊塗布ローラ27を過熱し、粘着性を有する封緘剤としての糊による接着が可能な状態にしておく必要がある。糊塗布ローラ27によりフラップが糊付けされると、封筒方向転換ポケット29内に一旦収納された封筒は、フラップが未だ開いている状態で、フラップから駆動排出ローラ31及び従動排出ローラ32の回転により、これらのローラ31,32間に噛み込まれ、フラップが封筒に重ねられてローラ31,32間の押圧力により両者が接着固定される。そして、この封緘された封筒はローラ32,33間を通り、排出搬送路34を搬送され、封入封緘装置4の下流機に搬送される。
【0028】
図7は、封入封緘装置4における封筒チャック部38の構成を示す説明図である。封筒チャック部38は、図7に示すように上,下方向に互いに圧接して回転可能な一対のチャックコロ23,36(ローラであってもよい)を備える。また、封筒チャック部38は、チャックコロ23,36のニップ部に封筒Pfを案内する封筒ガイド35,39と、そのニップ部の搬送上流側に配設された封筒検知用センサ37とが設けられ、その下側のチャックコロ23の一部に弾性変形可能なシート状の開封部材となる開封マイラー24の一部が当接されている。
【0029】
開封マイラー24は、チャックコロ23,36によって保持される封筒Pfの開口部内に一部を挿入させることによって封筒を開封し得る位置に配設されている。チャックコロ23,36は、略垂直方向に配置されて互いに圧接している。また、封筒ガイド35,39は、封筒Pfを縦搬送路40から用紙が移送される位置へ案内してチャックコロ23と36のニップ部へ導くと共に、そのチャックコロ23,36に達した封筒Pfをさらに下方へ導き、その際に封筒Pfを下側のチャックコロ23に略沿わせて案内する。
【0030】
開封マイラー24は、例えば薄いフィルム状の樹脂材で形成され、それがチャックコロ23に近接して配設され、その上端側が固定されている。開封マイラー24は、通常は下端部より少し上側の部分が下側のチャックコロ23に材料自身の持つ弾性力によって所定の加圧力で当接しているが、用紙Pを封筒Pf内へ案内する際には、後述の図9に示すように下端24a側が封筒の開口部Pon内に挿入され、パックユニット22によって移送される用紙Pがその開口部Pon内に導かれる。封筒チャック部38は、封筒Pfが下方へ向けて搬送されてくると、それを封筒ガイド35,39によってチャックコロ23,36間に案内する。次に、その封筒Pfは、それぞれ回転するチャックコロ23,36の搬送力によってチャックコロ23と開封マイラー24の間へ送られる。
【0031】
図8は、封入封緘装置4の封筒チャック部38において封筒Pfが開口部Ponを開封マイラー24の下端よりも下側にして保持された状態を示す説明図である。また、図9は、封入封緘装置4の封筒チャック部38において封筒Pf内に開封マイラー24の下端が入り込んだ状態を示す説明図である。また、図10は、封入封緘装置4の封筒チャック部38において封筒Pf内に開封マイラー24の下端が入り込んだ状態を示す斜視図である。
封筒Pfのフラップ(封筒代)Pfcの部分が図8に示すようにチャックコロ23,36によって互いに挾持される位置になったときに、封筒検知用センサ37がフラップPfcの端部の通過を検知すると、チャックコロ23,36は回転を停止するため、封筒Pfが停止する。このとき、封筒Pfの開口部Ponは図8に示すように開封マイラー24の下端24aよりも下側に位置する。
【0032】
次に、チャックコロ23,36が図8の矢示E方向にそれぞれ逆回転を始め、封筒Pfがスイッチバックして縦搬送路11を昇るようになる。その際、開封マイラー24は自己の弾性力によって下端側が封筒のフラップPfcの部分に接しているので、開封マイラーの下端24aが図9に示すように封筒Pfの開口部Pon内に入り込む。この状態で、チャックコロ23,36の逆回転が停止して封筒Pfの上昇が止まる。したがって、封筒Pfは、図10に示すように開封マイラー21の下端21aが封筒Pfの開口部Pon内に挿入された開封状態にセットされる。
【0033】
図11(a)は、封入封緘装置4の糊塗布ユニット60の概略構成を示す説明図である。また、図11(b)は、同糊塗布ユニット60においてメルトタンク61が上昇した様子を示す説明図である。メルトタンク61には、高温溶融した封緘剤としてのホットメルト糊28が収容され、このメルトタンク61内のホットメルト糊28を塗布部材としての回転ローラ(塗布ローラ)27の表面にまとわせて糊膜を形成する。この回転ローラ27の糊膜を封筒PfのフラップPfcに接触させて糊塗布を行う。ホットメルト糊28を加熱する加熱手段としてのヒータおよびホットメルト糊28の温度を測定する温度測定手段としての温度計は回転ローラ27の軸71の内部に設置され、ホットメルト糊28は一定の温度を保つことが可能となっている。回転ローラ27を図11(a)に示す方向に回転させると、ホットメルト糊28は板状の掻き取り部材である板金72でかき取られ、必要な分だけ回転ローラ27にホットメルト糊28が塗布される。糊塗布ユニット60内のメルトタンク61は、筐体62のバネ63に支持されている。駆動手段としてのソレノイド(SOL)64を動作させて図示矢印の方向に可動軸を引くと、支持点65を中心に板材66が回動し、メルトタンク61が上昇する構成となっている(図11(b)参照)。また、メルトタンク61上昇する際にボス67が切り欠き部68を摺動し、ボス69が筐体62と筐体63との間で上下動する。
【0034】
図12は、用紙後処理装置3の内部構成の一例を示す構成図である。なお、以下の図12を用いた説明では、用紙Pに中綴じ処理を行う中綴じ処理動作について重点的に説明する。
搬送路Aから分岐爪135および分岐爪136で振り分けられた用紙は、搬送路Bに導かれ、搬送ローラ137、搬送ローラ138、搬送ローラ139、スティプル排紙ローラ140により、処理トレイTに排出される。処理トレイTでは、排紙ローラ140により順次排出される用紙を整合し、スティプル(中綴じ)する直前までは、同様の動作をする。用紙束が処理トレイTで仮整合された後、用紙束の先端部は放出ローラ143と分岐ガイド板141の端部に取り付けられた加圧コロ141aとにより挟持され、分岐ガイド板141と可動ガイド142とが回動することで処理トレイCへ導かれる経路を通過するべく、再度、放出爪145と放出ローラ143とにより下流へ搬送される。この放出ローラ143は放出ベルト144の駆動軸に設けられており、放出ベルト144と同期して駆動される。
【0035】
その後、用紙束は、その後端が放出ローラ143を通過するまで放出爪145によって運ばれ、さらに束搬送ローラ上146と束搬送ローラ下147とによって搬送される。そのとき、各用紙束の搬送方向のサイズに応じて可動後端フェンス148の停止位置が異なって待機している。待機している可動後端フェンス148に用紙束P’の先端が当接してスタックされたとき、束搬送ローラ下147の圧が解除され、後端叩き爪149により用紙束の後端を叩いて搬送方向の最終的な揃えを行う。すなわち、中綴じジョガーフェンス150、151によって用紙束P’の幅方向が揃えられ、可動後端フェンス148と後端叩き爪149とにより用紙束P’の搬送方向が揃えられる整合動作が行われる。そして、用紙束P’の中央が中綴じステイプラSにより綴じ処理される。ここで、可動後端フェンス148は可動後端フェンスHP(ホームポジション)センサ152からのパルス制御により位置決めされ、後端叩き爪151は後端叩き爪HP(ホームポジション)センサ153からのパルス制御により位置決めされている。中綴じされた用紙束P’は束搬送ローラ下147の加圧が解除されたまま、可動後端フェンス148の移動に伴って上方に運ばれ、その後、綴じられた針部近傍は略直角方向に折りプレート154により押され、その対向する折りローラ155のニップへと導かれる。予め回転していた折りローラ155は、その用紙束P’を加圧搬送することで用紙束P’の中央に折りを施し、そのまま下流側の後続機に搬送する。
【0036】
図13(a)および(b)はそれぞれ、図12の符号Mで示した部分を拡大した図であり、中綴じ処理が行われた用紙束P’の冊子の折り目に対して増し折りする機構および動作の説明図である。折り目に対して折り増し処理を行う加圧ローラ156は、第1の折りローラ155の回転によって搬送路157を搬送されている中央折り処理後の用紙束(シート束)P’’の搬送方向下流側の近接した位置に設けられている。また、加圧ローラ156は、ローラ移動機構158により、用紙束搬送方向(シート搬送方向)に対して直交する方向(図の紙面に垂直な方向)に移動可能に設けられている。図13(a)に示すように、用紙束P’’は、第1の折りローラ155によって折られた後、そのまま矢印方向に搬送され、用紙束先端がセンサ159を通過してから一定パルス分だけ搬送され、図13(a)に示す位置で停止する。このとき、用紙束P’’の搬送方向先端部である折り目部Pcの停止位置は、ローラ移動機構158によって移動される加圧ローラ156の移動軌跡上にある。この図13(a)に示す位置で加圧ローラ156が用紙束搬送方向(シート搬送方向)に対して直交する方向(図の紙面に垂直な方向)に移動することにより、用紙束P’’の折り目部Pcが増し折り(加圧)され、折り目が強化される。折り目が強化された増し折り処理が終了した後、用紙束P’’は搬送ローラ160によって図13(b)の矢印方向に搬送され、下流側の後続機に向けて搬送される。一方、下流側の後続機での後処理が不要な場合は、増し折り処理後の用紙束P’’は排紙方向に搬送される。
【0037】
図14は、封入封緘された封筒のフラップについて検品を行う封筒検品装置5の内部構成の一例を示す構成図である。封筒検品装置5は、検品モード時および積載モード時において、例えば以下に示すように動作する。
<検品モード時>
まず、封筒フラップ検品装置5の上流機から排出されてきた封筒が入口センサ161で検知された後、各搬送ローラが駆動されて封筒の搬送が開始される。封筒は入口搬送路162上を搬送され、分岐爪163にて封筒の搬送方向が分岐される。封筒の封緘部であるフラップに対して検品を行う検品モードの場合、分岐爪163によって封筒は搬送ベルト166上に搬送される。ローラ168は、図示のように、その周面が搬送ベルト166に接触しており、搬送ベルト166が走行することにより滑ることなく連れて回転する。ロータリーエンコーダ167は、その回転軸がローラ168の回転軸に結合されており、両者は一体で回転する。ロータリーエンコーダ167は回転を検出して走行信号を出力するものである。搬送ベルト166の上面側には光電センサ165と変位センサ169とが設置されている。変位センサ169は封筒の搬送方向に直交する方向(図14の紙面に垂直な方向)に複数設置されている。主に、この複数の変位センサ169を用いて封筒のフラップ(封緘部)が検品されるが、その検品の具体的な方法に関しては後述する。検品が完了した後、封筒の封緘状態が正常と判断された場合、分岐爪171によって封筒は上搬送路172に搬送され、そのまま正常排出トレイ6に排出される。これに対して、封筒の封緘状態が異常と判断された場合は、分岐爪171によって封筒は下搬送路173に搬送され、そのまま異常排出トレイ7に排出される。
【0038】
<積載モード時>
封筒の封緘部分の検品を必要しない場合、ユーザーが積載モードを選択し、上記変位センサ169等による検品処理部を通過せず封筒の積載を行う。この場合も、封筒フラップ検品装置5の上流機から排出されてきた封筒が入口センサ161で検知された後、各搬送ローラが駆動されて封筒の搬送が開始される。このとき分岐爪163によって封筒は下搬送路164に搬送される。その後、封筒は、スタック排紙センサ175を通過し、スタックトレイ178上に搬送される。スタックトレイ178に搬送されてきた封筒は先端ジョガー177およびサイドジョガー178によって適切に用紙揃えが行われる。このスタックトレイ178は封筒検品装置5の前方カバーを開いているときに手前側に引き出して封筒を回収することができる。
【0039】
図15は、本実施形態の画像形成システムにおいて外部装置から画像形成装置1のハードディスクへ封入文書データの蓄積する制御を行う制御系の主要部のブロック図である。画像形成装置1の本体100に設けられた制御手段としての制御装置120は、操作パネル1A、給紙装置1Bの給紙制御部200およびハードディスク80と通信可能に接続されている。また、制御装置120は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)等の通信インターフェース(I/F)208を介して外部装置(情報処理装置)としてのパーソナルコンピューター(PC)装置と通信可能に構成され、PC装置から画像データを含む複数の印刷ジョブのデータを受信することができる。PC装置から受信した印刷ジョブのデータは、制御装置120を通して、画像形成装置1の内部のハードディスク80に記憶される。
【0040】
制御装置120は、例えばCPU、ROM、RAM等で構成することができる。CPUは、ROMに格納されたプログラムコードをRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながらプログラムコードで定義された制御を実行する。これらのCPU、ROM及びRAMや、各種センサ、各種モータ等をハードウェア資源としてプログラムを実行することにより各部の制御が行われる。また、制御装置120は、所定のプログラムおよび印刷ジョブのデータに基づき制御を実行することにより、用紙への画像形成および封筒の封入・封緘を伴う印刷ジョブを実行することができる。
【0041】
給紙装置1Bの給紙制御部200は、画像形成装置1の制御装置120との間で所定の通信インターフェース(I/F)207を介して相互に通信可能である。また、制御装置120と用紙後処理装置3の用紙後処理装置制御部210との間、その用紙後処理装置制御部210と封入封緘装置4の封入封緘装置制御部211との間、および、その封入封緘装置制御部211と封筒検品装置5の封筒検品装置制御部212との間についても、所定の通信インターフェース(I/F)209を介して相互に通信可能に構成されている。これらの給紙制御部200、用紙後処理装置制御部210、封入封緘装置制御部211および封筒検品装置制御部212は、制御装置120と同様に、例えばCPU、ROM、RAM等で構成することができ、所定のプログラムコードで定義された制御を実行することができる。以上の構成の制御系において、制御装置120は、給紙制御部200、用紙後処理装置制御部210、封入封緘装置制御部211および封筒検品装置制御部212の協働した制御が可能となっている。
【0042】
また、画像形成装置1の制御装置120および操作パネル1A、あるいは、画像形成装置1の制御装置120および所定のプリンタドライバが組み込まれた外部装置(PC)は、次の各手段(1)乃至(3)として機能することができる。
(1)封緘を伴う封入文書の印刷ジョブのグループおよび封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブのグループの実行する順序を変更する手段。
(2)封入文書の印刷ジョブの実行指示を受けた時間、その封入文書の印刷ジョブの実行指示をしたユーザー名、印刷ジョブで処理する用紙の枚数および印刷ジョブの名称の少なくとも一つに基づく印刷ジョブの実行順序の並び替えと、印刷ジョブにおける封緘の有無に基づく印刷ジョブの実行順序の並び替えとを切り換える手段。
(3)封入文書の印刷ジョブそれぞれの実行順序を変更する手段。
【0043】
図16乃至図18は、本画像形成システムにおいて指定文書の用紙への印刷および封筒への封入および封緘を伴う印刷ジョブを行うときにPCのプリンタドライバで表示される印刷画面群の説明図である。任意の封入したい文書の印刷を選択すると、PCの画面上に、図16に示す画面301が表示される。画面301上のタブ302にて、様々な印刷設定(例えば、基本設定、初期設定、仕上げ方法、ステイプル方法)を選択できるようになっている。ただし、ここでは「封入」以外の項目に関しては、本発明とは関係が薄いので省略する。タブ302の「封入」上で封入文書の蓄積設定を行うことができる。
【0044】
まず、印刷方法として選択肢303で「封入文書の蓄積」を選択する。矢印304を押す(クリックする操作の場合を含む。以下同様。)と数種類の印刷方法が画面に表示されるので、その中から選択する。選択肢303では、「封入文書の蓄積」以外に「通常印刷」「お試し印刷」などの設定が選択可能となっており、封入文書として蓄積せずに、通常の印刷モードへの遷移も容易に行うことが可能となっている。また、封入文書の印刷設定として、選択肢305にてカラー、白黒印刷の選択、選択肢306にて封筒の封緘処理(封緘有無)の選択、選択肢307にて原稿サイズの選択、選択肢309にて用紙の原稿方向を「縦」「横」のいずれかを選択、をすることができる。なお、選択肢307にて原稿サイズの選択を行う際に、必要であればその下のチェックボックス308で「変倍」にチェックすることにより、その下の灰色で記載されている変倍詳細設定が設定可能になる。
【0045】
封入文書を封入する封筒の設定は、図17の画面313上で行う。この画面313は、画面301上のボタン310「封筒の詳細」を押すことで表示される。画面313上では封筒を給紙するトレイの設定を行う。矢印316を押すと数種類のトレイが選択肢317に表示されるので、封筒が給紙されているトレイを選択する。ここでは、トレイ1にA3サイズでフラップ長が10mmの封筒がセットされた場合の例を示す。画面313の選択肢317の下には、ハードディスク80上に記録されているトレイ1の情報(封筒サイズ、フラップ長)を制御装置120を介してPC上へ表示できるようになっている。そのため、ユーザーがトレイを選択する際にどのトレイに封筒を給紙したのか、画像形成装置1の給紙トレイを確認しなくてもPCの画面上で確認できる。画面313上に表示されているそれぞれの内容は、選択肢314の「OK」を押すことで確定され、図示しないPC上のRAMへ封筒の設定が一時保存される。選択肢315の「キャンセル」を押すと、画面313は消え、画面301へ戻る。
【0046】
図18の確認画面318では、封入文書の蓄積と封筒への封入封緘の選択が可能となっている。ボタン319「はい」が押されると、画面318は消え、封入文書の封筒への封入が開始される。封緘処理が選択されていれば、封緘も行われる。一方、ボタン320の「いいえ」が押されると、文書の蓄積のみが開始され、画面301および画面318は消える。ボタン321の「キャンセル」が押されると、封入文書の蓄積のキャンセルが行われ、画面318が消え、画面301へと戻る。
【0047】
図19乃至図25は、本画像形成システムにおいてハードディスクに蓄積された封入文書の封緘有りの印刷ジョブおよび封緘無しの印刷ジョブのグループ分けを行うときにPCのプリンタドライバで表示される印刷画面群の説明図である。
ハードディスク80内に蓄積された封入文書はプリンタドライバの図16の画面301上の「蓄積文書の詳細」351にて確認することが可能となっている。この「蓄積文書の詳細」351を押すと、図19の画面352上に、ハードディスク80内に蓄積されている封入文書一覧が表示される。この例では全部で8文書の封入文書が登録されている。画面352上には、ユーザー名、文書名、印刷枚数、封緘有無、印刷順序が表示される。このとき、登録されている封入文書は封緘の有無によって「封緘無し」のグループと「封緘有り」のグループとに分けられる。このグループ分けは、画像形成装置1の制御装置120にて行われる。
【0048】
画面352上では、「封緘無し」が印刷順位の上位に表示される設定となっているが、「印刷順位の設定」353によって印刷の優先順位を設定することが可能となっている。「印刷順位の設定」353を押下すると、図20の画面354が表示される。この画面354には、現在の印刷優先順位の設定が表示される。本実施形態における初期設定(デフォルトの設定)は画面354の設定と同一である。
【0049】
画面354において「封緘無し」の文書が「封緘有り」の文書よりも印刷優先順位が高いのは、次のような理由に基づくものである。すなわち、前述の図11を用いて説明したように、封筒の封緘を行うめには高温溶融した封緘剤であるホットメルト糊28が必要であり、そのホットメルト糊28のためには、ホットメルト糊28の糊膜が表面に形成される塗布ローラとしての回転ローラ27をあらかじめ熱する時間が必要となる。そこで、「封緘無し」の封入文書の印刷ジョブである封入印刷群を先に実行することにより、その封入印刷群の封入作業している間に、上記回転ローラ27をあらかじめ熱する作業が可能になり、生産性が向上する。また、あらかじめ印刷する「封緘無し」の封入文書群がわかっているので、「封緘無し」の封入文書群の印刷ジョブの時間から逆算し、回転ローラ27のヒータへの電力供給タイミングを設定することにより、回転ローラ27のヒータへ加える電力の無駄を最小限に抑えることが可能である。
【0050】
画面354の選択肢355では「封緘有無」、「受信時間」および「ユーザー名」の3つの選択が可能となっており、印刷優先順位1および印刷優先順位2の選択設定に基づいて印刷優先順位3の設定も自動で変更される。また、選択肢356では封緘有無の設定の優先順位を「有」か「無」のいずれかを選択することが可能である。設定された内容は、選択肢357の「はい」を押すことで確定され、印刷順位設定のデータがPCから画像形成装置1へ送信される。画像形成装置1は、PCから受信した印刷順位設定のデータに基づいて各文書の印刷順位を変更し、そのデータはPC側へ参照可能とする。選択肢358の「キャンセル」を押すと、画面画面354は消え、画面354上で変更されたデータは更新されずに画面352へ戻る。
【0051】
図19の画面352上の「封緘有無」359を押下することにより、「封緘無し」の封入文書のグループが印刷順位の上位であったものを、「封緘有り」の封入文書のグループへ変更することができる(図21参照)。図21の状態から再度「封緘有無」359を押下すると、印刷の優先順位は「封緘有り」から「封緘無し」へ変更され、図19の画面へ戻る。
また、図19の画面352上の「受信時間」360を押下することにより、「受信時間」の順序で、つまり、受信時間が早い順で封入文書の印刷優先順位がソートされる(図22参照)。図22の状態から再度「受信時間」360を押下すると、受信時間が遅い順で封入文書の印刷優先順位がソートされる。
同様に、図19の画面352上の「ユーザー名」361を押下することにより、「ユーザー名」の順序で封入文書の印刷優先順位のソートも可能である。
なお、ここでは「封緘有無」、「受信時間」、「ユーザー名」の3つで印刷優先順位のソートを可能としたが、画面352上の「文書名」や「枚数」で印刷優先順位のソートをかけることもできる。
【0052】
図19の画面352上のボタン362は、画面352上で表示できる封入文書がここでは8件としているため、総文書数が9件以上であった場合に9件目以降の表示を可能とするボタンである。また、それぞれの封入文書はボタン363にて選択可能となっており、選択状態(アクティブ)になっている封入文書が1つの場合、ボタン380にて封入文書の印刷順序の変更が可能となっている。
【0053】
図19の状態でボタン380を押下すると、図23の画面381が表示される。画面381には、アクティブな封入文書の詳細が記載されている。印刷順序の設定を変更するには、選択肢382から印刷順序を選択すればよい。また、図16の画面301上にあるボタン310の「封筒の詳細」で設定した封筒の設定も、選択肢383にて変更可能となっている。画面381でボタン384の「OK」を押下すると、封入順序の変更あるいは封筒の給紙トレイの変更が行われ、同時にハードディスク80から削除する命令をPCから画像形成装置1へ送信し、図19の画面352へ戻る。ボタン376の「キャンセル」を押下すると、編集処理はされずに図19の画面352へと戻る。
【0054】
また、図19の画面352上で選択状態(アクティブ)になっている封入文書は、ボタン364で削除が可能となっている。例えば、図19の画面352の状態でボタン364を押下すると、文書1は削除され、画面352上から消える。ただし、ボタン365の「OK」が押下されるか、ボタン367の「印刷」により印刷されない限り、画像形成装置1上のハードディスク80から封入文書のデータは削除されない。
【0055】
図19の画面352上ですべての封入文書をアクティブにするには、ボタン368の「すべての文書を選択」を押下すればよい。また、すべての封入文書がアクティブになっている状態でボタン368の「すべての文書を選択」を押下すると、すべての封入文書は非選択状態になる。
【0056】
図19の画面352上のボタン365の「OK」が押下されると、封入文書の印刷順序と削除した封入文書の更新データがPCから画像形成装置1へ送信され、制御装置120を通してハードディスク80の内容が更新され、図16の画面301へ戻る。図19の画面352上のボタン366の「キャンセル」が押下されると、画面352上で行われた情報は更新されず(印刷順序の設定は除く)、図16の画面301へ戻る。
【0057】
図19の画面352上のボタン367の「印刷」は、いずれかの1つの封入文書363がアクティブな状態で押下可能であり、図19の画面352の例では「文書1」のみが印刷される状態である。ボタン367の「印刷」を押下すると、図24の画面370が表示される。画面370でボタン371の「はい」を押下すると、図19の画面352上のアクティブな封入文書が印刷順序に従って印刷する状態となり、図25の画面373が表示される。図24の画面370でボタン372の「キャンセル」を押下すると、印刷はされずに図19の画面352へと戻る。
【0058】
図25の画面373では、印刷した封入文書を画像形成装置1のハードディスク80から削除するか選択することができる。ボタン374の「はい」を押下すると、図19の画面352上のアクティブな封入文書が印刷され、同時にハードディスク80から削除する命令をPCから画像形成装置1へ送信し、図16の画面301へ戻る。また、図25の画面373でボタン375の「いいえ」を押下すると、図19の画面352上のアクティブな封入文書が印刷され、図16の画面301へ戻る。また、図25の画面373でボタン376の「キャンセル」を押下すると、印刷はされずに、図19の画面352へと戻る。
【0059】
なお、本実施形態では、PCのプリンタドライバで上記各種の設定およびその変更を行う例について説明したが、画像形成装置1の操作パネル1Aを操作して上記設定およびその変更を行うようにしてもよい。
【0060】
図26は、図20に示す印刷優先順位の設定がされた場合に、PCから制御装置120へ封入文書Xが送信されたときの制御装置120における印刷優先順位を決定する制御の一例を示すフローチャートである。
PCから画像形成装置1の制御装置120に、封入文書Xの印刷ジョブのデータが送信される(S101)と、制御装置120は、PCから受信したデータに基づいて、ハードディスク80に封入文書のデータが保存されているか否かを判断する(S101,S102)。ここで、ハードディスク80に封入文書のデータが保存されていない場合(S102でNO)は、封入文書Xの印刷順位を「1」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存し(S103)、終了する。
【0061】
一方、ハードディスク80に封入文書のデータが保存されている場合(S102でYES)は、更に、封入文書Xの封緘が「無」か否かを判断する(S104)。封入文書Xの封緘が「無」の場合(S104でYES)は、更に、他の封緘「無」の封入文書があるか否か、すなわち他の封緘「無」の封入文書のデータがハードディスク80に保存されているか否かを判断する(S105)。他の封緘「無」の封入文書がある場合(S105でYES)は、その封緘「無」の封入文書を受信時間が古い順にソートし(S106)、封入文書Xは封緘「無」の封入文書の中でn番目に古いとすると(S107)、封入文書Xの順位を「n」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存する(S108)。そして、印刷順位がn以上であった上記他の封緘「無」の封入文書すべてに対して印刷順位を+1の順位に修正し(S109)、終了する。
【0062】
上記ステップS105で、他の封緘「無」の封入文書がない場合(S105でNO)は、封入文書Xの順位を「1」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存する(S110)。そして、印刷順位が2以上の封入文書すべてに対して印刷順位を+1の順位に修正する(S111)。
【0063】
上記ステップ104で、封入文書Xの封緘が「無」でない場合、すなわち封入文書Xの封緘が「有」である場合(S104でNO)は、更に、他の封緘「有」の封入文書があるか否か、すなわち他の封緘「有」の封入文書のデータがハードディスク80に保存されているか否かを判断する(S112)。他の封緘「有」の封入文書がある場合(S112でYES)は、その封緘「有」の封入文書を受信時間が古い順にソートし(S113)、封入文書Xは封緘「有」の封入文書の中でm番目に古いとすると(S114)、封入文書Xの順位を封緘「無」の封入文書の総数「p」+「m」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存する(S115)。そして、印刷順位が「p」+「m」以上の封入文書すべてに対して印刷順位を+1の順位に修正する(S116)。
【0064】
上記ステップS112で、他の封緘「有」の封入文書がない場合(S112でNO)は、封緘「無」の封入文書の総数「p」+「1」にして封入文書Xのデータをハードディスク80に保存し(S117)、終了する。
【0065】
以上、本実施形態によれば、封緘を伴う複数の封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの封入文書の印刷ジョブとが混在する場合、封緘を伴う封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブとにグループ分けして印刷ジョブを実行する順序を制御することにより、封緘を伴う複数の封入文書の印刷ジョブのグループについて各印刷ジョブを連続して実行できる。従って、封緘のための初期立ち上げ動作は、封緘を伴う複数の封入文書の印刷ジョブのグループを実行する前に1回だけ行えばよくなるので、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止することができる。しかも、封緘を伴う封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブとを交互に行う場合とは異なり、封緘を伴う封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブとの切り換えも1回で済むため、ジョブ切り換えに起因した生産性の低下を抑制することができる。よって、封緘を伴う複数の封入文書の印刷ジョブと封緘を伴わない少なくとも一つの封入文書の印刷ジョブとが混在する場合でも、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止するとともに、封緘済み封筒の生産性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、外部装置のPC又は操作パネル1Aを操作することにより、封緘を伴う封入文書の印刷ジョブのグループおよび封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブのグループの実行する順序を任意に変更することができるので、封入文書の印刷ジョブの実行順序について自由度を確保できる。
また、本実施形態によれば、外部装置のPC又は操作パネル1Aを操作することにより、封入文書の印刷ジョブの実行指示を受けた時間、その封入文書の印刷ジョブの実行指示をしたユーザー名、印刷ジョブで処理する用紙の枚数および印刷ジョブの名称の少なくとも一つに基づく印刷ジョブの実行順序の並び替えと、印刷ジョブにおける封緘の有無に基づく印刷ジョブの実行順序の並び替えとを、外部装置のPC又は操作パネル1Aを操作して切り換えることができるので、封入文書の印刷ジョブの実行順序について更に自由度を確保できる。
また、本実施形態によれば、封入文書の印刷ジョブの実行順序の並び替えの初期設定を、封緘の有無に基づく封入文書の印刷ジョブの実行順序の並び替えにすることにより、画像形成システムの初期状態を、封緘のための初期立ち上げ動作に起因した無駄な電力消費を防止し封緘済み封筒の生産性の低下を抑制することができ状態にすることができる。
また、本実施形態によれば、外部装置のPC又は操作パネル1Aを操作することにより、封入文書の印刷ジョブそれぞれの実行順序を任意に変更することができるので、封入文書の印刷ジョブの実行順序について更に自由度を確保できる。
また、本実施形態によれば、封緘を伴わない印刷ジョブを優先して実行することにより、封緘を伴わない封入文書の印刷ジョブを実行している間に、封緘に必要な準備動作が可能になり、生産性が更に向上する。また、あらかじめ封緘無しの封入文書群がわかっているので、その封緘無しの封入文書群の印刷ジョブの時間から逆算し、封緘に必要な準備動作の開始タイミングを設定することができるようになり、封緘に必要な準備動作時に必要な電力の無駄を最小限に抑えることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 画像形成装置
1A 操作パネル
1B 給紙装置
3 用紙後処理装置
4 封入封緘装置
5 封筒検品装置
80 ハードディスク
120 制御装置
200 給紙制御部
207 通信インターフェース(I/F)
208 通信インターフェース(I/F)
209 通信インターフェース(I/F)
210 用紙後処理装置制御部
211 封入封緘装置制御部
212 封筒検品装置制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開平9−058619号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封筒を供給する封筒供給手段と、前記封筒に封入する用紙を供給する用紙供給手段と、前記用紙又は前記封筒に画像を形成する画像形成手段と、前記封筒に前記用紙を封入する封入手段と、前記用紙が封入された封筒に封緘剤を付けて封緘する封緘手段と、を備えた画像形成システムであって、
前記封緘を伴う複数の画像形成ジョブと前記封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在した場合に、前記封緘を伴う画像形成ジョブと前記封緘を伴わない画像形成ジョブとにグループ分けして各画像形成ジョブを実行する順序を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1の画像形成システムにおいて、
前記封緘を伴う画像形成ジョブのグループおよび前記封緘を伴わない画像形成ジョブのグループの実行する順序を変更する手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項1又は2の画像形成システムにおいて、
画像形成ジョブの実行指示を受けた時間、画像形成ジョブの実行指示をしたユーザー名、画像形成ジョブで処理する用紙の枚数および画像形成ジョブの名称の少なくとも一つに基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えと、画像形成ジョブにおける封緘の有無に基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えとを切り換える手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項3の画像形成システムにおいて、
前記画像形成ジョブの実行順序の並び替えの初期設定は、前記封緘の有無に基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えであることを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかの画像形成システムにおいて、
前記複数の画像形成ジョブそれぞれの実行順序を変更する手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかの画像形成システムにおいて、
前記制御手段は、前記封緘を伴わない画像形成ジョブを優先して実行するように制御することを特徴とする画像形成システム。
【請求項1】
封筒を供給する封筒供給手段と、前記封筒に封入する用紙を供給する用紙供給手段と、前記用紙又は前記封筒に画像を形成する画像形成手段と、前記封筒に前記用紙を封入する封入手段と、前記用紙が封入された封筒に封緘剤を付けて封緘する封緘手段と、を備えた画像形成システムであって、
前記封緘を伴う複数の画像形成ジョブと前記封緘を伴わない少なくとも一つの画像形成ジョブとが混在した場合に、前記封緘を伴う画像形成ジョブと前記封緘を伴わない画像形成ジョブとにグループ分けして各画像形成ジョブを実行する順序を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
請求項1の画像形成システムにおいて、
前記封緘を伴う画像形成ジョブのグループおよび前記封緘を伴わない画像形成ジョブのグループの実行する順序を変更する手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
請求項1又は2の画像形成システムにおいて、
画像形成ジョブの実行指示を受けた時間、画像形成ジョブの実行指示をしたユーザー名、画像形成ジョブで処理する用紙の枚数および画像形成ジョブの名称の少なくとも一つに基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えと、画像形成ジョブにおける封緘の有無に基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えとを切り換える手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項4】
請求項3の画像形成システムにおいて、
前記画像形成ジョブの実行順序の並び替えの初期設定は、前記封緘の有無に基づく画像形成ジョブの実行順序の並び替えであることを特徴とする画像形成システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかの画像形成システムにおいて、
前記複数の画像形成ジョブそれぞれの実行順序を変更する手段を備えたことを特徴とする画像形成システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかの画像形成システムにおいて、
前記制御手段は、前記封緘を伴わない画像形成ジョブを優先して実行するように制御することを特徴とする画像形成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2012−91349(P2012−91349A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238865(P2010−238865)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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